JP2017062514A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作者の待ち時間を可及的に短くするとともに立上げ処理に要するエネルギーの消費量を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置で、記録材を収容する記録材収容部と、前記記録材収容部から搬送された記録材にトナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録材に形成されたトナー像を熱定着する定着部と、前記記録材収容部に収容された記録材の種類に対応する情報を格納する格納部と、画像形成装置の近傍の所定の位置に操作者が存在することを検出する検出部と、画像形成命令を受ける前に前記検出部が操作者の存在を検出したことに伴い前記定着部の立上げ処理を開始させるとともに、前記格納部に格納された情報に応じて前記定着部の立上げ処理に要する時間が最長となる記録材のための立上げ処理を実行させる実行部と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録材にトナー像を形成する画像形成装置に関する。この画像形成装置としては、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備えた複合機等に代表される、電子写真プロセスや静電記録プロセス等を採用した画像形成装置を挙げることができる。
従来より、電子写真方式の画像形成装置においては、作像プロセス機構により記録材に未定着トナー像を形成する構成となっている。そして、画像形成装置に内蔵された定着装置により、未定着トナー像を記録材に加熱定着させる定着プロセスが行われている。このような定着装置において、定着処理が可能となるまでの立上げ時間(操作者の待ち時間)を短くすることが操作者の利便性に繋がる。
そこで、特許文献1に記載の定着装置では、立上げ処理時に、定着部材を定着可能温度まで昇温させるとともに、その後、引き続き、更に一定時間加熱する予備加熱(空回転)を行っている。その結果、定着装置は蓄熱されることから、その後の定着処理に伴う過剰な温度低下を防止される。
そして、特許文献1に記載の定着装置では、この予備加熱の時間を、印刷命令を受け付けたことにより判明した記録材の種類(材質、厚さ、サイズなど)に応じて変更している。具体的には、画像形成装置の電源オン(メインスイッチ押下げ)に伴い定着部材を定着可能温度まで昇温させ、その間に予約された印刷命令に含まれる記録材の種類の情報に応じてその後の予備加熱時間を決定する。即ち、操作者(ユーザ)がコピースタートボタンを押してからでないと予備加熱時間の決定ができない構成となっている。
一方、印刷命令を受ける前に(操作者がコピースタートボタンを押す前に)、先んじて、定着装置の立上げ処理を開始してしまう(所謂、フライング制御)という手法が考えられる。つまり、例えば、操作者がコピースタートボタンを押す前に操作部において何らかのキー操作が行われた時点で、定着装置の立上げ処理を開始してしまうという手法である。その結果、操作者の待ち時間をさらに短くすることが可能となる。
特開2010−211044号公報
ここで、立上げ処理時に行われる予備加熱の時間を、画像形成装置において使用が推奨されている全種類の記録材の中で、必要とされる予備加熱時間が最長の記録材(例えば、最厚紙)に合わせて設定した場合、以下のような懸念がある。
つまり、立上げ処理時に行われる予備加熱の時間を、画像形成装置に収容されていない記録材にまで対象を広げて決定する構成とすると、次のような懸念がある。例えば、画像形成装置には薄紙しか収納されていない状況であるとする。この状況であるにも関わらず、立上げ処理時に行われる予備加熱の時間を最厚紙用に設定してしまうと、効率が良くない。従って、画像形成装置に収容されている記録材にとっては必要以上により長い時間に亘って予備加熱が実施されることになり、エネルギーが無駄に消費されてしまう懸念がある。
本発明の目的は、操作者の待ち時間を可及的に短くするとともに立上げ処理に要するエネルギーの消費量を抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、記録材を収容する記録材収容部と、前記記録材収容部から搬送された記録材にトナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録材に形成されたトナー像を熱定着する定着部と、前記記録材収容部に収容された記録材の種類に対応する情報を格納する格納部と、画像形成装置の近傍の所定の位置に操作者が存在することを検出する検出部と、画像形成命令を受ける前に前記検出部が操作者の存在を検出したことに伴い前記定着部の立上げ処理を開始させるとともに、前記格納部に格納された情報に応じて前記定着部の立上げ処理に要する時間が最長となる記録材のための立上げ処理を実行させる実行部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、操作者の待ち時間を可及的に短くするとともに立上げ処理に要するエネルギーの消費量を抑制することができる。
第1の実施形態に係る定着装置を説明するフローチャートである。 第1の実施形態における定着ベルトを説明する図である。 第1の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置を説明する図である。 第1の実施形態に係る定着装置の斜視図である。 第1の実施形態に係る電源を説明するブロック図である。 第1の実施形態に係る定着装置を説明するブロック図である。 第1の実施形態に係る操作パネルを説明する図である。 第2の実施形態に係る定着装置を説明するフローチャートである。 第3の実施形態に係る定着装置を説明する断面図である。 第3の実施形態に係る定着装置を説明する上面図である。 第3の実施形態に係る定着装置を説明するブロック図である。 第3の実施形態に係る定着装置を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図3は、本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の構成の説明図である。本例の画像形成装置は、複写機能とプリンタ機能を併せ持つ複合機となっている。具体的には、トナー像形成部の一例である画像形成部1a、1b、1c、1dは、トナー像を形成して記録材(シート)Pに転写する。
画像形成装置本体に対し記録材収容部を構成する第1、第2、第3の収容部としての記録材カセット103、104、105は、記録材Pを収容して記録材Pを二次転写部3へ供給可能である。記録材カセット103、104、105は、それぞれ、記録材を収容し得る。従って、記録材カセット間で異なる種類の記録材が収容され得る構成となっている。
画像形成装置30は、中間転写ベルト2の下向き面に沿って画像形成部1a、1b、1c、1dを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラー複写機である。画像形成部1a、1b、1c、1dは、それぞれ単独に着脱可能な交換ユニット(プロセスカートリッジ)に組み立てられている。
なお、本例の画像形成装置は、プリンタとしても使用可能である。具体的には、後述するLANケーブル(通信回線)を介して接続関係にある外部のパーソナルコンピュータ102(図6)から入力された画像情報に基づき画像形成が可能である。その際、画像情報とともに画像形成すべき記録材の種類や枚数に対応する情報も入力される。この情報は制御部100に入力され、画像形成すべき記録材の種類が特定される。
画像形成装置30の上部には、原稿読取り装置700が設けられている。この原稿読取り装置700には、操作者により原稿が載置される原稿台(載置部)、載置された原稿を遮蔽するための原稿カバー(カバー部)、この原稿カバーの開閉状態を検知するセンサが設けられている。さらに、原稿の画像情報を読み取るCCDからなる原稿読取り部701が設けられている。後述する画像形成部では、操作者がコピースタートボタンを押したことに伴い、この原稿読取り部701により読取られた画像情報に基づいて画像形成が行われる。
画像形成部1aでは、感光ドラムaにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト2に転写される。画像形成部1bでは、感光ドラムbにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト2に転写される。画像形成部1c、1dでは、それぞれ感光ドラムc、dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト2に転写される。
中間転写ベルト2に転写された四色のトナー像は、二次転写部3へ搬送されて記録材Pへ一括二次転写される。四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置5で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に、排出ローラ11を通じて上部トレイ7へ排出される。
分離ローラ8は、記録材カセット103から引き出した記録材(記録紙、シート)Pを1枚ずつに分離して、レジストローラ9へ送り出す。レジストローラ9は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト2のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部3へ送り込む。
画像形成部1a、1b、1c、1dは、それぞれの現像装置で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部1aについて説明し、他の画像形成部1b、1c、1dについては、説明中の符号末尾のaを、b、c、dに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部1aは、感光ドラムaの周囲を囲むように、不図示の帯電ローラ、現像装置、ドラムクリーニング装置を内蔵している。感光ドラムaは、アルミニウム製シリンダの外周面に感光層を形成しており、所定のプロセススピードで回転する。感光ドラムaは、帯電ローラを用いて、一様な負極性の電位に帯電される。
露光装置6は、各色の分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラムaの表面に画像の静電像を書き込む。感光ドラムaに書き込まれた静電像は、現像装置によってトナーを付着させて、トナー像に反転現像される。
転写ローラ2aは、中間転写ベルト2を押圧して、感光ドラムaと中間転写ベルト2との間に転写部Taを形成する。転写ローラ2aに正極性の直流電圧が印加されることにより、感光ドラムaに担持された負極性のトナー像が、転写部Taを通過する中間転写ベルト2へ一次転写される。
そして、上述したように中間転写ベルト2上のカラーのトナー像は、二次転写部3で二次転写ローラによって記録材Pに転写される。その後、記録材P上のトナー像は、記録材Pが定着装置5によって、加熱加圧されることで記録材Pに固着像として定着された後、上部トレイ7に排出される。
(定着装置)
図2は、本実施形態に係る熱定着による定着部としての定着装置の構成の説明図であり、図4は定着ローラと励磁コイルと磁性体コアの配置の説明図である。また、図5は誘導加熱装置の回路図である。図2に示すように、加熱回転体の一例である定着ローラ20は、トナー像が転写された記録材Pを加熱する。定着装置5は、定着ローラ20に対向配置される対向部材としての加圧ローラ22を水平方向に圧接して記録材Pが挟持搬送される加熱ニップNを形成している。
図2に示すように、定着ローラ20は、磁性体の芯金パイプ20aの外周にシリコンゴムの弾性層20bを配置し、弾性層20bの外周面をフッ素樹脂の離型層20cで被覆している。加圧ローラ22は、定着ローラ20の対向に配置されて、両側の軸端に配置された不図示の励磁コイルばねによって定着ローラ20へ向かって付勢されている。
加圧ローラ22は、磁性体の芯金パイプ22aの外周にシリコンゴムの弾性層22bを配置し、弾性層22bの外周面をフッ素樹脂の離型層22cで被覆している。定着ローラ20と加圧ローラ22は、長手方向の一端部に配置された不図示のギア列で連結され、ギア列に接続された不図示の駆動モータに駆動されて一体に回転する。
定着ローラ20は、定着ローラ20の外周に配設された励磁コイル71、磁性体コア72、磁気回路部材82を主体とした誘導加熱装置70によって外側から加熱される。誘導加熱装置の一例である誘導加熱装置70は、磁束を発生して定着ローラ20を加熱する。誘導発熱体としての定着ローラ20は、鉄等の強磁性の金属(透磁率の高い金属)を使うことで、誘導加熱装置70から発生する磁束を金属内部により多く拘束させる。磁束密度を高くすることにより、金属表面に渦電流を発生し、効率的に定着ローラ20を発熱させることができる。
定着装置5のハウジング76の内部に、紙面と垂直方向に長円状に形成された励磁コイル71が配置されている。励磁コイル71の中心に一部分を侵入させて、紙面と垂直方向に分割された複数の磁性体コア72が配置されている。磁気回路部材82は、磁性体コア72と定着ローラ20の芯金パイプ20aとを周回するように、励磁コイル71が発生する磁束の磁気回路を形成する。
磁性体コア72及び磁気回路部材82は、励磁コイル71より発生した交流磁束の磁気回路の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いている。磁性体コア72は、交流磁束を効率良く定着ローラ20を構成している誘導発熱体に導く役目をするため、材質として、フェライト等の高透磁率残留磁束密度の低いものを用いている。
図4に示すように、励磁コイル71は、長手方向に略楕円形状(横長舟形)をしており、定着ローラ20の外周面に沿うように配置されている。励磁コイル71は、φ0.1〜0.3mmの絶縁被覆電線の細線を略80〜160本程度束ねたリッツ線を芯線として用いている。芯線は、磁性体コア72を周回するように8〜12回巻回して励磁コイル71を構成している。
磁性体コア72は、記録材搬送方向と直交する記録材搬送幅方向に複数個が配列状態で配置されている。磁性体コア72は、定着ローラ20の軸垂直断面において、励磁コイル71の巻き中心部と外周面を円弧状に連絡するように構成されている。
定着装置5は、定着ローラ20を加熱するため、励磁コイル71による磁束で定着ローラ20に設けた誘導発熱体に渦電流を発生させてジュール熱により発熱させる誘導加熱方式を採用している。誘導加熱方式は、熱発生位置を加熱ニップ部Nのごく近くに置くことができるので、ハロゲンランプヒータを用いた熱ローラ方式に比して、電源投入時に、定着ローラ20表面の温度が定着に適当な温度になるまでに要する時間が短くて済む。また、熱発生位置から加熱ニップ部Nへの熱伝達経路が短く単純であるため、加熱の熱効率が高い。
励磁コイル71に高周波電流が印加されると、定着ローラ20が発熱する。励磁コイル71は、供給される交流電流によって交番磁束を発生し、交番磁束は磁性体コア72に導かれて、誘導発熱体である定着ローラ20に渦電流を発生させる。その渦電流は誘導発熱体の固有抵抗によってジュール熱を発生させる。即ち、励磁コイル71に交流電流を供給することで定着ローラ20が電磁誘導発熱状態になる。
図5に示すように、励磁回路310は、定着装置5の励磁コイル71へ高周波電流の交番電流を供給する。励磁コイル71は、電源装置300の励磁回路310におけるスイッチ素子303、304の接続点とコンデンサ305、306の接続点との間に接続されている。励磁コイル71は、磁束を発生して定着ローラ20を誘導加熱する。
電源装置300は、ダイオードブリッジ301と、フィルタコンデンサ302とで整流平滑回路を構成して直流電圧を発生させる。電力制御部313は、駆動部312を介して、スイッチ素子303、304を交互に作動させて、励磁コイル71に交流電圧を印加する。コンデンサ305、306は、励磁コイル71とともに共振回路を形成する共振コンデンサである。駆動部312は、2つのスイッチ素子303、304をそれぞれ駆動する。
電力検知部311は、電源装置300の入力電力を検出する。また、温度検出素子314は、導電性発熱体である定着ローラ20表面に対向する位置に非接触で配置され、定着ローラ20の温度を検出する。電力制御部313は、画像形成装置30の制御部30からの動作命令と、温度検知部314の検出結果などの定着装置5の状態から、駆動部312が出力する電力条件を決定する。駆動部312は、電力制御部313で決定された電力条件に従って、2つのスイッチ素子303、304を駆動する。
(フライング制御)
本実施形態に係る特徴的な制御であるフライング制御は、コピースタートボタンが押される前に、人感センサやカメラ(撮像素子)などによりユーザーが画像形成装置30近傍の所定の位置に居ることを検知した段階で、定着器の立上げ処理としてのウォームアップ処理(昇温工程+蓄熱工程)を開始してしまうという制御に関する。詳細は後述するとして、予め概要を示せば、以下の通りである。
定着器のウォームアップにおける予備加熱による蓄熱工程の時間がデフォルト設定(最厚紙)になっていると、給紙カセットに薄紙しか入っていないようなケースでは、蓄熱工程を余計に実施することになり、エネルギーを無駄に消費してしまう。そこで、給紙カセットに入っている用紙に応じた時間に亘ってウォームアップを実施する。
そして、給紙カセットが複数で、入っている用紙の種類も異なる場合には、より多くの蓄熱時間が必要となる用紙に応じたウォームアップを実施する。
なお、ウォームアップ中に、プリント信号が入力された場合には、指定された紙種に応じた時間に亘りウォームアップを実施し、終了次第、画像形成を開始する。
(記録材に応じた予備加熱時間の設定)
本実施形態では、定着装置の立上げ処理(ウォームアップ処理)における予備加熱時間(定着ローラの温度が目標温度に到達した後、引き続き定着ローラを加熱させる時間であり、定着装置に蓄熱させるための時間である)を以下のように設定する。即ち、複数の記録材カセットに収容されている記録材の種類(材質、厚さ、サイズ)に対応した情報を基に設定する。その結果、ユーザー(操作者)の待ち時間を減らしユーザー利便性を実現するものである。
ここで、定着装置の立上げ処理(ウォームアップ処理)とは、画像形成装置の主電源オン(メインスイッチ押下げ)に伴い、定着装置が定着処理可能となる状態へ移行させる準備動作のことである。具体的には、立上げ処理では、電源オンに伴い励磁コイル71への通電を開始するとともに定着ローラの回転を開始させ、定着ローラの加熱動作が行われる。
詳細には、立上げ処理には、定着ローラの温度を目標温度に上昇させる第1の処理と、これに引き続く、定着ローラの温度が目標温度に到達した状態で用紙を定着装置に導入させることなく定着ローラを継続して加熱させる(所謂、空回転)第2の処理が含まれる。この第2の処理に要する時間が、上述した予備加熱時間に相当する。
また、これら2つの処理中は、定着ローラと加圧ローラは互いに圧接した状態で回転している。そして、本例では、定着ローラの目標温度(温調温度)は記録材の種類に依らず同じとなっている。なお、記録材の種類に応じて定着ローラの目標温度が異なる場合であっても良い。
なお、このような定着装置の立上げ処理は、上述の例だけでない。例えば、画像形成装置がスリープモード(各種機器の制御を司るCPUなどの機器以外への電力供給が停止された省エネルギーモード(節電モード))から復帰する際(図7のサブ電源スイッチ404を押す)においても、同様に実施される。
本実施形態は、画像形成装置に設置されたサーモパイルや召電素子などの人感センサやカメラ(撮像素子)などによりユーザーが画像形成装置30近傍の所定の位置に居る(操作者が存在する)ことを検知してフライングスタートするものである。しかし、便宜上、操作者による操作を検知してフライングスタートするものに置き換えて以下説明する(なお、便宜上、置き換えたものも本実施形態と記載する)。
図6は本実施形態に係る定着装置を含む画像形成装置の制御ブロック図、また図1は本実施形態に係る定着装置の起動制御のフローチャートである。図7は本実施形態に係る操作パネル101の模式図である。本例では、操作パネル101は液晶表示部により構成されており、後述するように、操作者によるタッチ操作により種々の指示/選択を行うことが可能となっている。
図6に示すように、制御部100は、画像形成装置30の動作を制御する中央制御装置(CPU)である。そして、制御部100は、記録材カセット103、104、105に収容されている記録材の坪量情報を基に、定着ローラ20の定着可能温度に到達後の追加加熱時間としての予備加熱時間を設定する。
操作パネル101を通じたオペレータ(操作者)の操作内容又は外部コンピュータ102から送信された記録材情報に基づいて記録材の坪量を判別する。記録材坪量検知部103〜105は、図3に示す三段の記録材カセット103〜105に付設されたセンサ103s〜105sの出力に基づいて、記録材カセット103〜105に搭載された記録材の坪量を検出する。
センサ103s〜105sは、記録材カセット103〜105にセットされた記録材Pに超音波を照射し、減衰した振幅情報から、記録材坪量検知を行う。これらの記録材情報は格納部として機能する不揮発性のメモリ106(図6)に格納され、次回の電源ON時に使用される。
なお、記録材カセット103〜105に収容された記録材の種類については、後述する操作パネル101に設置されたタッチパネル403を通じて操作者により登録することも可能である。この場合、タッチパネル403を通じて登録された記録材の種類に対応する情報は、同様に、メモリ106に格納され、立上げ処理の予備加熱時間を設定するのに用いられる。
(フライングスタート)
図7に示すように、画像形成装置には、操作者により指示を行うためのキー操作が行われるキーを複数備えた操作部としての操作パネル101が設けられている。操作パネル101には、ハードキー(操作者がキー操作を行う部位)である、スタートボタン(画像形成開始(複写開始)を指示するためのボタン)401、数値入力ボタン(0〜9までの各数字のボタン)402、上述したサブ電源スイッチ404が設けられる。さらに、操作パネル101には、液晶表示部となっているタッチパネル403が設けられている。
このタッチパネル403には、以下のボタン(キー)が表示されている。ソフトキー(操作者がキー操作を行う部位)である、記録材の種類を設定するためのボタン(用紙の坪量を設定する)、記録材の両面への画像形成を指示するためのボタン、ステイプル処理を指示するためのボタンなど、画像形成に関わる指示ボタンである。これらのボタン(キー)を操作者がタッチすることにより、各種指示が行われる。このように操作パネル101を通じて操作者により指定された情報は、制御部100へ送信される構成となっている。
制御部100(図6)は、操作パネル101、記録材カセット103〜105の動作状況を検知(判定)して、プリント枚数や記録材の種類を指定した上で画像形成命令を受ける前に(コピースタートボタンを押す前に)、以下を行う。即ち、操作者(ユーザー)が所定の操作を行ったときに、画像形成すべき記録材の種類が不明な状況であるにも関わらず、先んじて、定着装置の立上げ処理を開始させる(所謂、フライングスタートと呼ぶがフライング制御とも呼ぶ)。
操作者により所定の操作が行われたことに基づきフライング制御を行うにあたり、より確実性を高めて消費電力が無駄にならないようにするため、ユーザー(操作者)がプリント動作を行う可能性が高い動作に連動するようにした方が好ましい。そこで、本実施形態では、操作パネル101のボタン401、402やタッチパネル403が操作された場合をトリガーにして、フライング制御を開始させるように構成されている。
なお、フライング制御を開始させるトリガー(条件)として、このような例だけに限られない。操作者により原稿が原稿読取り装置700の原稿台に載置されたのをセンサにより検出したことに基づいてフライング制御を開始するようにしても良い。また、原稿読取り装置700の原稿カバーの開操作及び閉操作のうち少なくとも1つの操作をセンサ702(図3)により検出したことに基づいて、フライング制御を開始するようにしても良い。
さらに、記録材カセット103〜105に記録材Pが新しくセットされたこと、即ち、記録材カセットの引き出し操作及び挿入操作のうち少なくとも1つをセンサ800(図3)により検出したことに基づくようにしても良い。
このように操作者により所定の操作が行われたことに基づきフライング制御を行うものに対し、以下のようにフライング制御を行うようにできる。即ち、フライング制御を開始させるトリガーとして、画像形成装置に設置されたサーモパイルや召電素子などの人感センサやカメラ(撮像素子)などによりユーザーが画像形成装置30近傍の所定の位置に居ることを検知したことに基づきフライング制御を行うようにできる。
(フローチャート)
以下、図1のフローチャートを用いて、本実施形態における動作について説明する。低消費電力状態であるスリープ状態、スタンバイ状態、電源OFFの状態から、電源ON(メインスイッチ押下げ)や上述したフライング制御を開始させるトリガーとなる所定の動作が行われると本実施形態の制御が実行される(S3000)。
制御部100(図6)は、駆動モータMを駆動して加圧ローラ22および定着ローラ20を回転させる。そして、電源制御部313(図5)は、定着ローラ20が目標温度に到達するまで、励磁コイル71に高周波電圧を印加して定着ローラ20を発熱させる(S3001)。そして、温度センサ314の出力に基づき定着ローラ20が目標温度に達したか否かを判別する(S3002)。制御部100は記録材カセットに搭載された記録材の種類に対応する情報をメモリ(格納部)106から読み出す(S3004)。
制御部100は、記録材の坪量と必要予備加熱時間との関係を定めたテーブル(表1)に基づき、記録材カセット103、104、105に搭載される記録材のうち、予備加熱時間を最も長く必要(最長)とする坪量の記録材における予備加熱時間をTmaxとする。そして、これを計測値と比較される許容値としてメモリ106に記憶する(S3005)。これらは、プリント開始信号を受ける前(コピースタートボタン401を押下げする前)の時点で行われる。
制御部100は、立上げ処理中に、コピースタートボタン401のON動作(プリント信号)があるかどうかを確認する(S3006)。S3006でプリント信号がある場合、プリントすべき記録材の情報に応じた予備加熱時間に達するまで加熱動作及び回転動作を行った上で、定着動作を開始する(S3009〜S3010)。即ち、S3009では、立上げ処理中に記録材の種類が判明した場合、判明した記録材の種類に応じた立上げ処理を行う制御へ変更することになる。そして、予備加熱時間の計測が制御部100に内蔵されたタイマ(計測部)により行われる。
定着動作が終了後(S3011)、定着動作を含めた目標温度に達してからの時間がTmaxに達しているかを判断する(S3008)し、未達の場合は予備加熱を継続し、達した場合はスタンバイ状態に移行する。
S3006でプリント信号(画像形成命令)が無く、記録材サイズ検知部103〜105などで記録材の設定情報の変更や追加がある場合は、再度記録材情報を読み出しTmaxの値の再設定を行う(S3007)。S3006でプリント信号が無く、記録材の設定情報の変更や追加がない場合は、目標温度に到達してからの予備加熱時間がTmaxに到達した時点で立上げ処理終了とし、スタンバイ状態に移行する(S3008)。
本実施形態のフローによれば、電源オンやユーザーによる所定の動作によりフライング制御が開始され、立上げ処理中に画像形成すべき記録材Pの種類が不明な状況となっていても、待ち時間を短くしつつ定着動作が可能な状態にすることができる。もちろん、定着処理中に画像形成すべき記録材の種類が判明した場合には、その判明した記録材の種類に応じた予備加熱時間でもって立上げ処理を実行する構成となっているので、同様に、待ち時間を短くしつつ定着動作が可能な状態にすることができる。
一方、LANケーブルを介して外部(画像形成装置とは独立した外部機器)のコンピュータ102(図6)などからのプリント信号を画像形成装置が受付けた場合、以下のように扱う。即ち、このプリント信号にはプリントすべき画像情報(原稿画像データ)とともに記録材の種類に対応する情報を含む信号(情報)が含まれている。従って、このようなケースでは、実行部としての制御部100がこの入力信号に含まれる情報を基に記録材の種類を判別し、判別された記録材の種類に応じた予備加熱時間となるように立上げ処理を実行させる(S3009)。つまり、このようなケースでは、フライング制御は行われない。
本実施形態では予備加熱時間がTmaxに到達してから、記録材Pを各カセットから供給開始しているが、各記録材カセット103〜105から加熱ニップ部Nまでの記録材Pの搬送時間を考慮して、予備加熱時間をオフセットしても良い。
ここで、表1の紙坪量×必要予備加熱時間テーブルについて、詳細に説明する。厚紙として用いられる坪量106〜300g/m2の記録材は、生産性/搬送速度を落として定着性を確保しているため、定着ローラ20の温度低下が少なく、予備加熱を行う必要がない。普通紙として用いられる坪量52〜105g/m2の記録材は、1分あたりに加熱しなければいけない記録材の枚数が多いため温度低下が大きくなる。
さらに坪量が52〜63g/m2程度の記録材では、定着ローラ20が奪われる熱量が少ないため、予備加熱を行わなくても温度低下が発生することはない。64〜105g/m2の記録材では、予備加熱を行わなければ、温度低下が発生して定着不良が発生してしまう。特に83〜105g/m2に分類される記録材では、予備加熱を90秒行わなければ、温度低下により定着不良が発生してしまう。
表1から、記録材カセット103に坪量が52g/m2の用紙、記録材カセット104に坪量が105g/m2の用紙、記録材カセット105に坪量が220g/m2の用紙がセットされている場合、Tmaxは90秒となる。また、すべての記録材カセットに坪量52g/m2の記録材がセットされていると、Tmaxは0秒となる。
予備加熱時間をTmax秒行っていれば、記録材カセット103、104、105にセットされた記録材の中で最も必要予備加熱時間が長い時間、予備加熱を行っていることになる。よって、いずれの記録材カセットから記録材が供給された場合においても、定着ローラ20の蓄熱が十分であり、画像形成開始後において定着ローラの温度低下による定着不良が発生することはない。
一方、従来の方法では、表1の中で予備加熱時間が最も長い90秒で常に予備加熱を行っていた。この場合、予備加熱時間が夫々0秒と30秒である坪量が52g/m2と64g/m2の記録材しか記録材カセットに収容されていない場合でも90秒間に亘り予備加熱を行ってしまい、操作者にとって必要以上に待たされてしまう。つまり、画像形成開始タイミングが必要以上に遅れることになり、結果として、画像形成された記録材が排出されるまでの時間が長くなってしまう。
このように第1の実施形態では、操作者の所定の操作(予備動作)に伴い開始される立上げ処理を必要以上に長く実施してしまうことがないため、エネルギーを無駄に消費することが避けられる。また、操作者が所定の操作(予備動作)を行ってから、待たされるユーザーの不快感を低減することが可能である。
また、本実施形態では、目標温度を記録材Pの坪量に寄らず一定としていたが、記録材Pの坪量、サイズ、コート剤の有無などの記録材の種類がわかり次第、記録材の種類に応じた目標温度で予備加熱を行うこともできる。このように、記録材の種類に応じた最適化された目標温度を用いることにより、コート紙などでは目標温度を高く設定してより高い画像光沢を得られるようになる。
また、本実施形態では、記録材カセットを複数備えた画像形成装置について説明したが、このような形態に限らず、記録材カセットを1つだけ備えた画像形成装置についても、同様に適用することが可能である。つまり、操作者が上記の所定の操作を行ったことに伴い、記録材カセットに収容された記録材の種類に応じた時間に亘り立上げ処理(昇温工程+蓄熱工程)を実施することにより、ユーザーに対する利便性を同様に向上させることが可能となる。
《第2の実施形態》
本実施形態は、第1の実施形態において、温度検知部(図6)の温度検知情報を基に、Tmaxを再設定する点が異なる。本実施形態における制御は、図1のフローチャートが図8に置き換わる以外、装置構成及び画像形成等制御は第1の実施形態と同一である。以下、図8のフローチャートについて説明するが、第1の実施形態と同様の動作を行う部分は、同じ符号を付け説明を省略する。
本実施形態では、Tmaxを算出するにあたり、本体内に配置された記録材カセット103、104、105周辺に配置された温湿度検知部801の検知情報に基づき、必要予備加熱時間テーブルを変更する(S3100)。表2に、記録材近傍の温湿度検知部801の温度が20℃以上の場合の予備加熱時間テーブルを示す。記録材温度が高い場合は、定着ローラ20から記録材への熱の移動が少なくなるため、予備加熱時間が短くなっても温度低下が少なくなる。
本実施形態では、温湿度検出部801で記録材カセット周辺の温度を検知していたが、記録材の温度を類推できる画像形成装置の本体内であれば、どこに配置してもよい。但し、定着装置5の熱の影響を受けにくい場所がより好ましい。
本実施形態では、加熱開始時の定着ローラ20の温度を検知し、予備加熱時間テーブルより算出されたTmaxから、表3に示す予備加熱時間オフセットΔTを差し引いた値を新たにTmaxとして再設定している(S3101)。表3は、加熱開始時の定着ローラ20温度と予備加熱時間オフセットΔTの関係を示し、定着ローラ20の温度が高い場合(41℃以上)は、定着ローラ20の蓄熱がすでにされているため、予備加熱時間を削減できる。なお、定着ローラ温度に応じて予備加熱時間テーブルを変更せずに、Tmaxから定着ローラ温度に応じた一定値を差し引くことで代替したりしても良い。
以上、本実施形態によれば、ユーザーの待機時間をより一層減らし、利便性を向上することが可能になる。
《第3の実施形態》
第1の実施形態では、複数の記録材坪量情報を基に予備加熱時間を決定していたのに対し、本実施形態では複数の記録材坪量情報を基に定着ローラ20の長手方向温度差を決定する点が異なる。本実施形態の構成および制御において、第1の実施形態値と同様の構成の部分は、同符号を付与し、説明を省略する。以下、本実施形態について図9〜図11を用いて説明する。
図9は、本実施形態における断面図であり、図10は誘導加熱装置70を取り外して図9の矢印Aの方向から見た略式図である。また、図11は本実施形態のブロック図である。本実施形態では、図9、図10に示すように、定着ローラ20の長手方向中央部を冷却する中央冷却FAN316を有し、さらに定着ローラ20の長手方向端部には、長手方向端部温度を検出する端部温度検出部材315を有している。
定着ローラ20は、記録材にシワが発生するのを防止するために、その長手方向中央部の外径(30mm)に対して長手方向端部の外径(30.2mm)が大きい、所謂、クラウン形状となっている。しかし、定着ローラ20は、直前に実行されたプリントジョブや定着ローラ20の長手方向端部からの放熱により、その長手方向中央部と端部とで温度差が発生し得る。これにより、定着ローラ20には、温度差に起因して熱膨張に差が生じてしまい、予め設けられていた外径形状を維持できなくなってしまい、記録材にシワが発生してしまう恐れがある。
そこで、中央冷却FAN316は、定着ローラ20の長手方向中央部を冷却することにより、定着ローラ20長手方向中央部の熱膨張を抑え、所望の定着ローラ20の長手方向の外径差に制御する。即ち、図11の制御部100により、定着ローラ20中央の温度検知部材314と端部温度検出部材315の温度差を検出して、所定の温度差になるように中央冷却FAN316の制御を行う。
定着ローラ20の長手方向中央部の温度が端部よりも高くなると、定着ローラ20の長手方向中央部の外径が大きくなり、搬送力が端部に比べ大きくなる。その結果、記録材にシワが発生してしまう。
表4に、各坪量の記録材におけるシワが発生しない長手方向の中央部−端部の温度差ΔTE(℃)を示した。坪量が大きい記録材では、記録材自体の剛性が高いため、シワが発生しにくいが、坪量の小さい記録材では、剛性が弱いため記録材が座屈しやすくシワが発生しやすくなる。その結果、表4のように坪量の大きい記録材では、長手方向中央部の温度が高くなっていてもシワの問題はないが、坪量が52g/m2程度の小さい記録材では、長手方向中央部と端部の温度差が5℃以下でないとシワが発生してしまった。
(フローチャート)
次に、図12のフローチャートを用いて本実施形態の動作を説明する。本実施形態では、第1の実施形態と異なるステップのみを説明する。第1の実施形態では、S3005で各予備加熱時間のうち最も長いものを最大予備加熱時間Tmaxとして算出し、これを共通の許容値としていた。これに対して、本実施形態では各中央端部温度差のうち最も短いものを最小中央端部温度差TEminとして算出し、これを共通の許容値とする。
即ち、制御部100は、メモリ106に格納された、記録材の坪量と、定着ローラの長手方向中央部−端部の温度差の関係を示すテーブル(表4)に基づき、最小中央端部温度差TEminを得る。そして、このように記録材カセット103、104、105に搭載されている記録材のうち、温度差が最も小さい温度差をTEminとしてメモリ106に記憶する(S3205)。
第1の実施形態で加熱回転を行っていたステップで、中央冷却FAN316を駆動し所定の温度差(定着ローラの長手方向の中央部−端部間の温度差)になるように制御を行う(S3201、S3203、S3209)。そして、定着ローラが定着可能温度に達していれば、立ち上げ終了としてスタンバイモードに移行する(S3208)。また、プリント信号があり、記録材の種類があらかじめ分かっている場合は、表4のテーブルから所定の温度差になった時点で定着動作を開始する(S3010)。
本実施形態においても、第2の実施形態と同様に、温湿度検知部(図3)の湿度検知情報を基に、温度差に関する計測値と比較される上記共通の許容値TEminを再設定することができる。即ち、低湿度環境では、記録材の剛性が高くなり、シワが発生しにくいことから、記録材近傍の湿度を検知する湿度センサの情報を基に、許容値TEminを再設定することができる。
本実施形態によれば、ユーザーが記録材カセットにセットした記録材(用紙)に対して、シワの発生を抑え、必要以上に待たされないようにすることにより、ユーザーにとっての利便性を向上することができる。
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、収容した記録材に合わせて起動時(スリープモード復帰時を含む)の予備動作が設定される限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
(変形例1)
上述した第1、第2の実施形態では、予備加熱時間を記録材の坪量に応じて設定する構成としているが、本発明はこれに限らず、記録材のサイズに応じて予備加熱時間を設定するようにしても良い。具体的には、記録材の幅が狭いときは、狭い発熱幅に電力を集中して投入できるため、予備加熱時間を少なく設定することができる。これにより、ユーザーが必要以上に待たされることがなくなり、利便性を向上することができる。
同様に、第3の実施形態では、温度差TEminを記録材の坪量や湿度に基づき設定していたが、本発明はこれに限らず、記録材のサイズに応じて設定するようにしても良い。具体的には、記録材の搬送方向の長さが短い場合には、シワが発生しにくいため、温度差TEminを大きく設定することができる。このように設定可能な理由は、記録材の搬送方向と直交する方向における搬送量の差は記録材後端になるほど蓄積されるので、搬送方向の長さが短い記録材ではシワが発生する前に定着ニップNを抜けることができるからである。これにより、ユーザーが必要以上に待たされることが無くなり、利便性を向上できる。
(変形例2)
上述した実施形態で示された誘導加熱される回転体及びこれに圧接される回転体は、ローラのみならずベルト、フィルムであっても良い。また、以上では、画像形成装置の例として複写機能とプリンタ機能を併せ持つ複合機を例に説明したが、このような形態に限られない。即ち、複写機能のみを備えた複写機や、複写機能とプリンタ機能とFAX機能を備えた複合機の画像形成装置でも本発明を同様に適用することが可能である。
(変形例3)
以上では、定着装置として、記録材(シート)上に形成された未定着トナー像を加熱して定着する装置を例に説明したが、次のような装置にも同様に適用することが可能である。例えば、記録材に仮定着されたトナー像を加熱し再定着することにより画像のグロス(光沢度)を増大させる装置(この場合も定着装置と呼ぶことにする)にも本発明を適用することが可能である。
1a、1b、1c、1d・・画像形成部、5・・定着装置、100・・制御部(実行部)、103、104、105・・記録材カセット、106・・メモリ(格納部)

Claims (5)

  1. 記録材を収容する記録材収容部と、
    前記記録材収容部から搬送された記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部により記録材に形成されたトナー像を熱定着する定着部と、
    前記記録材収容部に収容された記録材の種類に対応する情報を格納する格納部と、
    画像形成装置の近傍の所定の位置に操作者が存在することを検出する検出部と、
    画像形成命令を受ける前に前記検出部が操作者の存在を検出したことに伴い前記定着部の立上げ処理を開始させるとともに、前記格納部に格納された情報に応じて前記定着部の立上げ処理に要する時間が最長となる記録材のための立上げ処理を実行させる実行部と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記立上げ処理には、前記定着部の温度を目標温度に上昇させる処理と、前記定着部の温度が前記目標温度に到達した状態で記録材を導入させることなく前記定着部を継続して加熱する処理と、が含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記定着部の目標温度は記録材の種類に依らず同じであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記実行部は、前記定着部の立上げ処理中に画像形成命令を受けたことに伴い記録材の種類が判明した場合、判明した記録材の種類に応じた立上げ処理を実行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 通信回線を介して外部のコンピュータから画像形成命令を受けて画像形成を行う場合、前記実行部は画像形成命令を受けたことに伴い判明した記録材の種類に応じた立上げ処理を実行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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