本発明は、新規なセリンプロテアーゼ酵素、特にAprL−cladeセリンプロテアーゼの変異体、特に洗剤組成物に有用な酵素を提供する。一部の実施形態では、本発明は、親セリンプロテアーゼ酵素と比較して1つ以上の改変、例えば、置換を有するセリンプロテアーゼ酵素変異体を提供する。一部の実施形態では、本発明は、AprL−cladeセリンプロテアーゼの新規なセリンプロテアーゼ酵素変異体を提供する。上記のそれぞれにおいて、本発明のセリンプロテアーゼ酵素は、土汚れ除去、穀物エタノールの生産、動物飼料、食品加工及び消化助剤、皮革加工、及び介護を含むいくつかの産業で有用であり得る。これは、洗浄性能、化学物質の存在下での酵素の安定性、及び/又は酵素の効果を向上させる酵素の熱安定性を改善することにより酵素を改善することによって達成することができる。本発明は、様々な洗浄用途に特に適して有用である、限定されるものではないが、変異体AprL−cladeセリンプロテアーゼ酵素を含む、変異体セリンプロテアーゼ酵素を提供する。本発明は、本明細書で示される変異体セリンプロテアーゼ酵素(例えば、AprL−clade変異体)の少なくとも1つを含む組成物を含む。一部のこのような組成物は、洗剤組成物を含む。本発明は、バチルス種(Bacillus species)を含む様々な種の変異体セリンプロテアーゼ酵素、及び1つ以上のこのような変異体AprL−cladeセリンプロテアーゼを含む組成物を提供する。本発明のセリンプロテアーゼ酵素変異体は、洗剤組成物に有用な他の酵素と組み合わせることができる。本発明はまた、本発明のセリンプロテアーゼ酵素変異体を使用する洗浄の方法も提供する。
本発明は、親セリンプロテアーゼ酵素に対して1つ以上の改変を有するセリンプロテアーゼ酵素の酵素変異体を含む。この酵素変異体は、洗い性能、洗剤組成物中の酵素の安定性、及び酵素の熱安定性について最小性能指数を有すると共に、親セリンプロテアーゼ酵素に対して改善されたこれらの特徴の少なくとも1つを有することにより洗剤組成物に有用であり得る。
加えて、本発明は、好ましい改変が、洗い性能、洗剤組成物中の酵素の安定性、及び酵素の熱安定性について最小性能指数をもたらすと共に、親セリンプロテアーゼ酵素に対して改善されたこれらの特徴の少なくとも1つを有する洗剤組成物中で有用であり得る、セリンプロテアーゼ酵素の1つ以上のアミノ酸位置における改変、例えば、置換を提供する。これらの改変は、本発明の適切な改変と見なされる。これらのアミノ酸位置は、親セリンプロテアーゼ酵素に対するコンビナトリアル改変(combinatorial modification)の有用な位置と見なすことができる。有用な位置であることが分かっているセリンプロテアーゼ酵素アミノ酸位置は、洗剤組成物での使用に適した複数の改変を有することによって更に特徴付けることができる。それぞれの位置では、可能な適切な改変の数が多いほど、特定の位置の生産性が高くなることを意味する。
加えて、本発明は、これらのセリンプロテアーゼ変異体を含む組成物を提供する。一部の実施形態では、本発明は、これらのセリンプロテアーゼ変異体の少なくとも1つを含む洗浄組成物を提供する。
別の実施形態の文脈で、明確にするために上及び以下に記載される本発明の特定の特徴を組み合わせて、1つの実施形態で提供できることも理解されたい。逆に、1つの実施形態の文脈で、簡潔にするために記載される本発明の様々な特徴を別々に又は任意の部分的な組み合わせで提供することもできる。
本組成物及び方法を詳細に説明する前に、以下の用語を明確にするために定義する。定義されない用語及び略語は、当技術分野で使用されるこれらの通常の意味に従うべきである。特段の記載がない限り、本発明の実施は、当技術分野の技術の範囲内である分子生物学、タンパク質エンジニアリング、微生物学、及び組換えDNAで一般的に使用される従来の技術を含む。このような技術は、当業者には公知であり、当業者に周知の様々なテキスト及び参考文献に記載されている。本明細書において、上及び下の両方で述べられる全ての特許、特許出願、記事、及び刊行物は、参照により本明細書に明確に組み入れられるものとする。
特段の記載がない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、当技術分野の一般的な技術者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。特段の記載がない限り、本開示の実施は、分子生物学、タンパク質エンジニアリング、及び微生物学で一般的に使用される従来の技術を含む。本明細書に記載の方法及び材料と同様又は等しい全ての方法及び材料を本開示の実施で使用できるが、いくつかの適切な方法及び材料が本明細書に記載される。直下に定義される用語は、本明細書全体の参照によってより十分に説明される。
本明細書で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明確に単数形ではないことを示さない限り、複数形を含む。特段の記載がない限り、核酸配列は、5’から3’の方向に左から右に書かれ;アミノ酸配列は、アミノからカルボキシ方向に左から右に書かれる。本開示は、反対の記載がなければ、本明細書に記載の特定の方法、プロトコル、及び試薬に限定されるものではないことを理解されたい。
本発明の実施は、特段の記載がない限り、従来技術のタンパク質の精製、分子生物学、微生物学、組換えDNA技術、及びタンパク質のシークエンシングを利用し、これらは全て、当技術分野の技術の範囲内である。
更に、本明細書で示される見出しは、本明細書全体の参照により得ることができる本発明の様々な態様又は実施形態の限定ではない。従って、直下に定義される用語は、本明細書全体の参照によってより十分に定義される。それでもなお、本発明の理解を容易にするために、多数の用語を以下に定義する。
本明細書を通じて与えられるどの最大の数値限定も、どの低い数値限定も本明細書で明確に記載されたかのように、このような低い数値限定を含むものとする。本明細書を通じて与えられるどの最小の数値限定も、どの高い数値限定も本明細書で明確に記載されたかのように、このような高い数値限定を含む。本明細書を通じて与えられるどの数値範囲も、どの狭い数値範囲も全て本明細書で明確に記載されたかのように、このような広い数値範囲に含まれるこのような狭い数値範囲を含む。
数値に関連して本明細書で使用される用語「約」は、この用語が文脈で具体的にそうではないと定義されない限り、数値の±0.5の範囲を指す。例えば、熟語「約6のpH値」は、pH値が具体的にそうではないと定義されない限り、5.5〜6.5のpH値を指す。
本明細書で使用される語「プロテアーゼ」及び「プロテイナーゼ」は、タンパク質及びペプチドを分解する能力を有する酵素を指す。プロテアーゼは、タンパク質を形成するペプチド鎖又はポリペプチド鎖におけるアミノ酸を互いに連結するペプチド結合の加水分解によって「タンパク質分解」を行う能力を有する。タンパク質消化酵素としてのプロテアーゼのこの活性は、「タンパク質分解活性」と呼ばれる。タンパク質分解活性を測定するための多数の周知の方法が存在する(例えば、Kalisz,“Microbial Proteinases”,Fiechter(ed.),Advances in Biochemical Engineering/Biotechnology,(1988)を参照されたい)。例えば、タンパク質分解活性は、適切な基質を加水分解するそれぞれのプロテアーゼの能力を分析する比較アッセイによって確かめることができる。プロテアーゼ又はタンパク質分解活性の分析に有用な例示的な基質は、限定されるものではないが、ジメチルカゼイン(Sigma C−9801)、ウシコラーゲン(Sigma C−9879)、ウシエラスチン(Sigma E−1625)、及びウシケラチン((ICN Biomedical 902111)を含む。これらの基質を利用する比色アッセイは、当技術分野で周知である(例えば、国際公開第99/34011号パンフレット及び米国特許第6,376,450号明細書を参照されたい)。pNAペプチジルアッセイ(例えば、Del Mar et al.,Anal Biochem,99:316−320,1979を参照されたい)は、活性酵素濃度の決定にも使用することができる。このアッセイは、可溶性合成基質、例えば、スクシニル−アラニン−アラニン−プロリン−フェニルアラニン−p−ニトロアニリド(suc−AAPF−pNA)を加水分解する酵素としてp−ニトロアニリンが放出されるレートを測定する。加水分解反応による黄色の発色のレートが、分光光度計で、410nmで測定され、このレートは、活性酵素の濃度に比例する。加えて、280ナノメートル(nm)での吸光度測定を使用して、精製タンパク質の試料中の全タンパク質濃度を決定することができる。基質/タンパク質濃度に対する活性が、酵素比活性を与える。
ポリペプチド、例えば、プロテアーゼに関連して本明細書で使用される用語「変異体」は、親又は参照ポリペプチド(限定されるものではないが、野生型ポリペプチドを含む)のアミノ酸配列と少なくとも1つのアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。一部の実施形態では、親又は参照ポリペプチドのアミノ酸配列とは異なるポリペプチド変異体は、アミノ酸の1つ以上の天然に存在する又は人工の置換、挿入、又は欠失を含む。他の実施形態では、親又は参照ポリペプチドのアミノ酸配列とは異なるポリペプチド変異体は、アミノ酸の1つ以上の天然に存在する置換、挿入、又は欠失を含む。更なる実施形態では、親又は参照ポリペプチドのアミノ酸配列とは異なるポリペプチド変異体は、アミノ酸の1つ以上の人工の置換、挿入、又は欠失を含む。
本明細書で使用される「バチルス(Bacillus)属」は、限定されるものではないが、B.サブチリス(B.subtilis)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)、B.レンタス(B.lentus)、B.ブレビス(B.brevis)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)、B.アルカロフィラス(B.alkalophilus)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.クラウジ(B.clausii)、B.ソノレンシス(B.sonorensis)、B.ハロデュランス(B.halodurans)、B.プミルス(B.pumilus)、B.ギブソニー(B.gibsonii)、B.パバリ(B.pabuli)、B.セレウス(B.cereus)、B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)、B.アキバイ(B akibai)、B.クラーキー(B.clarkii)、B.シュードファーマス(B.pseudofirmus)、B.レヘンシス(B.lehensis)、B.メガテリウム(B.megaterium)、B.コアグランス(B.coagulans)、B.サーキュランス(B.circulans)、B.ロータス(B.lautus)、及びB.チューリンゲンシス(B.thuringiensis)を含む当技術分野の技術者に公知である「バチルス(Bacillus)」属内の全ての種を含む。バチルス(Bacillus)属は、分類学的に再編成され続けていることを理解されたい。従って、この属は、限定されるものではないが、例えば、現在は「ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)」という名称のバチルス・ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)のような微生物を含め、再分類された種を含むものとする。ストレス環境条件下での耐性内生胞子の酸素の産生は、バチルス(Bacillus)属の特徴を定義すると見なされるが、この特徴は、最近命名されたアリシクロバチルス(Alicyclobacillus)、アンフィバチルス(Amphibacillus)、アネウリニバチルス(Aneurinibacillus)、アノキシバチルス(Anoxybacillus)、ブレビバチルス(Brevibacillus)、フィロバチルス(Filobacillus)、グラシリバチルス(Gracilibacillus)、ハロバチルス(Halobacillus)、パエニバチルス(Paenibacillus)、サリバチルス(Salibacillus)、サーモバチルス(Thermobacillus)、ウレイバチルス(Ureibacillus)、及びビルジバチルス(Virgibacillus)にも当てはまる。
熟語「ホウ素を実質的に含まない組成物」又は「ホウ素を実質的に含まない洗剤」はそれぞれ、恐らく他の組成物又は洗剤成分からの微量のホウ素、例えば、約1000ppm(1mg/kg又はリットルが1ppmに等しい)、約100ppm、約50ppm、約10ppm、又は約5ppm、又は約1ppmを含む組成物又は洗剤を指す。
本明細書で互換的に使用される用語「ポリヌクレオチド」及び「核酸」は、鎖に共有結合された任意の長さのヌクレオチド単量体のポリマーを指す。DNA(デオキシリボ核酸)、デオキシリボヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、及びRNA(リボ核酸)、リボヌクレオチドのポリマーは、固有の生物学的機能を有するポリヌクレオチド又は核酸の例である。ポリヌクレオチド又は核酸は、限定されるものではないが、一本鎖、二本鎖、又は三本鎖DNA、ゲノムDNA、cDNA、RNA、DNA−RNAハイブリッド、又はプリン塩基及びピリミジン塩基を含むポリマー、又は他の天然の化学的に、生化学的に改変された非天然若しくは誘導体化ヌクレオチド塩基を含む。以下は、ポリヌクレオチドの非限定の例である:遺伝子、遺伝子断片、染色体断片、発現配列タグ(EST)、エキソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、リボザイム、相補的DNA(cDNA)、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ、及びプライマー。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチドアナログ、ウラシル、他の糖、及び連結基、例えば、フルオロリボース及びチオエート、並びにヌクレオチド分岐を含む。特定の実施形態では、ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断される。
本明細書で使用される用語「変異」は、参照アミノ酸配列又は参照核酸配列に対してなされた変化を指す。この用語は、置換、挿入、及び欠失を含むものとする。
本明細書で使用される用語「ベクター」は、核酸を標的細胞又は組織に導入又は移入させるために使用される核酸構築物を指す。ベクターは、典型的には、外来DNAを細胞又は組織に導入するために使用される。ベクターは、プラスミド、クローニングベクター、バクテリオファージ、ウイルス(例えば、ウイルスベクター)、コスミド、発現ベクター、及びシャトルベクターなどを含む。ベクターは、典型的には、複製開始点、マルチクローニング部位、及び選択マーカーを含む。ベクターを標的細胞に導入するプロセスは、典型的には形質転換と呼ばれる。本発明は、一部の実施形態では、適切な宿主でのDNA配列の発現、並びに組換えポリペプチド鎖の折り畳み及び転移を行うことができる適切なプロ配列(例えば、分泌配列、シグナルペプチド配列など)に機能的に連結されたセリンプロテアーゼポリペプチド(例えば、前駆又は成熟セリンプロテアーゼポリペプチド)をコードするDNA配列を含むベクターを含む。
本明細書で使用される用語「発現カセット」、「発現プラスミド」、又は「発現ベクター」は、標的細胞での目的の核酸の発現用の、組換え又は合成で作製される核酸構築物又はベクターを指す。発現ベクター又は発現カセットは、典型的には、外来核酸の発現を誘導するプロモーターヌクレオチド配列を含む。発現ベクター又は発現カセットは、典型的には、標的細胞での特定の核酸の転写を可能にするその他の特定の核酸要素も含む。組換え発現カセットは、プラスミド、染色体、ミトコンドリアDNA、プラスチドDNA、ウイルス、又は核酸断片に組み入れることができる。多数の原核及び真核発現ベクターが市販されている。
本明細書で使用される「プラスミド」は、染色体DNAから独立に複製することができる染色体外DNA分子を指す。プラスミドは、二本鎖(ds)であり、環状であり得、かつ典型的には、クローニングベクターとして使用される。
核酸配列の細胞への導入の文脈で本明細書で使用される用語「導入される」は、核酸配列を細胞に移入させるのに適した任意の方法を指す。導入のためのこのような方法は、限定されるものではないが、原形質融合、トランスフェクション、形質転換、電気穿孔法、接合、及び形質導入を含む(例えば、Ferrari et al.,“Genetics”,Hardwood et al.(eds.),Bacillus,Plenum Publishing Corp.,pp.57−72[1989]を参照されたい)。
形質転換は、遺伝物質(例えば、DNA)の取り込み、任意選択のゲノム組み込み、及び発現から生じる細胞の遺伝子変化を指す。
本明細書で使用される核酸は、別の核酸配列と機能的な関係で配置されたときに別の核酸配列に「機能的に連結される」。例えば、プロモーター又はエンハンサーは、このプロモーターがヌクレオチドコード配列の転写に影響を与える場合は、このコード配列に機能的に連結されている。リボソーム結合部位は、コード配列の翻訳を促進するように配置される場合は、このコード配列に機能的に連結され得る。典型的には、「機能的に連結された」DNA配列は連続である。しかしながら、エンハンサーは、連続である必要はない。連結は、便利な制限部位でのライゲーションによって達成される。このような部位が存在しない場合は、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーを、従来の実施に従って使用することができる。
本明細書で使用される用語「遺伝子」は、ポリペプチドをコードし、かつコード領域の前及び後の領域を含むポリヌクレオチド(例えば、DNA断片)を指す。一部の例では、遺伝子は、個々のコードセグメント(エキソン)間に介在配列(イントロン)を含む。
本明細書で使用される「組換え」は、細胞に関連して使用される場合、典型的には、細胞が外来核酸配列の導入によって改変されたこと、又は細胞がこのように改変された細胞に由来することを示唆する。例えば、組換え細胞は、細胞の天然(非組み換え)型の範囲内の同一の型には見られない遺伝子を含み得る、又は組換え細胞は、改変されて細胞内に再導入された天然遺伝子(細胞の天然型に見られる)を含み得る。組換え細胞は、細胞から核酸を除去することなく改変された細胞に対して内因性の核酸を含み得る;このような改変は、遺伝子の置換、部位特異的変異、及び当技術分野の一般的な技術者に公知の関連技術によって達成される改変を含む。組換えDNA技術は、in vitroで組換えDNAを産生させ、そしてこの組換えDNAを発現又は増殖させることができる細胞にこの組換えDNAを移入させて、組換えポリペプチドを産生するための技術を含む。ポリヌクレオチド又は核酸の「組換え」又は「組み換えること」は、一般に、新たなポリヌクレオチド又は核酸を作製するための2つ以上の核酸又はポリヌクレオチド鎖又は断片を組み立てること又は組み合わせることを指す。
核酸又はポリヌクレオチドは、その天然の状態で、又は当業者に公知の方法によって操作されたときに、転写及び/又は翻訳されてポリペプチド又はその断片を産生できる場合に、ポリペプチドを「コードする」と言われる。このような核酸のアンチセンス鎖も、配列をコードすると言われる。
用語「宿主株」及び「宿主細胞」は、目的のDNA配列を含む発現ベクター用の適切な宿主を指す。
「タンパク質」又は「ポリペプチド」は、アミノ酸残基のポリマー配列を含む。用語「タンパク質」及び「ポリペプチド」は、本明細書では互換的に使用される。IUPAC−IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature(JCBN)に従って定義されるアミノ酸の1文字及び3文字コードは、本開示を通じて使用される。1文字Xは、20のアミノ酸のいずれかを指す。また、ポリペプチドは、遺伝子コードの縮重によって2つ以上のヌクレオチド配列によってコードされ得ることを理解されたい。変異は、親アミノ酸の1文字コード、続いて位置番号、そして変異アミノ酸の1文字コードによって命名することができる。例えば、87位でのグリシン(G)のセリン(S)への変異は、「G087S」又は「G87S」として表される。変異はまた、アミノ酸の3文字コード、これに続くN末端から数えられるポリペプチド鎖のその位置によって命名することもでき;例えば、10位でのアラニンの場合はAla10である。複数の変異は、変異間に「−」、「+」、「/」、又は「;」を挿入することによって示される。87位及び90位における変異は、「G087S−A090Y」、又は「G87S−A90Y」、又は「G87S+A90Y」、又は「G087S+A090Y」のいずれかとして表される。例えば、1つ以上の挿入されたアミノ酸を位置の後に記載することができる。例えば、「G087GS」は、87位のグリシンの後に挿入されたセリンを表し;第2の例として、「G087GSA」は、87位のグリシンの後に挿入されたセリン及びアラニンを表す。挿入は、置換と組み合わせて行うことができ;従って、「G087RS」は、87位でのグリシンからアルギニンへの置換、これに続く挿入されたセリン残基を表す。欠失の場合は、位置番号の後に「Δ」又は「del」のいずれかが使用される。従って、例えば、「G087del」は、87位でのグリシンの欠失を表す。改変を表す場合、カッコ内に記載されるアミノ酸の後の位置は、記載されるアミノ酸のいずれかによるその位置での置換の記載を示す。例えば、6(L、I)は、6位をロイシン又はイソロイシンで置換できることを意味する。時には、配列において、スラッシュ(/)は、置換を明示するために使用され、例えば、F/Vは、特定の位置が、その位置でフェニルアラニン又はバリンを有し得ることを示す。
「プロ配列」又は「プロペプチド配列」は、シグナルペプチド配列と、プロテアーゼの適切な折り畳み及び分泌に必要な成熟プロテアーゼ配列との間のアミノ酸配列を指し、これらは、時には分子内シャペロンと呼ばれる。プロ配列又はプロペプチド配列の切断により、成熟した活性プロテアーゼとなる。細菌セリンプロテアーゼは、よくプロ酵素として発現される。
用語「シグナル配列」及び「シグナルペプチド」は、タンパク質の成熟型又は前駆体型の分泌若しくは直接輸送に寄与し得るアミノ酸残基の配列を指す。シグナル配列は、典型的には、前駆体又は成熟タンパク質配列のN末端に位置する。シグナル配列は、内因性又は外因性であり得る。シグナル配列は、通常は、成熟タンパク質には存在しない。シグナル配列は、典型的には、タンパク質が輸送されてからシグナルペプチダーゼによってタンパク質から切断される。
タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドの用語「成熟」型は、シグナルペプチド配列及びプロペプチド配列を含まないタンパク質、ポリペプチド、又はペプチドの機能型を指す。
タンパク質又はペプチドの用語「前駆体」型は、タンパク質のアミノ末端又はカルボニル末端に機能的に連結されたプロ配列を有するタンパク質の成熟型を指す。前駆体型は、プロ配列のアミノ末端に機能的に連結された「シグナル」配列も有し得る。前駆体型は、翻訳後活性に関与する追加のポリペプチド(例えば、前駆体型から切断されてタンパク質又はペプチドの成熟型でなくなるポリペプチド)も有し得る。
アミノ酸配列又は核酸配列に関連した用語「野生型」は、このアミノ酸配列又は核酸配列が天然又は天然に存在する配列であることを示唆する。本明細書で使用される用語「天然に存在する」は、自然界で見られるあらゆるもの(例えば、タンパク質、アミノ酸、又は核酸配列)を指す。
逆に、用語「天然に存在しない」は、自然界で見られないあらゆるもの(例えば、実験室で作製される組換え核酸配列及びタンパク質配列、又は野生型配列の改変)指す。
アミノ酸残基の位置に関連して本明細書で使用される「〜に一致している(corresponding to)」、「〜に一致する(corresponds to)」、「一致する(corresponds)」は、タンパク質若しくはペプチドの列挙された位置にあるアミノ酸残基、又はタンパク質若しくはペプチドの列挙された残基と類似の、相同の、又は同等のアミノ酸残基を指す。本明細書で使用される「一致する領域」は、一般に、関連タンパク質又は参照タンパク質における類似位置を指す。
用語「〜に由来する」又は「から得られる」は、当該細菌株によって産生される又は産生可能なタンパク質だけではなく、このような株から単離されたDNA配列によってコードされるタンパク質、及びこのようなDNA配列を含む宿主生物で産生されるタンパク質も指す。加えて、この用語は、合成のDNA配列及び/又はcDNA起源によってコードされ、かつ当該タンパク質の識別特徴を有するタンパク質を指す。例証するために、「バチルス(Bacillus)に由来するプロテアーゼ」は、バチルス(Bacillus)によって自然にもたらされるタンパク質分解活性を有する酵素、並びにバチルス(Bacillus)源によって産生されるが、遺伝子工学技術の使用により、セリンプロテアーゼをコードする核酸で形質転換された他の宿主細胞によって産生されるようなセリンプロテアーゼを指す。
2つのポリヌクレオチド配列又はポリペプチド配列の文脈における用語「同一」は、容易に利用可能な配列比較又は分析アルゴリズムを用いて測定した、最大の一致で整列されたときに同じである2つの配列における核酸又はアミノ酸を指す。
本明細書で使用される「相同遺伝子」は、互いに一致し、かつ互いに同一又は非常に類似した、異なるが通常は関連した種である一対の遺伝子を指す。この用語は、スペシエーション(すなわち、新しい種の発生)によって分類された遺伝子(例えば、オルソロガス遺伝子)、及び遺伝子の複製によって分離された遺伝子(例えば、パラロガス遺伝子)を包含する。
本明細書で使用される「相同性」は、配列類似性又は配列同一性を指すが、同一性が好ましい。相同性は、当技術分野で公知の標準的な技術を用いて決定することができる(例えば、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.2:482[1981];Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443[1970];Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444[1988];software programs such as GAP,BESTFIT,FASTA,and TFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package(Genetics Computer Group,Madison,WI);及びDevereux et al.,Nucl.Acid Res.12:387−395[1984]を参照されたい)。有用なアルゴリズムの一例はPILEUPである。PILEUPは、プログレッシブペアワイズアラインメントを用いて関連配列群から複数の配列アラインメントを作成する。また、アラインメントを作成するために使用されるクラスター形成関係を示すツリーをプロットすることもできる。PILEUPは、Feng及びDoolittleのプログレッシブアラインメント法の簡易版を使用する(Feng and Doolittle,J.Mol.Evol.35:351−360[1987]を参照されたい)。この方法は、Higgins及びSharpによって示される方法に類似している(Higgins and Sharp,CABIOS 5:151−153[1989]を参照されたい)。有用なPILEUPパラメーターは、3.00のデフォルトギャップ重み付け、0.10のデフォルトギャップ長重み付け、及び重み付けされたエンドギャップを含む。
参照配列と目的の試験配列との間のパーセント配列同一性は、当業者が容易に決定することができる。ポリヌクレオチド配列又はポリペプチド配列によって共有されるパーセント同一性は、配列のアラインメント及び当技術分野で公知の方法による同一性の決定による分子間の配列情報の直接比較によって決定される。配列類似性の決定に適したアルゴリズムの一例は、BLASTアルゴリズムである(Altschul,et al.,J.Mol.Biol.,215:403−410[1990]を参照されたい)。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、全米バイオテクノロジー情報センターが公表している。このアルゴリズムは、最初に、データベースの配列における同じ長さのワードと整列したときにある正の値の閾値スコアTに一致する又は満たすクエリ配列における長さWの短いワードを識別することによってハイスコアの配列対(HSP)を特定することを含む。これらの最初の隣接ワードのヒットが、ヒットを含むより長いHSPを見つけるための開始点として役立つ。ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加し得る限り、比較される2つの配列のそれぞれに沿った両方向に伸張される。ワードヒットの伸張は、累積アラインメントスコアが、最大達成値から数量Xずれたとき;累積スコアが0以下になったとき;又はいずれかの配列の末端に達したときに停止される。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T、及びXは、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、11のワード長(W)、50のBLOSUM62スコア行列(Henikoff and Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915[1992]を参照されたい)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M’5、N’−4、及び両鎖の比較を使用する。
次いで、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計学的分析を行う(例えば、上記のKarlin and Altschulを参照されたい)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の測定値は、最小合計確率(smallest sum probability)(P(N))であり、これは2つのヌクレオチド配列間又は2つのアミノ酸配列間の一致が偶然生じる確率の指標を提供する。例えば、試験核酸とセリンプロテアーゼ核酸との比較における最小合計確率が、約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合は、この核酸は、本発明のセリンプロテアーゼ核酸に類似していると見なされる。試験核酸がセリンプロテアーゼポリペプチドをコードする場合、比較が、約0.5未満、より好ましくは約0.2未満の最小合計確率になると、この核酸は、特定のセリンプロテアーゼ核酸に類似していると見なされる。
2つ以上の核酸配列又はポリペプチド配列の文脈におけるパーセント「同一の」又は「同一性」は、配列比較アルゴリズム又は目視検査を用いて決定され、最大類似性が得られるように整列及び比較されたときに同じであるか、又はそれぞれ同じである指定のパーセンテージの核酸残基又はアミノ酸残基を有する2つ以上の配列を指す。参照(すなわち、クエリ)アミノ酸配列に対する対象アミノ酸配列の「パーセント配列同一性」、又は「%同一性」、又は「%配列同一性」、又は「%アミノ酸配列同一性」は、対象アミノ酸配列が、これらの配列が最適に整列されたときに比較長さに亘って、クエリアミノ酸配列と指定のパーセンテージ同一である(すなわち、アミノ酸とアミノ酸のベースで)ことを意味する。従って、2つのアミノ酸配列に関して80%アミノ酸配列同一性又は80%同一性は、最適に整列された2つのアミノ酸配列におけるアミノ酸残基の80%が同一であることを意味する。
参照(すなわち、クエリ)核酸配列に対する対象核酸配列の「パーセント配列同一性」、又は「%同一性」、又は「%配列同一性」、又は「%ヌクレオチド配列同一性」は、対象核酸配列が、これらの配列が最適に整列されたときに比較長さに亘って、クエリ配列と指定のパーセンテージ同一である(すなわち、ポリヌクレオチド配列のヌクレオチドとヌクレオチドのベースで)ことを意味する。従って、2つの核酸配列に関して80%ヌクレオチド配列同一性又は80%同一性は、最適に整列された2つの核酸配列におけるヌクレオチド残基の80%が同一であることを意味する。
参照(すなわち、クエリ)タンパク質配列に対する対象タンパク質配列の「パーセント配列同一性」、又は「%同一性」、又は「%配列同一性」、又は「%タンパク質配列同一性」は、対象タンパク質配列が、これらの配列が最適に整列されたときに比較長さに亘って、クエリ配列と指定のパーセンテージ同一である(すなわち、ポリペプチド配列の残基と残基のベースで)ことを意味する。従って、2つのポリペプチド配列に関して80%タンパク質配列同一性又は80%同一性は、最適に整列された2つのタンパク質配列における残基の80%が同一であることを意味する。
一部の実施形態では、クエリ配列に対する対象配列の「パーセント配列同一性」、又は「%配列同一性」、又は「%同一性」は、これらの2つの配列を最適に整列して、この2つの最適に整列された配列を比較長さに亘って比較することによって計算することができる。両方の配列に同一の残基が存在する最適なアラインメントの位置の数を決定し、これにより一致した位置の数が得られ、次いでこの一致した位置の数を、比較長さ(特段の記載がない限り、クエリ配列の長さである)の位置の総数で除す。得られる数を100倍して、クエリ配列に対する対象配列のパーセント配列同一性が得られる。
「最適なアラインメント」又は「最適に整列された」は、最も高いパーセント同一性スコアを与える2つ(又は2つ以上)の配列のアラインメントを指す。例えば、2つのタンパク質配列の最適なアラインメントは、各配列における最大数の同一のアミノ酸残基が互いに整列されるようにこれらの配列を手動で整列させることによって、又は本明細書に記載の又は当技術分野で公知のソフトウェアプログラム又は方法を用いることによって達成することができる。2つの核酸配列の最適なアラインメントは、各配列における最大数の同一のヌクレオチド残基が互いに整列するようにこれらの配列を手動で整列させることによって、又は本明細書に記載の又は当技術分野で公知のソフトウェアプログラム又は方法を用いることによって達成することができる。
一部の実施形態では、2つのポリペプチド配列は、この配列の対で考えられる最も高い類似性スコアを達成するために、これらの配列が、定義されたパラメーター、例えば、定義されたアミノ酸置換行列、ギャップ存在ペネルティー(ギャップ開始ペナルティーとも呼ばれる)、及びギャップ伸長ペナルティーを用いて整列されたときに「最適に整列された」と見なされる。BLOSUM62スコア行列(上記のHenikoff and Henikoffを参照されたい)は、ポリペプチド配列アラインメントアルゴリズム(例えば、BLASTP)におけるデフォルトスコア置換行列としてよく使用される。ギャップ存在ペナルティーは、整列された配列の一方における1つのアミノ酸ギャップの導入が課せられ、ギャップ伸長ペナルティーには、ギャップにおける各残基位置が課せられる。利用される例示的なアラインメントパラメーターは:BLOSUM62スコア行列、ギャップ存在ペナルティー=11、及びギャップ伸長ペナルティー=1である。アラインメントスコアは、アラインメントが始まり終了する各配列のアミノ酸の位置(例えば、アラインメントウィンドウ)によって、及び任意選択による、可能な最も高い類似性スコアを達成するための一方又は両方の配列への1つ又は複数のギャップの挿入によって定義される。
2つ以上の配列間の最適なアラインメントは、目視検査によって手動で、又はコンピューター、例えば、限定されるものではないが、例えば、アミノ酸配列用のBLASTPプログラム及び核酸配列用のBLASTNプログラムを用いることによって決定することができる(例えば、Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25(17):3389−3402(1997);また、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)ウェブサイトを参照されたい)。
目的のポリペプチドは、この目的のポリペプチドが、参照ポリペプチドのアミノ酸配列に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む場合に、参照ポリペプチドと「実質的に同様である」と言うことができる。2つのこのようなポリペプチド間のパーセント同一性は、最適に整列された2つのポリペプチド配列の検査によって手動で、又は標準的なパラメーターを使用するソフトウェアプログラム又はアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL、及びMUSCLE)を使用することによって決定することができる。2つのポリペプチドが実質的に同一であるという1つの指示は、第1のポリペプチドが第2のポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。典型的には、保存的なアミノ酸置換により異なるポリペプチドは、免疫学的に交差反応性である。従って、ポリペプチドは、例えば、2つのペプチドが、1つの保存的なアミノ酸置換又は2つ以上の保存的なアミノ酸置換によってのみ異なる場合、第2のポリペプチドと実質的に同一である。
目的の核酸は、この目的の核酸が、参照核酸のヌクレオチド配列に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む場合に、参照核酸と「実質的に同様である」と言うことができる。2つのこのような核酸間のパーセント同一性は、最適に整列された2つの核酸配列の検査によって手動で、又は標準的なパラメーターを使用するソフトウェアプログラム又はアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL、及びMUSCLE)を使用することによって決定することができる。2つの核酸配列が実質的に同一であるという1つの指示は、2つの核酸分子が、ストリンジェントな条件下で(例えば、中程度から高度のストリンジェンンシーの範囲内で)互いにハイブリダイズすることである。
核酸又はポリヌクレオチドは、限定されるものではないが、例えば、他のタンパク質、核酸、細胞などを含む他の成分から少なくとも部分的に又は完全に分離されたときに「単離される」。同様に、ポリペプチド、タンパク質、又はペプチドは、限定されるものではないが、例えば、他のタンパク質、核酸、細胞などを含む他の成分から部分的に又は完全に分離されたときに「単離される」。モルベースで、単離された種は、組成物中の他の種よりも豊富である。例えば、単離された種は、存在する全ての高分子種の少なくとも約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%(モルベースで)を含み得る。好ましくは、目的の種は、必要な均一性まで精製される(すなわち、汚染種を、従来の検出方法では組成物中で検出できない)。純度及び均一性は、当技術分野で周知の多数の技術、例えば、核酸又はタンパク質試料のそれぞれのアガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用い、これに続く染色時の視覚化によって検出することができる。所望に応じて、高分解能技術、例えば、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)又は同様の手段を、物質の精製に利用することができる。
核酸又はポリペプチドに利用される用語「精製された」は、一般に、当技術分野で周知の分析技術によって決定される、他の成分を実質的に含まない核酸又はポリペプチドを意味する(例えば、精製されたポリペプチド又はポリヌクレオチドは、電気泳動ゲル、クロマトグラフィー溶出液、及び/又は密度勾配遠心分離にかけられた培地で不連続バンド(discrete band)を形成する)。例えば、電気泳動ゲルに本質的に1つのバンドを生じさせる核酸又はポリペプチドは「精製されている」。精製された核酸又はポリペプチドは、少なくとも約50%の純度、通常は少なくとも約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、又は約99.8%(例えば、モルベースでの重量%)以上である。これに関連して、本発明は、本発明の1つ以上の分子、例えば、本発明の1つ以上のポリペプチド又はポリヌクレオチドについて組成物を濃縮する方法を提供する。組成物は、精製又は濃縮技術の適用後に分子の濃度が実質的に上昇したときに分子が濃縮される。本発明の実質的に純粋なポリペプチド又はポリヌクレオチド(例えば、実質的に純粋な変異体プロテアーゼ又は発明の変異体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチドのそれぞれ)は、典型的には、特定の組成物における全ての高分子種の少なくとも約55重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、約99重量%、又は約99.5重量%(モルベース)以上を含む。
これに関連して、本発明は、本発明の1つ以上の分子、例えば、本発明の1つ以上のポリペプチド(例えば、本発明の1つ以上の変異体プロテアーゼ)又は本発明の1つ以上の核酸(例えば、本発明の1つ以上の変異体プロテアーゼをコードする1つ以上の核酸)について組成物を濃縮する方法を提供する。組成物は、精製又は濃縮技術の適用後に分子の濃度が実質的に上昇したときに分子が濃縮される。実質的に純粋なポリペプチド又はポリヌクレオチドは、典型的には、特定の組成物における全ての高分子種の少なくとも約55重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、約99重量%、又は約99.5重量%(モルベース)以上を含む。
本明細書で使用される用語「コンビナトリアル変異誘発」又は「コンビナトリアル」は、参照核酸配列の核酸変異体のライブラリーが作成される方法を指す。これらのライブラリーでは、変異体は、所定のセットの変異から選択される1つ又はいくつかの変異を含む。この方法は、所定のセットの変異のメンバーではないランダム変異を導入する手段も提供する。一部のこのような方法は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,582,914号明細書に示されている方法を含む。一部のこのようなコンビナトリアル変異誘発法は、市販のキット(例えば、QUIKCHANGE(登録商標)多部位突然変異誘発キット(Stratagene)、PCR融合/伸長PCR)で実施される方法を含み、かつ/又は包含する。
変異体プロテアーゼに関連して本明細書で使用される「改善された特性を有する」は、対応する参照プロテアーゼ(例えば、野生型又は天然に存在するプロテアーゼ)に対して、改善された若しくは高められた洗い若しくは洗浄性能、及び/又は任意選択で洗い若しくは洗浄性能が維持されたままの、改善された若しくは高められた安定性を有する変異体プロテアーゼを指す。変異体プロテアーゼの改善された特性は、改善された洗い又は洗浄性能及び/又は改善された安定性を含み得る。一部の実施形態では、本発明は、以下の特性の1つ以上を示す本発明の変異体プロテアーゼを提供する:参照プロテアーゼ(例えば、野生型プロテアーゼ、例えば、野生型AprL)に対して、改善された手洗い性能、改善された手洗い若しくは手動皿洗い性能、改善された自動皿洗い性能、改善された洗濯性能、及び/又は改善された安定性。
本明細書で使用される用語「機能アッセイ」は、タンパク質の活性の指標を提供するアッセイを指す。一部の実施形態では、この用語は、タンパク質が、その通常の許容範囲で機能するその能力について分析されるアッセイ系を指す。例えば、酵素の場合には、機能アッセイでは、反応の触媒における酵素の有効性を決定する。
本明細書で使用される用語「標的特性」は、変更されるべき開始遺伝子の特性を指す。本発明は、どの特定の標的特性にも限定されるものではない。しかしながら、一部の実施形態では、標的特性は、遺伝子産物の安定性(例えば、変性、タンパク質分解、又は他の分解因子に対する抵抗性)であるが、他の実施形態では、産生宿主の産生レベルが変更される。
本明細書で使用される、核酸の文脈における用語「特性」又はその文法的同等物は、選択又は検出することができる核酸の任意の特徴又は特質を指す。これらの特性としては、限定されるものではないが、ポリペプチドへの結合に影響を与える特性、特定の核酸を含む細胞に与えられる特性、遺伝子の転写に影響を与える特性(例えば、プロモーターの強度、プロモーターの認識、プロモーターの調節、エンハンサーの機能)、RNAプロセシングに影響を与える特性(例えば、RNAスプライシング、RNA安定性、RNAコンフォメーション、及び翻訳後修飾)、翻訳に影響を与える特性(例えば、レベル、調節、mRNAのリボソームタンパク質への結合、翻訳後修飾)が挙げられる。例えば、翻訳因子、ポリメラーゼ、調節因子などの核酸における結合部位を、所望の特徴を生じさせるため、又は不所望の特徴を確認するために変更することができる。
本明細書で使用される、ポリペプチド(タンパク質を含む)の文脈における用語「特性」又はその文法的同等物は、選択又は検出することができるポリペプチドの任意の特徴又は特質を指す。これらの特性としては、限定されるものではないが、酸化安定性、基質特性、触媒活性、酵素活性、熱安定性、アルカリ安定性、pH活性プロフィール、タンパク質分解に対する抵抗性、KM、kcat、kcat/kM比、タンパク質の折り畳み、免疫応答の誘導、リガンドに結合する能力、受容体に結合する能力、分泌される能力、細胞表面に提示される能力、オリゴマー形成する能力、シグナルを送る能力、細胞増殖を刺激する能力、細胞増殖を抑制する能力、アポトーシスを誘導する能力、リン酸化若しくは糖鎖形成によって修飾される能力、及び/又は疾患を治療する能力などが挙げられる。
本明細書で使用される用語「スクリーニング」は、当技術分野でのその通常の意味を有する。一例示的なスクリーニングプロセスでは、突然変異核酸又はこの変異核酸からコードされる変異体ポリペプチドが提供され、この突然変異核酸又は変異体ポリペプチドのそれぞれの特性を評価し、決定する。この突然変異核酸又は変異体ポリペプチドの決定された特性を、対応する前駆体(親)核酸の特性又は対応する親ポリペプチドの特性のそれぞれと比較することができる。
当業者には、変更された特性を有する核酸又はタンパク質を得るためのスクリーニング法は、その改変が突然変異核酸の生成を容易にする出発物質の特性に依存することは明らかであろう。従って、当業者は、本発明が、スクリーニングされるどの特定の特性にも限定されず、以下の特性の説明が、例示的な例のみを記載することを理解されよう。特定の特性をスクリーニングする方法は、一般に、当技術分野で説明されている。例えば、変異の前後で結合、pH、特異性などを測定することができ、変化は、変更を示唆する。好ましくは、限定されるものではないが、チップ、ファージディスプレイ、並びに複数の基質及び/又は指示薬を利用するアッセイを含め、複数の試料が同時にスクリーニングされることを含む高スループット方式でスクリーニングが行われる。
一部の実施形態では、本明細書で使用されるスクリーニングプロセスは、目的の変異体が変異体の集団から濃縮される1つ以上の選択ステップを包含する。これらの実施形態の例は、宿主生物に増殖有意性を付与する変異体の選択、並びにその結合特性又は触媒特性に基づいて変異体の集団から変異体を捕捉することができファージディスプレイ又はその他の提示の方法を含む。一部の実施形態では、変異体のライブラリーは、ストレス(例えば、熱、変性など)に曝され、続いて無傷のままの変異体が、スクリーニングで識別される、又は選択によって濃縮される。この用語は、選択に適したあらゆる手段を包含するものとする。実際、本発明は、どの特定のスクリーニング方法にも限定されるものではない。
用語「改変核酸配列」及び「改変遺伝子」は、本明細書では互換的に使用され、天然に存在する(すなわち、野生型)核酸配列の欠失、挿入、又は分断を含む核酸配列を指す。一部の実施形態では、改変核酸配列の発現産物は、切断タンパク質である(例えば、改変が配列の欠失又は分断である場合)。一部の実施形態では、切断タンパク質は、生物学的活性を維持する。代替の実施形態では、改変核酸配列の発現産物は、伸長タンパク質である(例えば、核酸配列への挿入を含む改変)。一部の実施形態では、核酸配列へのヌクレオチドの挿入は、切断タンパク質を生じさせる(例えば、挿入が終止コドンを形成する場合)。従って、挿入は、発現産物として切断タンパク質又は伸長タンパク質のいずれかをもたらし得る。
「突然変異」核酸配列は、典型的には、突然変異核酸配列の発現産物が、野生型タンパク質に対して変更されたアミノ酸配列を有するタンパク質となるように、宿主細胞の野生型配列に生じた少なくとも1つのコドンの変化を有する核酸配列を指す。発現産物は、変更された機能的能力(例えば、高められた酵素活性)を有し得る。
本明細書で使用される熟語「基質特異性の変化」は、酵素の基質特異性における変化を指す。一部の実施形態では、基質特異性の変化は、酵素の変異又は反応条件の変更から生じる特定の基質のkcat及び/又はKmの変化として定義される。酵素の基質特異性は、異なる基質で示す触媒効率を比較することによって決定される。これらの決定は、一般に、目的の基質に対してより大きいkcat/Km比を示す変異酵素を作製することが望ましいため、特に突然変異酵素の効率の評価で使用することができる。しかしながら、本発明は、特定の基質組成又は基質特異性に限定されるものではない。
本明細書で使用される「表面特性」は、帯電、並びにタンパク質の表面によって示される疎水性及び親水性のような特性に関して使用される。
本明細書で使用される用語「正味電荷」は、分子中に存在する全ての電荷の合計として定義される。「正味電荷の変化」が、親分子の正味電荷とは異なる正味電荷を有する変異体(すなわち、変異体は、親分子の正味電荷と同じではない正味電荷を有する)を提供するために親タンパク質分子に対して行われる。例えば、中性アミノ酸の負電荷をもつアミノ酸での置換、又は正電荷をもつアミノ酸の中性アミノ酸での置換は、親分子に対して−1の正味電荷をもたらす。正電荷をもつアミノ酸の負電荷をもつアミノ酸での置換は、親に対して−2の正味電荷をもたらす。中性アミノ酸の正電荷をもつアミノ酸での置換、又は負電荷をもつアミノ酸の中性アミノ酸での置換は、親に対して+1の正味電荷をもたらす。負電荷をもつアミノ酸の正電荷をもつアミノ酸での置換は、親に対して+2の正味電荷をもたらす。親タンパク質の正味電荷は、荷電アミノ酸の欠失及び/又は挿入によって変更することもできる。
用語「熱的に安定な」、及び「熱安定性の」、及び「熱安定性」は、変更された温度に曝されたまま、タンパク質分解、加水分解、洗浄、又は本発明の他のプロセス中に優勢な条件下、所与の期間に亘って特定の温度に曝された後に指定された程度の酵素活性を維持するプロテアーゼを指す。「変更された温度」は、温度の上昇又は低下を包含する。一部の実施形態では、プロテアーゼは、所与の期間、例えば、少なくとも約60分、約120分、約180分、約240分、約300分などに亘って変更された温度に曝された後に、少なくとも約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約92%、約95%、約96%、約97%、約98%,、又は約99%のタンパク質分解活性を維持する。
酸化、キレート剤、熱及び/又はpH安定性プロテアーゼの文脈における用語「高められた安定性」は、他のプロテアーゼ(例えば、AprLプロテアーゼ)及び/又は野生型酵素と比較して、長期に亘って高く維持されるタンパク質分解活性を指す。
酸化、キレート剤、熱及び/又はpH安定性プロテアーゼの文脈における用語「低下した安定性」は、他のプロテアーゼ(例えば、AprLプロテアーゼ)及び/又は野生型酵素と比較して、長期に亘って低く維持されるタンパク質分解活性を指す。
用語「洗浄活性」は、タンパク質分解、加水分解、洗浄、土汚れ除去/染み抜き、又は本発明の他のプロセス中に優勢な条件下、変異体プロテアーゼ又は参照プロテアーゼによって達成される洗浄性能を指す。一部の実施形態では、変異体プロテアーゼ又は参照プロテアーゼの洗浄性能は、1つ以上の様々な酵素感受性のアイテム又は表面の染み(例えば、食物、草、血液、インク、牛乳、油、及び/又は卵タンパク質から生じる染み)を洗浄するための様々なアッセイを用いることによって決定することができる。変異体又は参照プロテアーゼの洗浄性能は、アイテム又は表面上の染みを標準的な洗い条件に曝して、様々なクロマトグラフ法、分光光度法、又は他の定量的方法を用いることによって染みが除去された程度を評価することによって決定することができる。例示的な洗浄アッセイ及び方法は、当技術分野で公知であり、限定されるものではないが、国際公開第99/34011号パンフレット及び米国特許第6,605,458号明細書に記載されている洗浄アッセイ及び方法、並びに以下に示される実施例に含まれる洗浄アッセイ及び方法を含む。
変異体プロテアーゼ又は参照プロテアーゼの用語「洗浄有効量」は、特定の洗浄組成物中で所望のレベルの酵素活性を達成するプロテアーゼの量を指す。このような有効量は、当技術分野の一般的な一技術者によって容易に確かめられ、かつ多数の因子、例えば、使用される特定のプロテアーゼ、洗浄用途、洗浄組成物の特定の成分、及び液体又は乾燥(例えば、顆粒、タブレット、バー)組成物が必要かどうかなどに基づいている。変異体プロテアーゼ又は参照プロテアーゼの用語「土汚れ除去指数」(SRI)は、一定量の酵素又は酵素活性によって達成される土汚れ除去の程度を指す。
用語「洗浄補助物質」は、本発明の変異体プロテアーゼ以外の洗浄組成物に含められる任意の液体、固体、又は気体物質を指す。一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、1つ以上の洗浄補助物質を含む。各洗浄補助物質は、典型的には、特定のタイプ及び洗浄組成物の形態(例えば、液体、顆粒、粉末、バー、ペースト、スプレー、タブレット、ジェル、発泡体、又は他の組成物)によって選択される。好ましくは、各洗浄補助物質は、組成物に使用されるプロテアーゼ酵素に適合性である。
洗浄活性の文脈における用語「高められた性能」は、標準的な洗いサイクル及び/又は複数の洗いサイクルの後の通常の評価によって決定される、特定の酵素感受性の染み、例えば、卵、牛乳、草、インク、油、及び/又は血液に対する酵素による洗浄活性の増加又は上昇を指す。
洗浄活性の文脈における用語「低下した性能」は、標準的な洗いサイクル後の通常の評価によって決定される、特定の酵素感受性の染み、例えば、卵、牛乳、草、又は血液に対する酵素による洗浄活性の減少又は低下を指す。
洗浄性能は、標準的な洗いサイクル条件の後に通常の分光光度法又は分析法によって決定される、酵素感受性の染み、例えば、草、血液、インク、油、及び/又は牛乳に関する様々な洗浄アッセイでの本発明の変異体プロテアーゼと参照プロテアーゼとの比較によって決定することができる。
本明細書で使用される用語「消費者製品」は、布地及びホームケア製品を意味する。本明細書で使用される用語「布地及びホームケア製品」又は「布地及び家庭用ケア製品」は、一般に、販売された形態で使用又は消費されるようになっている、布地、硬質表面、及びその他の表面を処理するための製品、及び無生物表面のケア及び洗浄専用の洗浄システム、並びに特に布地のケア及びメンテナンス用に設計された布地調整製品及び他の製品、及びエアケア製品を含み、これらには:エアフレッシュナー及び芳香送達システムを含むエアケア、カーケア、ペットケア、家畜ケア、パーソナルケア、宝石ケア、食器洗い、布地調整剤(柔軟剤及び/又は清涼剤を含む)、洗濯洗剤、洗濯及び濯ぎ添加剤及び/又はケア、前処理洗浄組成物、床及び便器クリーナーを含む硬質表面の洗浄及び/又は処理剤、ガラスクリーナー及び/又は処理剤、タイルクリーナー及び/又は処理剤、セラミッククリーナー及び/又は処理剤、及び消費者又は施設に使用される他の洗浄が含まれる。一部の実施形態では、布地及びホームケア製品は、創傷及び/又は皮膚での使用に適している。「布地及びホームケア製品」は、消費者製品及び施設製品を含む。
本明細書で使用される用語「非布地及びホームケア製品」は、布地及びホームケア製品であり得る最終製品を製造するために他の組成物に添加される組成物を指す。
本明細書で使用される用語「施設用洗浄組成物」は、限定されるものではないが、学校、病院、工場、小売店、法人、ビルディング、レストラン、オフィス用のコンプレックス及びビルディング、加工及び/又は製造プラント、動物病院、工場式農場、工場式牧場などを含む施設での使用に適した製品を指す。
本明細書で使用される用語「洗浄及び/又は処理組成物」は、特段の記載がない限り、アイテムを洗浄及び/又は処理するのに適した組成物を含む布地及びホームケア製品のサブセットである。このような製品は、限定されるものではないが、布地、硬質表面、並びに布地及びホームケアの分野のその他の表面を処理するための製品を含み、これには:エアフレッシュナー及び芳香送達システムを含むエアケア、カーケア、食器洗い、布地調整剤(柔軟剤及び/又は清涼剤を含む)、洗濯物の洗い、洗濯及び濯ぎ添加剤及び/又はケア、床及び便器クリーナーを含む硬質表面の洗浄及び/又は処理剤、顆粒又は粉末形態の汎用又は「重質」洗剤、特に洗浄洗剤;液体、ジェル、又はペースト形態の汎用洗剤、特にいわゆる重質液体タイプ;きめ細かな布地用液体洗剤;手洗い食器用洗剤又は軽質食器用洗剤、特に高発泡タイプの洗剤;家庭及び施設で使用される様々なタブレット、顆粒、液体、及び泡切れの良いタイプを含む食器洗い機用洗剤;カー又はカーペットシャンプー、便器クリーナーを含む浴室用クリーナー;並びに洗浄補助剤、例えば、漂白添加剤及び「染み抜きスティック」又は前処理タイプ、基材を含む製品、例えば、乾燥機補助シートが含まれる。
実際、本明細書で使用される本発明の「洗浄組成物」又は「洗浄調合物」は、洗浄されるべき物体、アイテム、又は表面からの化合物(例えば、不所望の化合物)の除去又は排除に有用な本発明のあらゆる組成物を指し、これらには、限定されるものではないが、例えば、布地、布地アイテム、皿類アイテム、食器類アイテム、ガラス製品アイテム、コンタクトレンズ、他の固体基材、毛(シャンプー)(ヒト又は動物の毛を含む)、皮膚(石鹸又は/及びクリーム)、歯(マウスウォッシュ、練り歯磨き)、アイテム又は物体の表面(例えば、硬質表面、例えば、テーブル、テーブルトップ、壁、家具アイテム、床、天井、非皿類アイテム、非食器類アイテムなどの硬質表面)、フィルター、膜(例えば、限定されるものではないが、限外ろ過膜を含むろ過膜)などが含まれる。この用語は、組成物がこの組成物中に使用されるプロテアーゼ及び他の酵素と適合性であれば、望まれる洗浄組成物の特定のタイプ及び製品の形態(例えば、液体、ジェル、顆粒、スプレー、又は他の組成物)に対して選択されるあらゆる材料及び/又は添加化合物を包含する。洗浄組成物の材料の特定の選択は、洗浄されるべき表面、物体、アイテム、又は布地、及び使用中の洗浄条件に望ましい形態の組成物を考慮することによって容易に行われる。
洗浄組成物及び洗浄調合物は、あらゆる物体、アイテム、及び/又は表面の洗浄、漂白、殺菌、及び/又は安定化に適した任意の組成物を含む。このような組成物及び調合物は、限定されるものではないが、例えば、液体及び/又は固体組成物を含み、これには、洗浄又は洗剤組成物(例えば、液体、タブレット、ジェル、バー、顆粒、及び/又は固体洗濯洗浄又は洗剤組成物、及びきめ細かな布地用洗剤組成物;例えば、ガラス、木材、セラミック、及び金属カウンタートップ及び窓用の硬質表面洗浄組成物及び調合物;カーペットクリーナー;オーブンクリーナー;布地フレッシュナー;布地柔軟剤;及び織物、洗濯促進洗浄又は洗剤組成物、洗濯添加洗浄組成物、及び洗濯用予備染み抜き洗浄組成物;手洗い又は手動の食器洗い用組成物(例えば、「手洗い」又は「手動」食器洗い用洗剤)を含む食器洗い用組成物、及び自動食器洗い用組成物(例えば、自動食器洗い用洗剤)が含まれる。限定されるものではないが、ピル、タブレット、ジェルキャップ、又は他の単回用量単位、例えば、予備計量された粉末、懸濁液、又は液体を含む単回用量単位形態(single dosage unit form)も、本発明に使用することができる。
本明細書で使用される洗浄組成物又は洗浄調合物は、特段の記載がない限り、顆粒又は粉末型の汎用又は重質洗剤、特に洗浄洗剤;液体、顆粒、ジェル、固体、タブレット、ペースト、又は単位用量型の汎用洗剤、特にいわゆる重質液体(HDL)洗剤又は重質乾燥洗剤(HDD)タイプ;きめ細かな布地用液体洗剤;高発泡タイプの物を含む、水溶性単一又は多室容器パウチの手洗い又は手動食器洗い用洗剤;家庭及び施設で使用される様々なタブレット、粉末、固体、顆粒、液体、ジェル、及び泡切れの良いタイプを含む、手洗い又は手動食器洗い用、自動食器洗い用洗剤、又は皿類若しくは食器類用洗剤;抗菌手洗いタイプ、洗浄バー、マウスウォッシュ、義歯クリーナー、カーシャンプー、カーペットシャンプー、浴室クリーナーを含む、液体洗浄剤及び殺菌剤;ヒト及び他の動物用のヘアシャンプー及び/又はヘアリンス;シャワー用ジェル、及び泡浴剤、及び金属クリーナー;並びに洗浄補助剤、例えば、漂白添加剤及び「染み抜きスティック」又は前処理タイプを含む。一部の実施形態では、顆粒組成物は、「圧縮」型であり;一部の実施形態では、液体組成物は、「濃縮」型である。
本明細書で使用される「布地洗浄組成物」は、洗濯用添加組成物を含む手洗い及び機械洗濯用洗剤組成物、並びに染みが付いた布地(例えば、布、リネン、及び他の織物材料)の浸漬及び/又は前処理で使用するのに適した組成物を含む。
本明細書で使用される「非布地洗浄組成物」は、限定されるものではないが、例えば、手洗い若しくは手動又は自動食器洗い用洗剤組成物、口腔洗浄組成物、義歯洗浄組成物、コンタクレンズ洗浄組成物、創傷清拭組成物、及びパーソナル洗浄組成物を含む、非織物(すなわち、非布地)表面洗浄組成物を含む。
本明細書で使用される用語「布地及び/又は硬質表面洗浄及び/又は処理組成物」は、洗浄及び処理組成物のサブセットであり、これには、特段の記載がない限り、顆粒又は粉末形態の汎用又は「重質」洗剤、特に洗浄洗剤;液体、ジェル、又はペースト形態の汎用洗剤、特にいわゆる重質液体タイプ;きめ細かな布地用液体洗剤;手洗い食器用洗剤又は軽質食器用洗剤、特に高発泡タイプの洗剤;家庭及び施設で使用される様々なタブレット、顆粒、液体、及び泡切れの良いタイプを含む食器洗い機用洗剤;液体洗浄剤及び殺菌剤、カー又はカーペットシャンプー、便器クリーナーを含む浴室用クリーナー;液体、固体、及び/又は乾燥機補助シート型であり得る柔軟剤及び/又はリフレッシュ剤(freshening)を含む布地調整製品;並びに洗浄補助剤、例えば、漂白添加剤及び「染み抜きスティック」又は前処理タイプ、基材を含む製品、例えば、乾燥機補助シートが含まれる。適用可能であるこのような製品の全ては、たとえこのような製品が、ある態様で非水溶性であり得る程度であっても、標準型、濃縮型、又は更に高い濃縮型にすることができる。
本明細書で使用される用語「洗剤組成物」又は「洗剤調合物」は、特定の布地及び/又は非布地物体又はアイテムを含む汚れた又は汚れが付いた物体の洗浄用の洗い媒体で使用される組成物に関連して使用される。本発明のこのような組成物は、どの特定の洗剤組成物又は調合物にも限定されるものではない。実際、一部の実施形態では、本発明の洗剤は、本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼ、更に、界面活性剤、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、酸化還元酵素、ビルダー(例えば、ビルダー塩)、漂白剤、漂白活性剤、青味剤、蛍光染料、固化阻害剤、マスキング剤、酵素活性剤、抗酸化物質、及び/又は可溶化剤の1つ以上を含む。場合によっては、ビルダー塩は、ケイ酸塩とリン酸塩との混合物であり、好ましくは、ケイ酸塩(例えば、メタケイ酸ナトリウム)がリン酸塩(例えば、トリポリリン酸ナトリウム)よりも多い。本発明の一部の組成物、例えば、限定されるものではないが、洗浄組成物又は洗剤組成物は、リン酸塩(例えば、リン酸塩又はリン酸塩ビルダー)を一切含まない。
本明細書で使用される用語「漂白」は、材料を明るくし(すなわち、白くし)、かつ/又は洗浄するために十分な期間、及び/又は適切なpH、及び/又は温度条件での材料(例えば、布地、洗濯物、パルプなど)又は表面の処理を指す。漂白に適した化学物質の例としては、限定されるものではないが、例えば、ClO2、H2O2、ペル酸、NO2などが挙げられる。
本明細書で使用される、プロテアーゼ(例えば、本発明の変異体プロテアーゼ)の「洗い性能」は、変異体プロテアーゼが組成物に添加されていない洗剤と比較して、洗剤に追加の洗浄性能を提供する、変異体プロテアーゼの洗いへの寄与を指す。洗い性能は、適切な洗い条件下で比較される。一部の試験システムでは、他の適切な因子、例えば、洗剤組成物、泡濃度(sud concentration)、水の硬度、洗い機構(washing mechanics)、時間、pH、及び/又は温度を、特定の市場区分(例えば、手洗い又は手動の食器洗い、自動食器洗い、皿類の洗浄、食器類の洗浄、布地の洗浄など)における家庭用途に典型的な条件が模倣されるような方法で制御することができる。
用語「適切な洗い条件」は、本明細書では、手洗いの食器洗い、自動食器洗い、又は洗濯洗剤の市場区分における実際に家庭で使用される条件、特に、洗い温度、時間、洗い機構、泡濃度、洗剤のタイプ、及び水の硬度を示すために使用される。
用語「改善された洗い性能」は、適切な洗い条件下での染み除去で良好な最終結果が得られること、又は対応する野生型又は出発親プロテアーゼに対して同じ最終結果を得るために、重量ベースで少ない量の変異体プロテアーゼで済むことを示すために使用される。
本明細書で使用される用語「殺菌」は、汚染物質の表面からの除去、並びにアイテムの表面上の微生物の抑制又は死滅を指す。本発明は、どの特定の表面、アイテム、又は除去されるべき汚染物質若しくは微生物にも限定されるものではない。
本明細書の洗浄組成物の「圧縮」型は、密度によって最も反映され、そして組成に関しては無機フィラー塩(inorganic filler salt)の量によって反映される。無機フィラー塩は、粉末形態の洗剤組成物の従来の成分である。従来の洗剤組成物では、フィラー塩は、かなりの量、典型的には、組成物全体の約17〜35重量%存在する。対照的に、圧縮組成物では、フィラー塩は、組成物全体の約15%以下の量で存在する。一部の実施形態では、フィラー塩は、組成物の約10重量%以下、より好ましくは約5重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、無機フィラー塩は、硫酸塩及び塩化物のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選択される。一部の実施形態では、フィラー塩は硫酸ナトリウムである。
所与のアミノ酸配列のアミノ酸残基の位置は、典型的には、本明細書では配列番号2に示されているAprLアミノ酸配列の対応するアミノ酸残基の位置の付番を用いて付番される。従って、配列番号2に示されているAprLアミノ酸配列は参照配列としての役割を果たす。所与のアミノ酸配列、例えば、本明細書に記載の変異体プロテアーゼアミノ酸配列は、本明細書に記載のアラインメントアルゴリズムを用いてAprL配列(配列番号2)と整列させることができ、AprL配列のアミノ酸残基と整列している(好ましくは、最適に整列している)所与のアミノ酸配列のアミノ酸残基を、AprL配列の対応するアミノ酸残基の参照によって便宜上付番することができる。
一般に、本明細書で使用される命名法、並びに以下に説明される細胞培養、分子遺伝学、分子生物学、核酸化学、及びタンパク質化学における多数の検査法は、周知であり、当業者によって一般的に利用されている。組換え核酸の作製及び操作の方法、核酸合成、細胞培養法、並びに導入遺伝子の組み込み(例えば、トランスフェクション、電気穿孔法)は、当業者に公知であり、多数の標準的なテキストに記載されている。オリゴヌクレオチドの合成及び精製のステップは、典型的には、仕様書に従って行われる。技術及び方法は、一般に、当技術分野で周知の従来の方法及び本明細書を通じて示される様々な一般の参照文献に従って行われる。本明細書の方法は、当業者に周知であると考えられ、読者の利便性のために提供される。
本発明のAprL−clade酵素
本明細書で使用されるAprL−clade酵素は、タンパク質分解活性を示す酵素、ポリペプチド、又はタンパク質、又はこれらの活性断片を含む。これは、実施例4で説明されるAprL−cladeのメンバー、図2及び図3に示されるアラインメント、及び図9の系統樹を含む。AprL−cladeのメンバーは、AprLに非常に相同なサブチリシン分子を選択して、これらの配列の他のサブチリシンに対する構造ベースのアラインメントを作成し、そして全てのAprL−clade酵素に保存されたユニークな配列の領域を特定することによって同定された。
一部の実施形態では、AprL−clade酵素は、YNT(配列番号46)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含む。更に他の実施形態では、AprL−clade酵素は、Y56N57T58(配列番号45)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。更に他の実施形態では、AprL−clade酵素は、Asp32とHis63との間のYNT(配列番号46)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。一部の実施形態では、AprL−clade酵素は、残基52〜60の間のループ領域を含むサブチリシンプロテアーゼ含み、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。
更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、FVX1GEX2X3YNT(配列番号47)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、式中、X1はA又はSであり、X2は非存在又は任意のアミノ酸であり、X3はA又はSである。なお更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、F50V51X152G53E54X355Y56N57T58(配列番号48)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、式中、X1はA又はSであり、X3はA又はSであり;更に、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。
他の実施形態では、AprL−clade酵素は、LSX4S(配列番号55)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、式中、X4はA又はGである。なお他の実施形態では、AprL−clade酵素は、LSAS(配列番号49)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含む。別の実施形態では、AprL−clade酵素は、LSGS(配列番号58)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含む。なお更に他の実施形態では、AprL−clade酵素は、Lys236とArg246との間に配列番号49又は配列番号58を含むサブチリシンプロテアーゼを含み、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。一部の実施形態では、AprL−clade酵素は、L240S241A242S243(配列番号50)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、L240S241G242S243(配列番号56)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。なお更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、KXXXLSX4SQX5R(配列番号57)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、式中、Xは任意のアミノ酸であり、X4はA又はGであり、X5はI又はVである。なお更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、KXXXLSASQX5R(配列番号51)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、式中、Xは任意のアミノ酸であり、X5はI又はVである。またなお更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、KXXXLSGSQX5R(配列番号59)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、式中、Xは任意のアミノ酸であり、X5はI又はVである。なお更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、K236XXXLSASQX5R246(配列番号52)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、式中、Xは任意のアミノ酸であり、X5はI又はVであり;更に、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。また他のなお更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、K236XXXLSGSQX5R246(配列番号60)モチーフを含むサブチリシンプロテアーゼを含み、式中、Xは任意のアミノ酸であり、X5はI又はVであり;更に、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。
なお更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、配列番号45、46、47、又は48及び配列番号49、50、51、又は52を含むサブチリシンプロテアーゼを含む。別の実施形態では、AprL−clade酵素は、配列番号45、46、47、又は48及び配列番号49、50、51、52、55、56、57、58、59、又は60を含むサブチリシンプロテアーゼを含む。またなお更なる実施形態では、AprL−clade酵素は、配列番号45、46、47、又は48及び配列番号49又は50を含むサブチリシンプロテアーゼを含む。更に別の実施形態では、AprL−clade酵素は、Lys236とArg246との間の配列番号58及びAsp32とHis63との間の配列番号46を含むサブチリシンプロテアーゼを含み、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。なお更に別の実施形態では、AprL−clade酵素は、Lys236とArg246との間の配列番号49及びAsp32とHis63との間の配列番号46を含むサブチリシンプロテアーゼを含み、このアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。なお更なる他の実施形態では、AprL−clade酵素は、配列番号47又は48及び配列番号50、52、55、56、又は60を含むサブチリシンプロテアーゼを含む。
一部の実施形態では、AprL−clade酵素は、Arg248残基を含むサブチリシンプロテアーゼを含む。一部の実施形態では、AprL−clade酵素は、Asn96残基を含むサブチリシンプロテアーゼを含む。一部の実施形態では、AprL−clade酵素は、残基96と98との間に水素結合を含むサブチリシンプロテアーゼを含む。いずれの場合も、残基番号は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。
一部の実施形態では、どの野生型AprL−clade酵素配列も、本発明のAprL−clade変異体サブチリシン酵素の作製用の親配列として使用することができる。更なる実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のAprL−Cladeプロテアーゼ変異体の親は、野生型AprL−clade酵素である。一部の実施形態では、AprL酵素cladeサブチリシンプロテアーゼは、上に示されているように1つ以上のシグネチャモチーフを有し得る。AprL−clade酵素のメンバーは、近隣結合法を用いて作成された系統樹における同じ分岐点にクラタスーを形成することが確認された(Saitou,N.and Nei,M.(1987)MolBiol.Evol.4:406−425)。AprL−clade酵素の配列同一性は、AprL配列(配列番号2)に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一性である酵素を含む。AprL−cladeのメンバーは:AprL(配列番号2)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン酵素CAA62667(配列番号12)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン酵素YP_006712489(配列番号14)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン酵素BliD02339(配列番号9)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン酵素AEU12640(配列番号13)、B_licheniformis_DY_P00781サブチリシン酵素(配列番号15)、及びB_sonorensis_WP_006636716サブチリシン酵素(配列番号16)。他の実施形態では、AprL−Cladeプロテアーゼ変異体の親は、AprL(配列番号2)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン酵素CAA62667(配列番号12)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン酵素YP_006712489(配列番号14)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン酵素BliD02339(配列番号9)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン酵素AEU12640(配列番号13)、B_licheniformis_DY_P00781サブチリシン酵素(配列番号15)、及びB_sonorensis_WP_006636716サブチリシン酵素(配列番号16)から選択されるAprL−clade酵素である。更に他の実施形態では、AprL−Cladeプロテアーゼ変異体の親は、AprL(配列番号2)又はB.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン酵素BliD02339(配列番号9)である。またなお更なる他の実施形態では、AprL−Cladeプロテアーゼ変異体の親は、配列番号2のAprL配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するAprL−clade酵素である。なお他の実施形態では、AprL−Cladeプロテアーゼ変異体の親は、配列番号2のAprL配列に対して少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するAprL−clade酵素である。なお更に他の実施形態では、AprL−Cladeプロテアーゼ変異体の親は、配列番号2のAprL配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するAprL−clade酵素である。なお更に他の実施形態では、AprL−Cladeプロテアーゼ変異体の親は、配列番号2のAprL配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するAprL−clade酵素である。
一部の実施形態では、本発明は、新規な酵素及びAprL−cladeの変異体を含む。一部の実施形態では、本発明は、AprLの変異体酵素を含み、この変異体は、配列番号2のAprL配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。一部の実施形態では、本発明は、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素CAA62667の変異体酵素を含み、この変異体は、配列番号12のバチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素CAA62667配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。一部の実施形態では、本発明は、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素YP_006712489の変異体酵素を含み、この変異体は、配列番号14のバチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素YP_006712489配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。一部の実施形態では、本発明は、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素BliD02339の変異体酵素を含み、この変異体は、配列番号9のバチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素BliD02339配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。一部の実施形態では、本発明は、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素AEU12640の変異体酵素を含み、この変異体は、配列番号13のバチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素AEU12640配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。一部の実施形態では、本発明は、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素DY_P00781の変異体酵素を含み、この変異体は、配列番号15のバチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン酵素DY_P00781配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。一部の実施形態では、本発明は、バチルス・ソレンシス(Bacillus sorensis)サブチリシン酵素WP_006636716の変異体酵素を含み、この変異体は、配列番号16のバチルス・ソレンシス(Bacillus sorensis)サブチリシン酵素WP_006636716配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。
AprL−clade酵素の作製位置
本発明は、洗剤組成物に有用であり得る、AprL−clade酵素、例えば、AprLセリンプロテアーゼのアミノ酸位置を提供し、この望ましい改変により、洗浄能力、洗剤組成物中での酵素の安定性、及び酵素の熱安定性が最小性能指数となり、その親AprL−clade酵素、例えば、上記の配列番号2のAprLから改善された少なくとも1つのこれらの特徴を有することになる。これらの改変は、本発明の適した改変と見なされる。
用語「熱安定性(thermal stability)」及び「熱安定性(thermostability)」は、変更された温度に曝されたまま、例えば、タンパク質分解、加水分解、洗浄、又は本発明の他のプロセス中に優勢な条件下、多くの場合、所与の期間に亘って特定の温度に曝された後に指定された程度の酵素活性を維持する本発明のAprL−cladeセリンプロテアーゼを指す。変更された温度は、温度の上昇又は低下を含む。一部の実施形態では、AprL−cladeプロテアーゼは、所与の期間、例えば、少なくとも60分間、120分間、180分間、240分間、及び300分間に亘って変更された温度に曝された後に、少なくとも約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約92%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%のプロテアーゼ活性を維持する。
本明細書で使用される、AprL−cladeプロテアーゼ酵素の改善された特性は、対応する親AprL−clade酵素(例えば、野生型又は天然に存在するAprL−clade酵素)に対して、改善された若しくは高められた洗い若しくは洗浄性能、及び/又は任意選択で洗い若しくは洗浄性能が維持されたままの、改善された若しくは高められた安定性を有する変異体AprL−cladeプロテアーゼ変異体酵素を含む。変異体AprL−clade酵素の改善された特性は、改善された洗い若しくは洗浄性能、及び/又は改善された安定性を含み得る。一部の実施形態では、本発明は、1つ以上の以下の特性を示す本発明の変異体AprL−clade酵素を提供する:参照親AprL−clade酵素(例えば、野生型AprL酵素、例えば、配列番号2の成熟配列を有する野生型AprLプロテアーゼ)に対する、改善された手洗い洗い性能、改善された手洗い又は手動の食器洗い性能、改善された自動食器洗い性能、改善された洗濯性能、及び/又は改善された安定性。
作製位置は、改善された特徴を示すコンビナトリアル変異体の作製に最も有用である分子内の位置として説明され、この位置自体により、少なくとも1つの組み合わせ可能な変異(combinable mutation)が可能となる。組み合わせ可能な変異は、コンビナトリアル変異体を作製するために使用することができる分子における置換として説明することができる。組み合わせ可能な変異は、発現、活性、又は安定性を著しく低下させずに、分子の少なくとも1つの所望の特性を改善する変異である。
組み合わせ可能な変異は、発現、活性、又は安定性を著しく低下させずに、分子の少なくとも1つの所望の特性を改善する変異である。例えば、AprL−cladeプロテアーゼの組み合わせ可能な変異は、実施例1で説明されるアッセイ:N−suc−AAPF−pNA又はジメチルカゼイン(DMC)プロテアーゼアッセイ(活性)、EMPA−116、PAS−38マイクロスウォッチアッセイ(活性)、洗剤安定性及び熱安定性アッセイ、並びにタンパク質定量(発現)から得られる性能指数(PI)値を用いて決定することができる。
有用な位置であることが分かっているAprL−cladeプロテアーゼ酵素アミノ酸位置は、洗剤組成物に使用するのに適した異なる改変を有し得る。改変は、特定の位置での挿入、欠失、又は置換を含み得る。一実施形態では、改変は、置換である。他の実施形態では、天然に存在するアミノ酸が、天然に存在しないアミノ酸に置換され、AprL−Cladeプロテアーゼ変異体の親が、野生型AprL−clade酵素である。一部の更に他の実施形態では、AprL−clade変異体サブチリシン酵素又はその活性断片は、親AprL−cladeサブチリシン酵素に対するアミノ酸改変を含み、AprL−clade変異体サブチリシン酵素は、親AprL−cladeサブチリシン酵素と比較して改善された洗浄特性を有する。
各位置では、可能な適切な改変の数が多ければ多いほど、その位置の作製スコアが高くなる。例えば、アミノ酸位置は、作製位置で試験された改変の少なくとも60%、40%、又は15%を適切な改変として有し得、この改変は、以下の適切な基準の少なくとも1つを満たす:
(a)(1)発現;(2)N−suc−AAPF−pNAの加水分解、DMCの加水分解、pH9又はpH10でのPAS−38マイクロスウォッチ洗浄;及びpH6、pH8、又はpH10でのEMPA−116マイクロスウォッチ洗浄から選択される少なくとも1つのプロテアーゼ活性アッセイ;及び(3)応力条件下の洗剤安定性についての親AprL−cladeサブチリシン酵素に対する最小性能指数PIが、0.9以上であり、加えて、これらの試験のいずれか1つのPIが1.0以上である、位置;
(b)(1)発現;(2)N−suc−AAPF−pNAの加水分解、ジメチルカゼイン(DMC)の加水分解、pH9又はpH10でのPAS−38マイクロスウォッチ洗浄;及びpH6、pH8、又はpH10でのEMPA−116マイクロスウォッチ洗浄から選択される少なくとも1つのプロテアーゼ活性アッセイ;及び(3)応力条件下の洗剤安定性についての親AprL−cladeサブチリシン酵素に対する最小性能指数(PI)が、0.8以上であり、加えて、これらの試験のいずれか1つのPIが1.2以上である、位置;又は
(c)(1)発現;(2)N−suc−AAPF−pNAの加水分解、ジメチルカゼイン(DMC)の加水分解、pH9又はpH10でのPAS−38マイクロスウォッチ洗浄;及びpH6、pH8、又はpH10でのEMPA−116マイクロスウォッチ洗浄から選択される少なくとも1つのプロテアーゼ活性アッセイ;及び(3)応力条件下の洗剤安定性についての親AprL−cladeサブチリシン酵素に対する最小性能指数(PI)が、0.5以上であり、加えて、これらの試験のいずれか1つのPIが1.5以上である、位置。
試験された改変の少なくとも60%を適切な改変として有する本発明のAprL−clade酵素位置は、12位、15位、26位、27位、43位、45位、48位、52位、55位、57位、58位、60位、77位、78位、88位、96位、97位、98位、99位、102位、116位、117位、126位、127位、129位、132位、136位、143位、144位、160位、161位、165位、171位、210位、238位、239位、241位、247位、及び274位であり、AprL−clade変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。適切な改変は、12(K、A、C、F、G、H、L、M、N、Q、S、Y);15(K、A、C、E、F、H、I、M、N、R、S、T、V);26(V、A、C、E、H、I、M、N、Q、R、S、T);27(K、A、C、D、E、L、M、N、P、Q、R、T);43(N、A、C、F、G、H、I、K、L、M、Q、R、S、W、Y);45(V、A、C、D、E、F、G、I、K、M、N、P、Q、R、S、T、Y);48(A、C、D、E、F、H、I、K、M、N、Q、R、W、Y);52(A、C、D、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y);55(A、C、D、E、F、G、H、I、M、N、P、Q、R、S、T、V);57(N、A、C、D、E、G、H、P、R、S、V、Y);58(T、C、D、F、H、I、K、L、M、P、R、S、V、W、Y);60(G、C、E、F、H、I、K、L、M、Q、R、T、Y);77(T、C、D、F、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、W);78(T、C、D、G、I、L、N、Q、S、V、W、Y);88(S、A、E、F、G、L、M、N、Q、R、T、V、W、Y);96(N、A、C、D、E、G、H、I、K、L、M、Q、S、V、Y);97(S、A、C、D、F、G、H、I、K、M、N、P、Q、R、T、W、Y);98(S、A、D、E、F、H、K、L、N、P、R、T、V、Y);99(G、A、C、D、E、L、M、Q、S、T、V、W);102(S、A、D、E、F、G、K、L、N、P、Q、R、T);116(N、A、C、D、E、F、G、H、K、L、M、Q、R、S、T、V、Y);117(G、C、D、E、H、K、M、N、Q、R、T、V);126(G、A、C、E、H、I、K、M、N、Q、R、S、T、V、W、Y);127(G、A、D、E、F、I、L、M、Q、S、T、V、W、Y);129(S、C、E、F、H、I、M、N、Q、R、T、V、W、Y);132(T、A、C、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、V、W、Y);136(Q、A、C、D、F、G、H、K、L、N、R、S、T、W);143(A、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、S、T、Y);144(R、A、C、D、E、F、G、H、L、M、N、Q、V、Y);160(N、A、C、D、G、I、K、M、P、R);161(T、A、C、D、E、I、K、L、M、Q、R、W);165(G、A、E、I、K、L、P、Q、R、S、T、Y);171(D、A、C、G、H、I、K、N、P、Q、S、T、V);210(T、C、D、E、F、H、I、M、N、P、V、Y);238(P、A、C、D、E、F、G、I、L、M、N、Q、R、S、T、W);239(N、A、C、D、E、H、I、K、L、M、S、T、V、Y);241(S、C、D、E、H、L、N、P、Q、T、V);247(N、A、D、E、F、H、I、L、M、Q、S、V、W、Y);及び274(Q、A、C、D、E、F、G、H、I、L、N、S、T、V、W)を含み、AprL−clade変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。
試験された改変の40%以上60%未満を適切な改変として有する本発明のAprL−clade酵素位置は、1位、9位、22位、24位、25位、53位、86位、89位、95位、100位、105位、108位、114位、115位、119位、125位、128位、140位、146位、155位、158位、187位、202位、203位、234位、237位、240位、243位、244位及び、264位であり、AprL−clade変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。適切な改変は、1(A、D、E、F、G、N、Q、S、T、V);9(P、A、C、D、E、G、N、Q、S、T);22(K、A、F、M、Q、R、S、T、VY);24(A、C、D、E、G、N、Q、S、W);25(N、D、E、F、G、H、L、M、P、Q、R、S);53(G、C、D、E、H、K、N、Q、R);86(S、C、E、H、K、L、N、R);89(L、A、C、F、G、I、M、N、S、V);95(L、A、F、G、I、M、Q、S、V);100(S、C、F、G、M、N、R、T、Y);105(G、A、C、D、I、M、N、R、S、T);108(S、E、F、G、H、K、L、N、Q、R、Y);114(T、A、C、D、F、I、K、L、N、Q、S、V);115(T、D、E、F、H、I、K、Q、S、W);119(D、A、E、F、G、H、M、Q、S);125(L、A、E、F、I、N、S、V、Y);128(A、C、D、E、H、K、N、P、Q、R、S、T);140(N、C、D、F、G、H、M、R、T、V);146(V、A、E、H、I、K、L、N、Q、S、T);155(S、A、D、E、F、G、H、K、N、Q、R、W);158(S、A、D、E、I、K、N、Q、R);187(S、A、C、D、E、H、K、P、Q、W);202(A、C、D、E、I、K、L、M、Q、S、T、V);203(G、A、C、E、H、K、M 、N、Q、R、S);234(L、E、F、H、Q、S、W、Y);237(H、A、C、D、G、I、M、N、Q、S);240(L、A、D、E、F、I、M、N、Q、T);243(S、C、E、F、I、N、Q、T、V、W);244(Q、A、C、D、E、G、H、I、N、R、S、V);及び264(K、A、C、D、H、M、Q、R、S、Y)を含み、AprL−clade変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。
試験された改変の15%以上40%未満を適切な改変として有する本発明のAprL−clade酵素位置は、2位、3位、10位、18位、19位、28位、29位、31位、35位、37位、38位、40位、44位、46位、50位、54位、56位、61位、67位、68位、71位、87位、90位、91位、92位、101位、103位、104位、113位、118位、120位、123位、130位、131位、133位、139位、145位、147位、148位、181位、182位、184位、193位、205位、211位、212位、214位、216位、217位、221位、235位、242位、245位、248位、251位、258位、259位、及び268位であり、AprL−clade変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。適切な改変は、2(Q、A、I、N);3(T、E、I、Q、V);10(L、F、M、Q);18(A、C、D、E、S);19(Q、A、D、E、G、M);28(V、A、C、S);29(A、C、S、T、V);31(L、C、I、V);35(I、A、C、G、M、S、T、V);37(A、E、G、S);38(S、A、C、E、G、N、T);40(P、A、C、D、E、M、V);44(V、C、E、P、S、T);46(G、A、C、D、W);50(F、H、K、M、Q、R、V、Y);54(E、Q、R、T);56(Y、C、E、F、H、P);61(N、A、D、F、H、K、Q);67(V、M、N、Q);68(A、C、G、N、S、T);71(V、A、G、L、S);87(V、C、G、S、T);90(Y、A、C、F、H、N、V);91(A、G、M、P、V);92(V、A、C、I、T);101(G、A、C、N、S、T);103(Y、A、F、I、L、M、V、W);104(S、A、D、E);113(A、C、G、S);118(M、F、H、P、Q);120(V、A、C、I、S、T);123(M、C、I、L、N、Q、S);130(G、D、E、H、S);131(S、D、R、T);133(A、G、M、P、S、T、V);139(D、G、K、N、S、T);145(G、D、N、S);147(V、A、L、M、N);148(V、A、C、F、M、Q、S);181(S、A、C、D、H、Q);182(N、C、D、E、Q);184(N、C、E、H、M、Q);193(A、D、P、Q、R);205(Y、C、E、F、I、M、V);211(N、C、E、S);212(T、A、D、S);214(A、E、H、L、T);216(L、A、C、H、K、M);217(N、C、E、S);221(M、C、H、K);235(S、C、D、E、G);242(A、E、G、N、S);245(V、A、C、I、T);248(R、A、N、Q、S);251(S、A、C、E、G、N);258(S、C、D、E、H、P);259(S、E、P、Q);及び268(N、D、E、Q)を含み、AprL−clade変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。上記の変異のセットのそれぞれでは、最初の列記された置換は、AprL(配列番号2)の天然アミノ酸を表す。本発明の一部の実施形態では、変異体は、AprL−clade変異体であり、変異は、最初の列記された置換を除く、上に列記されたセットの変異のいずれかである。
試験された改変の少なくとも1つから15%未満を適切な改変として有する本発明のAprL−clade酵素位置は、4位、17位、21位、30位、33位、36位、47位、49位、51位、62位、66位、72位、74位、75位、76位、93位、106位、107位、110位、111位、112位、121位、134位、135位、137位、138位、141位、149位、151位、156位、157位、159位、163位、169位、175位、183位、186位、188位、191位、204位、207位、208位、209位、215位、223位、224位、227位、229位、230位、231位、232位、233位、236位、249位、250位、254位、255位、260位、267位、269位、271位、及び273位を含み、AprL−clade変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。適切な改変は、4(V、I);17(Q、H、M);21(F、Y);30(V、C、T);33(T、C、M);36(Q、E、H);47(G、A、M);49(S、I、T);51(V、C、I);62(G、S);66(H、R);72(A、G、S);74(L、G);75(D、C、E);76(N、K);93(K、D);106(I、G、M);107(V、F、I);110(I、F);111(E、D、Q);112(W、A);121(I、L、M);134(M、L);135(K、E、H);137(A、S);138(V、C、S);141(A、S);149(V、C);151(A、G、P);156(G、E);157(S、D、R);159(G、A、F);163(T、E);169(K、R);175(A、C);183(S、A、G);186(A、C);188(F、W);191(V、C);204(V、I);207(T、C);208(Y、F);209(P、S);215(T、C、V);223(S、A、C);224(P、A);227(A、S);229(A、G、S);230(A、G);231(A、C);232(L、Q);233(I、V);236(K、A);249(L、I、M);250(S、A、G);254(T、D);255(Y、C、E);260(F、C、W);267(I、C);269(V、A、C);271(A、D、E);及び273(A、S)を含み、AprL−clade変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。
一部の実施形態では、AprL−clade変異体サブチリシン酵素又はその活性断片は、親AprL−cladeサブチリシン酵素に対して1つ以上のアミノ酸改変を有し、この改変は、A001C、A001D、A024E、A024G、A048C、A048D、A048K、A048N、A052F、A052M、A052V、A052Y、A055C、A072G、A091G、A113C、A128P、A128Q、A133G、A133S、A133T、A143E、A143F、A143H、A143N、A143S、A143W、A193D、A202C、A202D、A202E、A202Q、A227S、D119F、D119S、D119Y、G053C、G053E、G053N、G053Q、G060L、G060Y、G099A、G099T、G101A、G117D、G117V、G127A、G127S、G127T、G130D、G130H、G203A、G203C、G203E、G203M、H237I、I035A、I035C、I035M、I035T、I121L、K012N、K015M、K027C、K027L、K027M、K027R、K264A、K264S、L010M、L095F、L125V、L234Q、L240N、L249I、M123C、M123I、M123L、N025F、N025G、N025L、N025S、N057C、N061A、N076G、N096D、N096G、N116A、N116C、N116L、N116Y、N140A、N160C、N182C、N182D、N184C、N211S、N247F、N247H、N247I、N247L、N247Q、N247S、N247V、N247W、N247Y、P009E、P009T、P238A、P238C、P238D、P238F、P238I、P238R、Q017H、Q136A、Q136C、Q136F、Q136H、Q136K、Q136L、R144F、R144L、R248K、S086R、S088N、S088Y、S097G、S097H、S097Y、S098H、S098L、S100L、S102D、S102E、S102G、S102K、S129E、S129H、S155A、S155D、S155E、S155H、S157D、S158I、S158Q、S181A、S181Q、S183G、S241R、S241T、S243I、S243N、S243T、S243V、S243Y、S251E、S258C、S258D、S258P、T058C、T058D、T058F、T058I、T077C、T077F、T077L、T077M、T078Q、T132A、T132Q、T132V、T132Y、T161Q、T210I、T215C、V026Q、V026R、V026T、V028A、V028C、V045I、V071A、V071L、V120A、V120C、V120I、V146A、V146H、V146K、V147L、V149C、Y056H、及びY255Cからなる群から選択されるAprL−clade変異体サブチリシン酵素の作製位置にあり、AprL−cladeサブチリシン変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。一部の実施形態では、上のリストは、改善されたADW洗浄を有する。他の実施形態では、改善されたADW洗浄は、(i)ADW洗浄PI>1.1、又は(ii)ADW洗浄PI>1.1、及びpH6のHDL洗浄PI>0.8、pH8のHDL洗浄PI>0.8、HDD洗浄PI>0.8、発現PI>0.8、又は安定性PI>0.8の1つ以上である。
一部の実施形態では、AprL−clade変異体サブチリシン酵素又はその活性断片は、親AprL−cladeサブチリシン酵素に対して1つ以上のアミノ酸改変を有し、この改変は、A029T、A048K、A048R、A052F、A052R、A068G、A113C、D119H、E111Q、G099A、G099S、G127A、G127T、G165A、K012G、K012H、K027C、K027E、K027M、L095F、L125I、L125V、L240Q、N025F、N025G、N025L、N043R、N116R、N140R、N160C、N184C、N239K、P238C、P238I、P238M、Q136F、Q136H、Q136K、Q136R、Q136W、S098F、S098H、S104A、S158Q、S241R、V045R、及びY103Mからなる群から選択されるAprL−clade変異体サブチリシン酵素の作製位置にあり、AprL−cladeサブチリシン変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。一部の実施形態では、上のリストは、親AprL−cladeサブチリシン酵素と比較したときに改善されたHDD洗浄を有する。他の実施形態では、改善されたHDD洗浄は、(i)HDD洗浄PI>1.1、又は(ii)HDD洗浄PI>1.1、及びpH6のHDL洗浄PI>0.8、pH8のHDL洗浄PI>0.8、ADW洗浄PI>0.8、発現PI>0.8、又は安定性PI>0.8の1つ以上である。
一部の実施形態では、AprL−clade変異体サブチリシン酵素又はその活性断片は、親AprL−cladeサブチリシン酵素に対して1つ以上のアミノ酸改変を有し、この改変は、A001C、A048R、A052F、G099S、G099T、G101A、G127F、G127I、G127M、G127Q、G127T、G127V、I121M、L010M、L095A、L095F、L095Q、L095S、L125I、L125V、M123C、M123I、N025F、N025S、N116C、N140R、N184C、P238C、P238D、P238I、P238M、P238N、Q136A、S098F、S098H、S102D、S158Q、S241R、T077C、T077F、T215C、V026I、V026Q、V045R、及びV149Cからなる群から選択されるAprL−clade変異体サブチリシン酵素の作製位置にあり、AprL−cladeサブチリシン変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。一部の実施形態では、上のリストは、親AprL−cladeサブチリシン酵素と比較したときに改善されたpH8のHDL洗浄を有する。他の実施形態では、改善されたpH8のHDL洗浄は、(i)pH8のHDL洗浄PI>1.1、又は(ii)pH8のHDL洗浄PI>1.1、及びHDD洗浄PI>0.8、pH6のHDL洗浄PI>0.8、ADW洗浄PI>0.8、発現PI>0.8、又は安定性PI>0.8の1つ以上である。
一部の実施形態では、AprL−clade変異体サブチリシン酵素又はその活性断片は、親AprL−cladeサブチリシン酵素に対して1つ以上のアミノ酸改変を有し、この改変は、A001C、A024E、A128D、G053C、G099T、G101A、G101N、G165E、G203C、L095Q、L095S、L125S、N061E、N116C、N184C、S098D、S102D、S102E、S104D、S129E、S155D、S158E、及びV026Tからなる群から選択されるAprL−clade変異体サブチリシン酵素の作製位置にあり、AprL−cladeサブチリシン変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。一部の実施形態では、上のリストは、親AprL−cladeサブチリシン酵素と比較したときに改善されたpH6のHDL洗浄を有する。他の実施形態では、改善されたpH6のHDL洗浄は、(i)pH6のHDL洗浄PI>1.1、又は(ii)pH6のHDL洗浄PI>1.1、及びHDD洗浄PI>0.8、pH8のHDL洗浄PI>0.8、ADW洗浄PI>0.8、発現PI>0.8、又は安定性PI>0.8の1つ以上である。
一部の実施形態では、AprL−clade変異体サブチリシン酵素又はその活性断片は、親AprL−cladeサブチリシン酵素に対して1つ以上のアミノ酸改変を有し、この改変は、A001C、A001D、A001E、A001Q、A001S、L010M、L010Q、S100G、S102K、S102R、Y103F、Y103M、S104D、G105M、G105R、S108F、S108H、S108K、S108R、E111Q、T114D、T115D、T115E、T115F、T115K、T115Q、N116E、K012C、K012F、K012H、K012M、K012N、K012Q、K012Y、V120S、M123C、M123I、L125I、G127A、G127D、G127I、G127M、G127S、G127T、G127V、A128E、A128H、A128K、A128P、A128R、A128S、A128T、S129H、S129Q、S129R、S129T、S129V、T132C、T132D、T132E、T132K、T132N、T132P、Q136A、Q136C、Q136K、Q136R、V138C、A143D、A143N、G145S、V147L、V148A、V148C、V148M、V148Q、K015A、K015C、K015E、K015I、K015M、K015S、K015T、K015V、S155D、S155F、S155K、S155N、S155R、S157D、S158D、S158I、S158K、S158R、N160C、N160D、N160I、N160M、N160R、T161C、T161D、T161E、T161K、T161Q、T161R、G165A、G165E、G165Q、G165R、G165S、Q017H、A018D、A018E、S181Q、N182D、S183A、S183G、N184C、N184E、N184Q、A186C、S187D、S187E、S187P、Q019D、Q019E、A193D、A193R、A202D、A202E、A202K、A202Q、A202V、G203A、G203C、G203E、G203N、G203Q、Y205E、T210C、T210E、T210I、T210P、T210V、A214E、T215C、L216C、L216H、L216K、L216M、N217S、L234E、L234F、L234Q、L234S、S235D、S235E、P238T、N239A、N239D、N239H、N239M、N239S、N239T、A024E、A024Q、L240D、S241E、S241N、S241Q、S241V、A242G、A242N、S243E、S243Q、S243V、Q244C、Q244E、V245A、V245C、V245T、N247D、N247W、N025D、N025G、N025Q、S250G、S251E、S258C、S258D、S258E、S258H、S258P、S259E、S259P、S259Q、V026A、V026C、V026E、V026H、V026Q、V026R、F260W、K264A、K264C、K264D、K264H、K264M、K264Q、K264S、K264Y、I267C、N268D、N268E、N268Q、V269C、K027C、K027D、K027E、K027M、K027P、A271E、Q274A、Q274C、Q274D、Q274E、Q274G、A029S、T003E、T003I、T003Q、T003V、V030C、I035A、I035S、I035T、I035V、S038T、N043A、N043C、N043F、N043H、N043Q、V044P、V045A、V045C、V045D、V045E、V045F、V045G、V045M、V045N、V045Q、V045R、V045S、V045T、G046D、A048N、A048W、F050H、V051I、A052F、A052G、A052K、A052N、A052P、A052R、A052V、G053N、G053R、A055C、A055D、A055E、A055G、A055H、A055N、A055S、A055V、N057C、N057E、N057G、N057V、T058C、T058I、T058K、T058W、A068C、A068N、A068S、V071A、L074G、D075E、N076K、T077C、T077D、T077H、T077M、T077N、T077P、T077Q、T077S、T078D、T078I、T078V、S086E、S086H、S086R、V087C、V087G、V087S、V087T、S088E、S088N、S088R、L089N、P009C、P009D、P009E、P009N、P009T、L095A、L095V、N096S、S098K、S098R、及びG099Qからなる群から選択されるAprL−clade変異体サブチリシン酵素の作製位置にあり、AprL−cladeサブチリシン変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。一部の実施形態では、上のリストは、親AprL−cladeサブチリシン酵素と比較したときに改善された安定性を有する。他の実施形態では、改善された安定性は、(i)安定性PI>1.2、又は(ii)安定性PI>1.2、及びHDD洗浄PI>0.8、pH6又はpH8のHDL洗浄PI>0.8、ADW洗浄PI>0.8、又は発現PI>0.8の1つ以上である。
なお更なる他の実施形態では、安定性PIは、実施例1の安定性アッセイに従って測定され、HDD洗浄PIは、実施例1のHDD洗浄アッセイに従って測定され、HDL洗浄PIは、実施例1のHDL洗浄アッセイに従って測定され、ADW洗浄PIは、実施例1のADW洗浄アッセイに従って測定され、かつ/又は発現PIは、実施例1のタンパク質定量アッセイに従って測定される。
一部の実施形態では、AprL−clade変異体サブチリシン酵素又はその活性断片は、親AprL−cladeサブチリシン酵素に対して1つ以上のアミノ酸改変を有し、この改変は、P009E、S038G、V045R、A052V、T077Q、A091G、S098R、M123I、T132N、T132S、A133S、Q136A、Q136S、G145S、N160R、G165Q、P238R、N239K、A242N、S243Q、S243T、S258E、及びQ274Fからなる群から選択されるAprL−clade変異体サブチリシン酵素の作製位置にあり、AprL−cladeサブチリシン変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。一部の実施形態では、上のリストは、親AprL−cladeサブチリシン酵素と比較して改善された土汚れ除去を有する。他の実施形態では、AprL−clade変異体サブチリシン酵素又はその活性断片は、親AprL−cladeサブチリシン酵素に対して1つ以上のアミノ酸改変を有し、この改変は、P009E、V045R、A052V、T077Q、S098R、M123I、T132N、Q136A、G145S、N160R、G165Q、A242N、S243Q、及びS258Eからなる群から選択されるAprL−clade変異体サブチリシン酵素の作製位置にあり、AprL−cladeサブチリシン変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。一部の実施形態では、上のリストは、親AprL−cladeサブチリシン酵素と比較して改善された土汚れ除去を有する。
本発明のポリペプチド
本発明は、新規なポリペプチドを提供し、このポリペプチドは、まとめて「本発明のポリペプチド」と呼ばれることがある。本発明のポリペプチドは、、例えば、酵素活性(例えば、プロテアーゼ活性)を有する変異体AprL−clade酵素ポリペプチドを含む、単離された、組み換えられた、実質的に純粋な、又は天然に存在しない変異体及び新たに見出されたAprL−clade酵素ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、本発明のポリペプチドは、洗浄用途に有用であり、洗浄が必要なアイテム又は表面(例えば、アイテムの表面)の洗浄の方法に有用な洗浄組成物に含めることができる。
一部の実施形態では、AprL−clade酵素変異体は、バチルス(Bacillus)属由来の親AprL−clade酵素の変異体であり得る。様々なAprL−clade酵素は、互いに対して、及び配列番号2に示されているAprL由来のAprL成熟酵素に対して高い同一性を有するバチルス(Bacillus)属に見られる。例えば、表8及び表9、及び実施例4の図2、実施例6の図3、及び実施例12の図9を参照されたい。様々な実施形態では、AprL−clade酵素変異体は、表8又は表9、又は図2、図3、又は図9に示されている任意の種に由来する親AprL−clade酵素の変異体であり得る。
一部の実施形態では、AprL−clade酵素変異体は、表8又は表9、図2、図3、又は図9に示されているAprL−clade酵素;例えば、配列番号2又は配列番号9のAprLプロテアーゼに対して50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する変異体であり得る。
AprL−clade酵素に関連する組成物及び方法が説明される。この組成物及び方法は、クローニングされて発現されたAprLが、洗剤組成物の存在下でタンパク質分解活性を有するという観察にある程度基づいている。AprLはまた、洗剤組成物中で優れた安定性を示す。AprLのこれらの特徴により、AprLは、様々な洗浄用途に使用するのに十分に適し、この酵素は、洗剤組成物中に見られる界面活性剤及び他の成分の存在下でタンパク質を加水分解することができる。
一態様では、本組成物及び本方法は、変異体AprL−cladeポリペプチドを提供する。成熟AprL−cladeポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を有する。類似した実質的に同一のAprL−cladeポリペプチドは、天然に、例えば、他の株又は分離株に存在し得る。これら及び他の組換えAprL−cladeポリペプチドは、本組成物及び本方法に包含される。
一部の実施形態では、本発明は、単離された、組み換えられた、実質的に純粋な、又は天然に存在しない、プロテアーゼ活性を有する変異体AprL−clade酵素を含み、このポリペプチドは、本明細書で提供される親AprL−clade酵素に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
一部の実施形態では、変異体ポリペプチドは、例示されたAprL−cladeポリペプチドに対して指定された程度のアミノ酸配列相同性、例えば、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%もの配列相同性を有する変異体である。相同性は、例えば、本明細書に記載のプログラム、例えば、BLAST、ALIGN、又はCLUSTALを用いたアミノ酸配列アラインメントによって決定することができる。
また、プロテアーゼ活性を有する変異体AprL−clade酵素をコードする、単離された、組み換えられた、実質的に純粋な、又は天然に存在しない配列も提供され、前記変異体AprL−clade酵素(例えば、変異体AprL)は、配列番号2のアミノ酸配列に対して50以下、40以下、30以下、35以下、25以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、又は1つ以下のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含み、変異体AprL−clade酵素のアミノ酸位置が、変異体AprL−clade酵素のアミノ酸配列とAprLのアミノ酸配列とのアラインメントによって決定される、配列番号2に示されているAprLのアミノ酸配列の対応するアミノ酸位置の付番に従って付番される。
上記のように、本発明の変異体AprL−clade酵素ポリペプチドは、酵素活性(例えば、タンパク質分解活性)を有し、従って、限定されるものではないが、皿類アイテム、食器類アイテム、布地、及び硬質表面(例えば、テーブル、テーブルトップ、壁、家具アイテム、床、天井などの硬質表面)を有するアイテムを洗浄する方法を含む洗浄用途に有用である。本発明の1つ以上の変異体AprL−clade酵素ポリペプチドを含む例示的な洗浄組成物が以下に説明される。本発明の変異体AprL−clade酵素ポリペプチドの酵素活性(例えば、AprL−clade酵素活性)は、当技術分野の一般的な技術者に周知の方法を用いて容易に決定することができる。以下に示される実施例は、酵素活性、洗浄性能、洗剤安定性、及び/又は熱安定性を評価するための方法を説明する。染み(例えば、タンパク質の染み)抜き、硬質表面の洗浄、又は洗濯物、皿類、若しくは食器類アイテムの洗浄における本発明の変異体AprL−clade酵素の性能は、当技術分野で周知の方法を用いて、及び/又は実施例に示される方法を用いて容易に決定することができる。
本発明のポリペプチドは、保存的又は非保存的な様々な変化、例えば、1つ以上のアミノ酸の挿入、欠失、及び/又は置換を受けることがあり、このような変化には、このポリペプチドの酵素活性を実質的に変更しない変化も含まれる。同様に、本発明の核酸も、様々な変化、例えば、サイレント変化(例えば、ヌクレオチド配列の変異が、アミノ酸配列におけるサイレント変異をもたらす、例えば、コードされるアミノ酸がこの核酸の変異によって変更されない場合)又は非サイレント変化をもたらす、特定のコドンが同じ又は異なるアミノ酸をコードするような1つ以上のコドンにおける1つ以上の核酸の1つ以上の置換、配列における1つ以上の核酸(又はコドン)の1つ以上の欠失、配列における1つ以上の核酸(又はコドン)の1つ以上の付加若しくは挿入、及び/又は配列における1つ以上の核酸(又はコドン)の1つ以上の切り詰めの切断を受けることがある。核酸配列における多数のこのような変化は、元の核酸配列によってコードされる変異体AprL−clade酵素と比較して、得られるコードされた変異体AprL−clade酵素の酵素活性を実質的に変更しない可能性がある。本発明の核酸は、発現系(例えば、細菌発現系)に最適な発現を提供する1つ以上のコドンを含むように、所望に応じて前記1つ以上のコドンがなお同じアミノ酸をコードしたまま改変することもできる。
一部の実施形態では、本発明は、所望の酵素活性(例えば、AprL−clade酵素活性又は洗浄性能活性)を有する変異体AprL−clade酵素ポリペプチドを含むポリペプチド属を提供し、この変異体AprL−clade酵素ポリペプチドは、本明細書に記載のアミノ酸置換を有する配列を含み、かつ1つ以上の追加のアミノ酸置換、例えば、保存的及び非保存的置換も含み、このポリペプチドは、所望の酵素活性(例えば、変異体AprL−clade酵素の洗浄活性又は性能に反映される、AprL−clade酵素活性又はタンパク質分解活性)を示す、維持する、又はほぼ維持する。本発明によるアミノ酸置換は、限定されるものではないが、1つ以上の非保存的置換及び/又は1つ以上の保存的アミノ酸置換を含み得る。保存的なアミノ酸残基の置換は、典型的には、アミノ酸残基の1つの機能クラス(functional class)内のメンバーの同じ機能クラスに属する残基との交換を含む(同一のアミノ酸残基は、機能相同率の計算で機能的に相同又は保存されていると見なされる)。保存的なアミノ酸置換は、典型的には、アミノ酸配列のアミノ酸の機能的に類似したアミノ酸との置換を含む。例えば、アラニン、グリシン、セリン、及びトレオニンは、機能的に類似し、従って、互いに対する保存的なアミノ酸置換として機能を果たし得る。アスパラギン酸とグルタミン酸は、互いに保存的な置換として機能を果たし得る。アスパラギン及びグルタミンは、互いに保存的な置換として機能を果たし得る。アルギニン、リジン、及びヒスチジンは、互いに保存的な置換として機能を果たし得る。イソロイシン、ロイシン、メチオニン、及びバリンは、互いに保存的な置換として機能を果たし得る。フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンは、互いに保存的な置換として機能を果たし得る。
他の保存的なアミノ酸置換基も考えられ得る。例えば、アミノ酸は、類似の機能又は化学構造若しくは化学組成(例えば、酸性、塩基性、脂肪族、芳香族、硫黄含有)によってグループ分けすることができる。例えば、脂肪族グループは:グリシン(G)、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)を含み得る。互いに保存的な置換と見なされるアミノ酸を含む他のグループは:芳香族:フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);硫黄含有:メチオニン(M)、システイン(C);塩基性:アルギニン(R)、リジン(K)、ヒスチジン(H);酸性:アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);非極性非荷電残基:システイン(C)、メチオニン(M)、及びプロリン(P);親水性非荷電残基:セリン(S)、トレオニン(T)、アスパラギン(N)、及びグルタミン(Q)を含む。アミノ酸の更なるグループは、当業者に周知であり、様々な標準的なテキストに記載されている。本明細書のポリペプチド配列のリストは、上記の置換基と共に、全ての保存的に置換されたポリペプチド配列の明確なリストを提供する。
より保存的な置換が、上記のアミノ酸残基のクラス内に存在し、これらは、同様に又は代わりとして適切であり得る。より保存的な置換の保存グループは:バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、及びアスパラギン−グルタミンを含む。
本発明のポリペプチド配列の保存的に置換された変形形態(例えば、本発明の変異体プロテアーゼ)は、ポリペプチド配列のアミノ酸の僅かなパーセンテージ、時には25%未満、20%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、若しくは6%未満の置換、又はポリペプチド配列のアミノ酸の5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、若しくは1%未満、又は10未満、9つ未満、8つ未満、7つ未満、6つ未満、5つ未満、4つ未満、3つ未満、2つ未満、若しくは1つ未満のアミノ酸の、同じ保存置換基の保存的に選択されたアミノ酸との置換を含む。
本明細書の他の部分でより詳細に記載され、かつ本明細書に示される実施例に記載されるように、本発明のポリペプチドは、既知のセリンプロテアーゼを含む既知のプロテアーゼと比較できる洗浄能力を有し得る。一部の実施形態では、プロテアーゼ変異体は、1つ以上の変異を含み、かつAprL(配列番号2)に対して−5、−4、−3、−2、−1、0、1、2、3、4、又は5の総正味電荷を有する。一部の実施形態では、本発明は、タンパク質分解活性を有する単離された、組み換えられた、実質的に純粋な、又は天然に存在しない変異体プロテアーゼ(例えば、変異体AprL)を提供し、前記変異体プロテアーゼは、配列番号2、9、12、13、14、15、又は16に示されているアミノ酸配列と50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、又は8以下のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含み、アミノ酸位置は、変異体プロテアーゼアミノ酸配列のAprLアミノ酸配列とのアラインメントによって測定される、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列の対応するアミノ酸位置の付番に従って付番される。
本発明の核酸
本発明は、単離された、天然に存在しない、又は組み換えられた核酸(本明細書で、「ポリヌクレオチド」とも呼ばれる)を提供し、この核酸は、まとめて「本発明の核酸」又は「本発明のポリヌクレオチド」と呼ばれることもあり、本発明のポリペプチドをコードする。以下に記載される全てを含む本発明の核酸は、典型的には、目的のポリペプチドをコードする配列又はその断片を含むプラスミド発現ベクターの発現によって、本発明のポリペプチドの組換え産生(例えば、発現)に有用である。上記のように、ポリペプチドは、洗浄用途で有用な酵素活性(例えば、タンパク質分解活性)を有する変異体AprL−cladeポリペプチド及び洗浄が必要なアイテム又は表面(例えば、アイテムの表面)の洗浄用の洗浄組成物を含む変異体プロテアーゼポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、本発明は、「本発明のポリペプチド」と名付けられたセクション及び本明細書の他の部分で上述された本発明の任意のポリペプチド(任意の融合タンパク質などを含む)をコードするヌクレオチド配列を含む単離された、組み換えられた、実質的に純粋な、又は天然に存在しない核酸を提供する。本発明はまた、上述及び本明細書の他の部分の本発明の2つ以上の任意のポリペプチドの組み合わせをコードするヌクレオチド配列を含む単離された、組み換えられた、実質的に純粋な、又は天然に存在しない核酸も提供する。
一部の実施形態では、本発明は、プロテアーゼ活性を有する単離された、組み換えられた、実質的に純粋な、又は天然に存在しない変異体AprL−clade酵素をコードするポリヌクレオチドを含み、このポリヌクレオチドは、本明細書で提供される親AprL−clade酵素ヌクレオチド配列に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む。
他の実施形態は、(i)配列番号9に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする;(ii)配列番号9のアミノ酸配列をコードする;(iii)配列番号45、46、47、48、49、50、51、又は52のアミノ酸配列をコードし、かつ配列番号9に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を更にコードする;(iv)配列番号45、46、47、48、49、50、51、又は52のアミノ酸配列をコードし、かつ配列番号9のアミノ酸配列を更にコードする;(v)配列番号1又は配列番号7に対して少なくとも99%の同一性を有する;及び(vi)配列番号1又は配列番号7に対する相補性を有する、核酸配列を含むポリヌクレオチドに関する。
一部の実施形態では、本発明は、プロテアーゼ活性を有する単離された、組み換えられた、実質的に純粋な、又は天然に存在しない変異体AprL−clade酵素をコードするポリヌクレオチドを含み、このポリヌクレオチドは、本明細書で提供される親AprL−clade酵素ポリペプチド配列に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
一部の実施形態では、変異体ポリペプチドは、例示されたAprL−cladeポリペプチドに対して指定された程度のアミノ酸配列相同性、例えば、配列番号2、9、12、13、14、15、又は16のアミノ酸配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%もの配列相同性を有する変異体である。相同性は、アミノ酸配列アラインメントによって、例えば、本明細書に記載のBLAST、ALIGN、又はCLUSTALなどのプログラムを用いて決定することができる。
また、タンパク質分解活性を有する変異体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された、組み換えられた、実質的に純粋な、又は天然に存在しない核酸も提供され、前記変異体プロテアーゼ(例えば、変異体AprL)は、配列番号2、9、12、13、14、15、又は16のアミノ酸配列と50以下、40以下、30以下、35以下、25以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、又は1つ以下のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含み、変異体AprL−clade酵素のアミノ酸位置は、変異体プロテアーゼアミノ酸配列のAprLアミノ酸配列とのアラインメントによって測定される、配列番号2に示されているAprLのアミノ酸配列の対応するアミノ酸位置の付番に従って付番される。
本発明は、AprL−clade変異体、例えば、配列番号2のアミノ酸配列に示されるAprLプロテアーゼをコードする核酸を提供し、AprL−clade変異体は、タンパク質分解活性を有する成熟型であり、本明細書中で列記されるアミノ酸置換の組み合わせを含むアミノ酸配列を含み、AprL−clade変異体のアミノ酸位置は、配列番号2に示されているAprLプロテアーゼのアミノ酸配列との一致によって付番される。
本発明の核酸は、任意の適切な合成、操作、及び/又は単離技術、又はこれらの組み合わせを用いて作製することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、標準的な核酸合成技術、例えば、当業者に周知の固相合成技術を用いて作製することができる。このような技術では、最大50以上のヌクレオチド塩基の断片が、典型的には合成され、次いで結合されて(例えば、酵素若しくは化学ライゲーション法、又はポリメラーゼ媒介組換え法によって)、本質的に全ての望ましい連続核酸配列が形成される。本発明の核酸の合成はまた、限定されるものではないが、典型的には自動合成法で実施されるように、古典的なホスホラミダイト法(例えば、Beaucage et al.Tetrahedron Letters 22:1859−69[1981]を参照されたい);又はMatthesらによって説明される方法(例えば、Matthes et al.,EMBO J.3:801−805[1984]を参照されたい)を用いる化学合成を含む、当技術分野で公知の任意の適切な方法によって容易にする(或いは達成する)こともできる。本発明の核酸は、自動DNA合成装置を用いて作製することもできる。特注の核酸を、様々な商業的供給源(例えば、The Midl and Certified Reagent Company,the Great American Gene Company,Operon Technologies Inc.、及びDNA2.0)で注文することができる。核酸を合成するための他の技術及び関連する原理は、当技術分野で公知である(例えば、Itakura et al.,Ann.Rev.Biochem.53:323[1984];及びItakura et al.,Science 198:1056[1984]を参照されたい)。
上に示されているように、核酸の改変に有用な組換えDNA技術は当技術分野で周知である。例えば、制限エンドヌクレアーゼ消化、ライゲーション、逆転写及びcDNA作製、及びポリメラーゼ連鎖反応(例えば、PCR)などの技術は、当業者に公知であり、容易に利用される。本発明のヌクレオチドはまた、本発明の変異体プロテアーゼポリペプチドをコードするPCR増幅ポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができる1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブを用いてcDNAライブラリー(例えば、本明細書に記載の変異誘発技術を含む、当技術分野で一般的に使用される変異誘発技術を用いて作成されたcDNAライブラリー)をスクリーニングすることによって得ることもできる。cDNAクローンをスクリーニングして単離する方法及びPCR増幅法は、当業者に周知であり、当業者に公知の標準的な参考文献に記載されている。本発明の一部の核酸は、例えば、既知の変異誘発法(例えば、部位特異的変異誘発法、部位飽和変異誘発法、及びin vitro組換え)によって(例えば、酵素又は親プロテアーゼをコードする)天然に存在するポリヌクレオチド主鎖を変更することによって得ることができる。
本発明の改変変異体プロテアーゼを作製する方法
本発明の変異体プロテアーゼをコードする本発明の改変ポリヌクレオチドを作製するのに適した様々な方法が、当技術分野で公知であり、このような方法には、限定されるものではないが、例えば、部位飽和変異誘発法、スキャニング変異誘発法、挿入変異誘発法、欠失変異誘発法、ランダム変異誘発法、部位特異的変異誘発法、オリゴヌクレオチド合成及びライゲーションによる合成遺伝子の作製、及びdirected―evolution、並びに様々な他の組換えアプローチが含まれる。改変ポリヌクレオチド及びタンパク質(例えば、変異体プロテアーゼ)を作製する方法には、DNAシャッフリング法、遺伝子の非相同組換えに基づいた方法、例えば、ITCHY(Ostermeier et al.,7:2139−44[1999]を参照されたい)、SCRACHY(Lutz et al.98:11248−53[2001]を参照されたい)、SHIPREC(Sieber et al.,19:456−60[2001]を参照されたい)、及びNRR(Bittker et al.,20:1024−9[2001];Bittker et al.,101:7011−6[2004]を参照されたい)、並びにオリゴヌクレオチドを使用したランダム及び標的変異、欠失、及び/又は挿入の導入に依存する方法(Ness et al.,20:1251−5[2002];Coco et al., 20:1246−50[2002];Zha et al.,4:34−9[2003];Glaser et al.,149:3903−13[1992]を参照されたい)が含まれる。
本発明の変異体プロテアーゼを作製するためのベクター、細胞、及び方法
本発明は、本明細書に記載の少なくとも1つの本発明のポリヌクレオチド(例えば、本明細書に記載の本発明の変異体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド)を含む単離又は組換えベクター、本発明の少なくとも1つの核酸又はポリヌクレオチドを含む単離又は組換え発現ベクター又は発現カセット、本発明の少なくとも1つの核酸又はポリヌクレオチドを含む単離された、実質的に純粋な、又は組み換えられたDNA構築物、本発明の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む単離又は組換え細胞、本発明の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む細胞を含む細胞培養物、本発明の少なくとも1つの核酸又はポリヌクレオチドを含む細胞培養物、及び1つ以上のこのようなベクター、核酸、発現ベクター、発現カセット、DNA構築物、細胞、細胞培養物、又はこれらの任意の組み合わせ若しくは混合物を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の少なくとも1つの核酸又はポリヌクレオチドを含む本発明の少なくとも1つのベクター(例えば、発現ベクター又はDNA構築物)を含む組換え細胞を提供する。一部のこのような組換え細胞は、このような少なくとも1つのベクターで形質転換又はトランスフェクトされる。このような細胞は、典型的には宿主細胞と呼ばれる。一部のこのような細胞は、限定されるものではないが、バチルス種(Bacillus sp.)細胞、例えば、B.サブチリス(B.subtilis)細胞を含む細菌細胞を含む。本発明はまた、本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼを含む組換え細胞(例えば、組換え宿主細胞)を含む。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の核酸又はポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。一部の実施形態では、このベクターは、本発明の変異体プロテアーゼをコードする本発明のポリヌクレオチド配列が、効率的な遺伝子発現に必要な1つ又は追加の核酸セグメント(例えば、本発明の変異体プロテアーゼをコードする本発明のポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーター)に機能的に連結された発現ベクター又は発現カセットである。ベクターは、転写ターミネーター及び/又は選択遺伝子、例えば、抗菌剤含有培地での増殖によってプラスミド感染宿主細胞の連続的な培養の維持を可能にする抗生物質耐性遺伝子を含み得る。
発現ベクターは、プラスミド又はウイルスDNAに由来してもよいし、又は代替の実施形態では、両方の要素を含む。例示的なベクターとしては、限定されるものではないが、pXX、pC194、pJH101、pE194、pHP13(Harwood and Cutting[eds.],Chapter 3,“Molecular Biological Methods for Bacillus”,John Wiley & Sons[1990]を参照されたい;92頁に列記されているプラスミドを含むB.サブチリス(B.subtilis)に適切な複製プラスミド;また、Perego,Integrational Vectors for Genetic Manipulations in B.subtilis,in Sonenshein et al.,[eds.]“B.subtilis and Other Gram−Positive Bacteria:Biochemistry,Physiology and Molecular Genetics”,American Society for Microbiology,Washington,D.C.[1993],pp.615−624を参照されたい)が挙げられる。
細胞における目的のタンパク質(例えば、変異体プロテアーゼ)の発現及び産生では、改変プロテアーゼをコードするポリヌクレオチドの少なくとも1つのコピーを含み、好ましくは複数のコピーを含む少なくとも1つの発現ベクターが、プロテアーゼの発現に適した条件下、細胞に形質転換される。本発明の一部の実施形態では、変異体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド配列(及びベクターに含められる他の配列)が、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、他の実施形態では、変異体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含むプラスミドベクターが、細胞内の自立染色体外要素として残る。本発明は、染色体外核酸要素、及び宿主細胞のゲノムに組み込まれる入来ヌクレオチド配列の両方を提供する。本明細書に記載のベクターは、本発明の変異体プロテアーゼの産生に有用である。一部の実施形態では、変異体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド構築物が、変異体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチドの細菌の染色体への組み込みを可能にし、かつ任意選択によりこのポリヌクレオチドの増幅を可能にする組み込みベクターに存在する。組み込み部位の例は、当業者に周知である。一部の実施形態では、本発明の変異体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチドの転写は、選択された前駆体プロテアーゼの野生型プロモーターであるプロモーターによって行われる。一部の他の実施形態では、プロモーターは、前駆体プロテアーゼに対して異種であるが、宿主細胞内で機能的である。特に、細菌宿主細胞に使用するのに適したプロモーターの例としては、限定されるものではないが、例えば、AprEプロモーター、amyEプロモーター、amyQプロモーター、amyLプロモーター、pstSプロモーター、sacBプロモーター、pSPACプロモーター、pVegプロモーター、pHpaIIプロモーター、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)マルトース生成アミラーゼ遺伝子のプロモーター、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)(BAN)アミラーゼ遺伝子のプロモーター、B.サブチリス(B.subtilis)アルカリプロテアーゼ遺伝子のプロモーター、B.クラウジ(B.clausii)アルカリプロテアーゼ遺伝子のプロモーター、B.プミルス(B.pumilis)キシロシダーゼ遺伝子のプロモーター、B.チューリンゲンシス(B.thuringiensis)cryIIIAのプロモーター、及びB.リケニホルミス(B.licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子のプロモーターが挙げられる。追加のプロモーターとして、限定されるものではないが、A4プロモーター、並びにファージλPR又はPLプロモーター、及び大腸菌(E.coli)lac、trp、又はtacプロモーターが挙げられる。
本発明の変異体プロテアーゼは、細菌及び真菌を含む任意の適切な微生物の宿主細胞で産生することができる。例えば、一部の実施形態では、変異体プロテアーゼは、真菌及び/又は細菌起源の宿主細胞で産生される。一部の実施形態では、宿主細胞は、バチルス種(Bacillus sp.)、ストレプトミセス種(Streptomyces sp.)、エシェリキア種(Escherichia sp.)、アスペルギルス種(Aspergillus sp.)、トリコデルマ種(Trichoderma sp.)、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、コリネバクテリウム種(Corynebacterium sp.)、サッカロミセス種(Saccharomyces sp.)、又はピチア種(Pichia sp.)である。一部の実施形態では、変異体プロテアーゼは、バチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞によって産生される。本発明の変異体プロテアーゼの産生に使用することができるバチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞の例としては、限定されるものではないが、B.リケニホルミス(B.licheniformis)、B.レンタス(B.lentus)、B.サブチリス(B.subtilis)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.レンタス(B.lentus)、B.ソノレンシス(B.sonorensis)、B.ブレビス(B.brevis)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)、B.アルカロフィラス(B.alkalophilus)、B.コアグランス(B.coagulans)、B.サーキュランス(B.circulans)、B.プミルス(B.pumilis)B.チューリンゲンシス(B.thuringiensis)B.クラウジ(B.clausii)、及びB.メガテリウム(B.megaterium)、並びにバチルス(Bacillus)属内の他の生物が挙げられる。一部の実施形態では、B.サブチリス(B.subtilis)宿主細胞は、変異体プロテアーゼの産生に使用される。米国特許第5,264,366号明細書及び米国再発行特許第34,606号明細書に、本発明の変異体プロテアーゼの産生に使用することができる様々なバチルス(Bacillus)宿主株が記載されているが、他の適切な菌株も使用することができる。
本発明の変異体プロテアーゼの産生に使用することができるいくつかの工業用細菌株としては、非組換え(すなわち、野生型)バチルス種(Bacillus sp.)株、並びに天然に存在する菌株及び/又は組換え菌株の変異体が挙げられる。一部の実施形態では、宿主株は、組換え株であり、目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが宿主株に導入されている。一部の実施形態では、宿主株は、B.サブチリス(B.subtilis)宿主株、特に、組換えB.サブチリス(B.subtilis)宿主株である。限定されるものではないが、例えば、1A6(ATCC39085)株、168(1A01)株、SB19株、W23株、Ts85株、B637株、PB1753〜PB1758株、PB3360株、JH642株、1A243(ATCC39,087)株、ATCC21332株、ATCC6051株、MI113株、DE100(ATCC39,094)株、GX4931株、PBT110株、及びPEP211株(例えば、それぞれ参照によりそれらの全開示内容が本明細書に組み入れられる、Hoch et al.,Genetics 73:215-228[1973]を参照されたい;また、米国特許第4,450,235号明細書及び同第4,302,544号明細書、及び欧州特許第0134048号明細書も参照されたい)を含む様々なB.サブチリス(B.subtilis)株が知られている。B.サブチリス(B.subtilis)の発現宿主細胞としての使用は、当技術分野で周知である(例えば、Palva et al.,Gene 19:81−87[1982];Fahnestock and Fischer,J.Bacteriol.,165:796-804[1986];及びWang et al.,Gene 69:39-47[1988]を参照されたい)。
一部の実施形態では、バチルス(Bacillus)宿主細胞は、次の遺伝子、degU、degS、degR、及びdegQの少なくとも1つに変異又は欠失を含むバチルス種(Bacillus sp.)である。好ましくは、この変異はdegU遺伝子にあり、より好ましくは、この変異はdegU(Hy)32である(例えば、Msadek et al.,J.Bacteriol.172:824−834[1990];及びOlmos et al.,Mol.Gen.Genet.253:562-567[1997]を参照されたい)。1つの適切な宿主株は、degU32(Hy)変異を有するB.サブチリス(B.subtilis)である。一部の実施形態では、バチルス(Bacillus)宿主は、scoC4(例えば、Caldwell et al.,J.Bacteriol.183:7329−7340[2001]を参照されたい);spoIIE(例えば、Arigoni et al.,Mol.Microbiol.31:1407−1415[1999]を参照されたい);及び/又はoppA又はoppオペロンの他の遺伝子(例えば、Perego et al.,Mol.Microbiol.5:173−185[1991]を参照されたい)に変異又は欠失を含む。実際、同じ表現型を変異としてoppA遺伝子に引き起こすoppオペロンにおける全ての変異を、本発明の変更されたバチルス(Bacillus)株の一部の実施形態に使用できると考えられる。一部の実施形態では、これらの変異は単独で起こり、他の実施形態では、変異の組み合わせが存在する。一部の実施形態では、本発明の変異体プロテアーゼの産生に使用できる変更されたバチルス(Bacillus)宿主細胞株は、上述の遺伝子に1つ以上の変異を既に含むバチルス(Bacillus)宿主株である。加えて、内因性プロテアーゼ遺伝子の変異及び/又は欠失を含むバチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞を使用することができる。一部の実施形態では、バチルス(Bacillus)宿主細胞は、aprE遺伝子及びnprE遺伝子の欠失を含む。他の実施形態では、バチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞は、5つのプロテアーゼ遺伝子の欠失を含み、他の実施形態では、バチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞は、9つのプロテアーゼ遺伝子の欠失を含む(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2005/0202535号明細書を参照されたい)。
宿主細胞は、当技術分野で公知の任意の適切な方法を用いて、本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼをコードする少なくとも1つの核酸で形質転換される。核酸がベクターに組み込まれるか、又はプラスミドDNAなしで使用されるかにかかわらず、核酸は、典型的には微生物、一部の実施形態では、好ましくは大腸菌(E.coli)細胞又はコンピテントバチルス(Bacillus)細胞に組み込まれる。プラスミドDNA構築物又はベクターを利用して核酸(例えば、DNA)をバチルス(Bacillus)細胞又は大腸菌(E.coli)細胞に導入し、そしてこのようなプラスミドDNA構築物又はベクターをこのような細胞に形質転換する方法は周知である。一部の実施形態では、プラスミドは、続いて大腸菌(E.coli)細胞から単離され、バチルス(Bacillus)細胞に形質転換される。しかしながら、介入微生物、例えば、大腸菌(E.coli)を必ずしも使用する必要はなく、一部の実施形態では、DNA構築物又はベクターが、バチルス(Bacillus)宿主に直接導入される。
当業者は、本発明の核酸配列又はポリヌクレオチド配列をバチルス(Bacillus)細胞に導入するための適切な方法を十分に承知している(例えば、Ferrari et al.,“Genetics,”,Harwood et al.[eds.], Bacillus,Plenum Publishing Corp.[1989],pp.57−72;Saunders et al.,J.Bacteriol.157:718−726[1984];Hoch et al.,J.Bacteriol.93:1925−1937[1967];Mann et al.,Current Microbiol.13:131−135[1986];Holubova,Folia Microbiol.30:97[1985];Chang et al.,Mol.Gen.Genet.168:11−115[1979]; Vorobjeva et al.,FEMS Microbiol.Lett.7:261−263[1980];Smith et al.,Appl.Env.Microbiol.51:634[1986];Fisher et al.,Arch.Microbiol.139:213−217[1981];及びMcDonald,J.Gen.Microbiol.130:203[1984]を参照されたい)。実際、プロトプラスト形質転換及び会合(congression)、形質導入、及びプロトプラスト融合を含む、形質転換としてのこのような方法は、周知であり、本発明での使用に適している。形質転換の方法を使用して、本発明の変異体プロテアーゼをコードする核酸を含むDNA構築物又はベクターを宿主細胞に導入する。バチルス(Bacillus)細胞を形質転換する当技術分野で公知の方法は、プラスミドマーカーレスキュー(plasmid marker rescue)形質転換としてのこのような方法を含み、この方法は、部分的に相同な常在プラスミドを有するコンピテント細胞によるドナープラスミドの取り込みを含む(Contente et al.,Plasmid 2:555−571[1979];Haima et al.,Mol.Gen.Genet.223:185−191[1990];Weinrauch et al.,J.Bacteriol.154:1077−1087[1983];及びWeinrauch et al.,J.Bacteriol.169:1205−1211[1987]を参照されたい)。この方法では、入来ドナープラスミドを、染色体形質転換を模したプロセスで常在「ヘルパー」プラスミドの相同領域と再結合する。
一般的に使用される方法に加えて、一部の実施形態では、宿主細胞は、本発明の変異体プロテアーゼをコードする核酸を含むDNA構築物又はベクターで直接形質転換される(すなわち、宿主細胞に導入する前にDNA構築物又はベクターを増幅するため、又は他の処理をするために中間細胞が使用されない)。本発明のDNA構築物又はベクターの宿主細胞への導入には、核酸配列(例えば、DNA配列)をプラスミド又はベクターに導入しないで宿主細胞に導入するための当技術分野で公知の物理的及び化学的方法が含まれる。このような方法としては、限定されるものではないが、塩化カルシウム沈殿、電気穿孔法、裸DNA、及びリポソームなどが挙げられる。追加の実施形態では、DNA構築物又はベクターは、プラスミドに導入されずに、プラスミドを用いて同時形質転換される。更なる実施形態では、選択マーカーが、当技術分野で公知の方法によって変更されたバチルス(Bacillus)株から除去される(Stahl et al.,J.Bacteriol.158:411−418[1984];及びPalmeros et al.,Gene 247:255−264[2000]を参照されたい)。
一部の実施形態では、本発明の形質転換細胞が、従来の栄養培地で培養される。適切な特定の培養条件、例えば、温度及びpHなどは、当業者に公知であり、科学文献に十分に記載されている。一部の実施形態では、本発明は、本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼ又は少なくとも1つの核酸を含む培養物(例えば、細胞培養物)を提供する。また、本発明の少なくとも1つの核酸、ベクター、又はDNA構築物を含む組成物も提供される。
一部の実施形態では、本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞が、本プロテアーゼの発現を許容する条件下で適切な栄養培地で培養され、その後、得られたプロテアーゼが培地から回収される。細胞を培養するために使用された培地は、宿主細胞の増殖に適した任意の従来の培地、例えば、適切な添加剤を含む最少培地又は複合培地を含む。適切な培地は、商業的供給業者から購入する、又は公表された処方に従って調製することができる(例えば、American Type Culture Collectionのカタログを参照されたい)。一部の実施形態では、細胞によって産生されるプロテアーゼは、限定されるものではないが、例えば、遠心分離又は濾過による宿主細胞の培地からの分離、塩(例えば、硫酸アンモニウム)による上清又は濾液物のタンパク様成分の沈殿、クロマトグラフィー精製(例えば、イオン交換、ゲル濾過、アフィニティーなど)を含む従来の方法によって細胞培養物から回収される。変異体プロテアーゼの回収及び精製に適した任意の方法を、本発明に使用することができる。
一部の実施形態では、組換え宿主細胞によって産生される変異体プロテアーゼは、培養培地に分泌される。精製促進ドメインをコードする核酸配列を使用して、可溶性タンパク質の精製を容易にすることができる。変異体プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクター又はDNA構築物は、変異体プロテアーゼの精製を容易にするために精製促進ドメインをコードする核酸配列を更に含み得る(例えば、Kroll et al.,DNA Cell Biol.12:441−53[1993]を参照されたい)。このような精製促進ドメインとしては、限定されるものではないが、例えば、固定金属上での精製を可能にする金属キレートペプチド、例えば、ヒスチジン−トリプトファンモジュール(Porath,Protein Expr.Purif.3:263−281[1992]を参照されたい)、固定免疫グロブリン上での精製を可能にするプロテインAドメイン、及びFLAGS伸長/アフィニティー精製システムに有用なドメイン(例えば、Immunex Corp.,Seattle,WAから入手可能なプロテインAドメイン)が挙げられる。切断可能なリンカー配列、例えば、因子XA又はエンテロキナーゼ(例えば、Invitrogen,San Diego,CAから入手可能な配列)を精製ドメインと異種タンパク質との間に含めることも、精製を容易にするために使用することができる。
酵素、例えば、本発明の変異体プロテアーゼの酵素活性を検出及び測定するためのアッセイは周知である。プロテアーゼ(例えば、本発明の変異体プロテアーゼ)の活性を検出及び測定するための様々なアッセイも当業者に公知である。特に、280nmにおける吸光度で、又は当業者に周知のFolin法を用いる比色分析で測定される、カゼイン又はヘモグロビンからの酸可溶性ペプチドの放出に基づいたプロテアーゼ活性を測定するためのアッセイが利用可能である。他の例示的なアッセイは、発色基質の可溶化を含む(例えば、Ward,“Proteinases”,Fogarty(ed.).,“Microbial Enzymes 及びBiotechnology”,Applied Science,London,[1983],pp.251−317を参照されたい)。他の例示的なアッセイとしては、限定されるものではないが、スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−パラ−ニトロアニリドアッセイ(suc−AAPF−pNA)及び2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩アッセイ(TNBSアッセイ)が挙げられる。当業者に公知の多数の追加の参考文献が、適切な方法を提供する(例えば、Wells et al.,Nucleic Acids Res.11:7911−7925[1983];Christianson et al.,Anal.Biochem.223:119−129[1994];及びHsia et al.,Anal Biochem.242:221−227[1999]を参照されたい)。
様々な方法を使用して、宿主細胞における成熟プロテアーゼ(例えば、本発明の成熟変異体プロテアーゼ)の産生レベルを決定することができる。このような方法としては、限定されるものではないが、例えば、プロテアーゼに特異的なポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を利用する方法が挙げられる。例示的な方法としては、限定されるものではないが、酵素免疫吸着測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、及び蛍光活性化細胞選別装置(FACS)が挙げられる。これらのアッセイ及び他のアッセイが当技術分野で周知である(例えば、Maddox et al.,J.Exp.Med.158:1211[1983]を参照されたい)。
一部の他の実施形態では、本発明は、本発明の成熟変異体プロテアーゼを作製又は産生する方法を提供する。成熟変異体プロテアーゼは、シグナルペプチド又はペプチド配列を含まない。一部の方法は、組換え細菌宿主細胞、例えば、バチルス種(Bacillus sp.)細胞(例えば、B.サブチリス(B.subtilis)細胞)などで本発明の変異体プロテアーゼを作製又は産生することを含む。一部の実施形態では、本発明は、本発明の変異体プロテアーゼを産生する方法を提供し、この方法は、本発明の変異体プロテアーゼをコードする核酸を含む組換え発現ベクターを含む組換え宿主細胞を、変異体プロテアーゼの産生を誘導する条件下で培養するステップを含む。一部のこのような方法は、変異体プロテアーゼを培養物から回収するステップを更に含む。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の変異体プロテアーゼを産生する方法を提供し、この方法は:(a)本発明の変異体プロテアーゼをコードする核酸を含む組換え発現ベクターを細胞(例えば、細菌細胞、例えば、B.サブチリス(B.subtilis)細胞)集団に導入するステップ;及び(b)発現ベクターによってコードされる変異体プロテアーゼの産生を誘導する条件下で、細胞を培養培地で培養するステップを含む。そのような方法のいくつかは、(c)細胞又は培養培地からの変異体プロテアーゼを単離するステップを含む。
洗浄組成物
特段の記載がない限り、本明細書で提供される全ての成分又は組成物のレベルは、その成分又は組成物の活性レベルを基準に調整され、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残存溶媒又は副産物を含まない。酵素成分の重量は、総活性タンパク質に基づいている。全てのパーセンテージ及び比率は、特段の記載がない限り、重量で計算される。全てのパーセンテージ及び比率は、特段の記載がない限り、総組成物に基づいて計算される。本発明の組成物は、洗浄組成物、例えば、洗剤組成物を含む。例示的な洗剤組成物では、酵素のレベルは、総組成物の重量によって純粋酵素で表され、そして特段の記載がない限り、洗剤成分は、総組成物の重量によって表される。
なお更なる実施形態は、本明細書に記載の1つ以上のAprL−clade変異体、又は組換えポリペプチド若しくはその活性断片を含む組成物に関する。更になお別の更なる実施形態では、本明細書に記載の組成物は、リン酸塩を含む、リン酸塩を含まない、ホウ酸塩を含む、ホウ素を含まない、又はこれらの組み合わせである。他の実施形態では、組成物は、ホウ素を含まない組成物である。一部の実施形態では、ホウ素を含まない組成物は、ホウ酸塩安定剤が添加されていない組成物である。別の実施形態では、ホウ素を含まない組成物は、5.5%未満のホウ素を含む組成物である。なお更なる実施形態では、ホウ素を含まない組成物は、4.5%未満のホウ素を含む組成物である。なお更なる別の実施形態では、ホウ素を含まない組成物は、3.5%未満のホウ素を含む組成物である。別のなお更なる実施形態では、ホウ素を含まない組成物は、2.5%未満のホウ素を含む組成物である。なお更なる実施形態では、ホウ素を含まない組成物は、1.5%未満のホウ素を含む組成物である。別の実施形態では、ホウ素を含まない組成物は、1.0%未満のホウ素を含む組成物である。なお更なる実施形態では、ホウ素を含まない組成物は、0.5%未満のホウ素を含む組成物である。なお更なる実施形態では、ホウ素を含まない組成物は、実質的にホウ素を含まない組成物である。
本発明の目的には必ずしも必要ではないが、以降に例示される補助剤の非限定のリストは、本洗浄組成物に使用するのに適している。一部の実施形態では、これらの補助剤は、例えば、洗浄されるべき基質の処置のための洗浄性能を補助又は促進するため、又は香料、着色剤、若しくは染料などの場合と同様に洗浄組成物の美観を改善するために含められる。このような補助剤は、本発明のセリンプロテアーゼポリペプチドとは別であることを理解されよう。これらの追加の成分の正確な性質、及びその含有レベルは、組成物の物理的形態、及び使用される洗浄作業の性質によって決まる。適切な補助物質としては、限定されるものではないが、漂白剤触媒、他の酵素、酵素安定化系、キレート剤、蛍光増白剤、土汚れ除去ポリマー、染料転移剤、分散剤、起泡抑制剤、染料、香料、着色剤、充填剤塩、光活性化剤、蛍光剤、布地柔軟仕上げ剤、加水分解性界面活性剤、保存料、酸化防止剤、収縮防止剤、しわ防止剤、殺菌剤、殺真菌剤、色ムラ防止剤(color speckle)、銀クリーナー(silvercare)、錆止め及び/又は腐食防止剤、アルカリ度供給源、可溶化剤、担体、加工助剤、顔料、及びpH調整剤、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料転移抑制剤、沈着助剤、分散剤、追加の酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、漂白促進剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、予形成過酸(preformed peracid)、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、起泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、及び/又は顔料が挙げられる。以下の開示に加えて、このような他の補助剤及び使用のレベルの適切な例は、米国特許第5,576,282号明細書、同第6,306,812号明細書、同第6,326,348号明細書、同第6,610,642号明細書、同第6,605,458号明細書、同第5,705,464号明細書、同第5,710,115号明細書、同第5,698,504号明細書、同第5,695,679号明細書、同第5,686,014号明細書、及び同第5,646,101号明細書に記載されている。洗浄補助物質が、洗浄組成物中の本発明のセリンプロテアーゼポリペプチドと適合しない実施形態では、2つの成分の組み合わせが適切になるまで洗浄補助物質とプロテアーゼとの分離(すなわち、互いに接触しないこと)を維持する適切な方法が使用される。このような分離方法は、当技術分野で公知の任意の適切な方法(例えば、ジェルキャップ、カプセル化、タブレット、物理的分離など)を含む。上述の補助剤成分は、本発明の洗浄組成物の残部を構成し得る。
本発明の洗浄組成物は、例えば、洗濯用途、硬質表面の洗浄用途、自動皿洗い及び手動皿洗いを含む皿洗い用途、並びに美容用途、例えば、義歯、歯、毛髪、及び皮膚の洗浄に有利に利用される。本発明の酵素はまた、コンタクトレンズの洗浄及び創傷清拭用途での使用にも適している。
本発明の変異体プロテアーゼは、洗浄添加剤製品にも使用することができる。一部の実施形態では、低温溶液洗浄用途で使用することができる。一部の実施形態では、本発明は、更なる漂白効果が望まれる場合に洗いプロセスに含めるのに理想的に適合した、本発明の少なくとも1つの酵素を含む洗浄添加剤製品を提供する。このような例としては、限定されるものではないが、低温溶液洗浄用途が挙げられる。一部の実施形態では、添加剤製品は、その最も単純な形態では、1つ以上のプロテアーゼである。一部の実施形態では、添加剤は、洗浄プロセスへの添加のために剤形にパッケージングされる。一部の実施形態では、添加剤は、過酸素(peroxygen)の供給源が利用され、高い漂白効果が望まれる洗浄プロセスへの添加のために剤形にパッケージングされる。限定されるものではないが、ピル、タブレット、ジェルキャップ、又は他の単回用量単位、例えば、予備計量された粉末又は液体を含む、任意の適切な単回用量単位形態を本発明に使用することができる。一部の実施形態では、充填剤又は担体物質が、このような組成物の嵩を増すために含められる。適切な充填剤又は担体物質としては、限定されるものではないが、硫酸塩、炭酸塩、及びケイ酸塩の様々な塩、並びにタルク及び粘土などが挙げられる。液体組成物に適した適切な充填剤又は担体物質としては、限定されるものではないが、水、又はポリオール及びジオールを含む低分子量の第1級アルコール及び第2級アルコールが挙げられる。このようなアルコールの例としては、限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールが挙げられる。一部の実施形態では、組成物は、約5%〜約90%のこのような材料を含む。酸性充填剤は、pHを下げるために使用することができる。あるいは、一部の実施形態では、洗浄添加剤は、以下に更に詳細に説明される補助剤成分を含む。
本洗浄組成物及び洗浄添加剤は、有効量の本明細書で提供される少なくとも1つのプロテアーゼ変異体が、単独で、又は他のプロテアーゼ及び/又は追加の酵素との組み合わせで必要である。必要なレベルの酵素は、本発明の1つ以上のプロテアーゼ変異体の添加によって達成される。典型的には、本洗浄組成物は、少なくとも約0.0001重量%、約0.0001〜約10重量%、約0.001〜約1重量%、更には約0.01〜約0.1重量%の本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼを含む。
本明細書の洗浄組成物は、典型的には、水性洗浄作業で使用中に、洗い水のpHが約4.0〜約11.5、更には約5.0〜約11.5、更には約5.0〜約8.0、更には約7.5〜約10.5となるように調合される。液体製品調合物は、典型的には、約3.0〜約9.0、更には約3〜約5のpHを有するように調合される。顆粒状洗濯用製品は、典型的には、約9〜約11のpHを有するように調合される。一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、洗い条件下でアルカリpH、例えば、約8.0〜約12.0、又は約8.5〜約11.0、又は約9.0〜約11.0のpHを有するように調合することができる。一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、洗い条件下で中性pH、例えば、約5.0〜約8.0、又は約5.5〜約8.0、又は約6.0〜約8.0、又は約6.0〜約7.5のpHを有するように調合することができる。一部の実施形態では、中性pH条件は、洗浄組成物が20℃の脱イオン水で1:100(wt:wt)に溶解されたときに、従来のpH計を用いて測定することができる。pHを推奨される使用レベルに調整する技術は、緩衝液、アルカリ、酸などの使用を含み、当業者に周知である。
一部の実施形態では、変異体プロテアーゼが、顆粒状組成物又は液体中で利用される場合は、変異体プロテアーゼは、保存中にこの変異体プロテアーゼを顆粒状組成物の他の成分から保護するためにカプセル化粒子の形態にすることが望ましい。加えて、カプセル化はまた、洗浄プロセス中に変異体プロテアーゼの有効性を制御する手段でもある。一部の実施形態では、カプセル化は、変異体プロテアーゼ及び/又は追加の酵素の性能を高める。これに関連して、本発明の変異体プロテアーゼは、当技術分野で公知の任意の適切なカプセル化材料で封入される。一部の実施形態では、カプセル化材料は、典型的には、本発明の変異体プロテアーゼの触媒の少なくとも一部を封入する。典型的には、カプセル化材料は、水溶性及び/又は水分散性である。一部の実施形態では、カプセル化材料は、0℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する。ガラス転移温度は、国際公開第97/11151号パンフレットに更に詳細に記載されている。カプセル化材料は、典型的には、炭水化物、天然又は合成ガム、キチン、キトサン、セルロース及びセルロース誘導体、ケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、パラフィンワックス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。カプセル化材料が炭水化物である場合は、カプセル化材料は、典型的には、単糖、オリゴ糖、多糖、及びこれらの組み合わせから選択される。一部の典型的な実施形態では、カプセル化材料はデンプンである(例えば、欧州特許第0922499号明細書;米国特許第4,977,252号明細書;同第5,354,559号明細書、及び同第5,935,826号明細書を参照されたい)。一部の実施形態では、カプセル化材料は、プラスチック、例えば、熱可塑性樹脂、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、及びこれらの混合物から形成されるミクロスフェア;限定されるものではないが、EXPANCEL(登録商標)(Stockviksverken,Sweden)によって供給されるミクロスフェア、並びにPM6545、PM6550、PM7220、PM7228、EXTENDOSPHERES(登録商標)、LUXSIL(登録商標)、Q−CEL(登録商標)、及びSPHERICEL(登録商標)(PQ Corp.,Valley Forge,PA)を含む、使用できる市販のミクロスフェアである。
本明細書に記載されるように、本発明の変異体プロテアーゼは、限定されるものではないが、洗濯洗剤及び台所洗剤を含め、特に洗浄産業で使用することができる。これらの用途では、酵素は、様々な環境ストレスに曝される。本発明の変異体プロテアーゼは、様々な条件下での安定性により、現在使用されている多数の酵素よりも優れている。
実際、様々な洗剤調合物、洗い水の量、洗い水の温度、及び洗い時間の長さを含む、洗いに関与するプロテアーゼが曝される様々な洗い条件が存在する。加えて、様々な地理的地域で使用される洗剤調合物は、洗い水中に存在する異なる濃度のその関連成分を有する。例えば、欧州の洗剤は、典型的には、洗い水中で約4500〜5000ppmの洗剤成分を有するが、日本の洗剤は、典型的には、洗い水中で約667ppmの洗剤成分を有する。北米、特に米国では、洗剤は、典型的には、洗い水中に存在する約975ppmの洗剤成分を有する。
低洗剤濃度系は、約800ppm未満の洗剤成分が洗い水中に存在する洗剤を含む。日本の洗剤は、典型的には、洗い水中に存在する約667ppmの洗剤成分を有するため低洗剤濃度系と見なされる。
中間洗剤濃度は、約800ppm〜約2000ppmの洗剤成分が洗い水中に存在する洗剤を含む。北米の洗剤は、一般に、洗い水中に存在する約975ppmの洗剤成分を有するため中間洗剤濃度系と見なされる。ブラジルは、典型的には、洗い水中に存在する約1500ppmの洗剤成分を有する。
高洗剤濃度系は、約2000ppmを超える洗剤成分が洗い水中に存在する洗剤を含む。欧州の洗剤は、一般に、洗い水中に約4500〜5000ppmの洗剤成分を有するため高洗剤濃度系と見なされる。
ラテンアメリカの洗剤は、一般に、高泡立ちリン酸塩ビルダー(high suds phosphate builder)洗剤であり、ラテンアメリカで使用される洗剤の範囲は、洗い水中で1500ppm〜6000ppmの範囲の洗剤成分であるため、中間洗剤濃度及び高洗剤濃度の両方に当てはまり得る。上述のように、ブラジルは、典型的には、洗い水中に存在する約1500ppmの洗剤成分を有する。しかしながら、他の高泡立ちリン酸塩ビルダー洗剤の地域は、他のラテンアメリカの国々に限定されず、洗い水中に存在する最大約6000ppmの洗剤成分の高洗剤濃度系を有し得る。
前述の観点から、典型的な洗い液中の洗剤組成物の濃度は、世界中で、約800ppm未満の洗剤組成物(低洗剤濃度の地域)、例えば、日本での約667ppmから、約800ppm〜約2000ppm(「中間洗剤濃度の地域」)、例えば、米国での約975ppm、ブラジルの約1500ppm、そして約2000ppm超(「高洗剤濃度の地域」)、例えば、欧州での約4500ppm〜約5000ppm及び高泡立ちリン酸塩ビルダーの地域での約6000ppmまでであることが明らかである。
典型的な洗い液の濃度は、経験的に決定される。例えば、米国では、典型的な洗濯機は、約64.4Lの量の洗い液を保持する。従って、洗い液中、約975ppmの濃度の洗剤を得るためには、約62.79gの洗剤組成物を64.4Lの洗い液に添加しなければならない。この量は、洗剤に設けられた計量カップを用いて消費者が計量して洗い水に入れる典型的な量である。
更なる例として、異なる地域は、異なる洗い温度を使用する。日本での洗い水の温度は、典型的には、欧州で使用される洗い水の温度よりも低い。例えば、北米及び日本での洗い水の温度は、典型的には約10〜約30℃(例えば、約20℃)であるが、欧州での洗い水の温度は、典型的には約30〜約60℃(例えば、約40℃)である。しかしながら、エネルギー節約のために、多くの消費者は、冷水を使用する洗いに切り替える。加えて、一部の別の領域では、冷水は、洗濯にも、皿洗いの用途にも典型的に使用される。一部の実施形態では、本発明の「冷水洗い」は、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃、又は約15℃〜約25℃、並びに約15℃〜約35℃の範囲内の他の全ての組み合わせ、及び10℃〜40℃の全ての範囲内の温度での洗いに適した「冷水洗剤」を利用する。
更なる例として、異なる地域は、典型的には異なる水の硬度を有する。水の硬度は通常、1ガロン当たりのCa2+/Mg2+の合計グレイン数を単位として記載される。硬度は、水中のカルシウム(Ca2+)及びマグネシウム(Mg2+)の量の尺度である。米国の殆どの水は硬水であるが、硬さの程度は様々である。中程度に硬い(60〜120ppm)から硬い(121〜181ppm)水は、60〜181ppmの硬度の鉱物を有する(ppmからグレイン/米国ガロンへの換算では、ppm数を17.1で除した値がグレイン/ガロンに等しい)。
欧州の水の硬度は、典型的には、1ガロン当たり約10.5(例えば、約10.5〜約20.0)の合計Ca2+/Mg2+グレイン(例えば、1ガロン当たり約15の合計Ca2+/Mg2+グレイン)を超える。北米の水の硬度は、典型的には、日本の水の硬度よりも高いが、欧州の水の硬度よりも低い。例えば、北米の水の硬度は、約3〜約10グレイン、約3〜約8グレイン、又は約6グレインであり得る。日本の水の硬度は、典型的には北米の水の硬度よりも低く、通常は約4未満、例えば、約3合計Ca2+/Mg2+グレイン/ガロンである。
従って、一部の実施形態では、本発明は、少なくとも1組の洗い条件(例えば、水温、水の硬度、及び/又は洗剤濃度)において驚くべき洗い性能を示す変異体プロテアーゼを提供する。一部の実施形態では、本発明の変異体プロテアーゼは、洗い性能が他のAprLプロテアーゼと同等である。本発明の一部の実施形態では、本明細書で提供される変異体プロテアーゼは、高められた酸化安定性、高められた熱安定性、様々な条件下での高められた洗浄能力、及び/又は高められたキレート剤安定性を示す。加えて、本発明の変異体プロテアーゼは、洗剤を含んでいない洗浄組成物に、この場合も単独で、又はビルダー及び安定剤と組み合わせて使用することができる。
本発明の一部の実施形態では、洗浄組成物は、この組成物の約0.00001重量%〜約10重量%のレベルでの少なくとも1つの本発明の変異体プロテアーゼ、及びこの組成物の重量に対して、洗浄補助物質を含む残部(例えば、約99.999%〜約90.0%)を含む。本発明の一部の他の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%のレベルでの少なくとも1つの変異体プロテアーゼ、及び洗浄補助物質を含むこの洗浄組成物の残部(例えば、約99.9999重量%〜約90.0重量%、約99.999重量%〜約98重量%、約99.995重量%〜約99.5重量%)を含む。
一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、1つ以上の追加の洗剤酵素を含み、この酵素は、洗浄性能及び/又は布地の柔軟仕上げ及び/又は食器洗いの効用をもたらす。適切な酵素の例としては、限定されるものではないが、追加のセリンプロテアーゼ、アシルトランスフェラーゼ、αアミラーゼ、βアミラーゼ、αガラクトシダーゼ、アラビノシダーゼ、アリールエステラーゼ、βガラクトシダーゼ、カラギナーゼ、カタラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、コンドロイチナーゼ、クチナーゼ、エンド−β−1,4−グルカナーゼ、エンド−β−マンナナーゼ、エステラーゼ、エキソ−マンナナーゼ、ガラクタナーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、ラッカーゼ、ラクターゼ、リグニナーゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、マンナナーゼ、メタロプロテアーゼ、非セリンプロテアーゼ、オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ペクチナーゼ、ペントサナーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、レダクターゼ、ラムノガラクツロナーゼ、βグルカナーゼ、タンナーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシランアセチル−エステラーゼ、キシラナーゼ、キシログルカナーゼ、及びキシロシダーゼ、又はこれらの任意の組み合わせ又は混合物が挙げられる。一部の実施形態では、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の利用可能な酵素をアミラーゼと併せて含む酵素の組み合わせ(すなわち、「カクテル」)が使用される。
本明細書で提供されるプロテアーゼ変異体に加えて、その他の適切なプロテアーゼが、本発明の組成物に使用される。適切なプロテアーゼは、動物、植物、又は微生物由来のプロテアーゼを含む。一部の実施形態では、微生物プロテアーゼが使用される。一部の実施形態では、化学的又は遺伝子的に改変された突然変異体が含まれる。一部の実施形態では、プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、好ましくは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼである。アルカリ性プロテアーゼの例としては、サブチリシン、特にバチルス(Bacillus)由来のサブチリシン(例えば、サブチリシン、レンタス(lentus)、アミロリクエファシエンス(amyloliquefaciens)、サブチリシンカールスバーグ、サブチリシン309、サブチリシン147、及びサブチリシン168)に由来するものが挙げられる。更なる例としては、米国再発行特許第34,606号明細書;米国特許第5,955,340号明細書;同第5,700,676号明細書;同第6,312,936号明細書;及び同第6,482,628号明細書に記載されている突然変異体プロテアーゼが挙げられる。更なるプロテアーゼの例としては、限定されるものではないが、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ由来)、及び国際公開第89/06270号パンフレットに記載されているフサリウム(Fusarium)プロテアーゼが挙げられる。一部の実施形態では、本発明に使用することができる市販のプロテアーゼ酵素としては、限定されるものではないが、MAXATASE(登録商標)、MAXACAL(商標)、MAXAPEM(商標)、OPTICLEAN(登録商標)、OPTIMASE(登録商標)、PROPERASE(登録商標)、PURAFECT(登録商標)、PURAFECT(登録商標)OXP、PURAMAX(商標)、EXCELLASE(商標)、PREFERENZ(商標)プロテアーゼ(例えば、P100、P110、P280)、EFFECTENZ(商標)プロテアーゼ(例えば、P1000、P1050、P2000)、EXCELLENZ(商標)プロテアーゼ(例えば、P1000)、ULTIMASE(登録商標)、及びPURAFAST(商標)(DuPont);ALCALASE(登録商標)、BLAZE(登録商標)、CORONASE(登録商標)、SAVINASE(登録商標)、PRIMASE(登録商標)、DURAZYM(商標)、POLARZYME(登録商標)、OVOZYME(登録商標)、KANNASE(登録商標)、LIQUANASE(登録商標)、NEUTRASE(登録商標)、RELASE(登録商標)、及びESPERASE(登録商標)(Novozymes);BLAP(商標)、及びBLAP(商標)変異体(Henkel)、及びKAP(B.アルカロフィラス(B.alkalophilus)サブチリシン;Kao)が挙げられる。様々なプロテアーゼが、国際公開第92/21760号パンフレット、同第95/23221号パンフレット、同第2008/010925号パンフレット、同第09/149200号パンフレット、同第09/149144号パンフレット、同第09/149145号パンフレット、同第10/056640号パンフレット、同第10/056653号パンフレット、同第2010/0566356号パンフレット、同第11/072099号パンフレット、同第2011/13022号パンフレット、同第11/140364号パンフレット、同第12/151534号パンフレット、同第2015/038792号パンフレット、同第2015/089447号パンフレット、同第2015/089441号パンフレット、米国特許出願公開第2008/0090747号明細書、米国特許第5,801,039号明細書、同第5,340,735号明細書、同第5,500,364号明細書、同第5,855,625号明細書、米国再発行特許第34,606号明細書、同第5,955,340号明細書、同第5,700,676号明細書、同第6,312,936号明細書、同第6,482,628号明細書、同第8,530,219号明細書、米国仮特許出願第62/180673号明細書、及び同第62/161077号明細書、及び国際出願PCT/US2015/021813号明細書、同PCT/US2015/055900号明細書、同PCT/US2015/057497号明細書、同PCT/US2015/057492号明細書、同PCT/US2015/057512号明細書、同PCT/US2015/057526号明細書、同PCT/US2015/057520号明細書、同PCT/US2015/057502号明細書、及び同PCT/US2016/022282号明細書に記載されている。一部の更なる実施形態では、限定されるものではないが、国際公開第1999014341号パンフレット、同第1999033960号パンフレット、同第1999014342号パンフレット、同第1999034003号パンフレット、同第2007044993号パンフレット、同第2009058303号パンフレット、同第2009058661号パンフレット、同第2014071410号パンフレット、同第2014194032号パンフレット、同第2014194034号パンフレット、同第2014194054号パンフレット、及び同第2014/194117パンフレットに記載されているメタロプロテアーゼを含むメタロプロテアーゼを本発明に使用することができる。例示的なメタロプロテアーゼは、B.サブチリス(B.subtilis)で発現される中性メタロプロテアーゼの組換え形態(例えば、国際公開07/044993号パンフレットを参照されたい)であるnprE、及びB.アミロリケファシエンツ(B.amyloliquefacients)由来の精製された中性メタロプロテアーゼであるPMNを含む。
加えて、任意の適切なリパーゼを、本発明に使用することができる。適切なリパーゼとしては、限定されるものではないが、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学的又は遺伝子的に改変された突然変異体も、本発明に包含される。有用なリパーゼの例としては、H.ラヌギノーサ(H.lanuginosa)リパーゼ(例えば、欧州特許第258068号明細書及び同第305216号明細書を参照されたい)、リゾムコールミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ(例えば、欧州特許第238023号明細書を参照されたい)、カンジダ(Candida)リパーゼ、例えばC.アンタークティカ(C.antarctica)リパーゼ(例えば、C.アンタークティカ(C.antarctica)リパーゼA又はB;例えば、欧州特許第214761号明細書を参照されたい)、シュードモナス(Pseudomonas)リパーゼ、例えばP.アルカリジーン(P.alcaligenes)リパーゼ及びP.シュードアルカリジーン(P.pseudoalcaligenes)リパーゼ(例えば、欧州特許第218272号明細書を参照されたい)、P.セパシア(P.cepacia)リパーゼ(例えば、欧州特許第331376号明細書を参照されたい)、P.スタツェリ(P.stutzeri)リパーゼ(例えば、英国特許第1,372,034号明細書を参照されたい)、P.フルオレセンス(P.fluorescens)リパーゼ、B.リパーゼ(例えば、B.サブチリス(B.subtilis)リパーゼ[Dartois et al.,Biochem.Biophys.Acta 1131 :253−260[1993]);B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)リパーゼ[例えば、特開昭64/744992号明細書を参照されたい];及びB.プミルス(B.pumilus)リパーゼ[例えば、国際公開第91/16422号パンフレットを参照されたい])を含む。
更に、限定されるものではないが、ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camembertii)リパーゼ(Yamaguchi et al.,Gene 103:61−67[1991]を参照されたい)、ゲオトリカム・カンディダム(Geotricum candidum)リパーゼ(Schimada et al.,J.Biochem.,106:383−388[1989]を参照されたい)、及び様々なリゾプス(Rhizopus)リパーゼ、例えば、R.デレマー(R.delemar)リパーゼ(Hass et al.,Gene 109:117−113[1991]を参照されたい)、R.ニベアス(R.niveus)リパーゼ(Kugimiya et al.,Biosci.Biotech.Biochem.56:716−719[1992])、及びR.オリザエ(R.oryzae)リパーゼを含む多数のクローン化リパーゼを、本発明の一部の実施形態に使用することができる。
他のタイプのリパーゼポリペプチド、例えば、限定されるものではないが、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)に由来するクチナーゼ(国際公開第88/09367号パンフレットを参照されたい)及びフサリウム・ソラニピシ(Fusarium solani pisi)に由来するクチナーゼ(国際公開第90/09446号パンフレットを参照されたい)を含むクチナーゼも、本発明の一部の実施形態に使用することができる。
更なる適切なリパーゼとしては、リパーゼ、例えば、M1 LIPASE(商標)、LUMA FAST(商標)、及びLIPOMAX(商標)(DuPont);LIPEX(登録商標)、LIPOLASE(登録商標)、及びLIPOLASE(登録商標)ULTRA(Novozymes);並びにLIPASE P(商標)「Amano」(Amano Pharmaceutical Co.Ltd)を含む。
本発明の一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.00001%〜約10%の追加のリパーゼのレベルでのリパーゼ、及び組成物の重量に対する洗浄補助物質の残部を更に含む。本発明の一部の他の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.0001%〜約10%、約0.001%〜約5%、約0.001%〜約2%、約0.005%〜約0.5%のリパーゼのレベルでリパーゼも含む。
本発明の一部の実施形態では、任意の適切なアミラーゼを、本発明に使用することができる。一部の実施形態では、アルカリ溶液に使用するのに適した任意のアミラーゼ(例えば、α及び/又はβ)も使用することができる。適切なアミラーゼとしては、限定されるものではないが、細菌又は真菌由来のアミラーゼが挙げられる。化学的及び遺伝子的に改変された突然変異体が一部の実施形態に含まれる。本発明に使用することができるアミラーゼとしては、限定されるものではないが、B.リケニホルミス(B.licheniformis)から得られるαアミラーゼが挙げられる(例えば、英国特許第1,296,839号明細書を参照されたい)。更なる適切なアミラーゼとしては、国際公開第9100353号パンフレット、同第9402597号パンフレット、同第94183314号パンフレット、同第9510603号パンフレット、同第9526397号パンフレット、同第9535382号パンフレット、同第9605295号パンフレット、同第9623873号パンフレット、同第9623874号パンフレット、同第9630481号パンフレット、同第9710342号パンフレット、同第9741213号パンフレット、同第9743424号パンフレット、同第9813481号パンフレット、同第9826078号パンフレット、同第9902702号パンフレット、同第9909183号パンフレット、同第9919467号パンフレット、同第9923211号パンフレット、同第9929876号パンフレット、同第9942567号パンフレット、同第9943793号パンフレット、同第9943794号パンフレット、同第9946399号パンフレット、同第0029560号パンフレット、同第0060058号パンフレット、同第0060059号パンフレット、同第0060060号パンフレット、同第0114532号パンフレット、同第0134784号パンフレット、同第0164852号パンフレット、同第0166712号パンフレット、同第0188107号パンフレット、同第0196537号パンフレット、同第02092797号パンフレット、同第0210355号パンフレット、同第0231124号パンフレット、同第2004055178号パンフレット、同第2004113551号パンフレット、同第2005001064号パンフレット、同第2005003311号パンフレット、同第2005018336号パンフレット、同第2005019443号パンフレット、同第2005066338号パンフレット、同第2006002643号パンフレット、同第2006012899号パンフレット、同第2006012902号パンフレット、同第2006031554号パンフレット、同第2006063594号パンフレット、同第2006066594号パンフレット、同第2006066596号パンフレット、同第2006136161号パンフレット、同第2008000825号パンフレット、同第2008088493号パンフレット、同第2008092919号パンフレット、同第2008101894号パンフレット、同第2008/112459号パンフレット、同第2009061380号パンフレット、同第2009061381号パンフレット、同第2009100102号パンフレット、同第2009140504号パンフレット、同第2009149419号パンフレット、同第2010/059413号パンフレット、同第2010088447号パンフレット、同第2010091221号パンフレット、同第2010104675号パンフレット、同第2010115021号パンフレット、同第10115028号パンフレット、同第2010117511号パンフレット、同第2011076123号パンフレット、同第2011076897号パンフレット、同第2011080352号パンフレット、同第2011080353号パンフレット、同第2011080354号パンフレット、同第2011082425号パンフレット、同第2011082429号パンフレット、同第2011087836号パンフレット、同第2011098531号パンフレット、同第2013063460号パンフレット、同第2013184577号パンフレット、同第2014099523号パンフレット、同第2014164777号パンフレット、及び同第2015077126号パンフレットに記載されているアミラーゼが挙げられる。本発明に使用することができる市販のアミラーゼとしては、限定されるものではないが、DURAMYL(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、STAINZYME ULTRA(登録商標)、及びBAN(商標)(Novozymes)、並びにEFFECTENZ(商標)S1000、POWERASE(商標)、PREFERENZ(商標)S100、PREFERENZ(商標)S110、EXCELLENZ(商標)S2000、RAPIDASE(登録商標)、及びMAXAMYL(登録商標)P(DuPont)が挙げられる。
本発明の一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.00001%〜約10%の追加のアミラーゼのレベルでのアミラーゼ、及びこの組成物の重量に対する洗浄補助物質の残部を更に含む。本発明の一部の他の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.0001%〜約10%、約0.001%〜約5%、約0.001%〜約2%、約0.005%〜約0.5%のアミラーゼのレベルでアミラーゼも含む。
一部の更なる実施形態では、任意の適切なセルラーゼを、本発明の洗浄組成物に使用することができる。適切なセルラーゼとしては、限定されるものではないが、細菌又は真菌由来のセルラーゼが挙げられる。化学的及び遺伝子的に改変された突然変異体が一部の実施形態に含まれる。適切なセルラーゼとしては、限定されるものではないが、H.インソレンス(H.insolens)セルラーゼが挙げられる(例えば、米国特許第4,435,307号明細書を参照されたい)。特に適切なセルラーゼは、カラーケアの効用を有するセルラーゼである(例えば、欧州特許第0495257号明細書を参照されたい)。本発明に使用することができる市販のセルラーゼとしては、限定されるものではないが、CELLUZYME(登録商標)、CAREZYME(登録商標)、及びCAREZYME(登録商標)PREMIUM(Novozymes)、REVITALENZ(商標)100及びREVITALENZ(登録商標)2000(DuPont)、及びKAC−500(B)(商標)(Kao)が挙げられる。一部の実施形態では、セルラーゼは、成熟野生型又は変異体セルラーゼの一部又は断片として含まれ、N末端の一部が除去されている(例えば、米国特許第5,874,276号を参照されたい)。更に適切なセルラーゼとしては、国際公開第2005054475号パンフレット、同第2005056787号パンフレット、米国特許第7,449,318号明細書、同第7,833,773号明細書、同第4,435,307号明細書、欧州特許第0495257号明細書、及び米国仮特許出願第62/296,678号明細書に記載されているセルラーゼが挙げられる。一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.00001%〜約10%の追加のセルラーゼのレベルでのセルラーゼ、及び組成物の重量に対する洗浄補助物質の残部を更に含む。本発明の一部の他の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.0001%〜約10%、約0.001%〜約5%、約0.001%〜約2%、約0.005%〜約0.5%のセルラーゼのレベルでセルラーゼも含む。
洗剤組成物に使用するのに適したどのマンナナーゼも、本発明に使用することができる。適切なマンナナーゼとしては、限定されるものではないが、細菌又は真菌由来のマンナナーゼが挙げられる。化学的及び遺伝子的に改変された突然変異体が一部の実施形態に含まれる。本発明に使用することができる様々なマンナナーゼが知られている(例えば、米国特許第6,566,114号明細書;同第6,602,842号明細書;同第6,440,991号明細書;及び米国仮特許出願第62/251516号明細書、同第62/278383号明細書、及び同第62/278387号明細書を参照されたい)。本発明に使用することができる市販のマンナナーゼとしては、限定されるものではないが、EFFECTENZ(商標)M1000、PREFERENZ(登録商標)M100、MANNASTAR(登録商標)、及びPURABRITE(商標)(DuPont)、及びMANNAWAY(登録商標)(Novozymes)が挙げられる。一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.00001%〜約10%の追加のマンナナーゼのレベルでのマンナナーゼ、及び組成物の重量に対する洗浄補助物質の残部を更に含む。本発明の一部の他の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.0001%〜約10%、約0.001%〜約5%、約0.001%〜約2%、約0.005%〜約0.5%のマンナナーゼのレベルでマンナナーゼも含む。
一部の実施形態では、ペルオキシダーゼは、本発明の組成物において過酸化水素又はその供給源(例えば、過炭酸塩、過ホウ酸塩、又は過硫酸塩)と組み合わせて使用される。一部の代替の実施形態では、オキシダーゼは、酸素と組み合わせて使用される。両方のタイプの酵素は、「溶液漂白(solution bleaching)」のために(すなわち、洗い液中で複数の布地が一緒に洗われたときに染色された布地から他の布地へ織物染料が転移するのを防ぐために)、好ましくは増強剤とともに使用される(例えば、国際公開第9412621号パンフレット及び同第9501426号パンフレットを参照されたい)。適切なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、限定されるものではないが、植物、細菌、又は真菌由来のペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼを含む。化学的又は遺伝子的に改変された突然変異体が一部の実施形態に含められる。一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.00001%〜約10%の追加のペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼのレベルでのペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼ酵素、及びこの組成物の重量に対する洗浄補助物質の残部を更に含む。本発明の一部の他の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この組成物の重量に対して約0.0001%〜約10%、約0.001%〜約5%、約0.001%〜約2%、約0.005%〜約0.5%のペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼ酵素のレベルでペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼ酵素も含む。
一部の実施形態では、限定されるものではないが、ペルヒドロラーゼを含む更なる酵素を使用することができる(例えば、国際公開第2005056782号パンフレット、同第2007106293号パンフレット、同第2008063400号パンフレット、同第2008106214号パンフレット、及び同第2008106215号パンフレットを参照されたい)。加えて、一部の実施形態では、上述の酵素の混合物、特に、1つ以上の追加のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ、及び/又は少なくとも1つのセルラーゼが本発明に包含される。実際、これらの酵素の様々な混合物が、本発明で使用されることが企図される。様々なレベルの変異体プロテアーゼ及び1つ以上の追加の酵素が共に、独立に約10%までの範囲であり得、この洗浄組成物の残部が洗浄補助物質であることも企図される。洗浄補助物質の具体的な選択は、表面、アイテム、又は洗浄されるべき布地、及び使用中の(例えば、洗い洗剤の使用による)洗浄条件に望ましい組成物の形態を考慮することによって容易に行われる。
適切な洗浄補助物質の例としては、限定されるものではないが、界面活性剤、ビルダー、漂白剤、漂白活性剤、漂白触媒、他の酵素、酵素安定化系、キレート剤、蛍光増白剤、土汚れ除去ポリマー、染料転移剤、染料転移抑制剤、触媒物質、過酸化水素、過酸化水素源、予成形過酸剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去剤、構造弾性化剤、分散剤、起泡抑制剤、染料、香料、着色剤、フィラー塩、ヒドロトロープ、光活性化剤、蛍光剤、布地仕上げ剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、顔料、加水分解性界面活性剤、保存料、酸化防止剤、抗収縮剤、しわ防止剤、殺菌剤、殺真菌剤、色ムラ防止剤、銀クリーナー、錆止め及び/又は腐食防止剤、アルカリ度供給源、可溶化剤、担体、加工助剤、顔料、及びpH調整剤が挙げられる(例えば、米国特許第6,610,642号明細書;同第6,605,458号明細書;同第5,705,464号明細書;同第5,710,115号明細書;同第5,698,504号明細書;同第5,695,679号明細書;同第5,686,014号明細書、及び同第5,646,101号明細書を参照されたい)。特定の洗浄組成物材料の実施形態が、以下に詳細に例示される。洗浄補助物質が、洗浄組成物中の本発明の変異体プロテアーゼと適合性でない実施形態では、洗浄補助物質とプロテアーゼとの混合が適切になるまで、これらの2つの成分を分離した(すなわち、互いに接触していない)状態に維持する適切な方法が使用される。このような分離方法は、当技術分野で公知の任意の適切な方法(例えば、ジェルキャップ、カプセル化、タブレット、物理的分離など)を含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される1つ以上の変異体プロテアーゼの有効な量が、タンパク質性の染みの除去が必要な様々な表面の洗浄に有用な組成物中に含められる。このような洗浄組成物は、硬質表面、布地、及び食器を洗浄するような用途のための洗浄組成物を含む。実際、一部の実施形態では、本発明は、布地洗浄組成物を提供し、他の実施形態では、本発明は、布地以外用の洗浄組成物を提供する。特に、本発明は、口腔ケア(歯磨き粉、練歯磨き、口腔洗浄液など、及び義歯洗浄組成物を含む)、皮膚、及び毛髪用の洗浄組成物を含む、パーソナルケアに適した洗浄組成物も提供する。本発明は、任意の形態(すなわち、液体、顆粒、バー、半固体、ゲル、エマルション、タブレット、カプセルなど)の洗剤組成物を包含するものとする。
例として、本発明の変異体プロテアーゼを使用できるいくつかの洗浄組成物が、以下により詳細に記載される。本発明の洗浄組成物が洗濯機の洗い方法に使用するのに適した組成物として調合される一部の実施形態では、本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも1つの界面活性剤及び少なくとも1つのビルダー化合物、並びに有機ポリマー化合物、漂白剤、追加の酵素、起泡抑制剤、分散剤、石灰−石鹸分散剤、土懸濁及び再付着防止剤、及び腐食防止剤から好ましくは選択される1つ以上の洗浄補助物質を含む。一部の実施形態では、洗濯組成物は、柔軟剤(すなわち、追加の洗浄補助物質として)も含む。本発明の組成物は、固体又は液体形態の洗剤添加製品にも使用することができる。このような添加製品は、従来の洗剤組成物の性能を補い、かつ/又は増進することを目的としており、洗浄工程の任意の段階で添加することができる。一部の実施形態では、本明細書の洗濯洗剤組成物の密度は、20℃の測定で約400〜約1200g/リットルの組成物の範囲であり、別の実施形態では、約500〜約950g/リットルの組成物の範囲である。
手動食器洗い方法に使用される組成物として調合される実施形態では、本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも1つの界面活性剤を含み、かつ好ましくは、有機ポリマー化合物、起泡促進剤、第II族金属イオン、溶媒、ヒドロトロープ、及び追加の酵素から選択される少なくとも1つの追加の洗浄補助物質を含む。
一部の実施形態では、様々な洗浄組成物、例えば、米国特許第6,605,458号明細書に示されている洗浄組成物を、本発明の変異体プロテアーゼと共に使用することができる。従って、一部の実施形態では、本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼを含む組成物は、コンパクト顆粒状布地洗浄組成物であり、別の実施形態では、この組成物は、着色された布地の洗濯に有用な顆粒状布地洗浄組成物であり、更なる実施形態では、この組成物は、洗濯限度容量の全てを柔軟にする顆粒状布地洗浄組成物であり、追加の実施形態では、この組成物は、重質液体布地洗浄組成物である。一部の実施形態では、本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼを含む組成物は、布地洗浄組成物、例えば、米国特許第6,610,642号明細書及び同第6,376,450号明細書に記載された布地洗浄組成物である。加えて、本発明の変異体プロテアーゼは、欧州又は日本の洗い条件下で特に有用な顆粒状洗濯用洗剤組成物に使用することができる(例えば、米国特許第6,610,642号明細書を参照されたい)。
一部の代替の実施形態では、本発明は、本明細書で提供される少なくとも1つの変異体プロテアーゼを含む硬質表面洗浄組成物を提供する。従って、一部の実施形態では、少なくとも1つの本発明の変異体プロテアーゼを含む組成物は、米国特許第6,610,642号明細書、同第6,376,450号明細書、及び同第6,376,450号明細書に記載されているような硬質表面洗浄組成物である。
なお更なる実施形態では、本発明は、本明細書で提供される少なくとも1つの変異体プロテアーゼを含む食器洗い組成物を提供する。従って、一部の実施形態では、少なくとも1つの本発明の変異体プロテアーゼを含む組成物は、米国特許第6,610,642号明細書及び同第6,376,450号明細書の組成物のような硬質表面洗浄組成物である。一部のなお更なる実施形態では、本発明は、本明細書で提供される少なくとも1つの変異体プロテアーゼを含む食器洗い組成物を提供する。一部の更なる実施形態では、少なくとも1つの本発明の変異体プロテアーゼを含む組成物は、口腔ケア組成物、例えば、米国特許第6,376,450号明細書及び同第6,376,450号明細書の組成物を含む。上述の米国特許第6,376,450号明細書、同第6,605,458号明細書、同第6,605,458号明細書、及び同第6,610,642号明細書に含まれる化合物及び洗浄補助物質の調合及び記載は、本明細書で提供される変異体プロテアーゼと共に使用することができる。
本発明の洗浄組成物は、任意の適切な形態に調合され、そして調合業者によって選択される任意のプロセスによって調製される(例えば、米国特許第5,879,584号明細書;同第5,691,297号明細書;同第5,574,005号明細書;同第5,569,645号明細書;同第5,565,422号明細書;同第5,516,448号明細書;同第5,489,392号明細書;及び同第5,486,303号明細書を参照されたい)。低pH洗浄組成物が望ましい場合は、このような組成物のpHは、モノエタノールアミンのような物質又はHClのような酸性物質の添加によって調整される。
一部の実施形態では、本発明による洗浄組成物は、酸性化粒子又はアミノカルボン酸ビルダーを含む。アミノカルボン酸ビルダーの例としては、アミノカルボン酸、アミノカルボン酸塩、及びこれらの誘導体が挙げられる。一部の実施形態では、アミノカルボン酸ビルダーは、アミノポリカルボン酸ビルダー、例えば、一般式MOOC−CHR−N(CH2COOM)2(式中、RはC1〜12アルキルであり、Mはアルカリ金属である)のグリシン−N,N−二酢酸又は誘導体である。一部の実施形態では、アミノカルボン酸ビルダーは、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、GLDA(グルタミン酸−N、N−二酢酸)、イミノジコハク酸(IDS)、カルボキシメチルイヌリン及びこれらの塩及び誘導体、アスパラギン酸−N−一酢酸(ASMA)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸−N−モノプロピオン酸(ASMP)、イミノジコハク酸(IDA)、N−(2−スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N−(2−スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N−(2−スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N−(2−スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、IDS(イミノ二酢酸)及びその塩及び誘導体、例えば、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)、α−アラニン−N,N−二酢酸(α−ALDA)、セリン−N,N−二酢酸(SEDA)、イソセリン−N,N−二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン−N,N−二酢酸(PHDA)、アントラニル酸−N,N−二酢酸(ANDA)、スルファニル酸−N,N−二酢酸(SLDA)、タウリン−N,N−二酢酸(TUDA)、及びスルホメチル−N,N−二酢酸(SMDA)、及びこれらのアルカリ金属塩及び誘導体であり得る。一部の実施形態では、酸性化粒子は、約400μ〜約1200μの荷重幾何平均粒径及び少なくとも550g/Lのかさ密度を有する。一部の実施形態では、酸性化粒子は、少なくとも約5%のビルダーを含む。
一部の実施形態では、酸性化粒子は、有機酸及び鉱酸を含む任意の酸を含み得る。有機酸は、1つ又は2つのカルボキシルを有し得、ある場合には、最大15の炭素、特に最大10の炭素、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、セバシン酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、酒石酸、及びグリオキシル酸を有し得る。一部の実施形態では、酸はクエン酸である。鉱酸は、塩酸及び硫酸を含む。ある場合には、本発明の酸性化粒子は、高レベルのアミノカルボン酸ビルダーを含む高度に活性な粒子である。硫酸は、微粒子の安定性に更に寄与することが分かった。
本発明の目的に必須ではないが、以下に例示される非限定のリストの補助剤は、本発明の洗浄組成物に使用するのに適している。一部の実施形態では、これらの補助剤は、例えば、洗浄性能を補助する又は高めるために、洗浄されるべき基体の処理のために、又は香料、着色剤、又は染料などの場合と同様に洗浄組成物の美感を変更するために含められる。このような補助剤は、本発明の変異体プロテアーゼに添加されることを理解されたい。これらの追加の成分の正確な性質及びその含有レベル、組成物の物理的形態及びこれらが使用される洗浄操作の性質に依存する。適切な補助物質としては、限定されるものではないが、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料転移抑制剤、沈着助剤、分散剤、追加の酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、漂白促進剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、予成形過酸剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、起泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、及び/又は顔料が挙げられる。以下の開示に加えて、このような他の補助剤及び使用レベルの適切な例は、米国特許第5,576,282号明細書、同第6,306,812号明細書、及び同第6,326,348号明細書に示されている。上述の補助成分は、本発明の洗浄組成物の残部を構成し得る。
一部の実施形態では、本発明による洗浄組成物は、少なくとも1つの界面活性剤及び/又は界面活性剤系を含み、この界面活性剤は、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、半極性非イオン界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される。一部の低pH洗浄組成物(例えば、約3〜約5の原pHを有する組成物)の実施形態では、この組成物は、典型的にはエトキシル化硫酸アルキルを含有していない。なぜなら、このような界面活性剤が、このような組成物の酸性成分によって加水分解され得ると考えられているためである。一部の実施形態では、界面活性剤は、洗浄組成物の約0.1重量%〜約60重量%のレベルで存在し、別の実施形態では、このレベルは、約1重量%〜約50重量%であり、更に別の実施形態では、このレベルは、約5重量%〜約40重量%である。
一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含む。少なくとも1つのビルダーを含む一部の実施形態では、洗浄組成物は、この洗浄組成物の重量に対して少なくとも約1%、約3%〜約60%、又は更に約5%〜約40%のビルダーを含む。ビルダーとしては、限定されるものではないが、ポリリン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属炭酸塩、アルミノケイ酸塩、ポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸、並びにポリカルボン酸塩、例えば、メリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩が挙げられる。実際、任意の適切なビルダーが本発明の様々な実施形態に使用されることが企図される。
一部の実施形態では、ビルダーは、水溶性硬度イオン錯体(例えば、封鎖性ビルダー)、例えば、クエン酸塩及びポリリン酸塩(例えば、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム六水和物、トリポリリン酸カリウム、並びにトリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸カリウムとの混合物など)を形成する。当技術分野で公知のビルダーを含む任意の適切なビルダーを本発明で使用できることが企図される(例えば、欧州特許出願公開第2100949号明細書を参照されたい)。
一部の実施形態では、本明細書で使用されるビルダーは、リン酸塩ビルダー及び非リン酸塩ビルダーを含む。一部の実施形態では、ビルダーは、リン酸塩ビルダーである。一部の実施形態では、ビルダーは、非リン酸塩ビルダーである。存在する場合は、ビルダーは、本組成物の0.1重量%〜80重量%、又は5〜60重量%、又は10〜50重量%のレベルで使用される。一部の実施形態では、本製品は、リン酸塩ビルダーと非リン酸塩ビルダーとの混合物を含む。適切なリン酸塩ビルダーは、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、又はオリゴマーポリリン酸塩を含み、これらのリン酸塩には、ナトリウム塩を含むこれらの化合物のアルカリ金属塩が含まれる。一部の実施形態では、ビルダーは、トリポリリン酸塩ナトリウム(STPP)であり得る。加えて、本組成物は、炭酸塩及び/又はクエン酸塩、好ましくは、本発明の中性pH組成物の達成に役立つクエン酸塩を含み得る。他の適切な非リン酸塩ビルダーとしては、ポリカルボン酸及びこれらの部分的に又は完全に中性化された塩、モノマーポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸、及びこれらの塩のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。一部の実施形態では、上述の化合物の塩としては、ナトリウム塩を含むアンモニウム及び/又はアルカリ金属塩、すなわち、リチウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩が挙げられる。適切なポリカルボン酸としては、非環式カルボン酸、脂環式カルボン酸、ヘテロ環式カルボン酸、及び芳香族カルボン酸が挙げられ、一部の実施形態では、これらは、いずれの場合も互いに分離され、ある場合には2つ以下の炭素原子である、少なくとも2つのカルボキシル基を含み得る。
一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、少なくとも1つのキレート剤を含む。適切なキレート剤としては、限定されるものではないが、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、及びこれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つのキレート剤が使用される実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この対象洗浄組成物の重量に対して約0.1%〜約15%、又は更に約3.0%〜約10%のキレート剤を含む。
一部のなお更なる実施形態では、本明細書で提供される洗浄組成物は、少なくとも1つの沈着助剤を含有する。適切な沈着助剤としては、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカルボン酸塩、防汚ポリマー、例えば、ポリテレフタル酸、粘土、例えば、カオリナイト、モンモリロナイト、アタプルガイト、イライト、ベントナイト、ハロイサイト、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書に示されるように、一部の実施形態では、再付着防止剤を、本発明の一部の実施形態に使用することができる。一部の実施形態では、非イオン界面活性剤を使用することができる。例えば、自動食器洗いの実施形態では、非イオン界面活性剤を、表面変更を目的として、特に敷布地のため、被膜形成及び染み形成を防ぐため、並びに光沢を改善するために使用することができる。これらの非イオン界面活性剤は、土の再付着の防止にも使用することができる。一部の実施形態では、再付着防止剤は、当技術分野で公知の非イオン界面活性剤である(例えば、欧州特許出願公開第2100949号明細書を参照されたい)。一部の実施形態では、非イオン界面活性剤は、エトキシル化非イオン界面活性剤、エポキシキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコール、及びアミンオキシド界面活性剤であり得る。
一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、1つ以上の染料転移抑制剤を含む。適切なポリマー性染料転移抑制剤としては、限定されるものではないが、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの染料転移抑制剤が使用される実施形態では、本発明の洗浄組成物は、この洗浄組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、又は更に約0.1重量%〜約3重量%を含む。
一部の実施形態では、ケイ酸塩が、本発明の洗浄組成物中に含められる。一部のこのような実施形態では、ケイ酸ナトリウム(例えば、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、及び結晶性フィロケイ酸塩)を使用することができる。一部の実施形態では、ケイ酸塩は、約1%〜約20%のレベルで存在する。一部の実施形態では、ケイ酸塩は、この組成物の約5重量%〜約15重量%のレベルで存在する。
一部のなお更なる実施形態では、本発明の洗浄組成物は、分散剤も含む。適切な水溶性有機物質は、限定されるものではないが、ホモ若しくはコポリマー酸又はこれらの塩を含み、このポリカルボン酸は、2つ以下の炭素原子によって互いに隔てられている少なくとも2つのカルボキシ基を含む。
一部の更なる実施形態では、洗浄組成物に使用される酵素は、任意の適切な技術によって安定化される。一部の実施形態では、本明細書で利用される酵素は、完成組成物中のカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性源の存在によって安定化され、この完成組成物は、このようなイオンをこの酵素に供給する。一部の実施形態では、酵素安定剤としては、オリゴ糖、多糖、及び無機二価金属塩が挙げられ、この無機二価金属塩は、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩、例えば、ギ酸カルシウムを含む。酵素安定化のための様々な技術を本発明で使用できることが企図される。例えば、一部の実施形態では、本明細書で利用される酵素は、完成組成物中の亜鉛(II)イオン、カルシウム(II)イオン、及び/又はマグネシウム(II)イオンの水溶性源の存在によって安定化され、この完成組成物は、このようなイオン、並びに他の金属イオン(例えば、バリウム(II)、スカンジウム(II)、鉄(II)、マンガン(II)、アルミニウム(III)、スズ(II)、コバルト(II)、銅(II)、ニッケル(II)、及びオキソバナジウム(IV))をこの酵素に供給する。塩化物及び硫酸塩も、本発明の一部の実施形態に使用することができる。適切なオリゴ糖及び多糖(例えば、デキストリン)の例は、当技術分野で公知である(例えば、国際公開第07145964号パンフレットを参照されたい)。一部の実施形態では、可逆的プロテアーゼ阻害剤、例えば、ホウ素含有化合物(例えば、ホウ酸塩、4−ホルミルフェニルホウ酸)及び/又はトリペプチドアルデヒドも、所望に応じて安定性を更に改善するために使用することができる。
一部の実施形態では、漂白剤、漂白活性化剤、及び/又は漂白触媒が本発明の組成物中に存在する。一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、無機及び/又は有機漂白化合物を含む。無機漂白剤としては、限定されるものではないが、過水和物塩(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩、及び過ケイ酸塩)が挙げられる。一部の実施形態では、無機過水和物塩はアルカリ金属塩である。一部の実施形態では、無機過水和物塩は、追加の保護なしに結晶性固体として含められるが、一部の別の実施形態では、この塩は被覆される。当技術分野で公知の任意の適切な塩を本発明に使用することができる(例えば、欧州特許出願公開第2100949号明細書を参照されたい)。
一部の実施形態では、漂白活性化剤が本発明の組成物に使用される。漂白活性化剤は、典型的には、60℃以下の温度での洗浄の過程で漂白作用を高める有機過酸前駆体である。本明細書で使用するのに適した漂白活性化剤は、過加水分解条件下で、好ましくは約1〜約10の炭素原子、特に約2〜約4の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸、及び/又は任意選択で置換される過安息香酸を与える化合物を含む。更なる漂白活性化剤が、当技術分野で公知であり、本発明に使用することができる(例えば、欧州特許出願公開第2100949号明細書を参照されたい)。
更に、一部の実施形態において、本明細書に更に説明されるように、本発明の洗浄組成物は、少なくとも1つの漂白触媒を更に含む。一部の実施形態では、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体、並びにコバルト、銅、マンガン、及び鉄の錯体を使用することができる。更なる漂白触媒を本発明に使用することができる(例えば、米国特許第4,246,612号明細書、同第5,227,084号明細書、同第4,810,410号明細書、国際公開第9906521号パンフレット、及び欧州特許出願公開第2100949号明細書を参照されたい)。
一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、1つ以上の触媒金属錯体を含む。一部の実施形態では、金属含有漂白触媒を使用することができる。一部の実施形態では、金属漂白触媒は、指定された漂白触媒活性の遷移金属カチオン(例えば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオン)、漂白触媒活性を殆ど又は全く有しない補助金属カチオン(例えば、亜鉛又はアルミニウムカチオン)、触媒及び補助金属カチオンに対して指定された安定性定数を有する封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四(メチレンホスホン酸)、及びこれらの水溶性塩を含む触媒系を含む(例えば、米国特許第4,430,243号明細書を参照されたい)。一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、マンガン化合物によって触媒される。このような化合物及び使用のレベルは、当技術分野で周知である(例えば、米国特許第5,576,282号明細書を参照されたい)。更なる実施形態では、コバルト漂白触媒を、本発明の洗浄組成物に使用することができる。様々なコバルト漂白触媒が、当技術分野で公知であり(例えば、米国特許第5,597,936号明細書、及び同第5,595,967号明細書を参照されたい)、公知の方法によって容易に調製される。
一部の更なる実施形態では、本発明の洗浄組成物は、マクロ多環式剛性リガンド(MRL)の遷移金属錯体を含む。実際の問題として、かつ限定としてではなく、一部の実施形態では、本発明によって提供される組成物及び洗浄プロセスは、水性洗い媒体中に少なくとも1億分の1部程度の活性MRL種を提供するように調整され、一部の実施形態では、洗い液中に約0.005ppm〜約25ppm、より好ましくは約0.05ppm〜約10ppm、最も好ましくは約0.1ppm〜約5ppmのMRLを提供する。
一部の実施形態では、本遷移金属漂白触媒中の遷移金属は、限定されるものではないが、マンガン、鉄、及びクロムを含む。MRLはまた、限定されるものではないが、架橋された特別な超剛性リガンド(例えば、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン)を含む。適切な遷移金属MRLは、公知の方法によって容易に調製される(例えば、国際公開第200032601号パンフレット及び米国特許第6,225,464号明細書を参照されたい)。
一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、金属クリーナー剤(metal care agent)を含む。金属クリーナー剤は、アルミニウム、ステンレス鋼、及び非鉄金属(例えば、銀及び銅)を含む金属の変色、腐食、及び/又は酸化の防止及び/又は低減に使用することができる。適切な金属クリーナー剤は、欧州特許第2100949号明細書、国際公開第9426860号パンフレット、及び同第94/26859号パンフレットに記載された金属クリーナー剤を含む。一部の実施形態では、金属クリーナー剤は亜鉛塩である。一部の更なる実施形態では、本発明の洗浄組成物は、約0.1重量%〜約5重量%の1つ以上の金属クリーナー剤を含む。
一部の実施形態では、洗浄組成物は、変異体AprL−cladeプロテアーゼを有する高密度液体(HDL)組成物である。HDL液体洗濯洗剤は、洗浄用界面活性剤(10%〜40%(wt/wt))を含み得、この洗浄用界面活性剤は、アニオン洗浄用界面活性剤(直鎖又は分岐鎖又はランダム鎖の置換された又は置換されていないアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアルコキシル化硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、及び/又はこれらの混合物の群から選択される);及び任意選択の非イオン界面活性剤(直鎖又は分岐鎖又はランダム鎖の置換された又は置換されていないアルキルアルコキシル化アルコール、例えば、C8〜C18アルキルエトキシ化アルコール及び/又はC6〜C12アルキルフェノールアルコキシレートの群から選択される)を含み、任意選択により、アニオン洗浄用界面活性剤(6.0〜9の親水性指数(HIc)を有する)の非イオン洗浄用界面活性剤に対する重量比は1:1よりも大きい。適切な洗浄用界面活性剤は、カチオン洗浄用界面活性剤(アルキルピリジウム化合物、アルキル第四アンモニウム化合物、アルキル第四ホスホニウム化合物、アルキル第三スルホニウム化合物、及び/又はこれらの混合物の群から選択される);両性イオン及び/又は両性洗浄用界面活性剤(アルカノールアミンスルホベタインの群から選択される);両性界面活性剤;半極性非イオン界面活性剤、及びこれらの混合物も含む。
本組成物は、任意選択により、両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマー(分岐親水性及び疎水性を有するアルコキシル化ポリマー、例えば、0.05wt%〜10wt%の範囲のアルコキシル化ポリアルキレンイミンの群から選択される)、及び/又はランダムグラフトポリマー(典型的には、不飽和C1〜Cxカルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位、アルコキシ単位、無水マレイン酸、飽和ポリアルコール、例えば、グリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖;並びにC4〜C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C1〜C6モノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜C6アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖を含む)からなる界面活性促進ポリマーを含み得る。
本組成物は、追加のポリマー、例えば、土汚れ除去ポリマー(アニオンでエンドキャップされたポリエステル、例えば、SRP1、ランダム又はブロック構成の、サッカリド、ジカルボン酸、ポリオール、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのモノマー単位を含むポリマー、ランダム又はブロック構成のエチレンテレフタレート系ポリマー及びそのコポリマー、例えば、Repel−o−tex SF、SF−2及びSRP6、Texcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325、Marloquest SLを含む)、再付着防止ポリマー(0.1wt%〜10wt%で、カルボン酸ポリマー、例えば、アクリル酸、マレイン酸(又は無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、及びこれらの任意の混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含むポリマー、ビニルピロリドンホモポリマー、及び/又はポリエチレングリコールを含み、500〜100,000Daの範囲の分子量);セルロースポリマー(アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含み、これらの例として、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる)、及び高分子カルボン酸塩(例えば、マレイン酸塩/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマー)を含み得る。
本組成物は、飽和又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和又は不飽和C12〜C24脂肪酸(0wt%〜10wt%);沈着助剤(例えば、多糖、好ましくはセルロースポリマー、ポリジアリルジメチルハロゲン化アンモニウム(DADMAC)、及びランダム又はブロック構成のDAD MACとビニルピロリドン、アクリルアミド、イミダゾール、ハロゲン化イミダゾリニウム、及びこれらの混合物とのコポリマー、カチオングァーガム、カチオンセルロース、例えば、カチオンヒドロキシエチルセルロース、カチオンデンプン、カチオンポリアクリルアミド、及びこれらの混合物を更に含み得る。
本組成物は、染料転移抑制剤を更に含み得、この染料転移抑制剤の例としては、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、及び/又はこれらの混合物;例としてエチレン−ジアミン四酢酸(EDTA)を含むキレート剤;ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP);ヒドロキシ−エタンジホスホン酸(HEDP);エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸(EDDS);メチルグリシン二酢酸(MGDA);ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);プロピレンジアミン四酢酸(PDT A);2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド(HPNO);又はメチルグリシン二酢酸(MGDA);グルタミン酸N、N−二酢酸(N,N−ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA);ニトリロ三酢酸(NTA);4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンジスルホン酸;クエン酸及びその任意の塩;N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)、及びこれらの誘導体が挙げられる。
本組成物は、プロテアーゼ;アミラーゼ;リパーゼ;セルラーゼ;コリンオキシダーゼ;ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ;ペクチン酸リアーゼ;マンナナーゼ;クチナーゼ;ラッカーゼ;ホスホリパーゼ;リゾホスホリパーゼ;アシルトランスフェラーゼ;ペルヒドロラーゼ;アリールエステラーゼ、及びこれらの任意の混合物から選択される酵素(一般に、約0.01wt%〜0.5wt%の活性酵素)を更に含み得る。本組成物は、酵素安定剤(この例には、ポリオール、例えば、プロピレングリコール又はグリセロール、糖又は糖アルコール、乳酸、可逆的プロテアーゼ阻害剤、ホウ酸、又はホウ酸誘導体、例えば、芳香族ホウ酸エステル、又はフェニルボロン酸誘導体、例えば、4−ホルミルフェニルボロン酸が含まれる)を含み得る。
本組成物は、シリコーン又は脂肪酸系の起泡抑制剤;色相染料(heuing dye)、カルシウム及びマグネシウムカチオン、視覚信号成分、消泡剤(0.001wt%〜約4.0wt%)、及び/又は構造化剤/増粘剤(0.01wt%〜5wt%で、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロース系材料、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、及びこれらの混合物からなる群から選択される)を更に含み得る。
本組成物は、任意の液体形態、例えば、液体又はゲル形態、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。
一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、タブレット、カプセル、小袋、パウチ、及び多区画パウチを含む単位用量形態で提供される。一部の実施形態では、単位用量形態は、多区画パウチ(又は他の単位用量形態)内の成分の放出を制御するように設計される。適切な単位用量及び制御された放出形式は当技術分野で公知である(切な単位用量及び制御された放出形式に使用するのに適した物質については、例えば、欧州特許出願公開第2100949号明細書、国際公開第02102955号パンフレット、米国特許第4,765,916号明細書、同第4,972,017号明細書、及び国際公開第04111178号パンフレットを参照されたい)。一部の実施形態では、単位用量形態は、水溶性被膜又は水溶性パウチで覆われたタブレットで提供される。様々な単位用量形態の例が、欧州特許出願公開第2100947号明細書、国際公開第2013165725号パンフレットに記載されている。
一部の実施形態では、洗浄組成物は、変異体AprL−cladeプロテアーゼを有する高密度粉末(HDD)組成物である。HDD粉末洗濯洗剤は、洗浄用界面活性剤を含み得、この洗浄用界面活性剤には、アニオン洗浄用界面活性剤(直鎖又は分岐鎖又はランダム鎖の置換された又は置換されていないアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアルコキシル化硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、及び/又はこれらの混合物);非イオン洗浄用界面活性剤(例えば、直鎖又は分岐鎖又はランダム鎖の置換された又は置換されていないC8〜C18アルキルエトキシレート及び/又はC6〜C12アルキルフェノールアルコキシレート)、カチオン洗浄用界面活性剤(例えば、アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四アンモニウム化合物、アルキル第四ホスホニウム化合物、アルキル第三スルホニウム化合物、及びこれらの混合物)、双極性及び/又は両性洗浄界面活性剤(例えば、アルカノールアミンスルホベタイン)、両性界面活性剤;半極性非イオン界面活性剤及びこれらの混合物;ビルダー(リン酸フリービルダー(例えば、0wt%〜10wt%未満の範囲のゼオライトビルダー、この例には、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトP、及びゼオライトMAPが含まれる);リン酸塩ビルダー(例えば、0wt%〜10wt%未満の範囲のトリポリリン酸ナトリウム);15wt%未満の範囲のクエン酸、クエン酸塩、及びニトリロ三酢酸又はその塩;ケイ酸塩(例えば、0wt%〜10wt%未満の範囲のケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウム又はメタケイ酸ナトリウム、又は層状ケイ酸塩(SKS−6));炭酸塩(例えば、0wt%〜10wt%未満の範囲の炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウム);及び漂白剤(光退色剤(例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びこれらの混合物)を含む);疎水性又は親水性漂白活性化剤(例えば、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート(3,5,5−trimethy hexanoyl oxybenzene sulfonate)、テトラアセチルエチレンジアミン−TAED、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート−NOBS、ニトリルクワット、及びこれらの混合物);過酸化水素源(例えば、無機過水和塩、この例には、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、又は過ケイ酸塩の一若しくは四水和物ナトリウム塩が含まれる);予形成親水性及び/又は疎水性過酸(例えば、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、ペリミド酸及び塩、並びにペルオキシモノ硫酸及び塩)及びこれらの混合物、及び/又は漂白触媒(例えば、イミン漂白促進剤(例えば、イミニウムカチオン及びポリイオン);イミニウム双性イオン;修飾アミン;修飾アミンオキシド;N−スルホニルイミン;N−ホスホニルイミン;N−アシルイミン;チアジアゾール二酸化物;ペルフルオロイミン;環状糖ケトン、及びこれらの混合物);及び金属含有漂白触媒(例えば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオン、及び補助金属カチオン、例えば、亜鉛又はアルミニウム、及び封鎖剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四(メチレンホスホン酸)及びその水性塩)が含まれる。
本組成物は、プロテアーゼ;アミラーゼ;リパーゼ;セルラーゼ;コリンオキシダーゼ;ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ;ペクチン酸リアーゼ;マンナナーゼ;クチナーゼ;ラッカーゼ;ホスホリパーゼ;リゾホスホリパーゼ;アシルトランスフェラーゼ;ペルヒドロラーゼ;アリールエステラーゼ、及びこれらの任意の混合物から選択される酵素を更に含み得る。
本組成物は、香水マイクロカプセル、デンプン封入香水協調剤、色相剤、布地完全性及びカチオンポリマーを含む追加のポリマー、染料ロック成分、布地柔軟剤、光沢剤(例えば、C.I.蛍光増白剤)、凝集剤、キレート剤、アルコキシル化ポリアミン、布地付着助剤、及び/又はシクロデキストリンを含む追加の洗剤成分を更に含み得る。
一部の実施形態では、本洗浄組成物は、変異体AprL−cladeプロテアーゼを有する自動食器洗い(ADW)洗剤組成物である。ADW洗剤組成物は、0〜10wt%の量で存在する、エトキシ化非イオン界面活性剤、アルコールアルコキシ化界面活性剤、エポキシキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコール、又はアミンオキシド界面活性剤の群から選択される2つ以上の非イオン界面活性剤;リン酸塩(一リン酸塩、二リン酸塩、トリポリリン酸塩、又はオリゴマーポリリン酸塩、好ましくはトリポリリン酸ナトリウム−STPP)又はリン酸塩フリービルダー[アミノ酸系化合物、この例には、MGDA(メチル−グリシン−二酢酸)並びにその塩及び誘導体、GLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸)並びにこれらの塩及び誘導体、IDS(イミノジコハク酸)並びこれらの塩及び誘導体、カルボキシメチルイヌリン並びにこれらの塩及び誘導体及びこれらの混合物、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、B−アラニン二酢酸(B−ADA)及びこれらの塩が含まれる]のいずれかを含む5〜60%の範囲のビルダー;0.5重量%〜50重量%の範囲の、ポリカルボン酸及びこれらの部分的又は完全に中和された塩、単量体ポリカルボン酸、及びヒドロキシカルボン酸、及びこれらの塩のホモポリマー及びコポリマー;約0.1重量%〜約50重量%の範囲のスルホン化/カルボキシル化ポリマー(産物に寸法安定を提供する);約0.1重量%〜約10重量%の範囲の乾燥助剤(ポリエステル、特に、任意選択により、重縮合を促す3つ〜6つの官能基、特に酸性官能基、アルコール官能基、又はエステル官能基を有する更なる単量体を伴うアニオン性ポリエステル、反応性環状炭酸塩及び尿素型のポリカーボネート化合物、ポリウレタン化合物、及び/又はポリ尿素−ポリオルガノシロキサン化合物又はこれらの前駆体化合物から選択される);約1重量%〜約20重量%の範囲のケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウム、例えば、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、及び結晶性フィロケイ酸塩);無機漂白剤(例えば、過水和塩、例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩、及び過ケイ酸塩)及び有機漂白剤(例えば、ジアシル及びテトラアシルペルオキシドを含む有機ペルオキシ酸、特に、ジペルオキシドデカンジオ酸、ジペルオキシテトラデカンジオ酸、及びジペルオキシヘキサデカンジオ酸);約0.1重量%〜約10重量%の範囲内の漂白活性化剤−有機過酸前駆体;漂白触媒(マンガントリアザシクロノナン及び関連錯体、Co、Cu、Mn、及びFeビスピリジルアミン及び関連錯体、並びにペンタアミンアセテートコバルト(III)及び関連錯体から選択される);約0.1重量%〜5重量%の範囲亜の金属クリーナー剤(ベンザトリアゾール、金属塩及び錯体、及び/又はケイ酸塩から選択される);自動食器洗い洗剤組成物1グラム当たり約0.01〜5.0mgの活性化酵素の範囲の酵素(アシルトランスフェラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アラビノシダーゼ、アリールエステラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、カラギナーゼ、カタラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、コンドロイチナーゼ、クチナーゼ、エンド−β−1,4−グルカナーゼ、エンド−β−マンナナーゼ、エステラーゼ、エキソ−マンナナーゼ、ガラクタナーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、ラッカーゼ、ラクターゼ、リグニナーゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、マンナナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ペクチナーゼ、ペントサナーゼ、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、レダクターゼ、ラムノガラクツロナーゼ、β−グルカナーゼ、タンナーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシランアセチル−エステラーゼ、キシラナーゼ、キシログルカナーゼ、及びキシロシダーゼ、並びにこれらの任意の混合物);及び酵素安定剤成分(オリゴ糖、多糖、及び無機二価金属塩から選択される)を含み得る。
前述のように、本発明の洗浄組成物は、任意の適切な形態に調合され、そして調合者によって選択される任意のプロセスによって調製され、この非限定の例が、米国特許第5,879,584号明細書;同第5,691,297号明細書;同第5,574,005号明細書;同第5,569,645号明細書;同第5,516,448号明細書;同第5,489,392号明細書;及び同第5,486,303号明細書に記載されている。低pH洗浄組成物が望ましい一部の実施形態では、このような組成物のpHは、酸性物質、例えば、HClの添加によって調整される。
本明細書に開示される洗浄組成物は、位置(例えば、表面、アイテム、皿類、又は布地)の洗浄に使用することができる。典型的には、この位置の少なくとも一部が、希釈されていない状態の又は洗い液で希釈された本洗浄組成物の実施形態に接触され、この位置が、任意選択により洗われ、かつ/又は濯がれる。本発明において、「洗い」は、限定されるものではないが、こすり洗い及び機械的な撹拌を含む。一部の実施形態では、洗浄組成物は、典型的には、溶液中、約500ppm〜約15,000ppmの濃度で利用される。洗い溶媒が水である場合は、この水の温度は、典型的には約5℃〜約90℃であり、位置が布地を含む場合は、水の布地に対する質量比は、典型的には約1:1〜約30:1である。
洗浄組成物の製造及び使用のプロセス
本発明の洗浄組成物は、任意の適切な形態に調合され、そして調合者によって選択される任意の適切なプロセスによって調製される(例えば、米国特許第5,879,584号明細書;同第5,691,297号明細書;同第5,574,005号明細書;同第5,569,645号明細書;同第5,565,422号明細書;同第5,516,448号明細書;同第5,489,392号明細書;同第5,486,303号明細書;同第4,515,705号明細書;同第4,537,706号明細書;同第4,515,707号明細書;同第4,550,862号明細書;同第4,561,998号明細書;同第4,597,898号明細書;同第4,968,451号明細書;同第5,565,145号明細書;同第5,929,022号明細書;同第6,294,514号明細書;及び同第6,376,445号明細書を参照されたい)。
使用方法
一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、洗浄表面(例えば、皿類)、洗濯物、硬質表面、コンタクトレンズなどに使用することができる。一部の実施形態では、表面の少なくとも一部が、希釈されていない状態の又は洗い液で希釈された本発明の洗浄組成物の少なくとも1つの実施形態に接触され、この表面が、任意選択により洗われ、かつ/又は濯がれる。本発明において、「洗い」は、限定されるものではないが、こすり洗い、及び機械的な撹拌を含む。一部の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、溶液中、約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗い溶媒が水である一部の実施形態では、この水の温度は、典型的には約5℃〜約90℃である。
本発明は、限定されるものではないが、皿類アイテム、食器類アイテム、布地アイテム、洗濯アイテム、又はパーソナルケアアイテムなどの洗浄する又は洗うための方法、及び硬質又は軟質表面(例えば、アイテムの硬質表面)を洗浄する又は洗うための方法を含め、洗浄を必要とするアイテム又は表面(例えば、硬質表面)を洗浄する又は洗うための方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、洗浄を必要とするアイテム、物体、又は表面を洗浄する方法を提供し、この方法は、アイテム又は表面(又は洗浄することが望ましいアイテム又は表面の一部)を、十分な時間、及び/又はアイテム、物体、若しくは表面を所望の程度まで洗浄するのに適した及び/又は有効な条件下で、本発明の少なくとも1つの変異体AprL−cladeプロテアーゼ又は本発明の組成物に接触させるステップを含む。一部のこのような方法は、アイテム、物体、又は表面を水で濯ぐステップを更に含む。一部のこのような方法では、洗浄組成物は、食器洗い用洗浄組成物であり、洗浄されるべきアイテム又は物体は、皿類アイテム又は食器類アイテムである。本明細書で使用される「皿類アイテム」は、一般に、料理を盛り付けるため又は料理を食べるために使用されるアイテムである。皿類アイテムは、例えば、皿、平皿、カップ、及びボウルなどであり得るが、これらに限定されるものではない。本明細書で使用される「食器類」は、限定されるものではないが、例えば、皿、カトラリー、ナイフ、フォーク、スプーン、箸、ガラス器、ピッチャー、ソース入れ、酒器、盛り付け用アイテムなどを含む幅広い用語である。「食器類アイテム」は、料理を盛り付ける又は料理を食べるためのこれら又は同様のアイテムの全てを含むものとする。一部のこのような方法では、洗浄組成物は、自動食器洗い用洗浄組成物又は手動食器洗い用洗浄組成物であり、洗浄されるべきアイテム又は物体は、皿類又は食器類アイテムである。一部のこのような方法では、洗浄組成物は、洗濯用洗剤組成物(例えば、粉末洗濯用洗剤組成物又は液体洗濯用洗剤組成物)であり、洗浄されるべきアイテムは布地アイテムである。一部の他の実施形態では、洗浄組成物は、洗濯用前処理組成物である。
一部の実施形態では、本発明は、任意選択により洗浄又は洗いをそれぞれ必要とする、布地アイテムを洗浄する又は洗う方法を提供する。一部の実施形態では、この方法は、限定されるものではないが、布地又は洗濯用洗浄組成物を含む変異体プロテアーゼを含む組成物、及び洗浄を必要とする布地アイテム又は洗濯アイテムを用意するステップ、並びにこの布地アイテム又は洗濯アイテム(又は洗浄するのが望ましいアイテムの一部)を、布地アイテム又は洗濯アイテムを所望の程度まで洗浄する又は洗うのに十分又は有効な条件下で組成物に接触させるステップを含む。
一部の実施形態では、本発明は、任意選択により洗浄を必要とする、アイテム又は表面(例えば、硬質表面)を洗浄する又は洗う方法を提供し、この方法は、洗浄する又は洗うべきアイテム又は表面を用意するステップ、並びにこのアイテム又は表面(又は洗浄する若しくは洗うのが望ましいアイテム若しくは表面の一部)を、アイテム又は表面を所望の程度まで洗浄する又は洗うのに十分又は有効な条件下で、かつ/又は十分な時間、少なくとも1つの本発明のAprL−clade変異体又は少なくとも1つのこのようなAprL−clade変異体を含む本発明の組成物に接触させるステップを含む。このような組成物としては、限定されるものではないが、例えば、本発明の洗浄組成物又は洗剤組成物(例えば、手動食器洗い用洗剤組成物、手動食器洗い用洗浄組成物、洗濯洗剤又は布地洗剤、又は洗濯若しくは布地洗浄組成物、液体洗濯洗剤、液体洗濯洗浄組成物、粉末洗濯洗剤組成物、粉末洗濯洗浄組成物、自動食器洗い用洗剤組成物、洗濯促進洗浄又は洗剤組成物、洗濯洗浄添加剤、及び洗濯予備染み抜き組成物など)が挙げられる。一部の実施形態では、この方法は、特に追加の洗浄又は洗いが望まれる場合は、1回以上繰り返される。例えば、場合によっては、この方法は、アイテム又は表面を、このアイテム又は表面を所望の程度まで洗浄する又は洗うのに十分又は有効な期間に亘って少なくとも1つの変異体プロテアーゼ又は組成物と接触した状態に維持するステップを任意選択により更に含む。一部の実施形態では、この方法は、アイテム又は表面を水及び/又は別の液体で濯ぐステップを更に含む。一部の実施形態では、この方法は、アイテム又は表面を、同様に少なくとも1つの本発明の変異体プロテアーゼ又は本発明の組成物と接触させるステップ、及びこのアイテム又は表面を、このアイテム又は表面を所望の程度まで洗浄する又は洗うのに十分な期間に亘って少なくとも1つの変異体プロテアーゼ又は組成物と接触した状態に維持するステップを更に含む。一部の実施形態では、洗浄組成物は、食器洗い用洗剤組成物であり、洗浄されるべきアイテムは、皿類又は食器類アイテムである。本方法の一部の実施形態では、洗浄組成物は、自動食器洗い用洗剤成物又は手動食器洗い用洗剤組成物であり、洗浄されるべきアイテムは、皿類又は食器類アイテムである。この方法の一部の実施形態では、洗浄組成物は、洗濯洗剤組成物であり、洗浄されるべきアイテムは布地アイテムである。
本発明はまた、自動食器洗い機で食器類又は皿類アイテムを洗浄する方法も提供され、この方法は、自動食器洗い機を用意するステップ、食器類又は皿類アイテムを洗浄するのに十分な量の、本発明の少なくとも1つのAprL−clade変異体又は本発明の組成物を含む自動食器洗い用組成物を(例えば、食器洗い機の適切な又は設けられた洗剤区画又はディスペンサーに組成物を入れることによって)食器洗い機に入れるステップ、皿類又は食器類アイテムを食器洗い機に入れるステップ、及び(例えば、製造者の取扱説明書に従って)食器洗い機を運転して食器類又は皿類アイテムを洗浄するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、限定されるものではないが、本明細書で提供される少なくとも1つのAprL−clade変異体を含む本明細書に記載の任意の自動食器洗い用組成物を含む。使用されるべき自動食器洗い用組成物の量は、製造者の取扱説明書又は提案に従って容易に決定することができ、本明細書に記載の全てを含む、本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼを含む任意の形態(例えば、液体、粉末、固体、ゲル、タブレットなど)の自動食器洗い用組成物を利用することができる。
本発明はまた、任意選択により洗浄を必要とする、表面、アイテム、又は物体を洗浄する方法も提供し、この方法は、アイテム又は表面(又は洗浄されるのが望ましいアイテム又は表面の一部)を、このアイテム又は表面を所望の程度まで洗浄する又は濯ぐのに十分又は有効な条件下で、かつ/又は十分な時間、希釈されていない又は洗い液で希釈された少なくとも1つの本発明のAprL−clade変異体又は本発明の洗浄組成物に接触させるステップを含む。次いで、この表面、アイテム、又は物体を、(任意選択により)所望に応じて洗い、かつ/又は濯ぐことができる。本発明において、「洗い」は、限定されるものではないが、例えば、こすり洗い及び機械的な撹拌を含む。一部の実施形態では、洗浄組成物は、溶液(例えば、水溶液)中、約500ppm〜約15,000ppmの濃度で利用される。洗い溶媒が水である場合は、この水の温度は、典型的には約5℃〜約90℃である。
本発明はまた、洗濯物又は布地アイテムを洗濯機で洗浄する方法も提供し、この方法は、洗濯機を用意するステップ、洗濯物又は布地アイテムを洗浄するのに十分な量の、本発明の少なくとも1つの変異体AprL−clade酵素を含む洗濯洗剤組成物を(例えば、洗濯機の適切な又は設けられた洗剤区画又はディスペンサーに組成物を入れることによって)洗濯機に入れるステップ、この洗濯物又は布地アイテムを洗濯機に入れるステップ、及び(例えば、製造者の取扱説明書に従って)洗濯機を運転してこの洗濯物又は布地アイテムを洗浄するステップを含む。本発明の方法は、限定されるものではないが、本明細書に記載の少なくとも1つの任意の変異体AprL−clade酵素を含む本明細書に記載の任意の洗濯洗い洗剤組成物を含む。使用されるべき洗濯洗剤組成物の量は、製造者の取扱説明書又は提案に従って容易に決定することができ、本明細書に記載の全てを含む、本発明の少なくとも1つの変異体プロテアーゼを含む任意の形態(例えば、固体、粉末、液体、タブレット、ゲルなど)の洗濯洗剤組成物を利用することができる。
本発明のセリンプロテアーゼポリペプチドを有利に含む代表的な洗剤調合物は、国際公開第2013063460号パンフレットの78〜152頁に記載されている洗剤調合物を含み、特に94〜152頁の表は、参照により本明細書に組み入れられる。セリンプロテアーゼは、洗剤組成物の重量に対して0.00001%から10%の酵素タンパク質のレベルでこの組成物に通常は含められる。一部の実施形態では、洗剤組成物は、この組成物の重量に対して0.0001%超、0.001%超、0.01%超、又は0.1%超のセリンプロテアーゼを含む。一部の実施形態では、洗剤組成物は、この組成物の重量に対して1%未満、0.1%未満、0.01%未満、又は0.001%未満のセリンプロテアーゼを含む。
動物飼料に使用される本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチド
本発明の更なる態様では、本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、AprL−cladeプロテアーゼ及びその変異体を含む動物飼料組成物、動物飼料添加剤、及び/又はペットフードの成分として使用することができる。本発明は更に、このような動物飼料組成物、動物飼料添加剤組成物、及び/又はペットフードを調整する方法に関し、この方法は、AprL−cladeプロテアーゼポリペプチドと1つ以上の動物飼料成分、及び/又は動物飼料添加剤成分、及び/又はペットフード成分と混合するステップを含む。更に、本発明は、動物飼料組成物、及び/又は動物飼料添加剤組成物、及び/又はペットフードの調製におけるAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドの使用に関する。
用語「動物」は、全ての非反芻動物及び反芻動物を含む。特定の一実施形態では、動物は、非反芻動物、例えば、ウマ及び単胃動物である。単胃動物の例としては、限定されるものではないが、ブタ及びイノシシ属、例えば、仔ブタ、育成ブタ、雌ブタ;家禽、例えば、シチメンチョウ、カモ、ニワトリ、ブロイラー、産卵鶏;サカナ、例えば、サケ、マス、ティラピア、ナマズ、及びコイ;並びに甲殻類、例えば、小エビ及びクルマエビが挙げられる。更なる実施形態では、動物は、限定されるものではないが、ウシ、仔ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、バイソン、ムース、エルク、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、アンテロープ、プロングホーン、及びニルガイを含む反芻動物である。
本文脈において、用語「ペットフード」は、限定されるものではないが、家庭動物、例えば、イヌ、ネコ、スナネズミ、ハムスター、チンチラ、ファンシーラット、モルモット;鳥類ペット、例えば、カナリア、インコ、及びオウム;爬虫類ペット、例えば、カメ、トカゲ、及びヘビ;水生動物、例えば、熱帯魚及びカエル用の試料を意味すると理解されるものとする。
用語「動物飼料組成物」、「試料」、及び「飼い葉」は、互換的に使用され、以下の群から選択される1つ以上の動物飼料材料を含み得る:(a)穀類、例えば、小さい穀物(例えば、小麦、大麦、ライ麦、オート麦、及びこれらの組み合わせ)、及び/又は大きい穀物、例えば、トウモロコシ又はモロコシなどの大粒;(b)穀類からの副産物、例えば、トウモロコシグルテンミール、DDGS(Distillers Dried Grain Solubles)(特にトウモロコシをベースとするDDGS(cDDGS)、小麦ふすま、小麦ミドリング(wheat middling)、小麦ショーツ、米ぬか、籾殻、オート麦、パーム核、及び柑橘類果肉;(c)供給源、例えば、大豆、ヒマワリ、ピーナッツ、ルピナス、エンドウマメ、ソラマメ、綿、カノーラ、魚粉、乾燥血漿タンパク質、肉骨粉、ジャガイモタンパク質、ホエイ、コプラ、ゴマから得られるタンパク質;(d)植物及び動物起源から得られる油及び脂肪;(e)鉱物及びビタミン。
織物の糊抜きに使用される本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチド
また、本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドを使用する布地処理(例えば、織物の糊抜き)の組成物及び方法も企図される。織物処理方法は、当技術分野で周知である(例えば、米国特許第6,077,316号明細書を参照されたい)。例えば、布地の感触及び外観は、布地を溶液中でAprL−cladeプロテアーゼに接触させるステップを含む方法によって改善することができる。布地は、加圧下、溶液で処理することができる。
本発明のAprL−cladeプロテアーゼは、織物の製織の最中若しくは後、又は糊抜き段階若しくは1つ以上の追加の布地加工ステップの最中に適用することができる。織物の製織中に、糸に、かなりの機械的ひずみがかかる。機械織機での製織の前に、引張強度を高めて破損を防止するために縦糸を糊付けデンプン又はデンプン誘導体で被覆する場合が多い。本発明のAprL−cladeプロテアーゼは、糊付けデンプン又はデンプン誘導体を除去するために製織の最中又は後で適用することができる。製織後、布地の更なる処理の前に、AprL−cladeプロテアーゼを使用して糊被覆を除去し、確実に均一性及びウォッシュプルーフが得られるようにする。
本発明のAprL−cladeプロテアーゼは、単独で、又は他の糊抜き化学試薬及び/又は糊抜き酵素と共に使用して、洗剤添加剤として綿含有布地を含む布地を、例えば、水性組成物中で糊抜きすることができる。またアミラーゼを、藍染めデニム布地及び衣類にストーンウォッシュの外観を与えるための組成物及び方法に使用することができる。衣服の製造では、布地を裁断し、縫い合わせて衣服又は衣類にすることができ、その後仕上げられる。特に、デニムジーンズの製造では、異なる酵素仕上げ法が開発された。デニム衣類の仕上げは通常、酵素糊抜きステップで開始され、このステップ中に衣類がタンパク質分解酵素の作用を受けて布地が柔軟になり、綿が、後の酵素仕上げステップで利用しやすくなる。AprL−cladeプロテアーゼを、デニム衣類(例えば、「バイオストーニングプロセス(bio−stoning process)」)を仕上げ、酵素により糊抜きし、そして布地に柔軟性を付与する方法、及び/又は仕上げプロセスに使用することができる。
製紙用パルプ漂白に使用される本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは更に、製紙用パルプ、例えば、化学パルプ、半化学パルプ、クラフトパルプ、機械パルプ、又は亜流酸塩法によって調製されるパルプの酵素の助けによる漂白に使用することができる。一般的には、製紙用パルプは、製紙用パルプの漂白に適した条件下で、本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドと共にインキュベートされる。
一部の実施形態では、パルプは、酸素、オゾン、過酸化物、又はペルオキシ酸で漂白された無塩素パルプである。一部の実施形態では、AprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、低リグニン含量を示す変更又は連続パルプ化法によって生産されたパルプの酵素を使用した漂白に使用される。一部の他の実施形態では、AprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、単独で、又は好ましくは、キシラナーゼ、及び/又はエンドグルカナーゼ、及び/又はα−ガラクトシダーゼ、及び/又はセロビオヒドロラーゼ酵素と組み合わせて適用される。
タンパク質分解に使用される本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、動物由来のタンパク質、例えば、羽毛、皮膚、毛、及び皮などの酵素を利用した除去、及び後の分解又は処分に使用することができる。場合によっては、本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドを含む溶液での動物の死骸の浸漬は、熱湯での従来の浸漬又は羽毛抜きプロセスと比較して、皮膚が損傷しないように作用し得る。一実施形態では、羽毛に、羽毛の消化又は分解の開始に適切な条件下で、本発明の単離メタロプロテアーゼポリペプチドを噴霧することができる。一部の実施形態では、本発明のAprL−cladeプロテアーゼは、上記のように、酸化剤と組み合わせて使用することができる。
一部の実施形態では、原羽毛に関連した油又は脂肪の除去は、本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドを使用することによって助けられる。一部の実施形態では、AprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、羽毛を洗浄するため、及び消毒して線維を部分的に脱水するために組成物に使用される。一部の他の実施形態では、AprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、約0.5%(v/v)の界面活性剤を含む又は含まない95%エタノール又は他の極性有機溶媒と組み合わせて洗い溶液中で適用される。
なお他の実施形態では、開示されるAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、羽毛からのタンパク質の回収で使用することができる。開示されるAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、適切な羽毛処理及びタンパク質分解法、例えば、参照により本明細書に組み入れられる国際出願第PCT/EP2013/065362号明細書、同第PCT/EP2013/065363号明細書、及び同第PCT/EP2013/065364号明細書に開示されている方法において、単独で、又は他の酵素若しくは前処理、例えば、加熱及び加圧と組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、続いて、回収したタンパク質を、動物又は魚の試料に使用することができる。
組織デブリドマンに使用される本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、酵素を利用する組織デブリドマンに更に使用することができる。これは、治癒を促進するための、例えば、壊死又は損傷組織の創傷部から除去を伴う。
組織の培養に使用される本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは更に、組織の培養に使用することができる。特に、本発明のAprL−cladeプロテアーゼを使用して、例えば、細胞の回収のプロセス中に、細胞培養壁に付着した細胞を懸濁又は再懸濁することができる。本発明のAprL−cladeプロテアーゼを使用して、培養細胞と皿との間のタンパク質の結合を切断し、細胞が溶液中に懸濁するようにすることができる。
食品用途での本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、食品添加物、消化補助剤、又は食品処理補助剤として更に使用することができる。
皮革加工に使用される本発明のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のAprL−cladeプロテアーゼポリペプチドは、動物の皮からの毛の除去、浸漬、脱脂、又は皮革製造中の非構造タンパク質の分解を伴うプロセスである酵解による皮革加工に更に使用することができる。
実施例1
アッセイ
以下のアッセイは、以下に記載される実施例に使用される標準的なアッセイである。時には、特定のプロトコルは、これらの標準的なアッセイから逸脱する必要がある。このような場合、以下のこれらの標準的なアッセイプロトコルからの逸脱は、実施例で明らかにされる。
性能指数
酵素の性能指数(PI)は、同じタンパク質濃度での変異体(測定値)と親酵素(理論値又は測定値)の性能を比較する。親酵素の理論濃度は、親酵素の標準曲線のラングミュアフィットから抽出されたパラメーターを用いて計算することができる。1よりも大きいPI(PI>1)は、親(例えば、AprL成熟タンパク質、配列番号2)と比較して、変異体により改善された性能を示し、1のPI(PI=1)は、親と同じ性能の変異体を示し、1未満のPI(PI<1)は、親よりも劣る性能の変異体を示す。
タンパク質定量アッセイ
タンパク質濃度を、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)法を用いて、96ウェルマイクロタイタープレート(MTP)で増殖された培養物から得られた上清の統合ピーク領域を測定して決定した。Acquity UPLC BEH 125 SEC(Waters)サイズ排除カラムを備えたAgilent 1200又は1260 HPLCを使用した。250mMの塩化ナトリウムを含むpH6.8の25mMのリン酸ナトリウム緩衝液を用いてカラムから試料を溶出した。220nmで吸光度を測定し、ChemStationソフトウェア(Agilent Technologies)を用いてピークを統合した。試料のタンパク質濃度を、精製親酵素の標準曲線に基づいて計算した。
プロテアーゼ活性
AprLプロテアーゼ及びその変異体のプロテアーゼ活性を、N−suc−AAPF−pNA又はジメチルカゼイン(DMC)基質の加水分解の測定によって試験した。AAPFアッセイでは、使用する試薬溶液は:pH8.6の100mM トリス、10mM CalCl2、0.005% Tween(登録商標)−80(トリス/Ca緩衝液)、及びDMSO(suc−AAPF−pNAストック溶液)(Sigma:S−7388)中、160mM suc−AAPF−pNAとした。希釈標準溶液を調製するために、1mLのsuc−AAPF−pNAストック溶液を100mLのトリス/Ca緩衝液に添加して混合した。酵素試料を、MTP(Greiner 781101)を含む1mg/mLのsuc−AAPF−pNA希釈標準溶液に添加し、SpectraMaxプレートリーダーを用いて、動的モード、RTで3分間に亘って405nmで活性についてアッセイした。プロテアーゼ活性は、OD/分として表した。
DMCアッセイでは、使用した試薬溶液は:pH9.5の100mM 炭酸ナトリウム中、2.5%ジメチルカゼイン(DMC,Sigma)、試薬A中、0.075% TNBSA(2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸、Thermo Scientific)とした。試薬A:MQ水中、1000mLの最終量に達する、15mLの4N NaOH中、45.4gのNa2B4O7.10H20(Merck)、希釈溶液:10mM NaCl、0.1mM CaCl2、0.005% Tween−80、0.02% Na−アジド。MTP(Greiner PS−microwell 384)を、47.5uLのDMC基質で満たし、次いで2.5μLの20ppm プロテアーゼ上清を添加した。試薬A中、50μLのTNBSAを添加し、ゆっくりと混合した。活性を、SpectraMaxプレートリーダーを用いて、動的モード、RTで5分間に亘って405nmで測定した。AAPFアッセイで上述したように、活性は、OD/分として表した。
安定性アッセイのための一般的な試料の準備
変異体を、高温でのインキュベーション後に残存活性を測定することによって、様々なストレス条件下(以下の表に示されている緩衝液及び洗剤)で安定性について試験した。この高温は、ストレスを受けていない試料と比較してストレスを受けた試料が約30%の残存活性を得るように設定した。希釈酵素試料をストレッサーで混合し、ストレスを受けていないプロテアーゼ活性を測定した。ストレッサー内の希釈試料を高温でインキュベートし、次いで、AAPF又はDMC加水分解によってストレスを受けたプロテアーゼの活性を測定した。
安定性アッセイの条件は、以下の表1に示され、洗剤は、安定性アッセイで使用する前に不活化された。
ストレスを受けない条件では、酵素を、AAPF又はDMCに対する活性についてすぐにアッセイした(上を参照)。ストレスを受ける条件では、PCRプレートを密封し、Eppendorf 385 MasterCycler Pro Thermocyclerを用いて高温で5分間インキュベートし、次いで活性についてアッセイした。ストレスを受けた活性及びストレスを受けていない活性を、上記のように、合成基質の加水分解又はDMC法によって測定した。ストレスを受けた活性のストレスを受けていない活性に対する比率を求め、この値に100を乗じて残存活性率を計算した。変異体の残存活性を野生型の活性で除して、安定性PIを得た。
洗濯洗剤及び自動食器洗い用洗剤における洗浄性能
洗濯ベースの適用例ではBMI(綿に付着された血液/牛乳/インク)マイクロスウォッチ(EMPA−116)で、皿洗いベースの適用例では卵黄(カーボンブラック染料で着色されて時間が経過したポリアクリル布地に付着された卵黄)マイクロスウォッチ(PAS−38)で、野生型AprLに対する洗浄性能について変異体を試験した。(MPTに適合するように)事前に孔があけられ、濯がれ、充填されたスウォッチを含むプレート(Corning 3641)が、Center for Testmaterials BV.Vlaardingen,Netherlandsで調製された。このマイクロスウォッチプレートを、酵素の添加の前に洗剤で満たした。市販の洗剤を熱で不活化して酵素活性をなくし、表2に記載されている用量にした。
酵素の不活化の洗剤処理は以下の通りである。HDL洗濯洗剤を、希釈されていない液体を水槽内で95℃に16時間加熱することによって不活化した。完全な不活化を確認するためのAAPF基質を用いた不活化後に、プロテアーゼ活性をアッセイした。HDD洗濯洗剤は、最終洗浄アッセイに使用される溶液に対して10倍の濃度の溶液を調製して、95℃で16時間加熱することによって不活化した。AAPF基質を用いた不活化後に、プロテアーゼ活性をアッセイした。HDD及びHDL洗剤の両方は、16時間の加熱後に、プロテアーゼ活性は存在しなかった。表3は、pH10.5のGSM−B ADW洗剤(WFK Testgewebe GmbH,Brueggen,Deutschland,www.testgewebe.deから購入)の組成物を示している。
酵素のアリコートを、5〜0.5ppmの最終酵素濃度で最終量が洗濯アッセイ用の200μLに達するまで洗剤充填マイクロスウォッチプレートに添加した。HDL又はHDD調合物を用いる洗濯洗浄アッセイを、25℃で15〜20分間行い、自動洗い(ADW)アッセイを、40℃で30分間行った。インキュベーション後、100μLの上清を新しいMTP(Costar 9017)に移し、SpectraMaxプレートリーダーを用いて、EMPA−116スウォッチは600nmで、PAS−38スウォッチは405nmで吸光度を読み取った。各試料の値からブランク対照(酵素なし)の値を減算して吸光度の結果を得た。各アッセイ条件での洗浄PIを、所与の変異体の吸光度の値を同じ濃度での推定野生型の吸光度で除して得た。野生型の値は、精製された親の標準曲線をラングミュアフィットに適合させることによって決定した。
実施例2
AprLプロテアーゼの部位評価ライブラリー(SEL)の作成
AprL配列をコードする合成遺伝子を、GeneArt,Life Technologiesによって合成し、発現ベクター「pHYT」(pHY300PLK(Takara)に由来)にクローニングした。pHYT発現ベクターは、aprEプロモーター及びリーダー配列を含む。AprL遺伝子(pHYT−AprL)を含むpHYTベクターのマップが図1に示されている。AprL遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号1に示されている。成熟型のAprLタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号2に示されている。aprEプロモーターのヌクレオチド配列は、配列番号3に示されている。シグナルペプチドのヌクレオチド配列は、配列番号4に示されている。ポリペプチドのヌクレオチド配列は、配列番号5に示されている。ターミネーターのヌクレオチド配列は、以下に配列番号6として示されている。
当技術分野で公知の分子生物学の技術を用いて、AprL成熟タンパク質の各部位の位置ライブラリーを作成した。各部位の対応するコドンを、(可能な19のうちの)少なくとも10の異なるアミノ酸のコドンで置換した。適切なB.サブチリス(B.subtilis)宿主株を、変異体を含む発現プラスミドで形質転換した。変異体は、96ウェルMTPに入れられていた。変異体を、正方形のenzyscreenプレート内の25ppmのテトラサイクリンを含む培養培地(MOP緩衝液をベースとした濃縮半規定培地であり、主な窒素源としての尿素、主な炭素源としてのグルコースを含み、ロバストな細胞増殖のために1%ソイトンが添加さている)で、32度、300rpm、80%の湿度で2日間、振盪インキュベーターで増殖させた。
実施例3
作製位置及び組み合わせ可能な変異
作製位置は、改善された特徴を示すコンビナトリアル変異体の作製に最も有用である分子内の位置であり、この位置自体が、少なくとも1つの組み合わせ可能な変異を可能にする。組み合わせ可能な変異は、コンビナトリアル変異体を作製するために使用することができる置換である。
組み合わせ可能な変異は、発現、活性、又は安定性のいずれも著しく低下させることなく、分子の少なくとも1つの所望の特性を改善する組み合わせ可能な変異である。AprLの組み合わせ可能な変異は、実施例1で説明される以下のアッセイから得られるPI値を用いて決定した:発現(タンパク質定量);プロテアーゼ活性(AAPFアッセイ及びDMCアッセイ);以下の洗剤における洗浄活性:pH10.6のKirkland Ultra HDD、pH10.6のOMO Color HDD、pH10.6のSurf Excel HDD、pH8.2のKirkland Ultraclean、HDL、pH8.2のOMO Klein & Krachtig HDL、pH6.5のBlue Moon HDL、pH10のGSM−B、pH9のGSM−B;以下の洗剤及び緩衝液での安定性アッセイ:53.5℃のLAS−EDTA緩衝液、56℃の10% Kirkland Ultra、及び51℃の10% OMO Klein & Krachtig。
組み合わせ可能な変異は、以下の基準に従ってグループ分けした:(i)発現、1つ以上の洗浄活性アッセイにおける活性を含むプロテアーゼ活性、及び1つ以上の安定性アッセイについてのAprL親に対する最小PIが≧0.9であり、加えて、これらの試験のいずれか1つのPIが≧1.0である変異体(グループA);(ii)発現、1つ以上の洗浄活性アッセイにおける活性を含むプロテアーゼ活性、及び1つ以上の安定性アッセイについてのAprL親に対する最小PIが≧0.8であり、加えて、これらの試験のいずれか1つのPIが≧1.2である変異体(グループB);又は(iii)発現、1つ以上の洗浄活性アッセイにおける活性を含むプロテアーゼ活性、及び1つ以上の安定性アッセイについてのAprL親に対する最小PIが≧0.5であり、加えて、これらの試験のいずれか1つのPIが≧1.5である変異体(グループC)。
組み合わせ可能な変異の特性が、表4に要約される。
グループA、B、及びCは、複数の置換に対して異なる程度の許容度を有するアミノ酸位置を更に含む。作製位置を特定するために、本発明者らは、各位置で許容される置換の程度を測定し、各位置に作製スコアを割り当てる。作製スコアは、以下に示される基準を用いて、グループA、B、又はCに含まれる各位置内での置換のパーセンテージに従って割り当てた。
作製位置は、複数の置換に対してある程度の許容度を示すが、同時に以下に示される組み合わせ可能性についての一連の基準を満たす位置として定義する。作製位置の作製スコアを決定する基準は、以下のように示される:(i)所与の位置における置換の15%未満がグループA、B、又はCに含まれる位置に、「1」の作製スコアが与えられ;(ii)所与の位置における置換の40%未満、かつ15%以上がグループA、B、又はCに含まれる位置に、「2」の作製スコアが与えられ;(iii)所与の位置における置換の60%未満、かつ40%以上がグループA、B、又はCに含まれる位置に、「3」の作製スコアが与えられ;かつ(iv)所与の位置における置換の60%以上がグループA、B、又はCに含まれる位置に、「4」の作製スコアが与えられる。
作製スコアが「1」の位置は:4、17、21、30、33、36、47、49、51、62、66、72、74、75、76、93、106、107、110、111、112、121、134、135、137、138、141、149、151、156、157、159、163、169、175、183、186、188、191、204、207、208、209、215、223、224、227、229、230、231、232、233、236、249、250、254、255、260、267、269、271、及び273である。
作製スコアが「1」の位置及び対応する変異は:4(V、I);17(Q、H、M);21(F、Y);30(V、C、T);33(T、C、M);36(Q、E、H);47(G、A、M);49(S、I、T);51(V、C、I);62(G、S);66(H、R);72(A、G、S);74(L、G);75(D、C、E);76(N、K);93(K、D);106(I、G、M);107(V、F、I);110(I、F);111(E、D、Q);112(W、A);121(I、L、M);134(M、L);135(K、E、H);137(A、S);138(V、C、S);141(A、S);149(V、C);151(A、G、P);156(G、E);157(S、D、R);159(G、A、F);163(T、E);169(K、R);175(A、C);183(S、A、G);186(A、C);188(F、W);191(V、C);204(V、I);207(T、C);208(Y、F);209(P、S);215(T、C、V);223(S、A、C);224(P、A);227(A、S);229(A、G、S);230(A、\G);231(A、C);232(L、Q);233(I、V);236(K、A);249(L、I、M);250(S、A、G);254(T、D);255(Y、C、E);260(F、C、W);267(I、C);269(V、A、C);271(A、D、E);及び273(A、S)である。
作製スコアが「2」の位置は:2、3、10、18、19、28、29、31、35、37、38、40、44、46、50、54、56、61、67、68、71、87、90、91、92、101、103、104、113、118、120、123、130、131、133、139、145、147、148、181、182、184、193、205、211、212、214、216、217、221、235、242、245、248、251、258、259、及び268である。
作製スコアが「2」の位置及び対応する変異は:2(Q、A、I、N);3(T、E、I、Q、V);10(L、F、M、Q);18(A、C、D、E、S);19(Q、A、D、E、G、M);28(V、A、C、S);29(A、C、S、T、V);31(L、C、I、V);35(I、A、C、G、M、S、T、V);37(A、E、G、S);38(S、A、C、E、G、N、T);40(P、A、C、D、E、M、V);44(V、C、E、P、S、T);46(G、A、C、D、W);50(F、H、K、M、Q、R、V、Y);54(E、Q、R、T);56(Y、C、E、F、H、P);61(N、A、D、F、H、K、Q);67(V、M、N、Q);68(A、C、G、N、S、T);71(V、A、G、L、S);87(V、C、G、S、T);90(Y、A、C、F、H、N、V);91(A、G、M、P、V);92(V、A、C、I、T);101(G、A、C、N、S、T);103(Y、A、F、I、L、M、V、W);104(S、A、D、E);113(A、C、G、S);118(M、F、H、P、Q);120(V、A、C、I、S、T);123(M、C、I、L、N、Q、S);130(G、D、E、H、S);131(S、D、R、T);133(A、G、M、P、S、T、V);139(D、G、K、N、S、T);145(G、D、N、S);147(V、A、L、M、N);148(V、A、C、F、M、Q、S);181(S、A、C、D、H、Q);182(N、C、D、E、Q);184(N、C、E、H、M、Q);193(A、D、P、Q、R);205(Y、C、E、F、I、M、V);211(N、C、E、S);212(T、A、D、S);214(A、E、H、L、T);216(L、A、C、H、K、M);217(N、C、E、S);221(M、C、H、K);235(S、C、D、E、G);242(A、E、G、N、S);245(V、A、C、I、T);248(R、A、N、Q、S);251(S、A、C、E、G、N);258(S、C、D、E、H、P);259(S、E、P、Q);及び268(N、D、E、Q)である。
作製スコアが「3」の位置は:1、9、22、24、25、53、86、89、95、100、105、108、114、115、119、125、128、140、146、155、158、187、202、203、234、237、240、243、244、及び264である。
作製スコアが「3」の位置及び対応する変異は:1(A、D、E、F、G、N、Q、S、T、V);9(P、A、C、D、E、G、N、Q、S、T);22(K、A、F、M、Q、R、S、T、VY);24(A、C、D、E、G、N、Q、S、W);25(N、D、E、F、G、H、L、M、P、Q、R、S);53(G、C、D、E、H、K、N、Q、R);86(S、C、E、H、K、L、N、R);89(L、A、C、F、G、I、M、N、S、V);95(L、A、F、G、I、M、Q、S、V);100(S、C、F、G、M、N、R、T、Y);105(G、A、C、D、I、M、N、R、S、T);108(S、E、F、G、H、K、L、N、Q、R、Y);114(T、A、C、D、F、I、K、L、N、Q、S、V);115(T、D、E、F、H、I、K、Q、S、W);119(D、A、E、F、G、H、M、Q、S);125(L、A、E、F、I、N、S、V、Y);128(A、C、D、E、H、K、N、P、Q、R、S、T);140(N、C、D、F、G、H、M、R、T、V);146(V、A、E、H、I、K、L、N、Q、S、T);155(S、A、D、E、F、G、H、K、N、Q、R、W);158(S、A、D、E、I、K、N、Q、R);187(S、A、C、D、E、H、K、P、Q、W);202(A、C、D、E、I、K、L、M、Q、S、T、V);203(G、A、C、E、H、K、M、N、Q、R、S);234(L、E、F、H、Q、S、W、Y);237(H、A、C、D、G、I、M、N、Q、S);240(L、A、D、E、F、I、M、N、Q、T);243(S、C、E、F、I、N、Q、T、V、W);244(Q、A、C、D、E、G、H、I、N、R、S、V);及び264(K、A、C、D、H、M、Q、R、S、Y)である。
作製スコアが「4」の位置は:12、15、26、27、43、45、48、52、55、57、58、60、77、78、88、96、97、98、99、102、116、117、126、127、129、132、136、143、144、160、161、165、171、210、238、239、241、247、及び274である。
作製スコアが「4」の位置及び対応する変異は:12(K、A、C、F、G、H、L、M、N、Q、S、Y);15(K、A、C、E、F、H、I、M、N、R、S、T、V);26(V、A、C、E、H、I、M、N、Q、R、S、T);27(K、A、C、D、E、L、M、N、P、Q、R、T);43(N、A、C、F、G、H、I、K、L、M、Q、R、S、W、Y);45(V、A、C、D、E、F、G、I、K、M、N、P、Q、R、S、T、Y);48(A、C、D、E、F、H、I、K、M、N、Q、R、W、Y);52(A、C、D、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y);55(A、C、D、E、F、G、H、I、M、N、P、Q、R、S、T、V);57(N、A、C、D、E、G、H、P、R、S、V、Y);58(T、C、D、F、H、I、K、L、M、P、R、S、V、W、Y);60(G、C、E、F、H、I、K、L、M、Q、R、T、Y);77(T、C、D、F、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、W);78(T、C、D、G、I、L、N、Q、S、V、W、Y);88(S、A、E、F、G、L、M、N、Q、R、T、V、W、Y);96(N、A、C、D、E、G、H、I、K、L、M、Q、S、V、Y);97(S、A、C、D、F、G、H、I、K、M、N、P、Q、R、T、W、Y);98(S、A、D、E、F、H、K、L、N、P、R、T、V、Y);99(G、A、C、D、E、L、M、Q、S、T、V、W);102(S、A、D、E、F、G、K、L、N、P、Q、R、T);116(N、A、C、D、E、F、G、H、K、L、M、Q、R、S、T、V、Y);117(G、C、D、E、H、K、M、N、Q、R、T、V);126(G、A、C、E、H、I、K、M、N、Q、R、S、T、V、W、Y);127(G、A、D、E、F、I、L、M、Q、S、T、V、W、Y);129(S、C、E、F、H、I、M、N、Q、R、T、V、W、Y);132(T、A、C、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、V、W、Y);136(Q、A、C、D、F、G、H、K、L、N、R、S、T、W);143(A、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、S、T、Y);144(R、A、C、D、E、F、G、H、L、M、N、Q、V、Y);160(N、A、C、D、G、I、K、M、P、R);161(T、A、C、D、E、I、K、L、M、Q、R、W);165(G、A、E、I、K、L、P、Q、R、S、T、Y);171(D、A、C、G、H、I、K、N、P、Q、S、T、V);210(T、C、D、E、F、H、I、M、N、P、V、Y);238(P、A、C、D、E、F、G、I、L、M、N、Q、R、S、T、W);239(N、A、C、D、E、H、I、K、L、M、S、T、V、Y);241(S、C、D、E、H、L、N、P、Q、T、V);247(N、A、D、E、F、H、I、L、M、Q、S、V、W、Y);及び274(Q、A、C、D、E、F、G、H、I、L、N、S、T、V、W)である。
AprLにおける組み合わせ可能な変異は、実施例1に記載されているアッセイから得られたPI値を用いて決定した:タンパク質定量(発現)、プロテアーゼ活性アッセイ(AAPF、DMC)、以下の洗剤における洗浄活性(pH10.6のKirkland Ultra HDD、pH10.6のOMO Color HDD、pH10.6のSurf Excel HDD、pH8.2のKirkland Ultraclean、HDL、pH8.2のOMO Klein & Krachtig HDL、pH6.5のBlue Moon HDL、pH10のGSM−B、及びpH9のGSM−B)、及び以下の洗剤及び緩衝液(53.5℃のLAS−EDTA緩衝液、56℃の10% Kirkland Ultra、及び51℃の10% OMO Klein & Krachtig)における安定性アッセイ。組み合わせ可能な変異は、実施例4に示される基準に従ってグループA、B、又はCに割り当てた。これらの置換に、置換が起きているグループ(A、B、C)に基づいた適合性スコアが更に割り当てられ、適合性スコアが高ければ高いほど、コンビナトリアル変異体の作製に使用するのにより適した置換を表す。適合性スコアは、表5に明示される。上記の基準に適合するAprLの個々の置換の適合性スコアは、表6に報告される。
特定の洗浄用途での有利なAprL変異の評価
SEL変異体を、以下に記載されるように異なるアッセイ条件でのそれらの性能に基づいて様々なカテゴリーに更にグループ分けした。この分析では、HPLC PI値が0又は0.1であるSEL変異体を除外した。加えて、各アッセイでは、対応するCV値が0未満又は100超である場合は、PI値を空白にした。
性能の各カテゴリーで最良の変異を得るために、HPLC PI値及びpH6のHDL PI値に加えて、4つの代用PI値を計算した:(1)BMI−OMO−HDD PI又はBMI−Kirkland−HDD PIよりも大きいHDD PI値;(2)BMI−OMO−HDL PI又はBMI−Kirkland−HDL PIよりも大きいHDL PI値;(3)EGG−GSM9 PI又はEGG GSM10 PIよりも大きいADW PI値;及び(4)最大のLAS/EDTA安定性PI、HDL Kirkland安定性PI、又はHDL OMO安定性PIである安定性PI。
pH8のHDLの適用例で最も有利な変異をグループ分けするために、pH8の代用HDL PI値を、1.1よりも大きく設定し、全ての他のPI値のカットオフを、0.8よりも大きく設定した。HDDの適用例で最も有利な変異では、代用HDD PIを、1.1よりも大きく設定し、全ての他のPI値のカットオフを、0.8よりも大きく設定した。ADWの適用例で最も有利な変異では、代用ADW PIを、1.1よりも大きく設定し、全ての他のPI値のカットオフを、0.8よりも大きく設定した。pH6のHDLの適用例で最も有利な変異では、pH6の代用HDL PI値を、1.1よりも大きく設定し、全ての他のPI値のカットオフを、0.8よりも大きく設定した。最も有利な安定性の変異では、安定性PI値を、1.2よりも大きく設定し、全ての他のPI値のカットオフを、0.8よりも大きく設定した。各カテゴリーで得られる変異の数は、以下の表7に示され、各カテゴリーにおける特定の変異が以下に列記される。
各カテゴリーにおけるグループ分けの基準:特定のカテゴリー、すなわち、ADW、pH6のHDL、pH8のHDL、又はHDDについてはPI>1.1、及び発現を含む試験された全ての特性についてはPI>0.8;又は安定性についてはPI>1.2、及び発現を含む試験された全ての特性についてはPI>0.8。
ADWの適用例で最も有利な変異のリスト:A001C、A001D、A024E、A024G、A048C、A048D、A048K、A048N、A052F、A052M、A052V、A052Y、A055C、A072G、A091G、A113C、A128P、A128Q、A133G、A133S、A133T、A143E、A143F、A143H、A143N、A143S、A143W、A193D、A202C、A202D、A202E、A202Q、A227S、D119F、D119S、D119Y、G053C、G053E、G053N、G053Q、G060L、G060Y、G099A、G099T、G101A、G117D、G117V、G127A、G127S、G127T、G130D、G130H、G203A、G203C、G203E、G203M、H237I、I035A、I035C、I035M、I035T、I121L、K012N、K015M、K027C、K027L、K027M、K027R、K264A、K264S、L010M、L095F、L125V、L234Q、L240N、L249I、M123C、M123I、M123L、N025F、N025G、N025L、N025S、N057C、N061A、N076G、N096D、N096G、N116A、N116C、N116L、N116Y、N140A、N160C、N182C、N182D、N184C、N211S、N247F、N247H、N247I、N247L、N247Q、N247S、N247V、N247W、N247Y、P009E、P009T、P238A、P238C、P238D、P238F、P238I、P238R、Q017H、Q136A、Q136C、Q136F、Q136H、Q136K、Q136L、R144F、R144L、R248K、S086R、S088N、S088Y、S097G、S097H、S097Y、S098H、S098L、S100L、S102D、S102E、S102G、S102K、S129E、S129H、S155A、S155D、S155E、S155H、S157D、S158I、S158Q、S181A、S181Q、S183G、S241R、S241T、S243I、S243N、S243T、S243V、S243Y、S251E、S258C、S258D、S258P、T058C、T058D、T058F、T058I、T077C、T077F、T077L、T077M、T078Q、T132A、T132Q、T132V、T132Y、T161Q、T210I、T215C、V026Q、V026R、V026T、V028A、V028C、V045I、V071A、V071L、V120A、V120C、V120I、V146A、V146H、V146K、V147L、V149C、Y056H、及びY255C.
HDDの適用例で最も有利な変異のリスト:A029T、A048K、A048R、A052F、A052R、A068G、A113C、D119H、E111Q、G099A、G099S、G127A、G127T、G165A、K012G、K012H、K027C、K027E、K027M、L095F、L125I、L125V、L240Q、N025F、N025G、N025L、N043R、N116R、N140R、N160C、N184C、N239K、P238C、P238I、P238M、Q136F、Q136H、Q136K、Q136R、Q136W、S098F、S098H、S104A、S158Q、S241R、V045R、及びY103M.
HDL(pH8)の適用例で最も有利な変異のリスト:A001C、A048R、A052F、G099S、G099T、G101A、G127F、G127I、G127M、G127Q、G127T、G127V、I121M、L010M、L095A、L095F、L095Q、L095S、L125I、L125V、M123C、M123I、N025F、N025S、N116C、N140R、N184C、P238C、P238D、P238I、P238M、P238N、Q136A、S098F、S098H、S102D、S158Q、S241R、T077C、T077F、T215C、V026I、V026Q、V045R、及びV149C.
HDL(pH6)の適用例で最も有利な変異のリスト:A001C、A024E、A128D、G053C、G099T、G101A、G101N、G165E、G203C、L095Q、L095S、L125S、N061E、N116C、N184C、S098D、S102D、S102E、S104D、S129E、S155D、S158E、及びV026T.
安定性について最も有利な変異のリスト:A001C;A001D;A001E;A001Q;A001S;L010M;L010Q;S100G;S102K;S102R;Y103F;Y103M;S104D;G105M;G105R;S108F;S108H;S108K;S108R;E111Q;T114D;T115D;T115E;T115F;T115K;T115Q;N116E;K012C;K012F;K012H;K012M;K012N;K012Q;K012Y;V120S;M123C;M123I;L125I;G127A;G127D;G127I;G127M;G127S;G127T;G127V;A128E;A128H;A128K;A128P;A128R;A128S;A128T;S129H;S129Q;S129R;S129T;S129V;T132C;T132D;T132E;T132K;T132N;T132P;Q136A;Q136C;Q136K;Q136R;V138C;A143D;A143N;G145S;V147L;V148A;V148C;V148M;V148Q;K015A;K015C;K015E;K015I;K015M;K015S;K015T;K015V;S155D;S155F;S155K;S155N;S155R;S157D;S158D;S158I;S158K;S158R;N160C;N160D;N160I;N160M;N160R;T161C;T161D;T161E;T161K;T161Q;T161R;G165A;G165E;G165Q;G165R;G165S;Q017H;A018D;A018E;S181Q;N182D;S183A;S183G;N184C;N184E;N184Q;A186C;S187D;S187E;S187P;Q019D;Q019E;A193D;A193R;A202D;A202E;A202K;A202Q;A202V;G203A;G203C;G203E;G203N;G203Q;Y205E;T210C;T210E;T210I;T210P;T210V;A214E;T215C;L216C;L216H;L216K;L216M;N217S;L234E;L234F;L234Q;L234S;S235D;S235E;P238T;N239A;N239D;N239H;N239M;N239S;N239T;A024E;A024Q;L240D;S241E;S241N;S241Q;S241V;A242G;A242N;S243E;S243Q;S243V;Q244C;Q244E;V245A;V245C;V245T;N247D;N247W;N025D;N025G;N025Q;S250G;S251E;S258C;S258D;S258E;S258H;S258P;S259E;S259P;S259Q;V026A;V026C;V026E;V026H;V026Q;V026R;F260W;K264A;K264C;K264D;K264H;K264M;K264Q;K264S;K264Y;I267C;N268D;N268E;N268Q;V269C;K027C;K027D;K027E;K027M;K027P;A271E;Q274A;Q274C;Q274D;Q274E;Q274G;A029S;T003E;T003I;T003Q;T003V;V030C;I035A;I035S;I035T;I035V;S038T;N043A;N043C;N043F;N043H;N043Q;V044P;V045A;V045C;V045D;V045E;V045F;V045G;V045M;V045N;V045Q;V045R;V045S;V045T;G046D;A048N;A048W;F050H;V051I;A052F;A052G;A052K;A052N;A052P;A052R;A052V;G053N;G053R;A055C;A055D;A055E;A055G;A055H;A055N;A055S;A055V;N057C;N057E;N057G;N057V;T058C;T058I;T058K;T058W;A068C;A068N;A068S;V071A;L074G;D075E;N076K;T077C;T077D;T077H;T077M;T077N;T077P;T077Q;T077S;T078D;T078I;T078V;S086E;S086H;S086R;V087C;V087G;V087S;V087T;S088E;S088N;S088R;L089N;P009C;P009D;P009E;P009N;P009T;L095A;L095V;N096S;S098K;S098R;及びG099Q.
実施例4
AprLプロテアーゼの関連分子に対する比較
相同プロテアーゼの同定
関連タンパク質を、NCBI非冗長タンパク質データベースに対するBLAST検索(Altschul et al.,Nucleic Acids Res,25:3389−402,1997)によって同定し、サブセットが表8に示されている。同様の検索を、クエリ配列としてAprLプロテアーゼの成熟タンパク質アミノ酸配列(配列番号2)を用いて、検索パラメーターがデフォルト値に設定されたGenome Quest Patentデータベースに対して行い、サブセットが表9に示されている。両方の検索セットのパーセント同一性(PID)を、同一の残基の数をペアワイズアラインメントで整列した残基の数で除した値として定義する。表に「配列長さ」として示される値は、列記されたアクセッション番号で示されるタンパク質の(アミノ酸の)長さに一致し、「整列長さ」は、アラインメント及びPID計算に使用される配列を指す。
サブチリシン配列とAprLとのアラインメント
成熟AprL(配列番号2)タンパク質のアミノ酸配列を、デフォルトパラメーターを用いたCLUSTALWソフトウェア(Thompson et al.,Nucleic Acids Research,22:4673−4680,1994)で複数のサブチリシン配列と整列させた。図2は、AprLタンパク質とこれらのプロテアーゼ配列のサブセットとのアラインメントを示している。
実施例5
サブチリシンBliD02339の発見及び同定
B.リケニホルミス(B.licheniformis)Bra7(Culture Collection Dupont)のゲノムのシークエンシングにより、この株が、サブチリシンCarlsberg(NCBIデータベースアクセッション番号CAJ70731.1)とは異なるサブチリシン、及びB.リケニホルミス(B.licheniformis)種由来の他のサブチリシンを産生することが明らかにされた。B.リケニホルミス(B.licheniformis)Bra7のサブチリシン(前駆体)をコードする遺伝子、BliD02339.nの配列は、配列番号7に示されている。
BliD02339.n遺伝子によってコードされるプレプロ酵素は、配列番号8に示されている。N末端において、タンパク質は、SignalP−NN(Emanuelsson et al.,Nature Protocols(2007)2:953−971)によって予測された29のアミノ酸長のシグナルペプチドを有する。このシグナルペプチド配列は、配列番号8で下線が引かれ、太字で示されている。シグナルペプチドの存在は、このセリンプロテアーゼが分泌酵素であることを示唆している。他のセリンプロテアーゼと同様に、酵素は、76のアミノ酸であると予測されるプロ配列(配列番号8にイタリック体で示されている)を有する。この予測は、相同セリンプロテアーゼ様サブチリシンCarlsberg(Waldeck et al.,Appl.Environ.Microbiol.(2006)72:7879−7885)のプロ成熟接合部に基づいている。予測される完全に処理された成熟鎖の配列(BliD02339、274のアミノ酸)は、配列番号9に示されている。BliD02339プレプロ酵素のアミノ酸配列は、配列番号8に示されている:
実施例6
BliD02339プロテアーゼとサブチリシンCarlsbergとの比較
BliD02339プロテアーゼとサブチリシンAprLとの配列アラインメントが図3に示されている。BliD02339は、4つの位置:86位、128位、194位、及び211位でサブチリシンCarlsbergと異なる。最も目立つのは、BliD02339の194位のリジン残基である(サブチリシンCarlsbergは、この位置にアスパラギン酸残基を有する)。なぜなら、これにより、BliD02339とサブチリシンCarlsberg及び当技術分野で公知の他のB.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシンとの間に電荷の著しい差異が生じるからである。BliD02339のpH7での計算電荷は1.19であり、サブチリシンCarlsbergの計算電荷は−0.80である。この電荷の差異は、酵素様洗剤の性能、安定性、及び/又は産生性の特性に影響を与え得る。
実施例7
BliD02339の相同発現
BliD02339プロテアーゼを、B.サブチリス(B.subtilis)aprEプロモーター、B.サブチリス(B.subtilis)aprEシグナルペプチド配列、ナイーブBliD02339プロテアーゼプロペプチド、成熟BliD02339プロテアーゼ、及びBPN’ターミネーターからなる発現カセットを用いてB.サブチリス(B.subtilis)で産生させた。このカセットを、pHYT複製シャトルベクターにクローニングし、適切なB.サブチリス(B.subtilis)株に形質転換した。pHYTベクターは、BstEII及びEcoRI部位を用いて、テトラサイクリン耐性遺伝子の後にターミネーターを付加することによってpHY300PLK(Takara)から得た(ターミネーター配列(配列番号10))。また、pHY300PLKのHindIII部位を、BamHI及びHindIII部位にクローニングされたリンカーを用いて除去した(新しリンカー配列、(配列番号11))。BliD02339遺伝子(pHYT−BliD02339)を含むpHYTベクターのマップが図4に示されている。
BliD02339を産生させるために、pHYT−BliD02339を含む適切なB.サブチリス(B.subtilis)株を、主な窒素源としての尿素、主な炭素源としてのグルコースを含み、そしてロバストな細胞増殖のために1%ソイトンが添加さているMOP緩衝液をベースとした濃縮半規定培地で培養した。この培地に、25ppmのテトラサイクリンを添加した。インキュベーション(32℃で2日間)後に、BliD02339プロテアーゼが増殖培地で検出された。遠心分離及び濾過後、BliD02339プロテアーゼを含む培養上清をアッセイに使用した。
stain−free Imager Criterion法によってタンパク質を定量した。この方法は、stain−freeプレキャストPAGEゲルの利用に基づいており、各バンドの強度は、目的のタンパク質に存在するトリプトファン残基の量に依存する。PAGE用のCriterion(商標)TGX(Tris−Glycine extended)Stain−Free(商標)プレキャストゲルは、ユニークなトリハロ化合物を含む。これにより、Gel Doc(商標)EZ画像システムでのタンパク質の迅速な蛍光検出が可能となる。トリハロ化合物は、UV誘導反応でトリプトファン残基と反応して蛍光を発生させ、この蛍光をゲル内のGel Doc EZ画像装置によって容易に検出することができる。アッセイに使用される試薬:濃縮(10倍)Laemmli試料緩衝液(Kem−En−Tec,Catalogue #42556);18又は26ウェルCriterion TGX Strain−Freeプレキャストゲル(それぞれ、Bio−Rad,Catalogue #567−8124及び567−8125);及びタンパク質マーカー「Precision Plus Protein Standards」(Bio−Rad,Catalogue #161−0363)。このアッセイは、以下のように行った:25μlのタンパク質試料及び25μlの0.5M HCLを、氷上の96ウェルPCRプレートに添加してプロテアーゼを不活化し、自己加水分解を防止した。50μlの酸性タンパク質ミックスを、96ウェルPCRプレートの0.385mgのDTTTを含む50μLの試料緩衝液に添加した。その後、容器を電気泳動用緩衝液で満たし、ゲルカセットをセットした。次いで、10μLの各試料をマーカーと共に、各ポケットに入れた。その後、電気泳動を200Vで35分間行った。電気泳動後、ゲルを画像装置に移した。Image Labソフトウェアを、各バンドの強度の計算に使用した。標準的な試料のタンパク質の量及びトリプトファンの含量を知ることにより、校正曲線を作成することができる。実験試料の量は、バンド強度の外挿及びタンパク質濃度に対するトリプトファンの数によって決定することができる。このタンパク質定量法を利用して、以下の実施例で示されるアッセイに使用されるBliD02339プロテアーゼの試料を調製した。
単離されたBliD02339プロテアーゼの試料を、以下に記載されるLC−MS/MSによって分析した。N末端及びC末端の決定を含む配列確認の準備として、BliD02339プロテアーゼの試料を、10kDaのスピンフィルターで一連の化学処置を行った。この試料を、尿素及びDTT/ヨードアセトアミド処理によって変性させ、還元/アルキル化した。グアニジル化ステップを行ってリジンをホモアルギニンに変換し、リジン側鎖をアセチル化から保護した。Sulfo−NHS−Acetate(酢酸スルホスクシンイミジル)を用いるアセチル化反応は、タンパク質のN末端残基のみを修飾する。次いで、試料を、40v/v% 18O水:60v/v% 16O水及びタンパク質消化に使用されるタンパク質分解酵素を含む緩衝液と混合した。得られたペプチドは、ペプチドの同位体パターンから明らかなように、天然16Oを保持するカルボキシル末端を除く、18Oと16Oの混合物を含む。タンパク質のN末端に由来するペプチドは、アセチル化ペプチドとしてのみ現れる。得られるペプチドは、nano−LCシステムを用いて分離し、続いてLTQ Orbitrap(Thermo Fisher)高分解能質量分析計によって分析した。アミノ酸配列を、このペプチドのMS/MS断片スペクトルから推定した。この分析に基づいて、単離タンパク質のN末端が、予測成熟配列の1位のAで始まることが確認された。成熟タンパク質の配列は、274のアミノ酸からなる、配列番号9に示された配列に一致すると決定された。
実施例8
BliD02339のプロテアーゼ活性
BliD02339プロテアーゼのプロテアーゼ活性を、DMC基質の加水分解を測定することによって試験した。DMCアッセイに使用される試薬溶液は:pH9.5の100mM 炭酸ナトリウム緩衝液中、2.5%(w/v)ジメチルカゼイン(DMC,Sigma C−9801)、試薬A中、0.075% TNBSA(2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸、Thermo Scientific)とした。試薬A:脱イオン水で1000mLの最終量を達成するために15mLの4N NaOH中、45.4gのNa2B4O7.10H20(Merck)。プロテアーゼ上清を、5分間の加水分解中に線形応答を達成するのに適切な濃度まで希釈溶液:10mM NaCl、0.1mM CaCl2、0.005% Tween−80で希釈した。96ウェルMTPプレートを、95μlのDMA基質で満たし、続いて5μlの希釈プロテアーゼ上清を添加した。次いで、試薬A中、100μLのTNBSAを、ゆっくりと混合しながら添加した。SpectraMaxプレートリーダーを用いて、動的モード、RTで5分間に亘って405nmで活性を測定した。プロテアーゼを含まないブランクの吸光度を測定値から減算した。この活性をOD/分として表した。BliD02339のプロテアーゼ活性曲線が、図5に示されている。DMCアッセイでのBliD02339プロテアーゼの比活性が、26mOD/分/ppmであることが分かった(ppmは、アッセイ中のプロテアーゼの最終濃度である)。GG36及びBPN’プロテアーゼの比活性はそれぞれ、同じアッセイ条件下、54mOD/分/ppm及び23mOD/分/ppmであることが分かった。
実施例9
BliD02339のpHプロフィール
BliD02339プロテアーゼのタンパク質分解活性のpH依存性を、50mM CaCl2を含む50mM Acetate/Bis−Tris/HEPES/CHES緩衝液中、アゾカゼイン基質を用いて試験した。4〜12のpHの影響を、1pH単位の増分で測定した。1つのProtaxyme AKタブレット(Megazyme,Ireland)を、1.9mLの適切な緩衝液及び磁気撹拌棒と共にガラス試験管に入れ、次いで、マグネチックスターラーに載せられた温度が制御される水槽で、40℃で5分間でゆっくりと水和させた。新しく調製したプロテアーゼの100mlの試料(アッセイに適した濃度まで脱イオン水で希釈された)を予備水和基質に添加し、40℃で10分間反応させた。反応を停止させるために、10mLのpH12の2%(w/v)トリス緩衝液を添加し、溶液を撹拌し、すぐにWhatman No.1フィルターで濾過した。上清を収集し、590nmでの吸光度をこの上清で測定して、反応の産物を定量した。緩衝液のみの対照での吸光度を、各試料の測定値から減算し、得られた値を、最適なpHでの活性を100%と定義することによって相対活性のパーセンテージに変換した。BliD02339は、このアッセイの条件下で、6〜12のpH範囲で50%以上の活性を維持すると決定された。
実施例10
BliD02339の温度プロフィール
BliD02339プロテアーゼのタンパク質分解活性の温度依存性を、50mM CaCl2を含むpH9の50mM Acetate/Bis−Tris/HEPES/CHES緩衝液中、アゾカゼイン基質を用いて測定した。30℃〜80℃の温度で、10℃の増分で活性を測定した。1つのProtaxyme AKタブレット(Megazyme,Ireland)を、1.9mLの適切な緩衝液及び磁気撹拌棒と共にガラス試験管に入れ、次いで、マグネチックスターラーに載せられた温度が制御される水槽で、設定温度で5分間ゆっくりと水和させた。新しく調製したプロテアーゼの100mlの試料(アッセイに適した濃度まで脱イオン水で希釈された)を予備水和基質に添加し、30℃〜80℃の温度で10分間反応させた。反応を停止させるために、10mLのpH12の2%(w/)トリス緩衝液を添加し、溶液を撹拌し、すぐにWhatman No.1フィルターで濾過した。上清を収集し、590nmでの吸光度をこの上清で測定して、反応の産物を定量した。緩衝液のみの対照での吸光度を、各試料の測定値から減算し、得られた値を、最適な温度での活性を100%と定義することによって相対活性のパーセンテージに変換した。BliD02339は、このアッセイの条件下で、55〜75℃の範囲で50%以上の活性を維持すると決定された。
実施例11
BliD02339の洗浄性能
BliD02339の洗浄性能を、洗濯ベースの適用例ではBMI(綿に付着された血液/牛乳/インク)マイクロスウォッチ(EMPA−116、Center for Testmaterials,The Netherlands)で、皿洗いベースの適用例では卵黄(カーボンブラック染料で着色されて時間が経過したポリアクリル布地に付着された卵黄)マイクロスウォッチ(PAS−38、Center for Testmaterials,The Netherlands)で試験した。(MTPに適合するように)事前に孔があけられたスウォッチを含むMTP(Corning 3641)を濯ぎ、酵素の添加の前に洗剤で満たした。洗剤OMO color HDD、Kirkland Ultra HDD、OMO Klein&Krachtig HDL、Kirkland Ultraclean HDL、GSM−B 10.5 ADW、及びGSM−B 9 ADWを、上の表2又は表3に示されている用量にした。
市販のHDL洗濯洗剤を、水槽で4時間、95℃に加熱することによって不活化した。市販のHDD洗濯洗剤を、10%(w/v)溶液を用意して95℃で4時間加熱することによって不活化した。不活化後に、AAPF基質を用いてプロテアーゼ活性をアッセイした。HDD及びHDL洗剤の両方は、4時間の加熱後に、プロテアーゼ活性が存在しなかった。
酵素のアリコートを、洗濯アッセイ用の200μLの最終量に達して0.04〜10ppmの最終酵素濃度となるように洗剤充填マイクロスウォッチプレートに添加した。HDL又はHDD調合物を用いた洗濯洗浄アッセイを、25℃で15分間行い、ADWアッセイを、40℃で30分間行った。
インキュベーション後、100μLの上清を、新しいMTP(Costar 9017)に移し、SpectraMaxプレートリーダーを用いて、EMPA−116スウォッチは600nmで、PAS−38スウォッチは405nmで吸光度を測定した。緩衝液のみの対照での吸光度を減算し、(HDL及びHDD洗剤では)600nmで、(ADW洗剤では)405nmで得られたOD値を、プロテアーゼ濃度の関数としてプロットした。このデータを、ラングミュアの式に適合させた。BliD02339の洗浄性能は、図6〜図8のグラフに示されている。
実施例12
AprL及びBliD02339を含むサブチリシンの系統樹
AprLタンパク質(配列番号2)及びBliD02339(配列番号9)の成熟配列の系統樹を、表8に示されているサブチリシンの配列のサブセットを用いて作成した。配列を、Vector NTI Advance suiteに入力し、Guide Treeを、近隣結合法(NJ)を用いて作成した(Saitou,N.;及びNei,M.(1987)Mol Biol Evol 4,406−425)。NJ法は、分析されるべき配列の全ての対間の距離の行列に対して行う。これらの距離は、配列間の相違の程度に関連している。Guide Treeは、配列を整列させた後に計算する。木構成を、以下のパラメーター:配列距離に対するキムラの修正(Kimura’s correction)及びギャップを用いる位置の無視(ignoring positions with gaps)を用いて計算した。AlignXは、図9に示されている系統樹に示されている分子名の後のカッコ内の計算距離値を示している。系統樹分布に基づいて、特定のサブチリシンを、図9に示されているようにグループ分けしてAprL−cladeを形成した。
実施例13
AprL−Cladeサブチリシンのユニークな特徴
図9に示されているように、サブチリシンAprL(B.リケニホルミス(B.licheniformis)Carlsberg)、その近い相同BliD02339、及び他の全てのB.リケニホルミス(B.licheniformis)サブチリシン、更にはB.ソノレンシス(B.sonorenisis)サブチリシンは、cladeを形成する十分な特徴を共有し、以降、AprL−Cladeと呼ばれる。AprLの高分解構造(pdb 3UNX)を使用して、AprL−Cladeの酵素によって共有される不変残基の位置を評価した。他のサブチリシンの高分解構造を、(BPN’ pdb 2ST1とB.レンタス(B.lentus)サブチリシンpdb 1JEAとの)比較として使用した。これらの構造の比較は、AprL−Clade酵素と他のサブチリシンとの間で著しい差異を有する一連の配列/構造モチーフを識別するのに役立った。重要なこれらの不変領域の一部が以下に説明される。
52〜60ループは、BPN’及びB.レンタス(B.lentus)サブチリシンによって例示されるように、AprL−Cladeサブチリシンと他のサブチリシンとの間で大きく異なる。AprL−Cladeサブチリシン配列の1つの特徴は、56〜58位のTyr−Asn−Thr(「YNT」)残基であり、この残基は、AprL−Cladeサブチリシンのこのループの末端の方向を決定する(図10を参照されたい)。図10において、本発明者らは、ユニークなYNT配列がループの頂部に存在することに気付く。このループ52〜60の高次構造は、図示されている異なるサブチリシン構造において異種である。本発明者らは、この差異が、ある程度はこのユニークな配列よるものであると考える。このループは、時には自己分解切断の部位であり、従って、切断されていないAprLループの高次構造がその機能にとって極めて重要である。
AprL−Cladeサブチリシンの残基240〜243は、共通配列Leu−Ser−Ala−Ser(「LSAS」)を有する。この領域では、Leu240は、トリプトファン側鎖が存在する他のサブチリシン、例えば、BPN’及びB.レンタス(B.lentus)に存在する大きい疎水性残基よりも小さい(図11を参照されたい)。AprL−Cladeの小さいLeuは、Arg248側鎖を収容することができ、これにより、ターンの保存、及びAprL−Cladeサブチリシンのこの位置での表面の正電荷の導入が可能となる。
加えて、AprL−CladeサブチリシンのAsn96は、主鎖アミドの残基Ser98と水素結合を形成して、基質結合部位の一部である鎖101〜104につながるターンを安定させることができる(図12を参照されたい)。