JP2006072218A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 回動部材に接触しながら回動可能なベルト部材には、内側に、ベルト部材を回動部材に圧接させてニップ部を形成する圧力部材と、ベルト部材と圧力部材との間の摺動摩擦を低減する低摩擦部材とを備えており、低摩擦部材は、端部領域であってニップ部を含む領域に、ベルト部材側に向けて高くなる段差が形成されている。
【選択図】 図4
Description
しかし、荷重を大きくする方法や、弾性体層の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になることから、定着むらや紙しわが生じ易い等といった画像品質上の問題がある。また、ロール径を大きくする方法では、装置の大型化を招くとともに、ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)が長くなるという問題がある。
また、漏洩した潤滑剤が圧力部材を構成するシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体に浸潤することで、次第に圧力部材の弾性が失われ、ニップ部におけるニップ圧の低下を招く結果、定着画像に光沢むら等の画像不良が生じ易くなるという新たな課題も生じることとなる。
また、回動部材を加熱する加熱部材、またはベルト部材を加熱する加熱部材をさらに備えたことを特徴とすることができる。
ここで、低摩擦部材は、潤滑剤塗布部材以外のベルト部材の内部に配設された部材の全部または一部を覆うように構成することができる。また、潤滑剤規制部材は、低摩擦部材と同じ材質で形成されたことを特徴とすることができる。さらに、潤滑剤規制部材は、低摩擦部材の一部を折り曲げて形成されたことを特徴とすることもできる。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
定着ロール61の内部には、発熱源として、例えば定格600Wのハロゲンヒータ66が配設されている。一方、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ66の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、175℃)を維持するように調整している。
ここで、図3は、エンドレスベルト62が支持された状態を説明する図であり、用紙Pの搬送方向下流側から見た定着装置60の端部領域の断面図である。
図3に示すように、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65の両端部には、エッジガイド部材80が配設されている。エッジガイド部材80は、ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部801、ベルト走行ガイド部801の外側に設けられ、エンドレスベルト62の内径よりも大きな外径で形成されたフランジ部802、さらにエッジガイド部材80の外側面に設けられ、エッジガイド部材80を定着装置60本体に位置決めして固定するための保持部803で構成されている。
また、フランジ部802は、ホルダ65の両端部において対向するように配置された両フランジ部802の内側面が、エンドレスベルト62の幅と略一致する間隔を持って配置されている。このように配置することで、エンドレスベルト62の幅方向への移動(ベルトウォーク)を規制している。
低摩擦シート68は、エンドレスベルト62の内側において、ホルダ65、ホルダ65に保持された圧力パッド64、さらには回動するエンドレスベルト62を支持する上流側ベルトガイド部材63aおよび下流側ベルトガイド部材63b等といった、後述する潤滑剤塗布部材67を除くエンドレスベルト62の内部に配置された部材全ての周囲を覆うように配設されている。
そして、低摩擦シート68は、ニップ部Nにおいて圧力パッド64と定着ロール61との間に押圧力が印加されている状態の下で、エンドレスベルト62内周面と圧力パッド64との摺動抵抗(摩擦抵抗)を低減している。
さらに、エンドレスベルト62の両端部を除く領域における内周面は、低摩擦シート68に支持されながら回動するので、潤滑剤塗布部材67によってエンドレスベルト62の内周面に塗布された潤滑剤は、エンドレスベルト62と低摩擦シート68との間の接触面に保持される。そのため、かかる接触面に挟持された状態での高い潤滑剤保持能力を実現できるので、エンドレスベルト62の両端部からの潤滑剤の漏洩も殆ど生じることがない。
加えて、潤滑剤塗布部材67は、ニップ部Nを通過したエンドレスベルト62内周面に付着している潤滑剤を回収する機能も有している。そして潤滑剤塗布部材67は、回収された潤滑剤を再度塗布(循環利用)することによって、エンドレスベルト62内周面における潤滑剤塗布量の平衡を保っている。
耐熱性弾性体層612としては、耐熱性の高い弾性体であればどのような材料を用いることも可能である。特に、ゴム硬度が25〜40°(JIS−A)程度のゴム、エラストマ等の弾性体を用いるのが好ましく、具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
剥離ニップ部材64bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離ニップ部材64bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸曲面状に形成される。
図4は、定着装置60に装着された状態での低摩擦シート68を表した斜視図である。図4に示したように、本実施の形態の低摩擦シート68には、ニップ部N周辺領域の両端部に段差部68aが形成されている。この段差部68aは、低摩擦シート68の本体部分68bと密着して重なることで、低摩擦シート68とエンドレスベルト62との当接面に、エンドレスベルト62側に向けて高くなる段差を形成している。また、段差部68aによる段差は、エンドレスベルト62の回動方向に対して、エンドレスベルト62の幅方向中央部側に徐々に傾いて形成されている。すなわち、段差部68aは、エンドレスベルト62の回動方向下流側に向かって、幅が徐々に広くなるように形成されている。したがって、段差部68aのエッジ面(段差面)は、回動方向下流側ほど中央部に近づくように構成されている。
加えて、段差部68aによる段差は、エンドレスベルト62の回動方向に対して、エンドレスベルト62の幅方向中央部側に徐々に傾いて形成されているので、堰き止められた潤滑剤は、段差に導かれてエンドレスベルト62の中央部方向に戻される。その結果、堰き止められた潤滑剤はエンドレスベルト62の内周面に保持されながら、再び潤滑剤塗布部材67に回収されるので、潤滑剤の循環利用が可能となって、エンドレスベルト62内周面に対する潤滑剤の塗布量を、長期に亘って所定量に維持することが可能となる。それにより、エンドレスベルト62の円滑な回動を維持することができるので、ニップ部Nにおける紙しわや画像ずれの発生を抑制することが可能となる。
また、漏洩した潤滑剤が圧力パッド64のプレニップ部材64aを構成するシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体に浸潤することも抑制できるので、圧力パッド64の弾性が失われ、ニップ部Nにおけるニップ圧が低下することを防ぎ、光沢むらのない高品質な画像を維持することもできる。
また、エンドレスベルト62内周面からの潤滑剤の漏洩を抑制することによって、漏洩した潤滑剤が圧力パッド64に浸潤することもないので、ニップ圧を所定値に保つことができ、光沢むらのない高品質な画像を維持することもできる。
実施の形態1では、加熱手段として発熱源を有する定着ロール61を用い、加圧手段として圧力パッド64が押圧されたエンドレスベルト62を用いた定着装置60が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧された定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。尚、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
セラミックヒータ82は、加圧ロール91側の面がほぼフラットに形成されている。そして、定着ベルト92を介して加圧ロール91に押圧される状態で配置され、ニップ部Nを形成している。したがって、セラミックヒータ82は圧力部材としても機能している。ニップ部Nを通過した用紙Pは、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ベルト92の曲率の変化によって定着ベルト92から剥離される。
また、定着ベルト92は、原形が円筒形状に形成された無端ベルトであり、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂等からなるベース層と、このベース層の加圧ロール91側の面(外周面)または両面に被覆された、フッ素樹脂等からなる離型層とで構成されている。
さらには、剥離の補助手段として、定着ベルト92のニップ部Nの下流側に、剥離補助部材70を配設することも可能である。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト92の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト92と近接する状態でホルダ72によって保持されている。
Claims (10)
- 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
回動部材と、
前記回動部材に接触しながら回動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材の内側に配置され、当該ベルト部材を前記回動部材に圧接させて当該回動部材と当該ベルト部材との間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材と、
前記ベルト部材と前記圧力部材との間の摺動摩擦を低減する低摩擦部材とを備え、
前記低摩擦部材は、端部領域であって前記ニップ部を含む領域に、前記ベルト部材側に向けて高くなる段差が形成されたことを特徴とする定着装置。 - 前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材をさらに備え、
前記低摩擦部材は、前記潤滑剤塗布部材以外の前記ベルト部材の内部に配設された部材の全部または一部を覆うように配設されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。 - 前記低摩擦部材の段差は、前記ベルト部材の回動方向に向けて、当該ベルト部材の幅方向中央部側に傾斜して形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記低摩擦部材の段差は、前記記録材が通過する領域外に配置されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記回動部材を加熱する加熱部材、または前記ベルト部材を加熱する加熱部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
回動部材と、
前記回動部材に接触しながら回動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材の内側に配置され、当該ベルト部材を前記回動部材に圧接させて当該回動部材と当該ベルト部材との間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材と、
前記ベルト部材と前記圧力部材との間の摺動摩擦を低減する低摩擦部材と、
前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と、
前記低摩擦部材における端部領域であって前記ニップ部を含む領域にて、前記ベルト部材と当該低摩擦部材との間に配置され、前記潤滑剤の外部への移動を規制する潤滑剤規制部材と
を備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記低摩擦部材は、前記潤滑剤塗布部材以外の前記ベルト部材の内部に配設された部材の全部または一部を覆うように配設されたことを特徴とする請求項6記載の定着装置。
- 前記潤滑剤規制部材は、前記低摩擦部材と同じ材質で形成されたことを特徴とする請求項6記載の定着装置。
- 前記潤滑剤規制部材は、前記低摩擦部材の一部を折り曲げて形成されたことを特徴とする請求項6記載の定着装置。
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
前記定着手段は、
回動部材と、
前記回動部材に接触しながら回動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材の内側に配置され、当該ベルト部材を前記回動部材に圧接させて当該回動部材と当該ベルト部材との間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材と、
前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と、
前記潤滑剤塗布部材以外の前記ベルト部材の内部に配設された部材の全部または一部を覆うように配設され、前記ベルト部材と前記圧力部材との間の摺動摩擦を低減する低摩擦部材とを備え、
前記低摩擦部材は、端部領域であって前記ニップ部を含む領域に、前記ベルト部材側に向けて高くなる段差が形成されたことを特徴とする画像形成装置。
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