JP2018109782A - 表示装置支持基材用ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

表示装置支持基材用ポリイミドフィルムの製造方法 Download PDF

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正和 片山
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芳樹 須藤
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Abstract

【課題】薄型・軽量・フレキシブル化が可能であって、熱応力によるクラックや剥離の問題がなく、寸法安定性等に優れた有機EL装置を製造するにあたって用いる支持基材用ポリイミドフィルムを製造する方法を提供する。【解決手段】ベース基板上に、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液をポリイミドフィルムの厚みが50μm以下になるように塗布し、加熱処理を完了させてベース基板上にポリイミドフィルムを形成し、ベース基板からポリイミドフィルムを分離する表示装置支持基材用ポリイミドフィルムの製造方法であって、ポリイミドフィルムが他の基体に固定された状態でベース基板を除去し、ポリイミドフィルムと基体を分離して表示装置支持基材用ポリイミドフィルムを製造する方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミドフィルムからなる支持基材上に表示装置または表示装置用部材を形成する表示装置の製造方法に関するものであり、詳しくは、この表示装置を得るにあたって用いる支持基材用ポリイミドフィルムを製造する方法に関する。
テレビのような大型ディスプレイや、携帯電話、パソコン、スマートフォンなどの小型ディスプレイをはじめ、各種のディスプレイ用途に使用される有機EL装置は、一般に支持基材であるガラス基板上に薄膜トランジスタ(以下、TFT)を形成し、電極、発光層、電極を順次形成し、最後に別途ガラス基板や多層薄膜等で気密封止して作られる。有機EL装置の構造には、支持基材であるガラス基板側から光を取り出すボトムエミッション構造と、支持基材であるガラス基板と逆側から光を取り出すトップエミッション構造とが有り、用途により使い分けられている。また、構造上、外光がそのまま通過する構造も取れるため、TFTなどの電子素子が外部から透けて見える透明構造も提案されている。いずれも透明性のある電極や基板材料の選定により実現できる。
加えて、このような有機EL装置の支持基材を従来のガラス基板から樹脂へと置き換えることにより、薄型・軽量・フレキシブル化でき、有機EL装置の用途を更に広げることができる。しかしながら、樹脂は一般にガラスと比較して寸法安定性、透明性、耐熱性、耐湿性、ガスバリア性等に劣るため、種々の検討がなされている。
例えば、特開2008-231327号公報(特許文献1)は、フレキシブルディスプレー用プラスチック基板として有用なポリイミド、及びその前駆体に係る発明に関し、シクロへキシルフェニルテトラカルボン酸等のような脂環式構造を含んだテトラカルボン酸類を用いて、各種ジアミンと反応させたポリイミドが透明性に優れることを報告している。しかしながら、ここで得られるポリイミドのガラス転移温度は、実施例によれば最高でも337℃であり(表1)、一般に400℃程度まで達するTFTのアニール工程での熱処理温度に耐えることができない問題がある。加えて、得られたポリイミドの熱膨張係数(CTE)は、いずれも50〜60ppm/K程度であるため、後述する特許文献2のように、ガスバリア性を付与するためにガスバリア層を設けた場合に、ガスバリア層との界面で剥離やクラックが発生するなど、形状安定性に優れた有機EL装置を得るのが難しい。
また、特開2011-238355号公報(特許文献2)は、ガスバリア性、耐熱性に優れ、尚且つ、可撓性があって有機EL装置の基材等に使用することができるガスバリア性フィルムに係る発明に関し、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド等の可撓性フィルムを基材とし、その片面側に、応力緩和層と、少なくとも珪素と酸素を有する化合物を含有したガスバリア層(無機バリア層)とを設けることで水蒸気や空気の浸透を防ぎ、尚且つ、応力緩和層の熱膨張係数を0.5〜20ppm/Kの範囲にして、樹脂基材と無機バリア層との熱物性(熱膨張係数、熱収縮率)の差による剥離やクラックの発生を防ぐことが記載されている。しかしながら、ここで支持基材として挙げられているPET、PEN、PC、PVC等の可撓性フィルムの場合、耐熱性が不十分であり、一般に400℃程度まで達するTFTのアニール工程での熱処理温度に耐えることができない問題がある。また、比較例で使用されているポリイミド(ガスバリア性フィルム2-3)では黄褐色であり、ガラスと比較して透過率が低く、ガラス代替の樹脂として好適ではない。
更に、特開2007-46054号公報(特許文献3)は、電子ディスプレイの分野においてガラスタイプ用途として有用な低着色ポリイミド樹脂組成物に係る発明に関し、ペルフルオロ−イミド部分を含んだポリイミドフィルムが低熱膨係数を有し、ガラス転移温度が高く、しかも透明性に優れることが記載されている。しかしながら、実際に実施例で得られたポリイミドフィルムは、可視光領域の透過率が80%に満たないものが大多数であり、また、ガラス転移温度も400℃には到達せず、低熱膨張性、透明性、耐熱性を同時に満足するポリイミドフィルムを得るには至っていない。
同じく、特開平2-251564号公報(特許文献4)には、酸無水物とジアミンにフッ素化アルキル基を導入した含フッ素ポリイミド組成物が低誘電率、低吸水率、低熱膨張性であって、プリント板や光導波路用材料に適用可能であることを開示している。しかしながら、この特許文献4には、ポリイミドフィルムの可視光領域の透過率については記載がない。また、表示装置の支持基材に低熱膨張係数を有する透明ポリイミドフィルムを適用するときには、リタデーションが問題となるが、これを解決するための手段についての記載もない。
上記以外にも支持基材にフレキシブルな樹脂を用いて、軽量化を図る試みがなされており、例えば、下記の非特許文献1及び2では、透明性の高いポリイミドを支持基材に適用した有機EL装置が提案されている。しかしながら、これらに記載されているポリイミドフィルムは、上述したように、ガスバリア性を補完する目的で設けられる無機化合物のガスバリア層との熱膨張係数の差が十分に小さいとは言えない。
特開2008-231327号公報 特開2011-238355号公報 特開2007-46054号公報 特開平2-251564号公報
S. An et.Al.,"2.8-inch WQVGA Flexible AMOLED Using High Performance Low Temperature Polysilicon TFT on Plastic Substrates", SID 10 DIGEST,p706(2010) Oishi et.Al.,"Transparent PI for flexible display",IDW‘11 FLX2surasshuFMC4-1
上述するように、有機EL装置は、水分に対する耐性が弱く、水分により発光層であるEL素子の特性が低下する。そこで、支持基材として樹脂を用いる場合には、有機EL装置内への水分や酸素の侵入を防ぐため、支持基材の少なくとも片面にはガスバリア層を形成しなければならない。一般に、ガスバリア性能に優れたガスバリア層としては、酸化珪素や窒化珪素に代表される無機系材料が使用されており、これらの熱膨張係数(CTE)は、通常、0〜10ppm/Kである。これに対して、一般に透明ポリイミドは、60ppm/K程度のCTEであるため、単に透明ポリイミドを有機EL装置の支持基材に適用しようとすると、熱応力によってガスバリア層にクラックが生じたり、剥離したりするなどの問題が発生してしまうことがある。
また、ディスプレイ用途に必要となるTFTの形成には、400℃程度に達するアニール工程が必要である。従来のガラス基板の場合には特に問題にならなかったものの、支持基材として樹脂を用いる場合には、TFTの熱処理温度における耐熱性と寸法安定性を備えていることが必要になる。一方で、照明用の有機EL装置のようにTFTを必要としない場合があるが、支持基材と隣接する透明電極の成膜温度を上げることによって透明電極の抵抗値を下げ、有機EL装置の消費電力を減らすことができるため、照明用途の場合にも支持基材に耐熱性が求められることは同様である。また、このような透明電極として、一般にはITOなどの金属酸化物が用いられて、それらは0〜10ppm/KのCTEであることから、クラックや剥離の問題を回避するためには同程度のCTEの樹脂が必要になる。
有機EL表示装置でカラー表示を行うためには、赤(R)緑(G)青(B)の三原色を発光できる材料を、それぞれシャドウマスクを用いて色毎に蒸着することにより行われている。しかしながらこの方法では、シャドウマスクの製作が非常に難しく、高価であるという課題が存在する。また、シャドウマスクの製作上、高精細化や大型化が困難である。これらの課題に対し、白色発光の有機ELにカラーフィルターを組み合わせることでカラー表示する有機EL表示装置が提案されている。
上記、カラーフィルターの形成のためには、一般に230℃以上に達するレジストの熱処理が必要である。さらにEL素子に悪影響を与える恐れのある、レジストからのアウトガスを低減するために、300℃以上の熱処理を行う場合もある。また、EL素子を備えた表示部の支持基材とカラーフィルターの支持基材の熱膨張係数、湿度膨張係数が整合していない場合、温度、湿度の変化により、それぞれの基板の寸法変化に差が生じ、表示装置のそりや基板間での剥離の原因となる。すなわち、カラーフィルターの支持基材には、レジストの熱処理温度における耐熱性と表示部の支持基材と同等の寸法安定性を備えていることが必要になる。上記の問題を解決するためには、有機ELの表示部の支持基材とカラーフィルターの支持基材を同一の材料とすることが望ましい。
ポリイミドフィルムは一般的には黄褐色に着色しており、このためポリイミドフィルム中に微小な異物が混入していた場合、肉眼あるいは外観検査装置での発見が困難であるといった問題がある。特にポリイミドと色が近い金属の錆などの異物の発見は極めて困難である。ポリイミドフィルム中に異物が存在すると、ポリイミドフィルム上に形成するガスバリア層の欠陥や、電極間の断線、ショートなどの不良の原因となる。透明性を備えたポリイミドフィルムを用いることにより、異物の発見が容易になり、歩留りの低下防止に寄与する。このため、表示装置の機能としては支持基材に透明性が必要とされない電子ペーパー等の表示装置においても、透明性を備えたポリイミドフィルムを用いることは生産性の向上につながる。
ポリイミドフィルムの表面の傷も、異物と同様に、ガスバリア層の欠陥や、電極間の断線、ショートなどの不良の原因となる。ポリイミドフィルムを表示装置の支持基材に適用する場合、ポリイミドフィルムの現在の主な用途であるフレキシブルプリント配線板では許容されている1μm以下の欠陥が問題となってくる。透明ポリイミドフィルムだけでなく、一般的な黄褐色のポリイミドフィルム(カプトン、アピカル、ユーピレックスなど)を含めても、現在、市販されているポリイミドフィルムで、表示装置の支持基材に問題なく適用できる表面状態のものはない。
更には、ガラスの可視光領域での透過率は一般に90%程度であり、樹脂を支持基材にする場合には、これにできるだけ近づける必要がある。有機ELの発光層から出る光の波長が主に440nmから780nmであることから、有機EL装置に用いられる支持基材としてはこの波長領域での平均の透過率が少なくとも80%以上であることが求められる。加えて、支持基材を形成する樹脂自体についても耐湿性を備えているのが望ましい。
支持基材の面内方向のリタデーションが10nmを超えると均一なコントラストの視野角特性が得られない場合が有る。有機EL装置に外光が入射した場合に、電極で外光が反射し、そのことによりコントラストが低下する。この場合、円偏光板で防止する方法があるが、リタデーションが大きいとその防止効果が低下するためである。したがって、高いコントラストを得るためにはリタデーションは極力小さいことが良い。
テンターを用いてフィルムを延伸することで分子鎖を配向させることにより、低熱膨張係数を有するポリイミドフィルムが得られることが知られている。しかしながら、延伸時にかかるフィルムへの応力のばらつきにより、分子鎖の配向が不均一になり、これにより屈折率に異方性が生じリタデーションが大きくなるといった問題がある。
また剛直な化学構造を有するポリイミドを用いて、熱処理条件、フィルム厚み、溶剤種などを適切な条件とし製膜することで、延伸を行なうことなく低熱膨張係数を有するポリイミドフィルムが得られることも知られている。しかしながら、剛直な化学構造を有するポリイミドは分子鎖が容易に配向するため、熱処理時の温度、フィルム厚みなどの面内のばらつきにより、分子鎖の配向が不均一になり、これにより屈折率に異方性が生じリタデーションが大きくなるといった問題がある。
すなわち、表示装置で従来用いられているガラス基板を樹脂フィルムの支持基材に置き換えるにあたっては、少なくとも低CTE、耐熱性、及び透明性を同時に満足できる樹脂を用いる必要があるが、これらを全て満たすことができるような表示装置の支持基板用の樹脂フィルムは存在していなかった。また、特に、樹脂フィルムとガスバリア層との界面における物性値を制御することが、表示装置の製造工程の特殊性に鑑みて重要になる。そこで、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、所定の繰返し構造を含んだポリイミドを特定の製造条件で作製してポリイミドフィルムとし、かつ、当該ポリイミドフィルムとガスバリア層との熱膨張係数の差が10ppm/K以下であれば、寸法安定性に優れた表示装置が得られることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、薄型・軽量・フレキシブル化が可能であって、熱応力によるクラックや剥離の問題がなく、寸法安定性に優れ、しかも、製造工程での不具合を防止して、長寿命で良好な素子特性を示すことができる有機ELディスプレイ、有機EL照明、電子ペーパー、液晶ディスプレイ等の表示装置を得るにあたって用いられる支持基材用ポリイミドフィルムの製造方法を提供することにある。
なお、本発明において、表示装置用部材とは、上記表示装置を構成する部材であって、ポリイミドフィルム上に、薄膜トランジスタ、電極層、有機EL発光層、電子インク、カラーフィルターのいずれか、または二つ以上を形成したものである。
すなわち、本発明は、ベース基板上に、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液をポリイミドフィルムの厚みが50μm以下になるように塗布し、加熱処理を完了させてベース基板上にポリイミドフィルムを形成し、ベース基板からポリイミドフィルムを分離する表示装置支持基材用ポリイミドフィルムの製造方法であって、ポリイミドフィルムが他の基体に固定された状態でベース基板を除去し、ポリイミドフィルムと基体を分離することを特徴とする表示装置支持基材用ポリイミドフィルムの製造方法である。
また、本発明は、ベース基板上に、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液をポリイミドフィルムの厚みが50μm以下になるように塗布し、加熱処理を完了させ、ベース基板上にポリイミドフィルムを形成し、ポリイミドフィルム上に応力緩和層を形成した後、ポリイミドフィルムと応力緩和層が積層された状態でベース基板を除去し、かつ、ポリイミドフィルムの無機基板と反対側の面に表示装置または表示装置用部材を形成する表示装置の製造方法であって、ポリイミドフィルムが、単層又は複数層のポリイミド層から成り、主たるポリイミド層を構成するポリイミドが、一般式(1)で表される構造単位が70モル%以上であることを特徴とする表示装置の製造方法である。
Figure 2018109782

〔式中、Ar1は芳香環を有する4価の有機基を表し、Ar2は下記一般式(2)又は(3)で表される2価の有機基である。
Figure 2018109782

〔ここで、一般式(2)又は一般式(3)におけるR1〜R8は、互いに独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5までのアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素置換炭化水素基であり、一般式(2)にあってはR1〜R4のうち、また、一般式(3)にあってはR1〜R8のうち、それぞれ少なくとも一つはフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基である。〕
ポリイミドフィルムは、原料のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合し、ポリイミド前駆体樹脂とした後、熱処理によりイミド化することによって製造することができる。ポリイミド樹脂の分子量は、原料のジアミンと酸無水物のモル比を変化させることで主に制御可能であるが、モル比は通常1:1である。溶媒は、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、n-メチルピロリジノン、2−ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。
本発明で用いられるポリイミドフィルムは、その原料であるジアミンと酸二無水物がそれぞれ単一種のモノマーから成ってもよく、複数種のモノマーから成ってもよい。本発明のポリイミドフィルムは、好適には、下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリイミドからなるのがよい。あるいは下記一般式(1)で表される構造単位を有する複数種のモノマーを使用した共重合体であるのがよく、より好ましくは、この一般式(1)で表される構造単位を90〜100モル%含有したポリイミド樹脂であるのがよい。
Figure 2018109782

〔式中、Ar1は芳香環を有する4価の有機基を表し、Ar2は下記一般式(2)又は(3)で表される2価の有機基である。
Figure 2018109782

〔ここで、一般式(2)又は一般式(3)におけるR1〜R8は、互いに独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5までのアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素置換炭化水素基であり、一般式(2)にあってはR1〜R4のうち、また、一般式(3)にあってはR1〜R8のうち、それぞれ少なくとも一つはフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基である。〕
一般式(1)に係るポリイミド樹脂以外に最大10モル%で添加されてもよいその他のポリイミド樹脂については、特に限定されるものではなく、一般的な酸無水物とジアミンを使用することができるが、なかでも、好ましく使用される酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられ、また、ジアミンとして4,4'−ジアミノジフェニルサルフォン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4'−ジアミノシクロヘキシルメタン、2,2'−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビシクロヘキサン等が挙げられる。
上記のとおり、本発明におけるポリイミドフィルムは、その化学構造中の一部にフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基を有していることが好ましい。そのためには、フッ素原子又はフッ素置換炭化水素基が、一般式(1)中のAr1に含まれてもよく、Ar2に含まれてもよく、両者に含まれるようにしてもよい。より好ましい形態としては、上記一般式(2)において、R1〜R4の少なくとも一つがフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基であるのがよく、上記一般式(3)において、R1〜R8の少なくとも一つがフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基であるのがよい。
1〜R8の好適な具体例としては、−H、−CH3、−OCH3、−F、−CF3などが挙げられ、より好適には、R1〜R8の少なくとも一つが−F、又は−CF3の何れかであるのがよい。
また、一般式(1)中のAr1の具体例としては、例えば、以下のような4価の酸無水物残基が挙げられる。
Figure 2018109782
また、一般式(1)におけるAr2を与える具体的なジアミン残基としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2018109782
本発明で使用されるポリイミドフィルムを構成する特に好ましい構成としては、下記式(4)と(5)の構成単位から成るポリイミドである。ここで、ポリイミドにおける式(4)と(5)の比率は、モル比率で、(4):(5)=50:50〜100:0であり、好ましくは(4):(5)=70:30〜95:5、より好ましくは(4):(5)=85:15〜95:5であり、これらをポリイミド中90〜100モル%含有するものである。
Figure 2018109782
上記において、本発明では式(4)及び(5)で表される以外の構造単位を10モル%未満の範囲で含んでもよい。そこで用いられる原料のジアミンや酸無水物は、特に限定されるものでなく、公知のジアミンや酸無水物をそれぞれ1種若しくは2種以上適宜選択して使用することができる。
ポリイミドフィルムは、原料のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合し、ポリイミド前駆体樹脂とした後、熱処理によりイミド化することによって製造することができる。ポリイミド樹脂の分子量は、原料のジアミンと酸無水物のモル比を変化させることで主に制御可能であるが、通常、そのモル比は1:1である。
製造方法としては、先ず、ジアミンを有機溶媒に溶解させた後、その溶液に酸二無水物を加え、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を製造する。有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、n-メチルピロリジノン、2-ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、これらを1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。続くイミド化の工程は、下記ポリイミドフィルムの製造方法に示した加熱脱水による熱イミド化の他、無水酢酸等縮合剤を用いる化学イミド化を用いて行うこともできる。
ポリイミドフィルムの製法として、ポリイミドフィルムの原料であるポリアミド酸またはポリイミドの樹脂溶液を、金属ロールなどのベース基板上に流延塗布し、ベース基板上で加熱乾燥することにより自己支持性を有するゲルフィルムとした後、ベース基板より剥離して、テンター等で保持しながら更に高温で加熱してポリイミドフィルムを得る方法が生産性に優れ、工業的に最も広く行なわれている。しかしながら、この方法では、ベース基板からゲルフィルムを剥離する際にフィルムにかかる応力や、熱処理時のテンターでの張力により、フィルムが延伸され、リタデーションが大きくなる。このため、本発明のポリイミドフィルムの製造方法としては好ましくない。
本発明におけるポリイミドフィルムを製造する方法は、例えば、ポリアミド酸の樹脂溶液を銅箔などの任意のベース基板上にアプリケーターを用いて流延塗布し、予備乾燥した後、更に、溶剤除去、イミド化のために熱処理し、イミド化時に使用したベース基板を剥離又はエッチング等により除去する方法が好ましい。樹脂溶液をベース基板に流延塗布する際、樹脂溶液の粘度は500〜70000cpsの範囲とすることが好ましい。また、樹脂溶液の塗布面となるベース基板の表面に対して適宜表面処理を施した後に、塗工を行ってもよい。上記において、乾燥条件は150℃以下で2〜30分、また、イミド化のための熱処理は130〜360℃程度の温度で2〜30分程度行うことが適当である。
ベース基板上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し、熱処理が完了した後に、ベース基板からポリイミドフィルムを除去する上記のポリイミドフィルムの製法において、面内方向のリタデーションを小さくするためには、熱処理時のフィルム温度の面内ばらつきを小さくすることがよい。熱処理時のフィルム温度の面内ばらつきは、好ましくは6℃以下、さらに好ましくは2℃以下である。
フィルムの温度の面内ばらつきを小さくするためには、所定の温度に到達後、十分に時間をおき、炉内温度が均一となった強制対流式のオーブンにより、ポリアミド酸樹脂とベース基板の積層体を熱処理するのがよい。また、加熱時に樹脂と支持基材の積層体が、直接、炉の内面や棚板に接触すると局所的な温度むらが発生することがあるため、極力、接触しないように設置することが好ましい。さらに、熱処理前にポリアミド酸樹脂とベース基板の積層体を予熱してもよい。
ベース基板の厚みが大きいと、熱容量が大きくなり、さらに、ベース基板側から樹脂の加熱が十分に行なわれないため、フィルム面内の温度ばらつきの原因となり好ましくない。支持基材の厚みは、好ましくは3mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下である。また、温度のばらつきを小さくするために、ベース基板に熱伝導率が高い金属を使うのもよい。
また、面内方向のリタデーションを小さくするためには、フィルムの厚みの面内のばらつきを小さくすることが好ましい。熱処理完了後のポリイミドフィルムの厚みの面内ばらつきは、好ましくはフィルム厚みの1/10以下、さらに好ましくは1/20以下である。
上記、塗布の方法は特に限定されず、所定の厚み精度が得られるのであれば、公知の方法、例えばスピンコーター、スプレーコーター、バーコーターや、スリット状ノズルから押し出す方法が適用できる。一般的に、剛直な分子鎖を持つ配向性の高い樹脂の溶液を塗布する場合、塗布時に発生するせん断応力によりリタデーションが発生することが知られているが、驚くべきことに、本発明においては塗布の方法はリタデーションに影響しない。このため、フィルム厚み精度と生産性を両立する任意の塗布方法が選択できる。
上記熱処理によって、ベース基板上に、低熱膨張係数を有しながら、面内方向のリタデーションが小さく、440nmから780nmの波長領域での透過率が80%以上のポリイミドフィルムが得られるわけであるが、本発明において、特に上記熱熱処理における昇温時の最高加熱温度(最高到達温度)より20℃低い温度から最高到達温度までの高温加熱温度域での加熱時間(以下、高温保持時間という。)を15分以内とすることが好ましい。この高温保持時間が15分を超えると、着色等によってポリイミドフィルムの透明性が低下する傾向にある。透明性を維持するためには高温保持時間は短い方が良いが、時間が短すぎると熱処理の効果が十分に得られない可能性がある。最適な高温保持時間は、加熱方式、ベース基板の熱容量、ポリイミドフィルムの厚み等によって異なるが、0.5分以上5分以下とすることが好ましい。
ベース基板上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し、熱処理が完了した後に、ベース基板からポリイミドフィルムを除去する上記のポリイミドフィルムの製法において、ベース基板をエッチングにより除去する場合、エッチングによりポリイミドフィルムからベース基板が除去された後、流水による洗浄、エアーナイフによる表面水滴の除去、オーブン加熱による乾燥が通常行なわれる。これらの工程中でポリイミドフィルムに対し発生する応力により、ポリイミドフィルムが延伸されると、面内方向のリタデーションが大きくなる。低熱膨張係数を有するポリイミドフィルムは剛直な分子鎖を持つため、特にこの傾向が顕著である。このため、ベース基板をエッチング後、ポリイミドフィルム単体となった後は、フィルムにかかる面方向の応力が小さくなるようにすることが好ましい。
エッチングにともなう一連のプロセスでのポリイミドフィルムの延伸を防止するためには、ポリイミドフィルム上に応力緩和層を形成した後に、ポリイミドフィルムと応力緩和層が積層された状態で、ベース基板をエッチングし、プロセス中に発生する応力をポリイミドフィルムと応力緩和層に分散させる方法もよい。応力緩和層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、応力緩和層として適度な熱膨張係数を有する樹脂フィルムや金属箔を、粘着剤による張り合わせ、塗布、蒸着、スパッタ等の方法によって形成することができる。
ベース基板上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し、熱処理が完了した後に、ベース基板からポリイミドフィルムを除去する上記のポリイミドフィルムの製法において、ベース基板を剥離により除去する場合、剥離する際にポリイミドフィルムに応力がかかり面方向に延伸されると、面内方向のリタデーションが大きくなる。このため、剥離の際にポリイミドフィルムにかかる面方向の応力が小さくなるように剥離することが好ましい。
ベース基板からポリイミドフィルムを剥離する際の延伸を防止するためには、ポリイミドフィルム上に応力緩和層を形成した後に、ポリイミドフィルムと応力緩和層が積層された状態でベース基板から剥離し、剥離に必要な応力を、ポリイミドフィルムと応力緩和層に分散させる方法もよい。
上記、応力緩和層は、ポリイミドフィルム上に直接形成してもよく、また、ポリイミドフィルム上に電極層、発光層、薄膜トランジスタ、配線層、バリア層などの機能層を形成した上に、応力緩和層を形成してもよい。
応力緩和層はポリイミドフィルムをベース基板から除去後、ポリイミドフィルムから分離せず積層した状態で、表示装置を構成する部材としてもよい。表示装置を構成する部材の例としては、有機EL発光層や電子ペーパーなどの表示部、接着剤、粘着剤、バリアフィルム、保護フィルム或いはカラーフィルター等が挙げられる。ここで、カラーフィルターを有する表示装置の場合は、ブラックマトリックス及びR、G、B等の着色部からなるカラーフィルター層を、ポリイミドフィルムをベース基板から剥離する前にポリイミドフィルム上に形成し、これを応力緩和層としてもよい。
また、ベース基板からのポリイミドフィルムの剥離を容易にし、延伸を防止するため、ポリイミドフィルムを他の基体に固定し、ポリイミドフィルムの面方向への延伸を防止した状態で剥離を行った後、ポリイミドフィルムを基体から分離する方法でもよい。ポリイミドフィルムを基体に固定する方法は、基体内部から基体表面に繋がる細孔を有する基体を使用し、基体内部を減圧にし、真空を利用して基体表面にポリイミドフィルムを固定した状態でポリイミドフィルムをベース基板から剥離後、基体内部の減圧を解き、基体からポリイミドフィルムを分離する方法でもよい。上記の基体は樹脂でもよく、ステンレスなどの金属であってもよい。基体のポリイミドフィルム側の表面は曲面であってもよい。
ベース基板からポリイミドフィルムを剥離する際の延伸を防止するために、さらに公知の他の方法も適用できる。特表2007-512568公報では、ガラス上にポリイミド等の黄色フィルムを形成、次いでこの黄色フィルム上に薄膜電子素子を形成した後、ガラスを通して黄色フィルムの底面にUVレーザー光を照射することにより、ガラスと黄色フィルムを剥離することが可能であることを開示している。この方法によれば、UVレーザー光によりポリイミドフィルムがガラスから分離されるため、剥離の際に応力が全く発生せず、本発明の剥離プロセスとして好ましい方法の一つである。しかしながら、黄色フィルムと異なり、透明プラスチックはUVレーザー光を吸収しないため、アモルファスシリコンのような吸収/剥離層をあらかじめフィルムの下に設ける必要があることも開示されている。
特表2012‐511173公報では、UVレーザー光の照射によりガラスとポリイミドフィルムの剥離を行なうためには、300〜410nmのスペクトルの範囲内のレーザーを用いる必要があることが開示されている。
有機ELの発光層から出る光の波長が主に440nmから780nmであることから、有機EL装置に用いられる支持基材としては、この波長領域での平均透過率が少なくとも80%以上であることが求められる。一方、上記で述べたUVレーザー光の照射により、ガラスとポリイミドフィルムの剥離を行なう場合、UVレーザー光の波長での透過率が高いと、吸収/剥離層をフィルムの下に設ける必要があり、このことにより生産性が低下する。吸収/剥離層を設けることなく、剥離を行なうためには、ポリイミドフィルム自体がレーザー光を吸収する必要があるため、ポリイミドフィルムの400nmでの透過率は80%以下であることが好ましく、さら好ましくは60%以下であり、またさらに好ましくは40%以下である。これにより、透明でありながら、吸収/剥離層を設けることなく、UVレーザー光の照射による剥離が可能となる。
また、本発明において、ポリイミドフィルムの好ましい厚さは1μm〜50μmの範囲であり、より好ましくは3μm〜40μmの範囲、特に好ましくは5μm〜30μmの範囲である。ポリイミドフィルムの厚みが1μmに満たないと、アプリケーターでの制御が困難であって厚みが不均一となりやすく、反対に50μmを超えると、耐熱性や光透過率の低下を招くおそれがある。
ここで、アプリケーター等を使用して塗工を行う際の膜厚を均一に制御する観点から、ポリイミドフィルムを形成するために使用するポリアミド酸及びポリイミドの重合度は、ポリアミド酸溶液の粘度範囲で表したとき、溶液粘度が500〜200,000cPの範囲にあることが好ましい。
本発明において支持基材とするポリイミドフィルムは、少なくとも、440nmから780nmの波長領域での透過率が80%以上、熱膨張係数が15ppm/K以下、及びガスバリア層との熱膨張係数の差が10ppm/K以下であることを満たせば、ポリイミドフィルムが複数のポリイミド層から構成されるものであってもよい。すなわち、上述した一般式(1)で表される構造単位を有するポリイミドは、弾性率が5GPa〜10GPa程度であって比較的硬い性質を有することから、それよりも弾性率の低いポリイミド層をガスバリア層と接するように配して、応力緩和の役割を果たすようにしてもよい。
複数のポリイミド層を用いる場合、上記のガスバリア層と接するポリイミド層はポリイミドフィルムのなかで厚みが最も大きな比率を占めるポリイミド層(主たるポリイミド層)より低弾性率を示すことが好ましい。ガスバリア層と接するポリイミド層が低熱膨張係数を有する主たるポリイミド層の延伸を防止する応力緩和層としても機能するため、低熱膨張性を有するポリイミドフィルムのリタデーションをより小さくすることができる。
ここで、ガスバリア層と接するポリイミド層の弾性率は5GPa未満であるのが好ましく、さらに好ましくは0.1GPa以上5GPa未満、特に好ましくは2GPa以上5GPa未満である。このような弾性率を示すポリイミド層は、広く知られたポリイミドによって形成することができるが、一般にそれらのポリイミドの可視光領域での透過率は、上述した一般式(1)で表される構造単位を有するポリイミドに比べて低く、また、CTEも比較的高くなってしまうことから、ガスバリア層と接するポリイミド層の厚みは0.5μm〜10μmにするのがよく、好ましくは1μm〜5μmにするのがよい。すなわち、ポリイミドフィルムを複数のポリイミド層から形成する場合、好適には、ポリイミドフィルムのなかで厚みが最も大きな比率を占めるポリイミド層(主たるポリイミド層)を上記一般式(1)で表される構成単位で形成し、これよりも低い弾性率を示すポリイミド層をガスバリア層側に配して、ガスバリア層と接するポリイミド層が、当該ポリイミド層と隣接する他のポリイミド層に比べて弾性率が低くなるようにする。ポリイミド層を複数で構成する場合の主たるポリイミド層の厚みと低弾性率を示すポリイミド層との厚み比率(主たるポリイミド層/低弾性率を示すポリイミド層)は、3〜50が好適であり、更に好適には5〜20である。
本発明で使用されるポリイミドフィルムの透過率は、所定の厚さで440nmから780nmの波長領域で80%以上であればよく、その厚み範囲は特に制限されるものではない。好ましくは、厚み25μmのフィルムに製膜した場合に、440nmから780nmの波長領域で80%以上の透過率を与えるポリイミドによって形成されていることがよく、このようなポリイミドは上記で示したポリイミドで構成される。特に好ましいポリイミドは式(4)と式(5)とで表されるポリイミドである。
本発明は、ポリイミドフィルムからなる支持基材上にガスバリア層を備えて、更に有機EL発光層が形成された有機EL装置であり、上述したように、支持基材として樹脂を使用した有機EL装置では、有機EL発光層への水分や酸素の侵入を防ぐため、支持基材の少なくとも片面にはガスバリア層を設けることが一般的である。ここで、酸素や水蒸気等に対するバリア性を備えたガスバリア層として、酸化珪素、酸・BR>サアルミニウム、炭化珪素、酸化炭化珪素、炭化窒化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素等の無機酸化物膜が好適に例示される。その際、これら無機酸化物のガスバリア層と支持基材のポリイミドフィルムとのCTEの差が大きいと、その後のTFTの製造工程中にカールが発生したり、寸法安定性が悪化したり、クラックの発生が起こるおそれがある。また、一般に大面積フィルムを製造した場合に反りが問題になるが、本発明のポリイミドフィルムであれば、ガスバリア層とのCTEの差が小さいため、これらのような不具合の問題が解消される。なお、表1には、ガスバリア層を形成する代表的な無機膜とその熱膨張係数を示す。ここで、熱膨張係数は同じ組成であっても製造方法によって変化するため、表1に示す値は目安である。また、ガスバリア層は上記のような無機膜の1種類から形成されてもよく、2種以上を含むようにして形成してもよい。
ポリイミドフィルムからなる支持基材にガスバリア層を形成する際は、ベース基板とポリイミドフィルムの積層体の状態で行なってもよく、ベース基板を除去した後のポリイミドフィルムに形成してもよい。また、ガスバリア層の厚みは10nm〜1μmが好ましく、さらに好ましくは50nm〜200nmである。
Figure 2018109782
表1からも分かるように、ガスバリア層を形成する材料のCTEは0〜10ppm/Kに含まれる。そのため、これに隣接するポリイミドフィルムのCTEがこれに近い値でない場合には、反り等が発生してしまう。そこで、本発明のポリイミドフィルムは、熱膨張係数が15ppm/K以下、好ましくは0〜10ppm/Kであり、かつ、ガスバリア層との熱膨張係数の差が10ppm/K以下、好ましくは0〜5ppm/Kとなるようにする。なお、ポリイミドフィルムが複数のポリイミド層から形成される場合は、ポリイミドフィルム全体での熱膨張係数を表す(その他のポリイミドフィルムの特性についても同様である)。
また、本発明におけるポリイミドフィルムは、440nmから780nmの波長領域での透過率が80%以上、好ましくは83%以上である。上記波長領域での透過率が80%未満であると、発光を十分取り出すことができなくなる(特にボトムエミッション構造の場合)。更に、本発明のポリイミドフィルムは、460℃で90分間保持した時の加熱重量減少率が1.5%以下、好ましくは1.3%以下であるのがよい。この加熱重量減少率が1.5%を超えるとTFTの製造プロセス温度に耐えることができない。
加えて、ポリイミドフィルムの面内方向におけるリタデーションが10nm以下、好ましくは5nm以下であるのがよい。面内方向のリタデーションが10nmを超えると均一なコントラストの視野角特性が得られない場合が有る。有機EL装置に外光が入射した場合に、電極で外光が反射し、そのことによりコントラストが低下する。この場合、円偏光板で防止する方法があるが、リタデーションが大きいとその防止効果が低下するためである。したがって、高いコントラストを得るためにはリタデーションは極力小さいことが良い。更には、ポリイミドフィルムの表面粗さRaが5nm以下、好ましくは4nm以下であるのがよい。表面粗さRaが5nmを超えると有機EL層の厚みが不均一になり、断線や発光ムラや色再現性が低下する原因となる。更にまた、本発明のポリイミドフィルムは、湿度膨張係数が15ppm/%RH以下、好ましくは0〜10ppm/%RHであるのがよい。湿度膨張係数が15ppm/%RHを超えるとTFTプロセス中の寸法変化による位置ずれや信頼性試験での不具合が発生する。
本発明の表示装置によれば、所定の特性を有するポリイミドフィルムを支持基材として用いることから、薄型、軽量、フレキシブル化を可能としながら、従来から一般的に用いられているガラス基板とほぼ同等の製法により、かつ、従来品と同等の性能を有する表示装置を実現できる。
図1は、本発明のボトムエミッション構造の有機EL装置の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明のトップエミッション構造の有機EL装置の一例を示す概略断面図である。
本発明について図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、各図および各実施例において、同一または類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
図1は、本発明に係る有機EL装置について、ボトムエミッション構造を有する場合の概略的な断面図である。図1における1が支持基材を表し、本発明では、この支持基材1がポリイミドフィルムから形成される。支持基材1の一方の面(主面)にはガスバリア層3-1が設けられており、支持基材1はこのガスバリア層3-1によって透湿が阻止されるようになっている。また、ガスバリア層3-1の上面には薄膜トランジスタTFT(図示せず)を含む回路構成層5が形成されている。この回路構成層5は、その上面にマトリックス状に配置された画素領域のそれぞれに対して、例えばITO(Indium Tin Oxide)の透明導電膜からなるアノード電極6が形成されて構成される。
また、アノード電極6の上面には発光層7が形成され、この発光層7の上面にはカソード電極8が形成される。このカソード電極8は各画素領域に共通に形成される。そして、このカソード電極8の面を被うようにしてガスバリア層3-2が形成されている。更にこの有機EL装置の最表面には、表面保護のため封止基板2が配置される。この封止基板2のカソード電極8側の面にはガスバリア層3-3が形成されるのが好ましい。また、封止基板2はカソード電極8に乾燥剤を含む接着剤(接着層)9で貼り付けられるのが望ましい。このように、有機EL装置は上記順序で支持基材1上に各薄膜が形成され、最後に封止基板2で封止するのが一般的である。この封止基板2は吸水材を含む接着剤で貼り付けられるのが一般的である。
ここで、有機EL装置の駆動には、高い移動度を持つ薄膜トランジスタが必要とされ、一般的には低温ポリシリコンTFTが用いられる。その処理温度は一般的には450℃以上が良いとされている。また低温処理で比較的高い移動度を持つIGZOを用いた酸化物半導体TFTが検討されているが、最近の知見ではTFTの安定度を増すために400℃以上の高温処理が必要で有ることがわかりつつある。そのため、支持基材のポリイミドフィルムには、このTFTの熱処理工程に耐え得るものが必要である。
また、発光層7は、正孔注入層―正孔輸送層―発光層―電子輸送層等の多層膜(アノード電極−発光層7−カソード電極)で形成される。特に、発光層7は水分や酸素により劣化するため真空蒸着で形成され電極形成も含めて真空中で連続形成されるのが一般的である。
図2は、トップエミッション構造の有機EL装置の概略的な断面図である。ここで、図2において、支持基材1は、透明なポリイミドフィルムから構成されている。この支持基材1の一方の面(主面)にはガスバリア層3-1が形成されている。支持基材1は、このガスバリア層3-1によって透湿が阻止されるようになっている。ガスバリア層3-1の上面には薄膜トランジスタ4(詳細は図示せず)を含む回路構成層5が形成されている。トップエミッション構造の場合、薄膜トランジスタ4の上からも光を取り出す事ができるため光の利用効率が大きくなる。この回路構成層5は、その上面にマトリックス状に配置された画素領域のそれぞれに対して、例えば反射電極としての金属薄膜と仕事関数調整のためのITO(Indium Tin Oxide)薄膜とがアノード電極6として形成されて構成されている。アノード電極6の上面には発光層7が形成され、この発光層7の上面にはカソード電極8が形成されている。このカソード電極8は各画素領域に共通に形成されている。カソード電極8は、仕事関数調整と光の部分透過が可能な銀又はその合金等の半透過薄膜が一般的に用いられる。この電極抵抗を低減するため透明電極IZO(Indium Zinc Oxide)等が積層されるのが一般的である。
また、このカソード電極8の面を被うようにしてガスバリア層3-2が形成されている。更にこの有機EL装置の最表面には、表面保護のため封止基板2が配置される。この封止基板2のカソード電極8側の面にはバリア層3-3が形成されていることが好ましい。封止基板2は、カソード電極8に乾燥剤を含む接着剤9で貼り付けられるのが一般的である。ガスバリア層3-2−接着剤9−ガスバリア層3-3―封止基板2は透明である必要がある。
トップエミッション構造の場合、支持基材1は透明で有る必要は必ずしもないが、透明で有ればTFTパターン等が支持基材側の面から観察できるなど、透明支持基材による別の効果がある。一方で、封止基板2は透明性が必要で有り、本発明におけるポリイミドフィルムをこの封止基板2にも使えば、支持基材1と封止基板2との熱膨張係数や湿度膨張係数が同じである事から、完成した有機EL装置のそりやそれによる破壊の可能性が少ないと言う効果が得られる。
また、本発明の有機EL装置は、有機EL照明に適用することもできる。ここで、有機EL照明は図1の薄膜トランジスタ4層を除いたボトムエミッション構造が一般的である。ところが、薄膜トランジスタ4がないためアノード電極6の低抵抗化が必要になる。アノード電極6は一般にITO(Indium Tin Oxide)等透明電極が用いられ、電極抵抗は高温処理をするほど低抵抗となる。ITOの場合200−300℃の熱処理が一般的である。なお、有機EL照明は大形化の方向にあり、前記ITO電極では抵抗値が不十分になりつつあり様々な代替電極材料が探索されている。この場合一般的には200−300℃より更に高い温度が必要となる可能性が高く、好適には、本発明に係るポリイミドフィルムを用いることができる。
以下、実施例等に基づいて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
(支持基材とするポリイミドフィルムの形成方法、及びその特性)
先ず、ポリイミドを合成する際のモノマーや溶媒の略語、及び、実施例中の各種物性の測定方法とその条件について以下に示す。
TFMB:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
6FDA:2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物
BPDA:3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
「熱膨張係数(CTE)」
3mm×15mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(20℃/min)で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から熱膨張係数(ppm/K)を測定した。
「透過率」
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をU4000形分光光度計にて、440nmから780nmにおける光透過率の平均値を求めた。
「熱重量減少率」
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製のTG/DTA7200を用いて460℃にて90分間保持し、加熱前後の重量減少度を測定した。
「リタデーション」
東京インスツルメント社製の分光ポラリメーター「Poxi−spectra」を用いて、ポリイミドフィルムの面内方向のリタデーションを求めた。測定は400nmから800nmの範囲で行った。表2には600nmの測定値を示す。
「表面粗さ」
フィルム作成時にベース基板に触れていない面のポリイミドフィルムの表面粗さRaについて、ブルカー社製の原子間力顕微鏡(AFM)「Multi Mode8」を用いて表面観察をタッピングモードで行った。10μm角の視野観察を4回行い、それらの平均値を求めた。表面粗さ(Ra)は、算術平均粗さ(JIS B0601-1991)を表す。
「表面傷」
ポリイミドフィルムの空気面(フィルム作成時にベース基板に触れていない面)の傷の有無について、ブルカー社製の原子間力顕微鏡(AFM)「Multi Mode8」を用いて表面観察をスキャンアシストモードで行った。20μm角の視野観察を4回行い、傷が観察されなかた場合は○、微小な傷が観察された場合は△、すじ状の傷が観察された場合は×とした。
「湿度膨張係数」
銅箔とポリイミドフィルムとの積層体の状態で25cm×25cmのサイズに切り出し、銅箔側にエッチングレジスト層を設けて、これを一辺が30cmの正方形の四辺に10cm間隔で直径1mmの点が16箇所配置するパターンに形成した。エッチングレジスト開孔部の露出部分をエッチングし、16箇所の銅箔残存点を有するCHE測定用ポリイミドフィルムを得た。このフィルムを120℃で2時間乾燥した後、23℃/30%RH・50%RH・70%RHの恒温恒湿機で各湿度において24時間静置し、二次元測長機により測定した各湿度での銅箔点間の寸法変化から湿度膨張係数(ppm/%RH)を求めた。
「クラック」
50nmのシリコン窒化膜をCVDで成膜し、クラックの発生をヤマト科学社製マイクロスコープKH−7700で観察した。10mm角の視野において、クラックの数が10個以上の場合は評価結果を「×」、1個以上9個未満の場合は評価結果を「○」、クラックが無い場合は評価結果を「◎」とした。
「カール」
ガスバリア層として50nmのシリコン酸化膜をCVDで成膜し、大きさ10cm四方と100cm四方のポリイミド―ガスバリア層積層体を作成した。凸面を下にして平面に置いた場合の浮いた四隅を目視にて観察した。
次に、実施例中の製造条件について以下に示す。
「塗布」
熱処理後のポリイミドフィルムの厚みの面内ばらつきが、1μm以下となるように調整したアプリケーターを用いた。
「熱処理」
熱風オーブンを用いた熱処理では、送風ファンを備えた強制対流式の熱風オーブンを用い、所定の温度に到達してから1時間後に熱処理を開始した。ベース基板と樹脂の積層体は、最も熱風が強く当たる熱風オーブンの中央に位置させ、熱風の循環を妨げないようにステンレスワイヤで作成した台の上に設置し熱処理を行った。この積層体の位置での温度ばらつきは2℃であった。
窒素オーブンを用いた熱処理では、特にリタデーションに対する配慮を行なうことなく、一般的な方法での熱処理を行った。すなわち、所定の温度に設定した窒素オーブンを用い、備え付けの棚板(ステンレスパンチングメタル)上にベース基板と樹脂の積層体を設置し、熱処理を行った。この窒素オーブンの温度ばらつきは6℃であった。
[実施例1]
(ポリイミドA)
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB25.2gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA14.5gと6FDA5.2gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Aが生成されていることが確認された。
上記で得られたポリアミド酸溶液を、厚さ18μmの銅箔(三井金属鉱業株式会社製の電解銅箔「DFF」)上にアプリケーターを用いて熱処理後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、窒素オーブンを用いて、1分間に22℃の速度で90℃から360℃まで昇温させ、銅箔とポリイミドの積層体を得た。次に、この積層体を塩化第二鉄エッチング液に浸漬させ、銅箔を除去し、フィルム状のポリイミドAを得た。得られたフィルム状のポリイミドAについて、各種評価を行った結果を表2に示す。また、ポリイミドフィルムAにシリコン酸化膜を成膜してガスバリア層を形成した積層体のカール状態の観察を行ったところ、10cm四方の大きさではカールがなかった。一方、100cm四方の大きさではわずかにカールが発生した。
[実施例2]
(ポリイミドB)
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらジアミンとして、TFMB25.7g、酸無水物としてPMDA15.7g、及び6FDA3.6g。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Bが生成されていることが確認された。
上記で得られたポリアミド酸溶液を用いて、実施例1と同様にして、フィルム状のポリイミドBを得た。
[実施例3]
(ポリイミドC)
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB26.3gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA16.9gと6FDA1.8gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Cが生成されていることが確認された。
上記で得られたポリアミド酸溶液を用いて、厚さ18μmの銅箔(三井金属鉱業株式会社製の電解銅箔「DFF」)上にアプリケーターを用いて熱処理後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、熱風オーブンを用いて、1分間に22℃の速度で90℃から360℃まで昇温させ、銅箔とポリイミドフィルムの積層体を得た。次に、ポリイミドフィルムの表面に粘着フィルム(PETフィルム100μm、粘着剤33μm)を張り合わせた後に、この積層体を塩化第二鉄エッチング液に浸漬させ、銅箔を除去し、さらに粘着フィルムからポリイミドフィルムを分離することにより、フィルム状のポリイミドCを得た。
[比較例1]
(ポリイミドD)
ジアミンとして、TFMB23.4g、酸無水物としてPMDA10.3g、及び6FDA11.3gを使用した他は実施例3と同様に実施し、フィルム状のポリイミドDを得た。
[比較例2]
(ポリイミドE)
ジアミンとして、TFMB23.0g、酸無水物としてPMDA9.3g、6FDA12.7gを使用した他は実施例3と同様に実施し、フィルム状のポリイミドEを得た。
[比較例3]
(ポリイミドF)
ジアミンとして、TFMB23.5g、酸無水物としてBPDA21.5gを使用した他は実施例3と同様に実施し、フィルム状のポリイミドFを得た。
[実施例4]
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB18.9gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液に6FDA26.1gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液Gが得られ、高重合度のポリアミド酸が生成されていることが確認された。
次いで、実施例3で得たポリアミド酸溶液Cを厚さ18μmの圧延銅箔上にアプリケーターを用いて熱処理後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、熱風オーブンを用いて、90℃から130℃の温度で1分から5分加熱した。その後、得られたポリアミド酸と銅箔の積層体の上に、更にポリアミド酸溶液Gを厚さ5μmになるように塗布し、熱風オーブンを用いて、1分間に22℃の速度で90℃から360℃まで昇温させ、銅箔と2層のポリイミドからなる積層体を得た。
次に、この積層体を塩化第二鉄エッチング液に浸漬させ銅箔を除去し、ポリイミドCとポリイミドGからなるポリイミド積層体フィルムを得た。別途同様の手法でポリイミドGの単層フィルムを作成し、弾性率を測定したところ、4.5GPaであった。
[実施例5]
ポリアミド酸溶液Cを、厚さ0.5mmのガラス上にアプリケーターを用いて、熱処理後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、熱風オーブンを用いて、130℃で加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に150℃、200℃、250℃で30分加熱後、360℃で1分間加熱し、ガラスとポリイミドフィルムの積層体を得た。次に、ポリイミドフィルムの表面に粘着フィルム(PETフィルム100μm、粘着剤33μm)を張り合わせ、ガラスからポリイミドフィルムを剥離し、次いで粘着フィルムからポリイミドフィルムを分離し、フィルム状のポリイミドCを得た。
[実施例6]
360℃での加熱時間を30分としたこと以外は、実施例5と同様にして、フィルム状のポリイミドCを得た。
[実施例7]
熱処理を窒素オーブンで行なったこと以外は、実施例5と同様にして、フィルム状のポリイミドCを得た。
[実施例8]
ガラスの厚みを3mmとしたこと以外は、実施例5と同様にして、フィルム状のポリイミドCを得た。
[実施例9]
熱処理後の膜厚が約11μmとなるように塗布したこと以外は、実施例5と同様にして、フィルム状のポリイミドCを得た。
[実施例10]
熱処理を窒素オーブンで行なったこと以外は、実施例9と同様にして、フィルム状のポリイミドCを得た。
[実施例11]
窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB19.2gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA13.1gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Hが生成されていることが確認された。
ポリアミド酸溶液Hを用いた以外は、実施例5と同様にして、フィルム状のポリイミドHを得た。
[実施例12]
ポリアミド酸溶液を、厚さ18μmの銅箔(三井金属鉱業株式会社製の電解銅箔「DFF」)上にアプリケーターを用いて熱処理後の膜厚が約20μmとなるように塗布し、窒素オーブンを用いて、1分間に22℃の速度で90℃から360℃まで昇温させ、銅箔とポリイミドの積層体を得た。応力緩和層を形成することなく、この積層体を塩化第二鉄エッチング液に浸漬させ、銅箔を除去し、フィルム状のポリイミドAを得た。
[実施例13]
粘着フィルムを用いずに、ガラスからポリイミドフィルムを剥離したこと以外は、実施例7と同様にして、フィルム状のポリイミドCを得た。
[実施例14]
ポリアミド酸溶液Cを、厚さ0.5mmのガラス上にアプリケーターを用いて熱処理後の膜厚が約11μmとなるように塗布し、窒素オーブンを用い、130℃で加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去し、ガラスとゲルフィルムの積層体を得た。次にガラスからゲルフィルムを引き剥がしてテンタークリップに固定し、150℃、200℃、250℃で30分加熱後、360℃で1分間加熱し、ポリイミドCを得た。
[比較例4]
ポリアミド酸溶液Gを用いた以外は、実施例13と同様にして、フィルム状のポリイミドGを得た。
[比較例5]
市販の透明ポリイミドフィルム(三菱ガス化学株式会社製、ネオプリムL、厚み100μm)(以下、ポリイミドIという。)に対して、同様に測定を行なった。表面傷の観察は、フィルムの両面に対して行なった。
また、ポリイミドフィルムA〜I、及びCとGのポリイミド積層体フィルム上に50nmのシリコン窒化膜をCVDで成膜し、クラックの発生をマイクロスコープで観察したところ、C/Gの積層体ではクラックが無く、A、B、C及びHではクラックがわずかに観察された。また、D、E、F、G、及びIではクラックが数多く観察された。
得られたポリイミドフィルムA〜I、及びCとGの多層ポリイミドフィルム(C/Gフィルム)の特性値を表2に示す。表2に示したとおり、上記実施例1〜14、及び比較例1〜5から得られた結果より明らかなように、本発明の条件を満たしたポリイミドは、透明性にも優れ、反りも無く、ポリイミド樹脂層表面の表面粗さやリタデーションの値は低いものであった。また、ガスバリア層を形成した際のカールはほとんど確認されず、クラック発生に関する評価も良好であった。一方、本発明の条件を満たさないポリイミド樹脂層からなるものは、熱膨張係数が大きくてガスバリア層を形成した際のカールが確認され、更には、数多くのクラックが発生してしまった。
Figure 2018109782
以上、本発明について、実施例を用いて説明してきたが、これまでの各実施例で説明した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
1・・・支持基材、2・・・封止基板、3-1,3-2,3-3・・・ガスバリア層、4・・・薄膜トランジスタ、5・・・薄膜トランジスタを含む回路構成層、6・・・アノード電極、7・・・発光層、8・・・カソード電極、9・・・接着層、LT・・・外部に取り出される光。

Claims (2)

  1. ベース基板上に、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液をポリイミドフィルムの厚みが50μm以下になるように塗布し、加熱処理を完了させてベース基板上にポリイミドフィルムを形成し、ベース基板からポリイミドフィルムを分離する表示装置支持基材用ポリイミドフィルムの製造方法であって、ポリイミドフィルムが他の基体に固定された状態でベース基板を除去し、ポリイミドフィルムと基体を分離することを特徴とする表示装置支持基材用ポリイミドフィルムの製造方法。
  2. 前記他の基体が、基体内部から基体表面に繋がる細孔を有したものであり、基体内部を減圧にし、真空を利用して基体表面にポリイミドフィルムを固定した状態でポリイミドフィルムをベース基板から剥離後、基体内部の減圧を解いて、基体からポリイミドフィルムを分離する請求項1に記載の表示装置支持基材用ポリイミドフィルムの製造方法。
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