JP2004313393A - 防火区画貫通穴措置部材 - Google Patents

防火区画貫通穴措置部材 Download PDF

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Abstract

【技術課題】作業性の向上、製作コストの低減、性能の安定、リサイクルに適した防火区画貫通穴措置部材を提供する。
【解決手段】断面円形を呈した筒状熱膨張材1において、この熱膨張材1の入口又は中間に、内側に向けて複数の舌片4…を形成する。この舌片4…の作用で各種サイズの配管8に対応させることにより、熱膨張材1の種類を従来の1/2〜1/4に削減することができる。また、舌片4…の弾性及びすべりの作用で、貫通穴7内に押し込んだり、リサイクル時には簡単に抜き出したりすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防火区画を貫通する配管あるいはケーブル等を引き込むために、防火区画に設けた貫通穴内において、火災等が発生したときに、この発生した部屋側から前記貫通穴を経由して隣室あるいは階上又は階下側に火炎、煙、有毒ガス等が流入しないように、火災時の熱で熱膨張して前記貫通穴を閉塞する所謂防火区画貫通穴措置部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、防火区画としての壁あるいは床の貫通穴内に引き込まれる配管、ケーブル等の外径には種々の寸法があるため、この外径寸法に合わせた寸法の措置部材が用意されている。
このため、措置部材の種類が多くなることから、コスト高になると共に製品管理が大変になると云う問題がある。
この問題を解決するために、措置部材をテープ状に形成し、配管等にこれを捲きつけて装着する方式の措置部材(耐火熱膨張材)が提案されている(特願2001−32610号)。
しかし、このテープ方式の場合、現場で粘着層を保護している離型紙を剥してから配管等に捲きつけたのち、テープ状の措置部材をカットする必要があるため、作業性が悪い。
【0003】
また、通常の措置部材は、貫通穴の外で配管等に装着した後、この措置部材を貫通穴内にずらして位置を定めるため、粘着剤付の上記テープ状の措置部材は、配管に捲きつけた段階で配管に固定されてしまうことから、措置部材だけをずらすことはできず、配管も一緒に貫通穴内にずらし込むことが必要となる。
このため、処置対象となる配管等は、あらかじめ貫通穴内に引き込まれ、固定されていてはならない。したがって、用途が限定されると云う問題がある。
また、粘着剤で貼り付けた場合、後日リサイクル問題が生じた際、配管等から措置部材を剥がし取ることができなくなったり、手間がかかると云う問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は斯る点に鑑みて提案されるものであって、その目的は。数サイズの外径から成る配管等に対応することができると共に配管等が固定されていても、貫通穴の外で接着したのち、貫通穴内にずらして所定の位置に固定することができ、更に、未膨張状態でのリサイクルに際して分別するのに便利な防火区画貫通穴措置部材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、断面円形を呈した筒状熱膨張材において、この熱膨張材の内側に複数の舌片を形成して成ることを特徴とするものである。
この発明によると、舌片で配管、ケーブル等を筒状熱膨張材の中心に保持することができると共に内部を閉塞し、且つ自由に配管やケーブルに沿って貫通穴内にずらし込んだり、貫通穴内から引き出したりすることが可能である。
【0006】
更に、請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の舌片は、熱膨張材の一端又は両端又は中央の内部に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
更に、請求項3に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の熱膨張材には、長手方向に割りが形成された断面C字状を呈していることを特徴とするものである。
この発明によると、貫通施工された配管に対してあとから装着することができる。
【0008】
更に、請求項4に記載の発明においては、請求項1又は2又は3に記載の熱膨張材に形成された割りの片方又は両端の入口には、三角形状の切欠部が形成されていることを特徴とするものである。
この発明によると、切欠部から配管に対して簡単に装着することができる。
【0009】
更に、請求項5に記載の発明においては、請求項1又は2又は3又は4に記載の熱膨張材の断面は、真円又は楕円形状を呈していることを特徴とするものである。
この発明によると、配管やケーブルの外径寸法に幅広く対応できる。
【0010】
【作用】
上記構成の措置部材は、配管等に対して、その割りを開いて外装する。この時、舌片の先端によって配管等が保持され、配管等が最大サイズのものの場合は、舌片がその根元で配管等に沿って折れ曲りながら配管等を措置部材内に保持する。
【0011】
このようにして配管等に外装したのち、措置部材を貫通穴側にずらすと、措置部材は、舌片の弾性による変曲と配管等とのすべりの作用でスムーズに貫通穴内にずらし込むことができる。
【0012】
このようにしてずらし込まれた措置部材は、配管等の外側において、舌片が奏するスペーサの機能により、配管等の外側において安定した間隔を保ち、性能を最大に発揮することができる。
そして、リサイクルのために、配管等から未膨張の措置部材を分離する際は、舌片で配管等に接触しているだけのため、簡単にずらして取り出し、割りを開いて取り外すことができる。
また、床に設けた貫通穴の場合には、措置部材は舌片の弾性と摩擦の作用で配管等からずり落ることがない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る防火区画貫通穴措置部材は、公知の熱膨張性樹脂又はゴム又は黒鉛と称されるもの(以下「熱膨張材」と称す)を円筒状に形成したものから成る。但し、この円筒体は、そのままのものでも良いし、長手方向に割りを入れた断面C字状のものでもよい。また、熱膨張材は、単体でも良いし、外側に金属板等を張り合わせた形状のものであっても良い。措置部材の成形には、金型を利用した射出又は圧縮成形法を用いることができる。措置部材は、一個で、数サイズの配管等に対応できるものが用意される。
【0014】
【実施例1】
以下、実施例図に基づいて、本発明に係る措置部材の詳細を説明する。図1は措置部材の全体を示す斜視図、図2は措置部材を小径の配管に装着した状態の説明図、図3は措置部材をA−A´方向から見た正面図、図4は措置部材を大径の配管に装着した状態の説明図、図5は措置部材をB−B´方向から見た正面図である。符号の1は、射出又は圧縮成形用金型を用いて成形された円筒形状の熱膨張材(熱膨張性黒鉛)であって、この熱膨張材1は、円筒形状をした本体の長手方向に割り2が形成されていると共に両端の入口にはVの字状の切欠部3、3aが形成され、更に、入口の一端には、中心方向に向いた舌片4…が形成されていると共にこの舌片4…の先端で中心部には穴部5が形成されている。但し、舌片4…の先端は、円形の熱膨張材1の中心までとどき、穴部5が形成されないタイプのものであってもよい。又、舌片4…は、熱膨張材1の片側の入口だけでなく、両端の入口に形成しても良い。舌片…4は、硬質である配管やケーブルの表面を傷つける心配があるので、柔質材のものが良く、必要な場合には、薄肉に形成したり、割り溝を入れることにより、柔軟性を高めて傷つけを防ぎ、且つずらし込みを簡単にするような工夫を行っても良い。また、舌片…4は、熱膨張材1と一体であっても良いし、熱膨張材1とは異質の材質のものを一体に、又はあとから熱膨張材内に取り付けたものであっても良い。
【0015】
上記構成の熱膨張材1は、防火区画6に設けた貫通穴7の外で、配管8に対して切欠部3、3aの一方から割り2を利用して被せ、これを図2に示すように貫通穴7内の所定の位置まで押し込む。その上で、熱膨張材1と貫通穴7間の隙間をモルタル処理を行い、措置を終る。
上記実施例は、舌片4…の先端で形成された穴部5内に丁度収まる外径サイズの配管の例であるが、図4、図5は配管8の外径が穴部5の径よりも大きい場合の措置例であって、舌片4…は配管8の外径が大きい分、この配管8に沿って折れ曲る。
【0016】
【実施例2】
本実施例2は、図6、図7に示すように、舌片4…を熱膨張材1の中央に形成した例であって、措置例は実施例1と同じである。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上のように、防火区画措置部材において円筒形状の熱膨張材の入口又は中間部分に舌片を形成し、この舌片を配管等の外径サイズに応じて変曲させたりしながら配管等を保持するように構成したことにより、一個の熱膨張材で多寸法の配管等に対応できる。
この結果、用意しておく熱膨張材の寸法の種類を従来例に比較して1/2〜1/4に減らすことができ、この分製作コストの低減及び製品管理がしやすくなる。
更に、舌片の作用で配管等を熱膨張材の中心に位置させることができるため、性能が安定する。
更に、配管等に直接粘着剤等を用いて接着しないため、貫通穴の外で配管等に装着し、その後貫通穴内にずらし込んだり、反対に貫通穴内からずらして引き出したりすることができる。
更に、未膨張の場合、後で配管等から分離するときに楽である。
更に、舌片は熱膨張材と配管の隙間の目隠しとしても機能し、見栄えに加えてゴミあるいはモルタルが熱膨張材内に侵入するのを防止し、床の場合はモルタル充填時にこのモルタルが階下に落下するのを防ぐ効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防火区画貫通穴措置用熱膨張材の斜視図。
【図2】措置例の説明図。
【図3】図2において、A―A´方向から見た時の正面図。
【図4】大径の配管を措置した例の説明図。
【図5】図4において、B―B´方向から見た時の正面図。
【図6】実施例2の舌片を中間に形成した熱膨張材の説明図。
【図7】大径の配管を措置した時の熱膨張材の説明図。
【符号の説明】
1 熱膨張材
2 割り
3、3a 切欠部
4 舌片
5 穴部
6 防火区画
7 貫通穴
8 配管

Claims (5)

  1. 断面円形を呈した筒状熱膨張材において、この熱膨張材の内側に複数の舌片を形成して成る防火区画貫通穴措置部材。
  2. 請求項1に記載の舌片は、熱膨張材の一端又は両端又は中央の内部に形成されていることを特徴とする防火区画貫通穴措置部材。
  3. 請求項1又は2に記載の熱膨張材には、長手方向に割りが形成された断面C字状を呈していることを特徴とする防火区画貫通穴措置部材。
  4. 請求項1〜3に記載の熱膨張材に形成された割りの片方又は両端の入口には、三角形状の切欠部が形成されていることを特徴とする防火区画貫通穴措置部材。
  5. 請求項1〜4に記載の熱膨張材の断面は、真円又は楕円形状を呈していることを特徴とする防火区画貫通穴措置部材。
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