JP2009114482A - 電子ビームによる金属表面の処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ電子銃によるエネルギ密度が低く、断面積の大きい電子ビームパルスによって金属の表面改質と表面被覆を一連の作業として実行する装置を提供する。
【解決手段】陽極を接地した電子ビーム発射電源から高圧直流パルスを、対向極を陰極、被処理体を陽極として印加することにより対向極から被処理体に向けて電子ビームを発射して被処理体の表面改質を行う工程と、対向極を陽極、被処理体を陰極として印加することにより被処理体から対向極に向けて電子ビームを発射して被処理体の表面に対向極のスパッタ粒子を堆積、被覆する工程とを切換える高圧直流パルスの電圧印加極性切換手段を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、金属表面に、電子ビームにより表面改質と薄膜生成を行う装置に関するものであり、詳しくは、プラズマ電子銃によるエネルギ密度が低く、断面積の大きい電子ビームパルスを用いて、表面改質と表面被覆を一連の作業として実行する方法及び装置に関するものである。
この発明の基本となるものは、プラズマ電子銃によって金属の表面改質を行なう技術と、プラズマ電子銃による電子ビーム蒸着法の技術である。両者に共通するプラズマ電子銃は同様な構成ではあるが、プロセスと用途が異なるためシステムとして扱われた事例がない。
この明細書においてプラズマ電子銃による金属の表面改質とは、気密な低圧電離気体プラズマを満たす容器内で、電子ビームを細く収斂せず大きい断面積でエネルギ密度の低い電子ビームパルスにより、金属の表面を急速加熱冷却して清浄化、平滑化、鏡面化、アモルファス化する処理をいう。
また、この明細書において電子ビーム蒸着法とは、広義にはPVD(物理的に金属蒸気を基板に堆積させて薄膜を形成する方法)に属する手段であって、気密な低圧電離気体プラズマを満たす容器内で、細く収斂せず大きい断面積でエネルギ密度の低い電子ビームパルスにより、金属蒸気を作り、高電圧の電子銃の陰極側金属表面に吸引堆積させて薄膜を生成する処理を言う。
プラズマ電子銃によって金属の表面改質を行なう技術は、エネルギ密度の低い電子ビームパルスによって、金属表面を急速に溶解気化させアモルファス化させるので、清浄化、耐錆化するのみならず微小な凹凸を均一にしたり、鏡面化するので多岐にわたる用途がある。
このプラズマ電子銃装置は、電離気体プラズマが封入されて電子ビームの断面内密度を均一に保っているので、PFD(Plasma Filled Diode)電子銃と呼び特徴づけることもある。 この装置はプラズマ生成のグロー放電を安定に発生させるため、環状の放電電極が用いられ、電子銃外部には銃内に磁場を形成し、プラズマを安定に存在させるために電子ビームの飛行方向に平行な磁力線を存在させ、ローレンツ作用により電子ビームの束が拡散・収斂することを防ぐことを目的とするソレノイドが設けられる。このように従来の真空電子銃による細く収斂した高いエネルギ密度の電子ビームではなく、プラズマ化した電離ガスの中を通過する低いエネルギ密度の電子ビームのパルスを発生させる手段である。
プラズマ電子銃が発生する電子ビームは、陽極側金属を表面改質し、また照射される陽極ターゲットの表面から放出されるスパッタ粒子は、金属イオンとして陰極側に衝突堆積して付着力の強い薄膜を生成する。
一般に金属薄膜を生成するには、蒸着法またはスパッタリング法があり多数の手法が実用されている。そのうち電子ビームを用いる方式は、細く収斂させた電子ビームをターゲット金属に照射して、金属蒸気を作り対象基板に堆積させるものである。他方、本発明において利用する方式は、低圧電離気体プラズマ中に電子ビームを発射させ、陽極金属イオンを陰極側に堆積させるものである。この方式の利点は大きい面積でエネルギ密度の低い電子ビームを用いるため、イオン化したスパッタ粒子が高電圧の陰極に吸引されるので、緻密で付着力の強い被膜が堆積されることである。
この発明の表面改質と表面被覆に利用されるプラズマ電子銃の構造・作用は殆ど同じものと考えてよいが、被照射体に印加する電圧の極性を反転させるための手段が必要となる。
プラズマ電子銃は低圧電離気体の容器内で電子ビームを放射するから被照射体は外気に触れない。被照射体表面の酸化被膜・異物等は最初の表面改質の段階で取り除かれ清浄化され、また微小な凹凸は平坦化され鏡面となり、表面層は清浄に保たれる。そのまま外気に曝すことなく次の表面被覆工程が実行されるので、付着力が強い良質な被膜が形成される。
本発明の装置の基礎となった公知の電子ビーム表面改質装置は、低圧電離気体をグロー放電によりプラズマ化し、対向極の間に数10kVの直流パルスを印加することにより、断面積10cm以上、エネルギ密度10J/cm、パルス幅 数マイクロ秒程度の電子ビームパルスが得られるものである。このとき被照射体を陽極にとれば表面は瞬時に溶解・気化してアモルファス鏡面となる。
図6は、従来公知の表面改質装置の一例につき概要を説明するものである。
プラズマ電子銃はハウジング容器4に収められる。カソード1は被照射体3に対向し数10cmの距離(H)にあり、テーブル6に被照射体3が取り付けられる。中間に環状電極2が置かれグロー放電電極としてプラズマを生成させる。外部にソレノイド5が設けられて銃内に電子ビーム軸と平行な磁力線をつくる。
ソレノイド5を励磁するソレノイド電源15、環状電極2にグロー放電を発生させるプラズマ電源12、及びカソード1に高電圧パルスを印加する発射電源11は、
指令制御システム20の系統下おいて順次に作動する。
電子銃内の気体圧力を調節するため、排気ポンプ9と分子ポンプ10が、それぞれ切換弁を介して電子銃容器4と接続される。また、低圧電離気体(Ar)を銃内に吸入させるため、ボンベ8が調節弁8aを介して接続される。
表面改質装置は、まず銃内の低圧電離気体の圧力を0.1Pa程度に調整され、ソレノイド5が駆動される。つぎに環状電極2に数kVの直流パルスが印加されると銃中心部がプラズマ化され、ソレノイド5による磁力線により拡散やピンチ化が抑制され安定に保持される。そのときカソード1と被照射体3の間に数10kVの高電圧パルスを印加すると、電子ビームパルスが発射され途中で電子雪崩を生じながら被照射体3の表面に射突する。
特開2005−076061号公報 特開2005−290510号公報 特開2007―125574号公報 特願2007−125801号(平成19年5月10日特許出願)
以上のようにプラズマ電子銃が構成されて表面改質に利用されているが、その際におけるカソード1の表面には被照射体のスパッタ粒子の堆積が著しいことが観察される。その堆積は厚さに制限がなく、しかも焼結よりも密である。表面改質の副作用というべきもので従来は省みられなかったが、金属薄膜の精製や複合金属の生産にも利用できる現象である。
上記の表面改質装置によって電子ビームパルスをターゲット金属に照射するとき、ターゲット金属表面は瞬間的に高温となりスパッタ現象を起こし、二次電子、金属イオン、金属原子、または分子などが気化して飛散する。このスパッタ粒子は、スパッタリング現象により放出される粒子であり、帯電した金属イオン、金属蒸気を含む称呼である。
一方、PVDの分野ではより良質で付着力の強い被膜の生成が望まれている。蒸着法では被照射体表面の事前処理が重要であるが、蒸着室内で事前処理をすることは困難である。この発明はこの課題を解決するものである。
一般に電子ビーム表面改質を行うと、防錆力が高まり、それだけで使用上の要求が満たされことが多いのであるが、異種金属の被覆が可能になれば、より高度の要求に応えられる。この発明はこの課題を解決するものである。
この発明の請求項1の装置では最終の工程においてプラズマ電子銃のカソードとして金属製の電子ビーム被照射体を用いる。被照射体の表面にターゲット(陽極)金属のスパッタ粒子が堆積して薄膜が生成されるから被覆被膜として望ましい性質の金属、例えばチタン材をターゲット金属として使用すると被処理体表面にチタン皮膜ができる。 この場合の利点は通常の真空室内でルツボの中の金属蒸気法に比べて強い付着力を持った被膜が得られることである。
この発明の請求項2の装置では、被覆された被膜に更に電子ビーム照射を行なうことも可能である。この三度目の処理により被膜がより強固に付着する。これは電子ビーム処理の特殊な効果であり錨効果(anchor effect)と呼ばれており、格子間隙に侵入した電子ビームが溶解して杭状のものを作るためと考えられる。
被照射体が金型または切削工具であるとき、または高品質の電気・機械部品を製作するとき、電子ビーム照射表面改質だけではなく、更にチタンなどの硬質金属の表面被覆が必要とされる。この発明は、被処理体をとりつけたまま改質と被覆の二つの処理を交互に行なえる装置を提供して前記必要に応えることを課題とする。
本発明で用いるプラズマ電子銃は、真空室ではなく、0.1Pa以下の低圧電離ガスを充填し、プラズマ化しており、プラズマを安定に保つために反射放電(Reflected Discharge)方式という円環状のプラズマ陽極が設けられ、さらに外部にソレノイドが設けられ、電子銃内空間に磁場を作り電子ビームの収縮(pinch)と拡散を防いでいる。
また、この発明のプラズマ発生回路は、前記の環状陽極と電子銃ハウジング.との間にコンデンサ充放電によるグロー放電を作り、電離ガスをプラズマ化する。プラズマ保持時間は100〜数100μsで、その時間内に前記の電子ビーム放射が行われる。プラズマ保持時間の前後を通じ電子銃内に磁場をつくるための前記ソレノイドに励磁する電源として、別のコンデンサ充放電回路が備えられている。カソード(陰極)とアノード(陽極)の両極間に10〜40kVの高圧コンデンサ放電を発生させ、数μs程度の電子ビームパルスを前記プラズマ中に放射すると、電子ビームがアノード(ターゲット)に達する。ターゲットは、カソードと数10cmの距離に対向させて配置される、電子ビームの照射を受けスパッタ粒子を放出する。放射された電子ビームは、カソードの放射面と同じ程度の断面積をもち照射エネルギ密度(J/cm)は4〜10 J/cm である。
この発明のプラズマ電子銃の電子ビーム発射機構は、電界放射カソードから電子ビームが発射され低圧電離気体のプラズマ中で、電子雪崩を繰り返しながらターゲットに達するものである。ターゲット側(陽極)では、金属の表面改質が行なわれる一方で、他方のカソード側(陰極)では正電荷のイオンが射突する。もしカソードが金属基板であるならば、その表面に金属のスパッタ粒子が堆積し被膜を生成する。
この発明装置の特徴は、陰極と陽極が入れ替わることである。したがって被処理体(W)と対向極(P)と呼ぶことにする。
金属性の被処理体(W)を電子銃内の保持板に取り付け、被処理面を対向極(P)に向かい合わせる。対向極(P)はチタン線を密に束にして組み立てた構成であり、対向極(P)が カソード(陰極)となるときは、チタン線の先端から電子が飛び出す。また対向極(P)がターゲット(陽極)となるときは、 被処理体(W)が陰極となってターゲットがスパッタ粒子を打ち出す。
このように陰極と陽極を入れ替えるための手段として、カソード電圧電源の出力端に極性切り替えスッチを設ける。すなわち被処理体(W)を表面改質するときは被処理体(W)を陽極とし、表面被覆処理をするときは陰極とする。当然ながら対向極(P)はその反対になる。
本発明によれば、使用するプラズマ電子銃の特徴とする低いエネルギ密度の電子ビームパルスにより、被処理体の表面の改質と異種金属の被膜堆積を連続して行うことが可能になる。
この発明の装置により、まず被処理体の表面を清浄し、アモルファス化したのち、密着力の強い異種金属薄膜を表面に生成させるシステムが提供され、金型や工具並びに機械・電気部品の品質を向上させることができる。
この発明の装置は、電子ビームによる表面改質と、スパッタリング方式による薄膜生成を一連の処理とするシステムであり、その目的は機能性部品の表面を処理するものであり、その一連の作用にはプラズマ電子銃が用いられる。
以下に説明する図1は、段落番号〔0012〕〜〔0016〕の箇所で説明した図6の従来公知の表面改質装置の例と共通する事項については、説明を簡略し、重要な差異点である電子ビームの陰極(カソード)と陽極(ターゲット)の切換えについて詳しく説明する。
図1は、この発明の装置構成の説明図である。電子銃本体、電源部、気体調整部を主要な構成とする。電子銃本体は陰極と陽極が入れ替わる点を除けば、図6の公知例と同じであり、電源部、気体調整部もまた同様である。
プラズマ電子銃はハウジング4と、内部に収められている対向極(P)、環状電極2、テーブル6、及びハウジング4の外部に取り付けられたソレノイド5によって構成されている。
ハウジング4は低圧電離気体を気密に収容するものであり、内部に部品を取り付けるため金属板で作られ安全のため接地されている。操作や観測のため開閉扉を設ける。
段落〔0012〕以下で説明した従来公知の表面改質装置の例と大きく異なるのは、電子ビームの発射電極である。この発明では発射電極とターゲットが交互に入れ替わるので、カソードという名称が使用できず対向極(P)とする。被処理体(W)に対向するという意味である。対向極(P)と被処理体(W)は、少なくとも10cmの距離をおいて対向させる。被処理体(W)が表面改質される工程では対向極(P)が陰極となり、表面被覆処理の工程では対向極(P)が陽極(ターゲット)となる。対向極(P)は桿1fに取り付けられ、高圧パルス電源11に導線10aで接続される。桿1fは絶縁ブッシュ1aを介してハウジング4に取り付けられる。被処理体(W)はテーブル6上に載置固定される。テーブル桿6fは絶縁ブッシュ6aを介してハウジング4に取り付けられる。テーブル桿6fは高圧パルス電源11に導線10bで接続される。
環状電極2は対向極(P)と被処理体(W)の中間に、図2のように桿2bをもって取り付けられ、浮いた状態に配置され、プラズマ発生電源12と導線2cで接続される。ハウジング4とは絶縁ブッシュ2aで絶縁されている。
ハウジング4の外側にはソレノイド5が取り付けられ、銃内の(P)と(W)が対向する空間に軸方向の磁力線を走らせている。
ハウジング4の内部の低圧電離気体の圧力調整は、ポンプ装置Gによって行われ、
また気体(Ar)をボンベ8から吸引する。この内容は前述従来例の場合と同様である。
電源部も従来例において説明したものと同じである。ソレノイド5を励磁するソノイド電源(図示しない)、環状電極2にグロー放電を発生させるプラズマ電源12、対向極(P)に高電圧パルスを印加する発射電源11は、指令制御システム(図示しない)の系統下おいて順次に作動する。
プラズマ電源12は、数kVに充電されたコンデンサを、環状電極2とハウジング4の間で放電させてグロー放電を発生させる。これにより段落番号〔0039〕で説明した低圧電離気体の一部は、段落番号〔0038〕に述べた磁力線により、電子銃の中心部においてプラズマ化する。
図3は、電子ビーム発射電源11含む電気接続の簡単な回路図である。電子ビーム発射電源11と電子ビーム本体との接続には、切換えスイッチ40が挿入されており、電子銃内の電子ビーム発生極の極性転換を行う。 電子ビーム発射電源11は高圧直流電源31、充電抵抗32、充電スイッチ37、コンデンサ33、および電子ビーム発射用の真空スイッチ34からなる。切換スイッチ40は、桿41の上位置において端子35aと10aa、36aと10baを同時に接続し、また下位置において端子36bと10ab、35bと10bbを同時接続するので、導線10a、対向極(P)と導線10b、被処理体(W)の極性は、切換スイッチ40によって反転させられる。被処理体(W)が陽極となるときは、表面改質の工程となり、極性反転して陰極となるときは表面被覆の工程となる。
この電子銃の特性は対向極(P)の放射面積に制限があり、環状電極2の内径より大きくすることはない。したがって被処理体(W)の表面積が大きいときは、過剰部分をマスク絶縁する必要がある。 また被処理体(W)の表面積が小さいときは、他の物で補助する。
対向極(P)がカソードとして機能しているときは、被処理体(W)のスパッタ粒子が対向極(P)の表面に堆積する。次工程で極性が反転して被処理体(W)の表面に被覆が行なわれるときに、陽極になる対向極(P)の表面に堆積した被覆層がスパッタ粒子として逆流すると、純度の高い被膜が得られない。これを防止するため対向極は、細線を密に束ねた構成とすることが望ましい。スパッタ粒子は細線の側面に付着して、再度スパッタ粒子となることが抑制される
スパッタ粒子が逆流する欠点を防止するためには、電子ビーム発射面部分とターゲット面部分を備えた板状の対向極と、前記板状の対向極を水平移動する手段とを設け、前記表面の改質を行なう工程の場合には、前記電子ビーム発射面部分のみを環状電極の内径に露出させ、前記被覆処理を行なう工程の場合には前記ターゲット面部分のみを、環状電極の内径に露出させるようにすればよい。
図4は、対向極を複数にして純度の高い被覆金属を使用可能にした例である。電子銃の頭部に空間を設け、絶縁材、例えばセラミックス製の棚板50を取り付ける。 棚板50には、環状電極2の内径と同軸同形の孔51が設けられている。棚板50の上部には対向極となる極板54が滑動自由に載せられている。図5は、極板54を下から視た図であり、図示のように52の部分と53の部分が一体になったものであり、52の部分には前述した図1の対向極として説明されたチタン細線の密束部分P1がある。また新たに加えられた53の部分には任意の被覆素材であるターゲット面P2が設けられている。極板54の右端には、作動桿55がつけられ、図示しない駆動装置、例えば空圧ピストンシリンダによって、矢印のように極板54を左端まで滑らせることが可能である。 前述した図1の対向極(P)に相当するものは、図4のPであり、極板54と可撓通電板56,57によって接続されている。極板54が左端に移動すると可撓通電板56,57は、56’57’のように撓み通電とともに、極板54を棚板50に押し付け固定する。極板54が作動桿55により左端に移動させられると、発射面P2が棚板50の孔51に臨むから被覆工程のターゲットとして作用する。
これにより段落番号〔0044〕に述べたスパッタ粒子の逆流の不安が取り除かれる。
本発明の実施例として説明された事項は一例を示したものであり、それぞれの要素、または手段は、この明細書に記載された内容に制約されず発明の本旨を逸脱しない範囲で置換することが可能である。
この発明の方法を利用することにより、高品質な金型、工具を作成することが可能になる。また電気部品、機械部品の耐食性、耐摩耗性、を向上し品位の高い製品を作成することが可能になる。
この発明の被覆原理は、薄膜の生成に限定されるものではなく、数mmに及ぶ堆積が可能であるから、複層の複合金属材料の作成にも応用することが可能である。
本発明の実施例装置全体の構成を説明する説明図である。 図1の環状電極2の断面及び取り付けの説明図である。 図1の電子ビーム発射電源の回路説明図である。 図1の対向極を複数にした例を示す説明図である。 図4を下方から視た構成説明図である。 従来公知の電子ビーム表面改質装置の説明図である。
符号の説明
P 対向極(P)
W 被処理体(被照射体)
2 環状陽極電極
4 ハウジング
5 外部ソレノイド
6 テーブル
8 電離気体ボンベ(Ar)
11 電子ビーム発射電源
12 プラズマ電源
G 低圧気体圧力調整ポンプ装置
31 高圧直流電源
32 充電抵抗
33 コンデンサ
34 発射スイッチ(真空スイッチ)
37 充電スイッチ
40 極性切換えスイッチ
50 棚板
51 孔
54 極板
55 作動桿
56 可撓通電板
57 可撓通電板

Claims (5)

  1. プラズマ化した電離気体が充填され電気接地したハウジング内に被処理体と対向極とをプラズマ発生用環状電極を介設させて向かい合わせてそれぞれ絶縁配置し、陽極が接地した電子ビーム発射電源から高圧直流パルスを対向極を陰極とし被処理体を陽極として印加することにより、対向極から被処理体に向けて電子ビームを発射して被処理体の表面の改質を行なう工程と、切換えスイッチにより、前記電子ビーム発射電源の高圧直流パルスの出力極性を反転させる工程と、対向極を陽極とし被処理体を陰極として高圧直流パルスを印加することにより被処理体から対向極に向けて電子ビームを発射して被処理体の表面に対向極のスパッタ粒子を堆積させ被覆処理を行なう工程とを一連としてハウジング内で外気に曝すことなく行なう表面処理の方法。
  2. 電子ビーム発射面部分とターゲット面部分を備えた板状の対向極と、前記板状の対向極を水平移動する手段とを設け、前記表面の改質を行なう工程の場合には前記電子ビーム発射面部分のみを環状電極の内径に露出させ、前記被覆処理を行なう工程の場合には前記ターゲット面部分のみを環状電極の内径に露出させるようにした請求項1に記載の表面処理の方法。
  3. 被処理体の表面を電子ビームにより表面改質し、その改質された表面にチタン等の異種金属材を電子ビーム照射により表面被覆を施し、さらにまたその被覆表面を電子ビームにより表面改質を施す請求項1または2に記載された表面処理の方法。
  4. 電離気体をプラズマ化して充填したハウジング内に被処理体と対向極とがプラズマ発生用環状電極を介設して向き合わせに配置されている電子銃と、高圧直流パルス発射電源とが、極性切り替えスイッチを介して接続されている構成であって、
    前記高圧直流パルス電源からの直流パルス出力が対向極を陰極とし被処理体が陽極となって対向極から被処理体に向けて電子ビームが発射されて被処理体が表面改質される極性状態と、
    前記極性切り替えスイッチの切り替えにより、前記高圧直流パルス電源からの直流パルス出力が対向極を陽極とし被処理体が陰極となって被処理体から対向極に向けて電子ビームが発射されて被処理体に表面被覆が施される極性状態になるように、電子ビーム発射方向が反転することを特徴とする金属表面の処理装置。
  5. 前記ハウジング内の前記プラズマ発生用環状電極の上部に離れて水平に広がり前記プラズマ発生用環状電極の内径と一致する開口を有する棚板を設け、板状の対向極には、複数種の電極面部分を構成しておき、棚板の上で板状の対向極を水平移動させて異なる電極面部分を交換自由に前記開口に露出させ被処理体に対向させることを特徴とする請求項4の金属表面の処理装置。
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