JP5523049B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはそれらの複合機等に代表される、電子写真プロセスや静電記録プロセス等を採用した画像形成装置に用いられ、記録材上の画像を加熱する、誘導加熱方式(電磁誘導加熱方式)の像加熱装置に関する。像加熱装置としては、記録材上に形成した未定着画像を固着画像として加熱定着する定着装置や、記録材に定着された画像を再加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢度増大装置等を挙げることができる。
電子写真方式の画像形成装置は、シート状の記録材の上に形成担持させた未定着のトナー画像を固着画像として加熱定着させる像加熱装置を備える。この装置は、一般に、記録材上のトナー画像のトナーを熱溶融させる発熱部材と、これに圧接して記録材を挟持する加圧部材とを有する。発熱部材としては、例えば加熱ローラやエンドレスベルト等であって、発熱体によって内部または外部より、直接もしくは間接的に加熱される。発熱体としては、例えばハロゲンヒータや抵抗発熱体等が挙げられる。特に、近年は、画像形成装置の省エネルギー化と、ユーザーの操作性向上(クイックプリント、ウォームアップ時間の短縮)との両立を図ることが重視されていることから、発熱効率の高い誘導加熱方式の像加熱装置(誘導加熱装置)が提案されている。この装置は、磁界を発生する励磁コイルに高周波電流を印加することによって、発熱部材に誘導電流(渦電流)を発生させ、回転発熱体自体の表皮抵抗によって発熱部材そのものをジュール発熱させる。この装置によれば、発熱効率が極めて向上するため、ウォームアップ時間の短縮が可能となる。また、画像形成装置の省エネルギー化及びウォームアップ時間の短縮に対して、発熱部材の熱容量を少なくすることが効果的である。
一方で、熱容量の少ない発熱部材においては、小サイズの記録材を連続通紙すると、記録材が通過しない非通紙部領域の昇温(非通紙部昇温)が発生する。この非通紙部昇温の対策として、特許文献1に開示されるように、発熱部材に、キュリー温度が所定の定着温度に調整された整磁合金を用いた誘導加熱装置が提案されている。一般に磁性材料は、加熱されて材料固有のキュリー温度を越えると自発磁化が消失する。そのため、磁性材料内に通過する磁束密度が減少し、それに伴って磁性材料の表皮抵抗が低下することで、磁性材料の発熱量が減少する。したがって、発熱部材の材料として、所定温度に調整されたキュリー温度を持つ整磁合金を用いることで、発熱部材の温度は、発熱部材の放熱量とキュリー温度以上の時の発熱量とから決定される飽和温度で安定する。そのため、上述の非通紙部の温度は飽和温度を越えて上昇することがない。この特性を利用することで、非通紙部昇温を改善することが可能となる。また、整磁合金の効果をより高めるために、特許文献2及び特許文献3に開示されるように、整磁合金に近接するように磁気遮蔽用の導電性部材を配置した誘導加熱装置が提案されている。
特開2000−39797号公報 特開2001−125407号公報 特開2007−156065号公報
非通紙部昇温対策としてキュリー温度が設定されている構成に、キュリー温度に達したときに磁束が漏れることを防止するために磁束遮蔽部材を設ける構成が上げられる。このような構成にすると、キュリー温度に達すると、磁束が発熱部材を透過して磁束遮蔽部材で発熱を生ずると、発熱部材の発熱量が低減する。その効果は、非通紙部昇温に対しては有効であるが、発熱部材の熱量の一部が低減することにある。そのため、発熱部材の回転方向において、磁束遮蔽部材よりも下流側に温度検知手段があると、発熱が磁束遮蔽部材により変動した後の温度を検知することになり、精度が低下することなる。
本発明は、磁束遮蔽部材を、非通紙部昇温対策としてキュリー温度を有する発熱部材を介してコイルに対向する位置に配置しても、温度変動が小さい位置での温度検知を可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る像加熱装置の代表的な構成は、コイルと、前記コイルから生じる磁束により発熱する、少なくとも一部は所定の温度にキュリー温度を調整した整磁合金である回転可能な発熱部材と、前記発熱部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の出力に応じて前記発熱部材の温度が予め設定された像加熱温度になるように前記コイルへの通電を制御する通電制御手段と、前記発熱部材を挟んで前記コイルに対向するように配置され導電性の磁束遮蔽部材と、を有し、前記キュリー温度は前記像加熱温度よりも高い温度で、像加熱装置の耐熱温度よりも低い温度であり、ニップ部で像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する像加熱装置であって、前記磁束遮蔽部材は、前記発熱部材の前記磁束による発熱領域であって前記発熱部材の回転方向に関して前記ニップ部よりも上流に配置され、前記温度検知手段は、前記発熱部材の前記磁束による発熱領域であって前記回転方向に関して前記磁束遮蔽部材よりも上流に配置されていることを特徴とする。
本発明の像加熱装置においては、非通紙部昇温対策としてキュリー温度を有する発熱部材を介してコイルに対抗する位置に配置しても、温度変動が小さい位置での温度検知を可能とする
(a)は実施例1における画像形成装置の模式図、(b)は定着装置の要部の横断面図である。 (a)は定着装置の要部の正面図、(b)は縦断正面図である。 (a)は加熱ローラと加圧ローラ部分の斜視図、(b)はコイルの説明図、(c)は加熱ローラの周方向に関する発熱分布図である。 (a)は加熱ローラの電磁誘導発熱原理を説明する図、(b)は抵抗値の温度依存性を示す図、(c)は透磁率の温度依存性を示す図である。 整磁合金及び磁束遮蔽部材に関する発熱領域を説明する図である。 (a)は比較例の定着装置の要部の横断面図、(b)は実施例2の定着装置の要部の横断面図である。 (a)は実施例3の定着装置の要部の横断面図、(b)は加熱ローラの周方向に関する発熱分布図である。 (a)は実施例4の定着装置の要部の横断面図、(b)は実施例5の定着装置の要部の横断面図加熱ローラの周方向に関する発熱分布図である。 実施例6の定着装置の要部の正面図である。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1の(a)は本発明に従う誘導加熱方式の像加熱装置を定着装置Fとして備えた画像形成装置の一例の模式図である。この画像形成装置は電子写真プロセスを用いたレーザー走査露光方式のデジタル画像形成装置(複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機能機等)である。41は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。42は一次帯電器であり、回転するドラム41の表面を本実施例においてはマイナスの所定の暗電位Vdに一様に帯電する。43は像露光手段であるレーザービームスキャナである。このスキャナ43は画像読取装置・コンピュータ等のホスト装置(不図示)から入力されるデジタル画像信号に対応して変調されたレーザービームLを出力し、ドラム41の一様帯電処理面を走査露光する。これにより、ドラム面の露光部分は電位絶対値が小さくなって明電位Vlとなり、ドラム面に画像信号に対応した静電潜像が形成される。静電潜像は現像器44により、ドラム面の露光明電位Vl部にマイナスに帯電したトナーが付着することで、トナー画像tとして顕像化(反転現像)される。一方、給送部(不図示)から給送された記録材Pが、転写バイアスが印加された転写部材としての転写ローラ45とドラム41との圧接部である転写ニップ部Tへ適切なタイミングをもって搬送される。そして、ニップ部Tにおいて記録材Pの面にドラム上のトナー画像tが順次に転写される。記録材Pは、ニップ部Tを通過してドラム41から分離され、定着装置Fに導入される。この定着装置Fにおいて、記録材上のトナー画像tが熱と圧によって固着画像として定着される。その記録材が画像形成物(プリント、コピー)として機外に排出される。記録材Pを分離した後のドラム41の表面は、クリーニング装置46で転写残トナーの除去を受けてクリーニングされ、繰り返して作像に供される。
(2)定着装置F
図1の(b)は定着装置Fの要部の拡大横断面図、図2の(a)は要部の正面図、(b)は縦断正面図である。定着装置Fについて正面とは、記録材Pが導入される側から見た面である。この定着装置Fは、加熱ローラ型の誘導加熱装置であり、コイル(励磁コイル)6と、コイル6に高周波電流を印加する電源としての高周波インバーター101を有する。また、コイル6から生じる磁束H(図4の(a))により発熱する、少なくとも一部は所定の温度にキュリー温度Tcを調整した整磁合金である回転可能な発熱部材としての加熱ローラ(定着ローラ)1を有する。また、ローラ1とニップ部(定着ニップ部)Nを形成する加圧部材としての弾性加圧ローラ2を有する。また、ローラ1の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ11を有する。また、サーミスタ11の出力に応じてローラ1の温度が予め設定された像加熱温度(定着温度)Tfになるようにインバーター101からコイル6への通電を制御する通電制御手段としての制御回路部(CPU)100を有する。また、ローラ1を挟んでコイル6に対向するように配置され、少なくとも一部がローラ1の整磁合金よりも抵抗率の小さい非磁性金属である磁束遮蔽部材16を有する。そして、キュリー温度Tcは像加熱温度Tfよりも高い温度で、装置Fの耐熱温度Tmよりも低い温度であり、ニップ部Nで像tを担持した記録材Pを挟持搬送して加熱する装置である。ここで、装置Fの耐熱温度Tmとは装置Fの一部の部品の熱損が著しくなる温度である。この装置Fの特徴とするところは、部材16は、ローラ1の回転方向Aに関して、ニップ部Nよりも上流に配置され、サーミスタ11は、ローラ1の回転方向Aに関して、部材16よりも上流に配置されている点にある。以下、この装置Fについてより具体的に説明する。
ローラ1は、外径が40mm、厚さは1.0mm、長さ340mmの円筒体であり、鉄、ニッケル、クロム等の材料が配合された整磁合金(所定の温度にキュリー温度を調整した整磁合金)よりなる導電層である円筒状の芯金1aを有する。芯金1a上にはトナーに対する離型性を高めるためにPFAやPTFE等のフッ素樹脂より成る、厚さ30μmの表層1bが設けられている。本実施例においては、像加熱温度Tfを190℃に設定し、耐熱温度Tmを230℃に設定している。キュリー温度Tcは、像加熱温度Tf190℃よりも高く耐熱温度Tm230℃よりも低い温度200℃に設定している。カラー画像等の高画質な定着画像を得るために、芯金1aと表層1bの間にシリコーンゴムなどの耐熱弾性層を設けても良い。ローラ1は両端部側がそれぞれ装置枠体(定着ユニットフレーム)の一部である手前側と奥側の側板21・22間に軸受23を介して回転可能に支持されている。図3の(a)において、O1−O1はローラ1の回転軸線あるいは回転軸線方向である。ローラ1の内部には、芯金1aに誘導電流(渦電流)を誘起させてジュール発熱させるための高周波磁界を生じさせるためのコイル6を有する磁束発生手段(磁場発生手段)としてのコイル・アセンブリ3が挿入されている。
ローラ2は、芯金2aと、この芯金回りに同心一体に形成した耐熱弾性層2bと、その弾性層の外周面を覆う表層2cと、から成る、外径38mm、長さは330mmの弾性ローラである。芯金2aは、外径28mm、肉厚3mmの金属パイプ材である。弾性層2bは厚さ5mmの耐熱弾性材の層である。表層2cは、PFA、PTFEなどのフッ素樹脂より成る厚さ30μmの薄層である。ローラ2はローラ1の下側に並行に配列されて、芯金2aの両端部側がそれぞれ装置枠体の手前側と奥側の側板21・22間に軸受26を介して回転自在に保持されている。図3の(a)において、O2−O2はローラ2の回転軸線あるいは回転軸線方向である。そして、ローラ1とローラ2は互いに不図示の加圧機構によって所定の押圧力で弾性層2bの弾性に抗して圧接されている。これにより、両ローラ1・2間に、記録材Pを挟持搬送してトナー画像を加熱定着するための、記録材搬送方向Dにおいて幅約5mmのニップ部Nが形成されている。ここで、本発明において、装置構成部材について、長手方向とは、ニップ部Nを含む平面において記録材Pの搬送方向Dに対して直交する方向である。また、中央部及び端部は、その長手方向の中央部及び端部である。
アセンブリ3は、ボビン4、磁性材からなるコア5(5a・5b)、コイル6、絶縁部材製のステー7等を有する。コア5はボビン4に保持されており、コイル6はボビン4の周囲に電線(リッツ線)を巻回して形成されている。ボビン4・コア5・コイル6が一体となったコイルユニットはステー7に固定支持されている。アセンブリ3は、ローラ1の円筒内部に挿入されている。そして、アセンブリ3は、ローラ内面とコイル6間に所定の一定のギャップを保持させた状態で、ステー7の長手方向の両端部7a・7aがそれぞれ装置枠体の手前側と奥側の保持部材24・25に対して非回転に固定支持されて配設されている。ボビン4・コア5・コイル6のユニットはローラ1の両端開口部から外部に露呈しないようにローラ内側に位置している。コア5はフェライト、パーマロイ等の、高透磁率で残留磁束密度の低い材料であって、コイル6によって発生した磁束をローラ1の芯金1aに導くものである。本実施例におけるコア5は横断面T字型であり、T字の横棒部分を形成するサイドコア5aと縦棒部分を形成するセンターコア5bとが組み合わされている。コイル6は、ローラ1の長手方向、即ちローラ1の回転軸線方向O1−O1に平行に延び、コア5を周回するようにボビン4の形状に合せて横長舟型に複数回巻回して両端で折り曲げられて巻かれるリッツ線を束ねたものである。また、ローラ1の内周に沿うように湾曲して配置されている。上記構成のコイル6は、図3のように、ローラ1の回転方向Aに関してセンターコア5bよりも下流側のコイル部分6cと上流側のコイル部分6dとを有する。便宜上、下流側のコイル部分6cを第一のコイル部分、上流側のコイル部分6dを第二のコイル部分とする。第一と第二のコイル部分6cと6dはそれぞれローラ1の内面と同じ距離(ギャップ)を保って配置されている。また、ローラ1の回転方向Aに関して、第一と第二のコイル部分6cと6dがそれぞれローラ1の内面と対向している角度はどちらも70°である(図3の(b))。6a・6bはコイル6の2本のリード線(コイル供給線)であり、ステー7の奥側から外部に引き出されてインバーター101に接続されている。
インバーター101はスイッチング素子を有し、スイッチング素子のON/OFFにより、所定の周波数の電流をコイル6に流すことができる。本実施例で用いたインバーター101は所定の電圧(100V)で出力し、電力制御は可変の電流値及び電流のON/OFF時間によって決定される。サーミスタ11は、支持部材11aを介して装置枠体に保持されて配設されていて、ローラ1の表面の温度を接触式もしくは非接触式にて検知する。本実施例においては、サーミスタ11は、ローラ1を隔ててコイル6に向かい合う位置において、ローラ1の表面に対して弾性を有する支持部材11aにより押圧して弾性的に圧接されて配置されている。サーミスタ11のローラ温度に関する検知信号は制御回路部100に入力する。12は定着前ガイド板であり、作像機構部側から装置Fに搬送された記録材Pをニップ部Nの入口部に案内する。13は分離爪であり、ニップ部Nを出た記録材Pがローラ1に巻き付くことを抑え、ローラ1から記録材Pを分離するためのものである。14は定着後ガイド板であり、ニップ部Nを出た記録材Pを排紙案内する。ボビン4、ステー7、分離爪13は耐熱及び電気絶縁性エンジニアリング・プラスチックから形成されている。本実施例1において、装置Fの耐熱温度Tm230℃はこのプラスチックの耐熱温度に基いて設定している。G1はローラ1の奥側の端部側に外嵌固着させたドライブギアである。ギアG1に駆動源M1から伝達系(不図示)を介して駆動力が伝達されることで、ローラ1が矢印Aの時計方向に本実施例では300mm/secの周速度にて回転する。ローラ2はニップ部Nでのローラ1との摩擦力でローラ1の回転に従動して矢印の反時計方向Bに回転する。15はローラクリーナであり、クリーニングウエブ15aをロール巻きに保持した繰り出し軸部15bと、巻取り軸部15cと、軸部15b・15c間のウエブ部分をローラ1の外面に押し付けるローラ15dを有する。ローラ15dでローラ1に押し付けたウエブ部分でローラ1の面にオフセットしたトナーが拭われてローラ1の面が清掃される。ローラ1に押し付けられるウエブ部分は軸部15b側から軸部15c側にウエブ15aが間欠的に少しずつ送られることで徐々に更新される。
導電性を有する磁束遮蔽部材16は、ローラ1の外側において、ローラ内部のコイル6とローラ1を挟んで対向させた状態で支持部材(不図示)を介して装置枠体に保持されている。部材16は、ローラ1の回転方向Aに関して、ニップ部Nよりも上流に配置され、サーミスタ11は、ローラ1の回転方向Aに関して、部材16よりも上流に配置されている。部材16は、磁束の作用により発熱する整磁合金であるローラ芯金1aよりも抵抗率が小さい、例えば銅・アルミニウム等の非磁性金属が望ましい。本実施例においては、部材16は銅板である。部材16は、横断面において、ローラ1と略同心とする円弧形状で、コイル6と、ローラ1を挟んで対向するように、ローラ1の長手方向のほぼ全域にわたって配置されている。部材16はローラ1の表面とあまりに離れていると磁束遮蔽の効果が少なくなり、また近すぎると部材16がローラ1の表面に接触するおそれがある。そのため、部材16とローラ1の離間距離(ギャップ)は、上記の事項を考慮した最適な距離を保つことが必要である。部材16のローラ1の径方向に関する厚みは、薄すぎると部材16自身の抵抗による発熱によりーラ1の温度分布に影響を与えてしまうおそれがある。また、厚すぎると部材16の熱容量が増加してしまい、ウエイトタイムの増加の懸念がある。そのため、部材16の厚みは上記の事項を考慮して、適用する装置の仕様に応じて最適な厚みを設定すればよい。
本実施例では、記録材Pの通紙は中央基準で行われる。Sはその中央基準線(仮想線)である。即ち、装置に通紙使用可能な全ての幅サイズの記録材の中央部がローラ1の長手方向中央部を通過することになる。本実施例の画像形成装置においては、通紙できる記録材の最大幅サイズ(以下、大サイズ紙と記す)は例えばA3(縦送り:幅297mm)である。また通紙できる記録材の最小幅サイズ(以下、小サイズ紙と記す)は例えばA5(縦送り:幅148mm)である。P1はその大サイズ紙の通紙領域幅、P2は小サイズ紙の通紙領域幅である。サーミスタ11は、小サイズ紙の通紙領域幅P2の略中央部に対応する、ローラ1の長手方向中央部分に設けられている。即ち、サーミスタ11は、ローラ1の回転軸線方向O−Oに関して、装置に通紙使用可能な全ての幅サイズの記録材が通過する通紙領域に配置されている。
制御回路部100は画像形成装置のメイン電源スイッチ(不図示)のONにより画像形成装置を起動させる。装置Fについては所定の立ち上げモード(ローラ1の温度を、所定の像加熱温度Tfになるまで上昇させる工程)をスタートさせる。ローラ1の回転は駆動源M1の起動により開始する。ローラ1の回転に従動してローラ2も回転する。また、制御回路部100はインバーター101を起動させてコイル6に高周波電流を流す。これによりコイル6の周囲に高周波交番磁束が発生し、ローラ1の芯金1aが電磁誘導発熱して、ローラ1が所定の像加熱温度(定着温度)Tf、本実施例1では190℃に向かって昇温していく。加熱温度Tfは、前記のように、所定のキュリー温度Tcより低い関係となっている。ローラ1の昇温がサーミスタ11で検知され、検知温度情報が制御回路部100に入力する。ローラ1の温度が190℃に到達したら、画像形成装置は、画像形成信号の入力を待つスタンバイ状態(待機モード)となる。スタンバイ中においては、制御回路部100は、ローラ1の大サイズ紙通紙領域幅P1の略全域が所定の像加熱温度190℃に維持されるように、インバーター101からコイル6へ流す高周高周波電流を制御する。そして、この待機モード時に制御回路部100に対して画像形成信号が入力されると、制御回路部100は画像形成工程をスタートさせる。そして、未定着のトナー画像tを担持した記録材Pがニップ部Nで挟持搬送されることで、所定の像加熱温度Tfに維持されたローラ1の熱とニップ部Nの圧により、トナー画像tが記録材Pの面に加熱定着される。像加熱工程中(定着動作中)においては、制御回路部100は、サーミスタ11から入力する検知温度情報が所定の像加熱温度Tf190℃にほぼ対応した情報に維持されるように、インバーター101からコイル6へ流す高周波電流を制御する。より具体的には、像加熱工程中はサーミスタ11の出力と所定の像加熱温度Tfとの差分に応じて、インバーター101からコイル6に印加される電力の変更が行われて、ローラ1の温度が所定の像加熱温度Tf190℃に維持されるように温調制御がなされる。即ち、制御回路部100は、サーミスタ11の出力に応じてローラ1の少なくとも通紙領域を所定の像加熱温度Tfに維持するようにインバーター101からコイル6への通電を制御する。また、制御回路部100はサーミスタ11から入力するローラ1の検知温度(温度に関する情報)が所定の像加熱温度Tfよりも高い所定の異常検知温度であるときは、インバーター101からコイル6への電流印加を停止する。そして、制御回路部100は、装置Fの駆動及び画像形成装置の画像形成動作を停止させるとともに、表示部(不図示)にエラー表示をして使用者に対処を促す。本実施例においては上記の所定の異常検知温度を装置Fの耐熱温度Tm230℃に設定している。
次に、図4の(a)を用いて、ローラ1の芯金1aの電磁誘導発熱原理を説明する。コイル6には、インバーター101から交流電流が印加され、これによってコイル6の周囲には矢印Hで示した磁束が生成消滅を繰り返す。磁束Hは、コア5(5a・5b)と芯金1aによって形成された磁路に沿って導かれる。コイル6が生成した磁束の変化に対して、芯金1aの肉厚内では、磁束の変化を妨げる方向に磁束を発生するように渦電流が発生する。この渦電流を矢印Cで示す。この渦電流Cは、表皮効果により芯金1aのコイル6側の面に集中して流れ、芯金1aの表皮抵抗Rs(Ω)に比例した電力で発熱を生じる。コイル6に印加する交流電流の周波数f(Hz)、芯金1aの導体の透磁率μ(H/m)、芯金1aの固有抵抗ρ(Ω・m)から得られる表皮深さδ(m)及び表皮抵抗Rs(Ω)は、式1及び式2で示される。また、芯金1aに発生する電力Wは、芯金1aに誘導される渦電流をIf(A)として、式3で示される。
以上より、芯金1aの発熱量を増加させるためには、渦電流Ifを大きくする、または表皮抵抗Rsを大きくすればよい。渦電流Ifを大きくするためには、コイル6によって生成される磁束を強くする、あるいは磁束の変化を大きくすればいい。例えば、コイル6の巻き数を増やしたり、磁性コア5として、より高透磁率で残留磁束密度の低いものを用いると良い。また、コア5と芯金1aとのギャップαを少なくすることで、芯金1a中に導かれる磁束が増加するため、渦電流Ifを大きくすることが出来る。一方、表皮抵抗Rsを大きくするためには、コイル6に印加する交流電流の周波数fを高くして、表皮深さを浅くするか、透磁率μの高く、固有抵抗の高い材料の芯金1aを選択すればよい。
図3の(c)は、本実施例の装置Fにおけるローラ1の周方向に関する発熱分布の説明図である。コイル6から生じる磁束によるローラ1の発熱は、コイル6が対向しているローラ部分において生じる。そして、その発熱するローラ部分の周方向に関する発熱分布は2箇所に発熱ピーク部Jがある形態となっている。その2箇所に発熱ピーク部Jは、それぞれ、コイル6の第一のコイル部分6cbと第二のコイル部分6dのローラ周方向の中央部分に対応している。発熱分布の測定方法としては、株式会社日本総研ソリューションズ製の電磁界解析ソフトウェアであるJMAG−Studioを用いて、2次元の磁界解析を行い、ローラ周方向におけるジュール損失密度分布(発熱分布)を求めた。なお、発熱分布の測定方法は上記に限ったものではなく、その他の電磁界解析ソフトウェアを使用しても良い。また、ローラ1の回転を停止し、ローラ2を外した状態で、比較的短時間のローラ1の加熱を行ったときの、ローラ1の周方向の温度分布を測定し、加熱前後の温度上昇ΔTの分布を求めることで、発熱分布の代用としても良い。
次に、キュリー温度について説明する。一般に強磁性体は、材料固有のキュリー温度付近まで加熱されると、自発磁化を失い透磁率μが減少する。したがって、ローラ1の導電部材である芯金1aの温度がキュリー温度を越えてしまうと、表皮抵抗Rsが減少する。その結果、芯金1aの発熱量Wが減少する。一般に、表皮抵抗Rsは式2で表されるとおり、周波数が一定の場合は透磁率μと抵抗率ρで決まり、一般に抵抗率は温度上昇に伴って緩やかに増加する。ここで、加熱ローラの抵抗値(表皮抵抗)Rsは、磁束発生手段3をローラ1に装着したときのコイル6に電流を流したときのコイル6からみたローラ1のみかけの負荷抵抗に相当する。このみかけの抵抗値の測定方法、及び抵抗値の温度依存性は以下のように測定する。アジレント社製のLCRメータ(型番HP4194A)を用いて、周波数20kHzの交流を印加した際の加熱ローラの抵抗値を測定した。このとき、ローラ1、コイル6、コア5は像加熱装置に装着された状態で測定するものとする。このときローラ1の温度を変えていき、温度とローラ1の抵抗値を同時にプロットしていくことでローラ1の抵抗値の温度特性曲線を得ることができる。また、ローラ1の温度を変えるには、恒温室にローラ1及び磁束発生手段3を装置に装着させた位置関係に保った状態で、ローラ1の温度を変化させる。そして、ローラ温度を恒温室の温度に飽和させてから上記の測定法で抵抗値を測定する。このように測定すると、抵抗値の温度依存性は図4の(b)のような曲線になる。また、透磁率の測定方法は以下のように行なう。岩通計測株式会社製のB−Hアナライザー(型番:SY−8232)を用いて測定した。測定試料に装置の所定の一次コイルと二次コイルを巻きつけて周波数20kHzで測定する。測定試料はコイルが巻きつけられる形状であれば構わない(透磁率の異なる温度同士の比率は殆ど変わらない)。試料にコイルを設定したら、恒温室に試料を入れて温度を飽和させ、その温度における透磁率をプロットする。恒温室の温度を変えてやることで透磁率の温度依存性曲線が得られる。恒温室の温度を上昇させていき、ある温度で透磁率が変化しなくなる。この透磁率が変化しなくなった温度をキュリー温度とみなす。このように測定すると透磁率の温度依存性は図4の(c)のような曲線になる。
次に、実施構成におけるローラ1の厚み(肉厚)方向における発熱領域を、図5を用いて説明する。dは芯金1aの厚み(肉厚)である。芯金1aの温度がキュリー温度Tc(本実施例では200℃)より十分に低い場合、(a)に示すように、磁束Hは芯金1aの内面からキュリー温度Tcより十分低い温度における表皮深さδ分侵入したローラ厚み領域S1を通過する。そのため、芯金1aの厚み領域S1が発熱する。一方、芯金1aの温度がキュリー温度Tc付近になった場合は、透磁率が徐々に減少する。そのため、(b)に示すように、キュリー温度Tc付近における表皮深さをδcとすると、芯金1aの厚さdよりもδcが大きい場合、コイル6が発生する磁束Hは、芯金1aを内面側から外面側に突き抜けてしまう。この場合においては、芯金1aの全断面(全厚み)である領域S2が発熱する。渦電流自体の量は、キュリー温度Tcには依存しないことから、式2及び式3によれば、キュリー温度Tcより十分に低い温度における発熱量W1と、キュリー温度Tc付近における発熱量W2は、式4のように表すことが出来る。
さらに、芯金1aの近傍に磁束遮蔽部材16が配置される場合、芯金1aの温度がキュリー温度Tcより十分低い場合は、磁束Hは芯金1aの肉厚内を通過するため、芯金1aの領域S1が発熱する。しかし、芯金1aの温度がキュリー温度Tc付近の場合は、透磁率の減少により磁束Hは芯金1aを突き抜けて、部材16を通過する。この場合、(c)に示すように、芯金1aの全断面d1である領域S2及び部材16の断面d2である領域S3が発熱する。ここで、部材16は、芯金1aに用いた整磁合金よりも抵抗率が小さいため、渦電流は部材16に多く誘導されることから、芯金1aに誘導される渦電流は、部材16が配置されていない状態に比べて減少し、発熱もそれにともなって減少する。一方で、部材16の抵抗率が小さいことから、部材16に渦電流が多く誘導されても部材16自身の発熱量としては小さくなる。即ち、芯金1aの温度がキュリー温度Tc付近になると、芯金1aを通過した磁束Hによって部材16に渦電流が誘導され、芯金1aの発熱量が減少して、芯金1aを構成する整磁合金のキュリー温度Tc付近の温度に調整される。これにより、小サイズ記録材の連続通紙時におけるローラ1の非通紙部昇温現象の温度はキュリー温度Tc付近の温度に調整されて、非通紙部昇温を低減させることができる。
(3)部材16とサーミスタ11の配置
次に、部材16とサーミスタ11の配置に関して説明する。図5の(c)で説明したように、芯金1aの温度がキュリー温度Tc付近になると、芯金1aを通過した磁束Hによって部材16に渦電流が誘導され、芯金1aの発熱量が減少して、芯金1aを構成する整磁合金のキュリー温度Tc付近の温度に調整される。したがって、ローラ1の回転方向に関して、部材16よりも上流にサーミスタ11を配置することで、部材16によって調整される前のローラ1の温度を検知できる。そのため、より精度良くローラ1の温度を検知することが可能となる。本実施例1の構成において、部材16は銅板であり、ニップ部Nよりもローラ回転方向上流側に配置される。本実施例においては、部材16のローラ周方向における大きさ、即ち、部材16がローラ1の外面と対向している対向範囲角度は90°(図1の(b))、厚みは0.8mm、ローラ1と部材16の距離は2.0mmとした。また、部材16は、センターコア5b及び第一のコイル部分6c及び第二のコイル部分6dと、芯金1aを挟んで対向するように配置される。また、サーミスタ11は、部材16のローラ回転方向上流側に配置され、第二のコイル部分6dと、芯金1aを挟んで対向するように配置した。
図6の(a)は比較例の装置構成図である。比較例の装置F1は部材16とサーミスタ11の配設順序を上記の実施例とは逆にしている。その他の装置構成は上記の実施例と同様である。比較例の装置においては、部材16は、センターコア5b及び第一のコイル部分6c及び第二のコイル部分6dと、芯金1aを挟んで対向するように配置されるが、サーミスタ11は、第一のコイル部分6cと、芯金1aを挟んで対向するように配置した。従って、比較例の装置においては、サーミスタ11は、ローラ1の回転方向Aに関して、ニップ部Nよりも上流に配置され、部材16は、ローラ1の回転方向Aに関して、サーミスタ11よりも上流に配置されている。
本実施例の装置Fの構成及び比較例の装置F1の構成において、測定1として、ローラ1及びローラ2が回転している状態にて、装置F・F1の異常を想定した電力として1500Wをコイル6に入力する。そして、サーミスタ11の検知温度が異常検知温度(本実施例と比較例においては装置の耐熱温度Tm230℃とした)に到達するまでの時間を測定した。また、測定2として、A4サイズの記録材(縦送り:幅210mm)を500枚連続加熱した場合のローラ1の温調制御における温度低下(アンダーシュート)を測定した。温度低下は、像加熱温度Tfである190℃と、連続加熱時におけるローラ1の最低温度との温度差である。上記の結果を、表1に示す。
本実施例1の構成においては、ローラ1の回転方向Aに関して、サーミスタ11は部材16の上流側に配置されていることにより、部材16によって調整される前のローラ1の温度を検知できる。即ち、サーミスタ11によるローラ検知温度の精度が良いため、比較例の装置F1よりも、装置の異常温度をより早く検知することが出来る。従って、装置の異常によりコイル6に大電力が印加された場合においても、制御回路部100によりすばやくローラ加熱を停止させることができる。また、連続加熱時においても、サーミスタ11のローラ検知温度の精度が良い。そのため、ローラ1の温度変化に対してより精度よく温調制御することが可能である。即ち、ローラ1の温度変化に対してより的確にコイル6に対する電力供給制御を行うことが出来る。これにより、比較例の装置F1よりも、ローラ1の温度制御におけるアンダーシュートを少なくすることが出来る。また、ローラ1の温度上昇に対してもより的確に電力供給を行うことが出来るため、ローラ1の温度制御におけるオーバーシュートを少なくすることが出来る。
本実施例の装置構成においては、コイル6とローラ1が対向する領域は、コイル6の第一のコイル部分6cと第二のコイル部分の2箇所ある。そこで、その一方である第一のコイル部分6cとローラ1が対向する領域に部材16を、他方である第二のコイル部分6dとローラ1が対向する領域にサーミスタ11を配置する構成にしてもよい。また、ローラ1は、回転方向Aに関して、複数の発熱ピーク部Jを持っている。即ち、第一のコイル部分6cとローラ1が対向する領域と第二のコイル部分6dとローラ1が対向する領域とにそれぞれ発熱ピーク部Jを持っている。そこで、第二のコイル部分6dとローラ1が対向する領域の発熱ピーク部(第一の発熱ピーク部)を用いる位置にサーミスタ11を配置する。本実施例では、発熱ピーク部の温度を検知できるようにサーミスタ11を配置する。なお、発熱ピーク部とサーミスタ11の温度検知部とは厳密に一致しなくても、発熱ピーク部に対して±5°の範囲内にサーミスタが配置されてていれば、発熱ピーク部を用いる位置とする。そして、第一のコイル部分6cとローラ1が対向する領域の発熱ピーク部(第一の発熱ピーク部でない発熱ピーク部)に部材16を配置する構成にしてもよい。ここで、部材16は一方の発熱ピーク部を少なくとも覆うことが望ましい。また、サーミスタ11を配置する発熱ピーク部は複数の発熱ピーク部のうちで最も発熱量が大きい発熱ピーク部を用いる構成であることが好ましい。
[実施例2]
図6の(b)を用いて、本発明の第二の実施例構成を説明する。実施例1の装置構成は、コイル6はローラ1の内部に配置したが、図6の(b)に示すように、コイル6をローラ1の外部に近接して配置する装置構成にすることもできる。この場合は、磁束遮蔽部材16とサーミスタ11はローラ1の内部にコイル6と対向して配置される。また、部材16は、ローラ1の回転方向Aに関して、ニップ部Nよりも上流に配置され、サーミスタ11は、ローラ1の回転方向Aに関して、部材16よりも上流に配置されている。その他の装置構成は、実施例1の装置と同様である。
[実施例3]
図7の(a)を用いて、本発明の第三の実施例構成を説明する。本実施例の装置構成においては、キュリー温度Tcが約200℃であるローラ1の内部に、その内周面のほぼ全周にわたってコイル6e、6fが配置され、コイル6e、6fが発生する磁束を導くコア5が断面I字型形状で配置されている。また、ローラ1の外側の磁束遮蔽部材16は銅板であり、ニップ部Nの回転方向上流側に配置される。本実施例においては、部材16のローラ周方向における大きさ、即ち、部材16がローラ1の外面と対向している対向範囲角度は180°、厚みは0.8mmである。ローラ1と部材16の離間距離は2.0mmであって、コア5及びコイル6e、6fと、芯金1aを挟んで対向するように配置される。また、温度検知手段としてのサーミスタ11は、部材16よりもローラ回転方向上流側に配置される。図7の(b)は本実施例の装置Fにおけるローラ1の周方向に関する発熱分布図である。本実施例の装置Fの場合は、ローラ部分の周方向に関する発熱分布は4箇所に発熱ピーク部Jがある形態となっている。本実施例の構成においては、コイル6e、6fがローラ内面のほぼ全周にわたって配置されているため、ローラ1のほぼ全周を加熱することができる。このため、ローラ1の周方向における温度ムラが少なくなるため、温度ムラを解消するための空回転が必要ない。そのため、より消費電力を少なくすることが出来る。
本実施例の装置構成においても、ローラ1の回転方向に関して、サーミスタ11は部材16の上流に配置されている。これにより、サーミスタ11の検知温度の精度が良いため、装置の異常温度をより早く検知することが出来る。従って、装置の異常によりコイル6に大電力が印加された場合においても、制御回路部100によりすばやくローラ加熱を停止させることができる。また、連続加熱時においても、サーミスタ11のローラ検知温度の精度が良い。そのため、ローラ1の温度変動に対してより的確に電力供給を行うことが出来るので、ローラ1の温度制御におけるアンダーシュートやオーバーシュートを少なくすることが出来る。
本実施例の装置構成のように、ローラ1が回転方向に関して複数の発熱ピーク部を持つとき、第一の発熱ピーク部にはサーミスタ11が配置され、第一の発熱ピーク部でない発熱ピーク部に部材16を配置する構成にするとよい。また、複数の発熱ピーク部の発熱量に差がある場合においては、サーミスタ11を配置する発熱ピーク部は複数の発熱ピーク部のうちで最も発熱量が大きい発熱ピーク部であることが好ましい。
[実施例4]
図8の(a)を用いて、本発明の第四の実施例を説明する。本実施例の装置構成において、磁束遮蔽部材16は銅板であり、ニップ部Nよりもローラ1の回転方向上流側に配置される。本実施例においては、部材16のローラ周方向における大きさ、即ち、部材16がローラ1の外面と対向している対向範囲角度は100°、厚みは0.8mmである。ローラ1と部材16の離間距離は2.0mmとした。また、部材16のローラ回転方向上流部には、その長手方向中央部に、幅15mmで、ローラ回転方向に関する大きさが40°である切り欠き部16Aがある。そして、この切り欠き部16Aには温度検知手段としてのサーミスタ11が配置される。切り欠き部16Aは、装置に通紙使用可能な全ての幅サイズの記録材が通過する通紙領域に設けることが望ましい。本実施例の構成によれば、実施例1の装置との対比において、ローラ回転方向に関する部材16の大きさをより大きくすることが可能となる。そのため、より効果的に非通紙部昇温を抑制できる。
本実施例の構成においても、ローラ1の回転方向に関して、サーミスタ11は部材16の上流に配置されている。これにより、サーミスタ11の検知温度の精度が良いため、装置の異常温度をより早く検知することが出来る。従って、装置の異常によりコイル6に大電力が印加された場合においても、制御回路部100によりすばやくローラ加熱を停止させることができる。また、連続加熱時においても、サーミスタ11のローラ検知温度の精度が良い。そのため、ローラ1の温度変動に対してより的確に電力供給を行うことが出来るので、ローラ1の温度制御におけるアンダーシュートやオーバーシュートを少なくすることが出来る。
[実施例5]
図8の(b)を用いて、本発明の第五の実施例を説明する。本実施例の装置Fはベルト加熱方式の像加熱装置である。この装置Fは、加熱ローラ1と、このローラ1に平行に配列された対向部材としての対向ローラ9と、該ローラ1・9の間に張架されたエンドレスベルト8と、ローラ9とベルト8を挟んでニップ部Nを形成する加圧部材としての弾性加圧ローラ2を有している。ローラ1は実施例1の装置Fにおけるローラ1と同様に内部に磁束発生手段3が配設された電磁誘導加熱されるローラである。また、このローラ1のベルト懸回部に、磁束遮蔽部材16とサーミスタ11が実施例1の装置Fにおけるローラ1と同様に配設されている。ローラ9はローラ1と同方向に回転する。ローラ1とローラ9の回転によりベルト8も回転する。ベルト8はローラ1により所定の像加熱温度に加熱される。そして、ニップ部Nに導入された記録材P上の未定着のトナー画像tがベルト8の熱とニップ圧により定着される。本実施例の装置の場合も、実施例1の装置と同様に、ローラ1の回転方向に関して、サーミスタ11は部材16の上流に配置されている。これにより、サーミスタ11の検知温度の精度が良いため、装置の異常温度をより早く検知することが出来る。従って、装置の異常によりコイル6に大電力が印加された場合においても、制御回路部100によりすばやくローラ加熱を停止させることができる。また、連続加熱時においても、サーミスタ11のローラ検知温度の精度が良い。そのため、ローラ1の温度変動に対してより的確に電力供給を行うことが出来るので、ローラ1の温度制御におけるアンダーシュートやオーバーシュートを少なくすることが出来る。本発明は、エンドレスベルト8自身が所定のキュリー温度に調整された整磁合金であるベルト加熱方式の装置であっても適用可能である。
[実施例6]
実施例1乃至5の装置において、温度検知手段は、所定の温度に到達するとコイル6への印加電流を遮断する通電遮断動作するサーモスイッチや温度ヒューズ等の通電遮断装置に特化した温度検知手段であっても本発明を適用可能である。図9は実施例1の装置に更に通電遮断装置11Aを具備させたものである。装置11Aはコイル6に対する通電回路に直列に挿入されている。そして、サーミスタ11と同様にローラ1に対して接触させて或いは非接触に近接させて、かつローラ1の回転方向に関して部材16の上流に配置されている。装置11Aの通電遮断動作温度は本実施例では、装置の耐熱温度Tm230℃とした。ローラ1の回転方向に関して、装置10はサーミスタ11と同様に部材16の上流に配置されている。これにより、装置11Aの検知温度の精度が良いため、装置Fの異常温度をより早く検知して通電遮断動作をすることが出来る。従って、装置Fの異常によりコイル6に大電力が印加された場合においても、装置11Aによりすばやくローラ加熱を停止させることができる。ローラ1が回転方向Aに関して複数の発熱ピーク部を持つとき、第一の発熱ピーク部にはサーミスタ11と装置11Aが配置され、第一の発熱ピーク部でない発熱ピーク部に部材16を配置する構成にするとよい。また、複数の発熱ピーク部の発熱量に差がある場合においては、サーミスタ11と装置11Aを配置する発熱ピーク部は複数の発熱ピーク部のうちで最も発熱量が大きい発熱ピーク部であることが好ましい。サーミスタ11と装置11Aは、実施例6のように、ローラ1の長手方向に関して、装置に通紙使用可能な最大幅サイズの記録材の通紙領域の外側に配置した装置構成にすることもできる。
1・・発熱部材(加熱ローラ)、2・・加圧部材(加圧ローラ)、6・・コイル、11・・温度検知手段(サーミスタ)、16・・磁束遮蔽部材、100・・通電制御手段(制御回路)、101・・電源、P・・記録材、A・・回転方向、N・・ニップ部、H・・磁束、Tc・・キュリー温度、Tf・・像加熱温度、Tm・・耐熱温度

Claims (10)

  1. コイルと、前記コイルから生じる磁束により発熱する、少なくとも一部は所定の温度にキュリー温度を調整した整磁合金である回転可能な発熱部材と、前記発熱部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の出力に応じて前記発熱部材の温度が予め設定された像加熱温度になるように前記コイルへの通電を制御する通電制御手段と、前記発熱部材を挟んで前記コイルに対向するように配置され導電性の磁束遮蔽部材と、を有し、前記キュリー温度は前記像加熱温度よりも高い温度で、像加熱装置の耐熱温度よりも低い温度であり、ニップ部で像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する像加熱装置であって、
    前記磁束遮蔽部材は、前記発熱部材の前記磁束による発熱領域であって前記発熱部材の回転方向に関して前記ニップ部よりも上流に配置され、
    前記温度検知手段は、前記発熱部材の前記磁束による発熱領域であって前記回転方向に関して前記磁束遮蔽部材よりも上流に配置されていることを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記発熱部材の前記磁束による発熱領域は前記回転方向に関して複数の発熱ピーク部を持ち、第一の発熱ピーク部には前記温度検知手段が配置され、第一の発熱ピーク部でない発熱ピーク部には前記磁束遮蔽部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記第一の発熱ピーク部は、複数の発熱ピーク部のうちで最も発熱量が大きい発熱ピーク部であることを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 前記温度検知手段は、前記発熱部材の回転軸線方向に関して、像加熱装置に使用可能な全ての幅サイズの記録材が通過する記録材通過領域に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  5. 前記通電制御手段は、前記温度検知手段の出力に応じて前記発熱部材の少なくとも前記記録材通過領域を前記像加熱温度に維持するように前記コイルへの通電を制御することを特徴とする請求項4に記載の像加熱装置。
  6. コイルと、前記コイルから生じる磁束により発熱する、少なくとも一部は所定の温度にキュリー温度を調整した整磁合金である回転可能な発熱部材と、前記発熱部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の出力に応じて前記発熱部材の温度が予め設定された像加熱温度になるように前記コイルへの通電を制御する通電制御手段と、前記発熱部材を挟んで前記コイルに対向するように配置され導電性の磁束遮蔽部材と、を有し、前記キュリー温度は前記像加熱温度よりも高い温度で、像加熱装置の耐熱温度よりも低い温度であり、ニップ部で像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する像加熱装置であって、
    前記コイルへの通電回路に直列に挿入されていて、所定の異常温度を検知したとき前記コイルへの印加電流を遮断する通電遮断動作をする通電遮断装置を有し、
    前記磁束遮蔽部材は、前記発熱部材の前記磁束による発熱領域であって前記発熱部材の回転方向に関して前記ニップ部よりも上流に配置され、
    前記温度検知手段と前記通電遮断装置は、前記発熱部材の前記磁束による発熱領域であって前記回転方向に関して前記磁束遮蔽部材よりも上流に配置されていることを特徴とする像加熱装置。
  7. 前記発熱部材の前記磁束による発熱領域は、前記回転方向に関して複数の発熱ピーク部を持ち、第一の発熱ピーク部には前記温度検知手段と前記通電遮断装置が配置され、第一の発熱ピーク部でない発熱ピーク部には前記磁束遮蔽部材が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の像加熱装置。
  8. 前記第一の発熱ピーク部は、複数の発熱ピーク部のうちで最も発熱量が大きい発熱ピーク部であることを特徴とする請求項7に記載の像加熱装置。
  9. 前記温度検知手段と前記通電遮断装置は、前記発熱部材の回転軸線方向に関して、像加熱装置に使用可能な全ての幅サイズの記録材が通過する記録材通過領域に配置されていることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  10. 前記通電制御手段は、前記温度検知手段の出力に応じて前記発熱部材の少なくとも前記記録材通過領域を前記像加熱温度に維持するように前記コイルへの通電を制御することを特徴とする請求項9に記載の像加熱装置。
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