JP2018116104A - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

定着装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】定着ベルトとニップ部形成部材との間に設置されたシート状部材に含浸された潤滑剤が、幅方向端部において定着ベルトと保持部材との隙間から漏れ出してしまう不具合が軽減される、定着装置、及び、画像形成装置を提供する。【解決手段】定着装置20には、定着ベルト21を介して加圧ローラ31(加圧回転体)に圧接してニップ部を形成するニップ部形成部材26と、定着ベルト21の幅方向両端部をそれぞれ保持する一対のフランジ29(保持部材)と、潤滑剤が含浸されてニップ部の位置でニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に介在されるように設置されたシート状部材22と、が設けられている。そして、シート状部材22は、その幅方向の範囲Mが、幅方向一端側に設置されたフランジ29と、幅方向他端側に設置されたフランジ29と、の間の幅方向の範囲Nに含まれるように形成されている。【選択図】図5

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、そこに設置される定着装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短い定着装置であって、定着ベルトの幅方向両端部をそれぞれ保持部材(フランジ)で保持したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、特許文献1の定着装置は、定着ベルト、加圧ローラ(加圧回転体)、定着ベルトを介して加圧ローラに圧接してニップ部を形成するために定着ベルトの内部に設置されたニップ部形成部材(固定部材)、定着ベルトの内周面に対向するように設置されたヒータ、等で構成されている。また、ニップ部形成部材には、定着ベルトとの摩擦抵抗を低下させるために、潤滑剤が含浸されたシート状部材が覆設されている。
そして、ヒータによって定着ベルトが直接的に加熱されて、ニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像がニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着されることになる。
一方、特許文献1には、繊維材料からなるシート状部材の織り目の向きが所定方向になるように構成して、シート状部材に含浸された潤滑剤を幅方向一端側から幅方向他端側に向けて流動させる技術が開示されている。
上述した従来の定着装置は、定着ベルトとニップ部形成部材との間に、潤滑剤が含浸されたシート状部材を設置しているため、定着ベルトとニップ部形成部材との摺動抵抗を減ずる効果が大いに期待できる。
しかし、従来の定着装置は、シート状部材に含浸された潤滑剤が、幅方向端部において定着ベルトと保持部材との隙間から漏れ出してしまう可能性があった。そして、そのように漏れ出てしまう潤滑剤の量が多くなってしまうと、シート状部材によって定着ベルトとニップ部形成部材とのニップ部における摺動抵抗を減ずる機能が消失してしまい、定着ベルトやニップ部形成部材の磨耗劣化が進んでしまうことになる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、定着ベルトとニップ部形成部材との間に設置されたシート状部材に含浸された潤滑剤が、幅方向端部において定着ベルトと保持部材との隙間から漏れ出してしまう不具合が軽減される、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明における定着装置は、所定方向に走行する定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面側において前記定着ベルトを介して加圧回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するニップ部形成部材と、前記定着ベルトの幅方向両端部をそれぞれ保持する一対の保持部材と、潤滑剤が含浸されて、前記ニップ部の位置で前記ニップ部形成部材と前記定着ベルトとの間に介在されるように設置されたシート状部材と、を備え、前記シート状部材は、その幅方向の範囲が、幅方向一端側に設置された前記保持部材と、幅方向他端側に設置された前記保持部材と、の間の幅方向の範囲に含まれるように形成されたものである。
本発明によれば、定着ベルトとニップ部形成部材との間に設置されたシート状部材に含浸された潤滑剤が、幅方向端部において定着ベルトと保持部材との隙間から漏れ出してしまう不具合が軽減される、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 定着装置を示す構成図である。 定着装置を幅方向にみた側面図である。 ニップ部の近傍を示す拡大図である。 定着装置の主要部材の幅方向の関係を示す概略図である。 シート状部材を幅方向に示す概略図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部、等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、駆動モータによって図1中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像部76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78の表面に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送される記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98(タイミングローラ対)等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2〜図11にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2〜図4等を参照して、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21(ベルト部材)、ニップ部形成部材26(固定部材)、補強部材23、加熱手段としてのヒータ25(熱源)、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度センサ40、シート状部材22(潤滑剤供給部材)、ネジ24、板状部材28(固定板)、反射部材27、等で構成される。
ここで、定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転(走行)する。定着ベルト21は、内周面21a(ニップ部形成部材26との摺接面である。)側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が5〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
また、定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定されている。なお、本実施の形態では、定着ベルト21の内径が30mm程度に設定されている。
定着ベルト21の内部(内周面側)には、ニップ部形成部材26、ヒータ(加熱手段)、補強部材23、反射部材27、シート状部材22、ネジ24、板状部材28(固定板)、等が固設されている。
ここで、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内周面21aに摺接するように固定されている。そして、ニップ部形成部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、記録媒体Pが搬送されるニップ部が形成される。図3及び図5を参照して、ニップ部形成部材26は、その幅方向両端部が、定着装置20の側板43に固定支持された一対のフランジ29(保持部材)に回転可能に保持されている。
そして、定着ベルト21は、その内部に設置されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱により直接的に加熱される。
加熱手段としてのヒータ25は、ハロゲンヒータ(又はカーボンヒータ)であって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている(図3を参照できる。)。そして、装置本体1の電源部により出力制御されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱によって、定着ベルト21において主としてニップ部を除く部分が加熱される。さらに、加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーミスタ等の温度センサ40によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21の内周面側に1本のヒータ25を設置したが、定着ベルト21の内周面側に複数のヒータを設置することもできる。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されるのではなく、定着ベルト21が周方向の比較的広い範囲にわたって加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。すなわち、比較的簡易な構成で効率よく定着ベルト21を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。
特に、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21がヒータ25(加熱手段)によって直接的に加熱されるように構成されているため、定着ベルト21の加熱効率がさらに向上するとともに、定着装置20をさらに低コスト化・小型化することができる。
図5を参照して、保持部材としての2つのフランジ29は、耐熱性樹脂材料等で形成されていて、定着装置20の幅方向両端部の側板43にそれぞれ嵌め込まれている。フランジ29には、定着ベルト21の円形姿勢を維持しながら定着ベルト21を保持するためのガイド部や、定着ベルト21の幅方向の移動(ベルト寄り)を規制するためのストッパ部、等が設けられている。
なお、本実施の形態における定着装置20において、フランジ29のストッパ部の位置に、定着ベルト21の端部の磨耗を軽減するために、PEEK、PPS、PAI、PTFE等の低摩擦性・耐熱性材料からなるスリッピング部材(リング状部材)を、フランジ29とは別部材として設置することもできる。
なお、本実施の形態において、定着ベルト21の内周面21aに接触する部材は、幅方向両端のフランジ29と、ニップ部形成部材26(実際にはシート状部材22を介している。)と、のみであって、それ以外に内周面21aに接触して定着ベルト21の回転をガイドするような部材(ベルトガイド)は存在しない。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21のさらなる加熱効率の向上や装置の低コスト化・小型化等を目的として、パイプ状の加熱部材を取り外して、パイプ状の加熱部材を介することなく定着ベルト21を加熱手段(ヒータ25)によって直接的に加熱する構成を採用している。具体的に、定着ベルト21の内周面21aをフランジ29で保持する構成を採用している。
ここで、本実施の形態では、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の強度を補強する補強部材23が、定着ベルト21の内周面側に固設されている。図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さがニップ部形成部材26と同等になるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20のフランジ29(保持部材)に保持されている。詳しくは、補強部材23は、フランジ29とニップ部形成部材26との間に挟まれるようにして、その位置が定められることになる。
そして、補強部材23がニップ部形成部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部においてニップ部形成部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。本実施の形態において、補強部材23は、ヒータ25が位置する側に凹部が対向するように形成された略コの字状の板状部材である。この補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
また、本実施の形態では、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の側に、反射部材27(反射板)が固設されている。これにより、ヒータ25から補強部材23に向かう熱(補強部材23を加熱する熱)が反射部材27で反射されて定着ベルト21の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21の加熱効率がさらに向上することになる。なお、反射部材27の材料としては、アルミニウムやステンレス等を用いることができる。
なお、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、鏡面処理を施したり断熱部材を設けたりした場合であっても、同じような効果を得ることができる。
図2を参照して、ニップ部の位置で定着ベルト21の外周面に当接する加圧回転体としての加圧ローラ31は、直径が30mm程度であって、中空構造の芯金32上に弾性層33を形成したものである。加圧ローラ31(加圧回転体)の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図3を参照して、加圧ローラ31には駆動機構の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に軸受42を介して回転可能に支持されている。なお、加圧ローラ31の内部に、ハロゲンヒータ等の熱源を設けることもできる。
なお、加圧ローラ31の弾性層33を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、ニップ部形成部材26に生じる負荷を軽減することができる。さらに、加圧ローラ31の断熱性が高められて、定着ベルト21の熱が加圧ローラ31側に移動しにくくなるために、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
また、本実施の形態では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径とほぼ同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
図4を参照して、定着ベルト21の内周面21aに摺接するニップ部形成部材26は、加圧ローラ31との対向面(摺接面)が、加圧ローラ31の曲率にならうように凹状に形成されている。これにより、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。
なお、本実施の形態では、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、ニップ部形成部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
また、ニップ部形成部材26を形成する材料としては、樹脂材料や金属材料を用いることができるが、加圧ローラ31による加圧力を受けても大きく撓むことがない程度の剛性があり、熱性と断熱性とを有する樹脂材料(液晶ポリマー(LCP)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等である。)が好適である。本実施の形態では、ニップ部形成部材26の材料として、液晶ポリマー(LCP)を用いている。
また、本実施の形態において、ニップ部形成部材26は、補強部材23に当接するように補強部材23の対向面23aに向けて突出する突出部26a、26bが、記録媒体Pの搬送方向(又は、定着ベルト21の回転方向)に沿って複数列設けられている。具体的に、複数列の突出部として、記録媒体Pの搬送方向に対する上流側において補強部材23に当接するように補強部材23の対向面23aに向けて突出する上流側突出部26aと、記録媒体Pの搬送方向に対する下流側において補強部材23に当接するように補強部材23の対向面23aに向けて突出する下流側突出部26bと、が形成されている。すなわち、ニップ部形成部材26には、補強部材23に対向する側において搬送方向に離間した2列の突出部26a、26bが設けられていて、これらの2列の突出部26a、26bが補強部材23の対向面23aにそれぞれ面接触することになる。
また、ニップ部形成部材26には、定着ベルト21との摺動抵抗を減ずるために、PTFE等の低摩擦材料からなるシート状部材22が覆設されている。詳しくは、シート状部材22は、ニップ部の位置でニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に幅方向のほぼ全域にわたって介在されるように、ニップ部形成部材26の周囲(図4に示すような断面でみたニップ部形成部材26の周囲である。)を覆うように設置されている。また、本実施の形態におけるシート状部材22は、シリコーンオイル等の潤滑剤が含浸された繊維材料(PTFE等のフッ素樹脂からなる布部材である。)で形成されている。これにより、ニップ部形成部材26と定着ベルト21とが当接する面に潤滑剤が保持された状態になる。したがって、ニップ部形成部材26と定着ベルト21との摺接によって双方の部材21、26が磨耗する不具合が軽減される。
また、本実施の形態では、ニップ部形成部材26を覆うようにシート状部材22を設置して、補強部材23に対向する側に形成されたシート状部材22の重合部を板状部材28で挟んで、その板状部材28をネジ24でニップ部形成部材26に締結している。
なお、このシート状部材22の構成・動作については、後でさらに詳しく説明する。
以下、上述のように構成された定着装置20の通常時の動作について簡単に説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、ニップ部における加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動回転する。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、ガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、ヒータ25によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強されたニップ部形成部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、本実施の形態における定着装置20において特徴的な構成・動作について、詳しく説明する。
先に説明したように、本実施の形態における定着装置20には、ニップ部の位置でニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に介在されるように、シート状部材22(低摩擦材料からなり潤滑剤が含浸されている。)が覆設されている。
このシート状部材22は、厚さが150〜500μmの範囲内で設定され、PTFE等のフッ素樹脂からなる繊維材料で形成され、粘度が50〜1000csの範囲内で設定された潤滑剤(シリコーンオイルやフッ素グリス等である。)が繊維内に含浸されている。
このように、シート状部材22を繊維材料で形成することで、それらの繊維の目に潤滑剤が浸透しやすくなるため、潤滑剤の保持性が向上することになる。また、シート状部材22は、低摩擦材料であるフッ素樹脂繊維材料で形成されているため、シート状部材22に保持された潤滑剤が枯渇してしまった場合であっても、ニップ部形成部材26と定着ベルト21とのニップ部における摺動抵抗をある程度まで低くすることができる。
ここで、図5(A)を参照して、本実施の形態において、シート状部材22は、その幅方向の範囲Mが、幅方向一端側に設置された保持部材としてのフランジ29(図5の左方に設置されたものである。)と、幅方向他端側に設置された保持部材としてのフランジ29(図5の右方に設置されたものである。)と、の間の幅方向の範囲Nに含まれるように形成されている。
ここで、上述した2つのフランジ29の間の幅方向の範囲Nは、左方のフランジ29と定着ベルト21との当接部分の幅方向中央側の端面と、右方のフランジ29と定着ベルト21との当接部分の幅方向中央側の端面と、の間の幅方向の範囲である。換言すると、2つのフランジ29の間の幅方向の範囲Nは、2つのフランジ29に対して定着ベルト21が当接しない幅方向中央側の範囲となる。
すなわち、本実施の形態では、まず、シート状部材22の幅方向の長さMが、2つのフランジ29の間の長さNよりも小さく形成されている(M<N)。また、2つのフランジ29の間の範囲N内にシート状部材22が入るように配置されている。
このような構成により、シート状部材22に含浸された潤滑剤は、幅方向端部に向けて移動しても、定着ベルト21とフランジ29とが当接する位置まで達しないことになる。そのため、シート状部材22に含浸された潤滑剤が、幅方向端部において定着ベルト21とフランジ29との隙間から漏れ出してしまう不具合が軽減されることになる。したがって、幅方向端部から漏れ出てしまう潤滑剤の量が多くなって、シート状部材22によって定着ベルト21とニップ部形成部材26とのニップ部における摺動抵抗を減ずる機能が消失してしまい、定着ベルト21やニップ部形成部材26の磨耗劣化が進んでしまう不具合も低減されることになる。
また、図5(A)、(B)に示すように、本実施の形態において、シート状部材22は、その幅方向の範囲Mが、最大通紙領域Hを含むように形成されている。すなわち、本実施の形態では、シート状部材22の幅方向の長さMが最大通紙領域Hよりも大きく形成されて(M>H)、シート状部材22の幅方向の範囲M内に最大通紙領域Hが入るように配置されている。
ここで、「最大通紙領域H」とは、画像形成装置1において通紙可能な最大サイズの記録媒体Pにおける通紙領域(幅方向の範囲)である。
このように構成することで、どのようなサイズの記録媒体Pが通紙されたとしても、その記録媒体Pが通過するニップ部(定着ニップ)に相当する範囲では、潤滑剤によって定着ベルト21とニップ部形成部材26との摺動抵抗が減ぜられて、良好で均一なニップ圧が幅方向にわたって形成されることになる。したがって、ニップ部から送出される記録媒体Pにシワが生じる不具合も低減されることになる。
また、図5(A)、(B)に示すように、本実施の形態において、シート状部材22は、その幅方向の範囲Mが、加圧ローラ31のローラ部の幅方向の範囲Dを含むように形成されている。すなわち、本実施の形態では、シート状部材22の幅方向の長さMが加圧ローラ31の幅方向の長さDよりも大きく形成されて(M>D)、シート状部材22の幅方向の範囲M内に加圧ローラ31の幅方向範囲Dが入るように配置されている。
このように構成することで、ニップ部(定着ニップ)の幅方向全範囲で、潤滑剤によって定着ベルト21とニップ部形成部材26との摺動抵抗が減ぜられて、良好で均一なニップ圧が幅方向にわたって形成されることになる。したがって、ニップ部から送出される記録媒体Pにシワが生じる不具合も低減されることになる。
また、本実施の形態では、定着ベルト21とフランジ29(保持部材)との間(当接部である。)に、シート状部材22に含浸された潤滑剤に比べて、粘度が高いグリスなどの潤滑剤が介在されている。具体的に、定着装置20の製造工程において、定着ベルト21とフランジ29との当接部に、予め高粘度の潤滑剤が塗布される。
このように構成することで、シート状部材22に含浸された潤滑剤が幅方向端部に向けて移動して、万が一、定着ベルト21とフランジ29とが当接する位置まで達したとしても、定着ベルト21とフランジ29との間に介在された高粘度の潤滑剤がバリアとなって、シート状部材22の潤滑剤がそれ以上に幅方向端部に移動することはない。そのため、シート状部材22に含浸された潤滑剤が、幅方向端部において定着ベルト21とフランジ29との隙間から漏れ出してしまう不具合が軽減されることになる。
ここで、図6(A)に示すように、本実施の形態において、シート状部材22は、少なくとも定着ベルト21に摺接する幅方向両端部における繊維材料の織り目が、定着ベルト21の走行方向に沿って幅方向端部から幅方向中央部に向けて傾斜するように形成されている。
具体的に、本実施の形態におけるシート状部材22は、図6(A)に示すように、幅方向両端部(図中の範囲Sである。)では、白矢印で示す走行方向(定着ベルト21が移動する方向である。)に対して所定の傾斜角度θで傾斜するように織り目が形成されていて、それ以外の幅方向の範囲では、走行方向に沿うように織り目が形成されている。
ここで、シート状部材22の織り目は、繊維を編んでシート状部材22を形成する際にその編み方(織り方向)によってシート状部材22の表面に形成される凹凸であって、凹部(溝部)が潤滑剤の移動を促進する流路として機能することになる。シート状部材22の織り目の方向は、繊維の編み方(織り方向)によって自在に調整することができる。すなわち、幅方向両端部Sの編み方(織り方向)と、その他の範囲の編み方(織り方向)と、を異ならせることで、図6(A)に示すような織り目を有するシート状部材22を形成することができる。
なお、上述したように編み方による方法の他、幅方向全域において織り目が走行方向に沿うように形成されたものに対して、幅方向両端部の走行方向上流側を引っ張るような負荷をかけて変形させることによっても、図6(A)に示すような織り目を有するシート状部材22を形成することができる。
このようにシート状部材22において少なくとも幅方向両端部Sに、走行方向に沿って幅方向端部から幅方向中央部に向かうように傾斜する織り目を形成することで、シート状部材22に含浸された潤滑剤は、幅方向端部に向けて移動しにくくなる。すなわち、シート状部材22に含浸された潤滑剤は、幅方向両端部Sにおいて、定着ベルト21の走行にともない傾斜した織り目に沿って幅方向端部から幅方向中央部に向けて移動することになる。したがって、シート状部材22に含浸された潤滑剤が、幅方向端部において定着ベルト21とフランジ29との隙間から漏れ出してしまう不具合が軽減されることになる。
ここで、シート状部材22は、上述したように織り目が傾斜するように形成された幅方向両端部の幅方向の範囲Sが、幅方向の全体の範囲Mに対して5%以上を占めるように形成されることが好ましい。すなわち、上述した関係を数式化すると、2×S/M≧0.05なる関係が成立することになる。
このように構成することで、シート状部材22に含浸された潤滑剤が、幅方向端部において定着ベルト21とフランジ29との隙間から漏れ出してしまう不具合がさらに軽減されることになる。
なお、本実施の形態において、幅方向一端側の範囲Sと、幅方向他端側の範囲Sと、は同等の長さとなっているが、潤滑剤の幅方向への流動の状態に応じて、それらの長さに差異を設けることもできる。
また、本実施の形態において、図6(B)に示すように、シート状部材22の幅方向の全範囲Mに、傾斜する織り目を形成することもできる。具体的に、図6(B)に示すように、シート状部材22は、左側の部分では走行方向に沿って左方から右方に傾斜する織り目が形成されて、右側の部分では走行方向に沿って右方から左方に傾斜する織り目が形成されている。このように構成した場合であっても、上述したものと同様の効果を得ることができる。
また、シート状部材22は、上述したように織り目が傾斜するように形成された部分Sの傾斜角度θが、走行方向に対して1〜45度の範囲になるように形成されている(1度≦θ≦45度)。
傾斜角度θが1度を下回ると、潤滑剤が幅方向端部から幅方向中央部に向かう効果が充分に発揮されなくなってしまう。また、傾斜角度θが45度を超えてしまうと、潤滑剤が幅方向端部から幅方向中央部に向けて移動しすぎて、幅方向端部の潤滑剤量が不足してしまう。
本実施の形態では、織り目の傾斜角度θが上述した範囲で最適化されているため、幅方向端部の潤滑剤量が不足してしまうことなく、幅方向端部から潤滑剤が漏出する不具合を軽減することができる。
以上説明したように、本実施の形態における定着装置20には、定着ベルト21を介して加圧ローラ31(加圧回転体)に圧接してニップ部を形成するニップ部形成部材26と、定着ベルト21の幅方向両端部をそれぞれ保持する一対のフランジ29(保持部材)と、潤滑剤が含浸されてニップ部の位置でニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に介在されるように設置されたシート状部材22と、が設けられている。そして、シート状部材22は、その幅方向の範囲Mが、幅方向一端側に設置されたフランジ29と、幅方向他端側に設置されたフランジ29と、の間の幅方向の範囲Nに含まれるように形成されている。
これにより、定着ベルト21とニップ部形成部材26との間に設置されたシート状部材22に含浸された潤滑剤が、幅方向端部において定着ベルト21とフランジ29との隙間から漏れ出してしまう不具合を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21を加熱する加熱手段としてヒータ25を用いたが、定着ベルトを加熱する加熱手段はこれに限定されることなく、例えば、加熱手段として電磁誘導コイルを用いることもできるし、加熱手段として抵抗発熱体を用いることもできる。
また、本実施の形態における定着装置20は、略コの字状の補強部材23や、突出部26a、26bが形成されたニップ部形成部材26を用いて、ヒータ25を定着ベルト21の内部の中心に近い位置に配置したが、補強部材23やニップ部形成部材26の形態やヒータ25の位置などはこれに限定されることなく、種々の構成の定着装置に対して本発明を適用することができる。
そして、これらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
なお、本願において、ニップ部形成部材や補強部材が「固設」された状態とは、ニップ部形成部材や補強部材が回転駆動されることなく非回転で保持されている状態であるものと定義する。したがって、例えば、ニップ部形成部材がスプリング等の付勢手段によってニップ部に向けて付勢されている場合であってもニップ部形成部材が非回転で保持されていれば、ニップ部形成部材が「固設」された状態となる。
また、本願において、「幅方向」とは、記録媒体Pの搬送方向に対して直交する方向であって、定着ベルトや加圧回転体の回転軸方向と同じ方向であるものと定義する。
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 シート状部材、
23 補強部材、
25 ヒータ(加熱手段)、
26 ニップ部形成部材(固定部材)、
29 フランジ(保持部材)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
P 記録媒体(シート)。
特許第6035668号公報

Claims (7)

  1. 所定方向に走行する定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周面側において前記定着ベルトを介して加圧回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するニップ部形成部材と、
    前記定着ベルトの幅方向両端部をそれぞれ保持する一対の保持部材と、
    潤滑剤が含浸されて、前記ニップ部の位置で前記ニップ部形成部材と前記定着ベルトとの間に介在されるように設置されたシート状部材と、
    を備え、
    前記シート状部材は、その幅方向の範囲が、幅方向一端側に設置された前記保持部材と、幅方向他端側に設置された前記保持部材と、の間の幅方向の範囲に含まれるように形成されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記シート状部材は、その幅方向の範囲が、最大通紙領域を含むように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ベルトと前記保持部材との間に、前記シート状部材に含浸された潤滑剤に比べて、粘度が高い潤滑剤が介在されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記シート状部材は、繊維材料で形成されて、少なくとも前記定着ベルトに摺接する幅方向両端部における前記繊維材料の織り目が前記定着ベルトの走行方向に沿って幅方向端部から幅方向中央部に向けて傾斜するように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記シート状部材は、前記織り目が傾斜するように形成された幅方向両端部の幅方向の範囲が、幅方向の全体の範囲に対して5%以上を占めるように形成されたことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記シート状部材は、前記織り目が傾斜するように形成された部分の傾斜角度が、前記走行方向に対して1〜45度の範囲になるように形成されたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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