JP6810905B2 - 凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれから得られる凸版印刷原版 - Google Patents

凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれから得られる凸版印刷原版 Download PDF

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Description

本発明は、凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれから得られる凸版印刷原版に関するものであり、特に、耐刷性に優れ、また、ハイライト部の階調印刷再現性も良好である凸版印刷原版を提供できる水現像性感光性樹脂組成物に関するものである。
通常、印刷版に用いられる感光性樹脂凸版組成物は、一般に、可溶性高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤を必須成分として含有し、必要に応じて、安定剤、可塑剤等の添加剤が配合されている。
従来から、この感光性樹脂組成物層に透明な画像部を有するネガフィルム(またはポジフィルム)を通して活性光線を照射し、露光部の感光層を硬化させた後、非露光部の感光層を適当な溶剤で溶解除去して乾燥及び後露光する製版工程により、印刷用のレリーフ版を作成することは広く知られている。
前記の感光性樹脂組成物としては、可溶性ポリアミド、ポリエーテルウレアウレタン、完全鹸化または部分鹸化ポリ酢酸ビニルなどを可溶性ポリマーとして使用するものが提案されており、可溶性ポリアミドやポリエーテルウレアウレタンを使用する感光性凸版組成物は、耐摩耗性に優れるために特に好ましく使用される。それらの感光性樹脂凸版組成物を用いた感光性樹脂凸版用原版では、印刷性向上として感光性樹脂層を高反発弾性化した感光性樹脂凸版用原版で高速印刷適性を改善している(特許文献1,2参照)。
凸版印刷では、フレキソ印刷と比べて印刷時の圧力が高いため、印刷中に版にクラックが発生し、それが不良印刷物を生じさせる問題がしばしば起きている。従って凸版印刷原版では、一般的に高い耐刷性が要求される。
耐刷性を向上させるための技術として、特許文献3では、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物をポリアミドの末端基と反応させることが提案されている。しかしながら、エポキシ基とポリアミド末端基は反応速度が遅く、ポリアミド末端への導入効率に劣り、耐刷性向上効果が不十分である。
また、特許文献4では、特許文献3のようなエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の代わりにイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を使用している。しかしながら、そこで使用しているイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物は、分子量が大きいため、添加量を多くする必要があり、さらに耐刷性向上効果も不十分である。
一方、最近では、感光性樹脂凸版用原版に対するユーザーの要求がさらに微細なパターンを再現する方向へ進んでおり、写真物の印刷等に使用する最小ハイライト部についても200線の5%以下が、連続的に網点が減少する印刷物でスムーズに明るさを変化する再現性を有すること(ハイライト部網点の階調性)が要求されるようになっている。
特開平04−97154号公報 特開平05−11447号公報 特許第2745928号公報 特許第3164164号公報
本発明は、上記のような従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐刷性に優れ、また、ハイライト部の階調印刷再現性も良好である凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれを使用した凸版印刷原版を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、分子量の小さい特定の構造のイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を使用することによって、添加量が少ない場合でも耐刷性を十分に高めることができることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)の構成を有するものである。
(1)少なくとも(A)水分散性又は水溶性のポリアミド、(B)光重合性不飽和化合物、及び(C)光重合開始剤を含む凸版印刷原版用感光性樹脂組成物であって、(A)水分散性又は水溶性のポリアミドが、分子鎖末端に以下の式Iの構造単位を有することを特徴とする凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
Figure 0006810905
式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基又は−CHCHOCHCH−を示し、Rは水素又はメチル基を示す。
(2)(A)水分散性又は水溶性のポリアミドが、式Iの構造単位をポリアミド1kg当たり0.03〜0.5モル含有することを特徴とする、(1)に記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
(3)(A)水分散性又は水溶性のポリアミドが、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、三級窒素含有ポリアミド、又はアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミドであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
(4)(A)水分散性又は水溶性のポリアミドが、ジアミン及びジカルボン酸から得られる脂環族構造単位を30〜90モル%含有することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を設けていることを特徴とする凸版印刷原版。
本発明によれば、耐刷性に優れ、またハイライト部の階調印刷再現性も良好な凸版印刷原版のための感光性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物は、(A)水溶解性又は水分散性のポリアミド、(B)光重合性不飽和化合物、及び(C)光重合開始剤を必須成分とするものである。
本発明の感光性樹脂組成物に用いる(A)ポリアミドとしては、ジアミン及びジカルボン酸より得られる脂環族構造単位を好ましくは30〜90モル%、より好ましくは35〜85モル%含有するポリアミドを挙げることができる。
脂環族ジアミンとしては、例えばイソホロンジアミン、1,4−シクロへキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、メチルシクロヘキサンジアミン、ノルボルナンジアミン、トリシクロデカンジアミンが挙げられる。これらの中では、ハイライト部の階調印刷性再現性の点で、イソホロンジアミン、及び1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが好ましい。
脂環族ジカルボン酸としては、例えばイソホロンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、1,3−シクロへキサンジカルボン酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−プロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−t−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジエチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジプロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−プロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−3−プロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−3−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−t−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−エチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−プロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−ブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジメチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジエチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジプロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジメチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジエチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジプロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−4−エチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−4−プロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−4−ブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−エチル−4−ブチル−2,6−デカリンジカルボン酸が挙げられる。これらの中では、ハイライト部の階調印刷性再現性の点で、1,4−シクロへキサンジカルボン酸が好ましい。
(A)ポリアミドは、上述のジアミン及びジカルボン酸より得られる脂環族構造単位以外の脂環族構造単位として、脂環族アミノカルボン酸を一部に、好ましくは最大70モル%用いても良い。脂環族アミノカルボン酸としては、例えば、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸、3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸、3−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸、2−アミノメチルシクロプロパンカルボン酸などが挙げられる。
(A)ポリアミドは、水溶解性又は水分散性(水現像性)であることが必要である。この条件を満足させるためには、極性基を有するジアミン又はジカルボン酸を選択すれば良い。ジアミンとしては、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、複素環ジアミン、及び脂環族ジアミンから選択すればよい。このうち、ピペラジン環を有するジアミンやメチルイミノビスプロピルアミン等の第3級窒素原子を含むジアミンが水現像性の面から好ましい。更に、ポリマーの弾性率の観点より、ピペラジン環を有するジアミンを用いることが特に好ましい。ピペラジン環を有するジアミンとしては、1,4−ビス(3−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジンなどが挙げられる。
ポリアミドが水溶解性または水分散性であるかどうかは、ポリアミドを単独で30℃の水または酸性水に浸漬してブラシ等で擦ることで判定することができる。ブラシ等で物理的に擦った後、ポリアミドが水または酸性水に均一に混合している場合、このポリアミドは水溶解性であると判定される。一方、ブラシ等で物理的に擦った後、ポリアミドの一部又は全面が膨潤して水中に分散し、ポリアミドが不均一に混合されている場合、このポリアミドは水分散性であると判定される。
(A)ポリアミドは、ポリアミドの特性に影響を及ぼさない範囲で脂環族ジアミン又は脂環族ジカルボン酸以外に公知のジアミン又はジカルボン酸を使用することができる。
脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2,2,4、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、又はポリエーテルアミンJEFFAMINE ED900などが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、メタ又はパラキシリレンジアミン、メタ及びパラフェニレンジアミンなどが挙げられる。
本発明に用いるジカルボン酸としては、脂環族ジカルボン酸以外の公知の脂肪族ジカルボン酸を使用することができる。脂肪族ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などが挙げられる。また、脂環族アミノカルボン酸以外のアミノカルボン酸も使用可能であり、具体的には公知のラクタムやアミノカルボン酸が挙げられる。
具体的には、(A)ポリアミドは、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、三級窒素含有ポリアミド、又はアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミドであることが好ましい。
(A)ポリアミド中の脂環族構造単位のモル%とは、アミノカルボン酸、ジアミン及びジカルボン酸より得られる全構造単位の総モル数に対する脂環族構造単位のモル数の比率を示したものである。脂環族構造単位のモル%は、原料仕込み段階のモル数またはH−NMRの測定結果より計算することができる。H−NMRによる分析は、一般的に行われている分析方法であり、積分値より各構造単位のモル%を計算する方法である。
(A)ポリアミドの重合は公知の方法で実施することができる。
(A)ポリアミドを重合するためのジアミンとジカルボン酸のモル比率(アミノ基/カルボキシル基)は、1.0以上、好ましくは1.01以上である。モル比率を上記範囲とすることで、重合が平衡となった後にポリマーを取り出すことが可能となり、分子量の変動を抑えることができる。
(A)ポリアミドは、塩基性第3級窒素原子を分子内に有するジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸を用いて共重合することが好ましい。その場合は四級化剤と反応させ、アンモニウム塩型窒素原子を有する可溶性高分子化合物とすることが水溶性の面から好ましい。四級化剤としては、公知の有機酸の使用が可能であり、脂肪族有機酸、芳香族有機酸が使用可能である。有機酸の具体例は、脂肪族有機酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グリコール酸、乳酸など、芳香族有機酸としては、安息香酸、イソフタル酸などが挙げられるが、水溶性の面から脂肪族有機酸が好ましい。
本発明の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物では、(A)ポリアミドが、分子鎖末端に以下の式Iの構造単位を有することを特徴とする。
Figure 0006810905
式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基又は−CHCHOCHCH−を示し、Rは水素又はメチル基を示す。
式Iの構造単位は、アクロイル及びメタアクロイル基がウレア基を介してポリアミドのポリマー末端に結合していることを意味する。
式I中、Aがアルキレン基である場合、その炭素数は、2〜4である。Aのアルキレン基の炭素数が上記上限を超えると、式Iの構造単位の分子量が大きくなり、耐刷性向上効果に劣るおそれがあり、また、ハイライト部の階調印刷再現性も低下させるおそれがある。
本発明の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物における式Iの構造単位の含有量は、(A)ポリアミド1kg当たり0.03〜0.5モルであることが好ましく、0.03〜0.3モルであることがより好ましい。式Iの構造単位の含有量が上記上限を超えると、最終的に得られる印刷原版が硬くなりすぎ、ハイライト部の階調印刷再現性が低下するおそれがあり、一方、上記下限未満になると、耐刷性向上効果を十分に発揮できないおそれがある。
分子鎖末端に式Iの構造単位を有する(A)ポリアミドは、上述したようなポリアミドの主鎖末端のアミノ基に、炭素数2〜4のアルキレン基又は−CHCHOCHCH−基を有する低分子量のイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を付加反応によって導入することによって得ることができる。
前記炭素数2〜4のアルキレン基を有する低分子量のイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、3−イソシアナトプロピルアクリレート、3−イソシアナトプロピルメタクリレート、2−イソシアナト−1−メチルエチルアクリレート、2−イソシアナト−1−メチルエチルメタクリレート、3−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−イソシアナト−2−メチルブチルアクリレート、3−イソシアナト−2−メチルブチルメタクリレート、4−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、4−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、2−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシフェニルイソシアネート、2−イソシアナトエトキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。また、−CHCHOCHCH−基を有する低分子量のイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば2−イソシアナトエトキシエチルメタクリレート、2−イソシアナトエトキシエチルアクリレートなどが挙げられる。
本発明の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物は、特許文献4のものと比べて耐刷性向上効果に優れる。特許文献4のような分子量の大きいイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物をポリマー末端に反応させた場合、ポリアミドの構造形成の阻害がおこり、乱れた構造のポリアミドを光架橋することになり、乱れた構造の部分からの破壊で耐刷性が低下する。これに対して、本発明のような分子量の小さいイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物をポリマー末端に反応させた場合、このポリアミドの構造形成の阻害が最小限となるため、耐刷向上効果が高まり、且つハイライト部の階調印刷再現性も良好になる。
(A)ポリアミドの使用量は、全感光性樹脂組成物中45〜65重量%であることが好ましい。使用量が45重量%未満では、十分な物性が得られず、65重量%を超えると、光硬化性が悪くなり、画像再現性が低下する場合がある。物性と画像再現性の両者を満足するためには、さらに好ましくは50〜65重量%である。
本発明の感光性樹脂組成物に用いる(B)光重合性不飽和化合物は、分子内に光重合可能な不飽和基を1個以上含有する化合物であり、公知のものが使用できる。分子内に光重合可能な不飽和基を1個含有する化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド−n−ブチルエーテル、ジアセトアクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとモノアルコールとの開環付加反応物、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の1個の不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。分子内に光重合可能な不飽和基を2個以上含有する化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェイト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸と(メタ)アクリル酸とのトリエステル、多価アルコールのポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との開環付加反応生成物、例えば(ポリ)エチレングリコールジグシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、(ポリ)プロピレングリコールのジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、1,6−ヘキサメチレングリコールのジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、グリセリンジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリメチロールエタントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、イソフタル酸ジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、イソプレンオリゴマーのジカルボン酸のジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、その他の活性水素化合物とグリシジル(メタ)アクリレートとの開環付加反応生成物、例えば(ポリ)エチレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、(ポリ)プロピレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、グリセリンとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、トリメチロールエタンとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、(メタ)アクリル酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、脂肪族多価カルボン酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、芳香族多価カルボン酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、第1級または第2級アミノ基を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応によって得られる2個以上の不飽和基を有する化合物、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−m−フェニレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−m−キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、ジ(メタ)アクリルアミド−N−メチルエーテル、1,3−ビス[(メタ)アクリロイルアミノメチル]尿素、およびその誘導体、1,3−[ビス(メタ)アクリロイルアミノメチル]−1,3−ジメチル尿素およびその誘導体、1,3−[ビス(メタ)アクリロイルアミノメチル]エチレン尿素およびその誘導体、1,3−[ビス(メタ)アクリロイルアミノメチル]トリメチレン尿素およびその誘導体、トリアクリルホルマール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート、1,3−ジグリシジル,5−メチル,5エチルヒダントインなどの不飽和結合を2個以上有する化合物が挙げられる。
(B)光重合性不飽和化合物は単独で使用しても良いが、2種以上を併用してもよい。(B)光重合性不飽和化合物の使用量は、全感光性樹脂組成物中25〜50重量%が好ましい。(B)光重合性不飽和化合物の使用量が50重量%を越えると、十分な機械的強度が得られず、25重量%未満では、光硬化性が悪くなることで画像再現性が低下する場合がある。
本発明の感光性樹脂組成物に用いる(C)光重合開始剤としては、公知のものが使用可能であり、具体的には、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アンスラキノン類、チオキサントン類などが挙げられる。好適な具体例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、アンスラキノン、2−クロロアンスラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられる。(C)光重合開始剤の使用量は、全感光性樹脂組成物中0.05〜5重量%が好ましい。0.05重量%未満では、光重合開始能力に支障をきたし、5重量%を越えると、印刷用レリーフを作成する場合に印刷原版の感光樹脂層の厚み方向の光硬化性が低下し、画像の欠けが起こりやすくなる。
また、必要により公知の熱重合禁止剤を添加してもよい。熱重合禁止剤は、感光性樹脂組成物の調合、製造、成形加工時などの加熱による予定外の熱重合、あるいは該組成物の保存中の暗反応を防止するために添加する。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどのハイドロキノン類、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノンなどのベンゾキノン類、フェノール類、カテコール、p−tert−ブチルカテコールなどのカテコール類、芳香族アミン化合物類、ビクリン酸類、フェノチアジン、α−ナフトキノン類、アンスラキノン類、ニトロ化合物類、イオウ化合物類などが挙げられる。熱重合禁止剤の使用量は、全感光性樹脂組成物中0.001〜2重量%が好ましく、特に好ましくは0.005〜1重量%である。これらの化合物は2種以上併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、溶融成形法の他、例えば、熱プレス、注型、或いは、溶融押出し、溶液キャストなど公知の任意の方法により目的とした積層体の構成で成形することによって、感光性樹脂層を設けた凸版印刷用原版を得ることができる。
凸版印刷用原版は、シート状に成形した成形物(未露光樹脂)を公知の接着剤を介して、或いは、介さずに支持体に積層して使用することができる。支持体としては、スチール、アルミニウム、ガラス、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムなど任意のものが使用でき、50〜500μmの範囲の厚みのフィルムが使用される。シート状成形物(未露光樹脂)を支持体上に積層した積層体にして供給する場合には、シート状成形物(未露光樹脂)に接して保護フィルムをさらに積層することが好ましい。保護フィルムは、フィルム状のプラスチックが使用でき、例えば125μm厚みのポリエステルフィルムが使用される。また、感光性樹脂層と保護フィルムとの間に粘着性のない透明で現像液に分散又は溶解する高分子を0.5〜3μmの厚みで塗布した粘着防止層を設けてもよい。感光性樹脂層表面に粘着防止層を設けることで、表面粘着性が強い場合であっても次の露光操作時に行う保護層の剥離を容易に行うことができる。
本発明の凸版印刷用原版は、感光性樹脂層と粘着防止層の間に、厚みが1〜30μmのキャップ層を設けてもよい。キャップ層は、現像工程で除去されず印刷版上に残るため、キャップ層を設けることで印刷版表面特性や耐久性を調整することができる。キャップ層としては、公知のキャップ層を使用できる。
本発明の凸版印刷用原版は、感光性樹脂層の表面に感熱マスク層を設けることでネガフィルムを使用しないCTP(Computer to Plate)版を製造できる。感熱マスク層としては、公知の感熱マスク層を使用できる。
本発明の感光性樹脂組成物より得られた凸版印刷用原版は、感光性樹脂層に透明画像部を有するネガフィルムを密着して重ね合せ、その上方から活性光線を照射して露光を行い、活性光線が透過した露光部のみを不溶化した原版を作成する。活性光線は、通常300〜450nmの波長を中心とする高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、ケミカルランプなどの光源を用いる。一方、CTP版の場合には、感熱マスク層をIRレーザーにより画像様に照射して、感光性樹脂層上にマスク(ネガフィルムと同じ機能)を形成する。画像情報を感熱マスク層に書き込んだ後、感光性印刷原版にマスクを介して活性光線を全面照射し、活性光線が透過した露光部のみを不溶化した原版を作成する。
次いで、適当な溶剤、特に本発明では中性水により非露光部分を溶解除去するが、スプレー式現像装置、ブラシ式現像装置などの現像方式で非露光部分を溶解除去できる。その後、非露光部分を溶解除去した印刷版は、水切り、乾燥、後露光工程を処理し、最終の印刷版が得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中(本文)の部数は質量部を表わす。また、表1のポリアミド組成はmol%を表す。ポリアミド組成のmol%はH−NMRの測定により確定した。ポリアミド中の式Iの構造単位の含有量は、ポリアミド1kg当たりのイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物の配合量からの計算値である。なお、実施例中の特性値の評価は以下の方法に依った。
(1)ハイライト部印刷性(ハイライト部階調印刷再現性)
まず、感光層厚みが685μmの感光性樹脂凸版原版に、画像として網点175線−1%〜95%、最小独立点直径50〜600μm、最小独立線幅が10〜150μm、ベタ画像(幅1cm×長さ5cm)を含む印刷評価ネガを用い、175線−1%が再現する最小露光時間を最適露光時間として、25W/mのケミカルランプを用いて感光性樹脂表面より高さ5cmの距離から露光した。次にブラシ式ウォッシャー(120μmφナイロンブラシ、日本電子精機(株)制作JW−A2−PD型)で25℃の水道水で現像し、レリーフ画像を得た。更に70℃で10分間、温風乾燥した後に超高圧水銀灯で30秒間後露光して印刷版を得た。175線−1%の画像再現性は10倍のルーペを使い、肉眼で判定した。得られた印刷版を用いてハイライト印刷性の評価を行った。印刷機には、輪転印刷機P−20(三條機械製)を用い、インキにはベストキュア藍(T&K TOKA製)、被印刷物にはグロスPW−8K(リンテック製)を用いた。印圧(版と被印刷物間の圧力)を段階的に高め、ベタ箇所のカスレが無くなる箇所を適性印圧として印刷評価を実施した。また、ベタ箇所のインキ濃度が1.7absになるようにインク送り量を調整した。適性圧での175線1%〜5%の網点濃度を、CCDOT4(エス・デェイ・ジー株式会社製)を用いて測定し、その結果を%で表して表1にまとめた。測定した印刷物の網点濃度は、ネガフィルムの網点濃度に近い方が良く、さらにはネガフィルム網点が5%から1%へ減少するのに応じて印刷物の網点濃度もスムーズに減少していくことが好ましい。このように、印刷物の網点濃度がスムーズに減少する場合には、ハイライトの階調性が優れるとの評価となる。
(2)耐刷性
(1)のハイライト部印刷性評価用レリーフを作成した時と同じ方法で印刷版を製造し、適性印圧から100μm加圧した状態で印刷を行った。印刷物にクラックが確認された印刷ショット数を表1にまとめた。ショット数が多いほど耐刷性に優れることを示す。
実施例1
(ポリアミドの合成)
ε−カプロラクタム339質量部、シクロヘキサンジカルボン酸596質量部、メチルイミノビスプロピルアミン514質量部、50%次亜リン酸水溶液5質量部、及び水1000質量部をオートクレーブ中に仕込み、窒素置換後、密閉して徐々に加熱した。内圧が0.4MPaに達した時点から、その圧力を保持できなくなるまで水を留出させ、約2時間で常圧に戻し、その後1時間常圧で反応させた。最高重合反応温度は255℃であった。これにより、相対粘度2.10のポリアミドを得た。ポリアミドの組成をH−NMRで測定し、仕込み組成とポリマー組成に差異がないことを確認した。
(イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物の導入)
得られたポリアミド1000質量部をメタノール1000質量部に溶解後、イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物としてカレンズMOI(2−イソシアナトエチルメタクリレート、昭和電工(株)製)をポリマー1kg当たり0.18モルとなる量を200g/分の速度で滴下し、ポリアミド主鎖末端のアミノ基とカレンズMOIのイソシアナト基を反応させた。なお、付加反応の完了は、IRスペクトルにおける2,250cm−1のイソシアナト基由来のピークの消失により確認した。
(感光性樹脂組成物の作製)
引き続いて、イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を付加させたポリアミド55質量部にトリメチロールプロパントリグリシジルエステルのアクリル酸付加物40.0質量部、乳酸4質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1質量部、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン0.02質量部およびベンジルメチルケタール1.0質量部を添加して30分間攪拌した。次いで、徐々に昇温してメタノールを留出させ、釜内の温度が110℃となるまで濃縮し、流動性のある粘稠なアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミドを含有する感光性樹脂組成物を得た。
次に、紫外線吸収材を含む接着剤組成物を250μm厚みのポリエステルフィルムにコートした塗膜20μmの接着剤層を有する支持体を用いて、この支持体の被膜に接して上記の感光性樹脂組成物を流延し、厚み2μmのポリビニルアルコール(AH−24、日本合成化学(株)製)の被膜をコートした厚み125μmのポリエステルフイルムの被膜側を感光性樹脂凸版組成物に接するようにして、ラミネーターを用いて全厚みが1080μmのシート状積層体の生版を成形した。
生版を7日間以上保管した後に、ハイライト部印刷性、耐刷性の評価を行った。これらの評価結果を実施例1のポリアミドの詳細とともに表1に示す。
実施例2
イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物としてカレンズAOI(2−イソシアナトエチルアクリレート、昭和電工(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物を作成し、印刷原版を得た。得られた印刷原版について、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例3
イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物としてカレンズMOI−EG(2−イソシアナトエトキシエチルメタクリレート、昭和電工(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物を作成し、印刷原版を得た。得られた印刷原版について、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例4
イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物としてアクロイルオキシプロピルイソシアネート(特許第4823546号の実施例6に従って製造)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物を作成し、印刷原版を得た。得られた印刷原版について、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例5〜8
イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物の含有量を表1に示すように変更させたこと以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物を作成し、印刷原版を得た。得られた印刷原版について、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例9、10
水分散性又は水溶性のポリアミドの種類(原料化合物、及びその配合割合)を表1に示すように変更させたこと以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物を作成し、印刷原版を得た。得られた印刷原版について、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
比較例1
イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を全く導入しなかった以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物を作成し、印刷原版を得た。得られた印刷原版について、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
比較例2
イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物として6−イソシアナトヘキシルメタクリレートを用いたことを以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物を作成し、印刷原版を得た。得られた印刷原版について、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
比較例3
イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとの当モル反応物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物を作成し、印刷原版を得た。得られた印刷原版について、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
Figure 0006810905
表1からわかるように、実施例1〜10に示すように、本発明の範囲内のイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を用いた場合、耐刷性に優れ、また、ハイライト網点の階調性も良好である。一方、比較例1に示すように、イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を全く導入しないと、耐刷性に劣る。比較例2に示すように、式IのAの炭素数を上限の4より大きくすると、耐刷性向上が不十分であり、またハイライト印刷性に低下がみられる。比較例3に示すように、式IのAの炭素数は2〜4でも、アルキレン基又は−CHCHOCHCH−基以外の官能基を有するイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を用いたときも耐刷性向上が不十分でありハイライト印刷性も低下する。
本発明の感光性樹脂組成物によれば、耐刷性に優れ、また、ハイライト部の階調印刷再現性も良好である凸版印刷原版を得ることができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも(A)水分散性又は水溶性のポリアミド、(B)光重合性不飽和化合物、及び(C)光重合開始剤を含む凸版印刷原版用感光性樹脂組成物であって、(A)水分散性又は水溶性のポリアミドが、分子鎖末端に以下の式Iの構造単位を有することを特徴とする凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
    Figure 0006810905
    式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基又は−CHCHOCHCH−を示し、Rは水素又はメチル基を示す。
  2. (A)水分散性又は水溶性のポリアミドが、式Iの構造単位をポリアミド1kg当たり0.03〜0.5モル含有することを特徴とする、請求項1に記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
  3. (A)水分散性又は水溶性のポリアミドが、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、三級窒素含有ポリアミド、又はアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミドであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
  4. (A)水分散性又は水溶性のポリアミドが、ジアミン及びジカルボン酸から得られる脂環族構造単位を30〜90モル%含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の凸版印刷原版用感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を設けていることを特徴とする凸版印刷原版。
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