JP2001272776A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JP2001272776A
JP2001272776A JP2000086295A JP2000086295A JP2001272776A JP 2001272776 A JP2001272776 A JP 2001272776A JP 2000086295 A JP2000086295 A JP 2000086295A JP 2000086295 A JP2000086295 A JP 2000086295A JP 2001272776 A JP2001272776 A JP 2001272776A
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polyamide
component
weight
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JP2000086295A
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Kimiko Minamimura
公子 南村
Yuji Taguchi
祐二 田口
Satoshi Takahashi
敏 高橋
Keiichi Motoi
慶一 本井
Koji Ogi
浩二 小木
Akira Tomita
晃 富田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)少なくとも一部が鹸化されたポリ
酢酸ビニル、(B)反応性不飽和基及び塩基性窒素を有
するポリアミド、(C)光重合性不飽和化合物および
(D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物。 【効果】 原画フィルムの画像が忠実に再現され、しか
も、強靱かつ耐水性も良好で優れた耐刷性を有するレリ
ーフを作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性樹脂組成物に
関し、詳しくは、印刷版材用の感光性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】感光性樹脂組成物を印刷版材として使用
することは一般的に行われ、凸版、平版、凹版印刷の各
分野において主流となっている。
【0003】こような印刷版材は、ネガまたはポジの原
画フィルムをシート状に成形した感光性樹脂組成物(以
下、感光層と称する)に密着させ、活性光線を原画フィ
ルムを通して感光層に照射することにより、感光層中に
溶剤に溶解する部分と溶解しない部分が形成され、この
後、溶剤にで現像することでレリーフ像が形成され、印
刷版材(以下、単にレリーフとも称す)が得られる。
【0004】かかる感光性樹脂組成物を用いた印刷版材
は、一般に、合成高分子化合物(以下、充填ポリマーと
も称す)、光重合性不飽和化合物、光重合開始剤から構
成されている。近年、取り扱い性、コストの点から水現
像が主流になってきており、そのことから充填ポリマー
に水溶解性ポリマーが用いられている。
【0005】かかる水溶解性の充填ポリマーとしては、
特公昭51−27561号公報、特公昭53−3721
3号公報、特開昭50−27602号公報等に記載され
た完全鹸化または部分鹸化ポリ酢酸ビニル重合体が知ら
れており、近年においても、多く用いられている。
【0006】しかし、このような鹸化ポリ酢酸ビニルは
水溶性に優れているため、水現像性に優れるが、光照射
部(硬化部)の本来残存すべきポリマーが水中に流れ出
て、レリーフの欠けを生じる場合がある。また、概ね結
晶化度が高いために、現像して得られるレリーフは脆
く、また、レリーフの耐水性も不十分であることから、
印刷中にレリーフが欠けるなどの問題を有している。
【0007】特開平11−65115号公報には上記問
題点を解決し得るとして、反応性基を側鎖に有する変性
部分鹸化ポリ酢酸ビニルを含有させた感光性樹脂組成物
が提案されている。しかしながら、光照射部が現像時に
溶出してレリーフに欠陥を生じるという問題は解決され
たものの、印刷枚数が非常に多い場合や印刷圧力が高い
場合に依然としてレリーフの欠けを生じてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、原画フィルムの画像が忠実
に再現され、しかも、強靱かつ耐水性も良好で優れた耐
刷性を有するレリーフを作製できる感光性樹脂組成物を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、充填ポリマーとして、
少なくとも一部が鹸化されたポリ酢酸ビニルと共に、反
応性不飽和基及び塩基性窒素を有するポリアミドを用い
ることにより、原画に忠実な画像を長期間安定に印刷で
きる印刷版材を形成し得ることを見いだし、本発明を完
成させた。
【0010】すなわち、本発明は以下の特徴を有してい
る。
【0011】(1)(A)少なくとも一部が鹸化された
ポリ酢酸ビニル、(B)反応性不飽和基及び塩基性窒素
を有するポリアミド、(C)光重合性不飽和化合物およ
び(D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物。 (2)(A)成分の少なくとも一部が鹸化されたポリ酢
酸ビニルの鹸化度が60モル%以上である上記(1)記
載の感光性樹脂組成物。 (3)(B)成分の反応性不飽和基及び塩基性窒素を有
するポリアミドが、末端にアミノ基を有するポリアミド
の該末端アミノ基に不飽和エポキシ化合物を反応させて
反応性不飽和基を導入したポリアミドである上記(1)
または(2)記載の感光性樹脂組成物。 (4)(B)成分の反応性不飽和基及び塩基性窒素を有
するポリアミドがピペラジン環を有するポリアミドであ
る上記(1)〜(3)のいずれかに記載の感光性樹脂組
成物。 (5)(B)成分の反応性不飽和基及び塩基性窒素を有
するポリアミドは、反応性不飽和基を0.05〜0.5
モル/kg含有し、かつ、数平均分子量が1万〜10万
である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の感光性樹
脂組成物。 (6)(A)成分100重量部に対し、(B)成分を
0.5〜100重量部、(C)成分を10〜200重量
部、(D)成分を0.1〜20重量部含むものである上
記(1)〜(5)のいずれかに記載の感光性樹脂組成
物。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の感光性樹脂組成物は、
(A)少なくとも一部が鹸化されたポリ酢酸ビニル、
(B)反応性不飽和基及び塩基性窒素を有するポリアミ
ド、(C)光重合性不飽和化合物、(D)光重合開始
剤、を含むものである。
【0013】(A)成分の少なくとも一部が鹸化された
ポリ酢酸ビニルは、鹸化度が50モル%以上が好まし
く、特に好ましくは60モル%以上である。また、鹸化
度が100%、すなわち、完全鹸化されていてもよい。
鹸化度が50モル%未満であると水溶解性が低下して水
現像性が低下する傾向を示す。平均重合度は300〜2
000の範囲が好ましく、特に好ましくは500〜10
00である。平均重合度が300未満であると、ポリマ
ーの耐水性が低下し、レリーフとしたときに十分な耐水
性を得ることはできない。また、平均重合度が2000
を超えるとポリマーの水溶解性が低下して水現像性が低
下する傾向を示す。
【0014】(B)成分の反応性不飽和基及び塩基性窒
素を有するポリアミドは、塩基性窒素を有するポリアミ
ドに反応性不飽和基を導入したものである。
【0015】塩基性窒素を有するポリアミドとは、主鎖
または側鎖の一部分に塩基性窒素を含有する重合体であ
り、塩基性窒素とはアミド基でないアミノ基を構成する
窒素原子である。そのようなポリアミドとしては3級ア
ミノ基を主鎖中に有するポリアミドを挙げることができ
る。
【0016】該塩基性窒素を有するポリアミドは、塩基
性窒素を有する単量体を単独もしくは他の単量体とを用
いて縮重合、重付加反応などを行い、ポリアミドを得る
ことができる。
【0017】塩基性窒素を有する単量体の具体例として
は、N,N’,−ビス(アミノメチル)−ピペラジン、
N,N’−ビス(β−アミノエチル)−ピペラジン、
N,N’−ビス(γ−アミノベンジル)−ピペラジン、
N,N’−ビス(γ−アミノベンジル)−ピペラジン、
N−(β−アミノエチル)−ピペラジン、N−(β−ア
ミノプロピル)−ピペラジン、N−(ω−アミノヘキシ
ル)−ピペラジン、N−(β−アミノエチル)−2,5
−ジメチルピペラジン、N,N−ビス(β−アミノエチ
ル)−ベンジルアミン、N,N−ビス(γ−アミノプロ
ピル)−アミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス
(γ−アミノプロピル)−エチレンジアミン、N,N’
−ジメチル−N,N’−ビス(γ−アミノプロピル)−
テトラメチレンジアミンなどのジアミン類、N,N’−
ビス(カルボキシメチル)−ピペラジン、N,N’−ビ
ス(カルボキシメチル)−メチルピペラジン、N,N’
−ビス(カルボキシメチル)−2,6−ジメチルピペラ
ジン、N,N’−ビス(β−カルボキシエチル)−ピペ
ラジン、N,N−ビス(カルボキシメチル)−メチルア
ミン、N,N−ビス(β−カルボキシメチル)−エチル
アミン、N,N−ビス(β−カルボキシメチル)−メチ
ルアミン、N,N−ジ(β−カルボキシメチル)−イソ
プロピルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス
(カルボキシメチル)−エチレンジアミン、N,N’−
ジメチル−N,N’−ビス(β−カルボキシメチル)−
エチレンジアミンなどのジカルボン酸類あるいはこれら
の低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物、N−(アミ
ノメチル)−N’−(カルボキシメチル)−ピペラジ
ン、N−(アミノメチル)−N’−(β−カルボキシエ
チル)−ピペラジン、N−(β−アミノエチル)−N’
−(β−カルボキシエチル)−ピペラジン、N−カルボ
キシルメチルピペラジン、N−(γ−カルボキシヘキシ
ル)ピペラジン、N−(アミノメチル)−N−(カルボ
キシメチル)−メチルアミン、N−(β−アミノエチ
ル)−N−(β−カルボキシエチル)−メチルアミン、
N−(アミノメチル)−N−(β−カルボキシエチル)
−イソプロピルアミン、N,N’−ジメチル−N−(ア
ミノメチル)−N’−(カルボキシメチル)−エチレン
ジアミンなどのω−アミノ酸などがある。これらは1種
または2種以上の化合物を使用できる。
【0018】これらの塩基性窒素を有する単量体のほか
にジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノ酸、ラクタムな
どと併用して重合することによって塩基性窒素を有する
ポリアミドが得られる。
【0019】塩基性窒素を含有する単量体成分(塩基性
窒素を含有する単量体による単位)は全ポリアミド構成
成分、すなわちアミノカルボン酸単位(原料としてのラ
クタムの場合を含む)、ジカルボン酸単位及びジアミン
単位の和に対して、10〜100モル%、さらに10〜
80モル%であることが好ましい。10モル%未満であ
ると水溶性が低く、(A)成分との相溶性が低下する傾
向をしめす。
【0020】反応性不飽和基とは、ラジカル反応により
付加重合し得る官能基のことであり、通常は非芳香族の
不飽和炭素−炭素結合(二重結合または三重結合)を有
するものが使用され、好ましくはビニル基、(メタ)ア
クリロイル基などである。
【0021】かかる反応性不飽和基(付加重合し得る官
能基)をポリアミドに導入する方法としては、例えば、
付加重合し得る官能基以外にイソシアネート基、エポキ
シ基、カルボニルクロライド基などの官能基を有する化
合物の該官能基(イソシアネート基、エポキシ基、カル
ボニルクロライド基)をポリアミドの末端アミノ基に付
加または縮合させることで導入することができる。
【0022】充填ポリマーとして、(A)少なくとも一
部が鹸化されたポリ酢酸ビニルと(B)反応性不飽和基
及び塩基性窒素を有するポリアミドを併用することによ
り、現像時の水溶性や分散性が向上して現像を容易にす
るとともに、光重合性不飽和化合物とともに形成される
架橋構造中に充填ポリマーが収蔵され、強靭なレリーフ
を得ることができる。現像時はもちろん長期間の印刷に
おいても欠損することのない耐刷性に優れたレリーフを
得ることができる。
【0023】該(B)成分のポリアミド中の反応性不飽
和基の含有量は0.05〜0.5モル/kgが好まし
く、さらに好ましくは0.1〜0.2モル/kgであ
り、また、ポリアミドの分子量は数平均分子量で1万〜
10万が好ましく、特に好ましくは1.5万〜3万であ
る。該(B)成分のポリアミドは、(A)成分のポリ酢
酸ビニル100重量部に対して0.5〜100重量部含
有させるのが好ましい。
【0024】(C)成分である光重合性不飽和化合物と
は、分子内に光重合可能な不飽和基を1個以上有する化
合物であり、具体例としては、次のようなものが挙げら
れるが、これに限定されるものではない。
【0025】たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ア
クロイルモルホリン、ペンタエリスリトールジアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセ
ロールジメタクリレート、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテルなどの多価グリシジルエーテルに不飽和カルボ
ン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽和結合と
活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価ア
クリレートやメタアクリレート、グリシジルアクリレー
トなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンの
ような活性水素を有する化合物の付加反応物、不飽和ポ
リエステル、不飽和ポリウレタン、メチレンビス(メ
タ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミ
ド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物などの2
つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物などが挙
げられる。これらは1種または2種以上の化合物を混合
して用いることができる。
【0026】(C)成分の含有量は(A)成分100重
量部に対して10〜200重量部が好ましく、特に好ま
しくは20〜100重量部である。10重量部より少な
いと組成物の光硬化性に支障をきたし、200重量部よ
り多いとレリーフが脆いものになりやすい。
【0027】(D)成分である光重合開始剤は光照射に
より光重合性不飽和単量体の重合反応を開始または増感
する成分である。例えば、ベンゾフェノン類、ベンゾイ
ン類、アセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアル
キルエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アンス
ラキノン類、チオキサントン類などが使用できる。特に
好ましいものとしては、ベンゾフェノン、ベンゾイン、
アセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、アンス
ラキノン、2−クロロアンスラキノン、チオキサント
ン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられる。該光
重合開始剤の配合量としては、(A)成分100重量部
に対して0.1〜20重量部が好ましく、特に好ましく
は1.0〜10重量部である。
【0028】本発明では、レリーフの強靭性をより強化
するために、(A)成分の少なくとも一部が鹸化された
ポリ酢酸ビニルに、(B)成分における反応性不飽和基
と同様の反応性不飽和基を導入してもよく、これは、例
えば、少なくとも一部が鹸化されたポリ酢酸ビニルと酸
無水物を反応させてポリ酢酸ビニルの水酸基を起点にカ
ルボキシル基を導入し、該カルボキシル基に不飽和エポ
キシ化合物等を反応させる方法等で行うことができる。
かかる反応性不飽和基は分子中に0.08〜0.8モル
/kg程度含有させるのが好ましい。
【0029】本発明の感光性樹脂組成物に、相溶性、柔
軟性を高めるための相溶助剤としてエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロール
エタンなどの多価アルコール類を添加することも可能で
ある。これらの多価アルコールは、感光性樹脂組成物全
体に対して30重量%以下であることが好ましい。
【0030】本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性を上
げるために、従来公知の重合禁止剤を添加することがで
きる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、ハ
イドロキノン類、カテコール類などが挙げられる。これ
らの配合量は、感光性樹脂組成物全体に対して、0.0
01〜5重量%の範囲で使用することが一般的である。
【0031】本発明の感光性樹脂組成物の水現像性を挙
げるために、従来公知のアンモニウムイオン化剤を使用
することができる。好ましいアンモニウムイオン化剤と
しては、例えば、特公昭54−22229号公報や特公
昭63−65932号公報に示されているようなプロト
ン酸やアルキル化剤などが挙げられる。特に、(メタ)
アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和
結合を分子内に有するイオン化剤は光重合して架橋剤と
して作用し、十分な不溶化効果を発揮して耐水性向上や
硬度の向上などの物性改善に寄与する。これらの配合量
はポリアミド中に存在する塩基性窒素の量、水に対する
溶解性等を考慮して適宜選択される。
【0032】また、他の成分として染料、顔料、界面活
性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料などを添加すること
ができる。
【0033】本発明の感光性樹脂組成物を製造する方法
としては、(A)成分の少なくとも一部が鹸化されたポ
リ酢酸ビニルと(B)成分の反応性不飽和基及び塩基性
窒素を有するポリアミドとを水/アルコールの混合溶媒
に加熱溶解した後に、(C)成分である反応性基を有す
る化合物、(D)成分である光重合開始剤及びその他の
成分を添加し、十分攪拌することで感光性樹脂組成物溶
液を得ることができる。この溶液から溶剤を蒸留除去し
た後、接着剤を介してまたは介さずに基板上に、溶融押
出しし、粘着防止層を塗布したカバーフィルムを感光層
上に密着させることで印刷版用感光性樹脂板を得ること
ができる。また、乾式製膜により感光性樹脂シートを作
成し、基板とカバーフィルムを感光性樹脂シートに挟み
込み印刷版用感光性樹脂板を得ることができる。基板と
してはスチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属
やポリエステルなどのプラスチックシート、スチレン−
ブタジエンゴムなどの合成ゴムシートが使用される。感
光層の厚みは0.01〜10mmの厚さに形成すること
が好ましい。
【0034】このようにして得られた感光性樹脂板に印
刷用のレリーフ像を形成するためには、まずカバーフィ
ルムを剥離した感光層上にネガティブまたはポジティブ
の原画フィルムを密着させ通常300〜400nmの波
長を照射できる高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハラ
イドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル
灯により紫外線照射し、光重合によって光硬化を行わせ
る。
【0035】次に、未重合部分を中性水使用のスプレー
式現像装置やブラシ式洗い出し機により溶出させること
により基板上にレリーフを形成することができる。これ
を必要であれば、乾燥後大気中、ないしは真空中で活性
光線処理して印刷版材を得ることができる。
【0036】本発明の感光性樹脂組成物は、凸版印刷用
に用いることが最も適しているが、平版印刷用、凹版印
刷用、孔版印刷用、フォトレジストとして使用すること
も可能である。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳細に説明する。
【0038】合成例1(反応性不飽和基を有するポリア
ミドの合成) N−(2−アミノエチル)ピペラジンとアジピン酸との
ナイロン塩90モル%とε−カプロラクタム10モル%
とを重縮合させた共重合ポリアミド(数平均分子量:1
2000、末端アミノ基量:0.16モル/kg)を合
成した。該ポリアミド100重量部を、メタノール15
0重量部(溶媒)に加え、さらにグリシジルメタクリレ
ート2.5重量部を加え、温度65℃で2時間反応させ
た。減圧乾燥して得られたポリマーの電位差滴定法によ
る分析結果からポリアミドの末端アミノ基にグリシジル
メタクリレートのエポキシ基が反応し、ポリアミドの末
端にメタアクリロイル基が導入されたことを確認した。
よって、メタアクリロイル基はポリアミドの末端アミノ
基量から0.16モル/kgであることが分かった。
【0039】合成例2(反応性不飽和基を有する部分鹸
化ポリ酢酸ビニルの合成) 重合度650、鹸化度75モル%の部分鹸化ポリ酢酸ビ
ニルを、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと
略)中に膨潤させ、無水コハク酸1モル%を添加し反応
させカルボキシル基を付加させた。このポリマーを精製
し未反応の無水コハク酸を除去し、酸価を測定したとこ
ろ酸価は7であった。このポリマー100重量部をエタ
ノール/水=30/70(重量比)の混合溶媒200重
量部に80℃で溶解した。ここにグリシジルメタクリレ
ートを6重量部添加して部分鹸化ポリ酢酸ビニル中に反
応性不飽和基を導入した。電位差滴定法による分析結果
からポリマー中のカルボキシル基がグリシジルメタクリ
レートのエポキシ基と反応しポリマー側鎖中にメタアク
リロイル基が導入されたことを確認した。よって、反応
性不飽和基はカルボキシル基変性の部分鹸化ポリ酢酸ビ
ニルの酸価の値から0.13モル/kgであることがわ
かった。
【0040】実施例1 (A)成分として重合度650、鹸化度75%の部分鹸
化ポリ酢酸ビニル100重量部をエタノール/水=30
/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶
解した。この溶液中に(B)成分として合成例1のポリ
アミドを20部添加し溶解した。その後、(C)成分と
して、プロピレングリコールジグリシジルエーテル1モ
ルとアクリル酸2モルの付加反応によって得られた不飽
和エポキシエステル化合物20重量部及びグリシジルメ
タクリレート1モルとアクリル酸1モルの付加反応物3
0重量部を添加し、さらに(D)成分としての光重合開
始剤であるジメチルベンジルケタール3.0重量部、相
溶助剤としてのグリセリン25重量部及び熱重合禁止剤
としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.05重量
部を加え十分攪拌した。
【0041】このようにして得られた感光性樹脂溶液
を、あらかじめポリエステル系接着剤を塗布してある厚
さ200μmのポリエステルフィルム上に乾燥後の膜厚
が500μmとなるように流延し、60℃の熱風オーブ
ンに5時間入れて溶剤を除去した。
【0042】このようにして得られた感光性樹脂シート
の感光層上に、水/エタノール=50/50の溶液を薄
く塗布し、マット化された100μmのポリエステルフ
ィルム上にポリビニルアルコール系のポリマーの粘着防
止層を持つカバーフィルムを圧着してカバーフィルムを
付けた。
【0043】この印刷用感光性樹脂板を10日間暗所に
保管したあと、カバーフィルムを剥離し、感度測定用グ
レースケールネガフィルムおよび画像再現性評価用ネガ
フィルムを真空密着させ、超高圧水銀灯で1分露光し
た。ついで、30℃の中性水を入れたブラシ式現像装置
を使用して現像したところ、3分間で未露光部分が水中
に溶出し、レリーフ像を得ることができた。得られたレ
リーフ像を評価した結果、グレースケールは17ステッ
プあり、画線部の3%網点、200μm独立点が再現し
ていることがわかった。
【0044】実施例2 (A)成分として、合成例2の反応性不飽和基を有する
部分鹸化ポリ酢酸ビニルを用いる以外は、実施例1と同
様の方法で感光性樹脂組成物溶液、印刷版用感光性樹脂
板および印刷版材を得た。
【0045】比較例1 合成例1のポリアミドを添加しない以外は、実施例1と
同様の方法で感光性樹脂組成物溶液、印刷版用感光性樹
脂板および印刷版材を得た。水現像時にレリーフ欠けが
発生した。また、グレースケールは15ステップまでし
かあがらず、また、実施例1、実施例2に比べてやや低
感度であった。
【0046】比較例2 合成例1のポリアミドを添加しない以外は、実施例2と
同様の方法で感光性樹脂組成物溶液、印刷版用感光性樹
脂板および印刷版材を得た。
【0047】このようにして得られた実施例2及び比較
例1、2の印刷版材で実施例1と同様の印刷テストを行
った。また、全ての版材について、耐刷テストを行っ
た。これは、半輪転印刷機を使用して印刷した場合に、
レリーフにヒビ・欠けが発生するまでの回数を比較し
た。この結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1より、感光性樹脂組成物の充填ポリマ
ーとして、少なくとも一部が鹸化されたポリ酢酸ビニル
とともに、反応性不飽和基及び塩基性窒素を有するポリ
アミドを用いると、現像時のレリーフ抜けがなく、原画
に忠実なレリーフを作製でき、しかも、レリーフは優れ
た耐刷性を有することが分かる。また、特に、少なくと
も一部が鹸化されたポリ酢酸ビニルとして反応性不飽和
基を有するものを用いると、耐刷性がより一層向上する
ことが分かる。
【0050】
【発明の効果】以上説明の説明により明らかなように、
本発明の感光性樹脂組成物によれば、少なくとも一部が
鹸化されたポリ酢酸ビニルと、反応性不飽和基及び塩基
性窒素を有するポリアミドとを充填ポリマーに用いるこ
とにより、原画フィルムの画像が忠実に再現され、しか
も、強靱かつ耐水性も良好で優れた耐刷性のレリーフを
作製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/033 G03F 7/033 (72)発明者 高橋 敏 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 本井 慶一 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 小木 浩二 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 富田 晃 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA12 AA13 AB01 BC31 BC51 BC68 BC87 BC92 CA01 CB07 4J001 DA01 DB01 DB04 DC01 DC06 DC25 DD02 EA02 EA13 EA14 EB02 EB25 EC02 EC03 EC05 EC25 EC29 EC85 EE26A EE30A EE57A FA01 FA03 FA05 FB03 FB05 FC03 FC05 FD01 GA11 GE02 JA20 JB01 JB44 JB50 4J011 AA05 AC04 PA67 PA68 PC02 QA02 QA03 QA06 QA13 QA15 QA17 QA24 QB17 QB18 SA01 SA21 SA31 SA41 SA51 SA63 SA64 UA01 VA01 WA01 4J027 AD02 BA06 BA07 BA08 BA09 BA19 BA20 BA21 BA24 BA25 BA26 CA05 CB04 CC05 CD10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)少なくとも一部が鹸化されたポリ
    酢酸ビニル、(B)反応性不飽和基及び塩基性窒素を有
    するポリアミド、(C)光重合性不飽和化合物および
    (D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の少なくとも一部が鹸化され
    たポリ酢酸ビニルの鹸化度が60モル%以上である請求
    項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分の反応性不飽和基及び塩基性
    窒素を有するポリアミドが、末端にアミノ基を有するポ
    リアミドの該末端アミノ基に不飽和エポキシ化合物を反
    応させて反応性不飽和基を導入したポリアミドである請
    求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分の反応性不飽和基及び塩基性
    窒素を有するポリアミドがピペラジン環を有するポリア
    ミドである請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の反応性不飽和基及び塩基性
    窒素を有するポリアミドは、反応性不飽和基を0.05
    〜0.5モル/kg含有し、かつ、数平均分子量が1万
    〜10万である請求項1〜4のいずれかに記載の感光性
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (A)成分100重量部に対し、(B)
    成分を0.5〜100重量部、(C)成分を10〜20
    0重量部、(D)成分を0.1〜20重量部含むもので
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成
    物。
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