JP2018022062A - フォルダブルディスプレイ用フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Takuya Ikeda
拓也 池田
秀和 河村
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秀和 河村
芳昭 宮本
Yoshiaki Miyamoto
芳昭 宮本
敏哉 上野
Toshiya Ueno
敏哉 上野
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Abstract

【課題】表面硬度が優れると同時に、優れた柔軟性を示すという特性を兼ね備えたフォルダブルディスプレイ用フィルムを提供する。【解決手段】本発明に係るフォルダブルディスプレイ用フィルム19は、厚みが30μm〜200μmの薄膜状で、紫外線硬化型アクリル系樹脂12の硬化フィルムからなる。【選択図】図1

Description

本発明は、一般にディスプレイ用フィルムに関するものであり、より特定的には屈曲耐久性が必要な表示デバイスやタッチパネルに用いられるフォルダブルディスプレイ用フィルムに関する。本発明はまたそのようなフォルダブルディスプレイ用フィルムの製造方法に関する。このフォルダブルディスプレイ(foldable display)用フィルムは、平面ディスプレイ用フィルムとしても用いることができる。
従来、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の基板に、ディスプレイ用フィルムが用いられている。
ディスプレイ用フィルムは、近年においては、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器、或いはカーナビゲーションシステム等の電子機器分野で、これらのディスプレイに入力手段(ポインティングデバイス)を持たせたタッチパネルとして広く用いられている。代表的なタッチパネルには、抵抗膜式、電磁誘導方式、光学式、静電容量式(容量結合式とも称される)が知られている。
タッチパネル用のディスプレイ用フィルムには、ユーザからの入力時に伴う指先の圧力に耐え、且つLCDの液晶層を保護するための表面硬度を有し、なおかつ軽量であることが要求される。このような要求を満たすものとして、ディスプレイ用フィルムの表面に、表面硬度を有するハードコート層を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−262281号公報
しかし、特許文献1に開示されているような一般的なハードコートフィルムは、基材フィルムとハードコート層から形成されているため、屈曲耐久性が低く、高温高湿等の過酷環境下に長時間置かれるとハードコート膜と基材の密着が弱くなって硬度低下が起こり、高い屈曲性と硬度の要望があるフォルダブルディスプレイ用途に使用するには問題があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、高い屈曲性と高い硬度を有するように改良されたフォルダブルディスプレイ用フィルムを提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、高温高湿環境下で硬度の低下を起こさないように改良されたフォルダブルディスプレイ用フィルムを提供することにある。
この発明のさらに他の目的は、そのようなフォルダブルディスプレイ用フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、特定の2官能(メタ)アクリレートとを含有する重合性組成物の硬化フィルムの厚みを薄く制御して薄膜化していくことにより、優れた屈曲性と高い表面硬度の両立を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、厚みが30μm〜200μmの薄膜状で、紫外線硬化型アクリル系樹脂の硬化フィルムからなるフォルダブルディスプレイ用フィルム(以下、単にFDフイルムと略す)に係る。
フィルム厚みを30μm〜200μmに制御すると、一般的なハードコートフィルムの硬度である3H以上を維持しながら屈曲耐久性が増すことが見出された。厚みが30μm以下であると、表面硬度の著しい低下が見られ、200μm以上を超えると、屈曲耐久性が低下する。
フィルムの厚みは、30μm〜200μmであることが好ましく、より好ましくは50μm〜180μm、更に好ましくは75μm〜150μmである。
上記紫外線硬化型アクリル系樹脂は、好ましくは、(A)ポリイソシアネート化合物(但し、脂環構造を有するものを除く。)と水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させてなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、(B)脂環構造を有する2官能(メタ)アクリレートとを含む。
(成分(A))
上記(A)ポリイソシアネート化合物(但し、脂環構造を有するものを除く。)と、水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させてなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、下記化1に示すものである。
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、(メタ)アクリロイル基及びウレタン結合を有し、脂環構造を有しない官能基を示す。)
より好ましくは、下記化2に示すものである。
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基を示し、R〜R15は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、n、m及びkは、同一又は異なって、1〜3の整数を示す。)
成分(A)として、脂環構造を有しないポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させてなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートを用いており、多官能であるので、硬化して架橋構造を形成し、表面硬度が高いFDフィルムを得ることができる。また、ポリイソシアネート化合物として脂環構造を有しない化合物を用いるので、フィルムを形成した場合、当該フィルムの表面硬度が際立って優れる。
通常、多官能アクリレートよりディスプレイ用フィルムを形成すると、硬度は向上するが、フィルムの柔軟性が損なわれて脆くなる。本発明のFDフィルムによれば、厚みを30μm〜200μmの薄膜にすることにより、成分(A)のアクリレート分子内のウレタン基の持つ水素結合の作用効果が顕著に現れて、靱性(ねばり強さ。材料が外力によって破壊されにくい性質)を強く発揮する。この作用効果により、本発明の薄膜状のFDフィルムは、高度な架橋構造を有していながら、フレキシブル性や耐衝撃性などの機械強度に優れた、柔軟性に優れたディスプレイ用フィルムとなる。
一般的に、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物は重合時の収縮が大きく、硬化物が成形型内でひび割れたり、脱型時に破損したりするため、工業的にディスプレイ用フィルムを得ることが困難である。しかし、本発明のFDフィルムは、厚みを30μm〜200μmの薄膜にされていることにより、重合時の収縮が緩和され、歩留まり良くFDフィルムを得ることができる。
すなわち、本発明のFDフィルムは、上述の構成であるので、表面硬度が際立って優れると同時に、優れた柔軟性を示すという特性を兼ね備える。このような特性を兼ね備えたFDフィルムは、特にタッチパネルやフレキシブルディスプレイ等の分野等で求められており、タッチパネル基板等に有用である。
上記ポリイソシアネート化合物としては、分子中に脂環構造を有しないポリイソシアネート化合物であれば特に限定されないが、例えば、以下の脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及び芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、2,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(MDI)等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのうち、FDフィルムの黄変を抑制することができる点で、脂肪族ポリイソシアネートを用いることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、また、上述の脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、又は芳香脂肪族ポリイソシアネートから得られる、アロファネート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート、アミド基含有ポリイソシアネート、トリメチロールプロパンアダクト型ポリイソシアネート、イソシアヌレート型ポリイソシアネートを用いることもできる。
上記ポリイソシアネート化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、分子中に水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有していれば特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート等が挙げられる。上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、分子中に脂環構造を有しないものを用いることが、FDフィルムの表面硬度、及び色目変化の抑制の点で好ましい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応には、触媒を用いることができる。上記触媒としては、従来公知の有機スズ化合物を用いることができ、具体的には、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート等が挙げられる。
成分(A)の数平均分子量は、200〜5000であることが好ましい。より好ましくは400〜3000、更に好ましくは500〜2500である。数平均分子量が200未満であると、硬化収縮が増大し、複屈折が発生しやすくなるおそれがある。数平均分子量が5000を超えると、架橋性が低下し、耐熱性が不十分となるおそれがある。
FDフィルムを形成するための重合性組成物中の成分(A)の含有量は特に限定されないが、重合性組成物100質量%に対して、10〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。成分(A)の含有量が多過ぎると、FDフィルムの表面硬度が高くなり過ぎ、脆くなるおそれがある。成分(A)の含有量が少な過ぎると、FDフィルムの表面硬度が十分でないおそれがある。
(成分(B))
成分(B)は、脂環構造を有する2官能(メタ)アクリレートである。成分(B)の脂環構造を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=アクリレートメタクリレート、2,2−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,3−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(メタクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサンなどの2官能(メタ)アクリレート、1,3,5−トリス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3,5−トリス(メタクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサンなどの3官能(メタ)アクリレートがあげられる。上記成分(B)としては、フレキシブル性の点から2官能(メタ)アクリレートを用いる。耐熱性の点から、2官能メタクリレートを用いることが好ましい。
成分(B)としては、光学性能の点から下記化3、化4、化5から選ばれる少なくとも1種以上の2官能(メタ)アクリレートが好ましく、なかでも2官能メタクリレートがより好ましい。
(式中、R16及びR17は、同一又は異なって、炭素数1〜6のエーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基を示し、R18及びR19は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、aは1又は2、bは0又は1を示す。)
(式中、R20及びR21は、同一又は異なって、炭素数1〜6のエーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基を示し、R22及びR23は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示す。)
(式中、R24及びR25は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、R26及びR27は、同一又は異なって、炭素数1〜6のエーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基を示し、R28及びR29は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示す。)
FDフィルムを形成するための重合性組成物中の成分(B)の含有量は特に限定されないが、重合性組成物100質量%に対して、10〜40質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。成分(B)の含有量が多過ぎると、FDフィルムの表面硬度が低くなり過ぎ、表面硬度が十分でないおそれがある。成分(B)の含有量が少な過ぎると、表面硬度が高くなり過ぎ、脆くなってしまうおそれがある。
上記重合性組成物中の成分(A)の質量(MA)と成分(B)の質量(MB)との質量比(MA)/(MB)の範囲は、30/70〜70/30であることが好ましい。成分(A)の質量比が30未満であると、表面硬度や耐衝撃性などの機械特性に劣るおそれがあり、成分(A)の質量比が70を超えると、吸水率が増加するおそれがある。上記質量比のより好ましい範囲は、40/60〜60/40であり、更に好ましい範囲は、45/55〜55/45である。
(成分(C))
上記重合性組成物は、成分(A)及び成分(B)の他に、光重合開始剤である成分(C)を含有していてもよい。成分(C)としては、光重合開始剤として用いることができれば特に限定されないが、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジルケタール、α−ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノン、アシルフォスフィンオキサイド、チタノセン類、O−アシルオキシム型開始剤、ベンゾフェノン/アミン系光重合開始剤(ベンゾフェノンとアミンとの混合物)、ミヒラーケトン/ベンゾフェノン系光重合開始剤(ミヒラーケトンとベンゾフェノンとの混合物)、チオキサントン/アミン系光重合開始剤(チオキサントンとアミンとの混合物)等が挙げられ、具体的には、1,3−ジ(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、チバ・ジャパン株式会社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184、チバ・ジャパン株式会社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・ジャパン株式会社製)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(商品名イルガキュア784、チバ・ジャパン株式会社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名イルガキュア819)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
重合性組成物中の成分(C)の含有量は特に限定されないが、成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との合計100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜4質量部であることがより好ましく、0.3〜3質量部であることが更に好ましい。成分(C)の含有量が5質量部を超えると、FDフィルムのリタデーションが増大するおそれがあり、また400nmにおける光線透過率が低下するおそれがある。一方、成分(C)の含有量が0.1質量部未満では重合速度が低下して重合が十分に進行しないおそれがある。
(他の成分)
本発明においては、本発明のFDフィルムの物性を損ねない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、例えば、成分(A)及び(B)以外の3官能以上の多官能ポリエステルアクリレート、成分(A)及び(B)以外のエチレン性不飽和結合を有する単量体、増感剤、重合禁止剤、熱重合開始剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、ブルーイング剤、染顔料、フィラー等が挙げられる。
上記成分(A)及び(B)以外の3官能以上の多官能ポリエステルアクリレートとしては、ポリオールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル酸とをエステル化して得られるポリエステルアクリレートが挙げられる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、パラキシレングリコール、ビシクロへキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチレンオキサイド、もしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。
上記多価カルボン酸としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
上記ポリオール及び多価カルボン酸は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記成分(A)及び(B)以外のエチレン性不飽和結合を有する単量体としては、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール以上のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物が挙げられる。
紫外線硬化に用いる触媒は、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジルケタール、α−ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノン、アシルフォスフィンオキサイド、チタノセン類、O−アシルオキシム型開始剤、ベンゾフェノンとアミンとの混合物、ミヒラーケトンとベンゾフェノンとの混合物、及び、チオキサントンとアミンとの混合物からなる群より選択される少なくとも1種である。
上記重合性組成物は、20℃における粘度が1000〜4000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは2000〜3000mPa・sである。粘度が1000mPa・s未満では、成形工程において未重合の単量体が残存しやすいおそれがあり、4000mPa・sを超えると、バッチ式の注型成形する時には型に注入しづらく、連続成形する際に流動ムラによりリタデーションが増大しやすくなるおそれがある。重合組成物の粘度を上述の範囲に調整する方法としては、成分(A)及び(B)の種類や配合量を適宜調整する方法が挙げられる。
FDフィルムのフレキシブル性は、φ10mm以下が好ましい。フレキシブル性の評価が低過ぎると、FDフィルムをフレキシブルディスプレイ等に用いた場合にひびや割れを生じてしまうおそれがあり、フレキシブル性の評価が高過ぎると、FDフィルムが、タッチパネル等に用いるのに十分な表面硬度を示さないおそれがある。
上記フレキシブル性は、JIS K5600−5−1に準じて屈曲試験器で測定することができる。
FDフィルムの光線透過率は、90%以上が好ましい。光線透過率が90%未満では、表示デバイスの輝度を確保できないおそれがあり、輝度確保のため発光強度を上げると消費電力が増大するおそれがある。上記光線透過率は、波長400〜700nmにおける分光光線透過率であり、FDフィルムの両面の反射を含む。この波長域のいかなる波長においても、通常、樹脂は紫外線領域に近い400nm付近の光を吸収するが、本発明のFDフィルムはこの400nmにおいても90%以上の光線透過率を有することが好ましい。光線透過率のより好ましい範囲は、400〜700nmの全域で91%以上、特に好ましくは92%以上である。光線透過率は、例えば、上記成分(A)、(B)及び(C)の種類や配合量を適宜選択する方法により、上述の範囲に調整することができる。
上記光線透過率は、JIS K7361に準拠した測定方法により、濁度計(日本電色工業株式会社製 NDH−2000)を用いて測定することができる。
FDフィルムのガラス転移点は、120℃以上が好ましい。上記ガラス転移点は、160℃以上がより好ましく、200℃以上が更に好ましい。ガラス転移点が低過ぎると、FDフィルムを液晶テレビ等の表示デバイスに用いた場合、表示デバイスに変形が生じて、表示デバイスの信頼性に欠ける恐れがある。近年の液晶テレビにおいては強力なバックライトを使用するため、FDフィルムを用いた基板の温度も120℃近くに上昇することがある。ガラス転移点は、例えば、上記成分(A)及び(B)の種類や配合量を適宜選択する方法により、上述の範囲に調整することができる。
上記ガラス転移点は、示差走査熱量測定装置(株式会社島津製作所製 DSC−60)を用いて測定することができる。
FDフィルムの線膨張係数は、30〜60ppm/℃が好ましく、40〜50ppm/℃がより好ましい。線膨張係数が低過ぎると、他の光学フィルムとの差が大きくなり画像の精細性が低下するおそれがある。線膨張係数高過ぎると、FDフィルムを用いてデバイスを製造した場合、デバイスの寸法変化が大きくなり、画素や配線が位置ずれを起こし易くなるおそれがある。線膨張係数は、例えば、上記成分(A)及び(B)の種類や配合量を適宜選択する方法により、上述の範囲に調整することができる。
上記線膨張係数は、熱分析装置(株式会社島津製作所製 TMA−50)を用いて25〜100℃に昇温した際の試験片の伸びを測ることにより測定することができる。
上記硬化フィルムの鉛筆硬度は3H〜9Hであり、屈曲耐久性がφ10mm以下であるものが得られた。
好ましくは、上記硬化フィルムの少なくとも一方の面にガスバリア膜が設けられる。
また好ましくは、上記硬化フィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜、反射防止膜、耐指紋膜等が設けられる。
本発明の他の局面に従うFDフィルムの製造方法においては、まず、未処理面を有する透明基材フィルムを2枚準備する。1枚の透明基材フィルムの上記未処理面の上に、紫外線硬化型アクリル系樹脂を含む重合性組成物を、その硬化後の厚みが30μm〜200μmになるように、その量を制御して塗布する。上記塗布された重合性組成物の上に、もう1枚の透明基材フィルムを、その未処理面が接するようにラミネートし、3層構造のラミネートフィルムを形成する。上記3層構造のラミネートフィルムに紫外線を照射して、中間層である上記重合性組成物を硬化させる。紫外線照射後の上記ラミネートフィルムから、両面に位置する上記2枚の透明基材フィルムを剥離して、紫外線硬化型アクリル系樹脂の硬化フィルムからなる単層のFDフィルムを得る。
本発明に係る厚みが30μm〜200μmの薄膜状のFDフィルムは、フレキシブル性を示し、十分な硬度と柔軟性とを示す。このため、本発明のFDフィルムは、タッチパネルやフォルダブルディスプレイに好適に用いることができる。
(A)は、本発明に係るFDフィルムの製造方法の第1工程を示した模式図であり、(B)は、図1(A)におけるX−X線に沿う断面図であり、(C)は本発明に係るFDフィルムの製造方法の第2工程を示した模式図である。
高い屈曲性と硬度を有するFDフィルムを得るという目的を、特定の多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、特定の2官能(メタ)アクリレートとを含有する重合性組成物の硬化フィルムの厚みを30μm〜200μmに制御することによって実現した。
本発明のFDフィルムの製造方法としては、上記重合性組成物を硬化させて薄膜を得ることができれば特に限定されないが、例えば、(1)重合性組成物調製工程、(2)重合性組成物塗布工程、(3)ラミネート処理工程、(4)硬化工程、(5)基材剥離処理工程、及び(6)巻き取り工程の各工程を有する製造方法が挙げられる。
なお、この工程順は一例として示すものであって、上記製造方法はこの工程順に限定されるものではない。また、各工程は、このうちいずれかを同時に行うか、工程数を増やすか、またはこれらを個別に行うように、適宜順序を調整してもよい。
図1(A)は、上記製造方法の(1)重合性組成物調製工程、(2)重合性組成物塗布工程、(3)ラミネート処理工程、及び(4)硬化工程の一例を示した模式図である。FDフィルムの製造は、製造装置1により行われる。製造装置1は、重合性組成物を入れるためのトレイ2と、バックアップローラ3とロールナイフ4、ローラ5、6及びUV照射装置7とで構成される。
バックアップローラ3とロールナイフ4との間、及びローラ5と6との間に、基材ローラ8に巻かれたPET基材フィルム9が送り込まれる。さらにローラ5と6との間には、基材ローラ10に巻回されたPET基材フィルム11が送り込まれる。PET基材フィルム9とPET基材フィルム11は、互いにその未処理面が向かい合うように送り込まれる。そしてこれらの両PET基材フィルム9,11の間に重合性組成物12が充填されるようになっている。両PET基材フィルム9,11は、重合性組成物12をフィルム状に形成するための土台となるほか、重合性組成物12を空気中の酸素から隔離する役目をなす。
トレイ2はL字型部材のくぼみに重合性組成物12を貯留する構成になっており、重合性組成物12がバックアップローラ3の周面側に良好に接触するように配置される。トレイ2に十分量の重合性組成物12を投入する。
バックアップローラ3は回転自在に軸支されており、装置駆動時には繰り出されたPET基材フィルム9をローラ5,6側へ搬送する。
ロールナイフ4は、円筒体の周面において鋭利な断面形状を持つブレード部が形成されており、ブレード部がバックアップローラ3と対向するように配置される。
ローラ5,6はともに同様の構成を持つローラであって、バックアップローラ3とロールナイフ4よりも狭い間隙で近接配置されており、これによって重合性組成物の層の厚みを調節できるようになっている。なお、ロールナイフ4で十分厚み調節を行える場合は、ローラ5,6で再度厚み調整を行わなくてもよい。なお、バックアップローラ3とロールナイフ4との間、及び、ローラ5,6との間の各隙間は、形成するフィルムの厚みに合わせ、30μm以上、200μm以下の範囲に調整する。
UV照射装置7を用いて、PET基材フィルム9,11の間に挟まれた重合性組成物12を紫外線照射により硬化させる。紫外線硬化により、重合性組成物12は、図1(B)の断面図に示すように、硬化膜である、厚み30μm〜200μmのFDフィルム19になる。UV照射装置7に用いられるUVランプとしては特に限定されず、市販されているもの(例えばアイグラフィックス株式会社製空冷水銀ランプ)を利用することができる。紫外線照射の条件は、硬化させる重合性組成物の粘度等の条件によって適宜調節することが必要である。
上述のようにして得られたPET基材フィルム9、FDフィルム19及びPET基材フィルム11の三層構造からなるラミネートフィルム13は、一旦巻き取られて、ラミネートフィルムロール14とされる。
次に、図1(C)に示すように、ラミネートフィルムロール14から、3層構造のラミネートフィルム13が引き出され、剥離ローラ15及び剥離ローラ16の間に挿入される。巻き取りローラ17にPET基材フィルム11が巻き取られ、巻き取りローラ18にPET基材フィルム9が巻き取られる。これにより、3層構造のラミネートフィルム13からPET基材フィルム9が剥離されて、薄膜のFDフィルム19を単層で取出すことができる。FDフィルム19は、巻き取りローラ20に引っ張られて、巻き取られる。以上説明した製造方法により、本発明のFDフィルムを製造することができる。
本発明のFDフィルムには、少なくとも一方の面にガスバリア膜を製膜してもよい。このような積層体は、電子機器のディスプレイに用いることができ、特に、タッチパネル基板として有用である。
ガスバリア膜としては酸化珪素膜やアルミナなどの無機膜、ポリビニルアルコール系樹脂やエチレン−ビニルアルコール系共重合体などのビニルアルコール系樹脂からなる有機膜が挙げられる。無機膜としては、厚さ0.01〜0.1μmの酸化珪素膜が好ましく、有機膜としては、0.5〜5μmのエチレン−ビニルアルコール系共重合体が好ましい。
本発明のFDフィルムには、また、少なくとも一方の面に透明導電膜、反射防止膜、耐指紋膜を製膜してもよい。このような積層体は、電子機器のディスプレイに用いることができ、特に、タッチパネル基板として有用である。
透明導電膜としては、インジウムとスズの酸化物(ITO)などの無機膜や、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などの有機膜が挙げられる。
反射防止膜としては、屈折率の異なる複数の無機誘電体薄膜が積層された層であって、各層は、TiO2、Nb25、Zr23、SiN、Ta25、ITO、IZO、GZO、AZO等の高屈折率材料と、SiO2等の低屈折率材料やアンチグレア加工を施した電離放射線硬化型樹脂組成物が挙げられる。
耐指紋膜としては、紫外線硬化型のアクリル変性ポリシロキサン組成物、あるいは、紫外線硬化型のアクリル変性ポリシロキサンに、アクリル基含有イソシアネート系化合物を混合した組成物、紫外線硬化型のアクリル系樹脂組成物、変性パーフルオロポリエーテルなどが挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
まず、(A)成分を調製した。具体的には、ポリイソシアネート化合物として、1,6−ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(130g)を用意した。また、水酸基含有(メタ)アクリレートとして、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(870g)を用意した。これらと、重合禁止剤としてのハイドロキノンメチルエーテル0.8gと、溶媒としてのトルエンとを、撹拌機、冷却管、温度計を備えたガラス製の反応機内に投入した。1,6−ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体と、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの−OH基/−NCO基は1/1であった。更に、ウレタン化触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ0.3gを添加して、85度で6時間反応させた後、溶剤を留去して成分(A)の多官能ウレタン(メタ)アクリレートを調製した。
ガラス容器に、上述のようにして調製した成分(A)の多官能ウレタン(メタ)アクリレート193.6gと、成分(B)の脂環構造を有する2官能(メタ)アクリレートとしてトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート96.8gと、成分(A)及び(B)以外の3官能以上の多官能ポリエステルアクリレート677.6gと、成分(C)の光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン9.7gと、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−(アクリロイルエトキシ)ベンゾフェノン0.97gと、増感剤としてチオール化合物19.4gとを添加した。成分(A)の質量(MA)と成分(B)の質量(MB)との質量比(MA)/(MB)は、66.7/33.3であった。
これらをガラス容器内で、40度2時間の条件下で混合撹拌して、重合性組成物を調製した。重合性組成物の粘度は、2700mPa・sであった。
得られた重合性組成物を、PETフィルムであるA4100(東洋紡株式会社製)の未処理面(易接着層が形成されていない面)に、テスター産業株式会社製のバーコーター:ROD#38を用いて塗布した。A4100をもう一枚用意し、当該塗布された重合性組成物上に、A4100の未処理面が接するようにラミネートして、三層構造のラミネートフィルムを調製した。
ラミネートフィルムに、紫外線硬化装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製 商品名:CV−110Q−G)を用いて積算照射量1597mJ/cm2の紫外線を照射し、重合性組成物を硬化させた後、両面のPETフィルムを剥離して、厚みが50μmのFDフィルムを調製した。
厚み100μmとなるように調整した以外は実施例1と同様にしてFDフィルムを作成した。
厚み200μmとなるように調整した以外は実施例1と同様にしてFDフィルムを作成した。
(比較例1)
厚み250μmとなるように調整した以外は実施例1と同様にしてFDフィルムを作成した。
(比較例2)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの両面に活性エネルギー線硬化型アクリル系樹脂を含むハードコート層を備えるハードコートフィルムを作成し、評価を行った。
上記実施例及び比較例について、以下の評価方法に基づいて評価を行った。
鉛筆硬度
JIS K−5600−5−4に準拠して、ハードコート層の表面に750gの荷重をかけた硬度2Hから9Hの鉛筆(三菱UNI)を用い、試験を行い、キズによる外観の変化を目視で評価した。
屈曲性評価
JIS−K5600−5−1に準拠して、マンドレル試験を実施したときに、FDフィルムにクラックの発生しないマンドレル直系を評価した。
密着性評価
FDフィルム表面に、カッターナイフで1mm角の碁盤目を100個刻み、そこにセロハンテープを貼ってから引き剥がす試験を行い、100個の碁盤目のうち剥がれずに残った碁盤目の数で評価した。
結果を表1に示す。
表1から明らかなように、厚みが50μm〜200μmの範囲で、高い屈曲性と実用性のある鉛筆硬度を有する薄膜が得られた。厚みが100μm〜200μmの範囲では、実用性ある屈曲性を損なわずに、表面硬度が特に高いものが得られた。85℃、湿度90%で720時間放置後においても、性能は変わらなかった。つまり高温高湿環境下で硬度、密着性の低下がないことが認められた。
上記実施例では、フォルダブルディスプレイ用フィルムとして説明したが、この発明はこの用途に限られるものでなく、平面ディスプレイ用フィルムとしても用いることができる。
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明で本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係るフォルダブルディスプレイ用フィルムは、表面硬度が優れると同時に、優れた柔軟性を示すという特性を兼ね備え、タッチパネルとして利用できる。
1 製造装置
2 トレイ
3 バックアップローラ
4 ロールナイフ
5,6 ローラ
7 UV照射装置
8,10 基材ローラ
9,11 PET基材フィルム
12 重合性組成物
13 ラミネートフィルム
14 ラミネートフィルムロール
15,16 剥離ローラ
17,18,20 巻き取りローラ
19 FDフィルム

Claims (8)

  1. 厚みが30μm〜200μmの薄膜状で、紫外線硬化型アクリル系樹脂の硬化フィルムからなる、フォルダブルディスプレイ用フィルム。
  2. 前記紫外線硬化型アクリル系樹脂は、(A)ポリイソシアネート化合物(但し、脂環構造を有するものを除く。)と水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させてなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、(B)脂環構造を有する2官能(メタ)アクリレートとを含む、請求項1に記載のフォルダブルディスプレイ用フィルム。
  3. 前記硬化フィルムの鉛筆硬度は3H〜9Hであり、屈曲耐久性はφ10mm以下である請求項1に記載のフォルダブルディスプレイ用フィルム。
  4. 前記硬化フィルムの少なくとも一方の面にガスバリア膜が設けられた、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォルダブルディスプレイ用フィルム。
  5. 前記硬化フィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜が設けられた、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォルダブルディスプレイ用フィルム。
  6. 前記硬化フィルムの少なくとも一方の面に反射防止膜が設けられた、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォルダブルディスプレイ用フィルム。
  7. 前記硬化フィルムの少なくとも一方の面に耐指紋膜が設けられた、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォルダブルディスプレイ用フィルム。
  8. 未処理面を有する透明基材フィルムを2枚準備する工程と、
    1枚の透明基材フィルムの前記未処理面の上に、紫外線硬化型アクリル系樹脂を含む重合性組成物を、その硬化後の厚みが30μm〜200μmになるように、その量を制御して塗布する工程と、
    前記塗布された重合性組成物の上に、もう1枚の透明基材フィルムを、その未処理面が接するようにラミネートし、3層構造のラミネートフィルムを形成する工程と、
    前記3層構造のラミネートフィルムに紫外線を照射して、中間層である前記重合性組成物を硬化させる工程と、
    紫外線照射後の前記ラミネートフィルムから、両面に位置する前記2枚の透明基材フィルムを剥離して、紫外線硬化型アクリル系樹脂の硬化フィルムからなる単層のフォルダブルディスプレイ用フィルムを得る工程と、を備えたフォルダブルディスプレイ用フィルムの製造方法。
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