JP2014205247A - 転写用部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、樹脂層を備える転写層を対象物に転写するために用いることができ、且つ樹脂層がレーザー反応性材料を含有するか否かにかかわらず、転写層を容易に転写することができる転写用部材を提供することを、課題とする。
【解決手段】本発明に係る転写用部材1は、ベース部材2と、このベース部材2上に重なっている離型層3と、この離型層3上に重なっている転写層4とを備える。この転写用部材1は、前記転写層4を前記離型層3から剥離して対象物5上へ転写するために用いられる。前記転写層4が、前記離型層3上に重なっている樹脂層41を備える。前記離型層3が、金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料で構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る転写用部材1は、ベース部材2と、このベース部材2上に重なっている離型層3と、この離型層3上に重なっている転写層4とを備える。この転写用部材1は、前記転写層4を前記離型層3から剥離して対象物5上へ転写するために用いられる。前記転写層4が、前記離型層3上に重なっている樹脂層41を備える。前記離型層3が、金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料で構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、対象物に対して転写層を転写するために用いられる転写用部材に関する。
転写箔、転写シート等と称される転写用部材は、対象物上に種々の転写層を転写するために利用される。転写層の例として、加飾層及び導電層が挙げられる。加飾層は、印刷等により形成された図柄を備える層である。加飾層を備える転写用部材は、例えば適宜の成形体上に加飾層を転写することで成形体を装飾するために、用いられる。導電層は、導電性を有する層である。導電層を備える転写用部材は、例えば導電層を、配線板、タッチパネル等の電子機器上に転写するために、用いられる。
従来の転写用部材として、特許文献1には、基材上に剥離層、機能層、接着剤層を有し、基材から剥離層が剥離することで、対象物(被転写体)へ剥離層、機能層及び接着剤層が転写される転写箔が、提案されている。この転写箔では、剥離層が、金属などのレーザー反応性材料(レーザーを照射することにより分解又は変質する材料)を含む。この剥離層にレーザーが照射されることで、基材から剥離層が剥離しやすくなり、これにより、転写が容易におこなわれる。
しかし、この従来技術では、対象物に転写される転写層の最外層に配置される剥離層に、金属などのレーザー反応性材料が含有されなければならない。このため、レーザー反応性材料が、転写層の光学的特性、電気的特性等の物性に影響を及ぼしてしまい、転写層の構成が制約されてしまう。特に、剥離層が樹脂材料から形成されている樹脂層である場合には、剥離層にレーザー反応性材料が混入することで、転写層の物性が大きく変化しかねないという問題がある。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、樹脂層を備える転写層を対象物に転写するために用いることができ、且つ樹脂層がレーザー反応性材料を含有するか否かにかかわらず、転写層を容易に転写することができる転写用部材を提供することを、課題とする。
本発明の第1の態様に係る転写用部材は、ベース部材と、このベース部材上に重なっている離型層と、この離型層上に重なっている転写層とを備え、前記転写層を前記離型層から剥離して対象物上へ転写するために用いられる転写用部材であって、
前記転写層が、前記離型層上に重なっている樹脂層を備え、前記離型層が、金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料で構成されていることを特徴とする。
前記転写層が、前記離型層上に重なっている樹脂層を備え、前記離型層が、金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料で構成されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る転写用部材では、第1の態様において、前記離型層の厚みが10〜1000nmの範囲内である。
本発明の第3の態様に係る転写用部材では、第1又は第2の態様において、前記樹脂層が、重合反応型樹脂を含有する。
本発明の第4の態様に係る転写用部材では、第1又は第2の態様において、前記樹脂層が、重合反応型樹脂の硬化物を含有する。
本発明に係る転写用部材では、離型層が、樹脂材料との親和性が低い材料で構成されているため、離型層から樹脂層が剥離しやすく、このため、転写層を対象物上へ容易に転写することができる
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る転写用部材1は、図1に示されるように、ベース部材2と、このベース部材2上に重なっている離型層3と、この離型層3上に重なっている転写層4とを備える。この転写用部材1は、図2〜4に示されるように、転写層4を離型層3から剥離して対象物5上へ転写するために用いられる。対象物5とは、転写層4が転写される対象であり、その構造、材質等に特に制限はない。対象物5の具体例としては、樹脂成形体;金属製部材;並びに配線板、タッチパネル等の電子機器が、挙げられる。
転写層4は、離型層3上に重なっている樹脂層41を備える。樹脂層41は、その構成材料が樹脂材料を含む層である。樹脂層41の構成材料は、樹脂材料のみであってもよいが、樹脂材料以外のフィラー、補強材等を更に含有してもよい。転写層4の少なくとも一部が、樹脂層41から構成されていればよい。本実施形態では、転写層4は、離型層3上に重なっている樹脂層41と、この転写層4に重なっている機能層42とを備える。尚、転写層4が、樹脂層41のみから構成されていてもよい。その場合は、樹脂層41が機能層の役割を果たしてもよい。
更に、本実施形態では、離型層3が、金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料で構成されている。
本発明に係る転写用部材1では、上記のように離型層3が、金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料という、樹脂材料との親和性が低い材料で構成されているため、離型層3から樹脂層41が剥離しやすい。このため、樹脂層41がレーザー反応性材料を含有するか否かにかかわらず、離型層3から転写層4が容易に剥離される。更に、レーザー反応性材料へレーザーを照射するような手間が削減される。
また、離型層3が金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料で構成されているため、離型層3は緻密な構造を有し、このため、離型層3の表面が、容易に平滑に形成されうる。特にベース部材2が平滑な表面を有し、この表面上に離型層3が形成される場合には、離型層3の表面が平滑になりやすい。このため、離型層3に積層される樹脂層41の表面(樹脂層41の離型層3に対向する面)も、容易に平滑化される。対象物5上に転写層4が転写されると、樹脂層41は転写層4の最外層に配置される。このため、平滑な表面を備える転写層4が、対象物5上に形成される。
本実施形態では、離型層3の厚みが10〜1000nmの範囲内であることが好ましい。この場合、この厚みが10nm以上であると、ベース部材2上に離型層3が容易に形成され、この離型層3が、転写層4との離型性を十分に有するようになる。この厚みが1000nm以下であると、離型層3の厚みが過剰に大きくならず、低コスト化が可能となり、更に、転写層4が対象物5上に転写される際に離型層3に応力がかかっても離型層3が破壊されにくくなる。
本実施形態では、樹脂層41が、フィラーを含有してもよい。通常、樹脂層41がフィラーを含有する場合、樹脂層41の表面がフィラーによって凹凸に形成されやすい。しかし、本実施形態では、上記の通り、離型層3の表面を容易に平滑に形成可能なため、フィラーを含有する樹脂層41が離型層3上に形成されても、転写後の転写層4の最表面となる樹脂層41の表面が、平滑になる。
本実施形態では、樹脂層41が、重合反応型樹脂を含有してもよい。この場合、樹脂層41中の重合反応型樹脂が重合することで、樹脂層41の硬度が高くなる。このため、対象物5上に転写された転写層4の表面硬度が、高くなる。尚、樹脂層41中の重合反応型樹脂の重合反応は、如何なる時期に進行してもよい。例えば、樹脂層41が離型層3に重なっている状態で、重合反応型樹脂の重合反応が進行してもよい。転写層4が対象物5上に転写されて樹脂層41が離型層3から剥離されてから、重合反応型樹脂の重合反応が進行してもよい。
本実施形態では、樹脂層41が、重合反応型樹脂の硬化物を含有してもよい。この場合、樹脂層41の硬度が高くなる。このため、対象物5上に転写された転写層4の表面硬度が、高くなる。
離型層3上に重合反応型樹脂を含有する組成物が配置され、離型層3上で組成物中の重合反応型樹脂の硬化反応が進行することで、樹脂層41が形成されてもよい。もし離型層3が樹脂から形成されているならば、離型層3上で重合反応型樹脂の硬化反応が進行することで樹脂層41が形成されると、樹脂層41と離型層3との間の接着力が高くなってしまい、樹脂層41が離型層3から剥離しにくくなる。しかし、本実施形態では、離型層3が金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料から形成されているため、この離型層3上で重合反応型樹脂の硬化反応が進行して樹脂層41が形成されても、離型層3と樹脂層41との間の接着力が高くなりにくい。このため、離型層3から樹脂層41が容易に剥離されうる。
本実施形態の構成について、更に詳細に説明する。
ベース部材2の材質は、特に制限されない。ベース部材2の材質の例としては、金属材料、ガラス材料、樹脂材料、及び紙材料が挙げられる。樹脂材料の例としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、及びセルロースが挙げられる。
ベース部材2の形状は、特に制限されないが、例えばベース部材2は、板状、シート状、フィルム状等の形状を有することができる。
特にベース部材2が樹脂材料から形成される場合は、ベース部材2の、離型層3と対向する面には、この面上に離型層3が形成される前に、表面処理が施されることが好ましい。この場合、ベース部材2と離型層3との間の接着性が向上しうる。表面処理の方法としては、プラズマ処理、コロナ放電処理をするか、ベース部材2の表面が、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤、酸・アルカリ水溶液等の薬剤で処理されていてもよく、また離型層形成前にイオナイザーによる帯電除去処理などをしてもよい。
離型層3は、上記の通り、金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料から構成される。金属は、例えばアルミニウム、錫、銅、銀、白金、金、亜鉛、チタン、インジウム、レニウム、クロム、ニッケル、鉄、並びにこれらの金属のうち2種類以上の金属から成る合金からなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。金属酸化物は、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ITO及び酸化ケイ素からなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。例えば、離型層3がアルミニウム又は酸化アルミニウムから構成されると、離型層3が高いガスバリア性を有するようになる。
上記の通り、離型層3の厚みは、10〜1000nmの範囲内であることが好ましい。
樹脂層41の表面を平滑化するためには、離型層3の表面(樹脂層41と重なる面)が、平滑であることが好ましい。本実施形態では、離型層3が金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料から形成されるため、離型層3の表面の平滑化が容易である。
離型層3は、例えば蒸着法又はスパッタ法で形成されうる。ベース部材2上に離型層3が、蒸着法で形成される場合には、ベース部材2の、離型層3と対向する面に、予め蒸着用アンカーコート剤(プライマー)の塗布などの適宜の表面処理が施されてもよい。この場合、ベース部材2と離型層3との接着性が向上する。金属箔がベース部材2にラミネートされることで、金属で構成される離型層3が形成されてもよい。ゾルゲル法等の湿式法で、ベース部材2上で金属酸化物が成膜されることで、金属酸化物で構成される離型層3が形成されてもよい。これらの方法が採用されると、離型層3の表面の平滑化が、特に容易である。
特に離型層3が、アルミニウム箔で構成されると、離型層3が優れたガスバリア性を有する。また、離型層3が、アルミニウムと酸化アルミニウムのうち少なくとも一方を含み、且つ蒸着法で形成されると、離型層3が、アルミニウム箔の場合に次ぐ高いガスバリア性を有し、且つアルミニウムの使用量が削減される点で、有利である。
上記のとおり、本実施形態では、転写層4が、樹脂層41及び機能層42とを備える。離型層3上に樹脂層41が重なり、この樹脂層41上に機能層42が重なっている。
樹脂層41は、例えば適宜の樹脂組成物を用いて形成される。この樹脂組成物が、重合反応型樹脂を含有することが好ましい。
重合反応型樹脂の例として、熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂が、挙げられる。
熱硬化型樹脂は、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、珪素樹脂、及びポリシロキサン樹脂からなる群から選択される一種以上の樹脂を含有することができる。樹脂組成物が、熱硬化型樹脂と共に、必要に応じて架橋剤、重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、溶剤等を含有してもよい。
電離放射線硬化型樹脂は、例えばアクリレート系の官能基を有する樹脂を含有することができる。アクリレート系の官能基を有する樹脂としては、例えば比較的低分子量の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー、プレポリマーなどが挙げられる。前記の多官能化合物としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等が挙げられる。樹脂組成物が、電離放射線硬化型樹脂と共に、反応性希釈剤を含有してもよい。反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートの多官能モノマーが挙げられる。
樹脂組成物が電離放射線硬化型樹脂を含有する場合に、樹脂組成物が光重合開始剤を更に含有してもよい。光重合開始剤としてはアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類などが挙げられる。樹脂組成物が、光重合開始剤に加えて、或いは光重合開始剤に代えて、光増感剤を含有してもよい。光増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、チオキサントンなどが挙げられる。
樹脂層41は、膜質の調整、屈折率の調整等の目的で、適宜のフィラーを含有してもよい。そのためには、樹脂層41を形成するための樹脂組成物が、適宜のフィラーを含有してもよい。
フィラーは、例えばチタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、及びアンチモンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物を含有することができる。酸化物の具体例としては、ZnO、SiO2、TiO2、CeO2、Sb2O5、SnO2、ITO、Y2O3、La2O3、ZrO2、及びAl2O3が挙げられる。フィラーの平均粒子径は、転写層4或いは樹脂層41の厚みにより選定される。この平均粒子径は、転写層4或いは樹脂層41の平均厚みより小さいことが好ましい。尚、平均粒子径は、フィラーの粒子の電子顕微鏡写真画像から算出される投影面積と同一の面積を有する円(面積相当円)の径の、算術平均値である。樹脂層41内のフィラーの含有量は、例えば5〜70体積%の範囲内である。
樹脂組成物が、塗布法などで離型層3上に配置され、更に必要に応じて乾燥されることで、重合反応型樹脂を含有する樹脂層41が形成される。
離型層3上に配置された樹脂組成物に、この樹脂組成物中の重合反応型樹脂の種類に応じた処理が施されることで、重合反応型樹脂の硬化反応が進行し、これにより、重合反応型樹脂の硬化物が形成されてもよい。つまり、例えば重合反応型樹脂が熱硬化性樹脂である場合には樹脂組成物が加熱され、重合反応型樹脂が電離放射線硬化型樹脂である場合には樹脂組成物に紫外線等の電離放射線が照射されることで、重合反応型樹脂が硬化してもよい。この場合、重合反応型樹脂の硬化物を含有する樹脂層41が形成される。
樹脂層41の厚みは、0.03〜300μmの範囲内が好ましい。この厚みが0.03μm以上であると、樹脂層41がその機能を良好に発揮することができる。この厚みが300μm以下であると、転写用部材1全体の可撓性が高く維持され、転写用部材1を必要に応じて連続巻き取りすることが容易になり、また、複数の転写用部材1を積層する際の加工性が良好となる。但し、樹脂層41の厚みは、転写層4の用途に応じ適宜設定され、特に上記範囲に限定される必要はない。
樹脂層41は、上記以外の適宜の方法で形成されてもよい。例えば、ガラス不織布等の基材に樹脂組成物を含浸させ、更に必要に応じて樹脂組成物を乾燥させることでプリプレグを作製し、このプリプレグを用いて、樹脂層41を形成してもよい。この場合、例えばプリプレグを離型層3上に配置し、この状態でプリプレグを硬化させることで、樹脂層41が形成される。
機能層42の例としては、加飾層及び導電層が挙げられる。加飾層は、印刷等により形成された図柄を備える層である。導電層は、導電性を有する層であり、例えば導電性フィラーを含有する樹脂組成物を成形することで形成される。
尚、機能層42の構成は、これらに限定されない。例えば機能層42には、光学調整層、帯電防止層、電磁波シールド層等も含まれうる。
転写層4が機能層42を備えない場合に、樹脂層41が機能層42の役割を果たしてもよい。すなわち、樹脂層41が、印刷等により形成された図柄を備えることで、加飾層の役割を果たしてもよい。また、樹脂層41が、導電性フィラーを含有することで、導電層の役割を果たしてもよい。樹脂層41が、光学調整層、帯電防止層、電磁波シールド層、指紋付着防止層、撥水・撥油層、反射防止層などの役割をはたしてもよい。
尚、転写層4は、樹脂層41及び機能層42以外の層を、更に備えてもよい。
本実施形態に係る転写用部材1を使用して、対象物5上に転写層4を転写する方法について、説明する。
まず、転写用部材1における転写層4が、対象物5上に固定される。例えば、転写層4と対象物5が接着されることで、転写層4が対象物5上に固定される。図2に示されるように、転写層4と対象物5との間に接着層6が介在することで、この接着層6が、転写層4と対象物5とを接着してもよい。接着層6は、適宜の接着剤から形成されうる。
接着層6が使用される場合は、転写用部材1が、接着層6を備えてもよい。すなわち、転写用部材1における転写層4に、接着剤が積層していてもよい。この場合、接着剤を別途に用意しなくても、転写層4が対象物5上に容易に固定されうる。
転写層4を対象物5上に固定する方法は、接着層6を用いる方法に限られない。例えば、転写層4と対象物5との間にOCA(optical clear adhesive)テープなどの両面粘着テープを介在させることで、この両面粘着テープを介して転写層4を対象物5上に固定してもよい。また、溶着などの手段によって転写層4を対象物5上に固定してもよい。
転写層4が対象物5上に固定された後、図3に示されるように、転写層4が離型層3から剥離される。これにより、転写層4が対象物5上に残存する。転写層4は、適宜の手法により、離型層3から剥離される。例えば、作業者、作業ロボット等が、ベース部材2及び離型層3を転写層4から引き剥がすことで、転写層4が離型層3から剥離される。このとき、上記のように離型層3から樹脂層41が剥離しやすいため、離型層3から転写層4が容易に剥離される。
このようにして、図4に示されるように、対象物5上に転写層4が転写される。この対象物5上の転写層4の最外層には、樹脂層41が配置されている。
離型層3が、ベース部材2における平滑な表面上に形成される場合、離型層3の表面も平滑になり、この離型層3の平滑な表面上に、樹脂層41が形成される。このため、離型層3と接する樹脂層41も平滑化されるため、対象物5上に転写された後の転写層4の最表面も、最終的に平滑化されることになる。転写層4の最表面が平滑化されることは、光学特性の観点、意匠性の観点などから、転写層4の表面に光沢が求められる場合に有効である。
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。尚、本発明は下記実施例に制限されることはない。
発明者らは、次に示す通り、転写用部材を作製し、その評価をおこなった。
[実施例1]
ベース部材として、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを用意した。このベース部材にプラズマ処理による前処理を実施してから、このベース部材上に、アルミニウムを真空蒸着することで、厚み150nmの離型層を形成した。尚、この離型層の表面は酸化されるため、離型層の表層は酸化アルミニウムで構成される。この離型層の厚みは、離型層の断面を電子顕微鏡で観察することで確認した。
ベース部材として、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを用意した。このベース部材にプラズマ処理による前処理を実施してから、このベース部材上に、アルミニウムを真空蒸着することで、厚み150nmの離型層を形成した。尚、この離型層の表面は酸化されるため、離型層の表層は酸化アルミニウムで構成される。この離型層の厚みは、離型層の断面を電子顕微鏡で観察することで確認した。
紫外線硬化性アクリル樹脂組成物を、次のようにして調製した。まず、アクリル樹脂(新中村化学製 U−6LPA)120.0質量部に、イソプロピルアルコール252.0質量部及びジアセトンアルコール28.0質量部を加えて混合することで、アクリル樹脂を溶解させ、混合液を調製した。この混合液に光重合開始剤(チバガイギー製 イルガキュア184)6.0質量部を加え、よく混合した後、25℃の恒温雰囲気下で1時間撹拌混合した。これにより、紫外線硬化性アクリル樹脂組成物を用意した。
この紫外線硬化型アクリル樹脂組成物を、離型層上にバーコーターで塗布してから、100℃で2分間、熱乾燥した後、この紫外線硬化型アクリル樹脂組成物に紫外線を紫外線積算量500mJ/cm2の条件で照射することで硬化させた。これにより、厚みが2000nmの樹脂層からなる転写層を形成した。尚、樹脂層の厚みは、デジタルマイクロメータで測定した。
これにより、ベース部材、離型層、及び転写層を備える転写用部材を得た。
[実施例2〜5]
実施例1において、離型層の厚みを、後掲の表に示すように変更した。それ以外は実施例1の場合と同じ方法で、ベース部材、離型層、及び転写層を備える転写用部材を得た。
実施例1において、離型層の厚みを、後掲の表に示すように変更した。それ以外は実施例1の場合と同じ方法で、ベース部材、離型層、及び転写層を備える転写用部材を得た。
[比較例1]
ベース部材として、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを用意した。このベース部材上に、熱硬化型アクリルメラミン樹脂組成物を塗布してから、これを加熱硬化させた。これにより、厚み150nmの層を形成した。便宜上、この層を離型層という。
ベース部材として、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを用意した。このベース部材上に、熱硬化型アクリルメラミン樹脂組成物を塗布してから、これを加熱硬化させた。これにより、厚み150nmの層を形成した。便宜上、この層を離型層という。
この離型層上に、実施例1の場合と同じ方法で、厚み2000nmの樹脂層からなる転写層を形成した。
これにより、ベース部材、離型層、及び転写層を備える転写用部材を得た。
[比較例2]
ベース部材として、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを用意した。このベース部材上に、熱硬化型シリコーン樹脂組成物を塗布してから、これを加熱硬化させた。これにより、厚み150nmの層を形成した。便宜上、この層を離型層という。
ベース部材として、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを用意した。このベース部材上に、熱硬化型シリコーン樹脂組成物を塗布してから、これを加熱硬化させた。これにより、厚み150nmの層を形成した。便宜上、この層を離型層という。
この離型層上に、実施例1の場合と同じ方法で、厚み2000nmの樹脂層からなる転写層を形成した。
これにより、ベース部材、離型層、及び転写層を備える転写用部材を得た。
[評価]
(1)剥離性評価(目視)
各実施例及び比較例で得られた転写用部材の転写層を、ニチバン株式会社製のセロテープ(登録商標)の粘着面に重ねた。この状態で、ベース部材及び離型層を180°方向に引っ張ることで、離型層から転写層を剥離し、セロテープ(登録商標)上に転写層を転写した。その結果を目視で観察し、下記のように評価した。
3:離型層及び転写層のいずれも破損することなく、離型層から転写層が良好に剥離された。
2:離型層及び転写層のいずれかが一部破損したものの、離型層から転写層が概ね良好に剥離された。
1:離型層から転写層を剥離することが困難であった。
(1)剥離性評価(目視)
各実施例及び比較例で得られた転写用部材の転写層を、ニチバン株式会社製のセロテープ(登録商標)の粘着面に重ねた。この状態で、ベース部材及び離型層を180°方向に引っ張ることで、離型層から転写層を剥離し、セロテープ(登録商標)上に転写層を転写した。その結果を目視で観察し、下記のように評価した。
3:離型層及び転写層のいずれも破損することなく、離型層から転写層が良好に剥離された。
2:離型層及び転写層のいずれかが一部破損したものの、離型層から転写層が概ね良好に剥離された。
1:離型層から転写層を剥離することが困難であった。
(2)剥離性評価(分光反射率スペクトルによる評価)
各実施例及び比較例において転写用部材を作製する際、離型層上に転写層を形成する前に、離型層の分光反射スペクトルを測定した。続いて、離型層の上に転写層を形成することで、転写用部材を得た。この転写用部材における転写層の分光反射スペクトルを測定した。尚、分光反射スペクトルの測定は、大塚電子製の反射分光膜厚計(型番FE−3000)を使用しておこなった。
各実施例及び比較例において転写用部材を作製する際、離型層上に転写層を形成する前に、離型層の分光反射スペクトルを測定した。続いて、離型層の上に転写層を形成することで、転写用部材を得た。この転写用部材における転写層の分光反射スペクトルを測定した。尚、分光反射スペクトルの測定は、大塚電子製の反射分光膜厚計(型番FE−3000)を使用しておこなった。
続いて、転写用部材の転写層を、ニチバン株式会社製のセロテープ(登録商標)の粘着面に重ねた。この状態で、ベース部材及び離型層を180°方向に引っ張ることで、離型層から転写層を剥離し、セロテープ(登録商標)上に転写層を転写した。
続いて、ベース部材上に残存する離型層の分光反射スペクトルを測定した。その結果に基づいて、剥離性を、次のように評価した。
3:離型層に基づくスペクトルが確認され、転写層に基づくスペクトルは確認されない。
2:離型層に基づくスペクトルが確認され、転写層に基づくスペクトルも一部確認された。
1:転写層に基づくスペクトルが、かなりの程度確認された。
3:離型層に基づくスペクトルが確認され、転写層に基づくスペクトルは確認されない。
2:離型層に基づくスペクトルが確認され、転写層に基づくスペクトルも一部確認された。
1:転写層に基づくスペクトルが、かなりの程度確認された。
1 転写用部材
2 ベース部材
3 離型層
4 転写層
41 樹脂層
5 対象物
6 接着層
2 ベース部材
3 離型層
4 転写層
41 樹脂層
5 対象物
6 接着層
Claims (4)
- ベース部材と、このベース部材上に重なっている離型層と、この離型層上に重なっている転写層とを備え、前記転写層を前記離型層から剥離して対象物上へ転写するために用いられる転写用部材であって、
前記転写層が、前記離型層上に重なっている樹脂層を備え、前記離型層が、金属及び金属化合物のうち少なくとも一方の材料で構成されていることを特徴とする転写用部材。 - 前記離型層の厚みが10〜1000nmの範囲内である請求項1に記載の転写用部材。
- 前記樹脂層が、重合反応型樹脂を含有する請求項1又は2に記載の転写用部材。
- 前記樹脂層が、重合反応型樹脂の硬化物を含有する請求項1又は2に記載の転写用部材。
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- 2013-04-10 JP JP2013082416A patent/JP2014205247A/ja active Pending
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