以下、この発明の加熱調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の加熱調理器の扉閉鎖時の概略正面図を示し、図2は上記加熱調理器の扉開放時の概略正面図を示している。
この第1実施形態の加熱調理器は、図1,図2に示すように、直方体形状の本体ケーシング1と、この本体ケーシング1内に設けられ、前側に開口2aを有する加熱庫2と、加熱庫2の開口2aを開閉する扉3とを備えている。
上記本体ケーシング1の上側かつ後側に、吹出口5aを有する排気ダクト5を設けている。また、本体ケーシング1の前面の下部に露受容器6を着脱可能に取り付けている。この露受容器6は、扉3の下側に位置し、扉3の後面(加熱庫2側の表面)や本体ケーシング1の前板55からの水滴を受けることができるようになっている。また、本体ケーシング1の前面の下部には、給水タンク26も着脱可能に取り付けられている。
上記扉3は、本体ケーシング1の前面側に下側の辺を軸に回動可能に取り付けられている。この扉3の前面(加熱庫2とは反対側の表面)には、耐熱性を有する透明な外ガラス7が設けられている。また、扉3は、外ガラス7の上側に位置するハンドル8と、外ガラス7の右側に設けられた操作パネル9とを有している。
上記操作パネル9は、カラー液晶表示部10およびボタン群11を有している。このボタン群11は、途中で加熱を止めるときなどに押す取り消しキー12と、加熱を開始するときに押すあたためスタートキー13とを含んでいる。また、操作パネル9には、スマートフォンなどからの赤外線を受ける赤外線受光部14が設けられている。
上記加熱庫2内には被加熱物15が収容される。また、加熱庫2内への金属製の調理トレイ91,92(図3に示す)の出し入れが可能になっている。加熱庫2の左側部2b,右側部2cの内面には、調理トレイ91を支持する上棚受け16A,16Bが設けられている。また、加熱庫2の右側部2c,左側部2bの内面には、上棚受け16A,16Bよりも下側に位置するように、調理トレイ92を支持する下棚受け17A,17Bが設けられている。
図3は、上記加熱調理器の主要部の構成を説明するための模式図である。この図3では、加熱庫2を左側から見た状態が示されている。なお、図3において、図1,図2と同一の構成部には、同一参照番号を付している。
上記加熱調理器は、循環ダクト18と、循環ファン19と、上ヒータ20と、中ヒータ21と、下ヒータ22と、循環ダンパ23と、チューブポンプ25と、給水タンク26および蒸気発生装置70を備えている。この上ヒータ20、中ヒータ21および下ヒータ22は、それぞれ、例えばシーズヒータから成っている。なお、チューブポンプ25は、駆動方向によって給水動作と排水動作とを切り替え可能なポンプであればよい。
上記加熱庫2の上部2eは、水平方向に対して傾斜する傾斜部2fを介して加熱庫2の後部2dと連なっている。この傾斜部2fに、循環ファン19と対向するように複数の吸込口27を設けている(図2参照)。また、加熱庫2の上部2eに上吹出口28を複数設けている。また、加熱庫2の後部2dに、第1後吹出口29、第2後吹出口30および第3後吹出口31を、それぞれ、複数設けている(図2参照)。なお、図3では、複数の吸込口27のうちの1個だけを示している。また、図3では、第1後吹出口29、第2後吹出口30および第3後吹出口31は各1個だけを示している。
上記循環ダクト18は、吸込口27、上吹出口28および第1〜第3後吹出口29〜31を介して加熱庫2内と連通している。この循環ダクト18は、加熱庫2の上側から後側に亘って設けられて、逆L字形状を呈するように延在している。また、循環ダクト18の左右方向の幅は、加熱庫2の左右方向の幅より狭く設定されている。
上記循環ファン19は、遠心ファンであって、循環ファン用モータ56によって駆動される。この循環ファン用モータ56が循環ファン19を駆動すると、加熱庫2内の空気や飽和蒸気(以下、「空気など」と言う)は、複数の吸込口27から循環ダクト18内に吸い込まれ、循環ファン19の径方向外側に吹き出す。より詳しくは、循環ファン19の上側では、空気などは、循環ファン19から斜め上方に流れた後、後方から前方に向かって流れる。一方、循環ファン19の下側では、空気などは、循環ファン19から斜め下方に流れた後、上方から下方に向かって流れる。なお、上記空気などは熱媒体の一例である。
上記循環ダクト18内かつ循環ファン19の外側近傍に庫内温度センサ76(図15に示す)を配置している。この庫内温度センサ76により、加熱庫2内から吸込口27を介して吸い込まれた熱媒体の温度すなわち庫内温度を検出する。
上記上ヒータ20は、循環ダクト18内に配置され、加熱庫2の上部2eに対向している。この上ヒータ20は、上吹出口28へ流れる空気などを加熱する。
上記中ヒータ21は、環状に形成され、循環ファン19を取り囲んでいる。この中ヒータ21は、循環ファン19から上ヒータ20に向かう空気などを加熱したり、循環ファン19から下ヒータ22に向かう空気などを加熱したりする。
上記下ヒータ22は、循環ダクト18内に配置され、加熱庫2の後部2dに対向している。この下ヒータ22は、第2,第3後吹出口30,31へ流れる空気などを加熱する。
上記循環ダンパ23は、循環ダクト18内かつ中ヒータ21と下ヒータ22との間に回動可能に設けられている。この循環ダンパ23の回動は循環ダンパ用モータ59(図15に示す)によって行われる。
また、蒸気発生装置70は、上側開口を有する金属製の蒸気発生容器71と、その蒸気発生容器71の上側開口を覆う耐熱性樹脂(例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂)からなる蓋部72と、蒸気発生容器71の底部71aに鋳込まれたシーズヒータから成る蒸気発生用ヒータ73とを有する。この蒸気発生容器71の底部71a上には給水タンク26からの水が溜まり、熱源の一例としての蒸気発生用ヒータ73が蒸気発生容器71を介して上記水を加熱する。そして、蒸気発生用ヒータ73による加熱で発生した飽和蒸気は、樹脂製の蒸気チューブ35と金属製の蒸気管36とを流れて、複数の蒸気供給口37を介して加熱庫2内に供給される(図2参照)。なお、図3では、複数の蒸気供給口37のうちの1個だけを示している。
また、上記加熱庫2内の飽和蒸気は、循環ファン19により上ヒータ20、中ヒータ21および下ヒータ22に送られ、上ヒータ20、中ヒータ21および下ヒータ22で加熱することにより、100℃以上の過熱蒸気となる。
また、上記蓋部72には、一対の電極棒75a,75bから成る水位センサ75が取り付けられている。この電極棒75a,75bの間が導通状態になったか否かに基づいて、蒸気発生容器71の底部71a上の水位が所定水位になったか否かが判定される。
上記チューブポンプ25は、シリコンゴム等からなる弾性変形可能な給排水チューブ40をローラ(図示せず)でしごいて、そのローラの駆動方向によって、給水タンク26内の水を蒸気発生装置70に流したり、蒸気発生装置70内の水を給水タンク26に流したりする。
上記給水タンク26は、給水タンク本体41および連通管42を有する。この連通管42の一端部が給水タンク本体41内に位置する一方、連通管42の他端部が給水タンク26外に位置する。給水タンク26がタンクカバー43内に収容されると、連通管42の他端部がタンクジョイント部44を介して給排水チューブ40に接続される。すなわち、給水タンク本体41内が連通管42などを介して蒸気発生装置70内と連通する。
図4は上記加熱調理器の給気ユニット100を含む構成を説明するための模式図を示している。この図4でも、図3と同様に、加熱庫2を左側方から見た状態が示されている。なお、図4において、図3と同一の構成部には、同一参照番号を付している。
また、上記加熱庫2の傾斜部2fに、給気ダンパ51で開閉される複数の給気口50を設けている(図2参照)。この複数の給気口50と給気ファン54を給気通路101を介して接続している。また、給気通路101の給気口50近傍から分岐する第1冷却通路102に冷却ダンパ52を設けている。例えば、給気ファン54はシロッコファンからなる。
また、上記加熱庫2の上部2eに設けられた凹部110に赤外線センサユニット300を配置している。
上記給気ファン54は、循環ファン用モータ56(図3に示す)と赤外線センサユニット300を冷却するための冷却ファンを兼ねている。
図4の下側の円部分に赤外線センサユニット300の構成を示す模式図を示している。上記赤外線センサユニット300は、図4に示すように、加熱庫2の上部2eに設けられた凹部110に軸方向が前後方向かつ水平方向に取り付けられた筒状の保持部材301と、その保持部材301内に回転可能に支持された略円筒状の可動部材302と、保持部材301の前面側の一端に取り付けられ、可動部材302を駆動する赤外線センサ用モータ304とを有する。上記可動部材302は、サーモパイル型の赤外線センサ303を有する。また、赤外線センサ用モータ304には、ステッピングモータを用いている。
この実施形態では、赤外線センサ303は、縦8×横8の64領域の温度を検出するエリアセンサを用いているが、赤外線センサはこれに限らず、センサ部が直線状に並んだラインセンサでもよい。
この赤外線センサユニット300は、赤外線センサ用モータ304により略円筒状の可動部材302を回動させることにより、加熱庫2内に向かって赤外線センサ303の検出面303a(図11に示す)を向けると共に、赤外線センサ303の検出面303aに垂直な軸を、本体ケーシング1の左右方向かつ垂直平面に沿って所定の角度範囲(例えば20度)内で回動させる。このとき、加熱庫2の上部2eに設けられた凹部110に、センサ窓部120(図13に示す)を設けている。このセンサ窓部120を介して赤外線センサ303は、加熱庫2内の温度を検出する。
図4では、給気ダンパ51が開いた状態で給気ファン54からの空気が複数の給気口50を介して加熱庫2内に供給される。このとき、冷却ダンパ52により第1冷却通路102を閉じている。また、加熱庫2内の余剰な空気などが、自然に、自然排気口45から第4風通路204へ流れ出る。
次に、給気ダンパ51が閉じて複数の給気口50が閉鎖され、冷却ダンパ52により第1冷却通路102を開くと、給気ファン54からの空気の一部が、給気通路101と第1冷却通路102を介して循環ファン用モータ56(図3に示す)に供給される。これにより、循環ファン用モータ56が冷却される。
さらに、給気ダンパ51を閉じることにより、給気ダンパ51近傍に設けられた第2冷却通路103が開いて、給気ファン54からの空気の残りが天面側に配置された赤外線センサユニット300に供給される。これにより、赤外線センサ303が冷却される。
図5は本体ケーシング1(図1に示す)の上面と両側面を覆う上面板1aと裏面板(図示せず)を取り外した加熱調理器を後方かつ斜め上方から見た斜視図を示している。図5において、図1〜図7と同一の構成部には、同一参照番号を付している。
図5に示すように、加熱庫2の後側かつ左側(図5では右側)に給気ユニット100を設けている。この給気ユニット100は、下側に配置された給気ファン54と、その給気ファン54から上方に向かって延在する給気通路101と、給気通路101の上側から分岐して、加熱庫2の後側上部の中央に位置する循環ファン用モータ56に向かって延在する第1冷却通路102を有している。詳しくは、給気ユニット100は、給気ファン54から上方に逆L字形状を呈するように延在している。
また、加熱庫2の後側かつ右側(図5では左側)に排気ユニット200を設けている。この排気ユニット200は、排気ユニット用カバー220を含むハウジング210と、ハウジング210の下側に配置された排気ファン47とを有する。
上記排気ユニット200の上部の右側方(図5では左側)に排気ダンパ用モータ60を配置している。この排気ダンパ用モータ60により、排気ユニット200内の上部に設けられた排気ダンパ(図示せず)を開閉する。
上記加熱庫2の上部2eに、赤外線センサユニット300の領域に流れる冷却風が本体ケーシング1内の左側面に流れないように遮る仕切板111を前後方向に立設している。
また、図6A,図6Bは上記加熱調理器の赤外線センサユニット300の動作を説明するための模式図を示している。
図6A,図6Bは上段に載置された調理トレイ91上の被加熱物の温度を検出するときの赤外線センサユニット300の赤外線センサ303(図4に示す)による温度検出範囲を示している。なお、図6A,図6Bにおいて、加熱庫2の右側部2cの外側に、加熱庫2内を照らす庫内灯400を配置している。
図6Aに示す温度検出範囲は、正面視において調理トレイ91上の左側領域であり、図6Bに示す温度検出範囲は、正面視において調理トレイ91上の右側領域である。赤外線センサ用モータ304(図4に示す)により赤外線センサ303を有する円筒状の可動部材302(図4に示す)を回動させて、赤外線センサ303の検出面303a(図11に示す)を左右方向に振る。
なお、この実施形態では、赤外線センサ303の温度検出範囲は、図6Aに示す左側領域と図6Bに示す右側領域の2つの領域に分けられているが、3以上の複数の領域に分けてもよい。
図7は上記加熱調理器の赤外線センサユニット300を斜め上方から見た斜視図を示しており、図8は上記赤外線センサユニット300の分解斜視図を示している。
この赤外線センサユニット300は、図7,図8に示すように、半円筒部311aとその半円筒部311aの一端に連なるモータ取付部311bを有するベース311と、ベース311の略中央下側に取り付けられた耐熱性樹脂からなるパッキン310と、ベース311の半円筒部311aに回転可能に嵌合された第1可動筒部312と、第1可動筒部312に取り付けられた基板取付部材313と、基板取付部材313に取り付けられた基板314と、基板314に実装された赤外線センサ303と、赤外線センサ303を覆うように第1可動筒部312に取り付けられた第2可動筒部315と、上記第1可動筒部312,基板取付部材313,基板314,赤外線センサ303,第2可動筒部315を囲むように、ベース311の半円筒部311aに取り付けられた半円筒部316と、半円筒部316上に取り付けられた補強金具317とを有する。上記基板314に配線320が接続されている。
上記第1可動筒部312と基板取付部材313と基板314と赤外線センサ303と第2可動筒部315で可動部材302(図4に示す)を構成している。第1可動筒部312と第2可動筒部315は、耐熱性と疎水性を有するPPS(polyphenylene sulfide:ポリフェニレンサルファイド)からなる。
また、ベース311と半円筒部316で保持部材301(図4に示す)を構成している。ベース311と半円筒部316は、PPSからなる。
上記第1可動筒部312は、半円筒部312aと、半円筒部312aの一端に設けられた第1環状部312bと、半円筒部312aの他端に設けられた第2環状312cと、第2環状312cの軸方向外側に突出するボス312dを有する。
上記ベース311の半円筒部311aの軸方向の一端(モータ取付部311bと反対の側)に半円弧形状の案内溝部311cを設けている。このベース311の案内溝部311cによって、可動部材302の環状突部(図示せず)を案内することによって、保持部材301内における可動部材302の軸方向の移動を規制している。この可動部材302は、保持部材301内に回転可能に保持される。
そして、第1可動筒部312のボス312dに、赤外線センサ用モータ304の駆動軸304a(図12に示す)が連結されている。この赤外線センサ用モータ304により可動部材302を回転駆動する。
図8に示す可動部材302は、赤外線センサ303が外側を向いた状態であり、この状態から可動部材302が180度回転することにより、赤外線センサ303が下側すなわち加熱庫2側を向いた状態になる。
図9は上記赤外線センサユニット300の赤外線センサ303(図8に示す)が加熱庫2側を向いた状態の上面図を示し、図10は上記赤外線センサユニット300の赤外線センサ303が加熱庫2側を向いた状態の側面図を示している。図9,図10において、図8と同一の構成部には、同一参照番号を付している。
また、図11は上記赤外線センサユニット300の赤外線センサ303が加熱庫2側を向いた状態の下面図を示している。図11において、図8と同一の構成部には、同一参照番号を付している。図11に示すように、可動部材302の赤外線センサ303の検出面303aが、保持部材301を構成するベース311の半円筒部311aに設けられた窓部330を介して下方を向いている。
図12は図9のXII−XII線から見た縦断面図を示している。図12において、図8と同一の構成部には同一参照番号を付している。
図12に示すように、第1可動筒部312のボス312dに、赤外線センサ用モータ304の駆動軸304aが連結されている。また、赤外線センサ303の検出面303aは、窓部330とパッキン310を介して、下側の加熱庫2の天面の右側方に設けられたセンサ窓部120(図13に示す)側に露出している。上記センサ窓部120は、図5に示す加熱庫2の上部2eの凹部110に設けられている。
また、ベース311の半円筒部311aの窓部330の軸方向の一方(赤外線センサ用モータ304側)に、窓部330に隣接する穴340が設けられている。一方、半円筒部311aの窓部330の軸方向の他方に、窓部330に隣接する穴350設け、その外側に穴360が設けられている。
図13は図12のXIII−XIII線から見た縦断面図を示している。図13において、図8〜図12と同一の構成部には同一参照番号を付している。図13に示すように、赤外線センサ303の検出面303aは、窓部330とパッキン310を介して下側の加熱庫2の上部2eに設けられたセンサ窓部120側に露出している。
また、図14は上記赤外線センサユニット300の赤外線センサ303が外側を向いた状態の図12のXIII−XIII線から見た縦断面図を示している。図14において、図13と同一の構成部には同一参照番号を付している。
図15は上記加熱調理器の制御ブロック図を示している。
上記加熱調理器は、図15に示すように、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置80を備えている。この制御装置80には、上ヒータ20,中ヒータ21,下ヒータ22,蒸気発生用ヒータ73,循環ファン用モータ56,排気ファン用モータ57,給気ファン用モータ58,循環ダンパ用モータ59,排気ダンパ用モータ60,給気ダンパ用モータ61,冷却ダンパ用モータ62,操作パネル9,湿度センサ53,庫内温度センサ76,水位センサ75,チューブポンプ25,マグネトロン4,赤外線センサ303,赤外線センサ用モータ304などが接続されている。このマグネトロン4は、加熱庫2内の被加熱物を加熱するためのマイクロ波を発生するマイクロ波発生部の一例である。
上記赤外線センサ303は、検出面303a(図11〜図13に示す)と、センサ部303bと、そのセンサ部303bの基準点温度を検出する温度検出部303cとを有するサーモパイル型の赤外線センサである。この赤外線センサ303は、温度検出部303cにより検出されたセンサ部303bの基準点温度に基づいてセンサ部303bの出力を補償する。
上記制御装置80は、操作パネル9,湿度センサ53,庫内温度センサ76,水位センサ75,赤外線センサ303(センサ部303b, 温度検出部303c)などからの信号に基づいて、上ヒータ20,中ヒータ21,下ヒータ22,蒸気発生用ヒータ73,循環ファン用モータ56,排気ファン用モータ57,給気ファン用モータ58,循環ダンパ用モータ59,排気ダンパ用モータ60,給気ダンパ用モータ61,冷却ダンパ用モータ62,チューブポンプ25,マグネトロン4,赤外線センサ用モータ304などを制御する。
また、上記制御装置80は、赤外線センサ用モータ304を駆動するモータ制御部80aを有する。
上記構成の加熱調理器において、例えばマイクロ波を用いた加熱調理時にモータ制御部80aによって赤外線センサ用モータ304を制御して、赤外線センサユニット300の略円筒状の可動部材302を駆動して、赤外線センサ303の検出面303aの向きを変えることにより、加熱庫2内の広い範囲の温度を検出する(図6A,図6B参照)。このとき、上記モータ制御部80aは、赤外線センサ用モータ304の温度(この実施形態では赤外線センサ303に内蔵された温度検出部303cにより検出されたセンサ部303bの温度)が、赤外線センサ用モータ304の動作が保証される動作温度範囲を逸脱する場合に、加熱調理の運転制御のために行う赤外線センサ303による温度検出を止めて、湿度センサ53や庫内温度センサ76などを用いて加熱調理の制御を行うことが可能になる。
このように、上記加熱調理器によれば、赤外線センサ303を駆動する赤外線センサ用モータ304の温度に応じて最適なモータ制御ができる。
また、赤外線センサ用モータ304に高温でも動作が保証できような定格トルクの大きいモータを使用する必要がなく、低コスト化が図れる。
また、上記加熱調理器では、モータ制御部80aによって、赤外線センサ用モータ304の動作が保証される動作温度範囲を逸脱する場合に赤外線センサ用モータ304を停止することにより、赤外線センサ用モータ304が損傷したり赤外線センサ用モータ304の信頼性が低下したりするのを防ぐことが可能になる。
また、上記赤外線センサ303を駆動する赤外線センサ用モータ304は、構造を簡略化するために赤外線センサ303の近くに配置されるので、赤外線センサ303と赤外線センサ用モータ304は、同様の周囲環境すなわち温度が略同じになる。このため、赤外線センサ303に内蔵されたセンサ部303bの温度を検出する温度検出部303cを利用して、赤外線センサ用モータ304の温度に相当する温度を検出することができ、赤外線センサ用モータ304の温度を検出するセンサを新たに追加することがなく、構成を簡略化できる。
また、上記赤外線センサ用モータ304の温度が予め設定された上限温度(この実施形態では100℃)を超えたとき、モータ制御部80aにより赤外線センサ用モータ304を停止することによって、赤外線センサ用モータ304が損傷したり赤外線センサ用モータ304の信頼性が低下したりするのを防ぐことができる。
これにより、例えばマイクロ波を用いた加熱調理の開始時に、赤外線センサ用モータ304の温度が上限温度を超えているために、モータ制御部80aにより赤外線センサ用モータ304を停止しても、湿度センサ53,庫内温度センサ76などを用いて加熱調理を継続でき、利便性が向上する。
なお、モータ制御部80aにより赤外線センサ用モータ304を停止して、加熱調理を中止し、カラー液晶表示部10(図1に示す)により赤外線センサ異常のエラー表示などを行ってもよい。
この第1実施形態の加熱調理器では、赤外線センサ用モータ304にネオジウム系磁石を用いたモータを採用することで、100℃までトルク低下が抑制されて、モータを駆動することが可能になる。
また、例えば、赤外線センサ用モータ304に、80℃以上になるとトルクが低下するフェライト系磁石を用いた場合、80℃以上でモータを駆動しない構成にすることで、フェライト系磁石を用いた低コストのモータを使用することが可能になる。
〔第2実施形態〕
この発明の第2実施形態の加熱調理器は、制御装置80の動作を除いて第1実施形態の加熱調理器と同一の構成をしており、図1〜図12を援用する。
この第2実施形態の加熱調理器は、赤外線センサ用モータ304の温度(この実施形態では赤外線センサ303に内蔵された温度検出部303cにより検出されたセンサ部303bの温度)が予め設定された上限温度(この実施形態では100℃)を超えたとき、モータ制御部80aにより赤外線センサ用モータ304を通常よりも低速で駆動することによって、赤外線センサ用モータ304のトルク低下を防ぐことができる。この実施形態では、通常よりも低い所定の回転速度で赤外線センサ用モータ304を駆動する。
したがって、赤外線センサ用モータ304の温度が予め設定された上限温度を超えた状態でも、赤外線センサ303の検出面303aの向きを変えて、加熱庫2内の広い範囲の温度を検出しながら加熱調理の制御を行うことができる。
上記第2実施形態の加熱調理器は、第1実施形態の加熱調理器と同様の効果を有する。
なお、上記第2実施形態の加熱調理器において、赤外線センサ用モータ304の温度と通常時のトルクを得るための回転速度との相関関係を予め実験などにより求めて、その赤外線センサ用モータ304の温度と回転速度の相関関係を表すテーブルまたは数式に基づいて、赤外線センサ用モータ304の回転速度を段階的(または連続的)に決定してもよい。
〔第3実施形態〕
図16はこの発明の第3実施形態の加熱調理器の赤外線センサユニット1300の赤外線センサ303が加熱庫2側を向いた状態の縦断面図を示し、図17は赤外線センサ303が外側を向いた状態の縦断面図を示している。この第3実施形態の加熱調理器は、赤外線センサユニット1300および制御装置1080を除いて第1実施形態の加熱調理器と同一の構成をしており、図1〜図12を援用する。図16,図17において、図8と同一の構成部には同一参照番号を付している。
上記加熱調理器は、図16に示すように、ベース311と半円筒部316で構成された保持部材301(図4に示す)によって、赤外線センサ303を内蔵する略円筒状の可動部材302(図4に示す)を回動させることにより、加熱庫2(図4に示す)内に向かって赤外線センサ303の検出面303a(図11に示す)を向けている。
上記保持部材301の半円筒部316の内周面に、赤外線センサ303に対して加熱庫2と反対の側に、赤外線センサ303に対向する鏡面を有する部材371を設けている。また、半円筒部316の内周面に、鏡面を有する部材371に対して周方向両側に間隔をあけて黒色部材372,372を設けている。鏡面を有する部材371は、保持部材301の半円筒部316の内周面に金属メッキなどにより形成する。
上記赤外線センサユニット1300において、赤外線センサ用モータ304により赤外線センサ303を有する円筒状の可動部材302を回動させて、加熱庫2側を向いた状態から図17に示す外側を向いた状態にする。図17では、可動部材302を時計回りに回転させてもよいし、反時計回りに回転させてもよい。
このとき、赤外線センサ303の検出面303aは、黒色部材372からの赤外線を検出した後、鏡面を有する部材371からの赤外線を検出することになる。ここで、黒色部材372の赤外線放射率に対する鏡面を有する部材371の赤外線放射率は、1/2程度であるのが好ましい。
図18は上記加熱調理器の制御ブロック図を示している。この加熱調理器の制御装置1080は、図18に示すように、赤外線センサ用モータ304を駆動するモータ制御部1080aと、赤外線センサ用モータ304が正常動作しているか否かを判定するモータ動作判定部1080bを有する。
上記構成の加熱調理器において、赤外線放射率の異なる複数の部材(鏡面を有する部材371,黒色部材372)から放射された夫々の赤外線を検出するようにモータ制御部1080aにより赤外線センサ用モータ304を駆動して、そのときの赤外線センサ303の検出結果に基づいて、赤外線センサ用モータ304が正常動作しているか否かをモータ動作判定部1080bより判定する。
詳しくは、赤外線放射率が低い鏡面を有する部材371および赤外線放射率が高い黒色部材372に対して赤外線センサ303の検出面303aをそれぞれ向けて、鏡面を有する部材からの赤外線と黒色部材372からの赤外線を赤外線センサ303により検出し、検出された各赤外線のレベルの差が所定値よりも大きければ、赤外線センサ303の検出面303aの向きが正しく変わっており、赤外線センサ用モータ304が正常動作していると判定する。
従来のように、赤外線センサをモータによりスイングさせて、食品の表面温度を走査する加熱調理器では、赤外線センサを駆動するモータの動作不良を判定する手段がなく、モータが動作不良になってもそのまま調理が行われてしまうという問題があった。
これに対して、上記第3実施形態の加熱調理器によれば、赤外線センサ303の周囲の異なる位置に赤外線放射率の異なる複数の部材を配置するという簡単な構成で、赤外線センサ用モータ304が正常動作しているか否かを正確に判定することができる。
また、上記加熱調理器では、赤外線放射率の異なる複数の部材(鏡面を有する部材371,黒色部材372)を、温度が同じ同一の部材(保持部材301の半円筒部316)に設けることによって、赤外線のレベルの差が明確になり、より正確な判定ができる。
上記第3実施形態の加熱調理器は、第1実施形態の加熱調理器と同様の効果を有する。
上記第3実施形態では、保持部材301の半円筒部316の内周面に、鏡面を有する部材371と黒色部材372,372を設けたが、赤外線放射率の異なる複数の部材の配置はこれに限らず、例えば、保持部材301の外側の補強金具317に赤外線放射率の異なる複数の部材のうちの少なくとも1つを配置してもよい。この場合、保持部材301の外側に配置された上記部材からの赤外線を保持部材301に設けた開口を介して赤外線センサ303により検出する。
〔第4実施形態〕
図19A,図19Bはこの発明の第4実施形態の加熱調理器の赤外線センサユニット300の動作を説明するための模式図を示している。図19Aに示す温度検出範囲は、正面視において調理トレイ91上の左側領域であり、図19Bに示す温度検出範囲は、正面視において調理トレイ91上の右側領域である。
この第4実施形態の加熱調理器は、図19Aに示すように、第1実施形態の図6A,図6Bに示す加熱調理器と同様に、加熱庫2の上部2eかつ左側に設けられた凹部110(図4,図5に示す)に赤外線センサユニット300を配置している。また、加熱庫2の右側部2cの外側に、窓部(図示せず)を介して加熱庫2内を照らす庫内灯400を配置している。
また、図20は上記加熱調理器の制御ブロック図を示しており、この第4実施形態の加熱調理器の制御装置2080は、モータ制御部2080aとモータ動作判定部2080bを除いて第3実施形態の加熱調理器の制御装置1080と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
上記制御装置2080は、操作パネル9,湿度センサ53,庫内温度センサ76,水位センサ75,赤外線センサ303(センサ部303b,温度検出部303c)などからの信号に基づいて、上ヒータ20,中ヒータ21,下ヒータ22,蒸気発生用ヒータ73,循環ファン用モータ56,排気ファン用モータ57,給気ファン用モータ58,循環ダンパ用モータ59,排気ダンパ用モータ60,給気ダンパ用モータ61,冷却ダンパ用モータ62,チューブポンプ25,マグネトロン4,赤外線センサ用モータ304および庫内灯400などを制御する。
また、上記制御装置2080は、赤外線センサ用モータ304を駆動するモータ制御部2080aと、赤外線センサ用モータ304が正常動作しているか否かを判定するモータ動作判定部2080bを有する。
ここで、上記モータ制御部2080aによって、赤外線センサ用モータ304により赤外線センサ303を有する円筒状の可動部材302(図4に示す)を回動させて、赤外線センサ303の検出面303a(図11に示す)を左右方向に振る。これにより、庫内灯400から放射された赤外線を赤外線センサ303により検出する。
上記庫内灯400から放射された赤外線を検出するように赤外線センサ用モータ304を駆動したときの赤外線センサ303の検出結果に基づいて、赤外線センサ用モータ304が正常動作しているか否かをモータ動作判定部2080bより判定する。ここで、図19Aに示すように、赤外線センサ303の検出面303aを庫内灯400からの赤外線が入射しない方向に向ける一方、図19Bに示すように、赤外線センサ303の検出面303aを庫内灯400に向けて、それぞれの赤外線を検出し、検出された各赤外線のレベルの差が所定値よりも大きければ、赤外線センサ303の検出面303aの向きが正しく変わっており、赤外線センサ用モータ304が正常動作していると判定する。
従来のように、赤外線センサをモータによりスイングさせて、食品の表面温度を走査する加熱調理器では、赤外線センサを駆動するモータの動作不良を判定する手段がなく、モータが動作不良になってもそのまま調理が行われてしまうという問題があった。
これに対して、上記第4実施形態の加熱調理器によれば、制御装置2080によって、赤外線センサ303,赤外線センサ用モータ304などの機能が正常か否かを判断することができる。
上記第4実施形態の加熱調理器は、第1実施形態の加熱調理器と同様の効果を有する。
〔第5実施形態〕
図21A,図21Bはこの発明の第5実施形態の加熱調理器の赤外線センサユニット300の動作を説明するための模式図を示している。この第5実施形態の加熱調理器は、赤外線センサユニット300の位置を除いて第4実施形態の加熱調理器の制御装置1080と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
図21A,図21Bに示すように、加熱庫2の左側部2bの庫内灯400に対向する位置に赤外線センサユニット300を配置している。この赤外線センサユニット300により、加熱庫2内の下段に載置された調理トレイ91上の被加熱物の温度を検出する。
上記第5実施形態の加熱調理器では、第4実施形態の加熱調理器と同様に、モータ制御部2080a(図20に示す)によって、赤外線センサ用モータ304により赤外線センサ303を有する円筒状の可動部材302(図4に示す)を回動させて、赤外線センサ303の検出面303a(図11に示す)を左右方向に振る。これにより、庫内灯400から放射された赤外線を赤外線センサ303により検出する。
上記構成の加熱調理器において、庫内灯400から放射された赤外線を検出するように赤外線センサ用モータ304を駆動したときの赤外線センサ303の検出結果に基づいて、赤外線センサ用モータ304が正常動作しているか否かをモータ動作判定部2080b(図20に示す)により判定する。ここで、図21Aに示すように、赤外線センサ303の検出面303aを庫内灯400からの赤外線が入射しない方向に向ける一方、図21Bに示すように、赤外線センサ303の検出面303aを庫内灯400に向けて、それぞれの赤外線を検出し、検出された各赤外線のレベルの差が所定値よりも大きければ、赤外線センサ303の検出面303aの向きが正しく変わっており、赤外線センサ用モータ304が正常動作していると判定する。
上記加熱調理器によれば、制御装置2080(図20に示す)によって、赤外線センサ303,赤外線センサ用モータ304などの機能が正常か否かを判断することができる。
上記第5実施形態の加熱調理器は、第1実施形態の加熱調理器と同様の効果を有する。
上記第4,第5実施形態において、赤外線センサ303の検出面303aを庫内灯400側に向けたときに庫内灯400をオンオフさせて、庫内灯400からの赤外線の有無を確認してもよい。これによって、赤外線センサ用モータ304の動作をより正確に判定することができる。
また、上記第4,第5実施形態では、赤外線センサ303は、縦8×横8の64領域の温度を検出するエリアセンサを用いたが、単眼の赤外線センサを用いた加熱調理器にこの発明を適用してもよい。この場合、モータにより駆動された赤外線センサの検出面の向きが変わるのにしたがって、赤外線センサにより検出された赤外線のレベルが庫内灯の位置でピークになる。この赤外線のレベルのピークに至る変化に基づいて、赤外線センサを駆動するモータの動作を判定することができる。
上記第1〜第5実施形態では、赤外線センサ303に内蔵されたセンサ部303bの温度を検出する温度検出部303cを利用して、赤外線センサ用モータ304の温度に相当する温度を検出したが、これに限らず、赤外線センサを駆動するモータの温度を検出するセンサを別に設けてもよい。
また、第1〜第5実施形態では、赤外線センサ用モータ304の温度に応じてモータ制御を行ったが、赤外線センサを駆動するモータの周囲温度に基づいてモータを制御してもよい。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第5実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1〜第5実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
この発明の加熱調理器は、
加熱庫2と、
上記加熱庫2内に収容された被加熱物の温度を検出する赤外線センサ303と、
上記赤外線センサ303を駆動して上記赤外線センサ303の検出面の向きを変えるモータ304と、
上記モータ304の温度または周囲温度に基づいて上記モータ304を制御するモータ制御部80a,1080a,2080aと
を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、加熱調理時にモータ制御部80a,1080a,2080aによってモータ304を制御して、赤外線センサ303の検出面の向きを変えることにより、加熱庫2内の広い範囲の温度を検出する。このとき、上記モータ制御部80a,1080a,2080aは、モータ304の温度(または周囲温度)が、モータ304の動作が保証される動作温度範囲を逸脱する場合に、加熱調理の運転制御のために行う赤外線センサ303による温度検出を止めて、湿度センサや庫内温度センサなどによる他の手段を用いて加熱調理の制御を行うことが可能になる。このように、赤外線センサ303を駆動するモータ304の温度(または周囲温度)に応じて最適なモータ制御ができる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記赤外線センサ303は、センサ部303bと、そのセンサ部303bの温度を検出する温度検出部303cとを有し、
上記モータ制御部80a,1080a,2080aは、上記赤外線センサ303の上記温度検出部303cにより検出された上記センサ部303bの温度を上記モータ304の温度または周囲温度として、上記センサ部303bの温度に基づいて上記モータ304を制御する。
上記実施形態によれば、赤外線センサ303を駆動するモータ304は、構造を簡略化するために赤外線センサ303の近くに配置されるので、そのような場合、赤外線センサ303とモータ304は、同様の周囲環境すなわち温度が略同じになる。このため、赤外線センサ303に内蔵されたセンサ部303bの温度を検出する温度検出部303cを利用して、モータ304の温度(または周囲温度)に相当する温度を検出することができ、モータ304の温度(または周囲温度)を検出するセンサを新たに追加することがなく、構成を簡略化できる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記モータ制御部80a,1080a,2080aは、上記モータ304の温度または周囲温度が予め設定された上限温度を超えたとき、上記モータ304を停止する。
上記実施形態によれば、モータ304の温度(または周囲温度)が予め設定された上限温度を超えたとき、モータ制御部80a,1080a,2080aによりモータ304を停止することによって、モータ304が損傷したりモータ304の信頼性が低下したりするのを防ぐことができる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記モータ制御部80a,1080a,2080aは、上記モータ304の温度または周囲温度が予め設定された上限温度を超えたとき、上記モータ304を通常よりも低速で駆動するように上記モータ304を制御する。
上記実施形態によれば、通常よりも低速でトルクが低下しないモータを、赤外線センサ303を駆動するモータ304に用いることによって、モータ304の温度(または周囲温度)が予め設定された上限温度を超えたとき、モータ制御部80a,1080a,2080aによりモータ304を通常よりも低速で駆動することで、モータ304のトルク低下を防ぐことができる。したがって、モータ304の温度(または周囲温度)が予め設定された上限温度を超えた状態でも、赤外線センサ303の検出面の向きを変えて加熱庫2内の広い範囲の温度を検出しながら加熱調理の制御を行うことができる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記モータ304により駆動された上記赤外線センサ303の周囲の異なる位置に配置された赤外線放射率の異なる複数の部材371,372と、
上記赤外線放射率の異なる複数の部材371,372から放射された夫々の赤外線を上記赤外線センサ303が検出するように、上記モータ制御部1080aにより上記モータ304を駆動して、そのときの上記赤外線センサ303の検出結果に基づいて、上記モータ304が正常動作しているか否かを判定するモータ動作判定部1080bと
を備えた。
上記実施形態によれば、赤外線放射率の異なる複数の部材371,372から放射された夫々の赤外線を検出するようにモータ制御部1080aによりモータ304を駆動して、そのときの赤外線センサ303の検出結果に基づいて、モータ304が正常動作しているか否かをモータ動作判定部1080bにより判定する。例えば、赤外線放射率が低い鏡面の部材371および赤外線放射率が高い黒色の部材372に対して赤外線センサ303の検出面をそれぞれ向けて、鏡面の部材371からの赤外線と黒色の部材372からの赤外線を赤外線センサ303により検出し、検出された各赤外線のレベルの差が所定値よりも大きければ、赤外線センサ303の検出面の向きが正しく変わっており、モータ304が正常動作していると判定することが可能になる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱庫2内を照明する庫内灯400と、
上記モータ制御部2080aによって、上記庫内灯400から放射された赤外線を検出するように上記モータ304を駆動したときの上記赤外線センサ303の検出結果に基づいて、上記モータ304が正常動作しているか否かを判定するモータ動作判定部2080bと
を備えた。
上記実施形態によれば、庫内灯400から放射された赤外線を検出するようにモータ304を駆動したときの赤外線センサ303の検出結果に基づいて、モータ304が正常動作しているか否かをモータ動作判定部2080bにより判定する。例えば、赤外線センサ303の検出面を庫内灯400からの赤外線が入射しない方向に向ける一方、赤外線センサ303の検出面を庫内灯400に向けて、それぞれの赤外線を検出し、各赤外線のレベルの差が所定値よりも大きければ、赤外線センサ303の検出面の向きが正しく変わっており、モータ304が正常動作していると判定することが可能になる。