JP2020086404A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020086404A
JP2020086404A JP2018225784A JP2018225784A JP2020086404A JP 2020086404 A JP2020086404 A JP 2020086404A JP 2018225784 A JP2018225784 A JP 2018225784A JP 2018225784 A JP2018225784 A JP 2018225784A JP 2020086404 A JP2020086404 A JP 2020086404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
fixing device
sliding member
nip
lubricant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2018225784A
Other languages
English (en)
Inventor
豊 池淵
Yutaka Ikefuchi
豊 池淵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2018225784A priority Critical patent/JP2020086404A/ja
Publication of JP2020086404A publication Critical patent/JP2020086404A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】摺動部材を無駄なく、少ない材料で作成することができる定着装置を提供する。【解決手段】定着ベルト21などの定着部材と、加圧ローラ22などの加圧部材と、定着部材の内周側で加圧部材と対向してニップ部Nなどのニップを形成するニップ形成部材24と、定着部材とニップ形成部材との間に配置され、定着部材を滑らかに摺動させるよう潤滑剤が塗布された摺動部材25と、を備え、摺動部材は、定着部材の内面に接触する接触部が、定着部材の回転方向における上流側から下流側に向かうにつれて定着部材の幅方向の端部から中央部に向かうように傾斜して延在することで潤滑剤を案内する、幅方向に並んだ複数の経凹521などの案内部を有し、摺動部材の下流側の端部における各案内部の単位面積当たりの存在数が増加するよう構成した。これにより、摺動部材25として使用できるシート部分25Aが1枚から2枚に増加させることができる。【選択図】図8

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
電子写真に用いられる定着装置では、省エネ性能向上のため定着ローラもしくは加圧ローラの代わりに、薄いベルトを用いて肉厚を薄くし、対向する上記何れか一方のローラの圧力をベルトの内側に設けた別部材(ニップ形成部材とも呼ばれるが、以下、背景技術欄において「支持部材」という)で受け、その支持部材に対してベルトを摺動回転させる構成がある。この構成では、ベルト内周面と支持部材の摩擦力が高いとベルトが回転しないため、多くの構成では支持部材とベルト内面との間に摺動部材を設け、摩擦力を低減するようになっている。
上記構成でベルトや支持部材あるいは摺動部材の耐久性を持たせるために、摺動部材に潤滑剤としてオイルを含侵させ、その摺動面(ベルト内面との接する面)の特殊な幾何学的形状により、摺動部材とベルト内周面との摩擦低減を図ることができる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、上記摺動面の特殊な幾何学的形状として、「摺動部材の表面の凹凸が、連続性を有する溝形状であり、該連続性を有する溝形状が、摺動方向に対して所定間隔を有すると共に、当接させる面における摺動方向と平行方向の端部から中心線にかけて摺動方向に向かうように直線状に傾斜して設けられている」構成を採っている。
また、摺動部材により摩擦力を低減する技術として、摺動部材として織物状のシート(以下、背景技術欄において「摺動シート」という)を使用し、摺動シートに潤滑剤としてオイルを含侵させ、更に摺動シートの経糸を放射状に配置し、含侵したオイルがベルトの回転に対して直交する幅方向に漏れることを防止する技術が提案されている(この技術については、後述の本発明の実施の形態参照)。
しかしながら、今までの摺動シートにおいて、経糸を放射状に配置する構成では、必要部分のみ織り込むことはできず、大きめの元となるシートを作成し、これを部分的に切り取って使用することとなり、材料の無駄が多いという問題があった。換言すれば、摺動シートの元となるシートから採れる枚数が限られ、工程効率(歩留まり)が悪いという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、摺動シート(摺動部材)を無駄なく、少ない材料で作成することができる定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、回転可能に構成され記録媒体の未定着像を定着させる定着部材と、前記定着部材を外周側で加圧する加圧部材と、前記定着部材の内周側で前記加圧部材と対向してニップを形成するニップ形成部材と、前記定着部材と前記ニップ形成部材との間に配置され、前記定着部材を滑らかに摺動させるよう潤滑剤が塗布された摺動部材と、を備え、前記摺動部材は、前記定着部材の内面に接触する接触部が、該定着部材の回転方向における上流側から下流側に向かうにつれて前記定着部材の幅方向の端部から中央部に向かうように傾斜して延在することで前記潤滑剤を案内する、前記幅方向に並んだ複数の案内部を有し、前記摺動部材の前記下流側の端部における前記各案内部の単位面積当たりの存在数が増加するよう構成した定着装置にある。
本発明によれば、摺動部材を無駄なく、少ない材料で作成することができる。
本発明の実施形態に係る定着装置を備えたカラー画像形成装置の断面を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の主な構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の摺動部材及び定着ベルトを定着ベルトの内面側から見て、潤滑剤の流れを模式的に示す平面図である。 (a)は従来例におけるニップ形成部材、取り付け前の摺動部材及びその取り付け前の摺動部材がニップ形成部材に取り付けられる方法等を説明する模式図、(b)は本実施形態におけるニップ形成部材、取り付け前の摺動部材及びその取り付け前の摺動部材がニップ形成部材に取り付けられる方法等を説明する模式図である。 図4に示した取り付け前の摺動部材が採取される摺動部材の大元となる原反シートの構成及び使用可能部位を展開して示す平面図である。 図3に示した実施形態の課題について説明する図である。 実施例1の摺動部材として使用可能な構成を説明する平面図である。 実施例2の摺動部材として使用可能な構成を説明する平面図である。 (a)は実施例2と同様の図、(b)は放射状の複数の経凹の放射中心が2点の場合を、(c)は放射状の複数の経凹の放射中心が4点の場合を、それぞれ示す図である。 (a)は経凹部形成用の金型の斜視図、(b)は緯凹部形成用の金型の斜視図である。 (a)〜(c)は、図10(a)や図10(b)に示す金型を用いて摺動部材となる樹脂シート部材に経凹や緯凹及び凹部を形成する概略の工程を説明する図である。 カレンダー加工で摺動部材となる樹脂シート部材に経凹及び凹部を形成する方法について説明する図である。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態を詳細に説明する。各実施の形態等に亘り、同一の機能及び形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図及び説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。以下では、本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置を図1に示すカラー画像形成装置1に適用した場合について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るカラー画像形成装置1は、装置本体2と、光書込装置3と、プロセスユニット4と、転写装置5とを含んで構成されている。カラー画像形成装置1は、更に、ベルトクリーニング装置6と、シート給送装置7と、排紙トレイ8と、レジストローラ9と、定着装置10とを含んで構成されている。
このカラー画像形成装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(Bk)の各色に色分解された色にそれぞれ対応する画像を形成する像担持体からなる感光体ドラムが並設されたタンデム構造で構成されている。尚、本発明に係る画像形成装置は、タンデム構造に限定されることはなく、他の構造であってもよい。また、本発明に係る画像形成装置は、カラー画像形成装置1に限定されることはなく、他の画像形成装置であってもよい。例えば、複写機やファクシミリ装置であってもよい。
装置本体2は、各構成要素を収容する筐体で構成されており、シート給送装置7に収容された記録媒体としての記録紙Sを搬送する搬送経路Rが筐体内部に形成されている。
装置本体2の排紙トレイ8の下部には、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色のトナーが充填されたトナーボトル2aY、2aC、2aM、2aBkが着脱可能に装着されている。また、装置本体2の内部には、図示しない廃トナー収容器が設けられており、その入り口部には、トナー移送ホースが接続され、トナー移送ホースから入った廃トナーが収容されるようになっている。
光書込装置3は、光源としての半導体レーザー、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラー及び回転多面鏡を含んで構成されている。この光書込装
置3は、プロセスユニット4に対して色毎に対応した書き込み光Lbを照射してプロセスユニット4に静電潜像を形成するよう構成されている。照射されるレーザー光に含まれる画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色情報に分解した単色の画像情報で構成されている。
プロセスユニット4は、プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkの4つのプロセスユニットで構成されている。プロセスユニット4Yは、感光体ドラム4dと、帯電ローラ4rと、現像装置4gと、クリーニングブレード等を有する感光体クリーニング装置4bとを有している。このプロセスユニット4Yは、帯電、光書込、現像、転写、クリーニング及び除電が順に行われるよう構成されている。
このプロセスユニット4Yにおいては、まず、帯電ローラ4rにより感光体ドラム4dに静電気を蓄える帯電がなされ、帯電した感光体ドラム4dの表面へ光書込装置3による光書込がなされ、感光体ドラム4dに静電気のパターンからなる静電潜像が形成される。そして、現像装置4gにより感光体ドラム4d上の静電潜像にイエロートナーの付着、即ち現像がなされてトナー像が形成され、転写装置5へトナー像が形成される転写が行われる。そして、次の転写に備えて、感光体クリーニング装置4bにより感光体ドラム4d上に残ったトナーが取り除かれ、更に、感光体ドラム4d上に残った静電気が取り除かれる除電が行われる。
感光体ドラム4dは、円筒形の表面に、無機や有機の感光体からなる感光層を有しており、帯電ローラ4rは、感光体ドラム4dに近接して配置された感光体ドラム4dとの間の放電により感光体ドラム4dを帯電させるようになっている。
現像装置4gは、イエロートナーを供給する供給部分と、感光体ドラム4dにイエロートナーを付着させる現像部分により構成されている。感光体クリーニング装置4bは、クリーニングブレードとしてゴムなどの弾力性のある帯状部材とブラシなどのトナー除去部材とを有している。現像装置4gは、装置本体2に着脱可能に収容されている。
プロセスユニット4C、4M、4Bkも、それぞれプロセスユニット4Yと同様に構成されている。プロセスユニット4Cは、シアンのトナー像を、プロセスユニット4Mは、マゼンタのトナー像を、プロセスユニット4Bkは、ブラックのトナー像をそれぞれ転写装置5に転写するようになっており、図1の簡明化を図るためプロセスユニット4Yのみに構成要素の符号を記載することとし、プロセスユニット4C、4M、4Bkでは符号の記載を省略している。
転写装置5は、転写ベルト5aと、駆動ローラ5bと、従動ローラ5cと、一次転写ローラ5dと、二次転写ローラ5eとを有している。転写ベルト5aは、端末の無いいわゆる無端状のベルトから構成されており、駆動ローラ5bと従動ローラ5cとの間に張力がかかった状態で掛け渡されている。転写ベルト5aは、駆動ローラ5b及び従動ローラ5cにより、図の矢印A1の方向に回転可能、即ち周回走行可能に構成されている。
一次転写ローラ5dは、プロセスユニット4Yの感光体ドラム4dに対して転写ベルト5aを介して押し付ける一次転写ローラ5dYと、プロセスユニット4C、4M、4Bkの感光体ドラム4dに同様に押し付ける一次転写ローラ5dC、5dM、5dBkを有している。プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkの各感光体ドラム4dに押し付けられた転写ベルト5aとの接触部分に、それぞれ一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ5eは、転写ベルト5aの外周面を介して押し付けることにより駆動ローラ5bを押し付けており、二次転写ローラ5eと転写ベルト5aとの接触部分に、二次転写ニップが形成されている。
ベルトクリーニング装置6は、転写装置5とプロセスユニット4Yとの間に配置されている。このベルトクリーニング装置6は、転写装置5での二次転写ニップにおける転写の際に、転写ベルト5aの外周表面に残ったトナーを取り除く図示しないトナー除去部材と、除去された廃トナーを廃トナー収容器に移送するトナー移送ホースとを有している。
シート給送装置7は、装置本体2の下部に配置されており、記録紙Sを収容する給紙カセット7aと、給紙ローラ7bとを有している。シート給送装置7においては、給紙ローラ7bにより給紙カセット7aから記録紙Sが1枚ずつ取り出され、搬送経路Rに送り出すようになっている。
排紙トレイ8は、トナーボトル2aY、2aC、2aM、2aBkの収容部の上方で装置本体2の上部に配置されており、記録された記録紙Sを収容するトレイ8aと、一対の排紙ローラ8bとを有している。排紙トレイ8においては、一対の排紙ローラ8bにより搬送経路Rから排出された記録紙Sをトレイ8aに1枚ずつ順次積載するようになっている。
レジストローラ9は、一対のローラを有しており、シート給送装置7の給紙ローラ7bにより送り出された搬送経路Rにある記録紙Sの搬送を調節する、即ち搬送されてきた記録紙Sをニップ部で一旦停止させて斜行などを調節するよう構成されている。
搬送経路R上のレジストローラ9と給紙ローラ7bとの間で、図示しないレジストセンサが装置本体2に配置されており、記録紙Sの先端部分の通過が検知されるようになっている。このレジストセンサが記録紙Sの先端部分の通過を検知した後、所定時間が経過すると、記録紙Sはレジストローラ9のニップ部に突き当てられて一端停止する。このレジストローラ9は、突き当てられた記録紙Sを所定のタイミングで挟み込んで回転し、二次転写ニップまで搬送するようになっている。所定のタイミングとしては、例えば、転写ベルト5aの回転によりフルカラーで重ね合わさったトナー画像が二次転写ニップの位置まで搬送された時機が挙げられる。
図1を参照して、上記カラー画像形成装置1の動作について簡単に説明する。カラー画像形成装置1は、その作像動作が開始されると、各プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkの感光体ドラム4dが図示しない駆動装置によって同図の時計回りに回転駆動され、各感光体ドラム4dの表面が帯電ローラ4rによって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体ドラム4dの表面には光書込装置3からレーザー光がそれぞれ照射されて、それぞれの感光体ドラム4dの表面には静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム4dに光書込する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体ドラム4d上に形成された静電潜像に、各現像装置4gによってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像(現像剤像)として可視像化される。
駆動ローラ5bが同図の反時計回りに回転駆動されることにより、転写ベルト5aが同図の矢印で示す方向に走行駆動される。また、各一次転写ローラ5dに、トナーの帯電極性と逆特性の定電圧または定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ5dと各感光体ドラム4dとの間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして各プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkの感光体ドラム4dに形成された各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、転写ベルト5a上に順次重ね合わせて転写される。このようにして転写ベルト5aはその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。
また、上記トナー画像が転写された後の各感光体ドラム4dの表面に付着する残留トナーは、感光体クリーニング装置4bによって除去される。次いで、各感光体ドラム4dの表面上の電荷が図示していない徐電装置によって除かれるいわゆる徐電作用を受け、その表面電位が初期化されて次の画像形成に備えられる。
そして、各感光体ドラム4d上に形成された静電潜像に対して現像手段によりトナーを付着させてトナー画像を形成する作像動作が開始されると、カラー画像形成装置1の下部では、給紙ローラ7bが回転駆動する。この回転駆動によって、記録紙Sのシート給送装置7に収容された記録紙Sが搬送経路Rに送り出される。搬送経路Rに送り出された記録紙Sは、レジストローラ9によってタイミングを取られて、二次転写ローラ5eとそれに対向する駆動ローラ5bとの間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ5eに、転写ベルト5a上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより二次転写ニップに転写電界が形成されている。
そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって転写ベルト5a上のトナー画像が記録紙S上に一括して転写される。トナー画像が転写された記録紙Sは定着装置10へと搬送され、定着ベルト21と加圧ローラ22とによって形成されるニップ部Nを通過する。このニップ部Nを通過する際に、記録紙Sが定着ベルト21により加熱されるとともに、加圧ローラ22によって加圧されてトナー画像が記録紙Sに定着される。
こうして定着された記録紙Sは排紙ローラ8bにより搬送され、搬送経路Rからトレイ8a上に1枚ずつ順次積載される。
次に、図2を参照して、定着装置10の具体的な構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る定着装置の主な構成(定着ベルト、加圧ローラ、ヒータ等)を示す断面図である。定着装置10は、図2に示すように、定着ベルト21と、加圧ローラ22と、ヒータ23と、ニップ形成部材24と、摺動部材25と、支持部材26と、反射部材28と、を含んで構成されている。また、定着装置10は、上記構成要素の他に、定着ベルト21などの構成要素における定着温度などの温度制御を実行させる図示しない制御部を有している。尚、本実施形態における定着ベルト21、加圧ローラ22及びヒータ23は、それぞれ本発明に係る定着装置の定着部材、加圧部材及び熱源を構成している。
この定着装置10においては、トナー画像が転写された記録紙Sが、定着ベルト21と加圧ローラ22との間に形成されるニップ部Nを通過中に加熱及び加圧されてトナー画像が記録紙Sに定着されるようになっている。そして、記録紙Sが、ニップ部Nから排出される際に定着ベルト21から分離し、搬送経路Rを通って排紙ローラ8bに向かって搬送されるようになっている。
定着ベルト21は、ベルト基材となる部分が例えばニッケル(Ni)、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料や、ポリイミド(Polyimide)などの樹脂材料によって、無端筒状に形成されたベルトであり、フィルムであってもよい。ベルトの表層はPFA(Tetra Fluoro ethylene-perfluoro Alkylvinyl ether copolymer)又はPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)層などの離型層を有し、トナーが付着しないように離型性を有している。ベルトの基材とPFAまたはPTFE層の間には、シリコーンゴム(Q)やフッ素ゴム(FKM)などのゴム材料で形成された弾性層が設けられていてもよい。シリコーンゴム層がない場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上する一方、未定着画像を押し潰して定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残りやすくなる。これを改善するために、シリコーンゴム層を100μm以上設けることが好ましい。シリコーンゴム層の変形により、微小な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
定着ベルト21は、厚みが1mm程度で形成され可撓性を有している。定着ベルト21は、外周面を通過する記録紙Sの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面が直径25mm程度になるよう環状に、立体形状では上記したように無端筒状に形成されている。
尚、定着ベルト21においては、弾性層21bのない構造であってもよい。弾性層21bがない場合は定着ベルト21の熱容量が小さくなり、熱応答及び省エネ性を向上させることができる。定着ベルト21における前述の直径は、定着装置10の設定諸元に応じて適宜、15〜120mm程度の範囲内の寸法で選択される。
定着ベルト21は、加圧ローラ22の矢印B1方向の回転に連れ回り、矢印B2方向に従動回転するようになっている。したがって、この定着ベルト21は、加圧ローラ22を駆動源としている。定着ベルト21及び加圧ローラ22の回転により、記録紙Sは、ニップ部Nに対して矢印B3方向に進入しニップ部Nから排出されるようになっている。
加圧ローラ22は、芯金からなるローラ22aと、ローラ22aの外周面に形成された弾性層22bと、弾性層22bの外周面に形成された図示しない離型層()を有している。この加圧ローラ22は、装置本体2内に設けられた図示しない駆動機構から出力された駆動力により回転するよう構成されている。この駆動機構は、例えば、モータなどの駆動部と減速ギヤなどの減速部とにより構成されている。また、この加圧ローラ22は、図示しないスプリングなどの加圧部材により定着ベルト21側に加圧され、弾性層22bが押し潰されて弾性変形することにより、所定のニップ幅でニップ部Nの一部を構成している。
ローラ22aは、所要の機械的強度を有し、熱伝導性の良好な炭素鋼材(例えば、SC、STKM)やアルミニウム材(Al)などの金属材料からなり、中実の円柱形に形成されている。尚、ローラ22aは、中空の円筒形で形成し、内部にハロゲンヒータなどの熱源を設け、この熱源によりローラ22a、弾性層22b、上記離型層を介してニップ部Nを通過中の記録紙Sを加熱するよう構成してもよい。
弾性層22bは、定着ベルト21の弾性層21bと同様、シリコーンゴム(Q)やフッ素ゴム(FKM)などの合成ゴムで形成されている。この合成ゴムは、比較的硬質で発泡がされていない、いわゆるソリッドゴムで構成されている。ローラ22aの内部に、熱源が設けられていない構造で構成された場合には、この合成ゴムに代えて、発泡がなされ、発泡弾性層からなる、いわゆるスポンジゴムで構成するようにしてもよい。このスポンジゴムは、内部に気泡を有しているので、断熱性が高められ、加熱された定着ベルト21の熱が加圧ローラ22に伝熱され難くなり、即ち熱が奪われ難くなるので省エネルギー化がより図られる。
上記離型層は、定着ベルト21の弾性層21bと同様、いわゆる離型性を良好とするとともに、弾性層22bの耐久性を高める機能を有し、熱伝導率が高く耐久性に富む材料で形成される。例えば、PEIやPFAまたはPTFEからなるフッ素樹脂塗料を塗布した
もの、あるいはシリコーンゴム層やフッ素ゴム層を形成したものが用いられる。
ヒータ23は、定着ベルト21の内面21a・内周側で、かつ定着ベルト21から離隔した位置で装置本体2に固定されている。このヒータ23は、定着ベルト21を輻射熱で直接加熱するよう単一の発光領域を有する公知の熱源で構成されている。この熱源としてはいわゆる輻射熱ヒータで構成され、例えば、ハロゲンランプの放射熱を直接利用したハロゲンヒータ、不活性ガス中に炭素繊維を封入した石英管で構成されるカーボンヒータ、セラミック内部に埋め込まれた抵抗配線で構成されるセラミックヒータが挙げられる。ヒータ23への通電及び非通電の制御は、前述の制御部によって行われる。
尚、ヒータ23は、単一の発光領域を有する公知の熱源以外の熱源で構成するようにしてもよい。例えば、ヒータ23を、電磁誘導の原理を利用して発熱させる公知の電磁誘導加熱ヒータで構成するようにしてもよい。この電磁誘導加熱ヒータは、例えば、国際公開第2005/38533号に記載された加熱装置や特開2007−334205号公報に記載された加熱装置が挙げられる。これらの加熱装置は、具体的には、定着ベルトの外周側に配置され、励磁コイル及びフェライトで形成されたコアからなる励磁装置を備えている。これらの加熱装置は、更に、定着ベルトの内周側に配置され、定着ベルトを挟んでコアと対向する対向コアと、励磁装置を制御する制御ユニットを備えている。
この電磁誘導加熱ヒータにおいては、制御ユニットにより、励磁コイルに高周波の交番電流を流されると、励磁コイルの周囲に磁界が形成されて、定着ベルト21の金属からなる上記ベルト基材に渦電流が生じる。渦電流が生じると、上記ベルト基材自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する、いわゆる相互誘導加熱により発熱する。
したがって、電磁誘導加熱ヒータの場合、上記ベルト基材は、いわゆる発熱層となる。この発熱層は、例えば、10μm程度の厚みで形成され、比較的効率のよい銅(Cu)で形成されることが好ましい。このジュール熱によって、上記ベルト基材全体が加熱される。この電磁誘導加熱ヒータで構成される定着装置10は、少ないエネルギー消費と短い立ち上げ時間とで、定着ベルト21の表面温度、即ち定着温度を所望の温度まで昇温させることができる。
ニップ形成部材24は、高い剛性を有する材料からなり、図2に示すニップ部Nを通過する記録紙Sの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面が略長方形に形成されている。ニップ形成部材24を形成する材料としては、樹脂材料や金属材料を用いることができるが、加圧ローラ22による加圧力を受けても大きく撓むことがない程度の剛性があり、耐熱性と断熱性とを有する樹脂材料(液晶ポリマー(LCP)、ポリアミドイミド等)が好ましい。ニップ形成部材24の表面にフッ素などの低摩擦係数の低摩擦材料を塗装等によってコーティングしてもよい。
ニップ形成部材24は、定着ベルト21の内面21a・内周側で加圧ローラ22と対向してニップ部Nを形成するようになっている。このニップ部Nは、平坦な形状で形成されているが、加圧ローラ22と反対方向に凹んだ凹形状や、その他の湾曲した形状で形成されていてもよい。ニップ部Nの形状は、凹形状の方が、記録紙Sの先端の排出方向が加圧ローラ22の側に寄る方向になるので、記録紙Sのニップ部Nからの分離性が向上し、いわゆるジャムの発生が抑制される。
支持部材26は、ニップ形成部材24と同様に、記録紙Sの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面がヒータ23側に開口する溝で形成されている。この支持部材26は、ニップ形成部材24を支持する支持部26aと、ヒータ23および反射部材28を収容する収容部26bとを有している。支持部26aは、ニップ形成部材24の連結部24cに連結され、ニップ形成部材24が加圧ローラ22の加圧力によって記録紙幅方向に撓まないよう支持している。即ち、記録紙Sの幅方向で均一なニップ幅を得られるようにしている。支持部材26は、ニップ形成部材24と同様に、定着ベルト21の内周側に配置され、装置本体2に固定されている。支持部材26は、支持部材26と連結される連結部24cを介して装置本体2に固定されている。
反射部材28は、支持部材26とヒータ23との間に配置されており、ヒータ23からの輻射熱などにより支持部材26が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギーの消費が抑制されている。尚、反射部材28を備える代わりに、支持部材26の収容部26bの内周面に鏡面処理を行っても同様の反射効果を得ることが可能となる。また、支持部材26の収容部26bの内周面側を、ヒータ23から伝わる熱を断熱する断熱材で形成してもヒータ23の断熱効果を得ることが可能となる。
定着ベルト21の内面21aとヒータ23との間には、特開2017−072765号公報の図2に示されていると同様の遮光部材(図示せず)が配置されている。この遮光部材は、幅方向の一端部および他端部が、図示しないガイドにより装置本体2に、回転可能に支持されている。記録紙Sの大さきに応じて、回転し、不必要な領域を遮光するようになっている。
上記遮光部材は、ヒータ23から発する光を、記録紙Sの大さきに応じて、遮光するよう構成されており、特開2017−072765号公報の図6に示されていると同様に、記録紙SがA3サイズの場合は、A3の記録紙Sに輻射熱が伝達されるよう遮光する部分が両端部の比較的に狭い領域となっている。また、記録紙SがB4サイズの場合は、B4の記録紙Sに輻射熱が伝達されるよう遮光する部分がA3の記録紙Sより広い領域となっている。記録紙Sがハガキサイズの場合は、ハガキサイズの記録紙Sに輻射熱が伝達されるよう遮光する部分が広い領域となっている。
これにより、記録紙幅の狭い記録紙Sを連続通紙した場合でも、非通紙領域が不必要に高温となってしまう、いわゆる過昇温状態になることが抑制される。したがって、過昇温状態になるのを避けるために生産性を落とすなどの制御を行うことが不必要となる。また、これにより、ハロゲンヒータで構成されるヒータ23のハロゲンヒータの本数を、例えば、3本から2本に低減することが可能となり、生産コストが低減され、省エネルギー化に寄与することができる。
摺動部材25は、定着ベルト21とニップ形成部材との間に配置され、定着ベルト21を滑らかに摺動させるよう潤滑剤が塗布されている。摺動部材25は、ニップ形成部材24の外周面に後述するように取り付け・固定されている。摺動部材25は、低摩擦部材とも呼ばれ、耐摩耗性、耐熱性、低摩擦係数などに優れる材料で構成されている。潤滑剤は、公知のものが用いられており、例えば、シリコーンオイル、フッ素グリスが用いられている。摺動部材25は、ニップ部の位置でニップ形成部材24と定着ベルト21との間に幅方向にわたって介在されるように、ニップ形成部材24の周囲(図2に示すような断面でみたニップ形成部材24の周囲である)を覆うように設置されている。これにより、ニップ形成部材24と定着ベルト21とが当接する面に潤滑剤が保持された状態になる。したがって、ニップ形成部材24と定着ベルト21との摺接によって双方の定着ベルト21、ニップ形成部材24が磨耗する不具合が軽減される。
定着装置10は、上述した主な構成要素として、特開2017−072765号公報の図2及び段落[0021]〜[0048]に記載されていると同様の構成を有するほか、更に細部の構成要素として同公報の段落[0061]〜[0068]に記載されていると同様の保持部材(27)、ベルト保護部材(31)等の構成要素も有している。
上記した定着装置10の構成により、安価で、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、装置を高速化した場合であっても定着不良等が生じることのない定着装置を実現することができる。
尚、本実施形態では、定着ベルトとして複層構造の定着ベルト21を用いたが、定着ベルトとしてポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、金属等からなる無端状の定着フィルムを用いることもできる。そして、その場合にも、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、図3を参照して、定着装置10のニップ形成部材24に取り付け・設置された摺動部材25の詳細について説明する。図3は本発明の実施形態に係る定着装置の摺動部材及び定着ベルトを定着ベルトの内面側から見て、潤滑剤の流れを模式的に示す平面図である。尚、図3では図示及び説明の簡明化を図る上から、定着ベルト21の内面21aに摺動部材25を重ねて図示している。
摺動部材25は、定着ベルト21の内面21aに接触する接触部27を有する。この接触部27は、連続した一つのシート状部材からなる織物によって構成されている。接触部27を構成する織物は、図3に示すように複数の経糸511と複数の緯糸512とを有し、耐摩耗性、耐熱性、低摩擦係数などに優れるとともに、機械的強度が高い材料、例えばPFA、PTFEなどの樹脂材料で構成されている。
尚、織物として複数の経糸511と複数の緯糸512とを有するシート状部材のニップ形成部材24に取り付け・設置される前の摺動部材の元となる状態は、図4を用いて後述する。
摺動部材25のシート状部材の厚み、経糸511や緯糸512の繊維の太さ(繊維密度)等に関しては、最適範囲のものが採用される。図3、図4を始めとして、本発明に密接に関係する摺動部材25の本質的な構成を説明するために、経糸511や緯糸512の本数等を限定し誇張して図示していることを付記しておく。
複数の経糸511は、幅方向の中央部に配置されたものを除き、定着ベルト21の回転方向における上流側から下流側に向かうにつれて幅方向の端部から中央部に向かうように傾斜して延在しており、潤滑剤を案内する案内部として機能する。即ち、定着ベルト21の内面21に付着した潤滑剤は、図3中矢印で示す潤滑剤の流れ35のように、定着ベルト21が回転方向に回転してニップ部Nを通過する際、経糸511の延在方向に沿って移動する。
複数の経糸511は、幅方向に沿って並んでおり、幅方向の端部側に位置するものほど、回転方向に対する傾斜角度θが大きくなっている。即ち、図3において一点鎖線及び破線で示すように、定着ベルト21の回転方向における上流側から下流側に向かって延長された中心線Cl(回転方向と平行な一点鎖線でもある)と、幅方向の最も端部に位置する経糸511とのなす傾斜角度θを例示している。
摺動部材25の回転方向の寸法をLrとすると、経糸511によって案内される潤滑剤は、Lrtanθだけ幅方向の中央部に向かって移動する。尚、ニップ部N以外で定着ベルト21が摺動部材25に接触しない場合や、接触しても押圧力が小さい場合には、ニップ幅(回転方向におけるニップ部Nの寸法)をLNとし、経糸511によって案内される潤滑剤が、LNtanθだけ幅方向の中央部に向かって移動してもよい。
複数の緯糸512は、回転方向の上流側に向かって凸に湾曲しており、凸形状の頂点は幅方向の中央部に位置している。摺動部材25を構成する織物は、互いに色の異なる複数の緯糸512を有している。図示の例では、5本の緯糸512のうち実線で示した4本が黒色であり、破線で示した1本が赤色となっている。尚、複数の緯糸512は、3色以上で構成されていてもよい。
緯糸512の回転方向の寸法(幅方向の中央部から端部にかけての湾曲量)をL0とすると、緯糸512の回転方向の寸法L0は、摺動部材25の回転方向の寸法Lrの8〜40%であることが好ましい。また、摺動部材25の幅をWとすると、緯糸512の回転方向の寸法L0は、幅Wの0.4〜2%であることが好ましい。
このような本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。即ち、定着ベルト21の内面21aに接触する接触部27を備える摺動部材25が、定着ベルト21の回転方向における上流側から下流側に向かうにつれて幅方向の端部から中央部に向かうように傾斜して延在する経糸511を有することで、定着ベルト21の内面21aに付着した潤滑剤は、定着ベルト21が回転した際に幅方向の中央部に向かうように案内される。
これにより、潤滑剤が定着ベルト21の幅方向の各端部(以下、「幅方向両端部」ともいう)に向かって流れることが抑制され、潤滑剤の漏れが抑制される。このとき、潤滑剤の漏れ抑制のために吸収する必要(例えば、特開2008−026603号公報で提案されているような潤滑剤吸収部材)がないことから、定着ベルト21の内面21aにおける潤滑剤の総量が低下しにくい。従って、定着ベルト21の内面21aにおいて潤滑剤の不足が生じにくく、定着ベルト21が回転する際の摺動抵抗を低く保つことができる。
また、摺動部材25は、製造誤差等によって、本来の位置に対して多少の傾斜を有して取り付けられることがある。例えば、幅方向の中央部に配置された経糸511が、回転方向に対して傾斜することがある。このような場合、潤滑剤が集まる位置が幅方向の中央部から多少ずれるものの、定着ベルト21の端部から潤滑剤が漏れることは抑制され、潤滑剤の不足が生じにくい。
更に、複数の経糸511が、幅方向の端部側に位置するものほど傾斜角度θが大きいことで、特に幅方向の端部において潤滑剤を中央部に向かいやすくし、定着ベルト21の端部(幅方向両端部)からの潤滑剤の漏れを更に抑制することができる。
また、摺動部材25を構成する織物の緯糸512が、回転方向の上流側に向かって凸に湾曲していることで、この湾曲の程度を測定し、経糸511の傾斜角度θを管理することができる。
更に、摺動部材25を構成する織物が互いに色の異なる複数の緯糸512を有していることで、緯糸512の形状を認識しやすく、緯糸512の湾曲量を測定しやすい。
また、摺動部材25を構成する織物が連続した一つのシート状部材であることで、シート同士の隙間から潤滑剤が漏れてしまうことを抑制することができる。
次に、図4、図5を参照して、従来例と本実施形態とを比較しながら、ニップ形成部材に取り付け・設置される前の摺動部材(以下、「取り付け前の摺動部材」ともいう)及びその取り付け方法の違いを含めて説明する。図4(a)は従来例におけるニップ形成部材、取り付け前の摺動部材及びその取り付け前の摺動部材がニップ形成部材に取り付けられる方法等を説明する模式図、図4(b)は本実施形態におけるニップ形成部材、取り付け前の摺動部材及びその取り付け前の摺動部材がニップ形成部材に取り付けられる方法等を説明する模式図である。図5は取り付け前の摺動部材が採取される摺動部材の大元となる原反シートの構成及び使用可能部位を展開して示す平面図である。
図4の(1)は従来例のニップ形成部材24X及び本実施形態のニップ形成部材24の下面(図2の左横側から見た面)図を示し、図4の(2)は図4の(1)のそれぞれの下面斜視図を示している。図4の(3)はニップ形成部材24X、24に取り付け前の摺動部材25’の平面図を示している。図4の(4)はニップ形成部材24X、24を覆うように取り付け前の摺動部材25’が巻き付け・取り付けられる状態を斜視図的に示す説明図である。図4の(5)は取り付け前の摺動部材25’がニップ形成部材24X、24に取り付けられた後の、従来例の摺動部材25X及び本実施形態の摺動部材25の織物の繊維方向、潤滑剤(オイル)の流れを説明する平面図である。尚、図4の(1)〜(4)では、図の簡明化及び簡略化を図るため、ニップ形成部材24X、24における上流側突出部24a及び下流側突出部24bの設置個数と、取り付け前の摺動部材25’の穴部25a、25bの設置個数とが一部不整合(図4の(4)では一部省略されているため)に図示されていることを付記しておく。
図4の(1)、(2)に示すように、従来例のニップ形成部材24X及び本実施形態のニップ形成部材24の下面には、それぞれ、複数列(ここでは2列)の突出部である上流側突出部24aと下流側突出部24bとが、それぞれ幅方向に間隔をあけて形成されている。本実施形態におけるニップ形成部材24の複数の上流側突出部24a、下流側突出部24bは、ニップ形成部材24Xにおける複数の上流側突出部24a、下流側突出部24bと比較して、点線で示すように、幅方向の端部から中央部に向かうにつれて、回転方向における上流側から下流側に徐々に偏倚して形成されている点が相違する。
図4の(3)、図5に示すように、従来例及び本実施形態共に、摺動部材の元となる取り付け前の摺動部材25’の構成は、同じであり、単独の部品として展開したときの形状が矩形である。取り付け前の摺動部材25’は、連続した一つのシート状部材である織物として、経糸511と緯糸512とを有し、これらが格子状になるように整然と織り込まれている。取り付け前の摺動部材25’は、図5に示すように、大元となる1枚の原反シート250から複数枚(図5では2枚)カットして作成される。こうしてカットして作成された取り付け前の摺動部材25’には、ニップ形成部材24X、24の上流側突出部24aと下流側突出部24bとに対応してそれぞれ嵌合する複数の穴部25a、25bが形成される。尚、複数の穴部25a、25bは、摺動部材25’が原反シート250からカットされると同時に形成されるものであってもよい。
そして、図4の(4)に示すように、従来例及び本実施形態共に、取り付け前の摺動部材25’の複数の穴部25a、25bに、ニップ形成部材24X、24の上流側突出部24aと下流側突出部24bとを嵌合させ、取り付け前の摺動部材25’を各ニップ形成部材24X、24を覆うように巻き付けて各ニップ形成部材24X、24に取り付ける。取り付け後の摺動部材25X、25は、複数列の突出部24a、24bを除く位置で周方向に沿ってニップ形成部材24X、24に密着するように設置される。
この際、本実施形態では、ニップ形成部材24の複数の上流側突出部24a、下流側突出部24bは、上記したように、幅方向の端部から中央部に向かうにつれて、回転方向における上流側から下流側に徐々に偏倚して形成されているため、取り付け前の摺動部材25’が上流側突出部24a、下流側突出部24bの偏倚した位置に合わせて強制的に伸ばされて、最終的には摺動部材25の経糸511が回転方向における上流側から下流側に向かうにつれて幅方向の端部から中央部に向かうように傾斜して取り付けられることとなる。
そのため、本実施形態では、定着ベルト21の内面21に付着した潤滑剤は、図4の(5)中に示す潤滑剤の流れ35のように、定着ベルト21が回転した際に幅方向の中央部に向かうように案内される。これにより、潤滑剤が定着ベルト21の幅方向の各端部に向かって流れることが抑制され、潤滑剤の漏れが抑制される。更に、複数の経糸511が、幅方向の端部側に位置するものほど傾斜角度θが大きいことで、特に幅方向の端部において潤滑剤を中央部に向かいやすくし、定着ベルト21の各端部からの潤滑剤の漏れを更に抑制することができる。
一方、従来例では、取り付け前の摺動部材25’の複数の穴部25a、25bがこれに位置を合わせて形成された上流側突出部24a、下流側突出部24bに嵌合して、強制的かつ局所的に伸ばされることなくニップ形成部材24Xに巻き付け・取り付けられることとなる。
そのため、従来例では、定着ベルト21の内面21に付着した潤滑剤は、図4の(5)中に示す潤滑剤の流れ35のように、定着ベルト21が回転した際に、取り付け後の摺動部材25Xでは、取り付け前の摺動部材25’と同様の、回転方向と略平行に配置された経糸511に沿って案内される。これにより、潤滑剤が定着ベルト21の幅方向の各端部に向かって流れることが抑制ないし防止されず、また定着ベルト21の各端部からの潤滑剤の漏れも抑制ないし防止することができなくなってしまう。
図6を参照して、図3に示した実施形態の課題について説明する。図6は図3に示した実施形態の課題について説明する図である。尚、図6を含め後述する図7、図8に括弧を付して示す符号は、図3の実施形態の構成例と比較する上で理解し易くするためのものである。
図3及び図5の(5)に示した摺動部材25の構成では、経糸511を上記したように放射状に配置しようとすると、図6に灰色部分で示す領域30(摺動部材25の下流側の各端部に相当する)に経糸511が存在しない部分が発生してしまう。これにより、図6に示す原反シート250の領域面積から摺動部材25として使用できるシート部分25Aが1枚しか取れず、摺動部材25として使用できる部分が少なくなってしまう。即ち、摺動部材を繊維で構成し、経糸を放射状に配置する構成では、シート上で経糸の存在しない部分が発生するので、必要部分のみ織り込むことはできず、大きめの元となるシートを作成し、これを部分的に切り取って使用することとなる。それ故に、材料の無駄が多く、摺動シートの元となる原反シートの単位面積当たりから採れるシート枚数が限られ、工程効率(歩留まり)が悪いという問題があった。
(実施例1)
図7〜図11を参照して、上記問題を解消できる実施例について説明する。図7は実施例1の摺動部材として使用可能な構成を説明する平面図である。
実施例1は、図3に示した実施形態の摺動部材25と比較して、図3に示した放射状の経糸511に代えて、図7に示す放射状の凹凸痕で連続的に形成された複数の経凹521を有する点、及び緯糸512に代えて、凹凸痕で連続的に形成された複数の緯凹522を有する点が主に相違する。複数の経凹521は、摺動部材25の複数の案内部として機能し、定着ベルト21の内面21aとの接触面において凹状に形成された凹部、即ち潤滑剤(オイル)の案内溝となる。
尚、凹凸痕による経凹や緯凹及び凹部の形成方法については、図10〜図12を用いて後述する。
実施例1では、摺動部材の下流側の端部における各案内部の単位面積当たりの存在数が増加するよう構成したことにより、放射状の経糸に代わる経凹が原反シートの全域に渡って存在することとなり、図3や図6に示した原反シートと同じ面積から2枚の摺動部材として使用できるシート部分25Aを取ることができる。従って、実施例1によれば、摺動部材を無駄なく、少ない材料で作成することができ、摺動部材を作成する際の工程効率(歩留まり)がよい定着装置を提供することが可能となる。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と比較して、図8に示すように、複数の経凹521のみを有する点が相違する。複数の経凹521は、下流側に位置する放射中心551から略放射状に形成されている。放射中心551は、単一でも複数でもよい。緯糸512の代わりの緯凹522は、有っても無くてもよい。
実施例2においても、放射状の経糸に代わる経凹が原反シートの全域に渡って存在するため、図3や図6に示した原反シートと同じ面積から2枚の摺動部材として使用できるシート部分25Aを取ることができる。従って、実施例2によれば、実施例1と同様の効果を奏する。
(実施例3)
図9を参照して、放射状をなす複数の経凹521の放射中心が複数ある実施例3について説明する。図9(a)は図8に示した実施例2と同様であり、放射状をなす複数の経凹521の放射中心551が単一(1点)の場合を、図9(b)は放射状をなす複数の経凹521の放射中心551が2点の場合を、図9(c)は放射状をなす複数の経凹521の放射中心551が4点の場合を、それぞれ示す。
実施例3においては、図9(a)〜図9(c)の複数の経凹521の傾斜角度に注目して比較すると、図9(a)の放射中心551が1点の場合に対して、図9(b)及び図9(c)のように複数の放射中心551を有する場合では、使用できるシート部分25Aの外側の経凹521の傾きを小さくできる、という効果を奏する。
図10、図11を参照して、凹凸痕で摺動部材の経凹、緯凹及び凹部を形成する方法について説明する。図10(a)は経凹部形成用の金型の斜視図、図10(b)は緯凹部形成用の金型の斜視図である。図11(a)〜図11(c)は、図10(a)や図10(b)の金型を用いて摺動部材となる樹脂シート部材に経凹や緯凹及び凹部を形成する概略の工程を説明する図である。
図10(a)に示すように、金型11の下面には、凹凸痕で摺動部材に経凹及び凹部を形成するための複数の凸部12が図の左右方向に渡り放射状に形成されている。また、図10(b)に示すように、金型13の下面には、凹凸痕で摺動部材に緯凹及び凹部を形成するための複数の凸部14が図の左右方向に渡り形成されている。金型11や金型13は、図示を省略した昇降機構によって昇降可能に、かつ、加工対象となる樹脂シート部材に必要な押圧力を加えることが可能に構成されている。
次に、図11を参照して、図10(a)や図10(b)に示す金型を用いて摺動部材となる樹脂シート部材に経凹や緯凹及び凹部を形成する概略の工程を説明する。尚、金型11による経凹521と、金型13による緯凹522とを識別するために、金型13及び緯凹522には括弧を付して示すことで区別する。
図11(a)に示すように、金型11の下方に配置された加工物載置台16上に、加工すべき樹脂シート部材15を載置固定する。次いで、図11(b)に示すように、金型11を降下させて加工物載置台14上の樹脂シート部材15を所定の押圧力で押圧する。この際、熱を加えてもよく、この場合には樹脂シート部材15として熱可塑性樹脂(例えば上記したPFAやPTFE等)を用いる。
次いで、図11(c)に示すように、加工物載置台16上の樹脂シート部材から金型11を上昇させると、樹脂シート部材15に、凹部530を持った経凹521が放射状に複数形成される。尚、必要に応じて、金型13を用いて複数の緯凹522を形成する。
上述したとおり、金型11を用いた一種のプレス加工によって、簡単に、摺動部材に凹凸痕の凹部530(潤滑剤の案内溝)を持った経凹521を放射状に複数形成することができる。また、必要に応じて、金型13を用いた一種のプレス加工によって、簡単に、摺動部材に凹凸痕の緯凹522を複数形成することができる。
図12を参照して、図10、図11に示した加工方法とは別の加工方法で、摺動部材に凹凸痕としての経凹(或いは緯凹)及び凹部を形成する方法について説明する。図12はカレンダー加工で摺動部材となる樹脂シート部材に経凹及び凹部を形成する方法について説明する図である。
図12に示すように、カレンダー加工装置17は、カレンダー加工可能な一対の回転可能なカレンダロール18、19を有する。一方のカレンダロール18には、凹凸痕で摺動部材に経凹及び凹部を形成するための、図中黒太線状の凸部20が放射状に複数形成されている。
熱可塑性樹脂(例えば上記したPFAやPTFE等)材料で形成された樹脂シート部材15をカレンダロール18、19の間に、熱を加えながら通過させることにより、極めて簡単に、樹脂シート部材15に、凹部530を持った経凹521を放射状に複数形成することができる。
尚、必要に応じて、緯凹部形成用のカレンダロールを用いて複数の緯凹を形成することも可能である。
尚、図11に示したプレス加工や、図12に示したカレンダー加工による程の、摺動部材に凹凸痕の凹部(潤滑剤の案内溝)を放射状に複数形成することができる効果を望まなくてもよいのであれば、適宜の切削加工を用いたりしてもよいことは無論である。
尚、図3に示した実施形態においては、上記課題は存在するものの、経糸を放射状に構成する際の傾斜角度を一定にするのが図4で説明したように現在の技術水準では技術的な難易度が高く、コスト高を招くからであったが、これを考慮しなければ上記課題を解消するようなことも可能である。本願発明の請求項1に係る「前記摺動部材の前記下流側の端部における前記各案内部の単位面積当たりの存在数が増加するよう構成した定着装置」とは、上記理由から図3に示した実施形態の構成を含むことを意味する。
以上説明した通り、上記実施形態及び実施例等には、次の第1ないし第12の態様及びその効果が実質的に記載されていたと言える。
第1の態様は、回転可能に構成され記録紙Sなどの記録媒体の未定着像を定着させる定着ベルト21などの定着部材と、定着部材を外周側で加圧する加圧ローラ22などの加圧部材と、定着部材の内周側で加圧部材と対向してニップ部Nなどのニップを形成するニップ形成部材24と、定着部材とニップ形成部材との間に配置され、定着部材を滑らかに摺動させるよう潤滑剤が塗布された摺動部材25と、を備え、摺動部材は、定着部材の内面に接触する接触部27が、定着部材の回転方向における上流側から下流側に向かうにつれて定着部材の幅方向の端部から中央部に向かうように傾斜して延在することで潤滑剤を案内する、幅方向に並んだ複数の経糸511などの案内部を有し、摺動部材の下流側の端部における各案内部の単位面積当たりの存在数が増加するよう構成した定着装置10である。
第1の態様によれば、上記構成により、定着部材の内面に付着した潤滑剤は、定着部材が回転した際に幅方向の中央部に向かうように案内されることにより、定着部材の摺動抵抗を低く保ちつつ、潤滑剤が定着部材の幅方向の各端部に向かって流れることを抑制し、潤滑剤の漏れを抑制・防止することができる。また、摺動部材を無駄なく、少ない材料で作成することができ、摺動部材を作成する際の工程効率(歩留まり)がよい定着装置を提供することが可能となる。
第2の態様は、第1の態様において、複数の案内部は、幅方向の端部側に位置するものほど、回転方向に対する傾斜角度が大きい。
第2の態様によれば、上記構成により、特に幅方向の端部において潤滑剤を中央部に向かいやすくし、定着部材の各端部からの潤滑剤の漏れを更に抑制することができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様において、接触部は、織物によって構成され、織物は、案内部としての経糸と、上流側に向かって凸状に湾曲した緯糸と、のうちの、少なくとも経糸を有する。
第3の態様によれば、上記構成により、上記湾曲の程度を測定することで、経糸の傾斜角度を管理することができる。
第4の態様は、第3の態様において、織物は、連続した一つのシート状部材である。
第4の態様によれば、上記構成により、シート同士の隙間から潤滑剤が漏れてしまうことを抑制することができる。
第5の態様は、第1又は第2の態様において、各案内部は、傾斜して延在する部分として略放射状の凹凸痕が連続的に形成されている。
第5の態様によれば、上記構成により、上記各効果を奏する摺動部材を極めて簡単な工法で作成することができる。
第6の態様は、第5の態様において、略放射状の中心が、複数有する。
第6の態様によれば、上記構成により、摺動部材として使用できる部分の外側の案内部(経凹)の傾きを小さくできる。
第7の態様は、第1〜第6の何れか1つの態様において、接触部は、各案内部として、定着部材の内面との接触面において凹状に形成された凹部を有する。
第7の態様によれば、上記構成により、凹部を介して潤滑剤を確実に移動案内することができる。
第8の態様は、第5又は第6の態様において、接触部は、樹脂で構成されている。
第8の態様によれば、上記構成により、例えば金属を用いる場合に比べて加工性が高くなり、略放射状の凹凸痕の形成が容易に作成できる。
第9の態様は、第1〜第8の何れか1つの態様において、ニップ形成部材の表面に、低摩擦係数の材料がコーティングされている。
第9の態様によれば、上記構成により、摺動部材に偏って加えられる熱を分散して均一化することができる。
第10の態様は、第5又は第6の態様において、凹凸痕が、圧力により圧着して形成されている。
第10の態様によれば、摺動部材の各案内部に凹凸を形成し、摺動部材を本発明の形状にすることができる。
第11の態様は、第5又は第6の態様において、凹凸痕が、熱と圧力により圧着して形成されている。
第11の態様によれば、熱を加えることで、凹凸をより明確に形成することができる。
第12の態様は、第1〜第11の何れか1つの態様の定着装置を備える画像形成装置である。
第12の態様によれば、第1〜第11の何れか1つの態様の定着装置の効果を奏する画像形成装置を提供することができる。
以上本発明の好ましい実施の形態等について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態や実施例等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
上記に開示した形状、材質や数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではない。それらの形状、材質や数量などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
図3に示した実施形態等では、接触部27を構成する織物である摺動部材25が定着ベルト21の内面21aに潤滑剤を供給する供給手段として機能するものとしたが、供給手段は、接触部を構成する部材とは別体に設けられていてもよい。
また、図3に示した実施形態では、摺動部材25のシート状部材の接触部27を構成する織物として、複数の経糸511と複数の緯糸512とを有していたが、これに限定されず、複数の緯糸512は、本発明において必須の構成ではなく、無くてもよい。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 カラー画像形成装置(画像形成装置の一例)
2 装置本体
4 プロセスユニット
10 定着装置
11、13 金型
15 樹脂シート部材
17 カレンダー加工装置
21 定着ベルト(定着部材の一例)
21a 内面
22 加圧ローラ(加圧部材の一例)
23 ヒータ(熱源の一例)
24 ニップ形成部材
25 摺動部材
25’ 取り付け前の摺動部材
25A 摺動部材として使用できるシート部分
26 支持部材
27 接触部
28 反射部材
30 領域
35 潤滑剤の流れ
250 原反シート
511 経糸(案内部の一例)
512 緯糸
521 経凹(案内部の一例)
522 緯凹
530 凹部
N ニップ部(ニップの一例)
S 記録紙(記録媒体の一例)
特許第4251048号公報

Claims (12)

  1. 回転可能に構成され記録媒体の未定着像を定着させる定着部材と、
    前記定着部材を外周側で加圧する加圧部材と、
    前記定着部材の内周側で前記加圧部材と対向してニップを形成するニップ形成部材と、
    前記定着部材と前記ニップ形成部材との間に配置され、前記定着部材を滑らかに摺動させるよう潤滑剤が塗布された摺動部材と、を備え、
    前記摺動部材は、前記定着部材の内面に接触する接触部が、該定着部材の回転方向における上流側から下流側に向かうにつれて前記定着部材の幅方向の端部から中央部に向かうように傾斜して延在することで前記潤滑剤を案内する、前記幅方向に並んだ複数の案内部を有し、
    前記摺動部材の前記下流側の端部における前記各案内部の単位面積当たりの存在数が増加するよう構成した定着装置。
  2. 前記複数の案内部は、前記幅方向の端部側に位置するものほど、前記回転方向に対する傾斜角度が大きいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記接触部は、織物によって構成され、
    前記織物は、前記案内部としての経糸と、前記上流側に向かって凸状に湾曲した緯糸と、のうちの、少なくとも前記経糸を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記織物は、連続した一つのシート状部材であることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記各案内部は、前記傾斜して延在する部分として略放射状の凹凸痕が連続的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  6. 前記略放射状の中心が、複数有することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記接触部は、前記各案内部として、前記内面との接触面において凹状に形成された凹部を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載の定着装置。
  8. 前記接触部は、樹脂で構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着装置。
  9. 前記ニップ形成部材の表面に、低摩擦係数の材料がコーティングされていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1つに記載の定着装置。
  10. 前記凹凸痕が、圧力により圧着して形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着装置。
  11. 前記凹凸痕が、熱と圧力により圧着して形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着装置。
  12. 請求項1〜11の何れか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2018225784A 2018-11-30 2018-11-30 定着装置及び画像形成装置 Withdrawn JP2020086404A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018225784A JP2020086404A (ja) 2018-11-30 2018-11-30 定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018225784A JP2020086404A (ja) 2018-11-30 2018-11-30 定着装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020086404A true JP2020086404A (ja) 2020-06-04

Family

ID=70908068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018225784A Withdrawn JP2020086404A (ja) 2018-11-30 2018-11-30 定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020086404A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005091557A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真装置用摺動部材及びそれを用いた定着装置
JP2008146964A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Canon Finetech Inc 加熱装置及び画像形成装置
JP2017072765A (ja) * 2015-10-08 2017-04-13 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置、及び摺動部材
JP2017107121A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2018116104A (ja) * 2017-01-17 2018-07-26 株式会社リコー 定着装置、及び、画像形成装置
JP2020504316A (ja) * 2017-11-29 2020-02-06 深▲せん▼創怡興実業有限公司Shenzhen Fancy Creation Industrial Limited 摺動シート及びその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005091557A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真装置用摺動部材及びそれを用いた定着装置
JP2008146964A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Canon Finetech Inc 加熱装置及び画像形成装置
JP2017072765A (ja) * 2015-10-08 2017-04-13 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置、及び摺動部材
JP2017107121A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2018116104A (ja) * 2017-01-17 2018-07-26 株式会社リコー 定着装置、及び、画像形成装置
JP2020504316A (ja) * 2017-11-29 2020-02-06 深▲せん▼創怡興実業有限公司Shenzhen Fancy Creation Industrial Limited 摺動シート及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6597148B2 (ja) 定着装置、画像形成装置、及び摺動部材
JP5850391B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6413528B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6857324B2 (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
JP5509936B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US20160098003A1 (en) Fixing device and image forming apparatus including same
JP5896306B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6229422B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6111657B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6119303B2 (ja) 定着装置およびこれを備えた画像形成装置
JP6131707B2 (ja) 定着装置およびこれを備えた画像形成装置
CN102023544A (zh) 定影装置和采用该定影装置的成像设备
JP6877703B2 (ja) 定着装置、画像形成装置
JP2014074884A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6551813B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5948925B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6106920B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2017083520A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2005077872A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2017125961A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2019168626A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2016122047A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP7293734B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2020086404A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2017111337A (ja) 定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220719

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20220912