JP7079008B2 - 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法 - Google Patents

積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、種々の基材に対して優れた密着性を示す積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法に関する。
従来、ポリイミドフィルムを用いたフレキシブル銅張積層板(FCCL)として、銅箔を貼り合わせた銅箔貼り合わせ品や、銅スパッタめっき構成品等が知られている。しかしながら、銅箔貼り合わせ品は、銅箔が厚く、配線パターンの細線化の精度が悪い。また、銅スパッタめっき構成品は、特に耐熱環境下では銅箔の密着力が低下しやすく、フレキシブルプリント基板(FPC)への加工工程や、製品出荷後における信頼性が乏しい。そこで、特許文献1には、ポリイミドフィルムの表面粗さや窒素含有比率を調整することにより銅箔の密着力を改善する技術が開示されている。
特開2008-78276号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ポリイミドフィルムの表面粗さや、窒素含有量に制限がある。また、この技術は、種々の基材に適用することができない。そのため、特許文献1に記載の技術は、極めて限定された用途のみに利用され、汎用性が低い。
本発明は、このような従来の発明に鑑みてなされたものであり、種々の基材に対して優れた密着性を示す積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、基材上に設けるニッケル合金層において、酸素原子濃度が所定値以下となるよう制御することにより、種々の基材に対して優れた密着性を示すことを見出し、本発明を完成させた。また、本発明者らは、ニッケル合金層がこのような酸素原子濃度となるためには、基材に対してプラズマ処理を行い、かつ、ニッケル合金の成膜時に、高圧パルスを所定のデューティー比以下となるよう電極に印可することが有効であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、上記課題を解決する本発明の積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法には、以下の構成が主に含まれる。
(1)基材と、前記基材上に設けられたニッケル合金層と、金属層とを備え、前記ニッケル合金層は、厚み方向におけるX線光電子分光法によって測定される酸素原子の平均濃度が、5.0原子%以下であり、厚み方向におけるX線光電子分光法によって測定されるニッケル合金層中の酸素原子のピーク濃度が、10.0原子%以下である、積層フィルム。
このような構成によれば、積層フィルムは、ニッケル合金層の表面粗さ、窒素含有量および基材の種類によらず、優れた初期密着性および耐熱後密着性を示す。そのため、積層フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)等の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性が優れる。
(2)前記金属層側から前記ニッケル合金層側に向かう厚み方向におけるX線光電子分光法によって測定されるニッケル原子と炭素原子とが混在した混在層の厚みは、前記ニッケル合金層の厚みの5~60%である、(1)記載の積層フィルム。
このような構成によれば、得られる積層フィルムは、より優れた密着性を示し得る。
(3)前記ニッケル合金層のX線回折分析により得られる(111)面の回折ピークの半値幅が、0.20°以上0.90°以下である、(1)または(2)記載の積層フィルム。
このような構成によれば、ニッケル合金は、高温高湿度の環境下において腐食や経時劣化が少ない。そのため、このようなニッケル合金が多く存在する積層フィルムは、優れた耐熱性および密着性を示し得る。
(4)前記ニッケル合金層は、ジヨードメタンに対する接触角が48.0°以上60.0°以下であり、かつ、α-ブロモナフタレンに対する接触角が38.0°以上50.0°以下である、(1)~(3)のいずれかに記載の積層フィルム。
このような構成によれば、ニッケル合金は、湿熱における金属層の酸化による拡散が少ないため、高温高湿度の環境下における腐食や経時劣化を更に抑えることができる。そのため、従って、このようなニッケル合金が多く存在する積層フィルムは、より優れた耐熱性および密着性を示し得る。
(5)前記金属層は、銅を含む、(1)~(4)のいずれかに記載の積層フィルム。
このような構成によれば、積層フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性がより優れる。
(6)前記基材は、樹脂製基材である、(1)~(5)のいずれかに記載の積層フィルム。
このような構成によれば、積層フィルムは、樹脂製基材を用いる種々の用途(たとえば屈曲性や可撓性を有し軽量化の求められる、FPC等の用途)において、好適に使用され得る。
(7)フレキシブル回路配線材料である、(1)~(6)のいずれかに記載の積層フィルム。
このような構成によれば、積層フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性がより優れる。
(8)基材をプラズマ処理する前処理工程と、前記前処理工程後の基材に、ニッケル合金層を形成する成膜工程と、前記ニッケル合金層に、金属層を形成する金属層形成工程と、を含み、前記前処理工程は、最大電力密度が1.5~20(W/cm2)である高圧パルスで生成されるアルゴンと酸素によるプラズマで2段階の処理を行う工程を含み、前記成膜工程は、最大電力密度が0.05~10(kW/cm2)である高圧パルスにおいて、パルス繰り返し時間(Ton+Toff)に対するパルス時間の割合(Ton/Ton+Toff)が、0.2以下になるようにカソードに電力を供給して、アルゴンおよび混合ガス雰囲気中で、スパッタリングを行う工程を含む、積層フィルムの製造方法。
このような構成によれば、基材は、前処理として上記プラズマ処理が行われる。次いで、高圧パルスを所定のデューティー比以下となるよう電極に印可してニッケル合金層が成膜される。これにより、基材との密着性が優れたニッケル合金層が形成される。得られた積層フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)等の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性が優れる。
(9)前記前処理工程における前記高圧パルスの最大電流値は、6.0(A)以下である、(8)記載の積層フィルムの製造方法。
このような構成によれば、より優れた密着性を示す積層フィルムが得られやすい。
(10)前記成膜工程における最大電流値は、90(A)以上である、(8)または(9)記載の積層フィルムの製造方法。
このような構成によれば、より優れた密着性を示す積層フィルムが得られやすい。
本発明によれば、種々の基材に対して優れた密着性を示す積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態の積層フィルムの、XPSによる酸素原子の平均濃度と厚み方向のピーク濃度を測定した測定結果を示すグラフである。 図2は、本発明の一実施形態の積層フィルムの、(111)面のX線回折ピーク強度を測定した測定結果を示すグラフである。 図3は、プラズマ処理を説明するための模式図である。 図4は、前処理工程において電極に印可されるパルスを説明するための模式図である。 図5は、パルス電源の構成を説明するための模式図である。 図6は、比較例1の積層フィルムの、XPSによる酸素原子の平均濃度と厚み方向のピーク濃度を測定した測定結果を示すグラフである。 図7は、比較例1の積層フィルムの、(111)面のX線回折ピーク強度を測定した測定結果を示すグラフである。
<積層フィルム>
本発明の一実施形態の積層フィルムは、基材と、基材上に設けられたニッケル合金層と、金属層とを備える。ニッケル合金層は、厚み方向におけるX線光電子分光法によって測定される酸素原子の平均濃度が、5.0原子%以下である。本実施形態の積層フィルムは、ニッケル合金層の表面粗さ、窒素含有量および基材の種類によらず、優れた初期密着性および耐熱後密着性を示す。そのため、積層フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)等の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性が優れる。以下、それぞれの構成について説明する。
(基材)
基材は特に限定されない。基材は、後述するニッケル合金層を形成し得る基材であればよい。一例を挙げると、基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、無延伸ポリプロピレン(CPP)、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリオレフィン(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレンフィルム、ポリエーテルスルホン(PES)、生分解性樹脂(乳酸系BDP)、ポリアクリルニトリル、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、エチレン・ビニルアルコール(EVOH)、フッ素系樹脂(FL)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレート(PAR)、ポリアリルサルホン(PASF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂製基材、または、これらの樹脂の背面に、ガラス、ガラスクロス、金属箔等を貼合せて裏打ちをした複合化基材である。
これらの中でも、基材は、樹脂製基材であることが好ましく、中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)であることがより好ましく、ポリイミド(PI)であることがさらに好ましい。また、基材が樹脂製であることにより、積層フィルムは、樹脂製基材を用いる種々の用途(たとえば、屈曲性や可撓性を有し軽量化の求められる、FPC等の用途等)において、より好適に使用され得る。これらの有機重合体に公知の添加剤、たとえば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などが添加されても良い。また基材は、片側または両側において、シランカップリング剤、アクリル、ポリエステル、エポキシ等の樹脂層が予め塗工されたものであっても良い。
基材の厚みは特に限定されない。一例を挙げると、基材の厚みは、5μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましい。また、基材の厚みは、200μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。基材の厚みが上記範囲内であることにより、基材は、後述する前処理工程、成膜工程、金属層形成工程において破損しにくい。また、得られる積層フィルムは、適度な可撓性を示し、取り扱い易い。
本実施形態の基材は、ニッケル合金層が設けられる表面が、プラズマ処理により加工されていることが好ましく、最大電力密度が0.5~20(W/cm2)である高圧パルスで生成されるアルゴンと酸素によるプラズマで2段階の処理が行われていることがより好ましい。このようなプラズマ処理が行われることにより、基材表面は、アルゴンによって基材表面が洗浄およびエッチングされ、酸素プラズマによって官能基が形成される。このような基材にニッケル合金層が形成されることにより、得られる積層フィルムは、基材とニッケル合金層との密着性が向上する。
(ニッケル合金層)
ニッケル合金層は、基材上に設けられる層であり、後述する金属層に含まれる金属(たとえば銅)の基板への拡散を防いだり、またその要因となる酸素や水蒸気等のガスに対するガスバリア性を付与するために形成される。また、ニッケル合金層は、基材と金属層との間に介在され、基材と金属層との密着性を向上させるために設けられる。
ここで、ニッケル合金層に含まれるニッケル以外の金属成分(合金成分)は特に限定されない。一例を挙げると、合金成分は、Cr、Ti、Mo、Cu、Fe等である。これらの中でも、合金成分は、基材に対して優れた密着性を示す点から、Crであることが好ましい。
ニッケル合金層における合金成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、合金成分の含有量は、ニッケル合金中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、合金成分の含有量は、ニッケル合金中、50質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましい。合金成分の含有量が上記範囲内であることにより、得られる積層フィルムは、基材と金属層との密着性、ガスバリア性がより優れる。
ニッケル合金層の厚みは特に限定されない。一例を挙げると、ニッケル合金層の厚みは、3nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。また、ニッケル合金層の厚みは、30nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。ニッケル合金層の厚みが上記範囲内であることにより、ニッケル合金層は、成膜に要する時間が適度であり、生産性がよい。また、得られる積層フィルムは、基材と金属層との密着性、ガスバリア性がより優れる。
本実施形態のニッケル合金層は、厚み方向におけるX線光電子分光法(XPS)によって測定される酸素原子の平均濃度が、5.0原子%以下である。酸素原子の平均濃度は、5.0原子%以下であればよく、4.0原子%以下であることが好ましい。ニッケル合金層における酸素原子の平均濃度が上記範囲内であることにより、得られる積層フィルムは、基材と金属層との密着性、ガスバリア性がより優れる。また、このような酸素原子の含有が少ないニッケル合金層は、基材に対して、高圧パルスによる2段階のプラズマ前処理を実施した後に、最適化された高圧パルスによるスパッタリングでニッケル合金層の成膜することによって形成され得る。得られたニッケル合金層は、部分的な酸化による欠陥や阻害が少なく、基材および金属層との結合性が優れる。そのため、得られる積層フィルムは、コンタクトメタルの機能が発現され、優れた密着性およびガスバリア性を示す。
ここで、本実施形態において、上記酸素原子の平均濃度は、X線光電子分光法によって測定することができる。具体的には、酸素原子の平均濃度は、次の方法により測定する。試料に対してスパッタリングを30秒間行いエッチング処理を施す。エッチング処理の詳細は後述する。その後、X線光電子分光法によって原子濃度を測定する(測定条件の詳細は以下のとおりである。)。この工程を繰り返すことで、厚み方向における酸素原子の平均濃度(原子%)と、厚み方向における酸素原子のピーク濃度を測定することができる。なお、本実施形態においては、ニッケル原子の存在する領域をニッケル合金層と定義する。またニッケル合金層内にあって、ニッケル合金層の表面側から基材方向にかけて炭素存在比率が5原子%以上を含む領域をニッケル原子と炭素原子が混在した混在層と定義する。ニッケル合金層内において、酸素存在比率のボトム部位から、酸素原子の平均濃度を算出するのは、ニッケル合金層以外の酸化領域に含まれる酸素を計算上除くためである。
(X線光電子分光法(XPS)深さ方向分析の測定条件)
・装置:X線光電子分光分析装置(XPS)
・メーカー/型番:アルバック・ファイ(株)/PHI5000VersaProbeII
・X線ビーム径(測定範囲):φ100μm
エッチング条件(ニッケル合金層側から基材深さ方向へスパッタリング条件)
・Arイオン銃加速電圧:4kV
・エッチング範囲:3mm×3mm平方内部
・エッチング時間:30秒/1回
図1は、本実施形態の積層フィルム(ポリイミド製基材にニッケル合金層(Ni-Cr合金層)を形成)の、XPSによる酸素原子の平均濃度を測定した測定結果を示すグラフである(後述する実施例1)。図1において、横軸はスパッタ時間(分)を示し、縦軸は原子%を示している。スパッタ時間は、0分から30分である。図1に示される酸素原子の平均濃度は3.6原子%と算出される。
このように、本実施形態の積層フィルムは、ニッケル合金層における酸素原子の平均濃度が低く、5.0原子%以下である。本実施形態の積層フィルムは、ニッケル合金層における酸素原子の平均濃度が5.0原子%以下であることにより、結果として、従来の積層フィルムと比較して、ニッケル合金層の表面粗さ、窒素含有量および基材の種類によらず、優れた初期密着性および耐熱後密着性を示す。
本実施形態のニッケル合金層は、ニッケル合金層の厚み方向におけるX線光電子分光法によって測定されるニッケル合金層中の酸素原子のピーク濃度が、10.0原子%以下であることが好ましく、8.0原子%以下であることがより好ましい。また、酸素原子のピーク濃度は、0.5原子%以上であることが好ましく、1.0原子%以上であることがより好ましい。本実施形態の積層フィルムは、ニッケル合金層における酸素原子のピーク濃度が上記範囲内であることにより、より優れた密着性を示す。また、このような酸素原子の平均濃度とピーク濃度を示すニッケル合金層は、予め基材に高圧パルスによるアルゴンと酸素による2段階のプラズマ前処理を行った後に、高圧パルスによりニッケル合金層を最適なスパッタリング条件で成膜する事によって形成され得る。高圧パルスによるスパッタリングは、スパッタ金属粒子のイオン化を促進させる。そのため、プラズマの前処理で残留ガスと吸着水とが充分に取り除かれた基材には、更にイオン衝撃による洗浄効果も加わる。その結果、DCによるプラズマ前処理とスパッタリングにより成膜する方法と比較して、形成されるニッケル合金層中の酸素含有量は、極めて少なくなるよう調整され得る。このようなニッケル合金層は、酸素含有量が極めて少なく、酸化度が低い。そのため、ニッケル合金層は、基材上に形成された官能基との間で化学結合するとともに、金属層との界面における拡散も阻害されない。その結果、基材および金属層は、強固に結合し得る。
本実施形態のニッケル合金層は、ニッケル合金層のX線回折分析により得られるニッケル(111)面の回折線ピークの半値幅が、0.20°以上であることが好ましく、0.25°以上であることがより好ましい。また、本実施形態のニッケル合金層は、ニッケル合金層のX線回折分析により得られるニッケル(111)面の回折線ピークの半値幅が、0.90°以下であることが好ましく、0.85°以下であることがより好ましい。
ここで、本実施形態において、上記(111)面の回折ピークの半値幅は、X線回折分析によって測定することができる。具体的には、基材にニッケル合金を成膜した試料に対して、成膜面側にCuKα線の特定X線を照射する事で、回折角度2θ=44.5°付近に現れるニッケル結晶格子(111)面の回折スペクトル強度を測定する事により、最大ピークの半分の強度位置にて回折角度の幅となる半値幅を求めることができる。
(X線回折分析の測定条件)
・装置:X線回折分析装置
・メーカー/型番:理学電機(株)/RINT-UltimaIII
・X線源:Cu
・管電圧:40kV
・管電流:40mA
・発散スリット幅:2/3°
・散乱スリット幅:2/3°
・受光スリット幅:0.3mm
・スキャン速度:2.000°/min
・サンプリング範囲:0.020°
・走査範囲:40.00°~100.00°
図2は、本実施形態の積層フィルム(ポリイミド製基材にニッケル合金層(Ni-Cr合金層)を形成)の、ニッケル(111)面のX線回折ピーク強度を測定した測定結果を示すグラフである(後述する実施例1)。図2において、横軸は回折角度2θ(°)を示し、縦軸は回折強度(cps)を示している。図2に示される、バックグラウンドに対する(111)面の回折線の最大ピークの半分の強度位置にて回折角度の幅となる半値幅 0.29°が求められる。
このように、本実施形態の積層フィルムは、ニッケル合金層のX線回折分析により得られる(111)面の回折ピークの半値幅が0.20°以上0.90°以下であることが好ましい。本実施形態の積層フィルムは、ニッケル合金層のX線回折分析により得られる(111)面の回折線ピークの半値幅が、0.20°以上0.90°以下であることにより、優れた耐熱性および密着性を示す。半値幅0.20°未満では極端な配向を持つ結晶となるため劈開が生じやすく、また半値幅0.90°を超えると結晶化不足となるため、耐熱性および密着性が得られにくい。半値幅0.20°以上0.90°以下の範囲における、このような極端な配向を伴わない程度に結晶化の進んだニッケル合金層は、高圧パルスのプラズマによる基材への前処理と、高圧パルスによるスパッタリングの組合せにより形成され得る。高圧パルスにより発生させたアルゴンと酸素のプラズマで2段階の前処理した基材に、高圧パルスによるスパッタリングで成膜したニッケル合金層は、酸素含有量が低く、酸化物の成分が極めて少ない。その結果、ニッケル合金層は、酸化による欠陥が少なく、金属成分の結晶化が阻害されることなく進みやすい。したがって、得られる積層フィルムは、バリア性と耐久性とが優れ、優れた耐熱性と密着性を発現する。
本実施形態のニッケル合金層は、ジヨードメタンに対する接触角が48.0°以上であることが好ましく、50.0°以上であることがより好ましい。また、ニッケル合金層は、ジヨードメタンに対する接触角が60.0°以下であることが好ましく、58.0°以下であることがより好ましい。また、ニッケル合金層は、α-ブロモナフタレンに対する接触角が38.0°以上であることが好ましく、40.0°以上であることがより好ましい。また、ニッケル合金層は、α-ブロモナフタレンに対する接触角が50.0°以下であることが好ましく、48.0°以下であることがより好ましい。上記接触角の範囲に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、ニッケル合金層に対するこのような接触角は、高圧パルスを用いたスパッタリングによる成膜時において、ニッケル合金材料中の合金含有量が50wt%以下のニッケル合金スパッタリング用ターゲットを用い、作業圧力0.1から1.0PaのAr雰囲気下で、高圧パルスの最大電流は90A以上、最大電圧は1000V以上、パルス時間は2000μs以下の条件を採用する事で、調整し得る。ニッケル合金層の、ジヨードメタンに対する接触角およびα-ブロモナフタレンに対する接触角が上記範囲内であることにより、ニッケル合金は、金属層および基材との初期密着性に影響の出ない範囲で、充填密度の高い状態にあり、湿熱における金属層の酸化による拡散がより少ない。そのため、得られる積層フィルムは、高温高湿度の環境下における腐食や経時劣化がより起こりにくい。その結果、このようなニッケル合金が多く存在する積層フィルムは、より優れた耐熱性および密着性を示し得る。
ここで、本実施形態において、ニッケル合金層のジヨードメタンに対する接触角と、α-ブロモナフタレンに対する接触角は、接触角測定機(DROPMASTER500、協和界面科学(株)製)を用いて測定する事ができる。
(接触角の測定)
・装置:接触角測定機
・メーカー/型番:協和界面科学(株)/DROPMASTER500
・液径:1.5mm
・滴下液:ジヨードメタン、α-ブロモナフタレン、純水 (全て和光純薬工業(株)製)
・測定環境:温度23℃、湿度65%RH
・測定方法:ニッケル銅合金層の表面に滴下液を5点滴下、10秒後の接触角を測定し、最大値と最小値を除いた3点の接触角の平均値を算出した。
ここで、本発明者らは、ニッケル合金層の表面について、純水を用い滴下して接触角を測定したが、密着力との間に相関性を見出す事が出来なかった。更に、本発明者らは、ジヨードメタンと、α-ブロモナフタレンとを用いて接触角を測定し、ヤングの式により、表面自由エネルギーの算出を行ったが、密着力との間に相関性を見出す事ができなかった。しかしながら、本発明者らは、ニッケル合金層に対するジヨードメタンと、α-ブロモナフタレンとの接触角の各々について注視したところ、密着力との間に相関を見出した。そして、上記のとおり、ニッケル合金層に対するジヨードメタンと、α-ブロモナフタレンとの接触角が上記範囲内であることにより、得られる積層フィルムは、より優れた耐熱性および密着性を示すことがわかった。
ニッケル合金層の成膜方法は、高圧パルスを用いた方法であれば、特に限定されない。一例を挙げると、ニッケル合金層は、各種スパッタリング法や蒸着法によって形成される。中でも、ニッケル合金層は、積層フィルムの製造方法に関連して後述する成膜工程において採用されている方法によって形成されることが好ましい。成膜工程は、最大電力密度が0.05~10(kW/cm2)である高圧パルスにおいて、パルス繰り返し時間(Ton+Toff)に対するパルス時間の割合(Ton/Ton+Toff)が、0.2以下になるようにカソードに電力を供給して、アルゴンおよび混合ガス雰囲気中で、スパッタリングを行う工程である。このような成膜工程によれば、基材は、前処理として上記プラズマ処理が行われた基材に、高圧パルスを所定のデューティー比以下となるよう電極に印可することにより、ニッケル合金層が成膜される。これにより、基材との密着性が優れたニッケル合金層が形成される。得られた積層フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)等の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性が優れる。
(金属層)
金属層は、ニッケル合金層上に形成される。金属層を構成する金属は特に限定されない。一例を挙げると、金属は、各種軽金属、銅、銀、金、白金、ニッケル、珪素、スズ、亜鉛、インジウムからなる群から選択される少なくとも1つの金属である。また、これらの組合せた合金であってもよい。軽金属は、アルミニウム、マグネシウム、チタン等である。これらの中でも、金属は、アルミニウム、チタン、銅、銀であることが好ましく、銅であることがより好ましい。金属層が銅からなることにより、得られる積層フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)等の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性が優れる。
本実施形態の積層フィルムは、金属層側からニッケル合金層側に向かう厚み方向におけるX線光電子分光法によって測定されるニッケル原子と炭素原子とが混在した混在層の厚みが、ニッケル合金層の厚みの20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。また、ニッケル原子と炭素原子とが混在した混在層の厚みは、ニッケル合金層の厚みの60%以下であることが好ましく、58%以下であることがより好ましい。ニッケル原子と炭素原子とが混在した混在層の厚みが上記範囲内であることにより、得られる積層フィルムは、より優れた密着性を示し得る。
再び図1を参照し、図1に示されるXPS測定結果において、ニッケル原子と炭素原子とが混在した混在層の厚みは、ニッケル合金層の厚みの57.1%と算出される。
金属層の厚みは特に限定されない。一例を挙げると、金属層の厚みは、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。また、金属層の厚みは、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましい。金属層の厚みが上記範囲内であることにより、得られる積層フィルムは、優れた膜強度とバリア性を示し、かつ、適度な可撓性を示し、取り扱い易い。
以上、本実施形態の積層フィルムは、ニッケル合金層の表面粗さ、窒素含有量および基材の種類によらず、優れた初期密着性および耐熱後密着性を示す。そのため、積層フィルムは、フレキシブル回路配線材料として好適であり、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)等の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性が優れる。具体的には、積層フィルムは、フレキシブル銅張積層板(FCCL)等の技術分野において、加工工程におけるめっき加工性やエッチング性が損なわれにくい。そのため、積層フィルムは、はんだリフロー工程等の熱負荷のかかる工程においても使用され得る。
具体的には、本実施形態の積層フィルムは、耐熱試験(150℃で1週間保持という条件)の前後に、ピール強度試験機(オートグラフ引っ張り試験機、AGS-100G、(株)島津製作所製)を使用して、1cm幅にカットされた積層フィルムの基材と金属層との剥離力(ピール強度)を測定する場合において、耐熱試験前の密着力(初期密着力)に対する耐熱試験後の密着力(耐熱後密着力)の変化率が、60%以内であることが好ましく、50%以内であることがより好ましい。
<積層フィルムの製造方法>
本発明の一実施形態の積層フィルムの製造方法は、基材をプラズマ処理する前処理工程と、前処理工程後の基材に、ニッケル合金層を形成する成膜工程と、ニッケル合金層に、金属層を形成する金属層形成工程とを含む。前処理工程は、最大電力密度が0.5~20(W/cm2)である高圧パルスで生成されるアルゴンと酸素によるプラズマで2段階の処理を行う工程を含む。成膜工程は、最大電力密度が0.05~10(kW/cm2)である高圧パルスにおいて、パルス繰り返し時間(Ton+Toff)に対するパルス時間の割合(Ton/Ton+Toff)が、0.2以下になるようにカソードに電力を供給して、アルゴンおよび混合ガス雰囲気中で、スパッタリングを行う工程を含む。本実施形態の積層フィルムの製造方法は、基材に対して所定の高圧パルスを用いたプラズマ処理による前処理を行い、次いで、所定のデューティー比以下となるように高圧パルスを電極に印可してニッケル合金層を成膜する。これにより、基材との密着性が優れたニッケル合金層が形成される。得られた積層フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)等の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性が優れる。以下、それぞれの構成について説明する。なお、以下の説明において、基材、ニッケル合金層および金属層の詳細は、積層フィルムの実施形態に関連して上記したものと同様である。そのため、重複する説明は、適宜省略される。また、図3は、プラズマ処理を説明するための模式図である。図3に示されるように、プラズマ処理は、プラズマを用いて基材への表面処理をする処理である。
(前処理工程)
前処理工程は、基材に対して、最大電力密度が0.5~20(W/cm2)である高圧パルスで生成されるアルゴンと酸素によるプラズマで2段階の処理を行う工程を含む。
図4は、前処理工程において電極に印可されるパルスを説明するための模式図である。図4に示されるパルスは、所定のパルス時間(Ton)のみ負の高電圧を発生させた方形波である。また、本実施形態では、このような方形波を、所定のパルス繰り返し時間(Ton+Toff)ごとに発生させており、パルス繰り返し時間(Ton+Toff)に対するパルス時間(Ton)の割合(Ton/Ton+Toff)が所定の値以下となるよう調整されている。前処理工程における割合(Ton/Ton+Toff)は、0.2以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
具体的には、前処理工程は、まず、真空チャンバ内において、基材の表面に対し、雰囲気ガス導入下において、気圧0.1~10Paの環境下にて、高電力密度のパルスによるプラズマ処理を施す。プラズマ処理は、2段階で行われる。
1段階目のプラズマ処理における雰囲気ガスはアルゴンであり、2段階目のプラズマ処理における雰囲気ガスは酸素である。アルゴンおよび酸素は、それぞれのプラズマ処理において、真空チャンバ内の放電空間に導入され、電極間の放電により活性化される。
ここで、本実施形態では、上記パルスを発生するためのパルス電源を用いることが好ましい。図5は、パルス電源1の構成を説明するための模式図である。パルス電源1は、電極間にパルス波形の負の電圧を印可するための電源であり、直流電源2、コンデンサ3およびスイッチ4を含むパルスユニット5を備える。パルス電源1は、コンデンサ3に充電した電力を、瞬間的に負の高電力として出力し得る。本実施形態のパルスは、このようなパルス電源1によって、所定の休止区間を持つパルス状の波形(いわゆる方形波)となるよう生成される。パルスは、最大電力密度が1.5(W/cm2)以上であればよく、1.8(W/cm2)以上であることが好ましく、2.0(W/cm2)以上であることがより好ましい。また、パルスは、最大電力密度が20(W/cm2)以下であればよく、10(W/cm2)以下であることが好ましく、5.0(W/cm2)以下であることがより好ましい。パルスの最大電力密度が上記範囲内であることにより、電子密度の高いプラズマが生成されやすく、かつ、基材が損傷しにくい。
パルスの平均電力密度は、0.1(W/cm2)以上であることが好ましく、0.2(W/cm2)以上であることがより好ましい。また、パルスの平均電力密度は、1.0(W/cm2)以下であることが好ましく、0.8(W/cm2)以下であることがより好ましい。パルスの平均電力密度が上記範囲内であることにより、このようなパルスを用いて前処理が施されて得られる積層フィルムは、より優れたバリア性および密着性を示す。
また、パルスの平均電力密度に対する最大電力密度の割合は、2.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。また、パルスの平均電力密度に対する最大電力密度の割合は、20.0以下であることが好ましく、15.0以下であることがより好ましい。パルスの平均電力密度に対する最大電力密度の割合が上記範囲内であることにより、得られる積層フィルムは、より優れたバリア性および密着性を示す。
パルスの最大電流値は、0.5(A)以上であることが好ましく、0.8(A)以上であることがより好ましい。また、パルスの最大電流値は、6.0(A)以下であることが好ましく、5.0(A)以下であることがより好ましい。パルスの最大電流値が上記範囲内であることにより、このようなパルスを用いて前処理が施されて得られる積層フィルムは、より優れたバリア性および密着性を示す。
また、パルスは、パルス繰り返し時間(Ton+Toff)に対するパルス時間(Ton)の割合(Ton/Ton+Toff、「デューティー比」ともいう)が0.2以下となるよう個々のパルスの発生期間および連続するパルスの間隔が調整されることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。また、デューティー比は、0.005以上であることが好ましく、0.01以上であることがより好ましい。デューティー比が上記範囲内であることにより、前処理は、効率よく行われやすい。また、基材は、パルスによって高温に加熱されにくく、損傷しにくい。
パルス時間(Ton)は上記デューティー比を満たすよう調整され得る。一例を挙げると、パルス時間(Ton)は、50μ秒以上であることが好ましく、100μ秒以上であることがより好ましい。また、パルス時間(Ton)は、1000μ秒以下であることが好ましく、500μ秒以下であることがより好ましい。パルス時間(Ton)が上記範囲内であることにより、上記デューティー比を満たすパルスが生成されやすい。
パルスの周波数(パルス繰り返し時間(Ton+Toff))は上記デューティー比を満たすよう調整され得る。一例を挙げると、パルスの周波数は、50Hz以上であることが好ましく、100Hz以上であることがより好ましい。また、パルスの周波数は、4000Hz以下であることが好ましく、2000Hz以下であることがより好ましい。パルスの周波数が上記範囲内であることにより、上記デューティー比を満たすパルスが生成されやすい。
なお、パルスの波形は、上記した方形波に限定されない。パルスの波形は、上記した最大電力密度およびデューティー比を満たす限りにおいて、適宜他の波形であってもよい。たとえば、パルスの波形は、鋸歯状波、三角波等であってもよい。
このような前処理工程によれば、基材表面は、アルゴンプラズマによって基材表面が洗浄およびエッチングされ、酸素プラズマによって官能基の形成が促進される。このような基材に、続く成膜工程によってニッケル合金層が形成されることにより、得られる積層フィルムは、基材とニッケル合金層との密着性が向上する。
(成膜工程)
成膜工程は、前処理工程後の基材に、ニッケル合金層を形成する工程であり、最大電力密度が0.1~20(W/cm2)である高圧パルスにおいて、パルス繰り返し時間(Ton+Toff)に対するパルス時間の割合(Ton/Ton+Toff)が、0.2以下になるようにカソードに電力を供給して、アルゴンおよび混合ガス雰囲気中で、スパッタリングを行う工程を含む。
具体的には、成膜工程は、まず、真空チャンバ内において、前処理後の基材の表面に対し、雰囲気ガス導入下において、気圧1×10-3~1.0Paの環境下にて、高電力密度のパルスによるスパッタリングを施す。
成膜工程での雰囲気ガスはアルゴンを用いられてもよく、アルゴンとの他のガスとの混合ガスが用いられてもよい。アルゴンおよび混合ガスは、それぞれのプラズマ処理において、真空チャンバ内の放電空間に導入され、電極間の放電により活性化される。混合ガスは酸化反応を伴わなければ、特に限定されない。一例を挙げると、混合ガスは、アルゴンと、他のガスとの混合ガスであり、他のガスは、水素、チッ素、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等である。
成膜工程においても、上記した図5に例示されるパルス電源が使用されることが好ましい。図5に示されるように、本実施形態のパルスは、パルス電源1によって、所定の休止区間を持つパルス状の波形(いわゆる方形波)となるよう生成される。パルスは、最大電力密度が0.05(kW/cm2)以上であればよく、0.1(kW/cm2)以上であることが好ましく、0.2(kW/cm2)以上であることがより好ましい。また、パルスは、最大電力密度が10(kW/cm2)以下であればよく、5(kW/cm2)以下であることが好ましく、3(kW/cm2)以下であることがより好ましい。パルスの最大電力密度が上記範囲内であることにより、電子密度の高いプラズマが生成されやすく、かつ、基材が損傷しにくい。
パルスの平均電力密度は、7(W/cm2)以上であることが好ましく、9(W/cm2)以上であることがより好ましい。また、パルスの平均電力密度は、14(W/cm2)以下であることが好ましく、12(W/cm2)以下であることがより好ましい。パルスの平均電力密度が上記範囲内であることにより、このようなパルスを用いて前処理が施されて得られる積層フィルムは、より優れたバリア性および密着性を示す。
また、パルスの平均電力密度に対する最大電力密度の割合は、5以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。また、パルスの平均電力密度に対する最大電力密度の割合は、220以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましい。パルスの平均電力密度に対する最大電力密度の割合が上記範囲内であることにより、得られる積層フィルムは、より優れたバリア性および密着性を示す。
パルスの最大電流値は、90(A)以上であることが好ましく、100(A)以上であることがより好ましい。また、パルスの最大電流値は、2000(A)以下であることが好ましく、1500(A)以下であることがより好ましい。パルスの最大電流値が上記範囲内であることにより、このようなパルスを用いて前処理が施されて得られる積層フィルムは、より優れた密着性を示す。
また、パルスは、パルス繰り返し時間(Ton+Toff)に対するパルス時間(Ton)の割合(Ton/Ton+Toff、「デューティー比」ともいう)が0.2以下となるよう個々のパルスの発生期間および連続するパルスの間隔が調整されることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。また、デューティー比は、0.01以上であることが好ましく、0.015以上であることがより好ましい。デューティー比が上記範囲内であることにより、前処理は、効率よく行われやすい。また、基材は、パルスによって高温に加熱されにくく、損傷しにくい。
パルス時間(Ton)は上記デューティー比を満たすよう調整され得る。一例を挙げると、パルス時間(Ton)は、20μ秒以上であることが好ましく、50μ秒以上であることがより好ましい。また、パルス時間(Ton)は、3000μ秒以下であることが好ましく、2000μ秒以下であることがより好ましい。パルス時間(Ton)が上記範囲内であることにより、上記デューティー比を満たすパルスが生成されやすい。
パルスの周波数(パルス繰り返し時間(Ton+Toff))は上記デューティー比を満たすよう調整され得る。一例を挙げると、パルスの周波数は、30Hz以上であることが好ましく、40Hz以上であることがより好ましい。また、パルスの周波数は、2000Hz以下であることが好ましく、1000Hz以下であることがより好ましい。パルスの周波数が上記範囲内であることにより、上記デューティー比を満たすパルスが生成されやすい。
なお、パルスの波形は、上記した方形波に限定されない。パルスの波形は、上記した最大電力密度およびデューティー比を満たす限りにおいて、適宜他の波形であってもよい。たとえば、パルスの波形は、鋸歯状波、三角波等であってもよい。
成膜工程によって形成されたニッケル合金層は、後述する金属層形成工程によって形成される金属層に含まれる金属(たとえば銅)の基板への拡散を防いだり、酸素や水蒸気等のガスに対するガスバリア性を付与し得る。
(金属層形成工程)
金属層形成工程は、ニッケル合金層に金属層を形成する工程である。
金属層形成工程において、上記金属を基材に蒸着する方法は特に限定されない。蒸着方法は、従来公知の真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、または、化学蒸着法等を適宜採用し得る。これらの中でも、本実施形態の積層フィルムの製造方法は、生産性が高いという理由により、DCMS(直流マグネトロンスパッタリング法)により金属層が設けられることが好ましい。蒸着条件は、金属層の材料や、所望する金属層の厚みに基づいて、従来公知の条件が適宜採用され得る。
金属層形成工程が行われることにより、ニッケル合金層上に金属層が形成された積層フィルムが作製される。得られた積層フィルムは、上記のとおり、ニッケル合金層の表面粗さ、窒素含有量および基材の種類によらず、優れた初期密着性および耐熱後密着性を示す。
以上、本実施形態の積層フィルムの製造方法によれば、基材は、前処理として上記プラズマ処理が行われる。次いで、高圧パルスを所定のデューティー比以下となるよう電極に印可してニッケル合金層が成膜される。これにより、基材との密着性が優れたニッケル合金層が形成される。得られた積層フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)におけるフレキシブル銅張積層板(FCCL)等の技術分野において、加工工程や製品出荷後における信頼性が優れる。
なお、上記した積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法の実施形態では、ニッケル合金層の上に、単層である金属層が形成されている場合について例示した。これに代えて、本発明の積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法は、変形例として、複数の層からなる金属層が形成されてもよい。この際、複数の層からなる金属層のうち、それぞれの金属層は、同じ方法により形成されてもよく、それぞれ異なる方法により形成されてもよい。たとえば、1層目の金属層は、DCMSにより形成され、2層目以降の金属層は、上記した所定のパルス電源を用いる方法により形成されてもよく、これらは適宜組み合され得る。これにより、金属層から基材への金属の拡散をより効率よく防いだり、成膜レートを向上させたり、金属層表面の腐食を防いだりすることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
<実施例1>
ポリイミドフィルム1(カプトン、東レ・デュポン(株)製、高耐熱性ポリイミドフィルム)およびポリイミドフィルム2(ユーピレックス、宇部興産(株)製、高耐熱性、膜付着性ポリイミドフィルム)のそれぞれを基材とし、真空チャンバ内にて、基材上に、高圧パルス電源を用いて、表1に記載の前処理条件にて2段階のプラズマ処理(アルゴン、酸素)を行った(前処理工程)。次いで、基材上に、高圧パルス電源を用いて、表1に記載の成膜条件にてアルゴンガス雰囲気下で、ニッケル合金の高圧パルススパッタによる成膜を行った(成膜工程)。次いで、DCマグネトロンスパッタにより、アルゴンガス雰囲気下で、厚さ120nmとなるよう銅の成膜を行った(金属層形成工程)。
Figure 0007079008000001
<実施例2~3、比較例1~2>
前処理工程または成膜工程における条件を表1に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、積層フィルムを作製した。
実施例1~3および比較例1~2において得られた積層フィルムについて、以下の方法に沿って、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(1)ニッケル合金層における、X線回折分析により得られるニッケル(111)面の回折ピークの半値幅
XRD分析装置(RINT-UltimaIII、理学電機(株)製)を用いて、基材のニッケル合金成膜側にCuKα線の特定X線を照射し、2θ=44.5°付近に現れるニッケル結晶格子(111)面の回折スペクトルの最大ピークの強度を、走査範囲40.00°~50.00°のバックグラウンドライン(強度の平均値)から差し引いた最大ピーク強度の半分の位置における回折角度の幅を示す半値幅を導き出した。
(X線回折分析の測定条件)
・装置:X線回折分析装置
・メーカー/型番:理学電機(株)/RINT-UltimaIII
・X線源:Cu
・管電圧:40kV
・管電流:40mA
・発散スリット幅:2/3°
・散乱スリット幅:2/3°
・受光スリット幅:0.3mm
・スキャン速度:2.000°/min
・サンプリング範囲:0.020°
・走査範囲:40.00°~100.00°
(2)ニッケル合金層中の平均酸素濃度、ピーク酸素濃度
ニッケル合金層に含まれる酸素の平均酸素濃度、ピーク酸素濃度を、以下の条件にて測定した。
・X線光電子分光法(XPS)深さ方向分析の測定条件
・装置:X線光電子分光分析装置(XPS)
・メーカー/型番:アルバック・ファイ(株)/PHI5000VersaProbeII
・X線ビーム径(測定範囲):φ100μm
エッチング条件(ニッケル合金層側から基材深さ方向へスパッタリング条件)
・Arイオン銃加速電圧:4kV
・エッチング範囲:3mm×3mm平方内部
・エッチング時間:30秒/1回
(3)ニッケル合金層におけるニッケル原子と炭素原子とが混在した混在層の厚み
上記したX線光電子分光法(XPS)によって、上記ニッケル合金層中の酸素濃度の測定時と同条件にて、深さ方向分析を行った。金属層側からニッケル合金層側に向かう厚み方向において、ニッケル原子と炭素原子とが同時に測定される領域を混在層の厚みとした。この混在層の厚みが、ニッケル合金層の厚みに占める割合を算出し、混在層比率とした。
(4)ニッケル合金層の、ジヨードメタンに対する接触角またはα-ブロモナフタレンに対する接触角を以下の条件にて測定した。
・装置:接触角測定機
・メーカー/型番:協和界面科学(株)/DROPMASTER500
・滴下用注射針:協和界面科学(株)製、15ゲージ
・液径:1.5mm
・滴下液:ジヨードメタン、α-ブロモナフタレン、純水(全て、和光純薬工業(株)製)
・測定環境:温度23℃、湿度65%RH
・測定方法:ニッケル銅合金層の表面に滴下液を5点滴下、10秒後の接触角を測定し、最大値と最小値を除いた3点の接触角の平均値を算出した。
(5)ピール強度
積層フィルムの成膜面側に対し、電解めっきにより銅を20μm厚みにめっきした後、耐熱試験(150℃で1週間保持)の前後に、ピール強度試験機(オートグラフ引っ張り試験機、AGS-100G、(株)島津製作所製)を使用して、5mm幅にカットされた積層フィルムの基材とめっきを含む金属層側との剥離力(ピール強度)を180°剥離にて、速度50mm/minで引っ張り測定した。
表1に示されるように、本発明の実施例1~3の積層フィルムは、いずれも耐熱試験の前後において優れた密着性を示し、かつ、試験前後の密着力の変化率が小さかった。一方、ニッケル合金層における酸素原子の平均濃度が4.0原子%を超え、厚み方向における酸素原子のピーク濃度が、10.0原子%を超える比較例1~2の積層フィルムは、いずれも耐熱試験の前後において密着性が劣り、かつ、試験前後の密着力の変化率が大きかった。
また、図1は、実施例1の積層フィルムの、XPSによる酸素原子の平均濃度を測定した測定結果を示すグラフである。図2は、実施例1の積層フィルムの、(111)面のX線回折ピーク強度を測定した測定結果を示すグラフで、半値幅を求める事ができる。図6は、比較例1の、XPSによる酸素原子の平均濃度を測定した測定結果を示すグラフである。図7は、比較例1の積層フィルムの、(111)面のX線回折ピーク強度を測定した測定結果を示すグラフである。比較例1における半値幅は、実施例1と同様に求めた。
図1および図6の比較から分かるように、比較例1の積層フィルムは、実施例1の積層フィルムと比較して、ニッケル原子と炭素原子とが混在した混在層の厚みが大きく、60%以上である。また、図2および図7の比較から分かるように、実施例1の積層フィルムは、比較例1の積層フィルムと比較して、(111)面のX線回折ピークの半値幅の値が小さく、0.90°以下であり、0.20°以上0.90°以下の範囲にある。これらの結果、本発明の積層フィルムは、より優れた耐熱性や密着性を示す。
1 パルス電源
2 直流電源
3 コンデンサ
4 スイッチ
5 パルスユニット

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材上に設けられたニッケル合金層と、金属層とを備え、
    前記ニッケル合金層は、
    厚み方向におけるX線光電子分光法によって測定される酸素原子の平均濃度が、5.0原子%以下であり、
    厚み方向におけるX線光電子分光法によって測定されるニッケル合金層中の酸素原子のピーク濃度が、10.0原子%以下であり、
    前記金属層側から前記ニッケル合金層側に向かう厚み方向におけるX線光電子分光法によって測定されるニッケル原子と炭素原子とが混在した混在層の厚みは、前記ニッケル合金層の厚みの5~60%である、積層フィルム。
  2. 前記ニッケル合金層のX線回折分析により得られる(111)面の回折ピークの半値幅が、0.20°以上0.90°以下である、請求項記載の積層フィルム。
  3. 前記ニッケル合金層は、ジヨードメタンに対する接触角が48.0°以上60.0°以下であり、かつ、α-ブロモナフタレンに対する接触角が38.0°以上50.0°以下である、請求項1または2記載の積層フィルム。
  4. 前記金属層は、銅を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. 前記基材は、樹脂製基材である、請求項1~のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. フレキシブル回路配線材料である、請求項1~のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 基材をプラズマ処理する前処理工程と、前記前処理工程後の基材に、ニッケル合金層を形成する成膜工程と、前記ニッケル合金層に、金属層を形成する金属層形成工程と、を含み、
    前記前処理工程は、最大電力密度が1.5~20(W/cm2)である高圧パルスで生成されるアルゴンと酸素によるプラズマで2段階の処理を行う工程を含み、
    前記成膜工程は、最大電力密度が0.05~10(kW/cm2)である高圧パルスにおいて、パルス繰り返し時間(Ton+Toff)に対するパルス時間の割合(Ton/Ton+Toff)が、0.2以下になるようにカソードに電力を供給して、アルゴンおよび混合ガス雰囲気中で、スパッタリングを行う工程を含む、積層フィルムの製造方法。
  8. 前記前処理工程における前記高圧パルスの最大電流値は、6.0(A)以下である、請求項記載の積層フィルムの製造方法。
  9. 前記成膜工程における最大電流値は、90(A)以上である、請求項7または8記載の積層フィルムの製造方法。
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