JP2001098193A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

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JP2001098193A
JP2001098193A JP27588899A JP27588899A JP2001098193A JP 2001098193 A JP2001098193 A JP 2001098193A JP 27588899 A JP27588899 A JP 27588899A JP 27588899 A JP27588899 A JP 27588899A JP 2001098193 A JP2001098193 A JP 2001098193A
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acid
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Hiroshi Inoue
洋 井上
Yoshiro Yamashita
嘉郎 山下
Koji Doi
孝次 土井
Takeshi Hashimoto
健 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カールおよびカクルを緩和、抑制し得るイン
クジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提
供すること。さらに、カールおよびカクルを緩和、抑制
し得るとともに、優れた画質、耐水性および乾燥性を有
する記録画像を形成し得るインクジェット記録方法およ
びインクジェット記録装置を提供すること。 【解決手段】 1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチ
ル)プロパン、単糖類、オリゴ糖類および糖アルコール
類からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機物質を
含有する記録媒体に対し、少なくとも色材、水溶性有機
溶媒および水からなるインクを付着させて、前記記録媒
体表面に記録画像を形成することを特徴とするインクジ
ェット記録方法およびインクジェット記録装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを吐出させ
て画像の記録を行うインクジェット記録方法およびイン
クジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ノズル、スリットあるいは多孔質フィル
ム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、
布、フィルム等に記録を行う、いわゆるインクジェット
方式の記録装置は、小型で安価、静寂性等種々の利点が
あり、最近ではレポート用紙、コピー用紙等のいわゆる
普通紙上に良好な印字品質が得られる黒色の単色プリン
タだけではなく、フルカラー記録が行える製品が数多く
市販されており、記録装置の分野で大きな位置を占める
ようになった。中でも、圧電素子を用いたいわゆるピエ
ゾインクジェット方式、あるいは、熱エネルギーを作用
させて液滴を形成し、記録を行う、いわゆる熱インクジ
ェット方式は、高速印字、高解像度が得られる等、多く
の利点を有している。
【0003】インクジェット記録装置で用いられるイン
クは、主に溶媒、色材、添加剤から構成される。かかる
インクに対しては、 紙上で滲み、かぶりのない、高解像度、高濃度で均一
な画像が得られること ノズル先端でのインク乾燥による目詰まりが発生せ
ず、常に吐出応答性、吐出安定性が良好であること 紙上においてインクの速乾性が良いこと 画像の堅ろう性が良いこと 長期保存安定性が良いこと などの要求特性がある。
【0004】また、この他に最近では、記録媒体、特
に普通紙で顕著であるカールやカクルを緩和、抑制する
こと、が要求特性として挙げられている。ここで、カー
ルとは、印字中または印字後に用紙が丸みを帯びる現象
のことをいい、カクルとは、印字中または印字後に起こ
る用紙の部分的なしわのことをいう。
【0005】カールした用紙は積み重ねたり、シートに
広げたりできず、非常な不便をきたす。また、記録中に
カクルが生ずると、インクジェット記録ヘッドと用紙と
の擦れを生じさせる場合があり、画質を悪化させる原因
となる。カールおよびカクルは、特にベタ画像の多いカ
ラーグラフィックス画像を約5ppm、更には10pp
m以上の高速で連続印字する際、特に問題となる。ま
た、両面印字を困難にする。したがって、記録媒体のカ
ールおよびカクルを緩和、抑制することが要求される。
【0006】カールを抑制するために、例えば、特開平
6−157955号公報において、インク中にカール防
止剤として1,3−ジオール類、1,3,5−トリオー
ル類、アミノ−1,3−ジオール類等を添加することが
提案されている。しかしながら、この方法ではカールの
発生を抑制することはできるが、そのためにインク中に
多量のカール防止剤を添加しなければならず、得られる
画像の画質、ノズルの目詰まり、および、装置の信頼性
等が悪化する場合があり、十分なものではなかった。
【0007】一方、記録媒体に処理を施すことによりカ
ールを抑制させる技術が提案されている。記録媒体を制
御することにより、インクの信頼性および設計自由度が
上がる。例えば、特開平8−310111号公報には、
記録媒体のインク受容層の反対面に、バックコート層を
設ける方法が記載されている。また、特開平9−234
946号公報には、相対湿度を変化させた際のMD方向
およびCD方向の紙の不可逆収縮率を規定した普通紙タ
イプの記録用紙が記載されている。さらに、特開平10
−278413号公報には、コート層とその反対面のカ
ールサイズ度を規定する方法が提案されている。しかし
ながら、これらの従来技術では、カールの改善効果は見
られるものの、未だ十分なものではなく、カクル、画質
および耐水性については、より不十分なものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カー
ルおよびカクルを緩和、抑制し得るインクジェット記録
方法およびインクジェット記録装置を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、カールおよびカクルを
緩和、抑制し得るとともに、優れた画質、耐水性および
乾燥性を有する記録画像を形成し得るインクジェット記
録方法およびインクジェット記録装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチル)プ
ロパン、単糖類、オリゴ糖類および糖アルコール類を単
独で印字した際のカールの方向が、水を単独で印字した
際のカールの方向と逆であるという知見を得、この作用
をインクジェット記録方法およびインクジェット記録装
置に適用することより、上記目的を達成できることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明のインクジェット記録方
法は、1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチル)プロ
パン、単糖類、オリゴ糖類および糖アルコール類からな
る群より選ばれる少なくとも1つの有機物質を含有する
記録媒体に対し、少なくとも色材、水溶性有機溶媒およ
び水からなるインクを付着させて、前記記録媒体表面に
記録画像を形成することを特徴とする。
【0011】一般的にカールおよびカクルは、用紙にお
けるセルロース間の水の吸着および蒸発の影響が大きい
とされ、通常、水性インクを印字させた際、用紙は印字
面に向かう方向にカールを発生する。しかしながら、
1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチル)プロパン、
単糖類、オリゴ糖類および糖アルコール類の何れかの有
機物質(以下、「特定の有機物質」という場合があ
る。)を単独印字した際は、印字面とは逆方向にカール
を発生せさる(以下、当該現象を「逆カール」と呼
ぶ。)。
【0012】したがって、本発明のように記録媒体中に
特定の有機物質を予め含有させておけば、記録されたイ
ンクによるカール効果と、特定の有機物質による逆カー
ル効果と、が相殺されることとなり、記録媒体のカール
およびカクルが抑制されるものと推測される。また、記
録媒体が紙の場合、特定の有機物質が当該紙中のセルロ
ース間に入り込み、記録されたインクに由来する水の、
セルロース間における吸着および蒸発を抑えることによ
り、記録後の記録媒体のカールおよびカクルが抑制され
るものとも推測される。
【0013】本発明のインクジェット記録方法によれ
ば、記録媒体のほぼ全面、あるいは、広い面積に印字を
行う特にフルカラー画像記録の際の、記録媒体のカール
およびカクルを抑制することができるほか、白黒等単色
の画像記録の際であっても、ある程度の面積を持ったベ
タ画像を印字する際の、記録媒体のカールおよびカクル
をも抑制することができる。
【0014】また、前記記録媒体のカールおよびカクル
をさらに緩和、抑制させるには、前記記録媒体がさらに
カチオン性物質を含み、かつ、前記インクがさらにアニ
オン性物質を含むものであることが望ましい。当該構成
により、カール抑制およびカクル抑制効果がさらに向上
する詳細な理由は不明だが、前記記録媒体と前記インク
との相互作用により、前記インクの記録媒体中への浸透
が適度に遅延されるために、カールおよびカクルの緩
和、抑制がより効果的、効率的に発現されるためである
と推定される。加えて、上記構成によれば、前記記録媒
体と前記インクとのイオン的相互作用のため、染料また
は顔料が析出、凝集し、得られる画像の画質および耐水
性が改善される。
【0015】前記カチオン性物質としては、カチオン性
界面活性剤、カチオン性高分子および多価金属塩からな
る群より選ばれる少なくとも1つであることが望まし
い。また、前記アニオン性物質としては、アニオン性基
を有する水溶性染料であることが望ましく、さらに、ア
ニオン性化合物であることが望ましい。
【0016】本発明においては、前記記録媒体が、さら
に無機微粒子を含むことが望ましく、当該無機微粒子
が、二酸化珪素および/または炭酸カルシウムであるこ
とが望ましい。前記記録媒体に無機微粒子を含ませるこ
とにより、さらに良好な乾燥性および画質が得られる。
【0017】以上のインクジェット記録方法を適用した
本発明のインクジェット記録装置、すなわち、記録媒体
を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される
前記記録媒体に対しインクを吐出して画像を記録するイ
ンクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘ
ッドに画像信号を入力する画像信号入力手段と、を備え
るインクジェット記録装置において、前記記録媒体が、
1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチル)プロパン、
単糖類、オリゴ糖類および糖アルコール類からなる群よ
り選ばれる少なくとも1つの有機物質を含有し、前記イ
ンクが、少なくとも色材、水溶性有機溶媒および水から
なる、ことを特徴とするインクジェット記録装置は、画
像形成後の前記記録媒体のカールおよびカクルを緩和、
抑制することができる。
【0018】そして、本発明のインクジェット記録装置
において、記録媒体がさらにカチオン性物質を含み、か
つ、インクがさらにアニオン性物質を含むこととすれ
ば、カール抑制およびカクル抑制効果がさらに向上する
とともに、得られる画像の画質および耐水性が改善され
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [記録媒体]まず、本発明における記録媒体について説
明する。 1.記録媒体の構成 (特定の有機物質)本発明において、記録媒体は特定の
有機物質、すなわち、1,1,1−トリス(ヒドロキシ
ルメチル)プロパン、単糖類、オリゴ糖類および糖アル
コール類からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機
物質を含む。
【0020】単糖類としては、具体的に例えば、D−型
およびL−型のフルクトース、タガトース、ソルポー
ス、リボース、キシロース、アラビノース、リキソー
ス、グルコース、マンノース、アロース、アルトロー
ス、ギュロース、イドース、ガラクトース、タロース、
グロース等が挙げられる。オリゴ糖類としては、例え
ば、マルトース、セロビオース、トレハロース、ゲンチ
オビオース、イソマルトース、ラクトース、スクロー
ス、ショ糖、ラフィノース、ゲンチアノース、スタキオ
ース、キシラン等が挙げられる。
【0021】糖アルコールとしては、例えば、テトリト
ール、D−エリトリトール、L−エリトリトール、D−
アラビニトール、L−アラビニトール、キシリトール、
アドニトール、リビトール、D−ソルビトール、アリト
ール、D−マンニトール、D−イジトール、D−タリト
ール、ズルシトール、へプチトール等が挙げられる。
【0022】本発明における特定の有機物質として、特
に好ましくは、1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチ
ル)プロパン、D−およびL−型のグルコース、キシリ
トールである。上記特定の有機物質は、単独で使用して
も、あるいは、二種類以上を混合して使用してもよい。
上記特定の有機物質の記録媒体中における含有量として
は、0.5〜50g/m2であることが好ましく、より
好ましくは5〜30g/m2の範囲である。
【0023】(カチオン性物質)本発明における記録媒
体には、既述の如くカチオン性物質を含むことが好まし
い。ここで、本発明における「カチオン性物質」とは、
水中で電離して陽イオンとなる物質であり、多価金属塩
や有機陽イオンとなる物質のことを言う。カチオン性物
質としては、具体的には、カチオン性界面活性剤、カチ
オン性高分子、および、多価金属塩を好適なものとして
挙げることができる。
【0024】前記カチオン性界面活性剤としては、例え
ば、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン
塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イ
ミダゾリウム塩およびこれらの誘導体等が挙げられ、例
えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプ
タデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリル
ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリ
ジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムク
ロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、ヘキサデシルジメチルアミン塩酸塩、ヘキサデシル
ピリジニウムクロライド、ステアリルアミンEO付加物
塩酸塩、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド
等が挙げられる。
【0025】これらカチオン性界面活性剤は、単独で用
いても、あるいは、複数を混合して用いてもよい。上記
カチオン性界面活性剤の記録媒体中における添加量とし
ては、0.1〜20g/m2の範囲が好ましく、より好
ましくは1〜10g/m2の範囲である。
【0026】前記カチオン性高分子としては、例えば、
ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリエチレン
イミン、ポリビニルアミン、ポリアルキレンポリアミ
ン、ポリビニルイミダゾリン、キトサン、およびこれら
の塩酸や酢酸等の酸による中和物または部分中和物、ジ
エチレントリアミン重縮合物、N,N−ビスアミノプロ
ピルエチレンジアミン、ジアリルジメチルアンモニウム
クロライド二酸化硫黄共重合体、パーフルオロアルキル
アンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0027】これらカチオン性高分子は、単独で用いて
も、あるいは、複数を混合して用いてもよい。上記カチ
オン性高分子の記録媒体中における添加量としては、
0.5〜30g/m2の範囲が好ましく、より好ましく
は2〜15g/m2の範囲である。
【0028】前記多価金属塩は、二価以上の多価金属イ
オンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンと、
から構成され、かかる構成の多価金属塩の内、水に可溶
であるものを使用することができる。前記多価金属イオ
ンとしては、具体的には例えば、カルシウムイオン、銅
イオン、ニッケルイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イ
オン、バリウムイオン、鉄イオン、アルミニウムイオ
ン、クロムイオン等が挙げられる。前記陰イオンとして
は、具体的には例えば、塩化物イオン、ヨウ化物イオ
ン、臭化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イ
オン、リン酸イオン、塩素酸イオン、酢酸イオン等が挙
げられる。
【0029】前記多価金属塩としては、具体的には、塩
化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウ
ム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、硝酸バリウム、塩
化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝
酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸
銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸
鉄、硝酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨ
ウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウ
ム、酢酸マグネシウム、塩化ニッケル、臭化ニッケル、
硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、塩化亜
鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げ
られる。
【0030】これら多価金属塩は、単独で用いても、あ
るいは、複数種類を混合して用いてもよい。上記多価金
属塩の記録媒体中における添加量としては、0.1〜2
0g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10
g/m2の範囲である。
【0031】(無機微粒子)本発明における記録媒体に
は、既述の如く無機微粒子を含むことが好ましい。当該
無機微粒子としては、用紙の填料および塗工剤等に使用
されるものが挙げられる。具体的には、二酸化珪酸、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー等が
好ましく用いられる。なかでも、より好ましくは二酸化
珪酸、炭酸カルシウムが用いられる。これら無機微粒子
は単独で用いても、あるいは、複数の種類のものを混合
して用いても良い。
【0032】上記無機微粒子の粒子径としては、3μm
以下であることが好ましく、0.1〜1μmの範囲であ
ることがより好ましい。上記無機微粒子の記録媒体中に
おける添加量としては、0.5〜20g/m2の範囲が
好ましく、より好ましくは2〜10g/m2の範囲であ
る。
【0033】(基材)本発明における記録媒体は、基材
に上記各成分が含有されて構成される。基材としては、
普通紙、酸性紙、コート紙、はがき等を挙げることがで
きる。
【0034】2.記録媒体の製造 本発明における記録媒体には、以上の如き特定の有機物
質が含有され、さらに必要に応じてカチオン性物質およ
び無機微粒子が含有される。これら各成分は、記録媒体
の基材中に含浸させても、記録媒体の基材の画像を記録
する側の表面に塗工してもよい。また、記録媒体がコー
ト紙である場合には、当該コート材料中に含ませてもよ
い。
【0035】基材へ、特定の有機物質、さらに必要に応
じてカチオン性物質および無機微粒子を含浸させるに
は、製紙工程中これら成分を添加することにより、ある
いは、これら成分を水等の溶媒に溶かした液に基材を浸
漬させることにより行うことができる。
【0036】基材の画像を記録する側の表面に、特定の
有機物質、さらに必要に応じてカチオン性物質および無
機微粒子を塗工するには、これら成分を水等の溶媒に溶
かした塗布液を調製し、当該塗布液を浸漬塗布方式、ロ
ーラー塗布方式、ハケ塗布方式、フローコート方式、ス
プレー塗布方式、インクジェット記録方式、あるいは、
静電塗布方式等の方法を用いて、基材に塗布することに
より行うことができる。
【0037】記録媒体がコート紙である場合には、当該
コート紙の製紙工程中これら成分をコート材料中に含ま
せた上で、当該コート材料で基紙を塗工すればよい。特
定の有機物質、さらに必要に応じてカチオン性物質およ
び無機微粒子を含む、浸漬用の液、塗布液、コート材料
中のこれら成分の濃度は、浸漬・塗工等の各条件を勘案
した上で、処理後記録媒体に含まれる量が既述の量の範
囲になるように適宜設定すればよい。
【0038】[インク]次に、本発明におけるインクに
ついて説明する。 1.インクの構成 (水溶性有機溶媒)本発明におけるインクに使用される
水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジ
オール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン
等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体、ピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシル
ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、エ
タノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、ベンジルアルコール等のアルコール類、あるいは、
チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、
ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒、炭酸プロピレ
ン、炭酸エチレン、1,1,1−トリス(ヒドロキシル
メチル)プロパン、単糖類、オリゴ糖類、糖アルコール
類等を用いることが出来る。
【0039】これら水溶性有機溶媒は、単独で使用して
も、あるいは、二種類以上を混合して使用してもよい。
本発明におけるインク中の前記水溶性有機溶剤の含有量
については特に制限はないが、インク全重量の1〜60
重量%であることが好ましく、より好ましくは、インク
全重量の5〜40重量%である。
【0040】(水)本発明におけるインクに使用される
水は、一般の水が全て用いられるが、特に不純物が混入
することを防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留
水、限外濾過水を使用することが好ましい。
【0041】(色材)本発明におけるインクに使用され
る色材は、染料であっても顔料であっても構わない。本
発明におけるインクに使用可能な染料としては、直接染
料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分
散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、油
性染料等いずれも挙げることができる。本発明において
好ましい染料は、水溶性アニオン性染料である。
【0042】水溶性アニオン性染料としては、具体的に
は例えば、C.I.ダイレクトブラック−2,−4,−
9,−11,−17,−19,−22,−32,−8
0,−151,−154,−168,−171,−19
4,−195;
【0043】C.I.ダイレクトブルー−1,−2,−
6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,
−78,−86,−112,−142,−165,−1
99,−200,−201,−202,−203,−2
07,−218,−236,−287,−307;
【0044】C.I.ダイレクトレッド−1,−2,−
4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−
28,−31,−33,−37,−39,−51,−5
9,−62,−63,−73,−75,−80,−8
1,−83,−87,−90,−94,−95,−9
9,−101,−110,−189,−227;
【0045】C.I.ダイレクトバイオレット−2,−
5,−9,−12,−18,−25,−37,−43,
−66,−72,−76,−84,−92,−107;
C.I.ダイレクトイエロー−1,−2,−4,−8,
−11,−12,−26,−27,−28,−33,−
34,−41,−44,−48,−58,−86,−8
7,−88,−132,−135,−142,−14
4,−173;
【0046】C.I.フードブラック−1,−2;C.
I.アシッドブラック−1,−2,−7,−16,−2
4,−26,−28,−31,−48,−52,−6
3,−107,−112,−118,−119,−12
1,−156,−172,−194,−208;C.
I.アシッドブルー−1,−7,−9,−15,−2
2,−23,−27,−29,−40,−43,−5
5,−59,−62,−78,−80,−81,−8
3,−90,−102,−104,−111,−18
5,−249,−254;
【0047】C.I.アシッドレッド−1,−4,−
8,−13,−14,−15,−18,−21,−2
6,−35,−37,−52,−110,−144.−
180,−249,−257;C.I.アシッドイエロ
ー−1,−3,−4,−7,−11,−12,−13,
−14,−18,−19,−23,−25,−34,−
38,−41,−42,−44,−53,−55,−6
1,−71,−76,−78,−79,−122等や、
下記一般式(I)あるいは一般式(II)で表される構造
の染料が挙げられる。
【0048】・一般式(I)
【化1】
【0049】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に下
記の式(1)または式(2)で表される基を表し、Yお
よびZはそれぞれ独立に水素原子または−SO3Mを表
す。また、Mは対イオンを表し、アルカリ金属イオン、
アンモニウムイオン、および置換アンモニウムイオンか
らなる群から選ばれるイオンである。)
【0050】
【化2】
【0051】(式中、A、EおよびGはそれぞれ独立に
水素原子、アルキル基、−OH、および−COOMから
なる群から選択される基を表す。J、L、QおよびWは
それぞれ独立に水素原子、−OH、−NH2、および−
SO3Mからなる群から選択される基を表す。また、M
は対イオンを表し、アルカリ金属イオン、アンモニウム
イオン、および置換アンモニウムイオンからなる群から
選ばれるイオンである。)
【0052】・一般式(II)
【化3】
【0053】(式中、Yは、水素原子、メチル基、メト
キシ基、アセチルアミノ基、またはニトロ基を表し、ベ
ンゼン環Aの3位の炭素原子と共に更にベンゼン環を形
成してもよい。Xは、アセチル基、ベンゾイル基、パラ
トルエンスルホニル基、または4−クロル−6−ヒドロ
キシ−1,3,5−トリアジン−2−イル基を表す。M
4、M5、およびM6は対イオンを表し、各々、アルカリ
金属、アンモニウムおよびアミン類の中から選択される
塩基である。)
【0054】これら染料は、単独で用いても、あるい
は、複数種類のものを混合して用いてもよい。本発明に
おけるインク中のこれら染料の含有割合は、インク全重
量に対し0.1〜10重量%の範囲が好ましく、より好
ましくは1〜8重量%の範囲である。
【0055】本発明におけるインクに使用可能な顔料と
しては、有機顔料、無機顔料、いずれも挙げることがで
きる。具体的には、黒色では、ファーネスブラック、ラ
ンプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラッ
ク等のカーボンブラック顔料等が挙げられ、例えばRa
ven7000、Raven5750、Raven52
50、Raven5000 ULTRAII、 Rav
en 3500、Raven2000、Raven15
00、Raven1250、Raven1200、Ra
ven1190ULTRAII、Raven1170、
Raven1255、Raven1080、Raven
1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Reg
al400R、Regal330R、Regal660
R、Mogul L、Black Pearls L、
Monarch 700、Monarch 800、M
onarch 880、Monarch 900、Mo
narch 1000、Monarch 1100、M
onarch 1300、Monarch 1400
(以上キャボット社製)、Color Black F
W1、ColorBlack FW2、Color B
lack FW2V、Color Black 18、
Color Black FW200、Color B
lackS150、Color Black S16
0、Color Black S170、Printe
x35、 PrintexU、 PrintexV、
Printex140U、Printex140V、S
pecial Black6、Special Bla
ck 5、Special Black 4A、Spe
cial Black4(以上デグッサ社製)、Nお
o.25、No.33、No.40、No.47、N
o.52、No.900、No.2300、MCF−8
8、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三
菱化学社製)等を使用することが出来るが、これらに限
定されるものではない。
【0056】シアン色では、C.I.Pigment
Blue−1、C.I.Pigment Blue−
2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.
Pigment Blue−15、C.I.Pigme
nt Blue−15:1、C.I.Pigment
Blue−15:3、C.I.Pigment Blu
e−15:34、C.I.Pigment Blue−
16、C.I.Pigment Blue−22、C.
I.Pigment Blue−60等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0057】マゼンタ色では、C.I.Pigment
Red−5、C.I.Pigment Red−7、
C.I.Pigment Red−12、C.I.Pi
gment Red−48、C.I.Pigment
Red−48:1、C.I.Pigment Red−
57、C.I.Pigment Red−112、C.
I.Pigment Red−122、C.I.Pig
ment Red−123、C.I.Pigment
Red−146、C.I.Pigment Red−1
68、C.I.Pigment Red−184、C.
I.Pigment Red−202等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0058】イエロー色では、C.I.Pigment
Yellow−1、C.I.Pigment Yel
low−2、C.I.Pigment Yellow−
3、C.I.Pigment Yellow−12、
C.I.Pigment Yellow−13、C.
I.Pigment Yellow−14 、C.I.
Pigment Yellow−16、C.I.Pig
ment Yellow−17、C.I.Pigmen
t Yellow−73、C.I.PigmentYe
llow−74、C.I.Pigment Yello
w−75、C.I.Pigment Yellow−8
3、C.I.Pigment Yellow−93、
C.I.Pigment Yellow−95、C.
I.Pigment Yellow−97、C.I.P
igment Yellow−98、C.I.Pigm
ent Yellow−114、C.I.Pigmen
t Yellow−128、C.I.Pigment
Yellow−129、C.I.Pigment Ye
llow−151、C.I.Pigment Yell
ow−154等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0059】黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原
色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、
金、銀色等の金属光沢顔料、無色または淡色の体質顔
料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。ま
た、本発明のために、新たに合成した顔料でもよい。
【0060】これら顔料は、単独で用いても、あるい
は、複数種類のものを混合して用いてもよい。本発明に
おいてインクに用いられる顔料は、インク全重量に対し
0.5〜20重量%の範囲が好ましく、より好ましくは
2〜10重量%の範囲で使用される。
【0061】(顔料分散剤)本発明におけるインクに顔
料を使用した場合、併せて顔料分散剤を用いることが望
ましい。本発明におけるインクに使用可能な顔料分散剤
としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチ
オン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活
性剤等が挙げられる。
【0062】前記高分子分散剤としては、親水性構造部
と疎水性構造部とを有する重合体であれば有効に使用で
きる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体と
しては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。縮
合系重合体としては公知のポリエステル系分散剤が挙げ
られる。付加重合体としてはα,β−エチレン性不飽和
基を有するモノマーの付加重合体が挙げられる。親水基
を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマー
と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する
モノマーを適宜組み合わせて共重合することにより目的
の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,
β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体
も用いることができる。
【0063】親水基を有するα,β−エチレン性不飽和
基を有するモノマーとしては、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、水酸基、りん酸基等を有するモノマー、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸
モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニル
ナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタ
クリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエ
チルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルア
シドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げら
れる。
【0064】疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和
基を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシ
クロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘
導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタク
リル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエ
ステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジ
アルキルエステル等が挙げられる。
【0065】好ましい共重合体の例としては、スチレン
−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸
共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン
−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸
共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、
ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸ア
ルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸ア
ルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メ
タクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、
スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共
重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メ
タクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘ
キシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられ
る。またこれらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水
酸基を有するモノマーを適宜共重合させてもよい。
【0066】共重合体は、ランダム、ブロック、および
グラフト共重合体等いずれの構造でもよい。また、ポリ
スチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアルギン酸、ポリオキ
シエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレ
ンブロックコポリマー、ナフタレンスルホン酸のホルマ
リン縮合物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミ
ン、ポリアミン類、ポリアミド類、ポリビニルイミダゾ
リン、アミノアルキルアクリレート・アクリルアミド共
重合体、キトサン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキ
シメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等の
セルロース誘導体、多糖類とその誘導体等も使用でき
る。
【0067】特に限定するわけではないが、顔料分散剤
の親水基は酸性基であることが好ましく、更に好ましく
は、顔料分散剤の親水基はカルボン酸またはカルボン酸
の塩である。これは、カルボキシル基が多価金属イオン
と架橋構造を形成し、顔料が適度な凝集構造を取るため
であると考えられる。
【0068】これらの重合体の内、親水基が酸性基であ
る重合体は、水溶性を高めるため、塩基性の化合物との
塩の状態で使用することが好ましい。これらの重合体と
塩を形成する化合物としては、ナトリウム、カリウム、
リチウム等のアルカリ金属類、モノメチルアミン、ジメ
チルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン類、モ
ノメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン等のアルコールアミン類、アンモニア等が使用
できる。好ましくは、ナトリウム、カリウム、リチウム
等のアルカリ金属類の塩基性化合物が使用される。これ
は、アルカリ金属類の塩基性化合物が強電解質であり、
酸性基の解離を促進する効果が大きいからである。
【0069】顔料分散剤の中和量としては、共重合体の
酸価に対して50%以上中和されていることがより好ま
しく、更に好ましくは、共重合体の酸価に対して80%
以上中和されていることである。
【0070】これら顔料分散剤は、単独で用いても、二
種類以上用いても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔
料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に
顔料に対し、合計で0.1〜100重量%、好ましくは
1〜70重量%、さらに好ましくは3〜50重量%の割
合で添加される。
【0071】(アニオン性物質)さらに、本発明におけ
るインクには、既述の如くアニオン性物質を含むことが
好ましい。既述の記録媒体中のカチオン性物質と、当該
インク中のアニオン性物質の相互作用により、カールお
よびカクルの抑制効果がさらに向上し、また、画質およ
び耐水性も改善される。ここで、本発明における「アニ
オン性物質」とは、水中で電離して、有機陰イオンとな
る物質のことを言う。前記アニオン性物質を使用する形
態としては、インクがアニオン性基を有する染料、また
は顔料とアニオン性化合物を含むことが好ましい。
【0072】本発明におけるインクに使用されるアニオ
ン性化合物としては、前述の顔料分散剤であってもよい
し、顔料分散剤がアニオン性化合物でない場合、顔料分
散剤とは別のアニオン性化合物を添加しても良い。ま
た、顔料粒子表面自体にカルボン酸基、スルホン酸基等
のアニオン基が直接導入されていない場合、あるいは顔
料分散剤が、アニオン性化合物である場合でも、更にア
ニオン性化合物を添加してもよい。
【0073】当該アニオン性化合物としては、例えば、
カルボン酸、スルホン酸等の酸およびこれらの誘導体、
アニオン性ポリマーエマルジョン等が挙げられる。前記
カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、乳酸、酒石酸、安息香酸、アクリル
酸、クロトン酸、ブテン酸、メタクリル酸、チグリン
酸、アリル酸、2−エチル−2−ブテン酸、蓚酸、マロ
ン酸、こはく酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、
メチルマレイン酸、グリセリン酸等のカルボン酸および
それらの重合体、さらに誘導体等が挙げられる。また、
これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩等を用いることもできる。
【0074】前記スルホン酸の具体例としては、ベンゼ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン
酸、ベンゼンジスルホン酸、ベンゼントリスルホン酸、
ヒドロキシベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホ
ン酸、ブロモベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシ−
1,3−ベンゼンジスルホン酸、4,5−ジヒドロキシ
ベンゼン−1,3−ジスルホン酸ナトリウム、o−アミ
ノベンゼンスルホン酸等のスルホン酸、およびそれらの
誘導体、また、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0075】これらのアニオン性化合物は、単独で用い
ても、あるいは、複数種類のものを混合して用いてもよ
い。本発明におけるインクに用いられるアニオン性化合
物は、インク全重量に対し0.1〜10重量%の範囲が
好ましく、より好ましくは0.3〜5重量%の範囲で使
用される。
【0076】(界面活性剤)また、本発明におけるイン
クには、インクの表面張力および濡れ性を調節するた
め、あるいは、有機不純物を可溶化し、インクジェット
ノズルからの噴射の信頼性を向上するため等の理由か
ら、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ま
たはアニオン性界面活性剤を添加することができる。こ
れら界面活性剤は、単独で用いても、あるいは、複数種
類のものを混合して用いてもよい。界面活性剤の添加量
は、インク全重量に対し、5重量%以下であることが好
ましく、より好ましくは0.01〜3重量%の範囲で使
用される。
【0077】(その他の成分)本発明におけるインクに
は、上記の成分の他、インクの特性制御のため、ポリエ
チレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレング
リコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース等のセルロース誘導体、その他水溶性ポリマー;ア
クリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマル
ション等のポリマーエマルション;シクロデキストリ
ン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル
類、尿素およびその誘導体、アセトアミド等を添加する
ことができる。
【0078】また、本発明におけるインクには、導伝
率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物;
水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチ
ル−1−プロパノール等の含窒素化合物;水酸化カルシ
ウム等のアルカリ土類金属類の化合物;硫酸、塩酸、硝
酸等の酸;硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩
等を使用することができる。
【0079】その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止
剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、お
よびキレート化剤さらに水溶性染料、分散染料、油溶性
染料等も添加することができる。
【0080】2.インクの調製 以上の如き構成のインクを調製するには、染料インクの
場合には、上記各成分を混合し、十分に攪拌することに
より行われ、顔料インクの場合には、例えば、必要に応
じて顔料分散剤が所定量入った水溶液に所定量の顔料を
添加し、十分撹拌後、分散機を用いて分散を行い、遠心
分離等で粗大粒子を除いた後、所定の溶媒、添加剤等を
加えて撹拌混合、および濾過することにより行われる。
また、顔料インクを調製する際には、顔料の濃厚分散体
を作製し、インク調整時に希釈する方法も使用できる。
また、顔料の分散工程の前に顔料の粉砕工程を設けても
よい。
【0081】分散機は、市販のものいずれを用いてもよ
く、例えば、コロイドミル、フロージェットミル、スラ
ッシャーミル、ハイスピードディスパーザー、ボールミ
ル、アトライター、サンドミル、サンドグラインダー、
ウルトラファインミル、アイガーモーターミル、ダイノ
ーミル、パールミル、アジテータミル、コボルミル、3
本ロール、2本ロール、エクストリューダー、ニーダ
ー、マイクロフルイダイザー、ラボラトリーホモジナイ
ザー、超音波ホモジナイザー等があり、これらを単独で
用いても、組み合せて用いてもよい。あるいは、所定の
溶媒、水、顔料分散剤を混合後、顔料を添加して、分散
機を用いて分散させてもよい。また、無機不純物の混入
を防ぐため、分散媒体を使用しない分散方法を用いるこ
とが好ましく、マイクロフルイダイザーや超音波ホモジ
ナイザー等の使用が適している。
【0082】特に限定するものではないが、インクのp
Hの範囲は好ましくは3〜11、より好ましくはpH
4.5〜9.5の範囲である。また、顔料表面にアニオ
ン性遊離基を持つインクにおいてpHは、好ましくは6
〜11の範囲、より好ましくは6〜9.5の範囲、更に
好ましくは7.5〜9.0の範囲である。一方、顔料表
面にカチオン性遊離基を持つインクにおいてpHは、好
ましくは4.5〜8.0の範囲、より好ましくは4.5
〜7.0の範囲である。
【0083】[インクジェット記録方法]本発明のイン
クジェット記録方法は、以上説明した記録媒体に対し、
以上説明したインクを付着させて、前記記録媒体表面に
記録画像を形成することを特徴とするものである。イン
クジェット記録方法は、より詳しくは、記録信号に応じ
てインクの液滴をオリフィスから吐出させて被記録媒体
上に画像を形成するものである。
【0084】インクジェット記録方法に用いられる記録
方法としては、静電誘引力を利用してインクを吐出させ
るいわゆる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用
してインクを吐出させるいわゆる圧力パルス方式、およ
びインクを加熱して気泡を形成、成長させることにより
生じる圧力を利用してインク液滴を形成するいわゆるサ
ーマルインクジェット方式等を挙げることができる。こ
れらの中でも特にフルカラー画像を小型で安価に提供で
きる点で、サーマルインクジェット方式が好ましい。
【0085】[インクジェット記録装置]本発明のイン
クジェット記録装置は、記録媒体を搬送する搬送手段
と、前記搬送手段により搬送される前記記録媒体に対し
インクを吐出して画像を記録するインクジェット記録ヘ
ッドと、前記インクジェット記録ヘッドに画像信号を入
力する画像信号入力手段と、を備えるインクジェット記
録装置に、上記本発明のインクジェット記録方法を適用
したものである。
【0086】すなわち、かかる構造のインクジェット記
録装置において、記録媒体およびインクを、前述の如き
本発明における記録媒体およびインクとすることによ
り、本発明のインクジェット記録装置が構成される。本
発明のインクジェット記録装置における搬送手段、イン
クジェット記録ヘッド、および、画像信号入力手段につ
いては、従来公知のあらゆるものを使用することがで
き、いずれにしても、前述の如き本発明における記録媒
体およびインクを使用することにより、本発明の効果が
発揮される。
【0087】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に
説明する。 [記録媒体の製造] (記録媒体−1)下記に示す成分を混合し、溶解させる
ことにより得られる記録媒体塗布液に、FX−L紙(富
士ゼロックス社製)を浸漬塗布させ、自然乾燥すること
により、記録媒体−1を得た。記録媒体−1における特
定の有機物質の含有量は20g/m2であった。 <記録媒体塗布液成分> ・D−マンノース(特定の有機物質): 30重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0088】(記録媒体−2)下記に示す成分を混合
し、溶解させることにより得られる記録媒体塗布液に、
FX−L紙(富士ゼロックス社製)を浸漬塗布させ、自
然乾燥することにより、記録媒体−2を得た。記録媒体
−2における特定の有機物質の含有量は15g/m2
カチオン性物質の含有量は5g/m2であった。 <記録媒体塗布液成分> ・D−キシロース(特定の有機物質): 30重量部 ・キトサンオリゴ糖類乳酸塩(カチオン性物質): 10重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0089】(記録媒体−3)下記に示す成分を混合
し、溶解させることにより得られる記録媒体塗布液に、
FX−L紙(富士ゼロックス社製)を浸漬塗布させ、自
然乾燥することにより、記録媒体−3を得た。記録媒体
−3における特定の有機物質の含有量は18g/m2
カチオン性物質の含有量は4g/m2、無機微粒子の含
有量は6g/m2であった。 <記録媒体塗布液成分> ・キシリトール(特定の有機物質): 30重量部 ・ポリアリルアミン(カチオン性物質、分子量約1,000): 8重量部 ・軽質炭酸カルシウム(無機微粒子、商品名:PC、白石工業社製): 10重 量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0090】(記録媒体−4)下記に示す成分を混合
し、溶解させることにより得られる記録媒体塗布液に、
FX−L紙(富士ゼロックス社製)を浸漬塗布させ、自
然乾燥することにより、記録媒体−4を得た。記録媒体
−4における特定の有機物質の含有量は18g/m2
カチオン性物質の含有量は合計で5g/m2、無機微粒
子の含有量は6g/m2であった。 <記録媒体塗布液成分> ・1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチル)プロパン(特定の有機物質): 30重量部 ・ヘキサデシルジメチルアミン塩酸塩(カチオン性物質): 6重量部 ・硝酸カルシウム(カチオン性物質): 2重量部 ・非晶質微粉シリカ(無機微粒子、商品名:ファインシール、トクヤマ社製): 10重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0091】(記録媒体−5)下記に示す成分を混合
し、溶解させることにより得られる記録媒体塗布液に、
FX−L紙(富士ゼロックス社製)を浸漬塗布させ、自
然乾燥することにより、記録媒体−5を得た。記録媒体
−5における特定の有機物質の含有量は18g/m2
カチオン性物質の含有量は合計で6g/m2、無機微粒
子の含有量は5g/m2であった。 <記録媒体塗布液成分> ・グルコース(特定の有機物質): 30重量部 ・ポリアリルアミン塩酸塩(カチオン性物質、分子量約10,000): 8重 量部 ・軽質炭酸カルシウム(無機微粒子、商品名:Brilliant−15: 白 石工業社製): 10重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0092】(記録媒体−6)下記に示す成分を混合
し、溶解させることにより得られる記録媒体塗布液に、
FX−L紙(富士ゼロックス社製)を浸漬塗布させ、自
然乾燥することにより、記録媒体−6を得た。記録媒体
−6におけるグリセリンの含有量は20g/m2であっ
た。 <記録媒体塗布液成分> ・グリセリン: 30重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0093】(記録媒体−7)下記に示す成分を混合
し、溶解させることにより得られる記録媒体塗布液に、
FX−L紙(富士ゼロックス社製)を浸漬塗布させ、自
然乾燥することにより、記録媒体−7を得た。記録媒体
−7におけるジエチレングリコールの含有量は28g/
2であった。 <記録媒体塗布液成分> ・ジエチレングリコール: 30重量部 ・界面活性剤(サーフィノール465/日信化学社製): 1重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0094】[インクの調製](インク−1〜インク−
4)以下に示す組成の成分を混合し、溶解させた後に、
0.45μmフィルターで加圧ろ過することにより、イ
ンク−1〜インク−4を調製した。 <インク−1の組成> ・C.I.ダイレクトブラック17(アニオン性基を有する水溶性染料): 5 重量部 ・グリセリン: 10重量部 ・界面活性剤(ノニオンE−230/日本油脂社製): 0.03重量部 ・イソプロピルアルコール: 3重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0095】 <インク−2の組成> ・C.I.アシッドブルー9(アニオン性基を有する水溶性染料): 5重量部 ・ジエチレングリコール: 20重量部 ・ブチルカルビトール: 5重量部 ・尿素: 6重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0096】 <インク−3の組成> ・C.I.アシッドレッド52(アニオン性基を有する水溶性染料): 5重量 部 ・エチレングリコール : 20重量部 ・界面活性剤(サーフィノール465/日信化学社製): 0.5重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0097】 <インク−4の組成> ・C.I.ダイレクトイエロー86(アニオン性基を有する水溶性染料): 3 重量部 ・1,5−ペンタンジオール: 20重量部 ・界面活性剤(ノニオンE−215/日本油脂社製): 1重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0098】(インク−5)カーボンブラック(Bla
ck Pearls L,キャボット社製)にスチレン
−マレイン酸共重合体のナトリウム中和塩を3重量部加
え、更に、イオン交換水を加えた。この液を超音波ホモ
ジナイザーを用いて分散し、遠心分離装置で、遠心分離
をし、残渣部分を除去した。この上澄み液を1μmのフ
ィルターに通過させて、分散液を得た。
【0099】適量の前記分散液に、グリセリン、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、界面活性剤、イソ
プロピルアルコール、イオン交換水、水酸化ナトリウム
を適量加え、カーボンブラック濃度が5重量%となるよ
うに調整した。これを、混合、攪拌し、1μmのフィル
ターを通過させることにより、下記組成成分からなるイ
ンク−5を得た。
【0100】 <インク−5の組成> ・カーボンブラック(Black Pearls L/キャボット社製): 5 重量部 ・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体: 0.3重量部 ・グリセリン: 10重量部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル: 5重量部 ・界面活性剤(ノニオン E−230/日本油脂社製): 0.03重量部 ・イソプロピルアルコール: 3重量部 ・イオン交換水: 残部 計100重量部
【0101】[実施例1〜10および比較例1〜6]下
記表1に示す記録媒体およびインクの組み合わせで、熱
インクジェット記録装置により印字した。なお、表中
「普通紙」とあるのは、FX−L紙(富士ゼロックス社
製)である。また、熱インクジェット記録装置として
は、400dpi、160ノズルの試作評価装置(以
下、単に「試作インクジェット記録装置」という。)を
用い、各記録媒体に各インクを噴射させて印字を行っ
た。
【0102】[評価方法]試作インクジェット記録装置
のインクカートリッジに、各インクを充填し、100%
カバレッジパターンおよびラインパターンを各記録媒体
に印字し、一般環境下(温度23±0.5℃、湿度55
±5%RH)に24時間放置した。得られた100%カ
バレッジパターンが印字された記録媒体を使用して、カ
ールおよび耐水性の評価を行い、ラインパターンが印字
された記録媒体を使用して、画像滲みの評価を行った。
カクルおよび乾燥性の評価には、印字直後の100%カ
バレッジパターンが印字された記録媒体を用いた。ま
た、以下特に記載が無い場合、印字および評価は一般環
境下(温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H)で
行った。
【0103】<カールの評価>100%カバレッジパタ
ーンが印字された記録媒体を平面に置き、4角のめくり
上がった高さを測定し、その平均値で評価を行った。評
価基準は以下の通りである。 ◎:5mm未満 ○:5mm以上10mm未満 △:10以上20mm未満 ×:20mm以上
【0104】<カクルの評価>印字直後の100%カバ
レッジパターンが印字された記録媒体に生じたしわの高
さを測定し、評価を行った。評価基準は以下の通りであ
る。 ○:1mm未満 △:1mm以上3mm未満 ×:3mm以上
【0105】<画像滲みの評価>ラインパターンが印字
された記録媒体について、滲みの程度を予め定めておい
た限度見本に照合し、画像滲みの官能評価を行った。評
価基準は以下の通りである。 ○:滲みなし △:わずかに滲みが認められるが許容範囲 ×:滲みあり
【0106】<耐水性の評価>100%カバレッジパタ
ーンが印字された記録媒体について、当該100%カバ
レッジパターン部の光学濃度をエックスライト404
(エックスライト社製)を用いて測定した。その後、水
に3分間浸漬し、それを取り出し、乾燥させた。再び上
記同様に光学濃度を測定し、前記100%カバレッジパ
ターン部の濃度残存率を求め耐水性の指標とした。評価
基準は以下の通りである。 ○: 濃度残存率90%以上 △: 濃度残存率70%以上90%未満 ×: 濃度残存率70%未
【0107】<乾燥性の評価>印字直後の100%カバ
レッジパターンが印字された記録媒体について、印字画
像の上からFX−L紙(富士ゼロックス社製)を重ね、
さらに上から100g/m2の荷重をかけ、重ねた紙に
インクが転写されなくなるまでの時間(印字から紙を重
ねるまでの時間)を測定し、以下の基準で評価した。 ○:5秒以下 △:5秒以上10秒未満 ×:10秒以上
【0108】以上の各評価の結果を下記表1にまとめて
示す。
【0109】
【表1】
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録方法およびインクジェット記録装置によれ
ば、記録媒体に特定の有機物質を含ませることで、カー
ルおよびカクルを緩和、抑制することができる。また、
記録媒体がさらにカチオン性物質を、インクがさらにア
ニオン性物質を、それぞれ含むものとすることにより、
カールおよびカクルをより一層緩和、抑制し得るととも
に、優れた画質、耐水性および乾燥性を有する記録画像
を形成し得るインクジェット記録方法およびインクジェ
ット記録装置を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 孝次 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 橋本 健 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FC01 FC06 2H086 BA02 BA31 BA53 BA55 4J039 AB01 BA04 BA29 BC05 BC06 BC07 BC09 BC12 BC13 BC16 BC19 BC29 BC33 BC35 BC36 BC39 BC50 BC52 BC54 BC55 BC64 BC73 BC77 BC79 BE03 BE04 BE05 BE06 BE07 BE08 BE12 CA03 CA06 EA10 EA15 EA16 EA17 EA18 EA19 EA20 EA21 EA38 EA42 GA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,1,1−トリス(ヒドロキシルメチ
    ル)プロパン、単糖類、オリゴ糖類および糖アルコール
    類からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機物質を
    含有する記録媒体に対し、少なくとも色材、水溶性有機
    溶媒および水からなるインクを付着させて、前記記録媒
    体表面に記録画像を形成することを特徴とするインクジ
    ェット記録方法。
  2. 【請求項2】 記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬
    送手段により搬送される前記記録媒体に対しインクを吐
    出して画像を記録するインクジェット記録ヘッドと、前
    記インクジェット記録ヘッドに画像信号を入力する画像
    信号入力手段と、を備えるインクジェット記録装置にお
    いて、 前記記録媒体が、1,1,1−トリス(ヒドロキシルメ
    チル)プロパン、単糖類、オリゴ糖類および糖アルコー
    ル類からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機物質
    を含有し、 前記インクが、少なくとも色材、水溶性有機溶媒および
    水からなる、ことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
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