JP7479298B2 - 耐火部材、防火構造体および防火構造体の施工方法 - Google Patents

耐火部材、防火構造体および防火構造体の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、区画部への配管やケーブルなどの貫通部に対して耐火性能を確保するための耐火部材等に関するものである。
建造物等において、区画部で区画された各部屋に配管やケーブル(以下、単に長尺体と称する場合がある)が敷設される場合がある。この場合、例えば一方の部屋で火災が発生すると、長尺体を伝って、火災が建造物全体に広がり、甚大な被害をもたらすおそれがある。
このような区画部を貫通する長尺体の耐火構造としては、例えば熱膨張性のパテやモルタルを長尺体と貫通孔との間に充填する方法がある(例えば、特許文献1)。
しかし、長尺体の周囲に直接熱膨張性部材を充填するのは、作業性が悪い。また、過剰な量の熱膨張性部材を必要とするため、コストが高くなる。
これに対し、略筒状の本体部と、本体部の内面に設けられる熱膨張性部材と、本体部および熱膨張性部材の内周面に設けられる発泡体とを具備し、発泡体の内面側に、凹凸形状が形成される耐火部材がある(例えば、特許文献2)。
特開平09-262305号公報 特開2016-112345号公報
しかし、特許文献2のように、長尺体の周囲に発泡体を配置し、その外周に熱膨張性部材を配置すると、特に径の大きな貫通孔に長尺体を配置する場合に、所望の耐火性能を得ることが困難な場合がある。例えば、貫通孔の径が大きい場合には、熱膨張性部材から長尺体までの距離が長くなるため、貫通孔を閉塞するためには、より大きな膨張量が必要となる。このため、貫通孔を閉塞するまでに時間を要し、より多くの熱膨張性部材が必要となる。
また、特許文献2のような構成は、所定以下の径の貫通孔に対しては、取り付け性にも優れ、高い耐火性能を確保することができるが、本体部と熱膨張性部材と、発泡体とからなるため、部品点数が多くなり、コスト増及び重量増となる。このため、より大きな貫通孔にも適用可能で、より簡易な構造の耐火部材が望まれる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、簡易な構造で、大きな貫通孔にも適用することが可能な耐火部材等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、区画部の貫通孔に挿入される耐火部材であって、熱膨張材が分散して含まれている第1発泡体を具備し、前記第1発泡体が丸められて筒状体が形成され、前記筒状体の軸方向における複数の部位に、中心方向に向けて複数の第1舌状片が周方向に配置され、前記筒状体の筒部と前記第1舌状片が前記第1発泡体によって一体で構成され、挿入方向の先端側の前記第1舌状片は、前記筒状体の内部方向に折り返され、部分的に前記第1発泡体が2重になりうることを特徴とする耐火部材である。
前記筒状体の両端部に、複数の切れ込みが形成されて前記第1舌状片が形成され、前記第1舌状片が、前記筒状体の両端部において中心方向に向けて折り曲げられていてもよい。
前記第1舌状片が、前記筒状体の内面に固定されてもよい。すなわち、第1舌状片の形成位置は、筒状体の両端部に限定するものではない。また、第1舌状片の周方向の形成位置は、同一平面上でなくてもよい。
前記筒状体の軸方向の一部の端部における前記第1舌状片の周方向の形成位置と、前記筒状体の軸方向の他の部位における前記第1舌状片の周方向の形成位置とが互いにずれていることが望ましい。
前記筒状体は、前記第1発泡体の外周部に、熱膨張材が分散して含まれている第2発泡体が巻き付けられて形成され、前記第2発泡体の一方の端部には複数の切れ込みが形成されて第2舌状片が形成され、前記第2舌状片が、前記筒状体の一方の端部側において外側に向けて折り曲げられてフランジ部が形成されてもよい。
前記筒状体の一方の端部側において、前記第1舌状片の間に、外側に向けて折り曲げられる第2舌状片が形成されてフランジ部が形成されてもよい。
前記筒状体の外周部には金属テープ又は金属板が巻き付けられることが望ましい。
前記筒状体の外周部において、前記金属テープ又は前記金属板が巻き付けられずに、周方向に前記筒状体が露出する部位があることが望ましい。
前記第1舌状片の折り曲げられた長さが、前記筒状体の内径の1/2よりも長くてもよい。
前記筒状体の内部に、熱膨張材が分散して含まれている第3発泡体が張り付けられてもよい。
第1の発明によれば、モルタルなどを使用することなく、防火構造体を得ることができるため、作業性に優れる。また、筒状体を構成する発泡体自体に熱膨張材が分散して含まれているため、熱膨張材を長尺体の近い位置に配置させて接触させることができる。このため、貫通孔のサイズが大きい場合でも、短時間で熱膨張材により貫通孔を閉塞することができる。また、長尺体が貫通する部位において、区画部の内外の目隠しを行う第1舌状片が、複数個所に配置されるため、長尺体を確実に支持して目隠しを行うことができる。
また、第1舌状片を筒状体の両端を折り曲げて形成することで、第1舌状片が筒状体と一体で形成されるため、部品点数が少なく構造が簡易である。
また、第1舌状片を筒状体の内面に固定することで、筒状体の任意の位置に第1舌状片を配置することができる。
また、筒状体の軸方向の異なる部位のそれぞれの第1舌状片の周方向の形成位置が互いにずれていることで、第1舌状片同士の隙間の位置をずらすことができるため、目隠し効果がより大きい。
また、第1発泡体の外周部に、熱膨張材が分散して含まれている第2発泡体を巻き付けることで、筒状体の肉厚を厚くして、より大きな膨張量を得ることができ、また、貫通孔内面と長尺体との隙間を小さくすることができる。この際、第2発泡体の端部に第2舌状片を形成して、第2舌状片を外側に向けて折り曲げてフランジ部を形成することで、貫通孔に対して筒状体の軸方向の位置決めを行うことができる。
また、筒状体の一方の端部側において、第1舌状片の間に第2舌状片を外側に向けて折り曲げてフランジ部を形成すれば、第1発泡体のみで目隠しと貫通孔に対する筒状体の軸方向の位置決めの機能を得ることができる。
また、筒状体の外周部に金属テープ又は金属板を巻き付けることで、貫通孔に挿入する際に、筒状体の潰れや変形が抑制され、容易に貫通孔へ挿入することができる。
この際、筒状体の外周部において、金属テープ又は金属板が巻き付けられずに、周方向に筒状体が露出する部位を設けることで、発泡体の変形により、貫通孔の内面と筒状体とを密着させることができる。
また、第1舌状片の長さを、筒状体の内径の1/2よりも長くすることで、第1舌状片の先端同士を突き合せた際に、第1舌状片を筒状体の径方向に対して斜めに形成することができる。このため、より確実に長尺体と接触させることができるとともに、目隠しの効果を大きくすることができる。
また、筒状体の内部に、熱膨張材が分散して含まれている第3発泡体を張り付けることで、筒状体の内面と長尺体との隙間を埋めることができる。
第2の発明は、区画部に設けられた貫通孔と、前記貫通孔に設けられた耐火部材と、前記耐火部材に挿通される長尺体と、を具備する防火構造体であって、前記耐火部材は、熱膨張材が分散して含まれている第1発泡体を具備し、前記第1発泡体によって筒状体が形成され、前記筒状体の軸方向における複数の部位に、中心方向に向けて複数の第1舌状片が周方向に形成されており、前記筒状体の筒部と前記第1舌状片が前記第1発泡体によって一体で構成され、挿入方向の先端側の前記第1舌状片は、前記筒状体の内部方向に折り返され、部分的に前記第1発泡体が2重になり、前記長尺体が、前記第1舌状片と接触することを特徴とする防火構造体である。
前記貫通孔の内部において、前記筒状体の少なくとも一部の内面と、前記長尺体との間には、隙間が形成されてもよい。
第2の発明によれば、簡易な構造で、貫通孔のサイズに応じて適用することが可能な防火構造体を得ることができる。
また、長尺体と筒状体との間に隙間を形成することで、長尺体に対して筒状体をすべりやすくすることができる。このため、貫通孔への設置が容易となる。
第3の発明は、区画部に形成された貫通孔に耐火部材が設けられた防火構造体の施工方法であって、前記耐火部材は、熱膨張材が分散して含まれている第1発泡体を具備し、前記第1発泡体によって筒状体が形成され、前記筒状体の軸方向における複数の部位に、中心方向に向けて複数の第1舌状片が周方向に形成され、前記筒状体の筒部と前記第1舌状片が前記第1発泡体によって一体で構成され、前記筒状体の周方向の一部に、前記筒状体の軸方向に沿ってスリットが形成されており、前記貫通孔に長尺体を通す工程と、前記スリットを開き、前記耐火部材を前記長尺体の外周に取り付け、前記貫通孔に挿入する工程と、を具備し、前記貫通孔に前記長尺体を通す工程において、挿入方向の先端側の前記第1舌状片が、前記筒状体の内部方向に折り返され、部分的に前記第1発泡体が2重になることを特徴とする防火構造体の施工方法である。
第3の発明によれば、モルタルなどを使用することなく、貫通孔に挿入するだけでよいため、容易に防火構造体を得ることができる。
本発明によれば、簡易な構造で、大きな貫通孔にも適用することが可能な耐火部材等を提供することができる。
耐火部材1を示す側面図。 耐火部材1の正面図。 耐火部材1を示す断面図であって、図2BのC-C線断面図。 耐火部材1を示す断面図であって、図2AのA-A線断面図。 筒状体3を構成する前の発泡体13aを示す展開図。 防火構造体20を施工する工程を示す図。 防火構造体20を施工する工程を示す図。 耐火部材1aを示す側面図。 耐火部材1aの正面図。 耐火部材1aを示す断面図であって、図5AのF-F線断面図。 防火構造体20aを施工する工程を示す図。 防火構造体20aを施工する工程を示す図。 防火構造体20aの熱膨張形態を示す概念図。 防火構造体20aの熱膨張形態を示す概念図。 防火構造体20bを示す図。 防火構造体20cを示す図。 耐火部材1dを示す側面図。 耐火部材1dを示す正面図。 筒状体3bを構成する前の発泡体13aを示す展開図。 耐火部材1eの正面図。 図12AのH-H線断面図。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1Aは、本発明にかかる耐火部材1を示す側面図であり、図1Bは正面図である、また、図2A、図2Bは耐火部材1の断面図であり、図2Aは、図2BのC-C線断面図、図2Bは、図2AのA-A線断面図である。耐火部材1は、壁や床、天井などの空間を区画する区画部に形成された貫通孔に挿入して用いられる部材であり、主に、第1発泡体である発泡体13aと、金属テープ5等から構成される。
発泡体13aは樹脂発泡体であり、材料は特に限定されないが、例えば、ベース樹脂が、ポリオレフィン系樹脂やウレタン系樹脂の難燃性スポンジを適用できる。本発明においてポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン単独重合体及び/又はオレフィン共重合体を意味する。オレフィン単独重合体とは、1種類のオレフィンの重合体をいう。オレフィン共重合体とは、あるオレフィンと、それと異なるオレフィンの共重合体、及び、オレフィンと、オレフィン以外の炭素-炭素二重結合を有する化合物、例えばビニル化合物との共重合体などオレフィン成分を構成成分として有するものを含む、広義の意味で用いる。ポリオレフィン系樹脂の具体例として、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体等を用いることができる。本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂を1種含有してもよく、2種以上を含有してもよい。なかでも、エチレン-酢酸ビニル共重合体及び/又は低密度ポリエチレンが好ましい。
発泡体13aの内部には熱膨張性黒鉛などの熱膨張材8が分散して含まれている。発泡体13aは丸められて筒状体3が形成される。すなわち、筒状体3の周方向の一部には、発泡体13aの端面同士の突き合せ部に、筒状体3の軸方向に沿ってスリット11が形成され、スリット11によって、筒状体3をC字状に開くことができる。
筒状体3の外周面の一部には、金属テープ5が巻き付けられて張り付けられる。なお、金属テープ5に代えて、薄い金属板を用いてもよい。金属テープ5は、例えば、アルミニウム製やステンレス製である。金属テープ5も筒状体3と同一の位置にスリット11が形成され、筒状体3とともに開くことが可能である。なお、金属テープ5は、耐火部材1の一方の端部側にのみ配置され、他の部位の筒状体3の外周部において、金属テープ5が巻き付けられずに、周方向に連続して筒状体3が露出する部位があることが望ましい。例えば、筒状体3の筒部の長さの半分の部位だけ金属テープ5が巻き付けられて、筒部の長さの他の半分において発泡体13aが露出する。
筒状体3の両端部には複数の切れ込み9aが形成されて、第1舌状片である舌状片7aが形成される。舌状片7aは、筒状体3の両端部において中心方向に向けて折り曲げられている。すなわち、筒状体3の軸方向における複数の部位に、中心方向に向けて複数の舌状片7aが周方向に形成される。複数の舌状片7aによって、筒状体3の開口部が概ね塞がれる。
図3は、筒状体3を形成するための発泡体13aの展開図である。図中の点線Xは、舌状片7aを折り曲げる部位である。図示したように、舌状片7aは、先端方向に行くにつれて幅が狭くなるように、略三角形状に形成され、発泡体13aの長手方向(筒状体3の周方向に対応)に所定のピッチで形成される。
ここで、舌状片7aの長さ(図3のDであって、折り曲げられる長さ)が、筒状体3の内径の1/2(図2AのBであって、以後「内半径」とする)よりも長いことが望ましい。舌状片7aの長さDが、筒状体3の内半径Bよりも短いと、筒状体3の両端を完全に塞ぐことができない。このため、舌状片7aの長さDは、少なくとも、筒状体3の内半径Bと同一である必要がある。
一方、舌状片7aの折り曲げ長さDを、筒状体3の内半径Bよりも長くすることで、図2B等に示すように、舌状片7aの先端を突き合わせた際に、舌状片7aを筒状体3の軸方向に垂直な方向に対して、やや斜めに形成することができる。このようにすることで、後述する長尺体を筒状体3へ挿入した際にも、舌状片7aの長さが長いため、舌状片7aが変形した際にも舌状片7a同士の隙間が生じくい。
また、図3に示すように、発泡体13aの長手方向に対する舌状片7aの形成位置が、発泡体13aの一方の端部と他方の端部とで異なる。すなわち、発泡体13aの一方の端部における舌状片7aの形成位置(発泡体13aの長手方向に対する形成位置)と、発泡体13aの他方の端部における舌状片7aの形成位置(発泡体13aの長手方向に対する形成位置)とは、互いにずれている(図中E)。例えば、両端の舌状片7aの形成位置は、発泡体13aの長手方向に半ピッチずれている。このようにすることで、筒状体3の一方の端部における舌状片7aの周方向の形成位置と、筒状体3の他方の端部における舌状片7aの周方向の形成位置とを、互いにずらすことができる。
図3に示した発泡体13aを丸めて、長手方向の両端部同士を突き合せて略円筒形とし、さらに、各舌状片7aを円筒の中心方向に折り曲げることで、筒状体3が形成される。この形状とした状態で、熱膨張材8の熱膨張開始温度よりも低い温度(例えば80~100℃)で筒状体3を加熱することで、筒状体3を成形することができ、筒状体3の形態を維持することができる。
次に、耐火部材1を用いた防火構造体の施工方法について説明する。図4Aは、耐火部材1を区画部25に取り付ける前の状態を示す図である。まず、防火区画部である区画部25に貫通孔29を形成する。区画部25は、例えば建築物などの構造物の内部空間を区画する壁や床である。
次に、区画部25に形成された貫通孔29に長尺体27を挿通する。長尺体27は、例えばケーブルや配管である。なお、複数本の長尺体を挿通してもよい。また、貫通孔29は、耐火部材1の筒状体3の外形に対応する形状であり、図示した例では、貫通孔29は略円形である。
次に、長尺体27に耐火部材1を取り付ける。前述した様に、耐火部材1には、スリット11が設けられる。したがって、スリット11を開くことで、長尺体27の側方から、耐火部材1を長尺体27の外周に容易に取り付けることができる。
また、前述したように、長尺体27に耐火部材1を取り付けると、舌状片7aが長尺体27に沿って変形して長尺体27に密着する。このため、舌状片7aの変形によって、長尺体27の太さや本数が変わっても、対応することができる。
次に、図4Bに示すように、長尺体27に沿って、耐火部材1を移動させて、貫通孔29に挿入する。ここで、筒状体3の一方の端部側には、周方向に金属テープ5が張り付けられる。このため、金属テープ5によって当該部位の剛性が高まり、金属テープ5が巻き付けられた端部側を挿入方向の先端側に向けて筒状体3を貫通孔29に押し込むことで、押し込む際の筒状体3の潰れや変形を抑制することができる。
また、前述したように、長尺体27は、筒状体3の軸方向の複数の部位で舌状片7aと接触する。特に、挿入方向の先端側の舌状片7aは、図示したように、筒状体3の内部方向に折り返され、部分的に発泡体13aが2重となる場合がある。このため、舌状片7aによって確実に長尺体27を支持することができる。また、本実施形態では、筒状体3の内径は、長尺体27の外径(複数の場合には包括円の直径)よりも大きい。このため、貫通孔29の内部において、筒状体3の内面の少なくとも一部と長尺体27との間には、隙間17が形成される。このように隙間17を形成することで、長尺体27に対して相対的に耐火部材1を移動させた際に、摩擦抵抗を小さくすることができる。
以上により、区画部に形成された貫通孔29に設けられた耐火部材1と、耐火部材1に挿通された長尺体27と、からなる防火構造体20を施工することができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる耐火部材1によれば、モルタルなどを使用することなく、容易に防火構造体20を得ることができる。また、耐火部材1のほとんどが発泡体13aによって構成されているため、軽量である。また、筒状体3の筒部と舌状片7aが発泡体13aによって一体で構成されるため、構造が簡易であり部品点数が少ない。また、熱膨張材8を筒状体3の内部に分散させておくことで、別途シート状やパテ状の熱膨張性部材を発泡体へ張り付ける作業等を削減することができ、製造も容易である。なお、筒状体3の内周に、熱膨張性のパテを併用してもよい。このようにすることで、さらに熱膨張性能を高めることができる。
なお、貫通孔29の内径は、筒状体3の外径と略同じか、やや小さい。また、筒状体3は、発泡体13aであるため、容易に変形する。このため、筒状体3の外周面を、貫通孔29の内面と密着させることができる。特に、筒状体3の外周部には、金属テープ5が巻き付けられず、筒状体3が周方向に連続して露出する部位が設けられる。この部位においては、筒状体3の外周部において、クッション性を有するため、貫通孔29の内周面の凹凸や径の誤差を吸収して、確実に貫通孔29の内面に密着させることができる。
また、筒状体3の内面が長尺体27とほぼ全面において密着せずに隙間17を形成することで、長尺体27に対して相対的に耐火部材1を移動させた際に、摩擦抵抗を小さくすることができる。特に、発泡体13aには、熱膨張材8が分散しているため、一般的なウレタンフォームと比較して、長尺体27の表面に対するすべりが悪い。したがって、長尺体27と筒状体3との接触面積を小さくすることで、相対的な移動時における摩擦を低減し、容易に移動を行うことができる。
また、筒状体3の外周面は貫通孔29の内面と接触し、筒状体3の少なくとも舌状片7aの部位は長尺体27と接触する。このため、火災等の際には、長尺体27から熱が伝わり、直ちに膨張を開始する。このため、貫通孔29のサイズが大きくても、長尺体27と貫通孔29の内面の間の筒状体3によって、確実に貫通孔29を閉塞することができる。なお、隙間17の部位は、舌状片7aの部位と比較すると膨張の開始時期は遅れるが、火災の発生した側からの熱と、長尺体27からの熱によって、少なくとも舌状片7aは直ちに膨張を開始して貫通孔29を閉塞するとともに、最終的には筒状体3は全体が膨張するため、確実に貫通孔29を塞ぐことができる。
また、舌状片7aは、区画部25のそれぞれの側の間の目隠しとして機能する。この際、舌状片7aの長さが十分に長いため、長尺体27に沿って変形させた際に、舌状片7a同士の隙間が生じにくい。また、仮に隣り合う舌状片7a同士の間に隙間が生じても、筒状体3の両端部の舌状片7a(切れ込み9a)の周方向位置がずれているため、舌状片7a同士の隙間が、貫通孔29の軸方向に対して一直線上に形成されることがない。このため、より確実に、区画部25の一方の側と他方の側との間の目隠しを行うことができる。
なお、略矩形の貫通孔へ、耐火部材1を取り付けることもできる。この場合には、貫通孔の形状に応じた外形に発泡体13aを成形すればよい。また、本実施形態では、貫通孔29へ長尺体27を挿通してから耐火部材1を取り付けたが、貫通孔29へ先に耐火部材1を配置した後に、長尺体27を挿通してもよい。この場合には、スリット11は不要である。また、スリット11を開いて長尺体27の外周に取り付けた後に、金属テープ5を巻き付けてもよい。この場合には、金属テープ5は全周に巻き付けられ、発泡体13aのスリット11が塞がれてもよい。
また、区画部25は中空壁であってもよい。この場合には、金属テープ5の長さと位置を調整することで、中空壁の中空部を塞ぐスリーブとして機能させることもできる。このため、中空部へ熱膨張材8が膨張することを抑制し、膨張方向を規制することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。図5Aは、第2の実施形態にかかる耐火部材1aの側面図であり、図5Bは正面図である。また、図6は、図5AのF-F線断面図である。なお、以下の説明において、耐火部材1と同一の機能を奏する構成については、図1A~図4Bと同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
耐火部材1aは、耐火部材1に対して、さらに発泡体13bが配置される点で異なる。耐火部材1aの筒状体3aは、発泡体13aで形成された筒状体3の外周部に、さらに第2発泡体である発泡体13bが巻き付けられて形成される。発泡体13bは、発泡体13aと同様に、熱膨張材8が分散して含まれている。なお、金属テープ5は、最外周の発泡体13bの外周に巻き付けられる。また、発泡体13a、13b、金属テープ5の同一位置にスリット11が形成される。
発泡体13aと発泡体13bとは、接着剤や両面テープなどで接合される。なお、発泡体13aと発泡体13bとの接合は、ホッチキスや縫製などで行ってもよい。
発泡体13bの一方の端部には複数の切れ込み9bが形成されて第2舌状片である舌状片7bが形成される。複数の舌状片7bは、それぞれ、筒状体3aの一方の端部側において筒状体3aの軸方向に対して略垂直に外側に向けて折り曲げられて、フランジ部15が形成される。この場合も、発泡体13bを丸めて舌状片7bを折り曲げた状態で、熱膨張材8の膨張温度以下で加熱することで、当該形状に成形することができる。
なお、発泡体13aの舌状片7aを除く筒部の長さと、発泡体13bの舌状片7bを除く筒部の長さは略同一である。また、金属テープ5は、舌状片7bが形成される端部側とは逆側の端部側に配置され、舌状片7bが形成される側の筒状体3aの外周には、金属テープ5が巻き付けられずに発泡体13bが外面に露出する。
次に、耐火部材1aを用いた防火構造体の施工方法について説明する。図7Aは、耐火部材1aを区画部25に取り付ける前の状態を示す図である。前述したように、防火区画部である区画部25に貫通孔29を形成し、貫通孔29に長尺体27を挿通する。次に、長尺体27に耐火部材1aを取り付ける。前述した様に、耐火部材1aには、発泡体13a、13b、金属テープ5のそれぞれに、スリット11が設けられるため、それらを開くことで、長尺体27の側方から、耐火部材1aを長尺体27の外周に容易に取り付けることができる。なお、金属テープ5は、発泡体13a、13bを長尺体27に取り付けた後に、全周に巻き付けてもよい。
次に、図7Bに示すように、長尺体27に沿って、耐火部材1aを移動させて、筒状体3bを貫通孔29に挿入する。ここで、フランジ部15の外径は、貫通孔29の内径よりも十分に大きい。このため、フランジ部15が区画部25の表面と接触するまで耐火部材1aを貫通孔29に挿入することで、耐火部材1aの貫通孔29への挿入代を一定にすることができる。以上により、防火構造体20aを形成することができる。
次に、防火構造体20aの火災時における挙動について説明する。図8Aは、防火構造体20aにおいて、区画部25の、フランジ部15が配置される側において火災が発生した状態を示す概念図である。図8Aに示す例では、フランジ部15側からの加熱(図中矢印G)に対して、発泡体13a、13bが膨張する。
ここで、防火構造体20aの舌状片7a、7b(フランジ部15)は、熱膨張材8が分散した発泡体13bで構成される。このため、防火構造体20aは、フランジ部15も熱膨張する。
前述したように、舌状片7aは、長尺体27と接触する部位であり、高温の室内に露出しているため、火災時には直ちに膨張を開始する。また、フランジ部15も、高温の室内に露出しているため、直ちに膨張を開始する。
図8Bはさらに膨張が進行した状態を示す図である。発泡体13aの舌状片7aは、一部は室内方向に向かって膨張するが、他の一部は長尺体27方向に向かって膨張する。例えば、長尺体27は、火災時に外被等が焼失して径が小さくなる場合があるが、発泡体13aは、このような場合でも長尺体27方向へ膨張するため、確実に貫通孔29を閉塞することができる。
一方、フランジ部15は、主に室内方向のみに向かって膨張する。このため、フランジ部15の膨張が進行すると、あたかも貫通孔29を長くしたような効果を得ることができる。このため、区画部25の一方の側の熱が、区画部25の逆側に伝わることを抑制することができる。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、発泡体13aに発泡体13bを重ねて、発泡体13bによってフランジ部15を形成することで、耐火部材1aの貫通孔29への挿入代を容易に把握することができ、貫通孔29に対して筒状体3aの軸方向の位置決めを行うことができる。
この際、フランジ部15は、舌状片7aと別部材で構成されているため、舌状片7aの変形の際に、フランジ部15が影響を受けて変形することがない。また、フランジ部15が熱膨張材8を含むため、火災時に、室内方向に対して熱膨張させることができ、貫通孔29を長くする効果を得ることができる。
また、フランジ部15は発泡体で構成されるため、容易に潰すことができる。例えば、区画部25が床部である場合において、耐火部材1aを床上側から配置すると、フランジ部15の厚み分だけ区画部25の上面に耐火部材1aの一部が突出する。しかし、フランジ部15は容易に潰れるため、例えば床板などを設置した際に、フランジ部15の部分に膨らみが生じることを抑制することができる。
なお、フランジ部15の背面側(区画部25との接触面)において、金属テープ等を張り付けてもよい。このようにすることで、フランジ部15の剛性を高めることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図9Aは、第3の実施形態にかかる耐火部材1bを用いた防火構造体20bを示す図である。耐火部材1bは、耐火部材1aとほぼ同様の構成であるが、筒状体3aの内部に、第3発泡体である発泡体13cが張り付けられる点で異なる。発泡体13cは、発泡体13aと同様に、熱膨張材8が分散して含まれている。
発泡体13cと発泡体13aとは、接着剤や両面テープなどで接合される。また、発泡体13cには、発泡体13a、13b、金属テープ5と同一位置にスリット11が形成される。
なお、図示した例では、発泡体13cは、2重に配置されているが、発泡体13cは1層のみであってもよく3重以上であってもよい。また、防火構造体20bにおいては、発泡体13cは、筒状体3aの長手方向の略全体にわたって配置され、発泡体13cの最内周面が長尺体27と接触するが、これには限られない。
例えば、図9Bに示す、耐火部材1cを用いた防火構造体20cのように、発泡体13cは、筒状体3aの内面の一部にのみ分割して配置してもよい。耐火部材1cでは、筒状体3aのそれぞれの端部近傍において発泡体13cが配置され、筒状体3aの軸方向の略中央部には、発泡体13cが配置されず、隙間17が形成される。
第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、発泡体13cを用いることで、隙間17が大きすぎて、発泡体13a等の膨張量が足りない場合でも、確実に発泡体13cの膨張によって貫通孔29を閉塞することができる。この際、発泡体13cを分割して一部に隙間17を残すことで、発泡体13cと長尺体27との接触面積を減らし、耐火部材1cの長尺体27に対する相対的な移動を容易にすることができる。また、発泡体13cによって、区画部25の内外に対して、より確実に目隠し効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、筒状体3aの内部に発泡体13cを配置したが、筒状体3の内部に発泡体13cを配置してもよい。また、発泡体13cを発泡体13aの外周に配置してもよく、発泡体13bの外周に配置してもよい。また、発泡体13cに代えて、又は発泡体13cに加えて、筒状体3aの内部に熱膨張性のパテを用いてもよい。このようにしても熱膨張性能を高めることができる。
次に、第4の実施形態について説明する。図10Aは、第4の実施形態にかかる耐火部材1dを示す側面図であり、図10Bは耐火部材1dの正面図である。耐火部材1dは、耐火部材1aとほぼ同様の構成であるが、筒状体3bが発泡体13aのみで構成される点で異なる。
耐火部材1dでは、発泡体13aが丸められて筒状となり、両端部のそれぞれにおいて、複数の舌状片7aが形成され、それぞれ中心方向に向けて折り曲げられる。また、筒状体3bの一方の端部側においては、舌状片7aの間において、外側に向けて折り曲げられる舌状片7bが形成される。耐火部材1aと同様に、舌状片7bは、筒状体3bの軸方向に対して略垂直に折り曲げられ、フランジ部15が形成される。
図11は、筒状体3bを形成するための発泡体13aの展開図である。図中の点線Xは、舌状片7aを折り曲げる部位であり、図中の点線Yは、舌状片7bを折り曲げる部位である。なお、点線Xと点線Yとでは、折り曲げ方向が逆方向となる。
発泡体13aの一方の端部側(図中左側)において、切れ込み9cが形成され、舌状片7a、7bが交互に形成される。なお、舌状片7a、7bは必ずしも交互でなくてもよい。舌状片7aは、先端に行くにつれて幅が狭くなるように、略三角形状に形成され、発泡体13aの長手方向(筒状体3bの周方向に対応)に所定のピッチで形成される。舌状片7bは、略矩形の形状であり、発泡体13aの長手方向(筒状体3bの周方向に対応)に所定のピッチで形成される。舌状片7bの幅は舌状片7aの基部の幅よりも狭くてもよい。また、発泡体13aの他方の端部側(図中右側)は、図3に示すものと同様である。
なお、発泡体13aの幅方向の両端において、発泡体13aの長手方向に対する舌状片7aの形成ピッチは同じであることが望ましい。また、前述したように、発泡体13aの一方の端部における舌状片7aの長手方向の形成位置と、発泡体13aの他方の端部における舌状片7aの長手方向の形成位置とが、互いにずれるように舌状片7aを形成することが望ましい。このようにすることで、筒状体3bの一方の端部における舌状片7aの周方向の形成位置と、筒状体3bの他方の端部における舌状片7aの周方向の形成位置とを、互いにずらすことができる。例えば、筒状体3bの一端側において舌状片7bの形成によって、舌状片7a同士の間に形成される隙間を、筒状体3bの他端における舌状片7aで塞ぐことができ、目隠し効果を高めることができる。
第4の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、複数の発泡体13bを重ねることなくフランジ部15を形成することができるため、より構造を簡易にすることができる。
次に、第5の実施形態について説明する。図12Aは、第5の実施形態にかかる耐火部材1eの正面図であり、図12Bは図12AのH-H線断面図である。耐火部材1eは、スリット11及び金属テープ5については、耐火部材1等と同様の構成であるが、舌状片7aが、筒状体の両端を折り曲げて形成されるのではなく、筒状体3cと別体で形成される点で異なる。
筒状体3cは、発泡体13aが丸められて形成される。図示した例では、発泡体13aが複数層重ねられる。筒状体3cの軸方向における複数の部位に、中心方向に向けて複数の舌状片7aが周方向に配置される。
各部位において、筒状体3cには孔33が形成され、舌状片7aの後端側に形成される挿入部31が挿入されて、筒状体3cに固定される。なお、舌状片7aは、筒状体3cの軸方向に3カ所配置される例を示すが、2カ所であってもよく4カ所以上であってもよい。また、舌状片7aの固定は、筒状体3cの内面への接着等による接合であってもよい。
筒状体3cの一方の端部側に配置される舌状片7aの挿入部31は、筒状体3cの厚み以上の長さに形成される。したがって、挿入部31の一部が、筒状体3cの外部の突出する。突出した挿入部31は、フランジ部15として機能させることができる。他の部位の舌状片7aの挿入部31の長さは、筒状体3cの厚み以下に設定される。このため、挿入部31は筒状体3cから突出しない。なお、フランジ部15はなくてもよい。
なお、各舌状片7aの筒状体3cの内面からの突出長さは、筒状体3cの内径の1/2以上とすることが望ましい。特に、舌状片7aの長さを筒状体3cの内径の1/2よりも長いことが望ましい。また、筒状体3cの軸方向の一部の舌状片7aの周方向の形成位置と、筒状体3cの軸方向の他の部位における舌状片7aの周方向の形成位置とが互いにずれていることが望ましい。
第5の実施形態によれば、第1の実施形態等と同様の効果を得ることができる。また、各舌状片7aを筒状体3cの端部以外の部位にも形成することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、各実施形態における構成については、互いに組みわせることができることは言うまでもない。例えば、筒状体3bに対して、さらに発泡体13cを重ねて配置してもよい。また、耐火部材1~1dに対して、筒状体の端部の折り曲げられた舌状片7aに加えて、端部以外の部位に孔33を形成し、さらに舌状片7aを配置してもよい。また、筒状体は、発泡体を丸めて形成したが、必ずしもまるめて形成する必要はない。例えば、押出成形などによって筒状体を形成してもよい。この場合には、必要に応じて、筒状体の軸方向にスリットを形成して、開口させてもよい。すなわち、発泡体によって筒状体が形成されれば、その製法は限定されない。
1、1a、1b、1c、1d、1e………耐火部材
3、3a、3b、3c………筒状体
5………金属テープ
7a、7b………舌状片
8………熱膨張材
9a、9b、9c………切れ込み
11………スリット
13a、13b、13c………発泡体
15………フランジ部
17………隙間
20、20a、20b、20c………防火構造体
25………区画部
27………長尺体
29………貫通孔
31………挿入部
33………孔

Claims (13)

  1. 区画部の貫通孔に挿入される耐火部材であって、
    熱膨張材が分散して含まれている第1発泡体を具備し、
    前記第1発泡体によって筒状体が形成され、
    前記筒状体の軸方向における複数の部位に、中心方向に向けて複数の第1舌状片が周方向に配置され
    前記筒状体の筒部と前記第1舌状片が前記第1発泡体によって一体で構成され、挿入方向の先端側の前記第1舌状片は、前記筒状体の内部方向に折り返され、部分的に前記第1発泡体が2重になりうることを特徴とする耐火部材。
  2. 前記筒状体の両端部に、複数の切れ込みが形成されて前記第1舌状片が形成され、前記第1舌状片が、前記筒状体の両端部において中心方向に向けて折り曲げられていることを特徴とする請求項1記載の耐火部材。
  3. 前記第1舌状片が、前記筒状体の内面に固定されることを特徴とする請求項1記載の耐火部材。
  4. 前記筒状体の軸方向の一部の前記第1舌状片の周方向の形成位置と、前記筒状体の軸方向の他の部位における前記第1舌状片の周方向の形成位置とが互いにずれていることを特徴とする請求項1記載の耐火部材。
  5. 前記筒状体は、前記第1発泡体の外周部に、熱膨張材が分散して含まれている第2発泡体が巻き付けられて形成され、
    前記第2発泡体の一方の端部には複数の切れ込みが形成されて第2舌状片が形成され、
    前記第2舌状片が、前記筒状体の一方の端部側において外側に向けて折り曲げられてフランジ部が形成されることを特徴とする請求項1記載の耐火部材。
  6. 前記筒状体の一方の端部側において、前記第1舌状片の間に、外側に向けて折り曲げられる第2舌状片が形成されてフランジ部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の耐火部材。
  7. 前記筒状体の外周部には金属テープ又は金属板が巻き付けられることを特徴とする請求項1記載の耐火部材。
  8. 前記筒状体の外周部において、前記金属テープ又は前記金属板が巻き付けられずに、周方向に前記筒状体が露出する部位があることを特徴とする請求項7に記載の耐火部材。
  9. 前記第1舌状片の長さが、前記筒状体の内径の1/2よりも長いことを特徴とする請求項1記載の耐火部材。
  10. 前記筒状体の内部に、熱膨張材が分散して含まれている第3発泡体が張り付けられることを特徴とする請求項1記載の耐火部材。
  11. 区画部に設けられた貫通孔と、
    前記貫通孔に設けられた耐火部材と、
    前記耐火部材に挿通される長尺体と、
    を具備する防火構造体であって、
    前記耐火部材は、
    熱膨張材が分散して含まれている第1発泡体を具備し、
    前記第1発泡体によって筒状体が形成され、
    前記筒状体の軸方向における複数の部位に、中心方向に向けて複数の第1舌状片が周方向に形成されており、前記筒状体の筒部と前記第1舌状片が前記第1発泡体によって一体で構成され、挿入方向の先端側の前記第1舌状片は、前記筒状体の内部方向に折り返され、部分的に前記第1発泡体が2重になり、
    前記長尺体が、前記第1舌状片と接触することを特徴とする防火構造体。
  12. 前記貫通孔の内部において、前記筒状体の内面の少なくとも一部と、前記長尺体との間には、隙間が形成されることを特徴とする請求項11記載の防火構造体。
  13. 区画部に形成された貫通孔に耐火部材が設けられた防火構造体の施工方法であって、
    前記耐火部材は、
    熱膨張材が分散して含まれている第1発泡体を具備し、
    前記第1発泡体によって筒状体が形成され、
    前記筒状体の軸方向における複数の部位に、中心方向に向けて複数の第1舌状片が周方向に形成され、前記筒状体の筒部と前記第1舌状片が前記第1発泡体によって一体で構成され、
    前記筒状体の周方向の一部に、前記筒状体の軸方向に沿ってスリットが形成されており、
    前記貫通孔に長尺体を通す工程と、
    前記スリットを開き、前記耐火部材を前記長尺体の外周に取り付け、前記貫通孔に挿入する工程と、
    を具備し、
    前記貫通孔に前記長尺体を通す工程において、挿入方向の先端側の前記第1舌状片が、前記筒状体の内部方向に折り返され、部分的に前記第1発泡体が2重になることを特徴とする防火構造体の施工方法。
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