JP5961970B2 - 積層体およびそれを用いた素子 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような銅やSUSといった材料は、比重が大きいとともにコストが高いため、軽量かつ低コストな電子素子の形成が困難になるといった問題があった。また、アルミニウムを用いた場合には、絶縁層のアルカリ現像時に侵され、電子素子を安定に形成することができないといった問題があった。
また、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金からなる金属基材を芯層として有することにより、軽量化および高コスト化の抑制を図ることができる。
以下、本発明の積層体および素子について詳細に説明する。
まず、本発明の積層体について説明する。
本発明の積層体は、金属基材および上記金属基材表面に形成された耐アルカリ保護層を有する耐アルカリ基材と、上記耐アルカリ基材上にパターン状に形成され、ポリイミド樹脂を含有する絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層と、を有し、上記金属基材が、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金からなるものであり、上記耐アルカリ保護層が、無機材料を主成分とする耐アルカリ材料からなるものであり、上記耐アルカリ基材の厚みが70μm以上であることを特徴とするものである。
また、導体層の形成や、レジストの剥離時に用いられるアルカリ性の溶液による金属基材の浸食も防ぐことができる。すなわち、耐アルカリ基材が安定的な積層体とすることができ、電子素子を安定に形成可能なものとすることができる。また、プロセスの自由度を広いものとすることができる。
また、上記耐アルカリ基材の厚みが70μm以上であることにより、放熱性に優れたものとすることができる。
さらに、金属基材を芯層として有することにより、耐アルカリ基材の厚みを厚くした際の重量を軽くすることができるとともに、コスト高の影響を抑えることができる。
以下、本発明の積層体の各構成について説明する。
本発明に用いられる耐アルカリ基材は、金属基材および耐アルカリ保護層を有するものである。
本発明における金属基材は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金からなるものである。
また、アルミニウムを主成分とするとは、金属基材中のアルミニウムの含有量が75質量%以上のことをいい、好ましくは90質量%以上であることが好ましい。軽量化および低コスト化を図ることができるからである。
本発明における耐アルカリ保護層は、上記金属基材表面に形成され、無機材料を主成分とする耐アルカリ材料からなるものである。
なお、上記耐アルカリ材料として用いられる金属としては、耐アルカリ保護層形成後に、空気中の酸素等により酸化されたものも含むものである。
本発明における耐アルカリ材料は、プロセスに必要な耐アルカリ性やコスト面を鑑みた上で選択される。
また、発光素子の放熱基板などに用いられ、光反射性が必要となる際には、表面反射率の高い金属等を用いることが好ましい。
また、本発明においては、なかでも、平面視上、上記耐アルカリ基材の絶縁層が形成される側の表面のうち、絶縁層のパターニング時に耐アルカリ基材が露出する領域を含むものであることが好ましく、特に、平面視上、上記耐アルカリ基材の絶縁層が形成される側の表面全てを含むものであることが好ましく、なかでも特に、端面を除く金属基材の全表面であることが好ましく、さらに特に、金属基材の全表面であることが好ましい。上記形成個所が上述の領域であることにより、絶縁層のパターニング時に用いられるアルカリ現像液による浸食を効果的に抑制することができるからである。
本発明においては、上記耐アルカリ保護層がメッキ層である場合には、1μm以上であることが好ましい。また、上記耐アルカリ保護層が陽極酸化処理で形成された酸化物層または化成処理により形成された酸化物層や硫化物層である場合には、1μm以上であることが好ましく、なかでも5μm以上であることが好ましく、特に10μm以上であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記絶縁層のパターニング方法が、ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド膜上にレジストをパターン状に形成すると同時または形成後に、上記ポリイミド膜をエッチングによりパターニングし、次いで、レジストを剥離する方法である場合に用いられるエッチング液やレジスト剥離液のような極めて強いアルカリ性を有する溶液であっても、金属基材を安定的に保護できるからである。
なお、上限については、厚ければ厚い程、耐アルカリ性を向上させることができることから好ましいため、特に限定を設けないが、厚くなる程コストが高くなることから、通常、100μm以下とされる。
また、本発明においては、なかでも、メッキ層または陽極酸化処理で形成された酸化物層であることが好ましく、特に、メッキ層であることが好ましい。メッキ処理を用いる方法であることにより、薄い膜厚で所望の耐アルカリ性を有するものとすることができるからである。
なお、本発明においては、上記各形成方法を組み合わせても良い。具体的には、まず、無電解メッキを行い、その後、電解メッキを行うことにより形成するものであっても良い。
本発明においては、なかでも、湿式メッキ法であることが好ましく、特に、電解メッキ法であることが好ましい。より緻密なメッキ層を形成できるからである。また、その結果、厚みが薄い場合であっても十分に耐アルカリ性の向上を図ることができるからである。また、湿式メッキの中では、メッキ速度が速いので、メッキ時間の短縮化を図ることができるからである。
無電解メッキ法は、膜厚ムラの少ないものとすることができるといった利点や、メッキ時に導電性が被メッキ物に導電性が不要であるので、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金からなる金属基材であってもメッキムラの少ないものとすることができるといった利点を有する。また、金属基材表面に凹凸がある場合であっても、均一な厚みで形成することができるといった利点を有する。
本発明における乾式メッキを施す場合の金属については、保護対象となるアルミニウムより薬液耐性が高い金属であれば特に限定されるものではなく、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマス、銅、銀、パラジウム、イリジウム、白金、金、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、インジウム、オスミウム、タンタル、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマス、銅、銀、パラジウム、白金、金、チタン、タングステン、モリブデン、インジウムなどが挙げられる。
乾式メッキ法の利点としては、金属のみではなく、金属ならびに非金属の酸化物や窒化物なども積層可能なことが挙げられる。
具体的には、Cr,Zn、In、Ga、Cd、Ti、Sn、Te、Mg、W、Mo、Cu、Al、Fe、Sr、Ni、Ir、Mgなどの金属の酸化物や、Si、Ge、Bなどの非金属の酸化物、また上記元素の窒化物、硫化物、セレン化物、およびこれらの混合物からなる皮膜を形成することができる。
本発明における陽極酸化処理を施す場合の電解溶液については、保護対象となるアルミニウムに十分な厚みの酸化皮膜を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、硫酸浴、しゅう酸浴、クロム酸浴、りん酸浴などの酸性浴、水酸化ナトリウム浴、アンモニア浴などのアルカリ性浴などを用いることができる。
このような化成処理では、電極を接続せずに形成できるので、容易に耐食性被膜を全面(端面も含め)に形成できるといった利点がある。
本発明に用いられる耐アルカリ基材の線熱膨張係数としては、所望の寸法安定性を有するものであれば特に限定されるものではないが、アルミニウムを主成分とする材料からなる金属基材を用いることから、20ppm/℃〜25ppm/℃の範囲内であることが好ましい。なお、上記線熱膨張係数の測定方法については、上記耐アルカリ基材を幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとし、熱機械分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製))によって測定する。測定条件は、昇温速度を10℃/分、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とし、100℃〜200℃の範囲内の平均の線熱膨張係数を線熱膨張係数(C.T.E.)とする。
上記耐アルカリ基材が空気との接触面に凹凸を有する場合には、熱拡散が良好となり、放熱性を高めることができる。凹凸の形成方法としては、例えば耐アルカリ基材の表面に直接、エンボス加工、エッチング加工、サンドブラスト加工、フロスト加工、スタンプ加工などの加工を施す方法、フォトレジスト等を用いて凹凸パターンを形成する方法、めっき方法、箔状の耐アルカリ基材と表面に凹凸を有する耐アルカリ基材とを貼り合わせる方法が挙げられる。エンボス加工の場合、例えば表面に凹凸を有する圧延ロールを用いてもよい。エッチング加工の場合、耐アルカリ基材の種類に応じて薬剤が選択される。箔状の耐アルカリ基材と表面に凹凸を有する耐アルカリ基材とを貼り合わせる方法の場合、例えば、ロウ付け、溶接、はんだ等により耐アルカリ基材同士を接合する、あるいは、エポキシ樹脂等の接着剤を介して耐アルカリ基材同士を貼り合わせることができる。この場合、箔状の耐アルカリ基材と表面に凹凸を有する耐アルカリ基材とは、同じ金属材料で構成されていてもよく、異なる金属材料で構成されていてもよい。
中でも、コスト面から、エンボス加工、エッチング加工が好ましく用いられる。
なお、図2中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、上記絶縁層および導体層とは独立してパターニングされたものであることが好ましい。不必要な部分を除去することにより、軽量化を図ることができるからである。
なお、上記耐アルカリ基材が上記絶縁層の全面に形成されている場合には、酸素や水蒸気に対するガスバリア性を付与することができ、また放熱性を高めることができるといった利点を有する。
一方、耐アルカリ基材の厚みが薄いほど、可撓性に富んだものとなる。
例えば本発明の積層体が可撓性を有する場合には、熱伝導性および可撓性を兼ね備えることができればよく、具体的には、70μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは70μm〜500μmの範囲内、さらに好ましくは70μm〜300μmの範囲内である。耐アルカリ基材の厚みが薄すぎると、放熱機能を十分に発揮できなかったり、水蒸気に対するガスバリア性が低下したりする。また、耐アルカリ基材の厚みが厚すぎると、フレキシブル性が低下したり、過重になったり、コスト高になったりするからである。
このような表面処理としては、例えば、薬液処理、プラズマ処理等を挙げることができる。
このような密着性層としては、上記絶縁層との密着性を向上させることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、クロム、チタン、アルミニウム、ニッケル、ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化クロムおよび酸化チタン等からなるものであることが好ましい。絶縁層との密着性を効果的に向上させることができるからである。また、厚みとしては、例えば1nm〜1000nmの範囲内とすることができる。また、本発明においては、密着性層の熱伝導率の値が、支持基材を主に構成する材料に比べて、相対的に、小さい場合は、1nm〜500nmであることが好ましく、1nm〜100nmであることがさらに好ましい。
なお、上記密着性層としては、上記耐アルカリ保護層およびその表面が空気中の酸素等により酸化したものであっても良い。
本発明に用いられる絶縁層は、上記耐アルカリ基材上にパターン状に形成され、ポリイミド樹脂を含有するものである。
本発明に用いられるポリイミド樹脂としては、上記絶縁層をパターン状に形成できるものであれば特に限定されるものではなく、このようなポリイミドのガラス転移温度(Tg)については、本発明の積層体の形成方法に応じて適宜決定されるものである。
本発明においては、上記絶縁層としてガラス転移温度の異なる複数の層を含むものである場合、ガラス転移温度の高い層(以下、非熱可塑性層とする場合がある。)に含有されるものとしては、本発明の積層体の耐熱性の観点からは、250℃以上であることが好ましく、なかでも、270℃以上であることが望しい。上記Tgが上述の範囲内であることにより、本発明の積層体の耐熱性を十分に高いものとすることができるからである。
なお、Tgは高い程耐熱性が高くなり好ましいが、通常、ポリイミドの物性を引きだすためにTgより高い温度でキュア(加熱処理)をすることが好ましく、Tgが高すぎる場合、キュア時に上記絶縁層や上記耐アルカリ基材等が劣化する可能性がある。このような観点から、Tgの上限としては、500℃以下であることが好ましい。Tgが上記範囲よりも低い場合、絶縁層が軟化し始める温度が250℃前後もしくはそれ以下になり、はんだリフローなどの高温プロセス時に絶縁層が軟化し始める場合があるため、加熱時寸法変化が悪化する可能性があるからである。逆にTgが上記範囲よりも高い場合、軟化が始まる温度が高いため、熱応力を十分に緩和できない、もしくは、上記絶縁層や上記耐アルカリ基材等が、劣化する可能性があるからである。
また、非熱可塑性層に含まれるポリイミド樹脂は、250℃以下に融点を有さないことが好ましく、なかでも、270℃以下に融点を有さないことが好ましく、300℃以下に融点を有さないことがさらに好ましい。本発明の積層体の耐熱性を十分に高いものとすることができるからである。
また、熱可塑性のポリイミド樹脂とは、具体的には、室温(25℃程度)から350℃もしくはガラス転移点温度+20℃のどちらか低い温度までの温度領域において貯蔵弾性率が1.0×108Pa以下であることが好ましい。
ここで、主成分として含有されるとは、所望の絶縁性等を満たす程度に、ポリイミド樹脂が含有されることをいう。具体的には、上記ポリイミド樹脂の絶縁層中の含有量が75質量%以上であることをいい、好ましくは90質量%以上であり、特に100%であり、上記絶縁層が上記ポリイミド樹脂のみからなることが好ましい。上記ポリイミド樹脂本来の耐熱性や絶縁性などの特性が良好となるからである。
具体的には、下記式(I)で表されるものを挙げることができる。
これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
なかでも、吸湿膨張係数を低減させる観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物が特に好ましい。
また、ピロメリット酸二無水物、メロファン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの剛直なテトラカルボン酸二無水物を用いると、ポリイミド樹脂の線熱膨張係数が小さくなるので好ましい。なかでも、線熱膨張係数と吸湿膨張係数とのバランスの観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
上記のような構造を有するポリイミド樹脂は、高耐熱性、低線熱膨張係数を示すポリイミド樹脂である。そのため、上記式で表わされる構造の含有量は上記式(I)中のR1のうち100モル%に近ければ近いほど好ましいが、少なくとも上記式(I)中のR1のうち33%以上含有すればよい。なかでも、上記式で表わされる構造の含有量は上記式(I)中のR1のうち50モル%以上であることが好ましく、さらに70モル%以上であることが好ましい。
さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、及びイソプロペニル基のいずれか1種または2種以上を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部もしくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接または置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(II)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
また、芳香環の置換基としてフッ素を導入すると吸湿膨張係数を低減させることができる。しかしながら、フッ素を含むポリイミド樹脂前駆体、特にポリアミック酸は、塩基性水溶液に溶解しにくく、耐アルカリ基材上に絶縁層を部分的に形成する場合には、絶縁層の加工の際に、アルコールなどの有機溶媒との混合溶液で現像する必要がある場合がある。
上記のような構造を有する場合、ポリイミド樹脂の耐熱性が向上し、線熱膨張係数が小さくなる。そのため、上記式(I)中のR2のうち100モル%に近ければ近いほど好ましいが、上記式(I)中のR2のうち少なくとも33%以上含有すればよい。なかでも上記式で表わされる構造の含有量は上記式(I)中のR2のうち50モル%以上であることが好ましく、さらに70モル%以上であることが好ましい。
本発明に用いられる絶縁層は、上記耐アルカリ基材上にパターン状に形成されるものであり、上記ポリイミド樹脂を含有するものである。
具体的には、絶縁層は耐アルカリ基材に比べて熱伝導性が低いため、絶縁層の不要部を除去して金属などで熱伝導部を設けることで放熱性の改善を図ることや、絶縁層より耐アルカリ基材の方がバリア性が高いことから、電子素子として水分に弱い素子が本発明の積層体上に配置される際に、上記耐アルカリ基材が露出した領域を設けることにより、封止部材と上記耐アルカリ基材とを直に密着させることが可能となり、水分の浸入をより強固に防ぐことが可能となるからである。
また、封止部を上記耐アルカリ基材が露出した領域に選択的に形成することで、面内で区分けしたり、多面付けした状態で封止したりすることが可能となり、高い生産性で素子を製造できるからである。
ここで、アルカリ性の溶液により現像もしくはエッチングによりパターニングする手法の例としては、絶縁層が、感光性ポリイミドを含む絶縁層形成用塗工液の塗膜を露光・現像したもの(方法1)、ポリイミド前駆体を含む絶縁層形成用塗工液の塗膜上にレジストをパターン状に形成すると同時または形成後に、上記塗膜を現像によりパターニングし、次いでイミド化したもの(方法2)、または、ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド膜上にレジストをパターン状に形成すると同時または形成後に、上記ポリイミド膜をエッチングによりパターニングしたもの(方法3)の、3種類を挙げることができる。
なお、方法2および方法3ではパターニング後にレジストを剥離する処理が行われる。
また、一般的に、アルカリによる現像に比較して、アルカリによるエッチングは、使用する薬液の濃度が高かったり、薬液の塩基性が高かったり、処理温度が高温であったりと、高い耐アルカリ薬液耐性が求められることが多い。また、アルカリ薬液によりレジストを剥離する場合は、一般的に剥離時には、現像もしくはエッチング時よりも使用する薬液の濃度が高かったり、薬液の塩基性が高かったり、処理温度が高温であったりと、高い耐アルカリ薬液耐性が求められることが多い。
本発明においては、いずれの方法を用いてなるものであっても良いが、なかでも、ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドフィルム上にレジストを形成した後、エッチングによりパターニングしたもの(方法3)であることが好ましい。方法3では、方法1〜2と異なり、パターニング前のポリイミド膜の物理的、化学的安定性が高いため、ポリイミド膜形成後、パターニング実施前にそのほかのプロセスを適用させることが可能となる。例えば、絶縁層上に導体層を形成し、さらに導体層を所望の形状にパターニングした後に、絶縁層をパターニングすることができるからである。
感光剤由来の残渣は、パターン形成後に300℃〜400℃で加熱したとしても、ポリイミド樹脂中に残存し、これらの残存物が線熱膨張係数や吸湿膨張係数を大きくする原因となることから、感光性ポリイミド樹脂を用いると、非感光性ポリイミド樹脂を用いた場合に比べて、膜物性が低下したり、剥離や反り等が発生しやすくなる傾向にある。
光塩基発生剤を用いた感光性ポリイミドは、絶縁層とした後も感光剤由来の分解残渣が少なく、線熱膨張係数や吸湿膨張係数などの特性の劣化が少なく、さらにアウトガスも少ないため、本発明に適用可能な感光性ポリイミド樹脂としては最も好ましい。
なお、体積抵抗率は、JIS K6911、JIS C2318、ASTM D257 などの規格に準拠する手法で測定することが可能である。
本発明においては、なかでも、非熱可塑性層、および、前記非熱可塑性層の導体層側表面上に形成され、前記非熱可塑性層よりもガラス転移温度の低い熱可塑性層(導体層側熱可塑性層)を含むものであることが好ましい。上記絶縁層であることにより、上記絶縁層上に形成する導体層を、金属箔をラミネートすることにより形成可能とすることができるからである。また、その結果、配線の厚膜化が容易だからである。また、非熱可塑性層を含むことにより、耐熱性や絶縁性に優れたものとすることができるからである。
また、本発明においては、特に、前記非熱可塑性層の耐アルカリ基材側表面上に形成され、前記非熱可塑性層よりもガラス転移温度の低い熱可塑性層(耐アルカリ基材側熱可塑性層)を含むものであることが好ましい。上記絶縁層であることにより、上記耐アルカリ基材をラミネートすることにより容易に接着させることができるからである。
図3および図4は、絶縁層が複数層である場合を示す概略断面図である。図3〜4は、それぞれ、絶縁層2が、熱可塑性層2a(導体層側)/非熱可塑性層2bの2層構造である場合を示すものと、絶縁層2が、熱可塑性層2a(導体層側)/非熱可塑性層2b/熱可塑性層2a(耐アルカリ基材側)の3層構造である場合を示すものである。
なお、図3〜4中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
具体的には、本発明においては、50μm以下であることが好ましく20μm以下であることがさらに好ましい。上記積層体を放熱性に優れたものとすることができるからである。
また、本発明においては、使用される電圧が、1kV以上の、必要な耐電圧が高い用途に用いる場合は10μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
さらに、使用される電圧が、0.5kV〜1kV程度の場合は、1μm〜15μm、好ましくは5μm〜10μmであることが好ましい。
また、家庭用での使用など、高い耐電圧が必要でない場合、具体的には、0.5kV未満、特に0.3kV以下の場合は、放熱性の観点から1μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜7μmであることが好ましい。
なお、絶縁層が熱可塑性層を含むものである場合には、その熱可塑性を用いて他の部材を安定的にラミネートできるものであれば特に限定されるものではないが、1μm〜30μmであることが好ましく、3μm〜20μmであることが好ましい。安定的に他の部材とラミネート可能なものとすることができるからである。また、上記厚みより薄いと接着力が低くなり、厚すぎると放熱性が低下する恐れがあるからである。
なお、積層体に反りが発生していないとは、積層体を幅10mm、長さ50mmの短冊状に切り出し、得られたサンプルの一方の短辺を水平で平滑な台上に固定した際に、サンプルのもう一方の短辺の台表面からの浮上距離が1.0mm以下であることをいう。
例えば、上記絶縁層上に形成される層が、Zn、In、Ga、Cd、Ti、St、Sn、Te、Mg、W、Mo、Cu、Al、Fe、Sr、Ni、Ir、Mgなどの金属の酸化物や、Si、Ge、Bなどの非金属の酸化物、また上記元素の窒化物、硫化物、セレン化物、およびこれらの混合物(多元素からなるセラミックの様に原子レベルで混合されているものも含む)などの無機系材料を主成分とする場合は、これらの無機系材料には、線熱膨張係数が10ppm/℃以下といった線熱膨張係数が小さいものも含まれることから、絶縁層の線熱膨張係数もより小さいことが望ましい。
本発明における絶縁層の線熱膨張係数と絶縁層上に形成される層の線熱膨張係数との差としては、具体的には、10ppm/℃以下であることが好ましく、より好ましくは5ppm/℃以下、さらに好ましくは2ppm/℃以下である。
本発明に用いられる導体層は、上記絶縁層上に形成されるものであり、本発明の積層体上に配置される電子素子と電気的に接続できるものであり、通常、導電性材料からなる導電層を含むものである。
本発明においては、なかでも、電気抵抗率が1.0×10−6Ω・m以下であることが好ましく、なかでも、1.0×10−7Ω・m以下であることが好ましく、特に、3.0×10−8Ω・mであることがさらに好ましい。大電流を流す場合においては、損失を抑える効果が顕著となり、あわせて、発熱を少ないものとすることができるからである。
本発明に用いられる密着層としては、上記絶縁層と上記導体層との密着性を向上させることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記耐アルカリ基材に用いられる密着性層と同様のものとすることができる。
また、めっき層としては、スズ、ニッケル、銀、金めっき層を挙げることができる。また、金めっき層の下地としてニッケルめっき層が形成されていても良い。めっき層の厚さは、例えば0.01μm〜4.0μmの範囲内とすることができる。
また、導体層として、銅箔等を用いる場合には、絶縁層を熱可塑性ポリイミドにより形成するもしくは、絶縁層上に熱可塑性ポリイミド層を形成した後ラミネート法により導体層を形成する方法を用いても良い。
また、上記導体層をパターン状に形成する方法としては、一般的な方法を用いることができ、例えば、上記導電性材料をマスクを介して蒸着する方法や、上記導体層を形成した後、レジストを用いてエッチングする方法等を用いることができる。
本発明に用いられる積層体は、上記耐アルカリ基材、絶縁層および導体層を少なくとも有するものである。
本発明においては、必要に応じて熱伝導部、封止部材、冷却部等を含むものとすることができる。熱伝導部は、熱伝導性の観点から、金属からなることが好ましく、金、銀、銅、アルミからなることがさらに好ましい。熱伝導部の形成方法については、公知の方法を用いることができ、例えば、導体層を形成する方法を用いることができる。また、導体層と熱伝導部が同一の材料からなる場合、同時に形成しても良い。
次に本発明の素子について説明する。
本発明の素子は、上述の積層体と、上記積層体上に配置された電子素子と、を有することを特徴とするものである。
なお、この例においては、上記導体層3を背面電極層22として用い、その上に、発光層を含むEL層23、透明電極層24、透明基板25がこの順で積層された有機EL素子を電子素子21として有するものである。
なお、図5中の符合については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する
以下、このような本発明の素子の各構成について詳細に説明する。
なお、上記積層体については、上記「A.積層体」の項に記載の内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる電子素子としては、電気信号により機能を発現するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、LED素子、EL素子、有機薄膜太陽電池、固体撮像素子、パワー半導体などの半導体素子が挙げられる。
なお、このような電子素子については、一般的に用いられるものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
例えば、EL素子としては、透明基板、透明電極層、少なくとも発光層を含むEL層、および背面電極層を少なくとも有するものを用いることができる。
本発明の素子は上記積層体と、上記積層体上に配置された電子素子とを有するものである。
また、上記積層体の導体層は、上記電子素子に含まれる電極層の一部として用いられるものとすることができる。例えば、上記電子素子がEL素子である場合には、上記積層体の導体層が、上記EL素子の背面電極層として用いられるものとすることができる。
(1)製造例1
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA) 4.0g(20mmol)とパラフェニレンジアミン(PPD) 8.65g(80mmol)とを500mlのセパラブルフラスコに投入し、200gの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、窒素気流下、オイルバスによって液温が50℃になるように熱電対でモニターし加熱しながら撹拌した。それらが完全に溶解したことを確認した後、そこへ、少しずつ30分かけて3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA) 29.1g(99mmol)を添加し、添加終了後、50℃で5時間撹拌した。その後室温まで冷却し、ポリイミド前駆体溶液1を得た。
反応温度および溶液の濃度が、17重量%〜19重量%になるようにNMPの量を調整した以外は、製造例1と同様の方法で、下記表1に示す配合比でポリイミド前駆体溶液2〜18を合成した。
酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)またはピロメリット酸二無水物(PMDA)、p−フェニレンビストリメリット酸モノエステル酸二無水物(TAHQ)、p−ビフェニレンビストリメリット酸モノエステル酸二無水物(BPTME)を用いた。ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−ODA)、パラフェニレンジアミン(PPD)、1,4−Bis(4−aminophenoxy)benzene(4APB)、2,2‘−Dimethyl−4,4’−diaminobiphenyl(TBHG)、2,2‘−Bis(trifluoromethyl)−4,4’−diaminobiphenyl(TFMB)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−ODA)の1種または2種を用いた。
上記ポリイミド前駆体溶液1および11に、添加剤としてDNCDP({[(4,5-ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル}−2,6−ジメチルピペリジン)または下記式で表される光塩基発生剤4MeOC−Piを下記表2に示す配合比で添加し、感光性ポリイミド1〜4を調製した。
なお、表2中の添加剤の配合量は、各ポリイミド前駆体溶液100重量部に対する添加剤の重量部を示すものである。
その他のポリイミド前駆体溶液19〜21として、新日本理化製のEN−20(ポリイミド前駆体溶液19)、SN−20(ポリイミド前駆体溶液20)およびPN−20(ポリイミド前駆体溶液21)を準備した。
また、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂 EPICLON 850S(エポキシ当量183〜193:DIC株式会社製)19gとヘキサンジアミン2.9gを混合した溶液(比較エポキシ樹脂溶液)を準備した。
上記ポリイミド前駆体溶液1〜21および感光性ポリイミド1〜4を、ガラス上に貼り付けた耐熱フィルム(ユーピレックスS 50S:宇部興産(株)製)に塗布し、80℃のホットプレート上で10分乾燥させた後、耐熱フィルムから剥離し、膜厚15μm〜20μmのフィルムを得た。その後、そのフィルムを金属製の枠に固定し、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、膜厚9μm〜15μmのポリイミド樹脂1〜25のフィルムを得た。
また、比較エポキシ樹脂溶液を、ガラス上に貼り付けた耐熱フィルム(ユーピレックスS 50S:宇部興産(株)製)に塗布し、80℃のオーブンで60分加熱した後、耐熱フィルムから剥離し、膜厚55μmのフィルム(エポキシフィルム1)を得た。
上記の手法により作製したフィルムを幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとして用いた。線熱膨張係数は、熱機械的分析装置Thermo Plus TMA8310(リガク社製)によって測定した。測定条件は、評価サンプルの観測長を15mm、昇温速度を10℃/分、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とし、100℃〜200℃の範囲の平均の線熱膨張係数を線熱膨張係数(C.T.E.)とした。評価結果を表3に示す。
上記の手法により作製したフィルムを幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとして用いた。湿度膨張係数は、湿度可変機械的分析装置Thermo Plus TMA8310改(リガク社製)によって測定した。温度を25℃で一定とし、まず、湿度を15%RHの環境下でサンプルが安定となった状態とし、概ね30分〜2時間その状態を保持した後、測定部位の湿度を20%RHとし、さらにサンプルが安定になるまで30分〜2時間その状態を保持した。その後、湿度を50%RHに変化させ、それが安定となった際のサンプル長と20%RHで安定となった状態でのサンプル長との違いを、湿度の変化(この場合50−20の30)で割り、その値をサンプル長で割った値を湿度膨張係数(C.H.E.)とした。この際、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とした。評価結果を表3に示す。
厚さ18μmの電解銅箔(日鉱マテリアルズ製)(支持基板)上に、上記ポリイミド前駆体溶液1〜21および感光性ポリイミド1〜4を用いて、イミド化後の膜厚が10μm±1μmになるように線熱膨張係数評価のサンプル作成と同様のプロセス条件で、ポリイミドフィルム1〜25を形成した。その後、銅箔およびポリイミド膜の積層体を幅10mm×長さ50mmに切断し、基板反り評価用のサンプルとした。
同様にこのサンプルを、SUS板表面にサンプルの短辺の片方のみをカプトンテープにより固定し、23℃85%RHの状態の恒温恒湿槽に1時間静置したときの、サンプルの反対側の短辺のSUS板からの距離を測定した。そのときの距離が、0mm以上0.5mm以下のサンプルを○、0.5mm超1.0mm以下のサンプルを△、1.0mm超のサンプルを×と判断した。評価結果を表3に示す。
上記の手法により作製したポリイミドフィルムを幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとして用いた。貯蔵弾性率は、RSA3(TAインスツルメント社製)によって測定した。測定条件は、評価サンプルの観測長を15mm、昇温速度を5℃/分、測定周波数を1Hzとして0℃〜400℃の範囲で測定した。室温(25℃)から250℃ならびに、室温から300℃における、貯蔵弾性率の最小値を表3に示す。また、ガラス転移温度(Tg)が280℃未満のサンプルについては、室温からガラス転移点温度+20℃までの温度領域における貯蔵弾性率の最小値についてもあわせて示す。
上記の貯蔵弾性率測定において、損失弾性率を貯蔵弾性率で割った値であるtanδのピークトップをガラス転移点温度とした。評価結果を表3に示す。
上記の手法により作製したポリイミドフィルム1(20ミクロン厚)を用いて、耐電圧試験機PM55ADZ(高砂製作所製) デジタルマイクロスコープKH−7700(HIROX社製)を用いて絶縁破壊電圧を測定したところ、6.0kVであった。
また、上記の手法により作製したエポキシフィルム1(100ミクロン厚)を用いて、絶縁破壊電圧を測定したところ、7.0kVであった。
10cm角に切り出した厚さ150μmの銅基材(古河電工社製)上に、上記ポリイミド前駆体溶液1をスピンコーターで硬化後膜厚6μmとなるようコーティングし、100℃のホットプレートで10分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理(昇温速度 10℃/分、自然放冷)することにより、絶縁層を形成した体積抵抗率測定サンプル1を作製した。
体積抵抗率測定サンプル1を用いて、ハイレスタUP MCP−HT450型およびMCP−JB03(三菱化学製)を用いて、JIS−K6911準拠の方法で印加電圧DC250Vにて体積抵抗率を測定したところ、3.4×1014Ω・mであった。
また、表3より、ポリイミドフィルムの吸湿膨張係数が小さいほど高湿環境下での積層体の反りが小さいことがわかる。
50mm角の無アルカリガラスNA35(厚さ0.7mm、アヴァンストレート社製)を100度のホットプレート上で表面温度が安定するまで加熱した(加熱時表面温度90度)。
縦150mm、横100mmの無アルカリガラスNA35上に、上記体積抵抗率測定サンプル1を絶縁層が上側になるように置き、上記の加熱した50mm角のガラスをサンプルの絶縁層上にのせ、5秒後のガラスの表面温度を測定したところ、48度であった。
作成した基材の絶縁層面側の中心に、5mm角に切り出したシリコーンゴム TC−50HSV−1.4(信越化学工業株式会社製)を用いて、5mm角のマイクロセラミックヒーターMS−M5(坂口電熱株式会社製)を固定した。PMC35−2A(菊水電子工業株式会社製)を用いて、マイクロセラミックヒーターに1Wの電力を印加し、30分程度経過した後、定常状態となった際のマイクロセラミックヒーターの表面の中心の温度を、シリコーンゴム TC−100HSV−1.4(信越化学工業株式会社製)を用いてマイクロセラミックヒーター上に固定した熱電対により測定した。また、同時に支持基材であるアルミ基材の温度を接触式温度計HA−302K(安立計器株式会社製)を用いて測定した。
なお、支持基板上の温度計は、平面視上、ヒーターの中心(支持基材の中心)およびヒーターの中心から最も近い支持基材(絶縁層)の端(辺)の中間地点と、温度計の中心とが重なるように接触させて測定した。
結果を、下記表4に示す。
上記ポリイミド前駆体溶液1を、ガラス上に貼り付けた厚さ18μmのSUS304箔(東洋製箔(株)製)上に塗布し、100℃のホットプレート上で15分乾燥させた後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理することにより、SUS箔上に下記表5に示す膜厚1μm〜20μmのポリイミド層(絶縁層)を形成した。
次いで、膜厚5μm以上のものは、SUS箔をエッチングすることにより得たポリイミドフィルムを、耐電圧試験機PM55ADZ(高砂製作所製) デジタルマイクロスコープKH−7700(HIROX社製)を用いて、直流もしくは交流に対する絶縁破壊電圧を測定した。また、膜厚5μm以下のものは、ポリイミド層を形成したSUS箔の形態で同様に測定を行った。結果を、下記表5に示す。
(測定サンプル作製)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、厚み1μmの無電解Niメッキを施し、無電解Niメッキアルミ基材を作製した。
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、給電層作製のため、無電解Niメッキを施した後、厚み1μmの電解Niメッキを施し、電解Niメッキアルミ基材を作製した。
また、硫酸中での陽極酸化処理(厚み5〜25μm)ならびに、アクリルクリア塗装を施したアルミ基材を作製した。
メッキ、陽極酸化処理、アクリルクリア塗装を施したアルミ基材に対して、下記のプロセス試験を実施した。比較として、厚さ150μmの銅基材(古河電工社製)、無処理の厚さ1000μmのアルミ基材(A1050 H24,A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)についても同様の評価を実施した。結果を下記表6に示す。
・耐熱性:窒素雰囲気下 350℃ 1時間(評価、○:変化なし、×:変化あり)
・アルカリ性薬液:TMAH2.38wt%(東京応化製)、NaOH水溶液0.1mol/L(評価、処理後の基材表面から気泡(水素)が発生するまでに要する時間(秒))
・酸性薬液:硫酸(10%:体積分率)、塩酸(1mol/L)(評価、処理後の基材表面から気泡(水素)が発生するまでに要する時間(秒))
また、有機被膜は耐アルカリ性は有するが、耐熱性は有さないことが明らかとなった。
(前駆体パターニング+電解メッキ)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、給電層作製のため、無電解Niメッキを施した後、厚み1μmの電解Niメッキを施した。Niメッキを施したアルミ上に、上記ポリイミド前駆体溶液1を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚5μmとなるようコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。その後、ポリイミド前駆体膜上にレジスト製版し、TMAH水溶液を用いて、現像と同時にポリイミド前駆体膜を現像し、その後、レジストパターンをアルカステップHTOを用いて、剥離したのち、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、ポリイミドからなる絶縁層の外周部から、10mm内側の位置から中央部に向かって5mm幅で除去された絶縁層除去部を有する積層体用基板1−1を得た。
(前駆体パターニング+無電解メッキ)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、厚み1μmの無電解Niメッキを施した。Niメッキを施したアルミ上に、上記ポリイミド前駆体溶液1を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚5μmとなるようコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。その後、ポリイミド前駆体膜上にレジスト製版し、TMAH水溶液を用いて、現像と同時にポリイミド前駆体膜を現像し、その後、レジストパターンをアルカステップHTOを用いて、剥離する際に、アルミ表面から気泡が生じ、アルミ表面が白化した。窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、ポリイミドからなる絶縁層の外周部から、10mm内側の位置から中央部に向かって5mm幅で除去された絶縁層除去部を有する積層体用基板A1−2を得た。
(前駆体パターニング+陽極酸化)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、厚み50μmの陽極酸化硫酸アルマイト被膜を形成した。アルマイト被膜を形成したアルミ上に、上記ポリイミド前駆体溶液1を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚5μmとなるようコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。その後、ポリイミド前駆体膜上にレジスト製版し、TMAH水溶液を用いて、現像と同時にポリイミド前駆体膜を現像し、その後、レジストパターンをアルカステップHTOを用いて、剥離したのち、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、ポリイミドからなる絶縁層の外周部から、10mm内側の位置から中央部に向かって5mm幅で除去された絶縁層除去部を有する積層体用基板A1−3を得た。
(前駆体パターニング+無処理)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、上記ポリイミド前駆体溶液1を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚5μmとなるようコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。その後、ポリイミド前駆体膜上にレジスト製版し、TMAH水溶液を用いて、現像と同時にポリイミド前駆体膜を現像した際に、アルミ表面から気泡が生じ、アルミ表面が白化した。
その後、レジストパターンをアルカステップHTO(ニチゴーモートン社製)を用いて、剥離を試みたが、アルミ表面から激しく気泡が生じたため、レジストパターンを剥離することが不可能であった。
(感光性PI+電解メッキ)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、給電層作製のため、無電解Niメッキを施した後、厚み1μmの電解Niメッキを施した。Niメッキを施したアルミ上に、上記感光性ポリイミド前駆体溶液1および2をそれぞれ塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアにコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。フォトマスクを介して、高圧水銀灯により365nmの波長の照度換算で2000mJ/cm2露光後、ホットプレート上で170℃、10分加熱した後、TMAH水溶液を用いて現像後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、膜厚3μmの感光性ポリイミド1および感光性ポリイミド2のポリイミド膜を形成し、ポリイミドからなる絶縁層の外周部から、10mm内側の位置から中央部に向かって5mm幅で除去された絶縁層除去部を有する積層体用基板A2−1、積層体用基板A2−2を得た。
(感光性PI+無電解メッキ)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、厚み1μmの無電解Niメッキを施した。Niメッキを施したアルミ上に、上記感光性ポリイミド前駆体溶液1および2をそれぞれ塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアにコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。フォトマスクを介して、高圧水銀灯により365nmの波長の照度換算で2000mJ/cm2露光後、ホットプレート上で170℃、10分加熱した後、TMAH水溶液を用いて現像後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、膜厚3μmの感光性ポリイミド1および感光性ポリイミド2のポリイミド膜を形成し、ポリイミドからなる絶縁層の外周部から、10mm内側の位置から中央部に向かって5mm幅で除去された絶縁層除去部を有する積層体用基板A2−3、積層体用基板A2−4を得た。
(感光性PI+陽極酸化)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、厚み10μmの陽極酸化硫酸アルマイト被膜を形成した。アルマイト被膜を形成したアルミ上に、上記感光性ポリイミド前駆体溶液1および2をそれぞれ塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアにコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。フォトマスクを介して、高圧水銀灯により365nmの波長の照度換算で2000mJ/cm2露光後、ホットプレート上で170℃、10分加熱した後、TMAH水溶液を用いて現像後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、膜厚3μmの感光性ポリイミド1および感光性ポリイミド2のポリイミド膜を形成し、ポリイミドからなる絶縁層の外周部から、10mm内側の位置から中央部に向かって5mm幅で除去された絶縁層除去部を有する積層体用基板A2−5、積層体用基板A2−6を得た。
(感光性PI+無処理)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)上に、上記感光性ポリイミド前駆体溶液1および2をそれぞれ塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアにコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。フォトマスクを介して、高圧水銀灯により365nmの波長の照度換算で2000mJ/cm2露光後、ホットプレート上で170℃、10分加熱した後、TMAH水溶液を用いて現像した際に、アルミ表面から気泡が生じ、アルミ表面が白化した。
(イミド化後パターニング 電解メッキ)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、給電層作製のため、無電解Niメッキを施した後、厚み1μmの電解Niメッキを施した。Niメッキを施したアルミ上に、上記ポリイミド前駆体溶液12を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚5μmとなるようコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理した(昇温速度 10℃/分、自然放冷)。
その後、上記積層体のポリイミドからなる絶縁層上に、レジストパターンを形成した。絶縁層が露出している部分を、ポリイミドエッチング液TPE-3000(東レエンジニアリング製)を用いて除去することにより、ポリイミドからなる絶縁層の外周部から、10mm内側の位置から中央部に向かって5mm幅で除去された絶縁層除去部を有する積層体用基板A3を得た。
(イミド化後パターニング+無処理)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、上記ポリイミド前駆体溶液12をダイコーターで塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚5μmとなるようコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理した(昇温速度 10℃/分、自然放冷)。
その後、上記積層体のポリイミドからなる絶縁層上に、レジストパターンを形成した。絶縁層が露出している部分を、ポリイミドエッチング液TPE-3000(東レエンジニアリング製)を用いて除去する際に、アルミ表面から激しく発泡したため、絶縁層除去部を形成することが不可能であった。
(イミド化後パターニング+電解メッキ+熱可塑層形成)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、給電層作製のため、無電解Niメッキを施した後、厚み1μmの電解Niメッキを施した。Niメッキを施したアルミ上に、上記ポリイミド前駆体溶液12を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚10μmとなるようコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理した(昇温速度 10℃/分、自然放冷)。
形成したポリイミド層上に、上記ポリイミド前駆体溶液19を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚10μmとなるようコーティングし、100℃のオーブン中、大気下で15分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、250℃、1時間熱処理した(昇温速度 10℃/分、自然放冷)。
その後、上記積層体のポリイミドからなる絶縁層上に、レジストパターンを形成した。絶縁層が露出している部分を、ポリイミドエッチング液TPE-3000(東レエンジニアリング製)を用いて除去することにより、ポリイミドからなる絶縁層の外周部から、10mm内側の位置から中央部に向かって5mm幅で除去された絶縁層除去部を有する積層体用基板A4を得た。
以下のようにして、積層体用基板A1−1の絶縁層上に導体層を形成した。
先ず、積層体の、絶縁層形成側全体に、以下のように、粗面化処理を行い、水洗後、更に、以下のようにして、触媒付与を行い、無電解めっきを行い、無電解めっき層を0.3μm厚に形成した。
マコー(株)製、ウェットブラスト装置
アルミナ砥石、0.7kg/m2の水圧
10m/minの処理速度
センシタイジング:S‐10X(上村工業製) 3分
アクチベーテイング:A‐10X(上村工業製) 3分
無電解めっき:NPR‐4(上村工業製) l分
プリベーク:120℃、5分
露光:60mJ/cm2
現像:1%炭酸ソーダ(30℃)、1分
硫酸ニッケル(6水塩) 300g/l
塩化ニッケル(6水塩) 45g/l
ホウ酸 40g/l
PCニッケル A−1 10ml/l(上村工業株式会社製)
PCニッケル A−2 1ml/l(上村工業株式会社製)
温度 50℃
電流密度 1A/dm2
時間 1分
硫酸銅めっき10μmを形成
硫酸銅(5水塩) 70g/l
硫酸 200g/l
塩酸 0.5ml/l
スーパースロー2000 光沢剤 10ml/l
スーパースロー2000 補正剤 5ml/l
温度 30℃
電流密度 4A/dm2
時間 12分
WHNめっき液(日本高純度化学社製)
温度 50℃
電流密度 1A/dm2
時間 1分
テンペレジストK−91S(目本高純度化学))
温度 60℃
電流密度 0.4A/dm2
時間 1.25分
更に、触媒を除去するために、マコー(株)製、ウェットブラスト装置にて、アルミナ砥石、0.5kg/m2の水圧、10m/minの処理速度で処理を行い、触媒を除去した。次いで、180℃、lhr、窒素雰囲気下で熱処理を行い導体層を形成し、積層体1−1とした。
積層体用基板A1−1の代わりに、積層体用基板A1−2,A1−3、A2−1,A2−2、A2−3,A2−4、A2−5,A2−6、A3を用いた以外は同様の方法により、積層体1−2,1−3、2−1,2−2、2−3,2−4、2−5,2−6、3を作製した。
以下のようにして、積層体用基板A1−1の絶縁層上に導体層を形成した。
積層体用基板A1−1の代わりに、積層体A1−2,A2−1,A2−2、A2−3,A2−4、A3を用いた以外は同様の方法により、積層体C1−2,C2−1,C2−2、C2−3,C2−4、C3を作製した。
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)上に、上記ポリイミド前駆体溶液1を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚5μmとなるようコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理(昇温速度 10℃/分、自然放冷)することにより、絶縁層を形成した比較積層体を作製した。
次いで、以下のようにして、比較積層体の絶縁層上に導体層を形成した。
CA5330H/株式会社メック製を用いて銅層のフラッシュエッチをした後、強アルカリ性(pH>13)のWCR−4015(ADEKA社製)を用いてCr層のフラッシュエッチを実施する際に、アルミ表面から激しく気泡が生じたため、Cr層を完全に除去することが不可能であった。
(熱可塑層PI銅箔ラミネート)
16cm角に切り出した厚さ1000μmのアルミ基材(A5052 H34 萬世興業株式会社より購入)に、給電層作製のため、無電解Niメッキを施した後、厚み1μmの電解Niメッキを施した。Niメッキを施したアルミ上に、上記ポリイミド前駆体溶液12を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚20μmとなるようコーティングし、80℃のオーブン中、大気下で60分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理した(昇温速度 10℃/分、自然放冷)。
形成したポリイミド層上に、上記ポリイミド前駆体溶液19を塗工幅150mmのダイコーターで150mm角のエリアに硬化後膜厚10μmとなるようコーティングし、100℃のオーブン中、大気下で15分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、250℃、1時間熱処理した(昇温速度 10℃/分、自然放冷)。
形成したポリイミド層上に銅箔(BHY−22B−T 70μm厚 日鉱金属株式会社製)を重ね合わせて、プレス温度210℃で、20分間プレスすることにより導体層を形成した。
積層体の両面にメタルエッチング用のドライフィルムレジストをラミネートし、耐アルカリ基材側には全面露光を、導体層側にはパターン露光し、炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像し、導体層上にレジストパターンを形成した。次に、エッチング液として塩化第2鉄水溶液を用い、レジストパターンを介して、導体層にパターンエッチングを施した後、レジストパターンを剥離した。
その後、パターニングされた導体層上に、除去したい絶縁層部分が露出するようにレジストパターンを形成した。絶縁層が露出している部分を、ポリイミドエッチング液TPE-3000(東レエンジニアリング製)を用いて除去することにより、ポリイミドからなる絶縁層が所望のパターン上に除去された積層体Dを得た。
陽極として銅が2mm幅のライン状にパターニングされた積層体C−1を準備した。放熱基板基板上に、α−NPD(N,N'-di[(1-naphthyl)-N,N'-diphenyl]-1,1'-biphenyl)
-4,4'-diamine)とMoO3とを体積比4:1で真空度10-5Paの条件下、共蒸着により1.0Å/secの蒸着速度で膜厚40nmとなるように成膜し、正孔注入層を形成した。次に、α−NPDを真空度10-5Paの条件下、1.0Å/secの蒸着速度で膜厚20nmとなるように真空蒸着し、正孔輸送層を形成した。次に、ホスト材料としてAlq3(Tris-(8-hydroxyquinoline)aluminium)を用い、緑色発光ドーパントとしてC545tを用いて、上記正孔輸送層上に、Alq3およびC545tを、C545t濃度が3wt%となるように、真空度10-5Paの条件下、蒸着速度1Å/secで35nmの厚さに真空蒸着により成膜し、発光層を形成した。次に、Alq3を真空度10-5Paの条件下、1.0Å/secの蒸着速度で膜厚10nmとなるように真空蒸着し、電子輸送層を形成した。次に、Alq3およびLiFを共蒸着にて、真空度10-5Paの条件下、蒸着速度0.1Å/secで15nmの厚さに真空蒸着により成膜し、電子注入層を形成した。最後に、IZOを膜厚200nmとなるようにスパッタすることにより陰極を形成した。
陰極の形成後、真空蒸着装置から水分濃度0.1ppm以下の窒素雰囲気下にしたグローブボックスへ素子を搬送した後、バリアフィルムを用いてELの封止を行うことにより、放熱基材上にEL素子を形成した。
2 … 絶縁層
2a … 熱可塑性層
2b … 非熱可塑性層
3 … 導体層
4 … 金属基材
5 … 耐アルカリ保護層
10 … 積層体
20 … 素子
21 … 電子素子
22 … 背面電極層
23 … EL層
24 … 透明電極層
25 … 透明基板
Claims (6)
- 金属基材および前記金属基材表面に形成された耐アルカリ保護層を有する耐アルカリ基材と、
前記耐アルカリ基材上にパターン状に形成され、ポリイミド樹脂を含有する絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された導体層と、
を有し、
前記金属基材が、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金からなるものであり、
前記耐アルカリ保護層が、無機材料を主成分とする耐アルカリ材料からなるものであり、
前記耐アルカリ基材の厚みが70μm以上であり、
前記耐アルカリ基材の波長400nm〜780nmの範囲内の光の表面反射率の最低値が、40%以上であり、
前記耐アルカリ保護層が、メッキ層であり、
前記耐アルカリ保護層の形成箇所が、前記金属基材の全表面であることを特徴とする積層体。 - 前記絶縁層が、アルカリ性の溶液により現像もしくはエッチングによりパターニングされたものであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記絶縁層が、非熱可塑性層、および、前記非熱可塑性層の前記導体層側表面上に形成され、前記非熱可塑性層よりもガラス転移温度の低い導体層側熱可塑性層を含むものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
- 前記絶縁層が、前記非熱可塑性層の前記耐アルカリ基材側表面上に形成され、前記非熱可塑性層よりもガラス転移温度の低い耐アルカリ基材側熱可塑性層を含むものであることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
- 前記絶縁層の厚さが、1μm〜7μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の積層体。
- 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の積層体と、
前記積層体上に配置された電子素子と、
を有することを特徴とする素子。
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