JP7460918B2 - 樹脂ブッシュ及びそれを用いた電装品箱 - Google Patents

樹脂ブッシュ及びそれを用いた電装品箱 Download PDF

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Description

本開示は、樹脂ブッシュ及びそれを用いた電装品箱に関する。
雨水や粉塵等(以下、水等と称する)がかかる屋外などに電装品箱を設置した場合、電装箱内に配線を通すための開口部から水等が浸入すると、電気回路の短絡等の不都合が生じる。このため、従来の電装品箱では、配線を通すための開口部に弾性を有する樹脂からなる樹脂ブッシュ(保護管)を設けている。従来は、配線が通された状態で樹脂ブッシュの周囲を緊縛手段で締め上げることで、樹脂ブッシュと配線との間の隙間を減らし、これにおり、電装品箱内部への水等の浸入を抑制している(特許文献1参照)。
特開2005-249247号公報
しかしながら、特許文献1に記載された樹脂ブッシュでは、緊縛手段によって樹脂ブッシュの周囲を締め上げたとしても、樹脂ブッシュ内では、樹脂ブッシュが配線に沿わない部分や配線同士の間等に隙間が残される。このため、前記樹脂ブッシュを用いた場合には、前記隙間を通って電装品箱内へ水等が浸入する可能性があった。
本開示は、樹脂ブッシュ及びそれを用いた電装品箱について、水等の浸入を抑制する機能を高めることを目的とする。
(1)本開示の樹脂ブッシュは、第1硬度を有する第1樹脂で構成された筒状の本体部と、前記第1樹脂で構成され、前記本体部の一側の開口を覆うとともに、配線を通す第1孔が形成された第1壁部と、前記第1樹脂で構成され、前記本体部の他側の開口を覆うとともに、配線を通す第2孔が前記第1孔と同軸状に形成された第2壁部と、を有する第1部材と、前記第1硬度よりも小さい第2硬度を有する第2樹脂で構成され、前記本体部の内部に配置されるとともに、配線を通す第3孔が前記第1孔及び前記第2孔と同軸状に形成された第2部材と、を備える。
以上のような構成では、第2部材によって、本体部の内部と配線との間の隙間を埋めることができる。これにより、樹脂ブッシュについて、水等の浸入を抑制する機能を高めることができる。
(2)好ましくは、前記第2樹脂が、発泡体であり、前記第2硬度が、E1°以上かつE25°以下、又はC1°以上かつC25°以下である。
この構成によれば、第2部材によって、本体部の内部と配線との間の隙間を減らすことができる。
(3)好ましくは、前記第1樹脂が、非発泡体であり、前記第1硬度が、A60°以上かつA90°以下である。
この構成によれば、本体部、第1壁部、及び第2壁部と、配線との間の隙間を減らすことができる。
(4)好ましくは、前記第2樹脂が、独立気泡を有する発泡体である。
この構成によれば、第2部材に水等が浸透するのを抑制することができる。
(5)好ましくは、前記第2樹脂が、スポンジゴムである。
この構成によれば、第2部材によって、本体部の内部と配線との間の隙間を確実に減らすことができる。
(6)好ましくは、前記第1樹脂が、ゴムである。
この構成によれば、本体部、第1壁部、及び第2壁部と、配線との間の隙間を確実に減らすことができる。
(7)好ましくは、前記第1孔、前記第2孔、及び前記第3孔が、孔中心から径方向外側へ放射状に延びる複数のスリットを含んでいる。
この構成によれば、前記第1孔、前記第2孔、及び前記第3孔と、配線との間の隙間を減らすことができる。
(8)好ましくは、前記本体部及び前記第2部材を、前記本体部の軸方向から見た場合に、前記本体部の内側面の形状と前記第2部材の外側面の形状とが一致する。
この構成によれば、第2部材と本体部との間の隙間から水等が浸入するのを抑制することができる。
(9)好ましくは、前記第2樹脂の圧縮永久歪み率が、5%以上かつ30%以下である。
この構成によれば、第2部材によって、本体部の内部と配線との間の隙間を確実に減らすことができる。
(10)好ましくは、前記第2壁部から前記本体部とは反対側に向かって延びる筒状のスカート部をさらに備える。
この構成によれば、第2壁部の第2孔に水等が到達するのを抑制することができる。
(11)好ましくは、前記第1部材が、前記第1孔及び前記第2孔を径方向について二分する位置で、第1半割部材及び第2半割部材に分割される。
この構成によれば、樹脂ブッシュに配線を通す作業を容易に行うことができる。
(12)好ましくは、前記第1半割部材の前記第2半割部材に対面する第1合わせ面と、前記第2半割部材の前記第1半割部材に対面する第2合わせ面とに、シール部材が配置される。
この構成によれば、樹脂ブッシュを分割構造とした場合に、樹脂ブッシュの合わせ面から水等が浸入するのを抑制することができる。
(13)好ましくは、前記第2部材が、前記第3孔を径方向について二分する位置で分割される。
この構成によれば、樹脂ブッシュに配線を通す作業を容易に行うことができる。
(14)好ましくは、前記スカート部が、前記第1半割部材側の前記本体部から延びる第1スカート部と、前記第2半割部材側の前記本体部から延びる第2スカート部と、に分割される。
この構成によれば、樹脂ブッシュに配線を通す作業を容易に行うことができる。
(15)好ましくは、前記第1スカート部は、前記スカート部の周方向について前記第2スカート部と重複する第1ラップ部を有し、前記第2スカート部は、前記スカート部の周方向について前記第1スカート部と重複する第2ラップ部を有する。
この構成によれば、樹脂ブッシュを分割構造とした場合に、スカート部の合わせ面から水等が浸入するのを抑制することができる。
(16)好ましくは、前記第1スカート部及び前記第2スカート部は、径方向外側に突出する突起部を有する。
この構成によれば、配線に対してスカート部を緊縛する緊縛部材が、スカート部の軸方向へ脱落するのを抑制することができる。
(17)本開示の電装品箱は、配線取込用の開口部を有する電装品箱であって、前記開口部に、何れかの前記樹脂ブッシュが配置されており、前記開口部と当該開口部を通る配線との間の隙間を前記樹脂ブッシュによって封止可能である。
この構成によれば、樹脂ブッシュを用いた電装品箱について、水等の浸入を抑制する機能を高めることができる。
本開示の樹脂ブッシュを示した概略的な斜視図である。 本開示の樹脂ブッシュを示した概略的な底面図である。 第1半割部材を示す概略的な斜視図である。 第1空間に第1止水部材が配置された状態の第1半割部材を示す概略的な斜視図である。 止水部材を示す概略的な斜視図である。 分割された状態の止水部材を示す概略的な斜視図である。 本開示の電装品箱を示した概略的な斜視図である。 蓋体を取り外した状態の電装品箱を示す概略的な斜視図である。 電装品箱を構成する箱体を示す概略的な斜視図である。 電装品箱における樹脂ブッシュの配置状態を概略的に示した部分断面図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態を詳細に説明する。
(樹脂ブッシュ1の全体構成)
図1は、本開示の樹脂ブッシュを示した概略的な斜視図であり、図2は、本開示の樹脂ブッシュを示した概略的な底面図である。図1及び図2に示す樹脂ブッシュ1は、電装品箱において配線の取り込み位置に形成された開口部に配置され、開口部と配線との間の隙間を封止する部材である。図1に示すように、樹脂ブッシュ1は、ブッシュ本体(第1部材)10と止水部材(第2部材)30とを備えている。
ブッシュ本体10は、樹脂ブッシュ1の主体部分を構成する部材であり、本体部20、第1壁部21、第2壁部22、及びスカート部23を備える。
本体部20は、ブッシュ本体10の主要部分を構成する筒状の部位である。本実施形態の本体部20は、電装品箱(図6の電装品箱50参照)が有する矩形状の開口部(図8の開口部66,67参照)の形状に合わせて外形形状を矩形としている。なお、本体部20の外形形状は、例えば円形であってもよく、本体部20によって埋める(封止する)開口部の形状に合わせて適宜変更することができる。筒状である本体部20の内部には、配線Cが通る空間が形成される。以下の説明では、この空間をブッシュ本体10内の空間10aと称する。空間10aは円柱形状を有する空隙部である。円柱状である空間10aは、その円柱の軸心方向に配線Cを通すことができる。空間10aには、止水部材30が配置される。なお、以下の説明では、説明の便宜上、空間10aの軸方向に平行な方向を、樹脂ブッシュ1の上下方向と規定し、前記上下方向に直交すると共に後で説明する本体部20の合わせ面(第1合わせ面11a及び第2合わせ面12a(図3参照))に平行な方向を、樹脂ブッシュ1の左右方向と規定し、前記上下方向及び前記左右方向に直交する方向を、樹脂ブッシュ1の前後方向と規定する(図1及び図3参照)。樹脂ブッシュ1では、空間10aの軸方向に直交する方向を径方向とも称する。なお、図1では、本体部20がスカート部23の上側に位置している状態の樹脂ブッシュ1を例示しているが、樹脂ブッシュ1は、本体部20がスカート部23の下側に位置している状態で使用してもよい(図7参照)。
第1壁部21は、空間10aの上端を覆う板状の部位である。第1壁部21は、配線Cを通すための第1孔21aが形成される。第1孔21aの中心は、空間10aの中心軸上に位置する。本開示の樹脂ブッシュ1において、第1孔21aは、中心から径方向外側へ放射状に延びる複数のスリットを有する。なお、第1孔21aは、略円形の断面形状を有する(スリットを有さない)孔であってもよい。
図1及び図2に示すように、第2壁部22は、空間10aの下端を覆う板状の部位である。第2壁部22は、配線Cを通すための第2孔22aが形成される。第2孔22aの中心は、空間10aの中心軸上に位置する。本開示の樹脂ブッシュ1において、第2孔22aは、中心から径方向外側へ放射状に延びる複数のスリットを有する。なお、第2孔22aは、略円形の断面形状を有する(スリットを有さない)孔であってもよい。
スカート部23は、第2壁部22から本体部20とは反対側(下側)に延びる略円筒状の部位である。略円筒状のスカート部23の中心軸の位置は、空間10aの中心軸上に位置する。スカート部23の内径は、第2孔22aの外径よりも大きい。換言すると、第2孔22aは、第2壁部22においてスカート部23の径方向内側となる位置に形成されている。なお、本開示の樹脂ブッシュ1において、スカート部23は省略してもよい(図7参照)。本説明では、スカート部23の中心軸回りの方向を、スカート部23の周方向とも称する。
図5Aは、止水部材を示す概略的な斜視図である。図5Aに示すように、止水部材30は、略円柱状の部材である。図1に示すように、止水部材30は、軸方向を上下方向に向けた姿勢で空間10aに配置される。図5Aに示すように、止水部材30の中心軸上には、配線Cを通すための第3孔30aが形成される。第3孔30aは、止水部材30の中心から径方向外側へ放射状に延びる複数のスリットを有する。なお、第3孔30aは、略円形の断面形状を有する(スリットを有さない)孔であってもよい。
空間10aに止水部材30が配置された状態において、第1孔21a、第2孔22a、及び第3孔30aの各中心は、空間10aの中心軸上に位置する(後で説明する図9参照)。樹脂ブッシュ1の空間10aに配線Cを通す場合、当該配線Cは、第1孔21a、第2孔22a、及び第3孔30aに通される。
図1に示すように、空間10aに止水部材30が配置された状態において、止水部材30の外周面と、空間10aの内周面とが密接している。換言すると、樹脂ブッシュ1では、空間10aの軸方向から見て、空間10aに配置された止水部材30の外径形状と、空間10aの内径形状とが一致している。
(樹脂ブッシュ1の分割構造について)
図3は、第1半割部材を示す概略的な斜視図であり、図4は、第1空間に第1止水部材が配置された状態の第1半割部材を示す概略的な斜視図である。図3及び図4に示すように、樹脂ブッシュ1は、前後方向について、2つの部分に分割可能に構成される。なお、本実施形態で示す樹脂ブッシュ1は、前後方向ヘ2分割可能に構成されるが、本開示の樹脂ブッシュは、分割不能な一体型であってもよい。
図3に示すように、ブッシュ本体10は、第1半割部材11及び第2半割部材12に分割可能に構成される。第1半割部材11は、第2半割部材12に対面する第1合わせ面11aを有し、第2半割部材12は、第1半割部材11に対面する第2合わせ面12aを有する。なお、第1半割部材11及び第2半割部材12は、同一の材料からなり、かつ、同一の形状を有する同一の部材である。
第1合わせ面11a及び第2合わせ面12aの間にはシール部材13が設けられる。シール部材13は、第1半割部材11及び第2半割部材12を合わせてブッシュ本体10を構成したときに、第1合わせ面11aと第2合わせ面12aとの間の隙間を封止する。なお、シール部材13は、第1半割部材11の第1合わせ面11a及び第2半割部材12の第2合わせ面12aに、予め付設しておくと好ましい。本実施形態の第1半割部材11では、径方向右側の第1合わせ面11aに矩形状のシール部材13を予め設けている。この場合の第2半割部材12には、第1合わせ面11aに対面させた場合に径方向左側となる第2合わせ面12aにシール部材13を設ける。本実施形態の樹脂ブッシュ1では、シール部材13が、EPDM(エチレンプロピレンゴム)製である。
本体部20は、第1半割部材11側の第1本体部20aと、第2半割部材12側の第2本体部20bとに分割可能に構成される。以下の説明では、本体部20内に形成される空間10aのうち、第1本体部20a側の空間10aを第1空間10a1と称し、第2本体部20b側の空間10aを第2空間10a2と称する。第1半割部材11の第1合わせ面11aと第2半割部材12の第2合わせ面12aとを付き合わせることによって、本体部20が構成される。このとき、第1空間10a1及び第2空間10a2が合わさって、空間10aが構成される。
図1及び図3に示すように、第1壁部21及び第2壁部22は、第1半割部材11側と第2半割部材12側とにそれぞれ分割される。第1孔21a及び第2孔22aは、第1半割部材11側と第2半割部材12側とに二分される。
図1~図3に示すように、スカート部23は、第1半割部材11側の第1スカート部23aと第2半割部材12側の第2スカート部23bとにより構成される。第1スカート部23aは第1ラップ部23cを有し、第2スカート部23bは第2ラップ部23dを有する。第1ラップ部23cは、第1スカート部23aの周方向の左側端部を前側へ接線方向に延ばした部位であり、第2ラップ部23dは、第2スカート部23bの周方向の右側端部を後側へ接線方向に延ばした部位である。上下方向に延びる円筒状のスカート部23を前後方向について半割にした場合、各合わせ面11a,12aに沿った位置で、スカート部23の左右に隙間が生じる。樹脂ブッシュ1では、第1ラップ部23cを、第2スカート部23bの左側端部に位置する外周面に巻きつけて、スカート部23の左側の前記隙間を覆うことができ、第2ラップ部23dを、第1スカート部23aの右側端部に位置する外周面に巻きつけて、スカート部23の右側の前記隙間を覆うことができる。
第1スカート部23a及び第2スカート部23bは、それぞれ突起部24を有する。突起部24は、スカート部23の外周面から径方向外側に向けて突出している。スカート部23は、第1ラップ部23c及び第2ラップ部23dを巻きつけた状態を維持するために、外周面を緊縛部材25によって締め付ける。突起部24は、スカート部23の外周面に締め付けた緊縛部材25が軸方向下側へ抜けるのを防止する。第1スカート部23aの突起部24は、第1スカート部23aにおいて第2ラップ部23dが巻き付けられる位置を避けて設けることが好ましい。本実施形態において、第1スカート部23aの突起部24は、第1ラップ部23cの後方側端部に設けており、第2ラップ部23dと干渉することがない。第2スカート部23bの突起部24は、第2スカート部23bにおいて第1ラップ部23cが巻き付けられる位置を避けて設けることが好ましい。本実施形態において、第2スカート部23bの突起部24は、第2ラップ部23dの前方側端部に設けており、第1ラップ部23cと干渉することがない。このような構成では、第1ラップ部23cを第2スカート部23bに巻きつけた際に、第1ラップ部23cを第2スカート部23bに密着させることができ、かつ、第2ラップ部23dを第1スカート部23aに巻きつけた際に、第2ラップ部23dを第1スカート部23aに密着させることができる。これにより、第1ラップ部23c及び第2ラップ部23dによって、分割構造を有するスカート部23の左右に存在する隙間を封止することができる。
図5Bは、分割された状態の止水部材を示す概略的な斜視図である。図5A及び図5Bに示すように、止水部材30は、それぞれ半円柱状である第1止水部材31及び第2止水部材32により構成される。換言すると、本実施形態の樹脂ブッシュ1では、第1止水部材31と第2止水部材32とを組み合わせて、止水部材30が構成される。第1止水部材31は第1スリット31aを有し、第2止水部材32は第2スリット32aを有する。なお、第1止水部材31及び第2止水部材32は、同一の材料からなり、かつ、同一の形状を有する同一の部材である。
第1止水部材31及び第2止水部材32の各合わせ面31b、32bは、第3孔30aの一部となり、当該各合わせ面31b、32bと、第1スリット31aと、第2スリット32aとを合わせて、第3孔30aが構成される。
(樹脂ブッシュ1の材質について)
以下の説明では、ブッシュ本体10(本体部20、第1壁部21、及び第2壁部22)を構成する樹脂を第1樹脂J1と称し、止水部材30を構成する樹脂を第2樹脂J2と称する。なお、スカート部23は、ブッシュ本体10と同じ第1樹脂J1製である。
樹脂ブッシュ1では、第1樹脂J1の硬度(以下、第1硬度H1と称する)が以下の条件を満足する。樹脂ブッシュ1では、第1樹脂J1が非発泡体であり、第1硬度H1がA60°~A90°(JISK6253:デュロメータタイプA、以下単に(タイプA)と記載する。)である。例えば、非発泡体である第1樹脂J1としては、上記第1硬度H1の条件を満足するゴム、プラスチック等の各種樹脂を採用することができる。
樹脂ブッシュ1では、第2樹脂J2の硬度(以下、第2硬度H2と称する)が以下の条件を満足する。樹脂ブッシュ1では、第2樹脂J2が発泡体であり、第2硬度H2がE1°~E25°(JISK6253:デュロメータタイプE、以下単に(タイプE)と記載する。)である。あるいは、樹脂ブッシュ1では、第2硬度H2がC1°~C25°(JISK7312記載の「スプリング硬さ試験タイプC試験方法」による測定硬度(アスカーC硬度とも称する)、以下単に(タイプC)と記載する。)であってもよい。本開示において測定規格(タイプE)又は(タイプC)で測定した第2硬度H2は、測定規格(タイプA)で測定した場合のA20°以下の硬度である。例えば、発泡体である第2樹脂J2としては、上記第2硬度H2の条件を満足するスポンジゴム、ウレタン樹脂等の各種樹脂を採用することができる。
樹脂ブッシュ1では、第2樹脂J2の圧縮永久歪み率CSが、5~30%である。
発泡体に含まれる気泡には、連続気泡、半連続気泡、独立気泡が存在する。樹脂ブッシュ1において発泡体である第2樹脂J2を使用する場合、半連続気泡又は独立気泡を含む第2樹脂J2を採用すると好ましく、独立気泡を含む第2樹脂J2を採用すると最も好ましい。止水部材30を、半連続気泡又は独立気泡を含む第2樹脂J2によって構成することで、水等が止水部材30に浸透して止水部材30内を移動するのを抑制することができる。
本開示の樹脂ブッシュ1では、第2樹脂J2の第2硬度H2が、第1樹脂J1の第1硬度H1に比べて小さい。具体的には、本実施形態の樹脂ブッシュ1は、第1樹脂J1が非発泡体であるCRゴム(第1硬度H1(タイプA)が、A60°~A90°)であり、第2樹脂J2が発泡体であるスポンジゴム(第2硬度H2(タイプE)が、E1°~E25°又はC1°~25°)である。本実施形態の樹脂ブッシュ1は、第2樹脂J2(スポンジゴム)の圧縮永久歪み率CSが、5~30%である。
本開示の樹脂ブッシュ1は、上記硬度(第1硬度H1及び第2硬度H2)の条件、及び圧縮永久歪み率CSの条件を満足する樹脂を、第1樹脂J1及び第2樹脂J2として採用することができる。本開示の樹脂ブッシュ1において、第1樹脂J1及び第2樹脂J2は、ゴムであると好ましい。本開示の樹脂ブッシュ1では、ゴムとして、例えば、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、シリコンゴム(SI)等を採用することができる。本開示の樹脂ブッシュ1では、第1樹脂J1がCRゴムであるとより好ましく、第2樹脂J2がEPDM製ゴムスポンジであるとより好ましい。
(電装品箱50の全体構成について)
図6は、本開示の電装品箱を示した概略的な斜視図であり、図7は、蓋体を取り外した状態の電装品箱を示す概略的な斜視図であり、図8は、電装品箱を構成する箱体を示す概略的な斜視図である。図7~図9に示す電装品箱50は、本開示の電装品箱の一実施形態である。図7に示すように、電装品箱50は、各種の電装品を収容するために用いられる密閉式の電装品箱であり、箱体60及び蓋体70を備える。
箱体60は、背面を構成する背板61、左右の側面を構成する一対の側板62、上面を構成する上板63、及び底面を構成する底板64を有し、六面体のうちの前側の一面が開放された形態を有する。箱体60は、その内部において、上板63及び底板64に対して平行で、左右の側板62によって支持される仕切板65をさらに有する。
蓋体70は、箱体60の開放された前側の一面を覆う部材であり、上側蓋部71及び下側蓋部72により構成される。蓋体70は、図示しないボルト・ナット等の結合部材を用いて、箱体60に固定される。これにより、箱体60の表面側の開口が蓋体70によって封止される。電装品箱50は、箱体60に蓋体70を取り付けることによって、六面体状に構成される。上側蓋部71及び下側蓋部72の各外周縁部には、シール部材75が設けられる。シール部材75は、箱体60に蓋体70を取り付けたときに、箱体60と蓋体70との間の隙間を封止する。電装品箱50は、箱体60と蓋体70との間にシール部材75を設けることによって、気密性が確保され、これにより、密閉式の電装品箱50として構成される。
底板64には、電装品箱50の外部から内部に配線Cを通すための開口部66が複数形成される。開口部66は、底板64の一部を、蓋体70に面する側から矩形状に切り欠いた部位である。換言すると、開口部66は、底板64を上下方向に貫通すると共に、蓋体70に面する側が開いた形態を有する。樹脂ブッシュ1は、本体部20の周囲に設けられた矩形状の環状溝であるスリット10bに、底板64の開口部66に臨む縁部が嵌合される。これにより、樹脂ブッシュ1が開口部66に取り付けられる。
樹脂ブッシュ1は、本体部20に形成されるスリット10bに底板64(開口部66に臨む縁部)を挿入しつつ、蓋体70に面する側(前面側)から開口部66に差し込んで、当該開口部66に配置される。樹脂ブッシュ1は、箱体60の表面側に蓋体70が固定された場合に、当該樹脂ブッシュ1と蓋体70との間の隙間がシール部材75で封止されるとともに、蓋体70の締結によって底板64に対して押しつけられることで、当該樹脂ブッシュ1と底板64との間の隙間が封止される。
仕切板65には、電装品箱50内部の下部から上部に配線Cを通すための開口部67が複数形成される。開口部67は、仕切板65の一部を、蓋体70に面する側から矩形状に切り欠いた部位である。換言すると、開口部67は、仕切板65を上下方向に貫通すると共に、蓋体70に面する側が開いた形態を有する。樹脂ブッシュ1は、本体部20の周囲に設けられた矩形状の環状溝であるスリット10bに、仕切板65の開口部67に臨む縁部が嵌合される。これにより、樹脂ブッシュ1が開口部67に取り付けられる。
(電装品箱50における樹脂ブッシュ1を用いた配線方法について)
図9は、電装品箱における樹脂ブッシュの配置状態を概略的に示した部分断面図である。ここでは、樹脂ブッシュ1を有する電装品箱50における配線方法を具体的に説明する。電装品箱50の開口部66に配線Cを通す場合、まず初めに、樹脂ブッシュ1のうち後方側に配置される第1半割部材11及び第1止水部材31を、開口部66に配置する。このとき、半割状である第1孔21a、第2孔22a、及び第3孔30aは、各スリットが前方側に向かって開口している。
次に、第1孔21a、第2孔22a、第3孔30aに対して開口している前面側から配線Cを押し込む。これにより、第1半割部材11及び第1止水部材31に対して配線Cが上下に通された状態となる。
次に、前方側に配置される第2半割部材12及び第2止水部材32(半割にした残りの樹脂ブッシュ1)を、開口部66に配置する。これにより、第1半割部材11及び第2半割部材12が合わされると共に、第1止水部材31及び第2止水部材32が合わされて、樹脂ブッシュ1が構成される。このとき、止水部材30は、第3孔30aに押し込まれた配線の形状(太さ)、本数等に応じて、止水部材30と配線Cとの間の隙間を埋めるように変形する。このとき、第1孔21a及び第2孔22aは、押し込まれた配線の形状(太さ)、本数等に応じて、各孔21a,22aのスリットで隔てられた舌片状の部位が、配線Cの外形に沿って変形する(図9の楕円内に示した部分図参照)。
次に、箱体60に蓋体70(図9に示す例では下側蓋部72)を取り付ける。このとき、蓋体70を箱体60に締め付けることで、本体部20にシール部材75が押し付けられ、これにより、蓋体70と本体部20との間の隙間が封止される。さらに、蓋体70を箱体60に締め付けた際に、本体部20が後方側へ押圧される。これにより、本体部20が開口部66に対して押し付けられて、本体部20と開口部66との間の隙間、及び第1合わせ面11aと第2合わせ面12aとの間の隙間が封止される。
次に、スカート部23に緊縛部材25を取り付ける。これにより、第1スカート部23a及び第2スカート部23bの間の隙間を封止すると共に、スカート部23と配線Cとの間の隙間を減らすことができる。以上で、電装品箱50に対する配線Cの通線作業が完了する。
以上のように、分割構造を有する樹脂ブッシュ1を用いることによって、開口部66と配線Cとの間の隙間を減らしつつ、電装品箱50に対する配線Cの通線作業を容易に行うことが可能となる。
(電装品箱50における樹脂ブッシュ1からの水等の浸入について)
電装品箱50では、開口部66が下方(底板64)に設けられている。このため、水等は、樹脂ブッシュ1を介して電装品箱50内に浸入するには、重力に逆らって上向きに移動する必要がある。水等は、樹脂ブッシュ1の下方から風に乗ってスカート部23内に浸入し、重力に逆らって上向きに移動することができた場合、第2壁部22に到達する可能性がある。スカート部23は、水等が当該スカート部23内を上向きに移動して第2壁部22へ到達するのを抑制する第1の障壁として機能する。緊縛部材25は、配線Cに対してスカート部23を締め付けることで、スカート部23と配線Cとの間の隙間を減少させることができる。緊縛部材25は、水等が当該スカート部23内を上向きに移動して第2壁部22へ到達するのを抑制する第2の障壁として機能する。
第2壁部22に到達することができた水等は、第2孔22aと配線Cとの間の隙間を伝って上向きに移動することができた場合に、空間10a内に到達する。樹脂ブッシュ1では、第2孔22aはスリットを有しており、当該スリットで隔てられた舌片状部分が第2孔22aを通る配線Cに沿って変形することで、第2孔22aと配線Cとの間の隙間が抑制されている。第2壁部22は、当該第2壁部22に到達した水等が、第2孔22aを通って空間10a内に浸入するのを抑制する第3の障壁として機能する。
第2孔22aを上向きに移動して空間10aの下端部に到達することができた水等は、止水部材30の第3孔30aと配線Cとの間の隙間を伝って上向きに移動することができた場合には、空間10aの上端部(第1壁部21)に到達することができる。樹脂ブッシュ1では、止水部材30は、第1硬度H1よりも小さい第2硬度H2を有する材料で構成されており、宛がわれた対象物(ここでは配線)の形状に沿って柔軟に変形することができる。第3孔30aに配線Cが通った場合、配線Cの外形に沿って(隙間を無くすように)第3孔30aが変形する。止水部材30は、本体部20の第1硬度H1に比べて小さい第2硬度H2を有しており、配線Cの外形に沿って変形する際の変形の追従性が第1壁部21及び第2壁部22に比べて優れている。このため、第3孔30aと配線Cとの間の隙間は、第2孔22aと配線Cとの間の隙間に比べて、より小さく抑えられる。さらに、樹脂ブッシュ1では、止水部材30が空間10aの内周面に密接しており、止水部材30と空間10aとの間の隙間も小さく抑えられている。止水部材30は、空間10aの下端部に到達した水等が上向きに移動して空間10aの上端部(第1壁部21)に到達するのを抑制する第4の障壁として機能する。
止水部材30を構成する第2樹脂J2が、独立気泡のみを含む発泡体である場合、水等が止水部材30に浸透するのを抑制することができる。これにより、水等が止水部材30内を通って下端部(第2壁部22)から上端部(第1壁部21)に移動するのを抑制することができる。
空間10aを上向きに移動して上端部(第1壁部21)に到達することができた水等は、第1孔21aと配線Cとの間の隙間を伝って上向きに移動することができた場合には、電装品箱50内に到達することができる。樹脂ブッシュ1では、第1孔21aはスリットを有しており、当該スリットで隔てられた舌片状部分が第1孔21aを通る配線Cに沿って変形することで、第1孔21aと配線Cとの間の隙間が抑制されている。第1壁部21は、当該第1壁部21に到達した水等が、第1孔21aを通って電装品箱50内に浸入するのを抑制する第5の障壁として機能する。
以上のように、本開示の樹脂ブッシュ1は、スカート部23、緊縛部材25、第2壁部22、止水部材30、及び第1壁部21からなる第1~第5の障壁を有しており、水等は、これら5重の障壁によって、電装品箱50内への浸入が抑制される。
このような本開示の樹脂ブッシュ1を用いれば、防水・防塵性能の向上を図ることができる。具体的には、樹脂ブッシュ1を用いた電装品箱50では、等級IP56以上の防水・防塵性能を実現することが可能となる。
図7に示すように、本開示の樹脂ブッシュ1は、電装品箱50の仕切板65に設けられた開口部67を封止するために使用してもよい。図6及び図7に示す電装品箱50では、箱体60の内部が、仕切板65によって下部60Aと上部60Bに隔てられている。電装品箱50では、防水・防塵性能についてより高い保護等級が要求される電気回路を、箱体60の上部60Bに配置することができる。この場合、底板64の開口部66に設けた樹脂ブッシュ1によって、外部から電装品箱50内(下部60A)への水等の浸入を抑制すると共に、仕切板65の開口部67に設けた樹脂ブッシュ1によって、水等が箱体60の下部60Aから上部60Bへ浸入するのをさらに抑制することができる。このような構成の電装品箱50では、樹脂ブッシュ1によって、箱体60の上部60Bへの水等の浸入を確実に抑制することができる。なお、図7に示すように、電装品箱50の内部に設けられた開口部67に樹脂ブッシュ1を使用する場合は、スカート部23を省略してもよい(図7で最も左側と最も右側の樹脂ブッシュ1を参照)。図7に示すように、電装品箱50内の開口部67に樹脂ブッシュ1を使用する場合、当該樹脂ブッシュ1は、スカート部23が本体部20の上側となる姿勢で使用してもよい(図7で右から2番目及び3番目の樹脂ブッシュ1を参照)。
[実施形態の作用効果]
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第1硬度H1を有する第1樹脂J1で構成された筒状の本体部20と、第1樹脂J1で構成され、本体部20の一側の開口を覆うとともに、配線Cを通す第1孔21aが形成された第1壁部21と、第1樹脂J1で構成され、本体部20の他側の開口を覆うとともに、配線Cを通す第2孔22aが第1孔21aと同軸状に形成された第2壁部22と、を有するブッシュ本体10と、第1硬度H1よりも小さい第2硬度H2を有する第2樹脂J2で構成され、本体部20の内部に配置されるとともに、配線Cを通す第3孔30aが第1孔21a及び第2孔22aと同軸状に形成された止水部材30と、を備える。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、止水部材30によって、空間10aにおける本体部20と配線Cとの間の隙間を埋めることができる。これにより、樹脂ブッシュ1について、水等の浸入を抑制する機能を高めることができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第2樹脂J2が、発泡体であり、第2硬度H2が、E1°以上かつE25°以下、又はC1°以上かつC25°以下である。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、止水部材30によって、空間10aにおける本体部20と配線Cとの間の隙間を埋めることができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第1樹脂J1が、非発泡体であり、第1硬度H1が、A60°以上かつA90°以下である。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、本体部20、第1壁部21、及び第2壁部22と、配線Cとの間の隙間を減らすことができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第2樹脂J2が、独立気泡を有する発泡体である。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、止水部材30に水等が浸透するのを抑制することができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第2樹脂J2が、スポンジゴムである。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、止水部材30によって、本体部20の内部と配線Cとの間の隙間を確実に減らすことができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第1樹脂J1が、ゴムである。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、本体部20、第1壁部21、及び第2壁部22と、配線Cとの間の隙間を確実に減らすことができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第1孔21a、第2孔22a、及び第3孔30aが、孔中心から径方向外側へ放射状に延びる複数のスリットを含んでいる。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、第1孔21a、第2孔22a、及び第3孔30aと、配線Cとの間の隙間を減らすことができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、本体部20及び止水部材30を、本体部20の軸方向から見た場合に、本体部20の内側面の形状と止水部材30の外側面の形状とが一致する。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、止水部材30と本体部20との間の隙間から水等が浸入するのを抑制することができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第2樹脂J2の圧縮永久歪み率CSが、5%以上かつ30%以下である。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、止水部材30によって、本体部20の内部と配線Cとの間の隙間を確実に減らすことができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第2壁部22から本体部20とは反対側に向かって延びる筒状のスカート部23をさらに備える。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、第2壁部22の第2孔22aに水等が到達するのを抑制することができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、ブッシュ本体10が、第1孔21a及び第2孔22aを径方向について二分する位置で、第1半割部材11及び第2半割部材12に分割される。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、樹脂ブッシュ1に配線Cを通す作業を容易に行うことができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第1半割部材11の第2半割部材12に対面する第1合わせ面11aと、第2半割部材12の第1半割部材11に対面する第2合わせ面12aとに、シール部材13が配置される。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、樹脂ブッシュ1を分割可能な構造とした場合に、樹脂ブッシュ1の各合わせ面11a、12aから水等が浸入するのを抑制することができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、止水部材30が、第3孔30aを径方向について二分する位置で、第1止水部材31及び第2止水部材32に分割される。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、樹脂ブッシュ1に配線Cを通す作業を容易に行うことができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、スカート部23が、第1半割部材11側の第1本体部20aから延びる第1スカート部23aと、第2半割部材12側の第2本体部20bから延びる第2スカート部23bと、に分割される。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、樹脂ブッシュ1に配線Cを通す作業を容易に行うことができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第1スカート部23aが、スカート部23の周方向について第2スカート部23bと重複する第1ラップ部23cを有し、第2スカート部23bは、スカート部23の周方向について第1スカート部23aと重複する第2ラップ部23dを有する。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、樹脂ブッシュ1を分割構造とした場合に、スカート部23の合わせ面から水等が浸入するのを抑制することができる。
上記実施形態の樹脂ブッシュ1は、第1スカート部23a及び第2スカート部23bは、径方向外側に突出する突起部24を有する。
このような構成の樹脂ブッシュ1によれば、配線Cに対してスカート部23を緊縛する緊縛部材25が、スカート部23の軸方向へ脱落するのを抑制することができる。
上記実施形態の電装品箱50は、配線Cの取込用の開口部66,67を有する電装品箱である。電装品箱50は、開口部66,67に、樹脂ブッシュ1が配置されており、開口部66,67と当該開口部66,67を通る配線Cとの間の隙間を樹脂ブッシュ1によって封止可能である。
このような構成によれば、樹脂ブッシュ1を用いた電装品箱50について、水等の浸入を抑制する機能を高めることができる。
なお、本開示は、以上の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :樹脂ブッシュ
10 :ブッシュ本体(第1部材)
10a :空間
11 :第1半割部材
12 :第2半割部材
13 :シール部材
20 :本体部
20a :第1本体部(第1半割部材側の本体部)
20b :第2本体部(第2半割部材側の本体部)
21 :第1壁部
21a :第1孔
22 :第2壁部
22a :第2孔
23 :スカート部
23a :第1スカート部
23b :第2スカート部
23c :第1ラップ部
23d :第2ラップ部
24 :突起部
25 :緊縛部材
30 :止水部材(第2部材)
30a :第3孔
50 :電装品箱
66 :開口部
67 :開口部
C :配線
J1 :第1樹脂
J2 :第2樹脂
H1 :第1硬度
H2 :第2硬度

Claims (17)

  1. 第1硬度(H1)を有する第1樹脂(J1)で構成された筒状の本体部(20)と、
    前記第1樹脂(J1)で構成され、前記本体部(20)の一側の開口を覆うとともに、配線(C)を通す第1孔(21a)が形成された第1壁部(21)と、
    前記第1樹脂(J1)で構成され、前記本体部(20)の他側の開口を覆うとともに、配線(C)を通す第2孔(22a)が前記第1孔(21a)と同軸状に形成された第2壁部(22)と、
    を有する第1部材(10)と、
    前記第1硬度(H1)よりも小さい第2硬度(H2)を有する第2樹脂(J2)で構成され、前記本体部(20)の内部に配置されるとともに、配線(C)を通す第3孔(30a)が前記第1孔(21a)及び前記第2孔(22a)と同軸状に形成された第2部材(30)と、を備え
    前記第1孔(21a)、前記第2孔(22a)、及び前記第3孔(30a)が、孔中心から径方向外側へ放射状に延びる複数のスリットを含んでいる、樹脂ブッシュ(1)。
  2. 前記第2樹脂(J2)が、発泡体であり、
    前記第2硬度(H2)が、E1°以上かつE25°以下、又はC1°以上かつC25°以下である、請求項1に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  3. 前記第1樹脂(J1)が、非発泡体であり、
    前記第1硬度(H1)が、A60°以上かつA90°以下である、請求項2に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  4. 前記第2樹脂(J2)が、独立気泡を有する発泡体である、請求項2又は請求項3に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  5. 前記第2樹脂(J2)が、スポンジゴムである、請求項1~4の何れか一項に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  6. 前記第1樹脂(J1)が、ゴムである、請求項1~5の何れか一項に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  7. 前記本体部(20)及び前記第2部材(30)を、前記本体部(20)の軸方向から見た場合に、前記本体部(20)の内側面の形状と前記第2部材(30)の外側面の形状とが一致する、請求項1~の何れか一項に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  8. 前記第2樹脂(J2)の圧縮永久歪み率(CS)が、5%以上かつ30%以下である、請求項1~の何れか一項に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  9. 前記第1部材(10)が、前記第1孔(21a)及び前記第2孔(22a)を径方向について二分する位置で、第1半割部材(11)及び第2半割部材(12)に分割される、請求項1~の何れか一項に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  10. 前記第1半割部材(11)の前記第2半割部材(12)に対面する第1合わせ面(11a)と、前記第2半割部材(12)の前記第1半割部材(11)に対面する第2合わせ面(12a)とに、シール部材(13)が配置される、請求項に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  11. 前記第2部材(30)が、前記第3孔(30a)を径方向について二分する位置で分割される、請求項又は請求項10に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  12. 前記第2壁部(22)から前記本体部(20)とは反対側に向かって延びる筒状のスカート部(23)をさらに備える、請求項1~8の何れか一項に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  13. 前記第2壁部(22)から前記本体部(20)とは反対側に向かって延びる筒状のスカート部(23)をさらに備える、請求項9~11の何れか一項に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  14. 前記スカート部(23)が、前記第1半割部材(11)側の前記本体部(20a)から延びる第1スカート部(23a)と、前記第2半割部材(12)側の前記本体部(20b)から延びる第2スカート部(23b)と、に分割される、請求項13に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  15. 前記第1スカート部(23a)は、前記スカート部(23)の周方向について前記第2スカート部(23b)と重複する第1ラップ部(23c)を有し、前記第2スカート部(23b)は、前記スカート部(23)の周方向について前記第1スカート部(23a)と重複する第2ラップ部(23d)を有する、請求項14に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  16. 前記第1スカート部(23a)及び前記第2スカート部(23b)は、径方向外側に突出する突起部(24)を有する、請求項14又は請求項15に記載の樹脂ブッシュ(1)。
  17. 配線取込用の開口部(66,67)を有する電装品箱(50)であって、
    前記開口部(66,67)に、請求項1~16の何れか一項に記載の前記樹脂ブッシュ(1)が配置されており、前記開口部(66,67)と当該開口部(66,67)を通る配線(C)との間の隙間を前記樹脂ブッシュ(1)によって封止可能である、電装品箱(50)。
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