JP2016191028A - インクジェット用油性インクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低粘度で、保存安定性に優れ、不快なアミン臭を発生することがなく、ノズルプレートに対する撥インク性が良好なインクジェット用油性インクの製造方法を提供する。
【解決手段】顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製した後、炭酸ガスを通気し、次いで顔料分散液に高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を添加してインクジェット用油性インクを製造する。炭酸ガスの通気以後に、遠心分離処理することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録装置に用いる油性インクの製造方法に関するものである。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なヘッドノズルから液滴として噴射し、上記ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、水性インクや紫外線硬化型インクとともに、非水系溶剤を主溶媒とした、いわゆる非水系インクが知られている。非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となって乾燥する。
近年、資源環境や省エネルギーの観点からプリンタ等の機器の消費電力を、可能な限り低減することが望まれている。インクジェット記録方式においても省電力化の要求が益々高まっており、そのためには低粘度のインクであることが好ましい。このような要求に対して、低粘度であるとともに、貯蔵安定性(保存安定性)が良好で、印刷濃度が高く、裏抜けが抑制された非水系顔料インクが提案されている。例えば、特許文献1には、顔料と、非水系溶剤と、非水溶性樹脂と、水溶性樹脂とを含む非水系顔料インクであって、前記非水溶性樹脂が少なくとも炭素数8〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有するモノマーとを含むモノマー混合物の共重合体からなるアクリル系樹脂である非水系顔料インクが提案されている。
また、特許文献2には、非水系溶剤に水溶性樹脂を添加すると顔料分散液が固化するという問題を解決するために、顔料と、非水系溶剤と、分散剤と、1分子中に1級および/または2級アミノ基を2個以上含む水溶性樹脂と、を含む顔料分散液の製造方法であって、前記非水系溶剤に前記顔料と前記水溶性樹脂が分散した混合スラリーを作製する第一の工程と、前記混合スラリーを循環式ビーズミルにより粉砕処理する第二の工程とを含む顔料分散液の製造方法が提案されている。
特開2014−15491号公報 特開2014−15492号公報
しかしながら、上記非水系顔料インクは、ポリエチレンイミン等のアミノ基を有する水溶性樹脂を含んでいると、不快なアミン臭を発するという問題があり、改善の余地が残されていた。
また、水溶性樹脂に含まれるアミノ基は、インクジェットヘッド用のノズルプレートに固着しやすい傾向があり、アミノ基を有する水溶性樹脂を含んでいるインクは、特に材質がポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル等の樹脂製のノズルプレートに対する撥インク性が良くないという問題があり、改善が望まれていた。
本発明は、上記の従来技術の問題を解決し、低粘度であるとともに、保存安定性が良好で、不快な臭気を発生することがなく、ノズルプレートに対する撥インク性に優れたインクジェット用油性インクの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の一側面は、(1)顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製する工程と、(2)該顔料分散液に炭酸ガスを通気する工程と、(3)該顔料分散液に高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を添加する工程を、この順で含むことを特徴とするインクジェット用油性インクの製造方法である。
本発明の他の側面は、(1)顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製する工程と、(2)該顔料分散液を遠心分離処理する工程と、(3)該顔料分散液に高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を添加する工程と、(4)該顔料分散液に炭酸ガスを通気する工程を、この順で含むことを特徴とするインクジェット用油性インクの製造方法である。
本発明によれば、インクの粘度が低く、保存安定性に優れ、不快なアミン臭を発生することがなく、ノズルプレートに対する撥インク性が良好なインクジェット用油性インクの製造方法を提供することができる。
本発明の第一の実施形態によるインクジェット用油性インク(以下、単にインクともいう)の製造方法は、顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製した後、炭酸ガスを通気し、次いで顔料分散液に高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を添加することを特徴としている。
また、本発明の第二の実施形態によるインクジェット用油性インクの製造方法は、顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製した後、顔料分散液を遠心分離処理し、次いで高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を添加し、炭酸ガスを通気することを特徴としている。
本発明のインクジェット用油性インクの製造方法は、いずれの実施形態においても、保存安定性に優れるとともにインクジェットに適した低粘度インクにすることができる。さらに、顔料に吸着せず溶剤中に遊離している水溶性樹脂のアミノ基を、炭酸ガスで中和することにより、不快なアミン臭を低減することができるとともに、ノズルプレートに対するインクの弾き性を改善することができる。以下に、本発明の製造方法の第一の実施形態および第二の実施形態について順次説明する。
「第一の実施形態」
本実施形態によるインクジェット用油性インクの製造方法は、顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製する工程(以下、単に工程1ともいう)と、該顔料分散液に炭酸ガスを通気する工程(以下、単に工程2ともいう)と、該顔料分散液に高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を添加する工程(以下、単に工程3ともいう)を、この順で含むことを特徴としている。本実施形態においては、さらに、前記炭酸ガスを通気する工程以後に、前記顔料分散液を遠心分離処理する工程(以下、単に工程4ともいう)を含むことが好ましい。以下に、各工程について詳述する。
<顔料分散液を作製する工程(工程1)>
本発明において、顔料分散液を作製する工程(工程1)は、顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製するものである。β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂とアミノ基を有する水溶性樹脂は共重合体となって顔料分散剤として作用し、非水系溶剤は顔料の分散媒として作用する。
工程1は、顔料分散液の各成分を混合する工程と、顔料を分散媒に分散させる工程に分かれていることが好ましい。この混合工程では、分散工程の前に、顔料分散液の全成分を一括して混合してもよく、別々に、あるいは段階的に混合してもよい。分散工程では、ボールミル、ビーズミル等の任意の分散装置を用いて顔料を非水系溶剤に分散させることができる。また、混合工程は、顔料分散液の一部の成分(例えば、顔料、共重合体、非水系溶剤の一部)を混合し、顔料を非水系溶剤に分散する工程の後に顔料分散液の残りの成分(例えば、非水系溶剤の残部)を混合するようにしてもよい。
以下に、顔料分散液の各構成成分について説明する。
[顔料]
本発明において、顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料及び染付レーキ顔料等の有機顔料並びに無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキシサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。無機顔料としては、代表的にはカーボンブラック及び酸化チタン等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらのなかでも、溶性アゾレーキ顔料を含むインクを製造する際に本発明の製造方法を用いると、インクの粘度を低くする効果が大きいため、好適である。溶性アゾレーキ顔料は顔料表面の極性基が少ないため、アミノ基を有する水溶性樹脂のように極性が高い成分との親和性は弱い。非水系溶剤としては極性が比較的高い高級アルコール系溶剤を添加すると、アミノ基を有する水溶性樹脂も極性が高いために、水溶性樹脂が溶性アゾレーキ顔料の表面から離脱して、高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤中に広がりやすくなると考えられる。非水系溶剤中に広がった水溶性樹脂は、ネットワーク構造を形成し、インクの粘度を低くしがたくするものと考えられる。したがって、詳細は後述するが、顔料分散液に炭酸ガスを通気すると、非水系溶剤中に広がっている水溶性樹脂の量を減少させることができ、インクの粘度を低くすることができる。特に、顔料表面の極性基が少ない溶性アゾレーキ顔料を含むインクにおいて、この効果が顕著に得られる。
顔料分散液全量に対する顔料の含有量は、通常0.1〜40質量%であり、顔料分散液を作製する効率性とインク中の顔料含有量の調整可能範囲の観点から1〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがいっそう好ましい。また、インク中の顔料の含有量は、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%となるように配合することが好ましい。
顔料分散液に分散している顔料の平均粒子径は、500nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがいっそう好ましい。一方、この平均粒子径は50nm以上であることが好ましい。ここで、顔料の平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置により測定される体積基準のメジアン径である。
[顔料分散剤]
本発明においては、非水溶性樹脂のβ−ジカルボニル基の一部と水溶性樹脂のアミノ基の一部とが非水系溶剤中で反応して結合し、共重合体となって顔料分散剤として作用すると考えられる。β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂としては、β−ジカルボニル基を有するモノマー(A)を構成成分として含む(メタ)アクリル系ポリマーを用いることが好ましい。以下に、この共重合体を構成する各成分について説明する。
(β−ジカルボニル基を有するモノマー(A))
β−ジカルボニル基を有するモノマー(A)としては、β−ジケトン基、β−ケト酸エステル基、β−ケトアミド類、またはシアノアセテート類等を含む(メタ)アクリル系モノマーを好ましく挙げることができる。β−ジケトン基の好ましい例としては、アセトアセチル基、プロピオンアセチル基等が挙げられ、β−ケト酸エステル基の好ましい例としては、アセトアセトキシ基、プロピオンアセトキシ基等が挙げられる。また、エステル鎖にβ−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を含む(メタ)アクリレート、エステル鎖にβ−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を含む(メタ)アクリルアミドが好ましい例として挙げられる。より詳細には、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併用することができる。
モノマー(A)に由来するβ−ジカルボニル基は顔料への吸着性が高く、これによって顔料分散性が向上し、インクの粘度を低くすることができる。さらに、インクを低粘度にできるため、低温環境下においても共重合体が固化しにくくなり、低温適性を向上させることができる。また、インクの粘度を低くすることができるため、インクが普通紙等の記録媒体に着弾する際のインクの静電的な凝集、定着にも寄与し、印刷濃度を向上させ、裏抜けの抑制を実現することができる。
(アルキル(メタ)アクリレート(B))
本発明において、顔料分散剤である共重合体は、さらに炭素数8〜18のアルキル基を有することが好ましい。例えば、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂として、β−ジカルボニル基を有するモノマー(A)と炭素数8〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(B)を少なくとも構成成分として含む(メタ)アクリル系ポリマーを用いることで、共重合体に炭素数8〜18のアルキル基を含ませることができる。その他の官能基を共重合体に含ませる場合も、同様に、(メタ)アクリル系ポリマーの構成成分となるモノマーを用いればよい。官能基として炭素数8〜18のアルキル基を含んだ共重合体は、このアルキル基の炭素数が18以下であることで低温環境下においても共重合体が固化しにくくなり、低温適性が良好となる。また、炭素数が8以上であることで、後述する石油系炭化水素溶剤等の非極性有機溶剤との親和性が高くなり、顔料を安定に分散することができるとともに保存安定性が良好となり、インクの粘度も低くすることができる。上記アルキル基の炭素数は12〜18であることがより好ましい。
上記炭素数8〜18のアルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。具体的には、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、これらは複数種が含まれていてもよい。
アルキル(メタ)アクリレート(B)の分子量(重量平均分子量)は、特に限定されないが、インクジェット用インクとして用いるためには、インクの吐出性の観点から5000〜50000程度であることが好ましく、10000〜30000程度であることがより好ましい。
アルキル(メタ)アクリレート(B)のガラス転移温度(Tg)は、25℃以下であることが好ましく、さらには0℃以下であることがより好ましい。これにより、インクが記録媒体上で定着する際に、常温で成膜を促進させることができる。
アルキル(メタ)アクリレート(B)を用いる場合、β−ジカルボニル基を有するモノマー(A)に対して、アルキル(メタ)アクリレート(B)は10〜400質量%であることが好ましく、50〜350質量%であることがより好ましく、90〜300質量%であることがいっそう好ましい。
(アミノ基を有する水溶性樹脂(C))
アミノ基を有する水溶性樹脂(C)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン等の塩基性高分子電解質を挙げることができ、特に、数平均分子量が200〜20000のポリエチレンイミンを好適に使用することができる。
ポリエチレンイミンの数平均分子量が200以上であると普通紙に対する高印刷濃度化の効果が大きくなり、20000以下であるとノズルプレート撥インク性がより良好になる。ポリエチレンイミンの数平均分子量は、高印刷濃度化の効果が大きく、かつ、ノズルプレート撥インク性が良い300〜2000であることがより好ましい。
ポリエチレンイミンは、市販のものを用いることが可能であり、例えば、(株)日本触媒製エポミンSP−006、エポミンSP−012、エポミンSP−018、エポミンSP−200;BASF社製Lupasol FG、Lupasol G20 Waterfree、Lupasol PR8515等を好ましく挙げることができる。
水溶性樹脂(C)は本来、後述する非水系溶剤である石油系炭化水素溶剤になじみがたいが、β−ジカルボニル基を有するモノマー(A)に由来するβ−ジカルボニル基と反応することにより石油系炭化水素溶剤になじみやすくなり、顔料との濡れ性(分散性)が向上する。
β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂は、アミノ基を有する水溶性樹脂に対して、10〜2000質量%であることが好ましく、40〜1000質量%であることがより好ましい。
本発明における顔料分散剤である共重合体は、その構成成分としてβ−ジカルボニル基を有するモノマー(A)、アルキル(メタ)アクリレート(B)およびアミノ基を有する水溶性樹脂(C)の他に、本発明の効果を得られる限り、他の構成成分を含んでもよい。
上記の各成分は、公知のラジカル共重合により、容易に重合させることができる。反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。重合反応の際には、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物等、公知の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。溶液重合に用いる重合溶媒には、例えば石油系炭化水素溶剤等を使用できる。この重合溶媒は、そのまま顔料分散液の溶媒として使用できる非水系溶剤溶剤(後述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。
また、重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。重合後のアクリル系樹脂の分子量を上記の好ましい範囲とするために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、例えば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン等のチオール類が用いられる。
非水系溶剤に、顔料と、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂と、アミノ基を有する水溶性樹脂とを同時に配合すると、顔料に対する吸着能は該水溶性樹脂よりも該非水溶性樹脂の方が大きいため、該非水溶性樹脂のβ−ジカルボニル基が優先的に顔料に吸着し、未反応のアミノ基を比較的多く有する水溶性樹脂が残存することがある。一方で、顔料を配合する前に、非水溶性樹脂と水溶性樹脂を非水系溶剤中で混合すると、β−ジカルボニル基とアミノ基が効率良く反応(共重合)し、未反応の水溶性樹脂の残存量を減らせることがある。したがって、このような工程を経て顔料分散液を作製してもよい。
β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂を合成する際の、具体的な反応条件および好適な反応フローは以下のとおりである。
(1)所定の容器内の非水系溶剤を50〜150℃に加温する。
(2)β−ジカルボニル基を有するモノマー(A)および必要に応じてアルキル(メタ)アクリレート(B)等のモノマーを1〜5時間かけて前記非水系溶剤に添加する。
(3)さらに、1〜5時間後、非水系溶剤で希釈する。
以上のようにすることで、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂が得られる。なお、温度や時間等の条件は、モノマーの種類や配合比等にあわせて適宜設定することができる。
本発明において、顔料分散剤として、上記の共重合体以外の顔料分散剤を併用してもよい。このような顔料分散剤としては、インクのその他の成分に応じて、顔料を非水系溶剤中に安定して分散させるものを適宜選択すればよい。例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、ポリエステル側鎖を有する含窒素グラフト共重合体等を挙げることができる。
顔料分散剤の顔料に対する含有比率は、質量比で0.1〜1.0であることが好ましい。顔料分散剤の顔料に対する含有比率がこの範囲であると、顔料分散液およびインクの保存安定性をより向上させることができる。
顔料分散剤の顔料分散液全量に対する含有量は、顔料の分散性を確保する観点から0.2質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。一方、顔料分散液の粘度を低くできるとともに、保存安定性をより向上させることができるため、30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。また、インク全量に対する顔料分散剤の含有量は、上記と同様の観点から、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは2〜8質量%となるように配合することが好ましい。
[非水系溶剤]
非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤の何れも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、組み合わせて使用することもできる。なお、本発明において、非水系溶剤としては、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明において、顔料分散液を作製する工程では、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を含む顔料分散液が作製される。インクの低粘度化の観点で言えば、石油系炭化水素溶剤を含むことが好ましい。
石油系炭化水素溶剤の含有量は、顔料分散液作製工程における非水系溶剤全質量に対して30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、さらには60質量%以上が好ましい。石油系炭化水素溶剤の含有量が30質量%以上であると、顔料を十分に分散できるとともに、顔料分散液の低粘度化を十分に図ることができる。
また、石油系炭化水素溶剤の含有量は、インクにおける非水系溶剤全質量に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さら好ましくは50質量%以上となるように配合することが好ましい。石油系炭化水素溶剤の含有量がインクの非水系溶剤全量に対して20質量%以上の場合、インク粘度のさらなる低粘度化と、保存安定性のさらなる改善の効果を得ることができる。石油系炭化水素溶剤の含有量が20質量%以上となると、水溶性樹脂は非水系溶剤中にはほとんど遊離することなく、顔料の近傍に集まり、顔料の表面に強固に吸着するようになる。このため、非水系溶剤自体の低粘度化だけでなく、非水系溶剤中の遊離樹脂量を低減できることでの低粘度化の効果を得ることが可能となるとともに、顔料の分散安定性をより向上させることが可能となるものと推測される。
石油系炭化水素溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができ、市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJX日鉱日石エネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれも東燃ゼネラル石油株式会社製)等を好ましく挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJX日鉱日石エネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれも東燃ゼネラル石油株式会社製)等を好ましく挙げることができる。石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
脂肪酸エステル系溶剤としては、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤が挙げられる。
高級脂肪酸系溶剤としては、ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
これらの非水系溶剤は、単独で使用してもよく、単一の相を形成する限り2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、使用する非水系溶剤と単一相を形成できる範囲で他の有機溶剤を含ませてもよい。ただし、高級アルコール系溶剤は、炭酸ガスを通気する工程よりも前の工程においては、本発明によって製造されるインクジェット用油性インクに含まれる高級アルコール系溶剤全量に対して1質量%以下の範囲にとどめることが好ましく、炭酸ガス通気前の工程では含ませずに炭酸ガス通気後の工程において含ませることがより好ましい。
<顔料分散液に炭酸ガスを通気する工程(工程2)>
本発明の第一の実施形態において、顔料分散液に炭酸ガスを通気する工程(工程2)は、工程1で得られた顔料分散液に対して行われる。
炭酸ガスは、例えば、容器に入れた顔料分散液中にホース等を差し込んで炭酸ガスを送り込むことにより、顔料分散液に通気することができる。炭酸ガスの通気量は、顔料分散液の作製に用いた水溶性樹脂の含有量等にもよるため一概には言えないが、アミノ基のモル比に対して10倍モル以上、好ましくは20倍モル以上、さらには30倍モル以上の量の炭酸ガスを通気することが好ましい。炭酸ガスは、インクの他の性状、例えば保存安定性やノズルプレートに対する撥インク性に影響を与えない範囲において、他のガス、例えば空気や窒素を含んでいてもよい。
β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂とアミノ基を有する水溶性樹脂とを少なくとも構成成分として含む共重合体は、前述したとおり顔料表面に吸着しやすい。一方で、β−ジカルボニル基との反応に関与しなかったアミノ基を有する水溶性樹脂は、顔料の表面に吸着しがたいため、非水系溶剤中に広がってネットワーク構造を形成しやすい。炭酸ガスを顔料分散液に通気することにより、水溶性樹脂に由来するアミノ基と炭酸ガスが反応し、このようなネットワーク構造の形成を防止して、低粘度であるとともに保存安定性にも優れたインクになると考えられる。さらに、未反応のアミノ基が炭酸ガスと反応することで、不快なアミン臭の発生を抑制し、ノズルプレートに対する撥インク性も良好になると考えられる。なお、この処理によって、顔料分散液はアミノ基と炭酸ガスとの中和塩をさらに含むものになると考えられる。
ここで、炭酸ガスとの反応性を考慮すると、顔料表面に吸着している水溶性樹脂由来のアミノ基ではなく、顔料表面に吸着せずに非水系溶剤中に遊離している水溶性樹脂のアミノ基と優先的に反応しやすいと考えられる。また、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂とアミノ基を有する水溶性樹脂とを少なくとも構成成分として含む共重合体が非水系溶剤中に遊離して存在するならば、この遊離している共重合体に残存しているアミノ基とも優先的に反応しやすいと考えられる。
<顔料分散液に高級アルコール系溶剤を添加する工程(工程3)>
本発明の第一の実施形態において、顔料分散液に高級アルコール系溶剤を添加する工程(工程3)は、高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を、工程2で得られた顔料分散液に添加するものである。
工程2において、顔料表面に吸着せずに非水系溶剤中に遊離している水溶性樹脂のアミノ基と炭酸ガスを反応させることで、水溶性樹脂の極性が低くなると考えられる。炭酸ガスと反応する前の水溶性樹脂は、高級アルコール系溶剤のような比較的極性の高い非水系溶剤を添加すると、非水系溶剤中に広がってネットワーク構造を形成して増粘してしまう。しかし、工程2によって水溶性樹脂の極性は低くなっているため、高級アルコール系溶剤を添加しても増粘することがなく、低粘度を維持できると考えられる。
高級アルコール系溶剤としては、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤が挙げられる。高級アルコール系溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の高級アルコール系溶剤には、沸点を示さない高級アルコール系溶剤も含まれる。高級アルコール系溶剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、高級アルコール系溶剤と単一相を形成できる範囲で他の有機溶剤を含ませてもよく、例えば、上記した石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤等の非水系溶剤と混合して添加してもよい。添加する非水系溶剤に占める高級アルコール系溶剤の比率は50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
また、本発明によって製造されるインクジェット用油性インク全量に対して高級アルコール系溶剤が1〜20質量%となるように添加することが好ましく、5〜15質量%となるように添加することがより好ましい。この範囲にすることでノズルプレートに対する撥インクをより良好にできる。インクに含まれる高級アルコール系溶剤の全量に対して、工程3で添加する高級アルコール系溶剤は90質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましく、実質的に100質量%であることがさらにいっそう好ましい。
<顔料分散液を遠心分離処理する工程(工程4)>
本発明の第一の実施形態においては、さらに、顔料分散液を遠心分離処理する工程(工程4)を含むことができる。
遠心分離処理は、市販の遠心分離装置を用いることができる。遠心分離処理する際の具体的な処理条件は、顔料分散液の作製に用いた水溶性樹脂や非水溶性樹脂の含有量、官能基の量等にもよるため一概には言えないが、通常、重力加速度1000〜50000Gで1〜60分の処理をし、沈降物を除去すればよい。これらの処理条件は顔料分散液の性状にあわせて適宜設定することができる。
工程4は工程2以後に含むことが好ましい。工程2以後であれば、工程3より前であっても、後であってもよい。また、遠心分離処理はバッチ方式で行ってもよく連続方式で行ってもよく、連続方式で行う場合は工程2と同時に行ってもよい。工程2において水溶性樹脂のアミノ基と炭酸ガスとの反応により生成した中和塩は、不溶化した粗粒になると考えられる。炭酸ガス通気以後に遠心分離処理することにより、このような粗粒を除去することができるため、インクの保存安定性とノズルプレートに対する撥インク性がさらに良好になる。
<その他の工程等>
本発明においては、上記の工程のほかに、他の工程を含んでもよい。例えば、粗大な顔料粒子や異物をフィルター等で濾過して除去する工程、他の顔料分散液と混合する工程、加温する工程、冷却する工程等を設けてもよい。
また、本発明によって製造されるインクジェット用油性インクの成分は、上記の各工程の説明で例示した成分に加えて、インクジェット用油性インクとして慣用の添加剤を含んでもよい。例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、およびノルジヒドログアヤレチック酸等の酸化防止剤、防腐剤、粘度調整剤、染料ならびに体質顔料等が挙げられる。これらの成分は、上記の各工程において添加してもよいし、別の工程を設けて添加してもよい。また、各工程の説明で例示した成分を、別の工程を設けてさらに添加してもよい。
「第二の実施形態」
本発明の第二の実施形態によるインクジェット用油性インクの製造方法は、顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製した後、顔料分散液を遠心分離処理し、次いで高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を添加し、炭酸ガスを通気することを特徴としている。
本実施形態によるインクジェット用油性インクの製造方法は、その各工程の内容は、本発明の第一の実施形態によるインクジェット用油性インクの製造方法と同じである。
前述したように、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂と反応したアミノ基を有する水溶性樹脂は、顔料表面に吸着しやすい。一方で、β−ジカルボニル基との反応に関与しなかったアミノ基を有する水溶性樹脂は、顔料の表面に吸着しがたいため、非水系溶剤中に遊離または粒子化して残存しやすい。本実施形態による製造方法においては、作製した顔料分散液を遠心分離処理することで、顔料表面に吸着せずに非水系溶剤中に残存しているアミノ基を有する水溶性樹脂を除去することができる。非水系溶剤中に残存していたアミノ基を有する水溶性樹脂を除去することで、その後に高級アルコール系溶剤を添加しても増粘することがなく、低粘度を維持できると考えられる。さらに、その後、顔料分散液に炭酸ガスを通気することで、遠心分離処理で除去しきれなかった水溶性樹脂が残存していたとしても、アミノ基と炭酸ガスが反応する。また、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂とアミノ基を有する水溶性樹脂とを少なくとも構成成分として含む共重合体に、わずかに未反応のアミノ基が残っていたとしても、炭酸ガスが反応する。これらの作用によって、低粘度であるとともに保存安定性に優れ、不快なアミン臭の発生を抑制し、ノズルプレートに対する撥インク性も良好になると考えられる。
本発明によって製造されるインクジェット用油性インクの粘度は、インクジェット記録装置の吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において1〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましい。
本発明によって製造されるインクジェット用油性インクは、普通紙、コート紙及び特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート並びにこれらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等の記録媒体に対して、好適に用いることができる。これらの中でも、普通紙及びコート紙等の印刷用紙が好適であり、特に普通紙が好適である。
普通紙は、その面上にインク受容層やフィルム層等が形成されていない印刷用紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙及び再生紙等を挙げることができる。また、コート紙としては、いわゆる塗工印刷用紙やインクジェット用コート紙を好ましく用いることができる。塗工印刷用紙とは、従来、凸版印刷、オフセット印刷及びグラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、クレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と澱粉等のバインダーを含む塗料を用いて、上質紙や中質紙の表面に塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙及びキャストコート紙等に分類される。インクジェット用コート紙としては、マット紙及びフォト光沢紙等を挙げることができる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[非水溶性樹脂の合成]
四つ口フラスコにAFソルベント6号(ナフテン系溶剤;JX日鉱日石エネルギー株式会社製)75.0質量部を仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながら、表1に示す組成物を3時間かけて滴下した。さらに1時間後にパーブチルO(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート;日油株式会社製)0.2質量部を添加し、さらに1時間、温度を110℃に保った。その後、AFソルベント6号を添加して希釈し、不揮発分50%の無色透明の非水溶性樹脂溶液を得た。得られたβ−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂の重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は20000であった。
[インクの作製]
実施例および比較例のインクを作製した各工程および各処方を、表2および表3に示す。各工程は、I、II、III、IVの順に行った。なお、−は省略した工程である。各工程の詳細は、以下のとおりである。
(1)顔料分散液を作製する工程
表2および表3に示す成分および割合で混合し、ビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、ダイノーミルKDL−A)を用いて顔料を分散媒に分散させ、顔料分散液を作製した。
(2)炭酸ガスを通気する工程
1Lのガラス瓶に顔料分散液500gを入れ、内径4mmホースをガラス瓶に差し込み、底部から炭酸ガスを発生させた。炭酸ガスは、流量1L/minで120分間発生させた。炭酸ガスとしては合計120L=約236g=約5.4molである。
(3)高級アルコール系溶剤等を添加する工程
表2および表3に示す成分および割合の非水系溶剤を顔料分散液に添加し、十分に撹拌した。
(4)遠心分離処理する工程
遠心分離機(株式会社コクサン製、H−2000B)を用いて、20000Gで6分間の遠心分離処理を行った。
なお、表2および表3に示す成分の詳細は、以下のとおりである。
顔料:溶性アゾレーキ顔料(ピグメントレッド48:3)、東洋インキ株式会社製「TOYO LIONOGEN RED LX−10089」
水溶性樹脂a:ポリエチレンイミン、株式会社日本触媒製「エポミンSP−200」、数平均分子量10000
水溶性樹脂b:ポリエチレンイミン、株式会社日本触媒製「エポミンSP−006」、数平均分子量600
石油系炭化水素溶剤a:ナフテン系溶剤、JX日鉱日石エネルギー株式会社製「AFソルベント6号」
石油系炭化水素溶剤b:イソパラフィン系溶剤、東燃ゼネラル石油株式会社製「エクソールD110」
脂肪酸エステル系溶剤:イソノナン酸イソノニル、高級アルコール工業株式会社製「KAK99」
高級アルコール系溶剤a:イソミリスチルアルコール、日産化学工業株式会社製「ファインオキソコール140N」
高級アルコール系溶剤b:イソステアリルアルコール、高級アルコール工業株式会社製「リソノール18SP」
[評価方法]
上記インクについて以下のとおり評価を行った。結果を表2および表3に併せて示す。
(1)粘度
作製したインクがインクジェットで吐出できる流体であるか確認し、以下の基準で評価した。
S:インクジェットで吐出できる低粘度の流体
C:インクジェットで吐出が困難なゲル状の流体
(2)保存安定性
作製したインクのうち上記(1)の評価がSだったインクを密閉容器に入れ、70℃環境下で4週間保存した。保存前と保存後のインクの粘度をそれぞれ測定し、以下の基準で評価した。なお、粘度は(株)アトンパール製レオメータMC302(コーンの角度1°、直径50mm)を用い、23℃において、毎秒0.1Paでせん断応力を増加させて、せん断応力が10Paに到達したときのせん断速度の値から算出した。
粘度変化率=((保存後粘度−保存前粘度)/保存前粘度)×100
S:粘度変化率が5%未満
A:粘度変化率が5%以上10%未満
B:粘度変化率が10%以上
(3)臭気
作製したインクのうち上記(1)の評価がSだったインクを密閉容器に入れ、23℃環境下で1週間保存した。保存後のインクの臭気を嗅いで、以下の基準で評価した。
S:不快臭がない
C:不快臭がある
(4)ノズルプレート撥インク性
作製したインクのうち上記(1)の評価がSだったインクにインクジェットヘッド用のノズルプレート(ポリイミド製)を浸し、密閉容器に入れて50℃環境下で4週間保存した。その後、インクからノズルプレートをゆっくり引きだし、ノズルプレート表面のインク付着状態を観察し、以下の基準で評価した。
S:インクが液滴状となって弾かれている
A:インクが弾かれていない箇所が少しある
B:インクが弾かれている箇所と、弾かれていない箇所が同じぐらいある
C:インクが濡れたままで、弾かれている箇所がない
表2および表3の結果から分かるように、実施例1〜9はすべての評価項目において良好な結果が得られた。特に、本発明の第一の実施形態である実施例1〜8は、炭酸ガスを通気した後に高級アルコール系溶剤を添加しているため、保存安定性とノズルプレート撥インク性がより優れていた。また、炭酸ガス通気以後に遠心分離処理をしている実施例1〜6はさらに良好な結果が得られた。それに対して、比較例1〜6ではいずれかの評価項目が良好ではなかった。

Claims (3)

  1. 顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製する工程と、
    該顔料分散液に炭酸ガスを通気する工程と、
    該顔料分散液に高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を添加する工程を、
    この順で含むことを特徴とするインクジェット用油性インクの製造方法。
  2. 前記炭酸ガスを通気する工程以後に、前記顔料分散液を遠心分離処理する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット用油性インクの製造方法。
  3. 顔料、β−ジカルボニル基を有する非水溶性樹脂、アミノ基を有する水溶性樹脂、ならびに、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤および高級脂肪酸系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の非水系溶剤を混合し、顔料を分散して顔料分散液を作製する工程と、
    該顔料分散液を遠心分離処理する工程と、
    該顔料分散液に高級アルコール系溶剤を含む非水系溶剤を添加する工程と、
    該顔料分散液に炭酸ガスを通気する工程を、
    この順で含むことを特徴とするインクジェット用油性インクの製造方法。
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