JP2019534336A - 多発性骨軟骨腫(mo)を処置するための方法 - Google Patents

多発性骨軟骨腫(mo)を処置するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、パロバロテン(R667としても知られる)またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することによって、多発性骨軟骨腫(MO)を有する対象における骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させる方法を特徴とする。本明細書に記載の方法はまた、MOを有する対象における骨軟骨腫の形成および成長に関連する合併症を改善することができる。多発性骨軟骨腫(MO)を有する対象における骨軟骨腫の形成を阻害する方法であって、パロバロテン((E)−4−(2−{3−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル}ビニル)安息香酸)またはその薬学的に許容される塩を前記骨軟骨腫の前記形成を阻害するのに有効な量で前記対象に投与することを含む、方法。【選択図】図1

Description

関連出願
本特許協力条約出願は、2016年11月16日に出願された米国出願第62/423,019号についての優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
多発性骨軟骨腫(MO)(多発性遺伝性外骨腫(MHE)とも呼ばれる)は、骨軟骨腫または外骨腫としても知られる複数の骨棘または瘤(lump)が骨に発生する遺伝的筋骨格状態である。MOの骨軟骨腫は、典型的には、長骨の端部または寛骨、肩甲骨、もしくは肋骨などの扁平骨に形成される。約50,000人に1人がMOに罹患する。MOは、EX1およびEX2エクソストシン(exostosin)遺伝子における機能喪失変異と関連している。MOを有する患者の90%において、そのような変異が原因であると考えられている。MOに関連した骨軟骨腫は典型的には小児期において早期に発症し、MOを有する小児のうちの50%が5歳までに目に見える骨軟骨腫を有し、80%が10歳前に診断される。MOは関節の激しい変形および強直を引き起こす。MOを有する患者は、骨軟骨腫を除去するために複数の手術をしばしば受ける。MOを有する患者の2〜5%において、骨軟骨腫は腫瘍性になる。骨軟骨腫の発症を予防および/または遅延させる、および/またはMOを有する対象の処置を改善するための努力はまだ成功していない。MOのための新たな有効な処置法が必要とされている。
本発明は、EX1およびEX2エクソストシン遺伝子における機能喪失変異に関連する遺伝性疾患である多発性骨軟骨腫(MO)を有する対象を処置する方法を特徴とする。
本発明は、EX1およびEX2エクソストシン遺伝子における機能喪失変異に関連する遺伝性疾患である多発性骨軟骨腫(MO)を有する対象において、骨軟骨腫の形成を阻害し、骨軟骨腫のサイズを縮小させ、骨軟骨腫の成長を遅延させる方法を特徴とする。
一態様において、本発明は、多発性骨軟骨腫(MO)を有する対象における骨軟骨腫の形成を阻害する方法であって、パロバロテン((E)−4−(2−{3−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル}ビニル)安息香酸)またはその薬学的に許容される塩を骨軟骨腫の形成を阻害するのに有効な量で対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
別の態様において、本発明は、MOを有する対象における骨軟骨腫のサイズを縮小させる方法であって、パロバロテン((E)−4−(2−{3−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル}ビニル)安息香酸)またはその薬学的に許容される塩を骨軟骨腫のサイズを縮小させるのに有効な量で対象に投与することを含む、方法を特徴とする。本発明のこの態様のいくつかの実施形態において、本方法は対象における骨軟骨腫の平均サイズを縮小させる。
別の態様において、本発明は、MOを有する対象における骨軟骨腫の成長を遅延させる方法であって、パロバロテン((E)−4−(2−{3−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル}ビニル)安息香酸)またはその薬学的に許容される塩を骨軟骨腫の成長を遅延させるのに有効な量で対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は骨成長領域に隣接して形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は成長板に隣接して形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、軟骨膜(例えば、軟骨膜のランヴィエ溝)に形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は骨の骨端に形成される。
いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は長骨に形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は長骨の端部に形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は扁平骨に形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、寛骨、肩甲骨、肋骨、大腿骨、脛骨、上腕骨、腓骨、骨盤骨、または椎骨に形成される。
いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は骨の表面に形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は骨の骨幹に形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は成長板から生ずる。
いくつかの実施形態において、本方法は対象の骨軟骨腫の数を減少させる。いくつかの実施形態において、本方法は、対象における少なくとも1つの骨軟骨腫を有する骨の数を減少させる。
別の態様において、本発明は、MOを有する対象における軟骨過形成を低減する方法であって、パロバロテン((E)−4−(2−{3−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル}ビニル)安息香酸)またはその薬学的に許容される塩を軟骨過形成を低減するのに有効な量で対象に投与することを含む、方法を特徴とする。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、対象は骨軟骨腫を有していない。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に0.5〜9mg(例えば、1日に1±0.5、2±0.5、3±0.5、4±0.5、5±0.5、6±0.5、7±0.5、8±0.5、または8.5±0.5mg)である。本発明の態様のいくつかの実施形態において、5〜20kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に0.5〜9mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、5〜20kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に1.0±0.5〜3.0±0.5mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、10〜20kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に1.0±0.5〜3.0±0.5mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、5〜20kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に1.0±0.1mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、10〜20kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に1.0±0.1mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、5〜20kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に2.5±0.25mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、10〜20kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に2.5±0.25mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に0.5〜12mg(例えば、1日に1±0.5、2±0.5、3±0.5、4±0.5、5±0.5、6±0.5、7±0.5、8±0.5、9±0.5、10±0.5、11±0.5、または11.5±0.5mg)である。本発明の態様のいくつかの実施形態において、20〜40kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に0.5〜12mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、20〜40kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に1.0±0.5〜4.0±0.5mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、20〜40kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に1.5±0.15mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、20〜40kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に3.0±0.3mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に0.5〜15mg(例えば、1日に1±0.5、2±0.5、3±0.5、4±0.5、5±0.5、6±0.5、7±0.5、8±0.5、9±0.5、10±0.5、11±0.5、12±0.5、13±0.5、14±0.5、または14.5±0.5mg)である。本発明の態様のいくつかの実施形態において、40〜60kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に0.5〜15mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、40〜60kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に2±0.5〜5±0.5mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、40〜60kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に2.0±0.2mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、40〜60kgの体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に4.0±0.4mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に0.5〜20mg(例えば、1日に1±0.5、2±0.5、3±0.5、4±0.5、5±0.5、6±0.5、7±0.5、8±0.5、9±0.5、10±0.5、11±0.5、12±0.5、13±0.5、14±0.5、15±0.5、16±0.5、17±0.5、18±0.5、19±0.5、または19.5±0.5mg)である。本発明の態様のいくつかの実施形態において、60kg超の体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に0.5〜20mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、60kg超の体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に2.0±0.5〜6.0±0.5mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、60kg超の体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に2.5±0.25mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、60kg超の体重の対象に投与されるパロバロテンの量は、1日に5.0±0.5mgである。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、対象は十分に成長していない小児または青年である。いくつかの実施形態において、小児または青年は十分な骨格成熟を達成していない。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、対象を処置している間、対象の長骨成長は維持される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象を処置している間、対象の成長板にいかなる損傷も引き起こさない。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象の正常な骨成長を妨げない。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、本方法は、対象の軟骨膜(例えば、軟骨膜のランヴィエ溝)における骨形成タンパク質(BMP)レベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減させる。本発明の態様のいくつかの実施形態において、本方法は、対象の骨の骨端におけるBMPレベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減させる。本発明の態様のいくつかの実施形態において、本方法は、対象の過成長した軟骨におけるBMPレベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減させる。
本発明の態様のいくつかの実施形態において、対象は、変異エクソストシン遺伝子(例えば、変異Ext1、Ext2、またはExt3遺伝子)を有する。
あるいは、本明細書に記載される方法のいずれにおいても、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を別のレチノイド酸受容体(RAR)アゴニスト(例えば、RARγ選択的アゴニストまたはRARγ/β選択的アゴニスト)に置き換え得る。多くのレチノイド酸受容体アゴニストならびにそれらの合成および調製方法が当該技術分野で既知である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法において使用するためのレチノイド酸受容体アゴニストは、Bernard et al.(Biochem.Biophys.Res.Commun.186:977−983,1992),Thacher et al.(Curr.Pharm.Des.6:25−58,2000),Dallavalle and Zunino(Expert Opin.Ther.Pat.15:1625−1635,2005)、Alaverez et al.(Expert Opin.Ther.Pat.21:55−63,2011)、Le Maire et al.(Curr.Top.Med.Chem.12:505−527,2012)、Marchwicka et al.(Expert Opin.Ther.Pat.26:957−971,2016)、米国特許第US5231113号、第US5700836号、第US5750693号、第US6090826号、第US6344463号、第US6300350号、第US6331570号、第US6593359号、第US6777418号、第US6828337号、第US7148245号、第US7476673号、第US7807708号、第US7872026号、第US8049034号、第US8163952号、第US8362082号、第US8772273号、および第US8765805号、ならびに米国特許出願公開第US20160250260号、第US20030092758号、および第US20070249710号(これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるものから選択される。上述の機関誌公表物、米国特許、および米国特許出願公開に記載のレチノイド酸受容体アゴニストには、以下の表Aに列挙されている化合物が含まれる。
本明細書に記載の方法のいずれかの特定の実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩は、以下の表Aに列挙される化合物1〜152のいずれか1つまたはその薬学的に許容される塩で置き換え得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法において使用されるレチノイド酸受容体(RAR)アゴニストは、3より大きい(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の)RXRを上回るRAR選択性を有する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法において使用されるレチノイド酸受容体アゴニストは、3〜10(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10)のRARβを上回るRARγ選択性、および/または10より大きい(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の)RARαを上回るRARγ選択性を有する。
本発明のある特定の実施形態において、RARγ選択的アゴニストは、以下のようなRAR選択性を有する:
(i)RARγに対するそのEC50(EC50RARγ)に対する、RARβに対するそのEC50(EC50RARβ)の比は3〜15であり、例えば、RARγ選択的アゴニストについてのEC50RARβ/EC50RARγは3〜15または3〜10であり、
(ii)RARγに対するそのEC50(EC50RARγ)に対する、RARαについてのそのEC50(EC50RARα)の比は10より大きく、例えば、RARγ選択的アゴニストについてのEC50RARα/EC50RARγは10よりも大きい。
RAR選択的アゴニスト(例えば、RARγ選択的アゴニストまたはRARγ/β選択的アゴニスト)を同定または評価するための方法は当該技術分野で既知である。例えば、RARγアゴニストの結合活性は、トランス活性化アッセイを用いて評価され得る。本明細書で使用する場合、「トランス活性化」との用語は、検査される特定のレチノイン酸受容体、例えば、RARα、RARβ、またはRARγへのリガンドの結合によって遺伝子転写が開始される、遺伝子の転写を活性化するレチノイドの能力を指す。レチノイン酸受容体をトランス活性化する化合物の能力の決定は、当業者に既知の方法によって行い得る。そのような方法の例は当該技術分野で見出され、例えば、Bernard et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,186:977−983,1992 and Apfel et al.,Proc.Nat.Sci.Acad.(USA),89:7129−7133,1992を参照のこと。トランス活性化アッセイを使用して、レチノイン酸受容体(例えば、RARα、RARβ、またはRARγ)に対する化合物のEC50を決定することができる。トランス活性化アッセイにおけるEC50は、検討している特定のレチノイン酸受容体を同じ化合物で得ることができる最大トランス活性化の50%でトランス活性化する化合物のモル濃度を指す。RARαまたはRARβのいずれかに対するRARγ選択的アゴニストのEC50は、同じアッセイ系において、RARγに対する同じRARγ選択的アゴニストのEC50よりも、少なくとも3倍高い(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20倍高い)。いくつかの実施形態において、RARαに対するRARγ選択的アゴニストのEC50は、同じアッセイ系において、RARγに対する同じRARγ選択的アゴニストのEC50よりも、少なくとも10倍高い(例えば、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100倍高い)。
例えば、トランス活性化アッセイにおいて、細胞は、ERE−βGlob−Luc−SV−Neo(REF)レポーター遺伝子およびキメラRAR(例えば、RARα、RARβ、またはRARγ)ER−DBD−puro受容体のためのプラスミドで安定してトランスフェクトされた。アゴニストが結合すると、キメラRAR−ER−DBDはルシフェラーゼ(Luc)の転写を制御するERE−βGlob−Lucに結合する。同様の方法は、当技術分野において記載されている(例えば、US20030092758A1、¶[0081]を参照のこと)。当業者はまた、化合物と種々のRAR、例えば、RARα、RARβ、およびRARγとの間の結合親和性を測定することによって、化合物がRARγアゴニスト(例えば、RARγ選択的アゴニスト)であるかどうかを容易に決定し得る。結合親和性は、当技術分野における従来の技術、例えば、放射性リガンド結合アッセイ、表面プラズモン共鳴、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ゲル電気泳動、免疫ブロット、および質量分析を用いて決定し得る。
いくつかの実施形態において、レチノイド酸受容体(RAR)アゴニストは、レチノイドX受容体(RXR)受容体と比べて、3〜10(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10)のRAR選択性を有するRAR選択的アゴニストである。いくつかの実施形態において、RARアゴニストは、RXR受容体と比べて、少なくとも10(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)のRAR選択性を有するRAR選択的アゴニストである。
定義:
本明細書で使用する場合、「多発性骨軟骨腫」または「MO」との用語は、骨、例えば長骨の端部または扁平骨における骨軟骨腫の形成に関連する状態または疾患をいう。MOを有する対象はしばしば、エクソストシン遺伝子、例えば、Ext1、Ext2、またはExt3遺伝子において機能喪失変異を有する。MOはまた、多発性遺伝性外骨腫(MHE)、ベッセル・ハーゲン病、骨幹病的組織結合(diaphysealaclasis)、多発性軟骨性外骨腫、および多発性先天性外骨腫、ならびに遺伝性多発性骨軟骨腫(HMO)としても知られ、そのような用語は互換的に使用できる。
本明細書で使用する場合、「骨軟骨腫(osteochondroma)」、「骨軟骨腫(osteochondromas)」、「外骨腫(exosostosis)」、「外骨腫(exostoses)」、「軟骨外骨腫」、または「骨軟骨性外骨腫」との用語は、骨化した軟骨病変から形成された骨もしくは骨様の構造または突起を指す。骨軟骨腫は骨の表面に形成され得るが、場合によっては骨の骨幹に入り込むこともある。MOを有する対象において、そのような骨もしくは骨様の構造または突起は、活発な骨成長の領域に隣接して、例えば、骨の成長板の近傍でしばしば形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、長骨に(例えば、長骨の端部で)または扁平骨に形成し得る。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、寛骨、肩甲骨、肋骨、大腿骨、脛骨、上腕骨、腓骨、骨盤骨、または椎骨に形成し得る。本発明は、MOを有する対象の骨に形成される骨軟骨腫の形成を阻害し、骨軟骨腫のサイズを縮小させ、骨軟骨腫の成長を遅延させるための方法を記載する。
骨軟骨腫はしばしば、低身長、四肢長不等、四肢骨の湾曲、硬直、および脊柱側弯などの骨格系の変形を引き起こす。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、骨基底部(bony base)を覆う軟骨帽を含む。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、転移性軟骨肉腫への悪性転換を受け得る。
本明細書で使用する場合、「骨軟骨腫の形成を阻害する」との語句は、MOを有する対象、例えば1つ以上の骨軟骨腫を既に発症しているMOを有する対象、またはいかなる骨軟骨腫も発症していないMOを有する対象における骨軟骨腫の形成を阻害することをいう。骨軟骨腫の形成の阻害には、未処置の対象と比べて、本発明の処置を受けている対象において形成される骨軟骨腫の数を少なくとも5%、10%、20%、または50%減少することを含む。
本明細書で使用する場合、「骨軟骨腫のサイズを縮小させる」との語句は、多数の既存の骨軟骨腫を有するMOを有する対象において、既存の骨軟骨腫のサイズを縮小させることおよび/または平均骨径を減少させることを指す。骨軟骨腫のサイズの縮小には、未処置の対象と比べて、本発明の処置を受けている対象において、骨軟骨腫のサイズを少なくとも5%、10%、20%、または50%縮小すること、または対象における骨軟骨腫の平均サイズを少なくとも5%、10%、20%、または50%縮小することを含む。
本明細書で使用する場合、「骨軟骨腫の成長を遅延させる」との語句は、MOを有する対象における既存の骨軟骨腫の成長を遅延または停止させることを指す。骨軟骨腫の成長を遅延させることは、未処置の対象と比較して、本発明の処置を受けている対象において骨軟骨腫の成長を少なくとも5%、10%、20%、または50%減少させることを含む。
本明細書に記載の方法は、所与の期間にわたってMOを有するパロバロテンで処置された対象において、同じ期間にわたってMOを有する未処置の対象と比較して、形成された骨軟骨腫の数(例えば、MOを有する対象における1つ以上の骨に形成された骨軟骨腫の数)、または骨軟骨腫が形成される部位の数(例えば、MOを有する対象における少なくとも1つの骨軟骨腫を有する骨の数)を減少し得る。本明細書に記載の方法は、対象における骨変形および/または他の合併症、例えば、関節変形、運動制限もしくは可動域制限、低身長、四肢長不等、骨の湾曲、変形性関節症、疼痛、強直、脊柱側弯、血管、神経、および/もしくは腱の絞扼、ならびに脊髄圧迫を改善または阻害し得る。
本明細書で使用する場合、「軟骨過形成」との用語は、軟骨の過成長または肥大をいう。「軟骨過形成を低減する」との語句は、過成長したまたは肥大した軟骨のサイズまたは厚さの縮小を指す。
本明細書で使用する場合、「過成長した軟骨」との用語は、その正常なサイズより大きくなるように成長または発達した軟骨をいう。
本明細書で使用する場合、「十分に成長した」との用語は、十分に成熟し、もはや発達または成長していない人または動物を説明するために使用される。人が十分に成長すると、その人は十分な自然な成長または発達に達したこととなる。
本明細書で使用する場合、「骨格の成熟」との用語は、人の骨の成熟度を指す。人が胎児期から小児期、思春期にかけて成長するにつれて、人の骨はサイズおよび形が変わり、大人としての成長が終わる。十分な骨格の成熟は、骨が十分な自然の成長に達して成長が止まったときの人の骨の十分な成熟を表すために使用される。骨がまだ成長している場合、人は十分な骨格成熟に達していないか、または達成していない。
本明細書で使用する場合、「正常な骨成長」との用語は、人が幼児または小児から成人へと成熟するにつれて、人の自然な生理学的発達の正常な経過の間の人の骨の成長(例えば、サイズの増加)を指す。
本明細書で使用する場合、「レチノイン酸受容体(RAR)選択的アゴニスト」または「RARアゴニスト」との用語は、レチノイドX受容体(RXR)(例えば、RXRα、RXRβ、またはRXRγ)と比べて、RAR(例えば、RARα、RARβ、またはRARγ)に選択的に結合し(例えば、活性化または刺激し)(例えば、RXRを上回るRAR選択性)、RAR活性化を促進する化合物を指す。RARアゴニストは、RXRよりも有意に低い濃度(例えば、より低いEC50)でRARに結合する。いくつかの実施形態において、RARアゴニストは、RXRよりも、RARに対して3倍より大きい選択性(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20倍より大きい選択性)を示す。
本明細書で使用する場合、「RARγ選択的アゴニスト」または「RARγアゴニスト」との用語は、RARαまたはRARβと比べて、RARγに選択的に結合し(例えば、活性化または刺激し)(例えば、RARβを上回るRARγ選択性、およびRARαを上回るRARγ選択性)、RARγ活性化を促進する化合物を指す。RARγアゴニストは、RARαまたはRARβよりも有意に低い濃度(例えば、より低いEC50)でRARγに結合する。いくつかの実施形態において、RARγアゴニストは、RARαまたはRARβよりも、RARγに対して3倍より大きい選択性(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10倍より大きい選択性)を示す。いくつかの態様において、RARγアゴニストは、RARβよりも、RARγに対して3倍より大きい選択性(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10倍より大きい選択性)を示す。いくつかの実施形態において、RARγアゴニストは、RARαよりも、RARγに対して10倍より大きい選択性(例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍より大きい選択性)を示す。
本明細書で使用する場合、「RARγ/β選択的アゴニスト」または「RARγ/βアゴニスト」との用語は、RARαと比べて、RARγおよびRARβに選択的に結合し(例えば、活性化または刺激し)(例えば、RARαを上回るRARγ選択性、およびRARαを上回るRARβ選択性)、RARγおよびRARβの活性化を促進する化合物を指す。RARγ/βアゴニストは、RARαよりも有意に低い濃度(例えば、より低いEC50)でRARγおよびRARβに結合する。いくつかの実施形態において、RARγ/βアゴニストは、RARαよりも、RARγに対して3倍より大きい選択性(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10倍より大きい選択性)、ならびにRARαよりも、RARβに対して3倍より大きい選択性(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10倍より大きい選択性)を示す。
本明細書で使用する場合、「RXRを上回るRAR選択性」との用語は、RARに対する化合物のEC50に対する、RXRに対する化合物のEC50の比(例えばEC50RXR/EC50RAR)として定義される。
本明細書で使用される場合、「RARβを上回るRARγ選択性」という用語は、RARγに対する化合物のEC50に対する、RARβに対する化合物のEC50の比(例えば、EC50RARβ/EC50RARγ)として定義される。いくつかの実施形態において、RARγ選択的アゴニストは、3〜15または3〜10のEC50RARβ/EC50RARγを有する。
本明細書で使用する場合、「RARαを上回るRARγ選択性」との用語は、RARγに対する化合物のEC50に対する、RARαに対する化合物のEC50の比(例えば、EC50RARα/EC50RARγ)として定義される。
本明細書で使用する場合、「RARαを上回るRARβ選択性」との用語は、RARβに対する化合物のEC50に対する、RARαに対する化合物のEC50の比(例えば、EC50RARα/EC50RARβ)として定義される。本発明のいくつかの実施形態において、RARγ選択的アゴニストは、10より大きいEC50RARα/EC50RARβを有する。
いくつかの実施形態において、上記の選択性の比(例えば、EC50RXR/EC50RAR、EC50RARβ/EC50RARγ、EC50RARα/EC50RARγ、およびEC50RARα/EC50RARβ)のいずれにおいても、選択性の比は3より大きいものであり得る(例えば3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20より大きいものであり得る)。
本発明のいくつかの実施形態において、RARγ/β選択的アゴニストは、3〜15または3〜10のEC50RARβ/EC50RARγ、および10より大きいEC50RARα/EC50RARβを有する。
Fsp1−Ext1CKOマウスにおける肋骨のアルシアンブルーホールマウント骨格染色による骨軟骨腫(OC)総数に対するパロバロテン処置の効果を示すグラフである。 Fsp1−Ext1CKOマウスにおける24個の肋骨各々についてのアルシアンブルーホールマウント骨格染色によるOCの数に対するパロバロテン処置の効果を示すグラフである。 Fsp1−Ext1CKOマウスにおける頭殿長に対するパロバロテン処置の効果を示すグラフである。 Fsp1−Ext1CKOマウスの肋骨(左)および四肢骨(右)のOCの発生に対するパロバロテン処置の用量反応を示す一連のグラフである。
本発明は、対象にパロバロテン(R667としても知られる)を投与することによって、多発性骨軟骨腫(MO)を有する対象において、骨軟骨腫の形成を阻害し、骨軟骨腫のサイズを縮小させ、骨軟骨腫の成長を遅延させる方法を特徴とする。本明細書に記載の方法はまた、MOを有する対象における骨軟骨腫の形成および成長に関連する合併症を改善することができる。
I.多発性骨軟骨腫(MO)
多発性骨軟骨腫(MO)は、骨化した軟骨病変から形成された骨もしくは骨様の構造または突起である骨軟骨腫の発症を特徴とする遺伝性疾患である。骨軟骨腫は骨の表面に形成し得る。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は成長板から生ずる。骨軟骨腫は典型的には出生時には存在しないが、MOを有する個人の大部分は5歳までに目に見える骨軟骨腫を発症し、しばしば10歳までに診断される。遺伝子連鎖分析により、3つの遺伝子:染色体8q24.1に位置するExt1、染色体11p11に位置するExt2、および染色体19pに関係するExt3がMOに関連しているとして同定されている。EXT1およびEXT2が一緒になってヘパラン硫酸合成に必須であるグリコシルトランスフェラーゼをコードしていることは既に確立されている。ヘパラン硫酸は、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)およびグルクロン酸(GlcA)残基が交互に並ぶ骨格を有する高度に硫酸化された線状多糖類である。EXT1およびEXT2タンパク質は、GlcNAcおよびGlcA残基の共重合を触媒するオリゴマー複合体を形成し、それによってヘパラン硫酸骨格を伸長する。MOはまた、多発性遺伝性外骨腫(MHE)、ベッセル・ハーゲン病、骨幹病的組織結合、多発性軟骨性外骨腫、および多発性先天性外骨腫、および遺伝性多発性骨軟骨腫(HMO)としても知られ、そのような用語は互換的に使用できる。
体内の任意の関節または骨はMOにより影響を受け得る。MOを有する対象において、骨軟骨腫はしばしば、活発な骨成長の領域に隣接して、例えば、骨の成長板の近傍で形成される。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、長骨に(例えば、長骨の端部で)または扁平骨に形成し得る。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、寛骨、肩甲骨、肋骨、大腿骨、脛骨、上腕骨、腓骨、骨盤骨、または椎骨に形成し得る。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、骨基底部を覆う軟骨帽を含む。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、骨の表面から骨幹に入り込むことがある。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は成長板から生ずる。骨軟骨腫の数および骨軟骨腫が形成される骨は、罹患した個人の間で大きく変わり得る。本明細書中に記載される方法は、MOを有する対象において形成および成長する全ての種類の骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させることを想定している。本発明の方法は、実施例1に記載のように評価することができる。
骨軟骨腫はしばしば、低身長、四肢長不等、四肢骨の湾曲、硬直、および脊柱側弯などの骨格系の変形を引き起こす。いくつかの実施形態において、骨軟骨腫は、転移性軟骨肉腫への悪性転換を受け得る。いくつかの実施形態において、MOに関連する変異遺伝子(例えば、変異Ext1、Ext2、またはExt3遺伝子)を有する対象は骨軟骨腫形成を有しない。
II.発明の方法
本明細書に記載の方法は、治療有効量のパロバロテンまたはその薬学的に許容される塩をMOを有する対象に投与して、対象における骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させることを含む。本明細書に記載の方法はまた、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を軟骨過形成を低減するのに有効な量で対象に投与することにより、MOを有する対象における軟骨過形成を低減する。パロバロテン(4−[(1E)−2−[5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−3−(1H−ピラゾール−1−イルメチル)−2−ナフタレニル]−エテニル]−安息香酸、R667としても知られる)は、以下の構造を有するレチノイン酸受容体ガンマ/ベータ(RARγ/β)選択的アゴニストである。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、活発な骨成長の領域に隣接して、例えば、骨の成長板の近傍で形成された骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、長骨(例えば、長骨の端部)または扁平骨に形成された骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、MOを有する対象の寛骨、肩甲骨、肋骨、大腿骨、脛骨、上腕骨、腓骨、骨盤骨、または椎骨に形成された骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、MOを有する対象の軟骨膜に形成された骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、MOを有する対象の軟骨膜のランヴィエ溝に形成された骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、MOを有する対象の骨の骨端に形成された骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、骨基底部を覆う軟骨帽を含む骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、骨の表面から骨の骨幹に入り込んだ骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させる。本明細書中に記載される方法は、MOを有する対象において形成および成長する全ての種類の骨軟骨腫の形成を阻害し、そのサイズを縮小させ、その成長を遅延させることを想定している。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、MOを有する対象における1つ以上の既存の骨軟骨腫の成長を低減または遅延させる。いくつかの実施形態において、本方法は、MOを有する対象における1つ以上の既存の骨軟骨腫のサイズを縮小させる。いくつかの実施形態において、本方法は、MOを有する対象における複数の骨軟骨腫の平均サイズを縮小させる。さらに、本明細書中に記載される方法は、MOを有する対象における任意の新しい骨軟骨腫の形成を阻害し得る。
いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩は、MOに関連する遺伝子変異(例えば、変異Ext1、Ext2、またはExt3遺伝子)を有し、1つ以上の骨軟骨腫を発症した対象に投与され得る。他の実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩は、MOに関連する遺伝子変異(例えば、変異Ext1、Ext2、またはExt3遺伝子)を有し、いかなる骨軟骨腫を発症していない対象に投与され得る。
本発明の方法は、形成される骨軟骨腫の数(例えば、肋骨に形成される骨軟骨腫の数)、または骨軟骨腫が形成される部位の数(例えば、少なくとも1つの骨軟骨腫を示す肋骨の数;実施例1を参照のこと)を減少し得る。例えば、実施例1に示されるように、肋骨における骨軟骨腫の平均総数は、ビヒクル処置マウスよりもパロバロテン処置Fsp1−Ext1CKOマウス(MOのマウスモデル)において有意に低かった。実施例1はまた、少なくとも1つの骨軟骨腫を示す肋骨の数がビヒクル処置マウスよりもパロバロテン処置マウスにおいて有意に少ないことを示している。
本明細書に記載の方法はまた、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を軟骨過形成または軟骨過成長を低減するのに有効な量で対象に投与することにより、MOを有する対象における軟骨過形成または軟骨過成長を低減する。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、本方法のうちのいずれかによって処置されるMOを有する対象は、十分に成長していない小児または青年である。いくつかの実施形態において、小児または青年は骨格の成熟を達成していない。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、対象を処置している間、対象の長骨成長は維持され、処置により影響を受けない。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象を処置している間、対象の成長板にいかなる損傷も引き起こさない。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象の正常な骨成長を妨げない。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、MOを有する対象の軟骨膜における骨形成タンパク質(BMP)レベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、MOを有する対象の軟骨膜のランヴィエ溝におけるBMPレベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、MOを有する対象の骨の骨端におけるBMPレベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象の過成長した軟骨におけるBMPレベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減することができる。
本明細書中に記載される方法はまた、対象における骨変形および/または他の合併症、例えば、関節変形、運動制限または可動域制限、低身長、四肢長不等、骨の湾曲、変形性関節症、疼痛、強直、脊柱側弯、血管、神経、および腱の絞扼、ならびに脊髄圧迫を改善または阻害することができる。
III.薬学的組成物および製剤
対象への投与のために、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される組成物で提供することができる。これらの薬学的に許容される組成物は、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに1つ以上の薬学的に許容される担体および賦形剤を含む。薬学的組成物は、固体または液体形態で投与のために製剤化されてもよい。
パロバロテンは、中性形態(すなわち、遊離塩基または双性イオン中性形態)で投与することができる。任意選択で、パロバロテンは、医薬産業において通常使用される非毒性の酸付加塩または金属錯体などの薬学的に許容される塩として投与してもよい。本発明の方法において使用され得る酸付加塩の例としては、酢酸、乳酸、パモ酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、パルミチン酸、スベリン酸、サリチル酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、またはトリフルオロ酢酸などの有機酸、タンニン酸、カルボキシメチルセルロースなどの高分子酸、および塩酸、臭化水素酸、硫酸リン酸などの無機酸が挙げられる。本発明の方法において使用され得る金属錯体には、とりわけ、カルシウム、亜鉛、および鉄が含まれる。
いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物は、経口投与のために調製される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、パリバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1つ以上の薬学的に許容される担体および賦形剤と合わせることによって製剤化される。このような担体および賦形剤により、対象による経口摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、および懸濁剤として薬学的組成物を製剤化することができる。
いくつかの実施形態において、経口使用のための薬学的組成物は、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩と1つ以上の担体および賦形剤とを混合することによって得られる。適切な担体および賦形剤としては、乳糖、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、このような混合物は、任意で粉砕され、助剤が任意で添加される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、錠剤または糖衣錠コアを得るために形成される。いくつかの実施形態において、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくは、アルギン酸ナトリウムなどのその塩)を添加する。
パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を経口投与する場合、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物は、単位剤形(例えば、液体単位剤形または固体単位剤形)であり得る。製剤中のパロバロテンまたはその薬学的に許容される塩の濃度および/または量は、例えば、投与されるパロバロテンまたはその薬学的に許容される塩の投与量および投与頻度によって変わり得る。
いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物は、軟膏剤などの対象の皮膚への投与のために調製される。
IV.療法および投与量
いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩は1つ以上の他の薬剤とともに共投与される。いくつかの実施形態において、そのような1つ以上の他の薬剤は、MOを処置するように設計される。いくつかの実施形態において、そのような1つ以上の他の薬剤は、MO以外の疾患または状態を処置するように設計される。いくつかの実施形態において、そのような1つ以上の他の薬剤は、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩の望ましくない効果を処置するように設計される。いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の他の薬剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の他の薬剤は、異なる時点で投与される。例えば、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を最初に投与し、続いて1つ以上の他の医薬品を薬剤してもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の他の医薬品を最初に投与し、続いてパロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を投与してもよい。いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の他の薬剤は、単一の製剤で一緒に調製される。いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の他の薬剤は、別個に調製される。
いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩は、投与量単位の形態(例えば、錠剤、カプセル剤など)で投与される。いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩は、0.5〜20mg(例えば、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、または20mg)の用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、5〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に0.5〜9mg(例えば、1日に0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、または9mg)の用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、5〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.0±0.5〜3.0±0.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、5〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.0±0.5〜3.0±0.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、5〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.0mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、5〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.0mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、5〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に2.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、5〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に2.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、5〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に0.5〜9mg(例えば、1日に0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、または9mg)の用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、10〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.0±0.5〜3.0±0.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、10〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.0±0.5〜3.0±0.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、10〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.0mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、10〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.0mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、10〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に2.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、10〜20kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に2.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、20〜40kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に0.5〜12mg(例えば、1日に0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、または12mg)の用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、20〜40kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.0±0.5〜4.0±0.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、20〜40kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に1.5mgの用量で投与される。
一実施形態において、MOを有すると診断され、20〜40kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に3.0mgの用量で投与される。
別の実施形態において、MOを有すると診断され、40〜60kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に0.5〜15mg(例えば、1日に0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、または15mg)の用量で投与される。
別の実施形態において、MOを有すると診断され、40〜60kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に2±0.5〜5±0.5mgの用量で投与される。
別の実施形態において、MOを有すると診断され、40〜60kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に2.0mgの用量で投与される。
別の実施形態において、MOを有すると診断され、40〜60kgの体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に4.0mgの用量で投与される。
さらなる実施形態において、MOを有すると診断され、60kg超の体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に0.5〜20mg(例えば、1日に0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、または20mg)の用量で投与される。
さらなる実施形態において、MOを有すると診断され、60kg超の体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に2±0.5〜6±0.5mgの用量で投与される。
さらなる実施形態において、MOを有すると診断され、60kg超の体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に2.5mgの用量で投与される。
さらなる実施形態において、MOを有すると診断され、60kg超の体重である対象に、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩を1日に5.0mgの用量で投与される。
いくつかの態様において、用量は1日1回投与され得る。いくつかの実施形態において、用量は、間隔を置いて(例えば、4〜8時間に1回、例えば、4、5、6、7、または8時間に1回)、1日に2回以上(例えば、1日に2回または1日に3回)投与され得る。いくつかの実施形態において、用量は、2〜10日に1回(例えば、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、7日に1回、8日に1回、9日に1回、または10日に1回)投与され得る。いくつかの実施形態において、対象に投与されるパロバロテンまたはその薬学的に許容される塩の量は、ある用量から次の用量に増加または減少してもよい。いくつかの実施形態において、パロバロテンまたはその薬学的に許容される塩は、所望の効果を持続するのに必要である限り、MOを有する対象に投与してもよい。
実施例1−MOマウスモデルにおける骨軟骨腫に対するパロバロテンの効果
マウスにおける、Fsp1プロモーター(Fsp1−Ext1CKO)によって駆動されるCre導入遺伝子を用いたExt1の2対立遺伝子のコンディショナルノックアウト(CKO)は、MOに特徴的な表現型の形成をもたらす。発達中の骨におけるFsp1発現は、軟骨膜および骨膜に限定される。マウスにおける軟骨膜を標的としたExt1欠失は、長骨、椎骨、および肋骨において骨軟骨腫形成を引き起こす。Fsp1−Ext1CKOマウスは、出生時には正常に見え、P(出生後の日数)28までに軽度の骨変形を示し、正常な寿命を有する。これらのマウスでは、軟骨帽を有する骨結節からなる骨突起がP14後に最初に検出可能である。これらの突起は、ヒトMOにおける骨軟骨腫の組織学的特徴と一致している。P28までに、全ての動物が、ホールマウント骨格調製物で容易に観察することができる複数の骨軟骨腫を発症する。この表現型は、MOの前臨床モデルとしてのFsp1−Ext1CKOマウスの妥当性を裏付けている。それはまた、以前に開発されたMOマウスモデルであるCol2a1−Ext1CKOマウスで観察された知見ともよく似ている。
MOにおけるパロバロテンの治療効果をFsp1−Ext1CKOマウスモデルで試験した。CKOマウスを、強制経口投与によりパロバロテン(1.05mg/kg)またはビヒクルで毎日処置した。処置は産後14日目に開始し、4週間毎日続けた。マウスモデルにおける骨軟骨腫(OC)の形成に対するパロバロテンの効果を、ホールマウント骨格調製物を用いて評価した。処置終了時に、マウスをCO吸入により安楽死させ、死体を切除し、95%エタノール中で一晩固定した。調製物をアルシアンブルーで3日間染色し、95%エタノール中ですすぎ、2%KOH中で1〜2日間インキュベートした。染色調製物を20%グリセロール/1%KOH中で14日間洗浄し、写真撮影および保存のために50%グリセロール/50%エタノールに移した。解剖顕微鏡下で検査することにより、明らかに識別可能なアルシアンブルー陽性突起をOCとみなした。各マウスからの24個の肋骨の各々においてOCを同定し、計数した。
これらの計数の合計(肋骨におけるOCの総数)および反応の発生平均値(OCを示さない肋骨の数対少なくとも1つのOCを示す肋骨の数)を各処置群について報告した。
ビヒクル処置Fsp1−Ext1CKOマウス(n=3)では、100%の動物が処置の4週間後に全ての肋骨にOCの存在を示した。表1および図1に示すように、ビヒクル処置Fsp1−Ext1CKOマウスでは、肋骨におけるOCの平均総数がパロバロテン処置Fsp1−Ext1CKOマウスよりも有意に多かった(n=9)。結果は、パロバロテン処置により、Fsp1−Ext1CKOマウスにおいて、肋骨あたりのOCの数が減少し、OCの形成が防止されることを示し、全ての肋骨が少なくとも1つのOCを示したビヒクル処置マウスと比較して、パロバロテン処置したマウスでは肋骨のうちのいくつかでOCが観察されなかった(図2)。フィッシャーの正確確率検定を用いた反応の発生平均値(OCを示さない肋骨の数対少なくとも1つのOCを示す肋骨の数)の比較は、パロバロテン処置とビヒクル処置との間の差が統計的に有意であることを示唆した(p=0.0039、表2)。纏めると、これらの結果は、MOのマウスモデルであるFsp1−Ext1CKOマウスにおけるパロバロテンの潜在的な有益な治療効果を示唆している。
実施例2−MOマウスモデルにおけるパロバロテンの頭殿長に対する効果
鼻先から尾の付け根までのマウスの体長として定義される頭殿長を、定規を用いて、ビヒクルおよびパロバロテン処置Fsp1−Ext1CKOマウスならびに未処置の野生型(WT)同腹仔において、ベースライン(研究1日に目)ならびにパロバロテン処置開始後3週間および4週間(それぞれ研究21日に目および28日目)で測定した。図3に示すように、パロバロテン処置は、ビヒクル対照と比較して、Fsp1−Ext1CKOマウスにおける4週間の毎日の経口処置後の頭殿長に対する効果を有していなかった。
纏めると、実施例によって示されるように、パロバロテン処置は、長骨成長を維持することができ、動物での正常な骨成長を妨げなかった。さらに、パロバロテン処置は観察された骨軟骨腫の数およびサイズを縮小させた。動物が軟骨過形成の減少を示すこともまた観察された。
実施例3−Fsp1−Ext1ckoマウスにおけるOC形成を阻害するためのパロバロテンの用量反応
非臨床薬理学データ:Fsp1−Ext1CKOマウスに、3つの用量(0.269mg/kg[低]、0.882mg/kg[中]、または1.764mg/kg[高])のパロバロテンを、処置を産後14日目に開始して連続28日間(P14コホート)または産後21日目から開始して連続21日間(P21コホート)投与した。パロバロテンは、ビヒクル対照と比較して用量依存的にOCの発生を阻害した。より早期かつより長い投与のP14コホートでは、P21コホートと比較して、より高い有効性が観察された。
用量暴露反応を決定するために、成体野生型(WT)マウスから得られた薬物動態データに基づき、成体WTマウスにおける薬物動態が幼若Fsp1−Ext1CKOマウスと類似していると仮定して、本研究における暴露を推定した。
PVOはマウスモデルにおいて対応する暴露レベルで有効であり、肋骨におけるOCの減少%についてのEC50での暴露は幼若Fsp1−Ext1ckoマウスにおいて57ng・hr/mL〜173ng・hr/mLの範囲であった。
図4において、データ(肋骨および四肢骨の総OCの減少率)が推定された暴露の関数として示されている。P14コホートについて同定されたAUC0〜24時間でのEC50は57〜62ng・hr/mLであり、P21コホートについては125〜173ng・hr/mLであった。
実施例4−MOマウスモデルにおけるパロバロテンの頭殿長に対する効果
2.5mgまたは5.0mgのパロバロテンのいずれかを享受した成人に同様の暴露を提供するであろう小児対象の適切な体重調整用量を決定するために薬物動態モデリングを行った。体重についてのAUCおよびCmax予測値を表3に纏める。
結果は、体重基準の投与レジメンが、2.5mg等価用量では85〜147ng・hr/mLおよび5.0mg等価用量では211〜294ng・hr/mLの範囲の、異なる体重区分にわたる暴露をもたらしたことを示している。注目すべきことに、低体重区分における体重調整用量の予測される暴露は、安全域を提供するにはわずかに低い。
表4は、2.5mgおよび5.0mg等価用量のパロバロテンを享受した対象についてのAUC0〜24平均値および中央値の薬物動態パラメータを纏めたものである。骨格が成熟している対象は固定用量レジメンを享受した一方、骨格が成熟していない18歳未満の対象は体重調整等価用量により投与された。体重基準の投与を用いた観察された暴露は固定用量投与よりも低い傾向があったが、2.5mg群ではサンプルを提供する対象の数は非常に少ない。これらの結果は、利用可能なデータが増えるにつれて更新される。
パロバロテンの全身暴露に影響を与えることが知られている他の1つのパラメータは食物である。臨床試験では、正確な摂取量は記録されないが、全ての対象は毎日ほぼ同じ時間に、食事の後に試験薬を投与するように指示される。全体として、観察された暴露は約1のAUCA/P比によって実証されるように予測された暴露とよく一致しており、投与レジメンが予測された暴露を達成したことを示している。
他の実施形態
本発明は、その具体的な実施形態に関連して説明されているが、さらなる改変が可能であり、本出願は、概して、本発明の原理に従ういかなる変化、使用、または適用も網羅することが意図されており、本発明が属する技術分野内で既知のまたは通例の実施内に収まり、上述に示される必須の特徴へ適用され得ることが理解されるであろう。
全ての公開物、特許、および特許出願は、各個々の公開物、特許または特許出願が、その全体が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。

Claims (51)

  1. 多発性骨軟骨腫(MO)を有する対象における骨軟骨腫の形成を阻害する方法であって、パロバロテン((E)−4−(2−{3−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル}ビニル)安息香酸)またはその薬学的に許容される塩を前記骨軟骨腫の前記形成を阻害するのに有効な量で前記対象に投与することを含む、方法。
  2. MOを有する対象における骨軟骨腫のサイズを縮小させる方法であって、パロバロテン((E)−4−(2−{3−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル}ビニル)安息香酸)またはその薬学的に許容される塩を前記骨軟骨腫の前記サイズを縮小させるのに有効な量で前記対象に投与することを含む、方法。
  3. MOを有する対象における骨軟骨腫の成長を遅延させる方法であって、パロバロテン((E)−4−(2−{3−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル}ビニル)安息香酸)またはその薬学的に許容される塩を前記骨軟骨腫の前記成長を遅延させるのに有効な量で前記対象に投与することを含む、方法。
  4. 前記方法が前記対象における骨軟骨腫の平均サイズを縮小させる、請求項2に記載の方法。
  5. 前記骨軟骨腫が骨成長領域に隣接して形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記骨軟骨腫が成長板に隣接して形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記骨軟骨腫が軟骨膜に形成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記骨軟骨腫が前記軟骨膜のランヴィエ溝に形成される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記骨軟骨腫が骨の骨端に形成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記骨軟骨腫が長骨に形成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記骨軟骨腫が長骨の端部に形成される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記骨軟骨腫が扁平骨に形成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記骨軟骨腫が、寛骨、肩甲骨、肋骨、大腿骨、脛骨、上腕骨、腓骨、骨盤骨、または椎骨に形成される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記骨軟骨腫が骨の表面に形成される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記骨軟骨腫が骨の骨幹において形成される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記方法が、前記対象における骨軟骨腫の数を減少させる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記方法が、前記対象における少なくとも1つの骨軟骨腫を有する骨の数を減少させる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. MOを有する対象における軟骨過形成を低減する方法であって、パロバロテン((E)−4−(2−{3−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル}ビニル)安息香酸)またはその薬学的に許容される塩を前記軟骨過形成を低減するのに有効な量で前記対象に投与することを含む、方法。
  19. 前記対象が骨軟骨腫を有していない、請求項1または18に記載の方法。
  20. 前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に0.5〜9mgである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記対象の体重が5〜20kgである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に0.5〜12mgである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記対象の体重が20〜40kgである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に0.5〜15mgである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記対象の体重が40〜60kgである、請求項24に記載の方法。
  26. 前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に0.5〜20mgである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記対象の体重が60kg超である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記対象が十分に成長していない小児または青年である、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記小児または青年が十分な骨格成熟を達成していない、請求項28に記載の方法。
  30. 前記対象を処置している間、前記対象の長骨成長が維持される、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記方法が、前記対象を処置している間、前記対象の成長板へのいかなる損傷も引き起こさない、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記方法が、前記対象の正常な骨成長を妨げない、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記方法が、前記対象の軟骨膜における骨形成タンパク質(BMP)レベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減させる、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記方法が、前記対象の前記軟骨膜のランヴィエ溝におけるBMPレベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減させる、請求項33に記載の方法。
  35. 前記方法が、前記対象の骨の骨端におけるBMPレベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減させる、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記方法が、前記対象の過成長した軟骨におけるBMPレベルおよび/またはBMPシグナル伝達を低減させる、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記対象が変異エクソストシン遺伝子を有する、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記変異エクソストシン遺伝子が変異Ext1、Ext2、またはExt3遺伝子である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記対象の体重が5〜20kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に1.0±0.5〜3.0±0.5mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記対象の体重が10〜20kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に1.0±0.5〜3.0±0.5mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記対象の体重が10〜20kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に1.0±0.1mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記対象の体重が10〜20kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に2.5±0.25mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記対象の体重が20〜40kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に1.0±0.5〜4.0±0.5mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記対象の体重が20〜40kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に1.5±0.15mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記対象の体重が20〜40kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に3.0±0.3mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記対象の体重が40〜60kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に2.0±0.5〜5.0±0.5mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記対象の体重が40〜60kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に2.0±0.2mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記対象の体重が40〜60kgであり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に4.0±0.4mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記対象の体重が60kg超であり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に2.0±0.5〜6.0±0.5mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記対象の体重が60kg超であり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に2.5±0.25mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記対象の体重が60kg超であり、前記対象に投与されるパロバロテンの量が1日に5.0±0.5mgである、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
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