JP7219164B2 - 区画体の貫通孔処理構造、及び隙間処理部材 - Google Patents
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上記問題点を解決するための区画体の貫通孔処理構造は、区画体に設けられた貫通孔に貫通部材が挿通され、前記貫通部材の外周面と前記貫通孔の内周面との隙間に前記貫通部材を取り囲む隙間処理部材が設置されている区画体の貫通孔処理構造であって、前記貫通孔が前記区画体を貫通する方向を第1方向とし、当該第1方向に直交する方向を第2方向とすると、前記隙間処理部材は、前記貫通部材を取り囲む基材を有するとともに、当該基材から前記第2方向に突出し、かつ前記貫通部材を取り囲む方向へ複数並設された閉塞部材を備えるとともに、当該複数の前記閉塞部材それぞれが前記貫通孔の内周面の一部に接触しており、前記隙間処理部材は、前記貫通部材に対し螺旋状に巻き付けられており、前記貫通部材を取り囲む方向に隣り合う前記閉塞部材同士の間に開いた各空間を介して前記区画体の表側から裏側を視認不能とすべく、各空間を補完するように前記第1方向にずれた位置であって、前記第1方向において前記空間に重なり合う位置に、前記螺旋状に巻き付けられた前記隙間処理部材の前記閉塞部材が配置されていることを要旨とする。
区画体の貫通孔処理構造について、前記閉塞部材は、圧縮すると原形状へ復帰しようとする反力を備える発泡体からなるブロック体である。
上記問題点を解決するための区画体の貫通孔処理構造は、区画体に設けられた貫通孔に貫通部材が挿通され、前記貫通部材の外周面と前記貫通孔の内周面との隙間に前記貫通部材を取り囲む隙間処理部材が設置されている区画体の貫通孔処理構造であって、前記貫通孔が前記区画体を貫通する方向を第1方向とし、当該第1方向に直交する方向を第2方向とすると、前記隙間処理部材は、前記貫通部材を取り囲む基材を有するとともに、当該基材から前記第2方向に突出し、かつ前記貫通部材を取り囲む方向に複数並設された閉塞部材を備え、前記閉塞部材は、圧縮すると原形状へ復帰しようとする反力を備える発泡体からなるブロック体であり、当該複数の前記閉塞部材それぞれが前記第2方向に圧縮されて前記貫通孔の内周面の一部に接触しており、各ブロック体は前記第1方向に長手が延び、かつ前記第1方向に対し長手が傾斜するブロック状であり、前記隙間処理部材は、各ブロック体が前記第1方向を中心軸線とする放射状に配置されており、前記貫通部材を取り囲む方向に隣り合う前記閉塞部材同士の間に開いた各空間を介して前記区画体の表側から裏側を視認不能とすべく、各空間を補完するように前記第1方向にずれた位置であって、前記第1方向において前記空間に重なり合う位置に前記隙間処理部材の前記ブロック体が配置されていることを要旨とする。
区画体の貫通孔処理構造について、前記基材から前記第2方向に沿って前記貫通孔の内周面に向けて突出する前記閉塞部材を第1閉塞部材とすると、前記隙間処理部材は、前記基材から前記第2方向に沿って前記貫通部材に向けて突出する前記閉塞部材として第2閉塞部材を複数備え、当該複数の前記第2閉塞部材が前記貫通部材の外周面の一部に接触していてもよい。
区画体の貫通孔処理構造について、前記隙間には、前記隙間処理部材と共に前記隙間を閉塞するための熱膨張性耐火材が設置されていてもよい。
隙間処理部材について、複数の前記列のうちの少なくとも1つの列において、前記基材の長手方向に隣り合う少なくとも2つの前記ブロック体について、前記基材の長手方向への寸法が異なっていてもよい。
以下、区画体の貫通孔処理構造及び隙間処理部材を具体化した一実施形態を図1~図6にしたがって説明する。
図2に示すように、隙間処理部材11は、熱膨張性能を有する発泡体からなり、具体的には、母材に熱膨張材が均一に分散された発泡体からなる。隙間処理部材11は、母材に熱膨張材と発泡剤が混練された母材材料における発泡剤のみを発泡させて得られたものである。本実施形態では、熱膨張材として膨張黒鉛が使用され、母材として、ポリマーが使用され、より具体的には、合成ゴムが使用されている。合成ゴムとしてはクロロプレンゴムが使用されている。なお、合成ゴムとしては、クロロプレンゴムの他に、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)、合成天然ゴム(IR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)が挙げられる。
図4に示すように、隙間処理部材11は、長尺シート状の基材12と、基材12の長手方向に沿って複数並設された閉塞部材としてのブロック体14とを有する。隙間処理部材11は、基材12におけるブロック体14が突出していない面が配線Pの外周面に対向するように巻き付けられる。隙間処理部材11において、基材12の一面であり、配線Pに対向する面を内面11aとする。本実施形態では内面11aは矩形状である。
上記構成の隙間処理部材31を用いた貫通孔処理構造を形成するには、まず、図5に示すように、隙間処理部材31を丸めて配線Pを取り囲むように変形させる。隙間処理部材11を丸めると、第1切込13及び各第2切込15を利用してブロック体14同士が長手方向Xに離間し、空間Hが広がる。
さて、図2又は図3に示すように、壁Wの貫通孔Waに貫通孔処理構造が設けられた建築物において、壁Wの一方の壁面側で火災等が発生すると、配線Pやその他のものの燃焼により煙が発生する。このとき、貫通孔Waは、隙間処理部材11の貫通孔Wa内面への圧接及び熱膨張パテ21により閉鎖されているため、貫通孔Waが煙の経路となることが防止され、壁Wの他方の壁面側へ煙が伝わる不都合がなくなる。
(1-1)貫通孔Waの貫通孔処理構造においては、隙間処理部材11の第1ブロック列B1のブロック体14同士の間に画成された空間Hを第2ブロック列B2のブロック体14で補完し、第2ブロック列B2のブロック体14同士の間に画成された空間Hを第1ブロック列B1のブロック体14で補完している。その結果として、貫通孔Waを第1方向D1に貫通する隙間を隙間処理部材11によって無くすことができる。
次に、区画体の貫通孔処理構造及び隙間処理部材を具体化した第2の実施形態を図7~図9にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
(2-1)隙間処理部材31は、基材32から一方向へ突出する第1ブロック体33に加え、第1ブロック体33とは反対方向へ突出する第2ブロック体34を備える。各第2ブロック体34は先端面34b側に傾斜面34aを備え、基材32から突出する方向に沿って先端面34bに向かうに従い幅Lが狭く形成されている。そして、配線Pを取り囲むように隙間処理部材31を丸めた形状では、複数の第2ブロック体34の先端面34bが個別に配線Pに圧接する。このため、配線Pの凹凸に合わせて各第2ブロック体34が個別に変形し、配線Pと隙間処理部材31との間の隙間を小さくできる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 図18に示すように、隙間処理部材86は、長尺状の基材87と、基材87から突出する舌片状の閉塞部材88と、基材87の長手方向Xに隣り合う閉塞部材88同士の間に形成される切込89とを備える。このように構成した場合、隙間Sには、第1方向D1にずれて複数の隙間処理部材86が設置されている。そして、第1方向D1にずれた位置にある隙間処理部材86同士において、一方の隙間処理部材86を丸めたことで形成された空間Hには、他方の隙間処理部材86の閉塞部材88が第1方向D1に重なり合い、空間Hを閉塞部材88で補完している。
○ 貫通孔Waの形状は、四角形状といった多角形状としてもよい。
○ 第1の実施形態において、短手方向Yに並設するブロック体の列は3つ以上でもよい。この場合、短手方向Yに隣り合うブロック体の列同士で、空間Hをブロック体で補完する必要はなく、例えば、短手方向Yに並んだ3列のブロック体の列のうち、中央の列を挟んだ2列のブロック体同士で空間Hをブロック体で補完するようにしてもよい。
Claims (16)
- 区画体に設けられた貫通孔に貫通部材が挿通され、前記貫通部材の外周面と前記貫通孔の内周面との隙間に前記貫通部材を取り囲む隙間処理部材が設置されている区画体の貫通孔処理構造であって、
前記貫通孔が前記区画体を貫通する方向を第1方向とし、当該第1方向に直交する方向を第2方向とすると、
前記隙間処理部材は、前記貫通部材を取り囲む基材を有するとともに、当該基材から前記第2方向に突出し、かつ前記貫通部材を取り囲む方向へ複数並設された閉塞部材を備えるとともに、当該複数の前記閉塞部材それぞれが前記貫通孔の内周面の一部に接触している第1の隙間処理部材と、
前記第1の隙間処理部材とは別の隙間処理部材であって、前記貫通部材を取り囲む基材を有するとともに、当該基材から前記第2方向に突出し、かつ前記貫通部材を取り囲む方向へ複数並設された閉塞部材を備えるとともに、当該複数の前記閉塞部材それぞれが前記貫通孔の内周面の一部に接触する第2の隙間処理部材と、を少なくとも含み、
前記第1の隙間処理部材と前記第2の隙間処理部材は、前記第1方向にずれて配置され、
前記第1の隙間処理部材における前記貫通部材を取り囲む方向に隣り合う前記閉塞部材同士の間に開いた各空間を介して前記区画体の表側から裏側を視認不能とすべく、前記第1の隙間処理部材の各空間を補完するように前記第1方向にずれた位置であって、前記第1方向において前記空間に重なり合う位置に前記第2の隙間処理部材の前記閉塞部材が配置されていることを特徴とする区画体の貫通孔処理構造。 - 区画体に設けられた貫通孔に貫通部材が挿通され、前記貫通部材の外周面と前記貫通孔の内周面との隙間に前記貫通部材を取り囲む隙間処理部材が設置されている区画体の貫通孔処理構造であって、
前記貫通孔が前記区画体を貫通する方向を第1方向とし、当該第1方向に直交する方向を第2方向とすると、
前記隙間処理部材は、前記貫通部材を取り囲む基材を有するとともに、当該基材から前記第2方向に突出し、かつ前記貫通部材を取り囲む方向へ複数並設された閉塞部材を備えるとともに、当該複数の前記閉塞部材それぞれが前記貫通孔の内周面の一部に接触しており、
前記貫通部材を取り囲む方向を周方向とすると、前記隙間処理部材は、複数の前記閉塞部材が前記周方向に並設された前記閉塞部材の列を前記第1方向に複数備え、複数の前記列のうち少なくとも2つの列同士では、前記空間の位置が前記周方向に異なっており、複数の前記列のうち少なくとも2つの列のうちの1つの列において前記周方向に隣り合う前記閉塞部材同士の間に開いた各空間を介して前記区画体の表側から裏側を視認不能とすべく、前記1つの列における前記各空間を補完するように、前記第1方向にずれた位置には、前記少なくとも2つの列のうちのもう1つの列の前記閉塞部材が配置されていることを特徴とする区画体の貫通孔処理構造。 - 区画体に設けられた貫通孔に貫通部材が挿通され、前記貫通部材の外周面と前記貫通孔の内周面との隙間に前記貫通部材を取り囲む隙間処理部材が設置されている区画体の貫通孔処理構造であって、
前記貫通孔が前記区画体を貫通する方向を第1方向とし、当該第1方向に直交する方向を第2方向とすると、
前記隙間処理部材は、前記貫通部材を取り囲む基材を有するとともに、当該基材から前記第2方向に突出し、かつ前記貫通部材を取り囲む方向へ複数並設された閉塞部材を備えるとともに、当該複数の前記閉塞部材それぞれが前記貫通孔の内周面の一部に接触しており、
前記隙間処理部材は、前記貫通部材に対し螺旋状に巻き付けられており、前記貫通部材を取り囲む方向に隣り合う前記閉塞部材同士の間に開いた各空間を介して前記区画体の表側から裏側を視認不能とすべく、各空間を補完するように前記第1方向にずれた位置であって、前記第1方向において前記空間に重なり合う位置に、前記螺旋状に巻き付けられた前記隙間処理部材の前記閉塞部材が配置されていることを特徴とする区画体の貫通孔処理構造。 - 前記閉塞部材は、圧縮すると原形状へ復帰しようとする反力を備える発泡体からなるブロック体である請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の区画体の貫通孔処理構造。
- 区画体に設けられた貫通孔に貫通部材が挿通され、前記貫通部材の外周面と前記貫通孔の内周面との隙間に前記貫通部材を取り囲む隙間処理部材が設置されている区画体の貫通孔処理構造であって、
前記貫通孔が前記区画体を貫通する方向を第1方向とし、当該第1方向に直交する方向を第2方向とすると、
前記隙間処理部材は、前記貫通部材を取り囲む基材を有するとともに、当該基材から前記第2方向に突出し、かつ前記貫通部材を取り囲む方向に複数並設された閉塞部材を備え、前記閉塞部材は、圧縮すると原形状へ復帰しようとする反力を備える発泡体からなるブロック体であり、当該複数の前記閉塞部材それぞれが前記第2方向に圧縮されて前記貫通孔の内周面の一部に接触しており、
各ブロック体は前記第1方向に長手が延び、かつ前記第1方向に対し長手が傾斜するブロック状であり、前記隙間処理部材は、各ブロック体が前記第1方向を中心軸線とする放射状に配置されており、
前記貫通部材を取り囲む方向に隣り合う前記閉塞部材同士の間に開いた各空間を介して前記区画体の表側から裏側を視認不能とすべく、各空間を補完するように前記第1方向にずれた位置であって、前記第1方向において前記空間に重なり合う位置に前記隙間処理部材の前記ブロック体が配置されていることを特徴とする区画体の貫通孔処理構造。 - 前記第2方向に沿って前記隙間処理部材が複数段に亘って介在している請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載の区画体の貫通孔処理構造。
- 前記基材から前記第2方向に沿って前記貫通孔の内周面に向けて突出する前記閉塞部材を第1閉塞部材とすると、前記隙間処理部材は、前記基材から前記第2方向に沿って前記貫通部材に向けて突出する前記閉塞部材として第2閉塞部材を複数備え、当該複数の前記第2閉塞部材が前記貫通部材の外周面の一部に接触している請求項1~請求項6のうちいずれか一項に記載の区画体の貫通孔処理構造。
- 前記隙間処理部材は、熱膨張性能を有する請求項1~請求項7のうちいずれか一項に記載の区画体の貫通孔処理構造。
- 前記隙間には、前記隙間処理部材と共に前記隙間を閉塞するための熱膨張性耐火材が設置されている請求項1~請求項7のうちいずれか一項に記載の区画体の貫通孔処理構造。
- 区画体に設けられた貫通孔に挿通された貫通部材の外周面と前記貫通孔の内周面との隙間において前記貫通部材を取り囲む状態に設置される隙間処理部材であって、
前記貫通部材を取り囲む方向へ長手が延びる基材を有するとともに、圧縮すると原形状へ復帰しようとする反力を備え、かつ前記基材から突出するブロック体を複数有し、
前記ブロック体が前記基材の長手方向に並設された前記ブロック体の列を前記基材の短手方向に複数備え、複数の前記列のうち少なくとも2つの列同士では、前記基材の長手方向に隣り合う前記ブロック体同士の境界の位置が前記基材の長手方向に異なっていることを特徴とする隙間処理部材。 - 複数の前記列のうち少なくとも2つの列において、前記基材の長手方向への前記ブロック体の寸法が前記列同士で異なる請求項10に記載の隙間処理部材。
- 複数の前記列のうちの少なくとも1つの列において、前記基材の長手方向に隣り合う少なくとも2つの前記ブロック体について、前記基材の長手方向への寸法が異なる請求項10又は請求項11に記載の隙間処理部材。
- 前記ブロック体は、前記基材の長手方向における当該ブロック体の両側面に傾斜面を備え、前記傾斜面により、前記ブロック体は、前記基材からの突出方向に沿って幅狭に形成されている請求項10~請求項12のうちいずれか一項に記載の隙間処理部材。
- 前記基材の長手方向における前記ブロック体の両側面に、前記基材からの突出方向に沿って前記ブロック体を幅狭にする傾斜面を備えるブロック体と、
前記基材の長手方向における前記ブロック体の両側面に、前記基材からの突出方向に沿って前記ブロック体を幅広にする傾斜面を備えるブロック体とが前記基材の長手方向に交互に並設されている請求項10~請求項13のうちいずれか一項に記載の隙間処理部材。 - 前記基材の長手方向に隣り合う前記ブロック体同士の境界は、前記基材からの前記ブロック体の突出方向の先端から前記基材に至る切込によって形成されている請求項10~請求項12のうちいずれか一項に記載の隙間処理部材。
- 前記基材から一方向へ突出する複数の第1ブロック体と、前記基材から前記第1ブロック体とは反対方向へ突出する複数の第2ブロック体とを備え、前記基材の長手方向に隣り合う前記第2ブロック体同士の間隔は、前記基材の長手方向に隣り合う前記第1ブロック体同士の間隔より広い請求項10~請求項12のうちいずれか一項に記載の隙間処理部材。
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