JP2017111333A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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浩幸 島田
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Yoshio Hattori
良雄 服部
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春之 本多
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Abstract

【課題】ガイド部材から潤滑剤が垂れ落ちて、装置を汚してしまうのを抑制することができる。
【解決手段】定着ベルト21の幅方向両端部の内周面と接触し、定着ベルト21の回転をガイドするフランジ部材451などのガイド部材よりも定着ベルト21の幅方向の内側に、定着ベルト21の内周面に付着した潤滑剤の幅方向の外側への移動を規制する規制部材28を設けている。これにより、定着ベルト21に付着した潤滑剤がガイド部材に付着するのを抑制することができ、ガイド部材から潤滑剤が垂れ落ちて、装置を汚してしまうのを抑制することができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関するものである。
特許文献1には、この種の定着装置であって、上記ニップ形成部材の定着ベルトとの接触部分にシリコーンオイルなどの潤滑剤を含浸する潤滑剤含浸部材たる摺動シートを貼り付けた定着装置が記載されている。
ニップ形成部材に貼り付けられた上記摺動シートに含浸された潤滑剤が定着ベルトの内周面に付着し、摺動シートと定着ベルトとの間に潤滑剤が介在することになる。これにより、摺動シートと定着ベルトとの摩擦力が、潤滑剤の潤滑効果により低減することができ、定着ベルトを円滑に回転させることができると記載されている。
摺動シートから定着ベルトの内周面に付着した潤滑剤は、定着ベルトの移動にともなって一周し、ニップ形成部材の定着ベルトの回転方向上流側端部に堰き止められる。堰き止められた潤滑剤はベルト幅方向へと移動し、この潤滑剤の一部が定着ベルトの端部から外部へ漏れ出してしまうという問題があると記載されている。
このような問題を防止するために、特許文献1では、ニップ形成部材に対して定着ベルトの回転方向上流側に、定着ベルトに付着した潤滑剤を回収し、回収した潤滑剤をベルト幅方向中央部へ寄るように定着ベルトに再付着させる潤滑剤循環部材を設けている。
具体的には、潤滑剤循環部材は、潤滑剤保持性を有しており、複数の溝が形成されている。これらの溝は、定着ベルトの回転方向下流側が、上流側よりも定着ベルトの幅方向中央に位置するように傾斜している。この溝に滲み出して定着ベルトの表面に付着した潤滑剤循環部材の潤滑剤は、溝に案内されながら、ベルト幅方向中央部へと移動する。その結果、ベルト内周面に付着した潤滑剤がベルト幅方向中央部へと寄せられる。
このように、潤滑剤循環部材によりベルト幅方向中央に潤滑剤を寄せることにより、定着ベルトの幅方向端部から潤滑剤が漏れ出すのを防止することができると記載されている。
通常、定着ベルトの幅方向両端部の内周面と接触して、定着ベルトの回転をガイドするガイド部材たるフランジが設けられている。この定着ベルトのフランジとの接触領域まで定着ベルトの内周面に付着した潤滑剤が、移動すると、フランジに潤滑剤が付着し、潤滑剤がフランジから垂れ落ちて、装置を汚してしまうなどの不具合が発生する。
しかし、上記特許文献1は、定着ベルトに付着した潤滑剤が定着ベルトの端部まで移動しないように上述した工夫がなされているが、定着ベルト端部よりも内側のフランジへの付着については、特に考慮されておらず、フランジに潤滑剤が付着するおそれがあった。
上記課題を解決するために、本発明は、回転可能な無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの外周面と当接する加圧部材と、前記定着ベルトの内周側に配置され前記定着ベルトを介して前記加圧部材と当接しニップ部を形成するニップ形成部材と、前記定着ベルトの内周面に接触するように前記ニップ形成部材の表面に設けられ、潤滑剤が含浸された潤滑剤含浸部材と、前記定着ベルトの幅方向両端部の内周面と接触し、前記定着ベルトの回転をガイドするガイド部材とを備えた定着装置において、前記ガイド部材よりも前記定着ベルトの幅方向の内側に、前記定着ベルトに付着した潤滑剤の前記幅方向の外側への移動を規制する規制部材を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、ガイド部材から潤滑剤が垂れ落ちて、装置を汚してしまうのを抑制することができる。
実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。 金属熱伝導体を介して定着ベルトを間接的に加熱する従来の定着装置の一例を示す図。 実施形態に係る定着装置の一例を示した概略構成図。 (a)は、フランジ部材の斜視図であり、(b)は、フランジ部材の正面図。 遮蔽部材の平面図。 各ハロゲンヒータの発熱部を示す図。 小サイズの用紙を通紙するときの定着装置の斜視図。 小サイズの用紙を通紙するときの定着装置の断面図。 大サイズの用紙を通紙するときの定着装置の斜視図。 大サイズの用紙を通紙するときの定着装置の断面図。 ニップ形成部材周辺を加圧ローラ側から見た概略図。 図11の破線Dで囲う部分の拡大断面図。 変形例の定着装置におけるニップ形成部材周辺を加圧ローラ側から見た概略図。 図13の破線Dで囲う部分の拡大断面図。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置100は、タンデム方式のカラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央部に、複数の色画像を形成する作像部(図示の例では4つの作像部)からなる画像ステーションが設けられている。
複数の作像部は、無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト11の展張方向に沿って並置されている。そして、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
図1において、画像形成装置100は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する複数の像担持体としての感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkが並設されている。
各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkに形成された各色の可視像であるトナー像は、各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkに対峙しながら矢印A1方向に移動可能な中間転写ベルト11に対して一次転写工程が実行される。これにより、各色のトナー像が中間転写ベルト11に重畳転写される。その後、中間転写ベルト11に重畳転写された各色のトナー像は、記録材としての用紙Pに対して二次転写工程が実行されることにより、用紙Pに一括転写される。
各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkの周囲には、感光体ドラム120の回転に従い画像形成処理するための各種装置が配置されている。
ここで、ブラックの画像形成を行う感光体ドラム120Bkを対象として説明する。感光体ドラム120Bkの周囲には、その感光体ドラム120Bkの回転方向に沿って画像形成処理を行う、帯電装置30Bk、現像装置40Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ112Bk、及び、クリーニング装置50Bkが配置されている。帯電後の感光体ドラム120Bkに対して行われる静電潜像の書き込みには、感光体ドラム120Bkの表面を露光する露光手段としての光書込装置6が用いられる。
光書込装置6は、光源としての半導体レーザー、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラー、光偏向手段としての回転多面鏡(ポリゴンミラー)などを備えている。光書込装置6は、画像データに基づいて、各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkの表面へ書き込み光(レーザー光)Lbを照射し、感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkに静電潜像を形成するように構成されている。
中間転写ベルト11に対する重畳転写は、中間転写ベルト11が図中A1方向に移動する際に、感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkに形成された可視像(トナー像)が中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるように行われる。
より具体的には、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkに対向して配設された複数の一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkそれぞれに一次転写バイアスが印加される。この一次転写バイアスが印加された一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkにより、各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkに形成されたトナー像が、中間転写ベルト回転方向でタイミングをずらして重畳転写される。
複数の一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkはそれぞれ対応する感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkとの間で中間転写ベルト11を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkには、電源が接続されている。そして、この電源により所定の直流電圧(DC)と交流電圧(AC)との少なくとも一方からなる一次転写バイアスが、各一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkに印加されるようになっている。
各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkは、図中A1方向の上流側からこの順で並んでいる。各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成する前記複数の作像部に設けられている。
また、画像形成装置100は、前記複数の作像部のほか、転写ベルトユニット10と、二次転写ローラ5と、転写ベルトクリーニング装置113と、光書込装置6とを備えている。
転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11及び複数の一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkのほか、中間転写ベルト11が掛け回されている駆動ローラ72や従動ローラ73等の複数のベルト支持部材を備えている。駆動ローラ72が回転駆動されることにより、中間転写ベルト11は図中矢印A1で示す方向に回転するようになっている。
駆動ローラ72は、中間転写ベルト11を介して二次転写ローラ5に対向する二次転写バックアップローラとしても機能する。従動ローラ73は、中間転写ベルト11を介して転写ベルトクリーニング装置113に対向するクリーニングバックアップローラとしても機能する。また、従動ローラ73は、中間転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えているため、従動ローラ73には、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。これらの転写ベルトユニット10と一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkと二次転写ローラ5と転写ベルトクリーニング装置113とを有するように、転写装置71が構成されている。
二次転写ローラ5は、中間転写ベルト11に対向して配設され、中間転写ベルト11に従動して連れ回りする。また、二次転写ローラ5は、二次転写バックアップローラとしても機能する駆動ローラ72との間で中間転写ベルト11を挟み込んで二次転写ニップを形成している。
また、一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkと同様に、二次転写ローラ5にも電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)と交流電圧(AC)との少なくとも一方からなる二次転写バイアスが、二次転写ローラ5に印加される。
転写ベルトクリーニング装置113は、中間転写ベルト11を介して従動ローラ73に対向するように配設され、中間転写ベルト11の表面をクリーニングする。図示の例では、転写ベルトクリーニング装置113は、中間転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有する。また、転写ベルトクリーニング装置113から伸びた廃トナー移送ホースは、廃トナー収容器の入口部に接続されている。
さらに、画像形成装置100には、記録材としての用紙Pが積載収容された用紙給送装置61と、記録材繰り出し手段としてのレジストローラ対4と、記録材先端検知手段としての用紙先端センサとが設けられている。
用紙給送装置61は、画像形成装置100の本体下部に配設され、最上位の用紙Pの上面に当接する記録材給送手段としての給送ローラ3を有している。そして、給送ローラ3が図中反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の用紙Pをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
また、画像形成装置本体内には、用紙Pを用紙給送装置61から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための用紙搬送路が配設されている。この用紙搬送路の二次転写ローラ5の位置よりも用紙搬送方向上流側に、二次転写ニップへ用紙Pを繰り出すように搬送するレジストローラ対4が配設されている。
レジストローラ対4は、用紙給送装置61から搬送されてきた用紙Pを、上記複数の作像部からなる画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、二次転写ローラ5と中間転写ベルト11との間の二次転写ニップに向けて繰り出す。なお、前記用紙先端センサは、用紙Pの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する。
ここで、記録材としての用紙Pには、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、記録シート等が含まれる。また、用紙給送装置61のほかに、手差しで用紙Pを供給できるように手差し給紙機構を備えてもよい。
また、画像形成装置100は、トナー像が転写された用紙Pにトナー像を定着させるための定着手段としての定着装置20と、記録材排出手段としての排紙ローラ対7と、記録材積載手段としての排紙トレイ17とを備えている。排紙ローラ対7は、定着済みの用紙Pを画像形成装置100の本体外部に排出する。排紙トレイ17は、画像形成装置100の本体上部に配設され、排紙ローラ対7により画像形成装置100の本体外部に排出された用紙Pを積載収容する。
また、画像形成装置100には、複数のトナー容器としてのトナーボトル9Y,9C,9M,9Bkを備えている。複数のトナーボトル9Y,9C,9M,9Bkはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーが充填され、画像形成装置本体の上部であって排紙トレイ17の下側に設けられた複数のボトル収容部それぞれに着脱可能に装着されている。
また、各トナーボトル9Y,9C,9M,9Bkと各現像装置40Y,40C,40M,40Bkとの間には、補給路が設けてある。そして、この補給路を介して各トナーボトル9Y,9C,9M,9Bkから対応する現像装置40Y,40C,40M,40Bkに、トナーが補給されるようになっている。
転写装置71に装備されている転写ベルトクリーニング装置113は、詳細な図示を省略するが、中間転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有している。
このクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより、中間転写ベルト11上の残留トナー等の異物が掻き取り除去されて、中間転写ベルト11がクリーニングされる。なお、転写ベルトクリーニング装置113は、中間転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための排出手段を有している。
次に、画像形成装置100の基本的動作について説明する。
画像形成装置100において作像動作が開始されると、各作像部における各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkが、駆動装置によって図中時計回りに回転駆動される。そして、各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkの表面が、帯電装置30Y,30C,30M,30Bkによって所定の極性に一様に帯電される。
帯電された各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkの表面には、光書込装置6からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkの表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkに露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。
このように各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bk上に形成された静電潜像に、各現像装置40Y,40C,40M,40Bkによってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、駆動ローラ72が図1中反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト11を図中矢印A1方向に回転させる。そして、各一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkに、トナーの帯電極性とは逆極性の定電圧または定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ112Y,112C,112M,112Bkと各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkとの間の一次転写ニップにおいて、所定の転写電界が形成される。
その後、一次転写ニップにおいて形成された転写電界により、各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bk上のトナー画像が中間転写ベルト11上に順次重ね合わせて転写され、中間転写ベルト11の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。
また、中間転写ベルト11に転写しきれなかった各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bk上のトナーは、クリーニング装置50Y,50C,50M,50Bkによって除去される。その後、除電装置によって各感光体ドラム120Y,120C,120M,120Bkの表面が除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置100の下部では、給送ローラ3が回転駆動を開始し、用紙給送装置61から用紙Pが搬送路に送り出される。搬送路に送り出された用紙Pは、レジストローラ対4によってタイミングをはかられて、二次転写バックアップローラとしても機能する駆動ローラ72と二次転写ローラ5との間の二次転写ニップに送られる。このとき、二次転写ローラ5には、中間転写ベルト11上のトナー画像のトナー帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加されており、二次転写ニップに所定の転写電界が形成されている。
その後、中間転写ベルト11の回転に伴って、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、二次転写ニップにおいて形成された転写電界により、中間転写ベルト11上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。
また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト11上の残留トナーは、転写ベルトクリーニング装置113によって除去され、除去されたトナーは廃トナー収容器へと搬送され回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ対7によって装置外へ排出され、排紙トレイ17上にストックされる。
なお、以上の説明は、用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部のいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つまたは3つの作像部を使用して、2色または3色の画像を形成したりすることも可能である。
また、図1に示した画像形成装置は、複数の色画像を形成する作像部がベルトの展張方向に沿って並置されたタンデム方式を用いるカラープリンタあるが、この方式に限るものではない。また、プリンタだけではなく、複写機やファクシミリなどを対象とすることも可能である。
ここで、周知のように、電子写真方式による画像形成装置は、次の工程を経て複写画像を出力する。つまり、潜像担持体である感光体上に形成された静電潜像がトナーにより可視像処理され、トナー像が用紙などの記録材に転写されたうえで定着されることにより複写画像が出力される。
画像形成装置に用いられる定着方式には、熱ローラ定着方式、ベルト定着方式、フィルム定着方式および電磁誘導加熱定着方式などがある。
熱定着ローラ方式には、用紙の搬送路を挟んで対向しながら当接する定着ローラ及び加圧ローラが用いられる。この方式では、定着ローラ内に設けられている熱源からの熱と加圧ローラからの加圧力に相当する圧力との作用によってトナー像が用紙に融解浸透される。用紙に対してトナー像が融解浸透される現象は以下の構成を備えた定着方式においても同じである。
ベルト定着方式には、定着ローラに代えて熱良導体となる定着ベルトと加圧ローラおよびベルトを捲装されるローラそしてベルトに対する加熱源が用いられる(例えば、特許文献2)。
フィルム定着方式には、定着ローラに代えて熱良導体となる定着ベルトと加圧ローラおよびベルトを捲装されるローラそしてベルトに対する加熱源が用いられる(例えば、特許文献3)。
電磁誘導加熱定着方式には、発熱効率を高める電磁誘導コイルを加熱部材に設ける構成が用いられる(例えば、特許文献2)。
定着方式には、次に挙げる要求課題がある。
ウォームアップ時間を短縮すること、さらには、ファーストプリント時間を短縮することである。なお、ウォームアップ時間とは、電源投入時など、常温状態から印刷可能な所定温度(リロード温度)までに要する時間のことである。また、ファーストプリント時間とは、印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでに必要な時間のことである。
定着装置では、次の理由により定着不良が発生することがある。
画像形成装置は、高速処理が行える装置である。高速処理により単位時間あたりの定着枚数、つまり、定着装置を通過する通紙枚数が増加すると、高速移動する用紙への供給熱量も増加させなければならない。これは、用紙が定着装置を通過する時間が短くなるのに合わせて定着に必要な熱量を用紙に与えるためである。
しかし、連続印刷のはじめに必要な熱量の確保ができていないと温度の落ち込みが大きく、高速化された連続印刷時に必要な熱量に達しないままで通紙されると定着不良を発生する虞がある。
また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷のはじめに熱量が不足する、いわゆる温度落ち込みが問題となることがあり、高速化した場合の定着不良を起こす問題がある。
一方、上記に挙げた定着方式とは別に、セラミックヒータを用いたサーフ定着方式と称される定着方式がある。
サーフ定着方式は、ニップ部のみを局所加熱され、その他の部分では加熱されない構成が用いられる。この定着方式では、ベルト方式の定着装置に比べ、低熱容量化や小型化が可能となるため、所定温度への立ち上がりやファーストプリント時間の短縮が可能となる反面、次の問題がある。
つまり、サーフ定着方式は、局所以外の部分では加熱されていないので、ニップの用紙などの入口において定着ベルトは最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという問題がある。特に、高速機においては、定着ベルトの回転が速く、ニップ部以外でのベルトの放熱が多くなるため、より定着不良が発生しやすくなるという問題がある。
そこで、このような問題に対処するため、定着ベルトを用いる構成において、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができるようにした定着装置が提案されている(例えば、特許文献4)。
特許文献4に開示された定着装置では、図2に示す構成が用いられている。定着ベルト21、定着ベルト21の内部に配設されたパイプ状の金属熱伝導体200、金属熱伝導体200内に配設された熱源300、及び、定着ベルト21を介して金属熱伝導体200に当接して定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ400を備えている。
加圧ローラ400の回転により定着ベルト21は連れ回りし、このとき、金属熱伝導体200は定着ベルト21の移動をガイドする。また、金属熱伝導体200内の熱源300により金属熱伝導体200を介して定着ベルト21が加熱されることで、定着ベルト21全体を温めることを可能にしている。これにより、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。
しかし、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイム向上のためには、熱効率をより一層向上させる必要がある。
そこで、定着ベルトを、金属熱伝導体(図2において符号200で示す部材)を介して間接的に加熱するのではなく、定着ベルトを直接加熱する構成を採用する。これにより、消費電力の低減を図ることができると共に、加熱待機時からのファーストプリントタイムをさらに短縮することができる。また、金属熱伝導体を設けないことによるコストダウンも期待できる。
図3は、本実施形態に係る定着装置20の一例を示した概略構成図である。
定着装置20は、内部が中空な表面無端移動体である定着部材としての定着ベルト21と、定着ベルト21に対向して回転可能に設けられた加圧部材としての加圧ローラ22とを備えている。
定着ベルト21の内側には、定着ベルト21を加熱する熱源としての加熱装置23と、定着ベルト21を介して対向する加圧ローラ22と定着ニップ部Nを形成するニップ形成部材24とが設けられている。さらに、定着ベルト21の内側には、ニップ形成部材24を支持する支持部材としてのステー25と、加熱装置23が備えるふたつのハロゲンヒータ23A,23Bから放射される光を定着ベルト21へ反射する反射部材26とが設けられている。
また、定着ベルト21の幅方向両端部には、それぞれガイド部材としてのフランジ部材451(図4参照)のガイド部451aが挿入されており、定着ベルト21はガイド部451aによってガイドされつつ回転可能に保持されている。また、定着ベルト21の内側には、遮光部材29が設けられており、遮光部材29は、図中矢印Aに示すように定着ベルト21の内周面に沿って、定着ベルト21と非接触で移動するように構成されている。
定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)が用いられる。
定着ベルト21は、ニッケルもしくはステンレス鋼(SUS)等の金属材料またはポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された内周側の基材を有している。また、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成された外周側の離型層を備えている。
また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。弾性層がない場合は熱容量が小さくなり、定着性が向上するが、未定着画像を押しつぶして定着するときにベルト表面の微妙な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の跡が残るという不具合が生じる。これを改善するにはシリコーンゴム等の弾性層を100μm以上設けることが好ましい。弾性層の変形により、微妙な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
加圧ローラ22は、芯金22a、弾性層22b及び離型層22cによって構成されている。なお、弾性層22bは芯金22aの表面に配置されており、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、またはフッ素ゴム等が用いられる。また、離型層22cは弾性層22bの表面に設けられ、PFAまたはPTFE等が用いられる。
加圧ローラ22は、スプリングなどの加圧手段によって定着ベルト21側に向けて加圧されることにより、定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅の定着ニップ部Nが形成されている。
加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられているモータ等の駆動源からギヤを介して駆動力が伝達され回転駆動する。加圧ローラ22が回転駆動されると、その駆動力が定着ニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。また、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上する。また、弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。
加熱装置23は、加熱源として第一ハロゲンヒータ23Aと第二ハロゲンヒータ23Bとを備えており、両端部が定着装置20の側板に固定されている。各ハロゲンヒータ23A,23Bは、プリンタ本体に配置された電源部により出力制御されて発熱する。出力制御は、温度検知センサによる定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。
このようなハロゲンヒータ23A,23Bの出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に維持できるようになっている。また、定着ベルト21を加熱する加熱源として、ハロゲンヒータ以外に、IH(電磁誘導)、抵抗発熱体、またはカーボンヒータ等を用いてもよい。
ニップ形成部材24は、加圧ローラ22の加圧力を受けて定着ニップ部Nの形状を決める部材である。このため、定着ベルト21の軸方向または加圧ローラ22の軸方向に平行して配置され、ニップ形成部材24の支持部材として用いられるステー25によって固定支持されている。
このように、ニップ形成部材24をステー25で支持することにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを抑制し、加圧ローラ22の軸方向に平行して均一なニップ幅が得られるようにしている。
なお、ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレス鋼や鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましいが、ステー25を樹脂製とすることも可能である。
また、本実施形態では、定着ニップ部Nの形状が平坦状であるが、凹形状やその他の形状としてもよい。定着ニップ部Nの形状が凹形状の場合は、用紙Pの先端の排出方向が加圧ローラ22寄りになり、分離性が向上するので、ジャムの発生が抑制される。
また、ニップ形成部材24の表面には、潤滑剤が含浸された潤滑剤含浸部材たる摺動部材24aが貼り付けられている。摺動部材24aは、耐熱性を有する微細なフッ素系繊維を織り込んだシートで、潤滑剤を毛細管現象によって吸収させている。
潤滑剤としては、例えばシリコーンオイルが挙げられ、耐熱性及び耐久性及び潤滑能力としては望ましく、使用条件により様々な粘度のものを選択することが可能なため良い。その他の潤滑剤としては、フッ素系・シリコン系のグリスも挙げられる。
反射部材26は、反射面として表面を利用できるアルミニウムやステンレス鋼などが用いられてステー25と加熱装置23との間に配設されている。ここで、反射部材26は、加熱装置23によって直接加熱されるため、高融点の金属材料等で形成されることが望ましい。
ステー25と加熱装置23との間に反射部材26が配設されていることにより、加熱装置のハロゲンヒータ23A,23Bからステー25側に放射された光が定着ベルト21へ反射される。これにより、定着ベルト21に照射される光量を多くすることができ、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。
また、ハロゲンヒータ23A,23Bからの輻射熱がステー25等に伝達されるのを抑制することができるので、省エネルギー化も図れる。また、本実施形態のような反射部材26を設けずに、ステー25の加熱装置23側の面を研磨または塗装などの鏡面処理をし、反射面を形成してもよい。
ただし、ステー25はその強度を確保するために形状や材質が自由に選択できない。このため、本実施形態のように反射部材26を別途設けた方が、形状や材質の選択の自由度が広がり、反射部材26とステー25はそれぞれの機能に特化することができる。
また、反射部材26は加熱装置23とステー25との間に設けられることにより、加熱装置23に対する反射部材26の位置が近くなるので、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。
定着ベルト21と加熱装置23との間には、ハロゲンヒータ23A,23Bから定着ベルト21の非通紙領域への輻射熱を遮蔽する遮蔽位置と、この遮蔽位置から退避した退避位置との間で移動可能な遮蔽部材29が配設されている。これにより、特に、連続通紙時の定着ベルト21の非通紙領域における過剰な温度上昇を抑制することができ、定着ベルト21の熱による劣化や損傷を防止することができる。
なお、遮蔽部材29の遮蔽位置と退避位置との間での移動動作は、制御部によって制御された駆動手段である駆動装置が有する駆動源からの駆動力によって行われる。
遮蔽部材29は、厚さ0.1[mm]〜1.0[mm]の金属板を、定着ベルト21の内周面に沿った円弧状の断面形状に形成して構成されている。また、遮蔽部材29は、定着ベルト21の周方向に移動可能となっている。
図4(a)は、フランジ部材451の斜視図であり、(b)は、フランジ部材451の正面図である。
定着ベルト21の幅方向両端部に配設されるフランジ部材451は、同一の形状である。図4に示すように、フランジ部材451は、定着装置20の側板に取り付けられる取り付け部451bと、定着ベルト21の内周面の一端と対向するガイド部451aとを備えている。
ガイド部451aは、加圧ローラ側が切り欠かれた略円筒形状をしている。ガイド部451aは、定着ベルト21の内径とほぼ同等の外径を有し、定着ベルト21の両端から内側に所定量入り込む長さを有している。換言すれば、ガイド部451aは、円周ガイド凸部としてなり、定着ベルト21の端部に挿入されて摺動することで、定着ベルト21の断面形状を円形状に維持する。
取り付け部451bのガイド部451aの内側に対応する箇所には、貫通孔451cが設けられており、ステー25や加熱装置23は、この貫通孔451cを貫通して定着装置20の側板に取り付けられる。
本実施形態に係る定着装置20は、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイムなどの向上のために、構成に種々の工夫が施されている。
具体的には、加熱装置23によって定着ベルト21を定着ニップ部N以外の箇所において直接加熱できるようにしている(直接加熱方式)。また、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21は薄くかつ小径化されている。
また、本実施形態では定着ベルト21の内周面と接触する部材は、フランジ部材451のガイド部451aとニップ形成部材24のみであり、これら部材以外に定着ベルト21の内周面と接触して回転をガイドするようなベルトガイドは存在しない。
以下、図3を参照しつつ、本実施形態に係る定着装置20の基本動作について説明する。
プリンタ本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図3中の時計回りに回転駆動を開始される。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図3中の反時計回りに従動回転する。
その後、上述の画像形成工程により未定着のトナー画像Tが担持された用紙Pが、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ22の定着ニップ部Nに送入される。そして、加熱装置23によって加熱された定着ベルト21による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー画像Tが定着される。
トナー画像Tが定着された用紙Pは、定着ニップ部Nから搬出され、搬出された用紙Pは、上述のように、排紙ローラ対7(図1参照)によって機外に排出され、排紙トレイ17(図1参照)にストックされる。
次に、定着ベルト21と加熱装置23との間に配設される遮蔽部材29について、具体的に説明する。
図5に遮蔽部材29の平面図を示す。図5に示すように、遮蔽部材29は、両端にそれぞれ3つの段差部を有する形状に形成された遮蔽部48を有している。すなわち、各遮蔽部48は、第一遮蔽領域部48aと、第二遮蔽領域部48bと、第三遮蔽領域部48cとで構成されている。また、各遮蔽部48の第三遮蔽領域部48c同士は、連結部49を介して連結されている。
本実施形態では、第三遮蔽領域部48c間の幅W1が、小サイズ通紙幅に対応しており、第二遮蔽領域部48b間の幅W2が、中サイズ通紙幅に対応しており、第一遮蔽領域部48a間の幅W3が、大サイズ通紙幅に対応している。本実施形態では、小サイズ通紙幅は、「はがき」の幅に対応しており、中サイズ通紙幅が、「B4サイズ」の幅に対応している。また、大サイズ通紙幅が、「A3サイズ」の幅に対応している。なお、通紙幅に対応する用紙サイズの例はこれに限定されるものではない。
図6は、各ハロゲンヒータ23A,23Bの発熱部を示す図である。
本実施形態では、ハロゲンヒータ23A,23Bの発熱部の長さや配設位置を異ならせている。すなわち、図6に示すように、第一ハロゲンヒータ23Aの発熱部231aは、長手方向中央部側に配設され、第二ハロゲンヒータ23Bの発熱部231bは、長手方向両端部側にそれぞれ配設されている。第一ハロゲンヒータ23Aの発熱部は、上記小サイズ通紙幅W1以上、上記中サイズ通紙幅W2未満の範囲に対応している。また、第二ハロゲンヒータ23Bの発熱部は、中サイズ用紙の通紙幅W2以上で、大サイズ通紙幅W3を含む範囲に配設されている。
図7は、小サイズの用紙を通紙するときの定着装置20の斜視図である。図8は、小サイズの用紙を通紙するときの定着装置20の断面図である。
用紙幅が、「はがき」の幅以下の小サイズ用紙に対応する第三遮蔽領域部48c間の幅W1は、第一ハロゲンヒータ23Aの発熱部の長さよりも小さい範囲となっている。そのため、小サイズ用紙を通紙する場合、第一ハロゲンヒータ23Aのみを発熱させる。しかし、この場合、第一ハロゲンヒータ23Aで加熱される定着ベルト21の範囲は、小サイズ通紙幅W1を超えてしまうので、遮蔽部材29を小サイズ通紙幅に対応する遮蔽位置に移動させる。
すなわち、図8に示すように、第三遮蔽領域部48cまでが加熱装置23の直接加熱領域Mに位置する小サイズの用紙に対応する遮蔽位置に遮蔽部材を移動させる。これにより、小サイズ通紙幅W1の端部近傍から外側の範囲を第一、第二および第三遮蔽領域部により遮蔽することができる。よって、少なくとも、定着ベルト21の非通紙領域が第一、第二および第三遮蔽領域部により遮蔽された部分を通過するときは、ハロゲンヒータにより直接加熱されることがない。その結果、遮蔽部材29で遮蔽しない場合に比べて、非通紙領域において定着ベルト21の温度上昇を抑えることができる。
次に、用紙幅が、「はがき」の幅を超え、「B4サイズ」の幅以下の中サイズ用紙を通紙する場合は、第一ハロゲンヒータ23Aと第二ハロゲンヒータ23Bとの両方を発熱させる。この場合、第一ハロゲンヒータ23Aと第二ハロゲンヒータ23Bとを発熱させると、定着ベルト21の加熱される範囲が中サイズ通紙幅W2を超えてしまう。
そのため、中サイズ用紙を通紙する際には、遮蔽部材29を中サイズ通紙幅に対応する遮蔽位置へ移動させる。すなわち、第三遮蔽領域部48cを、直接加熱領域Mから退避させ、第一遮蔽領域部48aと第二遮蔽領域部48bとを加熱領域Mに位置させる。これにより、中サイズ通紙幅W2の端部近傍から外側の範囲を、第一遮蔽領域部48aや第二遮蔽領域部48bとによって遮蔽することができる。これにより、少なくとも、定着ベルト21の非通紙領域が、第二遮蔽領域部48bや第一遮蔽領域部48aにより遮蔽された部分を通過するときは、ハロゲンヒータにより直接加熱されることがない。これにより、遮蔽部材29で遮蔽しない場合に比べて、非通紙領域において定着ベルト21の温度上昇を抑えることができる。
図9は、大サイズの用紙を通紙するときの定着装置20の斜視図である。図10は、大サイズの用紙を通紙するときの定着装置20の断面図である。
「B4サイズ」の幅を超える大サイズ用紙を通紙する場合は、ハロゲンヒータ23Aとハロゲンヒータ23Bとの両方を発熱させる。この場合、ハロゲンヒータ23Aとハロゲンヒータ23Bとを発熱させると、定着ベルト21の加熱される範囲が大サイズ用紙の通紙幅W3を超えてしまう。
そのため、大サイズ用紙を通紙する際には、遮蔽部材29を大サイズ用紙用の遮蔽位置へ移動させる。すなわち、図10に示すように、第二遮蔽領域部48b及び第三遮蔽領域部48cを直接加熱領域Mから退避させ、第一遮蔽領域部48aのみを、直接加熱領域Mに位置するように移動させる。
これにより、少なくとも、定着ベルト21の非通紙領域が、第一遮蔽領域部48aにより遮蔽された部分を通過するときは、ハロゲンヒータにより直接加熱されることがない。その結果、遮蔽部材29で遮蔽しない場合に比べて、非通紙領域において定着ベルト21の温度上昇を抑えることができる。
また、A3ノビなど、本プリンタが通紙可能な最大サイズの用紙を通紙する際は、第三遮蔽領域部48cも直接加熱領域Mから退避させる。
なお、図7、図8、図9及び図10では、加圧ローラ22などの図示を適宜省略している。
このように、遮蔽部材29を設けることで、定着ベルト幅方向でハロゲンヒータ23A,23Bよりも幅の狭い用紙を連続通紙した場合でも、定着ベルト21の非通紙領域が過昇温状態になるのを抑制することができる。これにより、過昇温領域をキャンセルするために、生産性を落とす等の制御を行う必要がない。
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
図11は、ニップ形成部材24周辺を加圧ローラ側から見た概略図である。
なお、図中矢印Cは、定着ベルト21に表面移動方向を示している。
図11に示すように、摺動部材24aの長手方向(定着ベルトの幅方向)長さL1は、フランジ部材451のガイド部451a間の長さよりも短く、ガイド部451aの端部と、ニップ形成部材24の長手方向端部の間には、所定の隙間L5を有している。本実施形態では、定着ベルト21の幅L4:360mm、摺動部材24aの長手方向(定着ベルトの幅方向)長さL1:344mm、ガイド部451aの端部と、ニップ形成部材24の長手方向端部と隙間L5:5mmである。
ニップ形成部材24の表面には、シリコーンオイルなどの潤滑剤201が含浸された潤滑剤含浸部材たる摺動部材24aが貼り付けられている。摺動部材24aが、定着ベルト21を介して、加圧ローラ22により押圧されることにより、摺動部材24aに含浸している潤滑剤201が搾り出されて定着ベルト21の内周面に付着する。この定着ベルト21の内周面に付着した潤滑剤201は、定着ベルト21に付着したまま周回して、ニップ形成部材24の定着ベルト回転方向上流側端部に堰き止められた後、図中矢印Bに示すように摺動部材24aに吸収される。
しかしながら、ニップ形成部材24の定着ベルト回転方向上流側端部に堰き止められているときに、潤滑剤が定着ベルト21の端部に向かって移動する場合がある。そして、その潤滑剤が、摺動部材24aの長手方向端部よりも外側にまで移動すると、その潤滑剤201は、摺動部材24aに吸収されなくなる。その結果、摺動部材24aが含有する潤滑剤が徐々に減っていき、潤滑剤201による潤滑効果が失われてしまい、定着装置のトルクが上昇してしまう。
また、摺動部材24aの長手方向端部よりも外側にまで移動した潤滑剤201は、ニップ形成部材24による堰き止めがなくなり、再び、定着ベルトとともに周回することになる。そして、摺動部材24aの長手方向端部よりも外側にまで移動した潤滑剤201が、定着ベルト21の端部に向かって移動し、フランジ部材451のガイド部451aに付着し、最終的には、定着ベルトの端部から漏れ出すおそれがあった。
そこで、本実施形態において、潤滑剤201の定着ベルト端部側への移動を規制する規制部材28を設けた。規制部材28は、ニップ形成部材24の定着ベルト21の回転方向上流側端面の、長手方向両端に設けられている。規制部材28は、フッ素ゴムなどの耐熱弾性材により構成されており、摺動部材24aよりも潤滑剤201の吸収性が低い材料で構成されている。
なお、「吸収性」とは、液体状態の潤滑剤の吸収しやすさの事であり、材料の「吸収性」は、例えば、「JIS L 1907 繊維製品の吸水性試験方法」などにあるように、滴下法、バイレック法、沈降法などの試験方法を用いて評価することができる。例えば、バイレック法を用いた「吸収性」の評価は、次のようにして行う。すなわち、吸収体(試料)を用いて、縦方向200mm×横方向25mmの大きさの試験片を作製し、この試験片を垂直になるように上端を固定する。次に、下端を、オイルなどの液体の潤滑剤に浸漬させ、10分間放置後の液体が吸収体内を上昇した高さHmmを測定する。この上昇高さHmmが高いほど、潤滑剤の「吸収性」が高いといえる。
なお、材料の「吸収性」の評価は、上記方法に限られず、適宜選定することができる。
一方の規制部材28の内側端部から、他方の規制部材28の内側端部までの距離L2は、本プリンタが通紙可能な最大用紙幅よりも長くなっている。本実施形態では、上記L2が、322mmとなっている。また、一方の規制部材28の外側端部から、他方の規制部材28の外側端部までの距離L3は、本実施形態では、350mmであり、摺動部材24aの長手方向長さL1:344mmよりも長くなっている。すなわち、規制部材28の外側端部は、摺動部材24aの長手方向端部よりも外側に位置しているのである。
図12は、図11の破線Dで囲う部分の拡大断面図である。
規制部材28には、ニップ形成部材24に取り付けるための取り付け部28aを備えている。取り付け部28aは、円柱状の貫通部281bと、抜け止め部281aとで構成されている。抜け止め部281aは、貫通部281bの先端に設けられており、先端側から貫通部281aに向かうにつれて大径となるような、断面台形形状となっている。
ニップ形成部材24は、中空の箱型形状であり、ニップ形成部材の定着ベルトの回転方向上流側の壁面の長手方向端部付近には、内径が貫通部281bの外径より僅かに大きい貫通孔241が形成されている。また、摺動部材24aのニップ形成部材の定着ベルトの回転方向上流側の壁面に貼り付けられた部分の長手方向端部付近にも、貫通孔241aがニップ形成部材24の貫通孔241と重なるように設けられている。
規制部材28の取り付けは、まず、抜け止め部281aの先端を、摺動部材24aの貫通孔241aに押し当てながら、規制部材28を摺動部材24a側押し込む。すると、抜け止め部281aが圧縮変形して摺動部材24aの貫通孔241aに挿入される。さらに、規制部材28を押し込んで、抜け止め部281が、ニップ形成部材24の貫通孔241を抜け出ると、抜け止め部281が元の形状に戻る。これにより、規制部材28が、ニップ形成部材24に取り付けられる。
規制部材28は、外側端部が、内側端部よりも定着ベルトの回転方向上流側に位置するような、略L字状の形状をしている。具体的には規制部材の内側端部の厚みが、T1であり、この内側端部から外側に向けて厚みが徐々に増加し、外側端部の厚みがT2となっている。また、規制部材28の定着ベルトの上流側の面が、外側から内側に向けて、定着ベルト回転方向下流側に位置するような緩やかなR形状の傾斜面28bとなっている。本実施形態では、R形状の傾斜面としているが、直線状の傾斜面でもよい。
先の図11に示すように、本実施形態では、ニップ形成部材24の長手方向両端に規制部材28を設けている。よって、ニップ形成部材24の上流側端部で堰き止められた潤滑剤201が、摺動部材24aの長手方向端部よりも外側に移動するのを、規制することができる。これにより、ニップ形成部材24の上流側端部で堰き止められた潤滑剤201を、摺動部材24aに吸収させることができる。その結果、摺動部材24aから定着ベルト21に付着した潤滑剤201が摺動部材24aに戻るという循環サイクルを成立させることができる。よって、経時に亘り、摺動部材24aが含有する潤滑剤の減少を抑制することができ、経時に亘り、潤滑剤201による潤滑効果を維持することができる。その結果、経時に亘り定着装置のトルク上昇を抑えることができる。
また、規制部材28の定着ベルトの上流側の面を、外側から内側に向けて、定着ベルト回転方向下流側に位置するような緩やかなR形状の傾斜面28bとしている。これにより、摺動部材24aから定着ベルト21の内周面の規制部材28の内側端部より外側に付着した潤滑剤をこの傾斜面28bで、内側に案内することができる。また、ニップ形成部材の上流側端部に堰き止められるまでの間に、規制部材28の内側端部より外側へ移動した潤滑剤201を、この傾斜面28bで、内側に案内することができる。これにより、規制部材28の内側端部より外側の潤滑剤201を、摺動部材24aに接触させることができ、摺動部材24aに再度、吸収させることができる。
規制部材28の内側端部よりも外側には、潤滑剤201が、摺動部材24aと接触しないため、摺動部材24aの規制部材28の内側端部よりも外側の領域では、潤滑剤201が吸収されない。用紙が定着ニップ部Nを通過するときは、通紙領域においては、紙の厚み分、定着ベルト21とニップ形成部材との接触圧は、非通紙領域に比べて高くなり、通紙領域の摩擦抵抗が大きくなる。
そのため、本実施形態では、規制部材28を、本プリンタが通紙可能な最大用紙幅よりも外側に設けている。これにより、摺動部材24aの通紙領域では、定着ベルト21に付着した潤滑剤201が吸収され、少なくとも摺動部材24aの通紙領域においては、十分な潤滑剤201を保持することができる。これにより、効果的に潤滑剤の効果を維持することができる。
また、本実施形態では、規制部材28をフッ素ゴムで構成し、潤滑剤201が規制部材28に吸収されないようにしている。規制部材28を、潤滑剤201が吸収されるような材質で構成した場合、規制部材28が潤滑剤201を溜め込んでしまい、摺動部材24aが含有する潤滑剤201が減少し、良好な潤滑効果が得られないおそれがある。また、規制部材28に吸収された潤滑剤201が、規制部材28の外側端部から漏れ出すおそれがある。この外側端部から漏れ出た潤滑剤は、外側へ移動し、最終的には、定着ベルト21の端部から漏れ出すおそれがある。
規制部材28をフッ素ゴムで構成し、潤滑剤201が規制部材28に吸収されないようにすることで、摺動部材24aが含有する潤滑剤の減少を抑制でき、かつ、規制部材28の外側端部から潤滑剤201が漏れ出す事態が生じるのを防止することができる。
また、規制部材28をフッ素ゴムなどの弾性部材とすることで、規制部材28を弾性変形させて定着ベルトに接触させることができる。これにより、定着ベルトの位置変動に対して、規制部材28を追随させることができ、規制部材28を、定着ベルト21の内周面に隙間なく接触させることができる。その結果、定着ベルト21に付着した潤滑剤201の外側への移動を良好に規制することができる。また、傾斜面28bにより、定着ベルト21の内周面に付着した潤滑剤201を内側に戻すことができる。
また、図12に示すように、規制部材28の傾斜面28bの外側端部が、摺動部材24aの長手方向端部よりも外側に位置している。これにより、摺動部材24aの長手方向端部付近から定着ベルト21に付着した潤滑剤201を、規制部材28の傾斜面28bで捉えることができ、潤滑剤201を、傾斜面28bで摺動部材24aに接触するように内側へ戻すことができる。また、摺動部材24aの長手方向端部よりも外側へ移動した潤滑剤も傾斜面28bで捉えることができ、潤滑剤201を、傾斜面28bで摺動部材24aに接触するように内側へ戻すことができる。
本実施形態においては、規制部材28を摺動部材24aの長手方向端部に設けているが、フランジ部材のガイド部451aの先端よりも内側であればよい。これは、潤滑剤が、ガイド部451aに付着すると、その潤滑剤201を規制部材28では、内側に戻すことができないからである。ガイド部451aの先端よりも内側に規制部材を設けることで、定着ベルトに付着した潤滑剤を、内側に戻すことができ、摺動部材24aに再供給させることができる。また、規制部材28の内側先端は、摺動部材24aの長手方向端部よりも内側にあればよい。これにより、規制部材28で規制した潤滑剤を、摺動部材24aへ戻すことができ、定着ベルト21に付着した潤滑剤201を摺動部材24aに再供給することができる。
さらに、本実施形態では、規制部材28は、ニップ形成部材に対して定着ベルトの回転方向上流側から隣接する位置に設けているが、定着ベルトの回転軌道上の任意に位置でよい。ニップ形成部材に対して定着ベルトの回転方向上流側から隣接する位置でなくても、定着ベルトに付着した潤滑剤の外側への移動を規制して、潤滑剤がガイド部に付着するのを抑制することができる。さらに、規制部材で摺動部材24aの長手方向端部よりも内側に戻すことで、定着ベルトに付着した潤滑剤を、摺動部材の定着ベルト回転方向上流側の端部に接触させることができ、摺動部材に再供給することができる。
しかし、潤滑剤201が摺動部材24aの上記上流側端部に堰き止められているとき、潤滑剤が、外側へ移動しやすい。よって、規制部材28を、ニップ形成部材に対して定着ベルトの回転方向上流側から隣接する位置に設けることにより、効果的に潤滑剤201の移動を規制でき、望ましい。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図13は、変形例の定着装置におけるニップ形成部材24周辺を加圧ローラ側から見た概略図であり、図14は、図13の破線Dで囲う部分の拡大断面図である。
図13に示すように、この変形例1においては、規制部材28の間に潤滑剤保持部材である潤滑剤回収部材27を設けたものである。潤滑剤回収部材27は、超吸収性ポリマーなど、摺動部材24aよりも潤滑剤201の吸収性が高い素材で構成されている。
図14に示すように、潤滑剤回収部材27は、その両端を、取り付けビス27aによりニップ形成部材24に取り付けられている。このように、潤滑剤回収部材27を設けることで、潤滑剤201を、摺動部材24aと潤滑剤回収部材27とで保持することができ、保持できる潤滑剤の量を増やすことができる。これにより、経時に亘り、潤滑剤による潤滑効果を維持することができる。
摺動部材24aから定着ベルト21の内周面に付着し、付着したまま定着ベルトとともにニップ形成部材24の定着ベルト回転方向上流側へ移動してきた潤滑剤は、潤滑剤回収部材27に堰き止められた後、潤滑剤回収部材27に吸収され回収される。上述したように、潤滑剤回収部材27は、摺動部材24aよりも潤滑剤201の吸収性が高い素材で構成されているため、堰き止められた潤滑剤をすばやく吸収することができる。
潤滑剤回収部材27に吸収された潤滑剤201は、ベルトの内周面に付着して、ベルトの回転により摺動部材24aに運ばれて摺動部材24aに供給される。また、潤滑剤回収部材27の摺動部材24aとの接触部分を通じて潤滑剤回収部材27の潤滑剤が摺動部材24aに供給される。
また、潤滑剤回収部材27よりも外側には、規制部材28が設けられているので、潤滑剤回収部材27の長手方向端部から、潤滑剤201が漏れ出すのを規制部材28により規制することができる。また、規制部材28の外側端部は、潤滑剤回収部材27よりも定着ベルト回転方向上流側に位置するので、潤滑剤回収部材27により堰き止められた潤滑剤が、定着ベルトの端部へ移動するのを規制することができる。
また、定着ベルト21の潤滑剤回収部材27よりも外側に付着している潤滑剤は、規制部材の傾斜面28bに案内されて、潤滑剤回収部材27に戻される。これにより、定着ベルトに付着した潤滑剤を潤滑剤回収部材27で回収することができる。
以上に説明したものは一例であり、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
回転可能な無端状の定着ベルト21と、定着ベルト21の外周面と当接する加圧ローラ22などの加圧部材と、定着ベルト21の内周側に配置され定着ベルト21を介して加圧部材と当接しニップ部を形成するニップ形成部材24と、定着ベルト21の内周面に接触するようにニップ形成部材24の表面に設けられ、潤滑剤が含浸された摺動部材24aなどの潤滑剤含浸部材と、定着ベルト21の幅方向両端部の内周面と接触し、定着ベルト21の回転をガイドする一対のフランジ部材451などのガイド部材とを備えた定着装置20において、各ガイド部材よりも定着ベルト21の幅方向の内側に、定着ベルト21の内周面に付着した潤滑剤の幅方向の外側への移動を規制する規制部材28を設けた。
これによれば、ガイド部材より内側に設けた規制部材により、定着ベルトに付着した潤滑剤の幅方向外側への移動を規制するので、定着ベルトに付着した潤滑剤がガイド部材に付着するのを抑制することができる。これにより、ガイド部材から潤滑剤が垂れ落ちて、装置を汚してしまうのを抑制することができる。
(態様2)
(態様1)において、規制部材28を、ニップ形成部材24に対し、定着ベルト21の回転方向上流側から隣接するように配置した。
これによれば、ニップ形成部材24により堰き止められた潤滑剤201の定着ベルト21の端部への移動を規制することができる。これにより、ニップ形成部材24により堰き止められた潤滑剤が、定着ベルト21の端部から漏れ出すのを防止することができる。
(態様3)
(態様2)において、規制部材28よりも前記幅方向の内側に、定着ベルト21に付着した潤滑剤201を吸収して保持する潤滑剤回収部材27などの潤滑剤保持部材を設けた。
これによれば、変形例で説明したように、潤滑剤201を、潤滑剤回収部材27などの潤滑剤保持部材と、摺動部材24aなどの潤滑剤含浸部材とで保持することができ、保持できる潤滑剤の量を増やすことができる。これにより、経時に亘り、潤滑剤による潤滑効果を維持することができる。
また、潤滑剤保持部材が、規制部材28よりも定着ベルトの幅方向の内側に設けられているので、潤滑剤保持部材の上記幅方向端部から漏れ出した潤滑剤201が、定着ベルト21の端部へ移動するのを規制部材28で規制することができる。
(態様4)
(態様3)において、潤滑剤回収部材27などの潤滑剤保持部材は、摺動部材24aなどの潤滑剤含浸部材よりも潤滑剤の吸収性が高い素材で構成されている。
これにより、潤滑剤回収部材27などの潤滑剤保持部材により堰き止められた潤滑剤をすばやく吸収することができる。
(態様5)
(態様1)乃至(態様4)いずれかにおいて、規制部材28は、定着ベルト内周面に付着した潤滑剤を、摺動部材24aなどの潤滑剤含浸部材の前記幅方向の端部よりも内側に戻す傾斜面28bなどの戻し部を有する。
これにより、定着ベルトの、摺動部材24aなどの潤滑剤含浸部材の定着ベルトの幅方向における端部よりも外側に付着した潤滑剤を、規制部材28の戻し部により、潤滑剤含浸部材の上記幅方向の端部よりも内側に戻すことができる。これにより、定着ベルト21の潤滑剤含浸部材の上記幅方向の端部よりも外側に付着した潤滑剤を、潤滑剤含浸部材の定着ベルトの回転方向上流側端部に接触させることができ、潤滑剤含浸部材に戻すことができる。その結果、経時に亘り潤滑剤含浸部材に潤滑剤を含浸させておくことができ、経時に亘りに潤滑剤の潤滑効果を維持することができる。
(態様6)
(態様5)において、前記戻し部は、前記規制部材28の前記幅方向の内側端部から前記幅方向の外側に向うにつれて、前記定着ベルトの回転方向上流側に位置するように傾斜する傾斜面である。
これによれば、定着ベルト21の内周面に付着した潤滑剤が規制部材の傾斜面28bに接触すると、潤滑剤が傾斜面28bに沿って移動し、定着ベルトの幅方向内側へ移動させることができる。
(態様7)
(態様5)または(態様6)において、傾斜面28bなどの戻し部の前記幅方向の外側端部が、摺動部材24aなどの潤滑剤含浸部材の前記幅方向の端部よりも外側に位置する。
これによれば、定着ベルトの内周面の、摺動部材24aなどの潤滑剤含浸部材の前記幅方向の端部よりも外側に付着した潤滑剤を、戻し部で潤滑剤含浸部材の上記幅方向の端部よりも内側に戻すことができる。
(態様8)
(態様5)乃至(態様7)いずれかにおいて、規制部材28の前記幅方向の内側端部が、摺動部材24aなどの潤滑剤含浸部材の前記幅方向の端部よりも内側に位置する。
これによれば、傾斜面28bなどの戻し部で摺動部材24aなどの潤滑剤含浸部材の上記幅方向の端部よりも内側に潤滑剤を戻すことができる。
(態様9)
(態様1)乃至(態様8)いずれかにおいて、定着ニップ部Nなどのニップ部を通過し得る用紙Pなどの記録材のうち、定着ベルトの幅方向における長さが最大の記録材が前記ニップ部を通過する前記幅方向の領域よりも前記幅方向の外側に、前記規制部材28を設けた。
これによれば、少なくとも摺動部材24aなど潤滑剤含浸部材の記録材通紙領域では、定着ベルト21に付着した潤滑剤201が接触し、潤滑剤含浸部材に回収される。これにより、少なくとも潤滑剤含浸部材の通紙領域に潤滑剤を保持することができる。通紙時において、定着ベルトとの接触圧が高くなるのは、潤滑剤含浸部材の通紙領域であり、その領域に潤滑剤が保持されることで、潤滑剤よる潤滑効果を効果的に得ることができる。
(態様10)
(態様1)乃至(態様9)いずれかにおいて、規制部材28を弾性部材で構成した。
これによれば、規制部材28を弾性変形させて定着ベルト21の内周面に隙間なく接触させることができ、定着ベルトに付着した潤滑剤の定着ベルト端部への移動を良好に規制することができる。
(態様11)
感光体ドラムなどの像担持体と、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段(本実施形態では、帯電装置、現像装置、光書込装置などで構成)と、トナー像を前記像担持体上から用紙Pなどの記録材上に転写する転写装置71などの転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を該記録材に定着させる定着装置20などの定着手段とを備えた画像形成装置において、定着手段として、(態様1)乃至(態様10)いずれかの定着装置を用いる。
これによれば、装置内が、定着装置から漏れ出した潤滑剤により汚れるのを抑制することができる。
6 光書込装置
20 定着装置
21 定着ベルト
22 加圧ローラ
23 加熱装置
24 ニップ形成部材
24a 摺動部材
27 潤滑剤回収部材
28 規制部材
28b 傾斜面
30 帯電装置
40 現像装置
71 転写装置
100 画像形成装置
120 感光体ドラム
201 潤滑剤
451 フランジ部材
451a ガイド部
特開2014−174358号公報 特開2004−286922号公報 特開2010−79309号公報 特開2007−334205号公報

Claims (11)

  1. 回転可能な無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの外周面と当接する加圧部材と、
    前記定着ベルトの内周側に配置され前記定着ベルトを介して前記加圧部材と当接しニップ部を形成するニップ形成部材と、
    前記定着ベルトの内周面に接触するように前記ニップ形成部材の表面に設けられ、潤滑剤が含浸された潤滑剤含浸部材と、
    前記定着ベルトの幅方向両端部の内周面と接触し、前記定着ベルトの回転をガイドする一対のガイド部材とを備えた定着装置において、
    各ガイド部材よりも前記定着ベルトの幅方向の内側に、前記定着ベルトの内周面に付着した潤滑剤の前記幅方向の外側への移動を規制する規制部材を設けたことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記規制部材を、前記ニップ形成部材に対し、前記定着ベルトの回転方向上流側から隣接するように配置したことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項2に記載の定着装置において、
    前記規制部材よりも前記幅方向の内側に、前記定着ベルトに付着した潤滑剤を吸収して保持する潤滑剤保持部材を設けたことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3に記載の定着装置において、
    前記潤滑剤保持部材は、前記潤滑剤含浸部材よりも潤滑剤の吸収性が高い素材で構成されていることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1至4いずれかに記載の定着装置において、
    前記規制部材は、前記定着ベルト内周面に付着した潤滑剤を、前記潤滑剤含浸部材の前記幅方向の端部よりも内側に戻す戻し部を有することを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5に記載の定着装置においては、
    前記戻し部は、前記規制部材の前記幅方向の内側端部から前記幅方向の外側に向うにつれて、前記定着ベルトの回転方向上流側に位置するように傾斜する傾斜面であることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項5または6に記載の定着装置において、
    前記戻し部の前記幅方向の外側端部が、前記潤滑剤含浸部材の前記幅方向の端部よりも外側に位置することを特徴とする定着装置。
  8. 請求項5乃至7いずれかに記載の定着装置において、
    前記規制部材の前記幅方向の内側端部が、前記潤滑剤含浸部材の前記幅方向の端部よりも内側に位置することを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の定着装置において、
    前記ニップ部を通過し得る記録材のうち、前記幅方向の長さが最大の記録材が前記ニップ部を通過する前記幅方向の領域よりも前記幅方向の外側に、前記規制部材を設けたことを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1乃至9いずれかに記載の定着装置において、
    前記規制部材を弾性部材で構成したことを特徴とする定着装置。
  11. 像担持体と、
    像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像を前記像担持体上から記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を該記録材に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、
    前記定着手段として、請求項1乃至10いずれかに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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