JP5732740B2 - フレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板およびフレキシブルデバイス - Google Patents

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本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置や電子ペーパーなどに用いられる可撓性を有する基板に関するものである。
金属層とポリイミド層とが積層された可撓性を有する基板の製造方法としては、例えば、金属箔とポリイミドフィルムとを接着剤を介して貼り合せる方法、金属箔とポリイミドフィルムとを加熱圧着する方法、ポリイミドフィルム上に金属を蒸着する方法、金属箔上にポリイミド溶液またはポリイミドの前駆体を塗布する方法が知られている。
また、プラスチックフィルム上に薄膜トランジスタ(以下、TFTと称する場合がある。)を作製した場合に、プラスチックフィルムからのTFTの剥離を防止するために、プラスチックフィルム上に無機材料からなる膜を設けることが提案されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
特開2006−324368号公報 特開2008−147207号公報
金属層とポリイミド層とが積層された可撓性を有する基板の製造方法において、金属箔を用いる方法の場合、例えば金属箔が圧延箔の場合には表面に圧延筋による凹凸が存在し、金属箔が電解箔の場合にも表面に凹凸が存在するため、可撓性を有する基板上にTFTを作製した際にはTFTの電気的性能が低下するという問題がある。また、ポリイミドフィルムを用いる方法の場合、ポリイミドフィルムには通常、耐ブロッキング性を向上させることを目的として粒子が含有されているため、表面に凹凸が存在し、同様に、可撓性を有する基板上にTFTを作製した際にはTFTの電気的性能が低下するという問題がある。
そこで、表面平滑性の良好なポリイミド層が望まれている。
しかしながら、表面平滑性の良好なポリイミド層が得られたとしても、ポリイミドは吸湿性が比較的高いことから、可撓性を有する基板上にTFTを作製する過程において、水分でポリイミド層の寸法が変化することによって、TFTにクラックや剥離が生じるという問題がある。また、水分だけでなく熱によってもポリイミド層の寸法が変化し、同様に、TFTのクラックや剥離という問題が生じる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、金属層とポリイミド層とが積層された可撓性を有する基板上にTFTを作製した際に、金属箔表面の凹凸によるTFTの電気的性能の劣化を抑制することができ、TFTの剥離やクラックを抑制することができるフレキシブルデバイス用基板を提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、金属箔と、上記金属箔上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層と、上記平坦化層上に形成され、無機化合物を含む密着層とを有することを特徴とするフレキシブルデバイス用基板を提供する。
本発明によれば、金属箔上にポリイミドを含む平坦化層が形成されているので、金属箔表面の凹凸を平坦化することができ、本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製した場合には、TFTの電気的性能の低下を防ぐことができる。また本発明によれば、密着層が形成されているので、本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製した場合には、フレキシブルデバイス用基板とTFTとの密着性が良好であり、TFTに剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。
上記発明においては、上記平坦化層がポリイミドを主成分とすることが好ましい。ポリイミドを主成分とすることにより、絶縁性、耐熱性に優れた平坦化層とすることが可能となる。また、ポリイミドを主成分とすることにより、平坦化層の薄膜化が可能となり平坦化層の熱伝導性が向上し、熱伝導性に優れたフレキシブルデバイス用基板とすることができる。
上記発明においては、上記密着層の表面粗さRaが25nm以下であることが好ましい。本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製する場合、密着層が上記の平滑性を有することにより、TFTの電気的性能の低下を効果的に防ぐことができるからである。
また本発明においては、上記密着層を構成する上記無機化合物が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化クロムおよび酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの材料を用いることにより、密着性、平滑性、耐熱性、絶縁性などが良好な膜が得られるからである。
さらに本発明においては、上記密着層が多層膜であってもよい。この場合、上記密着層が、上記平坦化層上に形成され、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化クロムおよび酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種からなる第1密着層と、上記第1密着層上に形成され、酸化ケイ素からなる第2密着層とを有することが好ましい。第1密着層により平坦化層と第2密着層との密着性を高めることができ、第2密着層により平坦化層と本発明のフレキシブルデバイス用基板上に作製されるTFTとの密着性を高めることができる。また、このような構成とすることにより、密着性、平滑性、耐熱性、絶縁性などに優れる密着層とすることができる。
また本発明においては、上記密着層の厚みが、1nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。密着層の厚みが薄すぎると十分な密着性が得られない場合があり、密着層の厚みが厚すぎるとクラックが生じる場合があるからである。
さらに本発明においては、上記平坦化層の表面粗さRaが25nm以下であることが好ましい。本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製する場合、平坦化層が上記の平滑性を有することにより、TFTの電気的性能の低下を効果的に防ぐことができるからである。
また本発明においては、上記平坦化層の吸湿膨張係数が0ppm/%RH〜15ppm/%RHの範囲内であることが好ましい。吸湿膨張係数は吸水性の指標であり、吸湿膨張係数が小さいほど吸水性が小さくなる。したがって、吸湿膨張係数が上記範囲であれば、湿気存在下において高い信頼性を実現することができる。例えば本発明のフレキシブルデバイス用基板を有機EL表示装置に用いる場合には、有機EL表示装置は水分に弱いことから、素子内部の水分を低減するために、吸湿膨張係数は比較的小さいことが好ましい。また、平坦化層の吸湿膨張係数が小さいほど、平坦化層の寸法安定性が向上する。金属箔の吸湿膨張係数はほとんどゼロに近いので、平坦化層の吸湿膨張係数が大きすぎると、平坦化層および金属箔の密着性が低下するおそれがある。
さらに本発明においては、上記金属箔上に上記平坦化層が部分的に形成されていてもよい。本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて例えば有機EL表示装置を作製した場合、金属箔の全面に平坦化層が形成されており平坦化層の端面が露出していると、一般にポリイミドは吸湿性を示すため、製造時や駆動時に平坦化層の端面から素子内部へ水分が浸入し、素子性能が低下するおそれがある。また、本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて例えば有機EL表示装置を作製する場合、封止部材を平坦化層を介することなく金属箔と密着させることが可能となり、有機EL表示装置への水分の浸入を防ぐことが可能となる。さらに、金属箔が露出している領域は、平坦化層および密着層を貫通し金属箔に電気的に導通させるための貫通孔にもなり得る。
また本発明においては、上記平坦化層の厚みが1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。平坦化層の厚みが薄すぎると、絶縁性が維持できなかったり、金属箔表面の凹凸を平坦化することが困難であったりするからである。また、平坦化層の厚みが厚すぎると、フレキシブル性が低下したり、過重になったり、製膜時の乾燥が困難になったり、コストが高くなったりするからである。さらには、本発明のフレキシブルデバイス用基板に放熱機能を付与する場合には、平坦化層の厚みが厚いとポリイミドは金属よりも熱伝導率が低いために熱伝導性が低下する。
さらに本発明においては、上記平坦化層の線熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃の範囲内であることが好ましい。平坦化層の線熱膨張係数が上記範囲であれば、平坦化層および金属箔の線熱膨張係数を近いものとすることができ、フレキシブルデバイス用基板の反りを抑制できるとともに平坦化層および金属箔の密着性を高めることができるからである。
また本発明においては、上記平坦化層の線熱膨張係数と上記金属箔の線熱膨張係数との差が15ppm/℃以下であることが好ましい。上述したように、平坦化層および金属箔の線熱膨張係数が近いほど、フレキシブルデバイス用基板の反りを抑制できるとともに平坦化層および金属箔の密着性が高くなるからである。
さらに本発明においては、上記金属箔の厚みが1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。金属箔の厚みが薄すぎると、酸素や水蒸気に対するガスバリア性が低下したり耐久性に劣ったりする場合があるからである。また、金属箔の厚みが厚すぎると、フレキシブル性が低下したり、過重になったり、コスト高になったりするからである。
また本発明は、上述のフレキシブルデバイス用基板と、上記フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成されたTFTとを有することを特徴とするフレキシブルデバイス用TFT基板を提供する。
本発明によれば、上述のフレキシブルデバイス用基板を用いるので、金属箔表面の凹凸によるTFTの電気的性能の低下を防ぐことができるとともに、密着層によってTFTに剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。
上記発明においては、上記TFTが、酸化物半導体層を有することが好ましい。酸化物半導体は水や酸素の影響によりその電気特性が変化するが、本発明のフレキシブルデバイス用TFT基板は金属箔を有するため、水蒸気の透過を抑制することができるので、半導体の特性劣化を防ぐことができる。また、例えば本発明のフレキシブルデバイス用TFT基板を有機EL表示装置に用いる場合には、有機EL表示装置は水や酸素に対する耐性に劣るが、金属箔によって酸素および水蒸気の透過を抑制することができるので、素子性能の劣化を抑制することができる。
さらに本発明は、上述のフレキシブルデバイス用TFT基板を備えることを特徴とするフレキシブルデバイスを提供する。
本発明によれば、上述のフレキシブルデバイス用TFT基板を用いるので、金属箔表面の凹凸によるTFTの電気的性能の低下を防ぐことができるとともに、フレキシブルデバイスの製造時や使用時においてもTFTに剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。
また本発明は、金属箔、上記金属箔上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層、および上記平坦化層上に形成され、無機化合物を含む密着層を有するフレキシブルデバイス用基板と、上記フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成された背面電極層およびTFTと、上記背面電極層上に形成され、少なくとも有機発光層を含むエレクトロルミネッセンス(以下、ELと称する場合がある。)層と、上記EL層上に形成された透明電極層とを有することを特徴とする有機EL表示装置を提供する。
本発明によれば、上述のフレキシブルデバイス用基板を用いるので、金属箔表面の凹凸によるTFTの電気的性能の低下を防ぐことができるとともに、有機EL表示装置の製造時や使用時においてもTFTに剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。
さらに本発明は、金属箔、上記金属箔上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層、および上記平坦化層上に形成され、無機化合物を含む密着層を有するフレキシブルデバイス用基板と、上記フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成された背面電極層およびTFTと、上記背面電極層上に形成された表示層と、上記表示層上に形成された透明電極層とを有することを特徴とする電子ペーパーを提供する。
本発明によれば、上述のフレキシブルデバイス用基板を用いるので、金属箔表面の凹凸によるTFTの電気的性能の低下を防ぐことができるとともに、電子ペーパーの製造時や使用時においてもTFTに剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。
本発明においては、金属箔上に平坦化層が形成されているので、金属箔表面の凹凸を平坦化することができ、TFTの電気的性能の低下を防ぐことができるとともに、密着層が形成されているので、フレキシブルデバイス用基板とTFTとの密着性が良好であり、TFTに剥離やクラックが生じるのを防ぐことができるという効果を奏する。
本発明のフレキシブルデバイス用基板の一例を示す概略断面図である。 本発明のフレキシブルデバイス用TFT基板の一例を示す概略断面図である。 本発明のフレキシブルデバイス用TFT基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明のフレキシブルデバイス用TFT基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明のフレキシブルデバイス用基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明のフレキシブルデバイス用基板の他の例を示す概略断面図および平面図である。 本発明のフレキシブルデバイス用基板を備える電極基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の電子ペーパーの一例を示す概略断面図である。 本発明のフレキシブルデバイス用基板の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明のフレキシブルデバイス用基板、フレキシブルデバイス用TFT基板、フレキシブルデバイス、有機EL表示装置および電子ペーパーについて詳細に説明する。
A.フレキシブルデバイス用基板
まず、本発明のフレキシブルデバイス用基板について説明する。
本発明のフレキシブルデバイス用基板は、金属箔と、上記金属箔上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層と、上記平坦化層上に形成され、無機化合物を含む密着層とを有することを特徴とするものである。
本発明のフレキシブルデバイス用基板について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のフレキシブルデバイス用基板の一例を示す概略断面図である。図1に例示するフレキシブルデバイス用基板1は、金属箔2と、金属箔2上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層3と、平坦化層3上に形成され、無機化合物を含む密着層4とを有している。
図2(a)〜図4(b)は、本発明のフレキシブルデバイス用基板を備えるTFT基板の例を示す概略断面図である。
図2(a)に例示するTFT基板10Aは、トップゲート・ボトムコンタクト構造を有するTFTを備えており、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成されたソース電極12Sおよびドレイン電極12Dならびに半導体層11と、ソース電極12Sおよびドレイン電極12Dならびに半導体層11上に形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成されたゲート電極13Gとを有している。
図2(b)に例示するTFT基板10Aは、トップゲート・トップコンタクト構造を有するTFTを備えており、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成された半導体層11ならびにソース電極12Sおよびドレイン電極12Dと、半導体層11ならびにソース電極12Sおよびドレイン電極12D上に形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成されたゲート電極13Gとを有している。
図3(a)に例示するTFT基板10Aは、ボトムゲート・ボトムコンタクト構造を有するTFTを備えており、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成されたゲート電極13Gと、ゲート電極13Gを覆うように形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成されたソース電極12Sおよびドレイン電極12Dならびに半導体層11と、ソース電極12Sおよびドレイン電極12Dならびに半導体層11上に形成された保護膜15とを有している。
図3(b)に例示するTFT基板10Aは、ボトムゲート・トップコンタクト構造を有するTFTを備えており、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成されたゲート電極13Gと、ゲート電極13Gを覆うように形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成された半導体層11ならびにソース電極12Sおよびドレイン電極12Dと、半導体層11ならびにソース電極12Sおよびドレイン電極12D上に形成された保護膜15とを有している。
図4(a)に例示するTFT基板10Aは、コプレーナ型構造を有するTFTを備えており、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成された半導体層11と、半導体層11上に形成されたソース電極12Sおよびドレイン電極12Dと、半導体層11上に形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成されたゲート電極13Gとを有している。
図4(b)に例示するTFT基板10Aも、コプレーナ型構造を有するTFTを備えており、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成されたゲート電極13Gと、ゲート電極13G上に形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成された半導体層11と、半導体層11上に形成されたソース電極12Sおよびドレイン電極12Dと、半導体層11上に形成された保護膜15とを有している。
本発明によれば、金属箔上にポリイミドを含む平坦化層が形成されているので、金属箔表面の凹凸を平坦化することができ、TFTの電気的性能の低下を防ぐことができる。また本発明によれば、平坦化層上に密着層が形成されているので、フレキシブルデバイス用基板とTFTとの密着性に優れており、TFT基板の製造時に水分や熱が加わってポリイミドを含む平坦化層の寸法が変化した場合であっても、TFTを構成する電極や半導体層に剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。
また、本発明のフレキシブルデバイス用基板は金属箔を有するので、水分や酸素の透過を低減することができる。よって、本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて有機EL表示装置を作製した場合には、水分や酸素によるEL層の劣化を抑制することができ、また本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて液晶表示方式の電子ペーパーを作製した場合には、液晶が水蒸気に曝されるのを抑制することができる。さらに本発明によれば、一般に金属箔は熱伝導性に優れるので、放熱性を有するフレキシブルデバイス用基板とすることができる。よって、本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて有機EL表示装置を作製した場合、有機EL表示装置の発光時の発熱によってEL層が劣化し、輝度ムラが生じたり素子寿命が短くなったりするのを抑制することができる。
また、本発明のフレキシブルデバイス用基板は金属箔を有するので、強度を高めることができる。よって、本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて有機EL表示装置や電子ペーパーを作製した場合、耐久性を向上させることができる。
以下、本発明のフレキシブルデバイス用基板の各構成について説明する。
1.密着層
本発明における密着層は、平坦化層上に形成され、無機化合物を含むものであり、ポリイミドを含む平坦化層と本発明のフレキシブルデバイス用基板上に作製されるTFTとの間で十分な密着力を得るために設けられる層である。
密着層は平滑性を有することが好ましい。密着層の表面粗さRaは、金属箔の表面粗さRaよりも小さければよく、具体的に、25nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以下である。密着層の表面粗さRaが大きすぎると、本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製した際に、TFTの電気的性能が劣化するおそれがあるからである。
なお、上記表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)もしくは走査型白色干渉計を用いて測定した値である。例えば、AFMを用いて測定する場合は、Nanoscope V multimode(Veeco社製)を用いて、タッピングモードで、カンチレバー:MPP11100、走査範囲:50μm×50μm、走査速度:0.5Hzにて、表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することよりRaを求めることができる。また、走査型白色干渉計を用いて測定する場合は、New View 5000(Zygo社製)を用いて、対物レンズ:100倍、ズームレンズ:2倍、Scan Length:15μmにて、50μm×50μmの範囲の表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することよりRaを求めることができる。
また、密着層は耐熱性を有することが好ましい。本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製する場合、TFTの作製時には通常、高温処理が施されるからである。密着層の耐熱性としては、密着層の5%重量減少温度が300℃以上であることが好ましい。
なお、5%重量減少温度の測定については、熱分析装置(DTG−60((株)島津製作所製))を用いて、雰囲気:窒素雰囲気、温度範囲:30℃〜600℃、昇温速度:10℃/minにて、熱重量・示差熱(TG−DTA)測定を行い、試料の重量が5%減る温度を5%重量減少温度(℃)とした。
密着層は、通常、絶縁性を有する。本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製する場合には、フレキシブルデバイス用基板に絶縁性が求められるからである。
また、本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製する場合、密着層は、ポリイミドを含む平坦化層に含まれる不純物イオンなどがTFTの半導体層に拡散するのを防ぐものであることが好ましい。具体的に、密着層のイオン透過性としては、鉄(Fe)イオン濃度が0.1ppm以下であることが好ましく、あるいはナトリウム(Na)イオン濃度が50ppb以下であることが好ましい。なお、Feイオン、Naイオンの濃度の測定方法としては、密着層上に形成された層をサンプリングして抽出した後、イオンクロマトグラフィー法により分析する方法が用いられる。
密着層を構成する無機化合物としては、上述の特性を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化クロム、酸化チタンを挙げることができる。これらは1種であってもよく2種以上であってもよい。
密着層は、単層であってもよく多層であってもよい。
密着層が多層膜である場合、上述の無機化合物からなる層が複数層積層されていてもよく、上述の無機化合物からなる層と金属からなる層とが積層されていてもよい。この場合に用いられる金属としては、上述の特性を満たす密着層を得ることができれば特に限定されるものではなく、例えば、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素を挙げることができる。
また、密着層が多層膜である場合、密着層の最表層は酸化ケイ素膜であることが好ましい。すなわち、本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製する際、酸化ケイ素膜上にTFTが作製されることが好ましい。酸化ケイ素膜は上述の特性を十分に満たすからである。この場合の酸化ケイ素はSiO(Xは1.5〜2.0の範囲内)であることが好ましい。
中でも、密着層4は、図5に例示するように、平坦化層3上に形成され、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化クロムおよび酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種からなる第1密着層4aと、第1密着層4a上に形成され、酸化ケイ素からなる第2密着層4bとを有することが好ましい。第1密着層により平坦化層と第2密着層との密着性を高めることができ、第2密着層により平坦化層と本発明のフレキシブルデバイス用基板上に作製されるTFTとの密着性を高めることができるからである。また、酸化ケイ素からなる第2密着層は上述の特性を十分に満たすからである。
密着層の厚みは、上述の特性を満たすことができる厚みであれば特に限定されないが、具体的には、1nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。中でも、密着層が上述したように第1密着層および第2密着層を有する場合、第2密着層の厚みは第1密着層よりも厚く、第1密着層は比較的薄く、第2密着層は比較的厚いことが好ましい。この場合、第1密着層の厚みは、0.1nm〜50nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5nm〜20nmの範囲内、さらに好ましくは1nm〜10nmの範囲内である。また、第2密着層の厚みは、10nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは50nm〜300nmの範囲内、さらに好ましくは80nm〜120nmの範囲内である。厚みが薄すぎると、十分な密着性が得られないおそれがあり、厚みが厚すぎると、密着層にクラックが生じるおそれがあるからである。
密着層は、金属箔上に全面に形成されていてもよく、金属箔上に部分的に形成されていてもよい。中でも、後述するように平坦化層が金属箔上に部分的に形成されている場合には、図6(a)に例示するように、密着層4も平坦化層3と同様に金属箔2上に部分的に形成されていることが好ましい。金属箔上に直に無機化合物を含む密着層が形成されていると、密着層にクラックなどが生じる場合があるからである。すなわち、密着層および平坦化層は同様の形状であることが好ましい。
密着層の形成方法としては、上述の無機化合物からなる層や上述の金属からなる層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、DC(直流)スパッタリング法、RF(高周波)マグネトロンスパッタリング法、プラズマCVD(化学気相蒸着)法等を挙げることができる。中でも、上述の無機化合物からなる層を形成する場合であって、アルミニウムやケイ素を含む層を形成する場合には、反応性スパッタリング法を用いることが好ましい。平坦化層との密着性に優れる膜が得られるからである。
2.平坦化層
本発明における平坦化層は、金属箔上に形成され、ポリイミドを含むものであり、金属箔表面の凹凸を平坦化するために設けられる層である。
平坦化層の表面粗さRaとしては、金属箔の表面粗さRaよりも小さければよいが、具体的には、25nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以下である。なお、上記表面粗さの測定方法については、上記密着層の表面粗さの測定方法と同様である。
平坦化層はポリイミドを含むものであり、好ましくはポリイミドを主成分とする。一般にポリイミドは吸水性を有する。TFTや有機EL表示装置などに用いられる半導体材料には水分に弱いものが多いことから、素子内部の水分を低減し、湿気存在下において高い信頼性を実現するために、平坦化層は吸水性が比較的小さいことが好ましい。吸水性の指標の一つとして、吸湿膨張係数がある。したがって、平坦化層の吸湿膨張係数は小さければ小さいほど好ましく、具体的には0ppm/%RH〜15ppm/%RHの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0ppm/%RH〜12ppm/%RHの範囲内、さらに好ましくは0ppm/%RH〜10ppm/%RHの範囲内である。吸湿膨張係数が小さいほど、吸水性が小さくなる。例えば本発明のフレキシブルデバイス用基板を有機EL表示装置に用いる場合、有機EL表示装置は水分に弱いことから、素子内部の水分を低減するために、吸湿膨張係数は比較的小さいことが好ましい。また、平坦化層の吸湿膨張係数が上記範囲であれば、平坦化層の吸水性を十分小さくすることができ、フレキシブルデバイス用基板の保管が容易であり、フレキシブルデバイス用基板を用いて例えばTFT基板や有機EL表示装置を作製する場合にはその工程が簡便になる。さらに、吸湿膨張係数が小さいほど、寸法安定性が向上する。平坦化層の吸湿膨張係数が大きいと、吸湿膨張係数がほとんどゼロに近い金属箔との膨張率の差によって、湿度の上昇とともにフレキシブルデバイス用基板が反ったり、平坦化層および金属箔の密着性が低下したりする場合がある。したがって、製造過程においてウェットプロセスが行われる場合にも、吸湿膨張係数が小さいことが好ましい。
なお、吸湿膨張係数は、次のように測定する。まず、平坦化層のみのフィルムを作製する。平坦化層フィルムの作成方法は、耐熱フィルム(ユーピレックス S 50S(宇部興産(株)製))やガラス基板上に平坦化層フィルムを作製した後、平坦化層フィルムを剥離する方法や金属基板上に平坦化層フィルムを作製した後、金属をエッチングで除去し平坦化層フィルムを得る方法などがある。次いで、得られた平坦化層フィルムを幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとする。吸湿膨張係数は、湿度可変機械的分析装置(Thermo Plus TMA8310(リガク社製))によって測定する。例えば、温度を25℃で一定とし、まず、湿度を15%RHの環境下でサンプルが安定となった状態とし、概ね30分〜2時間その状態を保持した後、測定部位の湿度を20%RHとし、さらにサンプルが安定になるまで30分〜2時間その状態を保持する。その後、湿度を50%RHに変化させ、それが安定となった際のサンプル長と20%RHで安定となった状態でのサンプル長との違いを、湿度の変化(この場合50−20の30)で割り、その値をサンプル長で割った値を吸湿膨張係数(C.H.E.)とする。測定の際、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重は1g/25000μm2とする。
また、平坦化層の線熱膨張係数は、寸法安定性の観点から、金属箔の線熱膨張係数との差が15ppm/℃以下であることが好ましく、より好ましくは10ppm/℃以下、さらに好ましくは5ppm/℃以下である。平坦化層と金属箔との線熱膨張係数が近いほど、フレキシブルデバイス用基板の反りが抑制されるとともに、フレキシブルデバイス用基板の熱環境が変化した際に、平坦化層と金属箔との界面の応力が小さくなり密着性が向上する。また、本発明のフレキシブルデバイス用基板は、取り扱い上、0℃〜100℃の範囲の温度環境下では反らないことが好ましいのであるが、平坦化層の線熱膨張係数が大きいために平坦化層および金属箔の線熱膨張係数が大きく異なると、フレキシブルデバイス用基板が熱環境の変化により反ってしまう。
なお、フレキシブルデバイス用基板に反りが発生していないとは、フレキシブルデバイス用基板を幅10mm、長さ50mmの短冊状に切り出し、得られたサンプルの一方の短辺を水平で平滑な台上に固定した際に、サンプルのもう一方の短辺の台表面からの浮上距離が1.0mm以下であることをいう。
具体的に、平坦化層の線熱膨張係数は、寸法安定性の観点から、0ppm/℃〜30ppm/℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0ppm/℃〜25ppm/℃の範囲内、さらに好ましくは0ppm/℃〜18ppm/℃の範囲内、特に好ましくは0ppm/℃〜12ppm/℃の範囲内、最も好ましくは0ppm/℃〜7ppm/℃の範囲内である。
なお、線熱膨張係数は、次のように測定する。まず、平坦化層のみのフィルムを作製する。平坦化層フィルムの作成方法は、上述したとおりである。次いで、得られた平坦化層を幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとする。線熱膨張係数は、熱機械分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製))によって測定する。測定条件は、昇温速度を10℃/min、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とし、100℃〜200℃の範囲内の平均の線熱膨張係数を線熱膨張係数(C.T.E.)とする。
平坦化層は絶縁性を備えるものである。具体的に、平坦化層の体積抵抗は、1.0×109Ω・m以上であることが好ましく、1.0×1010Ω・m以上であることがより好ましく、1.0×1011Ω・m以上であることがさらに好ましい。
なお、体積抵抗は、JIS K6911、JIS C2318、ASTM D257 などの規格に準拠する手法で測定することが可能である。
平坦化層を構成するポリイミドとしては、上述の特性を満たすものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリイミドの構造を適宜選択することで、吸湿膨張係数や線熱膨張係数を制御することが可能である。
ポリイミドとしては、平坦化層の線熱膨張係数や吸湿膨張係数を本発明のフレキシブルデバイス用基板に好適なものとする観点から、芳香族骨格を含むポリイミドであることが好ましい。ポリイミドの中でも芳香族骨格を含有するポリイミドは、その剛直で平面性の高い骨格に由来して、耐熱性や薄膜での絶縁性に優れ、線熱膨張係数も低いことから、本発明のフレキシブルデバイス用基板の平坦化層に好ましく用いられる。
ポリイミドは、低吸湿膨張、低線熱膨張であることが求められるため、下記式(1)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。このようなポリイミドは、その剛直な骨格に由来する高い耐熱性や絶縁性を示すとともに、金属と同等の線熱膨張を示す。さらには、吸湿膨張係数も小さくすることが可能である。
Figure 0005732740
(式(1)中、R1は4価の有機基、R2は2価の有機基であり、繰り返されるR1同士およびR2同士はそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。nは1以上の自然数である。)
式(1)において、一般に、Rはテトラカルボン酸二無水物由来の構造であり、Rはジアミン由来の構造である。
ポリイミドに適用可能なテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、4,4’−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4’−ビス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ぺリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
ポリイミドの耐熱性、線熱膨張係数などの観点から好ましく用いられるテトラカルボン酸二無水物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物である。特に好ましく用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、メロファン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物が挙げられる。
中でも、吸湿膨張係数を低減させる観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物が特に好ましい。
併用するテトラカルボン酸二無水物としてフッ素が導入されたテトラカルボン酸二無水物を用いると、ポリイミドの吸湿膨張係数が低下する。しかしながら、フッ素を含んだ骨格を有するポリイミド前駆体は、塩基性水溶液に溶解しにくく、アルコール等の有機溶媒と塩基性水溶液との混合溶液によって現像を行う必要がある。
また、ピロメリット酸二無水物、メロファン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの剛直なテトラカルボン酸二無水物を用いると、ポリイミドの線熱膨張係数が小さくなるので好ましい。中でも、線熱膨張係数と吸湿膨張係数とのバランスの観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
テトラカルボン酸二無水物として脂環骨格を有する場合、ポリイミド前駆体の透明性が向上するため、高感度の感光性ポリイミド前駆体となる。一方で、ポリイミドの耐熱性や絶縁性が芳香族ポリイミドと比較して劣る傾向にある。
芳香族のテトラカルボン酸二無水物を用いた場合、耐熱性に優れ、低線熱膨張係数を示すポリイミドとなるというメリットがある。したがって、ポリイミドにおいて、上記式(1)中のRのうち33モル%以上が、下記式で表わされるいずれかの構造であることが好ましい。
Figure 0005732740
ポリイミドが上記式のいずれかの構造を含むと、これら剛直な骨格に由来し、低線熱膨張および低吸湿膨張を示す。さらには、市販で入手が容易であり、低コストであるというメリットもある。
上記のような構造を有するポリイミドは、高耐熱性、低線熱膨張係数を示すポリイミドである。そのため、上記式で表わされる構造の含有量は上記式(1)中のRのうち100モル%に近ければ近いほど好ましいが、少なくとも上記式(1)中のRのうち33%以上含有すればよい。中でも、上記式で表わされる構造の含有量は上記式(1)中のRのうち50モル%以上であることが好ましく、さらに70モル%以上であることが好ましい。
一方、ポリイミドに適用可能なジアミン成分も、1種類のジアミン単独で、または2種類以上のジアミンを併用して用いることができる。用いられるジアミン成分は特に限定されるものではなく、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンが挙げられる。また、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部もしくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンも使用することができる。
さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、およびイソプロペニル基のいずれか1種または2種以上を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部もしくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
ジアミンは、目的の物性によって選択することができ、p−フェニレンジアミンなどの剛直なジアミンを用いれば、ポリイミドは低膨張係数となる。剛直なジアミンとしては、同一の芳香環に2つアミノ基が結合しているジアミンとして、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2、6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノアントラセンなどが挙げられる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接または置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(2)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
Figure 0005732740
(式(2)中、aは0または1以上の自然数、アミノ基はベンゼン環同士の結合に対して、メタ位または、パラ位に結合する。)
さらに、上記式(2)において、他のベンゼン環との結合に関与せず、ベンゼン環上のアミノ基が置換していない位置に置換基を有するジアミンも用いることができる。これら置換基は、1価の有機基であるがそれらは互いに結合していてもよい。具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
また、芳香環の置換基としてフッ素を導入すると吸湿膨張係数を低減させることができる。しかしながら、フッ素を含むポリイミド前駆体、特にポリアミック酸は、塩基性水溶液に溶解しにくく、金属箔上に平坦化層を部分的に形成する場合には、平坦化層の加工の際に、アルコールなどの有機溶媒との混合溶液で現像する必要がある場合がある。
一方、ジアミンとして、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどのシロキサン骨格を有するジアミンを用いると、金属箔との密着性を改善したり、ポリイミドの弾性率が低下し、ガラス転移温度を低下させたりすることができる。
ここで、選択されるジアミンは耐熱性の観点より芳香族ジアミンが好ましいが、目的の物性に応じてジアミンの全体の60モル%、好ましくは40モル%を超えない範囲で、脂肪族ジアミンやシロキサン系ジアミン等の芳香族以外のジアミンを用いてもよい。
また、ポリイミドにおいては、上記式(1)中のRのうち33モル%以上が下記式で表わされるいずれかの構造であることが好ましい。
Figure 0005732740
(Rは2価の有機基、酸素原子、硫黄原子、またはスルホン基であり、RおよびRは1価の有機基、またはハロゲン原子である。)
ポリイミドが上記式のいずれかの構造を含むと、これら剛直な骨格に由来し、低線熱膨張および低吸湿膨張を示す。さらには、市販で入手が容易であり、低コストであるというメリットもある。
上記のような構造を有する場合、ポリイミドの耐熱性が向上し、線熱膨張係数が小さくなる。そのため、上記式で表される構造の含有量は上記式(1)中のRのうち100モル%に近ければ近いほど好ましいが、上記式(1)中のRのうち少なくとも33%以上含有すればよい。中でも、上記式で表わされる構造の含有量は上記式(1)中のRのうち50モル%以上であることが好ましく、さらに70モル%以上であることが好ましい。
一般に金属箔の線熱膨張係数、すなわち金属の線熱膨張係数はある程度定まっているため、使用する金属箔の線熱膨張係数に応じて平坦化層の線熱膨張係数を決定し、ポリイミドの構造を適宜選択することが好ましい。
また、本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いてTFT基板を作製する場合には、TFTの線熱膨張係数に応じて金属箔の線熱膨張係数を決定し、その金属箔の線熱膨張係数に応じて平坦化層の線熱膨張係数を決定し、ポリイミドの構造を適宜選択することが好ましい。
さらに、本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて有機EL表示装置や電子ペーパーを作製する場合には、有機EL表示装置や電子ペーパーの線熱膨張係数に応じて金属箔の線熱膨張係数を決定し、その金属箔の線熱膨張係数に応じて平坦化層の線熱膨張係数を決定し、ポリイミドの構造を適宜選択することが好ましい。
本発明においては、平坦化層が上述の式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含有していればよく、必要に応じて適宜、このポリイミドと他のポリイミドとを積層したり組み合わせたりして、平坦化層として用いてもよい。
また、上記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドは、感光性ポリイミドまたは感光性ポリイミド前駆体を用いて得られるものであってもよい。感光性ポリイミドは、公知の手法を用いて得ることができる。例えば、ポリアミック酸のカルボキシル基にエステル結合やイオン結合でエチレン性二重結合を導入し、得られるポリイミド前駆体に光ラジカル開始剤を混合し、溶剤現像ネガ型感光性ポリイミド前駆体とすることができる。また例えば、ポリアミック酸やその部分エステル化物にナフトキノンジアジド化合物を添加し、アルカリ現像ポジ型感光性ポリイミド前駆体とする、あるいは、ポリアミック酸にニフェジピン系化合物を添加しアルカリ現像ネガ型感光性ポリイミド前駆体とするなど、ポリアミック酸に光塩基発生剤を添加し、アルカリ現像ネガ型感光性ポリイミド前駆体とすることができる。
これらの感光性ポリイミド前駆体には、ポリイミド成分の重量に対して15%〜35%の感光性付与成分が添加されている。そのため、パターン形成後に300℃〜400℃で加熱したとしても、感光性付与成分由来の残渣がポリイミド中に残存する。これらの残存物が線熱膨張係数や吸湿膨張係数を大きくする原因となることから、感光性ポリイミド前駆体を用いると、非感光性のポリイミド前駆体を用いた場合に比べて、素子の信頼性が低下する傾向にある。しかしながら、ポリアミック酸に光塩基発生剤を添加した感光性ポリイミド前駆体は、添加剤である光塩基発生剤の添加量を15%以下にしてもパターン形成可能であることから、ポリイミドとした後も添加剤由来の分解残渣が少なく、線熱膨張係数や吸湿膨張係数などの特性の劣化が少なく、さらにアウトガスも少ないため、本発明に適用可能な感光性ポリイミド前駆体としては最も好ましい。
ポリイミドに用いられるポリイミド前駆体は、塩基性水溶液によって現像可能であることが、金属箔上に平坦化層を部分的に形成する際に、作業環境の安全性確保およびプロセスコストの低減の観点から好ましい。塩基性水溶液は、安価に入手でき、廃液処理費用や作業安全性確保のための設備費用が安価であるため、より低コストでの生産が可能となる。
平坦化層はポリイミドを含むものであればよいが、中でもポリイミドを主成分とすることが好ましい。ポリイミドを主成分とすることにより、絶縁性、耐熱性に優れた平坦化層とすることが可能となる。また、ポリイミドを主成分とすることにより、平坦化層の薄膜化が可能となり平坦化層の熱伝導性が向上し、熱伝導性に優れたフレキシブルデバイス用基板とすることができる。
なお、平坦化層がポリイミドを主成分とするとは、上述の特性を満たす程度に、平坦化層がポリイミドを含有することをいう。具体的には、平坦化層中のポリイミドの含有量が75質量%以上の場合をいい、好ましくは90質量%以上であり、特に平坦化層がポリイミドのみからなることが好ましい。平坦化層中のポリイミドの含有量が上記範囲であれば、本発明の目的を達成するのに十分な特性を示すことが可能であり、ポリイミドの含有量が多いほど、ポリイミド本来の耐熱性や絶縁性などの特性が良好となる。
平坦化層には、必要に応じて、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤等の添加剤が含有されていてもよい。
平坦化層は、金属箔上に全面に形成されていてもよく、金属箔上に部分的に形成されていてもよい。すなわち、金属箔の平坦化層および密着層が形成されている面に、平坦化層および密着層が存在せず、金属箔が露出している金属箔露出領域が設けられていてもよい。このような金属箔露出領域を有する場合には、本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて有機EL表示装置を作製する際に、封止部材と金属箔とを直に密着させることが可能となり、有機EL表示装置への水分の浸入をより強固に防ぐことが可能となる。また、封止部を金属箔露出領域に選択的に形成することで、有機EL表示装置を面内で区分けしたり、多面付けした状態で封止したりすることが可能となり、高い生産性で素子を製造できるといった利点を有する。また、金属箔露出領域は、平坦化層および密着層を貫通し金属箔に電気的に導通をとるための貫通孔にもなり得る。
平坦化層が金属箔上に部分的に形成されている場合、図6(a)、(b)に例示するように、平坦化層3は、少なくとも金属箔2の外縁部を除いて形成されていてもよい。なお、図6(a)は図6(b)のA−A線断面図であり、図6(b)において密着層は省略されている。本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて有機EL表示装置や電子ペーパーを作製した場合に、金属箔の全面に平坦化層が形成されており平坦化層の端部が露出していると、一般にポリイミドは吸湿性を示すため、製造時や駆動時に平坦化層の端面から素子内部に水分が浸入するおそれがある。この水分によって、素子性能が劣化したり、平坦化層の寸法が変化したりする。そのため、金属箔の外縁部には平坦化層が形成されておらず、直接外気にポリイミドを含有する平坦化層が曝される部分をできる限り少なくすることが好ましい。
なお、本発明において、平坦化層が金属箔上に部分的に形成されているとは、平坦化層が金属箔の全面に形成されていないことを意味する。
平坦化層は、金属箔の外縁部を除いて金属箔上に一面に形成されていてもよく、金属箔の外縁部を除いて金属箔上にさらにパターン状に形成されていてもよい。
平坦化層の厚みは、上述の特性を満たすことができる厚みであれば特に限定されないが、具体的には、1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1μm〜200μmの範囲内、さらに好ましくは1μm〜100μmの範囲内である。平坦化層の厚みが薄すぎると、絶縁性が維持できなかったり、金属箔表面の凹凸を平坦化することが困難であったりするからである。また、平坦化層の厚みが厚すぎると、フレキシブル性が低下したり、過重になったり、製膜時の乾燥が困難になったり、材料使用量が増えるためにコストが高くなったりするからである。さらには、本発明のフレキシブルデバイス用基板に放熱機能を付与する場合には、平坦化層の厚みが厚いとポリイミドは金属よりも熱伝導率が低いために熱伝導性が低下する。
平坦化層の形成方法としては、平滑性の良好な平坦化層が得られる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、金属箔上にポリイミド溶液またはポリイミド前駆体溶液を塗布する方法、金属箔とポリイミドフィルムとを接着剤を介して貼り合せる方法、金属箔とポリイミドフィルムとを加熱圧着する方法を用いることができる。中でも、ポリイミド溶液またはポリイミド前駆体溶液を塗布する方法が好ましい。平滑性に優れる平坦化層が得られるからである。特に、ポリイミド前駆体溶液を塗布する方法が好適である。一般にポリイミドは溶媒への溶解性に乏しいからである。また、溶媒への溶解性が高いポリイミドは、耐熱性、線熱膨張係数、吸湿膨張係数などの物性に劣るからである。
塗布方法としては、平滑性の良好な平坦化層を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、バーコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
ポリイミド溶液またはポリイミド前駆体溶液を塗布する場合、塗布後にポリイミドまたはポリイミド前駆体のガラス転移温度以上に加熱することで、膜の流動性を高め、平滑性を良くすることもできる。
また、平坦化層を金属箔上に部分的に形成する場合、その形成方法としては、印刷法、フォトリソグラフィー法、レーザー等で直接加工する方法を用いることができる。フォトリソグラフィー法としては、例えば、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を金属箔上に製膜後、ポリアミック酸膜上に感光性樹脂膜を形成し、フォトリソグラフィー法により感光性樹脂膜パターンを形成し、その後、そのパターンをマスクとして、パターン開口部のポリアミック酸膜を除去した後、感光性樹脂膜パターンを除去し、ポリアミック酸をイミド化する方法;上記感光性樹脂膜パターンの形成時に同時にポリアミック酸膜も現像し、その後、感光性樹脂膜パターンを除去し、ポリアミック酸をイミド化する方法;金属箔および平坦化層の積層体の状態で、平坦化層上に感光性樹脂膜パターンを形成し、そのパターンに沿って平坦化層をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングした後、感光性樹脂パターンを除去する方法;金属箔と平坦化層と金属箔とが積層された積層体の一方の金属箔をパターニングし、そのパターンをマスクとして平坦化層をエッチングした後、金属パターンを除去する方法;感光性ポリイミドまたは感光性ポリイミド前駆体を用いて、金属箔上に直接、平坦化層のパターンを形成する方法が挙げられる。印刷法としては、グラビア印刷やフレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット法など公知の印刷技術を用いた方法を例示することができる。
3.金属箔
本発明における金属箔は、上記の平坦化層および密着層を支持するものである。
金属箔の線熱膨張係数としては、寸法安定性の観点から、0ppm/℃〜25ppm/℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0ppm/℃〜18ppm/℃の範囲内、さらに好ましくは0ppm/℃〜12ppm/℃の範囲内、特に好ましくは0ppm/℃〜7ppm/℃の範囲内である。なお、上記線熱膨張係数の測定方法については、金属箔を幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとする以外は、上記平坦化層の線熱膨張係数の測定方法と同様である。
また、金属箔は耐酸化性を有することが好ましい。本発明のフレキシブルデバイス用基板上にTFTを作製する場合、通常、TFTの作製時に高温処理が施されるからである。特に、TFTが酸化物半導体層を有する場合には、酸素の存在下、高温でアニール処理が行なわれることから、金属箔は耐酸化性を有することが好ましい。
金属箔を構成する金属材料としては、箔になり得るものであり、上述の特性を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、銅、銅合金、リン青銅、ステンレス鋼(SUS)、金、金合金、ニッケル、ニッケル合金、銀、銀合金、スズ、スズ合金、チタン、鉄、鉄合金、亜鉛、モリブデン等が挙げられる。中でも、大型の素子に適用する場合、SUSが好ましい。SUSは耐酸化性に優れ、また耐熱性にも優れている上、銅などに比べ線熱膨張係数が小さく寸法安定性に優れる。また、SUS304については特に入手しやすいという利点があり、SUS430については入手しやすく、線熱膨張係数がSUS304より小さいという利点もある。一方、本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いてTFT基板を作製する場合、金属箔およびTFTの線熱膨張係数を考慮すると、線熱膨張係数の観点からは、SUS430よりさらに低線熱膨張係数のチタンやインバーが好ましい。ただし、線熱膨張係数のみでなく、耐酸化性、耐熱性、金属箔の展性および延性などに起因する箔の加工性や、コストも考慮に入れて選択するのが望ましい。
金属箔の厚みとしては、上述の特性を満たすことができる厚みであれば特に限定されないが、具体的には、1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1μm〜200μmの範囲内、さらに好ましくは1μm〜100μmの範囲内である。金属箔の厚みが薄すぎると、酸素や水蒸気に対するガスバリア性が低下したり、フレキシブルデバイス用基板の強度が低下したりするおそれがある。また、金属箔の厚みが厚すぎると、フレキシブル性が低下したり、過重になったり、コスト高になったりする。
金属箔は、圧延箔であってもよく電解箔であってもよく、金属材料の種類に応じて適宜選択される。通常、金属箔は圧延により作製される。
金属箔は、図10に例示するように空気との接触面に凹凸を有していてもよい。金属箔が空気との接触面に凹凸を有する場合には、熱拡散が良好となり、放熱性を高めることができる。
凹凸の形成方法としては、例えば金属箔の表面に直接、エンボス加工、エッチング加工、サンドブラスト加工、フロスト加工、スタンプ加工などの加工を施す方法、フォトレジスト等を用いて凹凸パターンを形成する方法、めっき方法、箔状の金属層と表面に凹凸を有する金属層とを貼り合わせる方法が挙げられる。エンボス加工の場合、例えば表面に凹凸を有する圧延ロールを用いてもよい。エッチング加工の場合、金属箔の種類に応じて薬剤が選択される。箔状の金属層と表面に凹凸を有する金属層とを貼り合わせる方法の場合、例えば、ロウ付け、溶接、半田等により金属層同士を接合する、あるいは、エポキシ樹脂等の接着剤を介して金属層同士を貼り合わせることができる。この場合、箔状の金属層と表面に凹凸を有する金属層とは、同じ金属材料で構成されていてもよく、異なる金属材料で構成されていてもよい。
中でも、コスト面から、エンボス加工、エッチング加工が好ましく用いられる。
凹凸の寸法や形状としては、金属箔の空気との接触面が荒れており、表面積を増やすことができれば特に限定されるものではない。凹凸の幅、高さ、ピッチ等としては、金属箔の種類やフレキシブルデバイス用基板の用途等に応じて適宜選択され、例えばシミュレーションにより熱伝導に好適な範囲を求めることができる。
金属箔の表面粗さRaとしては、上記の密着層および平坦化層の表面粗さRaよりも大きいものであり、例えば50nm〜200nm程度である。なお、上記表面粗さの測定方法については、上記密着層の表面粗さの測定方法と同様である。
4.その他の構成
本発明においては、金属箔と平坦化層との間に中間層が形成されていてもよい。例えば、金属箔および平坦化層の間に、金属箔を構成する金属が酸化された酸化膜からなる中間層が形成されていてもよい。これにより、金属箔と平坦化層との密着性を高めることができる。この酸化膜は、金属箔表面が酸化されることで形成される。
また、金属箔の平坦化層が形成されている面とは反対側の面にも上記酸化膜が形成されていてもよい。
5.用途
本発明のフレキシブルデバイス用基板は、図2(a)〜図4(b)に例示されるようなTFT基板に好適に用いられる。
なお、TFT基板については、後述の「B.フレキシブルデバイス用TFT基板」の項に記載するので、ここでの説明は省略する。
また、本発明のフレキシブルデバイス用基板は、図7(a)、(b)に例示するような電極基板にも適用することができる。図7(a)、(b)は、本発明のフレキシブルデバイス用基板を備える電極基板の例を示す概略断面図である。図7(a)に例示する電極基板10Bは、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上にパターン状に形成された電極層21を有しており、図7(b)に例示する電極基板10Bは、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に一面に形成された電極層21を有している。図7(a)に例示するような電極基板は、例えばパッシブマトリクス駆動のトップエミッション型の有機EL表示装置に適用することができる。また、図7(b)に例示するような電極基板は、トップエミッション型の有機EL表示装置に用いることができ、照明用途に適用することができる。
さらに、本発明のフレキシブルデバイス用基板は、パッシブマトリクス型の電子ペーパーにも適用することができる。
B.フレキシブルデバイス用TFT基板
次に、本発明のフレキシブルデバイス用TFT基板(以下、単にTFT基板と称する場合がある。)について説明する。
本発明のTFT基板は、上述のフレキシブルデバイス用基板と、フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成されたTFTとを有することを特徴とするものである。
本発明のTFT基板について、図面を参照しながら説明する。
図2(a)〜図4(b)は、本発明のTFT基板の例を示す概略断面図である。図2(a)に例示するTFT基板10Aは、トップゲート・ボトムコンタクト構造を有するTFTを備え、図2(b)に例示するTFT基板10Aは、トップゲート・トップコンタクト構造を有するTFTを備えている。図3(a)に例示するTFT基板10Aは、ボトムゲート・ボトムコンタクト構造を有するTFTを備え、図3(b)に例示するTFT基板10Aは、ボトムゲート・トップコンタクト構造を有するTFTを備えている。図4(a)、(b)に例示するTFT基板10Aは、コプレーナ型構造を有するTFTを備えている。なお、図2(a)〜図4(b)に示すTFT基板の各構成については、上記「A.フレキシブルデバイス用基板」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上述のフレキシブルデバイス用基板を用いるので、平坦化層によって金属箔表面の凹凸を平坦化することができる。よって、凹凸によるTFTの電気的性能の低下を抑制することができる。また本発明によれば、上述のフレキシブルデバイス用基板を用いるので、フレキシブルデバイス用基板とTFTとの密着性に優れている。よって、本発明のTFT基板の製造時に水分や熱が加わってポリイミドを含む平坦化層の寸法が変化した場合であっても、電極や半導体層に剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。
また、本発明のTFT基板は金属箔を有するので、酸素や水蒸気に対するガスバリア性を有している。よって、本発明のTFT基板を用いて有機EL表示装置を作製した場合には、水分や酸素による素子性能の劣化を抑制することができ、また本発明のフレキシブルデバイス用基板を用いて液晶表示方式の電子ペーパーを作製した場合には、液晶が水蒸気に曝されるのを抑制することができる。さらに、本発明のTFT基板は金属箔を有しており、一般に金属箔は熱伝導性に優れているので、放熱性を有している。よって、本発明のTFT基板を用いて有機EL表示装置を作製した場合、有機EL表示装置の発熱による素子性能の劣化を抑制することができる。
また、本発明のTFT基板は金属箔で支持されているので、耐久性に優れるTFT基板とすることができる。
なお、フレキシブルデバイス用基板については、上記「A.フレキシブルデバイス用基板」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明のTFT基板の他の構成について説明する。
本発明におけるTFTは、フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成されるものである。
TFTの構造としては、例えば、トップゲート構造(正スタガ型)、ボトムゲート構造(逆スタガ型)、コプレーナ型構造を挙げることができる。トップゲート構造(正スタガ型)およびボトムゲート構造(逆スタガ型)の場合には、さらにトップコンタクト構造、ボトムコンタクト構造を挙げることができる。これらの構造は、TFTを構成する半導体層の種類に応じて適宜選択される。
TFTを構成する半導体層としては、フレキシブルデバイス用基板上に形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン、酸化物半導体、有機半導体が用いられる。
シリコンとしては、ポリシリコン、アモルファスシリコンを用いることができる。
酸化物半導体としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化マグネシウム亜鉛(MgZn1−xO)、酸化カドミウム亜鉛(CdZn1−xO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウム(In)、酸化ガリウム(Ga)、酸化スズ(SnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化タングステン(WO)、InGaZnO系、InGaSnO系、InGaZnMgO系、InAlZnO系、InFeZnO系、InGaO系、ZnGaO系、InZnO系を用いることができる。
有機半導体としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素等が挙げられる。
中でも、半導体層は、上述の酸化物半導体からなる酸化物半導体層であることが好ましい。酸化物半導体は水や酸素の影響によりその電気特性が変化するが、本発明のTFT基板は上述したように水蒸気に対するガスバリア性を有するため、半導体の特性劣化を抑制することができる。また、例えば本発明のTFT基板を有機EL表示装置に用いる場合には、有機EL表示装置は水や酸素に対する耐性に劣るが、金属箔によって酸素および水蒸気の透過を抑制することができるので、素子性能の劣化を抑制することができる。
半導体層の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
TFTを構成するゲート電極、ソース電極およびドレイン電極としては、所望の導電性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的にTFTに用いられる導電性材料を用いることができる。このような材料の例としては、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Pt、Mo−Ta合金、W−Mo合金、ITO、IZO等の無機材料、および、PEDOT/PSS等の導電性を有する有機材料を挙げることができる。
ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
TFTを構成するゲート絶縁膜としては、一般的なTFTにおけるゲート絶縁膜と同様のものを用いることができ、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の絶縁性無機材料、および、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の絶縁性有機材料等の絶縁性有機材料を用いることができる。
ゲート絶縁膜の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
TFT上には保護膜が形成されていてもよい。保護膜は、TFTを保護するために設けられるものである。例えば、半導体層が空気中に含有される水分等に曝露されることを防止することができる。保護膜が形成されていることにより、TFT性能の経時劣化を低減することができるのである。このような保護膜としては、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素が用いられる。
保護膜の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
半導体層が酸化物半導体層である場合、酸化物半導体層上に保護膜をスパッタリング法等により形成すると、酸化物半導体では酸素が欠損するおそれがあるが、保護膜の形成後に酸素の存在下でアニール処理を行なうことで、酸素欠陥を補うことができる。このアニール処理は数百度と高温で行なわれるため、ポリイミドを含む平坦化層の寸法変化が懸念されるが、本発明においては密着層が形成されているので、アニール処理によって平坦化層の寸法が変化した場合であっても、平坦化層とTFTとの密着性を維持することができ、TFTの剥離やクラックを抑制することが可能である。
C.フレキシブルデバイス
次に、本発明のフレキシブルデバイスについて説明する。
本発明のフレキシブルデバイスは、上述のTFT基板を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、上述のTFT基板を用いるので、金属箔表面の凹凸によるTFTの電気的性能の低下を防ぐとともに、本発明のフレキシブルデバイスの製造時や使用時に電極や半導体層に剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。
また、本発明のフレキシブルデバイスが有機EL表示装置である場合には、フレキシブルデバイス用基板が水蒸気や酸素に対するガスバリア性を有するので、素子性能の良好な有機EL表示装置とすることができる。さらに、本発明のフレキシブルデバイスが有機EL表示装置である場合、フレキシブルデバイス用基板は放熱性を有するので、有機EL表示装置の発熱による性能劣化を抑制することができる。
また本発明によれば、フレキシブルデバイスが金属箔で支持されているので、耐久性に優れるフレキシブルデバイスとすることができる。
本発明のフレキシブルデバイスは、TFTを備え、可撓性を有するデバイスであれば特に限定されるものではないが、中でも、フレキシブルディスプレイであることが好ましい。フレキシブルディスプレイとしては、例えば、有機EL表示装置、電子ペーパー、反射型液晶表示装置が挙げられる。特に、本発明のフレキシブルデバイスは、有機EL表示装置または電子ペーパーであることが好ましい。フレキシブルディスプレイ以外には、RFIDなどの回路、およびセンサーを例示することができる。
なお、有機EL表示装置については後述の「D.有機EL表示装置」の項に詳しく記載し、電子ペーパーについては、後述の「E.電子ペーパー」の項に詳しく記載するので、ここでの説明は省略する。また、TFT基板については、上記「B.フレキシブルデバイス用TFT基板」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
D.有機EL表示装置
本発明の有機EL表示装置は、上述のTFT基板を備える、すなわち上述のフレキシブルデバイス用基板を備えることを特徴とするものである。具体的に、本発明の有機EL表示装置は、金属箔、上記金属箔上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層、および上記平坦化層上に形成され、無機化合物を含む密着層を有するフレキシブルデバイス用基板と、上記フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成された背面電極層およびTFTと、上記背面電極層上に形成され、少なくとも有機発光層を含むEL層と、上記EL層上に形成された透明電極層とを有することを特徴とするものである。
図8は、本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。図8に例示する有機EL表示装置30は、フレキシブルデバイス用基板1と、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成された駆動用TFT16Aおよびスイッチング用TFT16Bと、駆動用TFT16Aおよびスイッチング用TFT16Bを覆うように形成された保護膜15と、保護膜15上に形成され、スルーホールを介して駆動用TFT16Aのドレイン電極12Dと電気的に接続された背面電極層(画素電極)31と、背面電極層31上に形成され、有機発光層を含むEL層32と、EL層32上に形成された透明電極層33とを有している。フレキシブルデバイス用基板1は、金属箔2と、金属箔2上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層3と、平坦化層3上に形成され、無機化合物を含む密着層4とを有している。駆動用TFT16Aおよびスイッチング用TFT16Bはいずれもボトムゲート・トップコンタクト構造を有し、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成されたゲート電極13Gと、ゲート電極13G上に形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成された半導体層11ならびにソース電極12Sおよびドレイン電極12Dとを有している。
本発明によれば、上述のフレキシブルデバイス用基板を用いるので、金属箔表面の凹凸によるTFTの電気的性能の低下を防ぐとともに、本発明の有機EL表示装置の製造時や使用時にTFTに剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。また、フレキシブルデバイス用基板が水蒸気や酸素に対するガスバリア性を有するので、素子性能を良好に維持することができる。さらに、フレキシブルデバイス用基板が放熱性を有するので、有機EL表示装置の発熱による性能劣化を抑制することができる。また、本発明の有機EL表示装置は金属箔で支持されているので、耐久性に優れたものとすることができる。
なお、フレキシブルデバイス用基板については、上記「A.フレキシブルデバイス用基板」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の有機EL表示装置の他の構成について説明する。
1.TFT
本発明におけるTFTは、フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成されるものである。一般に有機EL表示装置においては、画素毎に駆動用TFTとスイッチング用TFTの2つのTFTが設けられる。
なお、TFTについては、上記「B.フレキシブルデバイス用TFT基板」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
2.背面電極層
本発明における背面電極層は、フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成されるものであり、TFTのドレイン電極と電気的に接続される画素電極である。
背面電極層の材料としては、導電性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、Au、Ta、W、Pt、Ni、Pd、Cr、Cu、Mo、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属単体、これらの金属の酸化物、およびAlLi、AlCa、AlMg等のAl合金、MgAg等のMg合金、Ni合金、Cr合金、アルカリ金属の合金、アルカリ土類金属の合金等の合金などを挙げることができる。これらの導電性材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上を用いて積層させてもよい。また、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)等の導電性酸化物を用いることもできる。
背面電極層の形成方法および厚みとしては、一般的な有機EL表示装置における電極と同様とすることができる。
3.EL層
本発明におけるEL層は、背面電極層上に形成され、有機発光層を含むものであり、少なくとも有機発光層を含む1層もしくは複数層の有機層を有するものである。すなわち、EL層とは、少なくとも有機発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、塗布法でEL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、EL層は1層もしくは2層の有機層を有する場合が多いが、溶媒への溶解性が異なるように有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
有機発光層以外にEL層内に形成される層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層および電子輸送層を挙げることができる。正孔注入層および正孔輸送層は一体化されている場合がある。同様に、電子注入層および電子輸送層は一体化されている場合がある。その他、EL層内に形成される層としては、キャリアブロック層のような正孔もしくは電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
このようにEL層は種々の層を積層した積層構造を有することが多く、積層構造としては多くの種類がある。
EL層を構成する各層としては、一般的な有機EL表示装置に用いられるものと同様とすることができる。
4.透明電極層
本発明における透明電極層は、EL層上に形成されるものである。本発明の有機EL表示装置においては透明電極層側から光を取り出すため、透明電極層は透明性を有している。
透明電極層の材料としては、透明電極を形成可能な導電性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)等の導電性酸化物を用いることができる。
透明電極層の形成方法および厚みとしては、一般的な有機EL表示装置における電極と同様とすることができる。
5.その他の構成
本発明の有機EL表示装置は、上述の構成の他に、必要に応じて、絶縁層、隔壁、封止部材などを有していてもよい。
E.電子ペーパー
本発明の電子ペーパーは、上述のTFT基板を備える、すなわち上述のフレキシブルデバイス用基板を備えることを特徴とするものである。具体的に、本発明の電子ペーパーは、金属箔、上記金属箔上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層、および上記平坦化層上に形成され、無機化合物を含む密着層を有するフレキシブルデバイス用基板と、上記フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成された背面電極層およびTFTと、上記背面電極層上に形成された表示層と、上記表示層上に形成された透明電極層とを有することを特徴とするものである。
図9は、本発明の電子ペーパーの一例を示す概略断面図である。図9に例示する電子ペーパー40は、フレキシブルデバイス用基板1と、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成されたTFT16と、TFT16を覆うように形成された保護膜15と、保護膜15上に形成され、スルーホールを介してTFT16のドレイン電極12Dと電気的に接続された背面電極層(画素電極)41と、背面電極層41上に形成された表示層42と、表示層42上に形成された透明電極層43とを有している。フレキシブルデバイス用基板1は、金属箔2と、金属箔2上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層3と、平坦化層3上に形成され、無機化合物を含む密着層4とを有している。TFT16はボトムゲート・トップコンタクト構造を有し、フレキシブルデバイス用基板1の密着層4上に形成されたゲート電極13Gと、ゲート電極13G上に形成されたゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14上に形成された半導体層11ならびにソース電極12Sおよびドレイン電極12Dとを有している。
本発明によれば、上述のフレキシブルデバイス用基板を用いるので、金属箔表面の凹凸によるTFTの電気的性能の低下を防ぐとともに、本発明の電子ペーパーの製造時や使用時にTFTに剥離やクラックが生じるのを防ぐことができる。また、本発明の電子ペーパーは金属箔で支持されているので、耐久性に優れたものとすることができる。
電子ペーパーの表示方式としては、公知のものを適用することができ、例えば、電気泳動方式、ツイストボール方式、粉体移動方式(電子粉流体方式、帯電トナー型方式)、液晶表示方式、サーマル方式(発色方式、光散乱方式)、エレクトロデポジション方式、可動フィルム方式、エレクトロクロミック方式、エレクトロウェッティング方式、磁気泳動方式などが挙げられる。
電子ペーパーを構成する表示層としては、電子ペーパーの表示方式に応じて適宜選択される。
背面電極層および透明電極層としては、上記有機EL表示装置における背面電極層および透明電極層と同様とすることができる。
なお、フレキシブルデバイス用基板については上記「A.フレキシブルデバイス用基板」の項に詳しく記載し、TFTについては上記「B.フレキシブルデバイス用TFT基板」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[製造例]
(1)ポリイミド前駆体溶液の調製
(製造例1)
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA) 4.0g(20mmol)とパラフェニレンジアミン(PPD) 8.65g(80mmol)とを500mlのセパラブルフラスコに投入し、200gの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、窒素気流下、オイルバスによって液温が50℃になるように熱電対でモニターし加熱しながら撹拌した。それらが完全に溶解したことを確認した後、そこへ、少しずつ30分かけて3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA) 29.1g(99mmol)を添加し、添加終了後、50℃で5時間撹拌した。その後室温まで冷却し、ポリイミド前駆体溶液1を得た。
(製造例2〜12、15〜17)
反応温度および溶液の濃度が、17重量%〜19重量%になるようにNMPの量を調整した以外は、製造例1と同様の方法で、下記表1に示す配合比でポリイミド前駆体溶液2〜12、15〜17およびポリイミド前駆体溶液Z(比較例)を合成した。
酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、p−フェニレンビストリメリット酸モノエステル酸二無水物(TAHQ)、p−ビフェニレンビストリメリット酸モノエステル酸二無水物(BPTME)を用いた。ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、パラフェニレンジアミン(PPD)、1,4-Bis(4-aminophenoxy)benzene(4APB)、2,2′-Dimethyl-4,4′-diaminobiphenyl(TBHG)、2,2′-Bis(trifluoromethyl)-4,4′-diaminobiphenyl(TFMB)の1種または2種を用いた。
Figure 0005732740
(製造例13)
感光性ポリイミドとするために、上記ポリイミド前駆体溶液1に{[(4,5-dimethoxy-2-nitrobenzyl) oxy]carbonyl} 2,6-dimethyl piperidine (DNCDP)を溶液の固形分の15重量%添加し、感光性ポリイミド前駆体溶液1とした。
(製造例14)
感光性ポリイミドとするために、上記ポリイミド前駆体溶液1に2−ヒドロキシ−5−メトキシ−桂皮酸とピペリジンとから合成したアミド化合物(HMCP)を溶液の固形分の10重量%添加し、感光性ポリイミド前駆体溶液2とした。
Figure 0005732740
(線熱膨張係数および吸湿膨張係数の評価)
上記ポリイミド前駆体溶液1〜12、15〜17およびポリイミド前駆体溶液Zを、ガラス上に貼り付けた耐熱フィルム(ユーピレックスS 50S:宇部興産(株)製)に塗布し、80℃のホットプレート上で10分乾燥させた後、耐熱フィルムから剥離し、膜厚15μm〜20μmのフィルムを得た。その後、そのフィルムを金属製の枠に固定し、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、膜厚9μm〜15μmのポリイミド1〜12、15〜17およびポリイミドZのフィルムを得た。
また、上記感光性ポリイミド前駆体溶液1および2を、ガラス上に貼り付けた耐熱フィルム(ユーピレックスS 50S:宇部興産(株)製)に塗布し、100℃のホットプレート上で10分乾燥させた後、高圧水銀灯により365nmの波長の照度換算で2000mJ/cm2露光後、ホットプレート上で170℃10分加熱した後、耐熱フィルムより剥離し、膜厚10μmのフィルムを得た。その後、そのフィルムを金属製の枠に固定し、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、膜厚6μmの感光性ポリイミド1および感光性ポリイミド2のフィルムを得た。
<線熱膨張係数>
上記の手法により作製したフィルムを幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとして用いた。線熱膨張係数は、熱機械的分析装置Thermo Plus TMA8310(リガク社製)によって測定した。測定条件は、評価サンプルの観測長を15mm、昇温速度を10℃/min、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とし、100℃〜200℃の範囲の平均の線熱膨張係数を線熱膨張係数(C.T.E.)とした。
<湿度膨張係数>
上記の手法により作製したフィルムを幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとして用いた。湿度膨張係数は、湿度可変機械的分析装置Thermo Plus TMA8310改(リガク社製)によって測定した。温度を25℃で一定とし、まず、湿度を15%RHの環境下でサンプルが安定となった状態とし、概ね30分〜2時間その状態を保持した後、測定部位の湿度を20%RHとし、さらにサンプルが安定になるまで30分〜2時間その状態を保持した。その後、湿度を50%RHに変化させ、それが安定となった際のサンプル長と20%RHで安定となった状態でのサンプル長との違いを、湿度の変化(この場合50−20の30)で割り、その値をサンプル長で割った値を湿度膨張係数(C.H.E.)とした。この際、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とした。
(基板反り評価)
厚さ18μmのSUS304−HTA箔(東洋精箔製)上に、上記のポリイミド前駆体溶液1〜12、15〜17およびZ、ならびに感光性ポリイミド前駆体溶液1,2を用い、イミド化後の膜厚が10μm±1μmになるように線熱膨張係数評価のサンプル作成と同様のプロセス条件で、ポリイミド1〜12、15〜17およびZのポリイミド膜、ならびに感光性ポリイミド1,2のポリイミド膜を形成した。その後、SUS304箔およびポリイミド膜の積層体を幅10mm×長さ50mmに切断し、基板反り評価用のサンプルとした。
このサンプルを、SUS板表面にサンプルの短辺の片方のみをカプトンテープにより固定し、100℃のオーブンで1時間加熱した後、100℃に加熱されたオーブン内で、サンプルの反対側の短辺のSUS板からの距離を測定した。そのときの距離が、0mm以上0.5mm以下のサンプルを○、0.5mm超1.0mm以下のサンプルを△、1.0mm超のサンプルを×と判断した。
同様にこのサンプルを、SUS板表面にサンプルの短辺の片方のみをカプトンテープにより固定し、23℃85%Rhの状態の恒温恒湿槽に1時間静置したときの、サンプルの反対側の短辺のSUS板からの距離を測定した。そのときの距離が、0mm以上0.5mm以下のサンプルを○、0.5mm超1.0mm以下のサンプルを△、1.0mm超のサンプルを×と判断した。
これらの評価結果を以下に示す。
Figure 0005732740
SUS304箔の線熱膨張係数は17ppm/℃であることから、ポリイミド膜と金属箔との線熱膨張係数の差が大きいと積層体の反りが大きいことが確認された。
また、表2より、ポリイミド膜の吸湿膨張係数が小さいほど高湿環境下での積層体の反りが小さいことがわかる。
(2)平坦化層の形成
(平坦化層の形成1)
15cm角に切り出した厚さ18μmのSUS304−HTA箔(東洋精箔製)上に、上記ポリイミド前駆体溶液1〜10をダイコーターでコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、膜厚6μm〜12μmのポリイミド1〜10のポリイミド膜を形成し、積層体1〜10を得た。
積層体1〜10のうち、積層体1,2,3,5,6,8,9,10は、温度や湿度環境の変化に対しても反りが発生しなかった。一方、積層体4,7は、反りが目立った。
(平坦化層の形成2(平坦化層パターン))
15cm角に切り出した厚さ18μmのSUS304−HTA箔(東洋精箔製)上に、上記ポリイミド前駆体溶液1をダイコーターでコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた後、ポリイミド前駆体膜上に、正方形のSUS箔の三辺について外縁部より15mm幅でレジストが除去されるように、レジスト製版し現像と同時にポリイミド前駆体膜を現像し、その後、レジストパターンを剥離したのち、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、外縁部の平坦化層が除去された積層体1Pを得た。
積層体1Pは、温度や湿度環境の変化に対しても反りが発生しなかった。
(平坦化層の形成3(平坦化層パターン))
上記積層体10のポリイミド膜上に、正方形のSUS箔の三辺について外縁部より15mm幅でレジストが除去されるように、レジストパターンを形成した。ポリイミド膜が露出している部分を、ポリイミドエッチング液TPE-3000(東レエンジニアリング製)を用いて、除去後、レジストパターンを剥離し、外縁部の平坦化層が除去された積層体10Pを得た。
積層体10Pは、温度や湿度環境の変化に対しても反りが発生しなかった。
(平坦化層の形成4(平坦化層パターン))
15cm角に切り出した厚さ18μmのSUS304−HTA箔(東洋精箔製)上に、上記感光性ポリイミド前駆体溶液1および2をそれぞれダイコーターでコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。次いで、正方形のSUS箔の三辺について外縁部より15mm幅で(紫外線が照射されないように)マスクし、高圧水銀灯により365nmの波長の照度換算で2000mJ/cm2露光後、ホットプレート上で170℃10分加熱した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、膜厚3μmの感光性ポリイミド1および感光性ポリイミド2のポリイミド膜を形成し、積層体11および12を得た。
積層体11,12は、温度や湿度環境の変化に対しても反りが発生しなかった。
(平坦化層の形成5(金属箔表面凹凸))
まず、上記積層体1の両面にドライフィルムレジストをラミネートした。次いで、積層体1のSUS箔側から200μm幅のラインアンドスペース(L/S)で筋状にレジストが除去されるように露光し、積層体1の平坦化層側から全面露光した後、レジスト製版を行った。その後、塩化第二鉄溶液を用いて、レジストの開口部にてSUS箔の厚みが9μm残存するようにSUS箔をハーフエッチングした後、レジストパターンを剥離することにより、SUS箔が200μm幅でハーフエッチングされた積層体1Hを得た。
積層体1Hは、温度や湿度環境の変化に対しても反りが発生しなかった。
(平坦化層の形成6(金属箔表面凹凸))
まず、上記積層体1の両面にドライフィルムレジストをラミネートした。次いで、積層体1のSUS箔側から50μm角のラインアンドスペース(L/S)で等間隔にレジストが除去されるように露光し、積層体1の平坦化層側から全面露光した後、レジスト製版を行った。その後、塩化第二鉄溶液を用いて、レジストの開口部にてSUS箔の厚みが9μm残存するようにSUS箔をハーフエッチングした後、レジストパターンを剥離することにより、SUS箔が50μm角でハーフエッチングされた積層体1H′を得た。
積層体1H′は、温度や湿度環境の変化に対しても反りが発生しなかった。
(平坦性評価)
積層体1およびSUS箔の表面粗さRaを測定した。
まず、Nanoscope V multimode(Veeco社製)を用いて、タッピングモードで、カンチレバー:MPP11100、走査範囲:50μm×50μm、走査速度:0.5Hzにて、表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することより、積層体1の表面粗さRaを求めた。積層体1の50μm×50μmにおける表面粗さRaは6.2nmであった。
次いで、New View 5000(Zygo社製)を用いて、対物レンズ:100倍、ズームレンズ:2倍、Scan Length:15μmにて、50μm×50μmの範囲の表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することより、積層体1の表面粗さRaを求めた。積層体1の50μm×50μmにおける表面粗さRaは9.3nmであった。
同様に、Nanoscope V multimode(Veeco社製)を用いて測定した、SUS304−HTA箔(東洋精箔製)の50μm×50μmにおける表面粗さRaは128nm、New View 5000(Zygo社製)を用いて測定した50μm×50μmにおける表面粗さRaは150nmであった。
[実施例]
厚さ100μmのSUS304−HTA板(小山鋼材社製)上に、上記ポリイミド前駆体溶液1を用いて、イミド化後の膜厚が7μm±1μmになるようにスピンコーターでコーティングし、100℃のホットプレートオーブン中、大気下で60分乾燥させた後、窒素雰囲気下、350℃1時間、熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、平坦化層を形成した。
次に、平坦化層上に、第1密着層としてのアルミニウム膜をDCスパッタリング法(成膜圧力0.2Pa(アルゴン)、投入電力1kW、成膜時間10秒)により厚さ5nmで形成した。次いで、第2密着層としての酸化シリコン膜をRFマグネトロンスパッタリング法(成膜圧力0.3Pa(アルゴン:酸素=3:1)、投入電力2kW、成膜時間30分)により厚さ100nmで形成した。これにより、フレキシブルデバイス用基板を得た。
平坦化層について、New View 5000(Zygo社製)を用いて測定した50μm×50μmにおける表面粗さRaは13.2nmであった。
密着層について、New View 5000(Zygo社製)を用いて測定した50μm×50μmにおける表面粗さRaは23.5nmであった。また、Nanoscope V multimode(Veeco社製)を用いて測定した50μm×50μmにおける表面粗さRaは15.9nmであった。
ボトムゲート・ボトムコンタクト構造のTFTを上記フレキシブルデバイス用基板上に作製した。まず、厚さ100nmのアルミニウム膜をゲート電極膜として成膜した後、レジストパターンをフォトリソグラフィー法で形成した後に燐酸溶液でウェットエッチングし、アルミニウム膜を所定パターンにパターニングしてゲート電極を形成した。次に、そのゲート電極を覆うように厚さ300nmの酸化ケイ素をゲート絶縁膜として全面に形成した。このゲート絶縁膜は、RFマグネトロンスパッタリング装置を用い、6インチのSiOターゲットに投入電力:1.0kW(=3W/cm)、圧力:1.0Pa、ガス:アルゴン+O(50%)の成膜条件で形成した。この後、レジストパターンをフォトリソグラフィー法で形成した後にドライエッチングを施し、コンタクトホールを形成した。次に、ゲート絶縁膜上の全面に厚さ100nmのチタン膜、アルミニウム膜、IZO膜をソース電極及びドレイン電極とするために蒸着した後、レジストパターンをフォトリソグラフィー法で形成した後に過酸化水素水溶液、燐酸溶液で連続的にウェットエッチングし、チタン膜を所定パターンにパターニングしてソース電極及びドレイン電極を形成した。このとき、ソース電極及びドレイン電極は、ゲート絶縁膜上であってゲート電極の中央部直上以外に離間したパターンとなるように形成した。
次に、ソース電極及びドレイン電極を覆うように、全面に、In:Ga:Znが1:1:1のInGaZnO系アモルファス酸化物薄膜(InGaZnO)を厚さ25nmとなるように形成した。アモルファス酸化物薄膜は、RFマグネトロンスパッタリング装置を用い、室温(25℃)、Ar:Oを30:50とした条件下で、4インチのInGaZnO(In:Ga:Zn=1:1:1)ターゲットを用いて形成した。その後、アモルファス酸化物薄膜上にレジストパターンをフォトリソグラフィーで形成した後、シュウ酸溶液でウェットエッチングし、そのアモルファス酸化物薄膜をパターニングし、所定パターンからなるアモルファス酸化物薄膜を形成した。こうして得られたアモルファス酸化物薄膜は、ゲート絶縁膜上であってソース電極及びドレイン電極に両側で接触するとともに該ソース電極及びドレイン電極を跨ぐように形成されていた。続いて全体を覆うように、厚さ100nmの酸化ケイ素を保護膜としてRFマグネトロンスパッタリング法で形成した後、レジストパターンをフォトリソグラフィー法で形成した後にドライエッチングを施した。大気中300℃1時間のアニールを施した後、アクリル系のポジ型レジストを用いてELの隔壁層を形成し、TFT基板を作製した。
上記TFT基板上に白色となるようにEL層を蒸着した後、電極としてIZO膜を蒸着し、バリアフィルムを用いてELの封止を行った。次にPENフィルム上に形成したフレキシブルなカラーフィルターを貼り合わせ、フレキシブルな対角4.7インチ、解像度85dpi、320×240×RGB(QVGA)のアクティブマトリックス駆動のフルカラーELディスプレイを作製した。作製したフルカラーELディスプレイについて、スキャン電圧15V、ベータ電圧10V、電源電圧10Vにて作動を確認した。作製したフルカラーELディスプレイについて24時間の連続作動および作製後6ヶ月後における作動を確認した。
1 … フレキシブルデバイス用基板
2 … 金属箔
3 … 平坦化層
4 … 密着層
4a … 第1密着層
4b … 第2密着層
10A … TFT基板
10B … 電極基板
30 … 有機EL表示装置
40 … 電子ペーパー

Claims (17)

  1. 金属箔と、前記金属箔上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層と、前記平坦化層上に形成され、無機化合物を含む密着層とを有し、
    前記金属箔上に前記平坦化層および前記密着層が部分的に形成され、前記平坦化層および前記密着層が前記金属箔の外縁部を除いて形成されているフレキシブルデバイス用基板と、
    前記フレキシブルデバイス用基板の前記密着層上に形成された薄膜トランジスタと、
    を有することを特徴とするフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板。
  2. 前記平坦化層がポリイミドを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  3. 前記密着層の表面粗さRaが25nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  4. 前記密着層を構成する前記無機化合物が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化クロムおよび酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  5. 前記密着層が多層膜であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  6. 前記密着層が、前記平坦化層上に形成され、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化クロムおよび酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種からなる第1密着層と、前記第1密着層上に形成され、酸化ケイ素からなる第2密着層とを有することを特徴とする請求項5に記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  7. 前記密着層の厚みが、1nm〜500nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  8. 前記平坦化層の表面粗さRaが25nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  9. 前記平坦化層の吸湿膨張係数が0ppm/%RH〜15ppm/%RHの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  10. 前記平坦化層の厚みが1μm〜1000μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  11. 前記平坦化層の線熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかに記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  12. 前記平坦化層の線熱膨張係数と前記金属箔の線熱膨張係数との差が15ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかに記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  13. 前記金属箔の厚みが1μm〜1000μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかに記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板
  14. 前記薄膜トランジスタが、酸化物半導体層を有することを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板。
  15. 請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載のフレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板を備えることを特徴とするフレキシブルデバイス。
  16. 金属箔、前記金属箔上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層、および前記平坦化層上に形成され、無機化合物を含む密着層を有し、前記金属箔上に前記平坦化層および前記密着層が部分的に形成され、前記平坦化層および前記密着層が前記金属箔の外縁部を除いて形成されているフレキシブルデバイス用基板と、
    前記フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成された背面電極層および薄膜トランジスタと、
    前記背面電極層上に形成され、少なくとも有機発光層を含むエレクトロルミネッセンス層と、
    前記エレクトロルミネッセンス層上に形成された透明電極層と
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  17. 金属箔、前記金属箔上に形成され、ポリイミドを含む平坦化層、および前記平坦化層上に形成され、無機化合物を含む密着層を有し、前記金属箔上に前記平坦化層および前記密着層が部分的に形成され、前記平坦化層および前記密着層が前記金属箔の外縁部を除いて形成されているフレキシブルデバイス用基板と、
    前記フレキシブルデバイス用基板の密着層上に形成された背面電極層および薄膜トランジスタと、
    前記背面電極層上に形成された表示層と、
    前記表示層上に形成された透明電極層と
    を有することを特徴とする電子ペーパー。
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