JP2019026695A - 水素ガスバリア膜用組成物及びこれを用いた水素ガスバリア膜 - Google Patents

水素ガスバリア膜用組成物及びこれを用いた水素ガスバリア膜 Download PDF

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Abstract

【課題】水不溶性繊維を含む良質な水素ガスバリア膜を得る。
【解決手段】セルロース繊維、キチン繊維、キトサン繊維、及びそれらの化学修飾体からなる群より選択された少なくとも1種の水不溶性繊維と、一般式(1)で表されるイソチアゾリン誘導体(式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基を示し、Xは水素原子又は塩素原子を示す。)を含有する水素ガスバリア膜用組成物である。
【化1】

【選択図】なし

Description

本発明は、水素ガスの透過を防ぐために用いられる水素ガスバリア膜を製造するための組成物、及びこれを用いた水素ガスバリア膜に関するものである。
近年、クリーンエネルギーとして水素エネルギーが注目されている。水素エネルギーの普及のためには、水素ガスの貯蔵や輸送のための技術として、水素ガスの透過を抑制する材料の開発が求められており、例えば、高圧水素ガスタンクのライナー材や、水素燃料ホース材料として用いられる。
このような水素ガスの透過を抑制する水素ガスバリア材料としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが用いられているが、水素ガスに対するバリア性が必ずしも十分でない。
これら技術背景の下、水素ガスバリア性を有する材料の開発がなされているが、所望する性能を有する水素ガスバリア膜を簡便に作成するのが難しく、良質な水素ガスバリア膜を得るために乾燥工程が長時間に及ぶ場合や、均一で且つ広面積の水素ガスバリア膜を得るのが難しいなど商業生産において課題を残している。水素ガスバリア膜の乾燥時間の短縮については、加熱操作や減圧操作等、溶媒類の除去を早める工夫が検討されているが膜表面の凹凸やしわ、割れが発生し、水素ガスバリア膜の特性を損なう場合や良質な水素ガスバリア膜を歩留まり良く得ることが難しいといった課題がある。
特開2014−14791号公報
本発明の実施形態は、セルロース繊維、キチン繊維、及びキトサン繊維、及びそれらの化学修飾体からなる群より選択された少なくとも1種の水不溶性繊維を含む良質な水素ガスバリア膜を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る水素ガスバリア膜用組成物は、セルロース繊維、キチン繊維、キトサン繊維、及びそれらの化学修飾体からなる群より選択された少なくとも1種の水不溶性繊維と、下記一般式(1)で表されるイソチアゾリン誘導体を含有するものである。
式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基を示し、単一の炭化水素基からなる化合物であっても、異なる炭化水素基からなる化合物の混合物であってもよく、Xは水素原子又は塩素原子を示す。
本発明の実施形態に係る水素ガスバリア膜は、前記水素ガスバリア膜用組成物を乾燥して得られるものである。
本発明の実施形態によれば、水素ガスに対して優れたバリア性を持つ良質な水素ガスバリア膜提供することができる。
実施例及び比較例で作製した水素ガスバリア膜の外観を示す写真 図1の水素ガスバリア膜を平滑性評価において複写機でモノクロ印刷した複写画像
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る水素ガスバリア膜用組成物は、セルロース繊維、キチン繊維、キトサン繊維、及びそれらの化学修飾体からなる群より選択された少なくとも1種の水不溶性繊維を含有するとともに、上記一般式(1)で表されるイソチアゾリン誘導体を造膜助剤として含有するものである。
該水素ガスバリア膜用組成物としては、水不溶性繊維を含む水分散体を用いることができ、該水分散体は、水性分散液でもよく、ゲル状分散体でもよい。水不溶性繊維を分散させる分散媒は、水を必須成分として含むものであれば、アルコール等の他の親水性溶媒を含有してもよい。例えば、分散媒は、水を60質量%以上含んでもよく、水を80質量%以上含んでもよく、水単独でもよい。
水不溶性繊維としては、セルロース繊維、キチン繊維、キトサン繊維、及びそれらの化学修飾体からなる群より選択された少なくとも1種の繊維状物質が用いられ、このように本実施形態では多糖類に由来する水不溶性繊維が用いられる。化学修飾体としては、セルロース繊維やキチン繊維、キトサン繊維の表面が化学修飾されたものを用いることができ、具体的にはそれらの繊維を構成する上記多糖類に非イオン性基、アニオン性基、カチオン性基、又は両性基が導入されたものが挙げられる。
このような水不溶性繊維は、常法により得られ、また市販されているものを利用することもできる。また、セルロース繊維、キチン繊維若しくはキトサン繊維、又はそれらに非イオン性基、アニオン性基、カチオン性基若しくは両性基が導入された繊維状物質を、例えば、叩解性、離解性に優れる分散機を用いて、解繊することにより、本実施形態で好適に用いられる水不溶性繊維含有の水性分散液、或いはゲル状分散体を得ることもできる。
上記水不溶性繊維の数平均繊維径は、特に限定されないが、1μm以下であることが好ましく、1〜500nmであることがより好ましく、2〜100nmであることがさらに好ましく、2〜70nmであることが特に好ましく、乾燥して得られる塗膜の物性の観点から水不溶性繊維の数平均繊維径は10nm以下であることが最も好ましい。すなわち、本実施形態で用いる水不溶性繊維は、一般に「ナノファイバー」と称されるものであることが好ましい。また、製造方法によっては「ナノクリスタル」と称される水不溶性繊維が得られるが、これも本実施形態で好適に使用することができる。
上記水不溶性繊維の数平均繊維径は、次のようにして測定することができる。すなわち、固形分率で0.05〜0.1質量%の水不溶性繊維の水分散体を調製し、その水分散体を、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストして、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察用試料とする。なお、大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。そして、構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。その際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定し、その軸に対し、20本以上の繊維が交差するよう、試料及び観察条件(倍率等)を調節する。そして、この条件を満たす観察画像を得た後、この画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取っていく。このようにして、最低3枚の重複しない表面部分の画像を、電子顕微鏡で撮影し、各々2つの軸に交錯する繊維の繊維径の値を読み取る(したがって、最低20本×2×3=120本の繊維径の情報が得られる)。このようにして得られた繊維径のデータにより、数平均繊維径を算出する。
上記水不溶性繊維の結晶構造は、特に限定されないが、水不溶性の観点から、セルロース繊維またはその化学修飾体の場合、構成するセルロースがI型結晶構造を有することが好ましい。ここで、水不溶性繊維を構成するセルロースがI型結晶構造を有することは、例えば、広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、2シータ=14°〜17°付近と、2シータ=22°〜23°付近の2つの位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。
上記水不溶性繊維は、上述の通り、その表面が化学修飾されたものであってもよく、化学修飾の例としては、非イオン性基、アニオン性基、カチオン性基、又は両性基の導入が挙げられる。I型結晶構造を維持することができ、ナノメートルレベルの繊維径まで効率良く解繊することができる観点からは、アニオン変性又はカチオン変性された水不溶性繊維が好ましく、アニオン変性がより好ましい。すなわち、セルロース分子中のグルコースユニット、又は、キチンやキトサン分子中のN−アセチルグルコサミンユニットやグルコサミンユニットに、アニオン性基又はカチオン性基を導入した水不溶性繊維であることが好ましい。
アニオン性基としては、特に限定されないが、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基、硫酸基、又は塩をなしているこれらの基が挙げられ、これらのいずれか1種を有していてもよく、2種以上を有していてもよい。また、グルコースユニット、N−アセチルグルコサミンユニット、又はグルコサミンユニットと、上記アニオン性基との間に連結基を有していてもよい。
アニオン性基の塩としては、特に限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩、1級アミン、2級アミン、3級アミン等のアミン塩等が挙げられる。
アニオン性基には、上記のように、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基、硫酸基等の酸型と、カルボン酸塩基、リン酸塩基、スルホン酸塩基、硫酸塩基等の塩型があるが、好ましい実施形態としては、塩型のアニオン性基を含むことであり、塩型のアニオン性基のみを有する水不溶性繊維を使用してもよく、塩型のアニオン性基と酸型のアニオン性基が混在する水不溶性繊維を使用してもよい。
カチオン性基としては、特に限定されないが、4級アンモニウム塩、1級、2級、3級アミノ基、又はこれらと塩酸や酢酸等が塩をなしている基が挙げられ、これらのいずれか1種を有していてもよく、2種以上を有していてもよい。また、グルコースユニット、N−アセチルグルコサミンユニット、又はグルコサミンユニットと上記カチオン性基との間に連結基を有していてもよい。
ここで、一実施形態に係るアニオン変性された水不溶性繊維の例として、セルロースを構成するグルコースユニットの水酸基を酸化してなる酸化セルロース(A)、及び、セルロースを構成するグルコースユニットの水酸基をカルボキシメチル化してなるカルボキシメチル化セルロース(B)を例示して、より具体的に説明し、それぞれの製造方法の例についても説明する。
酸化セルロース(A)としては、特に限定されないが、グルコースユニットの6位の水酸基が選択的に酸化されたものであることが好ましい。酸化セルロース(A)がグルコースユニット上の6位の水酸基が選択的に酸化されたものであることは、例えば、13C−NMRチャートにより確認することができる。
なお、酸化セルロース(A)は、カルボン酸基(COOH)及び/又はカルボン酸塩基(COOX、ここでXはカルボン酸と塩を形成するカチオンを示す)と共に、アルデヒド基又はケトン基を有していてもよいが、アルデヒド基及びケトン基を実質的に有していないことが好ましい。
酸化セルロース(A)の製造方法は限定されないが、例えば、(1)酸化反応工程、(2)還元工程、(3)精製工程、(4)分散工程(微細化処理工程)等を含む製造方法により製造することができ、具体的には以下の各工程により製造することが好ましい。
(1)酸化反応工程
天然セルロース繊維とN−オキシル化合物とを分散媒である水に分散させた後、共酸化剤を添加して、反応を開始する。反応中はpHが低下するので0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10〜11に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なす。
天然セルロースは、一般に重合度が1,000〜3,000、結晶化度が65〜95%であり、セルロースI型結晶構造を有し、セルロース分子が30〜50本束ねられた結晶性のセルロースミクロフィブリルを構成要素としている。高等植物ではこの繊維様のセルロースミクロフィブリルは、その表面でヘミセルロース及びリグニンと一部複合化して、繊維、繊維集合体、組織という階層構造を形成している。
上記天然セルロースとしては、植物や、動物、バクテリア産生ゲル等のセルロースの生合成系から単離した精製セルロースを使用できる。より具体的には、針葉樹系パルプや広葉樹系パルプ等の木材系パルプ、コットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麦わらパルプやバガスパルプ等の非木材系パルプ等がいずれも好適に用いられ、バクテリアセルロース(BC)、ホヤから単離されるセルロース、海草から単離されるセルロース等も使用可能である。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記の通り、天然セルロースは植物組織中でヘミセルロース及びリグニンと一部複合化して存在していることから、精製工程の有無に関わらず、天然セルロース中に該成分が残存していることがあるが、効果を阻害しない範囲で該成分が天然セルロース原料に含有していることは許容される。
また、N−オキシル化合物としては、例えば、一般に酸化触媒として用いられるニトロキシラジカルを有する化合物が挙げられる。N−オキシル化合物は、水溶性の化合物が好ましく、中でもピペリジンニトロキシオキシラジカルであることがより好ましく、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシラジカル(TEMPOラジカル)、4−アセトアミド−TEMPOラジカルであることがさらに好ましい。N−オキシル化合物の添加量は、いわゆる触媒量で充分であり、例えば0.1〜4mmol/L程度である。
ここで、上記共酸化剤とは、直接的にセルロースの水酸基を酸化する物質ではなく、酸化触媒として用いられるN−オキシル化合物を酸化する物質のことである。
共酸化剤としては、例えば、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸、過酸化水素、過有機酸、又はこれらの塩等が挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム等のアルカリ金属次亜ハロゲン酸塩であることが好ましい。次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合、反応速度の点から、臭化ナトリウム等の臭化アルカリ金属の存在下で反応を進めることが好ましい。
酸化反応における反応水溶液のpHは、約8〜11の範囲で維持されることが好ましい。水溶液の温度は約4〜40℃の範囲において任意であり、特に温度の制御は必要としない。共酸化剤の添加量と反応時間で、酸化の程度を制御することにより、所望のカルボキシル基量等を有する酸化セルロース(A)を得ることができる。通常、反応時間は約5〜120分間であり、長くとも240分以内に完了する。
(2)還元工程
上記により得られた酸化セルロース(A)は、上記酸化反応後に還元反応を行うことが好ましい。これにより、酸化反応により形成されたアルデヒド基及びケトン基の一部ないし全部が還元され、水酸基に戻すことができる。具体的には、酸化反応後の酸化セルロースを精製水に分散し、水分散体のpHを約10に調整し、各種還元剤により還元反応を行う。
還元剤としては、一般的なものを使用することが可能であり、例えば、LiBH、NaBHCN、NaBH等が挙げられる。還元剤の配合量は、酸化セルロースを基準として、0.1〜4質量%であることが好ましい。
反応は、室温又は室温より若干高い温度で、通常、10分間〜10時間程度、好ましくは30分間〜2時間程度行う。
反応終了後、各種の酸により反応混合物のpHを約2に調整し、精製水をふりかけながら遠心分離機で固液分離を行うことにより、ケーキ状の酸化セルロースを得ることができる。
(3)精製工程
上記還元工程を終えた酸化セルロースは、通常、この段階ではナノファイバー単位まで分かれて分散していないため、通常の精製法、すなわち水洗とろ過を繰り返すことで未反応の共酸化剤(次亜塩素酸等)や各種副生成物等を除き、高純度(99質量%以上)の酸化セルロースと水とを含む分散体とすることができる。
精製工程における精製方法は、遠心脱水を利用する方法(例えば、連続式デカンダー)のように、上述した目的を達成できる装置であればどのような装置を利用しても差し支えない。
(4)分散工程(微細化処理工程)
精製工程にて得られる水を含浸した酸化セルロース(水分散体)を、分散媒体中に分散させ分散処理を行う。処理に伴って粘度が上昇し、微細化された酸化セルロースナノファイバーの分散体を得ることができる。
分散工程で使用する分散機としては、高速回転下でのホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波分散処理機、ビーター、ディスク型レファイナー、コニカル型レファイナー、ダブルディスク型レファイナー、グラインダー等の、強力で叩解性や離解性に優れる装置を使用することが望ましい。
なお、この分散工程は、セルロース繊維、キチン繊維、若しくはキトサン繊維、又は、それらに非イオン性基、アニオン性基、カチオン性基、若しくは両性基が導入された水不溶性繊維から解繊してナノファイバーを得る工程として、共通して適用できる。
次に、上記カルボキシメチル化セルロース(B)の製造方法も限定されないが、例えば、上記天然セルロースを原料として用いて、以下のような方法により製造することができる。
すなわち、まず天然セルロースに、溶媒として低級アルコールを加える。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール1種又は2種以上と、水との混合溶媒を使用するのが好ましい。なお、水との混合溶媒中の低級アルコールの混合割合は、60〜95質量%であることが好ましい。溶媒の添加量は、天然セルロースの質量の3〜20倍の質量であることが好ましい。
次いで、セルロースと溶媒に対して、セルロースのグルコース残基当たり0.5〜20倍モルのアルカリ触媒を混合してセルロースのアルカリ処理を行う。アルカリ触媒としては、水酸化アルカリ金属が挙げられ、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用することができる。このときの反応温度は約0〜70℃であることが好ましく、より好ましくは約10〜60℃であり、反応時間は約15分間〜8時間であることが好ましく、より好ましくは約30分間〜7時間である。
その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜10倍モル添加してエーテル化反応を行う。カルボキシメチル化剤としては一般に使用されているものが使用でき、例えば、モノクロロ酢酸ナトリウム等が挙げられる。このときの反応温度は約30〜90℃であることが好ましく、より好ましくは約40〜80℃であり、反応時間は約30分間〜10時間であることが好ましく、より好ましくは約1時間〜4時間である。
上記のエーテル化反応後、高圧ホモジナイザー等によって解繊処理することでカルボキシメチル化セルロース(B)のナノファイバーを得ることができる。
次に、一実施形態に係るアニオン変性された水不溶繊維の例として、リン酸基、又はその塩を有するアニオン変性セルロース(C)の製造方法について説明する。
その製造方法は、特に限定されないが、例えば乾燥状態又は湿潤状態の天然セルロース原料にリン酸又はリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合する方法、天然セルロース原料の分散液にリン酸又はリン酸誘導体の水溶液を添加する方法等を用いることができる。
これらの方法においては、通常、リン酸又はリン酸誘導体の粉末や水溶液を、混合又は添加した後に、脱水処理、加熱処理等を行う。これにより、セルロースを構成するグルコースユニットの水酸基に、リン酸基を含む化合物又はその塩が脱水反応してリン酸エステルが形成され、リン酸基又はその塩が導入される。リン酸基又はその塩が導入されたセルロース繊維は、高圧ホモジナイザー等によって解繊処理することで、セルロースナノファイバーとなる。
ここで、リン酸又はリン酸誘導体としては、例えば、リン原子を含有するオキソ酸、ポリオキソ酸又はそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
一実施形態に係るアニオン変性セルロースにおいて、そのアニオン性基の量は、特に限定されず、例えば、0.05〜3.0mmol/g含有してもよく、0.1〜2.5mmol/g含有してもよい。
ここで、アニオン性基の量は、次の方法により求めることができる。すなわち、乾燥重量を精秤したアニオン変性セルロース試料から0.5〜1質量%スラリーを60mL調製し、0.1mol/Lの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、電気伝導度測定を行い、pHが約11になるまで続け、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下記の式に従い求めることができる。
アニオン性基量(mmol/g)
=V(ml)×〔0.05(mol/L)/セルロース試料質量(g)〕
本実施形態に係る水素ガスバリア膜用組成物において、前記水不溶性繊維の含有量(固形分)、特に限定しないが、好ましくは0.001〜80質量%であり、より好ましくは0.01〜20質量%であり、更に好ましくは0.05〜5質量%であり、0.1〜2質量%でもよい。
次に、本実施形態に係る水不溶性繊維含有の水素ガスバリア膜用組成物に添加する造膜助剤について説明する。
一般に、水性塗工液において造膜助剤は、乾燥して連続的で且つ均質な皮膜を形成し、また十分な強度や接着力を得るために用いられるものであり、水性塗工液から塗膜を成膜する上で重要な役割を果たす。また、商業生産における成膜工程では、造膜助剤の使用は簡便且つより短時間で良質な塗膜を生産することができる点で有用である。
本実施形態では、造膜助剤として、下記一般式(1)で表されるイソチアゾリン誘導体を用いることを特徴とする。
式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基を示し、単一の炭化水素基からなる化合物であっても、炭素数の異なる炭化水素基からなる化合物の混合物であってもよく、Xは水素原子又は塩素原子を示す。
かかるイソチアゾリン誘導体を造膜助剤として用いることにより、水不溶性繊維からなる水素ガスバリア膜を成形する際の造膜性に優れ、乾燥により簡便且つ短時間で水素ガスバリア膜を形成することができるとともに、水素ガスバリア膜の均一性や水不溶性繊維間の緻密性を高めることができる。また、得られた水素ガスバリア膜において膜特性の低下を抑えることができる。
特に、水不溶性繊維のうち、その表面が化学修飾され、アニオン性基、カチオン性基又は両性基が導入されている水不溶性繊維の場合、そのイオン反発により良質なガスバリア膜を得るのが難しく、塗工後の加熱乾燥時に塗膜の収縮が大きい、塗膜表面に凹凸やしわを生じる等の問題を生じやすい。これに対し、上記イソチアゾリン誘導体を造膜助剤として用いることにより、良質の塗膜を簡便に得るのが難しいアニオン性基、カチオン性基又は両性基が導入されている水不溶性繊維の場合でも、膜特性を損なわず、歩留まり良く簡便に水素ガスバリア膜を得ることができる。
その理由は、これにより限定されるものではないが、次のように考えられる。
水不溶性繊維が分散した水素ガスバリア膜用組成物に前記イソチアゾリン誘導体を添加すると、成膜時に乾燥により水が蒸発していくときに、該イソチアゾリン誘導体の存在により水の蒸発が緩慢になるので、その分、乾燥終期における乾燥完了までの時間を長くして、水不溶性繊維が均一な位置に配置されるまでの時間を稼ぐことができると考えられる。すなわち、水不溶性繊維の配置に影響を与えやすい乾燥の最終段階において乾燥完了までの時間を稼ぐことができるので、繊維同士の反発によって均一に且つ緻密に配置されるまでの時間を確保しやすく、そのため、水素ガスバリア膜の均一性や水不溶性繊維間の緻密性を高めることができると考えられる。
また、前記イソチアゾリン誘導体は、熱分解性のイソチアゾリン環を分子中に有し、塗膜の乾燥工程中に気散する特性を持つ。そのため、水の蒸発とともにイソチアゾリン誘導体は徐々に分解し、乾燥の最終段階において該分解生成物が気散することにより、水素ガスバリア膜中の造膜助剤の残留量は大幅に低減し、膜特性の低下を著しく抑制できると考えられる。すなわち、イソチアゾリン誘導体は、加熱条件下で水の蒸発とともに塗膜形成が進む乾燥中期から後期にかけて、前記の如く乾燥完了までの時間を稼ぐ効果を発揮し、その後は徐々に熱分解して、乾燥後期でその分解残渣が気散することにより、水素ガスバリア膜の均一性や水不溶性繊維間の緻密性を高めつつ、残留する造膜助剤の量を大幅に低減することができると考えられる。
上記一般式(1)中のRについて、炭化水素基としてはアルキル基であることが好ましい。また、その炭素数はより好ましくは1〜4である。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、以下のイソチアゾリン誘導体を例示することができる。すなわち、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられ、これらはいずれか1種単独で用いても、2種以上組み合わせてもよい。これらは水の蒸発が進むにつれて50℃以上200℃未満の温度で徐々に熱分解して高温下で気散性を有する熱分解物を生成し、それらは乾燥工程中に気散するので、乾燥後の水素ガスバリア膜中での残存量を大幅に低減することができる。
これらの中でも、下記式(2)で表される5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、及び/又は、下記式(3)で表される2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを用いることがより好ましい。これらは、一般式(1)で表されるイソチアゾリン誘導体の中でもその分解物残渣が比較的気散し易い性質を有し、熱乾燥後に得られた水素ガスバリア膜中の残存量を大きく低減できる点で有用である。
本実施形態に係る水素ガスバリア膜用組成物において、前記イソチアゾリン誘導体の含有量は、特に限定しないが、好ましくは0.005〜10質量%であり、より好ましくは0.02〜5質量%であり、0.05〜1質量%でもよい。含有量が0.005質量%以上であることにより、造膜助剤としての機能を高めることができる。また、含有量が10質量%以下であることにより、加熱乾燥工程での熱分解を十分に行って、乾燥後の水素ガスバリア膜中におけるイソチアゾリン誘導体の残存を低減することができる。
本実施形態において造膜助剤として用いる上記熱分解性のイソチアゾリン誘導体は、1種単独で使用してもよく、2種以上の混合物で使用してもよい。
本実施形態においては、その効果を阻害しない範囲で、上記の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに、類縁のイソチアゾリン誘導体である、4−クロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、又は2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどを1種又は2種以上共存させて使用することもできる。
特に限定するものではないが、これら類縁のイソチアゾリン誘導体の使用量は、上記式(1)で表されるイソチアゾリン誘導体の含有量に対して同量以下であることが好ましい。
本実施形態においては、また、その効果を阻害しない範囲で、アルコール類、セロソルブ類、カルビトール類、グリコール類、グリコールモノフェニルエーテル類、フェニルアルコール類、フェニルカルボン酸エステル類、オキシカルボン酸フェニルエステル類、等の親水性液体媒体を共存させて使用することもできる。特に、水よりも高沸点の親水性液体媒体(以下、高沸点媒体)を造膜助剤として用いると、高沸点媒体により乾燥終期における乾燥完了までの時間を稼いで、塗膜の均一性や水不溶性繊維間の緻密性を高めることができる。また、造膜助剤としての高沸点媒体は、塗膜成形の際の造膜性に寄与し、得られた塗膜の耐クラック性や適度な可撓性(可とう性)を向上させる。その一方で、高沸点媒体は、高沸点であるが故に、乾燥後にも塗膜中に残存して水素ガスバリア膜の強度を低下させる要因になるため、この点を考慮して含有量を設定することが好ましい。
特に限定するものではないが、かかる高沸点媒体の使用量は、上記式(1)で表されるイソチアゾリン誘導体の含有量に対して同量以下であることが好ましい。
本実施形態に係る水素ガスバリア膜用組成物のpHは、特に限定されないが、pH4〜11の範囲内にあることが好ましく、より好ましくはpH4.5〜10の範囲内であり、更に好ましくはpH5〜9の範囲内である。
本実施形態に係る水素ガスバリア膜用組成物は、上述した成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲において、実際の使用に際して、他の水不溶性繊維、合成触媒残渣、繊維膨潤助剤、解繊助剤、pH調整剤、溶剤、保湿剤、無機塩、有機酸塩、他種増粘剤、他種ゲル化剤、防腐剤、抗菌剤、界面活性剤類、レベリング剤、水溶性ポリマー、他種有機性及び無機性フィラー類、着色剤、香料等を含むことは許容される。
次に、本実施形態に係る水素ガスバリア膜用組成物を用いた成膜方法について説明する。成膜する方法としては、例えば、上記水素ガスバリア膜用組成物を水性塗工液として用いて支持体に塗工した後、これを乾燥することにより水素ガスバリア膜としての塗膜を得ることができる。水素ガスバリア膜用組成物の塗工法としては、特に限定されず、例えば、凸版印刷方式、凹版印刷方式、オフセット印刷方式、スクリーン印刷方式、スプレー塗装方式、ドクターブレード方式、ナイフコーター方式、ダイコーター方式、浸漬方式、バーコーター方式、キャスト方式等が挙げられる。
乾燥法としては、例えば、加熱乾燥方式、減圧乾燥方式、送風乾燥方式、マイクロ波乾燥方式、赤外線乾燥方式、凍結乾燥方式、ろ過脱水方式等が用いられる。乾燥温度は、特に限定されず、加熱乾燥方式の場合を例示するならば、40〜200℃でもよく、70〜120℃でもよい。また、乾燥時間も、特に限定されず、例えば、1〜3,000分でもよく、5〜180分でもよい。加熱温度は常に一定でもよく、段階的に上昇させても良い。
本実施形態に係る水素ガスバリア膜は、支持体上に積層された積層体の一部を構成するものでもよく、また、当該水素ガスバリア膜の単独品でもよい。支持体としては、特に限定されず、例えば、フィルム、シート、多孔質膜、織布、不織布、ネット、ガスケット等が挙げられ、無機系の素材であっても、或いは有機系の素材であってもよい。
本実施形態に係る水素ガスバリア膜の厚みは、特に限定されず、例えば1μm〜500μmでもよく、10μm〜200μmでもよい。また、水素ガスバリア膜の単位面積当たりの質量は、特に限定されず、例えば0.1〜300g/mでもよく、0.5〜50g/mでもよい。
本実施形態に係る水素ガスバリア膜は、JIS K7126−1に準拠して測定される温度23℃、湿度0%での水素ガス透過率が、1.0×10mL・μm・m−2・d−1・kPa−1以下であることが好ましく、より好ましくは1.0×10mL・μm・m−2・d−1・kPa−1であり、1.0×10mL・μm・m−2・d−1・kPa−1以下の場合は更に好ましい。なお、水素ガスバリア用途の材料例を挙げると、ナイロンやポリアミドなどがあり、例えばポリアミドの水素ガス透過率は、温度23℃、湿度0%下において、130mL・μm・m−2・d−1・kPa−1である(特開2016−147963号公報参照)。
本実施形態に係る水素ガスバリア膜は、水素ガスの透過を防ぐための膜として用いることができ、例えば、燃料電池自動車などの車載用水素貯蔵タンクなどの水素ガス容器のライナー材、水素燃料ホースや水素移送チューブなどの水素ガス用管の壁材など、水素ガスの透過を抑制するための各種膜材として用いることができる。例えば、該水素ガスバリア膜は、前記の通り、無機系或いは有機系のフィルム、シート、多孔質膜、織布、不織布、ネット、ガスケット等の支持体に貼り付けたり、該支持体上に形成したり、該支持体間に挟み込んだりすることにより、上記の容器や管の壁を構成することができる。一実施形態に係る水素ガス容器及び水素ガス用管は、上記実施形態に係る水素ガスバリア膜を含む壁を備えたものであり、例えば、該水素ガスバリア膜と支持体を含む壁を備えたものであってもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[乾燥塗膜の作製条件]
水不溶性繊維と造膜助剤を含む水素ガスバリア膜用組成物を下記表1,2記載の含有量にて調製し、所定量をポリスチレン製のシャーレ(直径9cm)に流し込み、1次乾燥として70℃のホットプレート上で5時間乾燥し、更に2次乾燥として105℃恒温器内で2時間乾燥した後、デシケーター内で放冷した。その後、温度20℃、湿度40%の恒温恒湿室で48時間調湿した後、塗膜評価試験に供した。
なお、直径9cmシャーレへの水素ガスバリア膜用組成物の投入量は、水不溶性繊維含有量が固形分0.4質量%の場合には、25〜30g流し込むことで10〜20μmの塗膜、50〜60gを流し込むことで35〜40μmの塗膜が得られたことに基づいて設定した。
[実施例1:アニオン変性セルロース繊維]
針葉樹パルプ(NBKP)2gに、水150mLと、臭化ナトリウム0.25gと、TEMPOラジカルを0.025gとを加え、充分撹拌して分散させた後、13質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(共酸化剤)を、上記パルプ1.0gに対して次亜塩素酸ナトリウム量が6.5mmol/gとなるように加え、反応を開始した。反応の進行に伴いpHが低下するため、pHを10〜11に保持するように0.5N水酸化ナトリウム水溶液を滴下しながら、pHの変化が見られなくなるまで反応させた(反応時間:120分)。反応終了後、0.1N塩酸を添加してpHを7.0に調整し、ろ過と水洗を繰り返して精製し、繊維表面が酸化されたアニオン変性セルロース繊維を得た。
上記繊維表面が酸化されたアニオン変性セルロース繊維を遠心分離機で固液分離し、純水を加えて固形分濃度4質量%に調整した。その後、24質量%NaOH水溶液にてスラリーのpHを10に調整した。スラリーの温度を30℃として水素化ホウ素ナトリウムをアニオン変性セルロース繊維に対して0.2mmol/g加え、2時間反応させることで還元処理した。反応後、0.1N塩酸を添加して中和した後、ろ過と水洗を繰り返して精製し、アニオン変性セルロース繊維を得た。
その後、アニオン変性セルロース繊維に、純水を加えて固形分濃度2質量%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で5回処理し、アニオン変性セルロースナノファイバーの水分散体を得た(この繊維種を[a]とする)。
得られたアニオン変性セルロースナノファイバーは、アニオン性基としてカルボン酸ナトリウム塩基(COONa)を有するアニオン変性セルロースナノファイバー(塩型のアニオン性基の割合:100モル%)であり、数平均繊維径が6nm、アニオン性基量が1.83mmol/gであった。
該アニオン変性セルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液に、水および2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、アニオン変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例1に係る水素ガスバリア膜を得た。
[比較例1:アニオン変性セルロース繊維]
実施例1に示すアニオン変性セルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液に、水を加えてアニオン変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って比較例1に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例2,3:アニオン変性セルロース繊維]
実施例1において、直径9cmのポリスチレンシャーレへの水素ガスバリア膜用組成物の投入量を25gから40gに変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例2に係る水素ガスバリア膜を得た。同様に、水素ガスバリア膜用組成物の投入量を60gに変更し、その他は実施例1同様にして、実施例3に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例4:未変性セルロース繊維]
針葉樹パルプ(NBKP)を水に分散させ、分散液を家庭用ミキサーで粉砕後、NBKPを石臼式摩砕機で解繊し、更に水を加えて固形分濃度1質量%の水分散体とし、高圧ホモジナイザーを用いて圧力140MPaで1回処理して未変性セルロースナノファイバー水分散体(数平均繊維径:51nm)を得た(この繊維種を[b]とする)。得られた未変性セルロースナノファイバーの水分散体に、水および2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、未変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例4に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例5:カルボキシメチル化セルロース繊維]
家庭用ミキサーで粉砕した針葉樹パルプ(NBKP)20gに、イソプロピルアルコール(IPA)112gと水48gとの混合溶媒160gを加え、次に水酸化ナトリウムを8.8g加え、撹拌、混合させた後、30℃で60分間攪拌した。次いで、反応液を70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウムを12g(有効成分換算)添加した。1時間反応させた後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりの置換度0.05のアニオン変性セルロース繊維を得た。その後、水を加えてアニオン変性セルロース繊維を固形分濃度2質量%とし、高圧ホモジナイザーを用いて圧力140MPaで5回処理することにより、アニオン性基としてカルボキシメチル基由来のカルボン酸ナトリウム塩基(−CHCOONa)を有するセルロース繊維の水分散体を得た(この繊維種を[c]とする)。得られたカルボキシメチル化セルロース繊維は、数平均繊維径が25nm、アニオン性基(カルボキシル基)量が0.30mmol/gであった。該カルボキシメチル化セルロース水分散体に、水および2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、カルボキシメチル化セルロース繊維の濃度を0.4質量%及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例5に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例6:杉酵素処理セルロース繊維]
国立研究開発法人森林総合研究所から入手した杉酵素処理セルロースナノファイバー(アルカリ蒸解(ソーダ・アントラキノン法)杉パルプを酵素処理し、更に湿式粉砕法により解繊したセルロース繊維。この繊維種を[d]とする)に水および2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、杉酵素処理セルロース繊維の濃度を0.4質量%及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例6に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例7:リン酸化セルロース繊維]
尿素20g、リン酸二水素ナトリウム二水和物を12g、及びリン酸水素二ナトリウム8gを、水20gに溶解させてリン酸化剤を調製し、家庭用ミキサーで粉砕した針葉樹パルプ(NBKP)20gをニーダーで攪拌しながらリン酸化剤をスプレー噴霧し、リン酸化剤含浸パルプを得た。次いで、リン酸化剤含浸パルプを140℃に加熱したダンパー付きの送風乾燥機内で60分間、加熱処理してリン酸化パルプを得た。得られたリン酸化パルプに水を加えて固形分濃度2質量%とし、攪拌、混合して均一に分散させた後、濾過、脱水の操作を2回繰り返し、回収パルプを得た。次いで、得られた回収パルプに、水を加えて、固形分濃度2質量%とし、攪拌しながら、1N水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ添加し、pH12〜13のパルプスラリーを得た。続いて、このパルプスラリーを濾過、脱水し、更に水を加えて濾過、脱水の操作を2回繰り返した。この一連の操作により得られたリン酸化パルプの回収物に水を加えて固形分濃度2質量%の水分散体とし、高圧ホモジナイザーを用いて圧力140MPaで3回処理することにより、アニオン変性セルロース繊維の水分散体を得た(この繊維種を[e]とする)。得られたアニオン変性セルロース繊維は、アニオン性基としてリン酸ナトリウム塩基(−PONa)を有し、数平均繊維径が5nmであった。該アニオン変性セルロース水分散体に、水および2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、アニオン変性セルロース繊維の濃度を0.4質量%及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例7に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例8:エビ殻由来キチン繊維]
ブラックタイガーの殻(20g)を5%KOH水溶液に加え、6時間還流し、エビ殻中のタンパク質を除去し、エビ殻を濾過、回収した後、中性になるまで水でよく洗浄した。エビ殻を7%HCl水溶液で室温下、2日間撹拌し、エビ殻中の灰分を除去し、次いでエビ殻を濾過、回収した後、中性になるまで水でよく洗浄した。続いて、1.7%亜塩素酸ナトリウムの0.3mol/L酢酸ソーダ緩衝溶液に、回収したエビ殻を加え、80℃で、6時間撹拌し、エビ殻に含まれる色素分を除去し、エビ殻を濾過、回収した後、中性になるまで水でよく洗浄した。回収したエビ殻を水に分散させ、分散液を家庭用ミキサーで粉砕後、エビ殻を石臼式摩砕機で解繊し、更に水を加えて固形分濃度1質量%の水分散体とし、高圧ホモジナイザーを用いて圧力140MPaで1回処理してキチン繊維水分散体を得た(この繊維種を[f]とする)。得られたキチン繊維は、数平均繊維径が18nmであった。該キチン繊維水分散体に、水および2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、キチン繊維の濃度を1質量%及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.1質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例8に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例9:エビ殻由来キトサン繊維]
ブラックタイガーの殻(20g)を5%KOH水溶液に加え、6時間還流し、エビ殻中のタンパク質を除去し、エビ殻を濾過、回収した後、中性になるまで水でよく洗浄した。エビ殻を7%HCl水溶液で室温下、2日間撹拌し、エビ殻中の灰分を除去し、次いでエビ殻を濾過、回収した後、中性になるまで水でよく洗浄した。続いて、1.7%亜塩素酸ナトリウムの0.3mol/L酢酸ソーダ緩衝溶液に、回収したエビ殻を加え、80℃で、6時間撹拌し、エビ殻に含まれる色素分を除去し、エビ殻を濾過、回収した後、中性になるまで水でよく洗浄した。上記操作にてタンパク質、灰分、色素分を除いたエビ殻に、40%水酸化ナトリウムを加え、窒素ガスを絶えず吹き込みながら、6時間還流し、脱アセチル化を行った後、エビ殻を濾過、回収した後、中性になるまで水でよく洗浄した。回収したエビ殻を水に分散させ、分散液を家庭用ミキサーで粉砕後、エビ殻を石臼式摩砕機で解繊し、更に水を加えて固形分濃度1質量%の水分散体とし、高圧ホモジナイザーを用いて圧力140MPaで1回処理してキトサンナノファイバー水分散体を得た(この繊維種を[g]とする)。得られたキトサン繊維は、N−アセチル基の置換度が35%(元素分析結果)、数平均繊維径が25nmであった。該キトサン繊維水分散体に、水および2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、キトサン繊維の濃度を0.4質量%及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例9に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例10:セルロースナノクリスタル]
平均粒子径が45μmの微小結晶セルロース(日本製紙株式会社製「KCフロックW−50」)10gをガラス製セパラブルフラスコ内で200mLの蒸留水に懸濁させた。このセパラブルフラスコを氷浴中に置き、撹拌しながら系中の温度を40℃以下に維持しながら、最終濃度が48質量%となるまで濃硫酸を徐々に加えた。次いで、この懸濁液を60℃の水浴に移して30分間攪拌を継続した後、粗製物を取り出し、8000rpmで10分間遠心分離を行った。この遠心分離操作により余剰の硫酸を除去し、残留物を蒸留水に再懸濁させ、遠心分離後、再び蒸留数を添加する操作を繰り返して洗浄と再懸濁を5回繰り返した。この操作で得られた残留物を蒸留水に懸濁させ、pHを8に調整した後、固形分濃度が5質量%となるように調整してセルロースナノクリスタルスラリーを得た。その後、得られたセルロースナノクリスタルスラリーを、高圧ホモジナイザーを用いて圧力140MPaで1回処理してセルロースナノクリスタル水分散体を得た(この繊維種を[h]とする)。得られたセルロースナノクリスタルは、数平均繊維径(数平均結晶幅)が15nmであり、結晶長は約190nmであった(透過型電子顕微鏡にて測定)。該セルロースナノクリスタル水分散体に、水および2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、セルロースナノクリスタルの濃度を2質量%及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.20質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例10に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例11:アニオン変性セルロース繊維]
実施例1に示すアニオン変性セルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液に、水、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよびジエチレングリコールを加えて、アニオン変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%、および2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとジエチレングリコールの濃度をそれぞれ0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例11に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例12:アニオン変性セルロース繊維]
実施例1に示すアニオン変性セルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液に、水および5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、アニオン変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%および5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例12に係る水素ガスバリア膜を得た。
[実施例13:アニオン変性セルロース繊維]
実施例1に示すアニオン変性セルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液に、水、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを加えて、アニオン変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.028質量%、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの濃度を0.012質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って実施例13に係る水素ガスバリア膜を得た。
[比較例2:アニオン変性セルロース繊維]
実施例1に示すアニオン変性セルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液に、水およびトリエチレングリコールを加えて、アニオン変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%及びトリエチレングリコールの濃度を0.2質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って比較例2に係る水素ガスバリア膜を得た。
[比較例3:アニオン変性セルロース繊維]
実施例1に示すアニオン変性セルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液に、水およびジエチレングリコールを加えて、アニオン変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%及びジエチレングリコールの濃度を0.2質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って比較例3に係る水素ガスバリア膜を得た。
[比較例4:アニオン変性セルロース繊維]
実施例1に示すアニオン変性セルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液に、水およびジエチレングリコールを加えて、アニオン変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%及びジエチレングリコールの濃度を0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って比較例4に係る水素ガスバリア膜を得た。
[比較例5:カルボキシメチル化セルロース繊維]
実施例5に示すカルボキシメチル化セルロース水分散体に、水およびジエチレングリコールを加えて、カルボキシメチル化セルロース繊維の濃度を0.4質量%及びジエチレングリコールの濃度を0.2質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って比較例5に係る水素ガスバリア膜を得た。
[比較例6:カルボキシメチル化セルロース繊維]
実施例5に示すカルボキシメチル化セルロース水分散体に、水およびジエチレングリコールを加えて、カルボキシメチル化セルロース繊維の濃度を0.4質量%及びジエチレングリコールの濃度を0.04質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、上記の乾燥塗膜の作製条件にて成膜を行って比較例6に係る水素ガスバリア膜を得た。
[比較例7:アニオン変性セルロース繊維]
実施例1に示すアニオン変性セルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液に、水を加えてアニオン変性セルロースナノファイバーの濃度を0.4質量%に調整し、撹拌脱泡処理により均質な水素ガスバリア膜用組成物を得た。得られた水素ガスバリア膜用組成物を直径9cmのポリスチレンシャーレに25g流し込み、室温で1週間乾燥させて比較例7に係る水素ガスバリア膜を作製した。
表1,2中の造膜助剤についての略語は以下の通りである。
・MIT:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
・CMIT:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
・TEG:トリエチレングリコール
・DEG:ジエチレングリコール
得られた水素ガスバリア膜についての評価方法は以下の通りである。
・平滑性: 得られた水素ガスバリア膜(直径9cm円形)の上部から下部の4点で、指先を軽く塗膜表面に接触させて指先を水平に左右に移動させて塗膜表面の平滑性を指触評価した。また、同水素ガスバリア膜を平滑で且つ清浄な2枚の透明PETフィルム間にはさみ、これを複写機(株式会社リコー製MP3353型)でモノクロ印刷(解像度600dpi、最濃モード)し、その複写画像に現れたしわ及び割れの数を数えて、塗膜表面の平滑性を以下基準に従って評価した。
◎…指触評価で指先の引っ掛かりは認められず、複写画像にしわ、割れが認められない
○…指触評価で指先の引っ掛かりは認められず、複写画像にしわ、割れが3か所以下
△…指触評価で指先の引っ掛かりは認められず、複写画像にしわ、割れが3か所を超え9か所以下
×…指触評価で指先の引っ掛かりが認められる、及び/又は、複写画像にしわ、割れが10箇所以上
・造膜助剤残留量: 50mLねじ口瓶に水25gを秤取し、次いで重量既知の水素ガスバリア膜を1cm角程度に切り分けて投入し、1時間の超音波処理を行った後、シリンジでサンプリング後、シリンジフィルターで不溶解繊維を除去して定量用サンプルを得た。本定量は前記サンプルと内部標準として濃度既知のn−オクタンを含むエタノール溶液との等量混合液を調製し、ガスクロマトグラフィー(アジレント・テクノロジー(株)製「7890A Gas Chromatograph」)分析にて系中に含まれる造膜助剤の定量を行った。
・膜厚: 得られた水素ガスバリア膜の膜厚を、(株)ミツトヨ製「QuantuMike293型スクリュータイプマイクロメーター」にて、同一塗膜内の5箇所の膜厚を測定して、その平均値を算出した。
・引張強度/破断伸度/弾性率: 水素ガスバリア膜の機械強度は以下の方法にて測定した。本測定に供する24時間前に水素ガスバリア膜から50mm×10mm角の寸法で試験片を各5点ずつ作成し、温度20℃・湿度40%の恒温恒湿室に放置した。調湿後の各試験片はテンシロン万能試験機、(株)エー・アンド・デイ製「RTC-1225A」にチャック間距離30mmでセットし、試験速度5.0mm/分で測定を行い、最大引張強度、伸度、更に荷重−伸び曲線の直線部分の傾きから弾性率を各々求め、同試験片5点の平均値を算出した。
・水素ガス透過率(水素ガスバリア性): 水素ガス透過試験は、JIS K7126−1:2006「プラスチックフィルム及びシート―ガス透過度試験方法―第1部:差圧法」に則り、東洋精機製作所製ガス透過率測定装置BR−3の圧力センサ法にて、透過面積:707mm(直径30mm)、温度:23±2℃、湿度:0%、測定時間:24時間、差圧:100kPa、試験ガス:水素(>99.9%)の条件で実施した。24時間水素ガスの透過量を測定し、2次側の時間当たりの圧力変化から直線部分の傾きを求め、以下の計算式から水素透過率を算出した。
水素透過率=(24時間後の透過量[mL]×水素ガスバリア膜の膜厚[μm])/(水素ガスバリア膜の面積[m]×1[day]×100[kPa])
得られた水素ガスバリア膜について評価を行った。詳細には、実施例1及び比較例1の水素ガスバリア膜については、それぞれ円の中心から3等分に分けて各扇型部分をNO.1〜3とした。NO.1〜3のそれぞれについて、膜厚と水素ガス透過率を測定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、造膜助剤無添加の比較例1の水素ガスバリア膜は、3箇所に切り分けた各部分の水素ガス透過率にばらつきが見られ不均一であった。これに対し、MITを添加した実施例1の水素ガスバリア膜では、水素ガス透過率がいずれもある程度一定でかつ透過率が低く、また塗膜の均一性が保たれており、水素ガスバリア膜として良質なものであった。
実施例1〜13及び比較例1〜7の各水素ガスバリア膜について、膜厚、平滑性及び造膜助剤残留量を測定とともに、塗膜物性として引張強度、破断伸度、弾性率を測定し、更に、水素ガスバリア性の指標としての水素ガス透過率を測定した。結果を表2に示す。なお、実施例1及び比較例1についての膜厚及び水素ガス透過率の結果は、表1のNO.1の結果をそのまま記載している。
表2に示すように、本実施形態に係る熱分解性造膜助剤であるMITを添加した実施例1,2,3は膜の厚さに関わらず、造膜助剤無添加の比較例1に比べて塗膜の平滑性が向上している上に(図2も参照)、高い弾性率と低い水素ガス透過率を示していることが分かる。また、実施例4〜10のように多種のセルロース材料を使用する場合や、実施例11〜13のように他の熱分解性造膜助剤であるCMITを用いた場合やMITとCMITを併用した場合、高沸点媒体と併用した場合でも、塗膜は実施例1〜3と同様に水素ガスバリア膜として優れた性質を示すことを確認した。
水素ガスバリア膜中の造膜助剤の影響を見ると、実施例1,2,3と比べ、比較例2,3,5のような造膜助剤が膜中に残る塗膜は、低い弾性率と高い水素ガス透過率を示し、造膜助剤の残留量が多いほど大幅な値の変化が見られた。TEGやDEGなどの高沸点媒体の造膜助剤では、添加量が多くなると塗膜の平滑性は向上するが、残留物による弾性率の低下や水素ガス透過率の増加を招き、逆に添加量が少なくなると比較例4,6のように塗膜の平滑性維持が困難となる。
これに対し、本実施形態では、実施例1〜13のように熱分解性造膜助剤を添加することにより、乾燥時は造膜助剤としての効果で平滑な塗膜を作製でき、かつ乾燥後に分解し膜中に残留しないため(造膜助剤残留量はいずれも0.1質量%未満)、塗膜物性への影響が少なく高い弾性率と低い水素ガス透過率を発現でき、水素などガスバリア材料として使用するために十分な物性を示したと言える。
なお、比較例7では、造膜助剤を添加せずに自然乾燥により成膜しており、塗膜性状には優れるものの、乾燥に長時間を要するものであり、生産性に劣るものであった。
図1に水素ガスバリア膜の外観写真を示したように、本実施形態の水素ガスバリア膜では平滑性及び透明性に優れており、自然乾燥で成膜した比較例7に対して同等以上の平滑性及び透明性が得られた。造膜助剤として高沸点媒体単独で用いた比較例2では平滑性には優れるものの、透明性にやや劣るものであった。
本実施形態に係る水素ガスバリア膜は、水素ガスの透過を防ぐための膜として用いることができ、例えば、燃料電池自動車などの車載用水素貯蔵タンクなどの水素ガス容器のライナー材、水素燃料ホースや水素移送チューブなどの水素ガス用管の壁材など、水素ガスの透過を抑制するための各種膜材として用いることができる。

本発明の実施形態に係る水素ガスバリア膜用組成物は、水素ガスの透過を抑制するための膜である水素ガスバリア膜を製造するために用いられる水素ガスバリア膜用組成物であって、セルロース繊維、キチン繊維、キトサン繊維、及びそれらの化学修飾体からなる群より選択された少なくとも1種の水不溶性繊維と、下記一般式(1)で表されるイソチアゾリン誘導体を含有するものである。
本発明の実施形態に係る水素ガスバリア膜は、前記水素ガスバリア膜用組成物を乾燥して得られる、水素ガスの透過を抑制するために用いられる水素ガスバリア膜である。本発明の実施形態に係る水素ガスバリア膜の製造方法は、該水素ガスバリア膜用組成物を塗工し、加熱乾燥することによりイソチアゾリン誘導体を分解し気散させて水素ガスバリア膜を得るものである。

Claims (4)

  1. セルロース繊維、キチン繊維、キトサン繊維、及びそれらの化学修飾体からなる群より選択された少なくとも1種の水不溶性繊維と、下記一般式(1)で表されるイソチアゾリン誘導体を含有する水素ガスバリア膜用組成物。
    式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基を示し、単一の炭化水素基からなる化合物であっても、異なる炭化水素基からなる化合物の混合物であってもよく、Xは水素原子又は塩素原子を示す。
  2. 前記イソチアゾリン誘導体が下記式(2)及び/又は(3)で表される、請求項1に記載の水素ガスバリア膜用組成物。
  3. 前記水不溶性繊維が、セルロース繊維及び/又はその化学修飾体である、請求項1又は2に記載の水素ガスバリア膜用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素ガスバリア膜用組成物を乾燥して得られる水素ガスバリア膜。
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