JP6137893B2 - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、電子写真方式や静電記録方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に搭載する画像加熱定着装置として用いて好適な電磁誘導加熱方式の加熱装置に関する。また該加熱装置を定着手段として備えた画像形成装置に関する。
近年、画像形成装置の省エネルギー化と、ユーザーの操作性向上(クイックプリント、ウォームアップ時間の短縮)との両立を図ることが重視されている。このことから、画像形成装置の搭載する画像加熱定着装置、即ち記録材上の未定着画像を固着画像として加熱定着する装置として、発熱効率の高い電磁誘導加熱方式を用いた加熱装置(以下、誘導加熱装置と称す)が提案されている(特許文献1)。
この誘導加熱装置は、加熱部材としての、金属導体(導電部材、磁性材料、誘導発熱体)からなる中空の定着ローラに誘導電流(渦電流)を発生させ、定着ローラ自体の表皮抵抗によって定着ローラそのものをジュール発熱させる。この誘導加熱装置によれば、発熱効率が極めて向上するため、ウォームアップ時間の短縮が可能となる。
このような誘導加熱装置においては、印加する高周波電流の周波数、定着ローラの透磁率および固有抵抗値とから決定される表皮抵抗に比例した電力で発熱する。したがって定着ローラの厚みが厚くても発熱量は変わらない。このため定着ローラの厚さが厚い場合、かえって発熱効率が低下してしまい、ウォームアップ時間短縮の効果を得ることが困難となる。一方、定着ローラの厚さが薄すぎてしまうと、磁束が定着ローラを突き抜けてしまい、発熱効率が低下したり、定着ローラ周辺の金属部材を加熱したりしてしまう。したがって、定着ローラの厚さはおおよそ50〜2000μm程度が望ましい。
ところが、定着ローラの厚さが十分でないと、ローラ軸方向への熱の伝達がされにくい。そのために、例えば定着ローラの長さよりも短い幅サイズのシート状の記録材(以下、記録紙と記す)を通紙して画像定着させる場合、記録紙が通過する定着ローラ部分(通紙部)よりも通過しない定着ローラ部分(非通紙部)の温度が高くなってしまう。以下、この現象を非通紙部昇温と称する。
このため、通紙部と非通紙部において、記録紙の搬送速度の差が大きくなる。この速度差によって、記録紙にしわが発生(紙しわ)する、記録紙の後端が跳ね上がることにより画像が擦れる(擦れ画像)といった、画像不良が発生する場合がある。
また、定着ローラに、キュリー温度を所定の定着温度付近に調整された整磁合金を用いた誘導加熱装置が提案されている(特許文献2)。一般に磁性材料は、加熱されて材料固有のキュリー温度を越えると自発磁化がなくなるので、磁性材料の透磁率が減少する。それに伴って磁性材料中に誘導される渦電流の電流密度が減少することで、磁性材料の発熱量が減少する。したがって、定着ローラの材料として所定温度に調整されたキュリー温度を持つ整磁合金を用いると、非通紙部の温度は所定の飽和温度以上に加熱されることがない。そのため、上述の非通紙部昇温を改善することができる。
特開昭59−33787号公報 特開2000−39797号公報
近年、出力画像の多様化のために、記録紙として厚紙やコート紙への画像出力の要求が多くなっている。厚紙は、熱容量が通常の記録紙(普通紙)と比べて大きいため、トナー像を加熱定着させるためのエネルギーが多く必要である。また、コート紙は、通常の記録紙と比べて表面が平滑であるため、定着ローラの温度低下が大きくなり、高速での定着が難しい。
以下、通常の記録紙を加熱する場合を普通紙モードと称し、普通紙モードよりも搬送速度を遅くする場合のことを厚紙モードと称す。
一般には、厚紙モードの場合、定着ローラの温度は普通紙モードの時よりも高く設定される。しかし、定着ローラの温度を高くした場合、普通紙モードから厚紙モードへの切り替え時において定着ローラを加熱する、もしくは厚紙モードから普通紙モードへの切り替え時において定着ローラを冷却する時間が必要となる。そのため、出力を待たせてしまうことがある。また、厚紙モードの定着ローラ温度には、定着ローラの耐久性や保安性の低下のために上限が設定されることから、さらなる厚紙(例えば坪量350g/m2の厚紙)では、定着性が困難となる。
一方で、厚紙モードの場合は普通紙モードよりも加熱時間を長くする、すなわち厚紙モードの搬送速度(プロセススピード:定着ローラの回転速度)を普通紙モードよりも遅くして、厚紙を十分に加熱する方法もある。この方法では、普通紙モードと厚紙モードとで、定着ローラ温度を同じにすることができるため、出力を待たせてしまうことがない。また、搬送速度には下限が設定されないため、350g/m2以上の厚紙でも、定着ローラ寿命や保安性を損なうことなく、定着可能となる。
ところで、キュリー温度を所定の定着温度付近に調整された整磁合金を用いた誘導加熱装置にあっては、非通紙部の温度は、キュリー温度付近における減少した発熱量と、非通紙部の放熱量とがバランスのとれた飽和温度で一定となることが知られている。
一般に、大気中で移動する物体の放熱量は、物体の表面積、大気と物体との相対速度、大気と物体の温度差の関数であり、整磁合金を用いた誘導加熱装置において、厚紙モードの非通紙部の放熱量は、普通紙モードの非通紙部の放熱量よりも少なくなる。したがって、非通紙部の温度は、普通紙モードよりも厚紙モードで高くなってしまう。そのため、例えば厚紙モードの直後に、通常の紙を加熱定着させる場合などには紙シワや擦れ画像が発生する場合がある。
即ち、プロセススピードは遅いほうが加熱部材としての定着ローラからの放熱量が少ない。そのため、整磁合金の自己温度制御特性による飽和温度が上昇するため、非通紙部昇温が顕著化する。このため、プロセススピードが遅いモード(厚紙モード)において、非通紙部昇温によるホットオフセットや紙しわといった問題を発生する。したがって、プロセススピードが遅いモードのときには、プロセススピードが速いモード(普通紙モード)のときよりも、キュリー温度以上での発熱量を少なくする必要がある。
そこで本発明は、加熱部材として所定のキュリー温度に調整された整磁合を用いた誘導加熱装置において、キュリー温度以上での発熱量を少なくすることで、プロセススピードが遅いモードであっても、飽和温度の上昇を抑えることを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る加熱装置の代表的な構成は、少なくとも一部が所定のキュリー温度の整磁合金である加熱部材と、前記加熱部材を誘導加熱する励磁コイルと、前記励磁コイルに高周波電流を印加する高周波電源と、前記加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の検知温度に応じて前記加熱部材を所定の温調温度に維持するよう前記高周波電源を制御する制御手段とを備え、搬送されるシート状部材を前記加熱部材の熱により加熱する加熱装置であって、前記シート状部材の、少なくとも加熱装置における搬送速度が異なる複数の加熱モードを選択可能であって、第一の搬送速度で加熱される第一の加熱モードにおける前記励磁コイルに印加される最大電流は、前記第一の搬送速度よりも遅い第二の搬送速度で加熱される第二の加熱モードにおける前記励磁コイルに印加される最大電流よりも大きいことを特徴とする。
本発明では、第二の加熱モード、即ちプロセススピードが遅いモードのときには、励磁コイルの印加電流を下げる。これによって、キュリー温度以上での発熱量を少なくすることで、プロセススピードが遅いモードであっても、飽和温度の上昇を抑えることが可能となる。
第一の実施例における画像形成装置例の概略構成図 搭載された定着装置(電磁誘導加熱方式の加熱装置)の要部の横断面模型図 同じく要部の正面模型図 同じく要部の縦断正面模型図 定着ローラの発熱原理を示す図 所定のキュリー温度を持つ磁性体の、透磁率の温度特性を示す図 (a)と(b)はそれぞれ第三の実施例における定着装置の概略構成図
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
(第一の実施例)
(1)画像形成装置例
図1は本発明に従う電磁誘導加熱方式の加熱装置を画像加熱定着装置として備えた画像形成装置の一例の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用、レーザー走査露光方式のデジタル画像形成装置(複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機能機等)である。
41は像担持体としての回転ドラム型の感光体(以下、ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度をもって回転駆動され、その回転課程において一次帯電器42によってマイナスの所定の暗電位Vdに一様に帯電処理される。
43はレーザービームスキャナである。このスキャナは、画像読取装置、ワードプロセッサ、コンピュータ等のホスト装置200(図3)から制御回路部100を介して入力されるデジタル画像信号に対応して変調されたレーザービームLを出力し、ドラム41の一様帯電処理面を走査露光する。この露光により、ドラム41の露光部分は電位絶対値が小さくなって明電位Vlとなり、ドラム41面に画像信号に対応した静電潜像が形成される。静電潜像は現像器44により、ドラム面の露光明電位Vl部にマイナスに帯電したトナーが付着することで、トナー画像tとして顕像化される。
一方、給紙部(不図示)からシート状部材(被加熱材:記録媒体)としての記録材(以下、記録紙と記す)Pが給紙される。そして、その記録紙Pが、転写バイアスを印加した転写部材としての転写ローラ45とドラム41の圧接部(転写部)へドラム41の回転(トナー画像の形成)と同期された適切なタイミングをもって導入される。これにより、記録紙Pの面にドラム41上のトナー画像tが順次に転写される。トナー画像tが形成された記録紙Pは、ドラム41から分離され、定着装置Fに導入される。定着装置Fは記録紙Pに形成されたトナー画像t(未定着画像)を加圧加熱して固着画像として定着する。
そして、定着装置Fを出た記録紙Pが画像形成物として機外に排出される。また、記録紙Pが分離された後のドラム41の表面は、クリーニング装置46でドラム表面に残ったトナー等の残留物の除去を受けたのち、繰り返して作像に供される。上記において、記録紙Pが定着装置Fに至るまでの機構部が搬送される記録紙Pに未定着画像を形成する画像形成部である。
(2)定着装置F
(2−1)全体的な概略構成
図2は定着装置Fの要部の拡大横断面模型図、図3は要部の正面模型図、図4は要部の縦断正面模型図である。ここで、定着装置Fの正面とは装置を記録紙Pが導入される側から見た面である。左または右とは装置を正面から見て左または右である。この定着装置Fは、電磁誘導加熱方式で定着ローラ型の加熱装置であり、互いに所定の押圧力で圧接させた上下平行2本の定着ローラ1と加圧ローラ(加圧部材)2を有する。
定着ローラ1は少なくとも一部が所定のキュリー温度に調整された整磁合金よりなる加熱部材である。本実施例においては、芯金1aとその外周面に設けた表層1bとを有する円筒状ローラである。
芯金1aは、外径が40mm、厚さは0.5mm、長さ340mmであって、キュリー温度Tcが本実施例では220℃になるように鉄、ニッケル、クロム等の材料を配合した整磁合金よりなる。表層1bは、ローラ表面のトナー離型性を高めるためにPFAやPTFE等のフッ素樹脂より成る、厚さ30μmの樹脂層である。また、カラー画像等の高画質な定着画像を得るために、芯金1aと表層1bの間にシリコーンゴムなどの耐熱弾性層を設けても良い。
この定着ローラ1はその両端部側がそれぞれ定着装置の手前側(右側)と奥側(左側)の側板(定着ユニットフレーム)21・22間に軸受23を介して回転可能に支持され配設されている。また、内空部には、定着ローラ1に誘導電流(渦電流)を誘起させてジュール発熱させるための高周波磁界を生じる、磁場発生手段としてのコイル・アセンブリ3が挿入されて配置されている。
加圧ローラ2は、芯金2aと、耐熱弾性層2bと、表層2cと、から成る、外径38mm、長さは330mmの弾性ローラである。本実施例において、芯金2aは外径28mm、肉厚3mmのパイプ状の剛性部材である。耐熱弾性層2bは芯金2aの外周面にローラ形成される厚さ5mmの層である。表層2cは、耐熱弾性層2bの外周面に形成されるPFA、PTFEなどのフッ素樹脂より成る厚さ50μmの層である。この加圧ローラ2は定着ローラ1の下側に平行に配列されていて、芯金2aの両端部側がそれぞれ手前側と奥側の側板21・22間に軸受26を介して回転自在に保持されている。
そして、定着ローラ1と加圧ローラ2を互いに加圧機構(不図示)によって弾性体層2bの弾性に抗して所定の押圧力で圧接させている。これにより、両ローラ1・2間に記録紙Pの搬送方向に関して所定幅の定着ニップ部Nが形成されている。定着ニップ部Nは記録紙Pを挟持搬送してトナー像を加熱定着する部位である。本実施例においては幅約5mmの定着ニップ部Nを形成させている。
ここで、装置構成部材についてその長手方向とは、定着ニップ部Nを含む平面において記録紙Pの搬送方向に対して直交する方向としている。また、中央部及び端部は、その長手方向の中央部及び端部である。
定着ローラ1の内空部に挿入されている磁場発生手段としてのコイル・アセンブリ3は、ボビン4、磁性材からなる芯材(磁性コア)5(1)・5(2)、励磁コイル(誘導コイル)6、絶縁部材製のステー7等の組み立て体である。磁性芯材5はボビン4に保持されており、励磁コイル6はボビン4の周囲に電線を巻回して形成されている。このボビン4・磁性芯材5・励磁コイル6のユニットがステー7に固定支持されている。
上記のコイル・アセンブリ3は定着ローラ1の内空部に挿入され、横断面において所定の角度姿勢で、かつ定着ローラ1の内面と励磁コイル6との間に一定のギャップを保持させた状態に配置されている。本実施例においては、ステー7の両端部7a・7a側がそれぞれ定着ローラ1の両端部から外側に延出されて定着装置の手前側と奥側の保持部材24・25に非回転に固定支持されていり。これにより、コイル・アセンブリ3が定着ローラ1の内空部に上記の状態で保持されて配置されている。
磁性芯材5はフェライト、パーマロイ等の、高透磁率で残留磁束密度の低い材料であって、励磁コイル6によって発生した磁束を定着ローラ1に導く働きをする。本実施例における磁性芯材5は横断面T字型であり、T字の横棒部分と縦棒部分とを構成する2枚の板状磁性芯材5(1)と5(2)との組み合わせで構成させている。
励磁コイル6はリッツ線を束ねたものである。図4のように、定着ローラ1の長手方向に平行に延び、磁性芯材5(2)を周回するようにボビン4の形状に合せて横長舟型に複数回巻回して両端で折り曲げられて巻かれ、定着ローラ1の内周に沿うように湾曲して配置されている。6a・6bは励磁コイル6の2本のリード線(コイル供給線)であり、ステー7の奥側から外部に引き出されて、励磁コイル6に高周波電流を供給する高周波インバーター(励磁回路:高周波電源)101に接続されている。
11は定着ローラ1の温度を直接もしくは間接に検知する温度検知手段としてのサーミスタである。このサーミスタについては後述する。12は定着前ガイド板であり、作像機構部側から定着装置Fに搬送された記録紙Pを定着ニップ部Nの入口部に案内する。13は分離爪であり、定着ニップ部Nに導入されて定着ニップ部Nを出た記録紙Pが定着ローラ1に巻き付くのを抑え、定着ローラ1から分離させる役目をする。14は定着後ガイド板であり、定着ニップ部Nの出口部を出た記録紙Pを排出案内する。
ボビン4、ステー7、分離爪13は耐熱および電気絶縁性エンジニアリング・プラスチックから形成されている。
G1は定着ローラ1の奥側の端部側に固着させた定着ローラドライブギアである。このドライブギアG1に駆動源M1から伝達系を介して回転力が伝達されることで、定着ローラ1が図2において矢印Aの時計方向に回転駆動される。本実施例では普通紙モードでは300mm/sec、厚紙モードでは200mm/secの周速度(プロセススピード)にて回転駆動される。加圧ローラ2は定着ニップ部Nでの定着ローラ1との摩擦力で定着ローラ1の回転駆動に従動して矢印の反時計方向Bに回転する。
15は定着ローラクリーナである。クリーニング部材としてのクリーニングウエブ155aをロール巻きに保持したウエブ繰り出し軸部15bと、ウエブ巻取り軸部15cと、該両軸部15b・15c間のウエブ部分を定着ローラ1の外面に押し付ける押し付けローラ15dなどを有する。押し付けローラ15dで定着ローラ1に押し付けたウエブ部分で定着ローラ1面にオフセットしたトナーが拭われて定着ローラ面が清掃される。定着ローラ1に押し付けられるウエブ部分は繰り出し軸部15b側から巻取り軸部15c側にウエブ15aが少しずつ送られることで徐々に更新される。
本実施例では、各種幅サイズの記録紙Pの搬送はいわゆる中央基準で行われる。記録紙Pの幅とは記録紙Pの搬送方向に直交する方向の寸法である。Sはその中央基準線(仮想線)である。すなわち、装置に通紙できるいかなる幅サイズの記録紙Pでも、記録紙Pの幅方向中央部が定着ローラ軸方向中央部を通過することになる。
本実施例の画像形成装置においては、装置に通紙できる記録紙の最大幅サイズ(以下、大サイズ紙と記す)は例えばA4横である。また通紙できる記録紙の最小幅サイズ(以下、小サイズ紙と記す)は例えばB5Rである。P1は大サイズ紙の通紙領域幅、P2は小サイズ紙の通紙領域幅である。
サーミスタ11は定着ローラ1の中央温度検知装置である。サーミスタ11は、小サイズ紙の通紙領域幅P2の略中央部に対応する定着ローラ中央部分において、定着ローラ1を隔てて励磁コイル6に向かい合うように、定着ローラ1の表面に対して弾性部材11aにより押圧され弾性的に圧接されて配置されている。このサーミスタ11の定着ローラ温度検知信号は制御手段である制御回路部(CPU)100に入力する。
(2−2)定着動作
画像形成装置の制御回路部100は装置のメイン電源スイッチ(不図示)のONにより装置を起動させて所定の作像シーケンス制御をスタートさせる。定着装置Fは駆動源M1の起動により定着ローラ1の回転が開始される。この定着ローラ1の回転に従動して加圧ローラ2も回転する。また制御回路部100は高周波インバーター101を起動させて励磁コイル6に高周波電流(例えば10kHz〜100kHz)を流す。
これにより励磁コイル6の周囲に高周波交番磁束が発生し、定着ローラ1が電磁誘導発熱して所定の定着温度Tに向かって昇温していく。この定着ローラ1の昇温がサーミスタ11で検知され、その検知温度情報が制御回路部100に入力する。制御回路部100はこのサーミスタ11から入力する定着ローラ1の検知温度が所定の定着温度T(温調温度)に維持されるように高周波インバーター101から励磁コイル6に供給される電力を制御して定着ローラ1を加熱し、定着温度Tでの温調を行う。
そして、この温調状態において、定着ニップ部Nに対して作像部側から未定着トナー像tを担持した記録紙Pが導入されて定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。これにより、定着ローラ1の熱と定着ニップ部Nの加圧力で、未定着トナー像tが記録紙Pの面に加熱定着される。
本実施例では、定着温度Tは普通紙モードおよび厚紙モードとも190℃に設定される。ここで、厚紙のさらなる定着性向上のために、定着温度Tを、普通紙モードよりも厚紙モードで高くしても良い。また、搬送速度が普通紙モードよりも厚紙モードが遅いことに起因する、普通紙と厚紙の光沢差等のために、定着温度Tを、普通紙モードよりよも厚紙モードで低くしても良い。ただ、いずれの場合も、普通紙モードと厚紙モードとを切り替えるときには、定着ローラ1を加熱もしくは冷却する必要がある。このため、定着温度Tは、普通紙モードと厚紙モードとで同じとしたほうが望ましい。
(2−3)電磁誘導発熱原理
次に、図5を用いて、導電部材である定着ローラ芯金1aの電磁誘導発熱原理を説明する。励磁コイル6には、高周波インバーター101から交流電流が印加され、これによって励磁コイル6の周囲には矢印Hで示した磁束が生成消滅を繰り返す。磁束Hは、磁性芯材5(1)・5(2)と芯金1aによって形成された磁路に沿って導かれる。励磁コイル6が生成した磁束の変化に対して、芯金1a内では、磁束の変化を妨げる方向に磁束を発生するように渦電流が発生する。この渦電流を矢印Cで示す。
この渦電流Cは、表皮効果により芯金1aの励磁コイル6側の面に集中して流れ、芯金1aの表皮抵抗Rsに比例した電力で発熱を生じる。ここで、励磁コイル6に印加する交流電流の周波数f(Hz)、芯金1aの透磁率μ(H/m)、芯金1aの固有抵抗ρ(Ω・m)から得られる表皮深さδ(m)および表皮抵抗Rs(Ω)は、式1および式2で示される。
また、芯金1aに誘導される渦電流をIf(A)は、芯金1a内に通過する磁束の量に比例することから、励磁コイル6の巻き数N(回)、励磁コイル6に印加されるコイル電流I(A)を用いて、式3で示される。
以上より、芯金1aに発生する電力W(W)は、芯金1a内に誘導される渦電流Ifと表皮抵抗によるジュール発熱であることから、式4で示される。
式4より、芯金1aの発熱量を増加させるためには、芯金1aは、鉄やニッケル等の強磁性金属もしくはその合金のような、高透磁率(μが大きい)で高抵抗(ρが大きい)な材料を用いればよく、励磁コイル6の巻き数を増やしても良いことがわかる。
また、高周波インバーター101は、励磁コイル6に印加するコイル電流Iもしくはコイル電流の周波数fを制御することにより、芯金1aの発熱量を最適に制御することが可能となる。
(2−4)キュリー温度
次にキュリー温度Tcについて説明する。一般に強磁性体は、材料固有のキュリー温度Tcまで加熱されると、自発磁化を失う。その結果、強磁性体の透磁率μは真空の透磁率μ0とほぼ等しくなり、一定となる。したがって、定着ローラ1の導電部材である芯金1aの温度がキュリー温度Tcを越えてしまうと、芯金1aの発熱量Wが減少する。
ただし、実際には、キュリー温度Tcの前後で急に透磁率μが変化するわけではなく、図6に示すように、キュリー温度Tcよりも低い透磁率低下温度Tc´から変化が開始する。なお、本実施例で用いた芯金1aの透磁率低下温度Tc´は200℃であり、キュリー温度Tcは220℃である。
ここで、芯金1aの厚さをt(m)とすると、芯金1aの温度が上昇し、芯金1aの表皮深さδが芯金1aの厚さt以上である場合、芯金1aに誘導される渦電流は、芯金1aの断面方向の全体にわたって流れる。そのため、この場合の表皮抵抗Rs´(Ω)および発熱量W´(W)は、式5および式6で示される。
式6によると、芯金1aの温度が非通紙部昇温により、キュリー温度Tc付近にまで加熱され、芯金1aの表皮深さδが芯金1aの厚さt以上である場合、次のような制御が可能である。即ち、高周波インバーター101が励磁コイル6に印加するコイル電流Iを制御することにより、芯金1aの非通紙部の発熱量を最適に制御することが可能となる。
次に、所定のキュリー温度に調整された整磁合金を用いた定着ローラの、飽和温度に関して説明する。定着ローラ1の非通紙部において、式6で示される発熱量W´(W)と、芯金1aからの放熱量Q(W)との関係が、式7で示される関係となるような条件において、定着ローラ1の表面温度は所定の飽和温度Tsで一定となる。
ここで、放熱量Q(W)は、定着ローラ1の非通紙部における、定着ローラ1から加圧ローラ2への熱移動量Q1(W)および周囲の雰囲気への熱移動量Q2(W)の和である。厳密にいえば、芯金1aの表面から定着ローラ1の表面への熱移動による損失も加算されるが、Q1およびQ2と比較して小さいため、考慮しないこととする。
したがって、定着ローラ1からの放熱量Q(W)は、式8で示される。
ここで、定着ローラ1と加圧ローラ2の非通紙部において、ニップ面積をA1(m2)、定着ローラ1が雰囲気と接触している面積をA2(m2)とする。定着ローラ1の非通紙部の飽和温度をTs(℃)、加圧ローラの非通紙部の温度をT1(℃)とする。雰囲気の温度をT2(℃)、定着ローラ表面から加圧ローラ表面への熱伝達率をh1(W/m2・k)、定着ローラ表面から雰囲気への熱伝達率をh2(W/m2・k)とする。熱伝達率h1およびh2は、定着ローラ1の表面の材料、形状、および定着ローラ1の回転速度などによって決定される係数であり、回転速度の減少に伴い、熱伝達率も減少する。
定着ローラ1の非通紙部の発熱量W´は一定であること、および上述の式7によれば、回転速度が減少すると放熱量も減少するため、定着ローラ1の非通紙部の飽和温度TSが高くなることが分かる。
(2−5)複数の加熱モード
異なる複数のモード(カラー画像形成モードと単色画像形成モード、普通紙通紙モードと厚紙通紙モードとOHT通紙モード、など)を備える定着装置では、一般にプロセススピード(定着ローラの回転速度)が異なる場合がある。即ち、記録紙Pの、定着装置における搬送速度が異なる複数の加熱モードを選択可能である。加熱モードの選択は、例えば、画像形成装置に配設された操作部102でモード選択操作がなされることで、選択されたモード情報が制御回路部100に入力する。制御回路部100は選択されたモードに対応したプロセススピードでの装置制御を実行する。
前述したように、プロセススピードは遅いほうが加熱部材としての定着ローラからの放熱量が少ない。そのため、整磁合金の自己温度制御特性による飽和温度が上昇するため、非通紙部昇温が顕著化する。このため、プロセススピードが遅いモード(厚紙モード)において、非通紙部昇温によるホットオフセットや紙しわといった問題を発生する。したがって、プロセススピードが遅いモードのときには、プロセススピードが速いモードのときよりも、キュリー温度以上での発熱量を少なくする必要がある。
具体的に、本実施例において、普通紙モードは記録紙Pが第一の搬送速度(プロセススピード)で加熱される第一の加熱モード、厚紙モードが第一の搬送速度よりも遅い第二の搬送速度(プロセススピード)で加熱される第二の加熱モードである。普通紙モードよりも搬送速度(定着ローラ1の回転速度)が遅い厚紙モードにおいては、非通紙部の温度が高くなり、そのため、例えば厚紙モードの直後に通常の紙を加熱定着させる場合などには紙シワや擦れ画像が発生する場合がある。
そこで、本実施例においては、普通紙モードにおける励磁コイル6に印加される最大電流は、厚紙モードにおける励磁コイル6に印加される最大電流よりも大きいことを特徴とする。逆に言えば、普通紙モードのときのコイル電流に対して、普通紙モードよりも搬送速度が遅い厚紙モードのときのコイル電流を、より小さくする。このため、厚紙モードのときの非通紙部の飽和温度を、普通紙モードのときの非通紙部の飽和温度と同等以下にすることが可能となる。
上記のように、厚紙モードのときには、励磁コイル6の印加電流を下げる。これによって、キュリー温度以上での発熱量を少なくすることで、プロセススピードが遅いモードである厚紙モードであっても、飽和温度の上昇を抑えることが可能となる。そのため、厚紙モードの直後においても紙シワおよび擦れ画像等の画像不良を改善することが出来る。
参考例として、本実施例の構成において、坪量80g/m2のA4R記録紙を普通紙モード(定着温度190℃、搬送速度300mm/sec)にて、励磁コイル6に印加される高周波電流の最大電流値を30Aとする。そして、1000枚の連続通紙を行ったときの非通紙部の飽和温度Tsは215℃であり、通紙部と非通紙部の温度差ΔTは25℃であった。ここで、連続通紙終了直後に坪量64g/m2のA3記録紙を普通紙モードで通紙したところ、紙シワおよび擦れ画像等の画像不良は発生しなかった。
一方、坪量350g/m2のA4R記録紙を厚紙モード(定着温度190℃、搬送速度(250mm/sec)にて、励磁コイル6に印加される高周波電流の最大電流値を普通紙モードと同じく30Aとして、1000枚の連続通紙した。このときの非通紙部の飽和温度Tsは225℃であり、通紙部と非通紙部の温度差ΔTは35℃であった。ここで、連続通紙終了直後に坪量64g/m2のA3記録紙を普通紙モードで通紙したところ、紙シワが発生した。
上述の参考例に対して、本実施例では、厚紙モードを選択された時には、励磁コイル6に印加される高周波電流の最大電流値を25Aとした。本実施例において、坪量350g/m2のA4R記録紙を厚紙モード(定着温度190℃、搬送速度(250mm/sec)にて、1000枚の連続通紙したときの非通紙部の飽和温度Tsは213℃であり、通紙部と非通紙部の温度差ΔTは23℃であった。ここで、連続通紙終了直後に坪量64g/m2のA3記録紙を普通紙モードで通紙したところ、紙シワおよび擦れ画像等の画像不良は発生しなかった。
即ち、本実施例の構成にあっては、普通紙モードよりも搬送速度が遅い厚紙モードにおいては、励磁コイル6に印加する高周波電流の最大電流量を、普通紙モードよりも厚紙モードにおいて小さくする。これによって、定着ローラ1の非通紙部の発熱量W´を小さく出来るため、非通紙部の温度を普通紙モード時の飽和温度と同等以下にすることが出来る。このため、厚紙モードであっても通紙部と非通紙部の温度差が小さくなり、薄紙においても紙シワおよび擦れ画像等の画像不良を改善することが出来る。
なお、本実施例で示した定着装置Fの各構成及び設定値に関しては一例であって、使用する紙種およびトナー、プロセススピード等によって適時変更しても良い。
また、本実施例においては、普通紙モードと、普通紙モードよりも搬送速度が遅い厚紙モードを備えるが、定着装置における搬送速度が異なるモードに適用するのであればこれに限らない。
例えば、普通紙モードおよび厚紙モードの他に、厚紙モードよりも定着温度が高い第三のモードとして最厚紙モード等を設定しても良い。また、普通紙モードよりも搬送速度モードの用途は、厚紙やコート紙だけではなく、例えば、出力画像の光沢を高めるために、普通紙モードよりも搬送速度の遅い光沢モードを備えても良い。OHTの良好な透過画像を得るために、普通紙モードよりも搬送速度の遅いOHTモードを備えても良い。さらには、モノカラー画像の出力とカラー画像の出力とで異なる搬送速度を持つ画像形成装置に適用しても良い。
逆に、普通紙モードよりも搬送速度を早くするモードを備える定着装置であっても、本実施例は適用可能である。例えば、普通紙モードよりも搬送速度が速い薄紙モードを備えても良い。
また、異なる搬送速度の切り替えに関しては、画像形成装置内の記録紙の搬送速度は一定で、定着装置F内に記録紙Pが導入されてから記録紙Pの搬送速度を変更しても良いし、画像形成装置内の記録紙の搬送速度ごと変更しても良い。
また、本実施例の構成は、加熱する厚紙の幅方向のサイズに応じて適用しても良い。例えば、通紙幅が最大もしくは最大に近い(大サイズ)厚紙に関しては、搬送速度を遅くした場合であっても、そもそも想定される非通紙部昇温が軽微である。そのため、コイル電流Iを減少せず、非通紙部昇温が想定される小サイズ紙の厚紙を加熱する時のみ、コイル電流Iを減少すれば良い。
(第二の実施例)
上述の第一の実施例は、普通紙モードよりも搬送速度が遅い厚紙モードで、コイル電流Iを小さくするものである。ところが、コイル電流Iを小さくすると、上述の式4に示されるように、定着ローラ1の温度が、透磁率低下温度Tc´よりも低い場合の発熱量(すなわち、定着ローラ1の通紙領域の発熱量)が低下してしまう。
このため、さらに厚い厚紙(例えば坪量400g/m2の厚紙)を加熱する場合や、装置が設置される周囲の温度が低い(例えば、室温5℃の部屋で動作させる)ときに厚紙を加熱する場合などにおいては、第一の実施例の構成では、通紙領域の発熱量が低下する。これにより、定着不良が発生する場合がある。
本実施例の構成は、上述のような定着不良を回避するものである。以下に、本実施例に関して説明する。本実施例の構成においては、普通紙モードと、普通紙モードよりも搬送速度が遅い厚紙モードにおいて、コイル電流Iだけでなく、コイル電流の周波数fを変更するものである。
上述の式4によると、定着ローラ1の芯金1aの温度が透磁率低下温度Tc´よりも低い場合(通紙領域に相当)には、発熱量Wは、コイル電流Iおよびコイル電流の周波数fが変数である。一方、上述の式6によると、定着ローラ1の芯金1aの温度がキュリー温度Tc付近にまで上昇する(非通紙部領域が非通紙部昇温している場合に相当)と、発熱量W´は、コイル電流Iのみが変数となる。このため、コイル電流Iを低くして非通紙部領域の発熱量W´を下げた場合、それに伴って低下した通紙領域の発熱量Wを、コイル電流の周波数fを高くすることによって補うことが出来る。
本実施例の構成においては、普通紙モードのコイル電流および周波数は、30Aおよび20kHzである。厚紙モードのコイル電流および周波数は、25Aおよび40kHzとした。この厚紙モードにて、A4Rサイズである坪量400g/m2の厚紙を連続1000枚加熱しても、定着不良は発生せずに良好な出力画像が得られた。かつ、連続通紙直後に、普通紙モードにてA3サイズの坪量64g/m2の紙を加熱しても、紙シワおよび擦れ画像等の画像不良は発生しなかった。
以上のように、第二の実施例においては、普通紙モードよりも搬送速度が遅い厚紙モードにおいては、励磁コイルに印加する高周波電流の最大電流量を、普通紙モードよりも厚紙モードにおいて小さくする。これとともに、励磁コイルに印加する高周波電流の周波数を、普通紙モードよりも厚紙モードにおいて大きくする。
これにより、定着ローラの通紙部の発熱量Wは維持したまま、定着ローラの非通紙部の発熱量W´を小さく出来るため、非通紙部の温度を普通紙モード時の飽和温度と同等以下にすることが出来る。このため、厚紙モードであっても通紙部と非通紙部の温度差が小さくなり、薄紙においても紙シワおよび擦れ画像等の画像不良を改善することが出来る。
また、本実施例によれば、普通紙モードよりも搬送速度が遅い厚紙モードにおいて、励磁コイル6に投入される高周波電流の周波数が、普通紙モードにおける励磁コイルに投入される高周波電流の周波数以上である。そのため、コイルに投入される最大電流を少なくしても、通紙部の発熱量を十分に保ちつつ、厚紙モードの直後においても紙シワおよび擦れ画像等の画像不良を改善することが出来る。
なお、本実施例の構成は、第一の実施例の構成と同様に、使用する紙種およびトナー、プロセススピード等によって適時変更しても良い。
(第三の実施例)
加熱部材の形態はローラ体に限られず、エンドレスベルト体など他の回転体形態にすることができる。図7の(a)は加熱部材をエンドレスベルト体にした定着装置Fの一例の概略図である。この装置は加熱ベルトユニット10Aと加圧ベルトユニット20Aとの圧接により記録紙Pの搬送方向において幅広の定着ニップ部Nが形成されている。
ユニット10Aは可撓性を有するエンドレスの定着ベルト1Aを有し、このベルト1Aが第1ローラ31と第2ローラ32と加圧パッド33との間に懸回張設されている。ベルト1Aは電磁誘導加熱部材として、所定のキュリー温度の整磁合金の層を有する。このベルト1Aの外側にベルト1Aを誘導加熱する磁場発生手段としてのコイル・アセンブリ3が配設されている(外部加熱方式)。ユニット20Aは可撓性を有するエンドレスの加圧ベルト2Aを有し、このベルト2Aが第1ローラ34と第2ローラ35と加圧パッド36との間に懸回張設されている。
ユニット10Aの第1ローラ31が駆動源M1から伝達系を介して回転力が伝達されることで、ベルト1Aが矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。ユニット20Aのベルト2Aはベルト1Aの回転に従動して回転する。ベルト1Aはコイル・アセンブリ3により電磁誘導加熱される。この定着装置Fの制御は第一の実施例、第二の実施例の場合と同様である。
図7の(a)の定着装置Fにおいて、ユニット10Aの第1ローラ31を内部加熱方式または外部加熱方式で電磁誘導加熱される加熱部材とし、ベルト1Aをこの第1ローラ31で加熱される耐熱性のベルトにした装置構成にすることもできる。ユニット20Aのベルト21A或いは第1ローラ34も電磁誘導加熱する装置構成にすることもできる。
加熱部材は固定の部材とし、この固定の加熱部材に摺動して移動するエンドレスあるいは有端のベルト部材を介して記録紙Pを加熱する装置構成にすることもできる。図7の(b)は加熱部材を加熱部材は固定の部材にした定着装置Fの一例の概略図である。
この装置は加熱ベルトユニット10Aと弾性加圧ローラ2との圧接により記録紙Pの搬送方向において幅広の定着ニップ部Nが形成されている。ユニット10Aは横断面ほぼ半円弧状樋型の耐熱性のガイド部材38に長手に沿って細長い薄板状の加圧部材1Aが固定されて保持されている。加圧部材1Aは所定のキュリー温度に調整された整磁合金である。ガイド部材38の内側には加圧部材1Aを誘導加熱する磁場発生手段としてのコイル・アセンブリ3が配設されている。また、上記のガイド部材38に対して可撓性を有する円筒状の耐熱性のベルト37がルーズに外嵌されている。
そして、上記のユニット10Aの加圧部材1Aに対してベルト37を介して加圧ローラ2が圧接されて定着ニップ部Nが形成されている。加圧ローラ2が圧駆動源M1から伝達系を介して回転力が伝達されることで矢印の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。ユニット10Aのベルト37は加圧ローラ2の回転に従動して内面が加圧部材1Aに密着して摺動しながら従動回転する。固定の加圧部材1Aはコイル・アセンブリ3により電磁誘導加熱される。この定着装置Fの制御は第一の実施例、第二の実施例の場合と同様である。
[その他]
1)本発明の電磁誘導加熱方式の加熱装置は、上述の第一乃至第三の実施例の画像加熱定着装置としての使用に限られない。未定着画像を記録紙に仮定着する仮定着装置、定着画像を担持した記録紙を再加熱してつや等の画像表面性を改質する表面改質装置等の像加熱装置としても有効である。
また、その他、例えば、紙幣等のしわ除去用の熱プレス装置や、熱ラミネート装置、紙等の含水分を蒸発させる加熱乾燥装置など、シート状部材を加熱処理する加熱装置として用いても有効であることは勿論である。
2)加熱部材1、1A、1Bは誘導発熱体である導電部材単体の部材として構成することもできるし、導電部材の層を含む、耐熱性樹脂・セラミックス等の他の材料層との2層以上の複合層部材として構成することもできる。
3)温度検知手段11はサーミスタに限らず、温度検知素子であればよく、また接触(直接)式でも非接触(間接)式でも構わない。
4)上述の実施例の装置は被加熱材であるシート状部材(記録紙)の搬送を中央基準で搬送する装置構成であるが、片側基準で搬送する構成の装置にも本発明は有効に適用することができる。
5)また、上述の実施例の装置は大小2種類の幅サイズのシート状部材に対応する装置構成であるが、本発明は3種類以上の幅サイズのシート状部材を通紙する装置にも適用することができる。
6)また、上述の実施例の装置は、普通紙モードと厚紙モードの2種類の搬送速度が異なるモードに対応する装置構成であるが、本発明は3種類以上の搬送速度(プロセススピード)が異なるモードに対応する装置にも適用することができる。
F・・加熱装置(定着装置)、1・・加熱部材(定着ローラ)、6・・励磁コイル、11・・温度検知手段、100・・制御手段、101・・高周波電源、P・・シート状部材(記録材)

Claims (8)

  1. 少なくとも一部が所定のキュリー温度の整磁合金である加熱部材と、前記加熱部材を誘導加熱する励磁コイルと、前記励磁コイルに高周波電流を印加する高周波電源と、前記加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の検知温度に応じて前記加熱部材を所定の温調温度に維持するよう前記高周波電源を制御する制御手段とを備え、搬送されるシート状部材を前記加熱部材の熱により加熱する加熱装置であって、
    前記シート状部材の、少なくとも加熱装置における搬送速度が異なる複数の加熱モードを選択可能であって、
    第一の搬送速度で加熱される第一の加熱モードにおける前記励磁コイルに印加される最大電流は、前記第一の搬送速度よりも遅い第二の搬送速度で加熱される第二の加熱モードにおける前記励磁コイルに印加される最大電流よりも大きいことを特徴とする加熱装置。
  2. 前記第一の加熱モードにおける前記励磁コイルに印加される電流の周波数は、前記第二の加熱モードにおける前記励磁コイルに印加される電流の周波数よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記加熱部材は回転可能なローラ体であることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 前記加熱部材は回転可能なエンドレスベルト体であることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  5. 前記加熱部材との間に前記シート状部材を挟持して搬送するニップ部を形成する加圧部材を有することを特徴とする請求項3または4に記載の加熱装置。
  6. 前記加熱部材は固定された部材であり、前記シート状部材は前記加熱部材の面に密着して摺動するベルト体を介して前記加熱部材の熱により加熱されることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  7. 前記加熱部材との間に前記ベルト体を介して前記シート状部材を挟持して搬送するニップ部を形成する加圧部材を有することを特徴とする請求項6に記載の加熱装置。
  8. 搬送される記録材に未定着画像を形成する画像形成部と、前記記録材に形成された未定着画像を固着画像として加熱定着する定着装置と、を有する画像形成装置であって、前記定着装置が請求項1ないし7の何れか一項に記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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