JP2005206544A - 筋肉再生剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、心筋、骨格筋、平滑筋等の筋肉を再生し、拡張型心筋症等の改善、治療及び予防に有効な医薬を提供する。
【解決手段】 G−CSF及びビタミンA類を有効成分とする筋肉再生剤。
【選択図】 なし
【解決手段】 G−CSF及びビタミンA類を有効成分とする筋肉再生剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は心筋、骨格筋等の筋肉の再生を促進し、拡張型心筋症等の治療に有用な筋肉再生剤に関する。
難病に指定されている拡張型心筋症は、心筋が変性を起こし脱落し、繊維化がおこり、心臓が拡張し、ポンプ機能が低下し、うっ血性心不全を来たし、ついには死に至る原因不明の致死的心臓病である。また、重症冠動脈疾患や特発性肥大型心筋症の末期の拡張相においても、心筋の変性を伴い類似の病態を呈する。
斯かる心筋の変性を伴う疾患に対しては、β受容体遮断剤、アンギオテンシンII変換酵素阻害剤、アンギオテンシン受容体遮断剤、強心剤、利尿剤、血管拡張剤等の薬剤が治療に用いられているが、これらは対症療法であり症状を一時的に軽減できるのみであり、現在のところ、心臓移植以外に根治できる治療法は見出されていない。
近年、骨髄由来幹細胞を心臓に注入して、心筋組織を再生する治療法が試みられているが、再生される心筋量が十分でなく、また患者に対する負担も大きい方法であり、臨床的には成功していない。
斯かる心筋の変性を伴う疾患に対しては、β受容体遮断剤、アンギオテンシンII変換酵素阻害剤、アンギオテンシン受容体遮断剤、強心剤、利尿剤、血管拡張剤等の薬剤が治療に用いられているが、これらは対症療法であり症状を一時的に軽減できるのみであり、現在のところ、心臓移植以外に根治できる治療法は見出されていない。
近年、骨髄由来幹細胞を心臓に注入して、心筋組織を再生する治療法が試みられているが、再生される心筋量が十分でなく、また患者に対する負担も大きい方法であり、臨床的には成功していない。
更に、筋ジストロフィー等の遺伝性筋性疾患、外傷性筋損傷、神経損傷等による骨格筋疾患、動脈硬化や血管病変に伴う骨格筋疾患についても有効な治療法は見出されていない。更に、先天性ないしは後天性血管疾患における血管平滑筋傷害についても有効な治療法は見出されていない。
従って、患者に負担をかけない非侵襲的方法により、十分な筋肉量を再生させることができれば、心臓移植等に頼ることなく、上記の致死的疾患が根治できることになり、人類にとって、大いなる福音となる。
一方、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)は、白血球を増加せしめる因子であり、顆粒球減少症の治療に広く用いられている。また、血管新生療法のための骨髄由来幹細胞を増やすためにも用いられている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、心筋細胞や骨格筋細胞等を新生(再生)させるか否かについては、全く不明である。
また、レチノイン酸等のビタミンA類は、細胞毒性作用(例えば、特許文献1参照)、細胞分化促進作用を有し、白血病、乳癌等の悪性腫瘍や(例えば、特許文献2参照)、ケロイド、ニキビ、関節炎等(例えば、特許文献2、3参照)の治療に用いうるとされている。しかしながら、ビタミンA類に筋肉再生作用があるか否か、また拡張型心筋症等の疾患に有効であるか否かは全く不明である。
国際公開第2002/03912号パンフレット
国際公開第2000/00207号パンフレット
米国特許第5837728号明細書
Seiler C, et al: Circulation 104: 2012-2017, 2001
本発明は、心筋、骨格筋、平滑筋等の筋肉を再生し、拡張型心筋症等の治療及び予防に有効な医薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、鋭意研究した結果、G−CSFとビタミンA類を併用すると、脱落した筋肉を著明に再生せしめると共に、繊維化を減少せしめ、当該組織の機能を改善せしめることを見出し、筋肉の変性、脱落又は繊維化を伴う疾患の予防・治療に有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、G−CSF及びビタミンA類を有効成分とする筋肉再生剤を提供するものである。
本発明によれば、筋肉の変性、脱落又は繊維化を伴う拡張型心筋症、虚血性心筋症、拡張相肥大型心筋症等の心臓疾患、筋ジストロフィー、神経筋疾患等の遺伝性疾患、外傷性筋損傷、神経損傷による神経性心筋骨格筋疾患、消化管若しくは血管平滑筋疾患の予防又は治療剤が提供され、特に心臓移植以外に根治的治療法のない拡張型心筋症の根治的治療方法を提供できる。
本発明で使用するG−CSFは、G−CSF活性を有するポリペプチドであればいずれでもよく、ヒト、ウシ等の哺乳動物から抽出された天然型G−CSF、遺伝子操作技術により作製された組換型G−CSF(ヒト型リコンビナント、動物型リコンビナント)のいずれでもよい。また、G−CSF活性を有する限り、そのアミノ酸配列の一部が欠失、他のアミノ酸に置換又は他のアミノ酸配列が挿入されたG−CSF変異体も含まれる。
天然型G−CSFの調製は、例えば、ヒト、ウシ等の哺乳動物から抽出、精製して得ればよく、組換え型のG−CSFは公知の遺伝子工学的手法によりG−CSFをコードする遺伝子を適切なベクターに組込み、これを適当な宿主に挿入して形質転換し、この形質転換体の培養上清から目的とする組換え体を取得すればよい。また、「ヒト型レコンビナント顆粒球刺激因子(G−CSF)」(中外製薬製)等の市販品を用いることもできる。
天然型G−CSFの調製は、例えば、ヒト、ウシ等の哺乳動物から抽出、精製して得ればよく、組換え型のG−CSFは公知の遺伝子工学的手法によりG−CSFをコードする遺伝子を適切なベクターに組込み、これを適当な宿主に挿入して形質転換し、この形質転換体の培養上清から目的とする組換え体を取得すればよい。また、「ヒト型レコンビナント顆粒球刺激因子(G−CSF)」(中外製薬製)等の市販品を用いることもできる。
本発明におけるビタミンA類としては、例えば、レチノール、レチノール脂肪酸エステル、3−デヒドロレチノール脂肪酸エステル等のレチノール類;レチノイン酸(all transレチノイン酸、13-cis-レチノイン酸、9-cis-レチノイン酸)、3−デヒドロレチノイン酸、5,6-エポイキシレチノイン酸、4−ヒドロキシレチノイン酸、4−オキソレチノイン酸および3,4-ジデヒドロレチノイン酸等のレチノイン酸類;レチナール、3−デヒドロレチナール等のレチナール類が挙げられる。このうち、レチノイン酸類が好ましく、更にはレチノイン酸が好ましく、特にall transレチノイン酸が好ましい。
斯かるレチノイン酸類は、公知の方法に合成することにより得ることができ、「all transレチノイン酸」(Sigma社製)等の市販品を使用することもできる。
斯かるレチノイン酸類は、公知の方法に合成することにより得ることができ、「all transレチノイン酸」(Sigma社製)等の市販品を使用することもできる。
本発明の筋肉再生剤中には、G−CSFとビタミンA類が質量比で、1:1〜1:0.0001、好ましくは1:0.001〜1:0.1で含有するのが、筋肉の再生と、繊維化を減少効果の点で好ましい。
G−CSFとビタミンA類との併用は、後記実施例に示すように、これらを単独で投与した場合に比べ、脱落した心筋を著明に再生せしめると共に、繊維化を有意に減少せしめ、心機能を顕著に改善する。従って、これらを製薬上許容し得る担体と共に非経口投与剤又は経口投与剤に製剤化することにより筋肉再生剤とすることができ、筋肉の変性、脱落又は繊維化を伴う疾患、例えば拡張型心筋症、虚血性心筋症、拡張相肥大型心筋症、心筋炎、代謝性心筋疾患等の心臓疾患、筋ジストロフィー等の神経筋の遺伝性疾患、外傷性筋損傷、神経損傷による神経性心筋骨格筋疾患、消化管若しくは血管平滑筋疾患の予防又は治療に有効な医薬とすることができる。
本発明の筋肉再生剤には、G−CSF以外の細胞増殖因子(例えば、線維芽細胞増殖因子、血小板増殖因子、リンパ球増殖因子、エリスロポエチン等)や、細胞分化促進剤(例えば、ヒトB細胞分化誘導因子(human B cell differentiation factor)、フェルラ酸(ferulic acid)、チオフェン誘導体、ヘリオキサンチン(helioxanthin)、テライン(terrain)、マイコフェノール酸(mycophenolic acid)、ベンゾチオピン誘導体、ベンゾチオピラン誘導体、シクロヘキサン長鎖アルコール誘導体、イソフラボン、フラバノン誘導体、TNF−α、TNF−γ、アニリド等)、を併せて使用することができ、これにより、更に本発明の効果を増強することができる。
非経口投与のための剤形としては、例えば、注射剤、坐薬、吸入剤(経鼻吸収剤、経肺呼吸剤、経皮吸収剤)、皮膚粘膜投与製剤等が挙げられる。
注射剤は、液剤(無菌水又は非水溶液)、乳剤及び懸濁剤の形態とすることができ、これらに用いられる非水担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルとしては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、オレイン酸エチル等の注射可能な有機酸エステルが挙げられる。また、該組成物には防腐剤、酸化防止剤、無痛化剤、等張化剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤等の補助剤を適宜配合することができる。
尚、斯かる注射剤は、凍結保存又は凍結乾燥により保存するのが望ましく、凍結乾燥製剤とした場合は、用時に注射用蒸留水等により溶解して使用される。
注射剤は、液剤(無菌水又は非水溶液)、乳剤及び懸濁剤の形態とすることができ、これらに用いられる非水担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルとしては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、オレイン酸エチル等の注射可能な有機酸エステルが挙げられる。また、該組成物には防腐剤、酸化防止剤、無痛化剤、等張化剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤等の補助剤を適宜配合することができる。
尚、斯かる注射剤は、凍結保存又は凍結乾燥により保存するのが望ましく、凍結乾燥製剤とした場合は、用時に注射用蒸留水等により溶解して使用される。
経口投与製剤としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形製剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性若しくは水性懸濁剤等の液剤を例示でき、賦形剤、結合剤、崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、乳化剤、希釈剤等の製剤化に必要な添加物を適宜配合して調製することができる。
本発明の筋肉再生剤は、その製剤形態に応じた適当な投与経路により投与され得るが、中でも注射剤の形態で用いるのが好ましく、特に皮下又は筋肉内投与、冠動脈内投与、心筋内投与、心膜腔内投与、静脈内投与等が好ましい。
また、その使用形態は特に限定されず、両薬剤を同時に投与すること以外に、間隔を置いて別々に投与してもよい。すなわち、G−CSFとビタミンA類は、製剤学的に許容される希釈剤、賦形剤等と混合して単一製剤とするか、両薬剤を別々に製剤化してセットとして使用してもよい。両薬剤を別々に製剤する場合には、両製剤は同一の剤形としなくてもよい。
本発明の筋肉再生剤の投与量は、患者の年齢、体重、投与対象疾患、症状、投与形態、投与ルート等に応じて適宜選択されるが、G−CSFは、1日当たり10〜3000μg/kg、好ましくは20〜1000μg/kg、ビタミンA類は、1日当たり10〜10000ng/kg、好ましくは50〜1000ng/kg投与するのがよい。また、投与は、1日1回でもよいが、2回以上に分けて投与してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
1.薬剤の作成法
all transレチノイン酸(all trans retinoic acid=ATRA, Sigma社製)を5%アルブミン溶液に溶解せしめ300ng/mlの溶液とし、冷所保存した。
G−CSFは、ヒト型レコンビナント顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)(中外製薬製)を用いた。
投与直前に両者を蒸留水により溶解し、ATRA 300ng/ml、G−CSF 30μg/mlの併用製剤を作成した。
all transレチノイン酸(all trans retinoic acid=ATRA, Sigma社製)を5%アルブミン溶液に溶解せしめ300ng/mlの溶液とし、冷所保存した。
G−CSFは、ヒト型レコンビナント顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)(中外製薬製)を用いた。
投与直前に両者を蒸留水により溶解し、ATRA 300ng/ml、G−CSF 30μg/mlの併用製剤を作成した。
2.投与動物と薬剤投与法
20週齢のメス心筋症ハムスター(Bio TO−2)を7匹ずつ5群にわけた。
1)対照群:生理食塩水 0.1mlを隔日皮下注射。
2)G−CSF10群:G−CSFを蒸留水に溶解し、10μg/mlの濃度とし、10μg/kgを隔日皮下注射。
3)G−CSF30群:G−CSF30μg/kgを隔日皮下注射。
4)ATRA群:ATRA300ng/kgを隔日皮下注射。
5)G−CSF30+ATRA群:G−CSFとATRAの併用製剤をG−CSF30μg/kg, ATRA 300ng/kg 隔日皮下注射。
以上の注射を8週間行い、ネンブタール腹腔内投与により麻酔し、心臓を摘出し、その重量を測定した。
20週齢のメス心筋症ハムスター(Bio TO−2)を7匹ずつ5群にわけた。
1)対照群:生理食塩水 0.1mlを隔日皮下注射。
2)G−CSF10群:G−CSFを蒸留水に溶解し、10μg/mlの濃度とし、10μg/kgを隔日皮下注射。
3)G−CSF30群:G−CSF30μg/kgを隔日皮下注射。
4)ATRA群:ATRA300ng/kgを隔日皮下注射。
5)G−CSF30+ATRA群:G−CSFとATRAの併用製剤をG−CSF30μg/kg, ATRA 300ng/kg 隔日皮下注射。
以上の注射を8週間行い、ネンブタール腹腔内投与により麻酔し、心臓を摘出し、その重量を測定した。
3.心機能検査法
8週間後、小動物用超音波エコー装置(アロカ社製)を用い、胸壁から、左心室の壁運動を記録し、拡張末期径、収縮末期径を計測し、左心室を回転楕円体とみなし、駆出率を算出し、比較した。
8週間後、小動物用超音波エコー装置(アロカ社製)を用い、胸壁から、左心室の壁運動を記録し、拡張末期径、収縮末期径を計測し、左心室を回転楕円体とみなし、駆出率を算出し、比較した。
4.病理学的検査法
摘出した心臓をホルマリン固定し、左心室長軸を4等分する部位で、輪切りにした。
輪切りにした3部位を用い顕微鏡用標本を作製し、アザン染色した。この、染色標本を顕微鏡を介し、写真撮影し、以下の分析に用いた。
1)輪切り3部位の壁面積をプラニメーターにより計測し、その平均値を総心筋面積、したがって、総心筋量の指標とした。
2)心筋は繊維化するとアザン染色で青色に染色される。そこで、青色部分の面積を計測し、その平均値を繊維化量の指標とした。
3)総心筋量―繊維化量をもって、正常心筋量とした。
4)同様にして、プラニメーターにより、左心室腔の面積を計測した。
5)総心筋面積/左心室腔面積を求心性肥大係数とした。
6)左心室前壁の心筋細胞の径(太さ)を計測した。
7)単位面積当たりの血管密度を調べた。
摘出した心臓をホルマリン固定し、左心室長軸を4等分する部位で、輪切りにした。
輪切りにした3部位を用い顕微鏡用標本を作製し、アザン染色した。この、染色標本を顕微鏡を介し、写真撮影し、以下の分析に用いた。
1)輪切り3部位の壁面積をプラニメーターにより計測し、その平均値を総心筋面積、したがって、総心筋量の指標とした。
2)心筋は繊維化するとアザン染色で青色に染色される。そこで、青色部分の面積を計測し、その平均値を繊維化量の指標とした。
3)総心筋量―繊維化量をもって、正常心筋量とした。
4)同様にして、プラニメーターにより、左心室腔の面積を計測した。
5)総心筋面積/左心室腔面積を求心性肥大係数とした。
6)左心室前壁の心筋細胞の径(太さ)を計測した。
7)単位面積当たりの血管密度を調べた。
5.成績
表1に示したごとく、超音波エコーによる左心室駆出率は、対照群と比べG−CSF 30μg/kg投与群では有意に高値を示し、G−CSF30μg/kgとATRA300ng/kgの併用投与群では、G−CSF単独と比べても著明に高値を示し、左心機能の悪化が防止されたことを示した。
表1に示したごとく、超音波エコーによる左心室駆出率は、対照群と比べG−CSF 30μg/kg投与群では有意に高値を示し、G−CSF30μg/kgとATRA300ng/kgの併用投与群では、G−CSF単独と比べても著明に高値を示し、左心機能の悪化が防止されたことを示した。
図1に左心室横断面の実例を示す。対照例に比べ、G−CSF 30μg/kg投与例では壁が軽度に肥厚し、G−CSF 30μg/kgとATRA300ng/kgの併用投与例では、著名な肥厚が見られる。
総心筋量は併用投与群でのみ有意に増加した。正常心筋量は併用投与群でのみ有意に増加し、繊維化量は併用投与群でのみ有意に減少し、G−CSF30μg/kg投与群とATRA 300ng/kg投与群では減少傾向をしめした。繊維化比は、G−CSF 30μg/kg投与群、ATRA 300ng/kg投与群、併用投与群で有意に減少し、正常心筋比はいずれの群でも増加したが、併用投与群で、その効果は有意に大であった(表1)。
すなわち、G−CSF、ATRAいずれも正常心筋増加作用と繊維化防止作用を有するが、その作用はごく弱く、両者を併用すると、相乗的に強力な効果を発揮することを示した。
すなわち、G−CSF、ATRAいずれも正常心筋増加作用と繊維化防止作用を有するが、その作用はごく弱く、両者を併用すると、相乗的に強力な効果を発揮することを示した。
心筋の太さについては、5群間で差は認められなかった。また、細動脈、細静脈、毛細血管密度に5群間で差は認められなかった。このことは、併用製剤が、心筋細胞を肥大させて正常心筋量を増加せしめるのではなく、また血流改善により心筋の壊死を防止して正常心筋量を増加せしめるのでもなく、したがって、心筋細胞の数を増加(再生)せしめて、正常心筋量を増加せしめたことを示す。
Claims (5)
- G−CSF及びビタミンA類を有効成分とする筋肉再生剤。
- ビタミンA類がall transレチノイン酸である請求項1記載の筋肉再生剤。
- G−CSFとビタミンA類を質量比で、1:1〜1:0.0001含有するものである請求項1又は2記載の筋肉再生剤。
- 心筋の再生を促進するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の筋肉再生剤。
- 拡張型心筋症、虚血性心筋症、拡張相肥大型心筋症、心筋炎、代謝性心筋疾患、筋ジストロフィー、外傷性骨格筋損傷、神経性心筋骨格筋疾患又は消化管若しくは血管平滑筋疾患の予防又は治療剤である請求項1〜3のいずれか1項記載の筋肉再生剤。
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