JP2009529443A - インクジェットインクセット - Google Patents

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Abstract

優れた物理的耐久性を有する印刷物品を製造するインクセットが提供される。該インクセットは、反応性カルボニル基を含有する第1液体組成物及び共反応性アミン基を含有する第2液体組成物を含み、第1液体組成物と第2液体組成物の少なくとも1つは、着色材料を更に含有する。2つのインクが、少なくとも部分的に重なり合う配置で基材上に印刷されるとき、反応性アミン種と反応性カルボニル種は架橋して、より耐久性のある画像を形成することができる。

Description

(関連出願に対する相互対照)
本出願は、米国特許法第119条(35 U.S.C. §119)に基づき、2006年3月9日に出願された米国特許仮出願番号第60/780,706号明細書の優先権を主張する。
本発明は、少なくとも2つのインクを含むインクセットに関し、1つのインクは反応性カルボニル基含有種を含み、第2のインクは反応性アミン基含有種を含む。2つのインクが、重なり合う配置で基材上に印刷されるとき、反応性アミンと反応性カルボニル種が架橋して、より耐久性のある画像を形成できる。
インクジェット印刷は、ノンインパクト印刷プロセスであり、その中でインクの液滴は、紙のような印刷媒体上に付着されて、所望の画像を形成する。液滴は、マイクロプロセッサにより発生された電気信号に応答するプリントヘッドから噴出される。こうした記録に使用されるインクには、例えば良好な分散安定性、噴出安定性、及び媒体への良好な固着を含む、厳しい要求が課せられる。
インクジェットプリンターは、低価格、高品質印刷を提供し、レーザープリンターのような他の種類のプリンターに代わるものとして好評を博してきた。しかしながら、インクジェットプリンターは目下のところ、レーザープリンターの速度及びレーザー印刷された画像の耐久性に比較するに値しない。向上した耐久性を有するインクジェット印刷は、極めて有利である。
インクジェット印刷の耐久性を向上させることに関しては、米国特許第4,694,302号明細書が、2つのペンの構成を記載しており、1つのペンは水性ビヒクル中に塩化アルミニウムを含有し、第2のペンは水性ビヒクル中に、カルボキシメチルセルロース(CMC)を有する着色インクを含有する。基材上に共に吐出されるとき、CMCの不溶性塩が形成され、保護コーティングを生成する。印刷は、極めて水を通しにくいことが報告された。
米国特許第6,020,397号明細書は、アジリジンを含む第1液体及びアジリジンと反応するポリマーを含む第2液体が基材に順次適用され、それによってアジリジン架橋ポリマーを形成する、インクジェット印刷プロセスを記載している。良好なインクの接着が報告された。
米国特許第6,503,307号明細書は、第1液体が、エチレン性不飽和二重結合をα電子求引基と共に有する第1水溶性化合物を含み、第2液体が、第1化合物に付加できる活性水素を有する第2水溶性化合物を含む、液体組成物のセットを記載している。着色剤は、どちらの液体中にも存在し得る。基材上に共に印刷されたとき、第1及び第2液体は反応してポリマーフィルムを形成できる。耐水性及び耐磨耗性が優れていると報告されている。
米国特許出願公開第2002/0156153号明細書(U.S. Published Application No. 2002/0156153)は、(1)イソシアネート、及びエポキシ末端オリゴマーの群から選択された、ビヒクル中の反応性モノマー又はオリゴマーと、(2)ポリオール及びポリビニルアルコールから選択された少なくとも1つの第2構成成分及び塩基触媒、とを含む2剤型定着剤を記載している。反応性モノマー又はオリゴマーは、第2構成成分と印刷媒体上で反応してポリマーを形成する。水、汚れ、染みに対する耐性が高められることが報告されている。
米国特許仮出願番号第60/780,706号 米国特許第4,694,302号 米国特許第6,020,397号 米国特許第6,503,307号 米国特許出願公開第2002/0156153号 米国特許第5085698号 米国特許第5554739号 米国特許第5571311号 米国特許第5609671号 米国特許第5672198号 米国特許第5698016号 米国特許第5707432号 米国特許第5718746号 米国特許第5747562号 米国特許第5749950号 米国特許第5803959号 米国特許第5837045号 米国特許第5846307号 米国特許第5851280号 米国特許第5861447号 米国特許第5885335号 米国特許第5895522号 米国特許第5922118号 米国特許第5928419号 米国特許第5976233号 米国特許第6057384号 米国特許第6099632号 米国特許第6123759号 米国特許第6153001号 米国特許第6221141号 米国特許第6221142号 米国特許第6221143号 米国特許第6277183号 米国特許第6281267号 米国特許第6329446号 米国特許第6332919号 米国特許第6375317号 米国特許出願公開第2001/0035110号 欧州特許出願公開第1086997号 欧州特許出願公開第1114851号 欧州特許出願公開第1158030号 欧州特許出願公開第1167471号 欧州特許出願公開第1122286号 国際公開第01/10963号 国際公開第01/25340号 国際公開第01/94476号 欧州特許出願公開第0556649号 米国特許第5231131号 米国特許第6306994号 米国特許第5801738号 米国特許第5750594号 米国特許第5713993号 米国特許第5753016号 米国特許第6277184号 米国特許第6,432,483号 米国特許第4,215,195号 米国特許第6,503,977号 米国特許出願公開第2003/0158324号 米国特許第5,886,116号 米国特許第6,399,273号 米国特許第6,730,740号 米国特許第5,609,965号 米国特許第5,525,662号 米国特許第6,232,369号 米国特許第6,037,390号 米国特許第6,521,715号 米国特許第5,298,567号 米国特許第5,147,926号 米国特許出願公開第2002/0040093号 米国特許第5,552,496号 国際公開第97/1113号 米国特許第4,983,662号 米国特許第4,598,121号 米国特許第6,235,901号 米国特許第6,136,890号 米国特許第5,858,331号 米国特許第6,538,047号 米国特許第6,864,302号 米国特許出願公開第2004/0229974号 米国特許出願公開第2003/0050362号 米国特許第6,605,688号 米国特許第6,441,102号 米国特許第4,529,765号 米国特許第6,218,500号 米国特許第4,772,643号 米国特許第4,694,383号 米国特許第5,700,867号 米国特許第4,983,622号 J.ウィッツマン(J. Witzeman)らによってザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、56、1713〜18(1991) L.E.コールマン(L.E. Coleman)により、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer Science)、A部、3巻、4号(Part A, Volume 3, Issue 4)、1601〜1608ページ(1965) パスクアーレ,A.J.(Pasquale, A.J.)らによるマクロモレキュラ−・ケミストリー・アンド・フィジックス(Macromolecular Chemistry and Physics)、2004、205、621〜627 ホーリハン(Houlihan)らのマクロモレキュールズ(Macromolecules)、1997、30、6517〜24 ハウプ・リ(Haup Li)らにより、ポリマーズ・フォー・アドバンスト・テクノロジーズ(Polymers for Advanced Technologies)、14、212、(2003) ポリマー・ラテックス:調製、特徴、及び用途(Polymer Latexes: Preparation, Characterization, and Applications)、ACSシンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)492、1991 ポリスチレン・コア/アクロレイン・シェルのラテックスが、ミクロスフェア:医学的及び生物学的応用(Microspheres: Medical and Biological Applications)、CRCプレス(CRC Press)1988 ケルクヴィス(Kjellqvis)らによりジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer Science)、51巻、1063〜1070(1994) クラシア,T(Krasia,T.)らにより、ケミカル・コミュニケーションズ(Chemical Communications)、(2003年2月21日)、(4)、538〜9 パーク,Y.(Park, Y.)らによる、PSty−P(Ba−co−AAEMA)反応性複合ラテックスの機械的特性及びフィルム形態への周囲架橋の効果、ヨーロピアン・ポリマー・ジャーナル(European Polymer Journal)、37、(2001)、965〜973 モンテイロ,M.J.(Monteiro, M.J.)らによる、Raftプロセスを使用するリビングラジカル重合による反応性複合ラテックスの調製、マクロモレキュラー・ラピッド・コミュニケーションズ(Macromolecular Rapid Communications)、2002、23、370〜374 シュラード(Schlaad)らにより、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、2001、34、7585〜7588 M.ヒロセ(M.Hirose)の有機コーティングの進歩(Progress in Organic Coatings)、31、(1997)157〜169 トン,A.(Dong, A.)らにより、Macrol.Chem.Phys.、199、2635〜2640(1998) バジアング,J.(Badiang, J.)らにより、J.Org.Chem.、61,2484〜2487 K.J.エドガー(K.J.Edgar)により、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1995、28、4122〜4128 K.ランドフェスター(K. Landfester)により、Macrol.Chem.Phys、2001、202、51〜51 Macromol.Symp.151、549〜555、(2000) ガナショー(Ganachaud)らによりジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer Science)、65巻、2315〜2342 ベルクュイズ,K.P.(Vercruysse, K.P.)らによりバイオコンジュゲート・ケム(Bioconjugate Chem.)、1997、8、686〜694 ジョーンズ、A.S.(Jones, A.S.)らのテトラヒドロン(Tetrahedron)、32巻、2361〜2364(1976) チョゴル(Csogor)らにより、マテリアルズ・サイエンス・アンド・エンジニアリングC.(Materials Science and Engineering C.)、23、(2003)93〜97
しかし依然として、より物理的に耐久性のインクジェット画像を提供するインク及び印刷方法への要求が存在し、それらを提供することが本発明の目的である。
本発明の1つの態様によると、次のような少なくとも2つのインク:
a)ビヒクルと、少なくとも1つの(好ましくは少なくとも2つの)反応性カルボニル基を有する反応性カルボニル基含有種と、を含む第1インクと、
b)ビヒクルと、少なくとも1つの(好ましくは少なくとも2つの)反応性アミン基を有する反応性アミン基含有種を含む第2インクと、
を含むインクジェットインクセットが提供される。
第1インク中の反応性カルボニル基含有種及び反応性アミン基含有種は、それらが相互に反応して架橋できるため、そのように名付けられている。
反応性カルボニル基含有種及び反応性アミン基含有種は、それぞれのインクの中で、任意の所望の形態において存在することができる。例えば、各種は、添加剤として独立して存在することもできるし、又は顔料上に吸着された分散剤若しくは着色剤に化学的に結合した種のような着色剤と結び付くことができる。
本明細書に規定される反応性カルボニル部分には、アルデヒド、ケトン、β−ジケトン、及びβ−ケトエステル部分のカルボニルが挙げられる。反応性カルボニル部分はまた、溶液中にアミンが存在するときに、カルボニルと平衡状態であり得るイミン又はエナミン形態をも包含する。反応性カルボニル部分はまた、ケタール又はアセタールとして存在することもでき、これは中性又は微アルカリ性の溶液中で安定であるが、酸の存在により、反応性のケトン又はアルデヒドに戻る。
本明細書で規定される反応性アミンには、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドラゾン、セミカルバジド、カルバジド(又はカルボヒドラジド)部分が挙げられる。
更に別の態様では、本発明は基材上にインクジェット印刷するための方法に関し、該方法は、
(a)デジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを提供する工程と、
(b)印刷される基材をプリンターに搭載する工程と、
(c)上記に記載され及び下記に更に詳細に記載されるようなインクジェットインクセットをプリンターに搭載する工程と、
(d)デジタルデータ信号に応答して、インク又はインクジェットインクセットを使用して基材上に印刷する工程と、
を任意の実行可能な順序で含む。
本発明のこれら及びその他の特徴並びに利点は、当業者には、以下の詳細な説明を読むことにより、より容易に理解されるであろう。明確のため別個の実施形態の文脈で、上記及び下記の本発明の幾つかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできることが理解されるはずである。逆に、簡潔のため単一の実施形態の文脈において記載される本発明の様々な特徴は、別個に又は任意の部分的組み合わせで提供されてもよい。加えて、文脈が具体的に指示しない限り、単数形による参照はまた、複数形を包含することが可能である(例えば、「1つ」は、「1」又は「1以上」を指す場合がある)。更に、範囲によって規定された値の参照は、その範囲内の各々及びすべての値を包含する。
ビヒクル
ビヒクルは、液体キャリア(又は媒体)であり、水性又は非水性であり得る。
用語「水性ビヒクル」は、水又は水の混合物、及び少なくとも1種の水溶性有機溶剤(共溶剤)を指す。好適な混合物の選択は、具体的な用途の要件、例えば所望の表面張力及び粘度、選択された着色剤、インクの乾燥時間、及びインクが印刷される基材の種類に依存する。選択が可能な水溶性有機溶剤の代表的な例は、米国特許第5085698号明細書に開示されている(この開示は、あらゆる目的にかなうよう、それが完全に記載されたかのように本明細書に参考として組み込まれる)。
水及び水溶性溶剤の混合物が使用される場合には、水性ビヒクルは典型的には、約30%〜約95%の水を含有し、残部(即ち、約70%〜約5%)は水溶性溶剤である。好ましい組成物は、水性ビヒクルの総重量に基づいて約60%〜約95%の水を含有する。
水性ビヒクルは、界面活性剤又は浸透剤、例えばグリコールエーテル及び1,2−アルカンジオールを包含することにより、急速浸透(迅速乾燥)にされ得る。グリコールエーテルには、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテルが挙げられる。1,2−アルカンジオールは、好ましくは1,2−C4〜6アルカンジオールであり、最も好ましくは1,2−ヘキサンジオールである。好適な界面活性剤には、エトキシル化アセチレンジオール(例えば、エアープロダクツ(Air Products)社製サーフィノール(Surfynol)(登録商標)シリーズ)、エトキシル化一級(例えば、シェル(Shell)社製ネオドール(Neodol)(登録商標)シリーズ)及び二級(例えば、ユニオンカーバイド(Union Carbid)社製ターギトール(Tergitol)(登録商標)シリーズ)アルコール、スルホサクシネート(例えば、サイテック(Cytec)社製エアロゾール(Aerosol)(登録商標)シリーズ)、オルガノシリコーン(例えば、ウイトコ(Witco)社製シルウェット(Silwet)(登録商標)シリーズ)、及びフッ素系界面活性剤(例えば、デュポン(DuPont)社製ゾニル(Zonyl)(登録商標)シリーズ)が挙げられる。
添加されるグリコールエーテル及び1,2−アルカンジオールの量は、適切に決定されなければならないが、インクの総重量に基づいて、典型的には約1〜約15重量%、より典型的には約2〜約10重量%の範囲である。界面活性剤は、インクの総重量に基づいて、典型的には約0.01〜約5%、好ましくは約0.2〜約2%の量で使用されてもよい。
「非水性ビヒクル」は、非水性溶剤又はこうした溶剤の混合物から実質的に構成されるビヒクルを指し、これらの溶剤は極性及び/又は非極性であり得る。極性溶剤の例には、アルコール、エステル、ケトン、及びエーテル、特にグリコール及びポリグリコールのモノ−及びジ−アルキルエーテル、例えばモノ−、ジ−、及びトリ−プロピレングリコールのモノメチルエーテル、並びにエチレン、ジエチレン、及びトリエチレングリコールのモノ−n−ブチルエーテルが挙げられる。非極性溶剤の例には、少なくとも6の炭素原子を有する脂肪族及び芳香族炭化水素、並びに蒸留精製生成物及び副生成物を包含するこれらの混合物が挙げられる。
非水性ビヒクルに水が意図的に添加されないときでさえ、付随的に若干の水が製剤中に持ち込まれる場合があるが、一般にこれはたかだか約2〜4%である。そもそも本発明の非水性インクは、非水性ビヒクルの総重量に基づいて、約10重量%以下、及び好ましくは約5重量%以下の水を有するであろう。
着色剤
着色剤は、インク・ビヒクル中で可溶性である(染料)こともできるし、又は分散する(顔料)こともできる。
従来、顔料は、分散剤、例えばポリマー分散剤又は界面活性剤を用いることによりビヒクル中に分散安定化されている。しかし最近になって、いわゆる「自己分散性の」又は「自己分散する」顔料(以後「SDP」)が開発された。名前が示すとおり、SDPは、分散剤なしで、水又はビヒクル中に分散しうる。例えば、米国特許第5554739号明細書、米国特許第5571311号明細書、米国特許第5609671号明細書、米国特許第5672198号明細書、米国特許第5698016号明細書、米国特許第5707432号明細書、米国特許第5718746号明細書、米国特許第5747562号明細書、米国特許第5749950号明細書、米国特許第5803959号明細書、米国特許第5837045号明細書、米国特許第5846307号明細書、米国特許第5851280号明細書、米国特許第5861447号明細書、米国特許第5885335号明細書、米国特許第5895522号明細書、米国特許第5922118号明細書、米国特許第5928419号明細書、米国特許第5976233号明細書、米国特許第6057384号明細書、米国特許第6099632号明細書、米国特許第6123759号明細書、米国特許第6153001号明細書、米国特許第6221141号明細書、米国特許第6221142号明細書、米国特許第6221143号明細書、米国特許第6277183号明細書、米国特許第6281267号明細書、米国特許第6329446号明細書、米国特許第6332919号明細書、米国特許第6375317号明細書、米国特許出願公開第2001/0035110号明細書、欧州特許出願公開第1086997号明細書、欧州特許出願公開第1114851号明細書、欧州特許出願公開第1158030号明細書、欧州特許出願公開第1167471号明細書、欧州特許出願公開第1122286号明細書、国際公開第01/10963号明細書、国際公開第01/25340号明細書、及び国際公開第01/94476号明細書を参照されたい。
顔料は、自己分散するように表面処理することにより(例えば、前述の国際公開第01/94476号明細書参照)、従来のやり方で分散剤を用いて処理することにより、又は表面処理と分散剤の何らかの組み合わせにより、分散安定化可能である。
好ましくは、分散剤が利用されるときには、分散剤は、ランダム又は構造化ポリマー分散剤である。好ましいランダムポリマーには、アクリルポリマー及びスチレン−アクリルポリマーが挙げられる。最も好ましいのは構造化分散剤であり、それには、AB、BAB、及びABCブロックコポリマー、分枝状ポリマー、及びグラフトポリマーが挙げられる。幾つかの有用な構造化ポリマーは、米国特許第5085698号明細書、欧州特許出願公開第0556649号明細書、及び米国特許第5231131号明細書に開示されている。
カルボキシレート及び一級アミン官能基の両方を含有するブロックコポリマーにより製造された顔料分散物の例は、米国特許第6306994号明細書に記載されている。
前述の分散の例は、主にアニオンで安定化されている。カチオンで分散安定化された例には、四級ポリマー、例えば、メチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとのブロックコポリマー、又はベンジルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとのブロックポリマーを、ベンジルクロライド、ジメチルスルフェート、又はメチルクロライドにより四級化されたものが挙げられる。こうした顔料分散物の調製は、米国特許第5801738号明細書、米国特許第5750594号明細書、及び米国特許第5713993号明細書に記載されている。
四級化自己分散性顔料の例には、ペンダント四級化アミン基を有するものが挙げられる。こうした顔料の調製は、米国特許第5851280号明細書及び米国特許第6221143号明細書に記載されている。
代表的な乾燥形態の市販顔料には次のものが挙げられる。
Figure 2009529443
水に濡れたプレスケーキの形態で入手可能な代表的な市販顔料には、ホイコフタル(Heucophthal)(登録商標)ブルーBT−585−P、トルイジンレッドY(C.I.ピグメントレッド3)、クインド(Quindo)(登録商標)マゼンタ(ピグメントレッド122)、マゼンタRV−6831プレスケーキ(モベイ・ケミカル(Mobay Chemical)、ハーモン部門(Harmon Division)、ニュージャージー州ヘイルドン(Haledon))、サンファスト(Sunfast)(登録商標)、マゼンタ122(サンケミカル社(Sun Chemical Corp.)、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))、インド(Indo)(登録商標)ブリリアントスカーレット(ピグメントレッド123、C.I.No.71145)、トルイジンレッドB(C.I.ピグメントレッド3)、ウォチュング(Watchung)(登録商標)レッドB(C.I.ピグメントレッド48)、パーマネントルビンF6B13−1731(ピグメントレッド184)、ハンザ(Hansa)(登録商標)イエロー(ピグメントイエロー98)、ダラマール(Dalamar)(登録商標)イエローYT−839−P(ピグメントイエロー74、C.I.No.11741、サンブライト(Sunbrite)(登録商標)イエロー17(サンケミカル社(Sun Chemical Corp.)、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))、トルイジンイエローG(C.I.ピグメントイエロー1)、ピグメントスカーレット(C.I.ピグメントレッド60)、オーリックブラウン(C.I.ピグメントブラウン6)などが挙げられる。カーボンブラックのような黒色顔料は、水性プレスケーキの形態では入手できない。
カチオン性染料は典型的には、シアニン、アゾ、アゾメチン、キサンテン、トリフェニルメタン、メチン、ポリメチン、フタロシアニン、又は同様なものの構造骨格を有する。カチオン性染料には、C.I.ベーシックイエロー1、C.I.ベーシックイエロー11、C.I.ベーシックイエロー13、C.I.ベーシックイエロー19、C.I.ベーシックイエロー21、C.I.ベーシックイエロー25、C.I.ベーシックイエロー33、C.I.ベーシックイエロー36、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックレッド2、C.I.ベーシックレッド9、C.I.ベーシックレッド12、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックレッド38、C.I.ベーシックレッド39、C.I.ベーシックレッド92、C.I.ベーシックブルー1、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.ベーシックブルー9、C.I.ベーシックブルー19、C.I.ベーシックブルー24、C.I.ベーシックブルー25、C.I.ベーシックブルー26、C.I.ベーシックブルー28、C.I.ベーシックブルー45、C.I.ベーシックブルー54、及びC.I.ベーシックブルー65が挙げられる。これらの染料は、黒色インクの調製のために組み合わせて使用されてもよい。
アニオン性染料には、アシッドイエロー11、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー25、アシッドイエロー29、アシッドイエロー42、アシッドイエロー49、アシッドイエロー61、アシッドイエロー71、ダイレクトイエロー12、ダイレクトイエロー24、ダイレクトイエロー26、ダイレクトイエロー44、ダイレクトイエロー86、ダイレクトイエロー87、ダイレクトイエロー98、ダイレクトイエロー100、ダイレクトイエロー130、ダイレクトイエロー86、ダイレクトイエロー132、ダイレクトイエロー142、アシッドレッド1、アシッドレッド6、アシッドレッド8、アシッドレッド32、アシッドレッド35、アシッドレッド37、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド80、アシッドレッド85、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドレッド115、アシッドレッド180、アシッドレッド254、アシッドレッド256、アシッドレッド289、アシッドレッド315、アシッドレッド317、ダイレクトレッド1、ダイレクトレッド4、ダイレクトレッド13、ダイレクトレッド17、ダイレクトレッド23、ダイレクトレッド28、ダイレクトレッド31、ダイレクトレッド62、ダイレクトレッド79、ダイレクトレッド81、ダイレクトレッド83、ダイレクトレッド89、ダイレクトレッド227、ダイレクトレッド240、ダイレクトレッド242、ダイレクトレッド243、アシッドブルー9、アシッドブルー22、アシッドブルー40、アシッドブルー59、アシッドブルー93、アシッドブルー102、アシッドブルー104、アシッドブルー113、アシッドブルー117、アシッドブルー120、アシッドブルー167、アシッドブルー229、アシッドブルー234、アシッドブルー254、ダイレクトブルー6、ダイレクトブルー22、ダイレクトブルー25、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー78、ダイレクトブルー86、ダイレクトブルー90、ダイレクトブルー106、ダイレクトブルー199が挙げられる。
黒色着色剤はまた、例えば米国特許第5753016号に開示された黒色染料のような染料であってもよい。黒色着色剤はまた、例えば前述の米国特許第6277184号に開示されたような染料と顔料の組み合わせであってもよい。
添加剤
他の成分、添加剤は、こうした他の成分がインクの安定性及び吐出性を妨害しない程度までインクジェットインクの中に配合されてもよく、これは型通りの実験により容易に決定することが可能である。こうした他の成分は、一般的な意味では、当該技術分野において周知である。
殺生物剤は、微生物の成長を抑制するために使用することが可能である。
封鎖(又はキレート化)剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミノニ酢酸(IDA)、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’’,N’’−五酢酸(DTPA)、及びグリコールエーテルジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(GEDTA)、並びにそれらの塩を包含することは、例えば重金属不純物の有害な効果を排除するために有利な場合がある。
インクは、pCDI及び共反応性種以外の相溶性ポリマーを含有することができる。オリゴマー又はポリマーは、アクリル、ウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニル、ポリエーテル、ポリアミン、及びセルロース系の構造に基づくことができ、該ポリマー又はオリゴマー構造は、ランダム、ブロック、分枝状、星形、若しくはデンドリマー構造を包含することができる。それらは、可溶性であることもできるし、又は分散物、ラテックス、若しくはヒドロゾルとして存在し得る。ラテックス又は分散粒子は、均質構造又はコア/シェル構造を有し得る。
インク特性
落下速度、液滴の分離長、液滴サイズ、及び流れの安定性は、インクの表面張力及び粘度によって、多いに影響される。インクジェットインクは典型的には、25℃で約20ダイン/cm〜約70ダイン/cmの範囲の表面張力を有する。粘度は、25℃で0.03Pa.s(30cP)の高さ(0.03Pa.s(30cP)以下)であり得るが、典型的には幾らかそれより低い。インクは、噴出条件及びプリントヘッド設計に適合した物理的特性を有する。インクは、インクジェット装置中で有意な程度にまで詰まることがないように、長時間にわたって優れた貯蔵安定性を有する必要がある。更にインクは、それが接触するインクジェット印刷装置の部品を腐食してはならず、それは本質的に無臭及び無毒である必要がある。
本発明のインクセットは、低粘度が要求される用途において、特に有利であり得る。したがって、本発明のインクの(25℃での)粘度は、約0.007Pa.s(7cps)未満、又は約0.005Pa.s(5cps)未満、更には約0.0035Pa.s(3.5cps)未満であり得る。
成分の比率
上記及び下記に記載された構成成分(共反応性構成成分)は、上記に概ね記載されたように、また当業者に一般に認識されているように、所望のインク特性を実現するために、様々な比率及び組み合わせのインクを製造するように組み合わせることができる。特別な最終用途に合わせてインクを最適化するために幾つかの実験が必要になる場合があるが、こうした最適化は、一般に、当該技術分野における通常の技術の範囲内である。
例えば、インク中のビヒクルの量は、水性又は非水性にかかわらず、インクの総重量に基づいて、典型的には約70%〜約99.8%、好ましくは約80%〜約99.8%の範囲である。
着色インクでは、着色剤は、総インク重量の、一般に約12重量%までの量で、より典型的には約0.1〜約9重量%の範囲で存在する。不溶性着色剤の安定化のために必要とされるとき、分散剤は、着色剤の量に基づく濃度で利用され、通常は重量比として表される。一般に分散剤は、顔料:分散剤の重量比が約1:3〜約4:1の範囲で利用される。
他の成分(添加剤)は、存在する場合、インクの総重量に基づいて約15重量%未満で含まれる。界面活性剤は、添加されるときには、インクの総重量に基づいて一般に約0.2重量%〜約3重量%の範囲である。ポリマーを必要に応じて添加することができるが、インクの総重量に基づいて一般に約15重量%未満になる。
反応性カルボニル基含有種
反応性カルボニル基含有種は、1以上の反応性カルボニル部分を含む。本明細書に規定される反応性カルボニル部分には、アルデヒドやケトンのカルボニル、又はアルデヒド若しくはケトン基がβ位置の電子求引性基(EWD)によって活性化される構造のカルボニルが挙げられる。EWDは、β−ジケトンのような場合にはカルボニル基、又はβ−ケトエステル若しくはアミドのような場合にはエステル若しくはアミドであり得る。EWDはまたニトリル基、SO基、SO2基、SO3基、SO2NH基、PO基、PO3基、又はPO2NH基であり得る。こうした構造の主カルボニル基含有種への結合点は、EWD(価数の許す限りにおいて)、又は反応性カルボニルとEWDとの間のα炭素を介してのいずれかであり得ることに注意する必要がある。様々な種が次のように表される。
ケトン −C(=O)R1
アルデヒド −C(=O)H
活性化されたアルデヒド又はケトン
−X−(EWD)−C(R2)H−C(=O)−R2 又は
(EWD)−CH−C(=O)−R2
式中、R1=C1〜C10アルキル、又はアリール基であり、R2=C1〜C10アルキル、又はアリール基、又はHである。
反応性カルボニル部分はまた、カルボニルのイミン又はエナミン形態を包含する。こうしたイミン及びエナミン形態は、溶液中にカルボニルと共にアミンが存在するとき、カルボニルと平衡状態にあり得る。イミン及びエナミンは次のように表される。
イミン −C(=NR1)R1
エナミン −C=C(NR33)R1
式中、R1は、上記のように定義され、R3=C1〜C10アルキル、又はアリール基、又はモルホリン若しくはピペリジン環のような環の一部である。
反応性カルボニル部分はまた、ケタール又はアセタールとして存在することもでき、これは中性又は微アルカリ性の溶液中で安定であるが、酸の存在により、反応性のケトン又はアルデヒドに戻る。ケタール及びアセタールは、次のように表される
ケタール −C(−OR421
アルデヒド −C(−OR42
式中、R1は、上記のように定義され、R4=C1〜C10アルキル、又はエチレンケタール又はアセタール環のような環の一部である。
反応性カルボニル基含有種は、複数の反応性カルボニル部分を有する分子化合物(便宜上「分子ポリカルボニル」)の形態のインク添加剤であり得る。
分子ポリカルボニルの例には、ジ−又はポリ−ケトン、ジ−又はポリ−アルデヒド、及びアルデヒド−ケトン、例えばグリオキサール、2,5−ヘキサンジオン、グルタルジアルデヒド、コハク酸ジアルデヒド、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、及びアセトンジカルボン酸エステルが挙げられる。
分子ポリカルボニルの他の例には、ポリヒドロキシ化合物とアセト酢酸エステル及び他のケトエステルとのエステル交換により調製された種、例えばペンタエリスリトールテトラアセトアセテートが挙げられる。ポリアセトアセトアミドは、低分子量の直鎖、分枝状、又は樹状の(dendridic)ポリアミンと、過剰のジケテン、2,2,6−トリメチル−4H−1,3−ダイオキシン−4−オンとの反応により、又はt−ブチルアセトアセテートとのアセトアセチル交換(transacetoacetylation)により、J.ウィッツマン(J. Witzeman)らによってザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、56、1713〜18(1991)に記載されるように調製され得る。水性インク製剤中で使用するためには、アミド及びアセトアミド連結を含有する種は、加水分解への抵抗性のために好ましい。
更に他の分子ポリカルボニルが、ジアセトンアクリルアミドの直鎖、分枝状、又は樹状の分子ポリアミンへのマイケル付加反応により調製され得る。芳香族ケトン基を含有する分子ポリカルボニルは、例えば4−アセチルフェニルイソシアネートと分子ポリアミンとの反応により調製され得る。
反応性カルボニル基含有種は、複数の反応性カルボニル部分を有するオリゴマー又はポリマー化合物(便宜上「ポリマーポリカルボニル」と呼ぶ)の形態でのインク添加剤であり得る。これらは、ビヒクル中に可溶性であることも、又は分散することもできる。
ポリマーポリカルボニルは、例えばペンダント反応性ケトン基を有する1以上のモノマーを含有するアクリルポリマーであることができる。この文脈において、用語「ペンダント」は、ポリマー又はオリゴマーの主鎖若しくは末端部に結合したケトン基を意味する。これらのポリマーを調製するために使用できるケトン又はアルデヒド基を含有するアクリルモノマーは、図1に図解されている。
ポリマーポリカルボニルは、有機溶液中でラジカル重合により調製され得る。約5000以下の分子量において、ポリマーは、インクジェット製剤中に溶解されたポリマーとして有用である。ポリマーは、溶剤可溶性であり得るか、又は水性媒体中でポリマーを可溶性にできるか若しくは可溶性にさせるモノマーを含有することができる。こうしたモノマーには、酸含有モノマー又はアミン若しくは四級化アミン含有モノマー、ヒドロキシル化若しくはエトキシル化モノマーが挙げられる。反応性ケトン又はアルデヒドモノマーは、広範囲の他のアクリル又はビニルモノマーと共重合されて、Tg、疎水性/親水性などのポリマー特性を所望のように調整することができる。
ジアセトンアクリルアミドとスチレン及びアクリルモノマーとのホモ及びランダムコポリマーとしてのポリマーポリカルボニルの調製が、例えばL.E.コールマン(L.E. Coleman)により、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer Science)、A部、3巻、4号(Part A, Volume 3, Issue 4)、1601〜1608ページ(1965)に記載されている。ジアセトンアクリルアミドのホモポリマーはまた既知であり、好適である。
アセトアセトキシ官能基を有する、ランダムの、溶剤可溶性の、アクリルポリマー−ポリカルボニルの調製は、米国特許第6,432,483号明細書に記載されている。水及びアルカリ可溶性ポリマーを与えるために、アクリル及びビニルアセチルアセトキシ官能性モノマーから調製されたランダムアクリル及びビニルポリマーポリカルボニルは、米国特許第4,215,195号明細書に記載されている。
米国特許第6,503,977号明細書(キムバリー・クラーク(Kimberly Clark))及び米国特許出願公開第2003/0158324号明細書(ナショナルスターチ(National Starch))に記載されたもののような、ジアセトンアクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロライドとのカチオン性コポリマーもまた、本発明のポリマー−ポリカルボニルとして好適である。
ポリマー−ポリカルボニルホモポリマー及びコポリマーを調製するために使用できる、反応性ケトン又はアルデヒド基を含有するスチレン及びα−メチルスチレンモノマーの例は、図2に種2a〜2cとして図解されている。反応性β−ジケトン基を含有するスチレンモノマー(2b)の調製及び重合は、米国特許第5,886,116号明細書(S.C.ジョンソン(S.C. Johnson))に記載されている。米国特許第6,399,273号明細書(テキサス大学(University of Texas))に記載されている類似のモノマーから類推して調製された、反応性カルボニル基を含有するスチレンモノマーの例は、2cとして図解されている。スチレンモノマー若しくはアクリルモノマーのいずれか又は両方が、反応性ケトン若しくはアルデヒド基を含有する、アクリレートとのポリカルボニルスチレンコポリマーは、本発明に好適である。反応性カルボニル基を有するスチレンモノマーはまた無水マレイン酸と共重合して、水溶性の架橋可能なポリカルボニルポリマーを与えることができる。
ポリカルボニルポリマーは、図3に図解されるように、カルボニル含有ノルボルネン誘導体を無水マレイン酸と重合することにより調製できる。ノルボルネン(norbonene)誘導体の無水マレイン酸との重合は、パスクアーレ,A.J.(Pasquale, A.J.)らによるマクロモレキュラ−・ケミストリー・アンド・フィジックス(Macromolecular Chemistry and Physics)、2004、205、621〜627、並びにパスクアーレ,A.J.(Pasquale, A.J.)らのマクロモレキュールズ(Macromolecules)、2001、34、8064〜8071に記載されている。(また、ホーリハン(Houlihan)らのマクロモレキュールズ(Macromolecules)、1997、30、6517〜24を参照のこと)。このポリマーポリカルボニルの更なる利益は、無水物基が塩基、アルコール、又はアミンにより開裂して、水可溶性又は分散性の反応性ケトンポリマーを与えることができることである。半アミド種は、非水溶性イミドに閉環し並びに好適なアミン種と架橋可能であるために、更なる潜在的利益を提供する。
エマルション、ラテックス、及びヒドロゾルポリマーは、インク粘度を良好な吐出のための好適な限界内に留まらせながら印刷の耐久性を向上させることができる高分子量ポリマーのインクへの添加を可能にするので、分散相として水性インクジェットインクに対する重要な添加剤であり得る。
反応性ケトン及びアルデヒド基を含有するエマルションコポリマー、例えばジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクロレイン、ホルミルスチロール、ジアセトンアクリレート、アセトニトリルアクリレート、ジアセトンメタクリレート、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルアセテート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、又はビニルアルキルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、及びビニルブチルケトンは、米国特許第6,730,740号明細書に記載されており、こうしたポリマーは、ポリマー−ポリカルボニルとして有用であり得る。これらのエマルション分散物は、多官能性ヒドラジド及びポリアミンと、部分的又は完全に架橋することができる。ハウプ・リ(Haup Li)らにより、ポリマーズ・フォー・アドバンスト・テクノロジーズ(Polymers for Advanced Technologies)、14、212、(2003)に記載された、ジアセトンアクリルアミドを含むラテックス粒子は、ポリマー−ポリカルボニルとして有用であり得る。
米国特許第5,609,965号明細書(S.C.ジョンソン(S.C. Johnson))に記載されたような1段階及び2段階エマルション重合技術により合成された、ペンダント基としてのアセトアセトキシ基を含有する酸官能性アクリルポリマーは、ポリマー−ポリカルボニルとして有用であり得る。
米国特許第5,886,116号明細書(S.C.ジョンソン(S.C. Johnson))に記載されたような、スチレン及びα−メチルスチレンモノマー(2b)に基づく、アセチルアセトアミド反応性ケトン基を含有する、1段階及び2段階エマルション技術により調製されたラテックスは、ポリマー−ポリカルボニルとして有用であり得る。
アルデヒド基を含有するポリカルボニルラテックス粒子は、ポリマー技術分野において周知である。それらは、例えば、ラテックス上のアルデヒド基と生体分子中のアミン基との反応により共有結合を形成し、もって生体分子を結合するために使用される。
アクロレイン/スチレンコポリマーから成るラテックス粒子、例えばポリマー・ラテックス:調製、特徴、及び用途(Polymer Latexes: Preparation, Characterization, and Applications)、ACSシンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)492、1991に記載されたものは、ポリマー−ポリカルボニルとして有用であり得る。 また、ポリスチレン・コア/アクロレイン・シェルのラテックスが、ミクロスフェア:医学的及び生物学的応用(Microspheres: Medical and Biological Applications)、CRCプレス(CRC Press)1988に記載されている。100nmの粒子を有する市販のポリスチレン・コア/アクロレイン・シェル粒子分散物は、カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto)のデューク・サイエンティフィック社(Duke Scientific Corporation)から入手可能である。
本発明に好適な表面反応性アセタール官能性水系微小粒子の調製は、ケルクヴィス(Kjellqvis)らによりジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer Science)、51巻、1063〜1070(1994)に記載されている。
エマルションポリマー上のペンダント・アセチルアセトナート基は、水による加水分解を受けやすい。米国特許第5,525,662号明細書は、アンモニア又は単官能性揮発性アミンを添加してβ−ケトン基をエナミンに変換することにより、これらの基が、いかにエマルション中で安定化され得るかを記載している。適用時に、反応性ケトン基を反応に供しつつ、揮発性アミンが蒸発する。しかしながら、水性インク製剤については、アミド及びアセトアセトアミド連結を含有する種が、加水分解への抵抗性のために最も好ましい。
インクジェットインクのために好適なヒドロゾルは、米国特許第6,232,369号明細書(デュポン(DuPont))に記載されている。これらのポリマーは、本明細書においてこれまでに記載されたもののような反応性カルボニル部分を含有するモノマーにより調製され得、これらのヒドロゾルは、ポリマー−ポリカルボニルとして有用であり得る。
構造化アクリル及びビニルポリマー(ブロック及びグラフトコポリマー)は、インクジェットインクにとって重要な添加剤である。それらは、インクに添加されたときに吐出を改善することができ、それらは非常に有効な顔料分散物である。RAFTラジカル重合を介するアセトアセトキシエチルメタクリレートのポリカルボニルブロックコポリマーの合成は、クラシア,T(Krasia,T.)らにより、ケミカル・コミュニケーションズ(Chemical Communications)、(2003年2月21日)、(4)、538〜9に記載されている。米国特許第6,037,390号明細書は、分子量を制御するためにコバルト連鎖移動剤を使用することによる、アセトアセトキシエチルメタクリレートを含有するメタクリル酸マクロモノマーの調製、次にこれらのマクロモノマーを、アクリル主鎖を有するアルカリ可溶性ポリカルボニルグラフトコポリマーの中に組み込むことを記載している。米国特許第6,521,715号明細書(デュポン(DuPon))は、ペンダント・アセトアセトキシ基をグラフト中及びポリマー主鎖中に含有する溶剤可溶性ポリカルボニルグラフトコポリマーの調製を記載している。
RAFT重合技術により調製された複数個の反応性ケトン基を含有するブロックエマルションコポリマーが、少なくとも2つの出版物に記載されている。第1の出版物は、パーク,Y.(Park, Y.)らによる、PSty−P(Ba−co−AAEMA)反応性複合ラテックスの機械的特性及びフィルム形態への周囲架橋の効果、ヨーロピアン・ポリマー・ジャーナル(European Polymer Journal)、37、(2001)、965〜973である。第2の出版物は、モンテイロ,M.J.(Monteiro, M.J.)らによる、Raftプロセスを使用するリビングラジカル重合による反応性複合ラテックスの調製、マクロモレキュラー・ラピッド・コミュニケーションズ(Macromolecular Rapid Communications)、2002、23、370〜374である。
複数の反応性カルボニル基を含有するヒドロゾルはまた、構造化グラフト又は分枝状コポリマーであってもよい。こうした反応性グラフトポリマーは、米国特許第5,231,131号明細書(チュー(Chu)ら)に記載されるようなマクロモノマー手法により便利に調製され得る。
シュラード(Schlaad)らにより、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、2001、34、7585〜7588に記載されたように、ポリマーポリカルボニルは、t−ブチルアセチルアセテートとのエステル交換により、後重合反応においてペンダント・ヒドロキシル基を含有するビニルポリマーから調製されてもよい。
反応性アルデヒドケトン基を含有するポリマーポリカルボニルは、既に調製されたスチレン無水マレイン酸コポリマーの反応から調製され得る。本発明に好適な反応性アルデヒド基(アルコキシアセタールとして存在する)を含有すアニオン性ポリマーは、米国特許第5,298,567号明細書(エアープロダクツ(Air Products))に記載されている。ポリマーは、4,4−ジメトキシブチルアミンをスチレン無水マレイン酸(SMA)コポリマーと反応させて、酸アミド基を形成することにより調製される。 SMAポリマーと反応して反応性ポリマーを生成することができる別のアミン官能性ケトンは、例えば5−アミノ−2−ペンタノン又はp−アミノアセトアルデヒドである。SMAポリマーは、無水マレイン酸に対する様々な異なるスチレンの比において入手可能である。他のオレフィンモノマーとの無水マレイン酸コポリマーが市販されており、これはまた有用な反応性ケトンポリマーを生成する。SMA樹脂はまた顔料用分散剤として周知であり、反応性カルボニル基と共に製造された樹脂は、反応性の顔料の分散物を調製するために使用され得る。
ポリマーポリカルボニルはまた、例えば米国特許第5,147,926号明細書(BASF)、米国特許出願公開第2002/0040093号明細書(アクゾ・ノーベル(Akzo Nobel))、及び米国特許第5,552,496号明細書(ハーバーツ(Herberts))に記載されたもののような反応性ケトン基を有するポリウレタン分散物であり得る。「末端」反応性ケトン基を含有する本発明において有用なポリマーの例は、図4に図解されている。アミド結合を介して連結したβカルボニルを含有するそれらの水性種は、より大きい加水分解安定性のために、エステル結合を介したものより好ましい。ポリマー又はオリゴマー「末端」基は、ヒドロキシ若しくはアミン末端ポリカルボニルアクリル、ビニル、若しくはオキサゾリンポリマー又はオリゴマーにより調製され得る。
反応性ケトン官能基はまた、図5に種5a〜5eにより図解されるように、2つのイソシアネート基間のジオール又はジアミン「リンカー」として、ポリウレタンの中に組み込まれることができる。ジオール5aは、国際公開第97/1113号明細書(WO 971113)(BASF)に記載されている。ジオール5bは、米国特許第4,983,662号明細書(ICIレジンズ(ICI Resins))に記載されている。ジヒドロキシアセトン(5d)又はグリセルアルデヒド(5e)もまた使用され得る。基本的に、ジエタノールアミン又はジアミン、例えばイソホロンジアミンの図1に図解されたα−β不飽和モノマーのいずれかへのマイケル付加反応は、米国特許第4,598,121号明細書(ケミッシェ・ヴェルケ・ヒュルス社(Chemishe Werke Huls AG))に記載されたように、6cのような「リンカー」反応性カルボニル基を作り出すために使用され得る。反応性カルボニル基を含有する別の「リンカー」は、2以上のヒドロキシ又はアミン基を有するテレケリック(telechelic)・アクリル、ビニル、又はオキサゾリンポリマーであることができる。
水性ポリウレタンは多くの場合、ジ及びトリアミン、ヒドラジンなどにより水性分散中への転化時に鎖が伸長される。ポリマーポリカルボニルは、米国特許第4,983,662号明細書(ICIレジンズ(ICI Resins))に提示されたように、ジアミノ化合物5cにより、鎖伸長中に形成され得る。
反応性ケトン及びアルデヒド官能基を含有する水性ポリカルボニルアクリル/ポリウレタン混成エマルション(hybrid emulsions)はまた、本発明のために好適なポリマー添加剤である。好適な種はM.ヒロセ(M.Hirose)の有機コーティングの進歩(Progress in Organic Coatings)、31、(1997)157〜169に記載されており、ジアセトンアクリルアミドを反応性ケトンとして含有するコア−シェルアクリルポリウレタン混成物が、トン,A.(Dong, A.)らにより、Macrol.Chem.Phys.、199、2635〜2640(1998)に記載されている。
酸又は四級アミン官能基は、水分散性のために必要であれば、アミン若しくはヒドロキシ官能性酸を、末端イソシアネート基の1つで反応させることにより、又はジアミン若しくはジヒドロキシ酸又は四級アンモニウム化合物をリンカーとして反応させることにより、又は水中へのポリウレタンの転化時に酸官能基を有する鎖伸長剤、例えば2,6−ジアミノヘキサン酸を使用することにより、これらのポリウレタン中に組み込むことができる。
ポリマーポリカルボニルは、図6に図解され及び米国特許第6,235,901号明細書(S.C.ジョンソン(S.C. Johnson))に記載されたように、モノマー6aから調製された反応性ケトン基を含有するポリオキサゾリンポリマーであり得る。米国特許第6,235,901号明細書に記載されていない他の可能性のあるモノマーの反応性ケトンオキサゾリンモノマーは、図6の6b及び6cである。モノマー6bの調製は、バジアング,J.(Badiang, J.)らにより、J.Org.Chem.、61,2484〜2487に記載されている。
ポリマー(又は樹脂性)ポリカルボニルは、ポリアミンと架橋可能な水可溶性又は分散性セルロースアセトアセテートであり得る。それらの合成及び特性は、K.J.エドガー(K.J.Edgar)により、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1995、28、4122〜4128に記載されている。
ポリマーポリカルボニルは、開環メタセシス重合(ROMP)により調製されることができる。反応性ケトン基を含有するROMPホモポリマー及びROMPコポリマーの例は、図7に図解されている。無水物モノマーを含有するコポリマーは、重合の後、塩基、アルコール、又はアミンにより開環し、水可溶性又は分散性ポリマーを与えることができる。半アミド種は、印刷された層の加熱により閉環して非水溶性イミドとなり、並びに好適な反応性アミン種と架橋するという可能性の更なる利益を提供する。
本明細書においてこれまでに記載された、反応性カルボニル種を含有する様々な分子及びポリマー添加剤は、顔料粒子のための分散剤(「反応性カルボニル含有分散剤」)として使用するために適合され得ることは、当業者には容易に理解される。分散剤は、それらが粒子表面を囲む、粒子表面に物理的に吸着する、及び/又は粒子表面を内包し、並びにそうしなければ低分散性である粒子に良好な分散性を提供するという点において、添加剤とは区別される。顔料分散物を調製するためのプロセスは、一般に当該技術分野において周知である。
反応性カルボニル含有分散剤による顔料分散物は、インクの中の必要とされる反応性カルボニル含有種としての役割を、全体として又は部分的に果すことができる。
反応性カルボニル(β−ジケトン)含有分散剤及び分散物の例は、米国特許第6,037,390号(デュポン(DuPont))に提供されている。β−ジケトン含有ポリマー分散剤は、2〜50重量%のβ−ジケトンモノマーを含む。幾つかの好適なβ−ジケトンモノマーには、アセトアセトキシエチルメタクリレート、2−(アセトアセトキシ)エチルアクリレート、メタクリルアミド−エチルアセトキシアセテート、ヘキサジオンメタクリレート、2−(アセトアセトキシ)プロピルメタクリレートが挙げられる。水性組成物のための好ましいβ−ジケトンモノマーは、水による加水分解に対して抵抗性のあるものであり、例えば、N−(3−アセトアセトアミドプロピル)メタクリルアミド、N−(3−アセトアセトアミドプロピル)メタクリレート、N−(2−アセトアセトアミドエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−アセトアセトアミドエチル)(メタ)アクリレート、及び4−アセトアセチル−1−メタクリロイルピペラジンである。
米国特許第6,136,890号明細書は、インクジェット用途に好適なポリウレタン分散剤の調製及びそれから製造された水性顔料分散物を記載している。反応性ケトン基は、前述のやり方により、これらのポリウレタンの中に組み込むことができ、それは反応性顔料分散物の調製を可能にする。
スチレンアクリル及びスチレン無水マレイン酸ポリカルボニルポリマー、例えば添加剤としてこれまでに本明細書に記載されたものは、顔料分散物として使用され得る。
有用な水性分散剤であるポリオキサゾリンブロックコポリマーは、米国特許第5,858,331号明細書(デュポン(DuPont))に記載されている。これらの分散剤は、これらの反応性ケトンモノマーを含有することができる。
顔料分散物を調製するためのより新しいプロセスは、予備分散された顔料の周囲にモノマーを重合させて、それをポリマーの中に内包することにより実行される。内包プロセスは、幾つかのやり方で実現されることができる。次のものは、どのようにして反応性カルボニルモノマーがこれらの内包プロセスの中に組み込まれて、ポリカルボニル内包分散性顔料が製造されるかの例である。
顔料内包の1つの方法は、ミニ・エマルション重合によるものである。100〜200nm粒径範囲での、スチレンとアクリレートモノマーによるミニ・エマルション重合による安定な内包されたカーボンブラックの調製は、K.ランドフェスター(K. Landfester)により、Macrol.Chem.Phys、2001、202、51〜51、及びMacromol.Symp.151、549〜555、(2000)に記載されている。プロセスは、ポリマーに対する顔料の比がおよそ4:1〜1:9の内包された分散物の調製を可能にする。ポリカルボニルポリマー内包顔料は、スチレンの幾らか又はすべてを図1及び2に示されたアクリルカルボニル及びスチレンカルボニルモノマーと置き換えることにより調製することができる。ミニ・エマルションプロセスは付加ポリマー(addition polymer)を調製するためにも使用できるため、ポリカルボニルポリウレタンポリマーにより内包された顔料を含むポリカルボニルポリウレタン顔料分散物もまた可能である。
顔料内包の(「内包された」顔料を調製するための)別の方法は、米国特許第6,538,047号明細書及び米国特許第6,864,302号明細書(エプソン(Epson))に記載されている。重合可能な界面活性剤により分散された顔料は、アクリルモノマーと反応開始剤との予備乳化混合物と混合され、超音波処理され、重合される。調製された分散物は、アニオン性又はカチオン性であることができ、200nm以下の粒径を有する。米国特許出願公開第2004/0229974号明細書(エプソン(Epson))に記載された本プロセスの変形では、共有結合したカルボキシレート又はスルホネート基を有する顔料粒子は、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライドのような四級モノマーにより処理される。これらの顔料は、次にアニオン性重合可能界面活性剤及びアクリルモノマーの混合物によりエマルション重合されて、内包された顔料を生成する。ポリカルボニルポリマー内包顔料分散物は、反応性カルボニルを有するビニル又はアクリルモノマーをモノマー混合物中に組み込むことにより、これらのプロセスにより、容易に調製されることができる。
着色された樹脂微粒子の調製が、米国特許出願公開第2003/0050362号明細書(キャノン(Canon))に記載されている。非水溶性樹脂によりコーティングされた顔料が、ビニル又はアクリルモノマー及び反応性乳化剤の重合混合物により内包されることにより分散される。この場合もやはり、これらモノマーをポリカルボニル分散物にするために、これらのモノマーは反応性カルボニルモノマーを含有することができる。
反応性カルボニル基含有種は、表面に化学的に結合した反応性カルボニル基を有する無機粒子であることができる。粒子は、透明であり得、インクの色相を変えずに架橋剤としての役割を果すことができる。架橋に加えて、無機粒子自体の存在が強靱性及びコーティングの引っかき抵抗性を向上させることができる。これらの特性は粒子がコーティングマトリックスの中に共有結合されたときに最も有効である。
無機粒子は、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化インジウムスズなどであり得る。これらの粒子は、ナノSiO2及びナノTiO2のようなナノ粒子であり得る。
無機酸化物粒子の表面は、反応性ケトン基を含有するシロキサン試薬により官能化され得る水酸基を典型的には含有する。図8は、反応性カルボニル基を有するシロキサンを調製するための可能な合成経路を図解している。これらのシロキサンから製造された反応性カルボニルを有する本発明に有用な無機酸化物粒子の例は、図9に図解されている。これらの粒子は、先に記載されたように、ポリマー分散剤を用いて、又は吸着されたイオン若しくは共有結合した基(例えば、シロキサン結合を用いて)、例えば水性インクのためのカルボキシレート、四級アミン、若しくはポリエチレンオキシドを用いて、又は溶剤系インク中で粒子安定化する基を用いて、インク溶液中で安定化される。図解された例は、概念を代表するものであり、及び本発明を制限するものでは全くない。
反応性カルボニル種は、有機顔料粒子の表面に化学結合(グラフト)した有機基であり得る。顔料の表面改質技術は周知であり、こうした技術は本明細書での使用に応用できる。
反応性アミン基含有種
これらの種は、好ましくは2以上の反応性アミンを含有する。反応性アミンには、第2インク中の反応性種上の、一級及び二級アミン、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドラゾン、又はセミカルバジド基が挙げられ、下記に表されるものが挙げられる:
ヒドラジン、R−NH−NH2
ヒドラジド、R−C(=O)−NH−NH2
ヒドラゾン、RR’C=N−NH2
セミカルバジド、R−NH−C(=O)−NH−NH2
カルバジド(又はカルボヒドラジド)、R’’NH−NH−C(=O)−NH−NH2
式中、R、R’は独立して多官能性反応性アミン種へのアルキル又はアリール連結を表し、R’’は、H、又は多官能性反応性アミン種へのアルキル若しくはアリール連結を表す。
カルボニルへのアミン種の反応は酸で触媒することができ、そのため反応性アミン種は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、トルエンスルホン酸などのような酸の完全に又は部分的にプロトン化した塩として存在してもよい。
反応性アミン基含有種は、低分子量ポリアミン添加剤、特に一級及び/又は二級アミノ基を有するもの、最も好ましくは一級アミン、及び1分子当たり2〜10のこうした反応性アミン基を有するものであり得る。これらには、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、4−アミノ−1,8−オクタンジアミン尿素、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、メラミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、ポリエチレンイミン、及びジェファミン(Jeffamine)(登録商標)、(テキサス州ヒューストン(Houston)のハンツマン社(Huntsman Corporation)から入手可能であるポリオキシエチレンアミン)が挙げられる。ポリエチレンイミンは典型的には一級、二級、及び三級アミン(分枝の程度に依存する)の混合物を含有し、BASFから入手可能なポリミン(POLYMIN)ポリ(エチレンイミン)及びルプラソール (LUPRASOL)(登録商標)ポリ(エチレンアミン)を含む多くの供給源から市販されている。
一級アミン基含有種は、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトンのような揮発性ケトンにより製造された容易に加水分解可能なケチミンとして、溶剤系インクの中に使用するために封鎖形態で存在し得る。封鎖されたアミン基の遊離アミンへの加水分解による変換は、水性ポリカルボニルインクとの相互作用、又はポリカルボニルインクも溶剤インクである場合には大気中の水分との相互作用に依存する。
ケチミン封鎖されたジエチレントリアミンのエポキシ樹脂との反応又は多官能性アクリレート種とのマイケル付加反応により調製された、本発明に好適な他の反応性アミン基含有種は、米国特許第6,605,688号明細書(デュポン(DuPont))に記載されている。
反応性アミン基含有種は、ポリマー添加剤、例えばポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリウレタンアミン、ポリアクリル(一級又は二級)アミンであり得る。ポリマーは、インク・ビヒクル中で可溶性であることも、又は分散性であることもできる。
ポリアクリルアミンには、例えば、米国特許第6,441,102号明細書(日本触媒(Nippon Shokubai))及び米国特許第4,529,765号明細書(デュポン(DuPont))に記載されたような、カルボン酸基がエチレンイミン又はプロピレンイミンと反応してペンダント・アミン基を形成するアクリルポリマーが挙げられる。
本発明に好適なポリウレタンアミンには、米国特許第6,218,500号明細書及び米国特許第4,772,643号明細書(テナント社(Tennant Corporation))に記載されたようなアミン末端ウレタン樹脂が挙げられる。
ポリマーにはまた、ガナショー(Ganachaud)らによりジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer Science)、65巻、2315〜2342に記載されたもののような、表面アミン基を有するポリスチレンラテックスが挙げられる。
こうした好適なポリヒドラジン化合物の例には、図10の式10aのジカルボン酸ビスヒドラジドが挙げられる。式中、R1は、共有結合又はポリアルキレン(好ましくはポリメチレン)又は1〜34の炭素原子を有する脂環式基又は二価の芳香環である。好適なジヒドラジドの例には、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、シクロヘキサンジカルボン酸ビスヒドラジド、アゼライン酸ビスヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、及び酒石酸ジヒドラジドが挙げられる。
他の好適な化合物は、炭酸のポリヒドラジド、例えば炭酸ジヒドラジド及び図10の一般式10bの化合物(ここで、xは1〜5、好ましくは1〜3)、及びビス−セミカルバジド、特に図10の一般式10cの脂肪族及び脂環式のビス−セミカルバジド( −R2−は、2〜7の炭素原子の直鎖若しくは分枝状脂肪族基、又は6〜8の炭素原子の炭素環式基)、例えばo−、m−、若しくはp−フェニレン若しくはトルエン又はシクロヘキシリデン若しくはメチルシクロヘキシリデンである。
芳香族ポリカルボン酸のポリヒドラジドには、フタル酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸のジヒドラジド、並びにピロメリット酸のジ−、トリ−、及びテトラ−ヒドラジドが挙げられる。ポリヒドラジドにはまた、ニトリロ三酢酸トリヒドラジド及びエチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジドが挙げられる。他の可能性のあるヒドラジドには、ジヒドラジノ−及びトリヒドラジノ−トリアジン、チオカルボヒドラジド、及びN,N’−ジアミノグアニジン;2−ヒドラジノ−ピリジン−5−カルボン酸ヒドラジド、3−クロロ−2−ヒドラジノピリジン−5−カルボン酸ヒドラジド、6−クロロ−2−ヒドラジノピリジン−4−カルボン酸ヒドラジド、及び2,5−ジヒドラジノピリジン−4−カルボン酸の種類のヒドラジノピリジン誘導体;及びアルキレン−ビスアクリルアミドのビス−チオセミカルバジド並びにビス−ヒドラジン、ジヒドラジノアルカン及び芳香族炭化水素のジヒドラジン、例えば1,4−ジヒドラジノベンゼン、1,3−ジヒドラジノベンゼン、及び2,3−ジヒドラジノナフタレンが挙げられる。
本発明に有用な多官能性ヒドラジドの調製は、ベルクュイズ,K.P.(Vercruysse, K.P.)らによりバイオコンジュゲート・ケム(Bioconjugate Chem.)、1997、8、686〜694に記載されている。
本発明に好適なポリ(メタ)アクリルヒドラジドは、ジョーンズ、A.S.(Jones, A.S.)らのテトラヒドロン(Tetrahedron)、32巻、2361〜2364(1976)及び米国特許第4,694,383号明細書(ブリティッシュ・ペトローリアム(British Petroleum))に記載されたように、ヒドラジン水和物とのアクリルエステルホモ又はコポリマーの処理により調製され得る。こうしたヒドラジドポリマーは、インク中に可溶性種、ヒドロゾル、分散物、又はラテックスとして存在できる。
本発明に好適なペンダント・ヒドラジド官能基を有するポリウレタンは、幾つかの方法により調製され得る。それらは溶剤中で調製され及び溶剤系インク中で使用され得るか、又はそれらは水性系インク中で使用するためにそれらを水に可溶性又は分散性にするカルボキシル若しくは四級アンモニウム基のような官能基を用いて調製することができる。
末端ヒドラジン基は、米国特許第5,700,867号明細書(東洋インキ(Toyo Ink))に記載されたように、ヒドラジン、ジヒドラジド、又はジセミカルバジドのモル当量以上の添加により、ポリイソシアネート前駆体ポリマーに付加することができる。
初期付加体がイソシアネート基と反応できない方式でヒドラジン官能基をポリウレタンの中に組み込むことが望ましい場合がある。こうした方法は、米国特許第4,983,622号明細書に記載されている。例は、図11の種11aのような低分子量ケトンにより封鎖されたγ−ヒドロキシ酪酸ヒドラジド(gamma hydroxy butryic hydrazide)であり、これはその水酸基を通じてイソシアネート基と反応することができる。別の例は、図11の種11bに図解されたように、ジエタノールアミンをエチルアクリレートと反応させ、続いてヒドラジンと反応させ、それをアセトンにより封鎖することにより形成されたジオールである。11b分子は、封鎖されたヒドラジンをポリウレタン分子内でリンカーとして作用させ得る。これらの保護されたヒドラジンは、pHが8以上の条件で水中への転化時にポリウレタンが鎖を伸長できるほど十分に安定であると主張されている。ヒドラジン基は、pHを低下することにより、又はポリウレタンのコーティングが乾燥するにつれてアミン中和剤が蒸発する際に、後の工程で封鎖を解除することができる。
ヒドラジン基を含有するジアミン化合物による水性ポリウレタンの鎖伸長は、米国特許第4,598,121号明細書に記載されたように実現できる。米国特許第4,598,121号明細書によると、一級及び二級アミン基は、イソシアネート基と、ヒドラジド基より速く反応し、後者を反応性基として残すことができる。
本発明でまた有用であり得るペンダント・ヒドラジン基を有するポリオキサゾリンポリマーの例は、図12に図解されている。それは、アクリルヒドラジドの調製とよく似ているが、ポリマー中のメチルエステルのメトキシ基のヒドラジンによる置換によって調製される。
反応性アミン基含有種は分散剤の形態であり得る。例えば、ペンダント一級アミン基を含有するブロックコポリマー分散剤、及びそれらから製造された水性顔料分散物は、本発明に好適であり、米国特許第6,306,994号明細書(デュポン(DuPont))に記載されている。こうした分散剤及び分散物は、カーボンブラック、有機又は無機顔料について使用することができる。有用な分散剤はまた、以後に実施例として提供されるアクリルヒドラジドのようなアクリルヒドラジドポリマーから調製される。
反応性アミン基含有種は、シリコン、チタン、ジルコニウム、及び酸化インジウムスズの表面処理された酸化物のような、透明な表面処理無機粒子添加剤であることができる。無機粒子は、ナノ粒子であり得る。
これらの酸化物粒子の表面は、図13に図解されたように、共有結合したアミノ基をそれらに含有させるためにアミノ官能性プロピルトリアルキルシロキサンと反応させ得る。
様々な多官能性アミン、例えばエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、トリエチレンテトラアミン、又はペンタエチレンヘキサミンが、グリシドオキシプロピルトリメトキシシランと反応することができ、その反応の生成物が酸化物ナノ粒子と反応し得る。本発明に有用なアミン官能性シリカナノ粒子の例は、チョゴル(Csogor)らにより、マテリアルズ・サイエンス・アンド・エンジニアリングC.(Materials Science and Engineering C.)、23、(2003)93〜97に記載されている。ナノシリカはまた、ハロプロピルトリアルキルシラン若しくはグリシドオキシプロピルトリメトキシシランにより官能化され、次いで低分子量のポリエチレンイミンと反応することができるか、又はナノシリカは、アルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical)により販売されるN−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ポリエチレンイミンハイドロクロライドのようなハロプロピルトリアルキルシランと予備反応した低分子量のポリエチレンイミンと直接反応できる。アミンシロキサン試薬は、無機酸化物粒子と連結する前に、セミカルバジド基シロキサン試薬又はカルバジド基シロキサン試薬に変換され得る。結果として生じるセミカルバジド官能性及びヒドラジド官能性無機粒子は、反応性ケトン又はアルデヒドを含有する第1インクの構成成分のための架橋剤として作用するように、第2インク中に配合されるのに適している。無機粒子はまた、ヒドラジノプロピルシロキサン試薬と直接反応ができる。
反応性アミン基含有種は、有機顔料粒子の表面に化学結合(グラフト)した有機基であり得る。顔料の表面改質のための技術は周知であり、こうした技術は本明細書に使用に応用できる。
インクセット
用語「インクセット」は、インクジェットプリンターが吐出するために装備されるすべての個々のインク、又は他の流体を指す。本発明によるインクセットは、少なくとも2つのインクを含み、少なくとも2つのインクの1つは、ビヒクル及び反応性カルボニル基含有種を含み、少なくとも2つのインクのもう1つは、ビヒクル及び反応性アミン基含有種を含む。少なくとも2つのインクのいずれか1つ又は両方は着色剤を含むことができる。
一般に、インクジェットインクセットは、少なくとも3つの着色インク(例えば、シアン、マゼンタ、及びイエロー)を含み、典型的には少なくとも4つのインク(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラック)を含む。好ましい実施形態では、インクセットは複数個の着色インクを含有し、セット内のすべての着色インクは、類似した反応性種を含有し、換言すると、すべての着色インクは反応性カルボニル基含有種を含有するか、又はすべての着色インクは反応性アミン基含有種を含有する。更に、好ましいインクセットでは、少なくとも1つの実質的に無色のインクが存在する。セット内の着色インクがすべて反応性カルボニル基含有種を含有するときには、無色のインクが反応性アミン基含有種を含有し、セット内の着色インクがすべて反応性アミン基含有種を含有するときには、無色のインクが反応性カルボニル基含有種を含有するように、少なくとも1つの無色のインクは、反応性カルボニル基含有種、又は反応性アミン基含有種を含有する。
現文脈では、実質的に無色とは、裸眼にとって知覚できる色がないことを意味する。また、無色のインクは、着色インクの色相を実質的に変化することなく、着色インクと重なり合う関係において基材に適用され得る。
本明細書において提供された教示を踏まえて考えると、インクセットは任意の数の着色及び無色インクも含み得ることが理解される。典型的なCMYKインクに加えて、本発明によるインクセットは更に、1以上の「色域拡張」(gamut-expanding)インクを含んでもよく、それには、オレンジインク、グリーンインク、レッドインク、及び/又はブルーインクのような異なる着色インク、並びに濃色(full strength)のインクとライトシアン及びライトマゼンタなどの淡色(light strengths)のインクの組み合わせが挙げられる。
基材
基材は、任意の好適な基材であることもでき、それには、一般的な電子写真複写機用紙のような普通紙、写真品質インクジェット用紙のような表面加工紙、布地、並びにポリビニルクロライド及びポリエステルのようなポリマーフィルムを包含する無孔の基材が挙げられる。
印刷方法
本発明のインクセットは、現在入手可能な多数の市販のプリンターを包含する、任意の好適なインクジェットプリンターを用いて吐出されてもよい。
本発明のインクセットの利点は、反応性カルボニル含有種を含有するインクが、反応性アミン基含有種を含有するインクと重なり合う関係で基材上に印刷されるときに、最も良く認識され得る。このような方法で、反応性種の両方の種類が基材上に近接して存在して架橋が生じ得る。インクの印刷は、任意の順番で又は同時に生じ得る。
印刷された基材上のインクを室温で乾燥することに加えて、印刷された基材を加熱して反応性カルボニル基含有種と反応性アミン基含有種との架橋反応を促進することが有利である場合がある。この目的のために有用な温度は、典型的には約60℃〜約150℃である。
次の実施例は本発明を説明する。
アクリルポリヒドラジドの調製
62.5gのエチルアクリレート、0.675gのVASO64(2,2’−アゾビス[2−メチル−プロパンニトリル])、及び12.5gのドデシルメルカプタンが、175gのエチルアセテートの中に溶解され、混合物は67℃に24時間加熱された。溶剤がロトバップ(rotovap)により取り除かれて、THF(テトラヒドロフラン)中でのサイズ排除クロマトグラフィーにより390のMn(数平均分子量)及び2100のMw(重量平均分子量)を有することが測定された65gのポリマーを生成した。50gのこのポリマーが250mLのエタノール中に溶解され、50gのヒドラジン水和物が攪拌しながら添加された。溶液を一晩85℃で還流した後、アクリルポリヒドラジドポリマーが、フラスコの側面及び底面上に白色沈殿として形成された。溶剤及び水がロトバップ(rotovap)上で取り除かれ、アクリルポリヒドラジドポリマーが高真空下で乾燥されて回収された。
黒色分散物の調製
80gの脱イオン水中に、上述の調製された3.2gの乾燥ヒドラジドポリマーが、2.24gの氷酢酸と共に溶解された。この溶液が、スクリューキャップ付き厚肉瓶中に、8gのニペックス(Nipex)180IQ黒色顔料、60gの砂、及び0.4gのノプコ(NOPCO)消泡剤と共に注入された。これはレッド・デビル(Red Devil)ペイントシェーカー上で3時間振とうされて、解膠低粘度黒色分散物が生じ、これは次に5ミクロンの紙を通して濾過された。結果として生じる分散物は、4.6%の固体及び218nmの粒径を有した。
黒色分散物の別個の小試料に、数滴の40%グリオキサール溶液が、可能な反応性ポリカルボニルとして、それを評価するために添加された。グリオキサールと分散物の組み合わせは、黒色沈殿の即時形成を結果として生じ、グリオキサールがポリカルボニルとして有用であることを提示した。
インクAの調製
反応性アミン(ヒドラジド)を有する黒色インクが、上述で調製された43.5gの黒色分散物、4.5gのグリセロール、3gのエチレングリコール、及び0.5gのBYK348界面活性剤を共に混合することにより調製された。混合物は大き過ぎる粒子を分離するために遠心分離されて、 上清が回収されて、145nmの平均粒径を有するインクAを生じさせた。
インクBの調製
インクBは、10%のグリオキサール、95%のグリセロール、6%のエチレングリコール、5%の1,2−ヘキサンジオール、及び0.05%Byk(登録商標)348の混合物を含有する反応性ポリカルボニルインクであった。百分率はインクの総重量の重量百分率である。
実施例1
インクA及びBが、エプソン(Epson)3000プリンターの中に装填され、4つの1.3cm(0.5インチ)幅の水平な帯のパターンが、ボイシ・カスケード(Boise Cascade)x−9紙上に反応性アミン(ヒドラジド)黒色インクを用いて印刷された。これらは、0.9〜1.1の範囲の光学密度を有した。
最初の2つの帯に、反応性ポリカルボニルグリオキサールインクを用いて上塗りするために、紙は再びプリンターを通過した。インクBによって処理された帯は「帯A/B」と呼ばれ、黒色インクAのみによる帯は「帯Aのみ」と呼ばれる。
この紙は2つに切断される。半分は100℃オーブンの中に10分間設置され(10分オーブン、「オーブン10」試料)、もう半分は室温で10分間保持された(室温、「RT10」試料)。 帯A/B及び帯Aのみは、以後に記載されるように、汚れについて試験された。「オーブン10」試料は、更に20分オーブンに戻され(これで合計30分間加熱され「オーブン30」と呼ばれる)、RT10試料は室温で残留して「RT30」と呼ばれる。オーブン30分及びRT30試料の両方が再び汚れについて試験された。
汚れ試験は、蛍光ペンで、帯の1.3cm(0.5インチ)幅を横切ってページの白い印刷されていない部分上まで描くことから成る。各試験は、ペンの1ストローク、順に重ねたペンの2ストローク、又は順に重ねたペンの3ストロークのいずれかにより、別個に(帯上の異なる地点で)行われた。複数のストロークは、単一ストロークよりも、より重度である。2つの異なる蛍光ペン:アベリー・デニソン社(Avery Dennison Corp.)製のハイ・ライター(Hi-Liter)(登録商標)及びゼブラ・ペン社(Zebra Pen Corp.)製のゼブラ(Zebra)(登録商標)ペン(Pen)が使用された。汚れは、蛍光ペンのストロークされた部分から移された黒色の量について、ページの印刷されていない部分を検査することにより評価された。次の尺度が使用された。
5=重度の汚れ
4=中程度〜重度の汚れ
3=中程度の汚れ
2=軽度の汚れ
1=非常に軽度の汚れ
0=汚れなし
汚れが少なければ少ないほど(あるいは全くない)、より少ない数により示され、最も望ましい。結果が下記の表に集計される。
Figure 2009529443
データは、インクAとBの組み合わせ(帯A/B)は、インクA単独(帯Aのみ)より著しく少ない汚れを、比較に値する条件下で与えたことを示している。加熱により、AとBの組み合わせは、汚れを実質的に全く示さなかった。
A/B印刷の汚れの減少は、反応性アミンとポリカルボニルとの間の架橋により増加した耐久性の証拠と解釈される。
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の組成物及びインクセットの様々な他の修正、変更、追加、又は置換が当業者には明らかであろう。本発明は、本明細書に記載された実施形態によって制限されず、むしろ特許請求の範囲によって定義される。
本発明の実施に有用な反応性カルボニル基を含有するポリカルボニルアクリルポリマーを調製するために使用できる様々なアクリルモノマーの概略図。 本発明の実施に有用な反応性カルボニル基を含有するポリカルボニルポリマーの他の種類を調製するために使用できる様々なα−メチルスチレンモノマーの概略図。 本発明の実施に有用な反応性カルボニル基を含有するポリカルボニルポリマーの他の種類を調製するために使用できる様々なα−メチルスチレンモノマーの概略図。 本発明の実施に有用な反応性カルボニル基を含有するポリカルボニルポリマーの他の種類を調製するために使用できる様々なα−メチルスチレンモノマーの概略図。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 ポリカルボニルポリマーの他の種類を形成するための様々な合成経路。 本発明において反応性カルボニル含有種として使用できるカルボニル官能化無機酸化物粒子を形成するために使用できる反応性カルボニル基を有するシロキサンの調製のための様々な合成経路の図解。 本発明において反応性カルボニル含有種として使用できるカルボニル官能化無機酸化物粒子を形成するために使用できる反応性カルボニル基を有するシロキサンの調製のための様々な合成経路の図解。 本発明の実施に有用な共反応性(coreactive)アミン基を有する好適な化合物の例。 本発明の実施に有用な共反応性アミン基を有する好適な化合物の例。 本発明の実施に有用な共反応性アミン基を有する好適な化合物の例。 本発明の実施に有用な共反応性アミン基を有する好適な化合物の例。 本発明の実施に有用な共反応性アミン基を有する好適な化合物の例。 本発明に有用なペンダント・アミン基を含有するポリマーの合成経路。 本発明の実施に有用であり得るアミン官能化無機酸化物粒子の合成経路の図解。

Claims (13)

  1. 少なくとも第1インク及び第2インクを含むインクジェットインクセットであって、
    a)前記第1インクが、ビヒクルと、少なくとも1つの反応性カルボニル基を有する反応性カルボニル基含有種とを含み、
    b)前記第2インクが、ビヒクルと、少なくとも1つの反応性アミン基を有する反応性アミン基含有種とを含むことを特徴とするインクジェットインクセット。
  2. 前記第1インクが、少なくとも2つの反応性カルボニル基を有する反応性カルボニル基含有種を含み、及び/又は前記第2インクが、少なくとも2つの反応性アミン基を有する反応性アミン基含有種を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第1及び第2インクの1つ又は両方が着色剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記カルボニル基含有種及び前記反応性アミン基含有種は、添加剤の形態で独立して存在するか、及び/又は顔料着色剤上に吸着された分散剤の形態若しくは前記着色剤に化学的に結合した種の形態で、着色剤と結び付いている。
  5. 第3及び第4インクを更に含み、
    a)前記第3及び第4インクが、各々独立して、少なくとも1つの反応性カルボニル基を有する反応性カルボニル基含有種を含み、
    b)前記第1、第3、及び第4インクが着色剤を含み、及び
    c)前記第2インクが実質的に無色であることを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
  6. 前記第3及び第4インクが、各々独立して、少なくとも2つの反応性カルボニル基を有する反応性カルボニル基含有種を含むことを特徴とする請求項5に記載のインクセット。
  7. 第3及び第4インクを更に含み、
    a)前記第3及び第4インクが、各々独立して、少なくとも1つの反応性アミン基を有する反応性アミン基含有種を含み、
    b)前記第2、第3、及び第4インクが着色剤を含み、及び
    c)前記第1インクが実質的に無色であることを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
  8. 前記第3及び第4インクが、各々独立して、少なくとも2つの反応性カルボニル基を有する反応性カルボニル基含有種を含むことを特徴とする請求項7に記載のインクセット。
  9. 前記第1、第3、及び第4インクが、シアン、イエロー、及びマゼンタ着色インクであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載のインクセット。
  10. 前記反応性カルボニル基含有種が、次のようなC1〜C8:
    (C1) −C(=O)R1
    (C2) −C(=O)H
    (C3) −X−(EWD)−C(R2)H−C(=O)−R2
    (C4) (EWD)−CH−C(=O)−R2
    (C5) −C(=NR1)R1
    (C6) −C=C(NR33)R1
    (C7) −C(−OR421
    (C8) −C(−OR42
    で表された種のいずれか1つ又は組み合わせであり、前記反応性アミン基含有種が、次のようなA1〜A5:
    (A1) R−NH−NH2
    (A2) R−C(=O)−NH−NH2
    (A3) R’’R’C=N−NH2
    (A4) R−NH−C(=O)−NH−NH2
    (A5) R’’’NH−NH−C(=O)−NH−NH2
    で表された種のいずれか1つ又は組み合わせであり、
    式中、R1=C1〜C10アルキル、又はアリール基であり
    2=C1〜C10アルキル、又はアリール基、又はHであり
    3=C1〜C10アルキル、又はアリール基、又は環の一部であり、
    4=C1〜C10アルキル、又は環の一部であり、
    R、R’、及びR’’=多官能性反応性アミン種へのアルキル又はアリール連結であり、
    R’’’=H、又は多官能性反応性アミン種へのアルキル若しくはアリール連結であり、及び
    EWD=電子求引基であることを特徴とする
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクセット。
  11. 基材上にインクジェット印刷するための方法であって、
    (a)デジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを提供することと、
    (b)印刷される基材を前記プリンターに搭載することと、
    (c)請求項1〜10のいずれか一項に記載されたインクを前記プリンターに搭載することと、
    (d)前記デジタルデータ信号に応答して、前記インク又はインクジェットインクセットを使用して前記基材上に印刷することと、
    を含むことを特徴とする方法。
  12. 前記基材上への印刷が、反応性カルボニル基含有種を含むインクと反応性アミン基含有種を含むインクとの間に、少なくとも幾らかの重なり合う印刷区域を包含することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 反応性カルボニル基含有種と反応性アミン基含有種との反応を促進するために、前記印刷された基材を加熱する工程を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
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