JP2015043417A - パワーモジュール用金属配線基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線基板の製造方法 - Google Patents
パワーモジュール用金属配線基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線基板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015043417A JP2015043417A JP2014150386A JP2014150386A JP2015043417A JP 2015043417 A JP2015043417 A JP 2015043417A JP 2014150386 A JP2014150386 A JP 2014150386A JP 2014150386 A JP2014150386 A JP 2014150386A JP 2015043417 A JP2015043417 A JP 2015043417A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- insulating resin
- thermoplastic
- substrate
- power module
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/26—Layer connectors, e.g. plate connectors, solder or adhesive layers; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/31—Structure, shape, material or disposition of the layer connectors after the connecting process
- H01L2224/32—Structure, shape, material or disposition of the layer connectors after the connecting process of an individual layer connector
- H01L2224/321—Disposition
- H01L2224/32151—Disposition the layer connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
- H01L2224/32221—Disposition the layer connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
- H01L2224/32225—Disposition the layer connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/10—Details of semiconductor or other solid state devices to be connected
- H01L2924/11—Device type
- H01L2924/13—Discrete devices, e.g. 3 terminal devices
- H01L2924/1304—Transistor
- H01L2924/1305—Bipolar Junction Transistor [BJT]
- H01L2924/13055—Insulated gate bipolar transistor [IGBT]
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/10—Details of semiconductor or other solid state devices to be connected
- H01L2924/11—Device type
- H01L2924/13—Discrete devices, e.g. 3 terminal devices
- H01L2924/1304—Transistor
- H01L2924/1306—Field-effect transistor [FET]
- H01L2924/13091—Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor [MOSFET]
Landscapes
- Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【課題】金属基板と絶縁層と導電性金属配線層とを互いに密着よく積層して、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し信頼性を向上させることができるパワーモジュール用基板、パワーモジュール用金属配線付基板、パワーモジュールとパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも金属基板、絶縁層及び導電性金属配線層が順に積層されたパワーモジュール用金属配線付基板であって、絶縁層が二層以上であって非熱可塑性絶縁層樹脂層及び熱可塑性絶縁性樹脂層からなりフィラーを含むことにより、金属基板及び導電性金属配線層への密着性がよく、放熱性と耐熱性を有し、信頼性を向上させたことを特徴とする、パワーモジュール用金属配線付基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法を特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも金属基板、絶縁層及び導電性金属配線層が順に積層されたパワーモジュール用金属配線付基板であって、絶縁層が二層以上であって非熱可塑性絶縁層樹脂層及び熱可塑性絶縁性樹脂層からなりフィラーを含むことにより、金属基板及び導電性金属配線層への密着性がよく、放熱性と耐熱性を有し、信頼性を向上させたことを特徴とする、パワーモジュール用金属配線付基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法を特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パワーモジュール用金属配線基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線基板の製造方法に関する。
近年、パワー半導体素子が実装されたパワーモジュールは、高電圧、大電流を扱うことが可能であるため、携帯電話やパソコン等の電源制御、エアコンや冷蔵庫等の温度調節制御、電気自動車や電車等などのモーター駆動制御、太陽光発電などの電力変換などの用途に広く展開されている。
パワーモジュールは、その基本的な構造としてパワー半導体素子、金属配線層、絶縁層、ヒートシンクが順に積層されてなるものであるが、パワーモジュールの動作時にはパワー半導体素子から大量の熱を発生するため、様々な放熱対策が採られている。
特許文献1は、絶縁層としてセラミック回路基板を用いたパワー半導体モジュールの例である。特許文献1においては、セラミック基板の一方の面にろう材層を介して接合した金属板に半導体チップを搭載し、セラミック基板の他方の面に放熱板を接合したパワー半導体モジュールが提案されている。
しかしながら、セラミック基板を用いたパワー半導体モジュールにおいては、セラミック基板自体は絶縁性と放熱性に優れてはいるが、金属板と接合された積層体としては、歪によりそりやクラックが生じる恐れがあること、また、セラミック基板と金属板との接合にろう材を用いるため、接合部分が多いと半導体チップからの放熱を損なう恐れがあることなど、モジュール自体の信頼性に影響する問題があった。
セラミック基板のそりやクラックの対策として、セラミック基板の表裏両面に金属層を付けることが行われているが、裏面銅と銅ベースのろう材による貼り付けが必要となり、その材料とプロセスによる高コスト化と、接合層の追加による熱抵抗増大など信頼性低下の原因となる問題を残している。
セラミック基板のそりやクラックの対策として、セラミック基板の表裏両面に金属層を付けることが行われているが、裏面銅と銅ベースのろう材による貼り付けが必要となり、その材料とプロセスによる高コスト化と、接合層の追加による熱抵抗増大など信頼性低下の原因となる問題を残している。
パワーモジュール用金属配線付基板であって、絶縁層として熱伝導率が大きく金属基板及び導電性金属配線層との密着性がよい材料を構成することにより、このパワーモジュール用金属配線付基板を用いたパワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには絶縁層自体の補強のための金属層や接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化することを目的とする。
また、パワー半導体素子を実装するパワーモジュールであって、絶縁層として熱伝導率が大きく金属基板及び導電性金属配線層との密着性がよい材料を構成することにより、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには絶縁層自体の補強のための金属層や接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化することを目的とする。
また、導電性金属層、絶縁層を有するパワーモジュール用基板であって、絶縁層として熱伝導率が大きく金属基板及び導電性金属配線層との密着性がよい材料を構成することにより、このパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには絶縁層自体の補強のための金属層や接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化することを目的とする。
また、導電性金属層、絶縁層を有するパワーモジュール用金属配線基板の製造方法であって、絶縁層として熱伝導率が大きく金属基板及び導電性金属配線層との密着性がよい材料を形成することにより、このパワーモジュール用金属配線基板の製造方法により形成されるパワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには絶縁層自体の補強のための金属層や接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化することを目的とする。
上記の問題を解決する第1の発明の要旨は、少なくとも金属基板、絶縁層、導電性金属配線層が順に積層されたパワーモジュール用金属配線付基板であって、前記金属基板は、厚み1〜5mmを有し、前記導電性金属配線層は、厚み100〜500μmを有し、前記絶縁層は、2層以上の絶縁性樹脂層からなり、前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層と非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層とを有し、前記2層以上の絶縁性樹脂層のうち少なくとも一層の絶縁性樹脂層は、前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むことを特徴とするものである。
上記の問題を解決する第2の発明の要旨は、第1の発明に記載のパワーモジュール用金属配線付基板において、前記絶縁層を構成する前記非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みは、前記熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みの4倍以上であり、前記絶縁層は線熱膨張係数0〜40ppm/℃を有することを特徴とするものである。
上記の問題を解決する第3の発明の要旨は、第1〜2の発明のいずれかに記載のパワーモジュール用金属配線付基板において、前記絶縁層を構成するすべての前記熱可塑性絶縁性樹脂及び前記非熱可塑性絶縁性樹脂はガラス転移温度260℃以上を有することを特徴とするものである。
上記の問題を解決する第4の発明の要旨は、第1〜3の発明のいずれかに記載のパワーモジュール用金属配線付基板において、前記絶縁層を構成するすべての前記熱可塑性絶縁性樹脂及び前記非熱可塑性絶縁性樹脂は吸湿膨張係数0〜15ppm/%RHを有することを特徴とするものである。
上記の問題を解決する第5の発明の要旨は、第1〜4の発明のいずれかに記載のパワーモジュール用金属配線付基板において、前記絶縁層を構成する前記熱可塑性絶縁性樹脂及び前記非熱可塑性絶縁性樹脂がポリイミド系樹脂であることを特徴とするものである。
上記の問題を解決する第6の発明の要旨は、少なくとも冷却器、金属基板、絶縁層、導電性金属配線層及びパワー半導体素子が順に積層されたパワーモジュールであって、 前記絶縁層は、2層以上の絶縁性樹脂層からなり、前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有することを特徴とするものである。
上記の問題を解決する第7の発明の要旨は、少なくとも金属基板及び絶縁層が順に積層されたパワーモジュール用基板であって、前記絶縁層は、2層以上の絶縁性樹脂層からなり、前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有することを特徴とするものである。
上記の問題を解決する第8の発明の要旨は、少なくとも金属基板、絶縁層、導電性金属配線層が順に積層され、前記絶縁層は2層以上の絶縁性樹脂層からなり、前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有し、前記2層以上の絶縁性樹脂層のうち少なくとも一層の前記絶縁性樹脂層は、前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法であって、前記絶縁性樹脂層の最初の層として、前記非熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記金属基板又は前記導電性金属配線層用の導電性金属層の上に塗布し乾燥する工程1と、前記絶縁性樹脂層の最上の層として、前記熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記工程1により得られる層の上に塗布し乾燥する工程2と、前記工程1及び前記工程2により形成される複数の絶縁性樹脂層を一括で加熱硬化することにより前記絶縁層を形成する工程3と、前記金属基板上の前記絶縁層側の面と、前記金属基板又は前記導電性金属配線層用の導電性金属層のうち前記工程1で用いられていないものの面とを密着し、加熱及び加圧により接着する工程4と、を含むことを特徴とするものである。
上記の問題を解決する第9の発明の要旨は、少なくとも金属基板、絶縁層、導電性金属配線層が順に積層され、前記絶縁層は2層以上の絶縁性樹脂層からなり、前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有し、前記2層以上の絶縁性樹脂層のうち少なくとも一層の前記絶縁性樹脂層は、前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法であって、前記絶縁性樹脂層の最初の層として、前記熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記金属基板又は前記導電性金属配線層用の導電性金属層の上に塗布し乾燥する工程11と、前記絶縁性樹脂層の中間の層として、前記非熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記工程11により得られる層の上に少なくとも1層を塗布し乾燥する工程12と、前記絶縁性樹脂層の最上の層として、前記熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記工程12により得られる層の上に塗布し乾燥する工程13と、前記工程11、前記工程12及び前記工程13により形成される複数の絶縁性樹脂層を一括で加熱硬化することにより前記絶縁層を形成する工程14と、前記金属基板上の前記絶縁層側の面と、前記金属基板又は前記導電性金属配線層用の導電性金属層のうち前記工程11で用いられていないものの面とを密着し、加熱及び加圧により接着する工程15と、を含むことを特徴とするものである。
本発明のパワーモジュール用金属配線付基板によれば、少なくとも金属基板、絶縁層、導電性金属配線層が順に積層されたパワーモジュール用金属配線付基板であって、前記絶縁層は複数の絶縁性樹脂層からなり、複数の前記絶縁性樹脂層は少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有し、複数の前記絶縁性樹脂層は、少なくとも一層の前記絶縁性樹脂層には前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むことによって、絶縁層として熱伝導率が大きく、金属基板及び導電性金属配線層との密着性がよい材料を構成することにより、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化とチップ接合時のはんだ工程温度の制約をなくすパワーモジュール用金属配線付基板を提供することができる。
本発明のパワーモジュールによれば、少なくとも冷却器、金属基板、絶縁層、導電性金属配線層が順に積層されたパワーモジュールであって、前記絶縁層は、複数の絶縁性樹脂層からなり、複数の前記絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有し、複数の前記絶縁性樹脂層は、少なくとも一層の前記絶縁性樹脂層には前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むことによって、絶縁層として熱伝導率が大きく、金属基板及び導電性金属配線層との密着性がよい材料を構成することにより、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、さらには接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化させるパワーモジュールを提供することができる。
本発明のパワーモジュール用基板によれば、少なくとも金属基板及び絶縁層が順に積層されたパワーモジュール用基板であって、前記絶縁層は、複数の絶縁性樹脂層からなり、複数の前記絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有し、複数の前記絶縁性樹脂層は、少なくとも一層の前記絶縁性樹脂層には前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むことによって、絶縁層として熱伝導率が大きく、金属基板及び導電性金属配線層との密着性がよい材料を構成することにより、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化させるパワーモジュール用基板を提供することができる。
本発明のパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法によれば、絶縁層として熱伝導率が大きく、金属基板及び導電性金属配線層との密着性がよい材料を構成することにより、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化させるパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法を提供することができる。
以下に本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
まず、本発明のパワーモジュール、パワーモジュール用金属配線付基板、及びパワーモジュール用基板について、図1及び図2に基づいて説明する。
まず、本発明のパワーモジュール、パワーモジュール用金属配線付基板、及びパワーモジュール用基板について、図1及び図2に基づいて説明する。
図1は、本発明のパワーモジュールを示す概略断面図である。
図1に示すように、パワーモジュール300は、冷却器4、金属基板1、絶縁層2、導電性金属配線層6、パワー半導体素子5とで構成されている。
パワー半導体素子5は、電源や電力の制御又は供給を行う半導体をさし、通常の半導体素子に比べて高電圧、大電流の容量(100 VA以上、100M VA以下の出力容量)を備え、高速、高周波の動作に適応する素子を用いることができる。例えば、ショットキーバリアダイオード、ファストリカバリーダイオード、サイリスタ、バイポーラ・トランジスタ、MOSFET、IGBT等が挙げられる。導電性金属配線層6からの信号により所望の機能を出力する半導体集積回路が内蔵されている。導電性金属配線層6にはパワー半導体素子5の出力を制御する制御回路が組み込まれている。パワー半導体素子は銅、ニッケル、金などのワイヤで一方側端部が端子部に接続されるとともに、他方側端部がパワー半導体素子にワイヤボンディングされる(以上、図示せず)。
パワー半導体素子5は、電源や電力の制御又は供給を行う半導体をさし、通常の半導体素子に比べて高電圧、大電流の容量(100 VA以上、100M VA以下の出力容量)を備え、高速、高周波の動作に適応する素子を用いることができる。例えば、ショットキーバリアダイオード、ファストリカバリーダイオード、サイリスタ、バイポーラ・トランジスタ、MOSFET、IGBT等が挙げられる。導電性金属配線層6からの信号により所望の機能を出力する半導体集積回路が内蔵されている。導電性金属配線層6にはパワー半導体素子5の出力を制御する制御回路が組み込まれている。パワー半導体素子は銅、ニッケル、金などのワイヤで一方側端部が端子部に接続されるとともに、他方側端部がパワー半導体素子にワイヤボンディングされる(以上、図示せず)。
冷却器4は、金属基板1に接するように熱源からの熱を効率よく放熱するため熱伝導グリース、放熱粘着シートやねじ止めなどで固定し設置され、金属基板1を介してパワー半導体素子5からの熱を外部に放熱する部品をさし、熱伝導率の高い銅やアルミニウムなどの材料と冷却性のよい構造により形成されている。
絶縁層2は、金属基板1とパワー半導体素子5との間に介在しており、電気的に金属基板1とパワー半導体素子5や導電性金属配線層6とを電気的に絶縁しており、且つ放熱機能を有している。
金属基板1は、絶縁層2を介して搭載されたパワー半導体素子5から発生する熱を放電するために、熱伝導性に優れた金属等の材料により形成されている。
従って、上記のようなパワーモジュールの構造をとることにより、パワー半導体素子5において発生した熱は、絶縁層2から金属基板1を介して冷却器4に放熱し易くすることが可能となるものである。
従って、上記のようなパワーモジュールの構造をとることにより、パワー半導体素子5において発生した熱は、絶縁層2から金属基板1を介して冷却器4に放熱し易くすることが可能となるものである。
図2は、パワーモジュール用金属配線付基板200を示す概略断面図である。
図2に示すように、パワーモジュール用金属配線付基板200は、金属基板1上に積層された絶縁層2と、導電性金属配線層6とで構成されている。各層の機能については、図1の説明と同様である。
図3は、本発明のパワーモジュール用基板を示す概略断面図である。
金属基板1上に、非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層21(本発明において非熱可塑性絶縁性樹脂層という。)と熱可塑性絶縁性樹脂を含む層22(本発明において熱可塑性絶縁性樹脂層という。)とを順に積層した絶縁層2が形成されているものを例示している。
金属基板1上に、非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層21(本発明において非熱可塑性絶縁性樹脂層という。)と熱可塑性絶縁性樹脂を含む層22(本発明において熱可塑性絶縁性樹脂層という。)とを順に積層した絶縁層2が形成されているものを例示している。
金属基板上に、非熱可塑性絶縁性樹脂及びフィラーを含む非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を塗布し乾燥して非熱可塑性絶縁性樹脂層21を形成し、この非熱可塑性絶縁性樹脂層21上に、熱可塑性絶縁性樹脂及びフィラーを含む熱可塑性絶縁性樹脂溶液を塗布し乾燥して熱可塑性絶縁性樹脂層22を得た後に、一括して加熱硬化、キュア(加熱処理)して、非熱可塑性絶縁性樹脂層21と熱可塑性絶縁性樹脂層22の積層体である絶縁層2を形成することができる。
図4は、パワーモジュールの製造方法、及びパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法を示す工程毎の概略断面図である。
図4(A)〜(E)に示すように、パワーモジュールの製造方法は、図4(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の順に行われるものである。
図4(A)は、金属基板1上に絶縁層2を形成する工程である。
絶縁層2は、非熱可塑性絶縁性樹脂層21と熱可塑性絶縁性樹脂層22の積層体からなるものを例示している。
金属基板上に、非熱可塑性絶縁性樹脂及びフィラーを含む非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を塗布し乾燥して非熱可塑性絶縁性樹脂層21を形成し、この非熱可塑性絶縁性樹脂層21上に、熱可塑性絶縁性樹脂及びフィラーを含む熱可塑性絶縁性樹脂溶液を塗布し乾燥して熱可塑性絶縁性樹脂層22を得た後に、一括して加熱硬化、キュア(加熱処理)して、非熱可塑性絶縁性樹脂層21と熱可塑性絶縁性樹脂層22の積層体である絶縁層2を形成することができる。
金属基板上に、非熱可塑性絶縁性樹脂及びフィラーを含む非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を塗布し乾燥して非熱可塑性絶縁性樹脂層21を形成し、この非熱可塑性絶縁性樹脂層21上に、熱可塑性絶縁性樹脂及びフィラーを含む熱可塑性絶縁性樹脂溶液を塗布し乾燥して熱可塑性絶縁性樹脂層22を得た後に、一括して加熱硬化、キュア(加熱処理)して、非熱可塑性絶縁性樹脂層21と熱可塑性絶縁性樹脂層22の積層体である絶縁層2を形成することができる。
次に、図4(B)は、本発明のパワーモジュールの製造方法において、絶縁層2の上に全面に導電性金属層3を形成された状態を示すものである。ここで導電性金属層3は、導電性金属配線層6をフォトリソグラフィ法にて形成する場合に、パターニングする前段階の同じ金属材料が全面に形成されたものである。
金属基板1の上の熱可塑性絶縁性樹脂層22側の面と導電性金属層3の面を密着し、加熱及び加圧により接着させて形成することができる。
次に、図4(C)は、フォトリソグラフィ法により導電性金属配線層6を得る工程であり、全面に設けた導電性金属層3にフォトレジスト50を積層して、配線パターンのフォトマスク60を介して紫外線を照射する状態を示すものである。
次に、図4(D)は、金属基板1の上に絶縁層2と導電性金属配線層6が形成されて得たパワーモジュール用金属配線付基板200を示すものである。
次に、図4(E)は、パワー半導体素子5を搭載し、冷却器4を接合して得たパワーモジュールを示すものである。
したがって、本発明のパワーモジュールの製造方法、及びパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法によれば、絶縁層に対して金属基板及び導電性金属配線層とが密着よく形成されることによって、これらの製造方法に得られたパワーモジュール用金属配線付基板、及びパワーモジュールの放熱性と信頼性を向上させる効果がある。
次に、本発明のパワーモジュール用金属配線付基板、パワーモジュール、及びパワーモジュール用基板についてそれらの構成要素ごとに説明する。
<金属基板>
金属基板は、絶縁層および導電性金属配線層を支持するものであり、熱伝導性を有するものである。
<金属基板>
金属基板は、絶縁層および導電性金属配線層を支持するものであり、熱伝導性を有するものである。
ここで、熱伝導性を有するとは、金属基板の室温(300K)における熱伝導率が10W/mK以上であることをいう。
なお、上記金属基板は単層であっても、複数層からなる積層体であっても良いが、積層体である場合には、各層がいずれも10W/mK以上であることをいう。したがって、金属基板が積層体である場合における熱伝導性接着剤層、または、接着シート、具体的には銅−熱伝導性接着剤層、または、接着シート−アルミニウムの3層構造である場合の熱伝導性接着剤層についても、熱伝導率が10W/mK以上である場合には、本発明における金属基板に含まれるものである。
また、熱伝導率の値は、高ければ高い程好ましく、具体的には、50W/mKであることが更に好ましく、特に、100W/mK以上であることが好ましく、200W/mK以上であることが更に好ましい。
金属基板の線熱膨張係数としては、寸法安定性の観点から、0ppm/℃〜25ppm/℃の範囲内であることが好ましい。なお、上記線熱膨張係数の測定方法については、上記支持基材を幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとし、熱機械分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製))によって測定する。測定条件は、昇温速度を10℃/分、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とし、100℃〜200℃の範囲内の平均の線熱膨張係数を線熱膨張係数(C.T.E.)とする。
金属基板を構成する材料としては、上記絶縁層および配線層を安定的に支持することができ、所望の熱伝導率を有するものとすることができる熱伝導性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、リン青銅、ステンレス鋼(SUS)、金、金合金、ニッケル、ニッケル合金、銀、銀合金、スズ、スズ合金、チタン、鉄、鉄合金、亜鉛、モリブデン、インバー材等金属材料や、シリコン、グラファイト等の半導体材料等が挙げられる。
本発明においては、なかでも、アルミニウム、銅、銀、金およびこれらを主成分とする合金か、シリコンかグラファイトであることが好ましい。熱伝導率が高く放熱性に優れたものとすることができるからである。
また、コスト面の観点から、金属材料を用いる場合は、アルミニウム、銅およびこれらを主成分とする合金であることが好ましい。金属厚を厚くする必要がある場合は、金属基板を軽量化する観点からアルミニウムが特に好ましい。金属厚を厚く、かつ、放熱性を重視する場合には銅が好ましい。
また、金属基板が積層体であり、上記絶縁層側表面に上記絶縁層との密着性を向上させる密着性層を有するものである場合、このような密着性層としては、上述の熱伝導性を有し、上記絶縁層との密着性を向上させることができるものであれば特に限定されるものではなく、上述の熱伝導性材料からなるものとすることができる。
本発明においては、なかでも、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化クロムおよび酸化チタン等からなるものであることが好ましい。絶縁層との密着性を効果的に向上させることができるからである。また、厚みとしては、例えば1nm〜1000nmの範囲内とすることができる。また、本発明においては、密着性層の熱伝導率の値が、金属基板を主に構成する材料に比べて、相対的に、小さい場合は、1nm〜500nmであることが好ましく、1nm〜100nmであることがさらに好ましい。それ以上の場合はプロセスに時間がかかり高コストになる。
金属基板の形状としては、特に限定されるものではなく、平坦形状であって、ナノメートルオーダー周期の表面粗さで制御した平坦形状であっても、金属基板の断面形状が冷却器との接触面、または絶縁層との接触面に凹凸を有する形状であってもよい。
金属基板が冷却器との接触面に凹凸を有する場合には表面積が増加し、グリースなどで接合する場合、密着が良好になり、また、熱拡散が良好となり、放熱性を高めることができる。
金属基板が絶縁層との接触面に凹凸を有する場合には表面積が増加し、アンカー効果で密着性が向上する。凹凸の高さはフィラー成分がつまり、絶縁性を低下させる恐れがあるため、0.2μm以下がよい。凹凸の形成方法としては、例えば支持基材の表面に直接、エンボス加工、エッチング加工、サンドブラスト加工、フロスト加工、スタンプ加工などの加工を施す方法、フォトレジスト等を用いて凹凸パターンを形成する方法、めっき方法が挙げられる。エンボス加工の場合、例えば表面に凹凸を有する圧延ロールを用いてもよい。エッチング加工の場合、金属基板の種類に応じて薬剤が選択される。
中でも、コスト面から、エンボス加工、エッチング加工が好ましく用いられる。
尚、凹凸の幅、ピッチ等としては、金属基板の種類や本発明の用途等に応じて適宜選択され、例えばシミュレーションにより熱伝導に好適な範囲を求めることができる。
金属基板の厚みとしては、熱伝導性を備えることができれば特に限定されるものではなく、パワーモジュールの用途に応じて適宜選択される。上記金属基板の厚みが厚いほど、面方向への熱拡散に優れたものとなる。すなわち、金属基板の熱容量を大きいものとすることで、素子と接する部位の局所的な熱を容易に拡散することが可能となり、その部位の最高温度を下げ、素子の損傷を防ぐことにより、基板として放熱性を向上させることができるのである。
本発明においては、例えば、発熱量が大きいパワー半導体素子に用いられる場合には、特に優れた放熱性を発揮することができるものであればよく、具体的には、1〜5mmであることが好ましい。上記厚さが上述の範囲であることにより、優れた放熱性を有するものとすることができるからである。
また、金属基板には、絶縁層との密着性向上、さび防止、耐薬品性のために保護層があってもよい。 保護層は、製造プロセス時の薬液からの保護や、モジュール封止樹脂から染み出る場合がある薬液の酸や塩基からの保護や、絶縁層との密着性向上に効果がある。
保護層の形成方法としては、上記支持基材表面に安定的に形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、防錆剤処理、メッキ処理、陽極酸化(アルマイト)処理、または化成処理を用いる方法、すなわち、上記金属基板保護層が陽極酸化処理で形成された酸化物層、化成処理で形成された酸化物層または硫化物層、または、メッキ層であることが好ましい。
保護層の形成方法としては、上記支持基材表面に安定的に形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、防錆剤処理、メッキ処理、陽極酸化(アルマイト)処理、または化成処理を用いる方法、すなわち、上記金属基板保護層が陽極酸化処理で形成された酸化物層、化成処理で形成された酸化物層または硫化物層、または、メッキ層であることが好ましい。
メッキ方法については、一般的に用いられるメッキ法を用いることができ、具体的には、湿式メッキ法(電解メッキ法や無電解メッキ法)、乾式メッキ法(真空蒸着法、スパッタリング法、メタリコン法)等を用いることができる。なかでも、湿式メッキ法であることが好ましく、特に、電解メッキ法であることが好ましい。より緻密なメッキ層を形成できるからである。また、その結果、厚みが薄い場合であっても十分に耐アルカリ性の向上を図ることができるからである。また、湿式メッキの中では、メッキ速度が速いので、メッキ時間の短縮化を図ることができるからである。
湿式メッキ法として用いられる電解メッキは、メッキしたい物質を含む電解溶液に、電導性のある物体を陰極として、直流電流を流すことにより、電導性のある物体表面で、電気的にその物質(金属など)を還元、析出させて層を形成させるものである。電解メッキを施す場合の金属については、保護対象となる金属基板より薬液耐性、絶縁層との密着性が高い金属であれば特に限定されるものではなく、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマス、銅、銀、パラジウム、イリジウム、白金、金、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、インジウム、オスミウムなどが挙げられる。特にニッケルメッキは緻密表面なため、さび防止、絶縁層との密着性向上の観点、また、コストの観点から好ましい。膜厚は1〜5μmがピンホールや平坦性の観点から好ましい。無電解メッキ法は、メッキしたい物質を含む溶液中で、通電による電子ではなく、溶液に含まれる還元剤の酸化によって放出される電子により、被メッキ物の表面上で、電気的にその物質(金属など)を還元、析出させて層を形成させるものである。無電解メッキ法は、膜厚ムラの少ないものとすることができるといった利点や、メッキ時に導電性が被メッキ物に導電性が不要であるので、金属基板保護層の形成対象がアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金からなる金属基材であってもメッキムラの少ないものとすることができるといった利点を有する。また、金属基板表面に凹凸がある場合であっても、均一な厚みで形成することができるといった利点を有する。無電解メッキを施す場合の金属については、保護対象となる金属基板より薬液耐性が高い金属であれば特に限定されるものではなく、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマス、銅、銀、パラジウム、白金、金、ルテニウム、ロジウム、インジウムなどが挙げられる。
湿式メッキ法として用いられる電解メッキは、メッキしたい物質を含む電解溶液に、電導性のある物体を陰極として、直流電流を流すことにより、電導性のある物体表面で、電気的にその物質(金属など)を還元、析出させて層を形成させるものである。電解メッキを施す場合の金属については、保護対象となる金属基板より薬液耐性、絶縁層との密着性が高い金属であれば特に限定されるものではなく、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマス、銅、銀、パラジウム、イリジウム、白金、金、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、インジウム、オスミウムなどが挙げられる。特にニッケルメッキは緻密表面なため、さび防止、絶縁層との密着性向上の観点、また、コストの観点から好ましい。膜厚は1〜5μmがピンホールや平坦性の観点から好ましい。無電解メッキ法は、メッキしたい物質を含む溶液中で、通電による電子ではなく、溶液に含まれる還元剤の酸化によって放出される電子により、被メッキ物の表面上で、電気的にその物質(金属など)を還元、析出させて層を形成させるものである。無電解メッキ法は、膜厚ムラの少ないものとすることができるといった利点や、メッキ時に導電性が被メッキ物に導電性が不要であるので、金属基板保護層の形成対象がアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金からなる金属基材であってもメッキムラの少ないものとすることができるといった利点を有する。また、金属基板表面に凹凸がある場合であっても、均一な厚みで形成することができるといった利点を有する。無電解メッキを施す場合の金属については、保護対象となる金属基板より薬液耐性が高い金属であれば特に限定されるものではなく、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマス、銅、銀、パラジウム、白金、金、ルテニウム、ロジウム、インジウムなどが挙げられる。
乾式メッキは、金属や酸化物、窒化物などをガス化あるいはイオン化もしくは液化した後、素材の表面に付着させることにより積層させる方法である。乾式メッキを施す場合の金属については、保護対象となる金属基板より薬液耐性が高い金属であれば特に限定されるものではなく、例えば、対象がアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金からなる金属基材である場合には、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマス、銅、銀、パラジウム、イリジウム、白金、金、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、インジウム、オスミウム、タンタル、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマス、銅、銀、パラジウム、白金、金、チタン、タングステン、モリブデン、インジウムなどが挙げられる。乾式メッキ法の利点としては、金属のみではなく、金属ならびに非金属の酸化物や窒化物なども積層可能なことが挙げられる。具体的には、Cr,Zn、In、Ga、Cd、Ti、Sn、Te、Mg、W、Mo、Cu、Al、Fe、Sr、Ni、Ir、Mgなどの金属の酸化物や、Si、Ge、Bなどの非金属の酸化物、また上記元素の窒化物、硫化物、セレン化物、およびこれらの混合物からなる皮膜を形成することができる。
陽極酸化処理法は、電解溶液中で、電導性のある物体を陽極として、直流電流を流すことにより、電導性のある物体を電気的に酸化させて表面に酸化物層(酸化皮膜層)を形成させるものである。陽極酸化を施す場合の電解溶液については、保護対象となる金属基板に十分な厚みの酸化皮膜を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、硫酸浴、しゅう酸浴、クロム酸浴、りん酸浴などの酸性浴、水酸化ナトリウム浴、アンモニア浴などのアルカリ性浴などを用いることができる。
化成処理は、溶液中で酸化や硫化などの化学反応を利用して化学的に支持基材の表面と反応させ酸化物層(酸化皮膜)や硫化物層(硫化被膜)などの耐食性被膜を形成する方法である。このような化成処理では、電極を接続せずに形成できるので、容易に耐食性被膜を全面(端面も含め)に形成できるといった利点がある。化成処理を施す場合の溶液については、保護対象となる支持基材に十分な厚みの耐食性皮膜を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、リン酸.クロム酸塩系、クロム酸塩系、アルカリ・クロム酸塩系、べ―マイト系、ジルコニウム系、リン酸亜鉛系などが挙げられる。
また、金属基板をパターニングする際には、フォトリソグラフィ法、レーザーや打ち抜き等で直接加工する方法等において、加工が容易のため、金属基板を構成する材料は金属材料であることが好ましい。金属基板保護層がこのような方法で形成されたものであることにより、上記金属基板保護層を有する金属基板を容易に形成することができるからである。
<絶縁層>
絶縁層は、2層以上の絶縁性樹脂層からなり、前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有し、前記2層以上の絶縁性樹脂層の少なくとも一層の前記絶縁性樹脂層には前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むものである。
<絶縁層>
絶縁層は、2層以上の絶縁性樹脂層からなり、前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有し、前記2層以上の絶縁性樹脂層の少なくとも一層の前記絶縁性樹脂層には前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むものである。
絶縁層の厚さは、20μm〜150μmの範囲内であり、所望の絶縁性を示し上記金属基板と配線層との短絡を防ぎ、所望の放熱性を発揮することができるものであれば特に限定されるものではなく、必要な耐電圧に応じて設定されるものである。
具体的には、本発明においては、使用される電圧が4kV未満の場合は、20μm〜70μm、さらに好ましくは放熱性の観点から20μm〜50μm。4kV程度の場合は、20μm〜100μm、放熱性の観点から好ましくは20μm〜70μmであることが好ましい。 また、使用される電圧が、6kV程度の場合は、20μm〜150μm、好ましくは放熱性、剥がれの観点から20μm〜100μmであることが好ましい。それ以上で10kV以下の場合は絶縁耐圧の観点から40μm〜150μmが好ましい。
絶縁層の熱伝導率としては1〜15W/mKが好ましく、さらに、薄膜化、放熱性の観点から、2.5〜15W/mKが好ましい
熱伝導率の測定はまず、絶縁性樹脂層のみのフィルムを作製する。上記金属に絶縁性樹脂層のみからなるフィルム(絶縁層)を作製した後、絶縁性樹脂層を剥離する方法や、金属基板上に絶縁性樹脂層のフィルム(絶縁層)を作製した後、上記金属をエッチングで除去し、絶縁性樹脂層のフィルムを得る方法がある。次いで、得られた、絶縁性樹脂層のフィルムを幅30mm×長さ30mmに切断し、評価サンプルとする。試料表裏面に黒化材(カーホ゛ンスフ゜レー)を薄く(1um程度)塗布しレーザーフラッシュ法(NanoFlash製キセノンフラッシュアナライザー)で熱拡散率αを測定し、熱伝導率λは比熱Cp、熱拡散率α、試験片の密度ρの積 λ = α・Cp・ρで求めた。
熱伝導率の測定はまず、絶縁性樹脂層のみのフィルムを作製する。上記金属に絶縁性樹脂層のみからなるフィルム(絶縁層)を作製した後、絶縁性樹脂層を剥離する方法や、金属基板上に絶縁性樹脂層のフィルム(絶縁層)を作製した後、上記金属をエッチングで除去し、絶縁性樹脂層のフィルムを得る方法がある。次いで、得られた、絶縁性樹脂層のフィルムを幅30mm×長さ30mmに切断し、評価サンプルとする。試料表裏面に黒化材(カーホ゛ンスフ゜レー)を薄く(1um程度)塗布しレーザーフラッシュ法(NanoFlash製キセノンフラッシュアナライザー)で熱拡散率αを測定し、熱伝導率λは比熱Cp、熱拡散率α、試験片の密度ρの積 λ = α・Cp・ρで求めた。
絶縁層の線熱膨張係数としては、パワーモジュール用金属配線付基板の使用時に剥離やクラックによる放熱性、絶縁性の観点から、0ppm/℃〜40ppm/℃の範囲内であることが好ましい。線熱膨張係数が大きすぎると、温度変化時に生じる伸び縮みが大きくなるため、上記の観点から悪影響を及ぼすからである。また、上記金属基板として銅やアルミ等の放熱性に優れた金属材料からなるものが用いられた場合であっても剥離や反りの発生を十分に抑制することができるからである。
絶縁層を構成する非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みが熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みの4倍以上である場合に、絶縁層全体として、線熱膨張係数0〜40ppm/℃を有するものであることが好ましい。熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みとしては非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みの1/4倍未満が好ましく、線熱膨張係数の観点から1〜35μmが好ましく、1〜15μmがさらに好ましく、1〜5μmが特に好ましい。熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みが1μm未満になると熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の平坦性が悪化し、絶縁層と金属基板及び導電性金属配線層との密着性が悪化する
また、絶縁層を構成する非可塑性絶縁性樹脂は線熱膨張係数0〜40ppm/℃を有するものであることが好ましい。
絶縁層を構成する非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みが熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みの4倍以上である場合に、絶縁層全体として、線熱膨張係数0〜40ppm/℃を有するものであることが好ましい。熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みとしては非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みの1/4倍未満が好ましく、線熱膨張係数の観点から1〜35μmが好ましく、1〜15μmがさらに好ましく、1〜5μmが特に好ましい。熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みが1μm未満になると熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の平坦性が悪化し、絶縁層と金属基板及び導電性金属配線層との密着性が悪化する
また、絶縁層を構成する非可塑性絶縁性樹脂は線熱膨張係数0〜40ppm/℃を有するものであることが好ましい。
なお、線熱膨張係数は、次のように測定する。まず、絶縁性樹脂層のみのフィルムを作製する。金属板に絶縁性樹脂層のみからなるフィルム(絶縁層)を作製した後、絶縁性樹脂層を剥離する方法や、上記金属板上に上記絶縁性樹脂層のフィルム(絶縁層)を作製した後、上記金属板をエッチングで除去し、上記絶縁性樹脂層のフィルムを得る方法がある。次いで、得られた絶縁性樹脂層のフィルムを幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとする。線熱膨張係数は、熱機械分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製))によって測定する。測定条件は、昇温速度を10℃/分、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とし、100℃〜200℃の範囲内の平均の線熱膨張係数を線熱膨張係数(C.T.E.)とする。
絶縁層の線熱膨張係数と金属基板の線熱膨張係数との差としては、寸法安定性の観点から、15ppm/℃以下であることが好ましく、より好ましくは10ppm/℃以下、さらに好ましくは5ppm/℃以下である。金属基板との線熱膨張係数が近いほど、パワーモジュール用金属配線付基板の剥がれやクラックが抑制されるとともに、パワーモジュール用金属配線付基板の熱環境が変化した際に、金属基板との界面の応力が小さくなり密着性が向上するからである。パワーモジュール用金属配線付基板は、取り扱い上、0℃〜100℃、好ましくは0℃〜150℃、0℃〜260℃の範囲の温度環境下では剥がれないことが好ましい。これに対して、絶縁層の線熱膨張係数が大きいために絶縁層と金属基板との線熱膨張係数の差が大きく異なると、パワーモジュール用金属配線付基板が熱環境の変化により剥がれてしまう。
絶縁層の吸水性としては、高湿環境化での動作、プロセス上、水系のプロセスや長期保存することが考えられるため、比較的小さいことが好ましい。吸水性の指標の一つとして、吸湿膨張係数がある。したがって、絶縁層、及び絶縁層を構成するすべての前記熱可塑性絶縁性樹脂及び前記非熱可塑性絶縁性樹脂の吸湿膨張係数は小さければ小さいほど好ましく、具体的には、0ppm/%RH〜15ppm/%RHの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0ppm/%RH〜12ppm/%RHの範囲内、さらに好ましくは0ppm/%RH〜10ppm/%RHの範囲内である。上記絶縁層の吸湿膨張係数が上記範囲であれば、上記絶縁層の吸水性を十分小さくすることができ、本発明のパワーモジュール用金属配線付基板として保管が容易であり、パワーモジュール用金属配線付基板を用いて素子を製造する場合にはその工程が簡便になるからである。また、上記非熱可塑ポリイミドの吸湿膨張係数が小さいほど、上記絶縁層の寸法安定性が向上する。熱可塑性ポリイミド系樹脂の吸湿膨張係数が大きいと、吸湿膨張係数がほとんどゼロに近い金属基板との膨張率の差によって、湿度の上昇とともに、上記金属基板や配線との密着性が低下したりする場合があるからである。
なお、吸湿膨張係数の測定方法としては、湿度可変機械的分析装置(Thermo Plus TMA8310(リガク社製))によって測定することができる。例えば、温度を25℃で一定とし、まず、湿度を15%RHの環境下でサンプルが安定となった状態とし、概ね30分〜2時間その状態を保持した後、測定部位の湿度を20%RHとし、さらにサンプルが安定になるまで30分〜2時間その状態を保持する。その後、湿度を50%RHに変化させ、それが安定となった際のサンプル長と20%RHで安定となった状態でのサンプル長との違いを、湿度の変化(この場合50−20の30)で割り、その値をサンプル長で割った値を吸湿膨張係数(C.H.E.)とする。測定の際、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重は1g/25000μm2とする。
絶縁層、及び絶縁層を構成するすべての前記熱可塑性絶縁性樹脂及び前記非熱可塑性絶縁性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、260℃以上であることが好ましく、なかでも、270℃以上であることが、耐熱性の観点から望しい。上記Tgが上述の範囲内であることにより、本発明のモジュール用基板の耐熱性を十分に高いものとすることができるからである。
なお、Tgは高い程耐熱性が高くなり好ましいが、通常、ポリイミドの物性を引きだすためにTgより高い温度でキュア(加熱処理)をすることが好ましく、Tgが高すぎる場合、キュア時に上記絶縁層や金属基板が劣化する可能性がある。このような観点から、Tgの上限としては、500℃以下であることが好ましい。Tgが上記範囲よりも低い場合、絶縁層が軟化し始める温度が250℃前後もしくはそれ以下になり、はんだリフローなどの高温プロセス時や始動時高温をともなう素子周り、エンジンルームなどの環境下で絶縁層が軟化し始める場合があるため、それに伴い、絶縁性や放熱性、密着性が悪化する可能性があるからである。逆にTgが上記範囲よりも高い場合、軟化が始まる温度が高いため、熱応力を十分に緩和できない、もしくは、上記絶縁層や上記金属基板等が、劣化する可能性があるからである。
また、絶縁層は、260℃以下に融点を有さないことが好ましく、なかでも、270℃以下に融点を有さないことが好ましく、300℃以下に融点を有さないことがさらに好ましい。本発明のモジュール用金属配線付基板の耐熱性を十分に高いものとすることができるからである。
絶縁層を構成する2層以上の絶縁性樹脂層は、熱可塑性樹脂を含む層と非熱可塑性樹脂層を含む層の各々の上記の物性を考慮して選択され順序が決定される。特に絶縁性樹脂層と導電性金属配線層または金属基板との密着性向上のために、例えば、2層以上の絶縁性樹脂層の場合には、非熱可塑絶縁性樹脂を含む層が最初に金属基板または導電性金属配線層用の導電性金属層の上に直接塗布法などにより形成され、最後に熱可塑性樹脂を含む層が形成された後に、金属基板または導電性金属配線層用の導電性金属層の面上に密着して加熱加圧法により接着されて形成されることが好ましい。
また、3層以上の絶縁性樹脂層の場合には、熱可塑性絶縁性樹脂を含む層が最初に金属基板及び導電性金属層の上に形成され、中間層として非熱可塑絶縁性樹脂を含む層が設けられ、最後に熱可塑性樹脂を含む層が形成された後に、金属基板または導電性金属配線層用の導電性金属層の面上に密着して加熱加圧法により接着されて形成されることにより絶縁性と密着性に優れたモジュール用金属配線付基板が得られる。
絶縁層を構成する熱可塑性絶縁性樹脂及び非熱可塑性絶縁性樹脂としては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が挙げられる。一種または二種以上の組合せにより適宜使用することができる。
熱可塑性絶縁性樹脂層及び非熱可塑性絶縁性樹脂層の2種類の層を用いることによって、例えば、熱可塑性ポリイミド系絶縁性樹脂と熱可塑性ポリイミド系絶縁性樹脂を用いることによって、非熱可塑性ポリイミド系樹脂によって、線膨張、湿度膨張のコントロールを行い、熱可塑性ポリイミド系樹脂によって金属基板との密着性を付与することができる。
さらに、非熱可塑ポリイミド系樹脂と熱可塑性ポリイミド系樹脂を一括キュア(加熱処理)により界面がなく放熱性、絶縁性がよい効果が得られ、樹脂同士の剥がれが抑制される。
また、熱可塑性ポリイミド系樹脂としてポリイミド前駆体で塗布、乾燥し、加熱硬化、加熱圧着する場合には、導電性金属配線層や金属基板とポリイミド前駆体が化学的相互作用し、界面での接触抵抗がなくなることで熱伝達性がよく放熱性が向上し、線熱膨張が導電性金属配線層、金属基板と差の小さく密着性がよい材料を構成することにより、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化とチップ接合時のはんだ工程温度の制約をなくすパワーモジュール用金属配線付基板を提供することができる。化学的相互作用とは接着層を設けず、導電性金属配線層や金属基板の表面との相互作用のことを指し、ポリイミド前駆体中の水酸基、カルボニル基、またはアミノ基が導電性金属配線層や金属基板の表面と電気的に相互作用し、加熱硬化後も導電性金属配線層や金属基板の表面と密着性を高め、かつ、接触抵抗をなくし放熱性を向上させる効果を生じるものである。
さらに、非熱可塑ポリイミド系樹脂と熱可塑性ポリイミド系樹脂を一括キュア(加熱処理)により界面がなく放熱性、絶縁性がよい効果が得られ、樹脂同士の剥がれが抑制される。
また、熱可塑性ポリイミド系樹脂としてポリイミド前駆体で塗布、乾燥し、加熱硬化、加熱圧着する場合には、導電性金属配線層や金属基板とポリイミド前駆体が化学的相互作用し、界面での接触抵抗がなくなることで熱伝達性がよく放熱性が向上し、線熱膨張が導電性金属配線層、金属基板と差の小さく密着性がよい材料を構成することにより、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化とチップ接合時のはんだ工程温度の制約をなくすパワーモジュール用金属配線付基板を提供することができる。化学的相互作用とは接着層を設けず、導電性金属配線層や金属基板の表面との相互作用のことを指し、ポリイミド前駆体中の水酸基、カルボニル基、またはアミノ基が導電性金属配線層や金属基板の表面と電気的に相互作用し、加熱硬化後も導電性金属配線層や金属基板の表面と密着性を高め、かつ、接触抵抗をなくし放熱性を向上させる効果を生じるものである。
さらに、熱圧着可能な熱可塑性ポリイミド系樹脂を用い、金属基板または導電性金属配線層と加熱及び加圧により接着することで密着性がよく、剥がれやクラックによる絶縁性の悪化がなく、放熱性がよい効果が得られる。熱可塑性ポリイミド系樹脂層は、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層に比べ4倍以上薄く形成されているため、線熱膨張や軟化による膜厚変化、導電性金属配線層の寸法変化、絶縁性に悪影響を及ぼしにくい。
また、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層は線膨張を金属基板、導電性金属配線層と線熱膨張の差が小さいため、絶縁膜全体として金属との剥がれ、クラックを抑制でき、二つのポリイミド系樹脂の効果により、信頼性が向上する効果が得られる。
また、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層は線膨張を金属基板、導電性金属配線層と線熱膨張の差が小さいため、絶縁膜全体として金属との剥がれ、クラックを抑制でき、二つのポリイミド系樹脂の効果により、信頼性が向上する効果が得られる。
絶縁層の形成方法としては、例えば、金属基板上、または、配線層(配線形成前)に直に上記絶縁層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、押し出し成型、塗布などがある。
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、バーコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
<非熱可塑性ポリイミド系樹脂層>
本発明に用いられる非熱可塑性ポリイミド系樹脂を含む層(本発明において、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層という。)は、非熱可塑性ポリイミド系樹脂で構成されており、フィラーを含むことが好ましい。
<非熱可塑性ポリイミド系樹脂層>
本発明に用いられる非熱可塑性ポリイミド系樹脂を含む層(本発明において、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層という。)は、非熱可塑性ポリイミド系樹脂で構成されており、フィラーを含むことが好ましい。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂層の形成方法としては、例えば、金属基板上、または、導電性金属配線層(配線形成前)に直に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、押し出し成型、塗布などがある。
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、バーコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂としては、熱可塑性を有さないもの、すなわち、一般的な熱可塑性ポリイミドが熱可塑性を発現する温度程度では可塑性を示さないものをいうものであり、具体的には、室温(25℃程度)から300℃もしくはガラス転移点温度+20℃のどちらか低い温度までの温度領域において貯蔵弾性率が常に1.0×108Pa以上であるポリイミド樹脂をいうものである。
また、室温(25℃程度)から300℃もしくはガラス転移点温度+20℃のどちらか低い温度までの温度領域における貯蔵弾性率としては、常に1.0×108Pa以上のものであれば特に限定されるものではないが、なかでも1.0×108〜1.0×1011Paの範囲内であることが好ましく、さらに5.0×108〜5.0×1010の範囲内であることが好ましい。上記貯蔵弾性率が上記範囲よりも低い場合、はんだリフローなどの高温プロセス時に絶縁層が軟化し始める場合があるため、加熱時に膜厚変化、導電性金属配線層の寸法変化し、また、厚みの変化により絶縁性が悪化する可能性があるからである。また、詳細については、後述するが、ポリイミドが熱可塑性を有する絶縁層のみの場合には、柔軟な骨格のモノマー(主にジアミン)を用いる必要があり、得られるフィルムのガラス転移温度が低くなる、また、線膨張係数が大きくなり、金属層と線膨張係数を合わせることが困難になるという課題が発生する場合があるからである。一方、貯蔵弾性率が上記範囲よりも高い場合は、ベーク時に熱応力を緩和しやすいレベルにまでフィルムが軟化させることが困難であり、絶縁層の歪みや表面平坦性の面で悪影響を及ぼす可能性がある。また、詳細については、後述するが、ポリイミドの貯蔵弾性率が高いものである場合には、剛直な骨格のモノマー(主にジアミン)を用いる必要があり、得られるフィルムのガラス転移温度が高くなる、また、線膨張係数が小さくなりすぎ、金属層と合わせることが困難になるという課題が発生する場合があるからである。
なお、貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(例えば、RSA3 (TAインスツルメンツ社製)を用い、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で測定した値である。
また、本願における熱可塑性ポリイミド樹脂としては、通常、室温(25℃程度)から300℃もしくはガラス転移点温度+20℃のどちらか低い温度までの温度領域において貯蔵弾性率1.0×108未満となる温度領域が存在するポリイミドをいうものである。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、所望の絶縁性等を発揮することができるものであれば特に限定されるものではないが、260℃以上であることが好ましく、なかでも、270℃以上であることが、耐熱性の観点から望しい。上記Tgが上述の範囲内であることにより、本発明のパワーモジュール用基板の耐熱性を十分に高いものとすることができるからである。
なお、Tgは高い程耐熱性が高くなり好ましいが、通常、ポリイミドの物性を引きだすためにTgより高い温度でキュア(加熱処理)をすることが好ましく、Tgが高すぎる場合、キュア時に上記絶縁層や上記金属基板が劣化する可能性がある。このような観点から、Tgの上限としては、500℃以下であることが好ましい。Tgが上記範囲よりも低い場合、絶縁層が軟化し始める温度が250℃前後もしくはそれ以下になり、はんだリフローなどの高温プロセス時に絶縁層が軟化し始める場合があるため、加熱時の膜厚変化や導電性金属配線層の寸法変化により絶縁性が悪化する可能性があるからである。逆にTgが上記範囲よりも高い場合、軟化が始まる温度が高いため、熱応力を十分に緩和できない、もしくは、上記絶縁層や上記パワーモジュール用金属配線付基板等が、劣化する可能性があるからである。
また、本発明における非熱可塑性ポリイミド系樹脂は、260℃以下に融点を有さないことが好ましく、なかでも、270℃以下に融点を有さないことが好ましく、300℃以下に融点を有さないことがさらに好ましい。本発明のパワーモジュール用金属配線付基板の耐熱性を十分に高いものとすることができるからである。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂層の熱伝導率としては、所望の熱伝導性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂層の熱伝導率としては、1〜15W/mKが好ましい。さらに、薄膜化、放熱性の観点から、2.5〜15W/mKが好ましい。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂の線熱膨張係数としては、本発明のパワーモジュール用金属配線付基板の使用時に剥離やクラックによる放熱性、絶縁性の観点から、0ppm/℃〜40ppm/℃の範囲内であることが好ましい。線熱膨張係数が大きすぎると、温度変化時に生じる伸び縮みが大きくなるため、上記の観点から悪影響を及ぼすからである。また、上記金属基板として銅やアルミ等の放熱性に優れた金属材料からなるものが用いられた場合であっても剥離や反りの発生を十分に抑制することができるからである。
なお、線熱膨張係数は、次のように測定する。まず、上記非熱可塑性ポリイミド系樹脂のみのフィルムを作製する。上記金属に上記非熱可塑性ポリイミド系樹脂のみからなるフィルム(絶縁層)を作製した後、上記絶縁層を剥離する方法や、上記金属基板上に上記非熱可塑ポリイミドフィルムを作製した後、上記金属をエッチングで除去し、上記非熱可塑性ポリイミド系樹脂フィルムを得る方法がある。次いで、得られた、上記非熱可塑性ポリイミド系樹脂フィルムを幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとする。線熱膨張係数は、熱機械分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製))によって測定する。測定条件は、昇温速度を10℃/分、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2とし、100℃〜200℃の範囲内の平均の線熱膨張係数を線熱膨張係数(C.T.E.)とする。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂の線熱膨張係数と上記金属の線熱膨張係数との差としては、剥離やクラックによる放熱性、絶縁性への悪影響を及ぼさない観点から、15ppm/℃以下であることが好ましく、より好ましくは10ppm/℃以下、さらに好ましくは5ppm/℃以下である。上記金属基板との線熱膨張係数が近いほど、本発明のパワーモジュール用金属配線付基板の剥がれやクラックが抑制されるとともに、上記パワーモジュール用金属配線付基板の熱環境が変化した際に、上記金属基板との界面の応力が小さくなり密着性が向上するからである。これに対して、本発明のパワーモジュール用金属配線付基板は、取り扱い上、0℃〜100℃、このましくは0℃〜150℃、0℃〜260℃の範囲の温度環境下では剥がれないことが好ましいが、非熱可塑性ポリイミド系樹脂の線熱膨張係数が大きいために絶縁層と金属基板との線熱膨張係数の差が大きく異なると、パワーモジュール用金属配線付基板が熱環境の変化で膨張率の違いにより剥がれてしまう。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂の吸水性としては、高湿環境化での動作、プロセス上、水系のプロセスや長期保存することがかんがえられるため、比較的小さいことが好ましい。吸水性の指標の一つとして、吸湿膨張係数がある。したがって、上記非熱可塑性ポリイミド系樹脂の吸湿膨張係数は小さければ小さいほど好ましく、具体的には、0ppm/%RH〜15ppm/%RHの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0ppm/%RH〜12ppm/%RHの範囲内、さらに好ましくは0ppm/%RH〜10ppm/%RHの範囲内である。上記非熱可塑性ポリイミド系樹脂の吸湿膨張係数が上記範囲であれば、上記非熱可塑性ポリイミド系樹脂の吸水性を十分小さくすることができ、本発明のパワーモジュール用金属配線付基板の保管が容易であり、上記パワーモジュール用金属配線付基板を用いてパワー半導体素子モジュールを製造する場合にはその工程が簡便になるからである。また、上記非熱可塑性ポリイミド系樹脂の吸湿膨張係数が小さいほど、上記導電性金属配線層や金属基板と非熱可塑性ポリイミド系樹脂の密着性が向上し、剥離やクラックによる放熱性、絶縁性への悪影響をおよぼさない。上記非熱可塑性ポリイミド系樹脂の吸湿膨張係数が大きいと、吸湿膨張係数がほとんどゼロに近い金属基板との膨張率の差によって、湿度の上昇とともに、上記金属基板や導電性金属配線層との密着性が低下したり、剥離やクラックによる放熱性、絶縁性に悪影響を及ぼす場合があるからである。
なお、吸湿膨張係数の測定方法としては、湿度可変機械的分析装置(Thermo Plus TMA8310(リガク社製))によって測定することができる。例えば、温度を25℃で一定とし、まず、湿度を15%RHの環境下でサンプルが安定となった状態とし、概ね30分〜2時間その状態を保持した後、測定部位の湿度を20%RHとし、さらにサンプルが安定になるまで30分〜2時間その状態を保持する。その後、湿度を50%RHに変化させ、それが安定となった際のサンプル長と20%RHで安定となった状態でのサンプル長との違いを、湿度の変化(この場合50−20の30)で割り、その値をサンプル長で割った値を吸湿膨張係数(C.H.E.)とする。測定の際、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重は1g/25000μm2とする。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂として用いられるポリイミド樹脂としては、上記絶縁層の線熱膨張係数、吸湿膨張係数、熱伝導率、貯蔵弾性率を本発明のパワーモジュール用基板に好適なものとする観点から、芳香族骨格を含むポリイミド樹脂であることが好ましい。ポリイミド樹脂のなかでも芳香族骨格を含有するポリイミド樹脂は、その剛直で平面性の高い骨格に由来して、耐熱性や薄膜での絶縁性に優れ、分子構成部位が連続して振動するため熱伝導率が高く、線熱膨張係数も低いことから、本発明のパワーモジュール用基板の絶縁層に好ましく用いられるからである。
具体的には、下記式(I)で表されるものを挙げることができる。
式(I)において、一般に、R1は、テトラカルボン酸二無水物由来の構造であり、R2はジアミン由来の構造であり、一般的に、ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて、ポリアミック酸などのポリイミド前駆体を合成した後、熱的もしくは化学的にイミド化させることにより得られる。
上記ポリイミド樹脂に適用可能なテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、4,4’−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4’−ビス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ぺリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
上記ポリイミド樹脂の耐熱性、線熱膨張係数などの観点から好ましく用いられるテトラカルボン酸二無水物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物である。特に好ましく用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、メロファン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。
なかでも、吸湿膨張係数を低減させる観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物が特に好ましい。
併用するテトラカルボン酸二無水物としてフッ素が導入されたテトラカルボン酸二無水物を用いると、ポリイミド樹脂の吸湿膨張係数が低下する。しかしながら、フッ素を含んだ骨格を有するポリイミド樹脂の前駆体は、塩基性水溶液に溶解しにくく、アルコール等の有機溶媒と塩基性水溶液との混合溶液によって現像を行う必要がある。
また、ピロメリット酸二無水物、メロファン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの剛直なテトラカルボン酸二無水物を用いると、ポリイミド樹脂の線熱膨張係数が小さくなるので好ましい。なかでも、線熱膨張係数と吸湿膨張係数とのバランスの観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
芳香族のテトラカルボン酸二無水物を用いた場合、耐熱性に優れ、低線熱膨張係数を示すポリイミド樹脂となるというメリットがある。したがって、ポリイミド樹脂において、上記式(I)中のR1のうち33モル%以上が、下記式で表わされるいずれかの構造であることが好ましい。
上記のような構造を有するポリイミド樹脂は、高耐熱性、低線熱膨張係数を示すポリイミド樹脂である。そのため、上記式で表わされる構造の含有量は上記式(I)中のR1のうち100モル%に近ければ近いほど好ましいが、少なくとも上記式(I)中のR1のうち33%以上含有すればよい。なかでも、上記式で表わされる構造の含有量は上記式(I)中のR1のうち50モル%以上であることが好ましく、さらに70モル%以上であることが好ましい。
また、上記〔化2〕の芳香族テトラカルボン酸二無水物や上記〔化2〕の単結合で連結した芳香族ベンゼン環の間に単結合、また、C、O、カルボニル基、スルホニル基などで連結したベンゼン環を1個含むテトラカルボン酸二無水物を用いた場合、隣接する他の分子中のベンゼン環同士が相互作用し、コアをつくり熱伝導率が向上する。また、ベンゼン環とベンゼン環の間の上記連結基が2個以上ある場合は剛直な骨格にならず、線熱膨張率、湿度膨張率が低下する恐れがある。
上記のような構造を有するポリイミド樹脂は、熱伝導率の向上を示すポリイミド樹脂である。そのため、上記式で表わされる構造の含有量は上記式(I)中のR1のうち少なくとも33%以上含有すればよい。また、この場合は1.0×108〜1.0×1011Paの範囲内、かつ、ガラス転移温度が260℃以下にならないように剛直な骨格のテトラカルボン酸であるピロメリット酸二無水物、メロファン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの剛直なテトラカルボン酸二無水物と併用する。
一方、ポリイミド樹脂に適用可能なジアミン成分も、1種類のジアミン単独で、または2種類以上のジアミンを併用して用いることができる。用いられるジアミン成分は特に限定されるものではなく、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。また、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミン等も使用することができる。
ジアミンは、目的の物性によって選択することができ、p−フェニレンジアミンなどの剛直なジアミンを用いれば、ポリイミド樹脂は低膨張係数となる。剛直なジアミンとしては、同一の芳香環に2つアミノ基が結合しているジアミンとして、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2、6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノアントラセンなどが挙げられる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接または置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(II)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
さらに、上記式(II)において、他のベンゼン環との結合に関与せず、ベンゼン環上のアミノ基が置換していない位置に置換基を有するジアミンも用いることができる。これら置換基は、1価の有機基であるがそれらは互いに結合していてもよい。具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
また、芳香環の置換基としてフッ素を導入すると吸湿膨張係数を低減させることができる。しかしながら、フッ素を含むポリイミド樹脂前駆体、特にポリアミック酸は、塩基性水溶液に溶解しにくく、支持基材上に絶縁層を部分的に形成する場合には、絶縁層の加工の際に、アルコールなどの有機溶媒との混合溶液で現像する必要がある場合がある。
ポリイミド樹脂が上記式のいずれかの構造を含むと、これら剛直な骨格に由来し、低線熱膨張および低吸湿膨張を示す。さらには、市販で入手が容易であり、低コストであるというメリットもある。
上記のような構造を有する場合、ポリイミド樹脂の耐熱性が向上し、線熱膨張係数が小さくなる。そのため、上記式(I)中のR2のうち100モル%に近ければ近いほど好ましいが、上記式(I)中のR2のうち少なくとも33%以上含有すればよい。なかでも上記式で表わされる構造の含有量は上記式(I)中のR2のうち50モル%以上であることが好ましく、さらに70モル%以上であることが好ましい。
また、熱伝導率が向上させるために、p−フェニレンジアミンなど同一の芳香環に2つアミノ基が結合している剛直なジアミンとしてp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2、6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノアントラセンなどが挙げられる。
また、〔化4〕のR3は2価の有機基、酸素原子、硫黄原子、またはスルホン基であり、R4およびR5は1価の有機基、またはハロゲン原子である。〔化4〕の化合物やアミノ基のついた二つのベンゼン環の間に2価の有機基、酸素原子、硫黄原子、またはスルホン基で1個ベンゼン環を挿入したジアミンも上げられる。上記式で表わされる構造の含有量は上記式(I)中のR2のうち少なくとも33%以上含有すればよい。これらは、ベンゼン環の相互作用によりコアをつくり、熱伝導を向上させる。この場合は1.0×108〜1.0×1011Paの範囲内、かつ、ガラス転移点が260℃以下にならないように、剛直なジアミンとして、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2、6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノアントラセンなど併用して用いる。
また、本発明においては、非熱可塑性ポリイミド樹脂を所望の貯蔵弾性率を有するものとするために、主成分として含まれるポリイミド樹脂を構成する原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミンについて、屈曲性を有する原料の割合が少ない方が好ましい。すなわち、ポリイミド樹脂を構成するテトラカルボン酸二無水物およびジアミン中の屈曲性を有する構造のテトラカルボン酸二無水物および屈曲性を有する構造のジアミンの含有率が少ないことが好ましい。
ここで、屈曲性を有する構造のテトラカルボン酸二無水物としては、柔軟な骨格を有し、貯蔵弾性率やTgを低いものとするものであれば特に限定されるものではなく、最新ポリイミド・基礎と応用, 今井淑夫, 横田力男, エヌ・ティー・エス, p.241〜252 (2002)、躍進するポリイミドの最新動向IV、住ベリサーチ株式会社p3〜12、WO2007/015396号公報等に記載されるものを挙げることができる。
得られるポリイミドの粘度としては、2000〜100000mPa・sであることが好ましい。さらに好ましくは、3000〜30000mPa・sで、それ以下になると膜がもろく成膜できなくなり、Tgの低下、絶縁性に悪影響を及ぼす。それ以上になると平坦な膜が成膜できなくなる。粘度は東機産業製TV-22型粘度計を用いて測定した。
得られるポリイミドの末端に前駆体のパターニング性の向上や架橋、フィラーとの分散性を向上するなど、目的に応じて末端基を導入してもよく、たとえば、ナジイミド、ビニル、アセチレン、フェニルエチニル、ビフェニレン、シアナート、マレイミド、フタルイミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロルシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン、N,N'-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン基などがある。
得られるポリイミドの末端に前駆体のパターニング性の向上や架橋、フィラーとの分散性を向上するなど、目的に応じて末端基を導入してもよく、たとえば、ナジイミド、ビニル、アセチレン、フェニルエチニル、ビフェニレン、シアナート、マレイミド、フタルイミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロルシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン、N,N'-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン基などがある。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂としてポリイミド前駆体で塗布、乾燥し、加熱硬化する場合には、導電性金属配線層や金属基板とポリイミド前駆体が化学的相互作用し、界面での接触抵抗がなくなることで熱伝達性がよく放熱性が向上する。そして、線熱膨張が導電性金属配線層、金属基板と差が小さく密着性がよい材料を構成することにより、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化とチップ接合時のはんだ工程温度の制約をなくすパワーモジュール用金属配線付基板を提供することができる。化学的相互作用とは接着層を設けず、導電性金属配線層や金属基板の表面との相互作用のことを指し、ポリイミド前駆体中の水酸基、カルボニル基、またはアミノ基が導電性金属配線層や金属基板の表面と電気的に相互作用し、加熱硬化後も導電性金属配線層や金属基板の表面と密着性を高め、かつ、接触抵抗をなくし放熱性を向上させる効果を生じるものである。
<熱可塑性ポリイミド系樹脂層>
熱可塑性ポリイミド系樹脂を含む層(本発明において熱可塑性ポリイミド系樹脂層という)は、熱可塑性ポリイミド系樹脂で構成され、フィラーを含むことが好ましい。
<熱可塑性ポリイミド系樹脂層>
熱可塑性ポリイミド系樹脂を含む層(本発明において熱可塑性ポリイミド系樹脂層という)は、熱可塑性ポリイミド系樹脂で構成され、フィラーを含むことが好ましい。
熱可塑性ポリイミド系樹脂層の膜厚は、金属基板、または、導電性金属配線層との密着性付与のため、
熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みとしては非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みの1/4倍未満が好ましく、放熱性、線熱膨張係数の観点から1〜35μmが好ましく、1〜15μmがさらに好ましく、1〜5μmが特に好ましい。熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みが1μm未満になると熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の平坦性が悪化し、絶縁層と金属基板及び導電性金属配線層との密着性が悪化する
熱可塑性ポリイミド系樹脂層の形成方法としては、例えば、金属基板上、または、導電性金属配線層(配線形成前)に直に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、押し出し成型、塗布などがある。
熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みとしては非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みの1/4倍未満が好ましく、放熱性、線熱膨張係数の観点から1〜35μmが好ましく、1〜15μmがさらに好ましく、1〜5μmが特に好ましい。熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みが1μm未満になると熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の平坦性が悪化し、絶縁層と金属基板及び導電性金属配線層との密着性が悪化する
熱可塑性ポリイミド系樹脂層の形成方法としては、例えば、金属基板上、または、導電性金属配線層(配線形成前)に直に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、押し出し成型、塗布などがある。
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、バーコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
熱可塑性ポリイミド系樹脂としては、熱可塑性を有し、具体的には、室温(25℃程度)から300℃もしくはガラス転移点温度+20℃のどちらか低い温度までの温度領域において貯蔵弾性率が常に1.0×107Pa以下であるポリイミド樹脂をいうものである。
また、室温(25℃程度)から300℃もしくはガラス転移点温度+20℃のどちらか低い温度までの温度領域における貯蔵弾性率としては、常に1.0×108Pa未満のものであれば特に限定されるものではないが、なかでも9.0×107〜1.0×104Paの範囲内であることが好ましい。上記貯蔵弾性率が上記範囲よりも低い場合、高温プロセス時に絶縁層が軟化し始める場合があるため、金属基板と導電性金属配線層が横ずれする恐れがある。本発明では熱可塑ポリイミド樹脂層を十分薄く成膜するため、前記非熱可塑ポリイミドで記述したが、加熱時に厚みの変化に与える影響は小さい。また、ガラス転移温度を260℃以上になるものを使用し、線熱膨張係数が大きくなるが、非熱可塑ポリイミドと積層し、に対し、非熱可塑ポリイミドの4倍より薄く成膜するため、絶縁膜全体の線熱膨張係数に影響は少なく、張り合わせの課題が発生する恐れはない。一方、貯蔵弾性率が上記範囲よりも高い場合は、金属基板、または、導電性金属配線層と絶縁層とを加熱及び加圧により接着するとき十分な密着をとることが困難となる。 なお、貯蔵弾性率は、非熱可塑ポリイミドと同条件で測定した。
熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、260℃以上であることが好ましく、なかでも、270℃以上であることが、耐熱性の観点から望しい。上記Tgが上述の範囲内であることにより、本発明のパワーモジュール用金属配線付基板の耐熱性を十分に高いものとすることができるからである。
なお、Tgは高い程耐熱性が高くなり好ましいが、通常、ポリイミドの物性を引きだすためにTgより高い温度でキュア(加熱処理)をすることが好ましく、Tgが高すぎる場合、キュア時に上記絶縁層や上記金属基板が劣化する可能性がある。このような観点から、Tgの上限としては、500℃以下であることが好ましい。Tgが上記範囲よりも低い場合、絶縁層が軟化し始める温度が250℃前後もしくはそれ以下になり、はんだリフローなどの高温プロセス時に絶縁層が軟化し始める場合があるため、加熱時、膜厚変化による絶縁性の悪化、導電性金属配線層の寸法変化する可能性があるからである。逆にTgが上記範囲よりも高い場合、軟化が始まる温度が高いため、熱応力を十分に緩和できない、もしくは、上記絶縁層や上記パワーモジュール用基板等が、劣化する可能性があるからである。
また熱可塑性ポリイミド系樹脂は、260℃以下に融点を有さないことが好ましく、なかでも、270℃以下に融点を有さないことが好ましく、300℃以下に融点を有さないことがさらに好ましい。本発明のパワーモジュール用基板の耐熱性を十分に高いものとすることができるからである。
熱可塑性ポリイミド系樹脂の熱伝導率としては、所望の熱伝導性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、後述するフィラーを含んでもいてもよい。
本発明に用いられる熱可塑性ポリイミド系樹脂の熱伝導率としては放熱性の観点から0.2〜15W/mKが好ましい。
熱可塑性ポリイミド系樹脂の吸水性としては、高湿環境化での動作、プロセス上、水系のプロセスや長期保存することがかんがえられるため、比較的小さいことが好ましい。吸水性の指標の一つとして、吸湿膨張係数がある。したがって、上記熱可塑ポリイミドの吸湿膨張係数は小さければ小さいほど好ましく、具体的には、0ppm/%RH〜15ppm/%RHの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0ppm/%RH〜12ppm/%RHの範囲内、さらに好ましくは0ppm/%RH〜10ppm/%RHの範囲内である。上記熱可塑ポリイミドの吸湿膨張係数が上記範囲であれば、上記絶縁層の吸水性を十分小さくすることができ、本発明のパワーモジュール用金属配線付基板の保管が容易であり、上記パワーモジュール用金属配線付基板を用いてパワー半導体素子モジュールを製造する場合にはその工程が簡便になるからである。また、上記熱可塑ポリイミドの吸湿膨張係数が小さいほど、導電性金属配線層や金属基板と上記絶縁層の密着性が向上し、剥離やクラックによる放熱性、絶縁性への悪影響をおよぼさない。上記熱可塑ポリイミドの吸湿膨張係数が大きいと、吸湿膨張係数がほとんどゼロに近い金属基板との膨張率の差によって、湿度の上昇とともに、上記金属基板や導電性金属配線層との密着性が低下したり、剥離やクラックによる放熱性、絶縁性への悪影響を及ぼす場合があるからである。
なお、吸湿膨張係数の測定方法としては、湿度可変機械的分析装置(Thermo Plus TMA8310(リガク社製))によって測定することができる。例えば、温度を25℃で一定とし、まず、湿度を15%RHの環境下でサンプルが安定となった状態とし、概ね30分〜2時間その状態を保持した後、測定部位の湿度を20%RHとし、さらにサンプルが安定になるまで30分〜2時間その状態を保持する。その後、湿度を50%RHに変化させ、それが安定となった際のサンプル長と20%RHで安定となった状態でのサンプル長との違いを、湿度の変化(この場合50−20の30)で割り、その値をサンプル長で割った値を吸湿膨張係数(C.H.E.)とする。測定の際、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重は1g/25000μm2とする。
熱可塑性ポリイミド系樹脂としては、上記絶縁層の吸湿膨張係数、熱伝導率、貯蔵弾性率、耐熱性を本発明のパワーモジュール用金属配線付基板に好適なものとする観点から、芳香族骨格を含む屈曲性を有する構造ポリイミド樹脂であることが好ましい。耐熱性や薄膜での絶縁性に優れ、熱伝導率が高く、貯蔵弾性率も低いことから、本発明のパワーモジュール用基板の密着性、放熱性を有する絶縁層に好ましく用いられるからである。
ここで、屈曲性を有する構造のテトラカルボン酸二無水物としては、柔軟な骨格を有し、貯蔵弾性率やTgを低いものとするものであれば特に限定されるものではなく、最新ポリイミド・基礎と応用, 今井淑夫, 横田力男, エヌ・ティー・エス, p.241〜252 (2002)、躍進するポリイミドの最新動向IV住ベリサーチ株式会社p3〜12、WO20
07/015396号公報等に記載されるものを挙げることができるが、より具体的には、アルキル基、エーテル基、スルホン基、ケトン基、スルフィド基など柔構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、下記の一般式(III)で表されるものを挙げることができる。
07/015396号公報等に記載されるものを挙げることができるが、より具体的には、アルキル基、エーテル基、スルホン基、ケトン基、スルフィド基など柔構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、下記の一般式(III)で表されるものを挙げることができる。
屈曲性を有する構造のテトラカルボン酸二無水物の、ポリイミド樹脂を構成する全テトラカルボン酸二無水物中の含有量としては、所望の貯蔵弾性率の熱可塑性ポリイミドとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、屈曲性を有する構造のテトラカルボン酸二無水物の種類や、その他のテトラカルボン酸二無水物成分およびジアミン成分の種類等に応じて適宜設定されるものであるが、50mol%以上であることが好ましく、なかでも、75mol%以上であることが好ましい。上述の範囲であることにより、所望の貯蔵弾性率とすることが容易だからである。
また、吸湿膨張係数を低減させる観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物が特に好ましい。
また、屈曲性を有する構造のジアミンとしては、柔軟な骨格を有し、貯蔵弾性率を低いものとするものであれば特に限定されるものではなく、上述の「最新ポリイミド・基礎と応用」等に記載されたものを挙げることができるが、より具体的には、アルキル基、エーテル基、スルホン基、ケトン基、スルフィド基など柔構造を有するジアミンであり、下記の一般式(IV)で表されるものを挙げることができる。
さらに、上記式(IV)中において、芳香環上の水素原子の一部若しくは全てをハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンも使用することができる。また、他のベンゼン環との結合に関与せず、ベンゼン環上のアミノ基が置換していない位置に置換基を有していてもよい。これら置換基は、1価の有機基であるがそれらは互いに結合していてもよい。また、芳香環はベンゼン環で表記しているが、ピリジンなどの複素芳香環であっても、ナフタレン環などの多環芳香環であっても、ビフェニルなどの芳香環同士が、単結合で結合した化合物を用いても良い。
上記式(IV)中において、qが1〜4であることが好ましい。また、少なくとも33%以上は非熱可塑ポリイミドで記述した剛直性の高いテトラカルボン酸二無水物を含み、qが上述の範囲であることにより、屈曲性の高いものとすることができ貯蔵弾性率を低く、260℃以上のTgとすることができるからである。
屈曲性を有する構造のジアミンの、ポリイミド樹脂を構成する全ジアミン中の含有量としては、所望の貯蔵弾性率の熱可塑性ポリイミドとすることができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、qが1の場合の、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミンは、エーテル結合などの屈曲部位を一つしか有さないため、屈曲性が比較的低く、熱可塑性とする効果が、他に比べて小さいため75mol%以上含む必要がある。このように、含有量は、屈曲性を有する構造のジアミンの種類や、その他のテトラカルボン酸二無水物成分およびジアミン成分の種類等に応じて適宜設定されるものであるが、qが2以上のものについては、50質量%以上であることが好ましい。所望の貯蔵弾性率とすることが容易だからである。
なお、ポリイミド樹脂を構成する全ジアミン中の含有量とは、モノマーとしての全ジアミン中の屈曲性を有する構造のジアミンの含有量をいうものである。
得られるポリイミドの粘度としては、2000〜100000mPa・sであることが好ましい。さらに好ましくは、3000〜30000mPa・sで、それ以下になると膜がもろく成膜できなくなり、Tgの低下、絶縁性に悪影響を及ぼす。それ以上になると平坦な膜が成膜が困難になり、加熱及び加圧により接着することが困難になる。粘度は東機産業製TV-22型粘度計を用いて測定した。
得られるポリイミドの末端に前駆体のパターニング性の向上や架橋、フィラーとの分散性を向上するなど、目的に応じて末端基を導入してもよく、たとえば、ナジイミド、ビニル、アセチレン、フェニルエチニル、ビフェニレン、シアナート、マレイミド、フタルイミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロルシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン、N,N'-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどがある。
得られるポリイミドの末端に前駆体のパターニング性の向上や架橋、フィラーとの分散性を向上するなど、目的に応じて末端基を導入してもよく、たとえば、ナジイミド、ビニル、アセチレン、フェニルエチニル、ビフェニレン、シアナート、マレイミド、フタルイミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロルシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン、N,N'-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどがある。
熱可塑性ポリイミド系樹脂としてポリイミド前駆体で塗布、乾燥し、加熱硬化、加熱圧着する場合には、導電性金属配線層や金属基板とポリイミド前駆体が化学的相互作用し、界面での接触抵抗がなくなることで熱伝達性がよく放熱性が向上する。そして、密着性がよい材料を構成することにより、パワーモジュールの放熱性と耐熱性を有し、ヒートサイクルや耐熱試験で剥離や短絡がなく、信頼性を向上させ、大面積のパワーモジュールの作製も可能とし、さらには接合層を減らしてパワーモジュールの構造を簡略化とチップ接合時のはんだ工程温度の制約をなくすパワーモジュール用金属配線付基板を提供することができる。化学的相互作用とは接着層を設けず、導電性金属配線層や金属基板の表面との相互作用のことを指し、ポリイミド前駆体中の水酸基、カルボニル基、またはアミノ基が導電性金属配線層や金属基板の表面と電気的に相互作用し、加熱硬化後も導電性金属配線層や金属基板の表面と密着性を高め、かつ、接触抵抗をなくし放熱性を向上させる効果を生じるものである。
<フィラー>
絶縁層を構成する熱可塑性絶縁性樹脂を含む層および非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層には、フィラーを添加できる。具体的には、上記の熱可塑性ポリイミド系樹脂を含む層の中に、または、非熱可塑性樹脂ポリイミド系樹脂を含む層の中に添加するフィラーとしては、絶縁性を体積固有抵抗が1013(Ω/cm)以上有する無機化合物であれば特に制限はないが、0.3W/mK以上の熱伝導率を有するものであることが好ましい。
フィラーの具体例としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリコンカーバイド、ダイヤモンド、ハイドロキシアパタイト等を挙げることができる。中でも、熱伝導性の観点から、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウムが好ましい。また、これらのフィラーの材質としては、1種類単独であっても2種類以上を併用してもよい。
<フィラー>
絶縁層を構成する熱可塑性絶縁性樹脂を含む層および非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層には、フィラーを添加できる。具体的には、上記の熱可塑性ポリイミド系樹脂を含む層の中に、または、非熱可塑性樹脂ポリイミド系樹脂を含む層の中に添加するフィラーとしては、絶縁性を体積固有抵抗が1013(Ω/cm)以上有する無機化合物であれば特に制限はないが、0.3W/mK以上の熱伝導率を有するものであることが好ましい。
フィラーの具体例としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリコンカーバイド、ダイヤモンド、ハイドロキシアパタイト等を挙げることができる。中でも、熱伝導性の観点から、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウムが好ましい。また、これらのフィラーの材質としては、1種類単独であっても2種類以上を併用してもよい。
フィラーの粒子形状としては特に制限はなく、球形状、破砕状、りん片状、及び凝集粒子などが挙げられる。中でも、絶縁性と熱伝導性の観点から、球形状、りん片状が好ましい。1種類単独で用いる場合は球形状がよく、1次粒径の比表面積が0.3〜15m2/gが好ましく、さらには分散性の観点から0.4〜10m2/g。それ以外の形状では隣接するフィラーと接する面積が大きく分散しづらく、絶縁性が悪化する。2種類以上を併用する場合は少なくとも30%以上上記1種類単独で用いる球状フィラーを使用することで分散性がよくなる点から好ましい。
フィラーの粒径は、体積平均粒子径が熱伝導性、耐電圧の観点から0.01μm以上20μm未満のフィラーを使い、充填量、耐電圧の観点から好ましくは、0.02μm以上6μm未満で、1種類単独であっても2種類以上を併用してもよい。1種類単独の場合は1次粒径の比表面積が0.3〜15m2/gのものが隣接するフィラーと接する面積小さくなるため好ましい。それ以上の場合は表面積が大きくなり分散性が低下し、それ以下の場合は膜厚あたりに充填できる個数が少なくなるため、放熱性が悪化する。2種類以上を併用する場合は少なくとも30%以上上記1種類単独で用いる体積平均粒子径のフィラーを使用することで分散性がよくなる点から好ましい。また、フィラーの分散性を向上するため、カップリング剤などの表面処理をしたもの、ポリイミドワニス、またはポリイミド前駆体ワニス中に分散剤を添加したものでもよい。
なお、光散乱法によって測定される平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置にて
測定される体積平均粒子径である。
なお、光散乱法によって測定される平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置にて
測定される体積平均粒子径である。
シランカップリング剤の例には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロルシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン、N,N'-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが含まれる。
シランカップリング剤を、ポリイミドワニス、またはポリイミド前駆体ワニス中に含まれる無機フィラーの表面とカップリング反応させて、フィラー表面を改質させてもよい。それにより、樹脂との相溶性を高めることができ、フィラーの凝集や分散状態を制御することができる。
フィラーの充填量は、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に対し、10〜70vol%、成膜性、熱伝導性、絶縁性の観点から好ましくは、30〜60vol%がよい。
<導電性金属配線層>
本発明に用いられる導電性金属配線層は、上記絶縁層上に直に形成されるものであり、本発明のパワーモジュール用基板上に配置されるパワー半導体素子と電気的に接続できるものであり、通常、導電性材料からなる導電層を含むものである。
<導電性金属配線層>
本発明に用いられる導電性金属配線層は、上記絶縁層上に直に形成されるものであり、本発明のパワーモジュール用基板上に配置されるパワー半導体素子と電気的に接続できるものであり、通常、導電性材料からなる導電層を含むものである。
導電性金属配線層に用いられる導電性金属層を構成する材料としては、導電性材料であれば特に限定されるものではなく、透明性の有無などにより適宜選択されるものであり、例えば、Al,Au、Ta、W、Pt、Ni、Pd、Cr、Cu、Mo、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属単体、これらの金属の酸化物、およびAlLi、AlCa、AlMg等のAl合金、MgAg等のMg合金、Ni合金、Cr合金、アルカリ金属の合金、アルカリ土類金属の合金等の合金などを挙げることができる。これらの導電性材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上を用いて積層させてもよい。また、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)等の導電性酸化物を用いることもできる。
上記導電性材料のなかでも、電気抵抗率が1.0×10−6Ω・m以下であることが好ましく、なかでも、1.0×10−7Ω・m以下であることが好ましく、特に、3.0×10−8Ω・mであることがさらに好ましい。大電流を流す場合においては、損失を抑える効果が顕著となり、あわせて、発熱を少ないものとすることができるからである。
導電性金属配線層の厚さとしては、本発明のパワーモジュール用金属配線付基板の用途等に応じて適宜設定されるものである。大電流を流す場合においては、発熱によりショートすることがないように、また、導電性金属配線層から放熱しやすいという観点から100〜500μmが好ましく、さらに、パターニング精度やエッチングプロセス時間の観点から100〜300μmが好ましい。
導電性金属配線層は、上記導電性材料からなる導電層を含むものであるが、必要に応じて、上記絶縁層側表面に上記絶縁層との密着性を向上させる密着層や、電子素子が配置される表面に上記配線層の酸化劣化等を防ぐめっき層などの保護層を有するものであっても良い。
密着層としては、上記絶縁層と上記配線層との密着性を向上させることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記支持基材に用いられる密着性層と同様のものとすることができる。
また、めっき層としては、スズ、ニッケル、銀、金めっき層を挙げることができる。また、金めっき層の下地としてニッケルめっき層が形成されていても良い。めっき層の厚さは、例えば0.01μm〜4.0μmの範囲内とすることができる。
本発明に用いられる導電性金属配線層の形成方法としては、上記配線層が上記絶縁層上に直に形成されたものとする方法であれば特に限定されるものではない。
また、上記配線層をパターン状に形成する方法としては、一般的な方法を用いることができ、上記配線層を形成した後、レジストを用いてエッチングする方法等を用いることができる。
以下、実施例により説明するが、実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
<非熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA) 4.0g(20mmol)とパラフェニレンジアミン(PPD) 8.65g(80mmol)とを500mlのセパラブルフラスコに投入し、200gの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、窒素気流下、オイルバスによって液温が50℃になるように熱電対でモニターし加熱しながら撹拌した。それらが完全に溶解したことを確認した後、そこへ、少しずつ30分かけて3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA) 29.1g(99mmol)を添加し、添加終了後、50℃で5時間撹拌した。その後室温まで冷却し、非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。ガラス転移温度は319℃であった。
<非熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へ電気化学工業製アルミナ球状フィラー(ASFP-20)を12.7g(60容量%)になるように添加した。その混合液をペイントシェーカーで2時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
ジアミノ化合物として2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(35.5g)を用い、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤NMP340gに溶解させた。次いで、窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)(24.9g)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。ガラス転移温度は280℃であった。
<パワーモジュール用基板の形成>
バーコーターを用いてフィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが17μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、フィラーが充填されていない熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化して非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(250μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(250μm)/熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm)/フィラー充填された非熱可塑性絶縁性樹脂(17μm)/金属基板(銅ベース:2500μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
パワーモジュール用基板の積層体の導電性金属層(Cu)上にドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン社製 NIT430E)を用い、真空ラミネータを用いて、積層体の両面にラミネートし、金属基板(銅ベース:2500μm)側をベタ露光、導電性金属層(Cu:250μm)面側のレジストをフォトマスクを介して露光現像により、配線パターンの形状に合せた開口部を有するレジスト層を形成した。
処理条件:プリベーク:80℃、2分
露光:50mJ/cm2
現像:1%炭酸ソーダ(30℃)、1分
線幅:ライン&スペース=5mm:2mm
・エッチング、レジスト剥離
塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてエッチングを行い、導電性金属層(Cu)に配線パターンを形成して導電性金属配線層を得た。その後、レジスト層をアルカステップHTO(ニチゴーモートン社製)を用いて剥離、純水で洗浄、乾燥した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:580s
<パワー半導体素子の搭載、冷却器の接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(実施例2)
<熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
上記実施例1と同様に調整した熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へ電気化学工業製アルミナ球状フィラー(ASFP-20)を6.3g(30容量%)になるように添加した。その混合液をペイントシェーカーで2時間撹拌しフィラーが充填された熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<パワーモジュール用基板の形成>
フィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂溶液を西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、そのフィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂上に、上記実施例1と同様に調整したフィラー充填した非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが50μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、さらにフィラー充填していない非熱可塑性絶縁性樹脂上に上記熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した。窒素雰囲気下、300℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化して熱可塑性絶縁性樹脂と非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。
次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(300μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(300μm)/熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm)/フィラー充填した非熱可塑性絶縁性樹脂(50μm)/フィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm) /金属基板(銅ベース:2500μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
パワーモジュール用基板の積層体の導電性金属層(Cu)上にドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン社製 NIT430E)を用い、真空ラミネータを用いて、積層体の両面にラミネートし、金属基板(銅ベース:2500μm)側をベタ露光、導電性金属層(Cu:300μm)面側のレジストをフォトマスクを介して露光現像により、配線パターンの形状に合せた開口部を有するレジスト層を形成した。
処理条件:プリベーク:80℃、2分
露光:50mJ/cm2
現像:1%炭酸ソーダ(30℃)、1分
線幅:ライン&スペース=5mm:2mm
・エッチング、レジスト剥離
塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてエッチングを行い、導電性金属層(Cu)に配線パターンを形成して導電性金属配線層を得た。その後、レジスト層をアルカステップHTO(ニチゴーモートン社製)を用いて剥離、純水で洗浄、乾燥した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:650s
<パワー半導体素子の搭載、ヒートシンクの接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(実施例3)
<パワーモジュール用基板の形成>
実施例2と同様にして調整したフィラーを充填した熱可塑性絶縁性樹脂溶液を西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、その上に実施例1と同様に調整したフィラー充填していない非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが15μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、さらにその上に上記フィラー充填した非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚さが50μmになるように塗布し、最後にフィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚さが3μmになるように塗布し80℃で60分乾燥した。窒素雰囲気下、300℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化して熱可塑性絶縁性樹脂と非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。
次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(300μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(300μm)/フィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm)/フィラー充填していない非熱可塑性絶縁性樹脂(15μm)/フィラー充填した非熱可塑性絶縁性樹脂(50μm) /フィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm) /金属基板(銅ベース:2500μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
パワーモジュール用基板の積層体の導電性金属層(Cu)上にドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン社製 NIT430E)を用い、真空ラミネータを用いて、積層体の両面にラミネートし、金属基板(銅ベース:2500μm)側をベタ露光、導電性金属層(Cu:300μm)面側のレジストをフォトマスクを介して露光現像により、配線パターンの形状に合せた開口部を有するレジスト層を形成した。
処理条件:プリベーク:80℃、2分
露光:50mJ/cm2
現像:1%炭酸ソーダ(30℃)、1分
線幅:ライン&スペース=5mm:2mm
・エッチング、レジスト剥離
塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてエッチングを行い、導電性金属層(Cu)に配線パターンを形成して導電性金属配線層を得た。その後、レジスト層をアルカステップHTO(ニチゴーモートン社製)を用いて剥離、純水で洗浄、乾燥した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:650s
<パワー半導体素子の搭載、ヒートシンクの接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(実施例4)
<パワーモジュール用基板の形成>
バーコーターを用いてビスフェノールA型のエポキシ樹脂 EPICLON850S(エポキシ当量183〜193:DIC株式会社製)溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが55μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、ポリアミドイミド系樹脂バイロマックス(東洋紡績株式会社製)溶液を硬化後の厚みが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、200℃、1時間熱処理し(昇温速度:10℃/分、自然放冷)でイミド化して非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。
次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(250μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(250μm)/ポリアミド絶縁性樹脂層(3μm)/フィラー充填されたエポキシ絶縁性樹脂(50μm)/金属基板(銅ベース:2500μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
パワーモジュール用基板の積層体の導電性金属層(Cu)上にドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン社製 NIT430E)を用い、真空ラミネータを用いて、積層体の両面にラミネートし、金属基板(銅ベース:2500μm)側をベタ露光、導電性金属層(Cu:250μm)面側のレジストをフォトマスクを介して露光現像により、配線パターンの形状に合せた開口部を有するレジスト層を形成した。
処理条件:プリベーク:80℃、2分
露光:50mJ/cm2
現像:1%炭酸ソーダ(30℃)、1分
線幅:ライン&スペース=5mm:2mm
・エッチング、レジスト剥離
塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてエッチングを行い、導電性金属層(Cu)に配線パターンを形成して導電性金属配線層を得た。その後、レジスト層をアルカステップHTO(ニチゴーモートン社製)により剥離し、純水で洗浄、乾燥した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:580s
(実施例5)
<非熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
実施例1における<非熱可塑性絶縁性樹脂の調整>に記載の方法と同様にして調整し、非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。
<非熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へシランカップリング処理した(東レ・ダウコーニング社製Z-6883 フィラーに対し0.5重量%)昭和電工製アルミナフィラーAL-43-KT、AL-47-H、AL-160SG-3を重量比で88:7:5となるように20.2g(70体積%)添加した。その混合液をペイントシェーカーで8時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
ジアミノ化合物として2,2'−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(DANPG)(14.3g)と 3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)(10.0g)を用い、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤NMP250gに溶解させた。次いで、窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)(29.1g)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。ガラス転移温度は275℃であった。
<熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へシランカップリング処理した(東レ・ダウコーニング社製Z-6883 フィラーに対し0.5重量%)昭和電工製アルミナフィラーAL-47-H、AL-160SG-3を重量比で88:12となるように5.78g(40体積%)添加した。その混合液をペイントシェーカーで8時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<パワーモジュール用基板の形成>
バーコーターを用いてフィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み3000μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが45μmになるようにダイコーターで塗布し、80℃で60分乾燥した後、フィラー充填熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが10μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化してフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(300μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧5MPaで、320℃でプレス時間40分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(300μm)/フィラー充填熱可塑性絶縁性樹脂層(10μm)/フィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂(45μm)/金属基板(銅ベース:3000μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
実施例1と同様の操作で配線パターンの形状のレジスト層を形成し、エッチングによって配線層を形成した。
以下、実施例により説明するが、実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
<非熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA) 4.0g(20mmol)とパラフェニレンジアミン(PPD) 8.65g(80mmol)とを500mlのセパラブルフラスコに投入し、200gの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、窒素気流下、オイルバスによって液温が50℃になるように熱電対でモニターし加熱しながら撹拌した。それらが完全に溶解したことを確認した後、そこへ、少しずつ30分かけて3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA) 29.1g(99mmol)を添加し、添加終了後、50℃で5時間撹拌した。その後室温まで冷却し、非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。ガラス転移温度は319℃であった。
<非熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へ電気化学工業製アルミナ球状フィラー(ASFP-20)を12.7g(60容量%)になるように添加した。その混合液をペイントシェーカーで2時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
ジアミノ化合物として2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(35.5g)を用い、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤NMP340gに溶解させた。次いで、窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)(24.9g)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。ガラス転移温度は280℃であった。
<パワーモジュール用基板の形成>
バーコーターを用いてフィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが17μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、フィラーが充填されていない熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化して非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(250μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(250μm)/熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm)/フィラー充填された非熱可塑性絶縁性樹脂(17μm)/金属基板(銅ベース:2500μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
パワーモジュール用基板の積層体の導電性金属層(Cu)上にドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン社製 NIT430E)を用い、真空ラミネータを用いて、積層体の両面にラミネートし、金属基板(銅ベース:2500μm)側をベタ露光、導電性金属層(Cu:250μm)面側のレジストをフォトマスクを介して露光現像により、配線パターンの形状に合せた開口部を有するレジスト層を形成した。
処理条件:プリベーク:80℃、2分
露光:50mJ/cm2
現像:1%炭酸ソーダ(30℃)、1分
線幅:ライン&スペース=5mm:2mm
・エッチング、レジスト剥離
塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてエッチングを行い、導電性金属層(Cu)に配線パターンを形成して導電性金属配線層を得た。その後、レジスト層をアルカステップHTO(ニチゴーモートン社製)を用いて剥離、純水で洗浄、乾燥した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:580s
<パワー半導体素子の搭載、冷却器の接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(実施例2)
<熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
上記実施例1と同様に調整した熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へ電気化学工業製アルミナ球状フィラー(ASFP-20)を6.3g(30容量%)になるように添加した。その混合液をペイントシェーカーで2時間撹拌しフィラーが充填された熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<パワーモジュール用基板の形成>
フィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂溶液を西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、そのフィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂上に、上記実施例1と同様に調整したフィラー充填した非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが50μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、さらにフィラー充填していない非熱可塑性絶縁性樹脂上に上記熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した。窒素雰囲気下、300℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化して熱可塑性絶縁性樹脂と非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。
次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(300μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(300μm)/熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm)/フィラー充填した非熱可塑性絶縁性樹脂(50μm)/フィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm) /金属基板(銅ベース:2500μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
パワーモジュール用基板の積層体の導電性金属層(Cu)上にドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン社製 NIT430E)を用い、真空ラミネータを用いて、積層体の両面にラミネートし、金属基板(銅ベース:2500μm)側をベタ露光、導電性金属層(Cu:300μm)面側のレジストをフォトマスクを介して露光現像により、配線パターンの形状に合せた開口部を有するレジスト層を形成した。
処理条件:プリベーク:80℃、2分
露光:50mJ/cm2
現像:1%炭酸ソーダ(30℃)、1分
線幅:ライン&スペース=5mm:2mm
・エッチング、レジスト剥離
塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてエッチングを行い、導電性金属層(Cu)に配線パターンを形成して導電性金属配線層を得た。その後、レジスト層をアルカステップHTO(ニチゴーモートン社製)を用いて剥離、純水で洗浄、乾燥した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:650s
<パワー半導体素子の搭載、ヒートシンクの接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(実施例3)
<パワーモジュール用基板の形成>
実施例2と同様にして調整したフィラーを充填した熱可塑性絶縁性樹脂溶液を西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、その上に実施例1と同様に調整したフィラー充填していない非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが15μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、さらにその上に上記フィラー充填した非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚さが50μmになるように塗布し、最後にフィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚さが3μmになるように塗布し80℃で60分乾燥した。窒素雰囲気下、300℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化して熱可塑性絶縁性樹脂と非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。
次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(300μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(300μm)/フィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm)/フィラー充填していない非熱可塑性絶縁性樹脂(15μm)/フィラー充填した非熱可塑性絶縁性樹脂(50μm) /フィラー充填した熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm) /金属基板(銅ベース:2500μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
パワーモジュール用基板の積層体の導電性金属層(Cu)上にドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン社製 NIT430E)を用い、真空ラミネータを用いて、積層体の両面にラミネートし、金属基板(銅ベース:2500μm)側をベタ露光、導電性金属層(Cu:300μm)面側のレジストをフォトマスクを介して露光現像により、配線パターンの形状に合せた開口部を有するレジスト層を形成した。
処理条件:プリベーク:80℃、2分
露光:50mJ/cm2
現像:1%炭酸ソーダ(30℃)、1分
線幅:ライン&スペース=5mm:2mm
・エッチング、レジスト剥離
塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてエッチングを行い、導電性金属層(Cu)に配線パターンを形成して導電性金属配線層を得た。その後、レジスト層をアルカステップHTO(ニチゴーモートン社製)を用いて剥離、純水で洗浄、乾燥した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:650s
<パワー半導体素子の搭載、ヒートシンクの接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(実施例4)
<パワーモジュール用基板の形成>
バーコーターを用いてビスフェノールA型のエポキシ樹脂 EPICLON850S(エポキシ当量183〜193:DIC株式会社製)溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが55μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、ポリアミドイミド系樹脂バイロマックス(東洋紡績株式会社製)溶液を硬化後の厚みが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、200℃、1時間熱処理し(昇温速度:10℃/分、自然放冷)でイミド化して非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。
次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(250μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(250μm)/ポリアミド絶縁性樹脂層(3μm)/フィラー充填されたエポキシ絶縁性樹脂(50μm)/金属基板(銅ベース:2500μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
パワーモジュール用基板の積層体の導電性金属層(Cu)上にドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン社製 NIT430E)を用い、真空ラミネータを用いて、積層体の両面にラミネートし、金属基板(銅ベース:2500μm)側をベタ露光、導電性金属層(Cu:250μm)面側のレジストをフォトマスクを介して露光現像により、配線パターンの形状に合せた開口部を有するレジスト層を形成した。
処理条件:プリベーク:80℃、2分
露光:50mJ/cm2
現像:1%炭酸ソーダ(30℃)、1分
線幅:ライン&スペース=5mm:2mm
・エッチング、レジスト剥離
塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてエッチングを行い、導電性金属層(Cu)に配線パターンを形成して導電性金属配線層を得た。その後、レジスト層をアルカステップHTO(ニチゴーモートン社製)により剥離し、純水で洗浄、乾燥した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:580s
(実施例5)
<非熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
実施例1における<非熱可塑性絶縁性樹脂の調整>に記載の方法と同様にして調整し、非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。
<非熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へシランカップリング処理した(東レ・ダウコーニング社製Z-6883 フィラーに対し0.5重量%)昭和電工製アルミナフィラーAL-43-KT、AL-47-H、AL-160SG-3を重量比で88:7:5となるように20.2g(70体積%)添加した。その混合液をペイントシェーカーで8時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
ジアミノ化合物として2,2'−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(DANPG)(14.3g)と 3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DPE)(10.0g)を用い、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤NMP250gに溶解させた。次いで、窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)(29.1g)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。ガラス転移温度は275℃であった。
<熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へシランカップリング処理した(東レ・ダウコーニング社製Z-6883 フィラーに対し0.5重量%)昭和電工製アルミナフィラーAL-47-H、AL-160SG-3を重量比で88:12となるように5.78g(40体積%)添加した。その混合液をペイントシェーカーで8時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<パワーモジュール用基板の形成>
バーコーターを用いてフィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み3000μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが45μmになるようにダイコーターで塗布し、80℃で60分乾燥した後、フィラー充填熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが10μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化してフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(300μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧5MPaで、320℃でプレス時間40分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(300μm)/フィラー充填熱可塑性絶縁性樹脂層(10μm)/フィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂(45μm)/金属基板(銅ベース:3000μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
実施例1と同様の操作で配線パターンの形状のレジスト層を形成し、エッチングによって配線層を形成した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:900s
<パワー半導体素子の搭載、ヒートシンクの接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(実施例6)
<非熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
実施例1における「非熱可塑性絶縁性樹脂の調整」と同様にして調整し、非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。
<非熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へシランカップリング処理した(東レ・ダウコーニング社製Z-6883 フィラーに対し0.5重量%)電気化学工業製窒化ホウ素フィラーMGPと昭和電工製アルミナフィラーAL-43-KT、AL-47-H、AL-160SG-3を重量比で50:45:3:2となるように13.9g(70体積%)添加した。その混合液をペイントシェーカーで8時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
実施例5における<熱可塑性絶縁性樹脂の調整>に記載の方法と同様にして調整し、熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。
<熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へシランカップリング処理した(東レ・ダウコーニング社製Z-6883 フィラーに対し0.5重量%)電気化学工業製窒化ホウ素フィラーHGPと昭和電工製アルミナフィラーAL-47-H、AL-160SG-3を重量比で50:40:10となるように3.96g(40体積%)添加した。その混合液をペイントシェーカーで8時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<パワーモジュール用基板の形成>
バーコーターを用いてフィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み3000μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが45μmになるようにダイコーターで塗布し、80℃で60分乾燥した後、フィラー充填熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが10μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化してフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(300μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧5MPaで、320℃でプレス時間40分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(300μm)/フィラー充填熱可塑性絶縁性樹脂層(10μm)/フィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂(45μm)/金属基板(銅ベース:3000μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
実施例1と同様の操作で配線パターンの形状のレジスト層を形成し、エッチングによって配線層を形成した。
エッチング時間:900s
<パワー半導体素子の搭載、ヒートシンクの接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(実施例6)
<非熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
実施例1における「非熱可塑性絶縁性樹脂の調整」と同様にして調整し、非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。
<非熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へシランカップリング処理した(東レ・ダウコーニング社製Z-6883 フィラーに対し0.5重量%)電気化学工業製窒化ホウ素フィラーMGPと昭和電工製アルミナフィラーAL-43-KT、AL-47-H、AL-160SG-3を重量比で50:45:3:2となるように13.9g(70体積%)添加した。その混合液をペイントシェーカーで8時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<熱可塑性絶縁性樹脂の調整>
実施例5における<熱可塑性絶縁性樹脂の調整>に記載の方法と同様にして調整し、熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。
<熱可塑性絶縁性樹脂溶液へのフィラーの分散>
熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へシランカップリング処理した(東レ・ダウコーニング社製Z-6883 フィラーに対し0.5重量%)電気化学工業製窒化ホウ素フィラーHGPと昭和電工製アルミナフィラーAL-47-H、AL-160SG-3を重量比で50:40:10となるように3.96g(40体積%)添加した。その混合液をペイントシェーカーで8時間撹拌しフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を調整した。
<パワーモジュール用基板の形成>
バーコーターを用いてフィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み3000μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚さが45μmになるようにダイコーターで塗布し、80℃で60分乾燥した後、フィラー充填熱可塑性絶縁性樹脂溶液を硬化後の厚みが10μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化してフィラーが充填された非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成した。次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(300μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧5MPaで、320℃でプレス時間40分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(300μm)/フィラー充填熱可塑性絶縁性樹脂層(10μm)/フィラー充填非熱可塑性絶縁性樹脂(45μm)/金属基板(銅ベース:3000μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
<導電性金属配線層の形成>
実施例1と同様の操作で配線パターンの形状のレジスト層を形成し、エッチングによって配線層を形成した。
処理条件:エッチング液温度:50℃
エッチング時間:900s
<パワー半導体素子の搭載、ヒートシンクの接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放
熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(比較例1)
比較例1は、上記の実施例1〜6とは異なり、絶縁層として、熱可塑性絶縁性樹脂を含む層1層から構成されているものである。
エッチング時間:900s
<パワー半導体素子の搭載、ヒートシンクの接合>
導電性金属配線層上に、パワー半導体素子(IGBT)を半田付けし、ヒートシンク(放
熱板)を接合して、パワーモジュールを得た。
(比較例1)
比較例1は、上記の実施例1〜6とは異なり、絶縁層として、熱可塑性絶縁性樹脂を含む層1層から構成されているものである。
まず、熱可塑性絶縁性樹脂は以下のように調整した。ジアミノ化合物として、2,2'−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(15.3g)を用い、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤NMP150gに溶解させた。次いで、窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)(11.1g)とピロメリット酸無水物(PMDA)(8.2g)を加えた。その後、5時間攪拌を続けて重合反応を行い、比較樹脂1溶液を得た。ガラス転移温度は280℃であった。
次に、バーコーターを用いて比較樹脂1溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚みが3μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化して熱可塑性絶縁性樹脂層からなる絶縁層を形成した。次に、西田金属製の無酸素Cu板、厚み(250μm、15cm□サイズ)を熱可塑性絶縁性樹脂層の面と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着して導電性金属層である配線銅(250μm)/熱可塑性絶縁性樹脂層(3μm)//金属基板(銅ベース:2500μm)からなるパワーモジュール用基板を得た。
次に、上記の実施例1に記載の、<導電性金属配線層の形成>、<パワー半導体素子の搭載、ヒートシンクの接合>と同様にしてパワーモジュールを作成した。
(比較例2)
比較例2は、上記の実施例1〜6とは異なり、絶縁層として、熱可塑性絶縁性樹脂を含む層1層から構成されているものである。
(比較例2)
比較例2は、上記の実施例1〜6とは異なり、絶縁層として、熱可塑性絶縁性樹脂を含む層1層から構成されているものである。
比較例1における「熱可塑性絶縁性樹脂」の代わりに、比較樹脂2として、新日本理化社製ポリイミド溶液リカコートEN-20(20g)を用いた以外は、上記の比較例1と同様にして、パワーモジュール用基板の形成、導電性金属配線層の形成、パワー半導体素子の搭載を行った。
(比較例3)
比較例3は、絶縁層として、非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層1層から構成されているものである。
(比較例3)
比較例3は、絶縁層として、非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層1層から構成されているものである。
まず、非熱可塑性絶縁性樹脂は以下のように実施例1と同様にして調整した。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA) 4.0g(20mmol)とパラフェニレンジアミン(PPD) 8.65g(80mmol)とを500mlのセパラブルフラスコに投入し、200gの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、窒素気流下、オイルバスによって液温が50℃になるように熱電対でモニターし加熱しながら撹拌した。それらが完全に溶解したことを確認した後、そこへ、少しずつ30分かけて3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA) 29.1g(99mmol)を添加し、添加終了後、50℃で5時間撹拌した。その後室温まで冷却し、非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。ガラス転移温度は319℃であった。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA) 4.0g(20mmol)とパラフェニレンジアミン(PPD) 8.65g(80mmol)とを500mlのセパラブルフラスコに投入し、200gの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、窒素気流下、オイルバスによって液温が50℃になるように熱電対でモニターし加熱しながら撹拌した。それらが完全に溶解したことを確認した後、そこへ、少しずつ30分かけて3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA) 29.1g(99mmol)を添加し、添加終了後、50℃で5時間撹拌した。その後室温まで冷却し、非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を得た。ガラス転移温度は319℃であった。
次に、上記のように調整した非熱可塑性絶縁性樹脂溶液を固形分濃度16%になるようにNMPで希釈し、そのワニス20g中へ、シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング社製Z-6883)をフィラーに対し0.5重量%加えてシランカップリング処理された電気化学工業製アルミナフィラーDAM05を30体積%添加し、その混合液をペイントシェーカーで8時間撹拌しフィラーが充填された比較樹脂3溶液を調整した。
次に、バーコーターを用いて比較樹脂3溶液を、西田金属製の無酸素Cu板(厚み2500μm、15cm□サイズ、Niメッキ処理)上に、硬化後の厚みが17μmになるように塗布し、80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)でイミド化して非熱可塑性絶縁性樹脂層からなる絶縁層を形成した。
<信頼性評価試験>
上記の実施例1〜3、5、6及び比較例1〜3により形成された各々の絶縁層について、諸特性を測定し(表1)、信頼性評価試験として冷熱衝撃試験、耐熱試験、高温高湿試験を行いその結果を得た(表2〜4)。
<信頼性評価試験>
上記の実施例1〜3、5、6及び比較例1〜3により形成された各々の絶縁層について、諸特性を測定し(表1)、信頼性評価試験として冷熱衝撃試験、耐熱試験、高温高湿試験を行いその結果を得た(表2〜4)。
CTE(線膨張係数)は、下記に示す方法で作成された評価用サンプルを熱機械分析装置(リガク社製Thermo Plus TMA8310)により、昇温速度10℃/分で測定し、100℃〜200℃の伸び量を温度差(200−100℃)で割り求めた。
CHE(吸湿膨張係数)は、評価用サンプルを湿度可変機械的分析装置(リガク社製Thermo Plus TMA8310)により、温度25℃で、引張り加重を1g/25000μm2、湿度20%RHから湿度50%RHの伸び量を湿度差(50−20%RH)で割り求めた。
Tg(ガラス転移温度)は、動的粘弾性測定装置(TAインスルメンツ社製RSA3)により、昇温速度5℃/分、25〜400℃の範囲で測定した。
耐電圧は、耐電圧絶縁試験機(菊水電子工業社製TOS8850)により、室温で、0から絶縁層が破壊するまで測定し、破壊した電圧を耐電圧とする。
熱伝導率は、レーザーフラッシュ法(NanoFlash社製キセノンフラッシュアナライザー)により、熱拡散率を測定し算出した。
密着強度は、引張試験機(テンシロン)により、室温、引張速度50mm/分で90度剥離試験、引張開始から20〜50m位置の引張り強度(平均)を試験用サンプルの帯状の幅の長さで割って求めた。
冷熱衝撃試験は、冷熱衝撃試験機(ESPEC TSE−11−A)により、大気下、−40℃〜150℃各1時間で行った。
耐熱試験は、大気下、オーブンにより、200℃で行った。
高温高湿試験は、恒温恒湿槽により、大気下、85℃、85%で行った。
上記の信頼性評価試験に用いた実施例1〜6の評価用サンプルの作製は、15cm□サイズの無酸素Cu板1)上に非熱可塑性絶縁性樹脂層と熱可塑性絶縁性樹脂の積層体からなる絶縁層を形成し、その上に無酸素Cu板2)を真空プレス機を用いて、(5MPaで、320℃でプレス時間40分)加熱圧着してCu板1)/絶縁層/Cu板2)の基板を得た。
次に、塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてCuを所望の形状にエッチングして、評価用サンプルを作製した。尚、引張り試験用サンプルの無酸素Cu板の厚みは、Cu板1)300μm、Cu板2)3000μmであり、その他試験用サンプルの無酸素Cu板の厚みは、Cu板1)300μm、Cu板2)300μmである。
また、比較例1〜3の評価用サンプル作製は、15cm□サイズの無酸素Cu板1)上にフィラーが充填された比較樹脂1〜3からなる絶縁層をイミド化後膜厚が50umとなるよう形成し、比較樹脂1、2は80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、350℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)、比較樹脂2は80℃で60分乾燥した後、窒素雰囲気下、200℃、1時間熱処理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)した。
次に、その上に無酸素Cu板2)を真空プレス機を用いて、(5MPaで、320℃でプレス時間40分)加熱圧着してCu板1)/絶縁層/Cu板2)の基板を得た。その後、塩化鉄(III)(45ボーメ)用いてCuを所望の形状にエッチングして、評価用サンプルを作製した。尚、引張り試験用サンプルの無酸素Cu板の厚みは、Cu板1)300μm、Cu板2)3000μmであり、その他試験用サンプルの無酸素Cu板の厚みは、Cu板1)300μm、Cu板2)300μmである。
1 金属基板
2 絶縁層
3 導電性金属層
4 ヒートシンク
5 パワー半導体素子
6 導電性金属配線層
21 非熱可塑性絶縁性樹脂層
22 熱可塑性絶縁性樹脂層
50 フォトレジスト
60 フォトマスク
100 パワーモジュール用基板
200 パワーモジュール用金属配線付基板
300 パワーモジュール
2 絶縁層
3 導電性金属層
4 ヒートシンク
5 パワー半導体素子
6 導電性金属配線層
21 非熱可塑性絶縁性樹脂層
22 熱可塑性絶縁性樹脂層
50 フォトレジスト
60 フォトマスク
100 パワーモジュール用基板
200 パワーモジュール用金属配線付基板
300 パワーモジュール
Claims (9)
- 少なくとも金属基板、絶縁層、導電性金属配線層が順に積層されたパワーモジュール用金属配線付基板であって、
前記金属基板は、厚み1〜5mmを有し、
前記導電性金属配線層は、厚み100〜500μmを有し、
前記絶縁層は、2層以上の絶縁性樹脂層からなり、
前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層と非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層とを有し、
前記2層以上の絶縁性樹脂層のうち少なくとも一層の絶縁性樹脂層は、前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含む
ことを特徴とするパワーモジュール用金属配線付基板。 - 請求項1に記載のパワーモジュール用金属配線付基板において、
前記絶縁層を構成する前記非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みは、前記熱可塑性絶縁性樹脂を含む層の厚みの4倍以上であり、
前記絶縁層は線熱膨張係数0〜40ppm/℃を有する
ことを特徴とするパワーモジュール用金属配線付基板。 - 請求項1〜2のいずれか1項に記載のパワーモジュール用金属配線付基板において、
前記絶縁層を構成するすべての前記熱可塑性絶縁性樹脂及び前記非熱可塑性絶縁性樹脂はガラス転移温度260℃以上を有する
ことを特徴とするパワーモジュール用金属配線付基板。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のパワーモジュール用金属配線付基板において、
前記絶縁層を構成するすべての前記熱可塑性絶縁性樹脂及び前記非熱可塑性絶縁性樹脂は吸湿膨張係数0〜15ppm/%RHを有する
ことを特徴とするパワーモジュール用金属配線付基板。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のパワーモジュール用金属配線付基板において、
前記絶縁層を構成する前記熱可塑性絶縁性樹脂及び前記非熱可塑性絶縁性樹脂がポリイミド系樹脂である
ことを特徴とするパワーモジュール用金属配線付基板。 - 少なくとも冷却器、金属基板、絶縁層、導電性金属配線層及びパワー半導体素子が順に積層されたパワーモジュールであって、
前記絶縁層は、2層以上の絶縁性樹脂層からなり、
前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有する
ことを特徴とするパワーモジュール。 - 少なくとも金属基板及び絶縁層が順に積層されたパワーモジュール用基板であって、
前記絶縁層は、2層以上の絶縁性樹脂層からなり、
前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有する
ことを特徴とするパワーモジュール用基板。 - 少なくとも金属基板、絶縁層、導電性金属配線層が順に積層され、前記絶縁層は2層以上の絶縁性樹脂層からなり、前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有し、前記2層以上の絶縁性樹脂層のうち少なくとも一層の前記絶縁性樹脂層は、前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法であって、
前記絶縁性樹脂層の最初の層として、前記非熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記金属基板又は前記導電性金属配線層用の導電性金属層の上に塗布し乾燥する工程1と、
前記絶縁性樹脂層の最上の層として、前記熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記工程1により得られる層の上に塗布し乾燥する工程2と、
前記工程1及び前記工程2により形成される複数の絶縁性樹脂層を一括で加熱硬化することにより前記絶縁層を形成する工程3と、
前記金属基板上の前記絶縁層側の面と、前記金属基板又は前記導電性金属配線層用の導電性金属層のうち前記工程1で用いられていないものの面とを密着し、加熱及び加圧により接着する工程4と、を含む
ことを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。 - 少なくとも金属基板、絶縁層、導電性金属配線層が順に積層され、前記絶縁層は2層以上の絶縁性樹脂層からなり、前記2層以上の絶縁性樹脂層は、少なくとも熱可塑性絶縁性樹脂を含む層及び非熱可塑性絶縁性樹脂を含む層を有し、前記2層以上の絶縁性樹脂層のうち少なくとも一層の前記絶縁性樹脂層は、前記絶縁性樹脂層を構成する絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高いフィラーを含むパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法であって、
前記絶縁性樹脂層の最初の層として、前記熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記金属基板又は前記導電性金属配線層用の導電性金属層の上に塗布し乾燥する工程11と、
前記絶縁性樹脂層の中間の層として、前記非熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記工程11により得られる層の上に少なくとも1層を塗布し乾燥する工程12と、
前記絶縁性樹脂層の最上の層として、前記熱可塑性絶縁性樹脂を含む溶液を前記工程12により得られる層の上に塗布し乾燥する工程13と、
前記工程11、前記工程12及び前記工程13により形成される複数の絶縁性樹脂層を一括で加熱硬化することにより前記絶縁層を形成する工程14と、
前記金属基板上の前記絶縁層側の面と、前記金属基板又は前記導電性金属配線層用の導電性金属層のうち前記工程11で用いられていないものの面とを密着し、加熱及び加圧により接着する工程15と、を含む
ことを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014150386A JP2015043417A (ja) | 2013-07-26 | 2014-07-24 | パワーモジュール用金属配線基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013155515 | 2013-07-26 | ||
JP2013155515 | 2013-07-26 | ||
JP2014150386A JP2015043417A (ja) | 2013-07-26 | 2014-07-24 | パワーモジュール用金属配線基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線基板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015043417A true JP2015043417A (ja) | 2015-03-05 |
Family
ID=52696806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014150386A Pending JP2015043417A (ja) | 2013-07-26 | 2014-07-24 | パワーモジュール用金属配線基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015043417A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104900602A (zh) * | 2015-05-06 | 2015-09-09 | 嘉兴斯达微电子有限公司 | 一种功率模块和制造功率模块过程中控制焊料厚度的方法 |
JP2016181536A (ja) * | 2015-03-23 | 2016-10-13 | 住友ベークライト株式会社 | パワー半導体装置 |
WO2019151122A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
JP2019169619A (ja) * | 2018-03-23 | 2019-10-03 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板およびモジュール |
KR20190112992A (ko) * | 2018-03-27 | 2019-10-08 | 현대모비스 주식회사 | 전력 변환기용 반도체 모듈 및 이의 제조 방법 |
JP2019175965A (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
WO2021201119A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
WO2022149558A1 (ja) * | 2021-01-05 | 2022-07-14 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
EP4129664A1 (en) * | 2020-03-31 | 2023-02-08 | Mitsubishi Materials Corporation | Metal base substrate, electronic component mounting substrate |
-
2014
- 2014-07-24 JP JP2014150386A patent/JP2015043417A/ja active Pending
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016181536A (ja) * | 2015-03-23 | 2016-10-13 | 住友ベークライト株式会社 | パワー半導体装置 |
CN104900602A (zh) * | 2015-05-06 | 2015-09-09 | 嘉兴斯达微电子有限公司 | 一种功率模块和制造功率模块过程中控制焊料厚度的方法 |
JP7036131B2 (ja) | 2018-01-30 | 2022-03-15 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
WO2019151122A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
CN111557126B (zh) * | 2018-01-30 | 2023-11-03 | 三菱综合材料株式会社 | 金属基底基板 |
CN111557126A (zh) * | 2018-01-30 | 2020-08-18 | 三菱综合材料株式会社 | 金属基底基板 |
JPWO2019151122A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2021-01-07 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
TWI788514B (zh) * | 2018-01-30 | 2023-01-01 | 日商三菱綜合材料股份有限公司 | 金屬基底基板 |
EP3749069A4 (en) * | 2018-01-30 | 2021-10-27 | Mitsubishi Materials Corporation | BASIC METAL SUBSTRATE |
JP2019169619A (ja) * | 2018-03-23 | 2019-10-03 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板およびモジュール |
KR20190112992A (ko) * | 2018-03-27 | 2019-10-08 | 현대모비스 주식회사 | 전력 변환기용 반도체 모듈 및 이의 제조 방법 |
KR102552716B1 (ko) | 2018-03-27 | 2023-07-06 | 현대모비스 주식회사 | 전력 변환기용 반도체 모듈 및 이의 제조 방법 |
JP7259206B2 (ja) | 2018-03-28 | 2023-04-18 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
JP2019175965A (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
WO2021201119A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
EP4129664A1 (en) * | 2020-03-31 | 2023-02-08 | Mitsubishi Materials Corporation | Metal base substrate, electronic component mounting substrate |
EP4131362A4 (en) * | 2020-03-31 | 2024-05-01 | Mitsubishi Materials Corp | METAL BASED SUBSTRATE |
EP4129664A4 (en) * | 2020-03-31 | 2024-05-22 | Mitsubishi Materials Corp | METAL BASE SUBSTRATE, SUBSTRATE FOR MOUNTING ELECTRONIC COMPONENTS |
WO2022149558A1 (ja) * | 2021-01-05 | 2022-07-14 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ベース基板 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2015043417A (ja) | パワーモジュール用金属配線基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線基板の製造方法 | |
JP6094044B2 (ja) | 放熱基板およびそれを用いた素子 | |
US9101062B2 (en) | Highly heat conductive polyimide film, highly heat conductive metal-clad laminate, and method for producing the same | |
JP5442491B2 (ja) | 熱伝導性金属−絶縁樹脂基板及びその製造方法 | |
WO2011040441A1 (ja) | 熱伝導性封止部材およびエレクトロルミネッセンス素子 | |
JP5131109B2 (ja) | 電子部品用接着剤組成物およびそれを用いた電子部品用接着剤シート | |
JP2011222334A (ja) | 熱伝導性封止部材および素子 | |
TW200536443A (en) | Heat-resistant resin laminate film, laminate film with metal layer using the same, and semiconductor device | |
WO2011001698A1 (ja) | 樹脂組成物、それを含む積層体、半導体装置およびフィルム | |
JP6032254B2 (ja) | パワーモジュール用金属配線付基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板、並びにパワーモジュール用金属配線付基板の製造方法 | |
WO2011040440A1 (ja) | フレキシブルデバイス用基板、フレキシブルデバイス用薄膜トランジスタ基板、フレキシブルデバイス、薄膜素子用基板、薄膜素子、薄膜トランジスタ、薄膜素子用基板の製造方法、薄膜素子の製造方法および薄膜トランジスタの製造方法 | |
WO2011126083A1 (ja) | 熱伝導性封止部材およびそれにより封止された電子デバイス | |
TW201525055A (zh) | 環氧樹脂組成物、附樹脂層之載體材料、金屬基底電路基板及電子裝置 | |
JP7352173B2 (ja) | 組成物、硬化物、多層シート、放熱部品、並びに電子部品 | |
JP6487829B2 (ja) | 熱伝導性熱硬化型接着剤組成物及び熱伝導性熱硬化型接着シート | |
JP2012213900A (ja) | 熱伝導性ポリイミド−金属基板 | |
JP5164465B2 (ja) | 樹脂基板 | |
WO2012133098A1 (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
JP2015065427A (ja) | パワーモジュール用金属配線付基板の製造方法及びパワーモジュールの製造方法 | |
JP5961970B2 (ja) | 積層体およびそれを用いた素子 | |
TWI397136B (zh) | Cof用積層板及cof薄膜載帶以及電子裝置 | |
JP5890253B2 (ja) | 熱伝導性熱硬化型接着剤組成物及び熱伝導性熱硬化型接着剤シート | |
JP2011135109A (ja) | 放熱基板および発光ダイオード用基板 | |
KR101099397B1 (ko) | 초음파 접합용 적층판 및 이것을 사용한 초음파 접합 방법 | |
JP3789171B2 (ja) | 接着剤付き銅基材 |