JP2013210425A - 凸版原版用感光性樹脂組成物 - Google Patents

凸版原版用感光性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2013210425A
JP2013210425A JP2012078970A JP2012078970A JP2013210425A JP 2013210425 A JP2013210425 A JP 2013210425A JP 2012078970 A JP2012078970 A JP 2012078970A JP 2012078970 A JP2012078970 A JP 2012078970A JP 2013210425 A JP2013210425 A JP 2013210425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive resin
mass
parts
resin composition
production
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012078970A
Other languages
English (en)
Inventor
Wataru Kawashima
渉 川島
Satoshi Imahashi
聰 今橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2012078970A priority Critical patent/JP2013210425A/ja
Publication of JP2013210425A publication Critical patent/JP2013210425A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

【課題】 印刷時の紙粉付きの抑制に優れた水現像可能な凸版原版用感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 少なくとも(A)合成高分子化合物、(B)光重合性不飽和化合物、及び(C)光重合開始剤から構成される感光性樹脂組成物であって、(A)が(a)プロピレングリコール成分単位を含むポリアルキレングリコール含有ジアミン及び(b)三級アミンを含有しない、主鎖に分岐または脂環構造を有するジアミンと、(c)有機ジイソシアネート化合物との反応で得られる付加重合体であり、(A)に含まれるポリアルキレングリコールの割合が50質量%以上80質量%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、精細な画像再現性と印刷性とを満足する高性能な凸版原版に用いられる感光性樹脂組成物に関するものであり、より詳しくは、凸版を印刷する工程で発生する紙粉付きを抑制することができる水現像可能な感光性樹脂組成物に関するものである。
通常、凸版に用いられる感光性樹脂組成物は、一般に、可溶性高分子化合物、光重合性不飽和化合物、および光重合開始剤を必須成分として含有し、必要に応じて、安定剤、可塑剤等の添加剤が配合されている。
この感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層に透明な画像部を有するネガフィルム(またはポジフィルム)を通して活性光線を照射し、露光部の感光性樹脂層を硬化させた後、非露光部の感光性樹脂層を適当な溶剤で溶解除去する製版工程により、印刷用のレリーフ版を作製することができる。
水現像可能な感光性樹脂組成物としては、可溶性ポリアミド、ポリエーテルウレアウレタン、完全鹸化または部分鹸化ポリ酢酸ビニルなどを可溶性ポリマーとして使用するものが提案されており、可溶性ポリアミドやポリエーテルウレアウレタンを使用する凸版用感光性樹脂組成物は、耐摩耗性に優れるために特に好ましく使用される。
最近では感光性樹脂組成物に対するユーザーの要求が、短い露光時間で精細なパターンを再現する方向へ進んでおり、最小細線保持は50μ以下、さらに、写真の印刷等に使用する最小ハイライトについても150線の網点からさらに細かな175線の網点を要求されるようになっている。それらの要求に対応する従来技術としては、活性光線領域に吸収をもつの光吸収剤を含有する被覆層を設けた感光性樹脂凸版用印刷原版(特許文献1参照)などが挙げられる。また、印刷性向上に対しては、精細な文字や画像のほかにベタと呼ばれる前面が凸であるパターンの印刷もあり、文字、画像とベタを両立させる必要であった。例えば、感光性樹脂層を高反発弾性化することによって高速印刷適性を改善したり(特許文献2及び特許文献3参照)、感光性樹脂層を多層化することによってレリーフ形状をシャープにして印刷時の太りを改善している(特許文献3参照)。
しかしながら、従来技術では、水現像可能でかつ精細な画像再現性と印刷性とを満足する感光性樹脂組成物がなかった。例えば、特許文献4に記載の感光性樹脂凸版は、ピペラジン環を有するジアミンを50重量%以上含むことで極性が高い高分子化合物となり、水現像が可能になるが、その反面、印刷時の紙紛付き(印刷時、インクもしくは印刷基材もしくは環境下に存在する紙粉等がレリーフに付着し、その箇所に印刷抜けが発生する現象)という問題があり、改善が求められていた。
特開2003−295422号公報 特開平04−97154号公報 特開平05−11447号公報 特開2007−322680号公報
本発明は、かかる従来技術の問題を克服するためになされたものであり、その目的は、印刷時の紙粉付きの抑制に優れた水現像可能な凸版原版用感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に示す手段により上記目的を達成できることを見出し、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)の構成からなるものである。
(1)少なくとも(A)合成高分子化合物、(B)光重合性不飽和化合物、及び(C)光重合開始剤から構成される感光性樹脂組成物であって、(A)が(a)プロピレングリコール成分単位を含むポリアルキレングリコール含有ジアミン及び(b)三級アミンを含有しない、主鎖に分岐または脂環構造を有するジアミンと、(c)有機ジイソシアネート化合物との反応で得られる付加重合体であり、(A)に含まれるポリアルキレングリコールの割合が50質量%以上80質量%以下であることを特徴とする凸版原版用感光性樹脂組成物。
(2)(a)が重量平均分子量200以上1000以下であることを特徴する(1)に記載の凸版原版用感光性樹脂組成物。
(3)(a)がエチレングリコール成分単位及び/又はプロピレングリコール成分単位を含むポリアルキレングリコール含有ジアミンであり、(b)が脂環族ジアミンであり、(c)がエチレングリコール成分単位及び/又はプロピレングリコール成分単位を含む有機ジイソシアネート化合物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の凸版原版用感光性樹脂組成物。
(4)(A)中の(a)〜(c)の構成割合が、(a)5質量%以上35質量%以下、(b)3質量%以上15質量%以下、(c)50質量%以上87質量%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の凸版原版用感光性樹脂組成物。
本発明の凸版原版用感光性樹脂組成物は、特定のジアミンと有機ジイソシアネート化合物との反応から得られる付加重合体であるポリエーテルウレアウレタン樹脂を使用しているので、印刷時の紙粉付きを顕著に抑制できる水現像可能な感光性樹脂凸版材を提供することができる。
以下、本発明の感光性樹脂組成物を詳述する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)合成高分子化合物、(B)光重合性不飽和化合物、及び(C)光重合開始剤を必須成分として構成されるものであり、必要に応じて熱重合禁止剤、安定剤、可塑剤などの添加剤を含有するものである。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(A)合成高分子化合物は、ジアミンと有機ジイソシアネート化合物との反応で得られる付加重合体であるポリエーテルウレアウレタン樹脂である。ジアミンと有機ジイソシアネート化合物の質量割合は、好ましくは10/90〜90/10であり、より好ましくは20/80〜80/20である。
本発明では、ジアミンは、水現像性と画像再現性の両者を満足するために、親水性ジアミンとして(a)プロピレングリコール成分単位を含むポリアルキレングリコール含有ジアミン、及び疎水性ジアミンとして(b)三級アミンを含有しない、主鎖に分岐または脂環構造を有するジアミンを併用することを特徴とする。ジアミン中の(a)成分と(b)成分の質量割合は、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは20/80〜80/20である。また上記配合組成にすることで水現像性と画像再現性を両立し、さらに極性を小さくすることで印刷時の紙粉付きを低減できる。
(a)ポリアルキレングリコール含有ジアミンとしては、ポリ(プロピレングリコール)ジアミン、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの共重合体からなるジアミン、ポリプロピレングリコールとポリテトラメチレンエーテルグリコールとの共重合体からなるジアミンなどが挙げられるが、エチレングリコール成分単位及び/又はプロピレングリコール成分単位を含むものが好ましい。また、共重合体としてはランダム型、ブロック型があるが、水分散性が優れる点でブロック型が望ましい。例えば、市販品では、ポリ(プロピレングリコール)ジアミンの例としては、Jeffamin D−230(HUNTSMAN)(Mw:230)、Jeffamin D−400(HUNTSMAN)(Mw:430)、Jeffamin D−2000(HUNTSMAN)(Mw:2000)、Jeffamin D−4000(HUNTSMAN)(Mw:4000)、さらにポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールとのブロック共重合体からなるジアミンの例としては、Jeffamin HK−511(HUNTSMAN)(Mw:220)、Jeffamin ED−600(HUNTSMAN)(Mw:600)、Jeffamin ED−900(HUNTSMAN)(Mw:900)、Jeffamin ED−2003(HUNTSMAN)(Mw:2000)が挙げられる
(a)ポリアルキレングリコール含有ジアミンの重量平均分子量は、100以上40000以下が好ましく、更に好ましくは200以上1000以下である。重量平均分子量が上記範囲より大きくなると、有機ジイソシアネート化合物との反応性が悪くなり、一方、重量平均分子量が上記範囲より小さくなると、有機ジイソシアネート化合物との反応性がよすぎて反応制御が難しくなる。
(b)三級アミンを含有しない、主鎖に分岐または脂環構造を有するジアミンとしては、1,3−ジアミノペンタン、2−メチルー1,5ペンタジアミン、2−メチルヘキサメチレンジアミン、2,2,4−或は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2,3−プロパントリカルボキサミド、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4−メチレンヒビス(シクロヘキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミンなどが挙げられるが、その中でも脂環構造を含有するアミンが好ましく、特に1,3−シクロヘキサンジアミンが好ましい。分岐していないジアミンもしくは脂環構造を含有しないアミンを用いた場合は、得られた付加重合体の結晶性が大きくなるために光の透過率を下げ、散乱率を上げてしまうため感光特性を著しく害してしまい、また水現像性が大幅に低下し、好ましくない。
(c)有機ジイソシアネート化合物は、公知のジイソシアネートをそのまま使用しても良いが、水現像性及び画像再現性の面からジイソシアネート原料と等モル以下のポリアルキレングリコールとを反応させて得られる両末端にイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物であることが好ましい。ポリアルキレングリコールと反応して得られるジイソシアネート化合物の製造方法は、従来公知の方法を採用することができる。即ち、両者を無溶剤の状態で混合・撹拌下に反応させる方法、両者を不活性溶剤に溶解させて反応させる方法などを採用することができる。反応温度、反応時間などは、両者の反応性や熱安定性などを考慮して最適条件を決めるべきである。また、ジイソシアネートの使用比率はポリアルキレングリコールに対して2.0モル以上、特に2.05モル以上が望ましい。
一方、(c)有機ジイソシアネート化合物の原料であるジイソシアネートとしては、公知の脂肪族、脂環族、芳香族のジイソシアネートの使用が可能である。例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジアニシジンイソシアネート、3,3′−ジトリレン−4,4′−ジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジメチルイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トランスビニレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられるが、保存安定性や反応性の面から脂肪族ジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートが好ましい。
また、(c)有機ジイソシアネート化合物の原料であるポリアルキレングリコールは、公知のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを使用することが好ましいが、上記以外のポリアルキレングリコールを使用することもできる。ポリアルキレングリコールの重量平均分子量は、100以上10000以下が好ましく、更に好ましくは200以上4000以下である。重量平均分子量が上記範囲より大きくなると、固化しやすくなり、一方、上記範囲より小さくなると、水分散性が悪化するおそれがある。
(A)成分中の(a)〜(c)の構成割合は、(a)5質量%以上35質量%以下、(b)3質量%以上15質量%以下、(c)50質量%以上87質量%以下であることが好ましい。(A)成分となる上記の(a),(b)と(c)の反応によって得られる付加重合体は、(B)光重合性不飽和化合物との相溶性から分子鎖中のポリアルキレングリコール(PAG)成分を含有していることが好ましく、さらにそれは水現像性の面からポリエチレングリコールであることが好ましい。(A)に含まれるPAG成分の割合は、ポリマー分子量に対して50〜80質量%の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは60〜75質量%の範囲である。PAG成分の割合が上記範囲未満では、安定した水現像性が満足できず、一方、上記範囲を超えると、親水性が大きくなり、さらに硬化性が著しく低下するために画像再現性が低下するおそれがある。
上記(A)付加重合体において分子鎖中のポリアルキレングリコール成分の含有割合を50〜80質量%の範囲に設定する方法としては、使用するジアミンのポリアルキレングリコールならびに有機イソシアネート化合物に含有させる方法が挙げられ、PAG成分の分子量ならびに添加割合により設定が可能である。PAGの分子量を大きくすれば、PAGの含有割合が増加し、また添加割合を増やせば、PAGの含有割合を増加させることができる。また、反対にPAGの分子量を下げるか、かつ/または添加量を下げることでPAGの含有割合を下げることが可能である。
上記付加重合体を得るためのジアミンとイソシアネート化合物との反応比率(アミノ基/イソシアネート基(当量比))は1.0以上、好ましくは1.02以上である。この場合、過剰の末端アミノ基が未反応のまま残存しても、それを用いた組成物の性能、物性などに悪影響を及ぼさない限り、特に問題はない。また、アミノ基/イソシアネート基(当量比)が1.0未満の場合は、ゲル化などの不都合な反応が起こりやすい。アミンとイソシアネートとの反応性は極めて大きいため、両者の反応は水、メタノールなどのアルコール類、あるいは水とアルコール類との混合物などの活性溶剤中でも可能であり、反応は速やかに完了する。また、両者の反応は、その系に合った最適条件下で行なわれるべきであるが、比較的低温、例えば室温においても速やかに反応する。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(B)光重合性不飽和化合物は、分子内に光重合可能な不飽和基を2個以上含有する化合物が好ましく、公知のものを使用することができる。このような化合物としては、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェイト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸と(メタ)アクリル酸とのトリエステル、多価アルコールのポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との開環付加反応生成物、例えば(ポリ)エチレングリコールジグシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、(ポリ)プロピレングリコールのジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、1,6−ヘキサメチレングリコールのジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、グリセリンジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリメチロールエタントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、イソフタル酸ジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、イソプレンオリゴマーのジカルボン酸のジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、その他の活性水素化合物とグリシジル(メタ)アクリレートとの開環付加反応生成物、例えば(ポリ)エチレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、(ポリ)プロピレングリコールとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、グリセリンとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、トリメチロールエタンとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、(メタ)アクリル酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、脂肪族多価カルボン酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、芳香族多価カルボン酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物、第1級または第2級アミノ基を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応によって得られる2個以上の不飽和基を有する化合物、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−m−フェニレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−m −キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、ジ(メタ)アクリルアミド−N−メチルエーテル、1,3−ビス[(メタ)アクリロイルアミノメチル]尿素、およびその誘導体、1,3−[ビス(メタ)アクリロイルアミノメチル]−1,3 −ジメチル尿素およびその誘導体、1,3−[ビス(メタ)アクリロイルアミノメチル]エチレン尿素およびその誘導体、1,3−[ビス(メタ)アクリロイルアミノメチル]トリメチレン尿素およびその誘導体、トリアクリルホルマール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート、1,3 −ジグリシジル,5−メチル,5エチルヒダントインなどの不飽和結合を2個以上有する化合物が挙げられるが、それらの中で画像再現性と現像性の面からグリセリン骨格が好ましく、特にグリセリンジメタクリレートや2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレートが好ましい。
(B)光重合性不飽和化合物は、単独で使用しても良いが、2種以上を併用してもよい。(B)光重合性不飽和化合物の使用量は、感光性樹脂組成物中の(A)合成高分子化合物100質量部に対して、10〜200質量部、特に好ましくは30〜150質量部である。(C)光重合性不飽和化合物の使用量が10質量部未満であると、露光後の組成物の機械的強度低下や現像性低下が起こり、また100質量部を超えると、未露光部の溶剤に対する耐性が充分でないために画像再現性が悪くなるおそれがある。
(C)光重合開始剤としては、公知のものが使用可能であり、具体的には、例えば、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アンスラキノン類、チオキサントン類などが使用できる。好適な例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、アンスラキノン、2−クロロアンスラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられる。(C)光重合開始剤は、感光性樹脂組成物中に0.05〜5重量%含有させるのが好ましい。0.05重量%より少ないと、光重合開始能力に支障をきたし、5重量%より多いと、印刷用レリーフを作成する場合の生版の厚み方向の光硬化性が低下し、画像の欠けが起こりやすくなるおそれがある。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要により熱重合禁止剤を添加してもよい。熱重合禁止剤は、凸版用感光性樹脂組成物の調合、製造、成形加工時などの加熱による予定外の熱重合、あるいは該組成物の保存中の暗反応を防止するために添加される。熱重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどのハイドロキノン類、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノンなどのベンゾキノン類、フェノール類、カテコール、p−tert−ブチルカテコールなどのカテコール類、芳香族アミン化合物類、ビクリン酸類、フェノチアジン、α−ナフトキノン類、アンスラキノン類、ニトロ化合物類、イオウ化合物類などが挙げられる。熱重合禁止剤の使用量は、感光性樹脂組成物の0.001〜2重量%、特に好ましくは0.005〜1重量%である。これらの化合物は単独でも二種以上併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、印刷用レリーフ版を得る場合の溶融成形法の他、例えば、熱プレス、注型、或いは、溶融押出し、溶液キャストなど公知の任意の方法により目的の製品に応じた所望の形状物に成形することができる。
印刷用レリーフ版を得る場合は、シート状に成形した成形物(生版)を、公知の接着剤を介して或いは介さずに支持体に積層して使用することができる。支持体としては、スチール、アルミニウム、ガラス、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、金属蒸着したフィルムなど任意のものが使用できる。シート状成形物(生版)を支持体上に積層した積層体にして供給する場合は、シート状成形物(生版)に接して保護層がさらに積層される。保護層は、フィルム状のプラスチック、例えば125μm厚のポリエステルフィルムに粘着性のない透明で現像液に分散又は溶解する高分子を1〜3μmの厚みで塗布したものが用いられる。この薄い高分子の皮膜を有する保護層をシート状成形物(生版)に接することによって、シート状成形物(生版)の表面粘着性が強い場合であっても次の露光操作時に行う保護層の剥離を容易に行うことができる。
このような組成物からなる層単独、もしくはこの層と支持体とからなる感光性樹脂凸版原版は、感光性樹脂層に透明画像部を有するネガフィルムまたはポジフィルムを密着して重ね合せ、その上方から活性光線を照射して露光を行なうと、露光部のみが不溶化ならびに硬化する。活性光線は、通常300〜450nmの波長を中心とする高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、ケミカルランプなどの光源を用いる。
次いで、適当な溶剤、特に中性の水により非露光部分を溶解除去することによって、鮮明な画像部を有する凸版を得る。このためには、スプレー式現像装置、ブラシ式現像装置などを用いる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明する。以下の実施例および比較例中の部数は質量部のことである。
実施例1
(合成高分子化合物の作製)
PAG成分を92質量%含有するジアミンJeffaminED−900(Mw(重量平均分子量):900)(HUNTSMAN)7.9部と2−メチル−1,5ペンタジアミン12.0部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)600部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物80.1部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を55.2質量%含有し、1.6の比粘度であった。
(感光性樹脂版組成物の作製)
このようにして得られた合成高分子化合物55.0部を、メタノール100部に65℃で加熱溶解し、N−エチルトルエンスルホン酸アミド5.0部、1,4−ナフトキノン0.001部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部を添加してさらに30分撹拌溶解させた。その後、乳酸3.6部、水18部、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール1.0部、光重合性不飽和化合物としてグリセリンジメタクリレート32.5部を添加して30分撹拌溶解させた。次いで、徐々に昇温してメタノールと水を留出させて、釜内の温度が110℃となるまで濃縮した。この段階で流動性のある粘稠な感光性樹脂組成物を得た。
(支持体部の作製)
次に、紫外線吸収剤としてジヒドロチオ−p−トルイジン0.5部をジメチルアミノアセトアミド3.6部に溶解させて、ポリエステル樹脂溶液として“バイロン30SS”(東洋紡績(株)製品、固形分濃度30%、分子量20000〜25000)100部、触媒として“U−CAT SA102”(サンアプロ(株)製品、DBU−オクチル酸塩組成物)0.2部をジオキサン0.7部に溶解して調合した。次に多官能イソシアネートとして“コロネートL“(日本ポリウレタン工業(株)製品)10.2部を酢酸エチル1.4部で溶解させて調合し、接着剤組成物溶液を得た。この溶液を250μm厚みの透明ポリエステルフィルムに均一に塗布し、120℃熱風乾燥機で1分間乾燥して塗膜20μmの透明な接着剤層を有する支持体を得た。
(カバー部の作製)
125μmのポリエステルフィルム上に厚み2μmのポリビニルアルコール(AH−26、日本合成化学(株)製)の被膜をコートし、カバー部を作製した。
(感光性樹脂版の作製)
支持体の被膜に接して上記の感光性樹脂組成物を流延し、カバー部の被膜側を感光性樹脂組成物に接するようにして、ラミネーター全厚みが1082μm、感光性樹脂層の厚みが700μのシート状積層体の感光性樹脂版を作製した。
実施例2
PAG成分を92質量%含有するジアミンJeffaminED−900(Mw:900)(HUNTSMAN)7.7部と1,3−アミノシクロヘキサン14.3部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)600部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物78部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を53.7質量%含有し、1.57の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
実施例3
PAG成分を92質量%含有するジアミンJeffaminED−900(Mw:900)(HUNTSMAN)19部と2−メチル−1,5ペンタジアミン7.8部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)600部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物73.2部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を61.3質量%含有し、1.6の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
実施例4
PAG成分を92質量%含有するジアミンJeffaminED−900(Mw:900)(HUNTSMAN)22部と1,3−アミノシクロヘキサン8.5部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)600部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物69.5部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を61.8質量%含有し、1.6の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
実施例5
PAG成分を88質量%含有するジアミンJeffaminED−600(Mw:600)(HUNTSMAN)22.5部と4,4−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)9.5部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)600部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物68部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を60.9質量%含有し、1.6の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
実施例6
PAG成分を92質量%含有するジアミンJeffaminED−900(Mw:900)(HUNTSMAN)38.5部とイソホロンジアミン4.5部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)600部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物57部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を69.4質量%含有し、1.6の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
実施例7
PAG成分を92質量%含有するジアミンJeffaminED−900(Mw:900)(HUNTSMAN)11.1部と1,3−アミノシクロヘキサン8.2部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリプロピレングリコール(Mw:1000)1000部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物80.7部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を67.7質量%含有し、1.62の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った
実施例8
PAG成分を92質量%含有するジアミンJeffaminED−900(Mw:900)(HUNTSMAN)26.5部と1,3−アミノシクロヘキサン5.5部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)1000部と4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート550部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物68.0部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を61.5質量%含有し、1.63の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
実施例9
PAG成分を82質量%含有するジアミンJeffamin D−400(Mw:430)(HUNTSMAN)12.1部と2−メチル−1,5ペンタジアミン8.0部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)600部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物79.9部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を57.7質量%含有し、1.6の可比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
比較例1
PAG成分を92質量%含有するジアミンJeffaminED−900(HUNTSMAN)3.3部と2−メチル−1,5ペンタジアミン10.0部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)1000部と4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート550部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物86.7部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を46.4質量%含有し、1.6の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
比較例2
PAG成分を92質量%含有するジアミンJeffaminED−900(HUNTSMAN)3.7部と1,3−アミノシクロヘキサン11.7部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリエチレングリコール(Mw:600)1000 部と4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート550部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物84.6部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を45.7質量%含有し、1.6の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
比較例3
2−メチル−1,5ペンタジアミン2.2部とビスアミノプロピルピペラジン11.7部をメタノール2000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリプロピレングリコール(Mw:1000)1000部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物86.1部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を61.4質量%含有し、1.61の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
比較例4
1,3−アミノシクロヘキサン2.6部とビスアミノプロピルピペラジン11.5部をメタノール2000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリプロピレングリコール(Mw:1000)1000部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物85.9部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を61.2質量%含有し、1.6の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
比較例5
ポリエチレングリコール(Mw:600)の両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得られるα、ω―ジアミノオキシエチレン18.6部と2−メチル−1,5ペンタジアミン7.4部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液に、ポリプロピレングリコール(Mw:600)600部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物74部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は65℃の温度で約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して得られた付加重合体は、PAG成分を60.0質量%含有し、1.63の比粘度であった。合成高分子化合物の作製以外の(感光性樹脂版組成物の作製)(支持体部の作製)(カバー部の作製)(感光性樹脂版の作製)は実施例1と同様に行った。
実施例1〜9及び比較例1〜5の感光性樹脂版の詳細を表1に示す。
Figure 2013210425
感光性樹脂版の感光性、現像性、印刷性の評価を以下の方法により行った。
(レリーフの画像再現性評価)
生版を7日間以上保管した後に、125μmのポリエステルフイルムを剥離して検査ネガフイルムを真空密着させ、25W/mのケミカルランプを用いて感光性樹脂表面より高さ5cmの距離から6分間露光した。
検査ネガフィルムの画像は
網点 175線 2%〜95%
独立点 直径100μm、200μm、300μmの点
独立細線 30μm、40μm、50μmの線
ステップガイド 感度測定用グレイスケールネガフイルム
があるものを使用した。
次にブラシ式ウォッシャー(120μmφナイロンブラシ、日本電子精機(株)制作JW−A2−PD型)で水道水を現像液にして、30℃で現像してレリーフ画像を得た。更に70℃で10分間、温風乾燥した後に超高圧水銀灯で30秒間後露光して得られたレリーフを評価した。評価結果は、レリーフの上記の部分の画像が欠け、よれがなく再現された網点、独立点、独立細線で表示した。
(現像性評価)
露光していない版において、上記ブラシ式ウォッシャー(、日本電子精機(株)制作JW−A2−PD型)で水道水を現像液にして、30℃での現像時間を指標に評価した。
評価結果は以下の基準で表示した。
○:10分以内に現像できたもの
△:15分以内に現像できたもの
×:15分以内に現像できなかったもの
(印刷性評価)
生版を7日間以上保管した後に、125μmのポリエステルフイルムを剥離して50×100mmのベタ画像(50×100mmの全面露光可能な画像)があるネガフィルムを真空密着させ、25W/mのケミカルランプを用いて感光性樹脂表面より高さ5cmの距離から4分間露光した。次にブラシ式ウォッシャー(120μmφナイロンブラシ、日本電子精機(株)制作JW−A2−PD型)で水道水を現像液にして、30℃で現像してレリーフ画像を得た。また、上記現像評価で×になったものは感光性樹脂組成物の作製に使用したメタノールを現像液として使用し、120μmφナイロンブラシを用いて20℃で現像を行った。その後、70℃で10分間、温風乾燥した後に超高圧水銀灯で30秒間後露光して得られた印刷用レリーフを作製した。
ベタ印刷抜け評価は、印刷機(三條機械製作所(株)製 P20−2C)によりインクとしてUV161S藍((株)T&K TOKA製)、印刷紙としてグロスPW8K((株)リンテック製)を用いて実施した。印刷条件は、インク送り量をベタインク濃度が1.5absになるように調整し、印刷速度20m/分、印圧200μm(レリーフを紙に押し込んだ距離)とし、1000ショット印刷した時点の印刷物のベタ印刷抜けの数を評価した。
評価結果は以下の基準で表示した。
○:抜けの数が3個以下
△:抜けの数が6個以上
×:抜けの数が9個以上
Figure 2013210425
本発明によれば、水現像性感光性樹脂凸版を印刷する際、紙粉付きを抑制して印刷抜けの少ない印刷物を作製することが可能となり、印刷欠点を削減することができ、産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (4)

  1. 少なくとも(A)合成高分子化合物、(B)光重合性不飽和化合物、及び(C)光重合開始剤から構成される感光性樹脂組成物であって、(A)が(a)プロピレングリコール成分単位を含むポリアルキレングリコール含有ジアミン及び(b)三級アミンを含有しない、主鎖に分岐または脂環構造を有するジアミンと、(c)有機ジイソシアネート化合物との反応で得られる付加重合体であり、(A)に含まれるポリアルキレングリコールの割合が50質量%以上80質量%以下であることを特徴とする凸版原版用感光性樹脂組成物。
  2. (a)が重量平均分子量200以上1000以下であることを特徴する請求項1に記載の凸版原版用感光性樹脂組成物。
  3. (a)がエチレングリコール成分単位及び/又はプロピレングリコール成分単位を含むポリアルキレングリコール含有ジアミンであり、(b)が脂環族ジアミンであり、(c)がエチレングリコール成分単位及び/又はプロピレングリコール成分単位を含む有機ジイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の凸版原版用感光性樹脂組成物。
  4. (A)中の(a)〜(c)の構成割合が、(a)5質量%以上35質量%以下、(b)3質量%以上15質量%以下、(c)50質量%以上87質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の凸版原版用感光性樹脂組成物。
JP2012078970A 2012-03-30 2012-03-30 凸版原版用感光性樹脂組成物 Pending JP2013210425A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012078970A JP2013210425A (ja) 2012-03-30 2012-03-30 凸版原版用感光性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012078970A JP2013210425A (ja) 2012-03-30 2012-03-30 凸版原版用感光性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013210425A true JP2013210425A (ja) 2013-10-10

Family

ID=49528339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012078970A Pending JP2013210425A (ja) 2012-03-30 2012-03-30 凸版原版用感光性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013210425A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6403269B1 (en) Photosensitive compositions and clean running photopolymer printing plates therefrom
US6214522B1 (en) Photosensitive resin composition useful in fabricating printing plates
JP2016191772A (ja) 凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれから得られる凸版印刷原版
CN111065964B (zh) 可水显影的柔性印刷用感光性树脂组合物、及由该组合物得到的柔性印刷用感光性树脂原版
WO2016043006A1 (ja) 水現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物及びフレキソ印刷用感光性樹脂原版
JP2014209229A (ja) 水現像性凸版印刷用感光性樹脂組成物及びそれから得られる水現像性凸版印刷用印刷原版
JP2008225464A (ja) 感光性樹脂凸用原版
JP2682211B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6903919B2 (ja) 水現像性凸版印刷用感光性樹脂組成物及びそれから得られる水現像性凸版印刷用感光性樹脂原版
JP5407222B2 (ja) レーザー彫刻用凸版印刷原版及びそれから得られる凸版印刷版
JP2013210425A (ja) 凸版原版用感光性樹脂組成物
JP5316534B2 (ja) レーザー彫刻用凸版印刷原版及びそれから得られる凸版印刷版
JP2013210426A (ja) 凸版原版用感光性樹脂組成物
JP6264679B1 (ja) 水現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物、及びそれから得られるフレキソ印刷用感光性樹脂原版
JP5028865B2 (ja) 感光性樹脂凸版組成物およびそれからなる感光性樹脂凸版材
JP5863086B1 (ja) 水現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物及びフレキソ印刷用感光性樹脂原版
US5204223A (en) Photosensitive resin composition
JP6558107B2 (ja) 凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれから得られる凸版印刷原版
JP7035729B2 (ja) 凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、及びそれから得られる凸版印刷原版
WO2024070139A1 (ja) 凸版印刷原版用感光性樹脂組成物、凸版印刷原版、及び印刷版
JP2007322681A (ja) 感光性樹脂凸版組成物およびそれからなる感光性樹脂凸版材
JP2017181782A (ja) 水現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物、及びそれから得られるフレキソ印刷用感光性樹脂原版
JP2016190408A (ja) レーザー彫刻用凸版印刷原版及びそれを用いて得られる凸版印刷版の製造方法
JPH0511447A (ja) 感光性樹脂組成物
EP0470636B1 (en) A photosensitive resin composition