JPH09241552A - 水性インク - Google Patents

水性インク

Info

Publication number
JPH09241552A
JPH09241552A JP4902796A JP4902796A JPH09241552A JP H09241552 A JPH09241552 A JP H09241552A JP 4902796 A JP4902796 A JP 4902796A JP 4902796 A JP4902796 A JP 4902796A JP H09241552 A JPH09241552 A JP H09241552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
trade name
manufactured
resin
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4902796A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriko Oyama
紀子 大山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP4902796A priority Critical patent/JPH09241552A/ja
Publication of JPH09241552A publication Critical patent/JPH09241552A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルプレートへのインクの付着を防止す
る。 【解決手段】 少なくとも、(1)水、(2)蒸気圧が
水よりも小さい水溶性有機溶剤、(3)この水溶性有機
溶剤に可溶な油溶染料、分散染料、顔料から選ばれる少
なくともひとつの疎水性着色剤、(4)この水溶性有機
溶剤に可溶な疎水性樹脂からなるインクであって、前記
樹脂が少なくとも酸性樹脂を含み、かつインクのpHが
7より上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主としてインクジェ
ット記録方式に関し、特に、吐出安定性、耐乾燥目詰ま
り特性にすぐれ、耐擦過性、耐水性のある印刷物が得ら
れる、水性インクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式は静電吸
引方式、空気圧送方式、圧電素子の電気的変形を利用し
た方式、加熱発泡時の圧力を利用した方式等でインク小
滴を発生・噴射させ、さらにこのインク小滴を印刷用紙
に付着させて記録を行っている。
【0003】前記の記録方式に用いる水性インクは、水
に着色剤、グリコール等の保湿剤、アルコール等の浸透
促進剤等を加えて構成されている。着色剤に水溶性染料
を用いた水性インクは、耐目詰まり性、保存安定性等に
すぐれた特性を有するが、耐水性、耐光性等、印刷物の
堅牢性が低いという問題がある。
【0004】この問題点を解決する方法として、着色剤
として水不溶性の顔料のみを使用した水性インクに関す
る試みが、特開昭56−157468号公報、特開平2
−255875号公報、特開平3−134073号公
報、特開平4−18462号公報に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の特開昭5
6−157468号公報、特開平2−255875号公
報、特開平3−134073号公報に提案されている水
性顔料分散インクは、耐水性、耐光性を向上させるため
の着色剤として水不溶性の顔料を使用し、耐擦過性を向
上するために、顔料分散に使用する水溶性樹脂の量を増
やして顔料を記録紙に接着する方法をとっている。しか
し、インク吐出ノズルから水分が蒸発すると樹脂濃度が
上昇して高粘度化、さらには被膜化するために、乾燥目
詰まりが生じ易いという課題がある。
【0006】そこで、特開平4−18462号公報に提
案されている水性顔料分散インクでは水溶性樹脂の量を
増やすかわりに、インク中で分散しているマイクロエマ
ルジョンを用いている。この場合は、顔料と分散樹脂か
らなる分散体、およびエマルジョンを含んでいるため、
乾燥した時のインク中での粒子濃度が高くなり固着が起
こりやすくなる。この結果、不吐出が発生し、不吐出を
防ぐためにはエマルジョンの粒径および添加量の微妙な
調整が必要となってくる。
【0007】さらに、顔料を用いたインクでは着色剤を
分散するために長時間の機械分散が必要であるという課
題がある。
【0008】これを解決する手段として、本発明者は特
願平7−77635号公報において、水よりも蒸気圧の
低い水溶性有機溶剤に可溶な、疎水性染料及び疎水性樹
脂を用いた水性インクを提案した。この場合は、水性イ
ンクがインクジェット記録装置の吐出ノズル先端で乾燥
した場合、まず水分が蒸発して水よりも蒸気圧が小さい
有機溶剤が残る。これにインク中では疎水性樹脂及び着
色剤が溶解するために、乾燥したインク中では粒子の存
在は減少し、容易には造膜・固着しない。また、溶剤中
に樹脂・着色剤が溶け込んでいる溶剤状態であればイン
ク吸引により吐出を回復でき、耐乾燥目詰まり性にすぐ
れる。また、本発明の水性インクにより得られる印刷物
は、油溶染料もしくは分散染料、有機溶媒可溶な顔料か
ら選ばれる疎水性着色剤を疎水性樹脂で印刷用紙に接着
する事により得られる。印刷後の紙上はインク乾燥に伴
って水分が蒸発し、相対的に有機濃度が上昇する。この
有機溶剤に樹脂が溶解し、樹脂溶液となる。樹脂溶液は
着色剤と共に印刷用紙を均一に濡らし、着色剤を接着
し、耐擦過性が得られる。また、疎水性着色剤および疎
水性樹脂を用いるために耐水性、耐光性にすぐれた印刷
物が得られる。これより、乾燥目詰まりを起こさず、耐
擦過、耐水性にすぐれた堅牢な印刷物を得る事ができ
る。
【0009】さらに、このような従来の水性インクおい
て、連続吐出している際にインク滴の飛行曲がり等が生
じ、連続した吐出安定性が得られなかったという課題に
ついて鋭意検討したところ、この原因が、ノズルプレー
トにインク中の成分が付着する事に起因するものであ
り、特に疎水性樹脂で顕著である事を見出した。
【0010】従って本発明は上述した従来技術の課題を
解決するものであり、耐擦過性、耐水性にすぐれた印刷
物が得られ、連続した吐出安定性、耐乾燥目詰まりにす
ぐれた水性インクを提供する事を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の水性分散インク
は、少なくとも、(1)水、(2)蒸気圧が水よりも小
さい水溶性有機溶剤、(3)この水溶性有機溶剤に可溶
な油溶染料、分散染料、顔料から選ばれる少なくともひ
とつの疎水性着色剤、(4)この水溶性有機溶剤に可溶
な疎水性樹脂からなるインクであって、前記樹脂が少な
くとも酸性樹脂を含み、かつインクのpHが7より上で
ある事を特徴とする。
【0012】さらに、前記疎水性着色剤および/または
前記疎水性樹脂がインク中で分散している事を特徴とす
る。
【0013】さらに、前記酸性樹脂がフェノール樹脂ま
たはスチレン−アクリル酸系樹脂である事を特徴とす
る。
【0014】さらに、前記酸性樹脂がフェノール樹脂、
さらにpHが9以上であり、pH調整剤を含み、前記p
H調整剤が無機塩基である事を特徴とする。
【0015】さらに、前記酸性樹脂がスチレン−アクリ
ル酸系樹脂、さらにpHが8以上である事を特徴とす
る。
【0016】
【作用】本発明の水性インクは、疎水性樹脂のうちの少
なくともひとつの酸性樹脂を用い、pHを7より上にす
る事により、酸性樹脂を構成する水酸基、カルボン酸
基、スルホン酸基とアルカリ領域での水との相互作用が
強くなる。すなわち、樹脂と水との親和性が向上する。
一方、ノズル目詰まり防止のためには、ノズルプレート
のインクに対する撥液性が必要であり、インクを構成す
る酸性樹脂の水への親和性が向上する事で、インクが撥
液するようになる。これにより、インクのノズルプレー
トへの付着を防ぐ事ができるため、連続印字においても
飛行曲がり等が起こらず長期の安定した吐出を得る事が
できる。また、pHを7より上にする事によりヘッド部
材を侵す事がない。
【0017】さらに、樹脂および/もしくは着色剤がイ
ンク中で分散している事から、溶解成分が少なく粘度上
昇が抑えられ、吐出が安定する。
【0018】従って、印刷物の耐擦過性、耐水性、及び
吐出安定性を両立した水性インクを提供できる。
【0019】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の水性インクは、水と水溶
性有機溶剤からなる媒体中に、油溶染料もしくは分散染
料、顔料から選ばれる疎水性着色剤と酸性樹脂を分散さ
せて構成されている。
【0021】水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透
水、蒸留水等の純水、超純水を用いる事ができる。ま
た、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発
生を防止するために、紫外線照射、過酸化水素添加など
により滅菌した水を用いる事もできる。
【0022】本発明において使用する水溶性有機溶剤の
少なくとも1つは、水よりも小さい蒸気圧を有する事が
必要である。
【0023】本発明において好ましい水溶性有機溶剤
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
ーペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、
2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、
1,2,6−ヘキサントリオール等のアルコール類、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニルア
セトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、ジアセチ
ン、エチレンカーボネート、リン酸トリエチル等のエス
テル類、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン等の窒素化合物類、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンス
ルトン等の硫黄化合物類、2−メトキシエタノール、2
−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタ
ノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシ
エタノール、2−イソペンチルオキシエタノール、フル
フリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジアセトンアルコール、モノエタノールアミ
ン、チオジグリコール、モルホリン、 N−メチルモル
ホリン、N−エチルモルホリン、2−メトキシエチルア
セテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、ヘキサメチルホスホルアミド等の多官能基化
合物類が挙げられる。さらに、上記の水溶性有機溶剤を
2種類以上を組み合わせても良い。
【0024】水と水溶性有機溶剤の混合比率は特に限定
されないが、好ましくはインクの表面張力が30dyn
/cm以上、またインクの粘度が5℃にて50cPs以
下になる混合比率が望ましい。表面張力が30dyn/
cm未満では良好な印字が得られない。またインク粘度
が50cPsを越えればインク吐出が不安定になる。
【0025】本発明において使用する着色剤は、水溶性
有機溶剤に可溶で、難水溶性もしくは非水溶性であれば
よく、油溶染料、分散染料あるいは溶剤易溶性顔料が挙
げられる。
【0026】油溶染料は、黄色系としてはオイルイエロ
ー105(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、
オイルイエロー107(商品名、オリエント化学工業株
式会社製)、オイルイエロー129(商品名、オリエン
ト化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー2
9)、オイルイエロー3G(商品名、オリエント化学工
業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー16)、オ
イルイエローGGS(商品名、オリエント化学工業株式
会社製、C.I.ソルベントイエロー56)、バリファ
ストイエロー1101(商品名、オリエント化学工業株
式会社製)、バリファストイエロー1105(商品名、
オリエント化学工業株式会社製)、バリファストイエロ
ー4120(商品名、オリエント化学工業株式会社製、
C.I.ソルベントイエロー82)、オプラスイエロー
130(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.
I.ソルベントイエロー77)、オプラスイエロー13
6(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.
ソルベントイエロー33)、オプラスイエロー140
(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソ
ルベントイエロー93)、オレオゾルブリリアントイエ
ロー5G(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.
ソルベントイエロー150)、オレオゾルファストイエ
ロー2G(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.
ソルベントイエロー21)、オレオゾルファストイエロ
ーGCN(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.
ソルベントイエロー151)、アイゼンゾットイエロー
1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソル
ベントイエロー56)、アイゼンゾットイエロー3(商
品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベント
イエロー16)、アイゼンゾットイエロー6(商品名、
保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロ
ー33)、アイゼンスピロンイエローGRLH(商品
名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンイ
エロー3RH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、
アイゼンスピロンイエローC−2GH(商品名、保土谷
化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンイエローC−
GNH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、オラゾ
ールイエロー2GLN(商品名、チバガイギー社製、
C.I.ソルベントイエロー88)、オラゾールイエロ
ー2RLN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソル
ベントイエロー89)、オラゾールイエロー3R(商品
名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー2
5)、オラセットイエローGHS(商品名、チバガイギ
ー社製、C.I.ソルベントイエロー163)、フィラ
ミッドイエローR(商品名、チバガイギー社製、C.
I.ソルベントイエロー21)、オイルイエロー185
(商品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ソルベン
トレッド18類似品)、アルコールイエローY−10
(商品名、中央合成化学株式会社製)、ダイアレジンイ
エローL3G(商品名、三菱化成株式会社製、C.I.
ソルベントイエロー93)、ダイアレジンイエロー3G
(商品名、三菱化成株式会社製、C.I.ソルベントイ
エロー98)、ダイアレジンイエローF(商品名、三菱
化成株式会社製、C.I.ソルベントイエロー10
4)、ダイアレジンイエローHG(商品名、三菱化成株
式会社製、C.I.ソルベントイエロー114)、ダイ
アレジンイエローHC(商品名、三菱化成株式会社製、
C.I.ソルベントイエロー112)、ダイアレジンイ
エローHL(商品名、三菱化成株式会社製、C.I.ソ
ルベントイエロー105)、ダイアレジンイエローGR
(商品名、三菱化成株式会社製、C.I.ソルベントイ
エロー113)等が挙げられる。赤色系としてはオイル
レッド5B(商品名、オリエント化学工業株式会社製、
C.I.ソルベントレッド27)、オイルレッドRR
(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソ
ルベントレッド24)、バリファストレッド1306
(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソ
ルベントレッド109)、バリファストレッド1355
(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファ
ストレッド2303(商品名、オリエント化学工業株式
会社製)、バリファストレッド3304(商品名、オリ
エント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド
8)、バリファストレッド3306(商品名、オリエン
ト化学工業株式会社製)、バリファストレッド3320
(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソ
ルベントレッド132)、オイルピンク312(商品
名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストピ
ンク2310N(商品名、オリエント化学工業株式会社
製、C.I.ソルベントレッド218)、オプラスレッ
ド330(商品名、オリエント化学工業株式会社製、
C.I.ソルベントレッド179)、オプラスレッド3
39(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.
I.ソルベントレッド135)、オプラスレッド338
(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソ
ルベントレッド111)、オレオゾルファストレッドB
L(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベ
ントレッド132)、オレオゾルファストレッドRL
(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベン
トレッド122)、オレオゾルファストレッドGL(商
品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレ
ッド132)、オレオゾルレッド2G(商品名、田岡化
学工業株式会社製)、オレオゾルファストピンクFB
(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベン
トレッド218)、アイゼンゾットレッド1(商品名、
保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド
24)、アイゼンゾットレッド2(商品名、保土谷化学
工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド27)、ア
イゼンゾットレッド3(商品名、保土谷化学工業株式会
社製、C.I.ソルベントレッド18)、アイゼンスピ
ロンレッドBEH(商品名、保土谷化学工業株式会社
製)、アイゼンスピロンフィエリーレッドBH(商品
名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレ
ッド81)、アイゼンスピロンレッドGEH(商品名、
保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンレッド
C−GH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイ
ゼンスピロンレッドC−BH(商品名、保土谷化学工業
株式会社製)、アイゼンゾットピンク1(商品名、保土
谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド4
9)、オラゾールレッド3GL(商品名、チバガイギー
社製、C.I.ソルベントレッド130)、オラゾール
レッド2BL(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソ
ルベントレッド132)、オラゾールレッドG(商品
名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド12
5)、オラゾールレッドB(商品名、チバガイギー社
製、C.I.ソルベントレッド7)、フィラミッドレッ
ドGR(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベン
トレッド225)、フィレスターレッドGA(商品名、
チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド13
5)、フィレスターレッドRBA(商品名、チバガイギ
ー社製、C.I.ソルベントレッド230)、オラゾー
ルピンク5BLG(商品名、チバガイギー社製、C.
I.ソルベントレッド127)、オイルピンク330
(商品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ソルベン
トレッド49)、アルコールピンクP−30(商品名、
中央合成化学株式会社製)、ダイアレジンレッドK(商
品名、三菱化成株式会社製、C.I.ソルベントレッド
155)、ダイアレジンレッドH5B(商品名、三菱化
成株式会社製、C.I.ソルベントレッド52)等が挙
げられる。青色系としてはオイルブルー613(商品
名、オリエント化学工業株式会社製)、オイルブルー2
N(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.
ソルベントブルー35)、オイルブルーBOS(商品
名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブ
ルー1603(商品名、オリエント化学工業株式会社
製)、バリファストブルー1605(商品名、オリエン
ト化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー3
8)、バリファストブルー1607(商品名、オリエン
ト化学工業株式会社製)、バリファストブルー2606
(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソ
ルベントブルー70)、バリファストブルー2610
(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、オレオゾ
ルファストブルーELN(商品名、田岡化学工業株式会
社製、C.I.ソルベントブルー70)、オレオゾルフ
ァストブルーGL(商品名、田岡化学工業株式会社製、
C.I.ソルベントブルー70)、オレオゾルブルーG
(商品名、田岡化学工業株式会社製)、アイゼンゾット
ブルー1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.
I.ソルベントブルー25)、アイゼンゾットブルー2
(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベ
ントブルー14)、アイゼンスピロンブルーGNH(商
品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロン
ブルー2BNH(商品名、保土谷化学工業株式会社
製)、アイゼンスピロンブルーBPNH(商品名、保土
谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンブルーC−
RH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼン
スピロンブルーE2BH(商品名、保土谷化学工業株式
会社製、C.I.ソルベントブルー73)、オラゾール
ブルーGN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソル
ベントブルー67)、オラゾールブルー2GLN(商品
名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー4
8)、オラセットブルー2R(商品名、チバガイギー社
製、C.I.ソルベントブルー68)、オイルブルーB
O(商品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ソルベ
ントブルー25)、フィラミッドブルーR(商品名、チ
バガイギー社製、C.I.ソルベントブルー132)、
フィレスターブルーGN(商品名、チバガイギー社製、
C.I.ソルベントブルー67)、カヤセットブルーK
−FL(商品名、日本化薬株式会社製)、アルコールブ
ルーB−10(商品名、中央合成化学株式会社製)、ダ
イアレジンブルーN(商品名、三菱化成株式会社製、
C.I.ソルベントブルー94)、ダイアレジンブルー
K(商品名、三菱化成株式会社製、C.I.ソルベント
ブルー78)、ダイアレジンブルーP(商品名、三菱化
成株式会社製、C.I.ソルベントブルー95)、ダイ
アレジンブルーLR(商品名、三菱化成株式会社製、
C.I.ソルベントブルー35)、ダイアレジンブルー
H3G(商品名、三菱化成株式会社製)等が挙げられ
る。黒色系としてはオイルブラックHBB(商品名、オ
リエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラ
ック3)、オイルブラック860(商品名、オリエント
化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック
3)、オイルブラックBS(商品名、オリエント化学工
業株式会社製、C.I.ソルベントブラック7)、オイ
ルブラックBY(商品名、オリエント化学工業株式会社
製)、バリファストブラック1802(商品名、オリエ
ント化学工業株式会社製)、バリファストブラック18
07(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリ
ファストブラック3804(商品名、オリエント化学工
業株式会社製、C.I.ソルベントブラック34)、バ
リファストブラック3810(商品名、オリエント化学
工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック29)、
バリファストブラック3820(商品名、オリエント化
学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック2
7)、バリファストブラック3830(商品名、オリエ
ント化学工業株式会社製)、スピリットブラックSB
(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソ
ルベントブラック5)、スピリットブラックSSBB
(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソ
ルベントブラック5)、スピリットブラックAB(商品
名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベン
トブラック5)、ニグロシンベース(商品名、オリエン
ト化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック
7)、オプラスブラック836(商品名、オリエント化
学工業株式会社製)、オプラスブラック838(商品
名、オリエント化学工業株式会社製)、オプラスブラッ
クHZ(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.
I.ソルベントブラック3)、オレオゾルファストブラ
ックRL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.
ソルベントブラック27)、オレオゾルブラックAR
(商品名、田岡化学工業株式会社製)、アイゼンゾット
ブラック6(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.
I.ソルベントブラック3)、アイゼンゾットブラック
8(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソル
ベントブラック7)、アイゼンスピロンブラックMH
(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピ
ロンブラックGMHスペシャル(商品名、保土谷化学工
業株式会社製)、アイゼンスピロンブラックRLHスペ
シャル(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、オラゾ
ールブラックCN(商品名、チバガイギー社製、C.
I.ソルベントブラック28)、オラゾールブラックR
LI(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベント
ブラック29)、オイルブラックFSスペシャルA(商
品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ソルベントブ
ラック7)等が挙げられる。
【0027】また、分散染料は、オラセットイエロー8
GF(商品名、チバガイギー社製、C.I.ディスパー
スイエロー82)、アイゼンゾットイエロー5(商品
名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ディスパース
イエロー3)、スミプラスイエローHLR(商品名、住
友化学工業株式会社製、C.I.ディスパースイエロー
54)、カヤセットイエローA−G(商品名、日本化薬
株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54)、ダ
イアレジンイエローH2G(商品名、三菱化成株式会社
製、C.I.ディスパースイエロー160)、オイルイ
エロー54(商品名、中央合成化学株式会社製、C.
I.ディスパースイエロー54)、ダイアレジンレッド
H(商品名、三菱化成株式会社製、C.I.ディスパー
スレッド5)、スミプラスレッドB−2(商品名、住友
化学工業株式会社製、C.I.ディスパースレッド19
1)、カヤセットレッドB(商品名、日本化薬株式会社
製、C.I.ディスパースレッド60)、フィレスター
バイオレットBA(商品名、チバガイギー社製、C.
I.ディスパースバイオレット57)、プラストレッド
8335(商品名、有本化学工業株式会社製、C.I.
ディスパースバイオレット17)、プラストレッド83
75(商品名、有本化学工業株式会社製、C.I.ディ
スパースレッド60)、プラストブルー8516(商品
名、有本化学工業株式会社製、C.I.ディスパースブ
ルー14)等が挙げられる。
【0028】また、溶剤易溶性顔料としては、ハンサイ
エローG(商品名、大同化成株式会社製、C.I.ピグ
メントイエロー1)、ハンサイエローGR(商品名、大
同化成株式会社製、C.I.ピグメントイエロー2)、
ハンサイエロー10G(商品名、大同化成株式会社製、
C.I.ピグメントイエロー3)、フィレスターイエロ
ーRNB(商品名、チバガイギー社製、C.I.ピグメ
ントイエロー147)、カヤセットイエローE−AR
(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ピグメントイ
エロー147)、カヤセットイエローE−L2R(商品
名、日本化薬株式会社製、C.I.ピグメントイエロー
142)、パーマネントレッド4R(商品名、大同化成
株式会社製、C.I.ピグメントレッド3)、ポピイレ
ッド(商品名、大日精化工業株式会社製、C.I.ピグ
メントレッド17)、ブリリアントファストスカレーッ
ト(商品名、大同化成株式会社製、C.I.ピグメント
レッド22)、3040レッド(商品名、大日精化工業
株式会社製、C.I.ピグメントレッド23)、ファス
トピンクレーキ6G(商品名、野間化学工業株式会社、
C.I.ピグメントレッド81)、エオシンレーキ(商
品名、有本化学工業株式会社、C.I.ピグメントレッ
ド90)、ファーナルローズトーナー170(商品名、
有本化学工業株式会社)、カヤセットレッドE−CG
(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ピグメントレ
ッド250)、カヤセットレッドE−BG(商品名、日
本化薬株式会社製、C.I.ピグメントレッド24
9)、カーミンBS(商品名、大日本インキ化学工業株
式会社製、C.I.ピグメントレッド114)、オラセ
ットピンクRF(商品名、チバガイギー社製、C.I.
ピグメントレッド181)等が挙げられる。これらの着
色剤を単独または複数混合して使用する事ができる。
【0029】着色剤の添加量はインク全体に対して0.
5〜20wt%の範囲にあれば好ましい。0.5wt%
以上であればインクジェット記録方法により印刷して十
分な光学濃度が得られる。着色剤量が20wt%を越え
る場合はインク粘度が高く、インクジェット記録方式で
は吐出が困難になる。
【0030】本発明に使用する疎水性樹脂は、難水溶ま
たは非水溶で水溶性有機溶剤に可溶であれば良く、その
中で少なくともひとつ含まれる酸性樹脂はとして特に好
ましいものの例は、フェノール樹脂として、タマノル3
52、タマノル353、タマノル354、タマノル36
1、タマノル366、タマノル803L、タマノル53
1、タマノルPA、タマノル758、タマノル759、
タマノリ751(商品名、荒川化学工業株式会社製)
等、スチレン−アクリル酸樹脂として、ジョンクリルJ
−682、ジョンクリルJ−586、ジョンクリルJ−
680、ジョンクリルJ−555、ジョンクリルJ−6
79、ジョンクリルJ−683、ジョンクリルJ−55
0、ジョンクリルJ−68(商品名、ジョンソンポリマ
ー株式会社製)等が挙げられる。他の例としては、ポリ
アクリル酸、エチレンアクリル酸、ポリメタクリル酸、
エチレン−メタクリル酸、スチレン−メタクリル酸、メ
タクリル酸メチル−メタクリル酸、ポリマレイン酸無水
物、スチレン−マレイン酸、イソブチレン−無水マレイ
ン酸、メチルビニルエーテル−マレイン酸、ロジンマレ
イン酸、ポリビニルスルホン酸、アクリルアミド−ビニ
ルスルホン酸、スチレン−スルホン酸ナトリウム、メタ
クリルスルホン酸ナトリウム、アクリルスルホン酸ナト
リウム等が挙げられる。酸性樹脂以外の疎水性樹脂とし
ては、ハイラック111、ハイラック110H(商品
名、日立化成工業株式会社製)等のケトン樹脂、エスク
ロンV120(商品名、新日鐵化学株式会社製)等のク
マロン樹脂、ビニレックEタイプ、ビニレックKタイプ
(商品名、チッソ株式会社製)等のビニルホルマール樹
脂、ナイロン6(商品名、宇部興産株式会社製)等のε
−カプロラクタム共重合体、エスレックBL−1、エス
レックBL−2(商品名、積水化学工業株式会社製)等
のポリビニルブチラール樹脂、スタイラックAS−76
7(商品名、旭化成工業株式会社製)等のポリスチレ
ン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等の縮重
合樹脂等が挙げられる。
【0031】酸性樹脂の添加量は、インク全体に対して
0.1〜20wt%の範囲が好ましい。0.1wt%以
上であれば印刷物で十分な耐擦過性が得られ、20wt
%を越える場合はインク粘度が高くインクジェット記録
方式では吐出が困難になる。また、酸性樹脂の添加量
は、全樹脂量に対して50wt%以上が好ましい。50
wt%未満であるとインクのノズルプレートに対する撥
液効果が低下する。
【0032】低粘度で吐出の安定したインクを得るため
には、少なくとも、着色剤もしくは樹脂を分散する事が
好ましく、さらに、樹脂を分散するほうが好ましい。こ
れは、樹脂のほうが溶解した時に粘度上昇を起こしやす
いからである。
【0033】さらに、着色剤および樹脂の粒子径は、粒
子径が5μmを越える粒子を個数分布で1ppm未満に
調整する事が好ましい。この粒度分布であれば、インク
ジェット記録時にノズルに目詰まりを生じる事なく印字
できる。
【0034】pHを7より上にするために、本発明に用
いられるpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アン
モニア、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、ケイ酸ナ
トリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウ
ム、、ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸
三ナトリウム等の無機塩基、アミノメチルプロパノー
ル、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルジエタ
ノールアミン、N−メチルエタノールアミン、3−エト
キシプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピル
アミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキ
シプロピルアミン、2−アミノエタノール、2−(ジエ
チルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、N−ブ
チルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ
イソプロパノールアミン、オリゴエチレンイミン、ポリ
エチレンイミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパン
ジアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3
−プロパンジオール、イミダゾール、尿素、チオ尿素、
ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、
ジプロピルアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチ
ルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、
N−メチルピロリドン、モルホリン、 N−メチルモル
ホリン、N−エチルモルホリン、3−ピロリン、ピロリ
ジン、ピロリジジン、2−ジメチルアミノエタノール、
2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、1,4−
ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン等の有機塩基
が挙げられる。最終的なインクのpHが7より上であれ
ば、pH調整剤を用いなくてもよい。
【0035】本発明のインクの必須成分は上記の通りで
あるが、その他に水性インクに一般的に用いられている
浸透促進剤、表面張力調整剤、尿素およびその誘導体等
のヒドロトロピー剤、防カビ・防腐剤、エチレンジアミ
ン4酢酸等のキレート剤、防錆剤等を必要に応じて添加
する事も可能である。さらに、インクを帯電するインク
ジェット記録方式に使用する場合は、塩化リチウム、塩
化ナトリウム、塩化アンモニウム等の無機塩類から選ば
れる比抵抗調整剤を添加する。
【0036】必要に応じて添加し得る浸透促進剤として
は、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペン
タノール、ノニオン性界面活性剤等が好ましい。本発明
のインクの浸透速度は、これらの浸透促進剤を添加し
て、あるいは添加せずに2.5mg/cm2の印刷イン
ク量において20秒以下である事が好ましい。
【0037】表面張力調整剤としては、ノニオン、カチ
オンあるいはアニオン界面活性剤、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のアルコール類が好まし
い。本発明のインクの表面張力は、これらの表面張力調
整剤を使用して、あるいは使用せずに30〜70dyn
/cmの範囲である事が好ましい。表面張力が30dy
n/cm未満であると印刷用紙上の文字のにじみが大き
くなる。70dyn/cmを越えると罫線印刷時に罫線
に沿ってインク滴の偏析が生じ、印刷濃度ムラが大きく
なる。
【0038】本発明のインクは凝集分散法で作製する事
ができる。これは、機械分散を用いずに単分散化できる
等の理由から、特に好適な方法である。
【0039】本発明の水性インクは、疎水性染料、酸性
樹脂の水溶性有機溶液を水に滴下する事で作製され、具
体的には下記が有効である。
【0040】(方法1)第1の工程として水溶性有機溶
剤に疎水性着色剤および酸性樹脂を溶解した着色剤樹脂
溶液を作製する、第2の工程として前記着色剤樹脂溶液
と少なくとも水を含む溶液を混合して着色剤もしくは/
および樹脂が分散している、水性インクを作製する。
【0041】(方法2)第1の工程として水溶性有機溶
剤に疎水性着色剤を溶解した着色剤溶液を作製し、この
着色剤溶液と少なくとも水を含む溶液を混合し、混合液
(A)を作製する、第2の工程として水溶性有機溶剤に
酸性樹脂を溶解した樹脂溶液を作製し、この樹脂溶液と
少なくとも水を含む溶液を混合し、混合液(B)を作製
する、第3の工程として、混合液(A)と混合液(B)
を混合して着色剤もしくは/および樹脂が分散してい
る、水性インクを作製する。
【0042】(方法3)第1の工程として水溶性有機溶
剤に酸性樹脂を溶解した樹脂溶液を作製する、第2の工
程として水溶性有機溶剤に疎水性着色剤を溶解した着色
剤水溶液を作製し、この着色剤溶液と少なくとも水を含
む溶液を混合して混合液(A)を作製する、第3の工程
として前記樹脂溶液と前記混合液(A)を混合し、着色
剤もしくは/および樹脂が分散している、水性インクを
作製する。
【0043】(方法4)第1の工程として水溶性有機溶
剤に疎水性着色剤を溶解した着色剤溶液を作製する、第
2の工程として水溶性有機溶剤に酸性樹脂を溶解した樹
脂溶液を作製し、この樹脂溶液と少なくとも水を含む溶
液を混合して混合液(B)を作製する、第3の工程とし
て前記着色剤溶液と前記混合液(B)を混合して着色剤
もしくは/および樹脂が分散している、水性インクを作
製する。
【0044】(方法5)第1の工程として水溶性有機溶
剤に疎水性着色剤を溶解した着色剤溶液を作製する、第
2の工程として水溶性有機溶剤に酸性樹脂を溶解した樹
脂溶液を作製する、第3の工程として前記着色剤溶液と
前記樹脂溶液と少なくとも水を含む溶液を混合して着色
剤もしくは/および樹脂が分散している、水性インクを
作製する。
【0045】このとき、インクのpHが7より上であれ
ばpH調整剤を入れなくても良いが、インクのpHが7
未満である場合や、さらに高いpHに調整する場合等は
必要に応じて入れても良い。また、入れる場合には、入
れるタイミングは特に限定されるものではない。
【0046】ここで、油溶染料、分散染料、顔料から選
ばれる疎水性着色剤もしくは/および酸性樹脂を水溶性
有機溶剤に溶解する方法は、水溶性有機溶剤に溶解でき
ればいかなる方法を用いても良い。例としては、着色剤
に水溶性有機溶剤を添加して攪拌を行なうか、攪拌を行
ないながら着色剤を添加していく。この際、溶解しにく
い場合には加熱を行なっても良い。これによって作製さ
れた着色剤もしくは/および樹脂溶液に、不純物あるい
は不溶物がある場合には濾過、遠心分離等を行ない除去
する事ができる。
【0047】前記着色剤もしくは/および樹脂溶液と少
なくとも水を含む液を混合して着色剤樹脂微粒子分散液
を作製する方法は、一定量の、少なくとも水を含む液
に、着色剤もしくは/および樹脂溶液を少量ずつ加え
る、あるいは反対に一定量の着色剤もしくは/および樹
脂溶液に少なくとも水を含む液を少量ずつ加える、ある
いは一定量の着色剤溶液と水または水溶液を同時混合す
る方式によっても作製可能である。
【0048】必要に応じて添加する助剤は、着色剤溶液
と混合する前に水に添加する、あるいは着色剤溶液と水
を混合して作製した着色剤微粒子分散液に添加する事が
できる。さらに、水溶性有機溶剤に可溶な助剤は、水と
の混合前に着色剤溶液に添加する事もできる。
【0049】また、インク中の着色剤濃度を0.5〜2
0wt%の範囲にするために、分散時に20wt%を越
える濃縮液を調製し、後から水あるいは必要に応じて助
剤を添加した水溶液を加えて希釈する事もできる。反対
に、0.5wt%未満の分散液を調製し、液体分を蒸発
手段、限外濾過手段等で除いて濃縮する事も可能であ
る。さらに得られた分散液を、必要に応じて遠心分離手
段、濾過手段等の分級手段により粒度分布を調整する事
も可能である。
【0050】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0051】さらに以下に述べる個々の実施例および比
較例で得られたインクを、以下に示す方法で評価した。
【0052】<1.インクの乾燥目詰まり特性>得られ
たインクをMJ−500(商品名、セイコーエプソン株
式会社製)のヘッドに充填し、40℃・30%RHの恒
温槽に7日間キャップ無しで放置した後、ヘッドをMJ
−500に搭載してインク吐出を行なった。
【0053】評価基準は、 ◎:クリーニング1回で全てのヘッドノズルでインクが
吐出。 ○:クリーニング2回以上5回未満で全てのヘッドノズ
ルでインクが吐出。 △:クリーニング6回以上10回以下で全てのヘッドノ
ズルでインクが吐出。 ×:クリーニング10回で1つでも吐出しないヘッドノ
ズルがある。
【0054】ここでいうクリーニングとは、ノズル面を
強制吸引する事による不要物の除去とゴムベラによるノ
ズル面の拭き上げの組み合わせである。
【0055】<2.インク連続吐出特性評価>得られた
インクをMJ−500(商品名、セイコーエプソン株式
会社製)のヘッドに充填し、インクをヘッドノズルから
連続的に吐出させ、飛行曲がり・吐出量低下・インク未
吐出などの吐出不良が生じる時間を測定した。
【0056】評価基準は、 A:2,000時間以上吐出不良がなかったもの。 B:1,000時間以上2,000時間未満で吐出不良
が生じたが、クリーニングにより完全復帰したもの。 C:1,000時間以上2,000時間未満で吐出不良
が生じたが、クリーニングにより完全復帰したもの。 D:1,000時間未満で吐出不良が生じたが、クリー
ニングにより完全復帰したもの。 E:1,000時間未満で吐出不良が生じクリーニング
により完全復帰しなかったもの。
【0057】<3.画像の耐水性評価>得られたインク
をMJ−500に充填し、記録紙として再生紙であるX
EROX−R(商品名、富士ゼロックス株式会社製)上
に画像形成を行なった。この画像に、純水0.3mlを
付着させて、そのまま自然乾燥させた後の画像の乱れを
目視で観察した。
【0058】評価基準は、 ○:画像の乱れが認められなかった。 △:画像の乱れが認められたが、判読可能であった。 ×:画像の乱れが認められ、判読困難であった。
【0059】(実施例1)黒色系油溶染料オイルブラッ
クFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)25
gとタマノルPA(商品名、荒川化学工業株式会社製、
フェノール樹脂)10gを水溶性有機溶剤N−メチル−
2−ピロリドン70gに加熱しながら混合・攪拌し、着
色剤樹脂溶液を調製した。超純水に水酸化カリウムを添
加しpH10に調整した。この水酸化カリウム水溶液4
00gを加熱攪拌しながら着色剤溶液全量を1時間かけ
て加え、黒色分散インクを得た。
【0060】(実施例2)熱しながらスターラーで攪拌
している炭酸エチレン10gとN−メチル−2−ピロリ
ドン80gからなる水溶性有機溶剤混合液に、タマノル
751(商品名、荒川化学工業株式会社製、フェノール
樹脂)10g、黄色系染料オラセットイエロー8GF
(商品名、チバガイギー社製、C.I.ディスパースイ
エロー82)30gを少量ずつ添加し溶解させ着色剤樹
脂溶液を作製した。超純水に水酸化カリウムを添加しp
H10に調整した。この水酸化カリウム水溶液400g
を加熱攪拌しながら着色剤溶液全量を1時間かけて加
え、黄色分散インクを得た。
【0061】(実施例3)タマノルPA(商品名、荒川
化学工業株式会社製、フェノール樹脂)15gと青色系
油溶染料アイゼンゾットブルー1(商品名、保土谷化学
工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー25)25
gをγ−ブチロラクトン50gとグリセリン20gから
なる水溶性有機溶剤混合液に加熱しながら混合・攪拌
し、着色剤樹脂溶液を調製した。超純水に水酸化カリウ
ムを添加しpH10に調整した。この水酸化カリウム水
溶液400gを加熱攪拌しながら着色剤溶液全量を1時
間かけて加え、青色分散インクを得た。
【0062】(実施例4)タマノル751(商品名、荒
川化学工業株式会社製、フェノール樹脂)15gと赤色
系顔料パーマネントレッド4R(商品名、大同化成株式
会社製、C.I.ピグメントレッド3)30gにテトラ
ヒドロフラン80gを加え、加熱しながら混合・溶解し
着色剤溶液を作製した。超純水に水酸化カリウムを添加
しpH10に調整した。この水酸化カリウム水溶液50
0gを加熱攪拌しながら着色剤溶液全量を1時間かけて
加え、赤色分散インクを得た。
【0063】(実施例5)タマノル352(商品名、荒
川化学工業株式会社製、フェノール樹脂)15gを水溶
性有機溶剤N−メチル−2−ピロリドン30gに加熱し
ながら混合・溶解し樹脂溶液を作製した。超純水に水酸
化ナトリウムを添加しpH11に調整した。スターラー
で攪拌している前記水酸化ナトリウム水溶液100gに
樹脂溶液を30分間かけて加え樹脂分散液を作製した。
赤色系染料オイルピンク312(商品名、オリエント化
学工業株式会社製)30gを水溶性有機溶剤エチレング
リコールモノメチルエーテル60gに加え、加熱しなが
ら混合・溶解し着色剤溶液を作製した。スターラーで攪
拌している超純水400gに着色剤溶液全量を1時間か
けて加え、着色剤分散液を作製した。その後、樹脂分散
液と着色剤分散液を混合攪拌し赤色分散インクを得た。
【0064】(実施例6)青色系染料オイルブルーBO
(商品名、中央合成化学株式会社製)20gにアセトニ
ルアセトン55gを加え、加熱しながら混合・溶解し着
色剤溶液を得た。タマノル366(商品名、荒川化学工
業株式会社製、フェノール樹脂)12gをN−メチル−
2−ピロリドン25gに添加し加熱しながら混合・溶解
し樹脂溶液を得た。超純水に水酸化ナトリウムを添加し
pH11に調整した。スターラーで攪拌している前記水
酸化ナトリウム水溶液500gに着色剤溶液全量を30
分間かけて加え、その後樹脂溶液を30分間かけて添加
し青色分散インクを得た。
【0065】(実施例7)メチルエチルケトン10gに
タマノル803L(商品名、荒川化学工業株式会社製、
フェノール樹脂)12gを加え加熱溶解し樹脂溶液を得
た。2−ピロリドン80gに黄色系染料オレオゾルブリ
リアントイエロー5G(商品名、田岡化学工業株式会社
製、C.I.ソルベントイエロー150)30gを混合
して加熱溶解し着色剤溶液を得た。超純水に水酸化ナト
リウムを添加しpH11に調整した。スターラーで攪拌
している前記水酸化ナトリウム水溶液500gに樹脂溶
液全量を30分間かけて加え、その後着色剤溶液を30
分間かけて添加し黄色分散インクを得た。
【0066】(実施例8)60℃で加熱しながらスター
ラーで攪拌している、ε−カプロラクタム40gとエタ
ノール40gの混合液に黒色系染料オレオゾルブラック
AR(商品名、田岡化学工業株式会社製)30gを少量
ずつ添加し溶解し、着色剤溶液を作製した。同様に60
℃で加熱しているジメチルホルムアミド50gに、タマ
ノルPA(商品名、荒川化学工業株式会社製、フェノー
ル樹脂)15gを少量ずつ添加し溶解し、樹脂溶液を作
製した。超純水に水酸化ナトリウムを添加しpH11に
調製した。スターラーで攪拌している前記水酸化ナトリ
ウム水溶液500gに、この着色剤溶液と樹脂溶液を同
時に1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。
【0067】(実施例9)黒色系油溶染料オイルブラッ
クFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)25
gとタマノルPA(商品名、荒川化学工業株式会社製、
フェノール樹脂)10gを水溶性有機溶剤N−メチル−
2−ピロリドン70gに加熱しながら混合・攪拌し、着
色剤樹脂溶液を調製した。超純水に水酸化カリウムを添
加しpH8に調整した。このトリエタノールアミン水溶
液400gを加熱攪拌しながら着色剤溶液全量を1時間
かけて加え、黒色分散インクを得た。
【0068】(実施例10)黒色系油溶染料オイルブラ
ックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)2
5gとタマノルPA(商品名、荒川化学工業株式会社
製、フェノール樹脂)10gを水溶性有機溶剤N−メチ
ル−2−ピロリドン70gに加熱しながら混合・攪拌
し、着色剤樹脂溶液を調製した。超純水にトリエタノー
ルアミンを添加しpH10に調整した。このトリエタノ
ールアミン水溶液400gを加熱攪拌しながら着色剤溶
液全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。
【0069】(実施例11)黒色系油溶染料オイルブラ
ックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)2
5gとタマノルPA(商品名、荒川化学工業株式会社
製、フェノール樹脂)10gを水溶性有機溶剤N−メチ
ル−2−ピロリドン70gに加熱しながら混合・攪拌
し、着色剤樹脂溶液を調製した。超純水にトリエタノー
ルアミンを添加しpH8に調整した。このトリエタノー
ルアミン水溶液400gを加熱攪拌しながら着色剤溶液
全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。
【0070】(実施例12)黒色系油溶染料オイルブラ
ックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)2
5gとジョンクリルJ−682(商品名、ジョンソンポ
リマー株式会社製、スチレン−アクリル酸系樹脂)10
gを水溶性有機溶剤N−メチル−2−ピロリドン70g
に加熱しながら混合・攪拌し、着色剤樹脂溶液を調製し
た。超純水にトリエタノールアミンを添加しpH8に調
整した。このトリエタノールアミン水溶液400gを加
熱攪拌しながら着色剤溶液全量を1時間かけて加え、黒
色分散インクを得た。
【0071】(実施例13)黒色系油溶染料オイルブラ
ックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)2
5gとジョンクリルJ−682(商品名、ジョンソンポ
リマー株式会社製、スチレン−アクリル酸系樹脂)10
gを水溶性有機溶剤N−メチル−2−ピロリドン70g
に加熱しながら混合・攪拌し、着色剤樹脂溶液を調製し
た。超純水にトリエタノールアミンを添加しpH7.5
に調整した。このトリエタノールアミン水溶液400g
を加熱攪拌しながら着色剤溶液全量を1時間かけて加
え、黒色分散インクを得た。
【0072】(実施例14)黒色系油溶染料オイルブラ
ックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)2
5gとマルキードNo.31(商品名、荒川化学工業株
式会社製、ポリマレイン酸無水物)10gを水溶性有機
溶剤N−メチル−2−ピロリドン70gに加熱しながら
混合・攪拌し、着色剤樹脂溶液を調製した。超純水に水
酸化カリウムを添加しpH10に調整した。この水酸化
カリウム水溶液400gを加熱攪拌しながら着色剤溶液
全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。
【0073】(実施例15)黒色系油溶染料アイゼンゾ
ットブラック6(商品名、保土谷化学工業株式会社製、
C.I.ソルベントブラック3)25gとマルキードN
o.31(商品名、荒川化学工業株式会社製、ポリマレ
イン酸無水物)10gを水溶性有機溶剤N−メチル−2
−ピロリドン70gに加熱しながら混合・攪拌し、着色
剤樹脂溶液を調製した。超純水にトリエタノールアミン
を添加しpH8.5に調整した。このトリエタノールア
ミン水溶液400gを加熱攪拌しながら着色剤溶液全量
を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。
【0074】(実施例16)黒色系油溶染料オイルブラ
ックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)2
5gとタマノルPA(商品名、荒川化学工業株式会社
製、フェノール樹脂)10gを水溶性有機溶剤N−メチ
ル−2−ピロリドン250gに加熱しながら混合・攪拌
し、着色剤樹脂溶液を調製した。超純水に水酸化カリウ
ムを添加しpH10に調整した。この水酸化カリウム水
溶液250gを加熱攪拌しながら着色剤溶液全量を1時
間かけて加え、黒色分散インクを得た。
【0075】(比較例1)水溶性有機溶剤ジメチルホル
ムアミド85g、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エ
チル共重合体(分子量約10000)10g,蒸留水3
95g、黒色系顔料MA7(商品名、三菱化成工業株式
会社製、C.I.ピグメントブラック7(カーボンブラ
ック))15gを混合して、超音波分散器にて冷却しな
がら5時間分散を行って黒色分散インクを得た。本比較
例は水溶性樹脂を用いた顔料分散インクの例である。
【0076】(比較例2)スチレン−アクリル酸−アク
リル酸ブチル共重合体(平均分子量11400)6g、
モノエタノールアミン3g,イオン交換水66g、エチ
レングリコール5gを加熱混合し樹脂を完全溶解した。
これに、ダイニチファーストイエロー10G(商品名、
大日精化工業株式会社製、C.I.ピグメントイエロー
3)15g,エタノール5gを添加し、アジテータミル
で3時間分散し、その後、イオン交換水58gを添加し
て黄色分散インクを得た。本比較例は疎水性樹脂を用い
た顔料分散インクの例である。
【0077】(比較例3)青色系油溶染料アイゼンゾッ
トブルー1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.
I.ソルベントブルー25)25gをγ−ブチロラクト
ン50gとグリセリン20gからなる水溶性有機溶剤混
合液に加熱しながら混合・攪拌し、着色時樹脂溶液を調
製した。エポミンSP−012(商品名、株式会社日本
触媒、ポリエチレンイミン)15gを蒸留水400gに
溶解させ水溶性樹脂溶液を作製した。スターラーで攪拌
している水溶性有機溶剤溶液に着色剤溶液全量を2時間
かけて加え、青色油溶染料からなるインクを得た。本比
較例は疎水性染料、水溶性樹脂を用いた例である。
【0078】(比較例4)黒色系油溶染料オイルブラッ
クFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)25
gとタマノルPA(商品名、荒川化学工業株式会社製、
フェノール樹脂)10gを水溶性有機溶剤N−メチル−
2−ピロリドン70gに加熱しながら混合・攪拌し着色
剤樹脂溶液を調製した。スターラーで攪拌している超純
水400gを加熱攪拌しながら着色剤溶液全量を1時間
かけて加え、黒色分散インクを得た。本比較例は、疎水
性染料、フェノール樹脂を使用したが、pH7以上の調
整を行わなかった例である。
【0079】(比較例5)黄色系染料オラセットイエロ
ー8GF(商品名、チバガイギー社製、C.I.ディス
パースイエロー82)30gと10gのナイロン6を水
溶性有機溶剤N−メチル−2−ピロリドン70gに加熱
しながら混合・攪拌し着色剤樹脂溶液を調製した。スタ
ーラーで攪拌している400gを加熱攪拌しながら着色
剤溶液全量を1時間かけて加え、黄色分散インクを得
た。本比較例は、疎水性染料、酸性樹脂以外の疎水性樹
脂を用いた例である。
【0080】以上述べた実施例で調製したインク1〜1
6、比較例でのインク1〜5についての評価結果を、表
1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】実施例1と実施例9は疎水性樹脂として酸
性樹脂のフェノール樹脂を用い、pH調整剤として無機
塩基である、水酸化カリウムを用い、実施例1ではpH
9以上、実施例9ではpH9未満にした例である。実施
例9においても実印字上は問題ないと判断できるが、実
施例1の方がより安定した連続吐出特性が得られた。
【0083】実施例10と実施例11は疎水性樹脂とし
て酸性樹脂のフェノール樹脂を用い、pH調整剤として
水溶性有機アミンである、トリエタノールアミンを用い
た例である。実施例10ではpHを9以上、実施例11
ではpHを9未満にした例である。実施例11において
も実印字上は問題ないと判断できるが、実施例10の方
がより安定した連続吐出特性が得られた。しかしなが
ら、実施例10では、pHを9以上にするために水溶性
有機アミンの添加量が多くなり、表面張力の低下から印
字物の鮮明さに欠ける。
【0084】実施例12と実施例13は疎水性樹脂とし
て酸性樹脂のスチレン−アクリル酸系樹脂を用い、pH
調整剤として水溶性有機アミンである、トリエタノール
アミンを用い、実施例12ではpH8以上、実施例13
ではpH8未満にした例である。実施例13においても
実印字上は問題ないと判断できるが、実施例12の方が
より安定した連続吐出特性が得られた。また、スチレン
−アクリル酸系樹脂の場合はpHが8以上であるとより
良好な吐出安定性が得られるので、pH調整剤として水
溶性有機アミンでも良く、特にpH調整剤を限定するも
のではない。
【0085】実施例14と実施例15は疎水性樹脂とし
て、フェノール樹脂およびスチレン−アクリル酸系樹脂
以外の酸性樹脂のポリマレイン酸無水物を用いた例であ
る。実施例14は実施例1と同等に、pH調整剤として
水酸化カリウムを用いpH10に調製した例、実施例1
5は実施例12と同様に、pH調整剤としてトリエタノ
ールアミンを用いpH8に調整した例である。実施例1
4および実施例15ともに実印字上は問題ないと判断し
たが、フェノール樹脂またはスチレン−アクリル酸系樹
脂を用いた方が安定した連続吐出安定性を得る事ができ
た。
【0086】実施例16は、実施例1の組成で、水溶性
有機溶剤の量を増やし、疎水性着色剤および疎水性樹脂
を溶解させた。溶解成分のため粘度が極端に上がってし
まい印字濃度低下、印字品質も低下した。
【0087】実施例に対して、比較例1の着色剤として
顔料を用いたインクでは、擦過性を向上させるための水
溶性樹脂が、乾燥する事によって強固に膜化し、乾燥目
詰まり特性に問題があり、水に溶解した樹脂のために粘
度が上昇し連続吐出特性がやや悪くなる。比較例2の顔
料、疎水性樹脂を使用した例では、乾燥により強固な固
化が起きないが、乾燥した時のインク中の粒子濃度が高
くなるため、やや乾燥目詰まり特性が劣る。また、比較
例1,2の顔料を使用したインクでは、機械分散が必要
になるので製造時間も多くかかる。また、比較例3の水
溶性樹脂を用いた例では、ノズル先端の水分が蒸発して
も着色剤が水溶性有機溶剤に溶け、この溶液がノズル先
端を覆うため強固な乾燥固化は起こらないが、水溶性樹
脂の析出が起きるためクリーニング回数が少ないときに
は多少の飛行曲がりが生じた。比較例4では、樹脂と溶
媒の間の親和性が乏しいため、ノズルプレートへの付着
が起こり、印字に乱れが生じた。比較例5では、アルカ
リ側で水と親和する性質のない疎水性樹脂を用いている
ため、ノズルプレートへのインクの付着が起こり、連続
吐出においてやや乱れが生じた。
【0088】尚、上記の例全てについては、全て何らか
の樹脂を用いているため、耐擦過性にはすぐれていた。
【0089】上記に示すように本発明の水性インクは、
少なくとも、水、水溶性有機溶剤、疎水性着色剤、酸性
樹脂を含んでいるため、安定した吐出を確保しつつ、耐
擦過性、耐水性を向上させる事ができた。
【0090】
【発明の効果】少なくとも、(1)水、(2)蒸気圧が
水よりも小さい水溶性有機溶剤、(3)この水溶性有機
溶剤に可溶な油溶染料、分散染料、顔料から選ばれる少
なくともひとつの疎水性着色剤、(4)この水溶性有機
溶剤に可溶な疎水性樹脂からなるインクであって、前記
樹脂が少なくとも酸性樹脂を含み、かつインクのpHを
7より上とする事により、ノズルプレートへの付着がな
く実印字では非常に吐出が安定しており、乾燥目詰まり
性にもすぐれたインクを得る事ができた。
【0091】特に酸性樹脂として、フェノール樹脂、ス
チレン−アクリル酸系樹脂を用いると、インクのノズル
プレートへのインクの付着を防止する事ができ、より安
定した吐出を得る事ができた。
【0092】フェノール樹脂ではpHを9以上にする
と、付着防止効果がより向上し、無機塩基の強塩基をp
H調整剤として使用すると多量にpH調整剤を添加する
必要がないので、表面張力の低下を抑えられ、印字品質
を確保しつつ、吐出信頼性にすぐれたインクを得る事が
できた。
【0093】スチレン−アクリル酸系樹脂の場合は、p
Hを8以上にすると、インクのノズルプレートに対する
撥液性が向上するため、安定した吐出が確保できた。
【0094】さらに、疎水性着色剤もしくは/および疎
水性樹脂がインク中で分散している事により、極端な粘
度上昇を起こさず、安定した吐出を得る事ができた。
【0095】さらにインクジェット記録で得られた印字
物は耐擦過性、耐水性等にすぐれたものであった。
【0096】さらに、本発明のインク構成を用いる事に
より、分散の安定した粒径の小さいインクを簡単に得る
事ができた。
【0097】本発明により得られる水性インクは、イン
クジェット記録方式を用いたプリンター、複写機、ファ
クシミリ等に幅広く応用する事が可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、(1)水、(2)蒸気圧が
    水よりも小さい水溶性有機溶剤、(3)この水溶性有機
    溶剤に可溶な油溶染料、分散染料、顔料から選ばれる少
    なくともひとつの疎水性着色剤、(4)この水溶性有機
    溶剤に可溶な疎水性樹脂からなる水性インクであって、 前記樹脂が少なくとも酸性樹脂を含み、かつインクのp
    Hが7より上である事を特徴とする水性インク。
  2. 【請求項2】 前記疎水性着色剤および/または前記疎
    水性樹脂がインク中で分散している事を特徴とする請求
    項1記載の水性インク。
  3. 【請求項3】 前記酸性樹脂がフェノール樹脂またはス
    チレン−アクリル酸系樹脂である事を特徴とする請求項
    1または2記載の水性インク。
  4. 【請求項4】 前記酸性樹脂がフェノール樹脂であり、
    さらにpHが9以上である事を特徴とする請求項1また
    は2記載の水性インク。
  5. 【請求項5】 さらにpH調整剤を含み、前記pH調整
    剤が無機塩基である事を特徴とする請求項4記載の水性
    インク。
  6. 【請求項6】 前記酸性樹脂がスチレン−アクリル酸系
    樹脂であり、さらにpHが8以上である事を特徴とする
    請求項1または2記載の水性インク。
JP4902796A 1996-03-06 1996-03-06 水性インク Pending JPH09241552A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4902796A JPH09241552A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 水性インク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4902796A JPH09241552A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 水性インク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09241552A true JPH09241552A (ja) 1997-09-16

Family

ID=12819625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4902796A Pending JPH09241552A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 水性インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09241552A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005042122A (ja) * 2002-06-20 2005-02-17 Hitachi Maxell Ltd 顔料インク組成物
JP2012131953A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、着色樹脂予備発泡粒子及び着色樹脂発泡成形体
JP2016044200A (ja) * 2014-08-20 2016-04-04 コニカミノルタ株式会社 インクジェットインクおよびインクジェット記録方法
JP2016191028A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 理想科学工業株式会社 インクジェット用油性インクの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005042122A (ja) * 2002-06-20 2005-02-17 Hitachi Maxell Ltd 顔料インク組成物
JP2012131953A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、着色樹脂予備発泡粒子及び着色樹脂発泡成形体
JP2016044200A (ja) * 2014-08-20 2016-04-04 コニカミノルタ株式会社 インクジェットインクおよびインクジェット記録方法
JP2016191028A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 理想科学工業株式会社 インクジェット用油性インクの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5877235A (en) Aqueous ink
US6375728B2 (en) Ink for ink jet recording and ink jet recording method
EP0745651B1 (en) Aqueous ink for ink jet recording
EP0719846B1 (en) Ink composition and process for producing the same
JP4683533B2 (ja) インクジェット記録用油性インク組成物
US5395431A (en) Aqueous based jet ink
US5690723A (en) Ink composition suitable for ink jet recording
JPH08269374A (ja) 水性分散インク及び製造方法
JPH08283633A (ja) 画像形成用インク及びその製造方法
JP2004155869A (ja) インクジェット用インク組成物
JPH09241552A (ja) 水性インク
JP2010506967A (ja) インクジェットインク
JPH08176480A (ja) 画像形成用インク及びその製造方法
JPH10140061A (ja) インクジェット用水性インク組成物及びこれを用いた印刷方法
JP3499953B2 (ja) インクジェット用インキおよびその製造方法
JP5712501B2 (ja) インクジェットインク
JPH07305009A (ja) インクジェット用水性分散インク
JPH09143410A (ja) 疎水性着色剤水溶液およびその製造方法およびそれを用いた水性インク
JPH06145570A (ja) インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JPH07305010A (ja) インクジェット用水性分散インクおよびその製造方法
JPH0834941A (ja) 水性インクジェット記録用インク
JP4198200B2 (ja) インク組成物およびその製造方法
JP3885258B2 (ja) インクジェット用水性インク組成物及びこれを用いた印刷方法
JPH08188732A (ja) インクジェット用分散インク
JPH07305007A (ja) インクジェット用水性分散インク及びその製造方法