JP5989988B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
一般的に、使い捨ておむつ等の吸収性物品には、基本性能として、ムレやカブレが生じ難いことが求められる。ムレやカブレを生じ難くするために、例えば、吸収性物品に用いられる表面シートには、肌対向面の凹凸形状が形成されたり、体液の吸収体への良好な液透過性が求められる。
例えば、特許文献1,2には、三次元的な凹凸形状を有する吸収性物品の表面シートが記載されている。
また、特許文献3には、弾性繊維層の一面に非弾性繊維層が配され、弾性繊維層の構成繊維の一部が非弾性繊維層に入り込み、弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態で、繊維交点の熱融着によって弾性繊維層及び非弾性繊維層が全面接合された伸縮性不織布が記載されている。
また、特許文献4には、ウイング部に2層以上の積層構造を有する積層不織布が用いられている生理用ナプキン等の吸収性物品が記載されている。
特開2007−130800号公報 特開2010−115479号公報 特開2007−138374号公報 特開2008−61664号公報
特許文献1,2に記載の三次元的な構造の表面シートを用いれば、肌対向面の凹凸形状により、ムレやカブレが低減し易い。しかし、特許文献1,2に記載の三次元的な構造の表面シートには、肌対向面から非肌対向面に亘るエンボスが形成されており、体液の吸収体への良好な液透過性に関しては、更に改良する余地があった。
また、特許文献3に記載の伸縮性不織布は、エンボスに関する記載が無く、体液の通液性については何ら記載されていない。また吸収性物品の表面シートに用いた場合には、収縮時に出来る不定形なシワに体液が溜まる等の問題が懸念され、更なる改良の余地があった。
また、特許文献4に記載の積層不織布は、ウイング部に配される以外、何ら記載されていない。特許文献4に記載の積層不織布は、各層間が接着剤を用いて接合されており、該積層不織布を表面シートに用いたとしても、体液の吸収体への良好な液透過性に関して、改良する余地があった。
したがって、本発明の課題は、体液の吸収体への液透過性が更に向上すると共に、ムレやカブレが生じ難い吸収性物品を提供することにある。
本発明は、表面シートと、裏面シートと、これらシート間に配された縦長の吸収体とを備えた吸収性物品であって、前記吸収体よりも肌対向面側に位置する上層シートは、肌対向面側にエンボス加工による多数の凸部及び凹部を有する肌対向面側層、及びエンボス加工の施されていない非肌対向面側層を備え、該肌対向面側層を構成する肌対向面側繊維、該非肌対向面側層を構成する非肌対向面側繊維、及び該肌対向面側層及び該非肌対向面側層に跨る横断繊維を有しており、前記肌対向面側層と前記非肌対向面側層との界面においては、前記肌対向面側繊維と前記非肌対向面側繊維とが互いに熱融着しており、前記横断繊維が、該肌対向面側層内の該肌対向面側繊維及び該非肌対向面側層内の該非肌対向面側繊維それぞれと熱融着している吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、体液の吸収体への液透過性が更に向上すると共に、ムレやカブレが生じ難い。
図1は、本発明の第1実施形態である展開型の使い捨ておむつを伸長させて拡げた状態を示す平面図である。 図2は、図1のx1−x1線断面図である。 図3は、図1に示すおむつの備える表面シートを説明する要部拡大斜視図である。 図4は、図3のt−t線断面拡大図である。 図5は、図4に示す表面シートの断面図において、構成繊維の配置を説明する説明図である。 図6は、図1に示すおむつの備える表面シートを製造するための好適な装置を示す模式図である。 図7は、本発明の第2実施形態である展開型の使い捨ておむつを伸長させて拡げた状態を示す平面図である。 図8は、図7のx2−x2線断面図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい第1実施形態に基づき、図1〜図5を参照しながら説明する。
第1実施形態の吸収性物品は、使い捨ておむつであり、第1実施形態の使い捨ておむつ1A(以下、「おむつ1A」ともいう。)は、液透過性の表面シート2と、液難透過性の裏面シート3と、これらシート2,3間に配された縦長の吸収体4とを備え、図1,図2に示すように、縦方向(y方向)に沿う両側部1s,1sに、一対の立体ギャザー5,5が、弾性部材51を配することによって形成された、所謂、展開型の使い捨ておむつである。また、おむつ1Aは、図1,図2に示すように、縦方向(y方向)に沿う両側部1s,1sに、一対の立体ギャザー5,5よりも横方向(x方向)外方に、一対のレッグギャザー6,6が、各々弾性部材61を配することによって形成されている。おむつ1Aは、図1に示すように、おむつ1Aの縦方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。尚、各図に示す「y方向」は、中心線CLに平行な方向であり、おむつの縦方向と同じ方向でもある。また各図に示す「x方向」は、中心線CLに直交する方向であり、おむつの横方向と同じ方向でもある。
おむつ1Aについて、詳述すると、おむつ1Aは、図1に示すように、表面シート2、裏面シート3、これらシート2,3間に配された吸収体4を備え、図1に示すように、腹側部A、背側部B及び股下部Cに区分された吸収性本体7、吸収性本体7の背側部Bの両側縁からX方向の外方に延出する一対のファスニングテープ8,8、及び吸収性本体7の腹側部Aに、ファスニングテープ8と係合するターゲットシート9を有する。
腹側部Aは装着時に装着者の腹側に位置する部位であり、背側部Bは装着時に装着者の背側に位置する部位であり、股下部Cは腹側部Aと背側部Bとの間に配される部位である。
吸収性本体7は、図1に示すように、y方向に長く、y方向に沿って延びる両側縁が、y方向の中央部において内方に括れた形状を有しており、y方向の両端部の幅が、y方向の中央部の幅よりも広くなっている。吸収性本体7を形成する表面シート2及び裏面シート3それぞれは、図1に示すように、吸収体4の肌対向面側の全面及び非肌対向面側の全面を覆っており、吸収体4の周縁から延出している。また、表面シート2は、図2に示すように、x方向の長さが裏面シート3のX方向の長さよりも短くなっている。
おむつ1Aの一対の立体ギャザー5,5それぞれは、立体ギャザー形成用シート52を用いて形成されている。一対の立体ギャザー5,5それぞれは、図2に示すように、立体ギャザー形成用シート52を2層以上に折り返し、折り返されたシート間に縦方向(y方向)に伸長状態の1本以上の弾性部材51を配して形成されている。このように形成された立体ギャザー5は、着用時に、1本以上の弾性部材51の収縮により、自由端から所定幅の部分が表面シート2から離間し、着用者の肌側に向かって横方向(x方向)内方(中心線CL側)に起立する。
おむつ1Aの吸収性本体7の両側部(おむつ1Aの両側部1s,1s)には、図1に示すように、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおいて、立体ギャザー形成用シート52がx方向の外方に延出しており、立体ギャザー形成用シート52の延在部分と裏面シート3とが接合され、サイドフラップ部11が形成されている。また、吸収性本体7の両側部(おむつ1Aの両側部1s,1s)には、図1に示すように、股下部Cにおいて、横方向(X方向)外方に延出した立体ギャザー形成用シート52の延在部分と裏面シート3とが接合され、レッグフラップ部12が形成されている。レッグフラップ部12には、股下部Cにおいて、レッグギャザー形成用の弾性部材61が縦方向(Y方向)に伸長状態で配設固定されており、着用時には、その弾性部材の収縮力により、レッグギャザー6が形成される。
おむつ1Aにおいて、吸収体4よりも肌対向面側に位置する上層シートとは、表面シート2である。おむつ1Aの表面シート2は、図3に示すように、肌対向面側にエンボス加工による多数の凸部23及び凹部24を有する肌対向面側層21、及びエンボス加工の施されていない非肌対向面側層22を備えている。ここで、「肌対向面」とは、吸収性本体7などの各部材の表裏両面のうち、装着時に装着者の肌側に配される面であり、「非肌対向面」とは、吸収性本体7などの各部材の表裏両面のうち、装着時に装着者の肌側とは反対側に向けられる面である。おむつ1Aの表面シート2は、図3に示すように、肌対向面側層21及び非肌対向面側層22からなる2層構造をしている。
肌対向面側層21と非肌対向面側層22との区別は、以下の方法により区別する。
最初に、鋭利なカッターを用いて、表面シート2をカットする。そして、カットした断面を上にして黒色の台に載せて、表面シート2の断面を、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、品番VHX−900)を用いて観測する。そして、観測により、エンボス加工された痕跡(エンボス加工による潰れ、エンボス加工による熱融着、エンボス加工による変形)のある繊維を抽出する。抽出した各繊維において、自由端であるか繊維の中間部であるかを問わず、非肌対向面側の先端同士を結び、先端同士を結んだ仮想境界を、肌対向面側層21と非肌対向面側層22との「界面」と定義し、仮想境界(界面)よりも肌対向面側(上層)を肌対向面側層21、仮想境界(界面)よりも非肌対向面側(下層)を非肌対向面側層22と定義する。
表面シート2の肌対向面側層21は、図4に示すように、肌対向面側層21の非肌対向面(非肌対向面側層22に対向する面)がほぼ平坦となっており、肌対向面側層21の肌対向面(装着時に装着者の肌側に当接する面)が多数の凸部23及び凹部24を有する凹凸形状となっている。肌対向面側層21の凹部24は、エンボス加工によって、肌対向面側層21の構成繊維21f(後述する肌対向面側繊維)が圧密化され接合されて形成されている。一方、凹部24間に位置する肌対向面側層21の凸部23は、エンボス加工によって圧密化されていない。従って、凹部24の厚みは凸部23の厚みよりも小さくなっている。凸部23は、不織布2の肌対向面側(図4における上面側)に向けて隆起した形状になっている。このように、表面シート2の肌対向面側層21は、エンボス加工により、立体賦形されたものである。
おむつ1Aにおいては、凸部23及び凹部24は、図3に示すように、表面シート2の一方向に交互に配されており、該一方向と直交する方向にも交互に配されている。おむつ1Aの凹部24は、図3に示すように、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された複数本の第1線状圧着部24aと、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された複数本の第2線状圧着部24bとを有し、第1線状圧着部24a及び第2線状圧着部24bが交差して、格子状(キルト柄)に形成されている。第1線状圧着部24aと第2線状圧着部24bとは、10〜90°の角度をなして交差していることが好ましい。第1線状圧着部24a同士の間隔及び第2線状圧着部24b同士の間隔は、それぞれ3〜14mmであることが好ましい。各第1線状圧着部24aの幅及び各第2線状圧着部24bの幅は、それぞれ0.2〜1.5mmであることが好ましい。
肌対向面側層21における凸部23と凹部24との面積比は、エンボス化率(エンボス面積率、すなわち肌対向面側層21の肌対向面全体に対する凹部24の面積の合計の比率)で表され、表面シート2の嵩高感に影響を与える。この観点から、肌対向面側層21におけるエンボス化率は、5〜35%、特に10〜25%であることが好ましい。前述のエンボス化率は、以下の方法によって測定される。まず、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−900)を用いて表面シート2を構成する肌対向面側層21の肌対向面の拡大写真を得、この肌対向面の拡大写真にスケールを合わせ、凹部24(すなわちエンボス部分)の寸法を測定し、測定部位の全体面積Qにおける、凹部24の面積の合計Pを算出する。エンボス化率は、計算式(P/Q)×100によって算出することができる。
上述したように、おむつ1Aの凹部24は、図4に示すように、第1線状圧着部24a及び第2線状圧着部24bが交差して、格子状(キルト柄)に形成されているが、格子状に形成されていなくてもよく、上述したエンボス化率を満たせば、例えば、ドット状のエンボスパターンであってもよく、破線状のエンボスパターンであってもよい。
また、表面シート2の非肌対向面側層22は、図4に示すように、非肌対向面側層22の肌対向面(肌対向面側層21に対向する面)及び非肌対向面それぞれがほぼ平坦となっている。即ち、表面シート2の非肌対向面側層22は、エンボス加工が施されておらず、立体賦形されていないものである。
表面シート2は、図4,図5に示すように、肌対向面側層21を構成する肌対向面側繊維21f、非肌対向面側層22を構成する非肌対向面側繊維22f、及び肌対向面側層21及び非肌対向面側層22に跨る横断繊維2fを有している。横断繊維22fは、不織布のMD方向1mmの間に2本以上存在することが好ましく、4本以上あることがさらに好ましい。横断繊維2fの本数の測定は、鋭利なカッターを用いて断面を切断し、電子顕微鏡により観察することで行うことができる。肌対向面側層21の凸部23内は、図4に示すように、主に、肌対向面側繊維21fで満たされている。凸部23においては、複数本の肌対向面側繊維21fが、それらの交点において融着している。非肌対向面側層22においては、複数本の非肌対向面側繊維22fが、それらの交点において融着している。繊維どうしが熱融着しているか否かは、表面シート2の肌対向面側層21又は非肌対向面側層22を走査型電子顕微鏡観察することで判断できる。
表面シート2は、図4に示すように、肌対向面側層21と非肌対向面側層22との界面においては、肌対向面側繊維21fと非肌対向面側繊維22fとが互いに熱融着して形成されている。肌対向面側繊維21fと非肌対向面側繊維22fとが互いに熱融着しているか否かは、上述したように、走査型電子顕微鏡観察することで判断できる。また、表面シート2は、図4,図5に示すように、肌対向面側層21及び非肌対向面側層22に跨る横断繊維2fが、肌対向面側層21内の肌対向面側繊維21f及び非肌対向面側層22内の非肌対向面側繊維22fそれぞれと熱融着して形成されている。肌対向面側繊維21f及び非肌対向面側繊維22fそれぞれと横断繊維2fとが互いに熱融着しているか否かは、同様に、走査型電子顕微鏡観察することで判断できる。このように、表面シート2においては、肌対向面側層21と非肌対向面側層22との固定に、接着剤が一切使用されることなく、繊維同士の熱融着が利用されている。
おむつ1Aにおいては、非肌対向面側層22の非肌対向面側繊維22f同士の繊維間隔が、エンボス加工による凹部24近傍における肌対向面側層21の肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔よりも疎に形成されている。言い換えれば、図5に示すように、非肌対向面側繊維22f同士の繊維間隔が、エンボス加工による凹部24(第1線状圧着部24a)近傍における肌対向面側層21の肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔よりも広く形成されている。このように形成されていることにより、肌対向面層21を通過した体液が、非肌対向面に留まる事を防ぎ、液通過性に優れた不織布ができる。
尚、凹部24(第1線状圧着部24a)近傍とは、圧着部24aの端から1.0mm程度離れた位置を意味する。
また、おむつ1Aにおいては、エンボス加工による凸部23における肌対向面側層21の非肌対向面側層22寄りの肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔が、エンボス加工による凹部24近傍における肌対向面側層21の肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔よりも疎に形成されている。言い換えれば、図5に示すように、凸部23における肌対向面側層21の非肌対向面側層22寄りの肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔が、エンボス加工による凹部24(第1線状圧着部24a)近傍における肌対向面側層21の肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔よりも広く形成されている。このように形成されていることにより、体液が肌対向面側層21表面のエンボス加工による凹部近傍に留まることを防ぎ、液透過性に優れた不織布ができる。
尚、「凸部23における肌対向面側層21の非肌対向面側層22寄りの肌対向面側繊維21f」とは、図5に示すように、肌対向面側層21の凸部23の頂部を除く部分に位置する肌対向面側繊維21fであり、具体的には、凸部23の頂点における凸部23の高さを二等分した際の、下方側(非肌対向面側層22側)に配された肌対向面側繊維21fを意味する。
さらにおむつ1Aにおいては、非肌対向面側層22の非肌対向面側繊維22f同士の繊維間隔が、エンボス加工による凸部23における肌対向面側層21の非肌対向面側層22寄りの肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔よりも広く形成されている。このように形成されていることにより、肌対向面側層21を通過した体液が、非肌対向面側層22に留まる事を防ぎ、液通過性に優れた不織布ができる。
繊維間隔の測定は、以下に説明する手順で行う。
最初に、鋭利なカッターを用いて、表面シート2を構成する肌対向面側層21の隣り合う凸部23頂部同士を結ぶように、不織布のMD方向(繊維の配向方向)に沿って、CD方向(MD方向と直交する方向)の厚みが幅0.5〜1.0mmになるようにカットする。このカットした不織布のMD方向に沿う断面が上下になるようにして黒色の台に載せて、MD方向に沿う断面の拡大写真を、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−900)を用いて得る。この拡大写真のデータ(jpeg)を、画像解析ソフト(NexusNewQube)を用いて画像解析処理を行う。
具体的には、エンボス加工による凹部24近傍は表裏方向は0.3mmMD方向は1.0mmの範囲について二値化処理を行い繊維が空間を占める面積率(%)を求める。その他の部分は、表裏方向0.5mmMD方向2.0mmの範囲について二値化処理を行い繊維が空間を占める面積率(%)を求める。次に繊維径を同じ拡大写真より測定する。複数種類の繊維を使用している場合はその平均値とする。繊維間隔は繊維の無い部分の面積率(1−繊維面積率)の1/2乗に比例、繊維径に反比例することから下記の計算式により求め、この値の大小により繊維間隔の大小を決定する。
繊維間隔(μm)=((90000×(1−繊維面積率))1/2÷繊維径)×14.3
非肌対向面側繊維22f同士の平均繊維間隔は、100〜250μmであることが好ましく、150〜200μm以上であることが更に好ましい。
凹部24近傍における肌対向面側層21の肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔は、
10〜150μmであることが好ましく、40〜120μmであることが更に好ましい。
凸部23における肌対向面側層21の非肌対向面側層22寄りの肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔は、100〜200μm以上であることが好ましく、120〜160μmであることが更に好ましい。
肌対向面側繊維21f、非肌対向面側繊維22f及び横断繊維2fは、それぞれ、同じ材質でもよく、異なる材質でもよい。
肌対向面側繊維21f、非肌対向面側繊維22f及び横断繊維2fとしては、熱融着性を有する繊維であれば何れの繊維も用いることができる。
熱融着性の繊維としては、熱可塑性樹脂からなる芯鞘型やサイドバイサイド型等の捲縮性の複合繊維であることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体等が挙げられる。
ポリエステル系重合体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等及びこれらの共重合体が挙げられ、使用に際しては、これらを単独又は2種以上混合して用いることができる。
ポリアミド系重合体としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン2、ナイロン3、ナイロン4、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、及び共重合体等のポリアミド系重合体が挙げられ、使用に際しては、これらを単独又は2種以上混合して用いることができる。
ポリオレフィン系重合体としては、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン1−プロピレン3元共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体等が挙げられ、使用に際しては、これらを単独又は2種以上混合して用いることができる。
特に、横断繊維2fは、後述するエアースル方式を用いる不織布の製造方法において、肌対向面側層21から非肌対向面側層22に跨り易くなる観点から、加熱によってその長さが伸びる熱伸長性繊維であることが好ましい。
熱伸長性繊維としては、高融点樹脂からなる第1樹脂成分と、該第1樹脂成分の融点より低い融点又は軟化点を有する低融点樹脂からなる第2樹脂成分とを含み、第2樹脂成分が繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して存在している複合繊維(以下、この繊維を「熱伸長性複合繊維」という)が挙げられる。熱伸長性複合繊維における第1樹脂成分は該繊維の熱伸長性を発現する成分であり、第2樹脂成分は熱融着性を発現する成分である。熱伸長性複合繊維は一般に二成分系であるが、三成分以上の多成分系であってもよい。
熱伸長性複合繊維は、第1樹脂成分の融点よりも低い温度において熱によって伸長可能になっている。そして熱伸長性複合繊維は、第2樹脂成分の融点より10℃高い温度、融点をもたない樹脂の場合は軟化点より10℃高い温度での熱伸長率が0.5〜20%、特に3〜20%、とりわけ5〜20%であることが好ましい。
第1樹脂成分及び第2樹脂成分の融点は、示差走査型熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製DSC6200)を用いて測定する。細かく裁断した繊維試料(サンプル重量2mg)の熱分析を昇温速度10℃/minで行い、各樹脂の融解ピーク温度を測定する。融点は、その融解ピーク温度で定義される。第2樹脂成分の融点がこの方法で明確に測定できない場合、この樹脂を「融点を持たない樹脂」と定義する。この場合、第2樹脂成分の分子の流動が始まる温度として、繊維の融着点強度が計測できる程度に第2樹脂成分が融着する温度を軟化点とする。
〔繊維の熱伸長率〕
繊維の熱伸長率は次の方法で測定される。セイコーインスツルメンツ(株)製の熱機械的分析装置TMA/SS6000を用いる。試料としては、繊維長さが10mm以上の繊維を繊維長さ10mmあたりの合計重量が0.5mgとなるように複数本採取したものを用意し、その複数本の繊維を平行に並べた後、チャック間距離10mmで装置に装着する。測定開始温度を25℃とし、0.73mN/dtexの一定荷重を負荷した状態で5℃/minの昇温速度で昇温させる。その際の繊維の伸び量を測定し、第2樹脂成分の融点より10℃高い温度、融点をもたない樹脂の場合は軟化点より10℃高い温度での伸び量Cmmを読み取る。
繊維の熱伸長率は、(C/10)×100[%]から算出する。この熱伸長率が0より大きい場合、繊維が熱伸長性繊維であると判断する。
尚、熱伸長率を前記の温度で測定する理由は、繊維の交点を熱融着させて不織布を製造する場合には、第2樹脂成分の融点又は軟化点以上で、かつそれらより10℃程度高い温度までの範囲で製造するのが通常だからである。
第1樹脂成分及び第2樹脂成分の種類に特に制限はなく、繊維形成能のある樹脂であればよい。特に、両樹脂成分の融点差、又は第1樹脂成分の融点と第2樹脂成分の軟化点との差が20℃以上、特に25℃以上であることが、好ましい。熱伸長性複合繊維が芯鞘型である場合には、鞘成分の融点又は軟化点よりも芯成分の融点の方が高い樹脂を用いる。特にポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET)を芯とし、これらよりも融点の低い樹脂を鞘とする芯鞘型の熱伸長性複合繊維を用いることが好ましい。第1樹脂成分と第2樹脂成分との好ましい組み合わせとしては、第1樹脂成分をPPとした場合の第2樹脂成分としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、ポリスチレンなどが挙げられる。また、第1樹脂成分としてPET、ポリブ チレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂を用いた場合は、第2樹脂成分として、前述した第2樹脂成分の例に加え、PP、共重合ポリエステルなどが挙げられる。更に、第1樹脂成分としては、ポリアミド系重合体や前述した第1樹脂成分の2種以上の共重合体も挙げられ、また第2樹脂成分としては前述した第2樹脂成分の2種以上の共重合体なども挙げられる。これらは適宜組み合わされる。
熱伸長性繊維としては、例えば特許第4131852号公報、特開2005−350836号公報、特開2007−303035号公報、特開2007−204899号公報、特開2007−204901号公報及び特開2007−204902号公報、特開2008−101285号公報等に記載の繊維を用いることもできる。
特に、肌対向面側繊維21fは、嵩高性に優れ凸部23の頂部における繊維間隔を広げて繊維密度を疎にし易い観点から、肌対向面側繊維21fも上述した熱伸長性繊維であることが好ましい。
表面シート2は、その坪量が10〜80g/m2、特に15〜60g/m2であることが好ましい。表面シート2を構成する非肌対向面側層22の厚みは、0.3〜2.5mm、特に0.5〜2.5mmであることが好ましい。表面シート2を構成する肌対向面側層21における凸部23の厚みは、0.3〜2.5mm、特に0.5〜2.5mmであることが好ましく、表面シート2を構成する肌対向面側層21における凹部24の厚みは、0.01〜0.3mm、特に0.01〜0.1mmであることが好ましい。これらの厚みは、MD方向に50mm、CD方向に50mmの大きさにカットし、カットした測定片の上に12.5g(直径56.4mm)のプレートを載置し、49Pa圧力下での不織布の厚みをマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−900)で計測して求める。
第1実施形態のおむつ1Aの形成材料について説明する。
吸収性本体7を構成する裏面シート3及び吸収体4としては、それぞれ、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、裏面シート3としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができ、吸収体4としては、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したもの等を用いることができる。また、立体ギャザー形成用シート52としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。立体ギャザー形成用の弾性部材51、レッグギャザー形成用の弾性部材61としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状の伸縮性材料を用いることができる。
ファスニングテープ8の係合突起及びターゲットシート9は、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、係合突起としては、「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等におけるオス部材等を用いることができる。ターゲットシート9としては、係合突起を押しつけることにより、係合突起を止着可能なものを特に制限なく用いることができる。例えば、例えば上述した各種公知の機械的面ファスナーにおけるメス部材や係合性に富む不織布を用いることができる。
表面シート2、裏面シート3、立体ギャザー形成用シート52、ファスニングテープ8及びターゲットシート9の固定には、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等の融着手段が用いられる。
次に、おむつ1Aに用いる表面シート2(上層シート)の好適な製造方法について、図6を参照しながら説明する。上層シート(表面シート2)の製造方法に好ましく用いられる製造装置20は、上流側から下流側に向かって、ウエブ製造部30、エンボス加工部40、起毛加工部50、重ね合わせ部60及び熱風吹き付け部70を備えている。
ウエブ製造部30においては、表面シート2を構成する肌対向面側層21の原料となる繊維を用いてウエブ21aが製造され、それとは別に、表面シート2を構成する非肌対向面側層22の原料となる繊維を用いてウエブ22aが製造される。ウエブ21aは、第1の面21a1及びこれと反対側に位置する第2の面21a2を有している。第1の面21a1は、後述するエンボス加工部40において、エンボスロール401と当接する面であり、かつ後述する熱風吹き付け部70において、熱風が吹き付けられる面である。第2の面21a2は、エンボス加工部40において、フラットロール402と当接する面であり、かつ起毛加工部50において起毛ロール501に対向する面である。ウエブ22aは、第1の面22a1及びこれと反対側に位置する第2の面22a2を有している。第1の面22a1は、ウエブ21aの第2の面21a2と当接する面であり、第2の面22a2は、熱風吹き付け部70において、通気性ネットからなるコンベアベルト702に対向する面である。
ウエブ製造部30は、図6に示すように、肌対向面側層21となるウエブ21aを製造するカード機301及びウエブ21aを搬送する無端ベルトであるウエブ搬送ベルト302を備えている。また、ウエブ製造部30は、図6に示すように、非肌対向面側層22となるウエブ22aを製造するカード機303及びウエブ22aを搬送する無端ベルトであるウエブ搬送ベルト304を備えている。尚、カード機301,303に代えて、他のウエブ製造装置、例えばエアレイド装置を用いることもできる。
エンボス加工部40は、図6に示すように、ウエブ21aを挟んで対向配置された一対のエンボスロール401及びフラットロール402を備えている。エンボスロール401はその周面に多数の凹凸が形成された金属製のパターンロールからなる。このパターンロールにおける凹凸のパターンは、上層シート(表面シート2)の具体的な用途に応じ適切に選択することができる。例えば図3に示す格子状(キルト柄)のエンボスパターンを形成する場合には、その格子状に対応した形状の凸部を、エンボスロール401の周面に形成すればよい。また、ドット状のエンボスパターン(図示せず)を上層シート(表面シート2)に形成したい場合には、そのドットに対応した形状の凸部を、ロール401の周面に形成すればよい。一方、フラットロール402はその周面が平滑なフラットである。フラットロール402は金属製、ゴム製、紙製等で形成されている。
起毛加工部50は、図6に示すように、周面に多数の凸部511が設けられた起毛ロール501を備え、起毛ロール501の上流側に、エンボス加工の施されたウエブ21a’を傾斜させながら搬送する無端ベルトからなるウエブ搬送ベルト502を備えている。起毛ロール501は、その回転軸に駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって回転する。起毛ロール501の回転方向は、ウエブ21a’の搬送方向に対して逆方向に回転させることが好ましい。
重ね合わせ部60は、図6に示すように、起毛ロール501の下流側直後に位置し、起毛加工の施されたウエブ21a’’を、ウエブ搬送ベルト304で搬送されるウエブ22a上に、垂直に落とすロール601を備えている。このロール601により、起毛加工の施されたウエブ21a’’の起毛繊維がウエブ22aの構成繊維間に入り易い角度を付けている。
熱風吹き付け部70は、図6に示すように、フード701と、フード701内を周回する通気性ネットからなるコンベアベルト702とを備えている。フード701内は、コンベアベルト702に向かって図6中の矢印方向に熱風が吹き付けられるようになっている。コンベアベルト702は、金属やポリエチレンテレフタレート等の樹脂から形成されている。尚、上述したように製造装置20においては、フード701内は図6中の矢印方向に熱風が吹き付けられるようになっているが、図6中の矢印方向とは反対方向に熱風が吹くようになっていてもよい。
このような構成のウエブ製造部30、エンボス加工部40、起毛加工部50、重ね合わせ部60及び熱風吹き付け部70を備える製造装置20を用いて上層シート(表面シート2)を製造する好ましい製造方法を、図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、先ず、ウエブ製造部30において、肌対向面側層21となる肌対向面側ウエブ及び非肌対向面側層22となる非肌対向面側ウエブを別工程で製造する。具体的には、カード機301を用いて、肌対向面側層21となるウエブ21aを製造すると共に、別のカード機303を用いて、非肌対向面側層22となるウエブ22aを製造する。ウエブ21a,22aは、その構成繊維どうしが緩く絡合した状態にあり、シートとしての保形性を獲得するには至っていない。このようなウエブ21aを、ウエブ搬送ベルト302を用いてエンボス加工部40に搬送する。
また、ウエブ21aとは別工程で製造されたウエブ22aを、ウエブ搬送ベルト304を用いて重ね合わせ部60に搬送する。
ウエブ21a,22aの原料である繊維は、その繊維長が、30〜70mm程度とすることが好ましく、その繊維径が、10〜35μm、特に15〜30μmのものを用いることが好ましい。
次いで、製造した肌対向面側ウエブの肌対向面側にエンボス加工を施して多数の凸部及び凹部を形成する。具体的には、図6に示すように、エンボス加工部40において、搬送されたウエブ21aがエンボスロール401及びフラットロール402で挟圧されて、ウエブ21aの構成繊維である熱融着性の繊維を圧密化して、ウエブ21aの第1の面21a1に、凹部24に対応する多数のエンボス部を形成し、エンボス加工の施されたウエブ21a’を製造する。このように、ウエブ21aにエンボス加工を施すことにより、製造されたウエブ21a’は、シートとしての保形性を有する。製造されたウエブ21a’の第1の面21a1には多数の凹凸が形成され、第2の面21a2はフラットに形成される。エンボスロール401は、ウエブ21aの構成繊維である熱融着性の繊維の融点以上に加熱されていることが好ましい。フラットロール402は、加熱されていてもよく、あるいは加熱されていなくてもよい。
次いで、肌対向面側ウエブ及び非肌対向面側ウエブを重ねる前に、肌対向面側ウエブの非肌対向面側ウエブとの対向面に起毛加工を施す。具体的には、図6に示すように、ウエブ搬送ベルト502を用いて、エンボス加工の施されたウエブ21a’を傾斜させながら搬送し、多数の凸部511が設けられた起毛ロール501を用いて、搬送されたウエブ21a’の第2の面21a2に起毛加工を施し、ウエブ21a’の第2の面21a2から構成繊維を起毛させる。尚、製造装置20においては、起毛加工部50を備えているが、備えていなくてもよい。但し、横断繊維2fを効率よく形成する観点からは、起毛加工部50を備えている方が好ましい。また、肌対向面側ウエブ及び非肌対向面側ウエブを重ねる前でなくとも、重ねる際に起毛加工を施してもよい。
また、製造装置20においては、起毛ロール501を用いて、搬送されるウエブ21a’の第2の面21a2にのみ起毛加工を施しているが、ウエブ21a’の第2の面21a2の代わりに、ウエブ22aを搬送するウエブ搬送ベルト304上に起毛ロール501を設け、非肌対向面側ウエブ22aの肌対向面側ウエブ21aとの対向面に起毛加工を施してもよい。更に、ウエブ21a’の第2の面21a2及び非肌対向面側ウエブ22aの前記対向面それぞれに起毛加工を施してもよい。
起毛加工面と吹き付ける熱風との観点からは、ウエブ21a’の第2の面21a2に起毛加工を施す場合には、フード701内において図6中の矢印方向に熱風を吹き付ける方が、面21a2から起毛した構成繊維がウエブ22aの構成繊維の間に入り易いので好ましく、非肌対向面側ウエブ22aの前記対向面に起毛加工を施す場合には、フード701内において図6中の矢印方向とは反対方向に熱風を吹き付ける方が、前記対向面から起毛した構成繊維がウエブ21a’の構成繊維の間に入り易いので好ましい。
次いで、図6に示すように、重ね合わせ部60において、ロール602を用いて、起毛加工の施されたウエブ21a’’を、ウエブ搬送ベルト304で搬送されるウエブ22a上に重ね合わせる。ロール602を用いることにより、ウエブ22a上に、起毛加工を施した直後のウエブ21a’’を、その第2の面21a2(起毛面)を反らせながら略垂直に落とすことができるので、面21a2から起毛した構成繊維がウエブ22aの構成繊維の間に入り易い。
その後、熱風を吹き付けて上層シート(表面シート2)を製造する。その際、肌対向面側ウエブの肌対向面側から熱風を吹き付けて上層シートを製造する。具体的には、図6に示すように、重ね合わされたウエブ21a’’及びウエブ22aを、ベルトコンベア702によりフード701内に搬送し、フード701内において、ウエブ21a’’の第1の面21a1からウエブ22aの第2の面22a2に向かって熱風を吹き付けて上層シートを連続的に製造する。熱風の吹き付けによって、ウエブ21a’’(肌対向面側層21)とウエブ22a(非肌対向面側層22)との界面においては、ウエブ21a’’の構成繊維(肌対向面側繊維21f)とウエブ22aの構成繊維(非肌対向面側繊維22f)とが互いに熱融着すると共に、ウエブ21a’’の第2の面21a2から起毛した構成繊維(横断繊維2f)が、ウエブ21a’’(肌対向面側層21)内の構成繊維(肌対向面側繊維21f)及びウエブ22a(非肌対向面側層22)内の構成繊維(非肌対向面側繊維22f)それぞれと熱融着する。
肌対向面側層21となるウエブ21a及び非肌対向面側層22となるウエブ22aの構成繊維が、特に、熱伸長性繊維である場合には、熱風の吹き付けによって、これらの構成繊維である熱伸長性繊維が伸長する。その際、ウエブ21a’’の第1の面21a1における多数のエンボス部に位置する繊維は圧密化されているので、熱風が吹き付けられても伸長は生じない。伸長は、凹部24に対応するエンボス部以外の部分、言い換えれば凹部24に対応するエンボス部の間の部分に存する熱伸長性繊維、ウエブ21a’’の第2の面21a2から起毛した熱伸長性繊維、及びウエブ22aの構成繊維である熱伸長性繊維について生じる。ウエブ21a’’の凹部24に対応するエンボス部間の部分に存する熱伸長性繊維は、熱風の吹き付けによって、その一部がエンボス部によって固定されていることによって、伸長した熱伸長性繊維の伸び分は、平面方向への行き場を失い、厚み方向へ移動する。これによって、エンボス部間に嵩高な凸部23が形成される。また、エンボス部は凹部24となる。従って、特に、熱伸長性繊維を使用すると、凸部23における肌対向面側層21の非肌対向面側層22寄りの肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔が、エンボス加工による凹部24近傍における肌対向面側層21の肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔よりも広く形成されるようになり易い。
特に、熱伸長性繊維を使用すると、ウエブ21a’’の第2の面21a2から起毛した熱伸長性繊維は、熱風の吹き付けによって、その長さが伸び、肌対向面側層21から非肌対向面側層22に跨る横断繊維2fとなり易い。
ウエブ22aの構成繊維に熱伸長性繊維を使用すると、熱風の吹き付けによって、伸長した熱伸長性繊維の伸び分は、平面方向及び厚み方向へ移動する。従って、特に、熱伸長性繊維を使用すると、非肌対向面側繊維22f同士の繊維間隔が、エンボス加工による凹部24近傍における肌対向面側層21の肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔よりも広く形成されるようになり易い。
更に、熱風の吹き付けによって、熱伸長性繊維を伸長させるのと同時に、熱伸長性繊維どうしの交点を融着する。この融着によって、肌対向面側層21と非肌対向面側層22との界面においては、肌対向面側繊維21fと非肌対向面側繊維22fとが互いに熱融着しており、横断繊維2fが肌対向面側層21内及び非肌対向面側層22内それぞれに更に伸びて、肌対向面側層21内の肌対向面側繊維21f及び非肌対向面側層22内の非肌対向面側繊維22fそれぞれと熱融着するようになる。
熱風の温度は、ウエブ21a,22aの構成繊維の融点をMp(℃)とすると、Mp以上Mp+50℃以下が好ましく、Mp以上Mp+30℃以下であることが好ましい。熱風の吹き付け時間は、熱風の温度及び差圧が上述した範囲内であることを条件として、1〜20秒、特に3〜15秒であることが好ましい。
おむつ1Aは、このように形成された上層シート(表面シート2)を用いて、後の工程では、従来の、いわゆる縦流れ方式の展開型の使い捨ておむつの製造方法と同様にして製造される。具体的には、上層シート(表面シート2)の連続体、裏面シート3の連続体、及び両シートの連続体間に、搬送方向に複数個の吸収体4,4・・・を備えた吸収性本体7の連続体に、吸収性本体7の連続体の搬送方向の両側部それぞれに沿って、搬送方向に伸長した1本以上の弾性部材61を配する。その後、吸収性本体7の連続体の両側部それぞれに沿って、搬送方向に伸長した1本以上の弾性部材51を配した立体ギャザー形成用帯状部材を配し、さらに、吸収性本体7の連続体の幅方向外方に突出するように一対のファスニングテープ8,8を、吸収性本体7の連続体に含まれる吸収体4毎に配した連続体を製造し、その連続体を切断加工して、おむつ1Aを連続的に製造することができる。おむつ1Aの製造方法に関し、特に説明しない点は、従来の、縦流れ方式の展開型の使い捨ておむつの製造方法と同様にして製造することができる。
上述した本発明の第1実施形態のおむつ1Aを使用した際の作用効果について説明する。
おむつ1Aの有する表面シート2は、図3,図4に示すように、肌対向面側にエンボス加工による多数の凸部23及び凹部24を有する凹凸形状の肌対向面側層21を備えているので、ムレやカブレが低減し易い。また、おむつ1Aの有する表面シート2は、図4,図5に示すように、肌対向面側層21及び非肌対向面側層22に跨る横断繊維2fを有しているので、体液が、横断繊維2fを介して、肌対向面側層21から非肌対向面側層22に移行し易く、体液の吸収体4への液透過性が更に向上する。
おむつ1Aの有する表面シート2は、図4,図5に示すように、肌対向面側層21と非肌対向面側層22との界面においては、肌対向面側繊維21fと非肌対向面側繊維22fとが互いに熱融着しており、横断繊維2fが、肌対向面側層21内の肌対向面側繊維21f及び非肌対向面側層22内の非肌対向面側繊維22fそれぞれと熱融着して形成されている。このように、繊維同士の融着のみにより固定されているので、体液が移行し易く、特に、横断繊維2fが、肌対向面側繊維21f及び非肌対向面側繊維22fそれぞれと熱融着により、しっかりと固定されているので、毛管力により体液側に引き寄せられ難く、繊維間隔を維持し易い。その結果、体液が溜まり難く、体液が、横断繊維2fを介して、スムーズに肌対向面側層21から非肌対向面側層22に移行し易い。
次に、本発明の吸収性物品を、その好ましい第2実施形態に基づき、図6,図7を参照しながら説明する。
第2実施形態の吸収性物品は、使い捨ておむつであり、第2実施形態の使い捨ておむつ1B(以下、「おむつ1B」ともいう。)については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ1Aと同様であり、おむつ1Aの説明が適宜適用される。
おむつ1Bは、図7,図8に示すように、表面シート2と吸収体4との間に、液透過性のサブレイヤーシート10が配されている。サブレイヤーシート10は、図7に示すように、矩形状であり、吸収体4を覆うように配されている。サブレイヤーシート10は、図7に示すように、縦方向(y方向)に関しては、おむつ1Bの縦方向(y方向)全域に亘る大きさであり、横方向(x方向)に関しては、図8に示すように、吸収体4の横方向(x方向)と略同じ大きさである。
おむつ1Bにおいて、吸収体4よりも肌対向面側に位置する上層シートとは、サブレイヤーシート10が該当する。おむつ1Bのサブレイヤーシート10は、配置位置と大きさ以外は、上述したおむつ1Aの表面シート2と同じ構成で形成されている。従って、おむつ1Bのサブレイヤーシート10は、上述したおむつ1Aに用いる表面シート2(上層シート)の製造方法と同じ方法で製造することができる。
尚、おむつ1Bの表面シート2としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、親水性且つ液透過性の不織布等を用いることができる。
第2実施形態のおむつ1Bの形成材料は、サブレイヤーシート10及び表面シート2以外は、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの形成材料と同様である。
おむつ1Bは、同様の方法で製造された上層シート(サブレイヤーシート10)を用いて、後の工程では、従来の、いわゆる縦流れ方式の展開型の使い捨ておむつの製造方法と同様にして製造される。具体的には、表面シート2の連続体、裏面シート3の連続体、及び両シートの連続体間に、搬送方向に複数個の吸収体4,4・・・を備え、更に、表面シート2の連続体と吸収体4,4・・・との間に、上層シート(サブレイヤーシート10)の連続体を備えた吸収性本体7の連続体に、吸収性本体7の連続体の搬送方向の両側部それぞれに沿って、搬送方向に伸長した1本以上の弾性部材61を配する。その後、吸収性本体7の連続体の両側部それぞれに沿って、搬送方向に伸長した1本以上の弾性部材51を配した立体ギャザー形成用帯状部材を配し、さらに、吸収性本体7の連続体の幅方向外方に突出するように一対のファスニングテープ8,8を、吸収性本体7の連続体に含まれる吸収体4毎に配した連続体を製造し、その連続体を切断加工して、おむつ1Bを連続的に製造することができる。おむつ1Bの製造方法に関し、特に説明しない点は、従来の、縦流れ方式の展開型の使い捨ておむつの製造方法と同様にして製造することができる。
上述した本発明の第2実施形態のおむつ1Bを使用した際の作用効果について説明する。
おむつ1Bの効果については、第1実施形態のおむつ1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ1Aの効果と同様であり、おむつ1Aの効果の説明が適宜適用される。
おむつ1Bは、サブレイヤー10の肌対向面側にエンボス加工による多数の凹凸形状を待ち、表面シート2を通過した体液が凹部24によりおむつの平面方向に拡がることで、体液の吸収性が良くムレやカブレが低減し易い。またサブレイヤー10は肌対向面側層21及び非肌対向面側層22に跨る横断繊維2fを有しているので、体液が、横断繊維2fを介して、肌対向面側層21から非肌対向面側層22に移行し易く、体液の吸収体4への液透過性が更に向上する。
本発明の吸収性物品は、上述の第1実施形態のおむつ1A、第2実施形態のおむつ1Bに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。また、上述の第1実施形態のおむつ1A,第2実施形態のおむつ1Bにおける各構成要件は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、適宜組み合わせて実施できる。
例えば、本発明の吸収性物品は、展開型の使い捨ておむつ、以外のパンツ型使い捨ておむつであってもよいし、生理用ナプキン、ライナー等であってもよい。本発明の吸収性物品が使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは、幼児又は成人用の使い捨ておむつであってもよい。またサイドフラップ部が別部材のパネル型のおむつでもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
[実施例1]
図6に示す製造装置20を用いて、以下の表1に示す条件で、図3に示す表面シートを製造した。表面シートの肌対向面側層は、第1線状圧着部24a及び第2線状圧着部24bにより格子状(キルト柄)に賦形されており、エンボス化率は、14%であった。また、第1線状圧着部24aと第2線状圧着部24bとは30°の角度をなして交差しており、第1線状圧着部24a及び第2線状圧着部24bそれぞれの間隔は、6.8mmであり、それぞれの幅は、0.5mmであった。
ウエブ21a,22aの原料繊維としては、芯成分がPETであり鞘成分がPEである熱伸張性複合繊維を用い、該繊維は、その繊度が4.2dtexであり、その繊維長が41mmであり、その繊維径が22μmのものであった。
[実施例2]
図6に示す製造装置20において、起毛加工部50の起毛ロール501を除いた装置を用いて、以下の表1に示す条件で、図3に示す表面シートを製造した。起毛加工部50を除いた装置を用いる以外は、実施例1と同じ条件で、図3に示す表面シートを製造した。
ウエブ21a,22aの原料繊維は、実施例1と同じ繊維であった。
[実施例3]
図6に示す製造装置20において、起毛加工部50の起毛ロール501を除いた装置を用いて、以下の表1に示す条件で、図3に示す表面シートを製造した。起毛加工部50を除いた装置を用いる以外は、実施例1と同じ条件で、図3に示す表面シートを製造した。
ウエブ21a,22aの原料繊維としては、芯成分がPETであり鞘成分がPEであるが、非熱伸張性の繊維を用いた。非熱伸張性の繊維は、その繊度が3.3dtexであり、その繊維長が51mmであり、その繊維径が19μmのものであった。
[実施例4]
図6に示す製造装置20において、起毛加工部50の起毛ロール501を除いた装置を用いて、以下の表1に示す条件で、図3に示す表面シートを製造した。起毛加工部50を除いた装置を用いる以外は、実施例1と同じ条件で、図3に示す表面シートを製造した。
ウエブ21aの原料繊維としては、芯成分がPETであり鞘成分がPEである熱伸張性複合繊維を用い、該繊維は、その繊度が4.2dtexであり、その繊維長が41mmであり、その繊維径が22μmのものであった。
ウエブ22aの原料繊維としては、芯成分がPETであり鞘成分がPEであるが、非熱伸張性の繊維を用いた。非熱伸張性の繊維は、その繊度が3.3dtexであり、その繊維長が51mmであり、その繊維径が19μmのものであった。
[比較例1]
図6に示す製造装置20において、起毛加工部50の起毛ロール501を除いた装置であって、更に、ウエブ21aにエンボスを施す一対のエンボスロール401及びフラットロール402の位置をウエブ21aとウエブ22aとを重ね合わせた後で且つ熱風吹き付け部70の前に移動した装置を用いて、以下の表1に示す条件で、表面シートを製造した。前記装置を用いる以外は、実施例1と同じ条件で、ウエブ21a及びウエブ22aを製造し、ウエブ21aをウエブ22a重ね合わせた後、一対のエンボスロール401及びフラットロール402によりエンボス加工を行い、その後熱風吹き付け部70で熱風を吹き付け、表面シートを製造した。
ウエブ21a,22aの原料繊維としては、芯成分がPETであり鞘成分がPEであるが、非熱伸張性の繊維を用いた。非熱伸張性の繊維は、その繊度が3.3dtexであり、その繊維長が51mmであり、その繊維径が19μmのものであった。
尚、比較例1の表面シートにおいては、肌対向面から非肌対向面までエンボス加工が施され、肌対向面層と非肌対向面層の区別はない。肌対抗面と非肌対抗面それぞれに凹凸形状が有り、肌対向面の凹凸の方が非肌対向面の凹凸よりも大きく形成されていた。下記の表1中の凸部23における肌対向面側繊維21f同士の繊維間隔の欄には凸部の肌表面側部の繊維間隔を記載し、非肌対向面側繊維22f同士の繊維間隔の欄には凸部の非肌表面側部の繊維間隔を記した。
[比較例2]
図6に示す製造装置20において、起毛加工部50の起毛ロール501を除いた装置を用いて、以下の表1に示す条件で、表面シートを製造した。前記装置を用いる以外は、実施例1と同じ条件で、表面シートを製造した。比較例2においては、表面シートとして使用する際に、肌当接面層と非肌当接面層が実施例1とは逆となるように用いた。すなわち、表面シートの肌対向面側層として、第1線状圧着部24a及び第2線状圧着部24bにより格子状(キルト柄)に賦形されていない層を用い、該層を肌当接面層とした。
ウエブ21a,22aの原料繊維としては、芯成分がPETであり鞘成分がPEである熱伸張性の繊維を用いた。熱伸張性の繊維は、その繊度が4.2dtexであり、その繊維長が41mmであり、その繊維径が22μmのものであった。
〔評価〕
実施例1〜4、比較例1〜2で製造された表面シートについて、以下の評価を行った。それらの結果を表1に示す。
〔界面の状態の確認、繊維間隔、横断繊維の存在〕
実施例1〜4、比較例1〜2で製造された表面シートについて、肌対向面側層と非肌対向面側層との界面において、肌対向面側繊維と非肌対向面側繊維とが熱融着しているか否かを上述の方法で確認した。また、実施例1〜4、比較例1〜2で製造された表面シートの繊維間隔について、上述の方法で確認した。また、実施例1〜4、比較例1〜2で製造された表面シートについて、肌対向面側層と非肌対向面側層とに跨る横断繊維の存在について、上述の方法で確認し、更に横断繊維が存在している場合には、横断繊維が、肌対向面側層内の肌対向面側繊維及び非肌対向面側層内の非肌対向面側繊維それぞれと熱融着しているか否かを上述の方法で確認した。
〔透液性の評価〕
実施例1〜4、比較例1〜2の表面シートについて、透液性を以下の方法で評価した。
市販の生理用ナプキン(花王株式会社製、商品名「ロリエ(登録商標)さらさらクッション ウィング付き」)から、表面シートを取り除いてナプキン吸収体を得る。これとは別に、測定対象の不織布(実施例1〜4、比較例1〜2の表面シート)をMD50mm×CD50mmに切断し、切断片を作製する。この切断片を、前記のナプキン吸収体における前記表面シートが存していた箇所(ナプキン吸収体の肌当接面上)に、非肌対向面側層が該ナプキン吸収体と対向するように接着剤で接合固定した。これによって、測定対象の不織布を表面シートとして用いた生理用ナプキンを得た。次に、得られた生理用ナプキンの表面上に、直径10mmの円筒状の透過孔を有するアクリル板を重ねて、該ナプキンに1.1g/cm2100Paの一定荷重を掛ける。斯かる荷重下において、該アクリル板の透過孔から脱繊維馬血6.0gを一度に流し込む。前記馬血を流し込んでから60秒後にアクリル板を取り除く。次いで、該不織布の重量(W2)を測定し、予め測定しておいた、馬血を流し込む前の不織布の重量(W1)との差(W2−W1=液残量)を算出する。以上の操作を3回行った平均値は、装着者の肌がどの程度濡れるのかの指標となるものであり、少ないほど高評価となる。
算出された液残量が50mg以下である場合に◎とし、液残量100mg未満である場合に○とし、液残量100mg以上である場合に×として表1に示した。
Figure 0005989988
表1に示す結果から明らかなように、肌対向面側層と非肌対向面側層とに跨る横断繊維が存在する実施例1〜3の表面シートは、透液性が高いので、実施例1〜3の表面シートを、例えば使い捨ておむつ等の吸収性物品に使用すれば、体液の吸収体への液透過性が更に向上すると共に、ムレやカブレが生じ難くなることが期待できる。
1A,1B 使い捨ておむつ
1s 側部
2 表面シート
21 肌対向面側層
21f 肌対向面側繊維
20a 肌対向面側層となるウエブ
22 非肌対向面側層
22f 非肌対向面側繊維
22a 非肌対向面側層となるウエブ
2f 横断繊維
23 凸部
24 凹部
24a 第1線状圧着部
24b 第2線状圧着部
3 裏面シート
4 吸収体
5 立体ギャザー
51 弾性部材
52 立体ギャザー形成用シート
6 レッグギャザー
61 弾性部材
7 吸収性本体
8 ファスニングテープ
9 ターゲットシート
10 サブレイヤーシート
11 サイドフラップ部
12 レッグフラップ部
20 製造装置
30 ウエブ製造部
301,303 カード機
302,304 ウエブ搬送ベルト
40 エンボス加工部
401 エンボスロール
402 フラットロール
50 起毛加工部
501 起毛ロール
511 凸部
502 ウエブ搬送ベルト
60 重ね合わせ部
601 ロール
70 熱風吹き付け部
701 フード
702 コンベアベルト
A 背側部、B 腹側部、C 股下部

Claims (5)

  1. 表面シートと、裏面シートと、これらシート間に配された縦長の吸収体とを備えた吸収性物品であって、
    前記吸収体よりも肌対向面側に位置する上層シートは、肌対向面側に、多数の凹部と、凸部とを有する凹凸形状の肌対向面側層、及びエンボスの施されていない非肌対向面側層を備え、該肌対向面側層を構成する肌対向面側繊維、該非肌対向面側層を構成する非肌対向面側繊維、及び該肌対向面側層及び該非肌対向面側層に跨る横断繊維を有しており、
    前記肌対向面側層は坪量が一定であり、前記凹部の繊維密度が前記凸部の繊維密度よりも高く、
    前記肌対向面側層と前記非肌対向面側層との界面においては、前記肌対向面側繊維と前記非肌対向面側繊維とが互いに熱融着しており、前記横断繊維が、該肌対向面側層内の該肌対向面側繊維及び該非肌対向面側層内の該非肌対向面側繊維それぞれと熱融着している吸収性物品。
  2. 前記横断繊維は、加熱によってその長さが伸びる熱伸長性繊維である請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記肌対向面側層となるウエブ及び前記非肌対向面側層となるウエブの構成繊維が、熱伸長性繊維である請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品の製造方法であって、
    前記肌対向面側層となる肌対向面側ウエブ及び前記非肌対向面側層となる非肌対向面側ウエブを別工程で製造し、製造した肌対向面側ウエブの肌対向面側にエンボス加工を施して多数の凸部及び凹部を形成し、該肌対向面側ウエブ及び該非肌対向面側ウエブを重ね合わせた後、熱風を吹き付けて前記上層シートを製造する工程を具備する吸収性物品の製造方法。
  5. 多数の凸部及び凹部が形成された前記肌対向面側ウエブ及び前記非肌対向面側ウエブを重ねる前又は重ねる際に、該肌対向面側ウエブの該非肌対向面側ウエブとの対向面及び/又は該非肌対向面側ウエブの該肌対向面側ウエブとの対向面に起毛加工を施し、その後、前記肌対向面側ウエブの肌対向面側から又は前記非肌対向面側ウエブの非肌対向面側から熱風を吹き付けて前記上層シートを製造する請求項4に記載の吸収性物品の製造方法。
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