JP2005008725A - インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、それを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水、水に自己分散可能な顔料、水溶性有機溶媒、および、ノニオン性ポリマーを、好ましくは顔料重量に対し5重量%から200重量%の範囲で。含有するインクジェット記録用インク。ノニオン性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリN−ビニルアセトアミドなどが好ましく、インクのゼータ電位の絶対値は、5mV以上30mV以下であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用インクおよびこれを用いたインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式の原理は、ノズル、スリットあるいは多孔質フィルム等から、液体あるいは溶融固体インクを吐出させ、紙、布、フィルム等の被記録材に記録を行うものである。この記録方法は、小型で安価、静寂性が高い等種々の利点があり、黒色の単色あるいはフルカラーのプリンターとして多く市販されている。中でも、圧電素子を用いたいわゆるピエゾインクジェット方式、あるいは、熱エネルギーを作用させて液滴を形成し記録を行う、いわゆる熱インクジェット方式は、高速印字、高解像度が得られる等、多くの利点を有している。
【0003】
これらインクジェット記録装置に使用されるインクに関しては、(1)紙上で滲み、かぶりのない、高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、(2)ノズル先端でのインク乾燥による目詰まりが発生せず、常に吐出応答性、吐出安定性が良好であること、(3)紙上においてインクの乾燥性が高いこと、(4)画像の堅牢性が高いこと、(5)長期保存安定性が高いこと、の5つの観点から検討され、これらの要求を満足すべく多くの提案がなされている。
従来、インクジェット記録用インクは、水性染料インクが主流であるが、染料が水溶性であるゆえに、耐水性や耐光性に問題があり、画像の保存安定性に関しては必ずしも満足が得られていない。一方、色材として顔料を用いたインクは、耐水性や耐光性の改善を達成でき非常に有望であるため、多くの提案がなされ、実用化されている。
【0004】
しかし、顔料インクは水堅牢性が高いが、長期保存や高温保管において凝集しやすく、保存安定性が問題となっている。また、光学濃度と分散安定性とは相反する関係にある。この相反関係は顔料の凝集力の強さによるものであり、印字後に紙上で顔料が凝集することにより高い光学濃度を得ることができるものの、凝集力が強いと分散安定性が劣るためである。
これまで提案されてきたインクジェット用水性顔料インクの分散安定性と光学濃度の両立を目指す手段としては、例えば、顔料の平均粒子径と黒色度指数との間に関係を見出して適応範囲を定めている技術が提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、ここに規定の範囲では平均粒子径の比較的大きな顔料の使いこなしは困難である。また、同様の目的で2種以上のブラックインクを併用する方法も提案されているが(例えば、特許文献2参照。)、この方法によれば、光学濃度の向上には効果があるものの、2種類以上のブラックインクを併用するという点で構成が複雑になるという問題がある。
【0005】
光学濃度を高く得る方法としては、(i)インク中の顔料濃度を上げる、(ii)分散剤の疎水性を高くする、(iii)分散剤添加量を下げる、(iv)顔料の吸油量を上げる、等の方法がある。しかし、(i)の手段によれば、顔料の凝集により保管安定性が劣化し、ヘッド目詰まりを悪化させる傾向がある。また、(ii)〜(iv)の方法をとると、保管安定性、特に高温保管安定性が劣化する傾向にあり、その傾向が著しい場合がある等の欠点を有している。このため、分散安定性を確保しようとすると、光学濃度を高くする条件とは逆の方法をとる必要があり、高い光学濃度と分散安定性の両立は未だ達成されていないのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−80636号公報
【特許文献2】
特開2000−7964公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術の課題を解決すべくなされた本発明の目的は、顔料の分散安定性を保ちながら高い光学濃度を達成し、印字時においてはインク流路やノズル部に目詰まりが発生せず、定着強度、耐水性、耐光性など種々の印字品質についても良好な顔料分散型のインクジェット記録用インク、そのインクを含むインクセット、それを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、分散安定性および印字品質を同時に満たすためには、インクジェット記録用インクに特定のノニオン性ポリマーを添加することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
<1> 水、水に自己分散可能な顔料、水溶性有機溶媒、および、ノニオン性ポリマーを含有するインクジェット記録用インク。
<2> ノニオン性ポリマーの含有量が、前記水に自己分散可能な顔料重量に対し5重量%から200重量%の範囲である<1>に記載のインクジェット記録用インク。
<3> ノニオン性ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアミン類、ポリビニルエーテル類、ポリアルキレンオキサイド類、水溶性セルロースなどの多糖類、アルギン酸多価アルコールエステル、水溶性尿素樹脂、デキストリン誘導体、及び、カゼインから選択される水溶性ポリマーである<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用インク。
<4> さらに、インクのゼータ電位の絶対値が、5mV以上30mV以下であるインクジェット記録用インク。
<5> さらに、水に自己分散可能な顔料が、表面親水基としてカルボキシル基を有するインクジェット記録用インク。
<6> <1>〜<5>に記載のインクが、ブラックインクであるインクジェット記録用インク。
【0009】
<7> 少なくともシアン、マゼンタ、イエローの3色のカラーインクと、ブラックインクとを含むインクジェット記録用インクセットにおいて、
ブラックインクが<1>〜<6>のいずれかに記載のインクであり、カラーインクの少なくとも1色のpHと、ブラックインクのpHとの差が1.5以上であるインクジェット記録用カラーインクセット。
<8> 少なくともシアン、マゼンタ、イエローの3色のカラーインクと、ブラックインクを含むインクジェット記録用インクセットにおいて、ブラックインクが<1>〜<6>のいずれかに記載のインクであり、カラーインクの少なくとも1色に、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、及びInからなる群より選択される金属の少なくとも1種を100ppm以上含有するインクジェット記録用インクセット。
【0010】
<9> <1>〜<6>のいずれかに記載のインクジェット記録用インク、或いは、<7>または<8>に記載のインクジェット記録用インクセットにおける各インクを、被記録材料表面に吐出させて画像を記録するインクジェット記録方法。
<10> <1>〜<6>のいずれかに記載のインクジェット記録用インク、或いは、<7>または<8>に記載のインクジェット記録用インクセットにおける各インクを用いたインクジェット記録装置であって、<1>〜<6>のいずれかに記載のインクジェット記録用インク、或いは、<7>または<8>に記載のインクジェット記録用インクセットにおける各インクを被記録材料表面に付与する液体吐出部材を備えたインクジェット記録装置。
<11> 前記液体吐出部材が、サーマルインクジェット方式またはピエゾインクジェット方式によるインクヘッドであるインクジェット記録装置。
である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーインクジェット記録用インクは、少なくとも水、水に自己分散可能な顔料、水溶性有機溶媒、および、ノニオン性ポリマーを必須成分として含有する。
インクの高い光学濃度を実現させるためには紙などの被記録材料上における顔料の凝集を促進させるために水溶性ポリマーを添加することが効果的であり、本発明においては水溶性ノニオン性ポリマーを用いる。これにより、顔料の凝集性とインク系中での顔料の分散安定性を両立することができる。なお、水溶性ポリマーとして、水中でイオンに解離するカチオン性、アニオン性ポリマーを用いた場合、インクの導電率を上げて分散安定性を低下させるため、ノニオン性以外の水溶性ポリマーは不適である。
【0012】
本発明では、顔料インクの分散安定性の指標として、ゼータ電位を用いることが好ましい。ゼータ電位とは、固体が液体中に分散している系において、固相の表面に遊離電荷がある場合に、固相界面付近の液相には反対電荷の荷電層が電気的中性を保つように現れる電気的二重層による電位差のことである。
ゼータ電位の絶対値が大きいほど顔料インクの分散安定性が良く、小さいほど顔料の凝集が進むことを示す。本発明では、前記ノニオン性ポリマーがインク中に存在することで、インクの分散安定性を高めることができるため、ゼータ電位の絶対値が5に近い値の低ゼータ電位のインクであっても好適に使用することができることを見出した。また、上限としてはゼータ電位は30以下であることが好ましい。特に、ゼータ電位の絶対値が10〜25の顔料インクにおいて、ノニオン性ポリマーの添加による分散安定性と光学濃度の両立の効果が高い。
【0013】
[ゼータ電位]
ここで、本発明のインクジェット記録用インクを特徴づける要件であるゼータ電位について述べる。
ゼータ電位の測定方法としてはいくつかの方法が知られているが、例えば、電気泳動法による測定、Electrokinetic Sonic Amplitude法(ESA法)、Ultrasonic Vibration Potential法(UPA法)等がある。本発明においては、水性インクジェット記録液のような濃厚溶液を希釈せずに測定出来るESA法を用いてゼータ電位を測定した。このESA法の測定原理は以下の様なものである。つまり、分散溶液に交流電場をかけた場合、その交流電場により分散質が電気泳動を行う。この電気泳動により発生する圧力を圧電素子を用いて測定することにより、以下の式に従ってゼータ電位を求めることができる。
【0014】
ゼータ電位=ESA・η・G(α)−1/ε・c・Δρ・V
【0015】
ここで、ESAは、測定によって求まる値で、単位電場当りの圧力を示す。ηは溶媒の粘度、G(α)−1は慣性力による作用の補正項、εは溶媒の誘電率、cは溶媒中の音速、Δρは溶媒と粒子の密度差、Vは粒子の体積分率を示す。上記各パラメーターに関する検討を行ったが、ηとしてインクの粘度を、εとして水の誘電率を、Δρには、色材と水の密度差を、Vとして色材の体積分率を用いることができると判断されたため、本発明においてはこれらのパラメーターを用いてゼータ電位を求めることとした。
なお、本発明においては、ゼータ電位は、測定装置として、ESA−8000(Matec Applied Science社製)を用い、測定は、水性インクジェット記録液400mlで測定セルを満たし、測定用プローブを規定量浸漬させた状態で、所定の測定法に従って行って得た値を採用している。
【0016】
なお、本発明のインクジェット記録用インクは、画像記録において、画像の鮮鋭度や画質に最も寄与するブラックインクとして用いることにより、特に本発明の効果が著しいといえる。
また、本発明のインクを少なくともシアン、マゼンタ、イエローの3色のカラーインクと、ブラックインクとを含むインクジェット記録用インクセットに用いる場合にも、前記本発明のインクをブラックインクとして用いることが効果の観点から好ましい。
より好ましい態様としては、本発明のブラックインクと、他のカラーインクとを併用して、ブラック画像部にブラックインクとカラーインクを併用して印字させる場合、他のカラーインクの少なくとも1色のpHと、当該ブラックインクのpHとの差が1.5以上であり、併用される他のカラーインクのpHがブラックインクのpHよりも低い態様が挙げられる。
【0017】
また、他の好ましい態様として、本発明に係るブラックインクに併用される他のカラーインクの少なくとも1色に、多価金属、例えば、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、及びInからなる群より選択される金属由来の特に2価以上の金属イオンの少なくとも1種を100ppm以上含有する態様が挙げられる。
これらの好ましい態様によれば、印字画像濃度の向上効果があり、特にブラックインクが本発明のインクジェット記録用インクである場合に、ノニオン性ポリマーの効果でさらに定着性が向上することを見出した。
【0018】
以下、本発明のインクジェット記録用インクを構成する各材料について説明する。
本発明におけるインクは、水、水に自己分散可能な顔料、水溶性有機溶媒、およびノニオン性ポリマーを必須成分とするものである。まず、水に自己分散可能な顔料について説明する。本発明のインクの色相はいずれであってもよいが、本発明の好ましい態様であるブラックインクに用いるブラック顔料を例に挙げて説明する。
[ブラック顔料]
本発明におけるインクに、着色剤として使用される自己分散可能な顔料とは、表面に親水性官能基を有し、高分子分散剤を含まずに自身で溶媒中に分散可能な顔料を指す。本発明において、顔料が「自己分散可能」であるか否かは、以下の自己分散性試験により確認される。
【0019】
<自己分散性試験>
水中に測定対象となる顔料を添加し、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー、ボールミル等を用いて分散剤無しで分散させ、初期の顔料濃度が約5%になるように水で希釈して分散体を調製する。初期の顔料濃度と、前記分散体100gを径40mmのガラスビンに入れて1日静置後、その上層部(液の深さ方向に、液面から10%の分散液)の顔料濃度を測定する。そして、初期の顔料濃度に対する1日静置後の顔料濃度の割合(以下、「自己分散性指標」と称する。)が98%以上である場合、「自己分散性」であると評価した。
このとき、顔料濃度の測定方法は、特に限定されず、サンプルを乾燥させて固形分を測定する方法や、適当な濃度に希釈して透過率から求める方法等いずれでもよく、他に顔料濃度を正確に求める方法があれば、もちろんその方法によってもよい。
【0020】
顔料が有する親水性官能基としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性のいずれの親水性官能基であってもよく、特に、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基の単独もしくは2種以上の組み合わせが好ましく、この中でもカルボキシル基の単独、もしくはカルボキシル基を含む2種以上の組み合わせが更に好ましい。
カルボキシル基、スルホン酸基、あるいはリン酸基を有する場合、そのまま遊離酸の状態でも使用できるが、一部または全てが塩を形成している場合が分散性の点で有利であり、好ましい。このとき、塩を形成する物質としては、各種の塩基性物質が挙げられるが、アルカリ金属、アンモニア、あるいは有機オニウム化合物の単独または2種以上の組み合わせが好ましい。
顔料表面の親水性官能基の数は、親水性官能基の種類や、塩を形成している場合はその塩を形成する物質の種類によって異なり、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、−COONaの場合は0.8〜4mmol/gが好ましい。
【0021】
親水性官能基を導入する顔料としては、無機および有機顔料のいずれも使用できる。黒色顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料が好ましく、市販品としては、具体的には、例えば、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000ULTRAII、Raven3500、Raven2500ULTRA、Raven2000、Raven1500、Raven1250、Raven1200、Raven1190ULTRAII、Raven1170、Raven1255、Raven1080ULTRA、Raven1060ULTRA、Raven790ULTRA、Raven780ULTRA、Raven760ULTRA(以上コロンビア社製)、Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Black Pearls L、Black Pearls 1300、Monarch 700、Monarch 800、Monarch880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(以上キャボット社製)、
【0022】
Color Black FW1、ColorBlack FW2、ColorBlack FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color BlackS150、Color BlackS160、Color Black S170、Printex35、PrintexU、PrintexV、rintex140U、Printex140V、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
また、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いてもよい。
【0023】
これらの顔料に対し、顔料の表面に親水性官能基を導入する方法は公知の方法や新たに発明されたいずれの方法も使用できる。例えば、酸化剤(例えば硝酸、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、次亜塩素酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、オゾン等)による酸化処理、シラン化合物等のカップリング剤による処理、ポリマーグラフト化処理、プラズマ処理等公知の方法の他、新たに開発した方法も使用でき、またこれらの方法を組み合わせてもよい。
【0024】
得られた親水性官能基が導入された顔料は、残余の酸化剤等の不純物、その他の無機不純物や有機不純物を除去し、精製することが望ましい。特に、インク中のカルシウム、鉄、珪素をそれぞれ10ppm以下、好ましくは5ppm以下にすることが望ましい。なお、本発明において、これらの無機不純物含有量は高周波誘導結合プラズマ発光分析法により測定した。
これら不純物の除去は、例えば、水洗浄や、逆浸透膜、限外ろ過膜、イオン交換法等の方法、活性炭、ゼオライト等による吸着の方法を、単独または組み合わせて行うことができる。
【0025】
これら親水性官能基が導入された自己分散可能な顔料は、本発明のため、新たに作製されたものの他、市販の自己分散可能な親水処理顔料も使用することができる。市販の自己分散可能な親水処理顔料としては、例えば、MICROJETBLACK CW−1(オリエント化学工業(株)製)、MICROJET BLACK CW−2(オリエント化学工業(株)製)、MICROJET BLACK CW−3(オリエント化学工業(株)製)、CAB−O−JET200(キャボット社製)、CAB−O−JET300(キャボット社製)等が挙げられる。これら市販の自己分散可能な親水処理顔料は、いずれも前記の方法により測定した自己分散性指標が100%である。
【0026】
上記自己分散可能な顔料は、全インク量に対し0.3〜20重量%の範囲で含まれることが必要であり、好ましくは0.5〜15重量%の範囲である。
顔料の含有量が20重量%より多くなるとノズル先端で目詰まりしやすく、また画像の耐擦過性も悪化する。一方、0.3重量%未満では十分な光学濃度が得られず、用紙間の光学濃度のばらつきも大きくなる。
【0027】
[水溶性有機溶媒]
本発明のインクジェット記録用インクに用いられる水溶性有機溶剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1、2、6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類;エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール等の低級アルコール類;ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒;あるいはチオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルオキシド等の含硫黄溶媒;炭酸プロピレン;炭酸エチレン;グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、キシロース等の糖類及びその誘導体等や糖アルコール類等を用いることができる。
また、下記(式1)で表される化合物を用いることもできる。
【0028】
R−O−XnH(式1)
【0029】
上記式中、Rは、炭素原子数4〜8のアルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、アルキルフェニル、アルケニルフェニル、およびシクロアルキル基から選ばれる官能基であり、Xは、オキシエチレン基またはオキシプロピレン基であり、nは1〜4である。
(式1)で示される化合物として、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエチルエーテル、ジオキシプロピレンオキシエチレンモノペンチルエーテルなどが挙げられる。特に、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを用いるのが好ましい。
これらの水溶性有機溶剤は単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。水溶性有機溶剤の含有量は、本発明のインクの1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%であるのがよい。1重量%未満では、保湿作用が得られない場合がある。60重量%を超えるとインク粘度の上昇により噴射不良を誘発してしまう場合がある。
【0030】
[ノニオン性ポリマー]
本発明で使用できるノニオン性ポリマーとしては、水溶性ノニオンポリマーが挙げられ、具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアミン類、ポリビニルエーテル類(ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなど)、ポリアルキレンオキサイド類(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなど)、水溶性セルロースなどの多糖類、アルギン酸多価アルコールエステル、水溶性尿素樹脂、デキストリン誘導体、カゼイン等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
また、このような主鎖構造を有するもののみならず、ノニオン性ポリマー構造を側鎖に有するグラフト共重合体も好適に用いることができる。
【0031】
ノニオン性ポリマーの分子量は、インク粘度およびインク保存安定性の関係から、300〜20000の重量平均分子量であることが好ましい。重量平均分子量の測定方法は、光散乱法、X線小角散乱法、沈降平衡法、拡散法、超遠心法や各種クロマトグラフィー、例えばGPC法で測定したポリエチレングリコール換算の値を用いることができる。
これらのノニオン性ポリマーは、単独でも使用できるが、2種以上組み合わせて使用してもよい。ノニオンポリマーの含有量は、顔料重量に対し5重量%から200重量%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは5重量%から100%である。含有量が5重量%未満となると、分散安定性向上効果が不充分となる傾向があり、200重量%を超えると、インクの粘度が上昇し、インクの噴射特性に影響するおそれがでてくる。
【0032】
[水]
本発明に用いられるインクに含まれる水としては、特に限定されないが、不純物が混入することを防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することが好ましい。本発明のインクジェット記録用インク中の水の量は、30〜98重量%、好ましくは50〜90重量%である。
【0033】
[その他添加剤]
本発明のインクジェット記録用インクには、表面張力の調整による噴射安定性制御や印字時の浸透性(乾燥時間)の制御をはじめとする種々のインク特性制御を行う目的で、必要に応じて酸化剤、酸化防止剤、還元剤、酵素、殺菌剤、消泡剤、研磨剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤およびキレート化剤、分散染料、油溶染料等も添加することもできる。
【0034】
[カラー色材]
本発明のインクジェット記録用インクは黒色以外の色相のインクとして用いることもできる。その場合には、以下に示すカラーインク用の顔料であって、水に自己分散可能なものを用いる他は、前記、黒色インクについて説明した組成と同様のものを用いればよい。また、カラーインク用の顔料を水に自己分散可能とする方法も、黒色顔料におけるのと同様の方法を適用することができる。
【0035】
本発明のインクジェット記録用インクを用いたインクセットも、また、本発明の好ましい態様である。この場合、ブラックおよびカラーインクの組み合わせで例えば、4色以上のインクセットとすればよく、その場合の黒色以外のカラーインクは、顔料インクでも良いし、染料インクでも良い。少なくとも水と、顔料または染料の色材、水溶性有機溶媒を含むカラーインクであり、特性を制御するためにその他必要に応じて添加剤を含有することができる。
顔料インクの場合に使用するカラー顔料の例としては、以下のものが挙げられる。
【0036】
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigmet Blue 3、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:1、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.PigmentBlue 15:4、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Pigment Blue 60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48、C.I.Pigment Red48:1、C.I.Pigment Red 57、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 123、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 168、C.I.Pigment Red 184、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Violet 1960等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
イエロー色の顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 55、C.I.Pigment Yellow 73、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 75、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 95、C.I.Pigment Yellow 97、C.I.Pigment Yellow 98、C.I.PigmentYellow 114、C.I.Pigment Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 129、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.Pigment Yellow 185等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
なお、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、本発明のために、新たに合成した顔料でもよい。
【0040】
これらの顔料の表面に親水性官能基を導入した自己分散型顔料も使用でき、本発明において好ましい。親水性官能基の導入については、前述のブラック顔料と同様の方法が利用できる。親水性官能基量の調整は、処理濃度や時間等の制御により可能であり、またエステル化等の変性により市販の自己分散顔料の表面官能基を調整することもできる。
【0041】
本発明に用いられるカラーインク中のこれら顔料の含有量は、全インク量に対して好ましくは0.1〜10重量%の範囲、より好ましくは1〜7重量%の範囲、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲である。顔料の含有量が多くなると、ノズル先端で水が蒸発した時の目詰まり性が悪化する。また逆に含有量が少なければ当然ながら十分な濃度が得られない。これらの色剤は、単独でも使用できるが、2種以上混合したり、シアン、マゼンタ、イエローの3原色の外、赤、青、緑などのカスタムカラーに調色したりしてもよい。
【0042】
これらの色剤は、その製造工程で混入した不純物、例えば残余の酸化剤、処理剤や副生成物等の不純物、その他の無機不純物や有機不純物を除去し、精製することが望ましい。特に、インク中のカルシウム、鉄、珪素をそれぞれ10ppm以下にすることが好ましくは5ppm以下にすることがより好ましい。これらの無機不純物含有量は、例えば高周波誘導結合プラズマ発光分析法により測定することができる。これら不純物の除去は、例えば、水洗浄や、逆浸透膜、限外ろ過膜、イオン交換法等の方法、活性炭、ゼオライト等による吸着の方法を単独または組み合わせて行うことが出来る。
【0043】
染料インクの場合に使用する染料は水溶性染料が好ましい。水溶性染料は、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料等のいずれでもよいが、より好ましくは、酸性染料、直接染料である。
前記染料としては、例えば、C.I.Direct Blue−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−112、−142、−165、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236、−287、C.I.Direct Red−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110、−189、−227、C.I.Direct Yellow−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−58、−86、−87、−88、−135、−142、−144、C.I.Acid Blue−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−83、−90、−102、−104、−111、−185、−249、−254、C.I.Acid Red−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18−21、−26、−35、−37、−52、−110、−144.−180、−249、−257、C.I.Acid Yellow−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−18、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76、−78、−79、−122、等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0044】
本発明に用いられるカラーインク中のこれら染料の含有量は、全インク量に対して好ましくは0.1〜20重量%の範囲、より好ましくは1〜10重量%の範囲、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲である。染料の含有量が多くなると、ノズル先端で水が蒸発した時の目詰まり性が悪化する。また逆に含有量が少なければ当然ながら十分な濃度が得られない。
【0045】
前記した本発明のインクジェット記録用インクをブラックインクとして用い、他の色相、具体的には、少なくともシアン、マゼンタ、イエローの3色のカラーインクと組み合わせることで、インクジェット記録用インクセットとして用いることができる。本発明のインクセットにおいては、前記本発明のブラックインクと組み合せて用いる他のカラーインクとの好ましい組み合わせとして、異なるpHのカラーインクと組み合わせる態様と、特定の金属を含むカラーインクと組み合わせる態様を採用している。
以下に、本発明のインクセットについて説明する。
【0046】
[低pHカラーインクと組み合わせたインクセット]
本発明のブラックインクを、それよりもpHの低いカラーインク、具体的には、ブラックインクのpHとの差が1.5以上の低pHカラーインクと組み合わせて使用する場合、インクのpHの調整は、pH調整剤をインクに適宜添加することで行う。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、乳酸等の酸や水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、アンモニア等の塩基、およびリン酸塩、シュウ酸塩、アミン塩等から選択される緩衝剤、或いは、グッドバッファー等のpH緩衝剤が好ましい。
【0047】
このような組み合わせで用いられる前記本発明のブラックインクのpHは4〜11の範囲が好ましく、5〜10.5の範囲がより好ましい。また、組み合わせて用いられる他のカラーインクのpHは3から11の範囲が好ましく、4から9.5の範囲がより好ましい。このような条件を満たした上で、両者のpHの鎖が.5以上、即ち、ブラックインクのpHよりもカラーインクのpHが1.5以上低いものであることが好ましく、両者の差は2以上であることがより好ましい。pHの差が1.5以上であることにより、両者が接触するとその界面でpHの影響により黒色顔料の凝集が生じ、滲みのない鮮鋭な画像が迅速に形成される。
なお、両者のpHの差が好ましい範囲であっても、カラーインクのpHが低すぎるとインクが目詰まりを生じやすくなるなど、保存安定性に影響が出やすくなり、一方、pHが高すぎるとヘッド構成部材、特に金属部材の劣化を生じやすくなる。
【0048】
[多価金属を含むカラーインクと組み合わせたインクセット]
また、本発明のインクセットの他の態様として、前記本発明のブラックインクを、金属を含有するカラーインクと組み合わせてインクセットとする態様が挙げられる。この場合、金属は多価金属であることが好ましく、特に2価以上の金属イオンとしてカラーインク中に含まれていることが好ましい。カラーインクに添加する場合の多価金属の具体例としては、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、Inなどが挙げられるが、特にこれらに限定されない。これらはリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などの塩の形でインク中に供給し、インク中に多価金属イオンとして存在することが好ましい。画質向上効果をもたらすために必要なカラーインク中の多価金属含有量は、合計100ppm以上、好ましくは合計500ppm以上である。上限値は、多価金属の溶解性によるので特に一定の値で規定することはできないが、インク中で顔料の自己凝集が起こらない範囲で含有させることが好ましい。
被記録材料表面において両者が接触すると、その界面において多価金属イオンの働きにより黒色顔料の凝集が生じ、滲みのない鮮鋭な画像が迅速に形成される。
【0049】
本発明のブラックインクと組み合わせて用いられる他のカラーインクは、上記色材、インクを所定のpHに調製するためのpH緩衝剤、或いは、多価金属などの他、水溶性有機溶媒、水を含有する。
また、これらのカラーインクにも、前記本発明のインクと同様に、インクジェット記録用インクに汎用される添加剤、例えば、界面活性剤、酸化剤、酸化防止剤、還元剤、酵素、殺菌剤、消泡剤、研磨剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤およびキレート化剤、分散染料、油溶染料等を必要に応じて添加することができる。
【0050】
インクジェット記録用インク及びそれを用いたインクセットは、顔料の分散安定性と、高い光学濃度を達成し、印字時における吐出安定性に優れ、得られた画像の定着強度、耐水性、耐光性など種々の印字品質が良好であり、種々の分野に好適に用いることができる。
【0051】
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インク、或いは、本発明のインクジェット記録用インクセットにおける各インクを、被記録材料表面に吐出させて画像を記録することを特徴とする。本発明のインクジェット記録用インクは吐出安定性に優れるため、ピエゾインクジェット記録方式や、サーマルインクジェット記録方式をはじめとする汎用のインクジェット記録方式の何れの方式においても良好な印字品質が得られる。
なお、本発明のインクセットを用いる場合、被記録材料への吐出は、まず、カラーインクを吐出し、その後、ブラックインクを吐出するという順に行なわれることが、高い光学濃度、滲み制御等の高画質を得る上で好ましい。
【0052】
[インクジェット記録装置]
また、本発明のインクジェット記録装置は、前記インクジェット記録用インク、或いは、本発明のインクジェット記録用インクセットにおける各インクを、被記録材料表面に付与する液体吐出部材を備えることを特徴とする。このような液体吐出部材としては、サーマルインクジェット方式またはピエゾインクジェット方式によるインクヘッドが好ましく挙げられる。
また、前記本発明のインクジェット記録用インクは、顔料の分散性と吐出安定性に優れているため、種々の記録装置に好適に使用でき、例えば、被記録材料(例えば、紙など)への定着を補助するためのヒーター等を搭載した記録装置や、中間転写機構を搭載し、中間体にインクを印字後、紙等の被記録体に転写する記録装置なども、本発明の記録装置として用いることができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
[自己分散顔料の分散液の調製]
水5.3重量部に濃塩酸5重量部を溶解した溶液を5℃に冷却し、さらにアントラニル酸0.6重量部を加えた。この溶液を冷却しながら撹拌し、水8.7重量部に亜硝酸ナトリウム1.78重量部を加えた溶液を加えた。15分撹拌した後、表面積が320m2/gでDBP吸油量が120ml/100gのカーボンブラック20重量部を加え、混合した。その後、さらに15分撹拌した。得られた処理顔料を濾紙で濾過し、純水で洗浄した後、全量が200重量部になるように水を足してから逆浸透膜で脱塩処理し、超音波ホモジナイザー(出力300W)で10分間分散した。次に、分散液のpHが8になるまで10%NaOH水溶液を加え、さらに超音波ホモジナイザーで10分間分散した後、遠心分離機で8000rpm×30分の条件で処理して顔料水溶液を作製した。ドライアップして固形分量を測定し、顔料濃度が10%になるように水分を調節した。以上の方法により、表面にフェニル基を介して親水性基(−COO−Na+)が結合した自己分散型カーボンブラックの顔料分散液を得た。
【0054】
[黒色インク調製方法]
(実施例1)
<ブラックインク1>
・上記顔料分散液 40重量部
・プロピレングリコール 12重量部
・グリセリン 10重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1.5重量部
(ノニオン性界面活性剤:日信化学社製)
・ポリN−ビニルアセトアミド 3重量部
(ノニオン性水溶性ポリマー)
・イオン交換水 (残部)
このブラックインク1のpHは8.1であった。
【0055】
(実施例2)
<ブラックインク2>
・上記顔料分散液 40重量部
・ジエチレングリコール 10重量部
・グリセリン 10重量部
・ノニオンE230(日新化学社製) 1重量部
(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)
・ポリビニルアルコール 0.5重量部
(ノニオン性水溶性ポリマー)
・イオン交換水 (残部)
このブラックインク2のpHは8.2であった。
【0056】
(比較例1)
<ブラックインク3>
・前記顔料分散液 40重量部
・ジエチレングリコール 10重量部
・グリセリン 5重量部
・イソプロピルアルコール 2重量部
・サーフィノール465 1重量部
・イオン交換水 (残部)
このブラックインク2のpHは7.5であった。
【0057】
〔インクの物性評価〕
得られた各ブラックインクのうち、ブラックインク1、2はノニオン性ポリマーを含有する本発明のインクであり、ブラックインク3は比較例のインクである。これらについて、表面張力、粘度、ゼータ電位、顔料の粒子径(数平均粒子径)を以下の方法で測定した。結果を下記表1に示す。
・表面張力
23℃、55%RHの環境において、ウイルヘルミー型表面張力計を用いて測定した。
・粘度
レオマット115(Contraves社製)を測定装置として用いた。その測定は、水性インクジェット記録液を測定容器に入れ、所定の方法で装置に装着し、測定を行った。測定温度は23℃で行い、せん断速度は1400s−1で測定した。
・ゼータ電位
測定装置として、ESA−8000(Matec Applied Science社製)を用い、測定セルをインクジェット記録用インク400mlで満たし、測定用プローブを規定量浸漬させた状態で、所定の測定法に従って測定した。
・顔料の粒子径(数平均粒子径)
分散粒子の粒子径は、マイクロトラックUPA粒度分析計9340(Leeds & Northrup社製)を用い、上記インクを希釈しないで測定した。なお、測定時に入力するパラメーターとして、粘度には、被測定インクの粘度を、分散粒子の密度には、色材の密度を使用した。
・粗粒子数
AccusizerTM770Optical Particle Sizer(Particle Sizing Systems社製)を測定装置として用い、所定の測定法に従って測定した。
【0058】
〔インクの保存安定性評価〕
得られた各ブラックインクについて、保存安定性を以下の方法により測定した。
ブラックインク1〜3をサンプル管中に注入し、60℃・2時間と、−20℃・2時間の条件の変動を5サイクルにわたって繰り返し、ヒート・コールドサイクル前後で、インクの0.5μm以上の粗粒数を測定した。その変化率が、±10%以下のものを○、±10%以上±30%以下のものを△、±30%以上のものを×として評価した。結果を下記表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1に明らかなように、本発明のインクジェット記録用インクは、保存安定性に優れていることがわかった。
【0061】
[他のカラーインク調製方法]
<シアンインク1>
・C.I.ダイレクトブルー199 3重量部
・ジエチレングリコール 20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1重量部
・フタル酸水素カリウム 5重量部
・水酸化ナトリウム 0.01重量部
・イオン交換水 (残部)
このシアンインク1のpHは4.5であった。
【0062】
<シアンインク2>
・C.I.ダイレクトブルー199 3重量部
・ジエチレングリコール 20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1重量部
・硝酸カルシウム・4水和物 3重量部
(多価金属塩化合物、インク中で多価金属イオンCa2+を生成)
・イオン交換水 (残部)
このシアンインク1のpHは7.1であった。
【0063】
<シアンインク3>
・C.I.ダイレクトブルー199 3重量部
・ジエチレングリコール 20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1重量部
・イオン交換水 (残部)
このシアンインク1のpHは7.6であった。
【0064】
<マゼンタインク1>
・M−377(イルフォード社製) 3重量部
・ジエチレングリコール 20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1重量部
・フタル酸水素カリウム 3重量部
・水酸化ナトリウム 0.005重量部
・イオン交換水 (残部)
このマゼンタインク1のpHは4.5であった。
【0065】
<マゼンタインク2>
・M−377(イルフォード社製) 3重量部
・ジエチレングリコール 20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1重量部
・硝酸カルシウム・4水和物 3重量部
(多価金属塩化合物、インク中で多価金属イオンCa2+を生成)
・イオン交換水 (残部)
このマゼンタインク1のpHは7.4であった。
【0066】
<マゼンタインク3>
・M−377(イルフォード社製) 3重量部
・ジエチレングリコール 20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1重量部
・イオン交換水 (残部)
このマゼンタインク1のpHは7.4であった。
【0067】
<イエローインク1>
・C.I.ダイレクトイエロー132 2重量部
・ジエチレングリコール 20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1重量部
・フタル酸水素カリウム 3重量部
・水酸化ナトリウム 0.005重量部
・イオン交換水 (残部)
このイエローインクのpHは4.4であった。
【0068】
<イエローインク2>
・C.I.ダイレクトイエロー132 2重量部
・ジエチレングリコール 20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1重量部
・硝酸カルシウム・4水和物 3重量部
(多価金属塩化合物、インク中で多価金属イオンCa2+を生成)
・イオン交換水 (残部)
このイエローインクのpHは7.5であった。
【0069】
<イエローインク3>
・C.I.ダイレクトイエロー132 2重量部
・ジエチレングリコール 20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・サーフィノール465 1重量部
・イオン交換水 (残部)
このイエローインクのpHは7.5であった。
【0070】
次に、前記実施例1、2、比較例1で得た本発明のブラックインクについて、試作したインクジェット印字装置(ピエゾインクジェット方式)で印字し、以下の評価を実施した。評価結果を下記表2に示す。
【0071】
(実施例3、4、比較例2)
また、前記ブラックインク1〜3及び調製した各カラーインクとを組み合わせたインクセットについても、同様に下記の評価を実施した。
インクセットの各インクの組み合わせ及び評価結果を下記表2に示す。
【0072】
〔光学濃度〕
ブラック100%カバレッジパターンをFX−L紙(富士ゼロックス社製)に印字し、エックスライト404(エックスライト社製)を用いて測定した。また、4色インクセットについて、シアン、マゼンタ、イエローを各15%カバレッジパターンで重ね打ちしたところにブラックインクを印字した。
○・・・1.3以上
△・・・1.2以上1.3未満
×・・・1.2未満
【0073】
〔耐擦過性〕
100%カバレッジパターンをFX−L紙(富士ゼロックス社製)に印字し、1日後に指で擦り、官能評価を実施した。
○・・・擦り跡が識別できないか、ごくわずかに擦り跡が認められる。
△・・・擦り跡あり。
×・・・擦り跡が激しい。
【0074】
【表2】
【0075】
表2に明らかなように、本発明のインクである実施例1、2及び、本発明のインクセットを用いた実施例3、4では、光学濃度が高く、耐擦過性に優れた画像が形成されることがわかった。一方、ノニオン性ポリマーを含有しない比較例1のインクは保存安定性が低く、得られた画像の光学濃度に劣ることがわかった。また、本発明のブラックインクを用いても、pHの差が殆どなく、また、多価金属も含まない他のカラーインクと組み合わせた比較例2のインクセットでは、画像の光学濃度、耐擦過性ともに、実施例3、4より劣っていることがわかった。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、高い光学濃度と保存安定性に優れた顔料分散型インクジェット記録用インク、それを含むインクセット、それらを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット記録装置が提供される。本発明によれば、印字時にインク流路やノズル部に目詰まりが発生せず、定着強度、耐水性、耐光性など種々の印字品質についても良好な顔料分散型のインクジェット記録用インク、そのインクを含むインクセットおよびそれらを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット記録装置が実現できる。
Claims (11)
- 水、水に自己分散可能な顔料、水溶性有機溶媒、および、ノニオン性ポリマーを含有するインクジェット記録用インク。
- 前記ノニオン性ポリマーの含有量が、前記水に自己分散可能な顔料重量に対し5重量%から200重量%の範囲である請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記ノニオン性ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアミン類、ポリビニルエーテル類、ポリアルキレンオキサイド類、水溶性セルロースなどの多糖類、アルギン酸多価アルコールエステル、水溶性尿素樹脂、デキストリン誘導体、及び、カゼインから選択される水溶性ポリマーである請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記インクのゼータ電位の絶対値が、5mV以上30mV以下である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記水に自己分散可能な顔料が、表面親水基としてカルボキシル基を有する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインクが、ブラックインクであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
- 少なくともシアン、マゼンタ、イエローの3色のカラーインクと、ブラックインクとを含むインクジェット記録用インクセットにおいて、
ブラックインクが請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインクであり、カラーインクの少なくとも1色のpHと、ブラックインクのpHとの差が1.5以上であるインクジェット記録用インクセット。 - 少なくともシアン、マゼンタ、イエローの3色のカラーインクと、ブラックインクを含むインクジェット記録用インクセットにおいて、ブラックインクが請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインクであり、カラーインクの少なくとも1色に、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、及びInからなる群より選択される金属の少なくとも1種を100ppm以上含有するインクジェット記録用インクセット。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク、或いは、請求項7又は請求項8に記載のインクジェット記録用インクセットにおける各インクを、被記録材料表面に吐出させて画像を記録するインクジェット記録方法。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク、或いは、請求項7又は請求項8に記載のインクジェット記録用インクセットを用いたインクジェット記録装置であって、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク、或いは、請求項7又は請求項8に記載のインクジェット記録用インクセットにおける各インクを被記録材料表面に付与する液体吐出部材を備えたインクジェット記録装置。
- 前記液体吐出部材が、サーマルインクジェット方式またはピエゾインクジェット方式によるインクヘッドである請求項10記載のインクジェット記録装置。
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