JP4198200B2 - インク組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の背景】
発明の分野
本発明はインクジェット用インク組成物に関し、更に詳しくは水不溶性の着色剤を用いた耐水性に優れた印刷物が得られるインク組成物に関する。
【0002】
背景技術
従来インクジェツト記録方式は、静電吸引方式、空気圧送方式、圧電素子の電気的変形を利用した方式、加熱発泡時の圧力を利用した方式等でインク小滴を発生、噴射させ、さらにこのインク小滴を記録用紙に付着させて記録を行っている。このような記録方式に用いられるインクは、水溶性染料を溶解した水溶液を主成分として、グリコール等の保湿剤、アルコール、ピロリドン等の浸透促進剤を溶解した水性インク組成物が主流となっている。
【0003】
しかし、水溶性染料を用いた水性インク組成物による印字は、水が接触すると染料が水溶性のため印刷部分から溶け出す可能性を本質的に有している。また、一般的に水溶性染料は、カルボン酸基、スルホン酸基、アミン基等の水溶性基を有するために非水溶性着色剤に比較して耐光性に劣ると言われている。
【0004】
これらの問題点を解決する水性インク組成物およびその製造方法が、種々提案されている。例えば、水に不溶であるが水溶性有機溶剤に可溶な染料を用いたインク組成物が特開昭57−59970号、特開昭61−53372号、特開昭63−162773号に開示されている。
【0005】
また、分散染料を用いた水性インク組成物が特開昭59−4665号に、水に不溶の顔科を分散した水性インク組成物が特開昭56−147859号に提案されている。
【0006】
しかしながら、これら水性インク組成物も依然として改良の余地を残すものであったといえる。とりわけ、印字物の耐水性を向上させるために本質的に水に不溶または難溶である着色剤を利用すると、記録ヘッドのノズルの目詰まりがおこりやすくなる傾向が観察された。それは、水に不溶または難溶である着色剤を安定に水性インク組成物中に存在させることが容易でないことと、記録ヘッドのノズル先端に難溶性の着色剤からなる析出物が生ずることによるものと考えられた。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、より優れた印字物の耐水性を実現する一方で、本質的に水に不溶または難溶である着色剤を安定に含み、記録ヘッドの目詰まりが起きにくい水性インク組成物の提供をその目的としている。
【0008】
更に本発明は、耐水性に優れ、目詰まりしにくい性質に加え、耐擦性に優れた印字が得られるインク組成物の提供をその目的としている。
【0009】
本発明者らは、今般、糖類またはポリビニルピロリドンをインク組成物に添加することで、本質的に水に不溶または難溶である着色剤を安定に含んでなるインク組成物が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0010】
すなわち、本発明によるインク組成物は、難水溶性または非水溶性の着色剤と、
前記着色剤を溶解可能な水溶性有機溶剤と、糖類および/またはポリビニルピロリドンと、そして水とを少なくとも含んでなるもの、である。
【0011】
【発明の具体的説明】
本発明による水性インク組成物は、上記したように難水溶性または非水溶性の着色剤と、水溶性有機溶剤と、糖類またはポリビニルピロリドンと、そして水とを少なくとも含んでなる水性インク組成物である。
【0012】
着色剤
本発明に用いられる着色剤は、難水溶性または非水溶性の染料または顔料である。ここで、難水溶性または非水溶性とは、水に対する溶解度が20℃で約1wt%以下、より好ましくは0.5wt%以下、のものであることを意味する。その好ましい例としては、当業界において、油溶染料(Oil Dyes)、分散染料(Disperse Dyes )、または有機溶剤易溶性顔料として分類される着色剤が挙げられる。これらの着色剤を利用することで、印刷物の堅牢性、特に良好な耐水性と耐光性を得ることがてきる。これらの着色剤は単独で用いられても、複数混合して用いられてもよい。
【0013】
本発明によるインク組成物において、この着色剤は好ましくは分散して存在する。すなわち、本発明によるインク組成物において着色剤は微粒子として存在している。実際のところある物質が溶解しているのか分散しているのかの境界を定めることは容易ではないが、本発明の好ましい態様において着色剤は、少なくとも粒子としてその存在が確認できる。また、本発明によるインク組成物を用いて印字された印字物の発色は、その着色剤粒子に主に依存する。本発明の好ましい態様によれば、着色剤粒子はその平均粒子径が10nm〜10μm程度であるのが好ましく、更に好ましくは25nm〜500nm程度である。さらに、本発明の好ましい態様によれば、粒子径が20μmを超える粒子を個数分布で1ppm未満に調整することが、目詰まり防止の観点から好ましい。
【0014】
一方で、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は実質的に分散剤を含有しない。分散剤を実質的に使用せずに、着色剤粒子がインク組成物中に分散可能であることは当業者には意外なことであると考えられる。ここで、「実質的に分散剤を含有しない」とは、当業界において、インク組成物に慣用される分散剤を全く含まないか、またはその臨界ミセル濃度(CMC)未満の濃度で含んでなることを意味する。一般に臨界ミセル濃度は分散剤により0.01〜3.6wt%程度の値をとる(新版界面活性剤ハンドブック119〜127頁(1991)吉田、新藤、大垣、中山、光学図書株式会社)。従って、本発明の好ましい態様においては、これらの値未満の濃度で分散剤を含んでなるのが好ましい。
【0015】
なお、本発明において用いられる着色剤は後記するように、固体溶剤に溶解可能である必要がある。
【0016】
これら着色剤の添加量は、インク組成物に対して0.5〜20wt%が好ましく、より好ましくは2〜10wt%程度である。
【0017】
油溶染料の好ましい具体例としては下記のものが挙げられる。
【0018】
黄色系としてはオイルイエロー105(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、オイルイエロー107(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、オイルイエロー129(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー29)、オイルイエロー3G(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー16)、オイルイエローGGS(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー56)、バリファストイエロー1101(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストイエロー1105(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストイエロー4120(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー82)、オレオゾルブリリアントイエロー5G(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー150)、オレオゾルファストイエロー2G(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー21)、オレオゾルファストイエローGCN(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー151)、アイゼンゾットイエロー1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー56)、アイゼンゾットイエロー3(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー16)、アイゼンゾットイエロー6(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー33)、アイゼンスピロンイエローGRLH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンイエロー3RH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、オラゾールイエロー2GLN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー88)、オラゾールイエロー2RLN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー89)、オラゾールイエロー3R(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー25)、オラセットイエローGHS(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー163)、フィラミッドイエローR(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー21)等が挙げられる。
【0019】
赤色系としてはオイルレッド5B(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド27)、オイルレッドRR(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド24)、バリファストレッド1306(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド109)、バリファストレッド1355(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストレッド2303(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストレッド3304(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド8)、バリファストレッド3306(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストレッド3320(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド132)、オイルピンク312(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストピンク2310N(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド218)、オレオゾルファストレッドBL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド132)、オレオゾルファストレッドRL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド122)、オレオゾルファストレッドGL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド132)、オレオゾルレッド2G(商品名、田岡化学工業株式会社製)、オレオゾルファストピンクFB(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド218)、アイゼンゾットレッド1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド24)、アイゼンゾットレッド2(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド27)、アイゼンゾットレッド3(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド18)、アイゼンスピロンレッドBEH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンレッドGEH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンレッドC−GH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンゾットピンク1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド49)、オラゾールレッド3GL(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド130)、オラゾールレッド2BL(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド132)、オラゾールレッドG(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド125)、オラゾールレッドB(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド7)、フィラミッドレッドGR(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド225)、フィレスターレッドGA(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド135)、フィレスターレッドRBA(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド230)、オラゾールピンク5BLG(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド127)等が挙げられる。
【0020】
青色系としてはオイルブルー613(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、オイルブルー2N(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー35)、オイルブルーBOS(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブルー1603(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブルー1605(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー38)、バリファストブルー1607(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブルー2606(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー70)、バリファストブルー2610(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、オレオゾルファストブルーELN(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー70)、オレオゾルファストブルーGL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー70)、オレオゾルブルーG(商品名、田岡化学工業株式会社製)、アイゼンゾットブルー1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー25)、アイゼンゾットブルー2(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー14)、アイゼンスピロンブルーGNH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンブルー2BNH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンブルーBPNH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、オラゾールブルーGN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー67)、オラゾールブルー2GLN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー48)、オラセットブルー2R(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー68)、フィラミッドブルーR(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー132)、フィレスターブルーGN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー67)等が挙げられる。
【0021】
黒色系としてはオイルブラックHBB(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック3)、オイルブラック860(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック3)、オイルブラックBS(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック7)、バリファストブラック1802(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブラック1807(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブラック3804(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック34)、バリファストブラック3810(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック29)、バリファストブラック3820(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック27)、バリファストブラック3830(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、スピリットブラックSB(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)、スピリットブラックSSBB(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)、スピリットブラックAB(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)、ニグロシンベース(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック7)、オレオゾルファストブラックRL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック27)、オレオゾルブラックAR(商品名、田岡化学工業株式会社製)、アイゼンゾットブラック6(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック3)、アイゼンゾットブラック8(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック7)、アイゼンスピロンブラックMH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンブラックGMH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、オラゾールブラックCN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブラック28)、オラゾールブラックRLI(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブラック29)等の油溶染料が挙げられる。
【0022】
また、分散染料としては、オラセットイエロー8GF(商品名、チバガイギー社製、C.I.ディスパースイエロー82)、アイゼンゾットイエロー5(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ディスパースイエロー3)、スミプラスイエローHLR(商品名、住友化学工業株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54)、カヤセットイエローA−G(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54)、スミプラスレッドB−2(商品名、住友化学工業株式会社製、C.I.ディスパースレッド191)、カヤセットレッドB(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースレッド60)、フィレスターバイオレットBA(商品名、チバガイギー社製、C.I.ディスパースバイオレット57)が挙げられる。
【0023】
またさらに、有機溶剤易溶顔料としては、ハンサイエローG(商品名、大同化成株式会社製、C.I.ピグメントイエロー1)、ハンサイエローGR(商品名、大同化成株式会社製、C.I.ピグメントイエロー2)、ハンサイエロー10G(商品名、大同化成株式会社製、C.I.ピグメントイエロー3)、フィレスターイエローRNB(商品名、チバガイギー社製、C.I.ピグメントイエロー147)、カヤセットイエローE−AR(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ピグメントイエロー147)、カヤセットイエローE−L2R(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ピグメントイエロー142)、パーマネントレッド4R(商品名、大同化成株式会社製、C.I.ピグメントレッド3)、ポピイレッド(商品名、大日精化工業株式会社製、C.I.ピグメントレッド17)、ブリリアントファストスカレーット(商品名、大同化成株式会社製、C.I.ピグメントレッド22)、3040レッド(商品名、大日精化工業株式会社製、C.I.ピグメントレッド23)、ファストピンクレーキ6G(商品名、野間化学工業株式会社、C.I.ピグメントレッド81)、エオシンレーキ(商品名、有本化学工業株式会社、C.I.ピグメントレッド90)、カヤセットレッドE−CG(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ピグメントレッド250)、カヤセットレッドE−BG(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.ピグメントレッド249)、カーミンBS(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製、C.I.ピグメントレッド114)、オラセットピンクRF(商品名、チバガイギー社製、C.I.ピグメントレッド181)が挙げられる。
【0024】
糖類およびポリビニルピロリドン
本発明において、糖類とは単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類をいうものとする。更に、本発明において糖類とは、ポリヒドロキシジカルボン酸も含む意味に用いることとする。
【0025】
また、本発明においてポリビニルピロリドンの分子量は、好ましくは1,000〜1,000,000程度であり、より好ましくは5,000〜400,000程度である。
【0026】
糖類およびポリビニルピロリドンは、構造中に水酸基または親水性部分を多数有しているために水分子との親和性が強く、水分の蒸発を有効に防止する。また、記録ヘッドのノズル部にインクの乾燥物が析出した場合にも、容易にその乾燥物を溶かし、それを取り除くので有利である。つまり、糖類またはポリビニルピロリドンと上記着色剤と組み合わせることで、記録ヘッドのノズルの目詰まりを有効に防止することができる。以下の理論はあくまで仮定であって、これによって本発明が限定的に解釈されることを望むものではないが、目詰まりが有効に防止される理由は以下のように考えられる。すなわち、ノズルの先端において本発明によるインク組成物が乾燥して析出物が生じた場合、この析出物は糖類またはポリビニルピロリドンと着色剤とが主成分を占める。この析出物は、再度ノズルに対するインク組成物の供給が開始されると、主に糖類またはポリビニルピロリドンが水と水和して、膨潤し、析出物を崩壊させる。その結果、ノズルを塞いでいた析出物は容易に除かれ、ノズルの目詰まりが容易に解消する。一方、本発明によるインク組成物にあっては着色剤は好ましくは溶解ではなく粒子として分散して存在していることから、インク組成物が紙などの記録媒体に印字される際には、着色剤粒子は記録媒体の表面に止まる。しかし、糖類およびポリビニルピリドンは水などの他の溶媒成分に溶解していることから、それら溶媒成分とともに記録媒体に浸透する。その結果、記録媒体表面に形成される印字は本質的に難水溶性または非水溶性である着色剤のみからなるものとなる。印字中の糖類またはポリビニルピロリドンの量は少量となり、その存在は印字の耐水性に影響を与えない程度のものとなる。よって、難水溶性または非水溶性である着色剤の耐水性は良好に維持されることとなる。
【0027】
糖類の添加量はその種類、インク組成を考慮して適宜決定されてよいが、全インク組成物に対して1〜50wt%程度の範囲が好ましく、より好ましくは5〜20wt%程度である。また、ポリビニルピロリドンの添加量は、好ましくは0.1〜10wt%程度であり、より好ましくは0.5〜5wt%程度である。
【0028】
糖類の好ましい具体例としては、エリトロース、トレオース、エリトリトール、アラビノース、アラビトール、キシロース、キシリトール、リキソース、リボース、リビトール、キシロース、キシルロース、リブロース、デオキシリボース、アルトロース、アロース、イドース、ガラクトース、フコース、ガラクチトール、ガラクツロン酸、ムチン酸、グルコース、キノボース、グルシトール、グルコン酸、グルクロン酸、グルカル酸、グロース、タロース、マンノース、マンニトール、ラムノース、ソルボース、タガトース、プシコース、フルクトース、デオキシグルコース、ジキトキソース、ジギタロース、シマロース、イズロン酸、δ−グルコノラクトン、デオキシグルコン酸、ケトグロン酸、ガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、ムラミン酸、スクロース、セロビオース、マルトース、ラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、トレハロース、マルトトリオース、アルギン酸、シクロデキストリン、でんぷんおよびその誘導体(例えばヒドロキシオキシプロピルスターチ)、セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロ一スおよびそのカルシウム塩、エ一テル置換度の低いヒドロキシオキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、α−セルロース)などが挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、δ−グルコノラクトン、D−グルコン酸、D−ガラツクロン酸、D−グルクロン酸、ムチン酸、L−酒石酸、D−酒石酸、DL−酒石酸、メソ−酒石酸、D−マンニトール、デンプン、テキストリン、ヒドロキシオキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロ一スおよびそのカルシウム塩、エ一テル置換度の低いヒドロキシオキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、α−セルロースが好ましく用いられる。
【0029】
水溶性有機溶剤
本発明によるインク組成物に用いられる水溶性有機溶剤は上記着色剤を溶解する。すなわち、前記着色剤はこの水溶性有機溶剤に可溶である。ここで「可溶」とは、選択された着色剤が室温において水溶性有機溶剤に対して好ましくは wt%以上、より好ましくは5wt%以上の溶解度で溶解可能なことを意味する。さらに、室温における着色剤の溶解度が2wt%未満であっても、水溶性有機溶剤の沸点までの温度において2wt%以上の溶解度を示すものも含む意味に用いることとする。
【0030】
本発明の好ましい態様によれば、この水溶性有機溶剤としては、水よりも小さな蒸気圧を有し、かつ水に任意の割合、好ましくは50wt%以上の割合で相溶するするものが好ましい。この態様において、記録ヘッドのノズルの先端においてインクのメニスカス部分よりインク組成物の溶剤成分が蒸発する際、水が先に蒸発する。その結果、インクのメニスカスおよびその近傍において水溶性有機溶剤の濃度が上昇する。高められた水溶性有機溶剤濃度は、インク組成物中の粒子状態にある着色剤を溶解し、着色剤成分が析出してノズルを詰まらせることを防止することが出来るので有利である。さらに、この態様のインク組成物を用いて印字するとより良好な印字物が得られる。それは、インク組成物が印字後記録媒体上で乾燥するとき、水が先に蒸発する。それに伴って、高められた水溶性有機溶剤濃度はインク組成物中の着色剤を部分溶解し、着色剤相を形成する。この着色剤相は記録媒体を均一に濡らし、その結果印字が記録媒体に強固に付着する。
【0031】
また、本発明にあっては、水溶性有機溶剤は単独またはその二種以上の混合物として前記着色剤を溶解させることを必要とするが、最終的なインク組成物において着色剤は溶解されている必要はない。これは、最終的なインク組成物は、その水溶性有機溶剤に起因する溶解性が低いものであってもよいことを意味する。溶解性の低いインク組成物は、インクジェット記録装置のインク流路などの樹脂や接着剤を侵すことがないとの利点も得られる。
【0032】
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物中の水溶性有機溶剤の量は、インク組成物基準で、1〜35wt%が好ましく、より好ましくは5〜25wt%程度である。
【0033】
本発明において水溶性有機溶剤は単独で用いられても、複数の混合物として用いられてもよい。
【0034】
本発明において好ましく用いられる水溶性有機溶剤の具体例としては次のようなものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルコール類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;アセトニルアセトン等のケトン類:γ−ブチロラクトン、ジアセチン、エチレンカーボネート、リン酸トリエチル等のエステル類、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等の窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の硫黄化合物類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−イソペンチルオキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、モノエタノールアミン、チオジグリコール、モルホリン、N−エチルモルホリン、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ヘキサメチルホスホルアミド等の多官能基化合物類が挙げられる。
【0035】
水およびその他の成分
本発明によるインク組成物を構成する水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水などの純粋、超純水であるのが好ましい。更に、紫外線照射、過酸化水素の添加により殺菌した水を用いると、インク組成物の長期保存においてかび、バクテリアの発生を防止できるので好ましい。
【0036】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は水溶性樹脂を含んでなる。この水溶性樹脂の添加によって印字物の耐擦性を改善することができる。このような水溶性樹脂としては、水酸基、カルボニル基、ボリエチレンオキシル基、アルコキシ基、ラクタム類、エステル基などの非イオン性の親水基を有する樹脂、またはスルホン酸基、カルボン酸基、アミノ基などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、無機酸塩、有機酸塩などのイオン性の親水基を有する樹脂が好ましく用いられる。樹脂は単独または2種以上混合して用いることも可能である。
【0037】
水溶性樹脂の具体例としては、非イオン性高分子として、ポリピニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体などの合成高分子類が挙げられる。また、イオン性高分子としては、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、スチレン−アクリル酸塩共重合物、スチレン−メタクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、スチレン−イタコン酸塩共重合物、イタコン酸エステル−イタコン酸塩共重合物、ピニルナフタレン−アクリル酸塩共重合物、ピニルナフタレン−メタクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−イタコン酸塩共重合物などの合成高分子類が挙げられる。
【0038】
これら水溶性樹脂は、その重量平均分子量が2,000〜1,000,000の範囲であるものが好ましい。重量平均分子量が2,000以上であることが画像の耐摩擦性を向上に好ましい。また、1,000,000以下であることがインク組成物の粘度をインクジェツト方式において吐出可能な範囲におくことが容易となり好ましい。
【0039】
また、この水溶性高分子の添加量はインク全量に対して0.01〜20wt%の範囲で添加することが好ましい。とりわけ、イオン性の親水基を有する水溶性樹脂の場合、画像の耐水性の観点から10重量%%以下で添加することがより好ましい。
【0040】
さらに、本発明によるインク組成物は、インクの諸物性を改善するために、必要に応じて適当な添加剤を添加することができる。添加剤の具体例としては、浸透促進剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、界面活性剤、pH調整剤、ヒドロトロピー剤、保湿剤、防カビ剤、防腐剤、キレート剤、防錆剤等が挙げられる。さらに、インクを帯電するインクジェット記録方式に使用する場合は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の無機塩類から選ばれる比抵抗調整剤を添加することもできる。
【0041】
浸透促進剤の好ましい例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノール、アリルアルコールなどの水溶性有機溶剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、この浸透促進剤として添加される水溶性有機溶剤は、前記の水不溶性着色剤を溶解しないかまたはわずかに溶解するもの(好ましくは水不溶性着色剤を1wt%未満でしか溶解しないもの)であることが好ましい。このような水溶性有機溶剤は、インク組成物において着色剤粒子を溶解することなく、一方でその添加量を調整することによりインクの浸透性を広い範囲で調整することが出来るからである。本発明によるインクの浸透速度は、これらの浸透促進剤を添加して、あるいは添加せずに2.5mg/cm2 の印刷インク量において20秒以下であることが好ましい。
【0042】
粘度調整剤の好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ガゼイン、ポリイミン、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム等の水溶性樹脂が挙げられる。本発明によるインクの粘度は、これらの粘度調整剤を使用して、あるいは使用せずに5℃で50cPs以下が望ましく、より好ましくは5℃から35℃の温度範囲で1〜10cPsの範囲に調製する。
【0043】
表面張力調整剤の好ましい例としては、ノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコール類が挙げられる。本発明によるインクの表面張力は、これらの表面張力調整剤を使用して、あるいは使用せずに25〜70dyn/cmの範囲であることが好ましい。表面張力が25dyn/cm未満であると記録紙上の文字のにじみが大きくなる傾向がある。70dyn/cmを越えると罫線印刷時に罫線に沿ってインク滴の偏析が生じ、印刷濃度ムラが大きくなる傾向がある。
【0044】
界面活性剤はインク組成物の表面張力を下げてその記録媒体への浸透性を向上させるために添加することが出きる。その好ましい例としては、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;アミン塩、四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド誘導体、多価アルコール脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤;アミノ酸誘導体、ベタイン誘導体、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドのアミン誘導体等の両性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤の添加量は、インク組成物の浸透性の向上が図れる範囲で適宜決定されてよいが、本発明によるインク組成物が分散剤の存在を必要としないことから、界面活性剤が分散剤として機能する濃度、すなわち臨界ミセル濃度以下とされる。
【0045】
ヒドロトロピー剤の好ましい例としては、尿素、チオ尿素、それらの水溶性尿素誘導体、例えばポリアルキル誘導体(例、テトラメチル尿素)、アセチル誘導体、エチレン誘導体、アセチレン誘導体、イミノ誘導体、メチロール誘導体、アミノ誘導体などが挙げられる。このヒドロトロピー剤の添加量は、インク組成物基準で0.01wt%〜20wt%が好ましい。
【0046】
インクジェット記録
本発明によるインク組成物は、いわゆるインクジェット記録方法において好ましく用いられる。インクジェット記録の方式は特に限定されず、静電吸引方式、空気圧送方式、圧電素子方式、加熱発泡方式等に用いることができる。
【0047】
また、記録媒体も紙に限定されず、例えばオーバーヘッドプロジェクター用シートを利用することも可能である。
【0048】
また、本発明によるインク組成物はインクジェット記録装置で使用される際、インクタンクなどの保存部から、記録ヘッドに至る間で濾過されるのが好ましい。濾過は例えば記録ヘッドの吐出ノズルの孔径の1/2程度であるのが好ましい。
【0049】
インク組成物の製造
本発明によるインク組成物は、好ましくは次の二つの方法によって製造することが出来る。
【0050】
その第一の方法は、まず着色剤を水溶性有機溶剤に溶解する工程と、得られた着色剤溶液と水とを混合して、着色剤の微粒子を析出させる工程からなる。
【0051】
着色剤溶液と水との混合は、着色剤溶液に水を少量づつくわえても、または水に着色剤を少量づつくわえてもいずれでもよい。また、一定量の着色剤溶液と、一定量の水とを連続的に加え、混合してもよい。
【0052】
以下の理論に拘束されるわけではないが、この方法によって分散剤を用いずに、実質的に分散剤を含まない本発明によるインク組成物が得られる理由は次のように考えられる。水溶性有機溶剤に溶解された着色剤は、水溶性有機溶剤中では分子状に溶解し、溶液となっている。しかし、つぎの工程でこの着色剤溶液が水と混合されると、着色剤の溶解度が減少する。それに伴って、着色剤が溶解状態から不溶状態に移り、着色剤微粒子として析出してくる。このとき着色剤は最小粒子径で25nm程度の微小粒子、かつ粒子同士が凝集しないほぼ単分散状態で析出する。よって、機械的磨砕手段を用いずに着色剤分散液を得ることが出きる。単分散状態の着色剤微粒子が析出する理由は定かでないが、用いる有機溶剤が水溶性であるため、着色剤溶液と水とが混合されたとき、着色剤相にある有機溶剤が水相に移動し、着色剤が着色剤と有機溶剤からなる液滴のエマルジョンとして析出するのではなく、着色剤のみからなるサスペンジョンとして析出するためと推定される。そのためにエマルジョンに見られる様な液滴同士の合一が生じることがなく、粒子同士が凝集しないと考えられる。
【0053】
本発明の好ましい態様によれば、前記着色剤溶液は、1〜30wt%の着色剤を溶解して含んでなるのが好ましい。着色剤の量がこの範囲にあると、析出する粒子径を上記した好ましい範囲におくことが出来るからである。
【0054】
水不溶性着色剤、水溶性有機溶剤、糖類またはポリビニルピロリドン、および水以外の第三成分の添加は、上記の二工程の後に行われてよく、また、上記二番目の工程において水に混合されて、着色剤溶液と混合されてもよい。
【0055】
さらに本発明の第二の方法によれば、本発明によるインク組成物は、水不溶性着色剤、水溶性有機溶剤、および水の混合物を、分散剤とともに分散する工程、そしてその後さらに水および/または水溶性有機溶剤、場合によってさらにそれ以外の第三成分、を添加し、混合する工程によって製造されてもよい。但し、二番目の工程において水および/または水溶性有機溶剤、場合によってさらにそれ以外の第三成分、の添加量は、最終的なインク組成物中における分散剤の濃度をその臨界ミセル濃度以下とするものでなければならない。
【0056】
この第二の方法における第一の工程は、例えばロールミル、ボールミル、コロイドミル、サンドミル、アトライターミル、アジテーターミル等の機械的手段による方法、電解乳化による方法、超音波分散により実施されてよい。
【0057】
【実施例】
本発明を以下の実施例により更に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0058】
実施例A1
加熱攪拌下にあるN−メチル−2−ピロリドン80gに、黒色系染料スピリットブラックAB(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)20gを少量ずつ添加し溶解させ、着色剤溶液を作製した。攪拌しているグルコノ−δ−ラクトン10wt%水溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子系は350nmであった。
【0059】
実施例A2
加熱攪拌下にあるジエチレングリコール10gとN−メチル−2−ピロリドン80gとからなる水溶性有機溶剤混合液に、黄色系染料オラセットイエロー8GF(チバガイギー社製、C.I.ディスパースイエロー82)30gを少量ずつ添加し溶解させて、着色剤溶液を作製した。攪拌下にあるグルコノ−δ−ラクトン10wt%水溶液400gに着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、黄色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子系は287nmであった。
【0060】
実施例A3
赤色系顔料パーマネントレッド4R(大同化成株式会社製、C.I.ピグメントレッド3)30gにN−メチル−2−ピロリドン80gを加え、加熱しながら混合し、溶解して、着色剤溶液を作製した。攪拌下にあるカルボキシルメチルセルロースカルシウム塩6wt%分散溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加え、赤色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子系は243nmであった。
【0061】
実施例A4
黒色系染料オレオゾルブラックAR(田岡化学工業株式会社製)30gにN−メチル−2−ピロリドン80gを加え、加熱しながら混合し溶解して、着色剤溶液を作製した。攪拌下にあるカルボキシメチルセルロース(水に可溶)6wt%水溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は193nmであった。
【0062】
実施例A5
黒色系染料オレオゾルブラックAR(田岡化学工業株式会社製)30gにN−メチル−2−ピロリドン80gを加え、加熱しながら混合し、溶解して、着色剤溶液を作製した。攪拌下にあるカルボキシメチルセルロース20wt%水溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は193nmであった。
【0063】
実施例A6
青色系染料オイルブルーBO(中央合成化学株式会社製)20gにN−メチル−2−ピロリドン80gを加え、加熱しながら混合し溶解して、着色剤溶液を得た。攪拌下にあるハイドロオキシプロピルスターチ(水不溶)10wt%分散溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、青色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は248nmであった。
【0064】
実施例A7
青色系染料オイルブルーBO(中央合成化学株式会社製)20gにN−メチル−2−ピロリドン80gを加え、加熱しながら混合し溶解して、着色剤溶液を得た。攪拌下にあるハイドロオキシプロピルスターチ20wt%分散溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、青色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は263nmであった。これは前記実施例6よりもハイドロオキシプロピルスターチの添加量を増やしたものであるが、粘度上昇は少なかった。
【0065】
実施例A8
黒色系染料オイルブラックFSスペシャルA(中央合成化学社製)20gとN−メチル−2−ピロリドン80gとを混合し、横型アジテーターミルで1時間分散して、着色剤溶液を得た。攪拌下にあるポリビニルピロリドン(米国GAF社製、PVPK−15)(水に可溶)2wt%水溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は100nmであった。機械分散により、より粒径の小さなインクを得る事ができた。
【0066】
実施例A9
黒色系染料オイルブラックFSスペシャルA(中央合成化学社製)20gとN−メチル−2−ピロリドン80gとを混合し、横型アジテーターミルで1時間分散して、着色剤溶液を得た。攪拌下にあるポリビニルピロリドン(米国GAF社製、PVPK−15)10wt%水溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は100nmであった。
【0067】
実施例A10
黒色系染料オイルブラックFSスペシャルA(中央合成化学社製)20gとN−メチル−2−ピロリドン80gとを混合し、横型アジテーターミルで1時間分散して、着色剤溶液を得た。攪拌下にあるクロスポピドン(米国GAF社製、ポリブラスドンXL)(水に不溶)2wt%水溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は134nmであった。
【0068】
実施例A11
黒色系染料オイルブラックFSスペシャルA(中央合成化学社製)20gとN−メチル−2−ピロリドン80gとを混合し、横型アジテーターミルで1時間分散して、着色剤溶液を得た。攪拌下にあるクロスポピドン(米国GAF社製、ポリプラスドンXL)(水に不溶)10wt%水溶液500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は134nmであった。これは前記実施例10のよりもクロスポピドンの添加量を増やしたものであるが、粘度上昇は少なかった。
【0069】
実施例A12
黒色系染料スピリットブラックAB(オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)20gにN−メチル−2−ピロリドン80gを加え、加熱しながら混合し溶解して、着色剤溶液を作製した。攪拌下にあるグルコノ−δ−ラクトン10wt%水溶液500gにポリビニルアルコールPVA103(クラレ社製)6gを添加したものに、着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は251nmであった。
【0070】
比較例A1
加熱攪拌下にあるN−メチル−2−ピロリドン80gに、黒色系染料スピリットブラックAB(オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)20gを少量ずつ添加し溶解させて、着色剤溶液を作製した。攪拌下にある蒸留水500gに着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は350nmであった。
【0071】
比較例A2
黒色系染料スピリットブラックAB(オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)20gにN−メチル−2−ピロリドン80gを加え、加熱しながら混合し溶解して、着色剤溶液を作製した。攪拌下にあるポリビニルアルコールPVA−103(クラレ社製)6gを添加した蒸留水500gに、着色剤溶液全量を1時間かけて加えて、黒色分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は251nmであった。
【0072】
比較例A3
水溶性有機溶剤ジメチルホルムアミド85g、分散剤OEI−15(株式会社日本触媒、ポリエチレンイミン)10g、蒸留水395gを混合し溶解して分散剤水溶液を作製した。赤色系顔料マイクロリースマゼンタB−WA(チバガイギー社製、C.I.ピグメントレッド184)15gと分散剤水溶液全量とを混合し、超音波分散器にて冷却しながら5時間分散を行って赤色顔料からなる分散インクを得た。光散乱法による着色剤の平均粒子径は360nmであった。
【0073】
比較例A4
水溶性有機溶剤ジメチルホルムアミド85gと、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(分子量約10000)10gと、蒸留水395gと、赤色系顔料マイクロリースマゼンタB−WA(商品名、チバガイギー社製、C.I.ピグメントレッド184)15gとを混合して、超音波分散器にて冷却しながら5時間分散を行って赤色分散インクを得た。光散乱法による分散染料の平均粒子径は360nmであった。
【0074】
比較例A5
黒色系染料オイルブラックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学社製)20gを、N−メチル−2−ピロリドン490gと、エタノール10gとの混合溶液に溶解して、インクを得た。
【0075】
評価試験
以上のようにして得られたインク組成物について、下記の評価試験を行った。評価1:インクの目詰まり特性
(a)インクの目詰まり特性1
得られたインクをMJ−500(セイコーエプソン株式会社製)のヘッドに充填し、40℃・30%RHの恒温槽に7日間キャップ無しで放置した。その後、ヘッドをMJ−500に搭載してインク吐出を行った。評価基準は、クリーニング1回で全てのヘッドノズルでインクが吐出したものを◎、3回のクリーニングで吐出したものを○、10回のクリーニングで吐出したものを△、10回のクリーニングでインク吐出しないノズルが発生してかつ復帰しなかったものを×とした。
【0076】
(b)インクの目詰まり特性2
得られたインクをMJ−500のヘッドに充填し、60℃・30%RHの恒温槽に7日間キャップ無しで放置した。その後、このヘッドをMJ−500に搭載してインク吐出を行った。評価基準は、クリーニング1回で全てのヘッドノズルでインクが吐出したものを◎、3回のクリーングで吐出したものを○、10回のクリーニングで吐出したものを△、10回のクリーニングで復帰しなかったものを×とした。
【0077】
通常の使用状態では(a)の試験において◎、または○の判定が得られれば十分であるが、更に過酷な状態も想定して(b)の試験を行った。
【0078】
評価2:画像の耐水性評価
得られたインクをMJ−500に充填し、記録紙として再生紙であるXEROX−R(富士ゼロックス株式会社製)上に画像形成を行った。この画像に、純水0.3mlを付着させて、そのまま自然乾燥させた。その後の画像の乱れを目視で観察した。評価基準は、画像の乱れが認められなかったものを○、認められたものを×とした。
【0079】
評価3:画像の耐擦過製評価
得られたインクをMJ−500に充填し、記録紙として上質紙であるXEROX−P(富士ゼロックス株式会社製)上に画像形成を行った。得られた画像を600、400、または100gの荷重をかけながらゼムクリップの長端で擦り、擦った後の画像の乱れを目視で確認した。評価基準は、100gの荷重で画像の乱れが認められたものを×、100gの荷重で画像の乱れが認められなかったものを△、400gの荷重で画像の乱れが認められなかったものを○、600gの荷重で画像の乱れが認められなかったものを◎とした。
【0080】
評価4:印字品質評価
得られたインクをMJ−500に充填し、記録紙として再生紙であるXEROX−R上に画像形成を行った。得られた画像のフェザリングやにじみの状態を目視にて確認した。評価基準は、紙繊維に沿ってインクが広がり画像の乱れが生じるフェザリングや、全体的にインクが広がり画像が鮮明でなくなるにじみが認められなかったものを○、認められたものを×とした。
【0081】
【表1】
【0082】
上記した実施例Aに準じて下記のインク組成物を調製した。
実施例B1
スミブラックレッドB一2 10重量部
(C.I.ディスパースレッド191、住友化学工業株式会社製)
N,N’−ジメチルホルムアミド 15重量部
プロピレングリコール 5重量部
マルチトール 5重量部
水 73重量部
ポリビニルアルコール 2重量部
(株式会社クラレ製、クラレポバールPVA‐103)
実施例B2
フィレスターバイオレツトBA 2重量部
(C.I.ディスパースダイオレット57、チバガイギー社製)
アイゼンゾットイエロー5 2重量部
(C.I.ディスパースイエロー5、保土谷化学工業株式会社製)
スルホラン 15重量部
ソルビット 5重量部
水 76重量部
実施例B3
ネオアゾポンバイオレット506 2.7重量部
(C.I.ソルベントバイオレット2、BASFジャパン株式会社製)
ネオアゾポンイェロー156 0.3重量部
(C.I.ソルベントイエロー21、BASFジャパン株式会社製)
テトラヒドロフルフリルアルコール 20重量部
ポリビニルピロリドン 7重量部
(Ko11idon12 PF、BASFジャパン株式会社)
水 70重量部
【0083】
評価試験
以上の実施例B1〜3のインク組成物について、以下の方法で耐水性、信頼性、耐擦過性について評価した。なお、記録装置としてインクジェツトプリンタMJ−500を用いた。
【0084】
評価1:耐水性
A4サイズのZ691紙(上質PPC用アルカリ紙、富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)上に3.5cm(未記録部分)おきに1.5cm幅のフルベタ記録(100%duty)をおこなった。記録物を10分間自然放置した後に、500ccの水に10分間浸積した。浸積後、24時間自然乾燥し、非記録部へのインク移りの濃度及び記録部のインク残りを目視評価した。その結果を次のように評価した。
○:非記録部は殆ど着色しない。記録部にも変化はない。
×:非記録部にインク付着が目だつ。記録部の濃度低下有り
【0085】
評価2:乾燥目詰まリ
予めプリントヘッド内を十分に洗浄、乾燥し、記録装置に取り付けた。インク組成物をこのヘッド内へ充填し、A4紙3枚にフルベタ記録させた。その後、ヘッドキャップをし、40℃にて5日間放置した。放置後、プリンタのクリーニング工程を3回行いインク吐出試験を行った。記録ヘッドの全ノズルのうち、吐出曲り、またはノズル詰まりの観察されたノズルの数を次の基準で評価した。
○:吐出曲がりが観察されたノズルが1以下、かつノズル詰まりが観察されたノズル数が0。
△:吐出曲がりが観察されたノズルが2〜4、ノズル詰まりが観察されたノズル数が1〜2の一方の時。
×:吐出曲がりが観察されたノズルが2〜4、ノズル詰まりが観察されたノズル数が1〜2の両方の時、または吐出曲がり5以上の時またはノズル詰まリ3以上の時。
【0086】
評価3:耐擦過性
エプソンプリンティングペーバー(セイコーエプソン株式会社製)に印刷したのち、1時間室温放置した。その後ゼムクリップに所定の加重を掛け、フルベタ記録部分を擦ることにより評価した。その結果を次のように評価した。
◎:500グラム加重で、末記録部分にインク汚れが付着していない。
○:200グラム加重で、未記録部分にインク汚れが付着していない。
×:200グラム加重で、末記録部分にインク汚れが付着している。
以上の評価結果は第2表に示される通りであった。
【0087】
【0088】
また、前記実施例のインク組成物を再生紙であるXEROX−R紙(富士ゼロックス株式会社)上へ印字したところいずれも滲じみの内良好な画像がえられた。
また、これらのインクを限外顕微鋭で観祭したところチンダル現象が確認され、分散粒子が存在することが分かった。
【0089】
実施例C1
加熱撹拌下にあるN−メチル−2−ピロリドン80gに、黒色系染料スピリットブラックSSBB(商品名、オリエント化学工業株式会社、C.I.ソルベントブラック5)20gを少量ずつ添加溶解させ、着色剤溶液を作成した。撹拌しているキシリトール10wt%水溶液500gに着色剤全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法における着色剤の平均粒子系は330nmであった。
【0090】
実施例C2
加熱撹拌下にある2−ピロリドン80gに、黒色系染料オレオゾールブラックAR(商品名、田岡化学工業株式会社)20gを少量ずつ添加溶解させ、着色剤溶液を作成した。撹拌しているサッカロース15wt%水溶液500gに着色剤全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法における着色剤の平均粒子系は320nmであった。
【0091】
実施例C3
加熱撹拌下にあるγ−ブチロラクトン100gに、黒色系染料オイルブラックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学会社)30gを少量ずつ添加溶解させ、着色剤溶液を作成した。撹拌しているサッカロース15wt%水溶液500gに着色剤全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法における着色剤の平均粒子系は220nmであった。
【0092】
実施例C4
加熱撹拌下にある1,3−ジメチルイミダゾリジノン90gに、黒色系染料オイルブラックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学会社)20gを少量ずつ添加溶解させ、着色剤溶液を作成した。撹拌しているマンニトール5wt%水溶液500gに着色剤全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法における着色剤の平均粒子系は280nmであった。
【0093】
実施例C5
加熱撹拌下にあるN−メチル−2−ピロリドン80gに、黒色系染料オイルブラックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学会社)30gを少量ずつ添加溶解させ、着色剤溶液を作成した。撹拌しているキシリトール10wt%、ソルビトール10wt%の混合水溶液500gに着色剤全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法における着色剤の平均粒子系は230nmであった。
【0094】
実施例C6
加熱撹拌下にあるN−メチル−2−ピロリドン80gに、黒色系染料スピリットブランクシートAB(商品名、オリエント化学工業株式会社、C.I.ソルベントブラック5)20gを少量ずつ添加溶解させ、着色剤溶液を作成した。撹拌しているサッカロース20wt%水溶液600gに着色剤全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法における着色剤の平均粒子系は290nmであった。
【0095】
実施例C7
加熱撹拌にあるN−メチル−2−ピロリドン80gに、オイルブラックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学会社)20gを少量ずつ添加溶解させ、着色剤溶液を作成した。撹拌しているマルチトール10wt%とポリビニルピロリドン(東京化成工業株式会社製PVPK−15)5wt%との水溶液600g中に色剤全量を1時間かけて加え、黒色分散インクを得た。光散乱法における着色剤の平均粒子系は180nmであった。
【0096】
以上のようにして得られたインク組成物を実施例B1〜3のインク組成物と同様の基準で評価した。その結果は次の表に示される通りであった。
【0097】
【表2】
Claims (8)
- 難水溶性または非水溶性の着色剤と、
前記着色剤を溶解可能な水溶性有機溶剤と、
糖類と、
ポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールと、そして
水と
を少なくとも含んでなり、
前記着色剤が油溶染料、分散染料、および溶剤易溶性顔料からなる群から選ばれるものであり、
前記糖類が、δグラコノラクトンまたはマルチトールである、インク組成物。 - 糖類の量が50wt%以下である、請求項1記載のインク組成物。
- ポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールの量が10wt%以下である、請求項1または2記載のインク組成物。
- ポリビニルピロリドンの重量平均分子量が1,000〜1,000,000である、請求項1記載のインク組成物。
- ポリビニルアルコールの重量平均分子量が2,000〜1,000,000である、請求項1に記載のインク組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項記載のインク組成物の液滴を記録媒体に噴射し、記録媒体上に該液滴によって画像を形成することを含んでなる、インクジェット記録方法。
- 請求項1〜5記載の水性インク組成物の製造法であって、
前記水溶性有機溶剤に着色剤を溶解して着色剤溶液を得る工程と、
得られた着色剤溶液に水を加え、混合して、着色剤の微粒子を析出させて着色剤分散液を得る工程と、
該分散液に糖類とポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールとを添加し、さらにインク組成物を形成する任意成分を場合によって添加する工程と
を含んでなる、方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物によって記録が行なわれた、記録物。
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