WO2023095293A1

WO2023095293A1 - シート材容器

Info

Publication number: WO2023095293A1
Application number: PCT/JP2021/043429
Authority: WO
Inventors: 貴博大塚
Original assignee: 花王株式会社
Priority date: 2021-11-26
Filing date: 2021-11-26
Publication date: 2023-06-01

Abstract

複数の樹脂フィルムが積層された、金属箔および金属蒸着フィルムをいずれも含まないシート材により構成されているシート材容器であって、このシート材は第１フィルムと第２フィルムとを含み、このシート材が折り畳まれ、周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋されて、第２フィルムの内側に収容物を収容する収容領域が形成されており、第１フィルムと第２フィルムとの間には、第１フィルムと第２フィルムとが接合しているフィルム接合部と、第１フィルムと第２フィルムとが非接合であり且つ充填材が封入されている充填材封入部と、が備わり、第１フィルムまたは第２フィルムは、少なくとも収容領域を包囲している容器本体領域の全面に、着色成分によって着色された屈折率が１．８以上の着色樹脂フィルム層を含み、さらに充填材封入部が少なくとも容器本体領域に備わる、シート材容器。

Description

シート材容器

　本発明は、シート材容器ならびに容器詰め品に関する。

　廃棄物量削減などを目的として、複数のフィルムが積層され、その層間に空気などの充填材が封入された構造であるシート材容器が開発されている。例えば特許文献１には、収容物を収容する内容器と、複数のフィルム層を積層した被覆体構成シート材で構成されていて内容器を覆っている被覆体と、を備えるシート材容器であって、この被覆体構成シート材は、複数のフィルム層どうしが接合しているフィルム領域（接合領域）と、複数のフィルム層の層間に空気などの充填材が存在していてフィルム領域よりも被覆体構成シート材の厚み方向に膨らんでいる充填材封入部とを備え、さらに、内容器と被覆体との間に外気を導入させる外気導入部を備えるシート材容器について記載されている。
先行技術文献
　特許文献１　特許第６１９３５３５号公報

　本発明は、複数の樹脂フィルムが積層された、金属箔および金属蒸着フィルムをいずれも含まないシート材により構成されているシート材容器であって、前記シート材は、第１フィルムと、第２フィルムと、を含み、前記シート材が、前記シート材容器において前記第１フィルムが前記第２フィルムよりも外側に配置されるように折り畳まれ、周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋されて、前記第２フィルムの内側に収容物を収容する収容領域が形成されており、前記第１フィルムと前記第２フィルムとの間には、前記第１フィルムと前記第２フィルムとが接合しているフィルム接合部と、前記第１フィルムと前記第２フィルムとが非接合であり且つ充填材が封入されている充填材封入部と、が備わり、前記第１フィルムまたは前記第２フィルムは、少なくとも前記収容領域を包囲している容器本体領域の全面において、着色成分によって着色された屈折率が１．８以上の樹脂フィルム層である着色樹脂フィルム層を含み、さらに前記充填材封入部が少なくとも前記容器本体領域に備わるシート材容器に関する。

本発明の第１実施形態に係るシート材容器の斜視図である。図１のシート材容器におけるＩＩ－ＩＩ線に沿ったシート材の部分断面図である。本発明の第２実施形態に係るシート材容器を構成しているシート材の部分断面図である。本発明の第２実施形態に係るシート材容器を構成しているシート材の変形例の部分断面図である。本発明の第２実施形態に係るシート材容器を構成しているシート材の別の変形例の部分断面図である。本発明の第２実施形態に係るシート材容器を構成しているシート材のさらに別の変形例の部分断面図である。本発明の第２実施形態に係るシート材容器の変形例の斜視図である。図７のシート材容器を構成しているシート材および保護カバーの部分断面図である。

発明の詳細な説明

　特許文献１に記載されたシート材容器は、充填材封入部に充填材が封入されることにより剛性が付与されてその構造が維持されるため、シート材の薄肉化が可能である。また、その収容物を使い切った後は、充填材封入部から充填材を除去してその剛性を失わせ、容器を小さく押しつぶすことができるため、廃棄物の量や容積の削減が可能である。
　しかしながら、このようなシート材容器については、リサイクル性などにおいてさらなる改善が求められている。本発明者の検討によれば、特許文献１に記載されたシート材容器は、廃棄物の量や容積を削減できる点などにおいて優れているが、特に、収容物に対する遮光性とこのシート材容器からリサイクルされたリサイクル樹脂の品質とを両立させる点などにおいてさらなる改善の余地がある。

　本発明によれば、容器としての剛性を保持しつつ収容物に対する遮光性に優れ、さらに、リサイクルすることによって品質の高いリサイクル樹脂を得ることが可能なシート材容器、ならびにこのシート材容器を用いた容器詰め品を提供することができる。

　以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、一部の図面については、便宜上、符号を付していない（省略している）箇所がある。さらに、図面に示された各部材の寸法比率は、発明の理解を容易にするために、実際の寸法比率とは異なる場合がある。

〔全体構成〕
　まず、図１、図２、および図７を用いて本実施形態に係るシート材容器の全体構成について説明する。
　本発明に係るシート材容器は、複数の樹脂フィルムが積層された、金属箔および金属蒸着フィルムをいずれも含まないシート材により構成されているものであって、以下の実施形態を包含する。

　本実施形態に係るシート材容器１００は、例えば図１および図２に示されるような構成である。具体的には、本実施形態に係るシート材容器１００は、複数の樹脂フィルムが積層された、金属箔および金属蒸着フィルムをいずれも含まないシート材２００により構成されているシート材容器１００であって、このシート材２００は、樹脂フィルムとして、第１フィルム１と、第２フィルム２と、を含む。そして、このシート材２００が、シート材容器１００において第１フィルム１が第２フィルム２よりも外側に配置されるように折り畳まれ、周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋されて、第２フィルム２の内側に収容物を収容する収容領域６１が形成されている。さらに、第１フィルム１と第２フィルム２との間には、第１フィルム１と第２フィルム２とが接合しているフィルム接合部６と、第１フィルム１と第２フィルム２とが非接合であり且つ充填材が封入されてフィルム接合部６よりもシート材２００の厚み方向に膨らんでいる充填材封入部５と、が備わる（図２）。そして、第１フィルム１または第２フィルム２は、少なくとも収容領域６１を包囲している容器本体領域６３の全面において、着色成分によって着色された屈折率が１．８以上の樹脂フィルム層である着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａを含み、さらに上記した充填材封入部５が少なくともこの容器本体領域６３に備わる。なお、第１フィルム１と第２フィルム２との間には、フィルム接合されたフィルム接合部６および充填材封入部５の他に、さらに非接合領域を備えていても良い。
　ここで、上記した「金属箔」とは、金属を薄膜化したものを意味する。また、上記した「金属蒸着フィルム」とは、例えばアルミニウム蒸着フィルムなどのような、金属を高真空状態において電子ビームや高周波誘導などによって加熱蒸発させ、その蒸気を表面に付着（蒸着）させたフィルムを意味する。したがって、シリカやアルミナなどの無機酸化物を蒸着させた蒸着フィルム（シリカ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルムなど）はこの金属蒸着フィルムには包含されない。つまり、本実施形態に係るシート材容器１００を形成しているシート材２００は、無機酸化物の蒸着フィルムを含んでいても良い。

　そして、本実施形態に係るシート材容器１００は、例えば以下の方法により作製することができる。まず、いずれも金属箔および金属蒸着フィルムを含まず、且つ少なくとも一方に上記した着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａを含む第１フィルム１と第２フィルム２とを相互に積層して部分的に接合し、必要であれば金属箔および金属蒸着フィルムを含まない他の樹脂フィルムをさらに積層して、第１フィルム１と第２フィルム２との間に充填材封入部５が形成されたシート材２００を作製する。そして、このシート材２００を、第１フィルム１が第２フィルム２よりも外側（容器外部側）に配置されるようにし、同時に、容器本体領域６３の全面に着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａが含まれ且つ容器本体領域６３に充填材封入部５の少なくとも一部が配置されるように折り畳み、シート材２００の周縁部どうしの少なくとも一部をヒートシール等により接合することによって製袋して収容領域６１を形成し、さらに不要な部分を切断等により除去することによって、本実施形態に係るシート材容器１００を作製することができる。なお、シート材２００が金属箔および金属蒸着フィルムをいずれも含まない構成であれば、本実施形態に係るシート材容器１００に金属を含む部材をさらに付加しても良い。但し、その場合でも、例えばアルミニウム蒸着フィルムを含むラベル等をシート材２００の表面に貼付するなどのような、付加した金属を含む部材がシート材２００と分離可能な構成とする。なお、本実施形態に係るシート材容器１００のリサイクルのし易さなどの観点から、本実施形態に係るシート材容器１００は全体として金属箔および金属蒸着フィルムをいずれも含まない（シート材容器１００を形成しているシート材２００および付加部材がいずれも金属箔および金属蒸着フィルムを含まない）構成であるのがより好ましく、全体として金属箔および金属蒸着フィルムだけでなく金属を実質的に含まない構成であるのがさらに好ましい。

　また、充填材封入部５は、例えば図１または図７に示すように、本実施形態に係るシート材容器１００の容器本体領域６３（胴部１０６、天マチ部１０４の一部等）における周縁などに一繋がりとなるように形成される。そして、収容物の収容前あるいは収容後において、充填材封入部５に、例えばシート材２００を構成している樹脂フィルムと一体として設けられ充填材封入部５と連通している非接合領域がその外縁まで達している充填材導入部などから充填材が導入され、図２に示すように充填材封入部５がシート材２００の厚み方向に膨らむことにより、本実施形態に係るシート材容器１００の容器本体に剛性が付与される。つまり、容器本体に高い自立性、圧縮強度、スクイズバック性などが付与される。これにより、シート材２００に使用する樹脂量を低減させることができ、つまりシート材２００を薄肉化することができる。なお、この充填材導入部は、充填材を導入後に適宜の方法により封止され、必要に応じて切除される。

　ここで、充填材封入部５は、上記したような一繋がりではなく互いに独立して複数形成されていても良い。また、充填材封入部５は、少なくとも容器本体領域６３の一部に形成されていれば良く、これ以外の領域にも形成可能である。そして、シート材容器１００に収容された収容物を使い切った後には、この充填材封入部５から充填材を除去することによって容器本体は剛性を失うため、本実施形態に係るシート材容器１００を容易に小さく押しつぶすことができる。この結果として、廃棄物の量や体積を削減でき、環境負荷の低減が期待できる。

　この充填材封入部５に封入される充填材は、流体（気体または液体）、固体（例えば粉粒体、樹脂ペレット等）または半固体（例えば、発泡材等）とすることができるが、充填材封入部５に封入されている充填材が気体（ガス）であるのがより好ましい。充填材が封入された充填材封入部５がガス層となり、このガス層と、このガス層を挟んでいる第１フィルム１または第２フィルム２に含まれる着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａと、の組み合わせによって収容物に対する遮光性がより高まるからである。充填材として用いる気体としては、空気、窒素、酸素、不活性ガス（アルゴン、ヘリウムなど）などが例示され、コストなどの観点から空気を用いるのが好ましい。そして、この充填材封入部５の内圧は、限定されるものではないが、シート材容器１００に十分な剛性を付与するという観点から、例えば、ゲージ圧力換算で１０ｋＰａ以上であるのが好ましく、２０ｋＰａ以上であるのがより好ましい。そして、５００ｋＰａ以下であるのが好ましく、１００ｋＰａ以下であるのがより好ましい。

　このようにして、例えば図１に示す形状などのような、第１フィルム１の内側（容器内部側）に第２フィルム２が配置され、この第２フィルム２の内側に、収容物を収容する領域であって第２フィルム２に収容物が直接接触するかあるいは第２フィルム２の内側に配置された他の樹脂フィルムに収容物が直接接触するような形態である収容領域６１を有し、充填材封入部５に充填材が封入された、本実施形態に係るシート材容器１００を形成することができる。なお、この本実施形態に係るシート材容器１００には、例えば図１に示すような、自立可能な形態となるようにするための、容器底部となる底マチ部１０３が設けられていても良く、さらにこの底マチ部１０３とは反対側の端部に容器天面部となる天マチ部１０４が設けられていても良い。また、本実施形態に係るシート材容器１００の自立性をより高めるために、容器底部側（例えば自立させたときに容器底部となる底マチ部１０３の側端など）にスカート部１０８が設けられていても良い。あるいは、本実施形態に係るシート材容器１００は、容器本体の前面側あるいは後面側で寝かせて配置することを想定した実施形態であっても良い。

　なお、上記したスカート部１０８は、例えば以下のような構成であって良い。まず、この実施形態に係るシート材容器１００は、容器本体の前面側あるいは後面側の容器本体領域６３である胴部１０６の側縁部に、容器本体の前面を構成するシート材２００と後面を構成するシート材２００との側縁部どうしが接合された側部シール部１０１が上下、つまり容器底部側を下とした場合の上下方向に延在して形成されている。そして、この側部シール部１０１の下側の部位に、シート材２００の一部により構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが配置されているとともに、この前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部どうしが接合された前後シール部が形成されている。そして、この前後シール部を介して前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが一繋がりになり、シート材容器１００の底部の側端に配置されるスカート部１０８が形成されている。ここで、この「下側」とは、シート材容器１００の容器底部側である。なお、この前後シール部は、シート材容器１００の落下強度向上という観点から、側部シール部１０１と連続して形成されているのが好ましい。つまり、側部シール部１０１のシール面と、前後シール部のシール面と、が繋がって形成されている構成であるのが好ましい。

　さらに、本実施形態に係るシート材容器１００には、収容物を収容あるいは排出するための開口部７０が設けられるが、この開口部７０には、例えば図１や図７に示すような、装着部７１およびヘッド部７３を備えるポンプ付きキャップなどにより封止することが可能なスパウト８１が設けられていても良い。なお、このスパウト８１は、リサイクル性を高める観点から、シート材２００を構成するフィルムのいずれかと同じ樹脂素材により構成されたものであるか、またはシート材２００との分離が容易な構成であるのが好ましい。また、このスパウト８１には、上記した開口部７０の封止を行うネジ山が設けられていても良い。あるいは、本実施形態に係るシート材容器１００は、その開口部７０が収容領域６１におけるシート材２００どうしの非接合部分であり、この非接合部分から収容物を収容し、超音波シール、接合剤シール、ヒートシール等によってこの非接合部分が密封される実施形態（図示せず）あっても良く、容器本体の形態やシート材２００の構成などに応じて適宜選択可能である。

　そして、本実施形態に係るシート材容器１００は、シート材２００が最も容器内部側に第２フィルム２が配置された構成であり、この第２フィルム２の周縁部どうしが接合されることによって収容領域６１が形成されている実施形態（第１実施形態）であっても良く、あるいは、シート材２００が第２フィルム２の内側に配置された第３フィルム３をさらに含み、この第３フィルム３の内側に収容領域６１が形成されており、さらにこの第３フィルム３も、少なくとも収容領域６１を包囲している容器本体領域６３の全面において、着色成分によって着色された屈折率が１．８以上の樹脂フィルム層である着色樹脂フィルム層３１ａを含む実施形態（第２実施形態）であっても良い。

　この第２実施形態は、第１フィルム１と、この第１フィルム１の容器内部側に配置されて第１フィルム１と接合された第２フィルム２と、この第２フィルム２の容器内部側に配置された第３フィルム３と、を含む複数の樹脂フィルムが積層されたシート材２００により構成されている。そして、第３フィルム３の内側に、第３フィルム３の周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋されて形成された収容領域６１が存在する。つまり、第３フィルム３により形成された内容器１２０を備えるシート材容器１００である。この第２実施形態では、着色樹脂フィルム層３１ａを含むこの第３フィルム３が内容器１２０となる構成であることによって収容物に対する遮光性がさらに高まり、且つ収容物のスクイズやポンピングなどによる排出がよりし易くなっている。

　なお、この内容器１２０を形成する第３フィルム３には、開口部７０として前述したスパウト８１などが設けられていても良い。また、第３フィルム３と第２フィルム２とは、全体にわたって非接合であるか、あるいは第３フィルム３と第２フィルム２との周縁部の少なくとも一部が互いに接合された状態であると、収容物を使用する際に内容器１２０が容易に縮小して、収容物が最後まで排出され易くなる。但し、第３フィルム３と第２フィルム２とが全体にわたって非接合である場合でも、内容器１２０となる第３フィルム３が第２フィルム２の内側に保持される構成であることが好ましい。そして、この第３フィルム３と第２フィルム２との間には、上記したような内容器１２０の縮小をし易くするために、外気を導入させる外気導入部を設けても良い。

　また、本実施形態に係るシート材容器１００は、例えば図７に示すように、さらに、樹脂フィルムにより構成され且つ少なくとも容器本体領域６３の外面の一部を覆っている保護カバー３００を備える実施形態であると、容器本体領域６３における保護カバー３００とシート材２００との間の隙間（空気層３０６）により収容物に対する遮光性がより高まるため好適である。また、この保護カバー３００にも着色成分によって着色された屈折率が１．８以上の樹脂フィルム層である着色樹脂フィルム層３０１が含まれると、さらに遮光性が高まるため好ましい。そして、この保護カバー３００により、容器本体を補強することもできる。特に、収容物に対する遮光性のさらなる向上や容器本体のさらなる補強という観点から、保護カバー３００が容器本体領域６３の外面全体（全面）を覆っている実施形態であるとより好ましい。さらには、本実施形態に係るシート材容器１００は充填材封入部５により剛性を有する構造であるため、充填材封入部５を有さない一般的な軟包装容器と比べて保護カバー３００を安定的に装着することができ、保護カバー３００のよれなどを抑制することができる。

　この保護カバー３００としては、例えばシュリンクフィルム（シュリンクラベル）、ストレッチフィルム（ストレッチラベル）、巻ラベルなどが例示される。そして、この保護カバー３００は、容器本体から取り外し可能であるように装着されている。この取り外し可能な構成としては、単に物理的な力により剥離または破断可能である実施形態や、例えば図７に示すような、保護カバー３００を破断するためのミシン目３０８が形成されている実施形態などが例示される。
　保護カバー３００がシュリンクフィルムの場合には、予め筒状に形成されたシュリンクフィルムを胴部１０６などに被せ、その後、このシュリンクフィルムを収縮させることによって、シュリンクフィルムを胴部１０６などに密着させて装着する。保護カバー３００がストレッチフィルムである場合には、予め筒状に形成されたストレッチフィルムを胴部１０６などに被せて、ストレッチフィルムの伸縮性（ゴム弾性など）によって、ストレッチフィルムが胴部１０６などに密着した状態で装着される。保護カバー３００が巻ラベルである場合には、巻ラベルを胴部１０６などの周囲に巻き付けて、巻ラベルの一端部と他端部とを接着剤等により貼り付けて、巻ラベルを胴部１０６などに密着させて装着する。
　なお、この保護カバー３００の層構成の詳細については後述する。

　そして、このような本実施形態に係るシート材容器１００を使用して、その収容領域６１に収容物が収容された容器詰め品を得ることができる。この容器詰め品に収容された収容物を使用する場合には、開口部７０から収容物をスクイズやポンピング等によって排出して使用する。本実施形態に係るシート材容器１００に収容する収容物の種類は、特に限定されないが、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、ボディーソープ、洗顔料、洗剤、漂白剤、柔軟剤、飲料、食品、エンジンオイルなどが挙げられる。
　また、この収容物は、液体（ペースト状のものを含む）であっても良いし、固体（例えば、粒状のもの（顆粒状のものを含む）、或いは粉状のものなど）であっても良い。
　収容物が液体である場合には、その粘度は、例えば３０℃において１ｍＰａ・ｓ以上であることが好ましく、そして、１２万ｍＰａ・ｓ以下であることが好ましく、６万ｍＰａ・ｓ以下であることがより好ましい（いずれもＢ型粘度計（例えば東機産業社製ビスコメーターＴＶ－１０またはビスコメーターＴＶＢ－１０など）により測定）。

〔シート材の構成〕
　次に、本発明に係るシート材容器を構成しているシート材に関する好ましい実施形態について、図２から図６を用いて詳細に説明する。
　ここで、図３から図６においては、本発明に係るシート材容器を構成しているシート材の実施形態をわかりやすく示すために、便宜上、第１フィルムと第２フィルムとを離した状態として図示しているが、これらがフィルム接合された状態において、充填材封入前の充填材封入部および非接合領域では、各フィルムが非接合で当接していても良い。同様に、第３フィルムも第２フィルムと非接合で当接していても良く、また、後述する図８についても同様である。

　本実施形態に係るシート材容器１００を構成しているシート材２００は、複数の樹脂フィルムが積層された構成であり、この複数の樹脂フィルムには、少なくとも第１フィルム１と第２フィルム２とが含まれる。そして、このシート材２００は、リサイクル樹脂へのリサイクルを行う際に物性等の低下要因となる金属箔および金属蒸着フィルムをいずれも含まない構成である。さらに、この第１フィルム１と第２フィルム２との間には、前述したように、第１フィルム１と第２フィルム２とが接合しているフィルム接合部６と、第１フィルム１と第２フィルム２とが非接合であり且つ充填材が封入されている充填材封入部５と、が備わる。

　フィルム接合部６の形成は、ヒートシールや接合剤などにより行うことができる。また、非接合部である充填材封入部５の形成は、ヒートシールによりフィルム接合部６を形成する場合におけるパターン加熱や、接合剤によりフィルム接合部６を形成する場合における接合剤のパターン塗工や糊殺し剤の使用などにより行うことができる。そして、充填材封入部５は、充填材が封入されることにより、収容物の収容前などにおいても本実施形態に係るシート材容器１００に剛性を付与することができる。
　なお、フィルム接合部６をヒートシールにより形成する場合のヒートシール条件は、第１フィルム１および第２フィルム２を構成する樹脂素材の特性などによって適宜設定が可能であるが、例えば、１１０℃以上２３０℃以下のシール温度、０．１ＭＰａ以上１．０ＭＰａ以下のシール圧力、０．１秒以上１０秒以下のシール時間などが好ましいヒートシール条件として例示される。以下に示すヒートシール条件もこれと同様であって良く、また、前述したヒートシールの条件もこれと同様であって良い。

　そして、この第１フィルム１と第２フィルム２は、いずれか一方あるいは両方が、少なくとも収容領域６１を包囲している容器本体領域６３の全面において、着色成分によって着色された屈折率が１．８以上の樹脂フィルム層である着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａを含む。つまり、容器本体領域６３のシート材２００に含まれる第１フィルム１がその全面に上記した着色樹脂フィルム層１１ａを含むか、容器本体領域６３のシート材２００に含まれる第２フィルム２がその全面に上記した着色樹脂フィルム層２１ａを含むか、あるいはこの両方である。この屈折率の下限は、１．９以上であるのが好ましく、２．０以上であるのがより好ましい。また、この屈折率の上限は、限定されるものではないが、３．０以下であって良く、２．８以下であって良い。なお、この着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａはいずれも、着色樹脂により構成された層の単層であっても良く、あるいは着色樹脂により構成された層が複数連続して積層された複層であっても良いが、この複層の場合には、複層全体として屈折率が１．８以上であれば良い。なお、この複層の場合において、これに含まれる複数の着色樹脂により構成された層がいずれも屈折率１．８以上であるとより好ましい。また、この着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａはいずれも、図２から図６および図８に示すような、第１フィルム１または第２フィルム２において着色樹脂フィルム層以外の基材となる樹脂フィルム層を挟んで複数配置されている構成であっても良く、この場合、そのフィルムに含まれる複数の着色樹脂フィルム層がいずれも屈折率１．８以上となっていれば良い。そしてさらに、充填材封入部５が少なくともこの容器本体領域６３に備わる構成である。つまり、充填材封入部５が少なくとも着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａを含む領域に備わる構成である。このような着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａと充填材封入部５との組み合わせによって、本実施形態に係るシート材容器１００は、この容器を構成しているシート材２００が金属箔や金属蒸着フィルムを含まない構成であっても収容物に対する遮光性が優れており、薄肉の容器でありながら高い遮光性を有するものとなる。また、遮光性を備えるシュリンクフィルムなどではカバーしにくい領域（例えば開口部７０の周縁領域など）についても十分な遮光性を有するものとなる。よって、シュリンクフィルム等のデザインの自由度もより高まる。さらに、このシート材２００をリサイクルすることにより、品質の高いリサイクル樹脂（再生樹脂）を得ることが可能となっている。

　ここで、この「容器本体領域６３」とは、包装容器１００において収容領域６１を包囲しているシート材２００の領域、つまり収容領域６１と対向している面（収容物を取り囲む面）のシート材２００により形成されている領域である。したがって、例えば側部シール部１０１やスカート部１０８を形成しているシート材２００の領域などの、収容領域６１と対向せず、収容物を取り囲んでいない面のシート材２００により形成されている領域を含む意味ではない。また、この「全面」とは略全面の意味であり、上記では容器本体領域６３を形成している面の９５％以上であれば良く、９８％以上であるのがより好ましく、９９％以上であるのがさらに好ましい。他においても同様である。

　さらに、着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａの屈折率とは、ＪＩＳ　Ｋ７１４２：２０１４に準拠した方法によって測定される樹脂フィルム層の屈折率である。なお、前述した着色樹脂フィルム層３１ａや着色樹脂フィルム層３０１、後述する非着色樹脂フィルム層１１ｃ、２１ｃなどの屈折率についても同様である。また、着色成分は、樹脂フィルム層を着色可能な成分であれば、特段限定されない。

　第１フィルム１および第２フィルム２に含まれる樹脂フィルム層（着色樹脂フィルム層１１ａ、２１ａを含む）を構成する材料としては、樹脂素材である限り特段限定はされないが、本実施形態に係るシート材容器１００のリサイクル樹脂へのリサイクルのし易さという観点から、この樹脂フィルム層は、ポリオレフィン系樹脂（ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など）、ポリエステル系樹脂、またはポリアミド系樹脂により構成されているのが好ましい。ポリエチレン系樹脂には、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＵＬＤＰＥ）、これらのいずれかを延伸した一軸延伸ポリエチレン（ＯＰＥ）、二軸延伸ポリエチレン（ＢＯＰＥ）、エチレンビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）などが包含される。また、サトウキビの廃糖蜜などから製造されたバイオエタノールを脱水、重合することにより得られるバイオポリエチレン（ＢｉｏＰＥ）や、マレイン酸等を用いてグラフト重合などで修飾（変性）した変性ポリエチレン（変性ＰＥ、例えば無水マレイン酸変性ポリエチレンなど）、ポリエチレン系樹脂により構成されたフィルムや容器を洗浄、溶融して得られた再生ポリエチレンなども包含される。そして、これらを２種以上混合して使用しても良い。特に、第１フィルム１および第２フィルム２に含まれる樹脂フィルム層がいずれもポリオレフィン系樹脂、より好ましくはポリエチレン系樹脂により構成されたもの、つまりポリオレフィン系樹脂の単一種、より好ましくはポリエチレン系樹脂の単一種により構成されたものであると、積層間の接合やフィルムどうしの接合をヒートシールにより容易に行うことができ、ラミネート接合を行うシーラント層を形成する必要がないため好適である。さらに、シート材２００のリサイクル樹脂へのリサイクルもよりし易くなる。また、ポリエステル系樹脂には、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、非晶性ポリエチレンテレフタレート（非晶性ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポリブチレンナフタレート（ＰＢＮ）などが包含される。ポリアミド系樹脂には、ナイロン６、ナイロン１１、ナイロン１２、ナイロン４６、ナイロン６６などが包含される。

　これは、第３フィルム３に含まれる樹脂フィルム層についても同様であり、例えば、シート材２００に含まれる第１フィルム１、第２フィルム２、および第３フィルム３を含む複数の樹脂フィルムがいずれもポリオレフィン系樹脂、より好ましくはポリエチレン系樹脂により構成されている、つまりポリオレフィン系樹脂の単一種、より好ましくはポリエチレン系樹脂の単一種により構成されていると、ヒートシールによる接合が容易であり、且つこのシート材容器１００をリサイクルすることによって得られたリサイクル樹脂の品質がより高まるため好適である。

　ここで、この「単一種」とは特定の単一の種類に包含される樹脂素材の一群を意味し、例えば、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＵＬＤＰＥ）、これらのいずれかを延伸した一軸延伸ポリエチレン（ＯＰＥ）、二軸延伸ポリエチレン（ＢＯＰＥ）、エチレンビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）、バイオポリエチレン（ＢｉｏＰＥ）、変性ポリエチレン（変性ＰＥ）などは全てポリエチレン系樹脂の単一種に包含される。また、無延伸ポリプロピレン（ＣＰＰ）、延伸ポリプロピレン（ＯＰＰ）などは全てポリプロピレン系樹脂の単一種に包含される。したがって、「単一種により構成される」とは、例えばポリエチレン系樹脂の単一種の場合は、ＨＤＰＥ、ＭＤＰＥ、ＬＤＰＥ、ＬＬＤＰＥ、ＵＬＤＰＥ、ＯＰＥ、ＢＯＰＥ、ＥＶＯＨ、ＢｉｏＰＥ、および変性ＰＥからなる群などのポリエチレン系樹脂からなる群から選ばれる１以上により構成されていることを意味する。
　なお、このような構成においても、樹脂フィルム層の層間や表面（各フィルムの容器外部側または容器内部側の表面）には他の材料により構成されたコーティング層や接合層などが含まれていても良い。また、コロナ処理やプラズマ処理などによる表面処理が施されていても良い。しかしながら、リサイクルによって得られるリサイクル樹脂の品質をさらに向上させるという観点から、このシート材２００に含まれるフィルムが、樹脂フィルム層だけでなくコーティング層や接合層なども含めて、特定の単一種の樹脂素材（例えばポリオレフィン系樹脂の単一種など）を除く材料を実質的に含まない実施形態であるのが好ましい。なお、この「実質的に含まない」とは、質量割合として１％未満であることを意味し、０．５％未満であることが好ましく、０％であることが最も好ましい。他においても同様である。

　そして、このシート材２００は、例えば図２に示すように、第１フィルム１および第２フィルム２がいずれも、少なくとも容器本体領域６３の全面において着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａを含む構成であるのが好ましい。つまり、第１フィルム１が少なくとも容器本体領域６３の全面に着色樹脂フィルム層１１ａを含み、且つ第２フィルム２が少なくとも容器本体領域６３の全面に着色樹脂フィルム層２１ａを含む構成であるのが好ましい。着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａが充填材封入部５を挟んだ構成となり、充填材封入部５を挟む層間において容器外部から入射した光が反射する反射光が増加し、収容物に対する遮光性がより高まるからである。なお、このような着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａが充填材封入部５を挟んだ構成は、この着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａの層厚さを足した層厚さを有する着色樹脂フィルム層を単層で用いた構成よりも遮光性がより高くなる。したがって、このような構成によって収容物を保護するために必要な遮光性を確保するための着色樹脂フィルム層の層厚さをより低減することができ、さらなる樹脂量低減を実現することが可能となる。

　また、上記したような第１フィルム１が着色樹脂フィルム層１１ａを含み且つ第２フィルム２が着色樹脂フィルム層２１ａを含む構成のシート材２００では、容器本体領域６３の全面に含まれる着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａの少なくとも一部が、第１フィルム１においてそのフィルム厚みＤ１の中心（フィルム厚中心）で２等分したときの容器内面側に配置され、且つ、第２フィルム２においてそのフィルム厚みＤ２の中心（フィルム厚中心）で２等分したときの容器外面側に配置されている構成であるのがより好ましい。つまり、容器本体領域６３の全面において、第１フィルム１に含まれる着色樹脂フィルム層１１ａの少なくとも一部が第１フィルム１のフィルム厚みＤ１の中心で２等分したときの容器内面側に配置されており、且つ、第２フィルム２に含まれる着色樹脂フィルム層２１ａの少なくとも一部が第２フィルム２のフィルム厚みＤ２の中心で２等分したときの容器外面側に配置されている構成であるのがより好ましい。容器本体領域６３の充填材封入部５が形成されている領域において着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａがいずれも充填材封入部５により近い位置に配置されることとなるため、充填材封入部５を挟む層間において反射光がより増加し、収容物に対する遮光性がさらに高まるからである。例えば、図２に示す実施形態では、第１フィルム１においてフィルム厚みＤ１の中心（積層中心：容器外部側から２層目の着色樹脂フィルム層１１ａと３層目のガスバリア層１１ｂとの接合面を示す線と同じ）で２等分したときの容器内面側、つまり充填材封入部５に近い側に着色樹脂フィルム層１１ａの一部が配置され、且つ、第２フィルム２においてフィルム厚みＤ２の中心（積層中心：容器外部側から２層目のガスバリア層２１ｂにおける層厚さの中心と同じ）で２等分したときの容器外面側、つまり充填材封入部５に近い側に着色樹脂フィルム層２１ａの一部が配置されている。図３から図６、および後述する図８に示す実施形態においても同様であり、これらの実施形態も、着色樹脂フィルム層１１ａの少なくとも一部が第１フィルム１においてフィルム厚みの中心で２等分したときの容器内面側に配置され、且つ、着色樹脂フィルム層２１ａの少なくとも一部が第２フィルム２においてフィルム厚みの中心で２等分したときの容器外面側に配置されている構成である。なお、第１フィルム１および第２フィルム２が着色樹脂フィルム層１１ａや２１ａの単層で構成されている場合には、必然的に上記構成となる。また、この「フィルム厚み」とは、基材層、コーティング層、接着層などのフィルムを構成する全ての層を含むフィルム全体の厚みを意味する。

　さらに、この第１フィルム１または第２フィルム２は、複数の樹脂フィルム層が積層されて接合されており、さらに、この複数の樹脂フィルム層が積層されて接合された第１フィルム１または第２フィルム２に含まれる着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａが、隣り合う樹脂フィルム層との屈折率の差が０．２以上となるように積層されて接合されている構成であると好適である。例えば、容器本体領域６３の全面において、屈折率の高い樹脂フィルム層として着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａを含み、これと隣り合う樹脂フィルム層として屈折率の低い樹脂フィルム層（例えば非着色樹脂フィルム層）を含む構成であると好ましい。そして、第１フィルム１および第２フィルム２がいずれも上記構成であるとより好適である。各フィルムの樹脂フィルム層間においても反射光が増加し、収容物に対する遮光性がさらに高まるからである。そして、この屈折率の差は０．３以上であるのがより好ましく、０．４以上であるのがさらに好ましい。ここで、この「隣り合う樹脂フィルム層」とは、他の基材となる樹脂フィルム層を間に挟まずに直接接合され（ヒートシールなど）、あるいは接合剤を介して接合されて配置されている樹脂フィルム層どうしを意味する。例えば、図６に示す実施形態において、第１フィルム１では屈折率が１．８以上である着色樹脂フィルム層１１ａを挟んでいる２つの非着色樹脂フィルム層１１ｃがいずれも屈折率が１．６以下（例えば透明なポリエチレン系樹脂により構成された樹脂フィルム層など）であり、同様に、第２フィルム２では屈折率が１．８以上である着色樹脂フィルム層２１ａを挟んでいる２つの非着色樹脂フィルム層２１ｃがいずれも屈折率が１．６以下である構成などが例示される。なお、通常、樹脂素材により構成された非着色の樹脂フィルム層は屈折率が１．５から１．６程度であるため、図６に示すような実施形態とすれば上記した屈折率の差を満たし易い。また、図５や図８に示す実施形態のように、着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａを挟んでいる層の少なくとも一部にガスバリア層１１ｂまたは２１ｂが含まれる場合でも、このガスバリア層１１ｂまたは２１ｂの屈折率が１．６以下となっていれば良い。なお、この構成では、図２から図４に示す実施形態のように、各フィルムのそれぞれにおいて着色樹脂フィルム層と隣り合う樹脂フィルム層との屈折率の差が０．２以上となっていれば良く、第１フィルム１と第２フィルム２とが接合されたときにその接合面で隣り合う各フィルムの樹脂フィルム層（図２から図４に示す実施形態では第１フィルム１の最も容器内部側に配置された着色樹脂フィルム層１１ａと第２フィルム２の最も容器外部側に配置された着色樹脂フィルム層２１ａ）どうしの屈折率の差は０．２未満であっても良い。この第１フィルム１と第２フィルム２との間には充填材封入部５が形成されるからである。また、着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａが前述したような着色樹脂により構成された層が複数連続して積層された複層である場合、この複層の隣り合う着色樹脂により構成された層どうしの屈折率の差は０．２未満であっても良いが、収容物に対する遮光性がより高まることから、この複層の隣り合う着色樹脂により構成された層どうしの屈折率の差も０．２以上とするとより好適である。

　なお、本実施形態に係るシート材容器１００では、収容物に対する遮光性のさらなる向上という観点から、シート材２００の第１フィルム１または第２フィルム２に含まれる着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａの層厚さが、第１フィルム１または第２フィルム２に含まれるこれ以外の樹脂フィルム層の層厚さよりも大きい実施形態であるのが好ましい。つまり、第１フィルム１において最も層厚さが大きい樹脂フィルム層が着色樹脂フィルム層１１ａであり、または、第２フィルム２において最も層厚さが大きい樹脂フィルム層が着色樹脂フィルム層２１ａである実施形態であるのが好適である。特に、第１フィルム１および第２フィルム２にいずれも着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａが含まれ、この着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａの層厚さがいずれも、第１フィルム１および第２フィルム２に含まれる着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａ以外の樹脂フィルム層の層厚さよりも大きい実施形態であるのがより好ましい。ここで、着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａが前述したような他の樹脂フィルム層を挟んで複数配置されている構成の場合には、そのフィルムにおいて、含まれる複数の着色樹脂フィルム層の層厚さの合計がこれ以外の樹脂フィルム層の層厚さよりも大きくなっていれば良い。

　また、本実施形態に係るシート材容器１００は、シート材２００の第１フィルム１および／または第２フィルム２が、着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａを含む共押出積層樹脂フィルムであり、さらにこの着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａがポリオレフィン系樹脂により構成されているのが好適である。つまり、第１フィルム１、第２フィルム２、またはこの両方が着色樹脂フィルム層を含む共押出積層樹脂フィルムであり、この共押出積層樹脂フィルムに含まれる着色樹脂フィルム層がポリオレフィン系樹脂により構成されているのが好適である。着色樹脂フィルム層を含む第１フィルム１や第２フィルム２を低コストで容易に製造可能であり、且つリサイクルもし易いからである。
　ここで、この「共押出積層樹脂フィルム」とは、フィルムに用いる各樹脂フィルム層または樹脂混合物がそれぞれ別々の押出機で加熱溶融され、必要に応じて層厚さが１０μｍ未満のアンカー層（接着層）を積層間に用いながらフィルム状に共押出成形されて積層された積層樹脂フィルムである。例えば図２に示す実施形態の第２フィルム２の場合では、ガスバリア層２１ｂが２つの着色樹脂フィルム層２１ａの間に挟まれるように共押出成形されて積層された積層樹脂フィルムとなる。

　そして、第１フィルム１および／または第２フィルム２が上記のような共押出積層樹脂フィルムの場合において、この共押出積層樹脂フィルムが２層以上の着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａを含む（ポリオレフィン系樹脂により構成された着色樹脂フィルム層を２層以上含む）３層以上の構成であり、さらにこの２層以上の着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａはいずれも、ポリオレフィン系樹脂により構成された非着色樹脂フィルム層である非着色ポリオレフィン系樹脂フィルム層を挟むように積層されて接合されている構成であるのが好ましい。着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａと非着色ポリオレフィン系樹脂フィルム層との層間において反射光が増加し、収容物に対する遮光性がさらに高まり、且つリサイクル樹脂の品質もより高まるからである。例えば図２に示す実施形態の第２フィルム２が共押出積層樹脂フィルムである場合において、２層の着色樹脂フィルム層２１ａがいずれもポリオレフィン系樹脂により構成され、且つこれらの表面と接するように挟まれて積層されたガスバリア層２１ｂが非着色ポリオレフィン系樹脂フィルム層（例えばエチレンビニルアルコール共重合体により構成された非着色樹脂フィルム層）である実施形態が例示される。
　さらに、この構成において、リサイクルによって得られるリサイクル樹脂の品質のさらなる向上という観点から、着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａおよび非着色ポリオレフィン系樹脂フィルム層を構成するポリオレフィン系樹脂がいずれもポリエチレン系樹脂（例えばポリエチレン樹脂またはエチレンビニルアルコール共重合体）であるのがより好ましい。また、層間の接着層などもポリエチレン系樹脂に構成されているとさらに好ましい。なお、第１フィルム１または第２フィルム２が上記のような３層以上の構成でない場合であっても、着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａや非着色樹脂フィルム層１１ｃまたは２１ｃ、ガスバリア層１１ｂまたは２１ｂはいずれも、ポリオレフィン系樹脂、より好ましくはポリエチレン系樹脂により構成されていると好適である。前述した第３フィルム３についても同様である。

　また、本実施形態に係るシート材容器１００が、充填材封入部５に封入されている充填材がガスである場合などにおいては、シート材２００の第１フィルム１および第２フィルム２がいずれも、ガスバリア機能を有する樹脂フィルム層であるガスバリア層（１１ｂまたは２１ｂ）あるいはガスバリア機能を有する材料がコーティングされたガスバリアコーティング層（１１ｄまたは２１ｄ）を含む構成であると好ましい。充填材封入部５に封入されたガスが抜け難くなり、容器の剛性をより保ち易いからである。例えば図２から図５に示す実施形態の場合、第１フィルム１および第２フィルム２はいずれも、ガスバリア層１１ｂおよび２１ｂを含んでいる。また図６に示す実施形態の場合、第１フィルム１および第２フィルム２はいずれも、２つの非着色樹脂フィルム層１１ｃまたは２１ｃの層間にガスバリアコーティング層１１ｄおよび２１ｄを含んでいる。なお、充填材封入部５に封入されている充填材がガスではない場合においても、上記のような構成であると、収容領域６１から収容物の香気成分や水分（水蒸気）などが漏洩することを抑制することができるため好適である。
　このガスバリア層１１ｂまたは２１ｂは、リサイクルによって得られるリサイクル樹脂の品質のさらなる向上という観点から、前述したように、ポリエチレン系樹脂であるエチレンビニルアルコール共重合体により構成されているのがより好適である。
　また、ガスバリアコーティング層１１ｄまたは２１ｄに使用可能なガスバリア機能を有する材料としては、限定されるものではないが、ポリ塩化ビニリデン、エチレン－ビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）、有機（エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ）系）／無機（板状フィラー）ナノコンポジット型材料、有機（酢酸ビニル（ＶＡ）系）／無機（シロキサンポリマー）ハイブリッド型材料、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）とアクリル酸およびメタクリル酸メチルとの共重合体、ヒドロキシポリウレタンなどが好適なものとして示される。

　ここで、本実施形態に係るシート材容器１００を構成しているシート材２００の第１フィルム１、第２フィルム２、または第３フィルム３に含まれる着色樹脂フィルム層１１ａ、２１ａ、または３１ａはいずれも、乳白色または灰色に着色された着色樹脂フィルム層であるのが好ましい。遮光性がより高い着色樹脂フィルム層となり、且つシート材容器１００の外観なども好ましくなり易いからである。また、後述する保護カバー３００に含まれる着色樹脂フィルム層３０１も同様であって良い。特に、着色成分として酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、またはカーボンブラックを用いて乳白色または灰色に着色された着色樹脂フィルム層であるのが、遮光性やリサイクル性などの観点からより好適である。なお、着色成分として酸化チタンを用いると、乳白色に着色された着色樹脂フィルム層とし易いためより好ましく、着色成分としてカーボンブラックを用いると、灰色に着色された着色樹脂フィルム層とし易いためより好ましい。

　さらに、本実施形態に係るシート材容器１００を構成しているシート材２００の第１フィルム１、第２フィルム２、または第３フィルム３に含まれる着色樹脂フィルム層１１ａ、２１ａ、または３１ａはいずれも、樹脂材料（樹脂製容器、樹脂製包袋など）からリサイクルされるリサイクル樹脂が着色成分によって着色されて構成された着色リサイクル樹脂フィルム層であるのが好ましい。また、後述する保護カバー３００に含まれる着色樹脂フィルム層３０１も同様であって良い。この着色リサイクル樹脂フィルム層は、リサイクル樹脂に着色成分を添加して着色リサイクル樹脂を得て、この着色リサイクル樹脂を用いて樹脂フィルム層を形成することによって取得しても良く、あるいは樹脂フィルム層の形成時にリサイクル樹脂と着色成分とを添加することによって取得しても良い。リサイクル樹脂は、特に繰り返しのリサイクルによって黄色く変色する黄変が問題となる場合があるが、このような構成であると、リサイクル樹脂を使用しても黄変の影響を少なくでき、且つ遮光性も高く保つことができる。

　そして、この着色リサイクル樹脂フィルム層は、リサイクル樹脂に着色成分である顔料を含むマスターバッチが添加されて着色された着色リサイクル樹脂により構成された着色リサイクル樹脂フィルム層であると好適である。着色リサイクル樹脂フィルム層の着色および遮光性を安定化させ易いからである。特に、このマスターバッチに含まれる顔料が緑色系顔料、灰色系顔料、および乳白色系顔料からなる群から選ばれる１以上であると、遮光性やリサイクル性という観点からより好適である。特に、緑色系顔料または灰色系顔料を含むマスターバッチが添加されたものを用いるか、あるいはこれらを組み合わせたものを用いる（緑色系顔料のマスターバッチを含む着色樹脂により構成された層と灰色系顔料のマスターバッチを含む着色樹脂により構成された層との複層とする実施形態も含む）のが好ましい。また、残留インクや黄変などによって緑色系や茶色系の色となったリサイクル樹脂には、同系色の顔料を含むマスターバッチを添加するのが好ましい。緑色系顔料としては、酸化クロムやフタロシアニングリーンなどが例示される。灰色系顔料としては、カーボンブラックなどが例示される。乳白色系顔料としては、酸化チタンなどが例示される。

　なお、本実施形態に係るシート材容器１００を構成しているシート材２００がこのような着色リサイクル樹脂フィルム層を含む場合には、この着色リサイクル樹脂フィルム層を含む樹脂フィルムが、着色リサイクル樹脂フィルム層をバージン樹脂により構成されたバージン樹脂フィルム層が挟むように積層されて接合された積層樹脂フィルムであるとより好ましい。シート材２００の加工適正などがより向上するからである。例えば図５に示す実施形態におけるシート材２００の第１フィルム１、第２フィルム２、および第３フィルム３において、着色樹脂フィルム層１１ａ、２１ａ、および３１ａがいずれも着色リサイクル樹脂フィルム層である場合、各フィルムの両表面側に配置されてこれらを挟むように積層されてこれらと接合されている非着色樹脂フィルム層１１ｃ、２１ｃ、および３１ｃがいずれもバージン樹脂フィルム層であると、加工適正や製造時の汚れ防止（ロール汚れ防止等）などの観点からより好適である。

　そして、本実施形態に係るシート材容器１００を構成しているシート材２００は、このシート材２００をリサイクルすることによって得られるリサイクル樹脂の品質がさらに高まることから、印刷が施されていない構成であると好ましい。なお、印刷は、後述する保護カバー３００などに施されていて良い。

　このような本実施形態に係るシート材容器１００を構成しているシート材２００の充填材封入前における厚みは、限定されるものではないが、好ましくは５０μｍ以上、より好ましくは８０μｍ以上、さらに好ましくは１００μｍ以上であり、また、好ましくは３００μｍ以下、より好ましくは２５０μｍ以下である。さらに、各フィルムの厚みは、好ましくはそれぞれ１５μｍ以上、より好ましくはそれぞれ２０μｍ以上、さらに好ましくはそれぞれ３０μｍ以上であり、また、好ましくはそれぞれ１００μｍ以下、より好ましくはそれぞれ８０μｍ以下である。このようなシート材２００を使用して本実施形態に係るシート材容器１００を形成することにより、充填材封入部５によって容器本体の剛性を高度に維持でき、且つ非常に薄肉であるシート材容器を得ることができる。

〔保護カバーの構成〕
　本発明に係るシート材容器は、前述したような保護カバーを備える構成であるのが好適であるが、次に、この保護カバーの構成に関する好ましい実施形態について、図７、図８を用いて詳細に説明する。

　保護カバー３００は、樹脂フィルムにより構成され、且つ、例えば図７に示すように、少なくとも容器本体領域６３の外面の一部、より好ましくはこの外面全体（全面）を覆っている構成であれば良く、他は限定されない。そして、前述したように、シュリンクフィルム、ストレッチフィルム、巻ラベルなどが保護カバー３００の好ましい実施形態として例示される。さらに、これも前述したように保護カバー３００は容器本体から取り外し可能であるように装着されているため、シート材２００のリサイクル性向上という観点から、この保護カバー３００に印刷が施され、シート材２００には印刷が施されていない構成であるのがより好ましい。この印刷は、例えば、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷などによって施すことができる。そして、この保護カバー３００は、前述したように容器本体から取り外し可能であることから、金属箔や金属蒸着フィルムを含む構成であっても良い。しかしながら、この保護カバー３００も、シート材２００と同様に金属箔および金属蒸着フィルムをいずれも含まない構成であると、この保護カバー３００もリサイクル原料とし易くなるためより好適である。

　例えば、保護カバー３００がシュリンクフィルムである場合、この保護カバー３００は、ＰＥＴ、ＯＰＰ、ＯＰＳ（二軸延伸ポリスチレン）またはＬＤＰＥにより構成された樹脂フィルム層により構成されていることが好ましい。
　保護カバー３００がストレッチフィルムである場合、この保護カバー３００は、ＬＬＤＰＥにより構成された樹脂フィルム層により構成されていることが好ましい。
　保護カバー３００が巻ラベルである場合、この保護カバー３００は、ＰＰ（ポリプロピレン）により構成された樹脂フィルム層により構成されていることが好ましい。
　また、それぞれの樹脂フィルム層がリサイクル樹脂により構成されたものであっても良い。

　さらに、この保護カバー３００は、前述した着色成分によって着色された屈折率が１．８以上の樹脂フィルム層である着色樹脂フィルム層３０１を含むか、あるいは遮光機能を有する遮光印刷層３０２（例えば可視光線や紫外線を遮光可能なインクを含む材料がベタ刷り印刷されたコーティング層など）を含む構成であるのが好ましい。そして、例えば図８の実施形態のように、これらをいずれも含む構成であっても良い。収容物に対する遮光性がさらに高まるからである。しかしながら、遮光印刷層３０２の代わりに印刷層３０３（非遮光印刷層）が含まれる実施形態であっても構わない。また、この保護カバー３００に非着色樹脂フィルム層（例えば透明樹脂により構成された樹脂フィルム層）が含まれる実施形態であっても良い。
　そして、この保護カバー３００において、特に天マチ部１０４を覆っている部分のうちスパウト８１以外の部分を覆っている部分については、遮光印刷層３０２により全面に印刷（ベタ刷り印刷）が施されているか、全面に着色樹脂フィルム層３０１を含む構成であるのが好ましい。これにより、天マチ部１０４の実質的に全体の遮光性を、スパウト８１またはこの構成の保護カバー３００によって良好に確保することができるからである。さらに、胴部１０６を覆う保護カバー３００においても、遮光性の観点から、遮光印刷層３０２により全面に印刷（ベタ刷り印刷）が施されているか、全面に着色樹脂フィルム層３０１を含むことが好ましく、底マチ部１０３を覆う保護カバーにおいても、遮光性の観点から、遮光印刷層３０２により全面に印刷（ベタ刷り印刷）が施されているか、全面に着色樹脂フィルム層３０１を含むことが好ましい。なお、保護カバー３００がシュリンクラベルなどの収縮させるフィルムである場合には、このフィルムの上端（収縮前の容器上部側の端）および下端（収縮前の容器下部側の端）は、これらの端側周縁から内側（収縮前の容器中央部側）に向かって１．５ｍｍ程度、例えば１．０ｍｍ以上２．０ｍｍ以下の幅を上記印刷が施されていない未印刷部とすることによって、フィルム収縮後における端部のシワを抑制することが可能である。また、フィルムの高収縮部（底マチ部１０３や天マチ部１０４を覆う領域などの収縮率が他よりも高くなる領域）に関してはグラデーション印刷を施しても良い。

　ここで、図２から図６、および図８を用いて、本実施形態に係るシート材容器１００におけるシート材２００を構成する各フィルム（各樹脂フィルム）、各フィルムを構成する各樹脂フィルム層、ならびに保護カバーの実施形態の具体例についてさらに詳しく説明する。

　本実施形態に係るシート材容器１００を構成するシート材２００における各フィルムおよび各樹脂フィルム層は、シート材容器１００を形成したときに求められる特性や、収容物の種類などに応じて各種変形が可能である。例えば、図２に示されるような、シート材２００が第１フィルム１および第２フィルム２を含み、第１フィルム１は、容器外部側から順に非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えばＬＤＰＥ層）、着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層１１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、および着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第２フィルム２は、容器外部側から順に着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層２１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、および着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムである実施形態が、好ましい実施形態のひとつとして例示される。そして、この実施形態では、シート材２００に第３フィルム３は含まれず、第２フィルム２の周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋されて収容領域６１が形成されている。
　このような実施形態であると、シート材２００を非常に薄肉化することができ、さらにガスバリア層１１ｂおよび２１ｂにより充填材封入部５にガスが封入された場合でも剛性を保ち易くすることができる。また、この実施形態において第１フィルム１の非着色樹脂フィルム層１１ｃをリサイクル樹脂やＢｉｏＰＥにより構成すると、フィルムなどの接合性能を低下させず且つ収容物への影響も少なくしながらリサイクル性や環境特性をより高めることができる。そして、この実施形態では第１フィルム１および第２フィルム２における各樹脂フィルム層間の屈折率の差がいずれも０．２以上となるため、収容物に対する遮光性が非常に高い。さらに、充填材封入部５にガスが封入されてガス層となっている場合には、収容物に対する遮光性がさらに高まる。

　また、図３に示されるような、シート材２００が第１フィルム１、第２フィルム２、および第３フィルム３を含み、第１フィルム１は、容器外部側から順に非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えばＭＤＰＥ層）、着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層１１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、および着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第２フィルム２は、容器外部側から順に着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層２１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、および着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第３フィルム３は着色樹脂フィルム層３１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）または非着色樹脂フィルム層３１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）の単層樹脂フィルムである実施形態も、好ましい実施形態のひとつとして例示される。そして、この実施形態では、第３フィルム３の周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋されて内容器１２０となり、この内容器１２０内に収容領域６１が形成されている。
　この実施形態も、図２の実施形態と同様に、ガスバリア層１１ｂおよび２１ｂにより充填材封入部５にガスが封入された場合でも剛性を保ち易くすることができ、第１フィルム１および第２フィルム２における各樹脂フィルム層間の屈折率の差も同様であるため収容物に対する遮光性も非常に高い。また、この実施形態においても第１フィルム１の非着色樹脂フィルム層１１ｃをリサイクル樹脂やＢｉｏＰＥにより構成すると、フィルムなどの接合性能を低下させず且つ収容物への影響も少なくしながらリサイクル性や環境特性をより高めることができる。さらに、第３フィルム３が着色樹脂フィルム層３１ａの単層樹脂フィルムである場合には、収容物に対する遮光性がより高まる。

　さらに、図４に示されるような、シート材２００が第１フィルム１、第２フィルム２、および第３フィルム３を含み、第１フィルム１は、容器外部側から順に非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えばＨＤＰＥ層）、着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層１１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、および着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第２フィルム２は、容器外部側から順に着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層２１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、および着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第３フィルム３は容器外部側から順に着色樹脂フィルム層３１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）、非着色樹脂フィルム層３１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）またはガスバリア層３１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、および着色樹脂フィルム層３１ａ（例えば着色ＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムである実施形態も、好ましい実施形態のひとつとして例示される。
　このような実施形態であると、これも図３の実施形態と同様にガスバリア層１１ｂおよび２１ｂにより充填材封入部５にガスが封入された場合でも剛性を保ち易くすることができ、第１フィルム１、第２フィルム２、および第３フィルム３における各樹脂フィルム層間の屈折率の差も同様であるため収容物に対する遮光性も非常に高い。さらに、第１フィルム１の非着色樹脂フィルム層１１ｃおよび第３フィルム３の非着色樹脂フィルム層３１ｃがいずれもポリアミド系樹脂により構成されている場合には、シート材２００の強度がより高まる。また、第３フィルム３がガスバリア層３１ｂを含む場合には、収容領域６１から収容物の香気成分や水分（水蒸気）などが漏洩することを抑制し易い。

　あるいは、図５に示されるような、シート材２００が第１フィルム１、第２フィルム２、および第３フィルム３を含み、第１フィルム１は、容器外部側から順に非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）、着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層１１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、および非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第２フィルム２は、容器外部側から順に非着色樹脂フィルム層２１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）、着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層２１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、および非着色樹脂フィルム層２１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第３フィルム３は容器外部側から順に非着色樹脂フィルム層３１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）、着色樹脂フィルム層３１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層３１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、着色樹脂フィルム層３１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、および非着色樹脂フィルム層３１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムである実施形態も、好ましい実施形態のひとつとして例示される。
　このような実施形態であると、これも図３や図４の実施形態と同様にガスバリア層１１ｂおよび２１ｂにより充填材封入部５にガスが封入された場合でも剛性を保ち易くすることができ、第１フィルム１、第２フィルム２、および第３フィルム３における各樹脂フィルム層間の屈折率の差も同様であるため収容物に対する遮光性も非常に高い。特に、この実施形態では、充填材封入部５も含めて、容器外部から入射した光を反射できる層間が非常に多いため、遮光性という点において極めて優れた実施形態であると言える。さらに、着色樹脂フィルム層１１ａ、２１ａ、および３１ａがいずれも収容領域６１や他のフィルムとの接合面に露出していない構成であるため、これらをいずれも着色リサイクル樹脂フィルム層とし易く、後述するリサイクルシステムを構築し易くなる。

　さらに、図６に示されるような、シート材２００が第１フィルム１、第２フィルム２、および第３フィルム３を含み、第１フィルム１は、容器外部側から順に非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えばＨＤＰＥ層）、ガスバリアコーティング層１１ｄ（例えばガスバリア蒸着層）、非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）、着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、および非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第２フィルム２は、容器外部側から順に非着色樹脂フィルム層２１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）、着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、非着色樹脂フィルム層２１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）、ガスバリアコーティング層２１ｄ（例えばガスバリア蒸着層）、および非着色樹脂フィルム層２１ｃ（例えばＨＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第３フィルム３は非着色樹脂フィルム層３１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）の単層樹脂フィルムである実施形態も、好ましい実施形態のひとつとして例示される。
　このような実施形態であると、ガスバリアコーティング層１１ｄおよび２１ｄにより充填材封入部５にガスが封入された場合でも剛性を保ち易くすることができ、第１フィルム１および第２フィルム２における各樹脂フィルム層間の屈折率の差も同様であるため収容物に対する遮光性も非常に高い。そして、シート材２００をより薄肉化することができる。また、これも図５の実施形態と同様に、着色樹脂フィルム層１１ａおよび２１ａがいずれも収容領域６１や他のフィルムとの接合面に露出していない構成であるため、これらをいずれも着色リサイクル樹脂フィルム層とし易い。

　そして、保護カバー３００を備えるシート材容器１００としては、図８に示されるような、シート材２００が第１フィルム１、第２フィルム２、および第３フィルム３を含み、第１フィルム１は、容器外部側から順に、３層の非着色樹脂フィルム層が相互に積層された構造（３層構造）の非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えば、ＢＯＰＥ層、共押出ラミネートの接着層にあたるＬＤＰＥ層、およびＬＬＤＰＥ層が順に積層された３層構造）、着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層１１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、着色樹脂フィルム層１１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、および非着色樹脂フィルム層１１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された共押出積層樹脂フィルムであり、第２フィルム２は、容器外部側から順に非着色樹脂フィルム層２１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）、着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、ガスバリア層２１ｂ（例えばＥＶＯＨ層）、着色樹脂フィルム層２１ａ（例えば着色リサイクルＬＬＤＰＥ層）、および非着色樹脂フィルム層２１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）が積層されて接合された樹脂フィルムであり、第３フィルム３は非着色樹脂フィルム層３１ｃ（例えばＬＬＤＰＥ層）の単層樹脂フィルムである実施形態であり、さらにシート材容器１００を覆う保護カバー３００が、容器外部側から順に着色樹脂フィルム層３０１（例えば乳白色ＰＥＴ層）、ならびに遮光印刷層３０２または印刷層３０３により構成された樹脂フィルムである実施形態も、好ましい実施形態のひとつとして例示される。
　このような実施形態であると、保護ガバー３００に多様な印刷を施すことができるため、シート材２００に印刷が施されていない実施形態（リサイクル性のより高い実施形態）とし易い。そして、保護カバー３００やシート材２００の層構成によって収容物に対する遮光性も非常に高いものとなる。この実施形態も、充填材封入部５や空気層３０６も含めて、容器外部から入射した光を反射できる層間が非常に多いため、遮光性という点において極めて優れた実施形態であると言える。また、この実施形態のように、第１フィルム１の表層（最も容器外部側の層）に、ＨＤＰＥ、ＭＤＰＥ、ＬＤＰＥ、ＬＬＤＰＥ等を二軸延伸した二軸延伸ポリエチレン（ＢＯＰＥ）により構成された樹脂フィルム層が配置された構成とすると、製袋時の耐熱性や伸びにくさなどの観点からより好適である。

　なお、これらの実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜構成を入れ替えたり組み合わせたりすることができる。また、これも本発明の趣旨を逸脱しない範囲において他の部材を付加しても良い。

　以上のような本実施形態に係るシート材容器１００およびこのシート材容器１００を構成しているシート材２００の製造方法としては、前述したような方法が例示されるが、より具体的には、次のような工程を含む実施形態が好ましい方法として例示される。

　まず、シート材作製工程において、前述したような第１フィルム１および第２フィルム２を相互に積層し、これらを部分的に接合（例えばヒートシール）することにより、フィルム接合部６および充填材封入部５を備えるシート材２００を作製する。必要であれば、内容器１２０を構成する第３フィルム３などを相互に積層してシート材２００を作製しても良い。そして、この内容器１２０の周縁部は、シート材２００の周縁部よりもわずかに内側に配置されても良い。
　そして、この複数の樹脂フィルムの積層は、ヒートシール接合により積層された構成であっても良く、また、接合剤（例えば変性ポリオレフィン系の接合剤など）による接合や、ドライラミネート接合、共押出ラミネート接合などにより積層された構成であっても良い。つまり、シート材２００が全体としてドライラミネート積層樹脂フィルムや共押出積層樹脂フィルムであっても良い。また、これらの接合が併用された積層樹脂フィルムであっても良い。なお、製造のし易さおよびリサイクル性向上という観点から、シート材２００がヒートシールにより接合された積層樹脂フィルムまたは変性ポリオレフィン系接合剤により接合された積層樹脂フィルムであるか、あるいは共押出積層樹脂フィルムであるのがより好ましい。ヒートシール接合におけるヒートシール条件は、前述した条件と同様であって良い。そして、上記の共押出ラミネート接合も、前述した方法と同様に行えば良い。さらに、上記のドライラミネート接合は定法を用いることができ、例えばアンカーコート剤（例えばウレタン系のＡＣ剤）を樹脂フィルムのいずれか１以上の表面にコーティングして乾燥させた後に接合する方法などであって良い。

　次いで、製袋工程において、第２フィルム２が第１フィルム１よりも容器内部側となるようにしてシート材２００を裁断して折り畳み、必要であれば底マチ部１０３や天マチ部１０４を設け、シート材２００の内側の少なくとも一部どうしを接合して製袋し、必要に応じて不要な部分をカットすることにより、第２フィルム２の内側に収容物を収容する収容領域６１が形成されており、第１フィルム１と第２フィルム２との間に、第１フィルム１と第２フィルム２とが接合しているフィルム接合部６と、部分的に非接合であり充填材封入が可能である充填材封入部５と、を有するシート材容器１００を作製する。必要であれば、開口部７０にスパウト８１などを貼り合わせたり、底側端部にスカート部１０８を形成したりしても良い。そして、充填材導入工程において、このシート材容器１００は、充填材導入部などから充填材が充填材封入部５に導入されて封止される。以上により、充填材封入部５がフィルム接合部６よりもシート材２００の厚み方向に膨らみ、剛性が付与された、本実施形態に係るシート材容器１００を製造することができる。その後、開口部７０から収容物を収容領域６１（内容器１２０など）に充填し、例えばポンプ付きキャップなどにより開口部７０を封止することにより、容器詰め品を得ることができる。そして、この収容物の充填は、充填材封入部５への充填材導入前に行うことも可能である。

　なお、上記したスカート部１０８の形成は、前述したように、裁断された容器形状のシート材２００を折り畳んで製袋しつつ、容器本体の前面を構成するシート材２００と後面を構成するシート材２００との側縁部どうしが接合された側部シール部１０１の下側の部位に、シート材２００の一部により構成されている前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとを配置し、前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとの側縁部どうしを接合して前後シール部を形成し、この前後シール部を介して前側下部スカートシートと後側下部スカートシートとが一繋がりになったスカート部１０８を形成する方法により行うことができる。
　また、この製造方法の実施形態においては、本発明の効果に影響を与えない範囲において、上記の工程以外の任意の工程を含んでいても良い。

　以上のような実施形態を含む本発明に係るシート材容器は、構成しているシート材が金属箔および金属蒸着フィルムをいずれも含まないため、このシート材容器のシート材をリサイクルした場合に得られるリサイクル樹脂の物性等が低下し難い。また、容器本体領域の全面において着色樹脂フィルム層を含むため、収容物に対する遮光性が高い。そして、この着色樹脂フィルム層を含むことによってシート材が高い遮光性を有するため遮光印刷などを施す必要がなく、この点からもシート材をリサイクルした場合に得られるリサイクル樹脂の物性等が低下し難い。そして、このシート材容器のシート材から得られたリサイクル樹脂を用いてシート材容器の少なくとも一部を形成することにより、後述するようなシート材容器のリサイクルシステムを構築することができる。

〔シート材容器のリサイクル方法〕
　次に、本発明に係るシート材容器のリサイクル方法（本発明に係るシート材容器をシート材容器の原料に水平リサイクルする方法）の実施形態について、詳細に説明する。

　収容された収容物を使い切った本実施形態に係るシート材容器１００は、形成しているシート材２００が金属箔も金属蒸着フィルムも含まないため、このシート材２００をリサイクルすることによって品質の良いリサイクル樹脂とすることができる。そして、このリサイクル樹脂を用いて、シート材２００の一部を形成することもできる。

　このリサイクル方法の具体的な実施形態としては、例えば、まず収容された収容物が使い切られ且つ回収された本実施形態に係るシート材容器１００の充填材封入部５から充填材を除去し、容器本体を小さく押しつぶして、必要に応じて開口部７０（スパウト８１等）や保護カバー３００などを分離し、細断および洗浄を行う。そして、この得られた細断物を溶融し、押出や圧偏などによって樹脂ペレットを形成することにより、リサイクル樹脂を形成することができる。また、この際に着色成分や顔料を含むマスターバッチを添加することにより、着色リサイクル樹脂フィルム層を構成することが可能な着色リサイクル樹脂を形成することもできる。

　なお、新しい樹脂原料（バージン樹脂原料）を主原料として使用し、これに上記した細断物を混合してリサイクル樹脂を形成しても良いが、本実施形態に係るシート材容器１００は、シート材２００が金属箔および金属蒸着フィルムを含まず、使用樹脂材料や着色成分なども上記したような構成であるため、これを主原料として使用しても、品質が高いリサイクル樹脂を得ることができることが特徴である。
　ここで、この「主原料」とは、リサイクル樹脂形成原料中の割合が５０質量％超であることを意味し、この割合は７０質量％以上であっても良く、８０質量％以上であっても良く、９０質量％以上であっても良く、９５質量％以上であっても良く、１００質量％であっても良い。

　そして、得られたリサイクル樹脂や着色リサイクル樹脂を用いて、本実施形態に係るシート材容器１００を形成するシート材２００の少なくとも一部を形成することができる。例えば、このリサイクル樹脂や着色リサイクル樹脂を用いて、シート材２００の収容物や他のフィルムと直接接しない樹脂フィルム層の少なくとも一部（例えば、図５、図６、または図８の実施形態における着色樹脂フィルム層１１ａまたは２１ａの少なくとも一部等）を形成するのが好ましい。このようにして得られたリサイクル樹脂フィルム層や着色リサイクル樹脂フィルム層を備えるフィルムを含むシート材２００により構成された本実施形態に係るシート材容器１００は、収容物がこのリサイクル樹脂を用いた樹脂フィルム層に直接接しないため、この樹脂フィルム層中に不純物が少量含まれていたとしても、不純物が収容物に移行し難く好適である。また、他のフィルムもこのリサイクル樹脂を用いた樹脂フィルム層に直接接しないため、フィルムどうしの接合性能が低下し難い。なお、上記リサイクル樹脂を用いて、前述した保護カバー３００などの部材の少なくとも一部や、本実施形態に係るシート材容器１００とは別のシート材容器の少なくとも一部を形成することもできる。

　このようにして、収容された収容物を使い切った後のシート材容器１００を、シート材容器の作製に用いることができる樹脂原料にリサイクルする、シート材容器のリサイクルシステム（水平リサイクル方法）を構築することができる。

　なお、このリサイクル方法の実施形態においては、本発明の効果に影響を与えない範囲において、上記の工程以外の任意の工程を含んでいても良い。また、このリサイクル方法により得られた本実施形態に係るシート材容器１００についても、本発明の効果に影響を与えない範囲において任意の構成（付加部材など）を含んでいても良い。

　上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
＜１＞複数の樹脂フィルムが積層された、金属箔および金属蒸着フィルムを含まないシート材により構成されているシート材容器であって、
　前記シート材は、第１フィルムと、第２フィルムと、を含み、
　前記シート材が、前記シート材容器において前記第１フィルムが前記第２フィルムよりも外側に配置されるように折り畳まれ、周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋されて、前記第２フィルムの内側に収容物を収容する収容領域が形成されており、
　前記第１フィルムと前記第２フィルムとの間には、前記第１フィルムと前記第２フィルムとが接合しているフィルム接合部と、前記第１フィルムと前記第２フィルムとが非接合であり且つ充填材が封入されいる充填材封入部と、が備わり、
　前記第１フィルムまたは前記第２フィルムは、少なくとも前記収容領域を包囲している容器本体領域の全面において、着色成分によって着色された屈折率が１．８以上、好ましくは１．９以上、より好ましくは２．０以上の樹脂フィルム層である着色樹脂フィルム層を含み、さらに前記充填材封入部が少なくとも前記容器本体領域に備わる、
シート材容器。
＜２＞前記第１フィルムおよび前記第２フィルムはいずれも、少なくとも前記容器本体領域の全面において前記着色樹脂フィルム層を含む、＜１＞に記載のシート材容器。
＜３＞前記容器本体領域の全面に含まれる前記着色樹脂フィルム層の少なくとも一部が、前記第１フィルムにおいてフィルム厚みの中心で２等分したときの容器内面側に配置され、且つ、前記第２フィルムにおいてフィルム厚みの中心で２等分したときの容器外面側に配置されている、＜２＞に記載のシート材容器。
＜４＞前記第１フィルムまたは前記第２フィルム、好ましくは前記第１フィルムおよび前記第２フィルムは複数の樹脂フィルム層が積層されて接合されており、
　さらに、複数の前記樹脂フィルム層が積層されて接合された前記第１フィルムおよび／または前記第２フィルムに含まれる前記着色樹脂フィルム層が、好ましくは前記容器本体領域の全面において、隣り合う前記樹脂フィルム層との屈折率の差が０．２以上、好ましくは０．３以上、より好ましくは０．４以上となるように積層されて接合されている、＜１＞～＜３＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜５＞前記第１フィルムおよび／または前記第２フィルムに含まれる前記着色樹脂フィルム層の層厚さが、前記第１フィルムおよび／または前記第２フィルムに含まれる前記着色樹脂フィルム層以外の樹脂フィルム層の層厚さよりも大きい、＜１＞～＜４＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜６＞前記第１フィルムおよび／または前記第２フィルムが、前記着色樹脂フィルム層を含む共押出積層樹脂フィルムであり、さらに前記着色樹脂フィルム層がポリオレフィン系樹脂により構成されている、＜１＞～＜５＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜７＞前記共押出積層樹脂フィルムが２層以上の前記着色樹脂フィルム層を含む３層以上の構成であり、さらに２層以上の前記着色樹脂フィルム層はいずれも、ポリオレフィン系樹脂により構成された非着色樹脂フィルム層である非着色ポリオレフィン系樹脂フィルム層を挟むように積層されて接合されている、＜６＞に記載のシート材容器。
＜８＞前記着色樹脂フィルム層および前記非着色ポリオレフィン系樹脂フィルム層を構成する前記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂、好ましくはポリエチレン樹脂またはエチレンビニルアルコール共重合体である、＜１＞～＜７＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜９＞前記充填材封入部に封入されている前記充填材が気体である、＜１＞～＜８＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜１０＞前記気体が空気である、＜９＞に記載のシート材容器。
＜１１＞前記第１フィルムおよび前記第２フィルムがいずれも、ガスバリア機能を有する樹脂フィルム層であるガスバリア層またはガスバリア機能を有する材料がコーティングされたガスバリアコーティング層を含む、＜９＞または＜１０＞に記載のシート材容器。
＜１２＞前記ガスバリア層がエチレンビニルアルコール共重合体により構成されている、＜１１＞に記載のシート材容器。
＜１３＞前記シート材が、前記第２フィルムの内側に配置された第３フィルムをさらに含み、前記第３フィルムの内側に前記収容領域が形成されており、
　前記第３フィルムは、少なくとも前記収容領域を包囲している容器本体領域の全面において前記着色樹脂フィルム層を含む、＜１＞～＜１２＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜１４＞前記着色樹脂フィルム層が、乳白色または灰色に着色された着色樹脂フィルム層である、＜１＞～＜１３＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜１５＞前記着色樹脂フィルム層が、前記着色成分として酸化チタンまたはカーボンブラックを用いて乳白色または灰色に着色された着色樹脂フィルム層である、＜１４＞に記載のシート材容器。
＜１６＞前記着色樹脂フィルム層が、樹脂材料からリサイクルされるリサイクル樹脂が前記着色成分によって着色されて構成された着色リサイクル樹脂フィルム層である、＜１＞～＜１５＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜１７＞前記着色リサイクル樹脂フィルム層が、前記リサイクル樹脂に前記着色成分である顔料を含むマスターバッチが添加されて着色された着色リサイクル樹脂により構成された着色リサイクル樹脂フィルム層である、＜１６＞に記載のシート材容器。
＜１８＞前記顔料が緑色系顔料、灰色系顔料、および乳白色系顔料からなる群から選ばれる１以上である、＜１７＞に記載のシート材容器。
＜１９＞前記着色リサイクル樹脂フィルム層を含む前記樹脂フィルムが、前記着色リサイクル樹脂フィルム層をバージン樹脂により構成されたバージン樹脂フィルム層が挟むように積層されて接合された積層樹脂フィルムである、＜１６＞～＜１８＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜２０＞前記シート材に含まれる複数の前記樹脂フィルムがいずれもポリオレフィン系樹脂により構成されている、＜１＞～＜１９＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜２１＞前記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂、好ましくはポリエチレン樹脂またはエチレンビニルアルコール共重合体である、＜２０＞に記載のシート材容器。
＜２２＞前記シート材は、印刷が施されていない構成である、＜１＞～＜２１＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜２３＞前記シート材容器が、さらに、樹脂フィルムにより構成され且つ少なくとも前記容器本体領域の外面の一部を覆っている保護カバーを備える、＜１＞～＜２２＞のいずれか１つに記載のシート材容器。
＜２４＞前記保護カバーが、前記着色樹脂フィルム層を含むか、あるいは遮光機能を有する遮光印刷層を含む、＜２３＞に記載のシート材容器。
＜２５＞＜１＞～＜２４＞のいずれか１つに記載のシート材容器と、前記シート材容器の前記収容領域に収容された収容物と、を備える、容器詰め品。

１　　　　第１フィルム
２　　　　第２フィルム
３　　　　第３フィルム
５　　　　充填材封入部
６　　　　フィルム接合部
１１ａ　　着色樹脂フィルム層
１１ｂ　　ガスバリア層
１１ｃ　　樹脂フィルム層（非着色樹脂フィルム層）
１１ｄ　　ガスバリアコーティング層
２１ａ　　着色樹脂フィルム層
２１ｂ　　ガスバリア層
２１ｃ　　樹脂フィルム層（非着色樹脂フィルム層）
２１ｄ　　ガスバリアコーティング層
３１ａ　　着色樹脂フィルム層
３１ｂ　　ガスバリア層
３１ｃ　　樹脂フィルム層（非着色樹脂フィルム層）
６３　　　容器本体領域
７０　　　開口部
７１　　　装着部
７３　　　ヘッド部
８１　　　スパウト
１００　　シート材容器
１０１　　側部シール部
１０３　　底マチ部
１０４　　天マチ部
１０６　　胴部
１０８　　スカート部
１２０　　内容器
２００　　シート材
３００　　保護カバー
３０１　　着色樹脂フィルム層
３０２　　遮光印刷層
３０３　　印刷層（非遮光印刷層）
３０６　　空気層
３０８　　ミシン目
Ｄ１　　　第１フィルムのフィルム厚み
Ｄ２　　　第２フィルムのフィルム厚み

Claims

　複数の樹脂フィルムが積層された、金属箔および金属蒸着フィルムを含まないシート材により構成されているシート材容器であって、
　前記シート材は、第１フィルムと、第２フィルムと、を含み、
　前記シート材が、前記シート材容器において前記第１フィルムが前記第２フィルムよりも外側に配置されるように折り畳まれ、周縁部の少なくとも一部どうしが接合されることによって製袋されて、前記第２フィルムの内側に収容物を収容する収容領域が形成されており、
　前記第１フィルムと前記第２フィルムとの間には、前記第１フィルムと前記第２フィルムとが接合しているフィルム接合部と、前記第１フィルムと前記第２フィルムとが非接合であり且つ充填材が封入されている充填材封入部と、が備わり、
　前記第１フィルムまたは前記第２フィルムは、少なくとも前記収容領域を包囲している容器本体領域の全面において、着色成分によって着色された屈折率が１．８以上の樹脂フィルム層である着色樹脂フィルム層を含み、さらに前記充填材封入部が少なくとも前記容器本体領域に備わる、
シート材容器。
　前記第１フィルムおよび前記第２フィルムはいずれも、少なくとも前記容器本体領域の全面において前記着色樹脂フィルム層を含む、請求項１に記載のシート材容器。
　前記容器本体領域の全面に含まれる前記着色樹脂フィルム層の少なくとも一部が、前記第１フィルムにおいてフィルム厚みの中心で２等分したときの容器内面側に配置され、且つ、前記第２フィルムにおいてフィルム厚みの中心で２等分したときの容器外面側に配置されている、請求項２に記載のシート材容器。
　前記第１フィルムまたは前記第２フィルムは複数の樹脂フィルム層が積層されて接合されており、
　さらに、複数の前記樹脂フィルム層が積層されて接合された前記第１フィルムまたは前記第２フィルムに含まれる前記着色樹脂フィルム層が、隣り合う前記樹脂フィルム層との屈折率の差が０．２以上となるように積層されて接合されている、請求項１～３のいずれか１項に記載のシート材容器。
　前記第１フィルムおよび／または前記第２フィルムが、前記着色樹脂フィルム層を含む共押出積層樹脂フィルムであり、さらに前記着色樹脂フィルム層がポリオレフィン系樹脂により構成されている、請求項１～４のいずれか１項に記載のシート材容器。
　前記共押出積層樹脂フィルムが２層以上の前記着色樹脂フィルム層を含む３層以上の構成であり、さらに２層以上の前記着色樹脂フィルム層はいずれも、ポリオレフィン系樹脂により構成された非着色樹脂フィルム層である非着色ポリオレフィン系樹脂フィルム層を挟むように積層されて接合されている、請求項５に記載のシート材容器。
　前記充填材封入部に封入されている前記充填材が気体である、請求項１～６のいずれか１項に記載のシート材容器。
　前記第１フィルムおよび前記第２フィルムがいずれも、ガスバリア機能を有する樹脂フィルム層であるガスバリア層またはガスバリア機能を有する材料がコーティングされたガスバリアコーティング層を含む、請求項７に記載のシート材容器。
　前記シート材が、前記第２フィルムの内側に配置された第３フィルムをさらに含み、前記第３フィルムの内側に前記収容領域が形成されており、
　前記第３フィルムは、少なくとも前記収容領域を包囲している容器本体領域の全面において前記着色樹脂フィルム層を含む、請求項１～８のいずれか１項に記載のシート材容器。
　前記着色樹脂フィルム層が、乳白色または灰色に着色された着色樹脂フィルム層である、請求項１～９のいずれか１項に記載のシート材容器。
　前記着色樹脂フィルム層が、樹脂材料からリサイクルされるリサイクル樹脂が前記着色成分によって着色されて構成された着色リサイクル樹脂フィルム層である、請求項１～１０のいずれか１項に記載のシート材容器。
　前記着色リサイクル樹脂フィルム層が、前記リサイクル樹脂に前記着色成分である顔料を含むマスターバッチが添加されて着色された着色リサイクル樹脂により構成された着色リサイクル樹脂フィルム層である、請求項１１に記載のシート材容器。
　前記着色リサイクル樹脂フィルム層を含む前記樹脂フィルムが、前記着色リサイクル樹脂フィルム層をバージン樹脂により構成されたバージン樹脂フィルム層が挟むように積層されて接合された積層樹脂フィルムである、請求項１１または１２に記載のシート材容器。
　前記シート材に含まれる複数の前記樹脂フィルムがいずれもポリオレフィン系樹脂により構成されている、請求項１～１３のいずれか１項に記載のシート材容器。
　前記シート材は、印刷が施されていない構成である、請求項１～１４のいずれか１項に記載のシート材容器。
　前記シート材容器が、さらに、樹脂フィルムにより構成され且つ少なくとも前記容器本体領域の外面の一部を覆っている保護カバーを備える、請求項１～１５のいずれか１項に記載のシート材容器。
　前記保護カバーが、前記着色樹脂フィルム層を含むか、あるいは遮光機能を有する遮光印刷層を含む、請求項１６に記載のシート材容器。
　請求項１～１７のいずれか１項に記載のシート材容器と、前記シート材容器の前記収容領域に収容された収容物と、を備える、容器詰め品。