JP2016080889A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度調整の目標温度の上昇を必要とするような記録材の変更に際しても、加熱処理における加熱不足を発生させることなく、磁気加熱装置の加熱効率の低下を抑制できる画像加熱装置を提供する。【解決手段】メインサーミスタ11の検出温度が第一目標温度に収束するようにコイルアセンブリ3を制御して第一の記録材を加熱処理した後に、第二目標温度に収束するように制御して単位面積当たり重量が大きい第二の記録材を加熱処理する。このとき、サブサーミスタ17の検出温度が閾値温度Tk以上であれば、第二目標温度を、サブサーミスタ17の検出温度が閾値温度Tk未満の場合の第二目標温度よりも低くする。【選択図】図3

Description

本発明は、磁性体材料を含む筒状の加熱回転体を磁気加熱装置によって加熱して記録材を加熱処理する画像加熱装置に関する。
像担持体に形成されたトナー像を記録材に転写し、トナー像が転写された記録材を画像加熱装置の一例である定着装置で加熱加圧して記録材に画像を定着させる画像形成装置が広く用いられている。画像加熱装置は、加熱回転体とニップ形成回転体のニップ部で記録材を挟持して搬送する過程で、記録材に担持されたトナー像又は画像を加熱処理する。
近年、加熱回転体に磁性体層を設けて磁気加熱装置によりいわゆるIH加熱を行う誘導加熱方式の画像加熱装置が実用化されている(特許文献1)。誘導加熱方式の画像加熱装置は、通常、加熱回転体の回転軸線方向における記録材接触領域に温度センサを配置して、温度センサの検出温度が所定の目標温度に収束するように磁気加熱装置の出力を制御している。このような画像加熱装置では、連続的に記録材を加熱処理した場合、記録材接触領域の外側の記録材によって除熱されない記録材非接触領域の温度が過剰に温度上昇する可能性がある。
そこで、特許文献2の定着装置では、記録材接触領域の温度調整の目標温度よりも少し高い温度にキュリー温度を設定した磁性体材料の層を加熱回転体に設けている。記録材非接触領域の温度がキュリー温度を超えると、磁性体材料の磁性が失われて記録材非接触領域の発熱量が大きく低下するので、記録材非接触領域におけるそれ以上の温度上昇を回避できる。
特開昭59−33787号公報 特開2000−39797号公報
加熱回転体の磁性体材料のキュリー温度を記録材接触領域の温度調整の目標温度よりも少し高い温度に設定している場合、加熱処理する記録材の変更に伴って目標温度を上昇させた際に磁気加熱装置の加熱効率が低下することが判明した。定着装置において普通紙の連続的な加熱処理を行った後に厚紙の加熱処理を開始するために温度調整の目標温度を上昇させたところ、磁気加熱装置のコイル電流が過剰に増加することが判明した。記録材非接触領域のキュリー点に達した加熱回転体の磁性体材料の負荷抵抗が低下することで、所定の電力を磁気加熱装置から加熱回転体へ伝達するために流れるコイル電流が増加したためである。しかし、定着装置において、記録材接触領域の温度調整の目標温度を上昇させることなく厚紙の加熱処理を開始すると、加熱が不足して定着不良を引き起こしてしまう。
本発明は、温度調整の目標温度を上昇させることが必要な記録材の変更に際しても、画像加熱処理における加熱不足を発生させることなく、コイルによる加熱回転体の加熱効率の低下を抑制できる画像加熱装置を提供することを目的としている。
本発明の画像加熱装置は、ニップ部にて記録材上のトナー像を加熱する加熱回転体と、前記加熱回転体との間に前記ニップ部を形成するニップ形成回転体と、前記加熱回転体を電磁誘導発熱させるための磁束を発生するコイルと、前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の所定幅の記録材と接触する領域での温度を検出する第1の検出部と、前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の前記領域から外れた領域での温度を検出する第2の検出部と、前記加熱回転体が目標温度を維持するように前記第1の検出部の出力に応じて前記コイルへ供給する電力を制御する制御部と、を有するものである。そして、前記制御部は、前記目標温度が第1の温度に設定される所定の記録材に対し画像加熱処理を開始するとき、前記第2の検出部の検出温度が前記第1の温度よりも高い所定の温度未満となっている場合には前記目標温度を前記第1の温度のままとし、前記第2の検出部の検出温度が前記所定の温度以上となっている場合には前記目標温度を前記第1の温度よりも低い第2の温度に切り替える。
本発明の画像加熱装置では、第2の検出部の検出温度が所定の温度以上となっている場合には目標温度を第1の温度よりも低い第2の温度に切り替える。このため、目標温度を第1の温度のままにしている場合に比較して、加熱回転体の所定幅の記録材と接触する領域から外れた領域での温度上昇が抑制されて、当該部分の透磁率低下に起因するコイルによる加熱回転体の加熱効率の低下を抑制できる。そして、このような場合には、加熱回転体の所定幅の記録材と接触する領域には加熱余力があるため、画像加熱処理における加熱不足を発生させにくい。したがって、加熱回転体の温度調整の目標温度を上昇させることが必要な記録材の変更に際しても、画像加熱処理における加熱不足を発生させることなく、コイルによる加熱回転体の加熱効率の低下を抑制できる。
実施の形態1における画像形成装置の構成の説明図である。 定着装置の軸垂直断面における構成の説明図である。 定着装置の入口側から見た構成の説明図である。 定着装置の励磁コイルの配置の説明図である。 定着ローラの電磁誘導加熱の原理の説明図である。 磁性体材料の温度特性の説明図である。 実施の形態1の制御のフローチャートである。 実施の形態2の制御のフローチャートである。
<実施の形態1>
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
(画像形成装置)
図1は実施の形態1における画像形成装置の構成の説明図である。実施の形態1は、レーザー走査露光方式、転写式電子写真プロセスのデジタル画像形成装置(複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機能機等)である。
図1に示すように、画像形成装置GAは、感光ドラム41の周囲に帯電ローラ42、露光装置43、現像装置44、転写ローラ45、ドラムクリーニング装置46を配置している。
感光ドラム41は、アルミニウム円筒材料の基材表面に感光層を形成した回転ドラム型の感光体であり、矢印R41の方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
帯電ローラ42は、感光ドラム41に当接して従動回転する。帯電ローラ42は、直流電圧に交流電圧を重畳した帯電電圧を印加されて、感光ドラム41の周面を一様な暗部電位VDに帯電させる。
露光装置43は、回転ミラーを用いてレーザービームを感光ドラム41の周面に走査するレーザービームスキャナである。露光装置43は、不図示の画像読取装置、コンピュータ等のホスト装置から入力されるデジタル画像信号に対応して変調されたレーザービームLを出力して、感光ドラム41の周面の暗部電位VDを部分的に明部電位VLまで電位の絶対値を低下させる。これにより、感光ドラム41の周面に画像信号に対応した静電像を形成する。
現像装置44は、回転する現像スリーブ44sにトナーを磁気的に担持して感光ドラム41の静電像にトナーを供給する。現像スリーブ44sに明部電位VLと暗部電位VDの中間電位の直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧を印加することにより、感光ドラム41の明部電位VLの部分にトナーが移転して静電像がトナー像に現像される。
転写ローラ45は、感光ドラム41に当接して記録材に対するトナー像の転写部T1を形成する。転写ローラ45は、トナーの帯電極性と逆極性の直流電圧を印加されることにより、転写部T1を挟持搬送される記録材へ、感光ドラム41のトナー像を転写させる。トナーの帯電極性は、マイナスであり、転写ローラ45に印加される直流電圧はプラスである。
普通紙モードのとき、普通紙の記録材P1は、記録材カセット50から取り出され、分離部51で1枚ずつに分離されてレジストローラ47で待機する。記録材P1は、レジストローラ47によって感光ドラム41のトナー像にタイミングを合わせて転写部T1へ給送される。
厚紙モードのとき、厚紙の記録材P2は、記録材カセット52から取り出され、分離部53で1枚ずつに分離されてレジストローラ47で待機する。記録材P2は、レジストローラ47によって感光ドラム41のトナー像にタイミングを合わせて転写部T1へ給送される。
ドラムクリーニング装置46は、転写部T1を通過した感光ドラム41の周面にクリーニングブレードを摺擦させて、周面に付着した転写残トナー、紙粉等を掻き取って回収する。
このようにして、転写部T1へ連続的に供給される記録材P(P1又はP2)に対して、感光ドラム41上にトナー像が順次形成されて、トナー像が転写される。トナー像が転写された記録材Pは、転写部T1の出口で感光ドラム41から曲率分離して定着装置Fへ送り込まれる。
定着装置Fは、電磁誘導加熱方式の定着ローラ型加熱装置である。定着装置Fは、トナー像を担持した記録材Pを加圧加熱して、画像を記録材Pの表面に定着させる。画像が定着された記録材Pは、画像形成装置GAの機体外に排出される。
(定着装置)
図2は定着装置の軸垂直断面における構成の説明図である。図3は定着装置の入口側から見た構成の説明図である。図4は定着装置の励磁コイルの配置の説明図である。以下の説明において、長手方向とは、定着ニップ部Nを含む平面において記録材Pの搬送方向に対して直交する方向である。中央部及び端部は、その長手方向の中央部及び端部である。
図2に示すように、定着装置Fは、定着ローラ1と加圧ローラ2を互いに所定の押圧力で圧接させて定着ニップ部Nを形成している。定着ニップ部Nは、記録材の搬送方向の長さで表されるニップ幅が約5mmであって、記録材上にトナー像を担持した記録材Pを挟持搬送して加熱加圧をすることにより画像を記録材に定着させる。
定着ローラ1は、交流磁束を用いて加熱される厚さ0.5mmの芯金1aの周面に、表面のトナー離型性を高めるための厚さ30μmの表層1bを設けている。カラー画像等の高画質な定着画像を得るために、芯金1aと表層1bの間にシリコーンゴムなどの耐熱弾性層を設けても良い。
芯金1aは、外径40mm、長さ340mmである。芯金1aは、キュリー温度Tcが220℃になるように鉄、ニッケル、クロム等の材料を配合した整磁合金を用いて製造される。表層1bは、PFAやPTFE等のフッ素樹脂を用いて形成される。
加圧ローラ2は、外径38mm、長さは330mmである。加圧ローラ2は、外径28mm、肉厚3mmの芯金2aの周面に厚さ5mmの耐熱弾性層2bが形成されている。耐熱弾性層2bの周面には、PFA、PTFEなどのフッ素樹脂より成る厚さ50μmの表層2cが形成されている。
定着前ガイド板12は、作像機構部側から定着装置Fに搬送された記録材Pを定着ニップ部Nの入口部に案内する。分離爪13は、定着ニップ部Nに導入されて定着ニップ部Nを出た記録材Pが定着ローラ1に巻き付くのを抑え、定着ローラ1から分離させる役目をする。分離爪13は、耐熱および電気絶縁性エンジニアリング・プラスチックから形成されている。定着後ガイド板14は、定着ニップ部Nの出口部を出た記録材Pを排紙案内する。
定着ローラクリーナ15は、定着ローラ1に押し付けたクリーニング部材としてのクリーニングウエブ15aで定着ローラ1の周面にオフセットしたトナーを拭って定着ローラ1を清掃する。ウエブ繰り出し軸部15bは、クリーニングウエブ15aをロール巻きに保持する。ウエブ巻取り軸部15cは、クリーニングに用いられたクリーニングウエブ15aを巻き取る。押し付けローラ15dは、クリーニングウエブ15aの一部分を定着ローラ1の外面に押し付けて、定着ローラ1にオフセットしたトナーを拭わせる。定着ローラ1に押し付けられるウエブの部分は、繰り出し軸部15b側から巻取り軸部15c側にクリーニングウエブ15aが少しずつ送られることで徐々に更新される。
図3に示すように、定着ローラ1は、両端部を定着装置Fの手前側と奥側の側板(定着ユニットフレーム)21・22間に軸受23を介して回転可能に支持される。定着ローラドライブギアG1は、定着ローラ1の奥側の端部側に固着されている。ドライブギアG1に駆動源M1から伝達系を介して回転力が伝達されることで、定着ローラ1が図2において矢印Aの時計方向に回転駆動される。
加圧ローラ2は、定着ローラ1の下側に並行に配列される。加圧ローラ2は、芯金2aの両端部を定着装置Fの手前側の側板21と奥側の側板22との間に軸受26を介して回転自在に保持される。加圧ローラ2は、定着ニップ部Nにおいて、定着ローラ1との摩擦力で定着ローラ1の回転駆動に従動して矢印の反時計方向Bに回転する。加圧機構2Kは、加圧ローラ2の両端部を押圧する加圧ばねを含み、定着ローラ1と加圧ローラ2を互いに弾性体層2bの弾性に抗して圧接させて、定着ニップ部Nを挟持搬送される記録材Pを加圧する。
定着装置Fは、記録材の給送を、定着ニップ部Nの搬送方向に直角な幅方向の中心に記録材の中心を一致させて給送する「中央基準」で行う。Sはその中央基準である。いかなるサイズの記録材であっても、記録材の中央部が定着ローラ1の回転軸線方向の中央部を通過する。
定着装置Fにおいて、画像を定着できる最大サイズの記録材(以下、大サイズ紙と記す)はA4横送りサイズである。E1はその大サイズ紙の接触領域幅である。画像を定着できる最小サイズの記録材(以下、小サイズ紙と記す)は例えばA5縦送りサイズである。E2はその小サイズ紙の接触領域幅である。
(誘導加熱装置)
図2に示すように、定着ローラ1の内部には、定着ローラ1を加熱するコイルもしくは磁気加熱装置の一例であるコイルアセンブリ3が挿入されている。コイルアセンブリ3は、定着ローラ1に誘導電流(渦電流)を誘起させてジュール発熱させるための高周波磁界を発生させる。図3に示すように、コイルアセンブリ3は、ステー7の両端部7a・7a側をそれぞれ定着装置Fの手前側と奥側の保持部材24・25に非回転に固定して配置される。
図2に示すように、コイルアセンブリ3は、定着ローラ1の内空部に挿入して、所定の角度姿勢でかつ定着ローラ1の内面と励磁コイル6との間に一定のギャップを保持している。コイルアセンブリ3は、ボビン4、磁性材からなる磁性芯材(磁性コア)5(1,2)、励磁コイル(誘導コイル)6、ステー7等の組み立て集合体である。ボビン4・磁性芯材5・励磁コイル6を含むコイルユニットは、ステー7に固定して支持される。磁性芯材5(1,2)は、ボビン4に保持されている。励磁コイル6は、ボビン4の周囲に電線を巻回して形成されている。
ボビン4、ステー7は、耐熱および電気絶縁性エンジニアリング・プラスチックから製造されている。磁性芯材5は、フェライト、パーマロイ等の、高透磁率で残留磁束密度の低い軟磁性体材料から製造されている。磁性芯材5は、励磁コイル6によって発生した磁束を定着ローラ1に導く働きをする。磁性芯材5は横断面T字型であり、T字の横棒部分と縦棒部分とを構成する2枚の板状磁性芯材5(1)と5(2)とを組み合わせて構成される。
図4に示すように、励磁コイル6は、多数の細いエナメル線を束ねて縒り合せたリッツ線をボビン4に巻いたものである。リッツ線は、定着ローラ1の長手方向に平行に延び、磁性芯材5を周回するようにボビン4の形状に合せて横長舟型に複数回巻回して両端で折り曲げて巻かれている。図2に示すように、励磁コイル6は、定着ローラ1の内周面に沿うように湾曲して形成されている。
励磁コイル6の2本のリード線(コイル供給線)6a・6bは、ステー7の奥側から外部に引き出して、励磁コイル6に高周波電流を供給する高周波インバータ(励磁回路)101に接続してある。
(定着ローラの温度調整)
図2に示すように、定着ニップ部Nに対して図1に示す転写部T1側から未定着トナー像tを担持した被加熱材としての記録材Pが導入されて定着ニップ部Nを挟持搬送される。このとき、目標温度Tに温度調整された定着ローラ1の熱と定着ニップ部Nの加圧力で、未定着トナー像tが記録材Pの面に加熱定着される。
図3に示すように、メインサーミスタ11は、定着ローラ1の回転軸線方向の中央部の外周面の温度を検知する。メインサーミスタ11は、小サイズ紙(A5縦送りサイズ)の接触領域幅E2の中央部に対応する定着ローラ中央部分において、定着ローラ1の表面に当接させて配置される。図2に示すように、メインサーミスタ11は、板バネ部材11eの先端に固定され、撓ませた板バネ部材11eによって弾性的に定着ローラ1の表面に押圧されている。メインサーミスタ11は、定着ローラ1を隔てて励磁コイル6に向かい合うように配置される。
図3に示すように、サブサーミスタ17は、定着ローラ1の回転軸線方向の端部の外周面の温度を検知する。サブサーミスタ17は、大サイズ紙(A4横送りサイズ)の通紙領域E1の外側に対応する定着ローラ端部において、定着ローラ1の表面に当接させて配置される。図2に示すように、サブサーミスタ17は、板バネ部材17eの先端に固定され、撓ませた板バネ部材17eによって弾性的に定着ローラ1の表面に押圧されている。サブサーミスタ17は、定着ローラ1を隔てて励磁コイル6に向かい合うように配置される。
制御部(CPU)100は、画像形成装置(GA:図1)のメイン電源スイッチのONにより機体内の各ユニットを起動させて所定の作像シーケンス制御をスタートさせる。制御部100が駆動源M1を起動させて定着ローラ1の回転を開始させると、定着ローラ1の回転に従動して加圧ローラ2も回転する。
制御部100は、高周波インバータ101を起動させて励磁コイル6に高周波電流(例えば10kHz〜100kHz)を流す。これにより、励磁コイル6の周囲に高周波交番磁束が発生し、定着ローラ1が電磁誘導発熱して温度調整の目標温度Tに向かって昇温していく。
メインサーミスタ11およびサブサーミスタ17の温度検知信号は制御部100に入力される。サーミスタ11の温度検知信号に基づいて制御部100は定着ローラ1の昇温を検知する。制御部100は、サーミスタ11から入力される定着ローラ1の表面の検知温度が目標温度Tに維持されるように高周波インバータ101から励磁コイル6に供給される刻々の電力を制御して定着ローラ1を加熱する。
表1に示すように、定着ローラ1の温度を、目標温度Tに精度よく維持するために、目標温度Tとサーミスタ11の検知温度との温度差ΔTに応じて、高周波インバータ101から励磁コイル6に供給される電力を可変に設定している。
Figure 2016080889
表1に示すように、サーミスタ11の検知温度と目標温度Tとの温度差が小さいほど、高周波インバータ101から励磁コイル6に印加する電力(コイル電流Iおよびコイル電流の周波数f)を段階的に小さくしている。
以上説明したように、加熱回転体の一例である定着ローラ1は、磁性体材料を含有する筒状のローラである。ニップ形成回転体の一例である加圧ローラ2は、定着ローラ1に当接してニップ部の一例である定着ニップ部Nを形成する。コイルアセンブリ3は、定着ローラ1の磁性体材料に交流磁束を入射させて加熱する。コイルアセンブリ3は、定着ローラ1の内側面に磁極を対向させた磁性体コア5を有して定着ローラ1の内側に非回転に配置される。メインサーミスタ11は、定着ローラ1の回転方向における磁極の対向位置と定着ニップ部Nとの間の温度を検出する。
第一検出部の一例であるメインサーミスタ11は、定着ローラ1の回転軸線方向における所定幅の記録材が接触する領域で定着ローラ1の温度を検出する。第二検出部の一例であるサブサーミスタ17は、定着ローラ1の回転軸線方向における記録材が接触する領域から外れた領域で定着ローラ1の温度を検出する。
(定着ローラの芯金の発熱量)
図5は定着ローラの電磁誘導加熱の原理の説明図である。図4に示すように、高周波インバータ101から励磁コイル6に交流電流が印加されると、磁性芯材5から定着ローラ1に交流磁束が入射して導電体の定着ローラ1が電磁誘導加熱される。
図5に示すように、励磁コイル6の周囲には矢印で模式的に示した磁束Hが生成消滅を繰り返す。磁束Hは、磁性芯材5(1,2)と磁性体材料の芯金1aによって形成された磁路に沿って導かれる。励磁コイル6が生成した磁束の変化に対して導電体の芯金1a内では、磁束の変化を妨げる方向に磁束を発生するように渦電流Cが発生する。渦電流Cの方向を矢印で示す。
渦電流Cは、表皮効果により芯金1aの励磁コイル6側の面に集中して流れ、芯金1aの表皮抵抗Rsに比例した電力で発熱を生じる。励磁コイル6に印加する交流電流の周波数f(Hz)、芯金1aの透磁率μ(H/m)、芯金1aの固有抵抗ρ(Ω・m)とすると、表皮深さδ(m)は、次式で示される。
Figure 2016080889
同様に、表皮抵抗Rs(Ω)は、次式で示される。
Figure 2016080889
芯金1aに誘導される渦電流If(A)は、芯金1a内を通過する磁束の量に比例することから、励磁コイル6の巻き数N(回)、励磁コイル6に印加されるコイル電流I(A)を用いて、次式の関係が成立する。
Figure 2016080889
芯金1aの発熱量W(W)は、芯金1a内に誘導される渦電流Ifと表皮抵抗によるジュール発熱の電力であることから、次式の関係が成立する。
Figure 2016080889
式4より、芯金1aの発熱量を増加させるためには、芯金1aは、鉄やニッケル等の強磁性金属もしくはその合金のような、高透磁率(μが大きい)で高抵抗(ρが大きい)な材料を用いることが望ましい。励磁コイル6の巻き数を増やすことも有効である。
定着装置Fにおいて、定着ローラ1の記録材接触領域(通紙部)は、式4で説明される電力が印加されて目標温度Tに維持されている。図4に示す高周波インバータ101は、励磁コイル6に印加するコイル電流Iおよびコイル電流の周波数fを制御することにより、芯金1aの発熱量を制御している。
定着装置Fは、金属導体(導電部材、磁性材料、誘導発熱体)からなる中空の定着ローラ1に誘導電流(渦電流C)を発生させ、定着ローラ1自体の表皮抵抗によって定着ローラ1そのものをジュール発熱させる電磁誘導加熱方式である。電磁誘導加熱方式によれば、発熱効率が極めて向上するため、ウォームアップ時間の短縮が可能となる。
電磁誘導加熱方式は、印加する高周波電流の周波数f、定着ローラ1の透磁率μおよび固有抵抗ρとから決定される表皮抵抗に比例した電力で発熱するため、定着ローラ1の厚みが薄くても厚くても発熱量は変わらない。このため、定着ローラ1の芯金1aの厚さが厚い場合、質量当たりの加熱効率が低下してウォームアップ時間の短縮効果が得られない。一方、定着ローラ1の芯金1aの厚さが薄過ぎると、磁束が定着ローラ1を突き抜けて、加熱効率が低下したり、定着ローラ1の周辺の金属部材を不必要に加熱したりする。したがって、定着ローラ1の望ましい厚さは50〜2000μm程度である。
しかし、定着ローラ1の厚さを50〜2000μm程度の範囲に設定していると、定着ローラ1の回転軸線方向の熱伝達がされにくいため、記録材から除熱をうけない定着ローラ1の両端部の温度が過剰に上昇する非通紙部昇温が問題となる。定着ローラ1の長さよりも短いサイズの記録材を定着させる場合、記録材が通過する定着ローラ1の中央の通紙部が目標温度Tに維持されている状態で、記録材が通過しない定着ローラ1の両端部の温度は目標温度Tよりも20℃以上高くなることがある。
そこで、実施の形態1では、キュリー温度Tcを目標温度T付近に調整した整磁合金を定着ローラ1に用いている。定着ローラ1の芯金1aにキュリー温度を調整した整磁合金を用いることで、非通紙部温度が目標温度Tを大幅に超えないようにして、非通紙部昇温を軽減している。
(非通紙部昇温対策)
図6は磁性体材料の温度特性の説明図である。図6に示すように、磁性体材料は、材料固有のキュリー温度Tcを超えて加熱されると自発磁化が消滅して透磁率μが低下して真空の透磁率μ0とほぼ等しくなる。透磁率が低下すると、磁性体材料中に誘導される渦電流の電流密度が減少して磁性体材料の誘導加熱による発熱量が減少する。このため、定着ローラ1に非通紙部昇温が発生して芯金1aの両端部の温度がキュリー温度Tcに達すると、キュリー温度Tcに達する前に比較して芯金1aの発熱量Wが大幅に減少する。
定着ローラ1の芯金1aの透磁率μは、キュリー温度Tcを境にして急に低下するわけではない。定着ローラ1の芯金1aの昇温過程において、芯金1aの透磁率の低下は、キュリー温度Tcよりも低い透磁率低下温度Tc´から開始している。そして、透磁率低下温度Tc´以上キュリー温度Tc未満の温度範囲では定着ローラ1の芯金1aに拘束される磁束密度が減って発熱量が低下するため、温度調整の目標温度Tは、定着ローラ1の芯金1aの透磁率低下温度Tc´よりも低く設定されている。例えば、実施の形態1では、普通紙モードの目標温度Tは190℃、厚紙モードの目標温度は200℃であるのに対し、芯金1aの透磁率低下温度Tc´は210℃であり、キュリー温度Tcは230℃としている。
芯金1aの端部の温度が上昇してキュリー温度Tcに達すると、芯金1aに誘導される渦電流は、芯金1aの断面方向の全体にわたって流れて芯金1aの表皮深さδが芯金1aの厚さ以上になる。ここで、芯金1aの厚さをt(m)とすると、表皮抵抗Rs´(Ω)は、次式で示される。
Figure 2016080889
同様に、発熱量W´(W)は、次式で示される。
Figure 2016080889
定着装置Fでは、芯金1aに渦電流を誘導させる励磁コイル6は1つであるため、上記式4および上記式6における、励磁コイル6の巻き数Nと、励磁コイル6に印加されるコイル電流Iは共通である。このため、次式の関係が成立する。
W´< W
そして、定着ローラ1の非通紙部において、式6で示される発熱量W´(W)と、芯金1aの端部からの放熱量Q´(W)とが次式の関係を満たすような条件において、定着ローラ1の非通紙部の表面温度は図6に示す飽和温度Tsで一定となる。次式において、放熱量Q´(W)は、芯金1aおよび定着ローラ1の表面の材料、形状、回転速度、周囲の雰囲気との温度差等に依存する。
W´≦ Q´ ・・・ (式7)
すなわち、非通紙部昇温が発生した定着ローラ1の芯金1aの両端部では、式6の発熱量W´(W)が発生しているが、発熱量W´(W)が放熱量Q(W)以下に収まるので、飽和温度Ts以上の非通紙部昇温には至らない。しかし、そのとき、定着ローラ1の通紙部では、記録材に接触して除熱を受けても目標温度Tが維持されるように、式(4)で説明した発熱量W(W)が発生し続けている。
(普通紙モードと厚紙モード)
近年、記録材の種類の多様化が進み、従来の普通紙に加えて、厚紙、コート紙、薄紙等の多様な記録材への画像出力の要求が多くなっている。厚紙は、熱容量が普通紙と比べて大きいため、トナー像を加熱定着させるためのエネルギーが多く必要である。また、コート紙は、通常の用紙と比べて表面が平滑であるため、定着ローラの温度低下が大きくなり、高速での定着が難しい。一方、薄紙は、熱容量が通常の用紙と比べて小さいため、トナー像を加熱定着させるためのエネルギーが少ない。
したがって、厚紙を出力する厚紙モードやコート紙を出力するコート紙モードにおいて、定着ローラ1の温度調整の目標温度である目標温度Tは、普通紙を出力する普通紙モードよりも高く設定される。同様に、薄紙を出力する薄紙モードでは、定着ローラ1の温度は普通紙モードよりも低く設定される。
実施の形態1では、画像形成装置を起動したスタンバイ状態から開始される普通紙モードにおける定着ローラ1の温度調整の目標温度Tは190℃、厚紙モードの目標温度Tは200℃に設定した。また、目標温度Tは、普通紙モードと厚紙モードとで異ならせるが、定着ローラ1の周速度は、普通紙モード、厚紙モードともに300mm/secである。
上述したように、式7の放熱量Q´(W)は、記録材が厚紙でも普通紙でも同じなので、図3に示すように、サブサーミスタ17が検知する温度は、普通紙モードでも、厚紙モードでも飽和温度Ts付近になると考えられていた。目標温度Tが異なる普通紙モードと厚紙モードとでも非通紙部の飽和温度Tsがほぼ同じになると考えられていた。
しかし、目標温度Tの低い普通紙モードで非通紙部温度が飽和温度Tsで一定となっている状況から、目標温度Tの高い厚紙モードに切り替えて画像加熱処理を開始したとき、非通紙部温度が飽和温度Tsを超えていることが判明した。目標温度Tの高い厚紙モードの画像形成の開始後、サブサーミスタ17によって検知される非通紙部温度が一時的に飽和温度Tsを超えていることが判明した。
そして、非通紙部温度が飽和温度Tsを超えている期間、励磁コイル6に通常より大きな電流が流れて、コイルアセンブリ3の消費電力が増えて、定着ローラ1を加熱する効率が低下していることが判明した。非通紙部温度が飽和温度Tsを超えた状態で、定着ローラ1の温度を上昇させるために励磁コイル6に大きな電力が印加され、励磁コイル6に電力を供給する高周波インバータ101の出力も通常の範囲を超えて効率が低下していた。
また、定着ローラ1に通常よりも大きな非通紙部昇温が発生していることで、定着ローラ1の両端部と中央部とにおける記録材の搬送速度差が設計上の許容範囲を超えて、定着ニップ部Nを挟持搬送される記録材に紙しわが発生し易くなった。定着ローラ1の熱変形によって、定着ニップ部Nの上流側で記録材の後端が大きく跳ね上がってトナー像が擦れて乱れる擦れ画像が発生していた。
そこで、実施の形態1では、普通紙モード(目標温度190℃)から厚紙モード(目標温度200℃)へ切り替える際の目標温度Tをサブサーミスタ17が検知する非通紙部温度に応じて変更するようにした。これにより、定着ローラ1に所定のキュリー温度に調整された整磁合金を用いた定着装置Fにおいて、普通紙モードから厚紙モードへ切り替えた際のコイルアセンブリ3及び高周波インバータ101の消費電力を抑制することができた。
(実施の形態1の制御)
図7は実施の形態1の制御のフローチャートである。図3に示すように、制御部100は、サブサーミスタ17が検知する非通紙部温度に応じて目標温度Tを決定する。
図7に示すように、制御部100は、定着装置Fのスタンバイ状態において、厚紙よりも使用頻度の高い普通紙の画像形成を直ちに開始できるように、定着ローラ1を190℃に維持している(S101)。このとき、前回のジョブの連続的な画像加熱処理の終了直後等に該当してスタンバイ時間が十分でない場合、定着ローラ1の両端部に前回のジョブの画像形成時の非通紙部昇温が残っている場合がある。制御部100は、スタンバイ状態で、外部のパソコン等から画像形成のジョブを受信すると(S102)、ジョブのデータに基づいて画像形成する記録材の種類を判断する(S103)。
制御部100は、記録材が普通紙の場合(S103の普通紙)、目標温度T=190℃を設定して(S104)、サーミスタ11の検知温度と目標温度Tとを比較する(S105)。制御部100は、サーミスタ11の検知温度と目標温度Tの温度差が1℃未満になるのを待って(S105のYES)画像形成を開始する(S106)。
一方、制御部100は、記録材が厚紙の場合(S103の厚紙)、サブサーミスタ17の温度を検知して、目標温度を切り替える閾値温度Tk=210℃と比較する(S108)。制御部100は、サブサーミスタ17の検知温度が閾値温度Tk=210℃以下であれば(S108のYES)、目標温度T=200℃を設定して(S109)、サーミスタ11の検知温度と目標温度Tとを比較する(S105)。制御部100は、サーミスタ11の検知温度と目標温度Tの温度差が1℃未満になるのを待って(S105のYES)画像形成を開始する(S106)。
しかし、サブサーミスタ17の検知温度が210℃を超えている場合(S108のNO)、制御部100は、厚紙の通紙にもかかわらず、目標温度T=190℃を設定して(S110)、サーミスタ11の検知温度と目標温度Tとを比較する(S105)。制御部100は、サーミスタ11の検知温度と目標温度Tの温度差が1℃未満になるのを待って(S105のYES)画像形成を開始する(S106)。
その後、規定枚数の画像形成を含むジョブが終了すると(S106)、目標温度T=190℃に設定して定着装置Fをスタンバイ状態に戻す(S107)。
実施の形態1では、定着ローラ1の非通紙部温度が閾値温度Tk以上である場合には目標温度Tを切り替えないため、定着ローラ1の非通紙部は飽和温度Tsを超えて上昇することがない。したがって、定着ローラ1の非通紙部が飽和温度Tsを超えることによる高周波インバータ101の効率低下を回避できる。また、定着ローラ1の非通紙部が飽和温度Tsを超えたときに発生する紙しわや擦れ画像等の画像不良を阻止できる。
なお、定着ローラ1の非通紙部温度が閾値温度Tkよりも高い状態であるということは、定着装置Fが十分暖まっている状態であるため、普通紙の目標温度T=190℃であっても厚紙に画像を十分に定着することが可能である。したがって、出力画像において定着不良や光沢ムラが発生することもない。
以上説明したように、制御部の一例である制御部100は、メインサーミスタ11の検出温度が磁性体材料の透磁率低下温度よりも低く設定した目標温度に収束するようにコイルアセンブリ3を制御する。入力部の一例である制御部100は、外部のパソコン、操作パネル等を通じて、記録材に応じた目標温度を設定可能な情報もしくは記録材の単位面積当たり重量を特定可能な情報の一例である記録材の型番を入力される。
制御部100は、第一モードの一例である待機後の普通紙モード、第二モードの一例である普通紙モード後の厚紙モード、及び第三モードの一例である待機後の厚紙モードを実行可能である。第二の記録材の一例である厚紙は、第一の記録材の一例である普通紙よりも定着に要する単位面積当たり加熱量(又は単位面積当たり重量)が大きい。
待機後の普通紙モードでは、メインサーミスタ11の検出温度が第一目標温度に維持されるようにコイルアセンブリ3を制御して画像加熱処理を待機した後に、第一目標温度に維持されるように制御して普通紙を画像加熱処理する。
普通紙モード後の厚紙モードでは、メインサーミスタ11の検出温度が第一目標温度を維持するようにコイルアセンブリ3を制御して普通紙を画像加熱処理する。そして、その後、メインサーミスタ11の検出温度が第二目標温度に維持されるように制御して単位面積当たり必要加熱量が大きい厚紙を画像加熱処理する。
待機後の厚紙モードでは、メインサーミスタ11の検出温度が第一目標温度に収束するようにコイルアセンブリ3を制御して画像加熱処理を待機した後に、第三目標温度に収束するように制御して厚紙を画像加熱処理する。
(比較例1)
比較例1では、画像形成装置GAにおいて、通紙部温度が190℃、非通紙部温度が飽和温度Tsである状態で、単位面積当たり重量80g/mのA4R用紙を普通紙モード(目標温度190℃)にて1000枚連続で画像形成した。比較例1では、目標温度の変更を伴うことなく普通紙の連続画像形成を実行するので、サブサーミスタ17が検知した非通紙部の飽和温度Tsは220℃であり、当然、紙シワおよび擦れ画像等の画像不良も定着不良も発生しなかった。
(比較例2)
比較例2では、画像形成装置GAにおいて、通紙部温度が200℃、非通紙部温度が飽和温度Tsである状態で、単位面積当たり重量200g/mのA4R用紙を厚紙モード(目標温度200℃)にて1000枚連続で画像形成した。比較例2では、目標温度の変更を伴うことなく厚紙の連続画像形成を実行するので、サブサーミスタ17が検知した非通紙部の飽和温度Tsは220℃であり、当然、紙シワおよび擦れ画像等の画像不良も定着不良も発生しなかった。
(比較例3)
比較例3では、画像形成装置GAにおいて、単位面積当たり重量80g/mのA4R用紙に普通紙モードで500枚連続で画像形成を行った直後、単位面積当たり重量200g/mのA4R用紙に厚紙モードで500枚連続で画像形成を行った。非通紙部温度が飽和温度Ts=220℃にて安定している状態で目標温度T=190℃がより高い目標温度T=200℃に切り替えられると、非通紙部温度は最大で230℃まで上昇し、その後ゆるやかに低下して飽和温度Tsである220℃で一定となった。そして、定着ローラ1の非通紙部温度が飽和温度Tsを超えている期間に対応する厚紙の1枚目から50枚目まで、擦れ画像が連続して発生した。
(比較例4)
比較例4では、普通紙モード(目標温度190℃)→厚紙モード(目標温度200℃)の切り替えを行わず、単位面積当たり重量200g/mのA4R厚紙に対して普通紙モード(目標温度190℃)のまま1000枚連続で画像形成を行った。すると、非通紙部の飽和温度Tsは220℃を超えることがなく、紙シワおよび擦れ画像等の画像不良は発生しなかった。しかし、定着ローラ1の通紙部温度が低いため、単位面積当たり重量200g/mのA4R厚紙の加熱処理の開始後の通紙部温度の低下が大きく、1枚目〜100枚目まで定着不良が発生した。
(比較例5)
比較例5では、目標温度を切り替える閾値温度Tkを芯金1aの透磁率低下温度Tc´よりも低く設定した。この場合、定着ローラ1の温度調整の目標温度が低くなり過ぎて、出力画像の定着不良が発生し易くなった。したがって、閾値温度Tkは、定着ローラ1の芯金1aの透磁率低下温度Tc´よりも高く、飽和温度Ts以下とすることが好ましい。
(比較例6)
比較例6では、目標温度を切り替える閾値温度Tkを芯金1aのキュリー温度Tcよりも高く設定した。この場合、非通紙部昇温が通常の飽和温度Tsよりも高い状況になる可能性がある。このため、定着ローラ1の非通紙部が飽和温度Tsを超えることによる高周波インバータ101の効率低下を回避できない。また、定着ローラ1の非通紙部が飽和温度Tsを超えたときに発生する紙しわや擦れ画像等の画像不良を阻止できない。したがって、閾値温度Tkは、定着ローラ1の芯金1aのキュリー温度よりも低くすることが好ましい。
(実施の形態1の効果)
実施の形態1では、普通紙の加熱処理の後に厚紙の加熱処理を開始するとき、サブサーミスタ17の検出温度が透磁率低下温度よりも高い第一温度の場合は、サブサーミスタ17の検出温度が第一温度よりも低い第二温度の場合よりも目標温度を低く設定する。このため、目標温度を下げない場合よりも非通紙部昇温が抑制される。
実施の形態1では、閾値温度の一例である閾値温度Tkは、透磁率低下温度よりも高く磁性体材料のキュリー温度よりも低い。第一温度は、閾値温度以上でキュリー温度以下の温度である。第二温度は、閾値温度未満の温度である。すなわち、閾値温度Tkは、定着ローラ1の透磁率低下温度よりも高くキュリー温度よりも低いため、飽和温度を超えて非通紙部温度が上昇することがない。そのため、高周波電源の効率低下を防止でき、かつ、紙しわや擦れ画像等の画像不良が発生しにくい。
実施の形態1では、サブサーミスタ17の検出温度が閾値温度Tk以上のときの第二目標温度を、サブサーミスタ17の検出温度が閾値温度Tk未満のときの第二目標温度よりも低くする。このため、両者が等しい場合よりも非通紙部昇温が抑制される。
実施の形態1では、普通紙モードから厚紙モードに切り替える場合、非通紙部温度が閾値温度Tkよりも低い場合には、厚紙モードの目標温度に切り替える。しかし、非通紙部温度が閾値温度Tkよりも高い場合には、厚紙モードの目標温度に切り替えずに、普通紙モードの目標温度のままで厚紙を加熱処理する。普通紙モードの目標温度を設定することによって、厚紙の加熱処理を開始して少なくとも50枚の厚紙を加熱処理するまでは、非通紙部温度が飽和温度Tsを超えて上昇することを防止できる。このため、非通紙部温度が飽和温度Tsを超えて上昇することに起因するコイルアセンブリ3の加熱効率の低下が抑制される。紙シワや擦れ画像等の画像不良が発生しない。
実施の形態1では、定着ローラ1の温度調整の目標温度の近くにキュリー温度を設定しているので、同一種類の記録材を連続して加熱処理している場合には加熱領域の外側の領域の温度上昇が規制されて飽和温度を超えることがない。加えて、普通紙の連続加熱処理を行った直後に温度調整の目標温度を引き上げて厚紙の連続加熱処理を開始させた場合でも、加熱領域の外側の領域において所定の飽和温度を超える温度上昇が発生しにくい。このため、記録材の変更に伴って温度調整の目標温度を引き上げた際に、飽和温度を超える温度上昇が発生しにくい。
実施の形態1では、サブサーミスタ17の検出温度が閾値温度Tk以上のときの第二目標温度を第三目標温度よりも低くする。このため、第二目標温度と第三目標温とが等しい場合よりも非通紙部昇温が抑制される。
実施の形態1では、サブサーミスタ17の検出温度が閾値温度Tk以上のときの第二目標温度を、第一目標温度と等しくする。このため、定着ローラ1の温度上昇を待たないで直ちに厚紙モードを開始できる。厚紙モードの目標温度がスタンバイ温度と等しいため温度変更せずに直ちに開始してダウンタイム削減できる。
実施の形態1では、定着ローラ1の目標温度と定着ローラ1の実温度の差に応じて、コイルアセンブリ3への供給電力を段階的に変更するため、飽和温度を超えて非通紙部温度が上昇することがない。そのため、高周波電源の効率が低下することを防止でき、かつ、紙しわや擦れ画像等の画像不良が発生しにくい。
なお、定着ローラの芯金として従来から一般的に使われる鉄やニッケルなどの磁性体材料にもキュリー温度Tcはある。しかし、鉄のキュリー温度Tcが約700〜900℃、ニッケルのキュリー温度Tcが約350℃であるのに比較して、実施の形態1の定着ローラ1のキュリー温度Tcは220℃〜240℃に調整されている。そして、実施の形態1では、記録材に応じた最高の目標温度Tmよりも少し高い温度が透磁率低下温度における所定の温度である。
Tc>Tk>Tc‘>Tm
したがって、定着ローラ1が「キュリー温度に向かう温度上昇過程で磁性がそれ以前よりも急速に低下し始める透磁率低下温度を所定の温度に調整された磁性体材料を含有すること」は、恒温槽を用いて容易に実証できる。すなわち、コイルを周方向に巻いた定着ローラ1を恒温槽にセットして、交流電圧を印加して電流を測定することにより、透磁率を恒温槽内で連続的に測定可能にしておく。恒温槽の設定温度を室温から200℃に立ち上げた後、設定温度を260℃まで徐々に上昇させることで、図6に示すような透磁率と恒温槽内温度の測定結果が得られる。
実施の形態1に用いられた磁性体材料は、材料固有のキュリー温度Tcを超えて加熱されると自発磁化が消滅して透磁率μが低下して真空の透磁率μ0とほぼ等しくなる。そして、キュリー温度Tcに向かう恒温槽内温度の上昇過程で透磁率(磁性)がそれ以前よりも急速に低下し始める透磁率低下温度Tc’を測定することができる。
(実施の形態2)
図8は実施の形態2の制御のフローチャートである。図7に示すように、実施の形態1では、厚紙モードで用いる目標温度を200℃と190℃とに切り替えた。これに対して、実施の形態2では、厚紙よりも単位面積当たり重量が大きい第二の厚紙モードで用いる目標温度を205℃と200℃とに切り替えた。実施の形態2におけるそれ以外の構成及び制御は実施の形態1と同様であるから、図8中、実施の形態1と共通する制御ステップには、図7と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図8に示すように、非通紙部昇温が発生してサブサーミスタ17の検知温度が閾値温度Tk=210℃を超えていれば(S108のNO)、単位面積当たり重量200g/mの厚紙に対して目標温度190℃でも定着不良を引き起こさないで済む。しかし、さらに熱容量の大きな単位面積当たり重量300g/mの第二の厚紙の場合、非通紙部昇温が発生してサブサーミスタ17の検知温度が閾値温度Tk=210℃を超えていても、目標温度190℃ではさすがに加熱量が不足して定着不良になってしまう。そこで、実施の形態2では、第二の厚紙モードにおける定着ローラ1の温度調整の目標温度を、実施の形態1の厚紙モードにおける190℃、200℃よりも高い200℃、205℃とした。
図8に示すように、制御部100は、ジョブを受信すると(S102)、紙種判定を行う(S103)。第二の厚紙に画像形成を行う第二の厚紙モードの場合(S103の第二の厚紙)、サブサーミスタ17が検出する非通紙部温度に基づいて、第二の厚紙モードにおける定着ローラ1の温度調整の目標温度が設定される(S109B、S110B)。
制御部100は、ジョブで指定された記録材の単位面積当たり重量が200g/mを超える第二の厚紙の場合(S103の第二の厚紙)、サブサーミスタ17の温度を検知して、閾値温度Tk=210℃と比較する(S108)。
制御部100は、サブサーミスタ17の検知温度が目標温度を切り替える閾値温度Tk=210℃以下であれば(S108のYES)、目標温度T=205℃を設定する(S109B)。しかし、サブサーミスタ17の検知温度が210℃を超えている場合(S108のNO)、目標温度T=200℃を設定する(S110B)。
(実施の形態2の効果)
実施の形態2では、実施の形態1の制御では定着不良を引き起こしてしまう単位面積当たり重量が200g/mを超える第二の厚紙であっても、定着不良を引き起こすことなく加熱処理できる。
実施の形態2では、目標温度Tを、普通紙モードの目標温度Tよりも高く、厚紙モードの目標温度Tよりも低い、第二の厚紙の目標温度に切り替えるため、定着ローラ1の非通紙部は飽和温度Tsを超えて上昇することがない。したがって、高周波電源の効率が低下することを防止でき、かつ、紙しわや擦れ画像、定着不良等の画像不良が発生しにくい。
実施の形態2では、普通紙モードよりも目標温度が高い厚紙モードに切り替える場合、非通紙部温度が閾値温度Tkよりも低い場合には、厚紙モードの目標温度に切り替える。しかし、非通紙部温度が閾値温度Tkよりも高い場合には、普通紙モードの目標温度よりも高く厚紙モードの目標温度よりも低い切り替え時定着に切り替えて、厚紙を加熱処理する。
したがって、非通紙部温度が飽和温度よりも低い閾値温度Tkを設定することによって、非通紙部温度が飽和温度を超えて上昇することを防止できるため、紙しわや擦れ画像等の画像不良が発生しない。
<その他の実施の形態>
本発明は、加熱回転体の磁性体材料のキュリー温度及び透磁率低下温度を利用して非通紙部昇温を抑制する限りにおいて実施の形態1、2の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
図2乃至図4に示した定着装置Fの各構成及び設定値に関しては一例であって、適用する定着装置や画像加熱装置に応じて、あるいは、使用する記録材の種類およびトナー、プロセススピード等によって適時変更しても良い。加熱する厚紙の幅方向のサイズに応じて適時変更しても良い。
実施の形態1(実施の形態2)は、普通紙モードと厚紙モード(第二の厚紙モード)の2種類の記録材に対応する構成であるが、3種類以上の記録材を通紙する画像加熱装置にも適用できる。画像加熱装置は、目標温度が異なるモードに適用するのであれば普通紙モードと厚紙モードの組み合わせには限らない。普通紙モードおよび厚紙モードの他に、厚紙モードよりも単位面積当たり必要加熱量が大きい超厚紙モード等を設定しても良い。普通紙モードよりも単位面積当たり必要加熱量が少ない薄紙モードを設定しても良い。普通紙モードよりも単位面積当たり必要加熱量が大きいコート紙モードを設定してもよい。
また、目標温度を変更する用途は、厚紙やコート紙だけではなく、例えば、出力画像の光沢を高めるために、普通紙モードよりも単位面積当たり必要加熱量が大きい光沢モードを備えても良い。OHTの良好な透過画像を得るために、普通紙モードよりも単位面積当たり必要加熱量が大きいOHTモードを備えても良い。モノクロ画像モードよりも単位面積当たり必要加熱量が大きいフルカラー画像モードを設定して、異なる目標温度を持たせてもよい。
また、通紙開始時の温度低下による定着ローラ温度の低下を補うために、通紙開始から所定の時間もしくは所定の出力枚数の間は目標温度を通常よりも高く設定する定着装置においても、サブサーミスタ17の検出温度に応じて目標温度を変更してもよい。
また、搬送幅が最大もしくは最大に近い大サイズの厚紙に関しては、そもそも想定される非通紙部昇温が軽微である。サブサーミスタ17によって非通紙部昇温を検知することも難しい。このため、大サイズの厚紙に関しては、サブサーミスタ17の検知温度によらず目標温度を切り替え、非通紙部昇温が想定される小サイズの厚紙を加熱する時のみ、サブサーミスタ17の検知温度に応じて目標温度を切り替えても良い。
画像加熱装置は、トナー像の定着装置としての使用に限られず、未定着画像を記録用紙に仮定着する仮定着装置、定着画像を担持した記録用紙を再加熱してつや等の画像表面性を改質する表面改質装置等としても実施できる。また、紙幣等のしわ除去用の熱プレス装置や、熱ラミネート装置、紙等の含水分を蒸発させる加熱乾燥装置など、シート状部材を加熱処理する加熱装置としても有効である。
加熱回転体は、ローラ部材に限られず、エンドレスベルト部材など他の回転体形態にすることができる。また、固定もしくは回転自在の加熱部材と接触するエンドレスベルト体などの他の回転体によりシート状部材を加熱しても良い。加熱回転体は誘導発熱体である導電部材単体の部材として構成することもできるし、導電部材の層を含む、耐熱性樹脂・セラミックス等の他の材料層との2層以上の複合層部材として構成することもできる。磁気加熱装置による加熱回転体の加熱は内部加熱方式に限られず、磁気加熱装置を加熱回転体の外側に配設した外部加熱方式の構成にすることもできる。第一検出部及び第二検出部は、サーミスタ素子に限らず、バイメタル、スペンサースイッチ、熱電対、赤外線温度計等に置き換えてもよく、接触式でも非接触式でも構わない。
実施の形態1(実施の形態2)は、記録材を中央基準で搬送する装置構成であるが、片側基準で搬送する装置構成にも本発明は有効に適用することができる。
1 定着ローラ、2 加圧ローラ、3 コイルアセンブリ
5 磁性コア、6 励磁コイル、11 メインサーミスタ
17 サブサーミスタ、41 感光ドラム、42 帯電ローラ
43 露光装置、44 現像装置、45 転写ローラ
46 ドラムクリーニング装置
F 定着装置、P 記録材、t トナー像

Claims (9)

  1. ニップ部にて記録材上のトナー像を加熱する加熱回転体と、
    前記加熱回転体との間に前記ニップ部を形成するニップ形成回転体と、
    前記加熱回転体を電磁誘導発熱させるための磁束を発生するコイルと、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の所定幅の記録材と接触する領域での温度を検出する第1の検出部と、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の前記領域から外れた領域での温度を検出する第2の検出部と、
    前記加熱回転体が目標温度を維持するように前記第1の検出部の出力に応じて前記コイルへ供給する電力を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記目標温度が第1の温度に設定される所定の記録材に対し画像加熱処理を開始するとき、前記第2の検出部の検出温度が前記第1の温度よりも高い所定の温度未満となっている場合には前記目標温度を前記第1の温度のままとし、前記第2の検出部の検出温度が前記所定の温度以上となっている場合には前記目標温度を前記第1の温度よりも低い第2の温度に切り替えることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 磁性体材料を含有し、ニップ部にて記録材上のトナー像を加熱する筒状の加熱回転体と、
    前記加熱回転体との間に前記ニップ部を形成するニップ形成回転体と、
    前記加熱回転体を電磁誘導発熱させるための磁束を発生するコイルと、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の所定幅の記録材と接触する領域での温度を検出する第1の検出部と、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の前記領域から外れた領域での温度を検出する第2の検出部と、
    前記加熱回転体が目標温度を維持するように前記第1の検出部の出力に応じて前記コイルへ供給する電力を制御する制御部と、
    記録材に応じて目標温度を設定するための記録材に応じた情報が入力される入力部と、を備え、
    前記磁性体材料は、キュリー温度に向かう温度上昇過程で磁性がそれ以前よりも急速に低下し始める透磁率低下温度を所定の温度に調整され、
    前記制御部は、第1の記録材の加熱処理の後に前記第1の記録材よりも前記情報に基づく目標温度が高い第2の記録材の加熱処理を開始する際に、前記第2の検出部の検出温度が前記透磁率低下温度よりも高い第一温度の場合は、前記第2の検出部の検出温度が前記第一温度よりも低い第二温度の場合よりも前記電力の制御に用いる目標温度を低く設定することを特徴とする画像加熱装置。
  3. 磁性体材料を含有し、ニップ部にて記録材上のトナー像を加熱する筒状の加熱回転体と、
    前記加熱回転体との間に前記ニップ部を形成するニップ形成回転体と、
    前記加熱回転体を電磁誘導発熱させるための磁束を発生するコイルと、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の所定幅の記録材と接触する領域での温度を検出する第1の検出部と、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の前記領域から外れた領域での温度を検出する第2の検出部と、
    前記加熱回転体が目標温度を維持するように前記第1の検出部の出力に応じて前記コイルへ供給する電力を制御する制御部と、
    記録材の単位面積当たり重量を特定可能な情報が入力される入力部と、を備え、
    前記磁性体材料は、キュリー温度に向かう温度上昇過程で磁性がそれ以前よりも急速に低下し始める透磁率低下温度を所定の温度に調整され、
    前記制御部は、第1の記録材の加熱処理の後に前記第1の記録材よりも前記情報に基づく単位面積当たり重量が大きい第2の記録材の加熱処理を開始する際に、前記第2の検出部の検出温度が前記透磁率低下温度よりも高い第一温度の場合は、前記第2の検出部の検出温度が前記第一温度よりも低い第二温度の場合よりも前記電力の制御に用いる目標温度を低く設定することを特徴とする画像加熱装置。
  4. 磁性体材料を含有し、ニップ部にて記録材上のトナー像を加熱する筒状の加熱回転体と、
    前記加熱回転体との間に前記ニップ部を形成するニップ形成回転体と、
    前記磁性体材料に交流磁束を入射させて前記加熱回転体を加熱する磁気加熱装置と、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の所定幅の記録材と接触する領域での温度を検出する第1の検出部と、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の前記領域から外れた領域での温度を検出する第2の検出部と、
    記録材に応じて目標温度を設定するための記録材に応じた情報が入力される入力部と、を備え、
    前記第1の検出部の検出温度が第一目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して加熱処理を待機した後に前記第1の検出部の検出温度が前記第一目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して第1の記録材を加熱処理する第一モードと、前記第1の検出部の検出温度が前記第一目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して前記第1の記録材を加熱処理した後に前記第1の検出部の検出温度が第二目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して前記第1の記録材よりも前記情報に基づく目標温度が高い第2の記録材を加熱処理する第二モードと、を実行可能な制御部と、を備え、
    前記磁性体材料は、キュリー温度に向かう温度上昇過程で磁性がそれ以前よりも急速に低下し始める透磁率低下温度を所定の温度に調整され、
    前記制御部は、前記第2の検出部の検出温度が前記透磁率低下温度よりも高い第一温度のときの前記第二目標温度を、前記第2の検出部の検出温度が前記第一温度よりも低い第二温度のときの前記第二目標温度よりも低くすることを特徴とする画像加熱装置。
  5. 磁性体材料を含有し、ニップ部にて記録材上のトナー像を加熱する筒状の加熱回転体と、
    前記加熱回転体との間に前記ニップ部を形成するニップ形成回転体と、
    前記磁性体材料に交流磁束を入射させて前記加熱回転体を加熱する磁気加熱装置と、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の所定幅の記録材と接触する領域での温度を検出する第1の検出部と、
    前記加熱回転体の軸線方向において前記加熱回転体の前記領域から外れた領域での温度を検出する第2の検出部と、
    前記第1の検出部の検出温度が第一目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して加熱処理を待機した後に前記第1の検出部の検出温度が前記第一目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して第1の記録材を加熱処理する第一モードと、前記第1の検出部の検出温度が前記第一目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して前記第1の記録材を加熱処理した後に前記第1の検出部の検出温度が第二目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して前記第1の記録材よりも前記情報に基づく単位面積当たり重量が大きい第2の記録材を加熱処理する第二モードと、実行可能な制御部と、を備え、
    前記磁性体材料は、キュリー温度に向かう温度上昇過程で磁性がそれ以前よりも急速に低下し始める透磁率低下温度を所定の温度に調整され、
    前記制御部は、前記第2の検出部の検出温度が前記透磁率低下温度よりも高い第一温度のときの前記第二目標温度を、前記第2の検出部の検出温度が前記第一温度よりも低い第二温度のときの前記第二目標温度よりも低くすることを特徴とする画像加熱装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の検出部の検出温度が前記第一目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して記録材の加熱処理を待機した後に前記第1の検出部の検出温度が第三目標温度を維持するように前記磁気加熱装置を制御して前記第2の記録材を加熱処理する第三モードを実行可能であって、前記第2の検出部の検出温度が前記第一温度のときの前記第二目標温度を、前記第三目標温度よりも低くすることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像加熱装置。
  7. 前記制御部は、前記第2の検出部の検出温度が前記第一温度のときの前記第二目標温度を、前記第一目標温度と等しくすることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  8. 前記制御部は、前記透磁率低下温度よりも高く前記キュリー温度よりも低く設定された閾値温度を有し、前記閾値温度以上で前記キュリー温度以下の温度が前記第一温度であって、前記閾値温度未満の温度が前記第二温度であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  9. 前記磁気加熱装置は、前記加熱回転体の内側面に磁極を対向させた磁性体コアを有して前記加熱回転体の内側に非回転に配置され、
    前記第1の検出部は、前記加熱回転体の回転方向における前記磁極の対向位置と前記ニップ部との間の温度を検出することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019101358A (ja) * 2017-12-07 2019-06-24 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置、駆動方法、および駆動プログラム

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