JP2017526459A - 吸収性物品 - Google Patents

Abstract

本明細書には、高ロフトの三次元不織布材料と組み合わせて、エアフェルトを含まないコア又は実質的にエアフェルトを含まないコアを有する吸収性物品が開示されている。また、これらの物品を含むパッケージが開示されている。

Description

本開示は、吸収性物品に関するものであり、より具体的には三次元不織布材料と組み合わせた、実質的にエアフェルトを含まないコア又はエアフェルトを含まないコアを有する吸収性物品に関する。

吸収性物品は、排泄物（例えば、尿、経血、便）を吸収し、封じ込めるのに使用される。吸収性物品は多くの場合、例えば、おむつ、パンツ、成人用失禁物品、又は生理用ナプキンとして構成される。従来の吸収性物品は、超吸収性ポリマー及びセルロース繊維（例えば、時には５０質量％以上のセルロース繊維）を含む吸収性コアを有する。これらの従来の吸収性コアは、繊維を除かれたセルロース繊維の集合体を含む吸収体に特有の厚さ及び嵩の特性を持つ吸収性物品を提供する。吸収性物品の厚さ及び嵩は、吸収力及び性能の知覚を消費者にもたらすと同時に、大きな１回の排泄物放出又は複数回の放出を管理するための十分な毛管間隙容積を備える吸収性物品も提供する。これらの吸収性物品は典型的に、平坦又は平面的なトップシートを有する。

近年では、１社又は２社以上の吸収性物品製造業者が、セルロース繊維をほとんど又はまったく含まない吸収性コアを含む吸収性物品を製造している。これらのコアは、「エアフェルトを含まない」コアとして知られ、典型的には超吸収性ポリマーと、所望により、超吸収性ポリマーを吸収性コア内の定位置に保持するための１つ又は２つ以上のホットメルト接着剤を含む。いくつかのエアフェルトを含まないコアは、使用中に超吸収性ポリマーを吸収コア内の定位置に保持するため、例えば、機械的なポケット内封入などのホットメルト接着剤以外の機構に依拠する。エアフェルトを含まないコアは、セルロース繊維が吸収性コア内に存在しないか、又は非常に低い質量レベルで存在するかのいずれかであることから、従来の吸収性コアよりもはるかに薄い。これらの薄いエアフェルトを含まないコアは、概ね、吸収性物品内で平坦又は平面的なトップシート及び平坦又は平面的な捕捉層と組み合わされる。その結果、エアフェルトを含まないコアを有する全体的な吸収性物品は、従来の吸収性物品よりもはるかに薄くなる。これらの吸収性物品の薄さは、吸収力の欠如及び不十分な性能という消費者知覚をもたらし得るが、超吸収性ポリマーは十分な吸収力及び性能属性を有するため、これは技術的に正確ではない。エアフェルトを含まないコアを含む吸収性物品の薄さに関する別の問題は、吸収性コア内のセルロース繊維の全て又はほとんどの除去による、吸収性物品内の毛管間隙容積の減少である。吸収性物品内の毛管間隙容積が減少すると、吸収物品は、短時間での大きな排泄物放出又は複数回の排泄物放出発作を処理することが困難になり得る。典型的に、毛管間隙容積のある吸収性材料を吸収性物品に付加すると物品の厚さが増し、低嵩パッケージでパッケージ化された薄く、高性能な吸収性物品を求める消費者にとってマイナスとなる。

必要とされるものは、上記の問題を克服するエアフェルトを含まないコアを含む吸収性物品である。

本開示は、エアフェルトを含まないコア及び高ロフトの三次元不織布材料を含む吸収性物品を提供することにより、エアフェルトを含まないコア及び平面的なトップシートを含む吸収性物品に関連付けられた問題を解決する。不織布材料は、トップシートとして又はトップシート／捕捉層の積層体として使用される場合がある。予想外にも、本開示の三次元不織布材料は、エアフェルトを含まないコアを含む吸収性物品内の毛管間隙容積を増加させながら、消費者及び製造業者にとって低い流通コストを有するように、低いスタック高さの吸収性物品を輸送する能力をなお維持する。この毛管間隙容積の増加は、複数回の排泄物放出又は大きい１回の放出を受容するためのより優れた能力を持つエアフェルトを含まないコアを含む吸収性物品をもたらし、それによって、吸収性物品を漏出しにくくさせる。加えて、本開示の三次元不織布材料は、吸収性物品のトップシートの少なくとも一部として使用した場合、厚さ及び吸収力がはっきりわかる外観を持った美的に満足な吸収性物品と、それによる吸収力及び性能の消費者知覚と、を消費者に提供する。本開示の吸収性物品の技術性能の改善及び吸収性物品に伴う消費者知覚の改善は、消費者及び製造業者が更に流通上の利便性及びより低いコストを実感するスタック高さで、吸収性物品をパッケージ化する能力との組み合わせにおいて、予想外に実現された。

ある形態では、本開示は、第１の表面及び第２の表面を含む液体透過性不織布材料を含む吸収性物品を、部分的に対象とする。不織布材料は、複数の繊維を含み、また、概ね平面的な第１の領域と、不織布材料の第１の表面から外側に延在する突出部を形成する変形と不織布材料の第２の表面内の開口部とを含む複数の分離的であるが一体型の第２の領域と、を含む。突出部は繊維から形成される。突出部の少なくともいくつかは、不織布材料からなる第１の表面に隣接した底面と、底面から外側へＺ方向に延在する相対する遠位端と、底面と突出部の遠位端との間の側壁と、側壁の少なくとも一部分及び突出部の遠位端を含む傘部と、を含む。側壁は内面を有する。複数の繊維が突出部の底面から突出部の遠位端へ延在し、突出部の側面及び傘部の一部分を形成するのに寄与する。繊維は突出部の側面を、少なくとも実質的に取り巻く。吸収性物品は、液体不透過性材料と、液体透過性不織布材料と液体不透過性材料との中間に位置付けられた吸収性コアと、を更に含む。吸収性コアは吸収性材料を含む。吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも８５重量％の超吸収性ポリマーを含む。

ある形態では、本開示は、第１の表面及び第２の表面を含む液体透過性不織布材料を含む吸収性物品を、部分的に対象とする。不織布材料は、複数の繊維と、概ね平面的な第１の領域と、不織布材料の第１の表面から外側に延在する突出部を形成する変形と不織布材料の第２の表面内の開口部とを含む複数の分離的であるが一体型の第２の領域と、を含む。突出部は繊維から形成される。突出部の少なくともいくつかは、不織布材料からなる第１の表面に隣接した（proximate the first surface）底面と、底面から外側へＺ方向に延在する相対する遠位端と、底面と突出部の遠位端との間の側壁と、側壁の少なくとも一部分及び突出部の遠位端を含む傘部と、を含み、側壁は内面を有する。複数の繊維が突出部の底面から突出部の遠位端へ延在し、側面の一部分及び突出部の傘部を形成するのに寄与する。側壁の内面は、突出部の底面にある底面開口部を画定する。傘部は、最大内部幅を持つ部分を有する。底面開口部は幅を有する。突出部の傘部の最大内部幅は、底面開口部の幅よりも大きい。吸収性物品は、液体不透過性材料と、不織布材料と液体不透過性材料との中間に位置付けられた吸収性コアと、を更に含む。吸収性コアは吸収性材料を含む。吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも８５重量％の超吸収性ポリマーと、チャネルと、を含む。

ある形態では、本開示は、一部には、複数の吸収性物品を含むパッケージを、部分的に対象とする。吸収性物品の少なくともいくつかは、第１の表面及び第２の表面を含む液体透過性不織布材料を含む。不織布材料は複数の繊維を含む。不織布材料は、概ね平面的な第１の領域と、不織布材料の第１の表面から外側に延在する突出部を形成する変形と不織布材料の第２の表面内の開口部とを含む複数の分離的であるが一体型の第２の領域と、を含む。突出部は繊維から形成される。突出部の少なくともいくつかは、不織布材料からなる第１の表面に隣接した（proximate the first surface）底面と、底面から外側へＺ方向に延在する相対する遠位端と、底面と突出部の遠位端との間の側壁と、側壁の少なくとも一部分及び突出部の遠位端を含む傘部と、を含む。側壁は内面を有する。複数の繊維が突出部の底面から突出部の遠位端へ延在し、側面の一部分及び突出部の傘部を形成するのに寄与する。側壁の内面は、突出部の底面にある底面開口部を画定する。傘部は、最大内部幅を持つ部分を有する。底面開口部は幅を有する。突出部の傘部の最大内部幅は、底面開口部の幅よりも大きい。少なくともいくつかの吸収性物品は、液体不透過性材料と、液体透過性不織布材料と液体不透過性材料との中間に位置付けられた吸収性コアと、を更に含む。吸収性コアは吸収性材料を含む。吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも８５重量％の超吸収性ポリマーを含む。パッケージは、本明細書内のバッグ内スタック高さテストによると、約８０ｍｍ未満のバッグ内スタック高さを有する。

ある形態において、本開示は、第１の表面及び第２の表面を有する液体透過性不織布材料を含む吸収性物品を、部分的に対象とする。不織布材料は複数の繊維を含む。不織布材料は、概ね平面的な第１の領域と、不織布材料の第１の表面から外側に延在する突出部を形成する変形と不織布材料の第２の表面内の開口部とを含む複数の分離的であるが一体型の第２の領域と、を含む。突出部は繊維から形成される。突出部の少なくともいくつかは、外部幅と、端部間の突出部の長さを画定する２つの端部と、を有する。突出部の少なくともいくつかは、不織布材料からなる第１の表面に隣接した（proximate the first surface）底面と、底面から外側へＺ方向に延在する相対する遠位端と、底面と突出部の遠位端との間の側壁と、側壁の少なくとも一部分及び突出部の遠位端を含む傘部と、を含む。側壁は内面を有する。突出部の外部幅は、不織布材料をＺ方向から見たときに、突出部の長さに沿って変化する。吸収性物品は、液体不透過性材料と、不織布材料と液体不透過性材料との中間に位置付けられた吸収性コアと、を更に含む。吸収性コアは吸収性材料を含む。吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも９０重量％の超吸収性ポリマーと、ホットメルト接着剤と、を含む。

ある形態において、本開示は、第１の表面及び第２の表面を有する液体透過性不織布材料を含む吸収性物品を、部分的に対象とする。不織布材料は複数の繊維を含む。不織布材料は、概ね平面的な第１の領域と、不織布材料の第１の表面から外側に延在する突出部を形成する変形と不織布材料の第２の表面内の開口部とを含む複数の分離的であるが一体型の第２の領域と、を含む。突出部は繊維から形成される。突出部の少なくともいくつかは、外部幅と、端部間の突出部の長さを画定する２つの端部と、を有し、少なくともいくつかの突出部は、不織布材料からなる第１の表面に隣接した底面と、底面から外側へＺ方向に延在する相対する遠位端と、底面と突出部の遠位端との間の側壁と、側壁の少なくとも一部分及び突出部の遠位端を含む傘部と、を含む。側壁は内面を有する。側壁の内面は、突出部の底面にある底面開口部を画定する。傘部は、最大内部幅を持つ部分を有する。底面開口部は幅を有する。突出部の傘部の最大内部幅は、底面開口部の幅よりも大きい。吸収性物品は、液体不透過性材料と、不織布材料と液体不透過性材料との中間に位置付けられた吸収性コアと、を含む。吸収性コアは吸収性材料を含む。吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも８５重量％の超吸収性ポリマーと、ホットメルト接着剤と、を含む。

ある形態では、本開示は、一部には、複数の吸収性物品を含むパッケージを、部分的に対象とする。吸収性物品の少なくともいくつかは、第１の表面及び第２の表面を有する液体透過性不織布材料を含む。不織布材料は複数の繊維を含む。不織布材料は、概ね平面的な第１の領域と、不織布材料の第１の表面から外側に延在する突出部を形成する変形と不織布材料の第２の表面内の開口部とを含む複数の分離的であるが一体型の第２の領域と、を含む。突出部は繊維から形成される。突出部の少なくともいくつかは、外部幅と、端部間の突出部の長さを画定する２つの端部と、を有する。少なくともいくつかの突出部は、不織布材料からなる第１の表面に隣接した底面と、底面から外側へＺ方向に延在する相対する遠位端と、底面と突出部の遠位端との間の側壁と、側壁の少なくとも一部分及び突出部の遠位端を含む傘部と、を含む。側壁は内面を有する。側壁の内面は、突出部の底面にある底面開口部を画定する。傘部は、最大内部幅を持つ部分を有する。底面開口部は幅を有する。突出部の傘部の最大内部幅は、底面開口部の幅よりも大きい。少なくともいくつかの吸収性物品は、液体不透過性材料と、液体透過性不織布材料と液体不透過性材料との中間に位置付けられた吸収性コアと、を更に含む。吸収性コアは吸収性材料を含む。吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも８５重量％の超吸収性ポリマーと、ホットメルト接着剤と、を含む。パッケージは、本明細書内のバッグ内スタック高さテストによると、約８０ｍｍ未満のバッグ内スタック高さを有する。

本開示の非限定的な実施形態の以下の説明文を添付図面と併せて参照することで、本開示の上記の特徴及び他の特徴並びに利点、並びにそれらを実現する方法がより明らかとなり、また本開示自体のより深い理解が得られるであろう。
先行技術の房（tuff）の端面図を示す顕微鏡写真である。 圧縮を掛けられた後の先行技術の房の概略端面図である。 複数の畳み込まれた房を示す先行技術の不織布ウェブの端部の顕微鏡写真である。 圧縮を受ける前及び受けた後の先行技術の円錐形構造の概略側面図である。 本開示による、形成された三次元の変形を有する不織布材料の一側面を、突出部を上向きにした状態で示した平面方向の顕微鏡写真である。 本開示による、図５に示された図に類似する不織布材料の他方の側面を、不織布の開口部を上向きにした状態で示した平面図の顕微鏡写真である。 本開示による、単層不織布材料内の突出部の斜視図を示すマイクロＣＴスキャン画像である。 本開示による、単層不織布材料内の突出部の側面を示すマイクロＣＴスキャン画像である。 本開示による、単層不織布材料内の開口部を上向きにした状態での変形の斜視図を示すマイクロＣＴスキャン画像である。 本開示による、開口部を上向きにした状態での２層不織布材料における変形の斜視図である。 本開示による、材料の一方の側面上に突出部の形態で三次元の変形を有し、材料の他方の側面上に広い開口部を提供する多層不織布材料の一例を、開口部を上向きにした状態で示した、変形の横軸に沿った断面図の顕微鏡写真である。 本発明による、図１１に示された突出部の概略図である。 本発明による、突出部の外辺部周りの高繊維濃度領域を示す、圧縮を受けた後の材料の突出側からの平面図の顕微鏡写真である。 本開示による、圧縮を受けた後の突出部を示す、突出部の横軸に沿った突出部の断面図の顕微鏡写真である。 本開示による、底面開口部を上向きにした状態で示された、多層不織布ウェブの一実施形態の変形の横軸に沿った断面図である。 本開示による、底面開口部を上に向けた状態で示された、多層不織布ウェブの別の実施形態の変形の横軸に沿った断面図である。 本開示による、底面開口部を上向きにした状態で示された、多層不織布ウェブの別の実施形態の変形の横軸に沿った断面図である。 本開示による、底面開口部を上向きにした状態で示された、多層不織布ウェブの別の実施形態の変形の横軸に沿った断面図である。 本開示による、底面開口部を上向きにした状態で示された、多層不織布ウェブの別の実施形態の変形の横軸に沿った断面図である。 本開示による、底面開口部を上向きにした状態で示された、多層不織布ウェブの別の実施形態の変形の横軸に沿った断面図である。 本開示による、２層構造のうちの１層における繊維の濃度を示す、突出部を上向きにした状態での不織布ウェブの平面図の顕微鏡写真である。 本開示による、図１６に示されたものに類似した層内の突出部の側壁における、減少された繊維濃度を示す斜視図の顕微鏡写真である。 本開示による、２層構造のうちの他方の層内の突出部の傘部における、減少された繊維の濃度を示す、突出部を上向きにした状態での不織布ウェブの平面図の顕微鏡写真である。 本開示による図１８に示されたものに類似した層内の突出部の側壁における、増加された繊維濃度を示す斜視図の顕微鏡写真である。 本開示による、いくつかの不織布前駆体ウェブ材料が使用される場合に層の１つに形成され得る「穿孔くず（hanging chads）」を示す、形成部材ロールの表面上にある多層不織布材料のうちの一層の斜視図の顕微鏡写真である。 本開示による、本明細書に記載された不織布材料を形成するための装置の一例の斜視図である。 本開示による、図２１に示された雄型ロールの一部分の拡大斜視図である。 本開示による、図２１に示されたロール間のニップ部を示す拡大斜視図である。 本開示による、変形を有する不織布材料を作製する方法の１つのバージョンの概略斜視図であり、２つの前駆体材料が使用され、そのうちの１つは連続的なウェブであり、もう１つは分離的な断片の形態にある。 本開示による、例示のトップシート／捕捉層の複合材料構造を含むおむつの形態の吸収性物品であり、捕捉層の長さは、いくつかの層が部分的に取り除かれたトップシートの長さを下回る（less than）。 本開示による、図２５のおむつの線２６−２６に沿った一横断面図である。 本開示による、図２５のおむつの別の横断面図である。 本開示による、着用者に面する表面が図を見る人に面しており、いくつかの層が部分的に取り除かれている、例示の吸収性物品の上面図である。 本開示による、図２８の線２９−２９に沿った（taken about）吸収性物品の断面図である。 本開示による、吸収性物品に流体が充填されている図２８の線２９−２９に沿った（taken about）吸収性物品の断面図である。 本開示による、着用者に面する表面が図を見る人に面しており、いくつかの層が部分的に取り除かれている、別の吸収性物品の上面図である。 本開示による、図３１の線３２−３２に沿った（taken about）吸収性物品の断面図である。 本開示による、いくつかの層が部分的に取り除かれた図３１の吸収性物品の例示の吸収性コアの上面図である。 本開示による、図３３の線３４−３４に沿った（taken about）吸収性コアの断面図である。 本開示による図３３の線３５−３５に沿った（taken about）吸収性コアの断面図である。 本開示による着用者に面する表面が図を見る人に面しており、いくつかの層が切り取られた生理用ナプキンである、別の例示の吸収性物品の上面図である。 本発明によるパッケージ幅を示した吸収性物品のパッケージの側面図である。外側表面は、明確にする目的で透明に図示されている。

本明細書に開示される吸収性物品の構造、機能、製造、及び使用の原理についての総合的な理解を提供するために、本開示の種々の非限定的実施形態がこれから記載される。これらの非限定的な実施形態の１つ又は２つ以上の実施例を添付の図面に示す。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され、かつ添付の図面に示される吸収性物品は、非限定的な例示的実施形態であり、本開示の種々の非限定的な実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解されよう。１つの非限定的な実施形態に関して図示又は説明される特徴は、他の非限定的な実施形態の特徴と組み合わせることができる。かかる修正及び変形は、本開示の範囲に含まれるものとする。

定義
用語「吸収性物品」は、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、陰唇間装置、創傷包帯、おむつ、成人失禁用物品、拭き取り用品などの使い捨て物品を含む。かかる吸収性物品の少なくとも一部は、月経又は血液、膣分泌物、尿、及び便などの体液の吸収を目的としたものである。拭き取り用品は、体液を吸収するために使用されてもよく、又は、表面を清拭するなどの他の目的に使用されてもよい。上記に述べた様々な吸収性物品は通常、液体透過性トップシートと、このトップシートに接合された液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートとの間の吸収性コアと、を備える。本明細書に記載の不織布材料は、研磨パッド、湿式又は乾式モップパッド（ＳＷＩＦＦＥＲ（登録商標）パッド）などの他の物品の少なくとも一部を含み得る。

本明細書で使用するとき、用語「吸収性コア」は、液体の貯蔵に主に関与する吸収性物品の構成要素を指す。そのようなものとして、吸収性コアは、典型的には、吸収性物品のトップシート又はバックシートを含まない。

本明細書で使用するとき、用語「穿孔」は、意図的に形成され、ウェブ又は構造体を完全に通過する、規則的又は実質的に規則的に形状化された穴（つまり、貫通孔）を指す。穿孔を取り巻く材料が、穿孔の形成前にウェブと同一平面上にあるように、穿孔がウェブを通ってきれいに穿孔されてもよく（「二次元」穿孔）、又は開口部を取り巻く材料の少なくともいくつかがウェブの平面から押し出されるように、穴が形成されてもよい。後者の場合、穿孔は、その中に穿孔を有する陥凹に似ていてもよく、穿孔のサブセットである、「三次元」穿孔と本明細書において称されてもよい。

本明細書で使用するとき、吸収性物品の「構成要素」という用語は、トップシート、捕捉層、液体処理層、吸収性コア又は吸収性コアの層、バックシート、並びに障壁層及び障壁カフなどの障壁など、吸収性物品の個々の構成成分を指す。

本明細書で使用するとき、用語「機械横方向」又は「ＣＤ」は、ウェブの平面内で機械方向に垂直な経路を意味する。

本明細書で使用するとき、用語「変形可能な材料」は、印加された応力又はひずみに反応して、その形状又は密度を変化させることが可能である材料である。

本明細書で使用するとき、用語「分離的」は、異なること又は接続されていないことを意味する。用語「分離的」が形成部材上の形成要素に対して使用されるとき、形成要素の遠位（又は放射状に最も外側の）端が、機械及び機械横方向を含む全方向で異なる、又は接続されていないことを意味する（例えば、形成要素の底面は、ロールの同一表面中に形成され得るにもかかわらず）。

用語「使い捨て」は、洗濯される、ないしは別の方法で吸収性物品又は製品として復元若しくは再利用されることを意図しない、吸収性物品及び他の製品を説明するために本明細書で使用される（すなわち、それらは、使用後に廃棄される、好ましくはリサイクルされる、堆肥化される、又はそうでなければ環境に適合する方法で処分されることを意図している）。

本明細書で使用するとき、用語「形成要素」は、ウェブを変形させることが可能である形成部材の表面上の任意の要素を指す。

突出部を説明するのに使用される場合に「一体的な延長部」におけるように本明細書で使用するとき、用語「一体的」は、前駆体ウェブ（複数の場合あり）の繊維から発した突出部の繊維を指す。したがって、本明細書で使用するとき、「一体的」は、突出部を作製する目的のために、別個の前駆体ウェブに導入されるか、又は追加される繊維とは区別されるものである。

用語「接合した」は、ある要素を他方の要素に直接固着することによって、その要素が別の要素に直接固定された構成と、要素を中間部材（複数の場合あり）に固着し、次いで中間部材が他方の要素に固着されることによって、要素が他方の要素に間接的に固定される構成と、ある要素が別の要素と一体化している、すなわち、ある要素が本質的に他方の要素の一部である構成と、を包含する。用語「接合した」は、１つの要素の表面全体にわたり要素が完全に別の要素に固定されている構成に加え、要素が別の要素に、選択された位置で固定されている構成を包含する。「接合した」という用語は、機械的もつれが挙げられるがこれに限定されない、要素が固定され得る任意の既知の方法を含む。

「機械方向」又は「ＭＤ」は、ウェブ等の材料が製造プロセス中に通って進む経路を意味する。

本明細書で使用するとき、用語「巨視的」は、見る人の目とウェブとの間の垂直距離が約３０ｃｍ（１２インチ）である場合に、２０／２０の視力を有する人が容易に見ることができ、かつはっきりと識別できる構造的特徴又は要素を指す。反対に、用語「微視的」は、かかる条件下で容易に見ることができず、かつはっきりと識別できないかかる特徴を指す。

本明細書で使用するとき、用語「機械的に変形すること」は、材料を永久的に変形させるために、材料に機械的な力を加えるプロセスを指す。

本明細書で使用するとき、用語「永久的に変形した」は、形状又は密度が、印加された応力又はひずみに反応して永久的に変化させられた、変形可能な材料の状態を指す。

用語「ＳＥＬＦ」及び「ＳＥＬＦ加工（SELF’ing）」は、Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ技術を指し、ＳＥＬＦは、Ｓｔｒｕｃｔｕｒａｌ Ｅｌａｓｔｉｃ Ｌｉｋｅ Ｆｉｌｍの略である。そのプロセスは元来、有益な構造的特性を有するようにポリマーフィルムを変形するために開発されたが、ＳＥＬＦ加工プロセスは、他の材料において有益な構造を作り出すために使用され得ることが見出された。ＳＥＬＦによって作り出されるプロセス、装置、及びパターンは、米国特許第５，５１８，８０１号、同第５，６９１，０３５号、同第５，７２３，０８７号、同第５，８９１，５４４号、同第５，９１６，６６３号、同第６，０２７，４８３号、及び同第７，５２７，６１５ Ｂ２号に図示及び記載されている。

本明細書で使用するとき、用語「房」は、不織布ウェブ中の繊維から形成されてもよい、特定の種類の機構を指す。房は、トンネルに似た構成を有し、それらの端部の両方で開口していてもよい。

用語「ウェブ」は、第１次元がＸ−Ｙである、すなわち、その長さ（又は長手方向）及び幅（又は横方向）に沿っている、材料を指すために本明細書で使用される。用語「ウェブ」が必ずしも材料の単層又はシートに限定されないことが理解されるべきである。したがって、ウェブは、材料の必要な種類のいくつかのシートの積層体又は組み合わせを含むことができる。

用語「Ｚ次元」とは、ウェブ又は物品の長さ及び幅に直交する次元を指す。Ｚ次元は、通常、ウェブ又は材料の厚さに相当する。本明細書で使用するとき、用語「Ｘ−Ｙ次元」は、ウェブ又は材料の厚さに直交する平面を指す。Ｘ−Ｙ次元は、通常、ウェブ又は材料の長さ及び幅のそれぞれに対応する。

不織布材料
本開示は、分離的な三次元変形を有する高ロフト不織布材料を、部分的に対象とし、変形は、材料の一側面にある突出部と、不織布材料の他方の側面にある開口部と、を提供する。不織布材料を作製する方法も開示する。不織布材料は、以下に更に詳細に記述されるとおり、吸収性物品及び他の物品内で使用され得る。

本明細書で使用するとき、用語「不織布」は、個々の繊維又は糸が入り組んではいるものの、織布又は編布（後者の繊維は無作為に配向された又は実質的に無作為に配向された繊維を典型的には有しない）におけるような繰り返しパターンとして入り組んではいない構造を有するウェブ又は材料を指す。不織布ウェブは、ウェブ製造の当該技術分野において既知のような、機械方向（ＭＤ）及び幅方向（ＣＤ）を有することになる。「実質的に無作為に配向された」とは、前駆体ウェブのプロセス条件の理由から、ＣＤよりもＭＤに又はその逆に、より多くの繊維が配向され得ることを意味する。例えば、スパンボンド及びメルトブローンプロセスにおいては、繊維の連続的なストランドが、ＭＤに移動する支持材上に堆積される。スパンボンド又はメルトブローン不織布ウェブの繊維の配向を真に「無作為化」するように試みても、通常はわずかに高い割合の繊維が、ＣＤではなくＭＤに配向される。

不織布ウェブ及び材料は多くの場合、吸収性物品などの製品に、高い製造ラインスピードで組み込まれる。かかる製造プロセスは、不織布ウェブに圧縮力及び剪断力を加える可能性があり、かかるウェブに故意に形成されている特定のタイプの三次元機構を損傷し得る。加えて、不織布材料が、圧縮下で作製又はパッケージ化される製品（使い捨ておむつなど）に組み込まれている場合、材料がかかる圧縮力を受けた後に、前の三次元機構のうちのいくつかのタイプの三次元特性を保持することが困難になる。

例えば、図１及び２は、房状構造を備える先行技術の不織布材料１０の一例を示す。不織布材料は、２つの端部１６を有するトンネルに似た構造を形成する、ループ型繊維１４から形成された房１２を含む。房１２は、不織布材料の平面からＺ方向に外側へ延在する。トンネルに似た構造は、房の一方の端部から反対側の端部まで実質的に同じである幅を有する。多くの場合、かかる房状構造は、両端部に穴又は開口部１８と、底面に開口部２０と、を有することになる。典型的に、房の端部にある開口部１８は、房の機械方向（ＭＤ）にある。房の端部にある開口部１８は、房を形成するために使用されるプロセスの結果であり得る。尖端を形成する相対的に小さい先端並びに垂直の前縁及び後縁を有する歯の形態の要素を形成することによって、房１２が形成される場合、これらの前縁及び／又は後縁は、房の端部の少なくとも１つにある不織布ウェブを突き抜けてよい。結果として、開口部１８は、房１２の一端又は両端に形成され得る。

このような不織布材料１０は、明確な房１２を提供する一方、房構造の底面にある開口部２０は相対的に狭く、裸眼では見えにくい場合がある。加えて、図２に示されているように、この狭い底面開口部２０を取り巻く房１２の材料は、ヒンジ２２、すなわち、房に力が加えられた場合のピボット点を形成する傾向にあってよい。不織布が（Ｚ方向などに）圧縮されると、多くの場合、房１２は一方の側に圧潰し、開口部２０を塞ぎ得る。典型的に、このような房状材料における房の大部分は圧潰して、開口部２０を塞ぐことになる。図２は、圧潰した後の房１２の一例を概略的に示している。図２では、房１２が左側に折り重なっている。図３は、いくつかの上向きの房を備えた不織布材料を示す画像であり、これらの房は全て側方に折り重なっている。ただし、全ての房１２が圧潰し、同じ側へ折り重なるわけではない。多くの場合、いくつかの房１２が一方の側へ折れ、いくつかの房が他方の側へ折れることになる。房１２が圧潰した結果として、房の底面にある開口部２０が塞がれ、スリット状になり、実質上見えなくなる。

円錐構造など、特定の他のタイプの三次元変形を備えた先行技術の不織布材料はまた、圧縮されたときに圧潰しやすくなり得る。図４に示されているように、円錐構造２４は、圧縮力Ｆを受けたときに、特定の房状構造のように必ずしも折り重なることにはならない。ただし、円錐構造は、その相対的に広い底面開口部２６及びより小さい先端２８によって、指定された構成２４Ａまでなど、不織布材料の平面に向かって押し戻されることから、円錐構造２４は圧潰しやすくなり得る。

本明細書に記載されている本開示の少なくともいくつかの実施形態の不織布材料は、圧縮後の不織布材料における分離的な三次元機構の構造をより良く保持することが意図されている。

図５〜１４は、突出部３２を含む三次元変形を備えた不織布材料３０の例を示す。不織布材料３０は、第１の表面３４、第２の表面３６、及びそれらの間の厚さＴ（図１２に示されている厚さ）を有する。図５は、不織布材料の第１の表面３４から外側に延在する突出部３２を上向きにした状態での、不織布材料３０の第１の表面３４を示す。図６は、図５に示されているような、形成された三次元変形を有する不織布材料３０の、突出部を下に向け、底面開口部４４を上向きにした状態での第２の表面３６を示す。図７は、突出部３２の斜視図を示すマイクロＣＴスキャン画像である。図８は、（突出部のより長い側面の１つの）突出部３２の側面図を示すマイクロＣＴスキャン画像である。図９は、開口部４４を上向きにした状態での変形の斜視図を示す、マイクロＣＴスキャン画像である。不織布材料３０は、複数の繊維３８（図７〜１１及び１４に示されている）を含む。図７及び９に示されているとおり、不織布材料３０は、繊維３８を結合するための複数の接着部４６を有してよい。かかる接着部はいずれも、典型的に前駆体材料内に存在する。

突出部３２は、時として、ループ状繊維（連続し得る）３８から形成される場合があり、それらは、不織布ウェブの平面からＺ方向に延在するように外側へ押される。突出部３２は典型的に、複数のループ状繊維を含むことになる。時として、突出部３２は、ループ状繊維及び少なくともいくつかの破断繊維から形成される場合がある。加えて、不織布材料のいくつかのタイプ（より短い繊維からなるカーディングされた材料など）の場合では、突出部３２は、複数の不連続繊維を含むループから形成されてよい。ループの形態にある複数の不連続繊維は、図１５Ａ〜１５Ｆに層３０Ａとして示されている。ループ状繊維は、突出部３２内でそろっていてもよく（つまり、実質的に同じ方向に向いている）、そろっていなくてもよい。典型的に、雄型／雌型形成要素が突出部の形成に使用されており、かつ、雌型形成要素が雄型形成要素を実質的に取り巻いている場合、突出部３２内の繊維は、不織布材料３０が形成される前駆体ウェブ（複数の場合あり）内の方向と同様に、実質的に無作為に（そろっているのではなく）配向されたままとなり得る。

不織布材料３０は、概ね平面的な第１の領域４０を含み得、三次元変形は複数の分離的であるが一体型の第２領域４２を含み得る。用語「概ね平面的」とは、いかなる特定の平坦度、平滑度又は次元性をも示唆するものではない。したがって、第１の領域は、第１の領域にトポグラフィーをもたらす他の機構を含み得る。かかる他の機構として、小さい突出部、底面開口部４４の周囲の隆起した網状領域、及び他のタイプの機構が挙げられ得るがこれらに限定されない。したがって、第１の領域４０は、第２の領域４２に対して考慮した場合は概ね平面的となる。

本明細書で使用するとき、用語「変形」は、不織布材料の一方の側に形成される突出部３２と、材料の反対側に形成される底面開口部４４と、の両方を含む。底面開口部４４は、ほとんどの場合、穿孔又は貫通孔の形態ではない。代わりとして、底面開口部４４は凹型のようになってよい。底面開口部４４は、袋の開口部に類似し得る。袋は、典型的に袋を完全に通過しない開口部を有する。本不織布材料３０の場合、図１０に示されているように、底面開口部４４は突出部３２の内部へ開いている。

図１１は、材料の一方の側に突出部３２の形態で三次元変形を有し、材料の他方の側に広い底面開口部４４を提供する、多層不織布材料３０の一例を示す。「広い」底面開口部の寸法については、以下に更に詳細に記述する。この場合、図中の底面開口部４４は上向きになっている。複数の不織布層が存在する場合、個々の層は３０Ａ、３０Ｂ、というように指定され得る。個々の層３０Ａ及び層３０Ｂはそれぞれ、第１の表面及び第２の表面を有し、同様に不織布材料の第１の表面３４及び第２の表面３６に指定され得る（例えば、第１の層３０Ａの第１及び第２の表面には３４Ａ及び３６Ａ、並びに第２の層３０Ｂの第１及び第２の表面には３４Ｂ及び３６Ｂ）。

図１１及び１２に示されているように、突出部３２は不織布材料の第１の表面３４に隣接する底面５０と、遠位端５４まで延在する対向の拡大した遠位部分又は傘部分、すなわち「傘部」５２と、側壁（又は「側面」）５６と、内部５８と、一対の端部６０（後者は図５に図示）と、を含む。突出部３２の「底面」５０は、突出部の端部のうちの１つから見た場合、突出部の最も狭い部分を含む。用語「傘部」は、突出部３２の遠位端５４を含み、それに隣接する突出部３２の広いほうの部分を含むこと以外、いかなる特定の形状をも示唆するものではない。側壁５６は、内側面５６Ａ及び外側面５６Ｂを有する。図１１及び１２に示されているように、側壁５６は、傘部５２に遷移し、傘部５２の一部を含み得る。したがって、側壁５６がどこで終わり、傘部５２がどこから始まるかを精密に画定することは必要ではない。傘部５２は、対向側壁５６の内側面５６Ａ間に、最大内部幅Ｗ_Ｉを有することになる。傘部５２はまた、対向側壁５６の外側面５６Ｂ間に、最大外部幅Ｗを有することになる。突出部３２の端部６０は、突出部の長手方向軸線Ｌ沿いに最も遠くに離間された突出部の部分である。

図１１及び１２に示されているように、突出部３２の最も狭い部分が底面開口部４４を画定する。底面開口部４４は幅Ｗ_Ｏを有する。底面開口部４４は、材料の第２の表面３６によって画定された平面と、突出部の遠位端５４との間に（Ｚ方向に）配置されてよい。図１１及び１２に示されているように、不織布材料３０は、底面開口部４４に遷移し（逆もまた同様）、底面開口部４４と同じサイズか、又はそれより大きい第２の表面３６の開口部（「第２の表面開口部」６４）を有してよい。しかしながら、消費者に可視である底面開口部４４を備えた物品内に不織布材料３０が配置される実施形態では、底面開口部４４のサイズが多くの場合は消費者に対して視覚的により明らかになるため、概ね本明細書では、底面開口部４４についてより頻繁に考察する。底面開口部４４が外に向いている（例えば、消費者に向かい、吸収性物品内の吸収性コアから離れている）実施形態など、特定の実施形態においては、底面開口部４４が別のウェブによって覆われない、及び／又は塞がれないことが望ましい場合があることを理解すべきである。

図１２に示されているように、突出部３２は、不織布ウェブの第２の表面３６から、突出部の遠位端５４にある突出部の内部まで測定される深さＤを有する。突出部３２は、不織布ウェブの第２の表面３６から、突出部の遠位端５４まで測定される高さＨを有する。ほとんどの場合、突出部３２の高さＨは、第１の領域４０の厚さＴより大きくなる。変形の様々な部分間の関係は、図１１に示されているように、端部から見たときに、突出部の傘部５２の最大内部幅Ｗ_Ｉが底面開口部４４の幅Ｗ_Ｏよりも広くなるようであってよい。

突出部３２は、任意の好適な形状とすることができる。突出部３２は三次元であるため、それらの形状を説明することはそれらを見る角度に依存する。図５にあるように上から見た場合（つまり、ウェブの平面に垂直、すなわち平面図）、好適な形状としては、円形、ダイヤモンド形、丸みのあるダイヤモンド形、アメリカンフットボール形、卵形、クローバー形、三角形、涙形、及び楕円形が挙げられるが、これらに限定されない。（底面開口部４４は、典型的に、突出部３２の平面図形に似た形状を有する。）他の場合では、突出部３２（及び底面開口部４４）は、非円形であってよい。突出部３２は、あらゆる方向に類似した平面図寸法を有してもよく、突出部は別の突出部よりも一方向に長くてもよい。つまり、突出部３２は、異なる長さ及び幅の寸法を有してよい。突出部３２が幅とは異なる長さを有する場合、より長い寸法が突出部の長さと称される。突出部３２はこのように、長さと幅の比、すなわち縦横比を有し得る。縦横比は、約１：１から約１０：１の範囲であり得る。

図５に示されているように、突出部３２は、突出部を平面図で見たときに、一方の端部６０から対向端部６０まで変化する幅Ｗを有し得る。幅Ｗは、突出部の中央部にある突出部の最も広い部分によって異なり得、突出部の幅は突出部の端部６０で減少する。他の場合では、突出部３２は、突出部の中央部にあるよりも、端部６０のいずれか又は両方で広くなり得る。更に他の場合では、突出部の一方の端部から突出部の他方の端部まで実質的に同じ幅を有する突出部３２が形成され得る。突出部３２の幅が突出部の長さに沿って変化する場合、幅が最も大きい突出部の部分が突出部の縦横比を判定するのに使用される。

突出部３２がその幅Ｗよりも大きい長さＬを有する場合、突出部の長さは、不織布材料３０に対して任意の好適な方向に配向されてよい。例えば、突出部３２の長さ（つまり、突出部の長手方向軸ＬＡ）は、機械方向、機械横方向、又は機械方向と機械横方向との間のいずれか望ましい向きに配向されてよい。突出部３２はまた、ＭＤ−ＣＤ平面内の長手方向軸ＬＡに対して概ね直交する横方向軸ＴＡを有する。図５及び６に示される実施形態では、長手方向軸ＬＡは、ＭＤに対して平行である。いくつかの実施形態では、全ての離間された突出部３２は、概ね平行な長手方向軸ＬＡを有し得る。

突出部３２は、側面から見た場合、任意の好適な形状を有してよい。好適な形状としては、少なくとも１つの側面から見たときに、拡大した寸法を有する遠位部分又は「傘部」、及び底面のより狭い部分が存在する形状が挙げられる。用語「傘部」は、キノコの傘部分に類似している。（傘部は、何らかの特定の種類のキノコの傘部に似ている必要はない。加えて、突出部３２は、キノコに似た幹部を有し得るが、そうである必要はない）。時として、突出部３２は、図１１のように、端部６０から見たときに球根形状を有するとされる場合がある。本明細書で使用するとき、用語「球根状」は、突出部３２の少なくとも１つの側面から見たときに（特に、より短い端部６０のうちの１つから見たときに）、拡大した寸法の傘部５２及び底面のより狭い部分を有するものとして、突出部３２の構成を指すことを意味する。用語「球根状」は、柱状部分に結合される円形又は丸みのある平面図構成を有する突出部に限定されない。球根形状は、示されている実施形態（変形３２の長手方向軸ＬＡが機械方向を向いている）では、断片が変形の横軸ＴＡ（つまり、機械横方向）に沿って取られている場合、最も明らかになり得る。球根形状は、図８にあるような変形の長さ（又は長手方向軸ＬＡ）に沿って変形を見た場合に、あまり明らかになり得ない。

突出部３２は、突出部の側面を、少なくとも実質的に取り巻く繊維３８を含み得る。これは、突出部３２の底面５０から突出部の遠位端５４へ（Ｚ方向に）延在し、側面５６の一部分及び突出部の傘部５２を形成するのに寄与する、複数の繊維が存在することを意味する。「実質的に取り巻く」という句は、それぞれの個々の繊維が突出部の側面の周囲のＸ−Ｙ平面に実質的に又は完全に包み込まれていることを必要としない。繊維３８が突出部の側面の周囲に完全に配置されている場合、これは、繊維が突出部の周囲３６０°に配置されることを意味する。突出部３２は、図１に示されている房の前端及び後端にある開口部１８など、端部６０に大きい開口部がなくてもよい。突出部３２はまた、図４に示されているようなエンボス構造とは異なる。エンボス構造は典型的に、本突出部３２の傘部５２の場合のように、底面に隣接する部分よりも広い底面から垂直に（つまり、Ｚ方向に）離間されている遠位部分を有しない。

突出部３２は、特定の付加特性を有してよい。図１１及び１２に示されているように、突出部３２は実質的に中空状であってよい。本明細書で使用するとき、用語「実質的に中空状」とは、突出部３２が、突出部の内部に実質的に繊維を含まない構造を指す。しかしながら、用語「実質的に中空状」は、突出部の内部が完全に繊維なしでなければならない必要はない。したがって、突出部内にはいくらかの繊維が存在し得る。「実質的に中空状」の突出部は、凹部がある形成構造へ繊維をエアレイイング又はカーディングするなどによって、繊維を敷くことにより作製されるものなどの、充填された三次元構造とは区別できる。

突出部３２の側壁５６は、任意の好適は構成を有することができる。側壁５６の構成は、図１１にあるように突出部の端部から見たときに、線状又は曲線状であってよく、又は側壁が線状及び曲線状の部分の組み合わせによって形成されてもよい。曲線状の部分は、凹状、凸状、又は両方の組み合わせであってよい。例えば、図１１に示されている（show）実施形態の側壁５６は、突出部の底面の近くに、内側に曲線状の凹状部分と、突出部の傘部の近くに、外側に曲線状の凸状部分を含む。側壁５６及び突出部の底面開口部４４の周囲の区域は、倍率２０倍で、未形成の第１の領域４０にある不織布の一部分よりも目に見えて実質的に低い所定の区域当たりの繊維濃度（これは、より低い坪量又はより低い不透明度の証明であり得る）を有し得る。突出部３２はまた、側壁５６に薄化された繊維を有し得る。繊維の薄化は、存在する場合、倍率２００倍で撮影された走査型電子顕微鏡（ＳＥＭ）画像に見られるように、繊維３８内のネック領域の形態で明らかになるであろう。したがって、繊維は、変形されていない不織布前駆体ウェブにある場合に第１の断面積と、変形された不織布ウェブの突出部３２の側壁５６の第２の断面積と、を有し得、第１の断面積は第２の断面積を超える。側壁５６はまた、いくらかの破断繊維をも含み得る。

いくつかの実施形態では、突出部３２の遠位端５４は、元の坪量の非薄化かつ非破断の繊維からなり得る。底面開口部４４が上向きである場合、遠位端５４は、突出部によって形成される陥凹の底部になる。遠位端５４は、完全に遠位端を通って形成される穿孔を含まないことになる。したがって、不織布材料は非有孔であってよい。本明細書で使用するとき、用語「穿孔」は、不織布の形成後に不織布に形成される穴を指すものであり、不織布に典型的に存在する細孔を含まない。用語「穿孔」はまた、変形を形成するプロセス中に材料（複数の場合あり）の局部的な引裂きがもたらす、図１５Ｄ〜１５Ｆ及び図２０に示されるような、不織布材料（複数の場合あり）の不規則な破断（又は分断）を指すものではなく、破断は前駆体材料（複数の場合あり）の変異性によるものであり得る。遠位端５４は、突出部を形成する構造の残りの部分に比べ、相対的に大きい繊維濃度又は密度を有し得る。しかしながら、以下により詳細に記述されているとおり、不織布ウェブが複数の層からなる場合、突出部の異なる部分の繊維の濃度は異なる層間で変化し得る。

突出部３２は、任意の好適なサイズであってよい。突出部３２のサイズは、突出部の長さ、幅、厚さ、高さ、深さ、傘部サイズ、及び開口部サイズに関して記述され得る。（特に明記しない限り、突出部の長さＬ及び幅Ｗは、突出部の傘部５２の外部長さ及び幅である。）「テスト方法」の項に記載されている加速性比較方法によると、突出部及び開口部の寸法は、比較の前後に（７ｋＰａ又は３５ＫＰａのいずれかの、明記されている圧力下で）測定することができる。加速性比較方法によると、突出部は、高さＨと同じポイント間、ただし２ＫＰａの荷重下で測定される厚さを有する。厚さ以外の突出部及び開口部の全ての寸法（つまり、長さ、幅、高さ、深さ、傘部サイズ、及び開口部サイズ）は、倍率２０倍の顕微鏡を使用して測定するときに、圧力を掛けずに測定される。

いくつかの実施形態では、傘部５２の長さは、約１．５ｍｍ〜約１０ｍｍの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、傘部の幅（幅が最も大きい場所で測定）は、約１．５ｍｍ〜約５ｍｍの範囲内であってよい。突出部の傘部部分は、少なくとも約３ｍｍ^２の平面図表面積を有し得る。いくつかの実施形態では、突出部は、約１ｍｍ〜約１０ｍｍ、あるいは約１ｍｍ〜約６ｍｍの範囲内である圧縮前高さＨを有し得る。いくつかの実施形態では、突出部は、約０．５ｍｍ〜約６ｍｍ、あるいは約０．５ｍｍ〜約１．５ｍｍの範囲内である圧縮後高さＨを有し得る。いくつかの実施形態では、突出部は、約０．５ｍｍ〜約９ｍｍ、あるいは約０．５ｍｍ〜約５ｍｍの範囲内である非圧縮状態の深さＤを有し得る。いくつかの実施形態では、突出部は、約０．２５ｍｍ〜約５ｍｍ、あるいは約０．２５ｍｍ〜約１ｍｍの範囲内である圧縮後の深さＤを有し得る。

不織布材料３０は、結合されている２つ以上の不織布材料からなる複合材料を含むことができる。このような場合、第１の層の繊維及び特性がそれに応じて指定され（例えば、第１の層は第１の複数の繊維からなる）、第２及び後続する層の繊維及び特性がそれに応じて指定される（例えば、第２の層は第２の複数の繊維からなる）。２層又はそれ以上の層構造では、変形の形成に続いて層が取り得るいくつかの構成が存在する。これらは多くの場合、層に使用される不織布材料の伸張性に依存することになる。本明細書に記述されているとおり、層の少なくとも１つは、突出部３２を形成する変形を有し、その変形において少なくとも１つの断面に沿った突出部の傘部５２の幅が、変形の底面開口部４４の幅よりも大きいことが望ましい。例えば、層の１つが吸収性物品のトップシートの役割をし、他方の層が下位層（捕捉層など）の役割をする２層構造では、突出部を有する層がトップシート層を含み得る。最も典型的に球根形状を有する層が、ウェブを変形するプロセス中に雄型形成部材と接触する層となる。図１５Ａ〜図１５Ｅは、多層材料内の三次元突出部３２の異なる別の実施形態を示す。

特定の実施形態では、図１１、１２、及び１５Ａに示されているように、類似の形状のループ状繊維は、突出部を形成するプロセス中に分離的な雄型形成要素から最も遠くに離間されている層３０Ａ内と、このプロセス中に雄型形成要素の最も近くにある層３０Ｂ内と、を含む多層不織布材料のそれぞれの層内に形成され得る。３０Ｂなどの一方の層は、３０Ａなどの他方の層内に収まる。これらの層は、「ネスト」構造と称される場合がある。ネスト構造の形成は、２つ（又はそれ以上）の拡張性の高い不織布前駆体ウェブの使用を必要とし得る。２層材料の場合、ネスト構造は、繊維からなる２つの完全なループ、又は（次のいくつかの作図に示されているとおり）２つの不完全なループを形成し得る。

図１５Ａに示されているように、三次元突出部３２は、第１の層３０Ａ内に形成された突出部３２Ａと、第２の層３０Ｂ内に形成された突出部３２Ｂを含む。一実施形態では、第１の層３０Ａは、捕捉層として吸収性物品内に組み込まれてよく、第２の層３０Ｂはトップシートであってよく、この２つの層によって形成される突出部は組み合わさってよい（つまり、ネストされる）。この実施形態では、第１の層及び第２の層３０Ａ及び３０Ｂによって形成される突出部３２Ａ及び３２Ｂは、密接に組み合わさる。三次元突出部３２Ａは、複数の繊維３８Ａを含み、三次元突出部３２Ｂは、複数の繊維３８Ｂを含む。三次元突出部３２Ｂは、三次元突出部３２Ａ内にネストされる。示されている実施形態では、第１の層３０Ａ内の繊維３８Ａは、第２の層３０Ｂ内の繊維３８Ｂよりも長さが短い。他の実施形態では、層内の繊維の相対長さが同じであるか、又は第１の層内の繊維が第２の層内の繊維よりも長い対立的な関係であってよい。加えて、この実施形態、及び本明細書に記載されている他の実施形態のいずれかでは、不織布層は、吸収性物品又は他の物品内に組み込まれるときに、突出部３２が上（又は外）に向くように反転され得る。このような場合、トップシートに好適な材料は層３０Ａに使用され、下位層に好適な材料は層３０Ｂに使用される。

図１５Ｂは、不織布層が、突出部３２の全体内で接触関係にある必要はないことを示している。このように、第１の層及び第２の層３０Ａ及び３０Ｂによって形成される突出部３２Ａ及び３２Ｂは、異なる高さ及び／又は幅を有してよい。２つの材料は、図１５Ｂに示されているように、突出部３２内で実質的に同じ形状を有し得る（一方の材料が、他方と同じ曲率を有する）。しかしながら、他の実施形態では、層が異なる形状を有してもよい。図１５Ｂは、層の１つの可能な配置のみ示していること、及びその他多くの変形が可能であるが、全ての図の場合と同様に、可能な変形を全ては提供できないことが理解されるべきである。

図１５Ｃに示されているように、第１の層３０Ａ（例えば、捕捉層）などの層の１つが、三次元突出部３２の区域内で断裂する可能性がある。図１５Ｃに示されているように、突出部３２は、第２の層３０Ｂ（例えば、トップシート）にのみ形成され、第１の層３０Ａ内の開口部を通って延在する。つまり、第２の層３０Ｂ内の三次元突出部３２Ｂは、断裂した第１の層３０Ａを相互貫入する。かかる構造は、トップシートを下位分配層又は吸収性コアと直接接触するように配置し得、乾燥性の改善をもたらし得る。かかる実施形態では、層は、突出部の区域内に「ネスト」されるとは見なされない。（図１５Ｄ〜１５Ｆに示されている他の実施形態では、層はなお「ネスト」されると見なされるであろう。）かかる構造は、第２の層３０Ｂの材料が、第１の層３０Ａの材料よりもはるかに拡張性が高い場合に形成され得る。かかる場合に、開口部は、以下に詳細に記載されるプロセスによって第１の前駆体ウェブを局所的に断裂させることにより形成され得る。断裂された層は、突出部３２の区域内で任意の好適な構成を有してよい。断裂は、第１の前駆体ウェブの単純な分離開口を伴う場合があり、それにより第１の層３０Ａ内の開口部が単純な二次元穿孔のままとなる。しかしながら、いくつかの材料については、第１の層３０Ａの部分が、フラップ７０を形成するために平面外（すなわち、第１の層３０Ａの平面外）に偏向又は付勢され得る。あらゆるフラップの形態及び構造は、第１の層３０Ａの材料特性に大きく依存する。フラップは、図１５Ｃに示されている一般的な構造を有し得る。他の実施形態では、フラップ７０は、突出部３２Ｂがフラップから噴出するかのように、より火山に似た構造を有し得る。

あるいは、図１５Ｄ〜１５Ｆに示されているように、第１の層３０Ａ及び第２の層３０Ｂのいずれか又は両方は、三次元突出部３２の区域内で破断される場合がある（又は、その中に破断部を有する）。図１５Ｄ及び１５Ｅは、第１の層３０Ａの三次元突出部３２Ａが、その中に分断部７２Ａを有し得ることを示している。分断されていない第２の層３０Ｂの三次元突出部３２Ｂは、分断された第１の層３０Ａの三次元突出部３２Ａと一致し、組み合わさり得る。あるいは、図１５Ｆは、第１の層３０Ａ及び第２の層３０Ｂの両方が分断部、又は破断部をその中に有する（それぞれ７２Ａ及び７２Ｂ）実施形態を示している。この場合、層３０Ａ及び３０Ｂ内の分断部は、突出部３２内の異なる位置にある。図１５Ｄ〜１５Ｆは、典型的に不規則な繊維破断によって形成される材料における意図しない不規則又は不一致の破断部を示しており、これらは概ね位置がずれており、第１又は第２の層内にあり得るが、典型的にそろっておらず、完全には両方の層を抜けていない。したがって、典型的には、突出部３２の遠位端５４にある全ての層を完全に抜けて形成される穿孔は存在しないことになる。

二重層及び他の多層構造の場合、変形された材料３０内の坪量分布（繊維の濃度）は層間で異なり得る。図１６に示されているように、雄型形成要素（例えば、３０Ｂ）に接触する不織布層は、突出部３２Ｂの遠位端５４Ｂに、元の不織布と同様の坪量である大きい部分を有し得る。図１７に示されているように、突出部３２Ｂの側壁５６Ｂ内及び底面開口部４４の近くの坪量は、元の材料及び突出部３２Ｂの遠位端５４の坪量よりも低くなり得る。しかしながら、図１８に示されているように、雌型形成要素（例えば、３０Ａ）と接触する不織布層は、突出部３２Ａの傘部５２Ａ内に、元の不織布内よりも有意に少ない坪量を有し得る。図１９に示されているとおり、突出部３２Ａの側壁５６Ａは、元の不織布よりも少ない坪量、ただし突出部３２Ａの遠位端５４Ａよりも多い坪量を有し得る。

底面開口部４４は、任意の好適な形状及びサイズからなり得る。底面開口部４４の形状は、典型的に対応する突出部３２の平面図形状に類似、又は同一となるであろう。底面開口部４４は、圧縮前（及び圧縮後）におよそ次の寸法のいずれかを超える幅を有し得る：０．５ｍｍ、０．７ｍｍ、０．８ｍｍ、０．９ｍｍ、１ｍｍ、又は１ｍｍを上回る任意の０．１ｍｍ増分。底面開口部４４の幅は、最大約４ｍｍ、又はそれ以上の任意の先行量から始まる範囲内であってよい。底面開口部４４は、約１．５ｍｍ以下から約１０ｍｍ以上までの範囲の長さを有し得る。底面開口部４４は、約１：１〜２０：１、あるいは約１：１〜１０：１の範囲の縦横比を有し得る。底面開口部の寸法の測定は、顕微鏡写真で行うことができる。底面開口部４４の幅のサイズが本明細書に指定されている場合、開口部が特定の方向に均一の幅ではないと、図６に示されているように、幅Ｗ_Ｏは最も広い部分で測定される。本開示の不織布材料及び同一のものを作製する方法は、狭い底面を有する特定の前の構造よりも広い開口部を持つ変形を生み出し得る。これにより、底面開口部４４は裸眼でより良く見えるようになる。開口部の最も狭い部分であるので、開口部のサイズが最も制限的になることから、底面開口部４４の幅に着目される。変形は、圧縮後に第１の領域４０の平面に対して垂直の広い底面開口部４４を保持する。

変形は、荷重を掛けて圧縮され得る。時として、変形が着用者の体と接触して、不織布が着用者の体で破かれた場合に、変形が柔らかくなり、皮膚を圧痕形成しないように、荷重は十分低いことが望ましい場合がある。このことは、突出部３２又は底面開口部４４のいずれかが、着用者の身体に接触するように配向されている場合に当てはまる。例えば、変形を２ｋＰａ以下の圧力下で圧縮することが望ましい場合がある。他の場合では、変形が着用者の皮膚に圧痕形成するかどうかは問題にならない。以下の「テスト方法」の項の加速性比較方法によってテストを行ったときに、７ＫＰａの荷重下において、以下に記載されている制御された形で、不織布材料３０内の突出部３２の少なくとも１つが圧潰する又は曲がることが望ましい場合がある。あるいは、突出部３２の少なくともいくつか、又は他の場合には大多数が、本明細書に記載されている制御された形で圧潰し得る。あるいは、突出部３２の実質的に全てが、本明細書に記載されている制御された形で圧潰し得る。突出部３２が圧潰する能力は、３５ｋＰａの荷重下でも測定することができる。７ｋＰａ及び３５ｋＰａの荷重は、製造及び圧縮パッケージ化状況を模擬する。着用状況は、圧力なし又は限られた圧力（着用者が吸収性物品の上に座っていない場合）から最大２ｋＰａ、７ｋＰａ、又はそれ以上までの範囲であり得る。

突出部３２は、底面の広い開口部４４を保つため、圧縮後に制御された形で圧潰し得る。図１３は、圧縮を受けた後の、本開示による不織布材料３０の第１の表面３４を示す。図１４は、圧縮を受けた後の、単一の下向きの突出部３２の側面図である。図１３に示されているように、突出部３２が圧縮されている場合、底面開口部４４の周囲に、増加した不透明度８０の輪の形態でより高い濃度の繊維があるように見える。圧縮力が不織布材料に印加されると、突出部３２の側壁５６がより望ましい／制御された形で圧潰し得、それによって、側壁５６が凹状になり、重なり合っている層の領域に（ｓ形／アコーディオン形などに）折り重なる。増加した不透明度８０の輪は、材料の折り重なった層を表す。換言すれば、突出部３２は、Ｚ方向の力が突出部に印加されたときに、Ｘ−Ｙ平面においてある程度の寸法安定性を有し得る。突出部３２の圧潰された構成は必ずしも対称である必要はなく、圧潰された構成は、突出部３２が覆いかぶさったり、不織布の元の平面に押し返したりすること、及び底面開口部のサイズを有意に減少させることを防止することのみが必要である。例えば、図１４に示されているとおり、突出部３２の左側は、ｚ形に折り重なった構造を形成することができ、突出部の右側はこれを形成しないが、上から見たときに、折り重なった部分の材料のある程度の重なり合いによってより高い不透明度を有することは、なお明らかである。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、広い底面開口部４４及び大きい傘部５２（底面開口部４４の幅を超える）は、ピボット点がないことと合わせて、突出部３２を制御された形で圧潰させる（突出部３２が覆いかぶさることを防止する）と考えられる。このように、突出部３２は、圧縮時に横へ折り畳むことを可能にするであろうヒンジ構造を含まない。大きい傘部５２はまた、突出部３２が不織布の元の平面へ押し返すことを防止する。

変形は、不織布材料３０の表面にわたり、任意の好適な密度で配設されてよい。例えば、変形は、１０ｃｍ^２の面積に約５個〜約１００個の変形、あるいは約１０個〜約５０個の変形、あるいは約２０個〜約４０個の変形の密度で存在し得る。

変形は、不織布材料の平面にわたり、任意の好適な配置で配設されてよい。好適な配置としては、これらに限定されるものではないが、千鳥形配置、及びゾーンが挙げられる。時として、不織布材料３０は、エンボス加工及び穿孔など、当該技術分野において既知の変形及び他の機構の両方を含む場合がある。変形及び他の機構は、別個のゾーン内にあるか、混合されているか、又は重なり合うことができる。混合された配置は、任意の好適な方法で作製され得る。時として、混合された配置は、米国特許出願公開第ＵＳ２０１２／００６４２９８ Ａ１号，Ｏｒｒ，ｅｔ ａｌ．に記載された手法を使用して作製される場合がある。他の場合では、重なり合う配置は、変形を形成し、次いで、雄型形成要素を有する形成部材と柔軟な表面との間に不織布ウェブを通し、形成部材及び柔軟な表面でウェブに圧力を加えることによって作製され得る。重なり合う配置を製造するためのこれらの手法は、変形及び他の機構が、不織布材料上の異なる場所に配設されるか、又は少なくともいくつかの変形及び少なくともいくつかの他の機構を不織布材料上の同じ場所に配設させ得るように、変形及び他の機構を組み合わせることを可能にする。

本明細書に記載されている不織布ウェブ３０は、吸収性物品の任意の好適な構成要素（複数の場合あり）を含むことができる。例えば、不織布ウェブは、吸収性物品のトップシートを含むことができ、又は図２５に示されているように、不織布ウェブ３０が複数の層を含む場合、不織布ウェブは、おむつ８２などの吸収性物品の結合されたトップシート８４及び捕捉層８６を含むことができる。図２５〜２７に示されているおむつ８２はまた、吸収性コア８８、バックシート９４、及び分配層９６を含む。本開示の不織布材料はまた、バックシート９４などの吸収性物品の外側カバーを形成し得る。不織布ウェブ３０は、変形３１を備えた吸収性物品内に、任意の好適な方向で配置され得る。例えば、突出部３２は、上向きであっても下向きであってもよい。換言すれば、突出部３２は、図２６に示されているように、吸収性コア８８に向かって配向されてよい。このように、例えば、突出部３２がおむつ、又は他の吸収性物品内の吸収性コア８８に向かって（つまり、身体に面する側から離れ、衣類に面する側に向かって）内側を指すことが望ましい場合がある。あるいは、突出部３２は、図２７に示されているように、吸収性物品の吸収性コアから離れて延在するように配向されてもよい。なお他の実施形態では、不織布ウェブ３０は、上向きのいくつかの突出部３２と、下向きのいくつかの突出部３２と、を有するように作製され得る。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、かかる構造は、上向きの突出部が滲出液から身体を清潔にするためにより効果的であり得る一方、下向きの突出部は吸収性コアへの滲出液の吸収により効果的であり得ることから、有益であり得ると考えられる。したがって、理論に束縛されるものではないが、これら２つの突出部の向きの組み合わせは、同一製品が２つの機能を満たすことができるという利点をもたらすであろう。

２層又はそれ以上の層の不織布構造は、流体処理効果を提供することができる。層が一体化されており、かつ突出部３２が吸収性コアに向かって配向されている場合、これらの層は乾燥効果も提供することができる。これに反して、突出部３２が、湿式又は乾式モップのパッド内の吸収性コアから離れて外側を向き、清潔効果を提供することが望ましい場合もある。いくつかの実施形態では、不織布ウェブ３０が吸収性物品に組み込まれている場合、下位層には実質的に、又は完全にトウ繊維がなくてもよい。トウ繊維がない好適な下位層は、例えば、架橋セルロース繊維の層又は断片を含み得る。時として、不織布材料３０は、別のウェブと絡まない（つまり、絡み合いがない）ことが望ましい場合がある。

不織布構造の層（例えば、トップシート及び／又は捕捉層）は、色付きであってよい。色は、着色によってウェブに付与され得る。用語「着色」は、非白色をウェブに付与するために好適な任意の顔料を包含する。したがってこの用語は、典型的には、従来の吸収性物品の層に付加されてそれらに白色外観を付与する、ＴｉＯ_２などの「白色」顔料を含まない。顔料は、例えばインク、塗料、プラスチック、又は他のポリマー材料に見られるように、通常は、ビヒクル又は基材中に分散されて適用される。例えば、顔料をポリプロピレンマスターバッチに導入することができる。マスターバッチは、キャリア媒体に分散され、その後、バージンポリマー材料を着色するか、又はそれを色素性バイコンポーネント不織布へ変更するのに使用できる、高濃度の顔料及び／又は添加物を含む。導入され得る好適な着色マスターバッチ材料の例は、Ｐａｎｔｏｎｅカラー２７０ ＳａｎｙｌｅｎバイオレットＰＰ ４２０００６３４ ｅｘ Ｃｌａｒｉａｎｔであり、これは高濃度のバイオレット顔料を含むＰＰ樹脂である。典型的には、導入される顔料の量は、ウェブの重量で、０．３％〜２．５％であってよい。あるいは、色は、基材中への着色剤の含浸によってウェブに付与されてもよい。染料、顔料、又は組み合わせなどの着色剤は、ポリマー、樹脂、又は不織布などの基材を形成する際に含浸されてもよい。例えば、着色剤は、繊維又はフィラメント形成中にポリマーの溶融バッチに添加されてもよい。

前駆体材料
本開示の不織布材料は、任意の好適な不織布材料（「前駆体材料」）から作製され得る。不織布ウェブは、単層、又は多層（例えば、２層又はそれ以上の層）から作製され得る。多層が使用される場合、不織布ウェブは、同じ種類の不織布材料、又は異なる種類の不織布材料からなり得る。時として、前駆体材料にはいずれのフィルム層もなくてよい。

不織布前駆体材料（複数の場合あり）の繊維は、天然材料、合成材料、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の好適な材料から作製されてもよい。好適な天然材料には、セルロース、綿リンター、バガス、羊毛繊維、絹繊維などが挙げられるが、これらに限定されない。セルロース繊維は、個々の繊維、綿毛状パルプ、ドライラップ、ライナーボードなどを含むが、これらに限定されない、任意の好適な形態で提供されてよい。好適な合成材料としては、ナイロン、レーヨン、及びポリマー材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリマー材料としては、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、及びコポリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、いくつかの実施形態では、不織布前駆体材料は、これらの材料の１つ又は２つ以上が実質的に、又は完全になくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、前駆体材料は、セルロースを実質的に含まなくてもよく、及び／又は紙材を除外してもよい。いくつかの実施形態では、１つ又は２つ以上の前駆体材料は、最大１００％の熱可塑性樹脂繊維を含むことができる。したがって、繊維は時として、実質的に非吸収性であり得る。いくつかの実施形態では、不織布前駆体材料には、トウ繊維が実質的に、又は完全になくてもよい。

前駆体不織布材料は、任意の好適なタイプの繊維を含んでよい。好適なタイプの繊維としては、モノコンポーネント、バイコンポーネント、及び／又は二成分、非円形（例えば、形成部材された繊維（三葉状断面を有する繊維が挙げられるが、これに限定されない）及び毛管チャネル繊維）が挙げられるが、これらに限定されない。繊維は、任意の好適なサイズであってよい。例えば、繊維は、０．１〜５００マイクロメートルの範囲の主要断面寸法（例えば、円形繊維の直径）を有し得る。繊維のサイズは、繊維の長さ当たりの重量の単位であるデニールで表すこともできる。例えば、構成繊維は、約０．１デニール〜約１００デニールの範囲にすることができる。不織布前駆体ウェブ（複数の場合あり）の構成繊維はまた、化学（例えば、ＰＥ及びＰＰ）、構成成分（モノ−及びバイ−）、形（すなわち、毛管チャネル及び円形）などのような特徴において異なる、異なる繊維タイプの混合物であってもよい。

不織布前駆体ウェブは、例えば、エアレイイングプロセス、湿式プロセス、メルトブローンプロセス、スパンボンドプロセス、及びカーディングプロセスなど、多くのプロセスから形成することができる。ウェブ内の繊維はその後、スパンレースプロセス、水流交絡、カレンダー接合、通気結合、及び樹脂結合を介して結合することができる。かかる個々の不織布ウェブのいくつかは、繊維が結合される結合箇所を有し得る。

不織布材料の坪量は、通常、平方メートル当たりグラム（ｇｓｍ）で表される。単一層の不織布材料の坪量は、材料３０の最終用法に応じて、約８ｇｓｍ〜約１００ｇｓｍの範囲であってよい。例えば、トップシート／捕捉層の積層体又は複合材料からなるトップシートは、約８〜約４０ｇｍｓ、又は約８〜約３０ｇｓｍ、又は約８〜約２０ｇｓｍの坪量を有し得る。捕捉層は、約１０〜約１２０ｇｍｓ、又は約１０〜約１００ｇｓｍ、又は約１０〜約８０ｇｓｍの坪量を有し得る。多層材料の坪量は、構成層及び他の任意の付加的な構成要素を合わせた坪量である。本明細書で対象となる多層材料の坪量は、材料３０の最終用法に応じて、約２０ｇｓｍ〜約１５０ｇｓｍの範囲であってよい。不織布前駆体ウェブは、２ＫＰａ（０．３ｐｓｉ）で測定された約０．０１〜約０．４ｇ／ｃｍ^３の密度を有し得る。

前駆体不織布ウェブは、特定の所望の特性を有し得る。前駆体不織布ウェブ（複数の場合あり）はそれぞれ、第１の表面、第２の表面、及び厚さを有する。前駆体不織布ウェブ（複数の場合あり）の第１及び第２の表面は、概ね平面的であってよい。前駆体不織布ウェブ材料が、突出部の形態への繊維の伸張及び／又は再配置を可能にする伸張性を有することが典型的には望ましい。不織布ウェブが２つ又はそれ以上の層からなる場合、全ての層ができる限り伸張可能であることが望ましい。伸張性は、少なくともいくつかの非破断繊維を突出部の周辺部にある側壁に維持するために望ましい。個々の前駆体ウェブ、又は多層構造内の不織布の少なくとも１つが、およそ次の量のいずれか以上に伸びることが可能であることが望ましい場合がある：ピーク張力に達したとき又は達する前で、１００％（つまり、未伸張の長さの倍）、１１０％、１２０％、又は１３０％から最大約２００％、又はそれ以上。また、不織布ウェブが前の構成に回復しやすく又は戻りやすくならないように、変形の構造が定位置に「定着」することを確実にするため、前駆体不織布ウェブは塑性変形に耐えることが可能であることが望ましい。

伸張性が十分でない材料（例えば、非伸張性ＰＰ）は、変形の周辺部の多くに破断繊維を形成し、より多くの「穿孔くず」９０を作製し得る（すなわち、突出部３２の傘部３２は、突出部の残りの部分から少なくとも部分的に破断し、そこから切り離され得る（図２０に示されているとおり））。繊維が破断している突出部の側面の区域は、参照番号９２で指定されている。図２０に示されているような材料は、単層構造には適さないものとなり、使用される場合は、本明細書に記載されているように、典型的には別の層が突出部３２を有する複合多層構造の一部となる。

不織布ウェブの繊維にあまり伸張性がないときは、不織布が、最適に結合されるのとは対照的に、過小結合であることが望ましい場合がある。熱結合された不織布ウェブの引張特性は、結合温度の変化によって変更され得る。ウェブは、最適に又は理想的に結合、過小結合、又は過結合され得る。最適に又は理想的に結合されたウェブは、引張ピーク後の強度の急速な低下と共に、引張ピーク時の最も高いピーク引張強度及び伸びによって特性化される。ひずみを与えられると結合箇所が弱り、少量の繊維が結合箇所から抜ける。このように、最適に結合された不織布では、特定のポイントを超えて不織布ウェブにひずみを与えられると、繊維３８が伸長し、結合箇所４６の周囲が破断することになる。多くの場合、熱点結合箇所を取り巻く区域内の繊維直径に小さな減少が存在する。過小接合されたウェブは、最適に結合されたウェブと比べた場合、引張ピーク時により低いピーク引張強度及び伸びを有し、引張ピーク後の強度はゆっくり低下する。ひずみを与えられると、いくつかの繊維が熱点結合箇所から抜けることになる。このように、過小結合された不織布では、材料にひずみを与えられた場合に、繊維３８の少なくともいくつかは結合箇所４６から簡単に切り離されて、繊維３８が結合箇所から抜け、再配置することを可能にし得る。過剰結合されたウェブはまた、最適に結合されたウェブと比べた場合、引張ピーク時に低下したピーク引張強度及び伸びを有し、引張ピーク後の強度は急速に低下する。結合箇所はフィルムのようであり、ひずみを与えられると完全な結合箇所破壊をもたらす。

不織布ウェブが２層又はそれ以上の層を含む場合、異なる層は同じ特性を有してよく、互いに対する任意の好適な特性の違いを有してもよい。一実施形態では、不織布ウェブ３０は、吸収性物品で使用される２層構造を含み得る。便宜上、前駆体ウェブ及びそれらが形成される材料は、本明細書において同じ参照番号で参照される。層の１つである、第２の層３０Ｂは、吸収性物品のトップシートの役割を果たすことができ、第１の層３０Ａは、下位層（又は副層）となり、捕捉層の役割を果たすことができる。捕捉層３０Ａは、トップシートを通過する液体を受容し、それらを下位吸収層に分配する。このような場合、トップシート３０Ｂは副層（複数の場合あり）よりも親水性が低くてよく、トップシートの脱水の向上をもたらし得る。他の実施形態では、トップシートは、副層（複数の場合あり）よりも親水性が高くてもよい。時として、例えば、より小さいデニールの繊維を使用することによって、又は捕捉層材料の密度を高めることによって、捕捉層の孔径を減少させ、トップシートの細孔の脱水を向上させることができる。

トップシートの役割をし得る第２不織布層３０Ｂは、任意の好適な特性を有してよい。第２不織布層の対象とする特性は、それがトップシートの役割をする場合、十分な伸張性及び塑性変形に加え、隠逸性及び不透明度を含み得る。本明細書で使用するとき、「隠逸性」は、不織布ウェブの坪量のマクロ視的変異性を指す。本明細書で使用するとき、不織布ウェブの「不透明度」は、可視光の不透過性の測定値であり、マクロ視的スケールでの相対的繊維密度の目視判定として使用される。本明細書で使用するとき、単一不織布変形の異なる領域の「不透明度」は、黒色の背景に対して変形を含む不織布の部分の、倍率２０倍の顕微鏡写真を撮ることによって判定される。より暗い区域は、白色の区域よりも相対的に低い不透明度（並びに、より少ない坪量及びより低い密度）を示す。

第２の不織布層３０Ｂとしての使用に適した不織布材料のいくつかの例として、スパンボンド不織布と、カーディング加工不織布と、構造を定着させ、有意な回復を有しないことを確実にするための高い伸張性（前述の範囲内のピーク時引張強度での張り）及び十分な塑性変形を備えた他の不織布と、が挙げられるが、これらに限定されない。トップシート／捕捉層の複合構造用のトップシートとしての１つの好適な不織布材料は、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む伸張性のあるスパンボンド不織布であり得る。繊維はポリプロピレン及びポリエチレンの混合を含んでよく、シースにポリエチレン及び繊維のコアにポリエチレンを有するシース−コア繊維などのバイコンポーネント繊維であってもよい。別の好適な材料は、ポリエチレンシース及びポリエチレン／ポリプロピレン混合コアを有する繊維を含む、バイコンポーネント繊維のスパンボンド不織布である。

例えば、捕捉層の役割をし得る第１の不織布層３０Ａは、任意の好適な特性を有してよい。第１の不織布層の対象となる特性は、十分な伸張性及び塑性変形に加え、隠逸性及び不透明度を含み得る。第１の不織布層３０Ａが捕捉層の役割をする場合、その流体処理特性はまた、この目的に対して適切でなければならない。かかる特性は、透過性、有孔性、毛細管圧、厚さ、並びに圧縮に対する十分な抵抗性及び間隙容積を維持するための弾力性などの機械的特性が挙げられ得る。第１の不織布層に好適な不織布材料は、捕捉層の役割をする場合、スパンボンド不織布と、通気結合（「ＴＡＢ」）されカーディング加工不織布材料と、スパンレース不織布と、水流交絡加工不織布と、樹脂結合されたカーディング加工不織布材料と、が挙げられるが、これらに限定されない。無論、複合材料構造は、反転させて物品に組み込むことができ、その場合には、第１の層３０Ａがトップシートの役割をし、第２の層３０Ｂが捕捉層の役割をする。かかる場合において、本明細書に記載の第１の層及び第２の層の特性及び例示の方法は互換可能である。

２層化又はそれ以上に層化された不織布ウェブ構造の層は、任意の好適な方法で一緒に結合することができる。時として、層は互いに非結合であり、自発的に（つまり、変形の形成により）くっつくことができる。例えば、前駆体ウェブ３０Ａ及び３０Ｂの両方は、２つの前駆体ウェブを共に「ロック」する「ネスト」関係において繊維を変形に寄与させて、層間に接着剤又は熱結合を使用する又は必要とすることなく、多層ウェブを形成する。他の実施形態では、層は他の機構によって接合され得る。層間に接着剤が所望される場合、特定の領域又は全ての前駆体ウェブを結合するために、超音波結合、化学結合、樹脂若しくは粉末結合、熱結合、又は熱及び圧力の組み合わせを使用した分離的な箇所での結合が選択的に使用されてよい。接着剤が使用される場合、それらは、スロット、らせん状、スプレー、及びカーテンコーティングを含むが、これらに限定されない、任意の好適な方法又はパターンで適用されてよい。接着剤は、約０．５〜約３０ｇｓｍ、あるいは約２〜約５ｇｓｍを含むが、これらに限定されない、任意の好適な量又は坪量で適用されてよい。加えて、例えば、スパンボンド不織布に不織布の１つの層をカーディングし、結合された層を熱点結合することによって、複数の層がプロセス中に結合され得る。時として、層間の特定のタイプの結合は除外される場合がある。例えば、本構造の層は、共に水流交絡され得ない。

前駆体不織布ウェブが２層又はそれ以上の層を含む場合、ロールから巻き戻されたウェブの形態などで、層の少なくとも１つに連続性があることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、層のそれぞれに連続性があってよい。別の実施形態では、図２４に示されているように、層の１つ又は２つ以上が連続的であってよく、層の１つ又は２つ以上が分離的な長さを有してよい。層はまた、異なる幅を有し得る。例えば、吸収物品用に結合されたトップシート及び捕捉層を作製する上で、トップシートの役割をする不織布層は連続ウェブであってよく、捕捉層の役割をする不織布層は、連続ウェブの上部に配置される分離的な長さ（例えば、矩形又は他の形状）の片からなる形態で製造ラインに供給されてもよい。かかる捕捉層は、例えば、トップシート層より小さい幅を有してよい。層は上記のとおりに、一緒に結合され得る。

不織布材料の作製方法
不織布材料は、ａ）少なくとも１つの前駆体不織布ウェブを提供する工程と、ｂ）第１の形成部材及び第２の形成部材を含む一対の形成部材を含む装置を提供する工程と、ｃ）形成部材間に前駆体不織布ウェブ（複数の場合あり）を配置し、形成部材を使用して前駆体不織布ウェブ（複数の場合あり）を機械的に変形する工程と、を含む方法によって作製される。形成部材は、機械方向（ＭＤ）の向き及び機械横方向（ＣＤ）の向きを有する。

第１及び第２の形成部材は、プレート、ロール、ベルト、又は任意の他の好適なタイプの形成部材であってよい。いくつかの実施形態では、「Ｍｅｔｈｏｄ ａｎｄ Ａｐａｒａｔｕｓ ｆｏｒ Ｉｎｃｒｅｍｅｎｔａｌｌｙ Ｓｔｒｅｔｃｈｉｎｇ ａ Ｗｅｂ」という題名の米国特許第８，０２１，５９１号、Ｃｕｒｒｏ，ｅｔ ａｌ．に記載されている、ウェブを漸増式に伸長させるための装置を、そこに記載されている活性化部材に本明細書に記載されているタイプの形成要素を提供することによって変更することが望ましい場合がある。図２１に示されている装置１００の実施形態では、第１及び第２の形成部材１０２及び１０４は、それらの間のニップ１０６を形成する非変形型の咬み合い式逆回転ロールの形態である。前駆体ウェブ（複数の場合あり）が、ロール１０２とロール１０４との間のニップ１０６に供給される。ロール１０２とロール１０４との間の空間は、本明細書ではニップとして記載されているが、以下により詳細に考察されているように、時として、可能な限り前駆体ウェブ（複数の場合あり）の圧縮を回避することが望ましい場合がある。

第１の形成部材。
第１の形成部材１０２は、分離的な離間された雄型形成要素１１２を含む、複数の第１の形成要素を含む表面を有する。雄型形成要素は、機械方向に及び機械横方向に離間される。用語「分離的」は、隆起部、及び機械方向及び機械横方向のうちのいずれか又は両方に離間され得る隆起部を有する波形化ロール（又は「輪状ロール」）上の溝などの連続的又は非分離的な形成要素を含まない。

図２２に示されているとおり、雄型形成要素１１２は、第１の形成部材１０２に結合される（この場合は一体的な）底面１１６、底面から離間された上面１１８、及び雄型形成要素の底面と上面との間に延在する側面１２０を有する。雄型要素１１２はまた、平面図外周、及び高さＨ_１を有する（後者は、底面１１６から上面１１８まで測定されたものである）。雄型ロール上の分離的な要素は、広い変形を作製するため、相対的に大きい表面積（例えば、幅約１ｍｍ〜約１０ｍｍ、及び長さ約１ｍｍ〜約２０ｍｍ）を持つ上面１１８を有する。雄型要素１１２は、任意の好適な構成を有してよい。一実施形態では、雄型要素１１２はフラット上面１１８、垂直側壁１２０、フラット上面１１８と垂直側壁１２０との間の遷移部１２２を形成する、アールが形成された縁部を有する（垂直側壁により、側壁１２０が側壁の底部から垂直方向に対してゼロ度の側壁角度を有することを意味する）。雄型要素１１２の上面１１２は、図２１及び２２に示されているような丸みを帯びたダイヤモンド形構成、及びアメリカンフットボール形、三角形、クローバー型、涙形、卵形、楕円形を含むが、これらに限定されない、任意の好適な平面図構成を有し得る。

雄型形成要素１１２の多数の他の実施形態が可能である。他の実施形態では、雄型形成要素１１２の上面１１８は円形であってもよい。他の実施形態では、側壁１２０は、側壁がゼロより大きい角度を形成するように、雄型形成要素１１２の中心に向かって内側に先細りであってよい。他の実施形態では、雄型要素１１２の上面１１８は、図面に示されているものとは異なる形状であってもよい。他の実施形態では、雄型形成要素１１２は、機械方向（ＣＤ方向、及びＭＤとＣＤとの間の方向を含む）に向いた長さを有するのではなく、第１の形成部材１０２上に他の方向で配設することができる。

第２の形成部材。
図２１に示されているように、第２の形成部材１０４は、複数の空洞又は凹部１１４を有する表面１２４を有する。凹部１１４は、雄型形成要素１１２を受容するようにそろえられ、構成される。このように、単一の雄型形成要素１１２が、単一の凹部１１４の周辺部内、及びｚ方向で少なくとも部分的に凹部１１４内に収まるように、雄型形成要素１１２は凹部１１４と嵌合する。凹部１１４は、雄型要素１１２の平面図外周よりも大きい平面図外周１２６を有する。その結果、ロール１０２及び１０４が噛み合わされると、雌型ロール上の凹部１１４が分離した雄型要素１１２を完全に包含する。凹部１１４は、図２３に示されている深さＤ_１を有する。時として、凹部の深さＤ_１は、雄型形成要素１１２の高さＨ_１よりも大きくなり得る。

凹部１１４は、雄型要素１１２と、側壁１２８と、側壁１２８が凹部の底面１３２と交わる凹部の底面１３２周囲の縁部１３０と、に類似した平面図構成を有し得る。凹部１１４の側壁１２８は、垂直であってよい。凹部の縁部１３０は、鋭くてもよく、丸みを帯びていてもよい。

上述のように、凹部１１４は、雄型要素１１２の高さＨ_１よりも深くなり得、そのため、雄型ロール１０２と雌型ロール１０４との間の不織布材料は、可能な限り挟まれない（又は押しつぶされない）。しかしながら、間の空間が相対的に小さい２つのロール間に前駆体ウェブ（複数の場合あり）を渡すと、ある程度の剪断力及び圧縮力がおそらくウェブ（複数の場合あり）に印加されるであろうことが理解されよう。しかしながら、本方法は、雄型要素の上面が材料を圧縮して雌型要素の底面にエンボス加工し、それによって材料が圧縮された領域の密度を高める、いくつかのエンボス加工プロセスとは異なる。

係合の深さ（ＤＯＥ）は、形成部材の噛み合いのレベルの測定値である。図２３に示されているように、ＤＯＥは、雄型要素１１２の上面１１８から、雌型形成部材１１４（例えば、凹部のあるロール）の最も外側の表面１２４まで測定される。底面開口部４４の幅よりも大きい最大幅を持つ遠位部分又は傘部５２を有する突出部３２を作製するため、伸張性のある不織布材料と組み合わせる場合、ＤＯＥは十分に高くするべきである。ＤＯＥは、例えば、約１．５ｍｍ以下〜約５ｍｍ以上の範囲に及び得る。特定の実施形態では、ＤＯＥは、約２．５ｍｍ〜約５ｍｍ、あるいは約３ｍｍ〜約４ｍｍであってよい。底面開口部４４の幅よりも大きい最大幅を持つ遠位部分を有する突出部３２の形成は、エンボス加工が典型的に、エンボス加工の残部よりも広い底面開口部を有するエンボス加工要素の構成を取る、ほとんどのエンボス加工プロセスとは異なると考えられる。図２３に示されているように、雄型要素１１２の側面１２０と凹部１１４の側面（又は側壁）１２８との間にすきまＣが存在する。雄型ロールと雌型ロールとの間のすきまＣは同一であってもよく、雄型要素の周辺部でわずかに異なっていてもよい。すきまは、約０．１３ｍｍ（０．００５インチ）〜約１．３ｍｍ（０．０５インチ）の範囲であり得る。すきま及びＤＯＥは、より大きいすきまがより深いＤＯＥの使用を可能にし得るように関連付けられる。

前駆体不織布ウェブは、形成部材１０２と形成部材１０４との間に配置される。前駆体不織布ウェブは、前駆体ウェブのいずれかの側（第１の表面３４又は第２の表面３６）が第１の形成部材である雄型形成部材１０２に面した状態で、形成部材間に配置され得る。説明の便宜上、前駆体不織布ウェブの第２の表面３６は、第１の形成部材１０２と接触して配置されるものとして本明細書で説明される。（無論、他の実施形態では、前駆体不織布ウェブの第２の表面３６が、第２の形成部材１０４と接触して配置されてもよい。）形成部材１０２及び１０４によって不織布ウェブに力が印加されると、前駆体材料は、形成部材１０２及び１０４によって機械的に変形される。力は、任意の好適な方法で印加することができる。形成部材１０２及び１０４がプレートの形態である場合、力は、プレートが一緒に合わせられたときに印加される。形成部材１０２及び１０４が逆回転ロール（又はベルト、又はロール及びベルトの任意の組み合わせ）の形態である場合、力は、前駆体不織布ウェブが逆回転要素間のニップを通過するときに印加される。形成部材によって印加される力は、前駆体ウェブに衝撃を与え、前駆体不織布ウェブを機械的に変形させる。

接着剤によって一緒に積層化されている複数のウェブを変形させるときは、糊が形成部材に付着して汚すことを回避するため、形成部材を冷やすことが望ましい場合がある。形成部材は、当該技術分野において既知のプロセスを使用して冷やすことができる。１つのかかるプロセスには、プロピレングリコールなどの冷却剤を使用する産業用チラーがある。時として、形成部材上に凝縮物の層が形を成すように、多湿環境でプロセスを操作することが望ましい場合がある。

前駆体不織布ウェブは、概ね平面の第１領域と、複数の分離的でありながら一体型の第２領域と、を含み、これらの領域は、不織布ウェブの第１の表面３４から外側に延在する突出部と、不織布ウェブの第２の表面内の開口部と、を含む変形を含む。（無論、前駆体不織布ウェブの第２の表面３６が第２の形成部材１０４に接触して配置される場合は、突出部は不織布ウェブの第２の表面から外側に延在し、開口部は不織布ウェブの第１の表面に形成される）。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、雄型形成要素１１２によって、係合の深さＤＯＥが凹部の深さＤ_１よりも小さい凹部１１４に押し込まれた場合、前駆体ウェブ（又は、その層のうちの少なくとも１つ）の伸張性によって、不織布ウェブの一部分が延伸し、上記の拡大した傘部及び広い底面開口部を持つ突出部を含む変形が形成される。（これは、非膨張状態の風船に人の指を差し入れて、風船の材料を伸ばし、永久的に変形させることに類推され得る。）

前駆体不織布材料３０が複数の層を含み、図２４に示されているように、層の１つが不織布材料の分離的な断片の形態であるときは、底面開口部が連続的な層（３０Ｂなど）にあり、突出部３２が分離的な層（３０Ａなど）に向かって延在するように、変形が形成されることが望ましい場合がある。無論、他の実施形態では、かかる構造における変形が反対向きになってもよい。変形は、かかる連続的な層及び分離的な層の表面上に任意の好適な形で分散され得る。例えば、変形は、連続的な層の全長及び／又は全幅にわたって分散される、又は連続的な層の幅よりも狭い区域に分散される、又は分離的な層の区域に制限されるものであり得る。

本明細書に記載されている不織布材料を作製する方法は、以下のプロセスを除外し得る（又はそれらとは区別され得る）：ハイドロフォーミング（水流交絡）、ハイドロモールディング（hydromolding）、エアジェットの使用、剛性と弾力性（例えば、鋼／ゴム）のエンボス加工、及び平坦なアンビル表面に対するパターン化表面の使用。方法はまた、構造的に弾性様のフィルムを作製するためのＴｈｅ Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ Ｃｏｍｐａｎｙのプロセス（「ＳＥＬＦ」プロセス）を除外し得る（又は、それと区別され得る）。ＳＥＬＦの歯は典型的に、比較的小経の先端を有し、噛み合う輪状ロールの隆起部はＳＥＬＦの歯の境界を両側に形成するのみであり、歯の前及び後の境界を形成することはないことから、本明細書で使用される形成部材は、波形化構造（及び房状構造）を形成するためにＳＥＬＦプロセスで使用される形成部材とは異なる。

吸収性物品
本開示の三次元不織布材料及びそれらの製造方法は、上記に考察されている。ここでは、これらの三次元不織布材料の使用について、例示の吸収性物品の文脈において更に詳細に説明する。

吸収性物品の概説
おむつ２２０の形態の例示の吸収性物品を図２８〜３０に示す。図２８は、例示のおむつ２２０の平らに広げられた状態の平面図であり、おむつ２２０の構造をより分かりやすく示すために構造の一部分を切り欠いて示している。図２８のおむつ２２０の着用者に面する表面が、図を見る人に面している。本開示の三次元不織布材料は、トップシート、捕捉層、トップシート及び捕捉層を個々として、又はトップシート及び捕捉層を積層体としてなど、吸収性物品の１つ又は２つ以上の構成要素として使用され得るため、このおむつ２２０はあくまでも例示目的で示されている。いかなる場合でも、本開示の三次元不織布材料は液体透過性であり得る。

吸収性物品２２０は、液体透過性材料又はトップシート２２４と、液体不透過性材料又はバックシート２２５と、トップシート２２４とバックシート２２５との中間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コア２２８と、バリアレッグカフ２３４と、を含み得る。また、吸収性物品は、ＡＤＳ ２５０を含むことができ、表示されている例は、分配層２５４及び捕捉層２５２を含み、これらについては以下に更に詳細に記述する。また、吸収性物品２２０は、典型的には、トップシート及び／又はバックシートを通して吸収性物品のシャーシと接合し、おむつのシャーシに実質的に平面である弾性体２３３を含む弾性ガスケットカフ２３２を含んでもよい。

図２８及び３１また、タブ２４２を備える締着システムなどの典型的なテープ付きおむつ構成要素を示し、タブ２４２は、物品の後縁部に向かって取り付けられ、吸収性物品の前方でランディングゾーン２４４と協働する。吸収性物品はまた、後側弾性腰部機構、前側弾性腰部機構、横方向バリアカフ（複数の場合あり）、及び／又はローションアプリケーションなど、図示されていない他の典型的な要素を含んでもよい。

また、吸収性物品２２０は、前側腰部縁部２１０と、前側腰部縁部２１０に長手方向に対向する後側腰部縁部２１２と、第１の側縁部２０３と、第１の側縁部２０３に横方向に対向する第２の側縁部２０４と、を含む。前側腰部縁部２１０は、着用されるときにユーザーの前方に向かって置かれるように意図された物品の縁部であり、後側腰部縁部２１２はその反対側の縁部である。この吸収性物品２２０は、物品を平らに置き、図２８のように上から見ると、前側腰部縁部２１０の側面中間点から物品の後側腰部縁部２１２の側面中間点へと延在し、かつ、長手方向軸線２８０に対して、物品を実質的に対称である２つの半分に分割している長手方向軸線２８０を有し得る。また、吸収性物品２２０は、第１の側縁部２０３の長手方向中間点から第２の側縁部２０４の長手方向中間点まで延在する横軸２９０を有してもよい。物品の長さＬは、前側腰部縁部２１０から後側腰部縁部２１２へと長手方向軸線２８０に沿って測定され得る。吸収性物品の幅Ｗは、第１側縁部２０３から第２側縁部２０４へと横軸線２９０に沿って測定され得る。吸収性物品は、本明細書において、物品２２０の前縁部２１０から始まってＬの５分の２（２／５）の距離に長手方向軸線上に配置された点として定義された股点Ｃを含み得る。物品は、前側腰部領域２０５と、後側腰部領域２０６と、股部領域２０７と、を含み得る。前側腰部領域２０５、後側腰部領域２０６、及び股領域２０７は、それぞれ、吸収性物品の長手方向の長さＬの１／３を画定し得る。

トップシート２２４、バックシート２２５、吸収性コア２２８、及び他の物品構成要素は、種々の構成にて、例えば、特に糊剤接着又は熱エンボス加工によって組み立てられ得る。

吸収性コア２２８は、超吸収性ポリマーの少なくとも８０重量％、少なくとも８５重量％、少なくとも９０重量％、少なくとも９５重量％、又は少なくとも９９重量％を含む吸収性材料と、超吸収性ポリマーを密閉するコアラップと、を含み得る。コアラップは、典型的には、２つの材料、基材、又はコアの上面に不織布材料２１６及び底面に不織布材料２１６’を含み得る。これらのタイプのコアは、エアフェルトを含まないコアとして知られる。コアは、４つのチャネル２２６、２２６’及び２２７、２２７’として図２８に示された１つ又は２つ以上のチャネルを含んでもよい。チャネル２２６、２２６’、２２７、及び２２７’は、任意の機構である。代わりに、コアは、いずれのチャネルも有さなくてもよく、又は任意の数のチャネルを有してもよい。

例示の吸収性物品のこれらの及び他の構成要素を、以下により詳細に考察する。

トップシート
本開示において、トップシート（着用者の皮膚に接触し、流体を受容する吸収性物品の部分）は、本明細書に記載されている１つ若しくは２つ以上の三次元不織布材料の一部分若しくは全てで形成される、並びに／又はそこに位置付けられている、及び／若しくはそこに接合されている１つ若しくは２つ以上の不織布材を有することができ、それによって不織布材料（複数の場合あり）は着用者の皮膚に接触する。トップシートの他の部分（三次元不織布材料以外）も着用者の皮膚に接触し得る。三次元不織布材料は、典型的なトップシート２２４の上面にストリップ又はパッチとして位置付けられ得る。あるいは、三次元不織布材料は、トップシートの中央のＣＤ区域のみを形成し得る。中央のＣＤ区域は、トップシートの全ＭＤ長又はトップシートの全ＭＤ長未満まで延在し得る。

トップシート２２４は、当該技術分野で既知のように、バックシート２２５、吸収性コア２２８、及び／又は任意の他の層に接合させることができる。通常、トップシート２２４及びバックシート２２５は、いくつかの箇所（例えば、吸収性物品の周辺部又はその近く）で互いに直接接合し、他の箇所では、物品２２０の１つ又は複数の他の要素へこれらを直接接合することにより、共に間接的に接合している。

トップシート２２４は、着用者の皮膚に対して順応性があり、柔軟な感触であり、非刺激性であってよい。更に、トップシート２２４の一部分又は全ては、液体透過性であり、液体がその厚さを通して容易に透過し得る。トップシート２２４の任意の部分は、当該技術分野において概して開示されているように、ローション及び／又はスキンケア組成物でコーティングされ得る。トップシート２２４はまた、抗菌剤を含むか、又は抗菌剤で処理され得る。

バックシート
バックシート２２５は、概して、吸収性コア２２８の衣類に面する表面に隣接して位置付けられ、その中に吸収して封じ込められた流体及び排出物がベッドシーツや下着などの物品を汚すのを防止する又は少なくとも阻害する、吸収性物品２２０の部分である。バックシート２２５は、典型的には、流体（例えば尿）に対して不透過性であるか、又は少なくとも実質的に不透過性である。例えば、バックシートは、約０．０１２ｍｍ〜約０．０５１ｍｍの厚さを有する、熱可塑性フィルムなどの、薄いプラスチックフィルムであるか、又はこれを含み得る。他の好適なバックシート材料は、通気性材料を含み得、これは、蒸気を吸収性物品２２０から逃すと同時に、なお流体が、バックシート２２５を通過することを防止するか、又は少なくとも阻害する。

バックシート２２５は、当該技術分野において既知のいずれかの付着方法によって、トップシート２２４、吸収性コア２２８、及び／又は吸収性物品２２０の任意の他の要素に接合してよい。

吸収性物品２２０の外側カバー２２３は、吸収性物品の柔らかい、衣類に面する表面を形成するため、バックシート２２５の少なくとも一部分又は全てを被覆し得る。外側カバー２２３は、本明細書に記載されている高ロフトの三次元不織布材料から形成され得る。あるいは、外側カバー２２３は、１つ又は２つ以上の既知の外側カバー材料を含んでよい。外側カバー２２３が、本開示の三次元不織布材料のうちの１つを含む場合、外側カバー２２３の三次元不織布材料は、吸収性物品のトップシートとして又はトップシート及び捕捉層として使用される三次元不織布材料に一致しても一致しなくてもよい（例えば、同一材料、同一パターン）。他の場合では、外側カバーは、吸収性物品のトップシートとして又はトップシート及び捕捉層の積層体として使用される三次元不織布材料のパターンと一致する又は視覚的に似ている、印刷された、ないしは別の方法で適用されたパターンを有してよい。一例として、図２９に外側カバー２２３がダッシュで図示されている。外側カバー２２３は、機械的結合、接着剤結合、又は他の好適な取り付け方法を介して、バックシート２２５の少なくとも一部に接合され得る。

吸収性コア
吸収性コアは、最も吸収能力を有し、吸収性材料と、吸収性材料を封入するコアラップ又はコアバッグと、を含む、吸収性物品の構成要素である。吸収性コアは、捕捉及び／若しくは分配システムも、コアラップ若しくはコアバッグの一体部分ではないか、又はコアラップ若しくはコアバッグ内に配置されない、吸収性物品のいずれの他の構成要素も含まない。吸収性コアは、コアラップと、以下で定義される吸収性材料（例えば、セルロース繊維をほとんど又はまったく含まない超吸収性ポリマー）と、糊剤と、を含み得るか、それらから本質的になり得るか、又はそれらからなり得る。他の場合では、吸収性材料は、超吸収性ポリマーと、エアフェルト又はセルロース繊維との混合物を含んでよい。この超吸収性ポリマーとエアフェルト又はセルロース繊維との混合物は、コアバッグ内に位置付けられてよい。コアバッグは、混合物の周囲にＣラップを形成してもよく、別の方法で形成されてもよい。糊剤はまた、製造及び着用時に混合物を少なくとも部分的に定位置に保持するため、コアバッグ内に存在してもよい。

吸収性コア２２８は、多量の超吸収性ポリマー（本明細書では「ＳＡＰ」と略す）がコアラップ内に封入された吸収性材料を含んでもよい。ＳＡＰ含有量は、コアラップ内に包含された吸収性材料の７０重量％〜１００重量％又は少なくとも７０重量％、７５重量％、８０重量％、８５重量％、９０重量％、９５重量％、９９重量％又は１００重量％を示してもよい。コアラップは、吸収性コア内のＳＡＰの百分率を評価する目的では吸収性材料とは見なされない。

「吸収性材料」とは、ＳＡＰ、セルロース系繊維及び合成繊維など、何らかの吸収特性又は液体保持特性を有する材料を意味する。通常、吸収性コアの作製に使用される糊剤は、吸収特性をまったく又はほとんど有さず、吸収性材料とは見なされない。ＳＡＰ含有量は、コアラップに包含された吸収性材料の８０重量％超、例えば少なくとも８５重量％、少なくとも９０重量％、少なくとも９５重量％、少なくとも９９重量％、更には最大で１００重量％となり得る。このエアフェルトを含まないコアは、典型的に４０〜６０重量％のＳＡＰと高含量のセルロース繊維と、を含む従来のコアと比較して、相対的に薄い。吸収性材料は特に、１５重量％未満若しくは１０重量％未満の天然繊維、セルロース繊維、若しくは合成繊維、又は５重量％未満、３重量％未満、２重量％未満、１重量％未満の天然繊維、セルロース繊維、及び／若しくは合成繊維を含み得るが、これらの繊維を実質的に含まない可能性さえある。

上記を参照すると、天然繊維、セルロース繊維、及び／若しくは合成繊維をほとんど又はまったく含まないエアフェルトを含まないコアは、従来のコアに比べて非常に薄く、それによって、吸収性物品全体が、混合型のＳＡＰ及びセルロース繊維（例えば、４０〜６０％のセルロース繊維）を含むコアを有する吸収性物品よりも薄くなる。このコアの薄さは、吸収力及び性能の低下という消費者知覚につながる可能性があるが、技術的には事実と異なる。現在、これらの薄いコアは通常、実質的に平面的な又は有孔のトップシートと共に使用されている。更に、これらの薄いエアフェルトを含まないコアを有する吸収性物品は、コアに天然繊維、セルロース繊維、若しくは合成繊維がほとんど又はまったく存在しないため、毛管間隙空間が減少している。したがって、時折、排泄物の複数回の放出又は１回の大きい放出を完全に受容するための十分な毛管間隙空間が、吸収性物品に存在しない場合がある。

かかる問題を解決するため、本開示は、これらの薄いエアフェルトを含まないコアと、トップシート、捕捉層、又はトップシート及び捕捉層の積層体として本明細書に記載されている、高ロフトの三次元不織布材料のうちのいずれかとを併せ持つ吸収性物品を提供する。かかる場合には、高ロフトの三次元不織布材料がもたらす付加的な厚さによる吸収性物品の厚さの増加を通じて、吸収力及び性能の消費者知覚が向上する。更に、三次元不織布材料は、これらの薄いエアフェルトを含まないコアと共に、トップシート、捕捉層、又はトップシート及び捕捉層の積層体として使用される場合、吸収性物品に毛管間隙空間を再び追加しながら、最小限のスタック高さを可能にすることで、消費者及び製造業者にコストの削減をもたらす。このように、本開示の吸収性物品は、この増加した毛管間隙空間のために複数回の排泄物放出又は１回の大きい放出を容易に吸収することができる。加えて、トップシート、捕捉層、又はトップシート及び捕捉層の積層体を含む吸収性物品は、厚さの増した平面的なトップシート又は有孔のトップシートに関する美的に満足なトップシートと、それによる吸収力及び性能の消費者知覚と、を消費者に提供する。

図３１〜３２の吸収性物品の例示的な吸収性コア２２８は、図３３〜３５に単独で示されている。吸収性コア２２８は、前側部４８０と、後側部４８２と、前側部４８０及び後側部４８２を接合する２つの長手方向側部４８４、４８６と、を含むことができる。吸収性コア２２８はまた、概ね平面的な上面及び概ね平面的な底面を備え得る。コアの前側部４８０は、吸収性物品の前側腰部縁部２１０に向けて配置されるように意図されるコアの側部である。コア２２８は、図２８にあるように平面図で上部から見て、吸収性物品２２０の長手方向軸線２８０に実質的に対応する長手方向軸線２８０’を有してもよい。特定の吸収性物品では、前側にてより高い吸収性が要求され得るのに従って、吸収性材料は、後側４８２に向かうよりも前側４８０に向かって、より多くの量が分配されてもよい。コアの前側部４８０及び後側部４８２は、コアの長手方向側部４８４及び４８６よりも短くてよい。コアラップは、吸収性コア２２８の側部４８４、４８６に沿って少なくとも部分的に封止され得る２つの不織布材料、基材、積層体、又は他の材料２１６、２１６’によって形成されてもよい。コアラップは、吸収性コアラップから漏出する吸収性材料が実質的にないように、その前側部４８０、後側部４８２及び２つの長手方向側部４８４、４８６に沿って少なくとも部分的に封止され得る。第１の材料、基材、又は不織布２１６は、図３４に示すように、コアラップを形成するために、第２の材料、基材、又は不織布２１６’を少なくとも部分的に取り巻き得る。第１の材料２１６は、第１及び第２の側縁部４８４及び４８６に近接する第２の材料２１６’の一部分を取り巻き得る。

吸収性コアは、特にコアラップが２つ以上の基材から作製されている場合、例えば、コアラップ内のＳＡＰを不動化するのを助けるために、及び／又は、コアラップの一体化を確実にするために、接着剤を含んでもよい。接着剤は、例えば、Ｈ．Ｂ．Ｆｕｌｌｅｒが提供するホットメルト接着剤であってよい。コアラップは、吸収性材料を内部に収容するのに厳密に必要となるよりも大きな面積へと延在してもよい。

吸収性材料は、コアラップ内に存在する連続層であってもよい。あるいは、吸収性材料は、コアラップ内に封入された吸収性材料の個別のポケット又はストライプからなってもよい。第１の事例において、吸収性材料は例えば、吸収性材料の単一の連続的な層を適用することによって得られてもよい。吸収性材料の、特にＳＡＰの連続的な層はまた、不連続的な吸収性材料の適用パターンを有する２つの吸収性層を組み合わせることによって取得されてもよく、結果として得られる層は、例えば米国特許出願公開第２００８／０３１２６２２Ａ１号（Ｈｕｎｄｏｒｆ）に開示されているように、吸収性の粒状ポリマー材料区域にわたって実質的に連続的に分布している。吸収性コア２２８は、第１の吸収層と、第２の吸収層と、を含み得る。第１の吸収層は、第１の材料２１６及び１００％以下のＳＡＰであり得る吸収性材料の第１の層２６１を含んでもよい。第２の吸収性層は、第２の材料２１６’及び同じく１００％以下のＳＡＰであり得る吸収性材料の第２の層２６２を含んでもよい。吸収性コア２２８は、また、吸収性材料の各層２６１、２６２をそれぞれの材料２１６又は２１６’に、少なくとも部分的に結合させる繊維状熱可塑性接着材料２５１を含み得る。これは、一例として図３４〜３５例示されており、ここで、第１及び第２のＳＡＰ層は、横断ストライプつまり「ランド区域」として適用されており、これらは、組み合される前に、それぞれの基材上の所望の吸収性材料堆積区域と同じ幅を有するものである。ストライプは、コア２８０の長手方向軸線に沿ってプロファイル化された坪量を提供するように、異なる量の吸収性材料（ＳＡＰ）を含んでもよい。第１の材料２１６及び第２の材料２１６’はコアラップを形成し得る。

繊維状の熱可塑性接着材料２５１は、ランド区域において少なくとも部分的に吸収性材料２６１、２６２に接触してもよく、及び接合領域において材料２１６及び２１６’に少なくとも部分的に接触してもよい。これによって、長さ方向及び幅方向の寸法に比べて比較的薄い厚さのそれ自体は本質的に二次元構造である、熱可塑性接着材料２５１の繊維層に、本質的に三次元の構造が付与される。それにより、繊維状の熱可塑性接着剤材料は、ランド区域において吸収性材料を被覆するキャビティを提供でき、それにより、１００％以下のＳＡＰであり得るこの吸収性材料を不動化する。

繊維層に使用される熱可塑性接着剤は、エラストマー特性を有してもよく、これにより、ＳＡＰが膨潤するにつれてＳＡＰ層上に繊維により形成されたウェブが延伸することができる。

超吸収性ポリマー（ＳＡＰ）
本開示で有用なＳＡＰとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収できる種々の水膨潤性ポリマーを挙げることもできる。

超吸収性ポリマーは、乾燥状態において流動性があるように、粒子形態であってもよい。粒子状吸収性ポリマー材料は、ポリ（メタ）アクリル酸ポリマーから形成され得る。しかしながら、澱粉系の粒子状吸収性ポリマー材料も使用でき、更に、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、及びポリアクリロニトリルの澱粉グラフトコポリマーも使用できる。

ＳＡＰは多くの形状であり得る。用語「粒子」は、顆粒、繊維、フレーク、球体、粉末、小板、並びに超吸収性ポリマー粒子の、当業者に既知の他の形状及び形態を指す。ＳＡＰ粒子は、繊維の形状、すなわち細長い針状の超吸収性ポリマー粒子であってもよい。繊維はまた、織布であり得る長繊維の形態をなし得る。ＳＡＰは、球状粒子であってもよい。吸収性コアは、１つ又は２つ以上の種類のＳＡＰを含み得る。

大部分の吸収性物品、とりわけおむつの場合には、着用者からの液体の排泄は、吸収性物品の前側の半分において圧倒的に起こりやすい。物品の前半部（前縁部と、前方腹部縁部２１０又は後方腹部縁部２１２からＬの半分の距離に位置する横断線との間の領域によって画定される）はしたがって、コアの吸収能力の大部分を備え得る。このように、ＳＡＰの少なくとも６０％、又はＳＡＰの少なくとも６５％、７０％、７５％、８０％若しくは８５％が吸収性物品の前半部に存在してよく、残りのＳＡＰが吸収性物品の後半部に配設されてよい。あるいは、ＳＡＰの分配は、コアを通して一定でなくてもよいか、又は、他の適した分配を有し得る。

吸収性コアに存在するＳＡＰの合計量はまた、想定されるユーザーに応じて変動してもよい。新生児用のおむつは、乳幼児用、小児用又は成人用失禁おむつほどＳＡＰが必要でない場合がある。コア中のＳＡＰの量は、約５〜６０ｇ、又は５〜５０ｇであり得る。ＳＡＰの（又は複数存在する場合は「少なくとも１つの」）堆積エリア８内の平均ＳＡＰ坪量は、少なくとも５０ｇ／ｍ^２、１００ｇ／ｍ^２、２００ｇ／ｍ^２、３００ｇ／ｍ^２、４００ｇ／ｍ^２、５００ｇ／ｍ^２、又はそれ以上となり得る。この平均坪量を算出するために、吸収性材料の堆積面積８に存在するチャネルの面積（例えば、２２６、２２６’、２２７、２２７’）は吸収性材料の堆積面積から推定される。

コアラップ
コアラップは、吸収性材料の周りで折り重ねられた単一の基材、材料又は不織布から作製されてもよく、又は互いに付着される２つ（又はそれ以上）の基材、材料又は不織布を備えてもよい。典型的な取り付けは、いわゆるＣラップ及び／又はサンドイッチラップである。Ｃラップにおいて、例えば、図２９及び３４に示すように、一方の基材の長手縁部及び／又は横断縁部が他方の基材に折り重ねられて、フラップを形成する。これらのフラップは次いで、通常は糊剤接着によって、他方の基材の外部表面に結合される。

コアラップは、吸収性材料を受容及び包含するのに好適な任意の材料によって形成され得る。従来のコアを生産するのに使用される典型的な基材材料、特に紙、ティッシュ、フィルム、織布若しくは不織布、又はこれらのいずれかの積層体を用いることができる。

基材は、（液体又は流体透過性であることに加え）通気性であってもよい。したがって、本明細書において有用なフィルムは、微小孔を含み得る。

コアラップは、コアから漏出する吸収性材料が実質的にないように、吸収性コアの全側部に沿って、少なくとも部分的に封止され得る。「吸収性材料が実質的にない」とは、コアラップから漏出する吸収性材料が５重量％未満、２重量％未満、１重量％未満、又は約０重量％であることを意味する。「封止」という用語は、広義に理解されるべきである。封止は、コアラップの周辺部全体に沿って連続的である必要はなく、線上に離間配置された一連の封止点によって形成されるなど、その部分又は全体に沿って不連続であってもよい。封止は、糊付け及び／又は熱結合によって形成され得る。

コアラップが２つの基材２１６、２１６’により形成される場合には、４つの封止を使用して、吸収性材料２６０をコアラップ内に封入し得る。例えば、第１の基材２１６は、コアの一面に（図３３〜３５では上面として示される）配置されていてもよく、コアの反対の底面を少なくとも部分的に包み込むようにコアの長手方向の縁部の周りに延在する。第２の基材２１６’は、第１の基材２１６の包み込まれたフラップと吸収性材料２６０との間に存在してもよい。強力な封止をもたらすために、第１の基材２１６のフラップを第２の基材２１６’に糊付けしてもよい。このいわゆるＣラップ構成体は、サンドイッチ式封止に比べて、湿潤負荷状態での耐破裂性の改善のような利点をもたらし得る。コアラップの前側部及び後側部も、その後、第１の基材及び第２の基材を互いに糊付けすることによって封止されてもよく、コアの周辺部の全体にわたる吸収性材料の完全な封入をもたらし得る。コアの前側及び後側については、第１及び第２の基材が延在し、及び実質的に平面の方向で共に接合され得ることで、これらの縁部に対していわゆるサンドイッチ構成体を形成し得る。いわゆるサンドイッチ構成体では、第１及び第２の基材はまた、コアの全側部上で外向きに延在することができ、また、糊付け及び／又は熱／圧力結合によって、典型的にコアの周辺部の全体又は部分に沿って平坦に又は実質的に平坦に封止され得る。一例では、第１及び第２の基材のどちらも特定の形状を有する必要がないため、製造を簡易にするため矩形に切断されてもよいが、その他の形状も本開示の範囲内である。

コアラップはまた、小包ラップのように吸収性材料を封入することができ、かつ、コアの前側及び後側並びに一方の長手方向封止部に沿って封止され得る、単一の基材によって形成されてもよい。

ＳＡＰ堆積区域
吸収性コアの上面から見られるように、吸収性材料の堆積区域２０８は、コアラップ内の吸収性材料２６０によって形成される層の周辺部によって画定され得る。吸収性材料の堆積区域２０８は、様々な形状、特に、いわゆる「犬の骨」又は「砂時計」形状を有してもよく、この形状は、コアの中央部又は「股」領域に向かうその幅に沿って先細りしていることが示されている。このように、吸収性材料の堆積区域８は、図２８に示すように、吸収性物品の股領域内に置かれるように意図されたコアの区域において、比較的狭い幅を有し得る。これにより、更に良好な着用感がもたらされ得る。また、吸収性材料堆積区域８は、例えば、図３１〜３３に示すとおり、概ね矩形であってもよいが、矩形、「Ｔ」、「Ｙ」「砂時計」又は「犬の骨」形状などの他の堆積区域も、本開示の範囲内である。吸収性材料は、比較的高速でＳＡＰを比較的正確に堆積させ得る任意の好適な技術を使用して堆積することができる。

チャネル
吸収性材料の堆積区域２０８は、少なくとも１つのチャネル２２６を備えてもよく、物品２８０の長手方向に少なくとも部分的に配向されている（すなわち、長手方向ベクター要素を有する）。他のチャネルは、横方向に少なくとも部分的に配向されていてよく（すなわち、横方向のベクトル要素を有する）、あるいは任意の他の方向に少なくとも部分的に配向されていてよい。以下で複数形の「チャネル（channels）」は、「少なくとも１つのチャネル」を意味するために用いられる。チャネルは、物品の長手方向軸２８０上に突き出る、物品の長さＬの少なくとも１０％である長さＬ’を有してもよい。チャネルは、様々な方式で形成され得る。例えば、チャネルは、吸収性材料、特にＳＡＰを実質的に含有しない又は含有しないものとなり得る吸収性材料堆積区域２０８内のゾーンによって形成されてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、チャネルはまた、吸収性材料の堆積エリア２０８の全体にわたって、コアラップの上側部をコアラップの下側部に連続的に又は不連続的に結合することによって形成されてもよい。チャネルは連続的であってよいが、チャネルが断続的であり得ることも考えられる。捕捉分配システム若しくは層２５０、又は物品の別の層がまたチャネルを備えてもよく、そのチャネルは、吸収性コアのチャネルと対応していても、対応していなくてもよい。

時として、長手方向に延在する２つのチャネル２２６、２２６’を有する図２８に示すように、チャネルは吸収性物品の股点Ｃ又は横方向軸線２６０と少なくとも同じ長手方向の高さに存在し得る。チャネルはまた、股領域２０７から延在してもよく、又は物品の前側腰部領域２０５及び／若しくは後側腰部領域２０６に存在してもよい。

吸収性コア２２８はまた、３つ以上のチャネル、例えば少なくとも３つ、少なくとも４つ、少なくとも５つ、又は少なくとも６つ以上のチャンネルを備えてもよい。より短いチャネルも、図２８の一対のチャネル２２７、２２７’によって表されるとおり、物品の前部に向かって、例えば、コアの後側腰部領域２０６又は前側腰部領域２０５内に存在し得る。チャネルは、長手方向軸線２８０に対して対称的に配置されたか、又は別の方法にて配置された一対又は複数対のチャネルを含んでもよい。

チャネルは、非矩形（特定形状の）コアを使うことの利点が少なくなる程度にまでコアの可撓性を向上し得るため、チャネルは、吸収性材料の堆積区域が矩形である場合の吸収性コアにおいて特に有益であり得る。無論、チャネルは、ある形状を有する堆積区域を有するＳＡＰの層にも存在してもよい。

チャネルは、長手方向及び長手方向軸線に平行に完全に配向し得るか、又は横断方向にかつ横軸線に平行に完全に配向し得るが、湾曲された少なくとも部分を有してもよい。

流体漏出の危険性を低減するために、長手方向の主要チャネルは、吸収性材料の堆積区域２０８の縁部のいずれかに達するまでは延在しなくてもよく、また、このため、コアの吸収性材料の堆積区域２０８内に完全に包含されてもよい。チャネルと吸収性材料の堆積区域２０８の最も近い縁部との間の最小距離は、少なくとも５ｍｍであってよい。

チャネルは、その長さの少なくとも一部に沿って幅Ｗｃを有し得るが、この幅Ｗｃは、例えば、少なくとも２ｍｍ、少なくとも３ｍｍ、少なくとも４ｍｍ、最大で例えば２０ｍｍ、１６ｍｍ又は１２ｍｍである。チャネル（複数の場合あり）の幅は、実質的にチャネルの全長にわたって一定であってもよく、又はその長さに沿って変動してもよい。チャネルが、吸収性材料の堆積区域２０８内の吸収性材料非含有ゾーンによって形成される場合、チャネルの幅は、材料非含有ゾーンの幅であると見なされ、チャネル内にコアラップが存在する可能性は無視される。チャネルが吸収性材料非存在ゾーンによって形成されるのではなく、例えば主として、吸収性材料ゾーンを通じたコアラップの結合によって形成される場合、チャネルの幅はこの結合部の幅となる。

チャネルの少なくとも一部又は全てが耐久性チャネルであってもよく、それの意味するところは、それらの一体性が、乾燥状態及び湿潤状態の両方で少なくとも部分的に保たれるということである。耐久性チャネルは、例えば、接着材料の繊維性層、又はチャネルの壁内の吸収性材料と基材との粘着を補助する構成糊剤など、１つ又は２つ以上の接着材料を提供することにより得られ得る。恒久的なチャネルはまた、コアラップの上側部と下側部とをチャネル（例えば、第１の基材２１６と第２の基材２１６’）を通じて互いに接着すること、及び／又はトップシート２２４をバックシート２２５にチャネルを介して接着することによって形成されてもよい。典型的には、チャンネルを介してコアラップの両側又はトップシート及びバックシートを結合するために接着剤が使用され得るが、圧力結合、超音波結合、熱結合、又はそれらの組み合わせなど、他の既知のプロセスによって結合することが可能である。コアラップ又はトップシート２２４及びバックシート２２５は、チャネルに沿って連続して結合され得るか、又は断続的に結合され得る。吸収性材料に流体が完全に充填されたとき、チャネルは有利に、少なくともトップシート及び／又はバックシートを通じて依然として可視であるか、又は可視となり得る。これは、ＳＡＰを実質的に含まないチャネルを作製することによって得られ得るが、それは、チャネルが膨張せず、湿潤したときに接近しないような十分な大きさになるためである。更に、チャネルを介してコアラップをそれ自身に結合すること、又はチャネルを介してトップシートをバックシートに結合することは、有利となり得る。

バリアレッグカフ
吸収性物品は、一対のバリアレッグカフ３４を備えてもよい。それぞれのバリアレッグカフは、吸収性物品に結合される１片の材料によって形成され得るため、吸収性物品の着用者に面する表面から上方向に延在することができ、また、着用者の胴及び脚の接合部近位で液体及び他の排出物の改良された封じ込めをもたらすことができる。バリアレッグカフは、トップシート２２４及び／又はバックシート２２５に直接的に又は間接的に接合される近位縁部６４と、自由末端縁部２６６と、によって範囲を定められ、着用者の皮膚と接触し、封止を形成することが意図される。バリアレッグカフ２３４は、吸収性物品の前側腰部縁部２１０と後側腰部縁部２１２との間の、長手方向軸２８０の両側に少なくとも部分的に延在し、股点（Ｃ）又は股領域の高さに少なくとも存在する。バリアレッグカフは、近位縁部２６４で、糊付け、融合結合、又は他の適した結合プロセスの組み合わせによってなされ得る結合部２６５によって物品のシャーシと接合され得る。近位縁部２６４での結合部２６５は、連続的又は断続的であってよい。レッグカフの隆起区間に最も近い結合部２６５は、レッグカフの立ち上がり区間の近位縁部２６４の範囲を定める。

バリアレッグカフは、トップシート２２４若しくはバックシート２２５と一体であるか、又は、物品のシャーシに接合された別個の材料であってよい。各バリアレッグカフ２３４は、より良好な封止を提供するように、自由末端縁部２６６に近接して１つ、２つ、又はそれ以上のゴムひも２３５を備え得る。

物品は、バリアレッグカフ２３４に加えて、ガスケットカフ２３２を備えてよく、ガスケットカフ２３２は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート２２４及び／又はバックシート２２５に接合され、かつバリアレッグカフに対して外側に配置される。ガスケットカフ２３２は、着用者の大腿の周りにより優れた封止をもたらすことができる。各ガスケットレッグカフは、脚部開口部領域のトップシート２２４とバックシート２２５との間の吸収性物品のシャーシに１つ又は２つ以上の弾性ストリング又は弾性要素２３３を含み得る。バリアレッグカフ及び／又はガスケットカフの全て又は一部分は、ローション又は別のスキンケア組成物で処理されてもよい。

捕捉分配システム
本開示の吸収性物品は、捕捉分配層又はシステム２５０（「ＡＤＳ」）を備えてもよい。ＡＤＳの１つの機能は、効率的な方式で１又はそれより多くの流体を迅速に捕捉し、それらを吸収性コアに分配することである。ＡＤＳは、１つ、２つ、又はそれ以上の層を備えてよく、それらの層は一体の層を形成してもよく、互いに付着され得る分離的な層として残っていてもよい。一例においては、ＡＤＳは２つの層、つまり、吸収性コアとトップシートとの間に配設される分配層２５４と捕捉層２５２とを含み得るが、本開示はこれに限定されない。

一例においては、本開示の高ロフトの三次元不織布材料は、トップシート及び捕捉層を積層体として含み得る。分配層はまた、トップシート／捕捉層の積層体の衣類に面する側に提供され得る。

別の例においては、本開示の高ロフトの三次元不織布材料は、吸収性物品の捕捉層を含んでよく、吸収性物品のトップシートは概ね平面であってよい。トップシートは、色付きの捕捉層又は表示部付きの捕捉層など、捕捉層が吸収性物品の着用者に面する側からトップシートを通して可視であるように、不透明度を有してよい。

キャリア層
本開示の高ロフトの三次元不織布材料がトップシート及び捕捉層の積層体を包含する場合においては、分配層は、１つ又は２つ以上の不織布材料又はその他の材料を含み得るキャリア層（図示せず）によって、支持される必要がある場合がある。分配層は、キャリア層に適用されるか、又はそこに位置付けられ得る。そのようなものとして、キャリア層は捕捉層と分配層との中間に位置付けられてよく、捕捉層及び分配層と面する関係にあってよい。

分配層
ＡＤＳの分配層は、少なくとも５０重量％の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋セルロース繊維は捲縮されるか、撚り合わされるか、若しくはカールされてもよく、又は、捲縮、撚り合わせ、及びカールを含むそれらの組み合わせであってもよい。この種類の材料は、米国特許出願公開第２００８／０３１２６２２ Ａ１号（Ｈｕｎｄｏｒｆ）に開示されている。架橋セルロース繊維は、製品パッケージ内の圧縮に対して、又は、例えば、着用者の重量下での使用状況下において、第１の吸収性層に対して、高い復元力、及びそれ故高い耐性を付与する。これにより、コアに、高い間隙容積、透過性、及び液体吸収作用が付与されるので、漏れが減り、乾燥状態が改善され得る。

本開示の架橋セルロース繊維を含む分配層は、他の繊維を含んでもよいが、この層は、層の少なくとも５０重量％、又は６０重量％、又は７０重量％、又は８０重量％、又は９０重量％、又は更には最大１００重量％の架橋セルロース繊維（架橋剤を含む）を含んでもよい。

捕捉層
本開示の三次元不織布材料が、吸収性物品のトップシートとしてのみ提供される場合、ＡＤＳ ２５０は捕捉層２５２を含み得る。捕捉層は、分配層２５４とトップシート２２４との間に配設されてもよい。かかる場合において、捕捉層２５２は、スパンボンド、メルトブローン、及び更にスパンボンドされた層、又は、それとは代わりに、カーディングを施された短繊維の化学結合された不織布を含む、親水性のＳＭＳ又はＳＭＭＳ材料など、不織布材料であってもよく、又はそれを含んでもよい。不織布材料は、ラテックス結合されてもよい。

締結システム
吸収性物品は締結システムを含んでもよい。締結システムは、テープ付きおむつでは典型的であるように、吸収性物品の周囲に横方向の張力を与えて、吸収性物品を着用者に対して保持するために使用され得る。トレーニングパンツ物品の腰部領域は既に結合されているので、この締結システムはこれらの物品の場合は必須ではない場合もある。締結システムは、例えば、テープタブ、フックとループの締結要素、タブ及びスロットのような係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、及び／又は雌雄同体締結要素などの締結具を含んでよいが、いかなる他の好適な締結機構も、本開示の範囲内でもある。通常、ランディングゾーン２４４は、締結具が取り外し可能に取り付けられるように、前側腰部領域２０５の衣類に面する表面に提供される。

前耳部及び後耳部
吸収性物品は、前耳部２４６及び後耳部２４０を含んでよい。耳部は、サイドパネルとして、トップシート２２４及び／又はバックシート２２６から形成されるなど、シャーシの一体部分であってもよい。あるいは、図２８に表すように、耳部は、糊剤接着、熱エンボス加工、及び／又は圧力結合により付着される分離型要素であってもよい。後耳部２４０は、ランディングゾーン２４４にタブ２４２の付着が簡易に行えて、かつ着用者の腰部周りにテープ付きおむつを適所に維持できるように伸縮可能であってもよい。後耳部２４０はまた、より快適であり、体に巻き付くようなフィット感をもたらすように弾性的又は伸張可能であり得る。これは、弾性のある耳部により吸収性物品の側部が伸縮可能になるため、吸収性物品を最初に着用者に対して沿うようにフィットさせ、吸収性物品に流体又は他の排泄物が充填されてからかなり後でも着用している間ずっと、このフィット感を維持することによる。

弾性腰部機構
吸収性物品２２０はまた、改善されたフィット性及び封じ込めを提供する上で役立つ、少なくとも１つの弾性腰部機構（図示せず）を備え得る。弾性ウエスト機構は、一般に、弾性的に伸縮して、着用者の腰部に動的にフィットするように意図される。この弾性腰部機構は、吸収性コア２２８の少なくとも一方の腰部縁部から少なくとも長手方向に外側に延在してもよく、吸収性物品の末端縁部の少なくとも一部を概ね形成する。使い捨ておむつは、２つの弾性腰部機構を有するように構成され得るが、一方は、前側腰部領域に位置付けられ、他方は、後側腰部領域に位置付けられる。

生理用ナプキン
本開示の三次元不織布材料は、生理用ナプキンの一部分、例えば、トップシートの一部分若しくは全て、又はトップシート及び捕捉層（又は二次トップシート）の一部分若しくは全てを形成し得る。他の場合では、三次元不織布材料は、生理用ナプキンのトップシートの上に配置されたストリップ又はパッチを形成し得る。例示の生理用ナプキン５００が図３６に開示されている。生理用ナプキン５００は、液体透過性トップシート５１４と、液体不透過性又は実質的に液体不透過性のバックシート５１６と、吸収性コア５０８と、を含み得る。吸収性コア５０８は、吸収性コア２２８に関して本明細書で説明する特徴部のいずれか又は全てを有し得、いくつかの形態では、先に開示した捕捉分配システムの代わりに二次トップシート（捕捉層又はシステム）を有し得る。また、生理用ナプキン５００は、生理用ナプキン５００の長手方向軸線５８０に対して外向きに延在する羽根５２０を含んでもよい。生理用ナプキン５００はまた、横方向軸線５９０を含み得る。羽根５２０は、トップシート５１４、バックシート５１６、及び／又は吸収性コア５０８に接合されていてもよい。生理用ナプキン５００はまた、前縁部５２２と、前縁部５２２と長手方向で対向する後縁部５２４と、第１の側縁部５２６と、第１の側縁部５２６と長手方向で対向する第２の側縁部５２８と、を含み得る。長手方向軸線５８０は、前側腰部縁部５２２の中点から後縁部５２４の中点まで延在し得る。横軸５９０は、第１の側縁部５２６の中点から第２の側縁部５２８の中点まで延在し得る。生理用ナプキン５００は、例えば、二次トップシート５１９など、当該技術分野において概ね既知のとおり、生理用ナプキンに一般的に見出される追加の特徴部を備えてもよい。

パッケージ
本開示のエアフェルトを含まないコア及び三次元不織布材料を含む吸収性物品は、パッケージ内に配置されてよい。パッケージは、高分子フィルム及び／又は他の材料を含んでよい。吸収性物品の特性に関するグラフィック及び／又は表示部は、パッケージの外側部分に形成され、印刷され、位置付けられ、及び／又は配置されてよい。それぞれのパッケージは、複数の吸収性物品を含んでよい。吸収性物品は、パッケージの寸法を縮小するように圧縮下でパッキングされて、なお、１パッケージ当たり妥当な量の吸収性物品を提供することができる。吸収性物品を圧縮下でパッケージ化することにより、介護者は容易にパッケージを扱い、保管することができると同時に、パッケージのサイズによる流通コストの削減を製造者にもたらし得る。

上述のように、エアフェルトを含まないコアと、トップシート及び／又はトップシート及び捕捉層の積層体としての不織布材料を有する、本開示の吸収性物品の予期しない効果のうちの１つは、減少されたスタック高さによる消費者及び製造業者にとってのコスト削減である。したがって、本明細書に記載されているバッグ内スタック高さテストによると、本開示の吸収性物品のパッケージは、約１００ｍｍ未満、約９５ｍｍ未満、約９０ｍｍ未満、約８５ｍｍ未満、約８５ｍｍ未満ただし約７５ｍｍ超、約８０ｍｍ未満、約７８ｍｍ未満、約７６ｍｍ未満、又は約７４ｍｍ未満であり、具体的には、特定の範囲内及びその中又はそれによって形成された全ての範囲内において全て０．１％の増分である、バッグ内スタック高さを有し得る。あるいは、本明細書に記載されているバッグ内スタック高さテストによると、本開示の吸収性物品のパッケージは、約７０ｍｍ〜約１００ｍｍ、約７０ｍｍ〜約９５ｍｍ、約７２ｍｍ〜約８５ｍｍ、約７２ｍｍ〜約８０ｍｍ、又は約７４ｍｍ〜約７８ｍｍであり、具体的には、特定の範囲内及びその中又はそれによって形成された全ての範囲内において全て０．１％の増分である、バッグ内スタック高さを有し得る。

図３７は、複数の吸収性物品１００４を含む例示のパッケージ１０００を示す。パッケージ１０００は、複数の吸収性物品１００４が位置する内部空間１００２を画定する。複数の吸収性物品１００４は、１つ又は２つ以上のスタック１００６に配置される。

比較実施例１
比較実施例１では、材料は、１ｇｓｍアドオンレベルで螺旋模様に適用されるＨ．Ｂ．Ｆｕｌｌｅｒ ｏｆ Ｓｔ．Ｐａｕｌ，Ｍｉｎｎｅｓｏｔａ，Ｕ．Ｓ．Ａ．Ｄ３１６６ＺＰホットメルト接着剤を使用して糊付けされた２つの材料の複合物である。複合材料は、米国特許第７，４１０，６８３ Ｂ２号，Ｃｕｒｒｏ，ｅｔ ａｌ．に記載されているように、Ｔｈｅ Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ ＣｏｍｐａｎｙのＳＥＬＦロール及びリングロールのうちの１つによって形成されたニップを介して、７．６メートル／分（２５フィート／分（ｆｐｍ））及び３．４３ｍｍ（０．１３５”）ＤＯＥで処理される。ＳＥＬＦロールに接触する材料層は、Ｆｉｔｅｓａ ｏｆ Ｓｍｐｓｏｎｖｉｌｌｅ，ＳＣ，Ｕ．Ｓ．Ａ．によって生産される、２０ｇｓｍのスパンボンド不織布である。かかる材料は、「Ｅｘｔｅｎｓｉｂｌｅ Ｎｏｎｗｏｖｅｎ Ｆａｂｒｉｃ」という題名のＦｉｔｅｓａの米国特許出願第１４／２０６，６９９号に記載されおり、ＰＰ繊維及びＰＥ繊維の混合物を含む２．５デニール繊維からなる。リングロールと接触する材料層は、７デニールのｃｏ−ＰＥＴ／ＰＥＴ先端三葉形バイコンポーネント繊維からなる、Ｒｅｉｃｏｆｉｌ ｏｆ Ｔｒｏｉｓｄｏｒｆ，Ｇｅｒｍａｎｙによって製造された４３ｇｓｍのスパンボンド不織布である。

実施例１．単層
実施例１では、材料は、Ｆｉｔｅｓａ製の５０グラム／ｍ^２（ｇｓｍ）のＰＥ／ＰＰシース／コアバイコンポーネントスパンボンド不織布である。この材料は、雄型／雌型工具（形成部材）を介して７．６メートル／分（２５ｆｐｍ）の速度、３．９４ｍｍ（０．１５５インチ）係合深さ（ＤＯＥ）で処理される。雄型工具の歯は、図２１に示すように丸みを帯びたダイヤモンド型を有し、垂直の側壁と、歯の上面と側壁との間の遷移部にアールが形成された縁部又は丸みを帯びた縁部を備える。歯は４．７２ｍｍ（０．１８６インチ）長及び３．１８ｍｍ（０．１２５インチ）幅であり、ＣＤ間隔は３．８１ｍｍ（０．１５０インチ）及びＭＤ間隔は８．７９ｍｍ（０．３４６インチ）である。嵌合する雌型ロール内の凹部はまた、雄型ロールと同様に、丸みを帯びたダイヤ型を有し、０．８１３〜１．６ｍｍ（０．０３２〜０．０６３インチ）のロール間に、凹部の周辺部でわずかに異なるすきまを有する。

実施例２．２層
実施例２では、材料は、比較実施例１に記載されているように、螺旋模様に適用される同一のホットメルト接着剤を使用して糊剤接着された２つの材料の複合物である。この材料は、実施例１に記載された雄型／雌型工具を介して、２４．４メートル／分（８００フィート／分（ｆｐｍ））及び３．９４ｍｍ（０．１５５インチ）ＤＯＥで処理される。雄型ロールと接触する材料層は、比較実施例１に記載されているＰＰ及びＰＥの混合物を備えた２．５デニール繊維からなる、２０ｇｓｍのＦｉｔｅｓａ製スパンボンド不織布である。雌型ロールと接触する材料層は、５デニールのＰＥ／ＰＥＴシース／コアバイコンポーネント繊維からなる、Ｂｅｉｊｉｎｇ Ｄａｙｕａｎ Ｎｏｎ−Ｗｏｖｅｎ Ｆａｂｒｉｃ Ｃｏ，ＬＴＤ ｏｆ Ｂｅｉｊｉｎｇ，Ｃｈｉｎａ製の６０ｇｓｍの通気結合されたカーディイングを施された不織布である。

実施例３．２層
実施例３では、材料は、比較実施例１に記載されているように、螺旋模様に適用される同一のホットメルト接着剤を使用して糊剤接着された２つの材料の複合物である。この材料は、実施例１に記載された雄型／雌型工具を介して、２４．４メートル／分（８００ｆｐｍ）及び３．９４ｍｍ（０．１５５インチ）ＤＯＥで処理される。雄型ロールと接触する材料層は、実施例２に記載されているＰＰ及びＰＥの混合物を備えた２．５デニール繊維からなる、２０ｇｓｍのＦｉｔｅｓａ製スパンボンド不織布である。雌型ロールと接触する材料層は、７デニールのｃｏ−ＰＥＴ／ＰＥＴ先端三葉形バイコンポーネント繊維からなる、Ｒｅｉｃｏｆｉｌ製の８６ｇｓｍのスパンボンド不織布である。

サンプルは、加速性圧縮方法によって、７ｋＰａ重量で圧縮されている。サンプルの圧縮前厚さ及び圧縮後厚さは、加速性圧縮方法に従って測定される。突出部及び開口部の寸法は、倍率２０倍の顕微鏡を使用して測定される。傘部の外部寸法は、図５に示すように、突出部を上向きにした状態の斜視図から測定される。突出部の深さ及び内部の傘部幅は、図１１に示すように材料の断面図から測定される。

^＊測定値が非常に小さいため、測定が困難

テスト方法：
Ａ．加速性圧縮方法。
１．テストする試料のサンプル１０個と、紙タオル１１片を７．６ｃｍ×７．６ｃｍ（３インチ×３インチ）平方に切る。
２．１０個の試料それぞれの厚さを、Ｔｈｗｉｎｇ−Ａｌｂｅｒｔ ＰｒｏＧａｇｅ Ｔｈｉｃｋｎｅｓｓ Ｔｅｓｔｅｒ又は直径５０〜６０ミリメートルの円形足部を備えた同等品を使用して、２．１ｋＰａ及び滞留時間２秒で測定する。０．０１ｍｍ単位で圧縮前厚さを記録する。
３．テストされる試料の層を紙タオルの片と互い違いにして、紙タオルで始まり、紙タオルで終わるようにする。紙タオルの選択肢は問題ではなく、変形されたサンプル内の突出部の「ネスト」を防止するために存在する。サンプルは、試料のそれぞれ及び紙タオルのそれぞれの縁部が相対的にそろうように配向されるべきであり、試料内の突出部は全て同じ方向に配向される。
４．サンプルのスタックを４０℃のオーブンに入れて、スタックの上部に重しをする。重しは、厚さテスタの足部よりも大きくなくてはならない。高い圧力又は低いバッグ内スタック高さをシミュレートするため、３５ｋＰａを適用する（例えば、７０×７０ｍｍの面積に対して１７．５ｋｇの重量）。低い圧力又は高いバッグ内スタック高さをシミュレートするため、７ｋＰａを適用する（例えば、７０×７０ｍｍの面積に対して３．５ｋｇの重量）。
５．サンプルを１５時間オーブンに入れる。時間が経過したら、サンプルから重しを取り除き、オーブンからサンプルを取り出す。
６．オーブンからサンプルを取り出して３０分以内に、上記の工程２で指示されているように圧縮後厚さを測定するが、必ず圧縮前厚さを記録したときと同じ順番を維持する。１０個の試料それぞれの圧縮後厚さを０．０１ｍｍ単位で記録する。
７．サンプルを、上に重しをしない状態で、２３±２℃及び５０±２％の相対湿度で２４時間置いておく。
８．２４時間後に、上記の工程２に指示されているように、１０個の試料それぞれの回復後厚さを測定するが、必ず圧縮前及び圧縮後の厚さを記録したときと同じ順番を維持する。１０個の試料それぞれの回復後厚さを０．０１ｍｍ単位で記録する。回復後厚さから圧縮後厚さを引くことによって厚さの回復の量を算出し、０．０１ｍｍ単位で記録する。
９．所望される場合、圧縮前、圧縮後、及び回復後の厚さについて、１０個の試料の平均を算出することができる。

Ｂ．引張方法
ＭＤ及びＣＤ引張特性は、ＷＳＰ １１０．４（０５）Ｏｐｔｉｏｎ Ｂの方法を使用して、５０ｍｍのサンプル幅、６０ｍｍの標点距離、及び６０ｍｍ／ｍｉｎの伸張速度で測定される。標点距離、伸張速度、及び結果として生じるひずみ速度は、方法内に指定されているものと異なることに留意されたい。

Ｂ．バッグ内スタック高さテスト
吸収性物品のパッケージのバッグ内スタック高さは、以下のとおりに判定される。

機器
平坦な剛性の水平スライディングプレートを備えた厚さテスタが使用される。厚さテスタは、水平スライディングプレートが、平坦な合成の水平ベースプレートの上で直接水平方向に常に維持された状態で、水平スライディングプレートが垂直方向に自由に移動するように構成される。厚さテスタは、水平スライディングプレートと水平ベースプレートとの間の間隙を±０．５ｍｍ以内まで測定するのに好適な装置を含む。水平スライディングプレート及び水平ベースプレートは、それぞれのプレートに接触する吸収性物品パッケージの表面よりも大きい。すなわち、それぞれのプレートは、あらゆる方向に吸収性物品パッケージの接触面を超えて延在する。水平スライディングプレートは、吸収性物品パッケージに下方への力８．３４Ｎ（８５０±１重量グラム）を加えるが、これはスライディングプレートの合計質量に付加重量を足して８５０±１グラムとなるように、水平スライディングプレートのパッケージに接触しない上面の中央に好適な重しを置くことによって達成し得る。

試験手順
吸収性物品パッケージを、測定前に、２３±２℃及び５０±５％の相対湿度で平衡化する。

水平スライディングプレートを上げ、パッケージ内の吸収性物品が水平方向になるように、吸収性物品パッケージを水平スライディングプレートの下の中央に配置する（図３７を参照のこと）。プレートのいずれかに接触するパッケージの表面の任意のハンドル又は他のパッケージング機構を、パッケージの表面に対して平坦に折り重ねることで、測定に対する影響を最小限にする。水平スライディングプレートを、パッケージの上面に接触するまでゆっくり下げてから、解放する。水平スライディングプレートを解放してから１０秒後に、水平プレート間の間隙を±０．５ｍｍ以内で測定する。５つの同じパッケージ（同一寸法のパッケージ及び同一の吸収物品数）を測定し、相加平均をパッケージ幅として報告する。「バッグ内スタック高さ」＝（パッケージ幅／１スタック当たりの吸収性物品数）×１０を算出し、±０．５ｍｍ以内で報告する。

本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「９０°」として開示された寸法は、「約９０°」を意味することを意図する。

本明細書の全体を通して示されている全ての最大数値の限定は、それよりも小さい数値限定を、こうしたより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのごとく、包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して与えられるあらゆる最小数値限定は、それより高いあらゆる数値限定を、そのようなより高い数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通して与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るより狭いあらゆる数値範囲を、そのような狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。

「発明を実施するための形態」の中で引用された全ての文献は、関連部分において、本明細書に参考として組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本開示に関する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきでない。本明細書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における用語の任意の意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。

本開示の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。

Claims (15)

1. 吸収性物品であって、
   第１の表面及び第２の表面を含む液体透過性不織布材料であって、前記不織布材料が複数の繊維を含み、前記不織布材料が、概ね平面的な第１の領域と、前記不織布材料の前記第１の表面から外側に延在する突出部を形成する変形と前記不織布材料の前記第２の表面内の開口部とを含む複数の分離的であるが一体型の第２の領域と、を含み、前記突出部が前記繊維から形成されており、前記突出部の少なくともいくつかが、前記不織布材料の前記第１の表面に隣接する底面と、前記底面からＺ方向に外側へ延在する対向する遠位端と、前記底面と前記突出部の前記遠位端との間の側壁と、前記側壁の少なくとも一部分と前記突出部の前記遠位端とを含む傘部と、を含み、前記側壁が内面を有し、複数の繊維が前記突出部の前記底面から前記突出部の前記遠位端へ延在し、かつ、前記突出部の前記側面及び傘部の一部分を形成するのに寄与し、前記繊維が前記突出部の前記側面を少なくとも実質的に取り巻く、液体透過性不織布材料と、
   液体不透過性材料と、
   前記液体透過性不織布材料と前記液体不透過性材料との中間に位置付けられた吸収性コアであって、前記吸収性コアが吸収性材料を含み、前記吸収性材料が、前記吸収性材料の少なくとも８５重量％の超吸収性ポリマーを含む、吸収性コアと、を含む、吸収性物品。
2. 前記側壁の前記内面が、前記突出部の前記底面に底面開口部を画定し、前記傘部が最大内部幅の部分を有し、前記底面開口部が幅を有し、前記突出部の前記傘部の前記最大内部幅が前記底面開口部の前記幅よりも大きい、請求項１に記載の吸収性物品。
3. チャネルが前記吸収性材料内に形成されている、請求項１又は２に記載の吸収性物品。
4. 前記吸収性材料が、セルロース繊維、天然繊維、又は合成繊維を実質的に含まない、請求項１〜３のいずれか一項に記載の吸収性物品。
5. 前記不織布材料が単層を含む、請求項１〜４のいずれか一項に記載の吸収性物品。
6. 前記不織布材料が捕捉層を含む、請求項１〜５のいずれか一項に記載の吸収性物品。
7. 前記不織布材料が複数の層を含む、請求項１〜４のいずれか一項に記載の吸収性物品。
8. 前記複数の層のうちの少なくとも２層が突出部内にネストされる、請求項７に記載の吸収性物品。
9. 第１の層が液体透過性トップシートであり、第２の層が液体透過性捕捉材料である、請求項７又は８に記載の吸収性物品。
10. キャリア層と、前記キャリア層に適用される分配層と、を含み、前記キャリア層が前記液体透過性捕捉材料と対面関係にある、請求項９に記載の吸収性物品。
11. 前記突出部の少なくともいくつかが実質的に中空状であり、球根形状を形成する、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の吸収性物品。
12. 前記液体透過性材料が積層体としてトップシート及び捕捉層を含む、請求項１〜６及び１１のいずれか一項に記載の吸収性物品。
13. 前記不織布材料が捕捉層を含み、前記吸収性物品が概ね平面的なトップシートを含み、前記トップシートが、前記捕捉層が前記トップシートを通して可視であるような不透明度を有する、請求項１〜６及び１１のいずれか一項に記載の吸収性物品。
14. パッケージが、本明細書におけるバッグ内スタック高さテストにより、約８５ｍｍ未満のバッグ内スタック高さを有する、請求項１〜１３のいずれか一項に記載の吸収性物品を複数個含む、パッケージ。
15. パッケージが、本明細書におけるバッグ内スタック高さテストにより、約９５ｍｍ未満、ただし約７０ｍｍ超のバッグ内スタック高さを有する、請求項１〜１４のいずれか一項に記載の吸収性物品を複数個含む、パッケージ。

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