JP2018062102A - 離型フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型層を有する離型フィルムであった、前記離型層が金属薄膜層である離型フィルム。更に好ましくは、前記離型層表面の表面自由エネルギーが40mJ/m2以上であり、離型層表面の表面粗さ(Sa)が50nm以下であり、160℃で30分熱処理した後の離型フィルムの熱収縮率が1.0%以下である。
【選択図】なし
Description
1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型層を有する離型フィルムであった、前記離型層が金属薄膜層であることを特徴とする離型フィルム。
2. 離型層表面の表面自由エネルギーが40mJ/m2以上であることを特徴とする上記第1に記載の離型フィルム。
3. 160℃で30分熱処理した後の熱収縮率が1.0%以下であることを特徴とする上記第1または第2に記載の離型フィルム。
4. 金属薄膜層の厚みが100nm以下であることを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載の離型フィルム。
5. 離型層表面の表面粗さ(Sa)が50nm以下であることを特徴とする上記第1〜第4のいずれかに記載の離型フィルム。
6. ヘイズが20%以下かつ全光線透過率が1%以上あることを特徴とする上記第1〜第5のいずれかに記載の離型フィルム。
7. 金属薄膜層が、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Ru、Pd、Ag、In、Sn、Ta、W、Re、Ir、Pt、Au、Tl及びPbから選ばれる金属を1種以上含んでいることを特徴とする上記第1〜第6のいずれかに記載の離型フィルム。
本発明で基材として用いるポリエステルフィルムは、主としてポリエステル樹脂より構成されるフィルムである。ここで、「主としてポリエステル樹脂より構成されるフィルム」とは、ポリエステル樹脂を50質量%以上含有する樹脂組成物から形成されるフィルムであり、他のポリマーとブレンドする場合は、ポリエステル樹脂が50質量%以上含有していることを意味し、他のモノマーが共重合されている場合は、ポリエステルの繰り返し構造単位を50モル%以上含有することを意味する。好ましくは、ポリエステルフィルムは、フィルムを構成する樹脂組成物中において、ポリエステル樹脂を90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%含有する。
本発明における金属薄膜層は特に限定ずに金属化合物であればどのようなものでも使用することができる。金属とは、周期表における遷移金属や典型金属に属する単体もしくはそれらの酸化物や窒化物、合金などのことをいう。例えば、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Ru、Pd、Ag、In、Sn、Ta、W、Re、Ir、Pt、Au、Tl、Pbなどの元素記号で表される遷移金属や典型金属などを使用することができ、各単体で用いても、それらの酸化物などを使用してもよいが、単体で用いる方が金属独自の性質を反映しやすく好ましい。金属薄膜層には本特性が失われない範囲で他成分が含まれてもよい。
切り出した離型フィルムを樹脂包埋し、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片化した。その後、日本電子製JEM2100透過電子顕微鏡を用いて、直接倍率20,000倍で観察を行い、観察したTEM画像から金属薄膜層の膜厚を測定した。
非接触表面形状計測システム(VertScan R550H−M100)を用いて、下記の条件で測定した値である。領域表面平均粗さ(Sa)は、5回測定の平均値を採用し、最大突起高さ(P)は5回測定の最大値を採用した。
(測定条件)
・測定モード:WAVEモード
・対物レンズ:10倍
・0.5×Tubeレンズ
なお、表1の(Sa)及び(P)は基材ポリエステルフィルムの離型層を積層する面のデータを示している。
離型フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、熱風オーブンにて160℃30分熱処理を行った。熱処理後、試料フィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下記(1)式に従い熱収縮率を求めた。測定はn=5回行い、試料フィルムの縦方向及び横方向の熱収縮率データの各々の平均値のうち、大きい方の熱収縮率データを採用し、その離型フィルムの熱収縮率データとする。なお、熱処理前後の寸法を測定するときは、サンプルフィルムを25℃の部屋で12時間以上エージング後に測定を行った。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/ 収縮前の長さ}×100 (%) (1)式
25℃、50%RHの条件下で接触角計(協和界面科学株式会社製: 全自動接触角計 DM−701)を用いて離型フィルムの離型面に水(液滴量1.8μL)、ジヨードメタン(液適量0.9μL)、1−ブロモナフタレン(液適量0.9μL)の液滴を作成しその接触角を測定した。接触角は、各液を離型フィルムに滴下後10秒後の接触角を採用した。
前記方法で得られた、水、ジヨードメタン、1−ブロモナフタレンの接触角データを「北崎−畑」理論より計算し離型フィルムの表面自由エネルギーの分散成分γsd、極性成分γsp、水素結合成分γshを求め、各成分を合計したものを表面自由エネルギーγsとした。本計算には、本接触角計ソフトウェア(FAMAS)内の計算ソフトを用いて行った。
本発明のフィルムヘイズはJIS K 7136に、全光線透過率はJIS K 7361に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
転写性については、以下の方法で行った。20%Nafion(登録商標)Dispersion Solution DE2021 CS type(和光純薬工業社製)の固形分とカーボンブラック(CABOT社製、VERCANX72R)を質量比で1/9になるように混合し、総固形分が10%になるようにイソプロパノール/水(質量比8/2)で調整後、遠心攪拌機にて30分間分散を行い擬似触媒層用スラリーを得た。得られた擬似触媒層スラリーをアプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が10μmになるように離型フィルムの上に塗工し、熱風オーブンで90℃2分乾燥を行った。その後、熱風オーブンで所定の温度で10分間熱処理後に室温に戻した後にメンディングテープを用いてメンディングテープが180°の角度で剥離した。転写性を以下の基準で評価した。前記所定温度として、120℃、140℃、160℃、180℃の4水準で行った。
○:離型フィルム上に擬似触媒層は残らなかった。
△:離型フィルム上に擬似触媒層はうっすらと残った。
(白色台紙上で観察すると擬似触媒層が残っていることがなんとか認識できるレベル)
×:離型フィルム上に擬似触媒層ははっきりと残った。
(白色台紙上で観察すると黒く残った擬似触媒層がはっきりと認識できるレベル)
触媒層の割れなどの外観評価は以下のように行った。まず、20%Nafion(登録商標)Dispersion Solution DE2021 CS type(和光純薬工業社製)と、カーボンブラックを重量比で3/7になるように混合し、遠心攪拌機にて分散を行い擬似触媒層用スラリーを得た。得られた擬似触媒層スラリーをアプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmになるように離型フィルムの上に塗工し、熱風オーブンで90℃1分乾燥を行った。作成した擬似触媒層付き離型フィルムを10cm×10cmの大きさに裁断し熱風オーブンで150℃で5分間熱処理し擬似触媒層の状態を以下の基準で評価した。
○:擬似触媒層にほとんどひび割れがなく良好
△:擬似触媒層の一部(全面積の10%未満)にひび割れなどの外観不良が見られた
×:擬似触媒層の大部分(全面積の10%以上)にひび割れなどの外観不良が見られた
下記のアニール条件(1)でアニールした幅500mm、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(品番E5100、東洋紡社製を使用)を真空槽に投入し、1.5×10−4Paまで真空引きを行った。次に、アルゴンを導入し全圧を0.5Paに調整した。表1に記載の金属種のターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を投入し、フィルム温度は25℃で、DCマグネトロンスパッタリング法により、金属薄膜層を成膜した。金属薄膜層の膜厚についてはフィルムが金属ターゲット上を通過するときの速度を変更することで制御を行った。フィルム温度は、フィルムが接触走行しているロールの温度を制御する温調機の温媒の温度を代用した。
・アニール条件(1)
乾燥炉内張力:40N/m(単位は幅1mあたりの張力(N))
乾燥温度:170℃
乾燥時間:9秒
使用する厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをコスモシャイン(商標登録)品番A4300(東洋紡社製)に変更した以外は実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
コスモシャイン(登録商標)品番A4300は、両面に易接着層がコーティングされた平滑性の高いフィルムである。このフィルムを使用して作成した離型フィルムの離型面も平滑性は高くなり、触媒層などを成型してもピンホールなどの欠点が発生しにくくなる。
金属薄膜層を形成する前に、アニール加工しない以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
金属薄膜層を形成する前に、以下のアニール条件(2)でアニール加工した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
・アニール条件(2)
乾燥炉内張力:40N/m(単位は幅1mあたりの張力(N))
乾燥温度:130℃
乾燥時間:9秒
金属薄膜層を形成する前に、以下のアニール条件(3)でアニール加工した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
・アニール条件(3)
乾燥炉内張力:40N/m(単位は幅1mあたりの張力(N))
乾燥温度:130℃
乾燥時間:5秒
金属薄膜層を設けていない厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名E5100、東洋紡社製)の非コロナ処理面を用いた。
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(登録商標)6017S ポリプラスチックス社製)2質量部をトルエン78質量部に溶解させ、さらにテトラヒドロフラン20質量部を加えて塗布液1を調整した。幅500mm、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名E5100、東洋紡社製)のコロナ処理面に、塗布液1を乾燥後の膜厚が100nmになるようにグラビアコーターで塗工し140℃で30秒間乾燥させて離型フィルムを作成した。
厚み50μmのPTFEシート(ニチアス社製 ナフロン(登録商標)PTFEシート TOMBO No.9000)を用いて評価を行った。
Claims (7)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型層を有する離型フィルムであった、前記離型層が金属薄膜層であることを特徴とする離型フィルム。
- 離型層表面の表面自由エネルギーが40mJ/m2以上であることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
- 160℃で30分熱処理した後の熱収縮率が1.0%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の離型フィルム。
- 金属薄膜層の厚みが100nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の離型フィルム。
- 離型層表面の表面粗さ(Sa)が50nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の離型フィルム。
- ヘイズが20%以下かつ全光線透過率が1%以上あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の離型フィルム。
- 金属薄膜層が、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Ru、Pd、Ag、In、Sn、Ta、W、Re、Ir、Pt、Au、Tl及びPbから選ばれる金属を1種以上含んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の離型フィルム。
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