JP2009069738A - 情報表示用パネル - Google Patents

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Kaoru Sugie
薫 杉江
Yoshinori Iwabuchi
芳典 岩淵
Masahito Yoshikawa
雅人 吉川
Makoto Sakurai
良 桜井
Hiroyuki Anzai
弘行 安西
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Abstract

【課題】帯電した粒子からなる表示媒体を用いた情報表示用パネルにおいて、駆動電圧を効果的に低下させることができる情報表示用パネルを提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、基板に設けた電極に電圧を印加することで表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルにおいて、電極と表示媒体を構成する粒子との非電気的付着力Faが1.0×10−9N/m以下となる電極を用いる。
【選択図】図6

Description

本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、基板に設けた電極に電圧を印加することで表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに関するものである。
従来、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、基板に設けた電極に電圧を印加することで表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルにおいて、電極として、酸化インジウム錫(ITO)をはじめとして、酸化亜鉛系や酸化スズ系などの透明導電膜が利用できることは広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−352145号公報
液晶、プラズマ、有機ELなどを利用した情報表示用パネルでは、電極は電極間に電圧を印加するためだけのものである。そのため、必要とされる物性としては、透明度や抵抗値、基材との密着性などであった。しかし、帯電した粒子からなる表示媒体の飛翔によって画像を得るタイプの情報表示用パネルにおいては、それらの特性に加えて、粒子と電極との間の相互作用を考慮する必要性が生じていた。
従来の帯電した粒子からなる表示媒体を用いた情報表示用パネルでは、構成上どうしても駆動電圧が高くなるため、駆動電圧を低下させる技術を開発する要望が高かった。駆動電圧には、表示媒体を構成する粒子自身の持つ帯電によるクーロン力と、帯電に異存しない非電気的付着力の2つが関与しており、これらを制御する種々の方法が提案されているが、いずれもそれら単独では十分な性能を得るには至らない問題があった。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、帯電した粒子からなる表示媒体を用いた情報表示用パネルにおいて、駆動電圧を効果的に低下させることができる情報表示用パネルを提供しようとするものである。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、基板に設けた電極に電圧を印加することで表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルにおいて、電極と表示媒体を構成する粒子との非電気的付着力Faが1.0×10−9N/m以下となる電極を用いたことを特徴とするものである。
なお、本発明の情報表示用パネルの好適例としては、非電気的付着力Faを、電極と粒子とを接触させた状態で回転中心からRの位置にセットした粒子に遠心力をかけ、粒子が電極から飛翔した回転数ωを求め、以下の式から遠心力Frを算出し、Fr=mRω 、m=(4/3)π(d/2)ρ、ここで、m:粒子質量、d:粒子径、ρ:粒子比重、算出した遠心力Frを非電気的付着力Faとして求めること、電極表面に凹凸を設けるとともに、凹凸面に金属酸化物を成膜すること、がある。
本発明では、電極と表示媒体を構成する粒子との非電気的付着力Faが1.0×10−9N/m以下となる電極を用いることが、駆動電圧の低減に有効であることを見出したことによる。
まず、本発明の対象となる情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明で用いる情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、高電位側に向かっては低電位に帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、また、低電位側に向かっては高電位に帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、それら表示媒体が電位の切替による電界方向の変化によって往復運動することにより、画像表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し時あるいは保存時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の対象となる情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される色と帯電特性の異なる表示媒体3(ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を、基板1に設けた電極6と基板2に設けた電極5との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色粒子3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
図2(a)、(b)に示す例では、1種の色の表示媒体3(ここでは白色粒子3W)を、基板2上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
以上の説明は、白色粒子3Wを白色粉流体に、黒色粒子3Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。
本発明の情報表示用パネルの特徴は、上述した構成の情報表示用パネルに用いる電極5、6として、電極と表示媒体を構成する粒子との非電気的付着力Faが1.0×10−9N/m以下となる電極を用いる点にある。ここで、電極の帯電粒子に対する非電気的付着力Faを1.0×10−9N/m以下に低減させるための方法は特に限定しないが、電極材料の変更、電極表面のコーティング、電極表面の粗化、電極表面の撥水化処理などを用いることができ、それらを組み合わせることもできる。
また、非電気的付着力Faを測定する方法も特に限定しないが、非電気的付着力Faを測定する方法の好適な一例としては、図3に測定方法の一例を示すように、電極5(6)と粒子3とを接触させた状態で回転中心11からRの位置にセットした粒子3を回転させることで、粒子3に遠心力をかけ、粒子3が電極5(6)から飛翔した回転数ωを求め、以下の式から遠心力Frを算出し、Fr=mRω 、m=(4/3)π(d/2)ρ、ここで、m:粒子質量、d:粒子径、ρ:粒子比重、算出した遠心力Frを非電気的付着力Faとして求めることで、本発明で定義した非電気的付着力Faを好適に得ることができる。
電極の材料としては、酸化インジウム錫(ITO)以外にも酸化亜鉛系や酸化スズ系の透明導電膜、アルミニウムや銅などの金属電極などを用いることができる。図4は酸化亜鉛系の電極に対する粒子の付着力測定結果を示す図であり、図5はITOからなる電極に対する粒子の付着力測定結果を示す図であり、図4および図5に示すように、非電気的付着力Fa(F(80)に対応)は材料毎に異なる。このうち、図4に示す酸化亜鉛系の材料からなる電極では、非電気的付着力Faは小さく1.0×10−8N/mになることがわかる。これは、表面エネルギーの差によるものと考えられ、酸化亜鉛系以外の材料でも、表面の極性項と分散項が小さい材料であれば良い。表面エネルギー、極性項、分散項は、接触角測定から求めることが出来る。
また、電極表面に微細凹凸を設けることで付着力が低減されることは従来から知られていた(例えば、特許文献1参照)。代表的な電極材料であるITOからなる電極に、この方法を適用することで得られる非電気的付着力Faは、図5に示すように、5.0×10−8N/m程度であることがわかる。表面を粗化しない場合は、5.0×10−8N/m程度である。さらに、酸化亜鉛系の電極材料をスパッタリングで成膜(膜厚は100nm以上であれば良い)し表面粗化すると、酸化亜鉛系の電極材料を用いる効果と電極表面の微細凹凸の効果の相乗効果により、1.0×10−9N/m以下の本発明の非電気的付着力Faが得られることがわかる。
図6は本発明の情報表示用パネルにおいて非電気的付着力Faを低減するのに好適な方法の一例のを示す図である。図6に示す例では、透明な前面基板1には透明な酸化インジウム錫(ITO)からなる電極6を設け、不透明な背面基板2にはアルミニウムからなる金属電極5を設けている。電極5、6の表面には凹凸12が設けられている。また、電極5、6の表面に、スパッタリングにより成膜した絶縁膜13、14を形成している。
以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
必要に応じて設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。これらのリブからなる隔壁により形成される表示セルは、図7に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、画像表示の鮮明さが増す。
基板については、少なくとも観察者側となる基板は情報表示用パネル外側から表示媒体の色が確認できる、透明な基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の背面側基板となる基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。透明基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、背面基板の厚みは、20〜5000μmが好ましく、さらに30〜2000μmが好適である。いずれの基板においても薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示装置に搭載する情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
本発明における電極については、視認側であり透明である必要のある基板側に設ける電極6は、ITO(酸化インジウム錫)からなる電極を用いる。もう一方の背面基板に設ける電極5は透明でも不透明でもかまわない。これらの材料を例示すると、パターン形成可能である導電性材料で形成され、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類やITO、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され適宜、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側の基板側に設ける電極5の材質や厚みなどは上述した電極6と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
次に、本発明の情報表示用パネルで用いる表示媒体としての粉流体について説明する。なお、本発明の表示媒体としての粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標)」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、表示媒体として例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
次に、本発明の情報表示用パネルで用いる表示媒体としての粒子について説明する。粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明の情報表示用パネルで用いる表示媒体として用いる粒子は平均粒子径d(0.5)が、0.1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために粒子の移動に支障をきたすようになる。
更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
表示媒体を構成する粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける表示媒体を構成する粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示媒体を構成する粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
更に、本発明において表示媒体に粒子群又は粉流体を用いる場合は、基板間の表示媒体3(粒子群又粉流体)を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、表示媒体(粒子群あるいは粉流体3)の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁が存在する部分)、装置シール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるようにパネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における表示媒体(粒子群又は粉流体)の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体(粒子群又粉流体)の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
<実施例1>
電極材料としては、最も一般的なITO電極と、酸化亜鉛系のAZO(AlドープのZnO)電極の2種類、電極の表面粗さは算術平均粗さRaで無し、0.1μm、0.5μm、1.0μmの4種類を用い、水準A〜Fの組み合わせの異なる電極を用いて、情報表示用パネルを作製した。この情報表示用パネルについて、駆動電圧Vと付着力Faとの関係を示す駆動曲線(「カーブ」)を測定した。結果を以下の表1および図8に示す。表1および図8に示す結果から、Fa=1.0×10−8N/mをしきい値として、駆動電圧の低減効果が現れることがわかった。また、Faが小さいほど、駆動電圧が小さくなるり、1.0×10−9N/m以下で最も大きな効果が得られることがわかった。
Figure 2009069738
本発明の情報表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP、電子値札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの一例の動作を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの他の例の動作を示す図である。 非電気的付着力Faを測定する方法の好適な一例を説明するための図である。 AZO電極の非電気的付着力測定結果を示すグラフである。 ITO電極の非電気的付着力測定結果を示すグラフである。 本発明の情報表示用パネルにおいて非電気的付着力Faを低減するのに好適な方法の一例のを示す図である。 本発明の対象となる情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。 ITO電極及びAZO電極での駆動特性を示すグラフである。
符号の説明
1、2 基板
3 画像表示媒体(粒子群または粉流体)
3W 白色粒子群
3B 黒色粒子群
4 隔壁
5、6 電極
11 回転中心
12 凹凸
13、14 絶縁膜

Claims (3)

  1. 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、基板に設けた電極に電圧を印加することで表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルにおいて、電極と表示媒体を構成する粒子との非電気的付着力Faが1.0×10−9N/m以下となる電極を用いたことを特徴とする情報表示用パネル。
  2. 非電気的付着力Faを、電極と粒子とを接触させた状態で回転中心からRの位置にセットした粒子に遠心力をかけ、粒子が電極から飛翔した回転数ωを求め、以下の式から遠心力Frを算出し、
    Fr=mRω
    m=(4/3)π(d/2)ρ
    ここで、m:粒子質量、d:粒子径、ρ:粒子比重、
    算出した遠心力Frを非電気的付着力Faとして求めることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネル。
  3. 電極表面に凹凸を設けるとともに、凹凸面に金属酸化物を成膜することを特徴とする請求項1または2に記載の情報表示用パネル。
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