JP5412888B2 - ガスバリア性フィルム - Google Patents
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ガスバリア性向上技術としては、例えば、有機珪素化合物の蒸気と酸素を含有するガスを用いてプラズマCVD法により基材上に、珪素酸化物を主体とし、炭素、水素、珪素及び酸素を少なくとも1種類含有した化合物とすることによって、透明かつガスバリア性を向上させる方法が用いられている(特許文献1)。また、プラズマCVD法以外のガスバリア性向上技術としては、シランガス、アンモニアガス、水素ガスを高温加熱したタングステンワイヤで接触分解させ、フィルム表面に窒化シリコン膜を形成する触媒CVD法が用いられている(特許文献2)。
(1)厚み5μm以上500μm以下の高分子フィルム基材の片面または両面に、ZnSおよび、SiまたはSnの酸化物からなる混合物を主成分とした混合薄膜層を少なくとも1層形成してなり、さらに前記混合薄膜層上に厚み0.01μm以上5μm以下の樹脂層を少なくとも1層積層したガスバリア性フィルムであって、前記ZnSをM、前記酸化物をLとして表記する場合、前記混合薄膜層の組成比は(式1)の範囲であり、かつ混合薄膜層の膜厚が5nm以上500nm以下の範囲で形成し、かつ温度85℃、湿度85%RHの環境に240時間保存後の水蒸気透過率が0.01g/(m 2 ・day)以下であることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
MXL(1−X) 0.7≦X≦0.9 (式1)
(2)前記混合薄膜層および前記樹脂層を交互に積層したことを特徴とするガスバリア性フィルムである。
温度40℃、湿度90%RH、測定面積50cm2の条件で、米国、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率透過率測定装置(機種名:PERMATRAN(登録商標) W3/31)を使用して測定した。測定回数は各10回とし、その平均値を水蒸気透過率とした。
エスペック(株)製環境試験器(型式:PR-2KTH)を使用して温度85℃湿度85%RH、保存期間240時間の高温高湿保存試験を実施した。
混合薄膜層の断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム(日立製FB−2000A)を使用してFIB法により作製した。透過型電子顕微鏡(日立製H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、混合薄膜層の膜厚を測定した。
混合薄膜層の組成分析はICP発光分光分析(セイコー電子工業(株)製、SPS4000)により行い、この値をもとにさらにラザフォード後方散乱法(日新ハイボルテージ(株)製)を使用して、各元素を定量分析しZnSと酸化物の組成比を求める。混合薄膜層上に無機層や樹脂層が積層されている場合、必要に応じてイオンエッチングや薬液処理により積層膜を除去した後、ICP発光分光分析及び、ラザフォード後方散乱法にて分析する。
1,3−キシリレンジイソシアネート429.1部、ジメチロールプロピオン酸35.4部、エチレングリコール61.5部および溶剤としてアセトニトリル140部を混合し、窒素雰囲気下で70℃の温度で3時間反応させ、カルボン酸基含有ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次いで、このカルボン酸基含有ポリウレタンプレポリマー溶液を50℃の温度で、トリエチルアミン24.0部で中和させた。このポリウレタンプレポリマー溶液267.9部を、750部の水にホモディスパーにより分散させ、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール35.7部で鎖伸長反応を行い、アセトニトリルを留去することにより、固形分25質量%でポリウレタン樹脂の水分散体を得た。このようにして得られたポリウレタン樹脂の水分散体1(10部)に希釈溶媒として水35部およびメタノール5部を添加し、30分間攪拌することにより固形分濃度5%のコーティング液Aを得た。
EVOH系樹脂を水に分散させたコート剤である住友精化株式会社製“セポルジョン”(登録商標)VH100を10部(固形分濃度:15重量%)量り取り、希釈溶剤として水1.9部およびイソプロパノール0.6部を添加し、30分間攪拌することにより固形分濃度12%のコーティング液Bを得た。
図2に示す装置構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、厚さ12μmで表面の中心線表面粗さRaが30nmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラー(登録商標)12T705)を基材とし、ZnS及び酸化物がSiO2で形成された混合焼結材であるスパッタターゲット(三菱マテリアル(株)製ターゲット、ST-IVシリーズ)を用いて、アルゴンガスプラズマによるスパッタリングを実施し、膜厚が100nm、ZnSのモル分率Xが0.85の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設けた。図2は混合薄膜層を形成する製造方法を実施するための巻き取り式スパッタ装置の概略を示す装置構成図である。まず、巻き取り式スパッタ装置4の巻き取り室5の中で、巻き出しロール6に高分子フィルム1をセットし、巻き出し、ガイドロール7,8,9を介して、クーリングドラム10に通す。プラズマ電極11にはZnS/SiO2のモル組成比が85/15のスパッタターゲットが設置されていて、真空度2×10−1Paとなるようにアルゴンガスが導入された状態で高周波電源により投入電力500Wを印加すると、アルゴンガスプラズマが発生しスパッタリングが開始されるので、高分子フィルム1の表面上に混合薄膜層であるZnS・SiO2膜が形成される。その後、この混合薄膜層が形成された高分子フィルム1をガイドロール12,13,14を介して巻き取りロール15に巻き取る。次いで、ZnS・SiO2膜の表面に下記方法で作製されたコーティング液Aを、乾燥後の塗布膜厚が0.2μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布し、120℃の温度で20秒間乾燥することにより、樹脂層Aを1層形成しガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SiO2のモル組成比が70/30のスパッタターゲットを使用して、ZnSのモル分率Xが0.70の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、膜厚が300nmとなるように混合薄膜層を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SnO2のモル組成比が85/15のスパッタターゲットを使用して、ZnSのモル分率Xが0.85の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SnO2膜を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SnO2のモル組成比が85/15のスパッタターゲットを使用して、膜厚が400nmとなるように混合薄膜層であるZnS・SnO2膜を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SnO2のモル組成比が80/20のスパッタターゲットを使用して、ZnSのモル分率Xが0.80の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SnO2膜を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、樹脂層Aの替わりに、上記方法で作製されたコーティング液Bを、乾燥後の塗布膜厚が0.2μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布し、120℃の温度で20秒間乾燥することにより、樹脂層Bを1層形成する以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SiO2のモル組成比が95/5のスパッタターゲットを使用して、ZnSのモル分率Xが0.95の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SiO2のモル組成比が50/50のスパッタターゲットを使用して、ZnSのモル分率Xが0.50の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、混合薄膜層を1層設けた後、樹脂層を形成せず、そのまま巻き取りロールにガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、膜厚が600nmとなるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SnO2のモル組成比が85/15のスパッタターゲットを使用して、膜厚が700nmとなるように混合薄膜層であるZnS・SnO2膜を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、MgO/SiO2のモル組成比が85/15のスパッタを使用して、MgOのモル分率Xが0.85の組成となるように混合薄膜層であるMgO・SiO2膜を1層設ける以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1において、純度99.99質量%のSiO2スパッタターゲットを使用して、膜厚が300nmとなるようにSiO2膜を1層設ける以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、ZnS/SiO2のモル組成比が50/50のスパッタターゲットを使用して、ZnSのモル分率Xが0.50の組成となるように混合薄膜層であるZnS・SiO2膜を1層設け、続いて、樹脂層Aの替わりに、上記方法で作製されたコーティング液Bを、乾燥後の塗布膜厚が0.2μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布し、120℃の温度で20秒間乾燥することにより、樹脂層Bを1層形成する以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
2:混合薄膜層
3:ガスバリア樹脂層
4:巻き取り式スパッタリング装置
5:巻き取り室
6:巻き出しロール
7、8、9:巻き出し側ガイドロール
10:クーリングドラム
11:スパッタ電極
12、13、14:巻き取り側ガイドロール
15:巻き取りロール
Claims (2)
- 厚み5μm以上500μm以下の高分子フィルム基材の片面または両面に、ZnSおよび、SiまたはSnの酸化物からなる混合物を主成分とした混合薄膜層を少なくとも1層形成してなり、さらに前記混合薄膜層上に厚み0.01μm以上5μm以下の樹脂層を少なくとも1層積層したガスバリア性フィルムであって、前記ZnSをM、前記酸化物をLとして表記する場合、前記混合薄膜層の組成比は(式1)の範囲であり、かつ混合薄膜層の膜厚が5nm以上500nm以下の範囲で形成し、かつ温度85℃、湿度85%RHの環境に240時間保存後の水蒸気透過率が0.01g/(m 2 ・day)以下であることを特徴とするガスバリア性フィルム。
MXL(1−X) 0.7≦X≦0.9 (式1) - 前記混合薄膜層および前記樹脂層を交互に積層した請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
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