JP2016139130A - 感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、および感光性樹脂印刷版原版 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、および感光性樹脂印刷版原版 Download PDF

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Abstract

【課題】水現像によりレリーフ画像形成が可能で、かつ耐摩耗性を有する印刷版を形成するための感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、および感光性樹脂印刷版原版を提供する。
【解決手段】
(A)親水性基を有するポリアミド、
(B)無機成分および/または有機成分からなる微粒子、
(C)重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物、および
(D)光重合開始剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、それを用いた感光性樹脂積層体、およびそれを用いた感光性樹脂印刷版原版であって、耐摩耗性を有する凹版印刷版を形成することができる感光性樹脂組成物に関するものである。
感光性樹脂組成物により形成される層を有する感光性樹脂積層体を用いた感光性樹脂印刷版原版は、一般に感光性樹脂層に可溶性ポリマー、光重合性不飽和基含有モノマー、および光重合開始剤を必須成分として含有し、ネガティブ、ポジティブの原画フィルムを介して紫外光を感光性樹脂層に照射することにより、感光性樹脂層中に溶剤に溶解する部分と溶解しない部分を形成することで、レリーフ像を形成し、印刷版として使用するものである。凹版印刷版を用いるタンポ印刷は、版面上にインクを載せ、金属製のドクター刃で掻き取ること、もしくは、ドクター刃の役割をするリング状のセラミックス製または特殊金属製エッジ付きインクカップの中にインクを入れて版面上をインクカップで掻き取ることによって、凹版印刷版の凹部にインクを充填し、そのインクをシリコーンゴムなどの柔軟なパッド面に転写させ、該パッドのインク付着面を被印刷体に圧着することによって印刷するオフセット印刷の一種である。タンポ印刷に用いられる凹版印刷版は、印刷の方式上、版面上のインクをドクター刃やインクカップで掻き取るため、版面には耐摩耗性が要求される。そのような耐摩耗性が要求される印刷用途で用いられる感光性樹脂組成物には、特許文献1に示すように研磨剤性粒子を配合した感光性樹脂組成物が提案されている。
ところで、画像様に露光した感光性樹脂層を水で現像してレリーフを形成できる感光性樹脂印刷版原版は、有機溶剤を使用して現像する場合にくらべて、製版が容易である。このような水で現像することが可能な感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物には、可溶性ポリマーとして水溶解性または水膨潤性のものが用いられている。
特開平2−6957号公報 特開昭48−72250号公報 特開昭55−74537号公報 特開昭50−7605号公報 特開平3−274558号公報 特開平4−283749号公報 特開2007−79494号公報 特開2007−63117号公報 特開2010−265139号公報
しかしながら、水溶解性または水膨潤性の可溶性ポリマーを用いた感光性樹脂印刷版原版は、耐摩耗性に関しては満足できるレベルではなかった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水現像によりレリーフ形成が可能で、かつ耐摩耗性を有する印刷版を形成するための感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、および感光性樹脂印刷版原版を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)親水性基を有するポリアミド、(B)無機成分および/または有機成分からなる微粒子、(C)重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物、および(D)光重合開始剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、または、(A2)反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル、(B)無機成分および/または有機成分からなる微粒子、(C)重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物、および(D)光重合開始剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明によれば、水現像によりレリーフ形成が可能で、かつ耐摩耗性を有する凹版印刷版を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の感光性樹脂組成物を構成する(A)親水性基を有するポリアミドには、水現像性を付与するための親水性基を導入するのが容易である共重合ポリアミドが好ましく用いられる。
(A)親水性基を有するポリアミドは、感光性樹脂組成物を固体状態にして形態を保持するための担体樹脂としての機能を有するとともに、感光性樹脂層へ水による現像性を付与するために使用される。このようなポリアミドとして、例えば、6−ナイロンを構成成分とする水溶性又は水分散性ポリアミドが挙げられ、6−ナイロンと親水性成分を含有する共重合ポリアミドや6−ナイロンを化学的に変性させた変性ポリアミドである。また、本発明のポリアミドは、アミド結合以外にエステル結合やウレタン結合を含有していても良い。
具体的な共重合ポリアミドとしては、側鎖にスルホン酸基またはスルホネート基を有するポリアミド(特許文献2)、ポリエチレングリコールセグメントを含有する共重合ポリアミド(特許文献3)、塩基性窒素を有するポリアミド(特許文献4)などが挙げられる。
前記ポリアミドの中でも塩基性窒素を含有する共重合ポリアミドおよび/またはポリエーテルセグメントを含有するポリアミドが好ましく用いられる。なお、塩基性窒素を有するポリアミドは、主鎖または側鎖の一部分に塩基性窒素を含有する重合体である。塩基性窒素とは、アミド基でないアミノ基を構成する窒素原子である。そのようなポリアミドとしては、3級アミノ基を主鎖中に有するポリアミドを挙げることができる。塩基性窒素を有するポリアミドは、塩基性窒素を有する単量体を単独もしくは他の単量体を用いて縮重合、重付加反応などを行うことによって得ることができる。塩基性窒素としては、ピペラジンやN,N−ジアルキルアミノ基が好ましく、より好ましくはピペラジンである。本発明で用いられるポリアミドを提供するための、塩基性窒素を有する単量体とは具体的に挙げると、N,N’−ビス(アミノメチル)−ピペラジン、N,N’−ビス(β−アミノエチル)−ピペラジン、N,N’−ビス(γ−アミノベンジル)−ピペラジン、N−(β−アミノエチル)ピペラジン、N−(β−アミノプロピル)ピペラジン、N−(ω−アミノヘキシル)ピペラジン、N−(β−アミノエチル)−2,5−ジメチルピペラジン、N,N−ビス(β−アミノエチル)−ベンジルアミン、N,N−ビス(γ−アミノプロピル)−アミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス(γ−アミノプロピル)−エチレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス(γ−アミノプロピル)−テトラメチレンジアミンなどのジアミン類、N,N’−ビス(カルボキシメチル)−ピペラジン、N,N’−ビス(カルボキシメチル)−メチルピペラジン、N,N’−ビス(カルボキシメチル)−2,6−ジメチルピペラジン、N,N’−ビス(β−カルボキシエチル)−ピペラジン、N,N−ビス(カルボキシメチル)−メチルアミン、N,N−ビス(β−カルボキシエチル)−エチルアミン、N,N−ビス(β−カルボキシエチル)−メチルアミン、N,N−ジ(β−カルボキシエチル)−イソプロピルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス−(カルボキシメチル)−エチレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス−(β−カルボキシエチル)−エチレンジアミンなどのジカルボン酸類あるいはこれらの低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物、N−(アミノメチル)−N’−(カルボキシメチル)−ピペラジン、N−(アミノメチル)−N’−(β−カルボキシエチル)−ピペラジン、N−(β−アミノエチル)−N’−(β−カルボキシエチル)−ピペラジン、N−カルボキシメチルピペラジン、N−(β−カルボキシエチル)ピペラジン、N−(γ−カルボキシヘキシル)ピペラジン、N−(ω−カルボキシヘキシル)ピペラジン、N−(アミノメチル)−N−(カルボキシメチル)−メチルアミン、N−(β−アミノエチル)−N−(β−カルボキシエチル)−メチルアミン、N−(アミノメチル)−N−(β−カルボキシエチル)−イソプロピルアミン、N,N’−ジメチル−N−(アミノメチル)−N’−(カルボキシメチル)−エチレンジアミンなどのω−アミノ酸などがある。またこれらの単量体のほかにジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノ酸、ラクタムなどと併用して重合したものも使用可能である。これら塩基性窒素を含有する単量体成分は全ポリアミド構成成分、すなわちアミノカルボン酸単位(原料としてラクタムの場合を含む)、ジカルボン酸単位およびジアミン単位の和に対して、10〜100モル%であることが好ましく、さらに10〜80モル%であることが好ましい。10モル%以上であると水溶性が高くなり、(A)成分との相溶性が高くなるため好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物を構成する別の態様として、(A2)反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含む。(A2)反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルにおける「反応性基」とは、ラジカル反応により架橋することができる官能基のことである。一般に、このような官能基としては、通常は非芳香族の不飽和炭素−炭素結合、中でもエチレン性二重結合が多く使用され、ビニル基、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。このような反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルを用いることで、ポリマーがモノマー成分と重合するため、耐摩耗性が向上する。
このような反応性基を部分ケン化ポリ酢酸ビニルの側鎖に導入する方法として、例えば、特許文献5、6にある方法や特許文献7にある方法が挙げられる。
特許文献5、6に記載の方法は、部分ケン化ポリ酢酸ビニルと酸無水物とを反応させ、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの水酸基を起点としてカルボキシル基をポリマー側鎖に導入し、そのカルボキシル基に不飽和エポキシ化合物を反応させることにより反応性基を導入したり、酢酸ビニルと不飽和カルボン酸またはその塩、あるいは不飽和カルボン酸エステルとを共重合させ得られたポリマーを部分ケン化し、このポリマーのもつカルボキシル基と不飽和エポキシ化合物を反応させることにより反応性基を導入する方法である。なかでも前者の方法で得られた部分ケン化ポリ酢酸ビニルが本発明の効果が顕著に現れることから好ましく使用される。
このような反応性基は、化合物(A2)中、0.08〜0.72モル/kg存在することが好ましく、さらに好ましくは0.12〜0.36モル/kgである。0.72モル/kg以下であると、満足するレベルの水現像性を得ることができるため好ましく、0.08モル/kg以上であると、反応性基が反応することで改善される現像時のレリーフ欠けを抑制するなどの効果を得ることができるため好ましい。このようにして得られた(A2)反応性基を有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルは、少なくとも次の(I)、(II)、および(III)の構造単位を有することが好ましい。
Figure 2016139130
((II)中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、(III)中、Xは末端に不飽和炭素−炭素結合を有する官能基を示す。)
(A2)反応性基を有する部分ケン化ポリ酢酸ビニルに水現像性が必要なことから、構造(I)の単位が60〜99モル%が好ましく、さらに好ましくは70〜95モル%である。(I)の構造単位が60モル%以上であると十分な水現像性を得ることができ、99モル%以下であると常温の水に対する溶解性も保持できる。また、(A2)成分の平均重合度は300〜2000の範囲が好ましく、500〜1000がより好ましい。平均重合度が300以上であると、十分な耐水性を得ることができる。平均重合度が2000以下であると、十分な水現像性が得られるだけの水溶解性を得ることができる。
一方、特許文献7に記載の方法は、部分ケン化ポリ酢酸ビニルとN−メチロール基を有するアクリル系化合物の反応で、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの側鎖に反応性基を導入する方法である。N−メチロール基を有するアクリル系化合物の配合量は、ポリ酢酸ビニル100重量部に対し、2〜40重量部が好ましく、5〜30重量部の範囲がより好ましい。N−メチロール基を有するアクリル系化合物の配合量が40重量部以下であると、満足するレベルの水現像性を得ることができる。また、2重量部以上であると、反応性基が反応することで改善される現像時のレリーフ欠けなどの効果が発現される。
前記N−メチロール基を有するアクリル系化合物としては、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチル−N−メチロールアクリルアミド、N−メチル−N−メチロールメタクリルアミド、N−エチル−N−メチロールアクリルアミド、N−エチル−N−メチロールメタクリルアミドなどを挙げることができるが、特にN−メチロールアクリルアミドやN−メチロールメタクリルアミドが好ましい。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分および(A2)成分の両方を含むことも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)無機成分および/または有機成分からなる微粒子を含む。(B)成分は、凹版印刷版に耐摩耗性を付与する。このような(B)成分としては、格別な制限はないが、例えば金属単体微粒子、無機酸化物微粒子、無機塩微粒子、有機成分からなる微粒子、有機成分および無機成分からなる微粒子などが挙げられる。
(B)成分は、感光性樹脂に露光する紫外光に対して十分に透過性のあるような微粒子を使用するのが好ましい。その場合、微粒子の平均粒子径が1〜50nmであることが好ましく、また、感光性樹脂に入射する光の散乱による観点から、微粒子の屈折率が1.4〜1.8の範囲であることが好ましい。平均粒子径は、特許文献8の窒素吸着法(BET法)や特許文献9に示すTME観察により測定できる。このような(B)成分には、コロイダルシリカが適している。コロイダルシリカは分散媒に分散した溶液状態のため、感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物中の他の成分との混合が容易である点からも好ましい。また、コロイダルシリカの中でも特に水に分散したコロイダルシリカは、(A)成分および(A2)成分との混合が容易である点からさらに好ましい。なお、水に分散した表面が酸性であるコロイダルシリカは感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物中の他の成分と混合したときに粒子の凝集が少ないため、より好ましい。
また、(B)成分は、耐摩耗性を付与するために、感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物中に3重量%〜70重量%含まれることが好ましい。
なお、(B)成分の表面に、表面修飾剤を用いて重合可能なエチレン性二重結合を導入することも可能である。このような修飾剤としては、例えば、(3−アクロイルプロピル)トリメトキシシラン、メタクロイルプロピルトリメトキシシラン、メタクロイルプロピルトリエトキシシラン、メタクロイルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクロイルオキシメチルトリメトキシシランなどが挙げられるが、この限りではない。
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物を含有する。一般的に使用される(C)成分としては、従来公知の化合物すべてが含まれる。具体的な例としては、次のようなものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、ネオペンチルグリコール−(メタ)アクリル酸−安息香酸エステル、(メタ)アクリロイルモルフォリン、スチレン及びその誘導体、ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、N−フェニルマレイミド及びその誘導体、N−(メタ)アクリルオキシコハク酸イミド、(メタ)アクリル酸−2−ナフチル、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素、ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾル、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、(2−メチル−エチルジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、イミドアクリレート、[4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]メチル(メタ)アクリレート、(2−オキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(オキシジイミダゾリジン−1−イル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物、などの2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物、などが挙げられる。
これら(C)成分の含有量は(A)および/または(A2)成分100重量部に対して、5〜200重量部であることが好ましい。5重量部以上であると、インクを用いて印刷する際に、印刷版が膨潤することなく使用することができ、200重量部以下であると感光性樹脂組成物の成形が容易となるため好ましい。
なお、(C)成分はアクリロイル基とメタアクリロイル基の両方を含む場合が好ましく、(C)成分におけるメタアクリロイル基の数がアクリロイル基の数よりも多いことが好ましい。一般に、メタアクリロイル基は、アクリロイル基よりも反応速度が遅い。そのため、ポジフィルムを介して紫外線照射した場合、メタアクリロイル基の数が多いことで、レリーフの凹部が深くなるため、300線90%などの網点スクリーンフィルムを密着させ、紫外線照射する際に凹部の深度調整が容易となる。
さらに、(C)成分のうち、エチレン性二重結合を1つのみ有する化合物の含有量が、2つ以上有する化合物よりも多いことが好ましい。(C)成分のうち、エチレン性二重結合を1つのみ有する化合物の含有量が、2つ以上有する化合物よりも多くすることで、露光により炭素−炭素不飽和基の重合収縮の結果発生する、凹版印刷版の反りを低減できる。このため、得られる印刷版は、耐摩耗性を向上できることに加えて、よりスムーズなインクの掻き取りも可能となる。エチレン性二重結合を1つのみ有する化合物と2つ以上有する化合物の配合量としては、1つのみ有する化合物100重量部に対して、2つ以上有する化合物が3〜99重量部の範囲であることが好ましい。3重量部以上で印刷レリーフの形成が可能となり、99重量部以下で反りを抑制することができる。より好ましくは20〜80重量部である。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、(D)光重合開始剤を含有する。(D)光重合開始剤としては、光によって重合性の炭素−炭素不飽和基を重合させることができるものであれば全て使用できる。なかでも、光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などがある。光重合開始剤の配合量としては、(A)および/または(A2)成分100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、相溶性、柔軟性を高めるための相溶助剤としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン及びその誘導体、トリメチロールプロパン及びその誘導体、トリメチロールエタンおよびその誘導体、ペンタエリスリトールおよびその誘導体などの多価アルコール類を添加することも可能である。これらの多価アルコールは、感光性樹脂組成物全体に対して、30重量%以下であることか好ましい。特に相溶性が向上することで、樹脂組成物の濁り、低分子量成分のブリードアウトを抑制できる。
本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性を上げるために、従来公知の重合禁止剤を添加することができる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類、ヒドロキシアミン誘導体などが挙げられる。これらの配合量は、全感光性樹脂組成物に対して、0.001〜5重量%の範囲で使用することが一般的である。
また、本発明の感光性樹脂組成物を用いた感光性樹脂印刷版原版より形成される凹版印刷版において、形状が良好な凹部を形成するために、感光性樹脂層中での光の散乱を抑制する目的で紫外線吸収剤を配合してもよい。好ましい紫外吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系の化合物を1種類以上使用することが可能である。
また、本発明の感光性樹脂組成物には他の成分として、染料、顔料、界面活性剤、消泡剤、香料などを添加することができる。
本発明の感光性樹脂積層体は、少なくとも支持体(E)上に、接着層(G)、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される感光性樹脂層(F)、および保護層がこの順に積層されている。そして、本発明の感光性樹脂印刷版原版は、当該感光性樹脂積層体を用いて形成される。
支持体(E)としては、ポリエステルなどのプラスチックシートやスチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴムシート、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属板を使用することができるが、タンポ印刷では特に、版面上にインクを載せ、金属製のドクター刃で掻き取るため、もしくは、ドクター刃の役割をするリング状のセラミックス製または特殊金属製エッジ付きインクカップの中にインクを入れて版面上をインクカップで掻き取るため、掻き取る際の力で支持体が変形しないよう金属版を用いることが好ましい。
支持体の厚さは特に限定されないが、取扱性の観点から100〜500μmの範囲が好ましい。100μm以上であれば支持体が変形することが抑制され、500μm以下であれば取り扱い性が向上する。
支持体(E)は、感光性樹脂層(F)との接着性を向上させる目的で、易接着処理されていることが好ましい。易接着処理の方法としては、サンドブラストなどの機械的処理、コロナ放電などの物理的処理、コーティングなどによる化学的処理などが例示できるが、コーティングにより接着層(G)を設けることが接着性の観点から好ましい。
感光性樹脂層(F)は、本発明の感光性樹脂組成物から形成される。感光性樹脂層(F)の厚さは、十分なレリーフ深度を有し印刷適性を向上させる観点から、0.01mm以上が好ましく、0.02mm以上がより好ましい。一方、感光性樹脂層はコスト、省資源の観点から1mm以下が好ましく、0.7mm以下がより好ましい。
本発明の感光性樹脂印刷版原版は、表面保護、異物等の付着防止の観点から、感光性樹脂層(F)上に保護層としてカバーフィルム(H)を有することが好ましい。感光性樹脂層(F)はカバーフィルム(H)と直接接していてもよいし、感光性樹脂層(F)とカバーフィルム(H)の間に1層または複数の層を有していてもよい。感光性樹脂層(F)とカバーフィルム(H)の間の層としては、例えば、感光性樹脂層表面の粘着を防止する目的で設けられる剥離補助層などが挙げられる。
カバーフィルム(H)の材質は特に限定されないが、ポリエステル、ポリエチレンなどのプラスチックシートが好ましく使用される。カバーフィルム(H)の厚さは特に限定されないが、10〜150μmの範囲が取扱性、コストの観点から好ましい。またカバーフィルム表面は、原画フィルムの密着性向上を目的として粗面化されていてもよい。
次に、本発明の感光性樹脂組成物およびそれを用いた感光性樹脂印刷原版の製造方法について説明する。例えば、(A)成分および/または(A2)成分、(B)成分を、水/アルコール混合溶媒に加熱溶解した後に、(C)エチレン性不飽和化合物、(D)光重合開始剤および必要に応じて可塑剤その他の添加剤等を添加し、撹拌して十分に混合し、感光性樹脂組成物溶液を得る。
得られた感光性樹脂組成物溶液を、必要により接着層(G)を有する支持体(E)に流延し、乾燥して感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層(F)を形成する。その後、必要により剥離補助層を塗布したカバーフィルム(H)を感光性樹脂層(F)上に密着させることで感光性樹脂印刷版原版を得ることができる。また、乾燥製膜により感光性樹脂シートを作製し、支持体(E)とカバーフィルム(H)で感光性シートを挟み込むようにラミネートすることでも感光性樹脂印刷版原版を得ることができる。
感光性樹脂印刷版原版が剥離補助層(I)を有する場合、剥離補助層(I)の形成方法は特に限定されないが、薄膜形成の簡便さから、剥離補助層(I)成分を溶媒に溶解した溶液をカバーフィルム(H)上に塗布し、溶媒を除去する方法が特に好ましく行われる。溶媒の除去方法としては、例えば熱風乾燥、遠赤外線乾燥、自然乾燥などを挙げることができる。剥離補助層(I)成分を溶解する溶媒は特に限定されないが、水やアルコール、または水とアルコールの混合物が好ましく使用される。
次に、本発明の感光性樹脂印刷版原版を用いて形成される印刷版について説明する。本発明の印刷版は、前述の本発明の感光性印刷版原版を露光および現像することにより得られる。
感光性樹脂印刷版原版がカバーフィルム(H)を具備する場合はこれを剥離し、感光性樹脂層(F)上にポジティブの原画フィルムを密着させ、紫外線照射することによって、感光性樹脂層(F)を光硬化させる。紫外線照射は、通常300〜400nmの波長を照射できる高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯などを用いて行う。
次に、300線90%の網点スクリーンフィルムを密着させ、紫外線照射することによって、凹部の深さが適切になるように調整する。
次に、感光性印刷版原版を現像液に浸漬し、未硬化部分をブラシで擦りだして除去するブラシ式現像装置により基板上にレリーフ像を形成する。また、ブラシ式現像装置の他にスプレー式現像装置を使用することも可能である。現像液は水または界面活性剤を添加した水を用いることができる。
なお、現像時の液温は15〜40℃が好ましい。レリーフ像形成後、50〜70℃において10分間程度乾燥し、必要に応じてさらに大気中ないし真空中で活性光線処理して凹版印刷版を得ることができる。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、凹版印刷用の感光性樹脂印刷版原版に用いることが最も適しているが、平版印刷用、凸版印刷用、孔版印刷用、フォトレジストとして使用することも可能である。
以下、本発明を実施例で詳細に説明する。
<親水性基を有するポリアミドの合成>
合成例1:
ε−カプロラクタム10重量部、N−(2−アミノエチル)ピペラジンとアジピン酸のナイロン塩90重量部および水100重量部をステンレス製オートクレーブに入れ、内部の空気を窒素ガスで置換した後に180℃で1時間加熱し、ついで水分を除去して(A)成分である親水性基および塩基性窒素を有するポリアミド1を得た。
<ポリエーテルセグメントを有するポリアミドの合成>
合成例2:
数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα, ω−ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との等モル塩60重量部、ε−カプロラクタム20重量部およびヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩20重量部を溶融重合して、ついで水分を除去して(A)成分である親水性基およびポリエーテルセグメントを有するポリアミド2を得た。
<反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルの合成>
合成例3:
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリ酢酸ビニル“ゴーセノール”KL−05(重合度約500、ケン化度78〜82モル%)をアセトン中で膨潤させ、無水コハク酸1.0モル%を添加し、60℃で6時間撹拌して分子鎖にカルボキシル基を付加させた。このポリマーをアセトンで洗浄して未反応の無水コハク酸を除去乾燥した。酸価を測定したところ、10.0mgKOH/gであった。このポリマー100重量部をエタノール/水=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶解した。ここにグリシジルメタクリレートを6重量部添加して部分ケン化ポリ酢酸ビニル中に反応性基を導入した。電位差滴定法による分析結果からポリマー中のカルボキシル基がグリシジルメタクリレートのエポキシ基と反応しポリマー側鎖中にメタクリロイル基が導入されたことを確認し、(A2)成分である反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル1を得た。
合成例4:
酢酸ビニルにメタクリル酸を共重合単位として1モル%含有させたポリマーをケン化し、平均重合度650、ケン化度75モル%にしたアニオン変性ポリ酢酸ビニルを得た。このポリマー100重量部をエタノール/水=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部に80℃で溶解した。ここにグリシジルメタクリレートを6重量部添加して部分ケン化ポリ酢酸ビニル中に反応性基を導入した。電位差滴定法による分析結果からポリマー中のカルボキシル基がグリシジルメタクリレートのエポキシ基と反応しポリマー側鎖中にメタクロイル基が導入されたことを確認し、(A2)成分である反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル2を得た。
合成例5:
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリ酢酸ビニル“ゴーセノール”KL−05(重合度約500、ケン化度78〜82モル%)100重量部を100重量部の水に溶解し、N−メチロールアクリルアミド15重量部を添加し、酸触媒としてリン酸1重量部を加え、100℃4時間撹拌して調整し、次いで水分を除去して、N−メチロール基を有するアクリル系化合物との反応により得られた(A2)成分である反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル3を得た。
(B)成分は表1に記載の水に分散された表面が酸性のコロイダルシリカを使用した。
Figure 2016139130
<接着層(G)を有する支持体(E)の作製>
“ビニトール”(登録商標)#284(名古屋油化株式会社製)66重量部およびヘキサメチレンテトラミン(関東化学株式会社製)2重量部をジメチルホルムアミド16重量部とキシレン16重量部の溶媒に混合した溶液に、“jER834”(三菱化学株式会社製)90重量部をジメチルホルムアミド30重量部とキシレン30重量部の溶媒に混合した溶液を添加し、接着層(G)用塗工液1を得た。
“アミラン”(登録商標)CM833(東レ株式会社製)20重量部、“CJPARL”(パナソニック株式会社製)をエタノール50重量部、水10重量部、ジメチルホルムアミド10重量部、およびベンジルアルコール50重量部の混合溶媒中70℃で2時間混合し、溶解した。その後、25℃で“jER834”(三菱化学株式会社製)5重量部、ジシアノジアミド(関東化学株式会社製)0.3重量部を添加し、接着層(G)用塗工液2を得た。
厚さ250μmの鉄板(新日鐵住金株式会社製)上に接着層(G)用塗工液1を乾燥後膜厚が10μmになるようにバーコーターで塗布し、180℃のオーブンで3分間加熱して溶媒を除去した後、その上に接着層(G)用塗工液2を乾燥膜厚が10μmとなるようにバーコーターで塗布し、160℃のオーブンで3分間加熱して、接着層(G)を有する支持体(E)を得た。
<カバーフィルム(H)の作製>
表面粗さRaが0.1〜0.6μmとなるように粗面化された厚さ100μmの“ルミラー”S10(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)に、“ゴーセノール”KL−05(ケン化度78〜82モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)50重量部とポリアミド1 50重量部を水100重量部とエタノール100重量部の混合溶媒に溶解させ、剥離補助層用塗工液を得た。こうして得られた剥離補助層用塗工液を乾燥膜厚が1μmとなるように塗布し、100℃で25秒間乾燥し、カバーフィルムHを得た。
[評価方法]
各実施例および比較例における評価は、次の方法で行った。
(1)耐摩耗性
7cm×14cmの感光性印刷原版からカバーフィルム(H)のポリエステルフィルムのみを剥離し(剥離後の感光性印刷原版の最表面は乾燥膜厚1μmの剥離補助層)、ポジフィルムを真空密着させ、ケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)でグレースケール感度13±1段となる条件で露光し(主露光)、10cm×10cmの感光性樹脂版の全面を光硬化した。その後、現像液温25℃の水でブラシ式現像装置により現像し、60℃で10分間乾燥した後、さらにケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)で主露光と同条件で後露光し、耐摩耗性評価用印刷版を得た。
こうして得られた印刷版を、hermetic6−12 universal(TAMPOPRINT社製)に装着し、インクにPAD−PLV−1インキ白(ナビタス社製)を用いて、1000回スキージし、印刷版の摩耗された深さを測定した。摩耗された深さが10μm以上である場合は、印刷中にインクを充填する凹部が浅くなるため印刷不具合が発生する。
(2)画像再現性
10cm×10cmの感光性印刷原版からカバーフィルム(H)のポリエステルフィルムのみを剥離し(剥離後の感光性印刷原版の最表面は乾燥膜厚1μmの剥離補助層)、感度測定用グレースケールネガフィルムおよび画像再現性評価用ポジフィルム(300μm巾の線を有する)を真空密着させ、ケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)でグレースケール感度13±1段となる条件で露光した(主露光)。その後、現像液温25℃の水でブラシ式現像装置により現像し、60℃で10分間乾燥した後、さらにケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)で主露光と同条件で後露光し、画像再現性評価用印刷版を得た。こうして得られた印刷版の300μm巾の線の凹部の深度を測定することで画像再現性を評価した。凹版部の深度が50μm以下である場合は、網点スクリーンフィルムにより凹部の深さの調整が困難となる。
実施例1
<感光性樹脂組成物1用の組成物溶液1の調整>
撹拌用ヘラおよび冷却管を取り付けた3つ口フラスコ中に、表2の実施例1に示す(A)成分及び(B)成分を添加し、“ソルミックス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)50重量部および水50重量部の混合溶媒を混合した後、撹拌しながら90℃で2時間加熱し、(A)成分および(B)成分を溶解させた。70℃に冷却した後、その他の成分を添加し、30分撹拌し、感光性樹脂組成物1用の組成物溶液1を得た。
<感光性樹脂印刷版原版1の製造>
得られた組成物溶液1を、前記接着層(G)を有する支持体(E)に流延し、60℃で2.5時間乾燥した。このとき乾燥後の版厚(鉄板+感光性樹脂層)が0.2mmとなるよう調節した。このようにして得られた感光性樹脂層(F)上に、水/エタノール=50/50(重量比)の混合溶剤を塗布し、表面に前記アナログ版用のカバーフィルム(H)を圧着し、感光性樹脂印刷版原版1を得た。得られた感光性印刷原版1を用いて、前記方法により印刷版の特性を評価した結果を表2に示す。
実施例2〜14
感光性樹脂組成物の組成を表2の実施例2〜14のとおり変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂シートおよび感光性印刷原版を作製した。評価結果を表2に示す。
比較例1〜3
感光性樹脂組成物の組成を表2の比較例1〜3のとおり変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂シートおよび感光性印刷原版を作製した。評価結果を表2に示す。
比較例4
感光性樹脂組成物の組成を表2の比較例4のとおり作製したが、シート状に形成できなかったので、評価できなかった。
比較例5
親水性基を有さないポリアミド“アミラン”CM9000(東レ株式会社製)を用いて感光性樹脂組成物を表2の比較例5の通り作製したが、水現像できなかったため、評価できなかった。
比較例6
反応性基を側鎖に有さない部分ケン化ポリ酢酸ビニル“ゴーセノール”KL−05(重合度約500、ケン化度78〜82モル%、日本合成化学工業(株)製)を用いて感光性樹脂組成物を表2の比較例6の通り作製した。評価結果を表2に示す。
Figure 2016139130

Claims (13)

  1. (A)親水性基を有するポリアミド、
    (B)無機成分および/または有機成分からなる微粒子、
    (C)重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物、および
    (D)光重合開始剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)親水性基を有するポリアミドが主鎖または側鎖に塩基性窒素および/またはポリエーテルセグメントを有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(A)親水性基を有するポリアミドがピペラジン環を有することを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. (A2)反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニル、
    (B)無機成分および/または有機成分からなる微粒子、
    (C)重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物、および
    (D)光重合開始剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  5. 前記(A2)反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルが、部分ケン化ポリ酢酸ビニルと酸無水物とが反応しカルボキシル基がポリマー側鎖に導入され、そのカルボキシル基に不飽和エポキシ化合物が反応し反応性基が導入された変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルである、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(A2)反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルが、酢酸ビニルと不飽和カルボン酸またはその塩、あるいは不飽和カルボン酸エステルとの共重合物をケン化して得られるケン化度60〜90モル%のアニオン変性ポリビニルアルコールに、不飽和エポキシ化合物が付加されてなる変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルである、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記(A2)反応性基を側鎖に有する変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルが、部分ケン化ポリ酢酸ビニルと、N−メチロール基を有するアクリル系化合物との反応により得られた変性部分ケン化ポリ酢酸ビニルである、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
  8. (B)無機成分および/または有機成分からなる微粒子の平均粒子径が1〜50nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  9. (B)無機成分および/または有機成分からなる微粒子に、コロイダルシリカを用いたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  10. (B)無機成分および/または有機成分からなる微粒子に、水に分散されたコロイダルシリカを用いたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  11. (C)重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物が、エチレン性二重結合を1つのみ有する化合物を、2つ以上有する化合物より多く含有する、請求項1〜10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  12. 少なくとも支持体上に、接着層、請求項1〜11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成される感光性樹脂層、および保護層がこの順に積層されてなる感光性樹脂積層体。
  13. 請求項12に記載の感光性樹脂積層体を用いた感光性樹脂印刷版原版であって、前記感光性樹脂印刷版原版が凹版印刷またはパッド印刷に用いられることを特徴とする感光性樹脂印刷版原版。
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