JP3464587B2 - 体液吸収性物品 - Google Patents

体液吸収性物品

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JP3464587B2
JP3464587B2 JP06179497A JP6179497A JP3464587B2 JP 3464587 B2 JP3464587 B2 JP 3464587B2 JP 06179497 A JP06179497 A JP 06179497A JP 6179497 A JP6179497 A JP 6179497A JP 3464587 B2 JP3464587 B2 JP 3464587B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明が属する分野】この発明は、体液吸収性物品に関
し、特に、使い捨てであって、女性の経血を吸収保持す
るナプキン又はパッド、失禁パッド、ベッドパッド、外
科手術用シート、おむつなどに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、生理用ナプキン、使い捨ておむつ
などの体液吸収性物品は、一般に、透液性トップシート
と、不透液性バックシートと、これらの間に配置された
吸液性コアとから構成されている。前記トップシートと
しては、導液のための多数の開口又は毛細管を有する不
織繊維シートや合成樹脂フィルム、同様な開口又は毛細
管を有し合成樹脂フィルムとその表面に一体に位置する
不織繊維シートとのラミネートシートが、特公昭５７−
１７０８１、特開平２−１９３６６３、特開平６−７８
９４９等において開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記公知のトップシー
トには一長一短がある。例えば、次のような問題があ
る。すなわち、不織繊維シートを素材とするトップシー
トにおいては、体液が滞留して着用者に不快感を与えた
り、逆に、繊維配向によっては、体液が繊維の毛細管作
用でシート面に沿って拡散して漏れの原因となったりす
る。合成樹脂シートを素材とするトップシートにおいて
は、合成樹脂特有の光沢、ぬめり感、冷気感（ひんやり
感）があり、肌に密着しすぎて肌とトップシートとの間
に通気性を与える間隙が生じない。合成樹脂フィルムと
その表面に一体に位置する不織繊維シートとのラミネー
トシートを素材とするトップシートにおいては、剛性に
なる傾向があるうえ、コスト高になる。
【０００４】 この発明の課題は、前記問題を可及的に
解決するとともに、体液を迅速に物品内へ導入すること
が可能である吸収性物品を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この発明に係る体液吸収
性物品は、肌当接面と、これに対向する肌非当接面と、
それらの面の間に貫通しそれらの面に沿う方向へ離間し
て配列する多数の導液孔とを有するトップシートを含む
体液吸収性物品の改良に関する。
【０００６】 改良に係るこの発明の基本的構成態様
は、前記トップシートが、シート基材と、該シート基材
の上面に一体的に位置して前記肌当接面を形成するフロ
ック加工層とから構成されていることを特徴としてい
る。
【０００７】 改良に係るこの発明のもう一つの基本的
構成態様は、前記トップシートの前記肌非当接面に配置
された液吸収拡散性シートを含み、該液吸収拡散性シー
トが、親水性を有する第２の不織繊維シート基材と、該
第２の不織繊維シート基材の、前記トップシートの前記
肌非当接面側における上面に一体的に位置していて親水
性を有する第２のフロック加工層とから構成されている
ことを特徴としている。
【０００８】
【実施の形態】生理用ナプキンを例として、この発明に
係る体液吸収性物品の実施形態を説明すると、以下のと
おりである。
【０００９】 図１は、生理用ナプキンの肌当接面にお
ける斜視図である。ナプキンは、透液性トップシート１
と、不透液性バックシート２と、これらシートの間に介
在する吸液性コア３とから構成されている。トップシー
ト１は、バックシート２及びコア３の全体を被覆し、ナ
プキンの長さ方向両端部において接合され、ナプキンの
形態を保持している。
【００１０】 図２は、トップシートの拡大模式断面図
である。トップシート１は、肌当接面４と、これに対向
する肌非当接面５と、多数の導液孔６とを有する。さら
に具体的には、トップシート１は、シート基材７と、フ
ロック加工層８とから構成されており、シート基材７
は、その表裏面９，１０の間を貫通しそれらの面に沿う
方向へ所与距離で離間して配列する多数の導液孔６を有
し、フロック加工層８は、シート基材７の表面９に塗工
された接着剤層１１を介し一体的に位置して肌当接面４
を形成している。
【００１１】 シート基材７は、熱溶融性合成樹脂フィ
ルムから構成されている。この合成樹脂フィルムとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの低密度ポリオ
レフィン系フィルムがコスト面などから好ましいが、ポ
リエステル系、ポリアミド系、ＥＶＡ系、ナイロン系な
どのフィルムも用いられる。このフィルムの厚さは、一
般的には７〜３０μである。
【００１２】 シート基材７は、前記合成樹脂フィルム
に替えて、熱可塑性合成繊維から構成される不織繊維シ
ートも用いられる。この不織繊維シートとしては、前記
合成樹脂を素材とする繊維などから構成される、メルト
ブローン、スパンレース、ニードルパンチ、サマールボ
ンド、、スパンボンド、ケミカルボンドの不織布が挙げ
られる。この不織繊維シートは、一般的には、目付１０
〜３５ｇ／ｍ２、密度０．１５〜１．２５ｇ／ｃｍ３、
繊度０．３〜１０ｄを有している。また前記繊維として
は、低融点樹脂成分と高融点樹脂成分との芯鞘型又はサ
イド−バイ−サイド型のコンジュゲート繊維も用いられ
る。
【００１３】 前記合成樹脂フィルム及び不織繊維シー
トは、体液を迅速に伝導させるうえでは、親水性を有す
ることが好ましい。このために、前記合成樹脂フィルム
及び不織繊維シートの素材である合成樹脂が公知の親水
性付与剤を含有するか、該フィルム又は該シート若しく
は該繊維の表面に該親水性付与剤が塗布されていること
が好ましい。この親水性付与剤としては、活性剤として
公知のポリエチレングリコールなどのほか、ＣＭＣ、Ｐ
ＶＡなどの樹脂も用いられる。
【００１４】 導液孔６は、図示のように、裏面１０か
ら延出する先細毛細管１２に形成されていることが好ま
しい。毛細管１２は、体液を毛細管作用で前記コア３へ
迅速に導入するうえで、基部の開口径寸法が０．１５〜
６ｍｍ、先端の開口径寸法が０．１〜２．５ｍｍ、１ｃ
ｍ２当たりの個数が５〜１５０個であり、かつ、体液の
導入の妨げになる屈曲などの変形を可及的に防止するう
えで、その高さが０．０５〜１．５ｍｍであることが好
ましい。
【００１５】 フロック加工層８は、フロック（パイ
ル）である多数の疎水性短繊維１３から構成されてい
る。短繊維１３は、接着剤層１１を介しシート基材７の
表面９に対してほぼ垂直に植えられている。短繊維１３
は、一般的には、繊維長０．３〜１．５ｍｍ、繊度０．
３〜２ｄ、坪量８〜１５ｇ／ｍ２である。短繊維１３
は、図５（Ａ），（Ｂ）に示すように、先端部が屈曲し
ていてもよく、こうした形状は、例えば、短繊維１３の
先端に加熱体を押し当てることで付与することが可能で
ある。また、図示してないが、短繊維１３に替えて、ビ
ーズが用いられることもある。
【００１６】 図３は、トップシートの一部における別
の実施形態を示す拡大模式断面図である。この実施形態
においては、フロック加工層８は、シート基材７の上面
９、すなわち、導液孔６の上面開口１４を画成するリブ
の表面に加えて、導液孔６、すなわち、毛細管１２の内
側面１５にも形成されている。ただし、内側面１５にお
ける短繊維（フロック、パイル）１３ａは、親水性を有
し、毛細管１２の先端１６側へ倒れて傾斜している。短
繊維１３ａの親水性は、前記親水性付与剤としての活性
剤と同様なものによって付与されている。
【００１７】 図４は、トップシート及び液吸収拡散性
シートの一部における拡大模式断面図である。この実施
形態においては、トップシート１の毛細管１２の先端１
６に密接する状態で、液吸収拡散性シート１７が配置さ
れている。液吸収拡散性シート１７は、親水性を有する
不織繊維シート基材１８と、その上面に一体的に位置し
ていて親水性を有するフロック加工層１９とから構成さ
れている。この不織繊維シート基材１８としては、前記
シート基材７の素材としての前記不織繊維シートとほぼ
同様な熱可塑性繊維及びシート形態を有するものが用い
られる。フロック加工層１９は、接着剤層２０を介し不
織繊維シート基材１８の上面に対してほぼ垂直に植設さ
れる親水性短繊維（フロック、パイル）２１が、繊維長
寸法において、前記短繊維１３よりも大きい点を除い
て、前記フロック加工層８と同じ構成を有している。た
だし、この不織繊維シート基材１８は、前記コア３に体
液を広範囲にわたって供給する機能を付与するうえで
は、親水性の程度において、前記シート基材７の素材と
しての前記不織繊維シートよりもかなり高いことが好ま
しい。
【００１８】 図示してないが、トップシート１と液吸
収拡散性シート１７とは、それらシート面に沿う方向へ
加熱下のピンエンボス処理で間欠的に融着し一体化して
いることが好ましい。
【００１９】 フロック加工層８，１９は、静電フロ
ック加工法などの公知のフロック加工法及び装置を利用
して実施することができる。この発明のフロック加工工
程においては、接着剤層１１，２０のための接着剤とし
ては、例えば、紫外線処理で容易に乾燥硬化させること
が可能なシリコン系かつ紫外線硬化系の樹脂が用いられ
る。
【００２０】 導液孔６を有するシート基材７を得るた
めの方法としては、公知の法、例えば、既述の従来技術
に開示されている方法が挙げられる。なお、図２に示す
実施形態に係るトップシート１を得るには、例えば、シ
ート基材７に導液孔６を形成した後に、フロック加工層
８を形成すればよい。また図３に示す実施形態に係るト
ップシート１を得るには、例えば、シート基材７にフロ
ック加工層８を形成した後に、これを、先端が尖った角
錐形の雄歯が配列するロールと、これと噛み合うように
雌歯が配列するロールとの間に通過させることにより、
導液孔６を形成し、導液孔６の内側面における繊維１３
ａを該雄歯の作用方向へ倒し、かつ、同時に、該雄歯に
予め塗布した公知の親水性付与剤を毛細管１２の内側面
における繊維１３ａに転写すればよい。
【００２１】
【発明の効果】この発明に係る吸収性物品によれば、ト
ップシートの肌当接面にはフロック加工層が位置してい
るから、外観、感触、及びその肌当接面と着用者の肌と
の間における通気性に優れるうえに、フロック（パイ
ル）が肌当接面に対してほぼ垂直に植えられているか
ら、肌当接面に排泄された体液は妄りに肌当接面に沿っ
て拡散して、物品の外周縁から漏れることがない一方、
導液孔が親水性である場合には、これにおける体液はも
とより、肌当接面における体液が、導液孔へ迅速かつ強
力に誘導され、物品内へ吸収される。
【００２２】 導液孔内のフロック（パイル）がその先
端側へ倒れている場合には、前記体液の誘導が促進され
る。もとより、導液孔が毛細管になっている場合には、
前記体液の誘導がより一層促進される。
【００２３】 前記トップシートに加え、その下面に液
吸収拡散性シートが配置されている場合には、前記体液
が一層迅速に物品内へ吸収される。
【００２４】 前記トップシートと液吸収拡散性シート
とが一体化されている場合には、導液孔である毛細管の
変形が防護され、その変形による体液の導入に支障を来
すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に係る物品の一例としての生理用ナプ
キンの肌当接面における斜視図。
【図２】前記物品のトップシートの一部における拡大模
式断面図。
【図３】前記トップシートの一部における別の実施形態
を示す拡大模式断面図。
【図４】前記トップシート及び液吸収拡散性シートの一
部における拡大模式断面図。
【図５】フロック加工層における短繊維（フロック、パ
イル）の先端部が屈曲する例を示す模式側面図。
【符号の説明】
１ トップシート ４ 肌当接面 ５ 肌非当接面 ６ 導液孔 ７ シート基材 ８ フロック加工層 １２ 毛細管 １３，１３ａ 短繊維（フロック、パイル） １７ 液吸収拡散性シート １８ 不織繊維シート １９ フロック加工層 ２１ 短繊維（フロック、パイル）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−193663（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−1340（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−166151（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−293137（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61F 13/15 - 13/84

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 肌当接面と、これに対向する肌非当接面
    と、それらの面の間に貫通しそれらの面に沿う方向へ離
    間して配列する多数の導液孔とを有するトップシートを
    含む体液吸収性物品において、 前記トップシートが、シート基材と、該シート基材の上
    面に一体的に位置して前記肌当接面を形成するフロック
    加工層とから構成されていることを特徴とする前記吸収
    性物品。
  2. 【請求項２】 前記シート基材が、熱可塑性合成樹脂フ
    ィルムである請求項１に記載の吸収性物品。
  3. 【請求項３】 前記シート基材が、熱可塑性合成繊維を
    含む不織繊維シートである請求項１に記載の吸収性物
    品。
  4. 【請求項４】 前記熱可塑性合成樹脂フィルムが、親水
    性を有する請求項２に記載の吸収性物品。
  5. 【請求項５】 前記熱可塑性合成繊維が、親水性を有す
    る請求項３に記載の吸収性物品。
  6. 【請求項６】 前記フロック加工層が、疎水性短繊維を
    含む請求項１に記載の吸収性物品。
  7. 【請求項７】 前記疎水性短繊維が、繊維長０．３〜
    １．５ｍｍ、繊度０．３〜２ｄ、坪量８〜１５ｇ／ｍ２
    である請求項６に記載の吸収性物品。
  8. 【請求項８】 前記導液孔が、前記肌非当接面から延出
    する毛細管を形成している請求項１に記載の吸収性物
    品。
  9. 【請求項９】 前記フロック加工層が、前記毛細管の内
    側面にも形成されている請求項１に記載の吸収性物品。
  10. 【請求項１０】 前記毛細管の内側面におけるフロック
    加工層を形成する短繊維が、親水性を有する請求項９に
    記載の吸収性物品。
  11. 【請求項１１】 前記毛細管の内側面におけるフロック
    加工層を形成する短繊維が、前記導液管の先端側へ倒れ
    ている請求項９又は１０に記載の吸収性物品。
  12. 【請求項１２】 請求項１又は９に記載の体液吸収性物
    品であって、 前記トップシートの前記肌非当接面に配置された液吸収
    拡散性シートを含み、該液吸収拡散性シートが、親水性
    を有する第２の不織繊維シート基材と、該第２の不織繊
    維シート基材の、前記トップシートの前記肌非当接面側
    における上面に一体的に位置していて親水性を有する第
    ２のフロック加工層とから構成されている前記吸収性物
    品。
  13. 【請求項１３】 前記第２のフロック加工層を形成する
    短繊維の繊維長の寸法が、前記トップシートの前記フロ
    ック加工層を形成する短繊維のそれよりも大きい請求項
    １２に記載の吸収性物品。
  14. 【請求項１４】 前記第２の不織繊維シート基材が、熱
    可塑性繊維を含む請求項１２に記載の吸収性物品。
  15. 【請求項１５】 前記第２のフロック加工層を形成する
    短繊維が、親水性を有する熱可塑性合成繊維である請求
    項１２に記載の吸収性物品。
  16. 【請求項１６】 前記導液孔が、前記肌非当接面から延
    出する毛細管を形成している請求項１２に記載の吸収性
    物品。
  17. 【請求項１７】 前記トップシートと前記液吸収拡散性
    シートとが、それらシート面に沿う方向へ間欠的に融着
    し一体化している請求項１４又は１５に記載の吸収性物
    品。
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