JP2017141458A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物を雨水や空気中の湿気から守り、かつ、建物の下地材側に溜まった水分を外部に逃がすことができ、更に、施工が容易な透湿性液状塗膜防水材の提供。【解決手段】(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有するポリオキシアルキレン系重合体、および、(B)オキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に含有するポリオキシアルキレン系可塑剤、を含有する硬化性組成物であって、(B)成分が末端にアミノ基を有しない、かつ、末端に、−OH基および/またはアルコキシ基を有するエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)を含有する可塑剤(B3)であること、または(B)成分が、一部または全ての末端にアミノ基を有し、かつ、末端に、−OH基および/またはアルコキシ基を有するポリオキシアルキレン(b5)を必須成分として含有する可塑剤(B4)である透湿性液状塗膜防水材。【選択図】なし

Description

本発明は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、「反応性ケイ素基」ともいう。)を有するポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組成物を用いてなる透湿性の良好な液状塗膜防水材に関する。
建物を雨水や空気中の湿気から守るため、昔から外壁下地や窓/ドア等の開口部へ防水シートを貼り合せる工法が一般的に行われている。
一般的な防水シートの場合、防水性と防湿性を併せ持つため、シートの下地材側に溜まった水分をシートを通して外部に逃がすことができない。このため、木材や鉄骨の腐食による建物の老朽化やカビ発生による室内空気の汚染によって住人の健康障害が発生したりし、問題となっている。
こうした問題を解決するため、防水性と透湿性を兼ね備えた防水シートが開発されている。透湿防水シートの代表的なものとしては、フラッシュ紡糸された不織布が挙げられる。フラッシュ紡糸された不織布としては、例えば、(特許文献1)に開示されており、また製造法としては(特許文献2)に開示されている。このようにして得られた不織布は適度な孔径を有しており、水を遮断し、空気や水蒸気は通す性質を有する。このような不織布としては、高密度ポリエチレンの3次元網目状繊維を熱圧着したタイベック(Tyvek:Du Pont社製 商標)が知られている。本透湿防水シートによって、外部からの水の進入を防ぎ、かつ内部に溜まった水分を水蒸気として外部へ放出することが可能となり、上記問題が解決されることとなる。
しかし、窓/ドア等の開口部周辺は平面でないため、該防水シートのみでは防水層を形成することが難しく、粘着剤付き防水テープで仕上げられることが多い。この場合、粘着剤層がゴム系やアスファルト系から成るため、テープ全体としては透湿性が低下し、一般防水シートと同様な問題が発生してしまう。
また、外壁下地においても、透湿防水シートの重ね合わせ部は釘や粘着テープが使用されるため、長期間の間に釘穴や粘着テープの隙間から水分が内部に浸入してしまうことがある。
こうした開口部周辺や外壁下地防水の問題を解決するため、透湿性を備えた液状塗膜防水材が開発されている(特許文献3)。この場合、防水材層が連続的に形成されるため、粘着剤付防水テープや釘等によって発生する隙間が格段に減少することとなる。これによって、上記建物老朽化や健康障害といった問題に加え、内部空気漏出低減に伴う省エネルギー化が可能となる。
しかしながら、(特許文献3)等に開示された液状塗膜防水材で使用されている組成物は、ラテックスポリマー(水系エマルジョン)を使用するものであり、低温時または高湿時には塗膜形成に長時間が必要になる為、冬季に施工し難いという問題があった。また、ラテックスポリマー系の塗膜は弾性に乏しいため、長期間の下地の歪に追従できず、ひび割れや破断等が発生したりし、防水性が低下するなどの問題があった。
一方、分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有する有機重合体は、室温においても湿分等による反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという性質を有することが知られている。
これらの反応性ケイ素基を有する有機重合体の中でも、主鎖骨格がポリオキシアルキレン系重合体は、(特許文献4)などに開示されており、既に工業的に生産され、シーリング材、接着剤などの用途に広く使用されている。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、比較的低粘度である為に、無溶剤または少量の溶剤添加で、十分な施工性を有する非水系の液状塗膜防水材を設計可能である。更に、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、低温時も実用的硬化性を得ることは可能であり、冬季に施工が可能となる。更に、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、硬化後に良好な弾性を示すゴム状体となるため、下地への十分な追従性が期待できる。
しかしながら、この重合体を含有するこれまでに公知の硬化性組成物を用いた液状塗膜防水材では、防水シートと同様な防水性は得られるものの、透湿性が十分なものはなく、このため上記課題が完全に解決されてはいないのが現状である。本発明では、この液状塗膜防水材の防水性を維持したまま、透湿性を向上させることを目的とする。
一方、本発明の目的を達成するためには、ポリオキシアルキレン系可塑剤の選択が効果的であったが、汎用的なポリオキシアルキレン系可塑剤の使用については、既にいくつかの使用例が認められている。ポリオキシアルキレン系可塑剤を用いた硬化性組成物に関する先行技術として、(特許文献5)にはポリオキシアルキレン系可塑剤添加により粘性が良好で沈降分離やスランプの全く起らない硬化性組成物が開示されており、(特許文献6)には硬化物表面へのアルキッド塗料による塗装性をポリオキシアルキレン系可塑剤使用により改善する技術が開示されており、(特許文献7)にはポリオキシアルキレン系可塑剤使用により保存安定性を改善する技術が開示されている。
特公昭42−19520号公報(米国特許第3169899号公報) 特公昭43−21112号公報(米国特許第3532589号公報) 米国公開特許2007/0042196号公報 特開昭55−9669号公報(米国特許第4507469号公報) 特公昭60-008024号公報 特許第2550123号公報(米国特許第4902575号公報) 特許第2835400号公報(米国特許第5051463号公報)
本発明は、水蒸気透過性に優れ、低温時施工が可能で、可塑剤の硬化物表面への移行が少なく、更に、貯蔵前後の粘度の変化が少ない硬化性組成物、および、該硬化性組成物を用いた液状塗膜防水材の提供を目的とする。
本発明者は、このような問題を解決するために鋭意検討した結果、この重合体の可塑剤として特定の構造または特定の添加量を有するポリオキシアルキレン系可塑剤(B)を用いることで、得られる硬化物の水蒸気透過性を顕著に改善し、上記課題を改善できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本願発明は、
(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有するポリオキシアルキレン系重合体、
(B)オキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に5重量%以上含有し、末端に、−OH基、一般式(7):
−OR
(式中、Rは、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される基、一般式(8):
−NR10
(式中、R10は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される基、から選択される1つ以上の基を有するポリオキシアルキレン系可塑剤、
を含有する硬化性組成物であって、
(1)(B)成分が末端に−NH基を有しないポリオキシアルキレン系可塑剤であって、かつ、全ての末端に−OH基を有するポリオキシアルキレン(b1)を必須成分として含有する分子量100〜4500の可塑剤(B1)であり、更に、硬化性組成物の全重量(W1)に対する、(A)成分と(B1)成分を足し合わせた重量(W2)の比(W2/W1)が、51〜80wt%であることを特徴とする硬化性組成物(I)、
(2)(B)成分が末端に−NH基を有しないポリオキシアルキレン系可塑剤であって、かつ、末端に、−OH基および一般式(7):
−OR
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基の両方を有するポリオキシアルキレン(b2)を必須成分として含有する可塑剤(B2)であることを特徴とする硬化性組成物(II)、
(3)(B)成分が末端に−NH基を有しないポリオキシアルキレン系可塑剤であって、かつ、末端に、−OH基および/または一般式(7):
−OR
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基を有する分子量100〜4500のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)を必須成分として含有する可塑剤(B3)であることを特徴とする硬化性組成物(III)、または、
(4)(B)成分が、一部または全ての末端に一般式(8):
−NR10
(式中、R10は前記に同じ。)で表される基を有しオキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に40重量%以上含有する分子量300〜10000のポリオキシアルキレン(b4)、および、末端に、−OH基および/または一般式(7):
−OR
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基を有するポリオキシアルキレン(b5)を必須成分として含有する可塑剤(B4)であることを特徴とする硬化性組成物(IV)に関する。
好ましくは、前記の硬化性組成物を硬化させてなる厚みが、0.005〜0.05inchである膜状の硬化物である。
より好ましくは、ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.4perm・inch以上である前記いずれかに記載の硬化物である。
より好ましくは、ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.6perm・inch以上である前記いずれかに記載の硬化物である。
より好ましくは、ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.8perm・inch以上である前記いずれかに記載の硬化物である。
本発明の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化物を用いる建物の透湿性塗膜防水方法が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化物を用いる建物の外壁下地の透湿性塗膜防水方法が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化物を用いる建物の開口部周辺の透湿性塗膜防水方法が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化物を用いる建物の屋根の透湿性塗膜防水方法が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化物を用いてなる建物用透湿性塗膜防水材が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化物を用いてなる建物の外壁下地用透湿性塗膜防水材が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化物を用いてなる建物の開口部周辺用透湿性塗膜防水材が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化物を用いてなる建物の屋根用透湿性塗膜防水材が挙げられる。
(A)成分のポリオキシアルキレン系重合体は、ポリオキシプロピレン系重合体であることが好ましい。
ポリオキシアルキレン(b2)は、分子量100〜4500であることが好ましい。
ポリオキシアルキレン(b2)は、分子量200〜450であることが好ましい。
ポリオキシアルキレン(b2)の主鎖は、ポリオキシプロピレンホモポリマー(b6)であることが好ましい。
(B2)成分のポリオキシアルキレン系可塑剤は、更に、末端に、−OH基および/または一般式(7):
−OR
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基を有する分子量100〜4500のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)を含有する可塑剤であることが好ましい。
(B2)成分に含まれるエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)は、末端に、−OH基および一般式(7):
−OR
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基の両方を有することが好ましい。
(B3)成分に含まれるエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)は、末端に、−OH基および一般式(7):
−OR
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基の両方を有することが好ましい。
(B3)成分は、更に、全ての末端に−OH基を有する分子量100〜4500のポリオキシプロピレンホモポリマー(b7)を必須成分として含有する可塑剤であることが好ましい。
(b4)成分の末端は、−NH基であることが好ましい。
(A)成分100重量部に対して、一般式(9):
NR11 (9)
(式中、R11は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表されるアミン化合物(C)3〜10重量部を更に含有することが好ましい。
アミン化合物(C)は、一般式(10):
12NH (10)
(式中、R12は、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される一級アミン化合物であることが好ましい。
(A)成分100重量部に対して、アミノ基含有シランカップリング剤(D)4〜10重量部を更に含有することが好ましい。
好ましくは、ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.4perm・inch以上である前記いずれかに記載の硬化性組成物である。
より好ましくは、ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.6perm・inch以上である前記いずれかに記載の硬化性組成物である。
より好ましくは、ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.8perm・inch以上である前記いずれかに記載の硬化性組成物である。
また、本発明に係る硬化性組成物の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる建物の透湿性液状塗膜防水材が挙げられる。
また、本発明に係る硬化性組成物の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる建物の外壁下地用透湿性液状塗膜防水材が挙げられる。
また、本発明に係る硬化性組成物の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる建物の開口部周辺用透湿性液状塗膜防水材が挙げられる。
また、本発明に係る硬化性組成物の好ましい実施態様としては、前記いずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる建物の屋根用透湿性液状塗膜防水材が挙げられる。
本液状形防水材の使用により、建物のエネルギー効率向上や耐久性向上、室内空気の汚染防止が可能となる。
以下、本発明について詳しく説明する。
前記反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体中に含有される反応性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シラノール縮合触媒によって加速される反応によりシロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。反応性ケイ素基としては、一般式(1):
−SiR 3−a (1)
(式中、Rは、炭素原子数1から20のアルキル基、炭素原子数6から20のアリール基、炭素原子数7から20のアラルキル基または(R’)SiO−(R’は、それぞれ独立に、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さらに、aは1、2、3のいずれかである)で表される基があげられる。
加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、硬化性の点から2個または3個が好ましい。加水分解性基や水酸基がケイ素原子に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。ケイ素原子上に3つの水酸基又は加水分解性基を有する反応性ケイ素基は、活性が高く良好な硬化性が得られること、また、得られる硬化物の復元性、耐久性、耐クリープ性に優れることから好ましい。一方、ケイ素原子上に2つの水酸基又は加水分解性基を有する反応性ケイ素基は、貯蔵安定性に優れ、また、得られる硬化物が高伸び、高強度であることから好ましい。
また上記一般式(1)におけるRの具体例としては、たとえばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、 R’がメチル基、フェニル基等である(R’)SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等があげられる。これらの中ではメチル基が特に好ましい。
反応性ケイ素基のより具体的な例示としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基が挙げられる。活性が高く良好な硬化性が得られることから、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基がより好ましく、トリメトキシシリル基が特に好ましい。
また、貯蔵安定性の点からはジメトキシメチルシリル基が特に好ましい。また、トリエトキシシリル基およびジエトキシメチルシリル基は、反応性ケイ素基の加水分解反応に伴って生成するアルコールが、エタノールであり、より高い安全性を有することから特に好ましい。
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行えばよい。すなわち、例えば以下の方法が挙げられる。
(イ)分子中に水酸基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有するポリオキシアルキレン系重合体を得る。もしくは、不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体を得る。ついで得られた反応生成物に反応性ケイ素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(ロ)(イ)法と同様にして得られた不飽和基を含有するポリオキシアルキレン系重合体にメルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
(ハ)分子中に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
以上の方法のなかで、(イ)の方法、または(ハ)のうち末端に水酸基を有する重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法は、比較的短い反応時間で高い転化率が得られる為に好ましい。更に、(イ)の方法で得られた反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、(ハ)の方法で得られるポリオキシアルキレン系重合体よりも低粘度で作業性の良い硬化性組成物となること、また、(ロ)の方法で得られるポリオキシアルキレン系重合体は、メルカプトシランに基づく臭気が強いことから、(イ)の方法が特に好ましい。
(イ)の方法において用いるヒドロシラン化合物の具体例としては、たとえば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、1−[2−(トリメトキシシリル)エチル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのようなアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちではとくにハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましく、特にアルコキシシラン類は、得られる硬化性組成物の加水分解性が穏やかで取り扱いやすいために最も好ましい。アルコキシシラン類の中で、メチルジメトキシシランは、入手し易く、得られるポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組成物の硬化性、貯蔵安定性、伸び特性、引張強度が高い為に特に好ましい。また、トリメトキシシランは、得られる硬化性組成物の硬化性および復元性の点から特に好ましい。
(ロ)の合成法としては、たとえば、メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物を、ラジカル開始剤および/またはラジカル発生源存在下でのラジカル付加反応によって、ポリオキシアルキレン系重合体の不飽和結合部位に導入する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。前記メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物の具体例としては、たとえば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシランなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
(ハ)の合成法のうち末端に水酸基を有する重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法としては、たとえば、特開平3−47825号公報に示される方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。前記イソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物の具体例としては、たとえば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアネートメチルトリメトキシシラン、イソシアネートメチルトリエトキシシラン、イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン、イソシアネートメチルジエトキシメチルシランなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
トリメトキシシラン等の一つのケイ素原子に3個の加水分解性基が結合しているシラン化合物は不均化反応が進行する場合がある。不均化反応が進むと、ジメトキシシランやテトラヒドロシランのようなかなり危険な化合物が生じる。しかし、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランでは、このような不均化反応は進行しない。このため、ケイ素含有基としてトリメトキシシリル基など3個の加水分解性基が一つのケイ素原子に結合している基を用いる場合には、(ロ)または(ハ)の合成法を用いることが好ましい。
一方、一般式(2):
H−(SiR O)SiR −R−SiX (2)
(式中、Xは前記に同じ。2×m+2個のRは、それぞれ独立に、炭化水素基または−OSi(R’’)(R’’は、それぞれ独立に、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基であり、入手性およびコストの点から、炭素原子数1から20の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1から8の炭化水素基がより好ましく、炭素原子数1から4の炭化水素基が特に好ましい。Rは2価の有機基であり、入手性およびコストの点から、炭素原子数1から12の2価の炭化水素基が好ましく、炭素原子数2から8の2価の炭化水素基がより好ましく、炭素原子数2の2価の炭化水素基が特に好ましい。また、mは、0から19の整数であり、入手性およびコストの点から、1が好ましい)で表されるシラン化合物は、不均化反応が進まない。このため、(イ)の合成法で、3個の加水分解性基が1つのケイ素原子に結合している基を導入する場合には、一般式(2)で表されるシラン化合物を用いることが好ましい。一般式(2)で示されるシラン化合物の具体例としては、1−[2−(トリメトキシシリル)エチル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1−[2−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1−[2−(トリメトキシシリル)ヘキシル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが挙げられる。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は直鎖状、または分岐を有してもよく、その数平均分子量はGPCにおけるポリスチレン換算において500〜100,000程度、より好ましくは1,000〜50,000であり、特に好ましくは3,000〜30,000である。数平均分子量が500未満では、硬化物の伸び特性の点で不都合な傾向があり、100,000を越えると、高粘度となる為に作業性の点で不都合な傾向がある。
高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物を得るためには、ポリオキシアルキレン系重合体に含有される反応性ケイ素基は重合体1分子中に平均して少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在するのがよい。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が平均して1個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。反応性ケイ素基は、ポリオキシアルキレン系重合体分子鎖の主鎖の末端あるいは側鎖の末端にあってもよいし、また、両方にあってもよい。特に、反応性ケイ素基が分子鎖の主鎖の末端にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれるポリオキシアルキレン系重合体成分の有効網目鎖長が長くなるため、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
前記ポリオキシアルキレン系重合体は、本質的に一般式(3):
−R−O− (3)
(式中、Rは、炭素原子数1から14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基である。)で示される繰り返し単位を有する重合体であり、一般式(3)におけるRは、炭素原子数1から14の、さらには2から4の、直鎖状もしくは分岐状アルキレン基が好ましい。一般式(3)で示される繰り返し単位の具体例としては、
−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−
等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にシーラント等に使用される場合には、プロピレンオキシド重合体を主成分とする重合体から成るものが非晶質であることや比較的低粘度である点から好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えば、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、特開昭61−215623号公報に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、特公昭46−27250号公報、特公昭59−15336号公報、米国特許3278457号公報、米国特許3278458号公報、米国特許3278459号公報、米国特許3427256号公報、米国特許3427334号公報、米国特許3427335号公報等に示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、特開平10−273512号公報に例示されるポリホスファゼン塩からなる触媒を用いる重合法、特開平11−060722号公報に例示されるホスファゼン化合物からなる触媒を用いる重合法等、があげられるが、特に限定されるものではない。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造方法は、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同55−13468号、同57−164123号、特公平3−2450号、米国特許3632557、米国特許4345053、米国特許4366307、米国特許4960844等の各公報に提案されているもの、また特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号、同61−218632号、特開平3−72527号、特開平3−47825号、特開平8−231707号の各公報に提案されている数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体が例示できるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
一方、ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中には本発明の効果を大きく損なわない範囲でウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。
前記ウレタン結合成分としては特に限定されないが、イソシアネート基と活性水素基との反応により生成する基(以下、アミドセグメントともいう)を挙げることができる。
前記アミドセグメントは一般式(4):
−NR−C(=O)− (4)
(Rは水素原子または1価の有機基であり、好ましくは炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の1価の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1から8の置換あるいは非置換の1価の炭化水素基である)で表される基である。
前記アミドセグメントとしては、具体的には、イソシアネート基と水酸基との反応により生成するウレタン基;イソシアネート基とアミノ基との反応により生成する尿素基;イソシアネート基とメルカプト基との反応により生成するチオウレタン基などを挙げることができる。また、本発明では、上記ウレタン基、尿素基、及び、チオウレタン基中の活性水素が、更にイソシアネート基と反応して生成する基も、一般式(4)の基に含まれる。
アミドセグメントと反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の工業的に容易な製造方法を例示すると、特公昭46−12154号公報(米国特許3632557号公報)、特開昭58−109529号公報(米国特許4374237号公報)、特開昭62−13430号公報(米国特許4645816号公報)、特開平8−53528号公報(EP0676403)、特開平10−204144号公報(EP0831108)、特表2003−508561号公報(米国特許6197912号公報)、特開平6−211879号公報(米国特許5364955号公報)、特開平10−53637号公報(米国特許5756751号公報)、特開平11−100427号公報、特開2000−169544号公報、特開2000−169545号公報、特開2002−212415号公報、特許第3313360号公報、米国特許4067844号公報、米国特許3711445号公報、特開2001−323040号公報、特開平11−279249号公報(米国特許5990257号公報)、特開2000−119365号公報(米国特許6046270号公報)、特開昭58−29818号公報(米国特許4345053号公報)、特開平3−47825号公報(米国特許5068304号公報)、特開平11−60724号公報、特開2002−155145号公報、特開2002−249538号公報、WO03/018658、WO03/059981、特開平6−211879号公報(米国特許5364955号公報)、特開平10−53637号公報(米国特許5756751号公報)、特開平10−204144号公報(EP0831108)、特開2000−169544号公報、特開2000−169545号公報、特開2000−119365号公報(米国特許6046270号公報)、などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を添加しても良い。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルジエトキシメチルシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマーが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとともに、以下のビニル系モノマーを共重合することもできる。該ビニル系モノマーを例示すると、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーからなる重合体が好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーからなる(メタ)アクリル酸エステル系重合体であり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーからなるアクリル酸エステル系重合体である。一般建築用等の用途においては硬化性組成物の低粘度、塗膜の低モジュラス、高伸び、耐候、耐熱性等の物性が要求される点から、アクリル酸ブチル系モノマーが更に好ましい。一方、自動車用途等の耐油性等が要求される用途においては、アクリル酸エチルを主とした共重合体が更に好ましい。このアクリル酸エチルを主とした重合体は耐油性に優れるが低温特性(耐寒性)にやや劣る傾向があるため、その低温特性を向上させるために、アクリル酸エチルの一部をアクリル酸ブチルに置き換えることも可能である。ただし、アクリル酸ブチルの比率を増やすに伴いその良好な耐油性が損なわれていくので、耐油性を要求される用途にはその比率は40%以下にするのが好ましく、更には30%以下にするのがより好ましい。また、耐油性を損なわずに低温特性等を改善するために側鎖のアルキル基に酸素が導入されたアクリル酸2−メトキシエチルやアクリル酸−2−エトキシエチル等を用いるのも好ましい。ただし、側鎖にエーテル結合を持つアルコキシ基の導入により耐熱性が劣る傾向にあるので、耐熱性が要求されるときには、その比率は40%以下にするのが好ましい。各種用途や要求される目的に応じて、必要とされる耐油性や耐熱性、低温特性等の物性を考慮し、その比率を変化させ、適した重合体を得ることが可能である。例えば、限定はされないが耐油性や耐熱性、低温特性等の物性バランスに優れている例としては、アクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸2−メトキシエチル(重量比で40〜50/20〜30/30〜20)の共重合体が挙げられる。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の合成法としては、特に限定されず、公知の方法で行えばよい。但し、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いる通常のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得るためには、リビングラジカル重合法を用いることが好ましい。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては例えば、Matyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁などが挙げられる。
反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製法としては、たとえば、特公平3−14068号公報、特公平4−55444号公報、特開平6−211922号公報等に、連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法を用いた製法が開示されている。また、特開平9−272714号公報等に、原子移動ラジカル重合法を用いた製法が開示されているが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体の製造方法は、特開昭59−122541号公報、特開昭63−112642号公報、特開平6−172631号公報、特開平11−116763号公報等に提案されているが、特にこれらに限定されるものではない。好ましい具体例は、反応性ケイ素基を有し分子鎖が実質的に、下記一般式(5):
−CH−C(R)(COOR)− (5)
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1から8のアルキル基を示す)で表される炭素原子数1から8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記一般式(6):
−CH−C(R)(COOR)− (6)
(式中、Rは前記に同じ、Rは炭素原子数10以上のアルキル基を示す)で表される炭素原子数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体をブレンドして製造する方法である。
前記一般式(5)のRとしては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素原子数1から8、好ましくは1から4、さらに好ましくは1から2のアルキル基があげられる。なお、Rのアルキル基は単独でもよく、2種以上混合していてもよい。
前記一般式(6)のRとしては、たとえばラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素原子数10以上、通常は10から30、好ましくは10から20の長鎖のアルキル基があげられる。なお、Rのアルキル基はRの場合と同様、単独でもよく、2種以上混合したものであってもよい。
該(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子鎖は実質的に式(5)及び式(6)の単量体単位からなるが、ここでいう「実質的に」とは該共重合体中に存在する式(5)及び式(6)の単量体単位の合計が50重量%をこえることを意味する。式(5)及び式(6)の単量体単位の合計は好ましくは70重量%以上である。
また式(5)の単量体単位と式(6)の単量体単位の存在比は、重量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。
該共重合体に含有されていてもよい式(5)及び式(6)以外の単量体単位としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位があげられる。
さらに、反応性ケイ素官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなるポリオキシアルキレン系重合体の製造方法としては、他にも、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合を行う方法が利用できる。この製造方法は、特開昭59−78223号、特開昭59−168014号、特開昭60−228516号、特開昭60−228517号等の各公報に具体的に開示されているが、これらに限定されるものではない。
本発明の硬化性組成物において(B)成分として、(B)オキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に5重量%以上含有し、末端に、−OH基、一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される基、一般式(8):
−NR10 (8)
(式中、R10は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される基、から選択される1つ以上の基を有するポリオキシアルキレン系可塑剤を使用する。
ここで、Rとしては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、フェニル基、アリル基、ビニル基、ベンジル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、などを挙げることができる。ブチル基、オクチル基、オクタデシル基、アリル基が好ましく、ブチル基が特に好ましい。
また、R10としては、特に限定されないが、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、フェニル基、アリル基、ビニル基、ベンジル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、などを挙げることができる。
(B)成分は、反応性ケイ素基を含有せず、(A)成分を可塑化させる化合物である。(B)成分の添加により、本発明の硬化性組成物の粘度やチクソ性を調整し、また、該組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸びなどの機械特性を調整することができる。
(B)成分の合成法としては、例えば、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、特開昭61−215623号公報に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、特公昭46−27250号公報、特公昭59−15336号公報、米国特許3278457号公報、米国特許3278458号公報、米国特許3278459号公報、米国特許3427256号公報、米国特許3427334号公報、米国特許3427335号公報等に示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、特開平10−273512号公報に例示されるポリホスファゼン塩からなる触媒を用いる重合法、特開平11−060722号公報に例示されるホスファゼン化合物からなる触媒を用いる重合法等、があげられるが、特に限定されるものではない。
(B)成分の使用量は(A)成分の重合体100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは10〜120重量部、より好ましくは15〜70重量部である。
(B)成分の配合量がこの範囲を下回ると、透湿性改善効果が十分でない場合がある。(B)成分の配合量がこの範囲を上回ると、硬化物物性が低下する傾向がある。
本発明では、硬化性組成物の全重量(W1)に対する(A)成分と(B)成分を足し合わせた重量(W2)の比(W2/W1)を特定の値とした場合、あるいは、特定の構造を有するポリオキシアルキレン系可塑剤を使用することにより、得られる硬化物の透湿性を顕著に改善することができる。
すなわち、本発明は、(B)成分の違いにより、それぞれ、<第一の態様>の硬化性組成物(I)、<第二の態様>の硬化性組成物(II)、<第三の態様>の硬化性組成物(III)、そして、<第四の態様>の硬化性組成物(IV)、に分けることができる。(A)成分のポリオキシアルキレン系重合体は、それぞれの態様の硬化性組成物に共通して使用することができる。また、(A)成分および(B)成分以外の各種添加剤も、それぞれの態様の硬化性組成物に共通して使用することができる。
以下、それぞれの態様の硬化性組成物を説明する。
<第一の態様>の硬化性組成物(I):
本発明の第一の態様は、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有するポリオキシアルキレン系重合体、
(B)オキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に5重量%以上含有し、末端に、−OH基、一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される基、一般式(8):
−NR10 (8)
(式中、R10は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される基、から選択される1つ以上の基を有するポリオキシアルキレン系可塑剤、
を含有する硬化性組成物であって、(B)成分が末端に−NH基を有しないポリオキシアルキレン系可塑剤であって、かつ、全ての末端に−OH基を有するポリオキシアルキレン(b1)を必須成分として含有する分子量100〜4500の可塑剤(B1)であり、更に、硬化性組成物の全重量(W1)に対する、(A)成分と(B1)成分を足し合わせた重量(W2)の比(W2/W1)が、51〜80wt%であることを特徴とする硬化性組成物(I)のことである。
W2/W1をこの範囲にすることにより、硬化物の透湿性に優れ、施工時に作業性の良好な硬化性組成物が得られる。
ここで、W2/W1は、51〜80wt%であることが必須であるが、53〜78wt%であることが好ましく、55〜77wt%であることがより好ましく、60〜76wt%であることが更に好ましく、65〜75wt%であることが特に好ましい。W2/W1がこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合がある。一方、W2/W1がこの範囲を上回ると硬化前の組成物が垂れやすく作業性の悪い組成物となる場合があり、また経済性の点から好ましくない。
(b1)成分のオキシプロピレンに由来する繰り返し単位は、主鎖中に5重量%以上含有することが必須であり、25重量%以上含有することが好ましく、45重量%以上含有することがより好ましく、70重量%以上含有することが更に好ましく、95重量%以上含有することが特に好ましく、すべての繰り返し単位がオキシプロピレンであることが最も好ましい。オキシプロピレンに由来する繰り返し単位がこの範囲を下回ると、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。オキシプロピレン以外に含まれていてもよい繰り返し単位としては、例えば、−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−、等が挙げられ、入手性および透湿性の点から、−CHCHO−が好ましい。
(B1)成分の分子量は、末端基分析により計算される分子量であり、100〜4500であることが必須であり、150〜3500が好ましく、200〜2000がより好ましく、250〜1500が更に好ましく、300〜1000が特に好ましい。分子量がこの範囲を下回ると、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、また、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。一方、分子量がこの範囲を上回ると、硬化性組成物の粘度が高く施工性が低下する傾向があり、また、得られる硬化物の透湿性が低下する傾向がある。
(b1)成分の全ての末端基は、−OH基であることが必須である。全ての末端基を−OH基とすることにより、硬化性組成物中の−OH基濃度を高めることができ、得られる硬化物の透湿性が高くなる傾向がある。従って、硬化物の透湿性の観点からは、分子量の小さいポリオキシアルキレン系可塑剤が好ましい。しかしながら、−OH基濃度が高い場合には、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、硬化遅延の観点からは、分子量の大きいポリオキシアルキレン系可塑剤が好ましい。入手性の点から、(b1)成分の末端基の個数は、(b1)成分1分子中に平均して、2個以上5個以下が好ましく、2個以上3個以下がより好ましく、2個以上2.5個以下が更に好ましく、2個以上2.2個以下が特に好ましい。
(B1)成分中の(b1)成分の含有量は、得られる硬化物の透湿性の観点から、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。
(b1)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して、10重量部以上150重量部以下が好ましく、30重量部以上120重量部以下がより好ましく、50重量部以上100重量部以下が更に好ましく、60重量部以上90重量部以下が特に好ましく、65重量部以上80重量部以下が最も好ましい。(b1)成分の使用量がこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合があり、また硬化前の組成物の粘度が高く作業性の悪い組成物となる場合がある。一方、(b1)成分の使用量がこの範囲を上回ると引き裂き強度などの硬化物物性が低い組成物となる場合がある。
(A)成分および(B)成分以外の各種添加剤については、後述する。
<第二の態様>の硬化性組成物(II):
本発明の第二の態様は、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有するポリオキシアルキレン系重合体、
(B)オキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に5重量%以上含有し、末端に、−OH基、一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは、前記に同じ。)で表される基、一般式(8):
−NR10 (8)
(式中、R10は、前記に同じ。)で表される基、から選択される1つ以上の基を有するポリオキシアルキレン系可塑剤、
を含有する硬化性組成物であって、(B)成分が末端に−NH基を有しないポリオキシアルキレン系可塑剤であって、かつ、末端に、−OH基および一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基の両方を有するポリオキシアルキレン(b2)を必須成分として含有する可塑剤(B2)であることを特徴とする硬化性組成物(II)のことである。
−OH基および−OR基の両方を有するポリオキシアルキレン(b2)を必須成分として含有する可塑剤を使用することにより、硬化物の透湿性に優れ、かつ
、貯蔵後の硬化遅延の少ない硬化性組成物が得られる。
(b2)成分の末端基は、−OH基および−OR基の両方を有することが必須である。入手性の点から、(b2)成分の末端基の個数は、(b2)成分1分子中に平均して、2個以上5個以下が好ましく、2個以上3個以下がより好ましく、2個以上2.5個以下が更に好ましく、2個以上2.2個以下が特に好ましい。
(b2)成分の分子量は、末端基分析により計算される分子量であり、100〜4500であることが必須である。
硬化物の透湿性の観点からは低分子量であることが好適であり、(b2)成分の分子量は、150〜1000が好ましく、180〜700がより好ましく、200〜450が更に好ましく、250〜400が特に好ましい。分子量がこの範囲を下回ると、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、また、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。一方、分子量がこの範囲を上回ると、硬化性組成物の粘度が高く施工性が低下する傾向があり、また、得られる硬化物の透湿性が低下する傾向がある。
硬化遅延と透湿性とのバランスの観点からは、(b2)成分の分子量は、150〜3500が好ましく、200〜2000がより好ましく、500〜1500が特に好ましい。
−OH基および−OR基の両方を有するポリオキシアルキレンの合成法としては、例えば、KOHのようなアルカリ触媒、塩化鉄、ジアルキル亜鉛、複合金属シアン化物錯体などの金属化合物や、アルカリ金属等のポルフィリン錯体をモノエポキサイド開環重合用触媒として用いて、1価活性水素含有化合物の存在下、モノエポキサイドの開環重合を行うことによって得られる。これらの中でも、アルカリ触媒または複合金属シアン化物錯体を用いる重合法が好ましく、アルカリ触媒用いる重合法がより好ましい。
前記モノエポキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリンなどの脂肪族アルキレンオキサイド、スチレンオキサイドのような芳香族アルキレンオキサイドなどを挙げることができるが、脂肪族アルキレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドがより好ましく、特にプロピレンオキサイドが好ましい。
前記重合法でイニシエーターとして用いる1価活性水素含有化合物としては1価アルコール、1価フェノール、1価カルボン酸、不飽和アルコール、不飽和フェノール、不飽和カルボン酸などの不飽和基含有1価活性水素含有化合物などが用いうる。重合の容易さから1価アルコールが好ましく、1価の脂肪族アルコールがより好ましく、1価の飽和脂肪族アルコールが特に好ましい。
ここで1価のアルコールとしては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、アリルアルコール等の脂肪族アルコール、フェノール、クレゾール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール等が例示され、n−ブチルアルコールが好ましい。
(b2)成分のオキシプロピレンに由来する繰り返し単位は、主鎖中に5重量%以上含有することが必須であり、45重量%以上含有することが好ましく、70重量%以上含有することがより好ましく、85重量%以上含有することが更に好ましく、95重量%以上含有することが特に好ましく、すべての繰り返し単位がオキシプロピレンであることが最も好ましい。つまり、(b2)成分の主鎖は、ポリオキシプロピレンホモポリマー(b6)であることが好ましい。オキシプロピレンに由来する繰り返し単位がこの範囲を下回ると、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。オキシプロピレン以外に含まれていてもよい繰り返し単位としては、例えば、−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−、等が挙げられ、入手性および透湿性の点から、−CHCHO−が好ましい。
(b2)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して、10重量部以上150重量部以下が好ましく、30重量部以上120重量部以下がより好ましく、50重量部以上100重量部以下が更に好ましく、60重量部以上90重量部以下が特に好ましく、65重量部以上80重量部以下が最も好ましい。(b2)成分の使用量がこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合があり、また硬化前の組成物の粘度が高く作業性の悪い組成物となる場合がある。一方、(b2)成分の使用量がこの範囲を上回ると引き裂き強度などの硬化物物性が低い組成物となる場合がある。
(B2)成分のポリオキシアルキレン系可塑剤は、末端に、−OH基および一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基の両方を有する分子量100〜4500の前記のポリオキシプロピレンホモポリマー(b6)と、更に、末端に、−OH基および/または一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基を有する分子量100〜4500のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)の両方を含有する可塑剤であることが、硬化物の透湿性の観点から特に好ましい。
エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)を必須成分として含有する可塑剤を使用することにより、硬化物の透湿性に優れ、かつ、貯蔵後の硬化遅延の少ない硬化性組成物が得られる。エチレンオキシド、プロピレンオキシド以外に含まれていてもよい繰り返し単位としては、例えば、−CHO−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−、等が挙げられる。
(b3)成分の分子量は、末端基分析により計算される分子量であり、100〜4500であることが必須であるが、150〜3500が好ましく、200〜2000がより好ましく、500〜1500が特に好ましい。分子量がこの範囲を下回ると、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、また、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。一方、分子量がこの範囲を上回ると、硬化性組成物の粘度が高く施工性が低下する傾向があり、また、得られる硬化物の透湿性が低下する傾向がある。
(b3)成分の末端基は、得られる硬化物の透湿性の観点から、全ての末端基が−OH基である、または、−OH基および−OR基の両方を有することが好ましい。また、−OH基濃度が高い場合には、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、また、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。硬化遅延と硬化物表面への移行性の観点からは、−OH基および−OR基の両方を有することがより好ましい。入手性の点から、(b3)成分の末端基の個数は、(b3)成分1分子中に平均して、2個以上5個以下が好ましく、2個以上3個以下がより好ましく、2個以上2.5個以下が更に好ましく、2個以上2.2個以下が特に好ましい。
得られる硬化物の透湿性は、(b3)成分中のオキシエチレン単位が多くなるほど高くなる傾向があり、(b3)成分の主鎖中のエチレンオキシドとプロピレンオキシドに由来する繰り返し単位の比率は、特に限定は無いが、10/90〜90/10(重量比)が好ましく、20/80〜80/20(重量比)がより好ましく、35/65〜65/35(重量比)が特に好ましい。
(b6)成分と(b3)成分との混合比率は、特に限定は無いが、5/95〜90/10(重量比)が好ましく、10/90〜80/20(重量比)がより好ましく、20/80〜60/40(重量比)が特に好ましい。
(b6)成分と(b3)成分との混合物の使用量は、(A)成分100重量部に対して、10重量部以上150重量部以下が好ましく、30重量部以上120重量部以下がより好ましく、50重量部以上100重量部以下が更に好ましく、60重量部以上90重量部以下が特に好ましく、65重量部以上80重量部以下が最も好ましい。(b6)成分と(b3)成分との混合物の使用量がこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合があり、また硬化前の組成物の粘度が高く作業性の悪い組成物となる場合がある。一方、(b6)成分と(b3)成分との混合物の使用量がこの範囲を上回ると引き裂き強度などの硬化物物性が低い組成物となる場合がある。
(B2)成分の使用量としては、硬化性組成物の全重量(W)に対する、(A)成分と(B2)成分を足し合わせた重量(WAB2)の比(WAB2/W)が、35〜80wt%であるような使用量であることが好ましく、50〜77wt%であることがより好ましく、55〜76wt%であることが更に好ましく、60〜75wt%であることが特に好ましい。WAB2/Wがこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合がある。一方、WAB2/Wがこの範囲を上回ると硬化前の組成物が垂れやすく作業性の悪い組成物となる場合があり、また経済性の点から好ましくない。
(A)成分および(B)成分以外の各種添加剤については、後述する。
<第三の態様>の硬化性組成物(III):
本発明の第三の態様は、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有するポリオキシアルキレン系重合体、
(B)オキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に5重量%以上含有し、末端に、−OH基、一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは、前記に同じ。)で表される基、一般式(8):
−NR10 (8)
(式中、R10は、前記に同じ。)で表される基、から選択される1つ以上の基を有するポリオキシアルキレン系可塑剤、
を含有する硬化性組成物であって、(B)成分が末端に−NH基を有しないポリオキシアルキレン系可塑剤であって、かつ、末端に、−OH基および/または一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基を有する分子量100〜4500のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)を必須成分として含有する可塑剤(B3)であることを特徴とする硬化性組成物(III)のことである。
エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)を必須成分として含有する可塑剤を使用することにより、硬化物の透湿性に優れ、かつ、貯蔵後の硬化遅延の少ない硬化性組成物が得られる。エチレンオキシド、プロピレンオキシド以外に含まれていてもよい繰り返し単位としては、例えば、−CHO−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−、等が挙げられる。
(b3)成分の分子量は、末端基分析により計算される分子量であり、100〜4500であることが必須であるが、150〜3500が好ましく、200〜2000がより好ましく、500〜1500が特に好ましい。分子量がこの範囲を下回ると、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、また、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。一方、分子量がこの範囲を上回ると、硬化性組成物の粘度が高く施工性が低下する傾向があり、また、得られる硬化物の透湿性が低下する傾向がある。
(b3)成分の末端基は、得られる硬化物の透湿性の観点から、全ての末端基が−OH基である、または、−OH基および−OR基の両方を有することが好ましい。また、−OH基濃度が高い場合には、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、また、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。硬化遅延と硬化物表面への移行性の観点からは、−OH基および−OR基の両方を有することがより好ましい。入手性の点から、(b3)成分の末端基の個数は、(b3)成分1分子中に平均して、2個以上5個以下が好ましく、2個以上3個以下がより好ましく、2個以上2.5個以下が更に好ましく、2個以上2.2個以下が特に好ましい。
得られる硬化物の透湿性は、(b3)成分中のオキシエチレン単位が多くなるほど高くなる傾向があり、(b3)成分の主鎖中のエチレンオキシドとプロピレンオキシドに由来する繰り返し単位の比率は、特に限定は無いが、10/90〜90/10(重量比)が好ましく、20/80〜80/20(重量比)がより好ましく、35/65〜65/35(重量比)が特に好ましい。
(b3)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して、10重量部以上150重量部以下が好ましく、30重量部以上120重量部以下がより好ましく、50重量部以上100重量部以下が更に好ましく、60重量部以上90重量部以下が特に好ましく、65重量部以上80重量部以下が最も好ましい。(b3)成分の使用量がこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合があり、また硬化前の組成物の粘度が高く作業性の悪い組成物となる場合がある。一方、(b3)成分の使用量がこの範囲を上回ると引き裂き強度などの硬化物物性が低い組成物となる場合がある。
(B3)成分のポリオキシアルキレン系可塑剤は、末端に、−OH基および/または一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基を有する分子量100〜4500のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)と、更に、全ての末端に−OH基を有する分子量100〜4500のポリオキシプロピレンホモポリマー(b7)の両方を含有する可塑剤であることが、可塑剤の硬化物表面への移行性の観点から特に好ましい。
(b7)成分の分子量は、末端基分析により計算される分子量であり、100〜4500であることが必須であるが、300〜3500が好ましく、500〜2500がより好ましく、700〜1500が特に好ましい。分子量がこの範囲を下回ると、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、また、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。一方、分子量がこの範囲を上回ると、硬化性組成物の粘度が高く施工性が低下する傾向があり、また、得られる硬化物の透湿性が低下する傾向がある。
(b7)成分の全ての末端基は、−OH基であることが必須である。全ての末端基を−OH基とすることにより、硬化性組成物中の−OH基濃度を高めることができ、得られる硬化物の透湿性が高くなる傾向がある。従って、硬化物の透湿性の観点からは、分子量の小さいポリオキシアルキレン系可塑剤が好ましい。しかしながら、−OH基濃度が高い場合には、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、硬化遅延の観点からは、分子量の大きいポリオキシアルキレン系可塑剤が好ましい。入手性の点から、(b7)成分の末端基の個数は、(b7)成分1分子中に平均して、2個以上5個以下が好ましく、2個以上3個以下がより好ましく、2個以上2.5個以下が更に好ましく、2個以上2.2個以下が特に好ましい。
(b3)成分と(b7)成分との混合比率は、特に限定は無いが、10/90〜90/10(重量比)が好ましく、20/80〜80/20(重量比)がより好ましく、35/65〜65/35(重量比)が特に好ましい。
(b3)成分と(b7)成分との混合物の使用量は、(A)成分100重量部に対して、10重量部以上150重量部以下が好ましく、30重量部以上120重量部以下がより好ましく、50重量部以上100重量部以下が更に好ましく、60重量部以上90重量部以下が特に好ましく、65重量部以上80重量部以下が最も好ましい。(b3)成分と(b7)成分との混合物の使用量がこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合があり、また硬化前の組成物の粘度が高く作業性の悪い組成物となる場合がある。一方、(b3)成分と(b7)成分との混合物の使用量がこの範囲を上回ると引き裂き強度などの硬化物物性が低い組成物となる場合がある。
(B3)成分の使用量としては、硬化性組成物の全重量(W)に対する、(A)成分と(B3)成分を足し合わせた重量(WAB3)の比(WAB3/W)が、35〜80wt%であるような使用量であることが好ましく、50〜77wt%であることがより好ましく、55〜76wt%であることが更に好ましく、60〜75wt%であることが特に好ましい。WAB3/Wがこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合がある。一方、WAB3/Wがこの範囲を上回ると硬化前の組成物が垂れやすく作業性の悪い組成物となる場合があり、また経済性の点から好ましくない。
(A)成分および(B)成分以外の各種添加剤については、後述する。
<第四の態様>の硬化性組成物(IV):
本発明の第四の態様は、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有するポリオキシアルキレン系重合体、
(B)オキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に5重量%以上含有し、末端に、−OH基、一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは、前記に同じ。)で表される基、一般式(8):
−NR10 (8)
(式中、R10は、前記に同じ。)で表される基、から選択される1つ以上の基を有するポリオキシアルキレン系可塑剤、
を含有する硬化性組成物であって、(B)成分のポリオキシアルキレン系可塑剤が、一部または全ての末端に一般式(8):
−NR10 (8)
(式中、R10は、前記に同じ。)で表される基を有しオキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に40重量%以上含有する分子量300〜10000のポリオキシアルキレン(b4)、および、末端に、−OH基および/または一般式(7):
−OR (7)
(式中、Rは前記に同じ。)で表される基を有するポリオキシアルキレン(b5)を必須成分として含有する可塑剤(B4)であることを特徴とする硬化性組成物(IV)のことである。
末端に−NR10 基を有するポリオキシアルキレン(b4)を用いることにより、硬化物の透湿性に優れる硬化性組成物が得られる。
但し、末端に−NR10 基を有するポリオキシアルキレン(b4)を単独で使用すると、得られる硬化性組成物の粘度が貯蔵後に顕著に低下する傾向が見られる為、末端に−OH基および/または−OR基を有するポリオキシアルキレン(b5)を併用することが必須である。
(b4)成分の末端の−NR10 基のR10は、得られる硬化物の透湿性の観点から、水素原子であることが好ましく、−NR10 基の2つのR10の両方が水素原子である−NH基であることがより好ましい。
(b4)成分のオキシプロピレンに由来する繰り返し単位は、主鎖中に40重量%以上含有することが必須であり、60重量%以上含有することが好ましく、80重量%以上含有することがより好ましく、90重量%以上含有することが更に好ましく、95重量%以上含有することが特に好ましく、すべての繰り返し単位がオキシプロピレンであることが最も好ましい。オキシプロピレンに由来する繰り返し単位がこの範囲を下回ると、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。オキシプロピレン以外に含まれていてもよい繰り返し単位としては、例えば、−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−、等が挙げられ、入手性および透湿性の点から、−CHCHO−が好ましい。
(b4)成分の分子量は、末端基分析により計算される分子量であり、300〜10000であることが必須であり、400〜4500が好ましく、500〜3500がより好ましく、600〜2500が特に好ましい。分子量がこの範囲を下回ると、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。一方、分子量がこの範囲を上回ると、得られる硬化物の透湿性が低下する傾向がある。
(b4)成分のポリオキシアルキレンの一部または全ての末端基は、−NR10 基であることが必須である。−NR10 基とすることにより、得られる硬化物の透湿性が高くなる傾向がある。従って、硬化物の透湿性の観点からは、分子量の小さいポリオキシアルキレンが好ましい。しかしながら、−NR10 基濃度が高い場合には、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向があり、可塑剤の移行性の観点からは、分子量の大きいポリオキシアルキレンが好ましい。入手性および可塑剤の移行性の点から、(b4)成分の末端基の個数は、(b4)成分1分子中に平均して、2個以上5個以下が好ましく、2個以上3個以下がより好ましく、2個以上2.5個以下が更に好ましく、2個以上2.2個以下が特に好ましい。
(b5)成分の末端基は、得られる硬化物の透湿性の観点から、全ての末端基が−OH基である、または、−OH基および−OR基の両方を有することが好ましい。また、−OH基濃度が高い場合には、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向があり、硬化遅延と透湿性の観点からは、−OH基および−OR基の両方を有することがより好ましい。入手性および可塑剤の移行性の点から、(b5)成分の末端基の個数は、(b5)成分1分子中に平均して、2個以上5個以下が好ましく、2個以上3個以下がより好ましく、2個以上2.5個以下が更に好ましく、2個以上2.2個以下が特に好ましい。
得られる硬化物の透湿性は、(b5)成分中のオキシエチレン単位が多くなるほど高くなる傾向があり、(b5)成分のオキシエチレンに由来する繰り返し単位は、主鎖中に80重量%以下含有することが好ましく、15〜75重量%含有することがより好ましく、20〜65重量%含有することが更に好ましく、25〜55重量%含有することが特に好ましい。オキシエチレンに由来する繰り返し単位がこの範囲を上回ると、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。エチレンオキシド、プロピレンオキシド以外に含まれていてもよい繰り返し単位としては、例えば、−CHO−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−、等が挙げられる。
(b5)成分の分子量は、末端基分析により計算される分子量であり、100〜4500が好ましく、200〜3000がより好ましく、350〜2000が更に好ましく、500〜1500が特に好ましい。分子量がこの範囲を下回ると、硬化性組成物の硬化性が貯蔵後に低下(硬化遅延)する傾向がある。一方、分子量がこの範囲を上回ると、硬化性組成物の粘度が高く施工性が低下する傾向があり、また、硬化後に可塑剤が硬化物表面に移行する傾向がある。
(b4)成分と(b5)成分との混合比率は、特に限定は無いが、10/90〜90/10(重量比)が好ましく、20/80〜80/20(重量比)がより好ましく、35/65〜65/35(重量比)が特に好ましい。
(b4)成分と(b5)成分との混合物の使用量は、(A)成分100重量部に対して、10重量部以上150重量部以下が好ましく、30重量部以上120重量部以下がより好ましく、50重量部以上100重量部以下が更に好ましく、60重量部以上90重量部以下が特に好ましく、65重量部以上80重量部以下が最も好ましい。(b4)成分と(b5)成分との混合物の使用量がこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合があり、また硬化前の組成物の粘度が高く作業性の悪い組成物となる場合がある。一方、(b4)成分と(b5)成分との混合物の使用量がこの範囲を上回ると引き裂き強度などの硬化物物性が低い組成物となる場合がある。
(B4)成分の使用量としては、硬化性組成物の全重量(W)に対する、(A)成分と(B4)成分を足し合わせた重量(WAB4)の比(WAB4/W)が、35〜80wt%であるような使用量であることが好ましく、50〜77wt%であることがより好ましく、55〜76wt%であることが更に好ましく、60〜75wt%であることが特に好ましい。WAB4/Wがこの範囲を下回ると十分な透湿性が得られない場合がある。一方、WAB4/Wがこの範囲を上回ると硬化前の組成物が垂れやすく作業性の悪い組成物となる場合があり、また経済性の点から好ましくない。
(A)成分および(B)成分以外の各種添加剤については、後述する。
<<アミン化合物(C)について>>
硬化物の透湿性を改善する目的で、(C)成分として、一般式(9):
NR11 (9)
(式中、R11は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表されるアミン化合物を添加することができる。特に、一般式(10):
12NH (10)
(式中、R12は、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される一級アミン化合物は、透湿性改善効果が大きい為に、より好ましい。
(C)成分のアミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一級アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二級アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、入手性や毒性の低さから、オクチルアミン、ラウリルアミン等が好ましい。
前記(C)成分であるアミン化合物の配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜20重量部程度が好ましく、更に3〜10重量部がより好ましい。アミン化合物の配合量が1重量部未満であると透湿性改善効果が十分ではない場合がある。一方、アミン化合物の配合量が20重量部を超えると、硬化物物性が低下する傾向がある。
<<アミノ基含有シランカップリング剤(D)について>>
本発明では、(D)成分として、アミノ基含有シランカップリング剤を使用する。アミノ基含有シランカップリング剤は、加水分解性ケイ素基とアミノ基を有する化合物であり、本発明の硬化性組成物の接着性を改善するとともに、硬化物の透湿性を改善する効果を有する。
アミノシランカップリング剤の反応性ケイ素基の例としては、一般式(1)で表される基の内Xが加水分解性基である物を挙げることができる。具体的には、加水分解性基として既に例示した基を挙げることができるが、メトキシ基、エトキシ基等が加水分解速度の点から好ましい。加水分解性基の個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。前記アミノ基の中でも、1級アミノ基が接着性改善効果が高い為により好ましい。
アミノシランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−エチルアミノ)−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、等を挙げることができる。
(D)成分の使用量は(A)成分の重合体100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは4〜10重量部である。(D)成分の配合量がこの範囲を下回ると、接着性改善効果と透湿性改善効果が十分でない場合がある。(D)成分の配合量がこの範囲を上回ると、硬化物が低伸びになる傾向があり、また、深部硬化性が悪くなる傾向がある。
<<硬化性組成物>>
本発明の硬化性組成物においては、目的とする物性に応じて、(A)成分および(B)成分以外の各種の配合剤を添加することができる。
本発明の硬化性組成物には硬化触媒を添加することができる。具体例としては、2−エチルヘキサン酸錫、バーサチック酸錫、2−エチルヘキサン酸ビスマス等のカルボン酸金属塩;2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸等のカルボン酸;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセテート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫ジラウレート等のジアルキル錫ジカルボキシレートとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;テトライソプロポキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウム、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)などの有機チタネート類;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物類;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一級アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二級アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)等が挙げられる。
硬化触媒は(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、より好ましくは0.5〜4重量部の範囲で使用される。
本発明の硬化性組成物には(D)成分以外のシランカップリング剤を添加することができる。具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、(イソシアネートメチル)トリメトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジメトキシメチルシラン、(イソシアネートメチル)トリエトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジエトキシメチルシラン等のイソシアネート基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。シランカップリング剤の反応物としては、上記アミノシランとエポキシシランの反応物、アミノシランとイソシアネートシランの反応物、各種シランカップリング剤の部分縮合体等を挙げる事ができる。
シランカップリング剤は(A)成分100重量部に対して、0.1〜15重量部程度が好ましく、1〜10重量部程度がより好ましく、3〜7重量部程度が特に好ましい。配合量がこの範囲を下回ると、接着性や貯蔵安定性が十分ではない場合がある。一方、配合量がこの範囲を上回ると、塗膜形成性が十分ではない場合がある。
本発明の硬化性組成物には充填剤を添加することができる。充填剤としては、フュームシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラックの如き補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末など樹脂粉末の如き充填剤;石綿、ガラス繊維およびフィラメントの如き繊維状充填剤等が挙げられる。これらの中でも、コストおよび粘度の点から重質炭酸カルシウムや膠質炭酸カルシウムが好ましい。
充填剤を使用する場合、その使用量は(A)成分の重合体100重量部に対して1〜250重量部、好ましくは10〜200重量部である。
本発明の硬化性組成物には(B)成分以外の可塑剤を添加することができる。本発明では、20℃における蒸気圧が0.01KPa未満であり、(A)成分と非反応性で、かつ、(A)成分を可塑化し得る化合物を可塑剤と定義する。可塑剤の添加により、硬化性組成物の粘度やスランプ性および硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の引張り強度、伸びなどの機械特性が調整できる。可塑剤の例としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水素系油;プロセスオイル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類をあげることができる。
また、(B)成分以外の高分子可塑剤を使用することができる。高分子可塑剤を使用すると重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持することができる。更に、該塗膜にアルキド塗料を塗布した場合の乾燥性(塗装性ともいう)を改良できる。高分子可塑剤の具体例としては、ビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの高分子可塑剤のうちで、(A)成分の重合体と相溶するものが好ましい。この点から、ビニル系重合体が好ましい。また、相溶性および耐候性、耐熱性の点からビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でもアクリル系重合体および/又はメタクリル系重合体が好ましく、ポリアクリル酸アルキルエステルなどアクリル系重合体がさらに好ましい。この重合体の合成法は、分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことからリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。また、特開2001−207157号公報に記載されているアクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、高圧で連続塊状重合によって得た、いわゆるSGOプロセスによる重合体を用いるのが好ましい。
高分子可塑剤の数平均分子量は、好ましくは500〜15000であるが、より好ましくは800〜10000であり、さらに好ましくは1000〜8000、特に好ましくは1000〜5000である。最も好ましくは1000〜3000である。分子量が低すぎると熱や降雨により可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できず、アルキド塗装性が改善できない。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が悪くなる。高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、1.80未満が好ましい。1.70以下がより好ましく、1.60以下がなお好ましく、1.50以下がさらに好ましく、1.40以下が特に好ましく、1.30以下が最も好ましい。
数平均分子量はビニル系重合体の場合はGPC法で測定される。また、分子量分布(Mw/Mn)GPC法(ポリスチレン換算)で測定される。
可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また低分子可塑剤と高分子可塑剤を併用してもよい。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良い。垂れ防止剤としては特に限定されないが、例えば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。また、特開平11−349916号公報に記載されているような粒子径10〜500μmのゴム粉末や、特開2003−155389号公報に記載されているような有機質繊維を用いると、チクソ性が高く作業性の良好な硬化性組成物が得られる。これらチクソ性付与剤(垂れ防止剤)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。チクソ性付与剤は反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲で使用される。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、光硬化性物質、酸素硬化性物質、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、難燃剤、溶剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、防蟻剤、防かび剤などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。各種添加剤の具体例は、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開2001−72854号、特開2008−303650号の各公報などに記載されている。
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製することも可能であり、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と硬化性組成物の主剤成分を使用前に混合する2成分型として調製することもできる。作業性の点からは、1成分型が好ましい。
前記硬化性組成物が1成分型の場合、すべての配合成分が予め配合されるため、水分を含有する配合成分は予め脱水乾燥してから使用するか、また配合混練中に減圧などにより脱水するのが好ましい。前記硬化性組成物が2成分型の場合、反応性ケイ素基を有する重合体を含有する主剤に硬化触媒を配合する必要がないので配合剤中には若干の水分が含有されていてもゲル化の心配は少ないが、長期間の貯蔵安定性を必要とする場合には脱水乾燥するのが好ましい。脱水、乾燥方法としては粉状などの固状物の場合は加熱乾燥法、液状物の場合は減圧脱水法または合成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、生石灰、酸化マグネシウムなどを使用した脱水法が好適である。また、イソシアネート化合物を少量配合してイソシアネート基と水とを反応させて脱水してもよい。また、3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンなどのオキサゾリジン化合物を配合して水と反応させて脱水してもよい。かかる脱水乾燥法に加えてメタノール、エタノールなどの低級アルコール;n−プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケート、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物を添加することにより、さらに貯蔵安定性は向上する。
脱水剤、特にビニルトリメトキシシランなどの水と反応し得るケイ素化合物の使用量は反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
本発明の硬化性組成物の調製法には特に限定はなく、例えば上記した成分を配合し、ミキサーやロールやニーダーなどを用いて常温または加熱下で混練したり、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合したりするなどの通常の方法が採用されうる。
本発明の硬化性組成物は、大気中に暴露されると水分の作用により、三次元的に網状組織を形成し、ゴム状硬化物へと硬化する。
本発明の(A)成分である反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、比較的低粘度であるために、非水系および/または非溶剤系(または溶剤含有量が少ないハイソリッド系)で塗布可能な組成物を設計し易い。水系エマルジョン組成物は、低温時または高湿時には塗膜形成に長時間が必要で、寒冷時に施工し難いという問題から、本発明の硬化性組成物は、非水系の硬化性組成物であることが好ましい。更に、環境負荷低減の観点から、本発明の硬化性組成物は、非溶剤系(またはハイソリッド系)の硬化性組成物であることが好ましい。
非水系の硬化性組成物とする場合、本発明の硬化性組成物中の水の含有量は、(A)成分100重量部に対し、10重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましく、0.1重量部以下が更に好ましく、実質的に水を含有しないことが最も好ましい。水の含有量がこの範囲を上回ると、貯蔵安定性が低下する傾向が有り、また塗膜物性が低下することがある。
非溶剤系の硬化性組成物とする場合、本発明の硬化性組成物中の溶剤の含有量は、(A)成分100重量部に対し、10重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましく、1重量部以下が更に好ましく、0.1重量部以下が特に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。溶剤の含有量がこの範囲を上回ると、塗膜形成時のVOCが多くなり、環境への負荷が大きくなる傾向がある。
また、本発明の硬化性組成物は、施工の簡便さ、混合不良や混合比率ミスによる塗膜性能の低下が無い事、などから1液型であることが好ましい。
なお、本発明の硬化性組成物を塗付する際の下地としては特に限定は無いが、具体的には、コンクリート壁、コンクリート板、コンクリートブロック、CMU(Concrete Masonry Unit)、モルタル板、ALC板、石膏板(Dens Glass Gold:Georgia Pacific社製など)、スレート板などの無機系下地や、木材、合板、OSB(Oriented Strand Board)、などの木質系下地、アスファルト、変性ビチューメン、EPDM、TPOなどの防水シート、ウレタンフォーム断熱材などの有機系下地、金属パネルなどの金属系下地が挙げられる。
本発明の硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の厚みは、0.005〜0.05inchであることが好ましく、0.01〜0.04inchであることがより好ましく、0.015〜0.035inchであることが更に好ましく、0.02〜0.03inchであることが特に好ましい。塗膜の厚みがこの範囲を下回ると、塗膜の長期耐久性、防水性、引き裂き抵抗性等の塗膜物性が低下する傾向がある。塗膜の厚みがこの範囲を上回ると、透湿性が低下し、また、高コストになる傾向がある。
本発明の硬化性組成物の塗付方法としては特に限定は無いが、特開平10−298488号公報に記載されているように、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアレススプレーなどの公知の塗布方法により行うことができる。
本発明の硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の透湿性は、以下の方法により評価することができる。本発明の硬化性組成物を厚みが均一なシート状に成型し、23℃相対湿度50%で4日間養生した後、更に50℃で3日間養生する。得られたシート状硬化物の厚みをマイクロメーターを用いて測定した後、ASTM E96のウェットカップ法(Water Methodともいう)に準拠して、23℃相対湿度50%で透湿度の値を測定する。ここで、透湿度の値は用いた材料の特性に依存するとともに評価したシートの厚みに依存する値である。また、全く同一の厚みにシートを成型することは困難である。従って、用いた材料の透湿性を表し、かつ、シートの厚みにほぼ依存しない値として、シート状硬化物の透湿度の値[β](単位:Perm)とシート状硬化物の厚み[α](単位:mil)から計算された[α×β/1000」(単位:Perm・inch)の値を、本発明では、透湿性を表す値と定義する。
本発明の硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の透湿性は、0.4perm・inch以上であることが好ましく、0.6perm・inch以上であることがより好ましく、0.8perm・inch以上であることが更に好ましく、0.85perm・inch以上であることが特に好ましく、0.9perm・inch以上であることが最も好ましい。塗膜の透湿性がこの範囲を下回ると、塗布した下地材からの水蒸気の透過が十分ではなく、下地材周辺で結露が発生したり、カビが発生するなどの課題が生じる場合がある。
なお、本発明の硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の透湿度は、17perm以上であることが好ましく、20perm以上であることがより好ましく、25perm以上であることが更に好ましく、30perm以上であることが特に好ましい。塗膜の透湿度がこの範囲を下回ると、塗布した下地材からの水蒸気の透過が十分ではなく、下地材周辺で結露が発生したり、カビが発生するなどの課題が生じる場合がある。
<<用途>>
(A)成分である反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は比較的低粘度である為、本発明の硬化性組成物は塗布可能な粘度に設計し易い。更に、本発明の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は、透湿性が高く、かつ、外部からの水の侵入を防ぐ為の十分な防水性を有する。従って、本発明の硬化性組成物は、建物用の防水材として有用で、特に、透湿性塗膜防水材として有用である。透湿性塗膜防水材とは、硬化前は液状で、ハケやヘラ、ローラーなどで下地に塗布するか、あるいは吹付機により施工して成膜・硬化させ、シームレスな防水層を形成する防水材であって、透湿性を有するために、下地からの水分を外部に放出することが可能な塗膜防水材である。塗膜防水材は、(1)シームレスな塗膜を形成するので、継ぎ目がなく防水の信頼性が高い、(2)複雑な形状の部位にも対応できる、等の特長がある。
従来の透湿性防水シートは、その高い透湿性・防水性を活用し、外壁下地に施工することによって、外部からの雨水などのバルクの水分の侵入を防ぎつつ、外装壁材からの水蒸気を外部に放出することによって外装壁材の結露を防止する防水材として、各種の商業ビルや集合住宅、戸建て住宅などに多く使用されており、特に外壁通気工法を採用する建物において多く使用されている。しかし、透湿性防水シートの重ね合わせ部は釘や粘着テープが使用されるため、長期間の間に釘穴や粘着テープの隙間から水分が浸入し、鉄骨や木材などの各種建築基材にダメージを与えることがある。透湿性防水シートの重ね合わせ部の隙間を通して入る外部空気に含まれる水蒸気及び該水蒸気が凝縮して生じた水分もまた、各種建築基材に大きなダメージを与える。これ以外にも、外部空気が隙間を通して内部へ入ることで建物内部の温度が変化し易くなり、温度調節の効率が低下し、エネルギーロスを引き起こしたりしている。本発明の硬化性組成物は、液状塗布可能であるために容易にシームレスな塗膜を形成することができ、外部からの水分や空気の浸入を十分に防止できることから、建物の外壁下地用塗膜防水材として特に有用である。
なお、本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗付する際の下地としては特に限定は無いが、例えば、コンクリート壁、コンクリート板、コンクリートブロック、CMU(Concrete Masonry Unit)、モルタル板、ALC板、石膏板(Dens Glass Gold:Georgia Pacific社製など)、スレート板などの無機系下地や、木材、合板、OSB(Oriented Strand Board)などの木質系下地、ウレタンフォーム断熱材などの有機系下地であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗付する方法としては特に限定は無いが、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアレススプレーなどの塗布方法が挙げられ、特に大面積ではローラーやエアースプレー、エアレススプレーによる塗布が塗布効率の点から好ましい。
本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗付し硬化させた後の塗膜の厚みは、0.005〜0.05inchであることが好ましく、0.01〜0.04inchであることがより好ましく、0.015〜0.035inchであることが更に好ましく、0.02〜0.03inchであることが特に好ましい。塗膜の厚みがこの範囲を下回ると、塗膜の長期耐久性、防水性、引き裂き抵抗性等の塗膜物性が低下する傾向がある。塗膜の厚みがこの範囲を上回ると、透湿性が低下し、また、高コストになる傾向がある。
本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗付し硬化させた後には、各種の外装仕上げ材が施工される。外装の仕上げ方に特に限定はないが、例えば、内断熱工法の場合、本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗布して硬化させた後、スタッコや塗料、レンガ、タイル、石材、サイディングボード、金属パネルなどを施工して仕上げる方法が好ましい。また、外断熱工法の場合、本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗布して硬化させた後、断熱ボードを敷設してからスタッコや塗料、レンガ、タイル、石材、サイディングボード、金属パネルなどを施工して仕上げる方法が好ましい。
また、窓やドアなどの建物の開口部周辺(サッシ下端や窓枠周囲など)の防水は、形状が複雑であるために、防水の難易度が高く、漏水のクレームの多くが開口部周辺で発生している。こうした漏水を防止するため、透湿性防水シート間の隙間や重ね合わせ部、端部などに粘着剤層付き防水テープが使用されたりしている。しかし、本防水テープの粘着剤層はゴム系やアスファルト系から成るため、本部位の透湿性は大幅に低下し、結露によって窓やドアなどの周りの材料を腐食させることがある。また、結露はカビ発生の原因となり、それによって建物内部の空気が汚染され、住人や労働者の健康障害などを引き起こしたりする。本発明の硬化性組成物は、液状塗布可能であるために複雑な形状に対応しやすく、硬化後の塗膜は十分な防水性と透湿性を示すことから、建物の開口部周辺用透湿性塗膜防水材として特に有用である。又、本発明の硬化性組成物は、ダクト周り、壁手すりや、手すりコーナー等にも有用である。
なお、本発明の硬化性組成物を建物の開口部周辺に塗付する際の下地としては特に限定は無いが、例えば、木材、合板、OSB(Oriented Strand Board)などの木質系下地、コンクリート板、コンクリートブロック、CMU(Concrete Masonry Unit)、モルタル板、ALC板、石膏板(Dens Glass Gold:Georgia Pacific社製など)、スレート板などの無機系下地であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物を建物の開口部周辺に塗付する方法としては特に限定は無いが、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアレススプレーなどの塗布方法が挙げられ、特に刷毛やローラーによる塗布が塗りむらが生じ難い点で好ましい。
本発明の硬化性組成物を建物の開口部周辺に塗付し硬化させた後の塗膜の厚みは、0.005〜0.05inchであることが好ましく、0.01〜0.04inchであることがより好ましく、0.015〜0.035inchであることが更に好ましく、0.02〜0.03inchであることが特に好ましい。塗膜の厚みがこの範囲を下回ると、塗膜の長期耐久性、防水性、引き裂き抵抗性等の塗膜物性が低下する傾向がある。塗膜の厚みがこの範囲を上回ると、透湿性が低下し、また、高コストになる傾向がある。
本発明の硬化性組成物を建物の開口部周辺に塗付し硬化させた後には、各種の窓やドア、ダクトなどがその開口部へ組み込まれる。
更に、本発明の硬化性組成物は、継ぎ目がない塗膜を形成するので防水の信頼性が高いことから、高い防水性能を必要とする屋根用透湿性塗膜防水材として特に有用である。建物の屋根用透湿性塗膜防水材は、野地板などの屋根用下地材に塗布する防水材である。
本発明の硬化性組成物は、上記の用途以外に、限定はされないが、建築用弾性シーリング材、サイディングボード用シーリング材、複層ガラス用シーリング材、車両用シーリング材等建築用および工業用のシーリング材、太陽電池裏面封止剤などの電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電気絶縁材料、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、コンタクト接着剤、タイル用接着剤、反応性ホットメルト接着剤、塗料、粉体塗料、コーティング材、発泡体、缶蓋等のシール材、放熱シート、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、マリンデッキコーキング、注型材料、各種成形材料、人工大理石、および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車や船舶、家電等に使用される防振・制振・防音・免震材料、自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール材、防水材等の様々な用途に利用可能である。
つぎに実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(合成例1)
分子量約2,000のポリオキシプロピレンジオールと分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールの1/1(重量比)混合物を開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量約19,000(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンオキシドを得た。続いて、このヒドロキシ基末端ポリプロピレンオキシドのヒドロキシ基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端のヒドロキシ基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のアリル末端ポリプロピレンオキシド100重量部に対し、n−ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、末端がアリル基である数平均分子量約19,000のポリプロピレンオキシドを得た。
得られたアリル基末端ポリプロピレンオキシド100重量部に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%のイソプロパノール溶液150ppmを触媒として、メチルジメトキシシラン1.35重量部と90℃で5時間反応させ、メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシド(A−1)を得た。また、H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl溶媒中で測定)を用い、シリル基導入率を調べた結果、末端のメチルジメトキシシリル基は1分子あたり平均して1.7個であった。
(合成例2)
分子量約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、末端が水酸基である数平均分子量約25,500の2官能ポリプロピレンオキシド(これを重合体Qとする)を得た。
重合体Q100重量部に対し、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン1.8重量部を加え、90℃で5時間反応させ、トリメトキシシリル基末端ポリオキシプロピレン系重合体(A−2)を得た。また、H−NMRを用い、シリル基導入率を調べた結果、末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり平均して1.4個であった。
(合成例3)
水酸基当量が0.36mmol/gであり、末端基分析による分子量が約5,000のポリオキシプロピレンジオール100g(20mmol)と、NCO/OHの比が1.25となるMDI(4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、和光純薬工業製)5.6g(22.5mmol)を窒素雰囲気下で混合し、90℃で3時間攪拌し、NCO末端ポリオキシプロピレンを得た後、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)1.6g(9mmol)を追加し、40℃で1時間攪拌して、トリメトキシシリル基末端ポリオキシプロピレン(A−3)を得た。
(合成例4)
分子量約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドを重合させて得られた数平均分子量約14,500の水酸基末端ポリプロピレンオキシドを用い、合成例1と同様の手順でアリル末端ポリプロピレンオキシドを得た。
このアリル末端ポリプロピレンオキシドに対し、合成例1と同様の手順で、メチルジメトキシシラン1.8重量部と反応させ、末端に平均1.5個のメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシプロピレン系重合体(A−4)を得た。
(実施例1〜48、比較例1〜7)
使用したポリオキシアルキレン系可塑剤(B)のモノマー組成、末端基構造、分子量などを表1に示す。
Figure 2017141458
表2〜5に示す処方にしたがって、(A)成分、可塑剤、充填剤、チクソ性付与剤、各種安定剤、アミン化合物、脱水剤、接着付与剤および硬化触媒などをそれぞれ計量し、ミキサーを用いて、脱水条件下にて実質的に水分の存在しない状態で混練した後、防湿性の容器(ポリエチレン製カートリッジ)に密閉し、1液型硬化性組成物を得た。表2〜5の1液型組成物は、使用時に各カートリッジから各1液型組成物を押し出し、後述の評価を行った。
なお、(A)成分と(B)成分以外の各種配合剤は、以下に示すものを使用した。
<フタル酸エステル系可塑剤>Jayflex DIDP(エクソンケミカル製、ジイソデシルフタレート)
<膠質炭酸カルシウム>Ultra−Pflex(Specialty Minerals製)
<表面処理重質炭酸カルシウム>Hubercarb G2T(Huber Engineered Materials製、)
<酸化チタン>Ti−Pure R902+(DuPont製)
<チクソ性付与剤>Crayvallac SL(Cray Valley製、アマイドワックス系チクソ性付与剤)
<紫外線吸収剤>チヌビン328(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
<光安定剤>チヌビン770(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
<アミン化合物>Armeen 12D(Akzo Nobel製、ラウリルアミン)
<脱水剤>A-171(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製、ビニルトリメトキシシラン)
<アミノ基含有シランカップリング剤>A−1120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)
<硬化触媒>ネオスタンU−220H(日東化成製、ジブチルスズビスアセチルアセトナート)
(硬化後塗膜表面への可塑剤の移行)
表2〜5の各組成物を、テフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、厚さ約30milとなるようにスペーサーと平スパチュラで調整した後、恒温恒湿室(23℃/50%RH)で4日間、そして50℃オーブン中で3日間、養生し、塗膜状の硬化物を得た。恒温恒湿室で放置し、塗膜表面への可塑剤の移行を目視と指触で評価した。可塑剤の移行が認められない場合Aとし、可塑剤の移行が僅かに認められた場合Bとし、可塑剤の移行が明らかに認められた場合Cとし、著しく可塑剤の移行が認められた場合Dとした。結果を表2〜5に示す。
(硬化性組成物の硬化性)
表2〜5の各組成物を、厚さ約3mmの型枠にスパチュラを用いて充填し、表面を平面状に整えた。この時間を硬化開始時間とし、表面をスパチュラで触り、スパチュラに配合物が付着しなくなった時間を皮張り時間として測定を行った。皮張り時間は、23℃50%RHの条件下で測定した。皮張り時間が短い方が、硬化性が優れることを表す。1液カートリッジは50℃で28日間貯蔵し、貯蔵前(T1)と貯蔵後(T2)に皮張り時間を評価した。結果を表2〜5に示す。
(硬化性組成物の粘度)
まず、測定前に、1液カートリッジを恒温恒湿室(23℃/50%RH)で一晩静置した。次の日に、直径25mm、高さ85mmのポリスチレン製円筒容器へ表2〜5の各組成物を1液カートリッジから充填し、No.7スピンドルを使用して、Brookfirld社製粘度計(HADV−I+)で、2rpmでの粘度値を測定した。1液カートリッジは50℃で28日間貯蔵し、貯蔵前(η1)と貯蔵後(η2)に粘度を評価した。結果を表2〜5に示す。
(硬化物の透湿性)
ASTM E96のWater Method(ウェットカップ法)に準じて評価した。
表2〜5の各組成物を、テフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、厚さ約30milとなるようにスペーサーと平スパチュラで調整した後、恒温恒湿室(23℃/50%RH)で4日間、そして50℃オーブン中で3日間、養生した。養生後、硬化物シートをカップサイズに切り取り、厚み(α)を測定した。Gardco社製,透湿度測定専用カップへ水を約15g入れた後、硬化物シート、クランピングリング、キャップの順にセットした。重量を測定した後、恒温恒湿室(23℃/50%RH)で4日間に亘り、約24時間間隔で重量を測定し、透湿度(β)を算出した。結果を表2〜5に示す。
なお、実施例1は、表2Aと表3と表4に、実施例14は、表3と表5に、比較例2は、表2Bと表3と表4に、重複しているが、他のデータと比較し易い様に重複記載している。
Figure 2017141458
Figure 2017141458
表2A及び表2Bに示すとおり、(b1)成分を含有し、かつ、W2/W1の値が51〜80wt%である実施例1〜17の硬化性組成物(I)は、フタル酸エステル系可塑剤を使用した比較例1や、(b1)成分を含有する可塑剤(B1)を使用しているがW2/W1の値が51wt%未満である比較例2と比較して、透湿性が良好で、0.4perm・inch以上となっている。また、分子量が4500より大きいPoly−G 83−34を含有する比較例3や、オキシプロピレンに由来する繰り返し単位を全く含まないPoly−G 21−187を含有する比較例4では、硬化後塗膜表面への可塑剤の移行が見られた。
Figure 2017141458
表3に示すとおり、(b2)成分を含有しない実施例1や比較例2と比較して、(b2)成分を含有する実施例18〜33の硬化性組成物(II)は、より透湿性が良好である。(b6)成分と(b3)成分を併有する実施例20〜33は、更に透湿性が良好である。特に、−OH基および−ORで表される基の両方を有する(b3)成分を用いた場合には、硬化後塗膜表面への可塑剤の移行も見られず、良好である。
Figure 2017141458
表4に示すとおり、(b3)成分を含有しない実施例1や比較例2と比較して、(b3)成分を含有する実施例34〜40の硬化性組成物(III)は、より透湿性が良好である。(b3)成分のみを含有する実施例38は、硬化後塗膜表面への可塑剤の移行が僅かに見られたが、(b3)成分と(b7)成分を併有する実施例34〜37では、硬化後塗膜表面への可塑剤の移行も見られず、良好である。
Figure 2017141458
表5に示すとおり、(b4)成分と(b5)成分を併有する実施例41〜42は、同様な配合処方で(b5)成分のみを有する実施例14と比較して、透湿性が良好である。また、実施例43〜48も、透湿性が良好で、硬化後塗膜表面への可塑剤の移行も見られない。一方、分子量が300未満であるJeffamine D−230を含有する比較例5や、オキシプロピレンに由来する繰り返し単位が主鎖中に40重量%未満であるJeffamine ED−600を含有する比較例7では、硬化後塗膜表面への可塑剤の移行が見られた。また、(b4)成分を単独で使用した比較例6は、貯蔵後の粘度が顕著に低下する傾向が見られた。

Claims (27)

  1. (A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有するポリオキシアルキレン系重合体、および、
    (B)オキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に5重量%以上含有するポリオキシアルキレン系可塑剤、
    を含有する硬化性組成物であって、
    (3)(B)成分が末端に−NH基を有しないポリオキシアルキレン系可塑剤であって、かつ、末端に、−OH基および/または一般式(7):
    −OR
    (式中、Rは、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される基を有する分子量100〜4500のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)を必須成分として含有する可塑剤(B3)であることを特徴とする硬化性組成物(III)、または、
    (4)(B)成分が、一部または全ての末端に一般式(8):
    −NR10
    (式中、R10は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される基を有しオキシプロピレンに由来する繰り返し単位を主鎖中に40重量%以上含有する分子量300〜10000のポリオキシアルキレン(b4)、および、末端に、−OH基および/または一般式(7):
    −OR
    (式中、Rは、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される基を有するポリオキシアルキレン(b5)を必須成分として含有する可塑剤(B4)であることを特徴とする硬化性組成物(IV)。
  2. 請求項1に記載の硬化性組成物を硬化させてなる厚みが、0.005〜0.05inchである膜状の硬化物。
  3. ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.4perm・inch以上である請求項2に記載の硬化物。
  4. ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.6perm・inch以上である請求項2に記載の硬化物。
  5. ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.8perm・inch以上である請求項2に記載の硬化物。
  6. 請求項2に記載の硬化物を用いる建物の透湿性塗膜防水方法。
  7. 請求項2に記載の硬化物を用いる建物の外壁下地の透湿性塗膜防水方法。
  8. 請求項2に記載の硬化物を用いる建物の開口部周辺の透湿性塗膜防水方法。
  9. 請求項2に記載の硬化物を用いる建物の屋根の透湿性塗膜防水方法。
  10. 請求項2に記載の硬化物を用いてなる建物用透湿性塗膜防水材。
  11. 請求項2に記載の硬化物を用いてなる建物の外壁下地用透湿性塗膜防水材。
  12. 請求項2に記載の硬化物を用いてなる建物の開口部周辺用透湿性塗膜防水材。
  13. 請求項2に記載の硬化物を用いてなる建物の屋根用透湿性塗膜防水材。
  14. (A)成分のポリオキシアルキレン系重合体が、ポリオキシプロピレン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  15. エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(b3)が、末端に、−OH基および一般式(7):
    −OR
    (式中、Rは前記に同じ。)で表される基の両方を有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  16. (B3)成分のポリオキシアルキレン系可塑剤が、更に、全ての末端に−OH基を有する分子量100〜4500のポリオキシプロピレンホモポリマー(b7)を含有する可塑剤であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  17. (b4)成分の末端が、−NH基であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  18. (A)成分100重量部に対して、一般式(9):
    NR11 (9)
    (式中、R11は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表されるアミン化合物(C)3〜10重量部を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  19. アミン化合物(C)が、一般式(10):
    12NH (10)
    (式中、R12は、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。)で表される一級アミン化合物であることを特徴とする請求項18に記載の硬化性組成物。
  20. (A)成分100重量部に対して、アミノ基含有シランカップリング剤(D)4〜10重量部を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  21. ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.4perm・inch以上である請求項1に記載の硬化性組成物。
  22. ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.6perm・inch以上である請求項1に記載の硬化性組成物。
  23. ASTM E96 (ウェットカップ法)に従った透湿性が0.8perm・inch以上である請求項1に記載の硬化性組成物。
  24. 請求項1に記載の硬化性組成物を用いてなる建物の透湿性液状塗膜防水材。
  25. 請求項1に記載の硬化性組成物を用いてなる建物の外壁下地用透湿性液状塗膜防水材。
  26. 請求項1に記載の硬化性組成物を用いてなる建物の開口部周辺用透湿性液状塗膜防水材。
  27. 請求項1に記載の硬化性組成物を用いてなる建物の屋根用透湿性液状塗膜防水材。
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