JP2017021111A - 凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれから得られる凸版印刷原版 - Google Patents

凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれから得られる凸版印刷原版 Download PDF

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Abstract

【課題】1〜5%のハイライト部の印刷再現性とベタ部のインキ乗りを両立できる、優れた凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれを使用した凸版印刷原版を提供する。【解決手段】水溶解性又は水分散性の高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤を必須成分とする凸版印刷原版用感光性樹脂組成物であって、前記高分子化合物が1000質量グラム当り3.0〜7.0モルのウレア結合を含有し、かつ動的粘弾性測定装置によって測定したTgが30〜90℃であることを特徴とする凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれから得られる凸版印刷原版に関するものであり、特に、1〜5%のハイライト部の階調印刷再現性に優れ、かつベタ部のインキ乗りに優れ、さらには版面粘着性の低い凸版印刷原版を提供できる水現像性感光性樹脂組成物に関するものである。
通常、印刷版に用いられる感光性樹脂凸版組成物は、一般に、可溶性高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤を必須成分として含有し、必要に応じて、安定剤、可塑剤等の添加剤が配合されている。
従来から、この感光性樹脂組成物層に透明な画像部を有するネガフィルム(またはポジフィルム)を通して活性光線を照射し、露光部の感光層を硬化させた後、非露光部の感光層を適当な溶剤で溶解除去して乾燥及び後露光する製版工程により、印刷用のレリーフ版を作成することは広く知られている。
前記の感光性樹脂組成物としては、可溶性ポリアミド、ポリエーテルウレアウレタン、完全鹸化または部分鹸化ポリ酢酸ビニルなどを可溶性ポリマーとして使用するものが提案されており、可溶性ポリアミドやポリエーテルウレアウレタンを使用する感光性凸版組成物は、耐摩耗性に優れるために特に好ましく使用される。それらの感光性樹脂凸版組成物を用いた感光性樹脂凸版用原版には、感光性樹脂層を高反発弾性化し感光性樹脂凸版用原版で高速印刷適性を改善したものなどがある(特許文献1,2参照)。
最近では、感光性樹脂凸版用原版に対するユーザーの要求がさらに微細なパターンを再現する方向へ進んでおり、写真物の印刷等に使用する最小ハイライト部についても200線の5%以下が連続的に網点が減少する印刷物でスムーズに明るさが変化する再現性を有すること(ハイライト部網点の階調性)が要求されるようになっている。
さらに、写真の印刷物には微細な点からなるハイライト部の網点以外に大きな面積にインキを乗せるベタ部があり、ハイライト部網点の階調性とベタ部の高いインキ濃度での均一性との両立も求められている。
微細なハイライト部網点印刷性の要求に対応する従来技術としては、感光樹脂層の光透過率の異なる多層構造にすることで画像再現性を向上させた感光性樹脂凸版用原版(特許文献3参照)、感光性樹脂層の多層化によりレリーフ形状をシャープにした感光性樹脂凸版用原版(特許文献4参照)などが挙げられるが、印刷物のハイライト部網点の1〜5%のハイライト部網点印刷物の再現性と感光性樹脂凸版用原版の製造コストの両者を満足できるものではなかった。特に、製造コストについては、多層化により再現性の向上を達成する場合には、製造工程が複雑となるために製造コストが上がることを避けることはできない。
一方、感光性樹脂凸版原版上に設けられた感熱マスク層を像に従いレーザーで除去し、その後紫外線露光、現像により印刷版を製造するマスクCTP方式(特許文献5参照)やレーザーにより感光性樹脂凸版原版を像に従い直接除去するレーザー彫刻方式(特許文献6参照)が普及しつつある。特に、レーザー彫刻方式は、現像工程が不要で製版方式が簡便であることから、作業性に優れている。感光性樹脂凸版用原版は、ネガフィルムを用いた製版方式だけでなく、マスクCTP方式やレーザー彫刻方式にも対応できることが求められている。
特開平04−97154号公報 特開平05−11447号公報 特開2002−23349号公報 特開平06−313966号公報 特開2010−276916号公報 特開2009−241421号公報
本発明は、上記のような従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、1〜5%のハイライト部の階調印刷再現性とベタ部のインキ乗りを両立できる、優れた凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれを使用した凸版印刷原版を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、凸版印刷原版に使用する感光性樹脂組成物の水溶解性又は水分散性の高分子化合物について鋭意検討した結果、高分子化合物に特定範囲の濃度のウレア結合を含有させることにより、優れた水現像性を保持しながらハイライト部の階調印刷再現性とベタ部のインキ乗りを両立できることを見い出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)の構成を有するものである。
(1)水溶解性又は水分散性の高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤を必須成分とする凸版印刷原版用感光性樹脂組成物であって、前記高分子化合物が1000質量グラム当り3.0〜7.0モルのウレア結合を含有し、かつ動的粘弾性測定装置によって測定したTgが30〜90℃であることを特徴とする凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
(2)(1)に記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を設けてなる凸版印刷原版。
(3)(1)に記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を紫外線照射によって硬化させたことを特徴とするレーザー彫刻用凸版印刷原版。
(4)(3)に記載のレーザー彫刻用凸版印刷原版をレーザー彫刻することを特徴とする印刷版の製造方法。
本発明によれば、1〜5%のハイライト部の階調印刷再現性とベタ部のインキ乗りを両立できる、優れた凸版印刷原版のための感光性樹脂組成物を提供することができる。また、レーザー彫刻方式にも好適に使用できる。
本発明の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物は、水溶解性又は水分散性の高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤を必須成分とするものであり、前記高分子化合物は、1000質量グラム当り3.0〜7.0モルのウレア結合を含有し、かつ動的粘弾性測定装置によって測定したTgが30〜90℃であることを特徴とする。
本発明に用いる高分子化合物は、ジアミンとジイソシアネート化合物との反応で得られるものであり、ジアミンとジイソシアネート化合物との分子量を適切に選択することにより、高分子化合物1000質量グラム当り3.0〜7.0モルのウレア結合を含有させることができる。すなわち、ジアミン及びジイソシアネート化合物を分子量の小さい組合せまたは大きい組合せとすることにより、それぞれ高いまたは低いウレア結合含有量を得るように調整することができる。高分子化合物中のウレア結合量を上記の範囲にすることにより、ウレア結合の凝集力によって温度や湿度依存性が小さくなり、1〜5%のハイライト部の印刷再現性に寄与することができる。
高分子化合物中のウレア結合量が1000質量グラム当り3.0モル未満の場合にはウレア結合の凝集力が小さいために温度や湿度依存性が大きくなるため好ましくない。又ウレア結合量が7.0モルを超えた場合にはウレア結合の凝集力が大きくなりすぎるために印刷版硬度が硬くなりすぎてベタインキ乗りが悪くなるので好ましくない。
本発明の凸版印刷原版より得られる印刷版は低い版面粘着性を達成できる。そのため印刷時に印刷版表面に印刷紙より発生する紙粉の付着が低減し、その結果、ベタ部に付着した紙粉が引き起こすインキ乗りムラを防止できる。低表面粘着を満足できる理由は明らかではないが、高分子化合物中のウレア結合の凝集力によって温度や湿度依存性が小さくなっているためと推測される。
高分子化合物の動的粘弾性測定装置によって測定したガラス転移点(Tg)を30〜90℃にする方法としては、高分子化合物の分子鎖の動きを悪くすることが好ましく、ジアミンとジイソシアネート化合物のいずれかに又は両方に芳香族環又は脂肪環の環構造を導入したものを用いれば良い。
本発明の凸版印刷原版より得られる印刷版は動的粘弾性測定装置によって測定したTgが30〜90℃である高分子化合物を用いることにより、1〜5%のハイライト部の印刷再現性とベタ部のインキ乗りを両立することができる。Tgが30℃未満では、印刷時の版の変形が発生し、Tgが90℃を越えると、ベタ部のインキ乗り性を保持できなくなる。
本発明に用いる高分子化合物は、分子中の主鎖に特定範囲のウレア結合量を有すること、さらに動的粘弾性測定装置によって測定したTgが特定範囲にあること、さらに水溶解性又は水分散性(水現像性)であることが必要である。上記の三点を満足させるためには、ジアミンを脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、脂環族ジアミン及び複素環ジアミンから選択すればよいが、水現像性の観点よりピペラジン環を有するジアミンを一部又は全てに用いることが好ましい。また、高分子化合物のTgを上げるためには、芳香族ジアミン又は脂環族ジアミンを選択することが好ましく、さらに好ましくは脂環族ジアミンである。脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4または2,4,4 −トリメチルヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。芳香族ジアミンとしては、メタ又はパラキシリレンジアミン、メタ又はパラキシフェニレンジアミンなどが挙げられる。脂環族ジアミンとしては、ビス(4,4′−アミノフェニル)メタン、1,4ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4ビ−アミノシクロヘキサン、1,3−アミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。複素環ジアミンとしては、ピペラジン環を有するジアミンなどが挙げられる。ピペラジン環を有するジアミンとしては、N,N′−ビス(アミノエチル)−ピペラジン、N,N′−ビス(γ−アミノプロピル)ピペラジン、N,N′−ジ(アミノペンチル)ピペラジンなどが挙げられ、水溶性を付与するジアミンとして使用することができる。
高分子化合物を合成するためのもう一方の原料であるジイソシアネート化合物としては、公知の脂肪族、脂環族、芳香族のジイソシアネートの使用が可能である。例えば、脂肪族ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられ、脂環族ジイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジメチルイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。芳香族ジイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。その中でも特に脂環族ジイソシアネート化合物がTgを上げることができるので好ましい。
本発明の高分子化合物は、ジアミンとジイソシアネート化合物とを反応させることによって得ることができる。ジアミンとジイソシアネート化合物との反応は、水現像性と画像再現性の両者を満足するために、有機溶剤中攪拌下にジアミンとジイソシアネート化合物を反応させることで安定的に合成することが可能である。
本発明の高分子化合物を合成するためのジアミンとジイソシアネート化合物とのモル反応比率(アミノ基/イソシアネート基)は1.0以上、好ましくは1.02以上である。この場合、過剰の末端アミノ基が未反応のまま残存しても、それを用いた組成物の性能、物性などに悪影響を及ぼさない限り特に差しつかえない。また、アミノ基/イソシアネート基(当量比)が1.0未満の場合は、ゲル化などの不都合な反応が起こりやすいので好ましくない。アミンとイソシアネートとの反応性は極めて大きいため、両者の反応は水、メタノールなどのアルコール類、あるいは水とアルコール類との混合物などの活性溶剤中でも可能であり、かつ反応は速やかに完了する。また、両者の反応は、その系に合った最適条件下で行なわれるべきであるが、比較的低温、例えば室温においても速やかに反応する。
本発明に用いる高分子化合物は、塩基性第3級窒素原子を含有していることが好ましいが、その場合は四級化剤と反応させ、アンモニウム塩型窒素原子を有する可溶性高分子化合物とすることが水溶性の面から好ましい。四級化剤としては、公知の有機酸の使用が可能であり、脂肪族有機酸、芳香族有機酸が使用可能である。有機酸の具体例は、脂肪族有機酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グリコール酸、乳酸など、芳香族有機酸としては、安息香酸、イソフタル酸などが挙げられるが、水溶性の面から脂肪族有機酸が好ましい。また、四級化剤は、高分子化合物を反応させる時に使用する有機酸と兼用することが好ましく、配合する四級化剤添加量の一部を高分子化合物の反応の際に使用するものである。
本発明で用いる高分子化合物の使用量は、全感光性樹脂組成物中45〜65重量%であることが好ましい。使用量が45重量%未満では、十分な物性が得られず、65重量%を超えると、光硬化性が悪くなり、画像再現性が低下する場合がある。物性と画像再現性の両者を満足するためには、さらに好ましくは50〜65重量%である。
本発明に用いる光重合性不飽和化合物は、分子内に光重合可能な不飽和基を1個以上含有する化合物であり、公知のものが使用できる。分子内に光重合可能な不飽和基を1個含有する化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド−n−ブチルエーテル、ジアセトアクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとモノアルコールとの開環付加反応物、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の1個の不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。分子内に光重合可能な不飽和基を2個以上含有する化合物化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェイト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸と(メタ)アクリル酸とのトリエステル、多価アルコールのポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との開環付加反応生成物、例えば(ポリ)エチレングリコールジグシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、(ポリ)プロピレングリコールのジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、1,6−ヘキサメチレングリコールのジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、グリセリンジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリメチロールエタントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、イソフタル酸ジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、イソプレンオリゴマーのジカルボン酸のジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、その他の活性水素化合物とグリシジル(メタ)アクリレートとの開環付加反応生成物、例えば(ポリ)エチレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、(ポリ)プロピレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、グリセリンとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、トリメチロールエタンとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、(メタ)アクリル酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、脂肪族多価カルボン酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、芳香族多価カルボン酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、第1級または第2級アミノ基を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応によって得られる2個以上の不飽和基を有する化合物、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−m−フェニレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−m−キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、ジ(メタ)アクリルアミド−N−メチルエーテル、1,3−ビス[(メタ)アクリロイルアミノメチル]尿素、およびその誘導体、1,3−[ビス(メタ)アクリロイルアミノメチル]−1,3−ジメチル尿素およびその誘導体、1,3−[ビス(メタ)アクリロイルアミノメチル]エチレン尿素およびその誘導体、1,3 −[ビス(メタ)アクリロイルアミノメチル]トリメチレン尿素およびその誘導体、トリアクリルホルマール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート、1,3−ジグリシジル,5−メチル,5エチルヒダントインなどの不飽和結合を2個以上有する化合物が挙げられる。
光重合性不飽和化合物は単独で使用しても良いが、2種以上を併用してもよい。光重合性不飽和化合物の使用量は、全感光性樹脂組成物中25〜50重量%が好ましい。光重合性不飽和化合物の使用量が50重量%を越えると、十分な機械的強度が得られず、25重量%未満では、光硬化性が悪くなることで画像再現性が低下する場合がある。
本発明に用いる光重合開始剤としては、公知のものが使用可能であり、具体的には、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アンスラキノン類、チオキサントン類などが挙げられる。好適な具体例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、アンスラキノン、2−クロロアンスラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられる。光重合開始剤の使用量は、全感光性樹脂組成物中0.05〜5重量%が好ましい。0.05重量%未満では、光重合開始能力に支障をきたし、5重量%を越えると、印刷用レリーフを作成する場合に印刷原版の感光樹脂層の厚み方向の光硬化性が低下し、画像の欠けが起こりやすくなる。
また、必要により公知の熱重合禁止剤を添加してもよい。熱重合禁止剤は、感光性樹脂組成物の調合、製造、成形加工時などの加熱による予定外の熱重合、あるいは該組成物の保存中の暗反応を防止するために添加する。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどのハイドロキノン類、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノンなどのベンゾキノン類、フェノール類、カテコール、p−tert−ブチルカテコールなどのカテコール類、芳香族アミン化合物類、ビクリン酸類、フェノチアジン、α−ナフトキノン類、アンスラキノン類、ニトロ化合物類、イオウ化合物類などが挙げられる。熱重合禁止剤の使用量は、全感光性樹脂組成物中0.001〜2重量%が好ましく、特に好ましくは0.005〜1重量%である。これらの化合物は2種以上併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、溶融成形法の他、例えば、熱プレス、注型、或いは、溶融押出し、溶液キャストなど公知の任意の方法により目的とした積層体の構成で成形することによって、感光性樹脂層を設けた凸版印刷用原版を得ることができる。
凸版印刷用原版は、シート状に成形した成形物(未露光樹脂)を公知の接着剤を介して、或いは、介さずに支持体に積層して使用することができる。支持体としては、スチール、アルミニウム、ガラス、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムなど任意のものが使用でき、50〜500μmの範囲の厚みのフィルムが使用される。シート状成形物(未露光樹脂)を支持体上に積層した積層体にして供給する場合には、シート状成形物(未露光樹脂)に接して保護フィルムをさらに積層することが好ましい。保護フィルムは、フィルム状のプラスチックが使用でき、例えば125μm厚みのポリエステルフィルムが使用される。また、感光性樹脂層と保護フィルムとの間に粘着性のない透明で現像液に分散又は溶解する高分子を0.5〜3μmの厚みで塗布した粘着防止層を設けてもよい。感光性樹脂層表面に粘着防止層を設けることで、表面粘着性が強い場合であっても次の露光操作時に行う保護層の剥離を容易に行うことができる。
本発明の凸版印刷用原版は、感光性樹脂層と粘着防止層の間に、厚みが1〜30μmのキャップ層を設けてもよい。キャップ層は、現像工程で除去されず印刷版上に残るため、キャップ層を設けることで印刷版表面特性や耐久性を調整することができる。キャップ層としては、公知のキャップ層を使用できる。
本発明の凸版印刷用原版は、感光性樹脂層の表面に感熱マスク層を設けることでネガフィルムを使用しないマスクCTP(Computer to Plate)版を製造できる。感熱マスク層としては、公知の感熱マスク層を使用できる。
本発明の凸版印刷用原版は、紫外線で全面露光することで、レーザー彫刻性能に優れたレーザー彫刻用凸版印刷原版として使用できる。レーザー彫刻には、公知のレーザー彫刻装置が使用できる。レーザー彫刻原版用に全面露光に用いる紫外線としては、通常300〜450nmの波長を中心とする高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、ケミカルランプなどの光源を用いる。又、レーザー彫刻用凸版印刷原版として使用する場合は、感光性樹脂層表面に粘着防止層を設けても良いが、設けなくともレーザー彫刻用凸版印刷原版として使用することはできる。
本発明の感光性樹脂組成物より得られた凸版印刷用原版は、感光性樹脂層に透明画像部を有するネガフィルムまたはポジフィルムを密着して重ね合せ、その上方から活性光線を照射して露光を行い、活性光線が透過した露光部のみを不溶化した原版を作成する。活性光線は、通常300〜450nmの波長を中心とする高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、ケミカルランプなどの光源を用いる。一方、CTP版の場合には、感熱マスク層をIRレーザにより画像様に照射して、感光性樹脂層上にマスク(ネガフィルムと同じ機能)を形成する。画像情報を感熱マスク層に書き込んだ後、感光性印刷原版にマスクを介して活性光線を全面照射し、活性光線が透過した露光部のみを不溶化した原版を作成する。
次いで、適当な溶剤、特に本発明では中性水により非露光部分を溶解除去するが、スプレー式現像装置、ブラシ式現像装置などの現像方式で非露光部分を溶解除去できる。その後、非露光部分を溶解除去した印刷版は、水切り、乾燥、後露光工程を処理し、最終の印刷版が得られる。
本発明の感光性樹脂組成物より得られた凸版印刷用原版を用いると、ハイライト部の階調印刷性のみでなく、ベタ部のインキ乗りに優れ、さらに版面の粘着性が非常に低いことが発見された。このため、本発明の凸版印刷用原版を用いると、印刷前や印刷中に埃や紙粉の付着が低減され、ベタ部のインキ乗りが改善すると共に版の洗浄回数を大幅に削減することができる。版面粘着性が低減した理由は、Tgが30℃以上の高分子化合物を使用しているためである。本発明の高分子化合物のTgは30℃以上であり、室温付近では高分子化合物の分子鎖が凍結状態であり自由運動が抑制されているため、粘着性が低減したと思われる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中の部数は重量部を表わす。なお、実施例中の特性値の評価は以下の方法に依った。
(1)ハイライト部印刷性(ハイライト部階調印刷再現性)
まず、感光層厚みが685μmの感光性樹脂凸版原版に、画像として網点175線−1%〜95%、最小独立点直径50〜600μm、最小独立線幅が10〜150μm、ベタ画像(幅1cm×長さ5cm)を含む印刷評価ネガを用い、175線−1%が再現する最小露光時間を最適露光時間として、25W/mのケミカルランプを用いて感光性樹脂表面より高さ5cmの距離から露光した。次にブラシ式ウォッシャー(120μmφナイロンブラシ、日本電子精機(株)制作JW−A2−PD型)で25℃の水道水で現像し、レリーフ画像を得た。更に70℃で10分間、温風乾燥した後に超高圧水銀灯で30秒間後露光して印刷版を得た。175線−1%の画像再現性は10倍のルーペを使い、肉眼で判定した。得られた印刷版を用いてハイライト印刷性の評価を行った。印刷機には、輪転印刷機P−20(三條機械製)を用い、インキにはベストキュア藍(T&K TOKA製)、被印刷物にはグロスPW−8K(リンテック製)を用いた。印圧(版と被印刷物間の圧力)を段階的に高め、ベタ箇所のカスレが無くなる箇所を適性圧として印刷評価を実施した。また、ベタ箇所のインキ濃度が1.7absになるようにインク送り量を調整した。適性圧での175線1%〜5%の網点濃度を、CCDOT4(エス・デェイ・ジー株式会社製)を用いて測定し、その結果を%で表して表にまとめた。測定した印刷物の網点濃度はネガフィルムの網点濃度に近い方が良く、さらにはネガフィルム網点が5%から1%へ減少するに応じて印刷物の網点濃度もスムーズに減少していくことが好ましい。このように、印刷物の網点濃度がスムーズに減少する場合にはハイライトの階調性が優れるとの評価となる。
(2)ベタ部のインキ乗り性
(1)のハイライト印刷性評価用印刷版を作成と同時に得られた、ネガフィルムが幅1cmで長さ5cmのベタ部を用いて、ハイライト印刷性評価と同時に印刷性評価を行った。以下の判定基準の目視判定で評価を行った。
◎:ベタ部全面にインキ濃度のムラが見られない。
○:ベタ部の一部にインキ濃度ムラが見られる。
×:ベタ部全面にインキの濃度ムラがあり、紙粉が付着した痕も見られる。
(3)粘着性評価
(1)のハイライト印刷性評価用レリーフを作成した時と同じ方法で印刷版を製造し、得られた印刷版を用いて印刷版表面の粘着性評価を行った。粘着性は、被印刷物であるコート紙(グロスPW−8K、(株)リンテック製)を版に押し付けて、コート紙の滑り度合いから以下の基準で評価した。
○:コート紙が抵抗なく滑る。
×:コート紙と版が粘着して滑らない。
(4)ガラス転移点(Tg)の測定
アイティー計測制御株式会社製、動的粘弾性装置DVA220を用い、引っ張りモードで測定した。空気雰囲気下において、昇温速度4℃/分、周波数10Hz、サンプル形状15mm×4mmで測定した。Tanδのピーク温度をガラス転移温度(Tg)とした。
(5)高分子化合物中の1000質量グラム当りのウレア結合モル数
高分子化合物中のウレア結合モル数は、原料の純度が高く、副反応も殆どないことから原料のモル数より理論量を計算し、ウレア結合モル数とした。
実施例に使用する原料以下の通りのものを使用した。
PDA :1,3−プロピレンジアミン
HMDA:1,6−ヘキサンジアミン
IPDA:イソホロンジアミン
DDA :1,12−ドデカンジアミン
水添DADHM:4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン
ED900:PPG/PEG共重合末端ジアミン(HUNTSMAN社製ジェファーミン)
BAPP:N,N′−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン
HDI :1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
IPDI:ジイソシアン酸イソホロン
水添MDI:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
実施例1
イソホロンジアミン〔IPDA〕271部とN,N′−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン〔BAPP〕181部とをメタノール1000部に溶解した後に、ピペラジンへの4級化剤として理論等量モル数の乳酸81.3部を添加・溶解した。次に、該ジアミン溶液にイソホロンジイソシアネート(IPDI)387部とへキサメチレンジイソシアネート(HDI)161部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去後、減圧乾燥して得られた高分子化合物を得た。得られた高分子化合物は、ウレア結合が原料のモル数から計算した理論値として5.4モル/1000質量グラム含有し、ガラス転移点(Tg)が63℃であった。
このようにして得られた高分子化合物55.0部を、メタノール100部に65℃で加熱溶解し、N−エチルトルエンスルホン酸アミド5.0部、1,4−ナフトキノン0.03部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部を添加してさらに30分撹拌溶解させた。その後、乳酸3.6部、グリシジルメタクリレート(GMA)2.5部、水18部、亜硫酸アンモニウム0.3部、シュウ酸0.1部、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール1.0部、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート(日本油脂株式会社製架橋剤ブレンマーGAM)32.5部を添加して30分撹拌溶解させた。次いで、徐々に昇温してメタノールと水を留出させて、釜内の温度が110℃となるまで濃縮した。この段階で流動性のある粘稠な感光性樹脂組成物を得た。
次に、紫外線吸収材を含む接着剤組成物を250μm厚みのポリエステルフィルムにコートした塗膜20μmの接着剤層を有する支持体を用いて、この支持体の被膜に接して上記の感光性樹脂組成物を流延し、厚み2μmのポリビニルアルコール(AH−24、日本合成化学(株)製)の被膜をコートした厚み125μmのポリエステルフィルムの被膜側を感光性樹脂組成物に接するようにして、ラミネーターを用いて全厚みが1080μmのシート状積層体の感光性樹脂凸版原版を成形した。
得られた感光性樹脂凸版原版を30℃で7日間以上保管した後に、ハイライト印刷性の評価方法に従って、印刷版を作成した。得られた印刷版は175線1%〜5%網点、200μm独立点、30μm細線、ベタ部が再現されていた。
得られた印刷版を用いて、ハイライト印刷性、ベタ部のインキ乗り性及び粘着性の評価を行った。実施例1の高分子化合物の詳細と評価結果を表1に示した。
実施例2〜5、比較例1,2
表1の高分子化合物の組成に基づいて、実施例1と同様にして高分子化合物を合成した。高分子化合物のガラス転移点(Tg)は実施例1と同様にして測定した。得られた高分子化合物を用いて実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を作成し、感光性樹脂凸版原版を得た。得られた印刷版を実施例1と同様にしてハイライト印刷性、ベタ部のインキ乗り性及び粘着性の評価を行った。実施例2〜5と比較例1,2の高分子化合物の詳細と評価結果を表1に示した。
実施例6
実施例1で得られた感光性樹脂凸版原版を表面より高さ5cmの距離から8mW/cm2の紫外線露光機(光源:フィリップス10R)によりカバーフィルム面より10分間全面露光を行った後、カバーフィルムを剥がしレーザー彫刻により印刷版を得た。レーザー彫刻装置には、レーザー彫刻装置は、Luescher Flexo社製の300W炭酸ガスレーザーを搭載したFlexPose!directを用いた。本装置の仕様は、レーザー波長10.6μm、ビーム直径30μm、版装着ドラム直径は300mm、加工速度は1.5時間/0.5mであった。レーザー彫刻の条件は、以下のとおりである。なお、(1)〜(3)は装置固有の条件である。(4)〜(7)は任意に条件設定が可能であり、それぞれの条件は本装置の標準条件を採用した。
(1)解像度:2540dpi
(2)レーザーピッチ:10μm
(3)ドラム回転数:982cm/秒
(4)トップパワー:9%
(5)ボトムパワー:100%
(6)ショルダー幅:0.30mm
(7)評価画像:150lpi、0〜100%まで1%刻みの網点
レーザー彫刻後の版は150LPIの1%が再現しており、残渣の付着量も少なかった。レーザー彫刻により得られた印刷版を実施例1と同様にしてハイライト印刷性、ベタ部のインキ乗り性及び粘着性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
実施例2で得られた感光性樹脂凸版原版を用い、実施例6と同様の方法でレーザー彫刻により印刷版を得た。 レーザー彫刻後の版は150LPIの1%が再現しており、残渣の付着量も少なかった。レーザー彫刻により得られた印刷版を実施例1と同様にしてハイライト印刷性、ベタ部のインキ乗り性及び粘着性の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
高分子化合物として、ウレア結合を全く含有しないポリアミドを用いた。ポリアミドは、ε−カプロラクタム53.0部、N,N′−ビス(γ−アミノプロピル)ピペラジンアジペート40.0部、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンアジペート7.0部と水100部を反応器に加え、充分な窒素置換を行った後に、密閉して徐々に加熱し、内圧が10kg/cmに達した時点から反応器内の水を徐々に留出させて約1時間で常圧に戻し、その後0.5時間常圧で反応させた。得られたポリアミドは、ガラス転移点が11℃、比粘度1.81のポリアミドを得た。得られたポリアミドを用いて実施例と同様にして感光性樹脂組成物を作成し、印刷原版を得た。得られた印刷原版を実施例1と同様にした評価を行った。比較例3の高分子化合物の詳細と評価結果を表1に示した。
比較例4
比較例2で得られた感光性樹脂凸版原版を用い、実施例6と同様の方法でレーザー彫刻により印刷版を得た。 レーザー彫刻後の版は150LPIの1%が再現していたが、残渣の付着量が多かった。レーザー彫刻により得られた印刷版を実施例1と同様にしてハイライト印刷性、ベタ部のインキ乗り性及び粘着性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜7に示すように、高分子化合物中のウレア結合量とガラス転移点が本発明の範囲を満足する場合、1〜5%のハイライト網点の階調印刷再現性に優れ、また最小網点である1%の印刷濃度が5%未満と低い。また、ベタ部印刷性にも優れるためハイライト網点印刷性との両立も可能となった。さらに版面粘着性が少ない特徴を有する。また、実施例6、7に示すように本発明の感光性樹脂凸版原版はレーザー彫刻にも好適に使用できる。一方、比較例1に示すように、高分子化合物のウレア結合量が7.0モル以上でTgが90℃を越えると、印刷版が硬質化し適性圧が高くなることにより、ハイライト印刷性が劣る。比較例2に示すように、ウレア結合量が3.0モル未満でガラス転移温度が30℃未満では、ハイライト箇所の階調が再現せず、また最小網点の印刷濃度が高い。比較例3に示すように、ウレア結合を含有しない場合もハイライトの階調再現性が劣る。また、比較例2,3は版面粘着性が高い。比較例4に示すように、ウレア結合量が3.0モル未満でガラス転移温度が30℃未満ではレーザー彫刻後の残渣の付着量が多い。
本発明の感光性樹脂組成物によれば、1〜5%のハイライト部の階調印刷再現性に優れ、また版面粘着性の低い印刷版を得ることができる。

Claims (4)

  1. 水溶解性又は水分散性の高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤を必須成分とする凸版印刷原版用感光性樹脂組成物であって、前記高分子化合物が1000質量グラム当り3.0〜7.0モルのウレア結合を含有し、かつ動的粘弾性測定装置によって測定したTgが30〜90℃であることを特徴とする凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を設けてなる凸版印刷原版。
  3. 請求項1に記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を紫外線照射によって硬化させたことを特徴とするレーザー彫刻用凸版印刷原版。
  4. 請求項3に記載のレーザー彫刻用凸版印刷原版をレーザー彫刻することを特徴とする印刷版の製造方法。
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