JP2016223190A - 貫通孔カバー、及び区画貫通孔の防火構造 - Google Patents

貫通孔カバー、及び区画貫通孔の防火構造 Download PDF

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Abstract

【課題】区画貫通孔の耐火処理を容易に実現可能な貫通孔カバーを提供する。
【解決手段】本発明の貫通孔カバー1は、区画体11の貫通孔12に挿入されるものであって、本体2と、ヒレ部4a,4bとを備える。本体2は、筒状を呈し、配線あるいは配管が内挿される。ヒレ部4a,4bは、本体2の長手方向の一端や他端において、本体2の内部に設けられる。ヒレ部4a,4bは、本体2の内周面の周方向に並ぶ複数の突出片6から構成される。複数の突出片6は、本体2の内周面から径内側に突出しており、当該複数の突出片6の先端によって、配線あるいは配管の周囲が囲まれる。本体2や、ヒレ部4a,4bを構成する複数の突出片6は、熱膨張性を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、区画体の貫通孔に挿入される貫通孔カバー、及び当該貫通孔カバーを備える区画貫通孔の防火構造に関する。
従来、住宅の壁の区画貫通部の施工方法として、貫通部に耐火素材からなる貫通孔カバーを設置し、貫通孔カバーの内部に電気配線や配管を貫通させて、区画貫通部の耐火処理を施す工法が行われている。例えば特許文献1では、上記の貫通孔カバーとして金属製のスリーブを使用する方法が開示されている。この特許文献1では、区画体の貫通孔に鋼製電線管のスリーブが貫設され、スリーブの内部に配線や配管が挿通される。そして、耐火パテによって、スリーブの内周面と、配線または配管の外側面との間が閉塞される。
特開2014−137085号公報
しかしながら特許文献1のように、スリーブと配線または配管との間に耐火パテを埋める作業は煩雑であり、区画体の貫通孔が部屋の隅や天井近傍等に形成される場合には、耐火パテを埋める作業が困難となり、多大な負担を要する。また近年では作業者の高齢化が進んでおり、高齢の作業者にとっては、金属製のスリーブが重いことで、スリーブを施工位置に運ぶ作業が、大きな負担となっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、区画貫通孔の耐火処理を容易に実現可能な貫通孔カバー、及び当該貫通孔カバーを備える区画貫通孔の防火構造を提供することである。
本発明の第1観点に係る貫通孔カバーは、区画体の貫通孔に挿入される貫通孔カバーであって、筒状を呈し、配線あるいは配管が内挿される本体と、前記本体の長手方向の所定位置において、前記本体の内部に設けられるヒレ部とを備え、前記ヒレ部は、前記本体の内周面の周方向に並ぶ複数の突出片から構成され、前記複数の突出片は、前記本体の内周面から径内側に突出しており、当該複数の突出片の先端によって、前記配線あるいは前記配管の周囲が囲まれ、前記本体と、前記ヒレ部を構成する前記複数の突出片とは、熱膨張性を有する。
好ましくは、前記本体と、前記ヒレ部を構成する前記複数の突出片とは、熱膨張性の樹脂素材から形成される。
好ましくは、前記ヒレ部は、前記本体の長手方向に間隔をあけて複数設けられる。
好ましくは、前記本体の長手方向の所定位置には、前記本体の径外側に突出するフランジ部が設けられ、前記フランジ部は、熱膨張性の樹脂素材から形成される。
好ましくは、前記フランジ部は、前記本体の長手方向の一端に設けられる。また或いは、前記フランジ部は、前記本体の長手方向の途中位置に設けられ、前記フランジ部を境とする前記本体の長手方向の一端側の範囲と他端側の範囲とのうち、一方の範囲の長さは、他方の範囲の長さよりも、長い。
好ましくは、前記本体に、長手方向の一端から他端まで延びる切り込みが形成されるとともに、当該切り込みが、前記本体の周方向に隣り合う2つの前記突出片の間の間隙に連続することで、前記本体は略半割りの状態とされている。
好ましくは、各前記ヒレ部を構成する前記複数の突出片は、前記本体の中心から放射状に延びる間隙を介して、前記本体の内周面の周方向に並んでおり、前記本体の長手方向の一端又は他端から視る側面視において、一の前記ヒレ部における前記放射状の間隙は、他の前記ヒレ部における前記放射状の間隙と重なっていない。
本発明の第2観点に係る防火構造は、第1観点に係る貫通孔カバーと、貫通孔を有する区画体とを備え、前記貫通孔に前記貫通孔カバーの前記本体が挿入され、前記貫通孔カバーの前記本体に配線あるいは配管が内挿されている。
好ましくは、前記本体の長さが前記貫通孔の幅に一致することで、前記貫通孔の全幅に亘って前記本体が配置されている。
本発明によれば、貫通孔カバーの本体やヒレ部が熱膨張性を有することで、貫通孔カバーを区画体の貫通孔に挿入する簡易な作業で耐火処理を実現できる。このため、耐火パテを埋める煩雑な作業を要しない。したがって、区画貫通孔の耐火処理を容易に実現できる。
本発明の第1実施形態に係る防火構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る貫通孔カバーを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る貫通孔カバーを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る貫通孔カバーを示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係る防火構造を構築する手順を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る防火構造を構築する手順を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る防火構造の変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る防火構造を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る貫通孔カバーを示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る防火構造を構築する手順を示す断面図である。
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る防火構造10を示す断面図である。図2や図3は、第1実施形態に係る貫通孔カバー1を示す斜視図である。図4は、第1実施形態に係る貫通孔カバー1を示す正面図である。図4(a)は貫通孔カバー1の長手方向の一端から視た図であり、図4(b)は貫通孔カバー1の長手方向の他端から視た図である。
図1に示すように、防火構造10は、区画体11と、貫通孔カバー1とを備える。区画体11は、上下方向に延びる建築物の壁であり、防火区画A,Bを区画する。区画体11としての壁の構造は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄筋コンクリート構造(RC)や軽量気泡コンクリート構造(ALC)の他、図示は省略するが、木製又は鋼製の間柱を挟み込むように両側に石膏ボードを固定した間仕切壁(中空壁)などを挙げることができる。区画体11には、防火区画A,Bを連通させる貫通孔12が形成される。壁が間仕切壁(中空壁)の場合には、各石膏ボードに貫通孔12が形成される。貫通孔12の断面は、円形状や矩形状など、種々の形状に形成される。
貫通孔カバー1は、貫通孔12を通じた火災の伝搬を阻止すべく、貫通孔12に挿入されるものである。貫通孔カバー1は、本体2と、フランジ部3と、ヒレ部4a,4bとを備える。本体2は、貫通孔12の断面に対応する筒状を呈しており、貫通孔12に挿入される(貫通孔12の断面が円形状であることで、図示の例では、本体2が円筒状を呈している)。本体2は、その長さが貫通孔12の幅に一致することで、貫通孔12の全幅に亘って配置されている(図1)。本体2の内部には、配線5あるいは配管が内挿される。配線5は、例えば電線や光ファイバケーブルである。配管は、例えば水道管や給水管、排水管、冷媒管である。
フランジ部3は、本体2の長手方向の一端に設けられ、本体2の径外側に突出する。フランジ部3は、所定の厚みを有する円板状であり、その外形は区画体11の貫通孔12の外形よりも大きい。なお、フランジ部3は、必ずしも外形が円形である必要はなく、例えば四角形や六角形などの多角形(好ましくは正多角形)であってもよい。図1に示すように、フランジ部3は、貫通孔12の外側に位置して、区画体11の壁面に沿っている。フランジ部3を、接着剤や粘着剤、粘着テープ、又はその他、ビスなどの固定具を用いて区画体11の壁面に固着することで、貫通孔カバー1を区画体11に固定できる。
ヒレ部4aは、本体2の長手方向の一端の内部に設けられる。ヒレ部4bは本体2の長手方向の他端の内部に設けられる。図2に示すように、ヒレ部4aは突出片6a〜6hから構成され、ヒレ部4bは突出片6i〜6pから構成される。突出片6a〜6hや、突出片6i〜6pは、放射状の間隙7を介して本体2の内周面の周方向に並んでいる。突出片6の各々は、本体2の内周面から径内側に突出している。間隙7が本体2の中心から放射状に延びることで、突出片6a〜6hや、突出片6i〜6pは、本体2の中心(間隙7の交差点)に向けて略三角状に突出しており、ヒレ部4a(突出片6a〜6h)や、ヒレ部4b(突出片6i〜6p)は、本体2の横断面のほぼ全体(間隙7を除く横断面の範囲)を閉塞している。
本体2内の気密性を高めることや、本体2内における光の通過を阻止することを目的として、図4に示すように、ヒレ部4aにおける間隙7と、ヒレ部4bにおける間隙7とは、側面視で重ならないように形成されている(図4(a)では、ヒレ部4aの間隙7を実線で示し、ヒレ部4bの間隙7を破線で示す。図4(b)では、ヒレ部4bの間隙7を実線で示し、ヒレ部4aの間隙7を破線で示す)。上記の側面視とは、本体2の長手方向の一端又は他端から本体2を視る視方である。なお詳細には、側面視で重ならないヒレ部4a,4bの間隙7の範囲は、間隙7の交差点を除く範囲であり、ヒレ部4aやヒレ部4bの間隙7の交差点は、いずれも本体2の中心にあるため、側面視で重なる。このヒレ部4aやヒレ部4bの間隙7の交差点は、突出片6a〜6hの先端や突出片6i〜6pの先端によって囲まれる範囲であり、この範囲に配線5や配管が通される。なお図示の例では、突出片6a〜6hや突出片6i〜6pの先端が尖った形状を呈しているが、突出片6a〜6hや突出片6i〜6pの先端の形状は、配線5や配管の外形に対応する丸みを帯びた形状であってよい。
図2に示すように、本体2には長手方向の一端から他端まで延びる切り込み8が形成されており、この切り込み8にヒレ部4a,4bにおける1つの間隙7が連続している。すなわち、ヒレ部4aでは、隣り合う突出片6dと突出片6eの間の間隙7aが切り込み8の一端8aに連続している(フランジ部3には径方向に延びる切り欠け8aが形成されており、この切り欠け8aによって切り込み8の一端が構成されて、当該切り欠け8aに間隙7aが連続している)。またヒレ部4bでは、隣り合う突出片6lと突出片6mの間の間隙7bが切り込み8の他端8bに連続している。このように間隙7a,7bが切り込み8に連続することで、貫通孔カバー1は略半割りの状態とされており、図3に示すように、半割の一方側・他方側を引き開く力Fを加えることで、切り込み8や間隙7a,7bの幅を拡げることができる。
上述した本体2やフランジ部3やヒレ部4a,4bは、いずれも樹脂成分に熱膨張性層状無機物と無機充填材とを含む熱膨張性の耐火樹脂素材から形成される。フランジ部3やヒレ部4a,4bは本体2と一体で成形されることが好ましいが、フランジ部3やヒレ部4a,4bを、本体2と別体で形成し、粘着剤や接着剤などを用いて本体2に後付けで設けてもよい。なお、フランジ部3を本体2と別体で形成する場合には、フランジ部3は、必ずしも熱膨張性を有する必要はないが、耐火性を有することが好ましい。
上記の樹脂成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム物質、およびそれらの組み合わせが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂類が挙げられる。
上記の熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等が挙げられる。
ゴム物質としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質等が挙げられる。
これらの合成樹脂類及び/又はゴム物質は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらの合成樹脂類及び/又はゴム物質の中でも、柔軟でゴム的性質を持っているものが好ましい。この様な性質を持つものは無機充填材を高充填することが可能であり、得られる樹脂組成物が柔軟で扱い易いものとなる。より柔軟で扱い易い樹脂組成物を得るためには、ブチル等の非加硫ゴムやポリエチレン系樹脂が好適に用いられる。代わりに、樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
熱膨張性層状無機物は加熱時に膨張するものであるが、かかる熱膨張性層状無機物に特に限定はなく、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等を挙げることができる。熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュより大きいと、黒鉛の膨張度が膨張断熱層が得るのに十分であり、また粒度が20メッシュより小さいと、樹脂に配合する際の分散性が良く、物性が良好である。熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「GREP−EG」、GRAFTECH社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。
また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm以上であると、分散性が良好である。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましいが、100μm以下の粒径が成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性の点で望ましい。
無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
さらに、熱膨張性耐火材を構成する樹脂組成物は、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、さらにリン化合物を含んでもよい。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、防火性能の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及び、下記化学式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、コスト等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
化学式(1)中、R1及びR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。ポリリン酸アンモニウム類としては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取り扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。前記のリン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂成分100重量部に対し、前記熱膨張性層状無機物を10〜350重量部及び前記無機充填材を30〜400重量部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記熱膨張性層状無機物および前記無機充填材の合計は、樹脂成分100重量部に対し、50〜600重量部の範囲が好ましい。
かかる樹脂組成物は加熱によって膨張し耐火断熱層を形成する。この配合によれば、前記熱膨張性耐火材は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することもでき、安定した防火性能を達成することができる。
前記樹脂組成物における熱膨張性層状無機物及び無機充填材の合計量は、50重量部以上では燃焼後の残渣量を満足して十分な耐火性能が得られ、600重量部以下であると機械的物性が維持される。
さらに本発明に使用する前記樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂、成型補助材等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
熱膨張性耐火材は市販品として入手可能であり、例えば、住友スリーエム社製のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトを含有する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)、積水化学工業社製フィブロック等の熱膨張性耐火材等も挙げられる。
前記熱膨張性耐火材は、火災時などの高温にさらされた際にその膨張層により断熱し、かつその膨張層の強度があるものであれば特に限定されないが、50kW/m2の加熱条件下で30分間加熱した後の体積膨張率が3〜50倍のものであれば好ましい。前記体積膨張率が3倍以上であると、膨張体積が前記樹脂成分の焼失部分を十分に埋めることができ、また50倍以下であると、膨張層の強度が維持され、火炎の貫通を防止する効果が保たれる。
図5は、防火構造10を構築する手順を示す断面図である。上述した防火構造10は、以下の(A)〜(E)の作業を順次実行することで構築される。
(A)区画体11に貫通孔12を形成する。
(B)図5(a)に示すように、区画体11の貫通孔12に配線5あるいは配管を通す。
(C)図5(b)に示すように、貫通孔12の外側に延び出た配線5あるいは配管の範囲に貫通孔カバー1を被せる。この際には、フランジ部3が区画体11の反対側に位置するように、貫通孔カバー1の向きを調整する。また、図3に示すように貫通孔カバー1の切り込み8の幅を拡げて、配線5あるいは配管を、切り込み8から本体2の内側に入れ、ヒレ部4a,4bの突出片6の先端で囲まれる範囲(間隙7の交差点)に位置付ける。
(D)図5(c)に示すように、配線5あるいは配管に沿って貫通孔カバー1をスライドさせて、本体2を貫通孔12内に挿入し、フランジ部3を区画体11の壁面に沿わせる。これにより、本体2が貫通孔12に配置されるとともに、本体2の内部に配線5あるいは配管が内挿された状態になる。
(E)フランジ部3を、接着剤や粘着剤、粘着テープ、ビスなどを用いて区画体11の壁面に固着することで、貫通孔カバー1を区画体11に固定する。
図6は、防火構造10を構築する別の手順を示す断面図である。防火構造10は、以下の(F)〜(I)の手順を順次実行することによっても構築できる。
(F)区画体11に貫通孔12を形成する。
(G)図6(a)に示すように、貫通孔カバー1の本体2を貫通孔12に挿入する。この際には、フランジ部3を設けていない本体2の他端側から貫通孔12内に挿入し、フランジ部3を区画体11の壁面に沿わせる。
(H)図6(b)に示すように、配線5あるいは配管を本体2内に挿通する。この際には、配線5あるいは配管を、ヒレ部4a,4bの突出片6の先端で囲まれる範囲(間隙7の交差点)に通す。
(I)フランジ部3を、接着剤や粘着剤、粘着テープ、ビスなどを用いて区画体11の壁面に固着することで、貫通孔カバー1を区画体11に固定する。
上述の手順で防火構造10が構築されて、防火区画A,Bのいずれか一方の区画で火災が生じた場合には、貫通孔12を伝わる火災の熱によって、貫通孔カバー1(本体2・ヒレ部4a,4b・フランジ部3)が膨張する。そして、この膨張した貫通孔カバー1が、貫通孔12の空隙を閉塞するので、他方の区画に火災が伝搬することが防止される。
本実施形態によれば、本体2やフランジ部3やヒレ部4a,4bが熱膨張性を有することで、貫通孔カバー1を貫通孔12に挿入する簡易な作業で耐火処理を実現できる。このため、耐火パテを埋める煩雑な作業を要しない。また、本体2やフランジ部3やヒレ部4a,4bが樹脂素材から形成されるため、貫通孔カバー1の重量は軽い。したがって、貫通孔カバー1を施工位置に運ぶ作業や、貫通孔カバー1を貫通孔12に挿入する作業が容易である。以上のことから、貫通孔12の耐火処理を容易に実現できる。
また、複数のヒレ部4が本体2の長手方向に間隔をあけて設けられるので、これらヒレ部4により配線5等を張った状態で支持することができる。
また、本体2の一端に設けたフランジ部3を区画体11の壁面に沿わせることで、貫通孔カバー1が貫通孔12の奥に入り込むことを防止できる。
また、本体2の長手方向の一端或いは他端から視る側面視において、ヒレ部4aの間隙7と、ヒレ部4bの間隙7とが重なっていないことで、貫通孔カバー1を通じて、防火区画A,Bの一方から他方へ光が漏れることを防止できる。また、貫通孔カバー1内の気密性を高めることができ、火が貫通孔カバー1を通過することを阻止できる。
また、貫通孔カバー1が略半割りの状態とされているので、図5(a)に示すように区画体11の貫通孔12に配線5あるいは配管が既に挿入されている状況においても、本体2を貫通孔12に配置して、本体2の内部に配線5あるいは配管を内挿した状態にすることができる(図5(c))。
なお図1では、本体2の長さが区画体11の貫通孔12の幅に一致することで、貫通孔12の全幅に亘って貫通孔カバー1が配置される例を示したが、本体2の長さは、貫通孔12の幅より短くてもよい。この場合には、貫通孔カバー1が配置されていない貫通孔12の範囲に、金属製のスリーブが配置され得る。或いは図7に示すように、貫通孔12の両側から2つの貫通孔カバー1,1の本体2,2を貫通孔12に挿入して、これら本体2,2内に配線5あるいは配管を挿通させてもよい。
図8は、第2実施形態に係る防火構造20を示す断面図である。図9は、第2実施形態に係る貫通孔カバー30を示す斜視図である。以下、これらの図を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお以下では、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る防火構造20は、区画体21と、貫通孔カバー30とを備える。区画体21は、両側に石膏ボード22,22を固定した二重壁であり、上下方向に延びる。各石膏ボード22には、防火区画A,Bを連通させる貫通孔23が形成される。
貫通孔カバー30は、本体2と、フランジ部3と、ヒレ部4c,4d,4eとを備えており、これらは、上述した熱膨張性の耐火樹脂素材から形成される。なお、フランジ部3は、熱膨張性を有しないものであってもよい。
第2実施形態に係る貫通孔カバー30では、本体2の長手方向の途中位置に、本体2の径外側に突出するフランジ部3が形成されており、フランジ部3を境とする本体2の長手方向の一端側の範囲2aと他端側の範囲2bとのうち、一端側の範囲2aの長さは、他端側の範囲2bの長さよりも、長くなっている。本体2の一端側範囲2aの内部には、ヒレ部4cとヒレ部4dとが設けられる。本体2の他端側範囲2bの内部には、ヒレ部4eが設けられる。これらヒレ部4c,4d,4eは、6つの突出片6が放射状の間隙7を介して本体2の内周面の周方向に並ぶものであり、突出片6の各々は、本体2の内周面から径内側に突出する。また、本体2の長手方向の一端又は他端から視る側面視において、一のヒレ部4における間隙7は、他のヒレ部4における間隙7と重ならないように形成されている。
図8に示すように、本体2の他端側範囲2bは、石膏ボード22,22の一方の貫通孔23に挿入され、本体2の一端側範囲2aは、区画体21の外側に延び出される。そして、本体2に配線5あるいは配管が内挿されて、ヒレ部4c,4d,4eの突出片6の先端によって配線5あるいは配管の周囲が囲まれている。
図10は、防火構造20を構築する別の手順を示す断面図である。防火構造20は、以下の手順(J)〜(M)を順次実行することで構築される。
(J)区画体21に貫通孔23を形成する。
(K)図10(a)に示すように、防火区画A,Bの一方から(図示の例では防火区画Aから)、本体2の他端側範囲2bを区画体21の貫通孔23に挿入し、フランジ部3を区画体21の壁面に沿わせる。
(L)図10(b)に示すように、防火区画A,Bの一方から(図示の例では防火区画Aから)、配線5あるいは配管を本体2内に挿通する。この際には、配線5あるいは配管を、ヒレ部4c,4d,4eの突出片6の先端で囲まれる範囲(間隙7の交差点)に通す。
(M)フランジ部3を、接着剤や粘着剤、粘着テープ、ビスなどを用いて区画体21の壁面に固着することで、貫通孔カバー30を区画体21に固定する。
なお図示を省略するが、第2実施形態でも、貫通孔カバー30の本体2に、長手方向の一端から他端まで延びる切り込みを形成し、この切り込みにヒレ部4c,4d,4eの1つの間隙7を連続させることで、貫通孔カバー30が略半割りの状態とされてもよい。この場合、以下の手順(N)〜(R)を順次実行することで防火構造20を構築できる。
(N)区画体21に貫通孔23を形成する。
(O)防火区画A,Bの一方から、区画体21の貫通孔23に配線5あるいは配管を通す。
(P)防火区画A,Bの一方において、貫通孔23の外側に延び出た配線5あるいは配管の範囲に貫通孔カバー30を被せる。この際には、本体の他端側範囲2bが区画体11側に位置するように、貫通孔カバー30の向きを調整する。また、本体2の切り込みの幅を拡げて、配線5あるいは配管を、切り込みから本体2の内側に入れ、ヒレ部4c,4d,4eの突出片6の先端で囲まれる範囲(間隙7の交差点)に位置付ける。
(Q)配線5あるいは配管に沿って貫通孔カバー30をスライドさせて、本体2の他端側範囲2bを貫通孔23内に挿入し、フランジ部3を区画体21の壁面に沿わせる。これにより、本体2の他端側範囲2bが貫通孔23に配置されるとともに、本体2の内部に配線5あるいは配管が内挿された状態になる。
(R)フランジ部3を、接着剤や粘着剤、粘着テープ、ビスなどを用いて区画体21の壁面に固着することで、貫通孔カバー30を区画体21に固定する。
以上の手順(N)〜(R)によれば、区画体21の貫通孔23に配線5あるいは配管が既に挿入されている状況においても、本体2の他端側範囲2bを貫通孔23に配置し、本体2の内部に配線5あるいは配管を内挿した状態にすることができる。
上述の手順で防火構造10が構築されて、防火区画A,Bのいずれか一方の区画で火災が生じた場合には、貫通孔23を伝わる火災の熱によって、貫通孔カバー30(本体2・ヒレ部4c,4d,4e・フランジ部3)が膨張する。そして、この膨張した貫通孔カバー30が、貫通孔23の空隙を閉塞するので、他方の区画に火災が伝搬することが防止される。
第2実施形態によれば、本体2の他端側範囲2bが短いので、本体2の他端側範囲2bを貫通孔23に挿入する作業が容易である。また、熱膨張性の耐火樹脂素材からなる本体2の一端側範囲2aを、区画体21の外側に長く設けることができるので、区画体21の一方側(一端側範囲2aの設置側)における貫通孔23の出口を強固に封鎖することができる。これにより、区画体21の他方側における貫通孔23の出口を塞がなくてよいので、防火区画A,Bの一方からの片側施工により、貫通孔23の耐火処理を実現できる。
本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々変更することができる。
例えば、上記の実施形態では、ヒレ部4を、本体2の一端・他端や他端側寄りの途中位置に設ける例を示したが、ヒレ部4を本体2の長手方向の中央位置に設けてもよい。また上記の実施形態では、ヒレ部4の数を2や3にする例を示したが、ヒレ部4の数は、2や3よりも多い複数であってもよい。この場合、本体2の長手方向の一端又は他端から視る側面視において、一のヒレ部4における放射状の間隙7は、他のヒレ部4における放射状の間隙7と重ならないように形成される。また、ヒレ部4は1つのみ設けられてもよい。
また、ヒレ部4を構成する突出片6の数は、上記実施形態に示す8や6に限らず、任意の複数とすることができる。また、各ヒレ部4に形成する間隙7の幅や位置も、本体2内における光の通過を防止し、本体2内の気密性を確保できる限りにおいて、任意の幅や位置に設定できる。
また上記の実施形態によれば、耐火パテを埋める作業を省略できるので作業負担を軽減できる旨述べたが、本発明は、耐火パテを使用することを否定するものではなく、必要に応じて、本体2の一端や他端における内部等を耐火パテで埋めてもよい。
また、本発明の防火構造が備える区画体は、上下方向に延びる壁に限らず、水平方向に延びる床又は板であってもよい。この場合、区画体には上下方向の貫通孔が形成され、当該貫通孔に貫通孔カバー1,30が挿通される。このようにすることで、区画体を介する上層階或いは下層階のいずれか一方で火災が生じたときに、貫通孔を通じて他方の階に火災が伝搬することを防止できる。また、貫通孔の上方から貫通孔カバー1,30を挿通し、フランジ部3を上層階の床面に沿わせることで、貫通孔カバー1,30が下方にずれ落ちて貫通孔の奥に入り込むことを防止できる。
1,30 貫通孔カバー
2 本体
2a 本体の長手方向の一端側の範囲
2b 本体の長手方向の一端側の範囲
3 フランジ部
4 ヒレ部
5 配線
6 突出片
7 間隙
8 切り込み
10,20 防火構造
11,21 区画体
12,23 貫通孔

Claims (10)

  1. 区画体の貫通孔に挿入される貫通孔カバーであって、
    筒状を呈し、配線あるいは配管が内挿される本体と、
    前記本体の長手方向の所定位置において、前記本体の内部に設けられるヒレ部とを備え、
    前記ヒレ部は、前記本体の内周面の周方向に並ぶ複数の突出片から構成され、
    前記複数の突出片は、前記本体の内周面から径内側に突出しており、当該複数の突出片の先端によって、前記配線あるいは前記配管の周囲が囲まれ、
    前記本体と、前記ヒレ部を構成する前記複数の突出片とは、熱膨張性を有する貫通孔カバー。
  2. 前記本体と、前記ヒレ部を構成する前記複数の突出片とは、熱膨張性の樹脂素材から形成される請求項1に記載の貫通孔カバー。
  3. 前記ヒレ部は、前記本体の長手方向に間隔をあけて複数設けられる請求項1又は2に記載の貫通孔カバー。
  4. 前記本体の長手方向の所定位置には、前記本体の径外側に突出するフランジ部が設けられ、
    前記フランジ部は、熱膨張性の樹脂素材から形成される請求項1乃至3のいずれかに記載の貫通孔カバー。
  5. 前記フランジ部は、前記本体の長手方向の一端に設けられる請求項4に記載の貫通孔カバー。
  6. 前記フランジ部は、前記本体の長手方向の途中位置に設けられ、
    前記フランジ部を境とする前記本体の長手方向の一端側の範囲と他端側の範囲とのうち、一方の範囲の長さは、他方の範囲の長さよりも、長い請求項4に記載の貫通孔カバー。
  7. 前記本体に、長手方向の一端から他端まで延びる切り込みが形成されるとともに、当該切り込みが、前記本体の周方向に隣り合う2つの前記突出片の間の間隙に連続することで、前記本体は略半割りの状態とされている請求項1乃至6のいずれかに記載の貫通孔カバー。
  8. 各前記ヒレ部を構成する前記複数の突出片は、前記本体の中心から放射状に延びる間隙を介して、前記本体の内周面の周方向に並んでおり、
    前記本体の長手方向の一端又は他端から視る側面視において、一の前記ヒレ部における前記放射状の間隙は、他の前記ヒレ部における前記放射状の間隙と重なっていないことを特徴とする請求項1乃至7に記載の貫通孔カバー。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の貫通孔カバーと、
    貫通孔を有する区画体とを備え、
    前記貫通孔に前記貫通孔カバーの前記本体が挿入され、
    前記貫通孔カバーの前記本体に配線あるいは配管が内挿されていることを特徴とする区画貫通孔の防火構造。
  10. 前記本体の長さが前記貫通孔の幅に一致することで、前記貫通孔の全幅に亘って前記本体が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の区画貫通孔の防火構造。
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