JP2019140046A - コネクタ、コネクタ装置 - Google Patents

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Shinjiro Kida
新二朗 木田
裕次郎 今井
Yujiro Imai
裕次郎 今井
裕馬 間宮
Yuma Mamiya
裕馬 間宮
雅美 川本
Masami Kawamoto
雅美 川本
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Abstract

【課題】コネクタの小型化を実現しつつ、突当部の破損を防止する。【解決手段】雌コネクタFは、雄コネクタMのフード部81の内側に嵌合されるハウジング10と、ハウジング10の前側部分に取り付けられるフロントリテーナ50と、を備える。ハウジング10は、複数の雌端子金具11を収容する端子収容部12と、端子収容部12の外周縁から前方に向けて略平板状に延び、且つフード部81に嵌合したときにフード部81の奥端面に突き当たる突当部24と、を有する。フロントリテーナ50は、突当部24の内側面に沿うように配されて、端子収容部12の前端を覆うカバー部51を有する。そして、正面視における突当部24の長さ方向において、突当部24の形成範囲をカバー部51よりも小さくする。【選択図】図3

Description

本発明はコネクタ及びコネクタ装置に関するものである。
特許文献1には、相手側コネクタのフード部の内側に嵌め込まれるハウジングと、このハウジングの前端を覆うフロント部材とを備えたコネクタが記載されている。このコネクタのハウジングは、フロント部材の外周を囲む周壁を有しており、相手側コネクタのフード部に嵌め込まれると、周壁の前端部を構成する突当部がそのフード部の奥端面に突き当たる。これにより、コネクタの嵌合方向への位置決めがされる。さらに、このコネクタでは、小型化すべく周壁の一面を排除している。
特開2016−178076号公報
しかしながら、周壁の少なくとも一面を排除すると、正面視における周壁とフロント部材との隙間が嵌合方向と直交する方向に開口してしまう。このため、コネクタの嵌合時に相手側コネクタのフード部がその隙間に入り込むおそれがあり、隙間に入り込むと周壁の突当部に応力が集中し、突当部が破損するおそれがある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、コネクタの小型化を実現しつつ、突当部の破損を防止することができる技術の提供を解決すべき課題としている。
本発明のコネクタは、
相手側コネクタのフード部の内側に嵌合されるハウジングと、
前記ハウジングの前側部分に取り付けられるフロント部材と、を備え、
前記ハウジングは、
複数の端子金具を収容する端子収容部と、
前記端子収容部の外周縁から前方に向けて略平板状に延び、且つ前記フード部に嵌合したときに前記フード部の奥端面に突き当たる突当部と、を有しており、
前記フロント部材は、前記突当部の内側面に沿うように配されて、前記端子収容部の前端を覆うカバー部を有しており、
正面視における前記突当部の長さ方向において、前記突当部の形成範囲が前記カバー部よりも小さい
ところに特徴を有する。
また、本発明のコネクタ装置は、
コネクタと、前記コネクタが嵌合される相手側コネクタと、を備え、
前記コネクタは、
相手側コネクタのフード部の内側に嵌合されるハウジングと、
前記ハウジングの前側部分に取り付けられるフロント部材と、
ロック部と、を備え、
前記ハウジングは、
複数の端子金具を収容する端子収容部と、
前記端子収容部の外周縁から前方に向けて略平板状に延び、且つ前記フード部に嵌合したときに前記フード部の奥端面に突き当たる突当部と、を有しており、
前記フロント部材は、前記突当部の内側面に沿うように配されて、前記端子収容部の前端を覆うカバー部を有しており、
正面視における前記突当部の長さ方向において、前記突当部の形成範囲が前記カバー部よりも小さく、
前記相手側コネクタは、前記ロック部と係止されるロック受け部を有しており、
前記コネクタの外側リブは、前記ロック部を前記相手側コネクタのロック受け部と係止する方向にガイドする
ところに特徴を有する。
本発明のコネクタによれば、正面視における突当部の長さ方向において、突当部の形成範囲がカバー部よりも小さく設定されているので、突当部の成形時に生じる反りが抑制され、突当部の両端部とカバー部との隙間が拡開することを抑制することができる。これにより、突当部とカバー部との隙間にフード部が入り込みにくくなるので、コネクタが相手側コネクタに嵌合する際に、フード部が隙間に入り込んで突当部に応力が集中し、突当部が破損してしまうことを抑制することができる。
また、本発明のコネクタ装置によれば、コネクタの突当部を、コネクタを相手側コネクタと係止する方向に誘導するガイドとしても利用することができる。
実施例1のコネクタ装置の嵌合前の側面図である。 雄コネクタの斜視図である。 雌コネクタの斜視図である。 雌コネクタの正面図である。 雌コネクタの平面図である。 雌コネクタの分解斜視図である。 ハウジングの側面図である。 フロントリテーナの平面図である。 ハウジングにフロントリテーナが係止される前の状態をあらわす側面図である。 ハウジングにフロントリテーナが係止される前の状態をあらわすA−A線相当断面図である。 ハウジングにフロントリテーナが仮係止された状態をあらわすA−A線相当断面図である。 ハウジングにフロントリテーナが本係止された状態をあらわすA−A線相当断面図である。 (A)は、比較例として突当部の幅寸法がカバー部の幅寸法と同じ場合における突当部の両端部とカバー部との開口寸法を概念的に示した説明図であり、(B)は、突当部の幅寸法がカバー部の幅寸法よりも小さい場合における突当部の両端部とカバー部との開口寸法を概念的に示した説明図である。
(1)本発明のコネクタにおいて、前記ハウジングは、前記突当部から前記カバー部とは反対側に突出して前後方向に延びる外側リブを有するようにしてもよい。
こうすれば、突当部の成形時に生じる反りを抑制することができるので、正面視における突当部の両端部とカバー部との隙間の両端の開口部分が拡開することをより確実に抑制することができる。
(2)本発明のコネクタにおいて、前記外側リブの前端の位置が、前記突当部の前端と前後方向に揃うようにしてもよい。
突当部の厚みが薄い場合、突当部の前端に検査用冶具を押し当てて前後位置を計測しようとしても、検査用冶具が突当部の厚み方向に傾いたり、滑ってしまったりして安定しない。この点、本発明によれば、突当部と外側リブとの交差部分に検査用冶具を押し当てることで、突当部の前端に確実に押し当てることができる。したがって、突当部の前端の前後位置を正確に把握することができ、突当部の前端を基準としたフロント部材の前方への突出寸法を計測することが可能となる。
(3)本発明のコネクタにおいて、前記フロント部材は、正面視における前記カバー部と前記突当部との間に生じた隙間の両側を塞ぐように前記カバー部から突出した侵入防止部を有するようにしてもよい。
こうすれば、突当部とカバー部との隙間への入り口が侵入防止部によって塞がれるので、フード部が隙間に入り込むことを防止することができる。したがって、フード部が隙間に入り込んでしまうことによって、ハウジングの突当部に応力が集中し、突当部が破損することをより確実に防止することができる。
(4)本発明のコネクタにおいて、前記ハウジングは、前記突当部から前記カバー部側に突出して前後方向に延びる内側リブを有するようにしてもよい。
こうすれば、突当部の成形時に生じる反りを抑制することができるので、正面視における突当部の両端部とカバー部との隙間の両端の開口部分が拡開することをより確実に抑制することができる。
(5)本発明のコネクタ装置において、前記コネクタのロック部は、前記外側リブを支点とした片持ち状の弾性係止片を有するようにしてもよい。
こうすれば、ロック部の支持部と外側リブとが分離した形状とする場合と比較して、コネクタの型枠の形状を簡素化することができるので、樹脂成型時に樹脂が良好に行き渡り、成形不良が生じにくくなる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図13を参照して説明する。なお、以下の説明において、雌コネクタFの前後方向については、雄コネクタMと嵌合する際の嵌合方向を前方と定義し、雄コネクタMの前後方向については、雌コネクタFと嵌合する際の嵌合方向を前方と定義する。上下方向については、図1〜図4、図6、図7及び図9にあらわれる向きをそのまま上下方向と定義する。左右方向については、上下方向及び前後方向と直交する方向を左右方向と定義する。
<コネクタ装置D>
本実施例のコネクタ装置Dは、図1に示すように、本発明の「コネクタ」に相当する雌コネクタFと、本発明の「相手側コネクタ」に相当する雄コネクタMと、を備えてなる。雄コネクタMは、合成樹脂からなり、図2に示すように、前方に開放したフード部81が形成されている。このフード部81の内側には、雌コネクタFが嵌合される。フード部81の開口部分の形状は、左右非対称に形成されており、非対応のコネクタが挿入できないようになっている。フード部81の外側面(本実施例では上面)には、ロック受け部83が形成されており、雌コネクタFには、このロック受け部83に係止するロックアーム30が形成されている(図3参照)。なお、ロックアーム30は本発明の「ロック部」に相当する。
雌コネクタFは、図3〜図6に示すように、合成樹脂製のハウジング10と、ハウジング10の前側部分に取り付けられる合成樹脂製のフロントリテーナ50と、を備えてなる。なお、フロントリテーナ50が本発明の「フロント部材」に相当する。
ハウジング10は、図3〜図7に示すように、複数の雌端子金具11を収容する端子収容部12を有している。端子収容部12は、正面視で一方向(本実施例では左右方向)に長い略矩形状をなしている。端子収容部12は、各雌端子金具11を左右方向に並べた状態で保持する端子保持部13と、端子保持部13に連続し端子保持部13の上下左右を囲む形状をなす周壁部20と、を有している。端子保持部13は、後方から挿入された雌端子金具11と係止することで雌端子金具11の後方への抜けを防止するランス(図示省略)を有している。また、端子保持部13は、端子収容部12の前端部を構成し、且つランスに係止された雌端子金具11の前方への移動を規制する規制部14を有している。
周壁部20は、左右側板部20Aと上板部20Bと下板部20Cとを有してなる。左右側板部20Aは、上下板部20B,20Cの左右側端縁よりも左右方向内方に引っ込んだ位置に配されている。左右側板部20Aにおける前側部分の上下端部は切り欠かれており、左右側板部20Aの前側部分と上下板部20B,20Cとの間には前方及び左右両側方に開放したハウジング側スリット21が形成されている。左右側板部20Aの前後方向中央部及び後側部分は上下板部20B,20Cと連続している。また、左右両側のハウジング側スリット21同士を水平方向につないだ領域は、前方及び左右両側方に開放しており、フロントリテーナ50の一部が前方から収容可能な空間となっている。上板部20Bの前端の位置は、下板部20Cの前端と前後方向に揃っている。左右側板部20Aの前端の位置は、上下板部20B,20Cの前端よりも少し前方に配されている。左右側板部20Aの前端の位置は、端子保持部13の前端と前後方向にほぼ揃っている。すなわち、上下板部20B,20Cの前端は、端子保持部13の前端よりも少し後方に配されている。
周壁部20は、左右側板部20Aのそれぞれの外側面から外方に突出した仮係止受部22と、本係止受部23とを有している。本係止受部23は、仮係止受部22と所定の間隔をあけて仮係止受部22の後方に設けられている。左右両側の仮係止受部22は、前後方向の位置が揃っている一方、上下方向の位置がずれている。同様に、左右両側の本係止受部23は、前後方向の位置が揃っている一方、上下方向の位置がずれている。
ハウジング10は、端子収容部12の上下板部20B,20C(周壁部20)の前端から前方に向けて略平板状に延びる突当部24を有している。突当部24は、上下板部20B,20Cと面一状に形成されている。突当部24は、左右両端が上下板部20B,20Cの左右両端よりも内方に引っ込んだ位置に配されている。すなわち、突当部24は、正面視における突当部24の長さ方向(本実施例では左右方向)において、形成範囲が端子収容部12よりも小さく形成されている。
上述した左右側板部20Aは、突当部24の左右両端縁よりも左右方向外方に配されている。すなわち、左右側板部20Aは、平面視で突当部24の左右両端縁と上下板部20B,20Cの左右両端との間に配されている。左右側板部20Aの前端及び端子保持部13の前端は、突当部24の前端よりも後方に配されており、突当部24の後端(上下板部20B,20Cの前端)よりも前方に配されている。
上述したハウジング側スリット21は、突当部24の左右両端縁よりも左右方向外方に配されている。すなわち、ハウジング側スリット21は、平面視で突当部24の左右両端縁と上下板部20B,20Cの左右両端との間に配されている。ハウジング側スリット21の前端は、突当部24の前端よりも少し後方の位置に配されており、突当部24の後端(上下板部20B,20Cの前端)よりも前方の位置に配されている。ハウジング側スリット21は、突当部24の後端よりも後方まで延びている。
ハウジング10には、突当部24の左右方向両端縁と上下板部20B,20Cの左右両端部の前端縁とで区画され、平面視において略方形に切り欠かれた切欠部25が形成されている。
上下の突当部24及び上下板部20B,20Cの前端部には、互いに対向する面から対向する方向(内方、フロントリテーナ50が収容される空間側、フロントリテーナ50側)に突出して前後方向に延びる内側リブ26が形成されている。内側リブ26は、突当部24及び上下板部20B,20Cの左右両端部に1つずつ設けられている。内側リブ26の前端は、突当部24の前端とほぼ揃っている。上述したハウジング側スリット21の前後方向の形成範囲は、内側リブ26の前後方向の形成範囲とほぼ同じとなっている。
上側の突当部24及び上板部20B(ハウジング10)には、外側面(本実施例では上面)から外方(本実施例では上方)に向けて突出して前後方向に延びる外側リブ27が形成されている。外側リブ27の前端の位置は、突当部24の前端と前後方向に揃っている。また、外側リブ27の前端は、ハウジング側スリット21の前端よりも少し前方まで延びており、外側リブ27は、ハウジング側スリット21の後端よりも後方まで延びている。外側リブ27は、左右方向中央に形成されている。外側リブ27は、2本設けられ、互いに平行に配されている。なお、ハウジング10における外側リブ27が設けられる面には、外側リブ27と平行して延びる所定数(本実施例では1本)の誤嵌合防止リブ29が形成されている。
上側の突当部24及び上板部20B(ハウジング10)にはロックアーム30が形成されている。ロックアーム30は、外側リブ27を構成の一部としており、突当部24と間隔をあけて外側リブ27同士をつなぐ接続部31と、接続部31を支点として弾性変位する片持ち状の弾性係止片32と、を有してなる。接続部31の前端の位置は、突当部24の前端と前後方向に揃っている。
フロントリテーナ50は、正面視で端子収容部12と略同形状(矩形状)をなしている。フロントリテーナ50は、端子収容部12(端子保持部13)の前端面を覆う正面視方形で平板状のカバー部51と、カバー部51の外周縁から後方に延びる延設部52と、を有している。カバー部51には、各雌端子金具11に接続する雄端子金具(図示省略)が個別に挿入されるための挿入孔53が複数形成されている。カバー部51の正面視における四隅(上下両端部の左右両端部)には、上下方向に突出した侵入防止部54が形成されている。侵入防止部54の前面とカバー部51の前面は連続しており、面一となっている。侵入防止部54の左右の両外側面とカバー部51の両外側面は連続しており、面一となっている。
カバー部51及び延設部52(フロントリテーナ50)の上端面及び下端面には、ハウジング10の内側リブ26が嵌合する溝部55が形成されている。延設部52は、左右側板部52Aと上板部52Bと下板部52Cとを有してなる。延設部52の左右側板部52Aの内面には、ハウジング10の仮係止受部22又は本係止受部23と係止する係止リブ56が形成されている。係止リブ56の幅寸法は、仮係止受部22と本係止受部23との間隔と同じか僅かに小さい。延設部52には、正面視においてハウジング側スリット21と対応する位置に、前後方向に延びて後方に開放したフロント側スリット57が形成されている(図8参照)。
<コネクタ装置Dの組み立て>
雌コネクタFの組み立てでは、図9〜図12に示すように、ハウジング10に対して前方からフロントリテーナ50が組み付けられる。フロントリテーナ50は、ハウジング10に組み付けられる際、上下の突当部24(端子収容部12)の内側面に沿って組付方向に移動する。このとき、フロントリテーナ50の溝部55は内側リブ26に嵌まり込み、内側リブ26に沿って組付方向に移動する。また、フロントリテーナ50の延設部52の左右側板部52Aは、図10に示すように、ハウジング10の左右側板部20Aの外側面に沿って組付方向に移動する。そして、フロントリテーナ50が組付方向に移動すると、フロント側スリット57は、ハウジング側スリット21に嵌まり込む。また、係止リブ56が仮係止受部22に乗り上げて外側に撓み、仮係止受部22を越えると元の形状に復帰して仮係止状態となる(図11参照)。仮係止状態では、係止リブ56が仮係止受部22と本係止受部23との間に嵌まり込み、係止リブ56の前後方向への変位が仮係止受部22及び本係止受部23によって規制される。フロントリテーナ50がさらに嵌合方向に移動すると、係止リブ56が本係止受部23に乗り上げて外側に撓み、本係止受部23を越えると元の形状に復帰して本係止状態となる(図12参照)。
本係止状態では、カバー部51(フロントリテーナ50)は、突当部24の内側面に沿うように配され、上下板部20B,20Cの間に挟まれるように配される。また、正面視における突当部24の長さ方向(本実施例では左右方向)において、突当部24の形成範囲がカバー部51の形成範囲(幅寸法)よりも小さくなっている。これにより、突当部24が成形時に反ってしまうことによって、正面視における突当部24の両端部とカバー部51との間に生じる隙間Sの左右両端の開口寸法が拡開することを抑制することができる。すなわち、突当部24の成型時に生じる反りの曲率が突当部24の板幅寸法に関わらず一定であると考えると、突当部24の板幅寸法を小さくすることで開口寸法の拡開を抑えることができる。例えば、図13(A)に示す比較例のように、正面視における突当部91の長さ方向において、突当部91の形成範囲がカバー部90の形成範囲と同じ場合には、開口寸法がX0となる。これに対し、正面視における突当部24の長さ方向において、突当部24の形成範囲がカバー部51の形成範囲よりも小さい場合には、図13(B)に示すように、開口寸法がX0よりも小さいX1となる。
本係止状態では、カバー部51は、正面視における突当部24の長さ方向において、突当部24よりも外側に張り出している。侵入防止部54は、カバー部51の張り出した部分から突当部24側(上側)に突出して、正面視におけるカバー部51と突当部24との隙間Sの両端の開口部分を塞いでいる。すなわち、侵入防止部54は、正面視における突当部24の長さ方向において、隙間Sの延長線上に配されており、雄コネクタMのフード部81が正面視における突当部24の長さ方向からその隙間Sに侵入することを防止している。また、侵入防止部54は、ハウジング10の切欠部25を埋めるようにして突出している。すなわち、雌コネクタFの前端部における上縁部と下縁部の左右両端はフロントリテーナ50の侵入防止部54によって構成されており、左右の侵入防止部54の間に突当部24が隣接して挟まれるように配されている。侵入防止部54の前端の位置は、突当部24の前端と前後方向にほぼ揃っている。侵入防止部54の突出端面(上端面、下端面)は、突当部24(端子収容部12)の上下方向外側面と略面一となる。侵入防止部54の突出端面(上端面、下端面)は、突当部24で覆われておらず、上下方向外方に露出している。侵入防止部54の後面は、上下板部20B,20Cの左右両端部の前端縁に沿って起立している。侵入防止部54の左右の両内側面は、突当部24の左右両端縁に沿って起立している。フロントリテーナ50の前端の位置は、突当部24の前端と前後方向に揃っているか、あるいは突当部24の前端よりも後方である。
本係止状態となった雌コネクタFは、雄コネクタMのフード部81の内側に嵌合される。このとき、図13(A)に示す比較例のようなコネクタの場合、隙間Sの両端が左右に開口しているので、この開口部分からフード部81が入り込むおそれがある。そして、フード部81に隙間Sに入り込むと、突当部24に応力が集中して、突当部24が破損するおそれがある。
これに対し、本実施例の雌コネクタFでは、隙間Sの両端の開口部分が侵入防止部54によって塞がれている。ゆえに、フード部81が隙間Sの両端の開口部分から入り込むことなく、雌コネクタFをフード部81の内側に嵌め込むことができる。雌コネクタFの侵入防止部54がフード部81に収まると、侵入防止部54がフード部81に収まった状態を維持したまま、雌コネクタFと雄コネクタMとが互いに正面を向くように配置される。このとき、突当部24の外側面は、侵入防止部54の外側面と略面一か、侵入防止部54の外側面よりも上下方向外方(内方)に配される。ゆえに、フード部81は、突当部24の外側面に沿って(突当部24の外側面の外側を通って)進入していくので、フード部81が突当部24とカバー部51との隙間Sに入り込むことが防止される。雄コネクタMと対向するように配置された雌コネクタFをフード部81内に進入させると、雌コネクタFの外側リブ27が雄コネクタMのロック受け部83に沿って移動する。そのまま雌コネクタFを進入させると、ロックアーム30がロック受け部83に押されて下方に撓み、ロックアーム30の係止爪がロック受け部83を越えると元の形状に復帰してロック受け部83に係止される。こうして、雌コネクタFが雄コネクタMに嵌合される。
<本実施例の作用及び効果>
以上説明したように、本実施例1の雌コネクタFは、雄コネクタMのフード部81の内側に嵌合されるハウジング10と、ハウジング10の前側部分に取り付けられるフロントリテーナ50と、を備えている。ハウジング10は、複数の雌端子金具11を収容する端子収容部12と、端子収容部12の外周縁から前方に向けて略平板状に延び、且つフード部81に嵌合したときにフード部81の奥端面に突き当たる突当部24と、を有している。フロントリテーナ50は、突当部24の内側面に沿うように配されて、端子収容部12の前端を覆うカバー部51と、正面視におけるカバー部51と突当部24との隙間Sの両端部の開口部分を塞ぐようにカバー部51から突出した侵入防止部54と、を有している。これにより、突当部24とカバー部51との隙間Sへの入り口が侵入防止部54によって塞がれるので、フード部81が隙間Sに入り込むことを防止することができる。したがって、フード部81が隙間Sに入り込んでしまうことによって、ハウジング10の突当部24に応力が集中し、突当部24が破損することを防止することができる。
また、ハウジング10は、突当部24から突当部24の厚み方向に突出して前後方向に延びる内側リブ26、外側リブ27を有している。これにより、突当部24の成形時における反りを抑制することができるので、正面視における突当部24の両端部とカバー部51との隙間Sの両端の開口部分が拡開することを抑制でき、その結果、フード部81が突当部24とカバー部51との隙間Sに入り込んでしまうことをより確実に防止することができる。
また、フロントリテーナ50は、内側リブ26が嵌まり込む溝部55を有している。これにより、内側リブ26の突出寸法を確保して、突当部24の反りをより効率的に防止することができる。
また、本実施例1の雌コネクタFは、雄コネクタMのフード部81の内側に嵌合されるハウジング10と、ハウジング10の前側部分に取り付けられるフロントリテーナ50と、を備えている。ハウジング10は、複数の雌端子金具11を収容する端子収容部12と、端子収容部12の外周縁から前方に向けて略平板状に延び、且つフード部81に嵌合したときにフード部81の奥端面に突き当たる突当部24と、を有している。フロントリテーナ50は、突当部24の内側面に沿うように配されて、端子収容部12の前端を覆うカバー部51を有している。そして、正面視における突当部24の長さ方向において、突当部24の形成範囲がカバー部51の形成範囲よりも小さくなっている。この雌コネクタFによれば、正面視における突当部24の長さ方向において、突当部24の形成範囲がカバー部51よりも小さく設定されているので、突当部24の成形時に生じる反りが抑制され、突当部24の両端部とカバー部51との隙間Sが拡開することを抑制することができる。これにより、突当部24とカバー部51との隙間Sにフード部81が入り込みにくくなるので、雌コネクタFが雄コネクタに嵌合する際に、フード部81が隙間Sに入り込んで突当部24に応力が集中し、突当部24が破損してしまうことを抑制することができる。
また、ハウジング10は、突当部24からカバー部51とは反対側に突出して前後方向に延びる外側リブ27を有している。これにより、突当部24の成形時に生じる反りを抑制することができるので、正面視における突当部24の両端部とカバー部51との隙間Sの両端の開口部分が拡開することをより確実に抑制することができる。
また、外側リブ27の前端の位置は、突当部24の前端と前後方向に揃っている。突当部24の厚みが薄い場合、突当部24の前端に検査用冶具を押し当てて前後位置を計測しようとしても、検査用冶具が突当部24の厚み方向に傾いたり、滑ってしまったりして安定しない。この点、本発明によれば、突当部24と外側リブ27との交差部分に検査用冶具を押し当てることで、突当部24の前端に確実に押し当てることができる。したがって、突当部24の前端の前後位置を正確に把握することができ、突当部24の前端を基準としたフロントリテーナ50の前方への突出寸法を計測することが可能となる。また、外側リブ27は左右方向中央部に設けられている。突当部24の前端に検査用冶具を押し当てる際、左右方向の一端に設けられている誤嵌合防止リブ29と突当部24との交差部分に検査用冶具を押し当てることも考えられるが、誤嵌合防止リブ29の位置はコネクタの種類によって異なるので、押し当てる位置がコネクタの種類によって変化してしまう。これに対し、雌コネクタFでは、外側リブ27が左右方向の中央に設けられているので、コネクタの種類に関わらず押し当てる位置を同じにすることができる。
また、フロントリテーナ50は、正面視におけるカバー部51と突当部24との間に生じた隙間Sの両端部の開口部分を塞ぐようにカバー部51から突出した侵入防止部54を有している。これにより、突当部24とカバー部51との隙間Sへの入り口が侵入防止部54によって塞がれるので、フード部81が隙間Sに入り込むことを防止することができる。したがって、フード部81が隙間Sに入り込んでしまうことによって、ハウジング10の突当部24に応力が集中し、突当部24が破損することをより確実に防止することができる。
また、ハウジング10は、突当部24からカバー部51側に突出して前後方向に延びる内側リブ26を有している。これにより、突当部24の成形時に生じる反りを抑制することができるので、正面視における突当部24の両端部とカバー部51との隙間Sの両端の開口部分が拡開することをより確実に抑制することができる。
また、本実施例1のコネクタ装置Dは、雌コネクタF及び雄コネクタMを備えている。雌コネクタFはロックアーム30を有しており、雄コネクタMはロックアーム30と係止されるロック受け部83を有している。雌コネクタFの外側リブ27は、ロックアーム30をロック受け部83と係止する方向にガイドする。これにより、雌コネクタFの突当部24を、雌コネクタFを雄コネクタMと係止する方向に誘導するガイドとしても利用することができる。
また、ロックアーム30は、外側リブ27を支点とした片持ち状の弾性係止片を有してなる。こうすれば、ロックアーム30の支持部と外側リブ27とが分離した形状とする場合と比較して、雌コネクタFの型枠の形状を簡素化することができるので、樹脂成型時に樹脂が良好に行き渡り、成形不良が生じにくくなる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1では、フロント部材をフロントリテーナとした。しかし、端子収容部の前端を覆うことができれば、フロントリテーナ以外の部材であってもよく、例えばフロントマスクであってもよい。
(2)上記実施例1では、突当部をハウジングの上下2か所に設けた。しかし、ハウジングの上下でなく左右に設けてもよい。また、2か所でなく1か所だけでもよい。
D…コネクタ装置
F…雌コネクタ(コネクタ)
M…雄コネクタ(相手側コネクタ)
10…ハウジング
11…端子金具(雌端子金具)
12…端子収容部
24…突当部
26…内側リブ
27…外側リブ
30…ロックアーム(ロック部)
50…フロントリテーナ(フロント部材)
51…カバー部
54…侵入防止部
55…溝部
81…フード部
83…ロック受け部

Claims (7)

  1. 相手側コネクタのフード部の内側に嵌合されるハウジングと、
    前記ハウジングの前側部分に取り付けられるフロント部材と、を備え、
    前記ハウジングは、
    複数の端子金具を収容する端子収容部と、
    前記端子収容部の外周縁から前方に向けて略平板状に延び、且つ前記フード部に嵌合したときに前記フード部の奥端面に突き当たる突当部と、を有しており、
    前記フロント部材は、前記突当部の内側面に沿うように配されて、前記端子収容部の前端を覆うカバー部を有しており、
    正面視における前記突当部の長さ方向において、前記突当部の形成範囲が前記カバー部よりも小さいことを特徴とするコネクタ。
  2. 前記ハウジングは、前記突当部から前記カバー部とは反対側に突出して前後方向に延びる外側リブを有していることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記外側リブの前端の位置は、前記突当部の前端と前後方向に揃っていることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記フロント部材は、正面視における前記カバー部と前記突当部との間に生じた隙間の両側を塞ぐように前記カバー部から突出した侵入防止部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載のコネクタ。
  5. 前記ハウジングは、前記突当部から前記カバー部側に突出して前後方向に延びる内側リブを有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載のコネクタ。
  6. 請求項2又は請求項3に記載のコネクタと、
    前記コネクタが嵌合される相手側コネクタと、を備え、
    前記コネクタは、ロック部を有しており、
    前記相手側コネクタは、前記ロック部と係止されるロック受け部を有しており、
    前記コネクタの外側リブは、前記ロック部を前記相手側コネクタのロック受け部と係止する方向にガイドすることを特徴とするコネクタ装置。
  7. 前記コネクタのロック部は、前記外側リブを支点とした片持ち状の弾性係止片を有してなることを特徴とする請求項6に記載のコネクタ装置。
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