JP4856498B2 - フレキシブルディスプレイ用電極基板 - Google Patents
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Journal of Society For Information Display Volume12, Number1,p.17 Journal of Society For Information Display Volume12,Number1,p.75
さらに、応力緩和層(A)の導電層(B)と反対側に硬質層(C)を有し、該硬質層(C)の周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G´が、1×108Paを超えて1×1010Pa以下であれば、曲げ可能なディスプレイの前面基板、背面基板に使用しても導電層の破断や、剥離が生じにくいことを見出した。
さらに、応力緩和層(A)がエチレン酢酸ビニル共重合体[EVA]、スチレンエチレンブタジエン共重合体[SEBS]、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂の少なくとも1種を含むものであれば、曲げ可能なディスプレイの前面基板、背面基板に使用しても導電層の破断や、剥離が生じにくいことを見出した。
このようなフレキシブルディスプレイ用電極基板は折り曲げ可能なディスプレイに好適に使用できる。
本発明におけるフレキシブルディスプレイ用電極基板は、応力緩和層(A)と導電層(B)を有する積層体である。フレキシブルディスプレイ用電極基板の強度を上昇させる目的で硬質層(C)を有してもよいし、応力緩和層(A)と導電層(B)の間の密着強度を高くするために中間層(D)を有してもよい。
本発明における応力緩和層(A)はディスプレイを曲げる際に発生する応力を緩和し、フレキシブルディスプレイ用電極基板から導電層が剥離することや、フレキシブルディスプレイ用電極基板に密着させたリブが剥離することを防止する。応力緩和層(A)の貯蔵弾性率G´及び厚さによって応力緩和の効果を制御できる。貯蔵弾性率G´が小さいと応力緩和層(A)は伸縮しやすく、折り曲げに対する応力を緩和しやすい。また厚さが薄いと応力緩和層(A)は伸縮しやすく、折り曲げに対する応力を緩和しやすい。応力緩和層(A)の厚さは、フレキシブルディスプレイ用電極基板としたときの構成により適宜選択できる。例えば、図1、3に記載した構成の場合は応力緩和(A)がフレキシブルディスプレイ用電極基板の支持層となるため、十分な硬さ、厚さを有することが好ましい。一方で図2、4に記載した構成の場合は硬質層(B)がフレキシブルディスプレイ用電極基板の支持層として機能するため、必要な応力緩和効果を考慮して適宜選択すればよい。
塗工法は、原料となる樹脂を溶媒に溶解させ、フィルムなどの基材表面に塗工し、後に溶媒を蒸発させて所望の形状の樹脂を得る手法である。
フレキシブルディスプレイ用電極基板をディスプレイの前面基板に使用する場合、導電層(B)の可視光線透過率が高いことが好ましい。可視光透過率が50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。一方、背面基板に使用する場合は特に透明でなくてもよい。また導電層(B)の面抵抗値は、前述した通り、適用する用途によってことなるが、1〜1000Ω/□が好ましく、より好ましくは30Ω/□以上、150Ω/以下である。
導電層(B)を線状に加工する場合は、従来から知られているパターニング手法が使用できる。具体的には、マスク法、湿式エッチング法、乾式エッチング法などが好ましく使用される。
本発明におけるフレキシブルディスプレイ用電極基板は、衝撃緩和層(A)の支持、保護などの理由で硬質層(C)を含んでもよい。本発明における硬質層(C)は、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G’が、1×108Paを超えて1×1010Pa以下であることが好ましい。貯蔵弾性率G’が小さいと柔らかい為、打痕や押し跡が容易につきやすく好ましくない。また貯蔵弾性率が大きいと硬すぎるために曲げの際に割れを生じるおそれがあり好ましくない。
オルガノシラン系熱硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂と並んで広く用いられている。材料の主成分は例えば、アルコキシシラン、カーボンファンクショナルシラン等が挙げられる。これらは、アルコキシル基の加水分解によって生成したシラノール基の脱水自己縮合によりシロキサン結合を形成し架橋構造を形成する。
メラミン系熱硬化性樹脂は、酸性触媒下、加熱により、メチロールメラミンの脱水または脱ホルマリンにより架橋構造を形成する。カルボキシル基または水酸基を有する硬化剤を使用する場合は、メチロール基とこれらの基が縮合してエステル結合またはエーテル結合を形成する。
ウレタン系熱硬化性樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールを加熱することによりウレタン結合を形成する。
重合転写法はあらかじめ、ガラス、金属等の所望の型の内面に膜を形成させておき、この型内に液状のモノマープレポリマー開始剤等からなる組成物を注入して重合させ、得られた高分子成型品表面に膜を転写させる方法である。この方法を使用できる応力緩和層(A)としては、メタクリル樹脂、CR−39樹脂[東レ製(商標名)]等のセルキャスト重合ものに限定されるが、連続製版方式であるため非常に生産性良く製造することができるため、好適に用いられている。
接着転写法は、転写フィルムや離型性高分子フィルム上にあらかじめ硬質層(C)と接着層を設け、金型面側に硬質層(C)が来るように金型に装着して、応力緩和層(A)を射出成形して製造する方法である。
本発明におけるフレキシブルディスプレイ用電極基板は、応力緩和層(A)と導電層(B)の間の密着強度を高くすることや、応力緩和層(A)からのガス放出を防止するなどを目的として、中間層(D)を設けてもよい。応力緩和層(A)と導電層(B)の材質や形成手法によっては、応力緩和層(A)と導電層(B)とを直接積層しても十分な密着性を有して接着することができない場合があり、その間に中間層(D)を設けることにより、応力緩和層(A)と導電層(B)の密着力を向上させることができる。
また、応力緩和層(A)上に導電層(B)を形成する際に、応力緩和層(A)からのガス放出によって形成が阻害される場合があり、応力緩和層(A)の表面にガスバリア性を有する中間層(D)をあらかじめ設けることにより、導電層(B)を形成することができる。
無機酸化物、無機フッ化物、無機硫化物は例えば、二酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、クリオライト、フッ化ナトリウム、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フッ化ネオジウム、酸化アルミニウム、フッ化セシウム、フッ化鉛、酸化マグネシウム、酸化トリウム、酸化スズ、酸化ランタニウム、酸化ケイ素、酸化インジウム、インジウムとスズとの酸化物、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化セレン、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化ビスマス、セレン化亜鉛、硫化カドミウム、硫化アンチモン等が好ましい。
中間層(D)は従来公知の手法で形成することができる。具体的に例示すると、ウエットコーティング、熱真空蒸着、EB蒸着、スパッタリング、プラズマCVDなどである。
応力緩和層(A)と導電層(B)の間の密着強度は5N/25mm以上であることが好ましい。5N/25mm未満の場合は、フレキシブルディスプレイ用電極基板を曲げ直径3mmで曲げた際に応力緩和層(A)と導電層(B)との間で剥離が生じるおそれがある。より好ましい密着強度は10N/25mm以上、さらに好ましくは15N/25mm以上である。
また、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体[EVA]では、極性成分であるビニル成分の含有率[VA値]が高い程、極性が高くなるため、高い密着強度を得るために好ましい。
折り曲げ可能なディスプレイでは、内接円直径が3mm以下で繰り返し曲げられることが好ましい。細く曲げられないディスプレイでは、曲げた後のディスプレイが厚みを持つため好ましくない。折り曲げ可能な内接円直径は小さいほどよく、より好適には2mmであり、さらに好ましくは直径1mmである。
また、曲げた部分における面抵抗率の上昇率は、20%以下であることが好ましい。折り曲げ部分の面抵抗率の上昇率が大きいと、ディスプレイを表示させた際に、折り曲げた履歴のある部分とない部分との間に表示画面の画質に明確な差が生じるおそれがある。面抵抗率の上昇率は低いほどよく、より好適には10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
本発明において密着強度試験は以下のように実施した。
試験片のサイズは10mm×100mmとした。試験板はSUS304板[厚さ2mm]とした。応力緩和層(A)と導電層(B)との間の密着強度測定は、応力緩和層(A)に対して十分な接着性を有する両面テープを使用して、フレキシブルディスプレイ用電極基板の応力緩和層(A)側が試験板に接するように試験板に貼り付けた。続いて導電層(B)に対して十分な接着力を有する粘着テープ[厚さ25μm]を導電層(B)の全面に貼った。次に粘着テープを剥離し、剥離強度を測定した。応力緩和層(A)は試験板と接着しており、粘着テープと導電層(B)も接着していることから、得られた剥離強度は応力緩和層(A)と導電層(B)の間で剥離しやすい部分の剥離強度を測定したことになる。剥離速度は300mm/分、剥離角度は90度とした。
フレキシブルディスプレイ用電極基板の屈曲性の評価にあたっては、押し曲げ直径3mmで押し曲げる前後の面抵抗率を測定し、押し曲げ後の、押し曲げ前の面抵抗率からの上昇率、押し曲げ部分の応力緩和層の押し曲げ部分の応力緩和層(A)の破断の有無、応力緩和層(A)と硬質層(C)との間の剥離の有無を評価した。
3mm厚のアルミニウム板と本発明における電極用基板を積層して評価した。
試験方法は、JIS Z2248に準じて、押し曲げ試験を実施した。押し曲げ試験条件は、内接円直径3mm、押し曲げ角度180°とした。
貯蔵弾性率は、一般的な粘弾性測定装置を用いて一般的な条件で測定すればよい。本願においては、レオメトリック社製の粘弾性測定装置(型番:ARES)を適用して、厚さ100umのサンプルを25mmΦのパラレルプレートに設置し、温度20℃の雰囲気下で、ねじりモードにて3%の歪みを周波数1Hzに相当する角振動数にて加えて測定した。
フレキシブルディスプレイ用電極基板の構成や各層の状態は、断面の光学顕微鏡測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定、透過型電子顕微鏡測定(TEM)等を用いて調べられる。
各層の組成はオージェ電子分光法(AES)、蛍光X線法(XRF)、X線マイクロアナライシス法(XMA)、ラザフォード散乱分析法(RBS)、X線光電子分光法(XPS)、真空紫外光電子分光法(UPS)、赤外吸収分光法(IR)、ラマン分光法、2次イオン質量分析法(SIMS)、低エネルギーイオン散乱分光法(ISS)等により測定できる。また、導電層(B)の原子組成及び膜厚は、オージェ電子分光法(AES)や2次イオン質量分析(SIMS)等で深さ方向の分析を行うことによって調べられる。
各層の分子量分布はGPC質量分析法等で調べることができる。
本発明におけるフレキシブルディスプレイ用電極基板を用いて、従来公知の手段でフレキシブルディスプレイを作製することができる。例えばマイクロカプセル型電気泳動表示方式のフレキシブルディスプレイは、TFT回路を有する電極用基板を背面基板とし、透明導電層を有する電極用基板を前面基板とし、図8に示すように白色と黒色の粉体が封入されたマイクロカプセルを両基板の間に挟みこんで作製する。図8は、図7で例示したTFT液晶用基板の導電層(B)20上に接着層200を形成し、図4に例示したフレキシブルディスプレイ用電極基板の導電層(B)20が、接着層200側になるように設置し、間にマイクロカプセル層210を形成した、マイクロカプセル型電気泳動表示方式のフレキシブルディスプレイの一例である。
本発明のフレキシブルディスプレイ用電極基板は、これらのディスプレイの背面基板、全面基板のいずれにも使用できる。
本発明では、フレキシブルディスプレイ用電極基板を曲げ可能なフレキシブルディスプレイの基板に用いて、直径3mmで折り曲げた後に開いた部分と、折り曲げていない部分との間でディスプレイの輝度を比較することで評価した。両者の間に相対比にて20%以上の違いがあると、ディスプレイ画面に表示むらが発生するおそれがある。
準備及び測定はJEITA 規格EIAJ ED2523に準じて、以下の通り実施した。
光源として 浜松ホトニクス製キセノンランプ L7893を使用した。測光器として、ミノルタ製 分光放射輝度計 CS−1000Aを使用した。駆動には直流電気信号を使用し、オンオフにより黒白の制御を行った。測定系としては、標準構成Aを使用し、照射角5度、照射径10mmφ、測定角5度、測定径5mmφとした。図10に測定位置を図示した。ディスプレイの表示面300を内側あるいは外側にして、曲げの中心線310で曲げ試験を行い、曲げ試験実施部の測定位置320と、曲げ試験未実施部の測定位置330で輝度測定を行う。
[部材準備]
応力緩和層(A)の材料として酢酸エチレンビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製、貯蔵弾性率G´:1×104Pa]を準備した。
導電層(B)の材料としてインジウムとスズとの混合酸化物[混合重量比が、酸化インジウム/酸化スズ=9/1]を準備した。
[応力緩和層(A)の作製]
押し出し成形法により酢酸エチレンビニル樹脂を厚みが500μmとなるように形成した。押し出し条件は、樹脂温度130℃、押し出し速度1m/minとした。
[導電層(B)の作製]
応力緩和層(A)の一方の面上に電子ビーム蒸着によりインジウムとスズとの酸化物(ITO)(スズ含有率10%)層を厚さが100nmとなるように形成した。成膜ガスとして、アルゴンと酸素の混合ガス[分圧比が、アルゴン/酸素=99/1]を使用した。
得られたフレキシブルディスプレイ用電極基板の特性を表1、表2に示した。
以下の事項を除いて、実施例1と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料として酢酸エチレンビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製 、貯蔵弾性率G´:1×107Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例1と同様に実施した。
応力緩和層(A)を形成するための材料として酢酸エチレンビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製、貯蔵弾性率G´:1×108Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例3と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料にテルペン樹脂[メーカー:ヤスハラケミカル、製品名:YSレジンPX1000]を0.3重量%分加えた。
以下の事項を除いて、実施例3と同様に実施した。
応力緩和層(A)のテルペン樹脂[メーカー:ヤスハラケミカル、製品名:YSレジンPX1000]を0.5重量%分加えた。
以下の事項を除いて、実施例1と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料として酢酸エチレンビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製、貯蔵弾性率G´:5×108Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例1と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料として酢酸エチレンビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製、貯蔵弾性率G´:5×103Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例1と同様に実施した。
応力緩和層(A)を形成するための材料としてナイロン6[貯蔵弾性率G´:4×109Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例1と同様に実施した。
応力緩和層(A)を形成するための材料としてシリコーンゴム[貯蔵弾性率G´:4×109Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例1と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料にメチルトリメトキシシランを0.5重量%分加えた。
実施例1〜5で作製したフレキシブルディスプレイ用電極基板を前面基板として、電子紛流体型電気泳動表示方式ディスプレイを作製した。
比較例1〜5で作製したフレキシブルディスプレイ用電極基板を前面基板として、電子紛流体型電気泳動表示方式ディスプレイを作製した。
実施例6〜10及び比較例6〜10の結果を表3に示す。
比較例7では、折り曲げ履歴部分が表示されなかったため、ディスプレイの輝度が測定できなかった。
また、フレキシブルディスプレイ用電極基板の可視光透過率は、いずれも80%以上であり、透過性が必要なディスプレイの前面基板、背面基板に適している。さらに面抵抗率がいずれも約100Ω/□であり、ディスプレイの前面基板、背面基板に適している。
[部材準備]
応力緩和層(A)の材料としてエチレン酢酸ビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製、貯蔵弾性率G´:1×104Pa]を準備した。
導電層(B)の材料としてインジウムとスズとの混合酸化物[混合重量比が、酸化インジウム/酸化スズ=9/1]を準備した。
硬質層(C)としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[厚さ125μm、貯蔵弾性率G´:4×109Pa]を準備した。
[応力緩和層(A)の作製]
PETフィルムの一方の面上に押し出し成形法により酢酸エチレンビニル樹脂を厚みが63μmとなるように形成した。押し出し条件は、樹脂温度130℃、押し出し速度1m/minとした。
[導電層(B)の作製]
エチレン酢酸ビニル樹脂の、PETフィルムと接していない側の面上に電子ビーム蒸着によりインジウムとスズとの酸化物(ITO)層を厚さが100nmとなるように形成した。成膜ガスとして、アルゴンと酸素の混合ガス[分圧比が、アルゴン/酸素=99/1]を使用した。
得られたフレキシブルディスプレイ用電極基板の特性を表4、表5に示した。
以下の事項を除いて、実施例1と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料としてエチレン酢酸ビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製 、貯蔵弾性率G´:1×107Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例11と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料としてエチレン酢酸ビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製、貯蔵弾性率G´:1×108Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例13と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料にテルペン樹脂[メーカー:ヤスハラケミカル、製品名:YSレジンPX1000]を0.3重量%分加えた。
以下の事項を除いて、実施例13と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料にテルペン樹脂[メーカー:ヤスハラケミカル、製品名:YSレジンPX1000]を0.5重量%分加えた。
以下の事項を除いて、実施例11と同様に実施した。
硬質層(C)としてPETフィルム[厚さ188μm、貯蔵弾性率G´ 4×109Pa]を使用した。さらに、エチレン酢酸ビニル樹脂を形成しなかった。
得られた積層体の特性を表3、表4に示した。
以下の事項を除いて、実施例11と同様に実施した。
応力緩和層(A)としてエチレン酢酸ビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製、貯蔵弾性率G´:5×108Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例11と同様に実施した。
応力緩和層(A)としてエチレン酢酸ビニル樹脂[品名:三井デュポンケミカル製、貯蔵弾性率G´:5×103Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例11と同様に実施した。
応力緩和層(A)としてナイロン6[貯蔵弾性率G´:4×109Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例11と同様に実施した。
応力緩和層(A)としてシリコーンゴム[貯蔵弾性率G´:4×109Pa]を使用した。
以下の事項を除いて、実施例11と同様に実施した。
応力緩和層(A)の材料にメチルトリメトキシシランを0.5重量%分加えた。
実施例11〜15で作製したフレキシブルディスプレイ用電極基板を前面基板として、電子紛流体型電気泳動表示方式ディスプレイを作製した。
比較例11〜16で作製したフレキシブルディスプレイ用電極基板を前面基板として、電子紛流体型電気泳動表示方式ディスプレイを作製した。
実施例16〜20及び比較例17〜22の結果を表6に示す。
比較例13では、屈曲試験後、面抵抗率が高くなり測定できなかった。
比較例19では、折り曲げた部分が表示されなかったため、ディスプレイの輝度が測定できなかった。
また、得られたフレキシブルディスプレイ用電極基板の可視光透過率は、いずれも80%以上であり、透過性が必要なディスプレイの前面基板に使用可能であることがわかる。さらに積層体の電気特性は、その面抵抗率がいずれも約100Ω/□であり、ディスプレイの電極用基板として使用可能なものであることがわかる。
20:導電層(B)
30:硬質層(C)
40:中間層(D)
100:TFT部
110:絶縁膜
120:ゲート電極
130:キャパシタ電極
200:接着層
210:マイクロカプセル
220:リブ
230:電子紛流体
300:ディスプレイの表示面
310:曲げの中心線
320:曲げ履歴のある領域の測定位置
330:曲げ履歴がない領域の測定位置
Claims (3)
- 応力緩和層(A)と導電層(B)とを有する、折り曲げ可能なフレキシブルディスプレイ用電極基板であり、
前記応力緩和層(A)の周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G´が、1×104Pa以上1×108Pa以下であり、
前記応力緩和層(A)と前記導電層(B)との間の密着強度が5N/25mm以上であり、
直径3mmで曲げた際の、前記導電層(B)の面抵抗率上昇率が20%以下であり、
前記応力緩和層(A)が、エチレン酢酸ビニル共重合体[EVA]、スチレンエチレンブタジエン共重合体[SEBS]、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂の少なくとも1種を含み、
前記応力緩和層(A)の厚さが、20μm以上1mm以下である、フレキシブルディスプレイ用電極基板。 - 前記応力緩和層(A)の前記導電層(B)と反対側に硬質層(C)を有し、該硬質層(C)の周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G´が、1×108Paを超えて1×1010Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ用電極基板。
- 請求項1または2に記載のフレキシブルディスプレイ用電極基板を搭載した折り曲げ可能なディスプレイ。
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