JP4249879B2 - 画像形成剤セット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種記録媒体に対する画像形成の際に生じる、所謂、カラーブリーディング現象を低減し、且つ耐水性のある画像を得る技術に関し、とりわけインクジェット記録方式を利用した画像形成に最適に使用できる画像形成剤セットおよび画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種紙製品に対する水性インクによる画像形成方法には、種々の方法があり、なかでもインクジェット記録方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位の画像を高速で記録することができることから、良く用いられている。
インクジェット記録方法に用いられるインク組成物としては、従来、水を主成分とし、これに乾燥防止、ノズルの目詰まり防止等の目的でグリコール等の水溶性高沸点溶剤が含有されたものが用いられていたが、十分な定着性が得られなかったり、不均一な画像が発生したり、カラー画像を得ようとした場合には、一つの色のインクが記録紙に定着しないうちに他の色のインクが次々と重ねられることから、異なる色の画像の境界部分で色が滲んだり、不均一に混ざり合って(以下、この現象をブリーディングという。)、画像の解像度低下などが発生し満足すべき画像が得られないという問題があった。
【0003】
そこで、上記問題を解決しようとする試みがこれまでに種々なされている。
定着性を高めるために、インク中に界面活性剤等の浸透性を高める化合物を添加する方法(特開昭55−65269号公報)、耐水性およびブリーディングが改良された画像を得るために、インクの噴射に先だち、記録媒体上に予め画像を良好にする液体を付着させておく方法(特開昭63−299971号公報、特開平5−202328号公報、特開平6−106735号公報)等が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法でも、充分な定着性が得られず、不均一な画像が発生したり、カラー画像を得ようとした場合には、ブリーディングが起こり、画像の解像度低下などが発生し満足すべき画像が得られないという問題があった。また、広範な記録媒体に適用する場合においては、記録媒体の中には、インクが浸透しやすいものも多く、特に解像度の点で十分ではなかった。
このような従来からの水性インクにおける種々の問題点を改善する試みとして、特開平8−72393号公報に、微粉砕セルロースをカチオン性物質と共に水などの分散媒体に分散させた液体組成物を調製し、これとアニオン性化合物を含んだインク組成物とを印字の際に順不同で紙などの記録媒体上に定着させる技術が開示されている。この方法は確かに、画像形成時における記録媒体上への定着性および印字品位を高めるという点で上記問題点を改善している。
【0005】
しかしながら、次の点で不十分なものであった。すなわち、上記方法ではセルロースをカチオン性物質と液体組成物中で共存させることが必須であるが、セルロースは元々マイナスのイオン荷電を有することが知られており、カチオン性物質との共存によりセルロースの凝集が起こり易くなり、凝集が起こると凝集物がノズルのつまりを起こすことや、印字の均一性を損なうという問題があった。また、該発明ではセルロースとして結晶セルロースを更に粉砕して微粒子状あるいは微結晶状に加工した平均粒子径が5.0μm以下のものを用いているが、このような微結晶セルロースでは白度が高く印字の際に鮮映性を損なう、すなわち透明感がなく、光沢性が低下するという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、画像の記録媒体への定着性、均一性、耐水性および鮮映性に優れ、画像形成に際してセルロースの凝集による目詰まり恐れのない、且つカラー画像形成においてブリーディングの起こらない画像形成剤セット、および該画像形成剤セットを用いる画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、透明〜半透明のセルロース分散体を発明し、既にWO99/28350に開示している。該セルロース分散体は、種々の親水性化合物のほか、金属酸化物、シリカなどの無機系微粒子や各種有機系微粒子を、水系媒体中において安定に分散させうる高い性能を有する。
本発明者らは、該セルロース分散体に、無機塩、有機塩、イオン性界面活性剤、水溶性有機溶剤等を添加すると、セルロース凝集体を形成し、その際に、顔料および染料等の色材を強制的にセルロースの凝集体中に取り込んでしまうことを見出し、さらに、該セルロース分散体を含む分散液と、セルロース凝集剤を含む分散液とを、そのどちらか一方に色材を含有させて、記録媒体上に付着させると、定着性、耐水性、印字品質の向上した、且つブリーディング性の改善された画像を形成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
[1] 平均重合度(DP)が100以下で、セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下、セルロースII型結晶成分の分率が0.4以下であり、かつ構成するセルロース粒子の平均粒径が5μm以下であるセルロースを含む分散液(A液)と、セルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)との組合せからなり、かつ色材がA液またはB液に含まれていることを特徴とする画像形成剤セット、
[2] セルロース凝集剤が無機塩、有機塩、イオン性界面活性剤、水溶性有機溶剤の中から選ばれる少なくとも一種の化合物である[1]に記載の画像形成剤セット、
[3] 色材を含むA液またはB液を複数有し、各々に含まれる色材が異なることを特徴とする[1]または[2]に記載の画像形成剤セット、
[4] セルロースを含む分散液(A液)を記録媒体上に付着させる工程と、セルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)を記録媒体上に付着する工程とを含むことを特徴とする画像形成方法、
[5] セルロースを含む分散液(A液)とセルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)とを混合した後、該混合液を記録媒体上に付着することを特徴とする画像形成方法、
[6] セルロースを含む分散液(A液)及びセルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)の少なくとも一方をインクジェット記録方式により記録媒体上に付着させる[4]に記載の画像形成方法、
[7] セルロースを含む分散液(A液)とセルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)との混合液をインクジェット記録方式により記録媒体上に付着させる[5]に記載の画像形成方法、
[8] インクジェット記録方式がインクに熱エネルギーを作用させるインクジェット記録方式である[6]又は[7]に記載の画像形成方法、
である。
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のA液に含まれるセルロースは、平均重合度(DP)が100以下で、セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下、セルロースII型結晶成分の分率が0.4以下であり、かつ構成するセルロース粒子の平均粒径が5μm以下であることが必要である。該セルロースは、後述する製造方法で得られる分散媒体に分散したセルロース分散体として供給することが好ましい。該セルロース分散体は、好適な場合には、水溶性高分子水溶液に匹敵するほどの透明性を持ち、セルロースが高度に分散媒体に分散した状態となし得るものであり、A液が顔料または染料等の色材を含有する場合は、色材の分散安定化剤としての効果も発現することができる。
【0010】
また、本発明で用いるセルロースは、セルロース凝集剤を含有する溶液または分散液が添加されると、色材を取り込んで凝集し、乾燥後連続した被膜を形成しやすい。この被膜化したセルロースがより強固に色材を記録媒体表面に固着させることから、該セルロースを用いた本発明の画像形成剤セットは、結晶セルロース(MCC)やミクロフィブリル化セルロース(MFC)を使用した画像形成剤に比べて記録媒体への高い定着性、耐水性、耐擦過性を発現しうる。
【0011】
この色材を取り込み易い、乾燥後連続した被膜を形成し易いのは、後述するように球状粒子が数珠状に連結したフィブリル状の構造を有していること、及び極めて大きな粒子表面積を有するため、剛直な棒状の形状を有する結晶セルロースまたはその微粉砕化物より色材の分散度が高いことによるものと推定している。本発明において必須成分として使用するセルロースの平均重合度(DP)、セルロースI及びセルロースII型結晶成分の分率(χIおよびχII)、平均粒子径は、下記手順で算出した。
【0012】
セルロースI型結晶成分の分率(χI)は、セルロース分散体を乾燥して得られた乾燥セルロース試料を粉状に粉砕し錠剤に成形し、線源CuKαで反射法で得た広角X線回折図において、セルロースI型結晶の(110)面ピークに帰属される2θ=15.0゜における絶対ピーク強度h0と、この面間隔におけるベースラインからのピーク強度h1から、下記(1)式によって求められる値を用いた。同様に、セルロースII型結晶成分の分率(χII)は、乾燥セルロース試料を粉状に粉砕し錠剤に成形し、線源CuKαで反射法で得た広角X線回折図において、セルロースII型結晶の(110)面ピークに帰属される2θ=12.6゜における絶対ピーク強度h0*とこの面間隔におけるベースラインからのピーク強度h1*から、下記(2)式によって求められる値を用いた。
χI=h1/h0 (1)
χII=h1*/h0* (2)
図1に、χIおよびχIIを求める模式図を示す。
なお、セルロース試料は、減圧乾燥法等の手段で乾燥して、乾燥セルロース試料とした。
【0013】
本発明で規定する平均重合度(DP)は、上述の乾燥セルロース試料をカドキセンに溶解した希薄セルロース溶液の比粘度をウベローデ型粘度計で測定し(25℃)、その極限粘度数[η]から下記粘度式(3)および換算式(4)により算出した値を採用した。
[η]=3.85×10-2×MW0.76 (3)
DP=MW/162 (4)
【0014】
本発明のセルロースを含む分散液(A液)において構成するセルロースの平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920;下限検出値は0.02μm)で測定して求められる平均粒子径である。分散媒体中の粒子間の会合を可能な限り切断した状態で粒子径を測定するために、次の工程で試料を調製した。セルロース濃度が約0.5重量%になるようにセルロース分散体を水で希釈した後、回転速度15000rpm以上の能力を持つブレンダーで10分間混合処理を行い均一な懸濁液を作る。次いでこの懸濁液に超音波処理を30分間施して得られた水分散試料を粒度分布測定装置のセルに供給し、再び超音波処理(3分間)を行った後、粒径分布を測定した。
【0015】
本発明で使用するセルロースは、平均重合度(DP)が100以下、好ましくは50以下である。DPが100を超えると、分散媒体に高度に分散したセルロース分散体を得ることが難しい。さらに本発明で使用するセルロースは、水に不溶なセルロース分散体であり、DPは20以上であることが望ましい。
また、本発明のセルロースは、セルロースI型結晶成分量(χI)が0.1以下、好ましくは0.06以下であり、セルロースII型結晶成分量(χII)が0.4以下、好ましくは0.3以下の低結晶性であることが望ましい。本発明のセルロースの結晶成分の分率は(χc、即ちχIとχIIとの和)は殆ど零に近い値にまですることができる。χIが0.1を超える又はχIIが0.4を超えるセルロースは、分散媒体中でのセルロース粒子間の相互作用力が低くなるため、粘性発現の機能が極端に低下すると同時に安定化剤としての機能が低下する。これを配合した画像形成剤はチキソトロピー性の発現も不十分である。また白度が増すために印字の透明性、鮮映性が低下する。
【0016】
さらに、本発明のセルロースを含む分散液において構成するセルロースの平均粒子径が、上記測定法で5μm以下、好ましくは3.5μm以下、更に好ましくは1μm以下である。平均粒子径の下限は、本発明が規定する測定法の検出下限値に近い0.02μm程度にすることができる。5μmを超えると、粘性発現や画像形成剤のA液における安定化などの機能が極端に低下すると同時に、印字の均一性も失われる。
【0017】
本発明で言う構成するセルロースの平均粒子径とは、セルロースを含む分散液において、分散媒体中で等方的に会合して分散しているセルロースの微小ゲル体を、本発明の平均粒子径の測定法に準じて、超音波等の手段で可能な限り微細に分散化させた時のセルロースが持つ「広がり(直径)」の大きさを意味する。こうした取り扱いが必要なことは、本発明のセルロースが分散媒体中で存在する形態と、既存の微結晶セルロース(MCC)や微小フィブリル化セルロース(MFC)等のセルロース微粒子が懸濁液中で存在する形態とは明らかに異なることを示している。
【0018】
分散媒体中の本発明のセルロースは、既存のセルロース、例えばMCC等とは異なり、光学顕微鏡による観察では粒子が明確には確認できないほどに、高度に分散媒体中に分散した構造を有する。更に、本発明のセルロースは、直径約0.01μm(10nm)の球状粒子が数珠状に連結したフィブリル状の構造を有している。分散媒体中に含まれる本発明のセルロースは、このような微細な構造体が無数に交絡して網目状構造体を構成していて、ある有限の大きさで会合してミクロゲルとして存在していると推定される。
【0019】
このような分散媒体中の本発明のセルロースは、極めて会合性が高く、会合状態の切断度合いによって「広がり」の大きさが変化する。例えば、本発明のセルロースの平均粒子径は、長時間静置したままの試料を、超音波処理を施さずに測定した場合には数百μm程度に測定されることもあるのに対し、同じ試料を本発明で規定する平均粒子径測定法で測定すれば、平均粒子径は5μm以下に測定される。このことは、粒径の小さなセルロースが、本発明の組成物中で極めて高度に会合している証左である。MCCや微小フィブリル化セルロース(MFC)の分散液では、通常、例示したような極端な平均粒子径の変化は観察されない。
【0020】
本発明のセルロースを含有する分散液(A液)においては、各種構成成分が均一、かつ安定に分散し、種々の温度環境の変化に対して粘度を安定に保持する。本発明のセルロースを含有する分散液A液が、色材を含んでいても含まなくとも構わないが、該A液が、従来の微細化セルロースが到達できない優れた増粘性、チキソトロピー性、分散安定性、保水性、透明性等の作用効果を有していることが、これを画像形成の原液として適用した際に優れた画像特性を発現する要因と推定される。例えば透明性があることにより、印字の際の鮮映性が確保される。また、本発明に用いるセルロース分散体は高い保水性を有するため、これを含有した分散液の乾燥を防ぐ効果も併せ持っている。分散液の主溶媒である水の蒸発を防ぎ、耐ノズル詰まりの防止に寄与するものである。更に溶媒の主成分である水との親和性が高められ再分散性が向上される。ここで言う再分散とは、水が蒸発して乾燥した場合、そのあとから画像形成剤のA液が供給された際に乾固物がその水分で再溶解あるいは再分散し、色材等の固化した構成成分が元のように分散することを意味する。さらに、本発明の画像形成剤セットを用いて紙に記録する際には、紙と同一の成分であるセルロースを分散液中に含有しているため、極めて優れた定着性が発現される。
【0021】
さらに、本発明のセルロースを含有する分散液(A液)は、上述したセルロースを分散液の全重量に対して、0.05〜5重量%含有することが好ましい。該範囲内であると、均一な性状の分散液(A液)を好適に与えることができる。粘度などは構成成分の内容に大きく依存するので、基本的には0.05〜5重量%の範囲内で使用目的や系に応じて適正な組成を決定すればよいが、好ましくは、0.1〜2重量%、さらに好ましくは0.2〜1.5重量%の範囲である。5重量%を越えて本発明のセルロースを含有した分散液は、粘度が高くなってしまう傾向があり最適な吐出ができにくい。また再溶解性が劣り、目詰まりを発生しやすくなり好ましくない。また0.05重量%未満のセルロースを含有した分散液を用いた場合、本発明のセルロースを含有する効果の発現が充分でなく、本発明で最も重要な、セルロースとセルロース凝固剤との混合で形成される凝集体への色材の取り込みが十分に行われにくく、目的とする性能向上が得られない傾向があると同時に、画像形成剤としての適性、チキソトロピーなどの粘度の調節の機能が著しく低減し、好ましくない。
【0022】
本発明におけるセルロースは、色材として顔料を用いる場合には、顔料の記録媒体への結着剤としても作用して、印字の耐水性や耐擦過性を向上させる効果を有するが、この場合にも上記0.05重量%を下まわる時は、印字物の耐水性、耐擦過性が低下してしまう傾向があり好ましくない。
本発明のセルロースを含む分散液(A液)は上記セルロース濃度の範囲内で濃度をコントロールすることにより、チキソトロピー性を有する。例えば、インクジェット用のインクとして使用した場合には、段階的に印字した印字層が吐出直後にチキソトロピー性に起因して極めて高粘度になるため、各印字層中に含まれる色材どうしが相互拡散して混合し合うのを防ぐこともできる。さらに、本発明のセルロースは、該セルロースを用いた分散液の透明性が高いことに起因し、従来のセルロースを加えた場合と比較し、これを用いた分散液において、微粒子の均一分散性と印字面の鮮映性の点において優れた画像を形成することができる。
【0023】
本発明における画像形成剤セットのA液及びB液は共に、均一な組成物であることが必要である。ここで言う均一な状態とは、各種混合処理により分散液を調製した後、これを20℃で24時間静置した際に、配合成分同士の分離や沈降あるいは配合成分の凝集が全く起こらない状態を言う。ここで、分離および沈降については、静置した後の分散液について目視で確認することができる。また、凝集の有無は、分散液の一部を透明ガラスプレート上に採取し広げるように展開した状態で、目視で判定する。この際に成分の分離が観察されたり、凝集が起こっているものを不均一な状態であると判定する。例えば、ある種の分散組成物の中には、混合処理後一定時間経過した後に、一見すると、分離も沈降も起こっていないように観察されるが、内容物を検査すると配合成分の凝集などによって部分ゲル化が進行し、不均一な性状を来している場合がある。このような分散液は、例えば顔料などの色材を均一に分散させ、かつ長時間分散状態が変化しないといった所期の分散液としての機能を果たすことができないので、望ましくない。
【0024】
本発明において、A液に色材を含む場合には、セルロースは分子鎖骨格中に水酸基を多数含むため色材などの各種構成成分に対し、水素結合や場合によってはファンデルワールス力を介した相互作用を強くもち、色材等を取り囲む形で保護層を形成して一種の保護コロイドを形成する。このことにより、凝集を起こすことなく系を安定化させうるものと推定される。この効果により、親水性だけでなく疎水的な性質を有する各種成分の高度な分散安定性も達成される。分散系組成物の製品特性を高めるために種々の疎水性機能剤が添加される場合が多いことを考慮すると、両親媒性に富む本発明で用いているセルロースは、広範な配合組成において適用でき、極めて有用である。上記したように、本発明のセルロースを含有した分散液(A液)に色材を配合することは、色材の分散性あるいは溶解安定性が増大し、画像形成剤セットの長期保存安定性が向上され、均一な印字を行う上で特に好ましい態様である。
【0025】
また、本発明の原料として好ましく使用できる、後述の製造方法で得られるセルロース分散体は、広範なpH領域において使用可能な、優れた、顔料等の色材の分散安定剤としての役割を果たすことができる。特にpHが3〜11の範囲で好適な分散液を提供することができる。例えば、A液中で弱酸性(pH=3〜4)を示すカーボンブラックなどの顔料を色材として使用する際には、このセルロース分散体のもつ性質により極めて理想的な分散液(A液)を提供することができる。
【0026】
また、本発明において好ましく用いるセルロース分散体は、レオロジー特性の温度変化が少ないという特性を有し、おそらくこの性質に起因して、本発明の分散は、通常の使用温度である室温から100℃の温度範囲で、粘度変化が極めて小さい。この性質は、インクジェットの記録方式に熱エネルギーを作用させるような場合に、温度上昇に伴う記録液粘度の低下を防ぐことができ、極めて有効である。
本発明に用いる色材は、セルロースを含有する分散液(A液)または、セルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)に含有させることができる。該色材は、顔料系と染料系に類別される。
【0027】
本発明で用いられる顔料は特に限定されるものではなく、主溶媒である水との親和性がよいものであれば使用できる。例えば、白黒用の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類、または銅、鉄、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック等の有機顔料が挙げられる。更にカラー用の顔料としては、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、キナクリドンキノン系、アントラピリミジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、インジゴ系、 チオインジゴ系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ベンツイミダゾロン系、アゾ系顔料、レーキ顔料等が挙げられる。顔料表面を樹脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料も使用できる。
【0028】
染料に関しても、従来より知られている直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、蛍光性染料等すべての染料を使用することができる。例えば、直接染料としては、ベンジジン系、スチルベン系、ポリアゾ系等が、酸性染料としては、アゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、キサンテン系等が、食用染料としては、モノアゾ系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、インジゴ系等が挙げられる。塩基性染料としては、トリアールメタン系、メチン系、アゾ系、アザメチン系、アントラキノン系、アジン系、ジアリールメタン系、キサンテン系、チアジン系などが挙げられる。色材は単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0029】
特にカラーの画像形成においては、色材を含む分散液(A液またはB液)を複数調製し、これらを並列して使用することができる。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色材を各々含有する分散液あるいはそれ以上の種類の色材を各々含有する分散液を並列で使用することもできる。
イエローとして使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、 C.I.Pigment Yellow 3、C.I. Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられ、マゼンタとして使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C. I.Pigment Red 48(Ca)、C.I. Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられ、シアンのインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.PigmentBlue 2、 C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.V at Blue 6等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0030】
色材の添加量は目的に応じて異なるが、A液またはB液の全重量に対して、0.5〜30重量%の範囲であることが好ましく、2〜12重量%であるとさらに好ましい。30重量%を超えると、長期に保存した場合、顔料や染料が析出してペン先につまり、筆記不良を起こし易くなる。0.5重量%未満では着色が弱くなり紙に書いた時の色相がわからなくなってしまうので好ましくない。また、色材として顔料を用いる場合には、粒径は0.005〜25μmであることが好ましく、1μm以下の粒径であることがより好ましい。
【0031】
本発明のセルロースを含有する分散液(A液)の分散媒体としては、低粘度であること、安全性に優れていること、取扱いが容易であること、コストが安いこと、臭気がないこと等の理由により、水又は水と少なくとも一つの水溶性有機溶剤との混合物のような水性媒体を使用するのが好ましい。セルロースはイオン性化合物により凝集する傾向を有するため、本発明で使用する水は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、蒸留水やイオン交換水などの脱イオン水を使用するのが好ましい。
【0032】
ここでいう水溶性有機溶剤として例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、グリセリン等のアルコール類の他、これら一連のアルコール系化合物のエステル化物、さらには、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルホキサイド等を挙げることができる。
【0033】
上記水溶性有機溶剤の含有量について特に制限はないが、画像形成剤セットのA液またはB液の全重量に対して0.5〜50重量%以下で印字のにじみが生じない範囲で添加することが好ましい。特にA液の媒体として水溶性有機溶剤を加える場合には、成分の一つであるセルロースが顕著な凝集を起こさない程度の添加量であることも重要である。例えば水溶性有機溶剤としてエタノールを使用する場合にはA液の全重量に対して30重量%以下であることが望ましい。一般的に、水溶性有機溶剤の全液に占める比率が、50重量%を超すと、安全性、コスト、臭気などの点で画像形成剤が水性であることの長所が失われるためである。0.5重量%未満では、水溶性有機溶剤の添加による機能の発現が期待されない。これらの水溶性有機溶剤は、吐出ノズルの目詰まり防止や速乾性の付与、印字物の耐水性、耐擦性、長期保存安定性の向上などの特性に寄与する。より具体的には、例えば乾燥性、定着性の向上、インクジェットヘッド、画像形成剤供給流路の濡れ性向上を目的として、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等の高揮発性の一価のアルコール さらにはヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等の比較的低揮発性のアルコール類等の水溶性に優れる水溶性有機溶剤を水に混合し、画像形成剤の媒体として用いることができる。これらの添加量も先に示した水溶性有機溶剤の添加量の範囲であることが好ましい。
【0034】
また、記録媒体上への定着性の向上、耐水性、成膜性をさらに向上させるためにA液に公知の親水性高分子を添加しても構わない。親水性高分子としては、ゼラチン、アルブミン等の蛋白質、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグルコシド類、メチルセルロース、カルボキシルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物の塩、スチレン−マレイン酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、燐酸塩等のアニオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等のノニオン性高分子、アニオン性及びノニオン性を有する多官能ポリマーのアルキロールアミン塩高分子、その他高分子共重合体等の高分子添加剤、界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等のノニオン性界面活性剤があり、これらの1種または2種以上を適宜選択して使用できる。ただし、これら親水性高分子の添加量は、該親水性高分子を添加する分散液(A液)の均一性が保持される範囲で添加される。その添加量は使用する親水性高分子により異なるが一般的にセルロースを含有する分散液(A液)の全重量に対して0.1〜20重量%の範囲であることが望ましい。
【0035】
その他必要に応じて、セルロースを含むA液に有機アミン、アンモニア、燐酸二水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム等のpH調製剤、防かび、防錆の目的で安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、パラヒドロキシ安息香酸エステル類、エチレンジアミン四酢酸、ベンゾトリアゾール等を含むことができる。
本発明において、A液中に含まれるセルロースは、優れた分散安定性を有するが、B液との接触により凝集体を形成する。具体的には、所定濃度以上の塩化合物、イオン性界面活性剤、水溶性有機溶剤を含む溶液もしくは分散液(B液)をA液と接触させることでセルロースは凝集する。
【0036】
以下に、主にセルロース凝集剤を含む溶液もしくは分散液(B液)について述べる。特に、B液の媒体に関してはA液と同様に水または水溶性有機溶剤を混ぜた水溶液であることが望ましい。水溶性有機溶剤の含有量については、B液の全重量に対して0.5〜100重量%の範囲で添加することができる。セルロース凝集剤として水溶性有機溶剤を用いる場合には、水を含まない媒体で好適な結果を得ることもある。
【0037】
さらに、B液に顔料等の媒体に溶解しない色材を配合する場合には、色材の分散安定性を向上させるために、A液で用いたと同様な公知の親水性高分子を添加する。この親水性高分子は記録媒体上への色材の定着性、耐水性、成膜性を向上させる目的で添加することもできる。その他必要に応じて、A液で用いたと同様なpH調製剤、防かび剤、防錆剤を適宜添加することができる。
B液中にセルロース凝集剤として混合されるのは、塩化合物、イオン性界面活性剤および水溶性有機溶剤であり、これらのうち、少なくとも1種の化合物を混合することができる。
【0038】
塩化合物には、無機塩と有機塩が含まれるが、無機塩としては、アルカリ金属のハロゲン化合物、アルカリ土類金属のハロゲン化合物、希土類元素のハロゲン化合物、白金族元素のハロゲン化合物、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、希土類元素の硫酸塩、白金族元素の硫酸塩、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、白金族元素の炭酸塩などが挙げられる。ただし、セルロース凝集剤として塩化合物を用いる場合は、金属への腐食性等の問題もあるため、例えばインクジェット記録装置のヘッドや吐出ラインに耐塩性の高い金属材料を用いるなどの工夫があるとより好ましい。
【0039】
有機塩としては、1級、2級及び3級アミン塩型の化合物、具体的にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等;第4級アンモニウム塩型の化合物、具体的にはラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルベンジルトリメチルクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等;ピリジニウム塩型化合物、具体的にはセチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド等;イミダゾリン型カチオン性化合物、具体的には2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等;高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物、具体的にはジヒドロキシエチルステアリルアミン等が挙げられる。
【0040】
塩化合物としては、分子量50〜1,000の塩化合物であればいずれのものでも好適に用いられるが、本発明において更に好ましくは、分子量50〜700の低分子量の塩化合物を用いる。分子量が50より小さいと耐水性向上効果が小さく、1 000よりも大きいと染料の種類によっては発色性低下の傾向があり、好ましくない。セルロース凝集剤を含む溶液もしくは分散液(B液)中に含有されるこれらの成分の量としては、塩化合物の含有量が、B液の全重量に対して10-4〜10重量%が好ましく、より好ましくは10-3〜5重量%の範囲であるが、B液の組成等に応じて、最適な添加量を決定する必要がある。10重量%を超えると印字物の耐水性が低下し易く、逆に10-4重量%未満では凝集が十分に進行せず、ブリーディングの抑制が不十分であり、画像のエッジシャープネスが低下し易い為、好ましくない。
【0041】
本発明で用いられるイオン性界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両イオン性界面活性剤が含まれる。高分子電解質等の高分子量物質は、セルロースに対する凝集促進効果が弱いのでセルロース凝集剤には含めない。アニオン性界面活性剤の例としては、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等の一般に使用されているものが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、1級、2級及び3級アミン塩型、ピリジニウム塩型等が挙げられる。
【0042】
更に本発明では、あるpH領域においてアニオン性またはカチオン性を示す両性界面活性剤も使用することが出来る。より具体的には、アミノ酸型両性界面活性剤;R−NH−CH2−CH2−COOH型の化合物; ベタイン型の化合物、具体的には、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等のカルボン酸塩型両性界面活性剤の他、硫酸エステル型、スルホン酸型、燐酸エステル型等の両性界面活性剤等が挙げられる。勿論、これらの両性界面活性剤を使用する場合には、アニオン性として作用させる場合には、等電点以上のpHになるように、また、カチオン性として作用させる場合には、等電点以下のpHになる様にB液を調整するか、記録媒体上でA液と混合した場合に、該等電点以上または以下のpHになる様に調整するかの何れかの方法をとる必要がある。本発明で使用することの出来る化合物は必ずしもこれらに限定されないことは言うまでもない。
【0043】
本発明のセルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)中に含まれるイオン性界面活性剤の含有量は、B液の全重量に対して0.05〜20重量%が好適な範囲であり、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲であるが、各々使用する物質の組み合わせにより、最適な範囲を決定する必要がある。20重量%を超えると印字物の耐水性が低下し易く、逆に0.05重量%未満では凝集が不十分であることから、ブリーディングの抑制が不十分であり、画像のエッジシャープネスが低下し易い為、好ましくない。
【0044】
更にB液中にセルロース凝集剤として含まれる水溶性有機溶剤としては、具体的にはエタノール、プロパノール、ブタノール等の高揮発性の一価のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メチルセロソルブに代表されるセロソルブ類のほか、アセトニトリルなどが挙げられる。好ましくは、画像形成後、すみやかに乾燥し得る常圧での沸点が100℃以下の低沸点化合物であると好適な画像形成が実施できる。記録媒体上に液体として附与した後、蒸発速度が速く、速乾性、記録媒体上への定着性を向上させるこができる。B液中のこれらの成分の量としてはB液全重量に対して2〜100重量%が好適な範囲である。2重量%未満ではセルロースを凝集させる能力が不十分である。B液中のセルロース凝集剤としての水溶性有機溶剤の量は、選ばれたA液との組み合わせにおいて凝集を起こす上記範囲内で、適宜決定される。
【0045】
セルロース分散体がこれらの化合物で凝集するのは、例えば塩析効果または脱水和効果に起因すると考えられる。セルロースを含む分散液(A液)およびセルロースの凝集剤を含有する溶液もしくは分散液(B液)(ただし、それらのうち一方に色材として染料または顔料を含む。)からなる画像形成剤セットを用い、記録媒体上或いは記録媒体に浸透した位置でA液とB液が混合されると、B液中に含まれている塩化合物、イオン性界面活性剤または水溶液有機溶剤により、A液中の分散しているセルロースが塩析効果または脱水和効果により凝集を起こし溶液相から分離を起こす。その際、分散液中の色材としての染料または顔料を取り込んだ形で凝集する。この際に生ずる凝集体のサイズが5μm以上であるため、記録紙の繊維間の隙間に入り込みにくくなる。その結果、固液分離し、液体部分のみが記録紙中に滲み込むことになり、印字品位の向上と定着性向上の両立が図られると推定している。
【0046】
同時に、色材である染料や顔料を取り込んで凝集したセルロース凝集体の粘性は極めて大きくなり、液媒体の動きと共に移動することがないので、前述した従来のフルカラーの画像形成時の様に、隣接したドットが異色の色材で形成されていたとしても互いに混じり合う様なことはなく、ブリーディングも起こらないと推定している。
また、該セルロース凝集体は本質的に水不溶性であり、かつ、色材はセルロースに取り込まれたセルロース被膜が形成され、該セルロース皮膜は水はじき性が優れていることから、形成された画像の耐水性は良好なものとなる。
【0047】
本発明の画像形成方法は、上記のセルロースを含有する分散液(A液)を記録媒体上の画像形成領域に付着させる工程と、セルロース凝集剤を含む分散液(B液)を記録媒体上の画像形成領域に付着する工程を含むことを特徴とするが、本発明でいう画像形成領域とは、画像形成剤のドットが付着する領域のことである。
本発明の画像形成方法としては、前記した本発明のセルロース分散体を含有する分散液(A液)とセルロース凝集剤を含む溶液もしくは分散液(B液)とが記録媒体上等で共存する状態となればいずれの方法でもよく、従って、A液とB液のいずれを先に記録媒体上に付与してもかまわない。また、A液を記録媒体に先に付着させた場合に、A液を記録媒体に付着せしめてからB液を記録媒体上に付着させるまでの時間については特に制限されるものではないが、ほぼ同時、或いは数秒以内にインクを記録媒体上に付着させるのが好ましい。また、A液およびB液を混合後、記録媒体上に附与することもできる。
【0048】
上記した画像形成方法に使用される記録媒体としては、特に限定されるものではなく、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の記録用紙ばかりでなく、一般の上質紙、光沢紙、インクジェット記録用に特別に作製されたコート紙、OHP用透明フィルムも使用することができる。
画像形成剤であるA液およびB液を記録媒体上に付着せしめる方法としては、例えば、色材を含まない画像形成剤であるA液またはB液をスプレーやローラー等によって記録媒体の全面に付着せしめた後に、色材を含む画像形成剤(色材を含まない画像形成剤の対液)を画像形成領域に付着させる方法も考えられるが、更に好ましくは、画像形成領域に選択的且つ均一にA液とB液を付着させることの出来るインクジェット方式により行うのが好ましい。又、この際には、種々のインクジェット記録方式を用いることが出来るが、特に好ましいのは、熱エネルギーによって発生した気泡を用いて液滴を吐出する方式である。
【0049】
A液とB液を、記録信号に従って吐出オリフィスから液滴として記録媒体に噴射することを特徴とする。そのほか圧電素子を使用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用できる。尚、A液とB液の混合を最適な状態で行うために、単色または3〜5色の色材を含有したA液またはB液(すなわち水性インク)およびこれに対する対液(インクがA液の場合はB液、インクがB液の場合はA液)などの本発明を構成する各画像形成剤を保存するそれぞれの部屋を独立に設け、吐出ラインに接続させることが望ましい。
【0050】
本発明において、A液およびB液は各々単数で用いることもできるが、色材を含むA液またはB液(すなわち水性インク)を複数有し、各々のA液またはB液に含まれる色材が異なり、これに対する対液(インクがA液の場合はB液、インクがB液の場合はA液)は単数である画像形成剤セットも用いることができ、好ましい態様である。
また、吐出ラインについては、セットした画像形成剤からそれぞれ独立に設けるケース(A液付着後B液の付着、あるいはB液付着後A液の付着)や一旦途中でA液やB液の各構成画像形成剤とそれに対する対液を混合するラインを設け、その混合物を単一の吐出ラインから吐出して印字するケースなど、本発明の画像形成方法の範囲内で適切な吐出ラインを設計することができる。
【0051】
本発明のセルロースを含有する分散液(A液)の好ましい調製例の一例を以下に述べる。
セルロースを50重量%以上溶解させる能力のある鉱酸(例えば硫酸水溶液)にセルロースを溶解させて、かかる溶液から水中に再沈させて得られるセルロース凝集体の酸分散液を加温し、分散状態で50〜100℃の温度範囲で加水分解処理を施す。反応時間は温度に応じて異なるが、約5分〜180分の範囲にあることが望ましい。この工程により得られた懸濁液を濾過,水洗を繰り返すことにより精製する。この間に希薄なアンモニア水のようなアルカリ水溶液などにより中和を行っても構わない。ただし、その際にも中和後、さらに水洗し、中和によって生じる中和塩を洗い流すのが好ましい。こうして得られたpHの値が2以上、好ましくは4以上のゲル状物をそのまま、あるいはエタノールなどの有機溶媒と混合あるいは置換した後、微細化処理を施すことによりセルロースの水分散体あるいは有機溶媒への分散体を調製する。この際の微細化処理としては超高圧ホモジナイザーやビーズミルあるいは超音波処理などの適用が有効である。最後の微細化処理は必要に応じて複数回行っても構わない。この際の原料セルロースとしては木材パルプや綿等の天然セルロースが好適に使用できるが再生セルロースであっても構わない。
【0052】
次にこうして得たセルロース分散体に、分散媒体や各種配合物を適宜混合し、目的に応じた混合、分散処理を施し分散液を製造する。分散処理は、通常の攪拌機による分散処理の他に、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、超音波分散機、ビーズミル、ボールミル、遊星ボールミル、振動ミルなどの方法を用いるとよい。例えば、色材を含有したセルロースを含む分散液(A液)を調製する場合、色材およびセルロース分散体さらには必要に応じてその他添加剤を水性媒体中で予め混合し、次いで色材を分散または解凝集を行う。
【0053】
具体的には混合、撹拌、混練などの分散処理を実施するが、例えば、横型小型ミル、ボールミル、磨砕機中で複数のノズルを通して少なくとも3.4×104MPaの液圧で、液体ジェット相互作用室内を通過させることにより、水性媒体中に色材が均一に分散したセルロースを含む分散液(A液)を製造することができる。
B液の調製に関しても、セルロース凝集剤、分散媒体および各種配合成分を混合して溶液または分散液を調製することができる。さらにB液に色材を含有させた場合には、A液の分散処理法に準じて分散液を調製する。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例により更に詳細に説明する。下記実施例及び比較例において、平均粒径、結晶成分の分率、平均重合度(DP)は前述した測定法によって行った。
【0055】
【調製例1】
セルロースの水分散体の調製例を示す。5mm×5mmのチップに切断したサルファイトパルプシート(DP=760)を、−5℃で65重量%硫酸水溶液にセルロース濃度が6重量%になるように均一溶解し、セルロースドープを得た。このセルロースドープを、重量で2.5倍量の水中(5℃)に攪拌しながら注ぎ、セルロースをフロック状に析出及び凝集させ懸濁液(15℃)を得た。この懸濁液を85℃で60分間加水分解し、次いでpHが4以上になるまで十分に水洗と減圧脱水を繰り返し、セルロース濃度が6.5重量%の透明性を帯びた白色のペースト様のゲル状物を得た。このゲル状物をイオン交換水でセルロース濃度4.0重量%に希釈し、ブレンダーで10000rpmの回転速度で5分間混合した。この希釈後の試料を、超高圧ホモジナイザー(Microfluidizer M−110EH型、みづほ工業(株)製、操作圧力1.7×105MPaで4回処理して、透明性の高いセルロース分散体(J1試料)を得た。J1試料のセルロースは、DPが32、χIが0.0、χIIが0.31、平均粒子径は0.28μmであった。
以下の組成のセルロースを含有する分散液およびセルロースの凝集剤を含む分散液を調製し、画像性能を評価した。以下に実施例及び比較例を示して、本発明を更に具体的に説明する。
【0056】
【実施例1】
<色材含有セルロースを含有する分散液(A液)>
・A液の成分:下記の4種を調製した。
▲1▼ ブラック顔料含有A液
カーボンブラック(RCF45L 三菱化学(株)製):5.0重量%
セルロース(調製例1のセルロース分散体を使用):0.5重量%
n−ブチルアルコール :2.0重量%
イオン交換水 :92.5重量%
▲2▼ イエロー顔料含有A液
▲1▼のブラック顔料含有A液の調製に使用したカーボンブラックをピグメントイエロー(大日本インキ(株)製 Hansa Yellow 10G)に代えたこと以外は、▲1▼のブラック顔料含有A液と同様にして調製した。
▲3▼ マゼンタ顔料含有A液
▲1▼のブラック顔料含有A液の調製に使用したカーボンブラックをピグメントレッド(大日本インキ(株)製 Hansa Red B)に代えたこと以外は、▲1▼のブラック顔料含有A液と同様にして調製した。
▲4▼ ブルー顔料含有A液
▲1▼のブラック顔料含有A液の調製に使用したカーボンブラックをピグメントブルー15(大日本インキ(株)製 Phthalocyanine Blue B,BS)に代えたこと以外は、▲1▼のブラック顔料含有A液と同様にして調製した。
【0057】
顔料分散液の分散処理は、所定の成分を調整した配合液に0.3mmφジルコンビーズを200部加え、東洋精器(株)製 ペイントコンディショナーで30分以上攪拌混合し、配合成分の粒径が約1μm以下になったことを顕微鏡観察により確認し、その後分散液を5μmのフィルターで加圧濾過してゴミ及び粗大粒子を除去することにより行った。以下同様にして分散処理を行った。
・B液の成分:
無機塩(MgCl2):0.1重量%
イオン交換水 :99.9重量%
キヤノン製カラーバブルジェットプリンターBJC−820Jを用い、上記のA液とB液の画像形成剤セットの評価を行った。用紙はPPC用紙(キヤノン(株)製)を使用した。上記装置の各インク室に4種類のA液をセットしたうえで、記録紙の印字予定部分に予めB液を付着させた後、1分以内にA液を通常の操作により印刷した。印字テストの際の環境条件は、25℃/55%RHに統一してある。
【0058】
【実施例2】
A液としては実施例1と同じ4種のものを使用した。、
・B液の成分:
アニオン性界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :1重量%
イオン交換水 :99重量%
実施例1と同様にして、印字記録を行い、上記画像形成剤セットの評価を行った。
【0059】
【実施例3】
A液としては実施例1と同じ4種のものを使用した。
・B液の成分:
水溶性有機溶剤(エタノール) :60重量%
イオン交換水 :40重量%
実施例1と同様にして、印字記録を行い、上記画像形成剤セットの評価を行った。
【0060】
【比較例1】
分散液の成分
▲1▼ブラックインク
カーボンブラック(実施例1で用いたものと同じ); 5.0重量%
ヒドロキシエチルセルロース(東京化成(株)製 4000〜6500cps(2wt%in water,25℃)); 0.5重量%
n−ブチルアルコール;2重量%
イオン交換水 :92.5重量%
イエローインク、マゼンタインク、ブルーインクは、各々実施例1で用いた顔料と同じものを用い、▲1▼ブラックインクと同様にして調製した。実施例1で使用したB液を使用せず、A液の代わりに上記インクを用いた以外は実施例1と全く同様の印字及び評価を行った
【0061】
【比較例2】
色材含有セルロース分散液(カーボンブラック含有液、イエロー顔料含有液、マゼンタ顔料含有液、ブルー顔料含有液)を、調製例1で得られたセルロース分散体の代わりに、微結晶セルロース(旭化成工業(株)製 セオラスクリーム (平均粒子径3.5μm、DP=200、χI=0.65、χII=0))を用いた以外は実施例1と同様に調製した。
【0062】
セルロース凝集剤含有溶液としては下記の組成のものを使用した。
アニオン性界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :1重量%
イオン交換水 :99重量%
上記色材含有セルロース分散液とセルロース凝集剤含有溶液とを用い、実施例1と同様にして、印字記録を行い、画像形成剤の評価を行った。
【0063】
表1に実施例1〜実施例3及び比較例1〜2で得られた評価結果を、下記の評価方法及び評価基準で表す。
1.画像濃度
イエロー、マゼンタ、ブルー及びブラックの各色顔料含有液を使用してベタ画像を形成し、12時間放置後の反射濃度を反射濃度計マクベスRD915(マクベス社製)にて測定した。評価基準は以下の通りである。
◎;反射濃度が、1.30以上
○;反射濃度が、1.25以上1.30未満
△;反射濃度が、1.15以上1.25未満
×;反射濃度が、1.15未満
2.定着性
イエロー、マゼンタ、ブルー及びブラックの各色顔料含有液を使用してベタ画像を形成した後、別の白紙をその自重で記録画像の上に重ね、紙の裏側に記録した画像の転写がなくなり、地汚れが発生しなくなるまでの時間を、記録の終了時を時間ゼロとしてこれを基準に測定し、定着性の尺度とした。評価基準は、以下の通りである。
◎;定着性が20秒未満
○;定着性が20秒以上30秒未満
△;定着性が30秒以上40秒未満
×;定着性が40秒以上
【0064】
3.文字品位
ブラック顔料含有液を用いて、ブラックの英数文字を印字し、目視にて鮮映性とフェザリングを評価した。鮮映性が優れ、フェザリングが殆ど目立たないものを◎とし、鮮映性は中程度で、フェザリングがやや目立つが実用上問題ないレベルのものを○とし、それ以下のレベルのものについては×とした。
4.ブリーディング
イエロー、マゼンタ、ブルー及びブラックの各色顔料含有液を使用してベタ画像領域を隣接して印字し、各色の境界部でのブリーディングの程度を目視により観察した。ブリーディングが殆ど発生していないものを◎とし、ブリーディングがやや発生しているが実質上問題ないレベルにあるものを○とし、それ以外のレベルのものは×とした。
【0065】
5.耐水性
イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色顔料含有液を使用してベタ画像領域を隣接して英数文字を印字し、1時間放置した後、水温20℃の水道水中へ10秒間浸漬した。その後、水中から取り出し、濾紙を軽く押し当てて記録画像表面の水分を取り、そのまま風乾し、目視にて耐水性を評価した。耐水性評価基準は、以下の通りである。
◎;余白部分への画像形成剤の流れ出しがなく、地汚れが殆ど見られない。又、英数文字の滲みも殆ど発生していない。
○;余白部分への画像形成剤の流れ出しがやや発生し、英数文字がやや滲んではいるが、実用上問題ないレベルである。
×;余白部分への画像形成剤の流れ出しがひどく、地汚れが著しい。又、英数文字の滲みもひどい。
6.目詰まり
インクジェットプリンターを用いてインクを充填し、10分間連続して英数文字を印刷した。その後、プリンターを停止し、キャップをせずに室温で1週間放置した。放置後に再び英数文字を印刷し、放置前と同等の印字品質が得られるまでに要した復帰動作の回数を調べた。評価の判定は以下の基準に従い行った。
◎:0〜2回の復帰動作で初期と同等の印字品質が得られた。
○:3〜5回の復帰動作で初期と同等の印字品質が得られた。
×:6回の復帰動作で初期と同等の印字品質が得られた。
【0066】
【表1】
Figure 0004249879
【0067】
表から明らかな様に、実施例では、定着性、文字品位、画像濃度、ブリーディング及び耐水性共に良好な画像が得られ、目詰まりも良好であったのに対し、比較例1では、ブリーディング及び耐水性が、比較例2では、文字品位及び目詰まりにおいて劣っていた。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、紙などへの画像形成、例えば、カラーインクジェット記録などの方法により画像の形成を行った場合に、高速定着性でありながら高印字品位であり十分な画像濃度が得られ、且つベタ画像の均一性も高く、ブリードレスで色再現性が良好な高精細な画像が得られ、しかも以上の様な優れた画像が耐水性を完全に満足し得る優れた画像の形成が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】セルロースI型結晶成分の分率(χ)およびII型結晶成分の分率(χII)の求め方を示す模式図である。

Claims (6)

  1. 平均重合度(DP)が100以下で、セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下セルロースII型の分率が0.4以下であり、かつセルロース粒子の平均粒径が5μm以下であるセルロースを含む分散液(A液)と、無機塩、有機塩、イオン性界面活性剤、水溶性有機剤の中から選ばれる少なくとも一種の化合物であるセルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)との組合せからなり、かつ色材がA液またはB液に含まれることを特徴とする画像形成剤セット。
  2. 色材を含むA液またはB液を複数有し、各々に含まれる色材が異なることを特徴とする請求項1記載の画像形成剤セット。
  3. 請求項1に記載のセルロースを含む分散液(A液)を記録媒体上に付着させる工程と、請求項1に記載のセルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)を記録媒体上に付着する工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
  4. A液及び/またはB液の記録媒体への付着方法がインクジェット記録方式である請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 請求項1に記載のセルロースを含む分散液(A液)と、請求項1に記載のセルロース凝集剤を含む溶液または分散液(B液)とを混合した後、該混合液を記録媒体上に付着することを特徴とする画像形成方法。
  6. A液及び/またはB液の記録媒体への付着方法がインクジェット記録方式である請求項5に記載の画像形成方法。
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