JP2005262576A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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勲一 山下
Takeshi Hashimoto
健 橋本
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Abstract

【課題】 特にヘッドが往復スキャンするタイプの印字で画像を形成するインクジェット記録方式において、双方向印字時の画像差や乾燥時間差の発生のないインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置を提供することである。
【解決手段】 少なくともインク及び液体組成物を含む2種以上の液体を有するインクジェット用インクセットを用い、前記インク及び液体組成物が互いに接触するように被記録体上に付与されて、画像が形成されるインクジェット記録方法であって、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量が、一定の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びこれを用いたインクジェット記録装置に関するものである。
ノズル、スリットあるいは多孔質フィルム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録を行う、いわゆるインクジェット記録方式の記録装置は、小型で安価、静寂性を有する等の種々の利点がある。最近では、レポート用紙、コピー用紙等のいわゆる普通紙上に良好な印字品質が得られる黒色の単色プリンタだけではなく、フルカラー記録が行える製品が数多く市販されており、記録装置の分野で大きな位置を占めるようになった。中でも、圧電素子を用いたいわゆるピエゾインクジェット記録方式、あるいは、熱エネルギーを作用させて液滴を形成し、記録を行う、いわゆる熱インクジェット記録方式は、高速印字、高解像度が得られる等、多くの利点を有している。
インクジェット記録装置で用いられるインクは、主に、溶媒、色材、添加剤から構成される。かかるインクに対しては、(1)紙上(被記録体上)で滲むことがなく、高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、(2)紙上においてインクの速乾性が良いこと、(3)画像の堅ろう性が良いこと、(4)長期保存安定性が良いこと、などの要求特性がある。また、近年上市されてきたオフィス向け高速高画質インクジェットプリンターにおいては、両面印字機能が重視されており、特に普通紙を用いた場合に顕著である、記録媒体のカール・カクルを緩和、抑制することが要求特性として挙げられている。
画質、乾燥性の改善方法として、黒色インクと反応性のカラーインクまたは反応液との反応を利用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしこの方法で黒色画像部を形成した場合、往復一括印字時に黒色インクとカラーインクまたは反応液との印字順が変わり、例えば先にカラーインクまたは反応液を付与した時にはいわゆるモットリング(粒状性のむら)が発生するなど、往復で画像が異なってしまう問題がある。
また、往復印字で後に付与されるインク付与量を先に付与するインク付与量より多くすることにより、2次色双方向での色差を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法は、先に付与されるインク付与量が後に付与されるインク付与量より少ないため、基本的に反応系での往復画質改善とは異なるものである。
さらに、画像を有色インク、プリント性向上液、有色インクの順で重ねて形成することにより、双方向印字時の色調差を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この方法では有色インク用ヘッドが2種類必要となる、あるいはマルチパス印字となるため、コストや印字スピードの点で不利であった。
特開平6−106735号公報 特開平11−207999号公報 特開平8−281933号広報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、特にヘッドが往復スキャンするタイプの印字で画像を形成するインクジェット記録方式において、双方向印字時の画像差や乾燥時間差の発生のないインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討の結果、上記の課題が本発明により解決されることを見出した。すなわち本発明は、
<1> 少なくとも着色剤を含有するインク、及び、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物を含む、少なくとも2種以上の液体を有するインクジェット用インクセットを用い、前記インク及び液体組成物が互いに接触するように被記録体上に付与されて、画像が形成されるインクジェット記録方法であって、
前記画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a1、b1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a2、b2としたとき、これらが下式(1)に示す関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法である。
2/a2<b1/a1 ・・・ 式(1)
(上記式中a1及びb1はa1>b1、a2及びb2はa2>b2なる関係を各々有する。)
<2> 前記インクの表面張力をγa、前記液体組成物の表面張力をγbとしたとき、γaが20〜60mN/mの範囲、γbが20〜40mN/mの範囲であり、かつ、γa>γbの関係にあり、前記インク及び前記液体組成物が互いに接触するように被記録体上に付与されて形成された画像の乾燥時間が、2秒以下であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<3> 前記インクに含有される着色剤が、少なくとも1種以上の顔料を含むことを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<4> 前記インク及び前記液体組成物が被記録体上に付与されるときの両者の時間差が、20msec未満であることを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<5> 少なくとも着色剤を含有するインク、及び、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物を含む、少なくとも2種以上の液体を有するインクジェット用インクセットを用い、前記インク及び液体組成物が互いに接触するように被記録体上に付与されて、画像が形成されるインクジェット記録方法であって、
前記画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad1、bd1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad2、bd2としたとき、これらが下式(2)に示す関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法である。
d2/ad2<bd1/ad1 ・・・ 式(2)
(上記式中ad1及びbd1はad1>bd1、ad2及びbd2はad2>bd2なる関係を各々有する。)
<6> インクジェット用インクセットにおける各液体を吐出するための記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、
前記インクジェット用インクセットが、少なくとも着色剤を含有するインク、及び、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物を含む、少なくとも2種以上の液体から構成され、前記インクと前記液体組成物とを被記録体上で接触させてなる画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a1、b1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a2、b2としたとき、これらが前記式(1)に示す関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置である。
<7> インクジェット用インクセットにおける各液体を吐出するための記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、
前記インクジェット用インクセットが、少なくとも着色剤を含有するインク、及び、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物を含む、少なくとも2種以上の液体から構成され、前記インクと前記液体組成物とを被記録体上で接触させてなる画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad1、bd1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad2、bd2としたとき、これらが前記式(2)に示す関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明によれば、特にヘッドが往復スキャンするタイプの印字で画像を形成するインクジェット記録方式において、双方向印字時の画像差や乾燥時間差の発生のないインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも着色剤を含有するインク、及び、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物を含む、少なくとも2種以上の液体を有するインクセットを用い、前記インク及び液体組成物が互いに接触するように被記録体上に付与されて、画像が形成されるインクジェット記録方法であって、前記画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a1、b1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a2、b2としたとき、これらが下式(1)に示す関係を満たすことを特徴とする。
2/a2<b1/a1 ・・・ 式(1)
(上記式中a1及びb1はa1>b1、a2及びb2はa2>b2なる関係を各々有する。)
本発明においては、後述するように、少なくとも着色剤を含有するインクと、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物とを接触させて画像形成を行うが、これにより、従来の記録用インクセットに比べて画像品位、画像均一性、色間にじみが改善される。
そして、上記2液の接触により前記インクを凝集させる、及び/または、前記2液の接触境界部分の混合液体を増粘させることを利用する場合には、これらの現象が迅速かつ効率的に起こることが必要となる。
ここで、本発明における前記凝集とは、前記インク及び前記液体組成物を1:1の質量比で混合したとき、この混合液1リットル中に存在する粒径が0.5μm以上の粒子数が1×1010個以上であり、かつ粒径が5μm以上の粒子数が1×108個以上である状態となることをいう。
なお、上記各粒径範囲の粒子数は、Accusizer TM770 optical perticle sizer(perticle sizing system社製)を用いて測定することができる。その測定は、水性インクジェット記録液を2μl秤量し、測定セル中に入れ、所定の測定法に従って行った。なお、測定時に入力するパラメーターとして、分散粒子の密度には、色材の密度を入力した。この装置は、測定部を通過する粒子を光学的手法を用いて検出するものである。
また、本発明における前記増粘とは、前記インク及び液体組成物を1:1の質量比で混合したとき、この混合液の粘度ηa+b、インクの粘度ηa、及び液体組成物の粘度ηbとの間に、下記式(3)に示す関係が成り立つ状態をいう。
ηa+b/(ηa+ηb)>1 ・・・ 式(3)
なお、上記粘度(後述するものを含む)の測定は、回転粘度計レオマット115(Contraves社製)を用い、23℃でせん断速度を1400s-1として行った。
しかし例えば、黒色インク(インク)と反応性カラーインクまたは反応液(液体組成物)とを用い、往復印字のインクジェット記録方式で画像を形成する場合、前記反応性カラーインクまたは反応液を用紙(被記録体)に先に付与する(先打ち)ときには、先に反応性カラーインクまたは反応液が用紙表面を濡らしているところに黒色インクを印字するため、浸透は速くなる一方、先打ち反応性カラーインクの用紙に対する濡れの不均一性から、用紙表面で黒インクの凝集と浸透とが局所的に不均一となり、画像ムラ(モットリング)が目立つようになってしまう。
一方、反応性カラーインクまたは反応液を用紙に後から付与する(後打ち)ときには、黒色インクが用紙表面に載った状態で反応性カラーインクまたは反応液が混合し均一に凝集・浸透するため、画像ムラは出にくいが、浸透速度は遅くなってしまうことがわかった。
この結果から、本発明者らは、インクと該インクを凝集及び/または増粘させる液体組成物とを用い、ヘッドが往復スキャンする印字方式でインクジェット記録を行う場合には、液体組成物を被記録体に付与するタイミングにより、液体組成物の付与量を調節することで画像ムラ及び乾燥性を改善することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、前記の場合、反応性カラーインクまたは反応液を先打ちするときには、反応性カラーインクまたは反応液の付与量を少なくすることで、凝集と浸透とのバランスが最適化され浸透速度を変えることなく画像も保つことができる。逆に、反応性カラーインクまたは反応液を後打ちするときには、反応性カラーインクまたは反応液の付与量を多くすることで、浸透速度を速め画像も保つことができる。
こうして、反応性カラーインクまたは反応液と黒色インクとの印字比率を打ち順によりコントロールすることで、黒色画像部の双方向印字時の画像差や乾燥時間差が改善されることが判明した。
より具体的には、本発明におけるインク及び液体組成物が被記録体上で接触し画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a1、b1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a2、b2としたとき、これらが下式(1)に示す関係を満たすことが必要とされる。
2/a2<b1/a1 ・・・ 式(1)
なお、上記式中a1及びb1はa1>b1、a2及びb2はa2>b2なる関係を各々有しているものとする。また、上記単位面積あたりの付与量とは1m2あたりに付与されたインクの質量(g)をいう。
本発明において、a1は4〜30g/m2の範囲、b1は2〜20g/m2の範囲、a2は4〜30g/m2の範囲、b2は2〜20g/m2の範囲であることが好ましい。
また、前記式(1)におけるb1/a1、b2/a2は、ともに0.1〜1.0の範囲であることが好ましく、0.1〜0.8の範囲であることがより好ましく、0.2〜0.5の範囲であることがさらに好ましい。b1/a1、b2/a2が0.1に満たないと、画像の光学濃度が低い場合がある。また、1.0を超えると、カール、カックルが発生しやすい場合がある。
また、前記ピエゾインクジェット記録方式等のようにドロップ量可変で印字を行うことができるシステムにおいては、前記画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad1、bd1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad2、bd2としたとき、これらが下式(2)に示す関係を満たすことが必要となる。
d2/ad2<bd1/ad1 ・・・ 式(2)
なお、上記式中ad1及びbd1はad1>bd1、ad2及びbd2はad2>bd2なる関係を各々有するものとする。また、上記1ドロップあたりの付与量とは1ドロップの液体の質量(ng)をいう。
本発明において、ad1は0.5〜80ngの範囲、bd1は0.2〜40ngの範囲、ad2は0.5〜80ngの範囲、bd2は0.2〜40ngの範囲であることが好ましい。
そして、前記式(2)におけるbd1/ad1、bd2/ad2は、ともに0.1〜1.0の範囲であることが好ましく、0.1〜0.8の範囲であることがより好ましく、0.2〜0.5の範囲であることがさらに好ましい。bd1/ad1、bd2/ad2が0.1に満たないと、画像の光学濃度が低い場合がある。また、1.0を超えると、カール、カックルが発生しやすい場合がある。
なお、上記のように、ドロップ量を可変することでカバレッジを調整したほうが、間引き印字でカバレッジを調整するよりも画像のインク分布を均一にすることができるため、前述の単位面積あたりのインク付与量を画像処理による間引きパターンで規定した場合に比べより画質を向上させることができる。
(インク)
本発明におけるインクは、少なくとも着色剤を含有するものであり、その他、水、水溶性有機溶媒、及び界面活性剤などを含有し、必要に応じて他の成分を含有してもよい。
上記インクに使用される着色剤は、染料、顔料どちらでも構わないが、特に1種以上の顔料が好ましい。これは、染料に比べて顔料の方が、前記液体組成物との混合時に凝集が生じやすいためであると考えている。また特に、近年オフィスで文字に多用されるブラック画像の要求が高く、インクはブラック(黒色)インクで、かつ、ブラック(黒色)顔料であるカーボンブラックを使用すると耐水性、耐光性も良いことから、記録装置、記録方法として、市場要求を満たす場合が多くなっている。顔料の中でも、顔料が高分子分散剤により分散されている顔料、自己分散可能な顔料、樹脂により被覆された顔料が好ましい。
本発明において使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料では、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色または淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用しても良い。また、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も顔料として使用することも可能である。更には、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
前記顔料の具体例としては、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000ULTRAII、Raven3500、Raven2500ULTRA、Raven2000、Raven1500、Raven1255、Raven1250、Raven1200、Raven1190ULTRAII、Raven1170、Raven1080ULTRA、Raven1060ULTRA、Raven790ULTRA、Raven780ULTRA、Raven760ULTRA(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color BlackS150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Printex 140V、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black4(以上、デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等を使用することができが、これらに限定されるものではない。また、黒色顔料としては、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を用いてもよい。
本発明において使用される水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で安定に分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散可能な顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−250、Cab−o−jet−260、Cab−o−jet−270、Cab−o−jet−300、IJX−444、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2、さらには日本触媒社から販売されている自己分散顔料等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、−2、−3、−15、−15:1、−15:2、−15:3、−15:4、−16、−22、−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−5、−7、−12、−48、−48:1、−57、−112、−122、−123、−146、−168、−184、−202等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
さらにイエロー色の顔料としては、C.I.Pigment Yellow−1、−2、−3、−12、−13、−14、−16、−17、−73、−74、−75、−83、−93、−95、−97、−98、−114、−128、−129、−138、−151、−154、−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また各色着色剤として、着色剤が各種樹脂でカプセル化されたいわゆるカプセル染料・顔料を使用してもよい。
一方、本発明に用いられる染料としては、水溶性染料、分散染料いずれも使用できる。
水溶性染料の具体例としては、C.I.Direct Black−2、−4、−9、−11、−17、−19、−22、−32、−80、−151、−154、−168、−171、−194、−195、C.I.Direct Blue−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−112、−142、−165、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236、−287、−307、C.I.Direct Red−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110、−189、−227、C.I.Direct Yellow−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−58、−86、−87、−88、−132、−135、−142、−144、−173、C.I.Food Black−1、−2、C.I.Acid Black−1、−2、−7、−16、−24、−26、−28、−31、−48、−52、−63、−107、−112、−118、−119、−121、−156、−172、−194、−208、C.I.Acid Blue−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−83、−90、−102、−104、−111、−185、−249、−254、C.I.Acid Red−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−52、−110、−144、−180、−249、−257、−289、C.I.Acid Yellow−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−18、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76、−78、−79、−122などが挙げられる。
分散染料の具体例としては、C.I.Disperse Yellow−3、−5、−7、−8、−42、−54、−64、−79、−82、−83、−93、−100、−119、−122、−126、−160、−184:1、−186、−198、−204、−224、C.I.Disperse Orange−13、−29、−31:1、−33、−49、−54、−66、−73、−119、−163、C.I.Disperse Red−1、−4、−11、−17、−19、−54、−60、−72、−73、−86、−92、−93、−126、−127、−135、−145、−154、−164、−167:1、−177、−181、−207、−239、−240、−258、−278、−283、−311、−343、−348、−356、−362、C.I.Disperse Violet−33、C.I.Disperse Blue−14、−26、−56、−60、−73、−87、−128、−143、−154、−165、−165:1、−176、−183、−185、−201、−214、−224、−257、−287、−354、−365、−368、C.I.Disperse Green−6:1、−9などが挙げられる。
本発明に用いられる着色剤は、インクの全質量に対し1〜15質量%の範囲で含まれることが好ましく、2〜10質量%の範囲で含まれることがより好ましい。液体中の着色剤量が1質量%未満の場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、着色剤量が15質量%よりも多い場合には、液体の噴射特性が不安定となる場合ある。
本発明においては、インクに保湿性能を高め液体粘度を調整する材料として水溶性有機溶媒が好ましく使用される。該水溶性有機溶媒としては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、あるいは、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルオキシド等の含硫黄溶媒、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明に使用される水溶性有機溶媒は、単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。水溶性有機溶媒はインク全質量に対し1〜60質量%の範囲で含まれることが好ましく、更には5〜40質量%の範囲で含まれることがより好ましい。
インクには通常水が用いられるが、該水は、イオン交換水、蒸留水、純水、超純水等を用いることができる。
インクに含まれる水の含有量は、20〜80質量%の範囲、特に30〜60質量%の範囲とすることが好ましい。20質量%未満となると、吐出安定性が低下する場合があり、正常に吐出しない場合がある。また、80質量%を超えると、長期保存安定性で劣る場合がある。
前記インクの液体粘度は、1〜8mPa・sの範囲であることが好ましい。粘度が1mPa・sより粘度が小さいと、被記録体上での増粘が十分でなく画質効果が出ない場合があり、また、吐出安定性等も損なわれる場合が発生する場合がある。また8mPa・sを超えると、吐出安定性が十分でなく、画像抜け・カスレが発生する場合がある。
なお、上記液体粘度は前記方法により測定される。
さらに、前記インクには、画像濃度、にじみ、色間にじみ、画像均一性の向上効果を増幅させ、目詰まり、吐出応答性・吐出安定性、保存安定性を調整するために、水溶性樹脂を加えることもできる。特に、インクに水溶性樹脂を含有させると、画質向上効果が大きいことが見出された。これは、水溶性樹脂を添加することにより、着色剤同士のネットワーク化を補助し、液体中に3次元構造をとりやすくすることで、混合液としての増粘が促進・増幅され、画質に効果が出るためと推測される。また、水溶性樹脂を添加することにより画像が形成された後も被記録体上でネットワーク構造を保持できるため、定着性、耐擦性に優れた画像を提供することができる。
前記水溶性樹脂としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する化合物などが有効に使用でき、具体的には、縮合系重合体および付加重合体などが挙げられる。上記縮合系重合体としてはポリエステル系重合体が挙げられ、一方、付加重合体としてはα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの付加重合体が挙げられる。また、付加重合体としては、例えば、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーと疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーを適宜組み合わせて共重合したものなどが使用される。さらに、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体も使用できる。
上記親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有するモノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等がある。
一方、疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等がある。
上記親水基および疎水基を有するモノマーを共重合することにより得られる共重合体は、ランダム、ブロック、及びグラフト共重合体等いずれの構造でもよい。
好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
これらの共重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマーを適宜共重合させても良い。また、酸性官能基を表面に有する顔料との親和性を高め、分散安定性を良くするため、カチオン性の官能基を有するモノマー、例えばN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、N−ビニルピロール、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール等を適宜共重合させてもよい。
また、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアルギン酸、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリアミド類、ポリビニルイミダゾリン、アミノアルキルアクリレート・アクリルアミド共重合体、キトサン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類とその誘導体等も有効に使用できる。
特に限定するわけではないが、前記水溶性樹脂の親水基はカルボン酸またはカルボン酸の塩であることが好ましい。これは、特に親水基にカルボン酸を用いた場合には、被記録体上の色材の凝集度合いが適度であるためと考えられる。
これらの水溶性樹脂のうち、親水基が酸性基である共重合体は、水溶性を高めるため、塩基性化合物との塩の状態で使用することが好ましい。
これらの重合体と塩を形成する化合物としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン類;モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルコールアミン類;アンモニア;等が使用できる。
好ましくは、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類の塩基性化合物が使用される。これは、アルカリ金属類は強電解質であり、親水基の解離を促進させる効果があるためと考えられる。
前記水溶性樹脂の中和量としては、共重合体の酸価に対して60%以上中和されていることがより好ましく、更に好ましくは、共重合体の酸価に対して80%以上中和されていることである。
なお、これら水溶性樹脂は、単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。
その他、本発明におけるインクには、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、グルコース、フルクトース、マンニット、D−ソルビット、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、シクロアミロース、マルチトール等多糖類及びその誘導体、その他ポリマーエマルション、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド等を用いることができる。
また、必要に応じて、酸化防止剤、防カビ剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等を含有させてもよい。該キレート化剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、イミノ二酢酸(IDA)、エチレンジアミンージ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’,N’−五酢酸(DTPA)、グリコールエーテルジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(GEDTA)等が挙げられる。
これらに加えて、2次障害が出ない程度に電解質やカチオン性物質を使用してもよい。電解質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、及びアルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオンなどが挙げられる。
また、本発明におけるインクには、浸透剤として界面活性剤等を含有してもよい。
上記界面活性剤としてはノニオン、アニオン、カチオン、両性いずれの界面活性剤でも使用できる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレンアルコールエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル等があげられる。
前記アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩およびスルホン酸塩、並びに高級アルキルスルホコハク酸塩等を添加してもよい。
前記カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
また、前記両性界面活性剤としては、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾリン等が使用できる。その他、ポリシロキサンポリオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤やオキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルなどのフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチンなどのバイオサーファクタントなども使用できる。
これらの界面活性剤は単独でも2種以上を混合して使用することもできる。インク中に含まれる界面活性剤量は、表面張力や濡れ性の兼ね合いから、インク全質量に対して合計で0.001〜10質量%の範囲であることが望ましい。
本発明におけるインクは、表面張力が20〜60mN/mの範囲であることが好ましい。
ここで、上記表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
(液体組成物)
本発明における液体組成物は、前記インクを凝集及び/または増粘させる成分を含むものであり、前述の水、水溶性有機溶媒、界面活性剤、を基本成分として含有し、さらに前記インクを凝集及び/または増粘させる成分として、カチオン性物質を添加してなる。カチオン性物質としては、カチオン性界面活性剤、カチオン性高分子及び多価金属塩が挙げられる。
本発明において、前記インクの凝集・増粘作用を発揮させる手法としては、インクのpHと液体組成物のpHとの間に差を設け、インクと液体組成物とが接触した際に、着色剤の分散性が低下して凝集するものが挙げられる。本発明においては、特に、インクと液体組成物とのpH差の絶対値が3.0以上ある場合が好ましい。さらに、液性が酸性から塩基性へ、または塩基性から酸性へと変わる場合に凝集作用が大きくなる。
pHの調整には、pH調整剤を用いることができる。pH調整剤は、インクと液体組成物とのpH差の絶対値が3.0となるように選択され、公知のpH調整剤のほか、公知の電解質、ポリマーなど幅広く選択することができる。
このような材料の例として、カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリウム塩およびこれらの誘導体等が挙げられ、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルジメチルアミン塩酸塩、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、ステアリルアミンEO付加物塩酸塩、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
カチオン性高分子の例としては、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリビニルイミダゾリン、キトサン、およびこれらの塩酸や酢酸等の酸による中和物または部分中和物、ジエチレントリアミン重縮合物、N,N−ビスアミノプロピルエチレンジアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合体、パーフルオロアルキルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
これらのカチオン性物質は、単独で用いても2種以上で混合して用いても構わない。カチオン性物質の含有量は、0.1〜15質量%の範囲、好ましくは0.5〜10質量%の範囲で使用される。
また、別の手法としては、液体組成物中に、金属カチオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種のイオンを含有させ、インクと液体組成物とが接触した際に、着色剤の分散性が低下して凝集するものが挙げられる。
上記イオンの中でも、多価金属カチオンは、インクと液体組成物との接触時の移動度が大きく、有効な材料である。多価金属カチオンとしては、周期表における2族、3族、12族、13族の元素のイオンが有効であるが、中でも、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオンなど価数が2以上である場合、複数の色材のイオン性官能基を架橋し、3次元的な架橋凝集作用を得ることができ、とくに効果的である。
これらの多価金属カチオンは一般の水溶性塩類を添加することで得ることができる。また、これらの多価金属塩は、単独で用いてもよいし複数を混合して用いてもよい。
また、本発明中の液体組成物中には、水溶性ポリマー、水溶性オリゴマー、樹脂エマルジョン、無機酸化物の1種以上を含むことができる。
上記樹脂エマルションとしては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂系、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリブテン系樹脂、各種ワックス類等が挙げられる。また、市販のエマルションとしては、例えばボンコート4001(アクリル系樹脂エマルション、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルション、大日本インキ化学工業株式会社製)、J−74J、J−734(ジョンクリル社製) 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
樹脂エマルションは、樹脂・ワックス類を機械的に水性媒体中に微細化・分散したり、乳化重合・分散重合・懸濁重合などで微粒子を直接重合し作製してもよい。本発明における好ましい様態としては、これらの樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが望ましい。その粒子形状は、球形その他任意で良い。乳化重合の場合、乳化剤を用いても、ソープフリーでもどちらでもよい。
また、前記無機酸化物としては、高分子量の無水珪酸(SiO2)やアルミナ(Al23)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの樹脂エマルションまたは無機酸化物コロイドの体積平均粒子径は、10nm〜2μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、50〜500nmの範囲である。体積平均粒子径が2μmより大きいと、液体組成物の吐出安定性や放置時の安定性に問題が生じ易い。また、10nmより小さいとノズルの放置回復性等に問題が生じ易い。
また、その添加量は、液体組成物中に固形分量で0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。0.1質量%未満では、印字物の定着性改善の効果がなく濃度も低下する場合がある。10質量%を超えて添加すると、吐出安定性の低下や、画像乾燥性の悪化が見られる場合がある。
また、上記液体組成物は処理液として無色透明液として使用しても、着色剤を含有した例えばカラーインクとして使用してもよく、この場合、液体組成物にはさらに前記と同様の着色剤が含まれることが好ましい。そして、液体組成物に含まれる上記着色剤としては、前記インクの場合と同様に顔料であることが好ましい。
上記液体組成物に着色剤が含まれる場合には、該着色剤は液体組成物の全質量に対し1〜15質量%の範囲で含まれることが好ましく、2〜10質量%の範囲で含まれることがより好ましい。
また、本発明における液体組成物の表面張力は、20〜40mN/mの範囲であることが好ましい。このような範囲の場合に、画像乾燥時間が早くかつ画質効果の両立が実現できやすい。
なお、上記表面張力は、前記同様ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。
以下、本発明のインクジェット記録方法について、さらに詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、後述するように、通常のインクジェット記録方式の記録装置用いられる。この場合、一般的にはインク及び液体組成物ともに、各々1ドロップ当たりの液体質量は、0.5〜80ngの範囲であることが好ましい。さらに、1ドロップ当たりの液体質量が0.5〜40ngの範囲であると、特に普通紙における画質・乾燥性の両立が実現されやすい。
なお、一つのノズルから複数の体積のドロップを噴射することが可能であるインクジェット方式の記録装置において、上記ドロップ量とは、印字可能な最小ドロップのドロップ量を指すこととする。
被記録体上にインク及び液体組成物を付与する場合、インクと液体組成物とを互いに被記録体表面で接触するさせるように印字する。これはインクと液体組成物とを互いに接触させることで、インク中の着色剤が凝集し、光学濃度、滲み、色間滲み、乾燥時間に優れる記録方法となるからである。なお、接触していれば、互いに隣接するよう付与されても、覆い被さるように付与されても、どちらでもよい。
インクまたは液体組成物を付与した後であれば、いかなる時期に液体組成物またはインクを付与してもかまわないが、インクまたは液体組成物が被記録体上に付与される時の両者の時間差は、20msec未満であることが好ましく、15msec未満であることがより好ましい。なお、時間差の下限は2msec程度である。
上記時間差が20msec以上となると、往復印字での画質改善の効果が小さくなってしまう場合がある。
また、前記インク及び液体組成物の各々の好ましい表面張力の範囲は前述の通りであるが、本発明においては、前記インクの表面張力をγa、前記液体組成物の表面張力をγbとしたとき、γaが20〜60mN/mの範囲、γbが20〜40mN/mの範囲であり、かつ、γa>γbの関係にあり、前記インク及び前記液体組成物が互いに接触するように被記録体上に付与されて形成された画像の乾燥時間が、2秒以下であることが好ましい。
このように、インク及び液体組成物の表面張力との関係を規定し、その場合の画像の乾燥時間が一定時間以下となる場合に、画質向上と乾燥性との両立を達成することができる。なお、上記画像の乾燥時間は、後述する方法により確認することができる。また、この乾燥時間は1秒以下であることがより好ましい。
前記インクの表面張力γaは、30〜50mN/mの範囲であることがより好ましく、前記液体組成物の表面張力γbは、25〜35mN/mの範囲であることがより好ましい。、なお、γaが20mN/mに満たない、あるいはγbが20mN/mに満たないと、画像の光学濃度が低下する場合がある。また、γaが60mN/mを超える、あるいはγbが40mN/mを超えると、乾燥性が悪化する場合がある。
また、本発明のインクジェット記録方法が適用される記録方式としては、ピエゾインクジェット記録方式を採用することが、インク及び液体組成物の印字ドロップ量を適切にコントロールできるためより好ましい。
また、本発明に適用される好ましい被記録体としては、市販のPPC用紙などが挙げられる。
<インクジェット記録装置>
以下、本発明のインクジェット記録装置の好適な実施形態について詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
本発明のインクジェット記録装置は、前述の本発明のインクジェット記録方法に基づいて作動し画像を形成する構成を有している。インクジェット記録装置は、主として、外部カバーと、普通紙などの記録媒体を所定量載置可能なトレイと、被記録体を記録装置内部に1枚毎に搬送するための搬送ローラ(搬送手段)と、被記録体の面にインク及び液体組成物を吐出して画像を形成する画像形成部(画像形成手段)とを有している。
搬送ローラは記録装置内に回転可能に配設された一対のローラであり、トレイにセットされた記録媒体を挟持するとともに、所定量の記録媒体を所定のタイミングで1枚毎に装置内部に搬送する。
画像形成部は記録媒体の面上にインクによる画像を形成する。画像形成部は、主として記録ヘッドと、インクタンクと、給電信号ケーブルと、キャリッジと、ガイドロッドと、タイミングベルトと、駆動プーリと、メンテナンスユニットとから構成されている。
インクタンクはそれぞれインク、液体組成物が吐出可能に格納されたインクタンクを有している。
さらに、記録ヘッドには給電信号ケーブルとインクタンクが接続されており、給電信号ケーブルから外部の画像記録情報が記録ヘッドに入力されると、記録ヘッドはこの画像記録情報に基づき各インクタンクから所定量のインクを吸引して記録媒体の面上に吐出する。なお、給電信号ケーブルは画像記録情報の他に記録ヘッドを駆動するために必要な電力を記録ヘッドに供給する役割も担っている。
また、この記録ヘッドはキャリッジ上に配置されて保持されており、キャリッジはガイドロッド、駆動プーリに接続されたタイミングベルトが接続されている。このような構成により、記録ヘッドはガイドロッドに沿うようにして、記録媒体の面と平行でありかつ記録媒体の搬送方向X(副走査方向)に対して垂直な方向Y(主走査方向)にも移動可能となる。
記録装置には、画像記録情報に基づいて記録ヘッドの駆動タイミングとキャリッジの駆動タイミングとを調製する制御手段が備えられている。これにより、搬送方向Xにそって、所定の速度で搬送される記録媒体1の面の所定領域に画像記録情報に基づく画像を連続的に形成することができる。
メンテナンスユニットは、チューブを介して減圧装置に接続されている。更にこのメンテナンスユニットは、記録ヘッドのノズル部分に接続されており、記録ヘッドのノズル内を減圧状態にすることにより記録ヘッドのノズルからインクを吸引する機能を有している。メンテナンスユニットを設けておくことにより、必要に応じて記録装置が作動中にノズルに付着した余分なインクを除去したり、作動停止状態のときにノズルからのインクの蒸発を抑制することができる。ただし、第1液と第2液とが混合されることで、凝集物が生成することから、第1液と第2液とは別々に収容される構成のメンテナンスユニットが好ましい。
以下、本発明について実施例により具体的に説明する。
<インクジェット用インクセットの作製>
所定の組成となるように着色剤溶液、水溶性有機溶媒、界面活性剤、イオン交換水等を適量加え、混合液を、混合、攪拌した。得られた液体を、5μmフィルターを通過させることにより、所望の各液体を得た。
(インクジェット用インクセット1)
−インク(黒色インク)−
・Cabojet−300(キャボット社製カーボンブラック)顔料分5質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸カリウム共重合体 1.0質量%
・ジエチレングリコール 20質量%
・プロピレングリコール 5質量%
・サーフィノール104(ノニオン界面活性剤、日信化学社製) 0.1質量%
・尿素 4質量%
・超純水 64.4質量%
−液体組成物(シアンインク)−
・水溶性染料(C.I.ダイレクトブルー199) 3.5質量%
・ジエチレングリコール 20質量%
・2−ピロリドン 6質量%
・サーフィノール465(ノニオン界面活性剤、日信化学社製) 1.0質量%
・硝酸マグネシウム・6水和物 4質量%
・超純水 71.5質量%
上記インクの表面張力は34.0mN/m、粘度は2.8mPa・sであり、上記液体組成物の表面張力は31.2mN/m、粘度は2.5mPa。・sであった。
(インクジェット用インクセット2)
−インク(シアンインク)−
・シアン色顔料(C.I.Pigment Blue 15:3) 3.5質量%
・グリセリン 20質量%
・2−ピロリドン 3質量%
・サーフィノール(ノニオン界面活性剤、日信化学社製) 1.0質量%
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ナトリウム共重合体 0.5質量%
・超純水 72質量%
−液体組成物(無色反応液)−
・ジエチレングリコール 10質量%
・プロピレングリコール 10質量%
・サーフィノール465(ノニオン界面活性剤、日信化学社製) 1.2質量%
・硝酸マグネシウム・6水和物 5質量%
・超純水 73.8質量%
上記インクの表面張力は32.3mN/m、粘度は2.7mPa・sであり、上記液体組成物の表面張力は30.6mN/m、粘度は2.2mPa。・sであった。
<印字条件>
印字は、600dpi、256ノズルの試作インクジェットプリントヘッドを2個並べ、ヘッドが往復スキャンするタイプの評価用サーマルインクジェット記録装置を使用し、1個のヘッドはインク用、もう1個のヘッドは液体組成物用とした。被記録体としては、FX−L紙(富士ゼロックス社製)等を用いた。なお、吐出量、インク打ち込み量は、後述する各実施例、比較例に合わせて調節できるようにし、印字は片側一括印字にて、ヘッドスキャンスピード約0.5m/秒とし、印字順もインク、液体組成物のどちらも先打ち、後打ちとすることができるように調整可能とし、両者が被記録体上に付与されるときの時間差を10msecとした。また、以下特に記載が無い場合、印字は一般環境下(温度:23±0.5 ℃、湿度:55±5%RH)で行い、画像評価は印字後24時間一般環境下に放置した印字物に対して行った。
<実施例1〜2、比較例1〜3>
前記インクジェット用インクセット1を用い、ヘッドの往方向のスキャンでインク先打ち、液体組成物後打ち、復方向のスキャンで液体組成物先打ち、インク後打ちとなるようにし、黒色100%画像を形成するに際し、インク打ち込み量を1ドロップあたりの付与量として表1に示す量として印字を行い、下記の評価を行った。
−画像均一性(モットリング)−
普通紙FX−L紙(富士ゼロックス社製)、4024紙(ゼロックス社製)に対し、2cm×10cmの大きさのべた画像を印字し、色むらがあるか否かを以下の判断基準により官能評価した。
○:色むらなし
×:色むらがある
−乾燥性−
普通紙FX−L紙(富士ゼロックス社製)に対し、2cm×10cmの大きさのべた画像を印字し、印字後一定時間ごとの印字画像の上から別のFX−L紙を重ね、さらに上から100g/cm2の荷重をかけて、重ねた紙にインクが転写されなくなるまでの時間(乾燥時間)を測定した。評価は以下の判断基準により行った。
○:印字後2秒未満
×:印字後2秒以上
結果を表1に示す。
Figure 2005262576
<実施例3〜4、比較例4〜6>
前記インクジェット用インクセット1を用い、ヘッドの往方向のスキャンでインク先打ち、液体組成物後打ち、復方向のスキャンで液体組成物先打ち、インク後打ちとなるようにし、黒色100%画像を形成するに際し、インク打ち込み量を1ドロップあたり20ngと固定し600×600dpiの解像度で、インク及び液体組成物の各エリアカバレッジ(%)を表2に示す値となるようにして印字を行い、前記と同様の評価を行った。
なお、上記各エリアカバレッジ(%)の場合、対応する単位面積あたりのインク付与量は各々、100%で11.2g/m2、90%で10.0g/m2、30%で3.3g/m2、25%で2.8g/m2、20%で2.2g/m2である。
結果を表2に示す。
Figure 2005262576
<実施例5〜6、比較例7〜9>
前記インクジェット用インクセット2を用い、ヘッドの往方向のスキャンでインク先打ち、液体組成物後打ち、復方向のスキャンで液体組成物先打ち、インク後打ちとなるようにし、シアン100%画像を形成するに際して、インク打ち込み量を1ドロップあたりの付与量として表3に示す量として印字を行い、前記と同様の評価を行った。
結果を表3に示す。
Figure 2005262576
<実施例7〜8、比較例10〜12>
前記インクジェット用インクセット2を用い、ヘッドの往方向のスキャンでインク先打ち、液体組成物後打ち、復方向のスキャンで液体組成物先打ち、インク後打ちとなるようにし、シアン100%画像を形成するに際し、インク打ち込み量を1ドロップあたり20ngと固定しインク及び液体組成物の各エリアカバレッジ(%)を表4に示す値となるようにして印字を行い、前記と同様の評価を行った。
結果を表4に示す。
Figure 2005262576
表1〜4の結果に示すように、インク及び液体組成物を先後して付与する場合の付与量が、本発明に規定する条件を満たす実施例では、モットリング、乾燥性共に優れた印字特性を示すことがわかった。

Claims (7)

  1. 少なくとも着色剤を含有するインク、及び、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物を含む、少なくとも2種以上の液体を有するインクジェット用インクセットを用い、前記インク及び液体組成物が互いに接触するように被記録体上に付与されて、画像が形成されるインクジェット記録方法であって、
    前記画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a1、b1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a2、b2としたとき、これらが式(1)に示す関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
    2/a2<b1/a1 ・・・ 式(1)
    (式(1)中a1及びb1はa1>b1、a2及びb2はa2>b2なる関係を各々有する。)
  2. 前記インクの表面張力をγa、前記液体組成物の表面張力をγbとしたとき、γaが20〜60mN/mの範囲、γbが20〜40mN/mの範囲であり、かつ、γa>γbの関係にあり、前記インク及び前記液体組成物が互いに接触するように被記録体上に付与されて形成された画像の乾燥時間が、2秒以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インクに含有される着色剤が、少なくとも1種以上の顔料を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インク及び前記液体組成物が被記録体上に付与されるときの両者の時間差が、20msec未満であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  5. 少なくとも着色剤を含有するインク、及び、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物を含む、少なくとも2種以上の液体を有するインクジェット用インクセットを用い、前記インク及び液体組成物が互いに接触するように被記録体上に付与されて、画像が形成されるインクジェット記録方法であって、
    前記画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad1、bd1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad2、bd2としたとき、これらが式(2)に示す関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
    d2/ad2<bd1/ad1 ・・・ 式(2)
    (式(2)中ad1及びbd1はad1>bd1、ad2及びbd2はad2>bd2なる関係を各々有する。)
  6. インクジェット用インクセットにおける各液体を吐出するための記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記インクジェット用インクセットが、少なくとも着色剤を含有するインク、及び、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物を含む、少なくとも2種以上の液体から構成され、前記インクと前記液体組成物とを被記録体上で接触させてなる画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a1、b1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の単位面積あたりの付与量を各々a2、b2としたとき、これらが前記式(1)に示す関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. インクジェット用インクセットにおける各液体を吐出するための記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記インクジェット用インクセットが、少なくとも着色剤を含有するインク、及び、少なくとも該インクを凝集及び/または増粘させる成分を含有する液体組成物を含む、少なくとも2種以上の液体から構成され、前記インクと前記液体組成物とを被記録体上で接触させてなる画像が形成される際、前記インクを被記録体に先に付与した後に前記液体組成物を付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad1、bd1とし、前記液体組成物を被記録体に先に付与した後に前記インクを付与した場合のインク及び液体組成物の1ドロップあたりの付与量を各々ad2、bd2としたとき、これらが前記式(2)に示す関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
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