JP4742637B2 - インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びプログラム - Google Patents

インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、紙等の記録媒体にインクを用いて画像を記録するインクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びプログラムに関するものである。
ノズル、スリットあるいは多孔質フィルム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録を行う、いわゆるインクジェット方式の記録装置は、小型で安価、静寂性等種々の利点がある。最近ではレポート用紙、コピー用紙等のいわゆる普通紙上に良好な印字品質が得られる黒色の単色プリンターだけではなく、フルカラー記録が行える製品が数多く市販されており、記録装置の分野で大きな位置を占めるようになった。中でも、圧電素子を用いたいわゆるピエゾインクジェット方式、あるいは、熱エネルギーを作用させて液滴を形成し、記録を行う、いわゆる熱インクジェット方式は、高速印字、高解像度が得られる等、多くの利点を有している。
インクジェット記録装置で用いられるインクは、主に溶媒、色材、添加剤から構成される。かかるインクに対しては、紙上で滲みのない、高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、紙上においてインクの速乾性が良いこと、画像の堅ろう性が良いこと、長期保存安定性が良いこと、などの要求特性がある。また、近年上市されてきたオフィス向けインクジェットプリンターにおいては、高画質であることだけでなく、高速印刷が可能であることが求められている。
高解像度、高濃度で、滲みのない画像を得るためには、用紙内への浸透や用紙上での広がりを抑えたインクを用いる手法が有効である。しかし、一方で乾燥速度が遅ために高速印刷を行うインクジェットプリンターで使用した場合、印刷後、用紙がトレイ上で重なった際に、未乾燥のインクが重なった用紙にオフセットするトラブルが発生しやすい。また両面印刷を行う際に、未乾燥のインクが搬送ローラーなどのプリンター内部を汚染することがある。
高い画質と速乾性を両立させる手法として、インクの他に、インク中の色材の凝集を促進する液体(以下、「処理液」と称す場合がある)を用いて用紙上で色材を凝集させ、用紙内部への色材の浸透を抑制する、いわゆる2液印字方式が挙げられる(例えば、特許文献1〜6等参照)。
この2液印字方式では、記録媒体表面のインクが付与される領域に処理液が付与される。このため、記録媒体の画像が形成される領域の単位面積当たりの液体成分の付与量は、インクのみを用いる場合と比べて必然的に多くなり、記録媒体表面の凹凸(いわゆるコックリング)が発生する。加えて、処理液の消費量も多くなる。このような問題を解決するために、インクが付与される領域に処理液が部分的に付与されるように、間引いて付与する方法が提案されている(特許文献7参照)
特開平8−142500号公報 特開平8−193175号公報 特開平8−197840号公報 特開平9−286940号公報 特開2001−199150号公報 特開平9−28694号公報 特許第3227339号公報
しかし、従来の2液印字方式において、単位面積当たりのインクおよび処理液に起因する液体成分の総量が多いために、カール・カックルが発生してしまう。これを避けるためには、処理液およびインクの付与量を少なくする必要があるが、両者をバランスよく減らすと十分な画像濃度が得られなくなる。従って、画像濃度を確保するためには、インクに対して相対的に処理液の量を減らす必要がある。
しかし、インクに対して相対的に処理液の量を減らした場合には、画像濃度のムラ(画像ムラ)や、紙面の裏側から画像が透けて見える現象(裏抜け)が発生する。これは、処理液使用量の低減やコックリングの抑制を目的として、単位面積当たりに使用される処理液の量を少なくする特許文献7に記載の方法でも同様である。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、2液印字方式において、画像濃度の高い画像を形成する場合においても、カール・カックルが抑制できると共に、画像ムラや裏抜けの発生も抑制することができるインクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びプログラムを提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を達成するために、従来の2液印字方式において、上述したような問題が発生する原因について鋭意検討した。
まず、画像濃度を確保しつつ、カール・カックルを抑制するためには、記録媒体表面に付与する処理液量を抑えることは避けられないと考えられる。しかし処理液の使用量を抑制すると、インク中の色材の凝集を促進する処理液の量が不足することになる。このため、記録媒体表面で処理液と反応できなかったインクが記録媒体内部へと深く浸透し易くなり、これにより裏抜けが起こり易くなるものと考えられる。また、記録媒体表面において、インクに対する処理液の量が不足した領域では、結果的に、記録媒体表面に凝集・定着する色材の量が減少するため、画像ムラが発生し易くなるものと考えられる。
しかし、従来のインクジェット記録方法では、記録媒体表面に付与される処理液は、インクに対して一定の割合で使用されるため、上述したような問題を同時に解決することは困難であると考えられる。
一方、インクジェット記録を利用した画像の形成においては、記録媒体表面全面を覆うようにインクおよび処理液を大量に使用してベタ画像を形成することは稀である。また、カール・カックルは、記録媒体全体に対する液体成分の付与量が大きい場合に顕著になる現象であるため、仮に記録媒体表面の一部の領域で液体成分の付与量が大きくても、記録媒体全体で液体成分の付与量が少なければさほど問題にはならないと考えられる。加えて、本発明者が検討したところ、同一の印字条件であれば、ムラや裏抜けは、ベタで印字される領域が大きい方が顕著になりやすいことを確認した。
従って、本発明者は、ベタで印字される領域が相対的に大きい部分にのみ、ムラや裏写りが発生しないように選択的に処理液の量を多くし、ベタで印字される領域が相対的に小さい部分については、逆に処理液の量を少なくし、記録媒体全体に対する液体成分の付与量を抑制してやれば、カール・カックルが抑制できると共に、画像濃度のムラや裏抜けの発生も抑制することができるものと考え、以下の本発明を見出した。
すなわち、本発明は、
<1>
液滴吐出手段から、少なくとも色材を含有するインクの液滴と、少なくとも前記インクを凝集及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物の液滴とを記録媒体表面の少なくとも同一領域に吐出することにより画像を記録するインクジェット記録方法において、
前記液体組成物の1液滴あたりの液体量(d liq )と、前記インクの1液滴あたりの液体量(d ink )との比率が、0.1≦d liq /d ink ≦0.7であり、
前記画像を形成する際の、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iに対する前記液体組成物の付与量Sの付与比率Rが、少なくとも2水準以上であるインクジェット記録方法である。
<2>
前記画像が、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が一定値以上で且つ特定の形状を有する図形からなる第1の連続画像部と、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が前記一定値未満で且つ前記特定の形状を有する図形からなる第2の連続画像部とを含み、
前記第1の連続画像部を形成する際の第1の付与比率R1と、前記第2の連続画像部を形成する際の第2の付与比率R2とが、下式(1)を満たす請求項1に記載のインクジェット記録方法である。
・式(1) R1>R2
<3>
前記特定の形状を有する図形が、円である<2>に記載のインクジェット記録方法である。
<4>
前記画像を形成する際の前記インクの単位面積当たりの付与量が、0.65mg/cm以上であり、
前記一定値が0.3cmである<2>又は<3>に記載のインクジェット記録方法である。
<5>
前記第1の付与比率R1と、前記第2の付与比率R2とが、下式(2)および下式(3)を満たす<2>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
・式(2) 0.1<R1<1.0
・式(3) 0.05<R2<0.5
<6>
前記第1の連続画像部領域内において、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iと前記液体組成物の付与量Sが下式(4)を満たす<2>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
・式(4) I+S≦2.7mg/cm

前記液滴吐出手段から吐出される前記液体組成物の1液滴あたりの液体量が、2水準以上である<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。

前記液滴吐出手段が、一定の周期で変動する特定の波形を有する電圧を印加することにより変形する圧電素子を備え、前記圧電素子の変形を利用して、前記インクおよび前記液体組成物の液滴を吐出する<1>〜<7>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法であって、
前記電圧の波形を変調することにより、前記インクおよび/または前記液体組成物の1液滴あたりの液滴量を、1の水準から他の水準に変化させるインクジェット記録方法である。

前記液滴吐出手段が、一定の周期で変動する特定の波形を有する電圧を印加することにより変形する圧電素子を備え、前記圧電素子の変形を利用して、前記インクおよび前記液体組成物の液滴を吐出する機能を有し、
前記画像の形成に際し、前記特定の波形が、前記液滴吐出手段から前記インクの液滴を吐出する場合と、前記液滴吐出手段から前記液体組成物の液滴を吐出する場合とで同一である<1>〜<8>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
10
前記液滴吐出手段から吐出される前記液体組成物の液滴の吐出速度(Vliq)と、前記液滴吐出手段から吐出される前記インクの液滴の吐出速度(Vink)とが、下式(5)を満たす<1>〜<9>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
・式(5) 0.8≦Vliq/Vink≦1.2
11
前記液体組成物および前記インクから選択されるいずれか一方の液体を前記液滴吐出手段から吐出した後に、他方の液体を前記液滴吐出手段から吐出する<1>〜<10>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法であって、
前記一方の液体を吐出してから前記他方の液体を吐出するまでの時間が、0.01msec〜1000msecの範囲内であるインクジェット記録方法である。
12
前記液体組成物が、少なくとも1種以上のカルボン酸塩を含む<1>〜<11>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
13
前記記録媒体に対する前記インクおよび前記液体組成物の浸透速度がともに5秒以下である<1>〜<12>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
14
前記記録媒体に対する前記液体組成物の浸透速度が、前記記録媒体に対する前記インクの浸透速度よりも大きい<1>〜<13>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法である。
15
少なくとも色材を含有するインクと、少なくとも前記インクを凝集及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを用い、
前記インクの液滴を吐出する1以上の吐出口と、前記液体組成物を吐出する1以上の吐出口とを有する液滴吐出手段を少なくとも備え、
前記液滴吐出手段から、前記インクの液滴と、前記液体組成物の液滴とを記録媒体表面の少なくとも同一領域に吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記液体組成物の1液滴あたりの液体量(d liq )と、前記インクの1液滴あたりの液体量(d ink )との比率が、0.1≦d liq /d ink ≦0.7であり、
前記画像を形成する際の、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iに対する前記液体組成物の付与量Sの付与比率Rが、少なくとも2水準以上であるインクジェット記録装置である。
16
前記画像が、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が一定値以上で且つ特定の形状を有する図形からなる第1の連続画像部と、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が前記一定値未満で且つ前記特定の形状を有する図形からなる第2の連続画像部とを含み、
前記第1の連続画像部を形成する際の第1の付与比率R1と、前記第2の連続画像部を形成する際の第2の付与比率R2とが、下式(6)を満たす<15>に記載のインクジェット記録装置である。
・式(6) R1>R2
17
前記特定の形状を有する図形が、円である<16>に記載のインクジェット記録装置である。
18
前記画像の原稿画像データーから、前記第1の連続画像部と、前記第2の連続画像部とを判別する原稿画像データー解析手段と、
前記判別された結果に基づいて前記液滴吐出手段から吐出される前記インクの単位面積当たりの付与量Iおよび前記液体組成物の単位面積当たりの付与量Sを、
前記第1の連続画像部を形成する場合には前記第1の付与比率R1となるように制御し、前記第2の連続画像部を形成する場合には前記第2の付与比率R2となるように制御する印字制御手段とを備えた<16又は<17>に記載のインクジェト記録装置である。
19
液滴吐出手段から、少なくとも色材を含有するインクの液滴と、少なくとも前記インクを凝集及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物の液滴とを記録媒体表面の少なくとも同一領域に、前記液体組成物の1液滴あたりの液体量(d liq )と前記インクの1液滴あたりの液体量(d ink )との比率が0.1≦d liq /d ink ≦0.7の条件にて、吐出することにより、原稿画像データーに対応する画像を記録する際の、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iに対する前記液体組成物の付与量Sの付与比率Rを決定するプログラムであって、
前記原稿画像データを取得する原稿画像データ取得ステップと、
前記原稿画像データについて、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が一定値以上で且つ特定の形状を有する図形からなる第1の連続画像部と、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が前記一定値未満で且つ前記特定の形状を有する図形からなる第2の連続画像部とを含むか否かを判別する原稿画像判別ステップと、
前記原稿画像データが前記第1の連続画像部と前記第2の連続画像部とを含む場合に、前記2種類の連続画像部に対して各々異なる水準の付与比率を割り当て、
前記原稿画像データが前記第1の連続画像部または前記第2の連続画像部のいずれかのみを含む場合に、前記原稿画像データに含まれる前記いずれかの連続画像部に対して1水準の付与比率Rを割り当てる付与比率決定ステップと、
前記原稿画像データに含まれる各々の連続画像部に対して割り当てられた付与比率Rの情報を含む印字命令情報を、前記液滴吐出手段を含む画像記録手段に転送し、前記画像の記録を実施させる印字命令ステップとを含むプログラムである
以上に説明したように本発明によれば、2液印字方式において、画像濃度の高い画像を形成する場合においても、カール・カックルが抑制できると共に、画像ムラや裏抜けの発生も抑制することができるインクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びプログラムを提供することができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、液滴吐出手段(以下、「記録ヘッド」と称す場合がある)から、少なくとも色材を含有するインクの液滴と、少なくとも前記インクを凝集及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物(以下、「処理液」と称す場合がある)の液滴とを記録媒体表面の少なくとも同一領域に吐出することにより画像を記録するインクジェット記録方法において、前記画像を形成する際の、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iに対する前記液体組成物の付与量Sの付与比率R(=S/I)が、少なくとも2水準以上であることを特徴とする。
すなわち、画像の形成に際して、裏抜けや画像ムラが発生し易い領域には、付与比率Rを相対的に大きくし、それ以外の領域については付与比率Rを相対的に小さくすることによって、十分な画像濃度を確保しながらも、カール・カックルが抑制できると共に、画像ムラや裏抜けの発生も抑制することができる。
このため、付与比率Rは、本発明のインクジェット記録方法では、従来の1水準に対し、少なくとも2水準であることが必要であり、必要に応じて3水準以上としてもよい。
なお、裏抜けや画像ムラを効果的に防止しつつ、カール・カックルの発生も抑制するためには、付与比率Rは、記録媒体表面に形成される画像領域のうち、実質的にベタで印字される領域が相対的に大きい部分(第1の連続画像部)については値を大きくし、実質的にベタで印字される領域が相対的に小さい部分(第2の連続画像部)については、値を小さくすることが、特に好ましい。
すなわち、第1の連続画像部を形成する際の第1の付与比率R1とし、第2の連続画像部を形成する際の第2の付与比率R2とした場合、下式(1)を満たすことが特に好ましい。
・式(1) R1>R2
なお、第2の付与比率R2に対する第1の付与比率R1の比(R1/R2)は、式(1)に示されるように1を超えていることが特に好ましいが、1.5以上であることが好ましく、2以上であることが更に好ましい。なお、R1/R2の値が大き過ぎる場合には、バランスが悪過ぎるため、画像濃度が不充分となったり、裏抜けや画像ムラが発生したり、あるいは、カール・カックルが発生してしまう場合があるため、実用上、10以下であることが好ましい。
ここで、本発明において「連続画像部」とは、記録媒体表面に形成された画像の一部を特定の形状からなる図形で区分した場合に、区分内では、実質的にベタ画像となっている部分を意味する。この区分の取り方としては、例えば、面積が最大となるように画像の輪郭線と接する特定の形状を有する図形を基準とすることができる。なお、特定の形状を有する図形とは、円や正方形、六角形等が挙げられ、一定の形状を有するものであれば特に限定されない。
この場合、第1の連続画像部と第2の連続画像部との違いは、面積の違いとして識別できるため、例えば、特定の形状を有する図形が円である場合には、面積(あるいは直径)が一定値以上の円内の領域が全て実質的にベタ画像からなる領域を第1の連続画像部とし、面積(あるいは直径)が一定値未満の円内の領域が全て実質的にベタ画像からなる領域を第2の連続画像部とすることができる。
また、「実質的にベタ(画像)」とは、中間調画像で面積比率が高いものも含まれることも意味し、本発明においては、ベタ画像のみならず、少なくとも70%以上の面積比率の中間調画像も含まれる。
なお、裏抜けは、記録媒体表面に着弾したインクの深さ方向の浸透度合いが大きいほど起こりやすい。ここで、インクの深さ方向の浸透度合いは、インクが着弾と同時に記録媒体の深さ方向のみならず、紙面方向においても等方的に広がることに着目し、深さ方向の浸透速度と、紙面方向の浸透速度とは、比例関係にあると考えられる。よって、インクが着弾した点を基準とした広がり径(直径)が大きいほど、裏抜けが起こりやすいと考えられる。
このような裏抜け発生のメカニズムからは、画像を複数の連続画像部として区分する際の基準となる特定の形状を有する図形としては、円であることが好適である。しかしながら、実際の印字に際して、付与比率の値を適宜R1およびR2のいずれかに切り替えながらインクおよび処理液を付与するためには、原稿画像情報を画像処理して、第1の連続画像部と第2の連続画像部とに識別、あるいは、第1の連続画像部と第1の連続画像部以外の部分(すわなち、第2の連続画像部も含む部分)とに識別する必要がある。
このような画像処理の都合等の観点からは、連続画像部の区分する際の基準となる特定の形状を有する図形を円とすると、画像処理が複雑になったり処理速度が遅くなる場合等もあるため、必要に応じて、円以外の形状、例えば正方形等の他の特定の形状を有する図形を選択することもできる。
なお、連続画像部が、円を基準として区分されるものである場合、第1の連続画像部と第2の連続画像部とを分ける閾値(直径)は、単位面積当たりのインクの付与量に応じて適宜設定することができる。この場合、単位面積当たりのインクの付与量が大きくなる程、裏写りや画像ムラが発生し易くなるため、閾値はこれに反比例するように小さく設定することが好ましい。
例えば、画像を形成する際のインクの単位面積当たりの付与量が、実用上、十分な画像濃度が得られる0.65mg/cm2以上である場合には、閾値を直径0.3cmとし、第1の連続画像部の直径を0.3cm以上、第2の連続画像部の直径を0.3cm未満に設定することが好ましい(なお、直径基準でなく、面積基準で閾値を考えるなら、0.3cm2でもよい)。
また、連続画像部を区分する際の基準形状が円ではなく、例えば、正方形や、六角形等のように、アスペクト比が円と同様に1:1程度の基準形状である場合には、直径0.3cmの円の面積(0.283cm2)にほぼ相当する面積(例えば、0.3cm2)を有する形状を、閾値とすることができる。
なお、インクの単位面積当たりの付与量が0.65mg/cm2というインクの単位面積当たりの付与量は、画像の解像度が1200×600dpiと仮定した場合に、記録ヘッドから吐出されるインク滴の体積が6ng程度となる水準である。
第1の付与比率R1と、第2の付与比率R2とは、式(1)のみならず、下式(2)および下式(3)を満たすことが更に好ましい。
・式(2) 0.1<R1<1.0
・式(3) 0.05<R2<0.5
第1の付与比率R1が0.1以下の場合には、インクに対して処理液の量が少な過ぎるため、画像ムラや裏抜けが発生してしまう場合があり、1.0以上の場合には、カール・カックルが発生してしまう場合がある。なお、第1の付与比率R1の値は、より好ましくは、0.1〜0.5の範囲内であることが好ましい。
第2の付与比率R2が0.05以下の場合には、インクに対して処理液の量が少な過ぎるため、画像ムラや裏抜けが発生してしまう場合があり、0.5以上の場合には、カール・カックルが発生してしまう場合がある。なお、第2の付与比率R2の値は、より好ましくは、0.05〜0.3の範囲内であることが好ましい。
また、第1の連続画像領域内において、単位面積当たりに付与されるインクの付与量Iと処理液の付与量Sが下式(4)を満たすことが好ましい。
・式(4) I+S≦2.7mg/cm2
第1の連続画像領域内において、単位面積当たりに付与されるインクの付与量Iと処理液の付与量Sとの総和が、2.7mg/cm2を超える場合には、カール・カックルが発生し易くなる場合がある。それゆえ、単位面積当たりに付与されるインクの付与量Iと処理液の付与量Sとの総和は、2.2mg/cm2以下であることがより好ましい。
以上の説明においては、付与比率Rを制御する上で、記録媒体表面における単位面積当たりのインクや処理液の付与量に着目してきたが、次に、記録ヘッドに着目して説明する。
まず、記録ヘッドから吐出される処理液の1液滴あたりの液体量(dliq)の、記録ヘッドから吐出されるインクの1液滴あたりの液体量(dink)に対する比率(液滴体積比dliq/ink)は1よりも小さいことが好ましく、0.7以下であることがより好ましく、0.6以下であることが更に好ましい。
液滴体積比dliq/inkが1を超える場合には、画像ムラが発生してしまう場合があるためである。かような観点からは液滴体積比dliq/inkは小さい方が好ましいが、小さ過ぎる場合には、インクに対して処理液の量が不足してしまうため、画像ムラや裏抜けが発生してしまう場合がある。従って、液滴体積比dliq/inkは、0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。
また、液滴体積比dliq/inkの調整の自由度が大きい方が、インクや処理液の種類に応じて、上述したような問題をより効果的に防止できる点から、記録ヘッドとしては、サーマル方式の記録ヘッドよりも液滴量(ドロップ量)の制御可能な範囲がより広いピエゾ方式の記録ヘッドを用いることが好ましい。
なお、ピエゾ方式の記録ヘッドは、一定の周期で変動する特定の波形を有する電圧を印加することにより変形する圧電素子を備え、圧電素子の変形を利用して、インクおよび処理液の液滴を吐出する構成・機能を有するものである。
さらに、付与比率Rを2水準以上とする場合には、記録ヘッドを、例えば、以下に示すような方法で制御することができる。
すなわち、第1の方法としては、記録ヘッドから吐出される処理液の1液滴あたりの液体量を2水準以上とすることができる。
また、第2の方法としては、記録ヘッドがピエゾ方式の記録ヘッドである場合には、圧電素子に印加する電圧の波形を変調することにより、インクおよび/または処理液の1液滴あたりの液滴量を、1の水準から他の水準に変化させることができる。
なお、第2の方法は、圧電素子に印加する電圧の波形を変調しなければならないため、記録ヘッドの制御システムが複雑になる場合がある。従って、第2の方法を利用しない場合には、圧電素子に印加する電圧の波形が同一の条件で記録ヘッドからインクおよび処理液を吐出した場合に、液滴体積比dliq/inkが1未満となるようなインクおよび処理液を組み合わせて用いることが好ましい。このような条件を満たすインクおよび処理液の組み合わせとしては、例えば、インクおよび処理液の粘度に差を設けることにより容易に得ることができる。
また、記録ヘッドから吐出される処理液の液滴の吐出速度(Vliq)と、記録ヘッドから吐出されるインクの液滴の吐出速度(Vink)とが、下式(5)を満たすことが好ましい。
・式(5) 0.8≦Vliq/Vink≦1.2
吐出速度比(Vliq/Vink)が、0.8未満である場合または1.2を超える場合には、印字時のインクおよび処理液のドットずれが大きく、例えば細いラインや文字等の画像を記録する場合には処理液の効果が発現しなくなる場合がある。
また、印字に際しては、記録媒体表面の同一領域に対して、記録ヘッドから処理液を先に吐出した後にインクを吐出してもよいし、その逆であってもよい。この場合の処理液の吐出とインクと吐出との時間差(吐出時間差)は0.01msec〜1000msecの範囲内であることが好ましく、10msec〜500msecの範囲内であることがより好ましい。
吐出時間差が、0.01msec未満であると、画像むらが発生しやすなる場合があり、1000msecを超えると濃度が低下する場合がある。
−インク−
次に、本発明に用いられるインクについて説明する。本発明に用いられるインクは、少なくとも色材を含有するものであり、その他、水、水溶性有機溶媒、及び界面活性剤などを含有し、必要に応じて他の成分を含有してもよい。
上記インクに使用される色材は、染料、顔料どちらでも構わないが、特に1種以上の顔料が好ましい。これは、染料に比べて顔料の方が、液体組成物との混合時に凝集が生じやすいためであると考えている。また特に、近年オフィスで文字に多用されるブラック画像の要求が高いため、ブラック(黒色)インクには、画像の耐水性、耐光性に優れた黒色顔料であるカーボンブラックを使用することが好ましい。また、顔料の中でも、顔料が高分子分散剤により分散されている顔料、自己分散可能な顔料、樹脂により被覆された顔料が好ましい。
本発明において使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料では、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色または淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用しても良い。また、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も顔料として使用することも可能である。更には、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
前記顔料の具体例としては、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000ULTRAII、Raven3500、Raven2500ULTRA、Raven2000、Raven1500、Raven1255、Raven1250、Raven1200、Raven1190ULTRAII、Raven1170、Raven1080ULTRA、Raven1060ULTRA、Raven790ULTRA、Raven780ULTRA、Raven760ULTRA(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color BlackS150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Printex 140V、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black4(以上、デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等を使用することができが、これらに限定されるものではない。また、黒色顔料としては、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を用いてもよい。
本発明において使用される水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で安定に分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散可能な顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−250、Cab−o−jet−260、Cab−o−jet−270、Cab−o−jet−300、IJX−444、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2、さらには日本触媒社から販売されている自己分散顔料等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、−2、−3、−15、−15:1、−15:2、−15:3、−15:4、−16、−22、−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−5、−7、−12、−48、−48:1、−57、−112、−122、−123、−146、−168、−184、−202等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
さらにイエロー色の顔料としては、C.I.Pigment Yellow−1、−2、−3、−12、−13、−14、−16、−17、−73、−74、−75、−83、−93、−95、−97、−98、−114、−128、−129、−138、−151、−154、−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また各色色材として、色材が各種樹脂でカプセル化されたいわゆるカプセル染料・顔料を使用してもよい。
一方、本発明に用いられる染料としては、水溶性染料、分散染料いずれも使用できる。
水溶性染料の具体例としては、C.I.Direct Black−2、−4、−9、−11、−17、−19、−22、−32、−80、−151、−154、−168、−171、−194、−195、C.I.Direct Blue−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−112、−142、−165、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236、−287、−307、C.I.Direct Red−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110、−189、−227、C.I.Direct Yellow−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−58、−86、−87、−88、−132、−135、−142、−144、−173、C.I.Food Black−1、−2、C.I.Acid Black−1、−2、−7、−16、−24、−26、−28、−31、−48、−52、−63、−107、−112、−118、−119、−121、−156、−172、−194、−208、C.I.Acid Blue−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−83、−90、−102、−104、−111、−185、−249、−254、C.I.Acid Red−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−52、−110、−144、−180、−249、−257、−289、C.I.Acid Yellow−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−18、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76、−78、−79、−122などが挙げられる。
分散染料の具体例としては、C.I.Disperse Yellow−3、−5、−7、−8、−42、−54、−64、−79、−82、−83、−93、−100、−119、−122、−126、−160、−184:1、−186、−198、−204、−224、C.I.Disperse Orange−13、−29、−31:1、−33、−49、−54、−66、−73、−119、−163、C.I.Disperse Red−1、−4、−11、−17、−19、−54、−60、−72、−73、−86、−92、−93、−126、−127、−135、−145、−154、−164、−167:1、−177、−181、−207、−239、−240、−258、−278、−283、−311、−343、−348、−356、−362、C.I.Disperse Violet−33、C.I.Disperse Blue−14、−26、−56、−60、−73、−87、−128、−143、−154、−165、−165:1、−176、−183、−185、−201、−214、−224、−257、−287、−354、−365、−368、C.I.Disperse Green−6:1、−9などが挙げられる。
本発明に用いられる色材は、インクの全質量に対し1〜15質量%の範囲で含まれることが好ましく、2〜10質量%の範囲で含まれることがより好ましい。インク中の色材量が1質量%未満の場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、色材量が15質量%よりも多い場合には、液体の噴射特性が不安定となる場合ある。
本発明においては、インクに保湿性能を高め液体粘度を調整する材料として水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。
水溶性有機溶媒としては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、あるいは、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルオキシド等の含硫黄溶媒、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明に使用される水溶性有機溶媒は、単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。水溶性有機溶媒はインク全質量に対し1〜60質量%の範囲で含まれることが好ましく、更には5〜40質量%の範囲で含まれることがより好ましい。
インクには通常水が用いられるが、この水は、イオン交換水、蒸留水、純水、超純水等を用いることができる。
インクに含まれる水の含有量は、20〜80質量%の範囲、特に30〜60質量%の範囲とすることが好ましい。20質量%未満となると、吐出安定性が低下する場合があり、正常に吐出しない場合がある。また、80質量%を超えると、長期保存安定性で劣る場合がある。
インクの液体粘度は、1〜15mPa・sの範囲であることが好ましい。粘度が1mPa・sより粘度が小さいと、記録媒体上での増粘が十分でなく良好な画質が得られない場合があり、また、吐出安定性等も損なわれる場合が発生する場合がある。また15mPa・sを超えると、吐出安定性が十分でなく、画像抜け・カスレが発生する場合がある。
さらに、インクには、画像濃度、にじみ、色間にじみ、画像均一性の向上効果を増幅させ、目詰まり、吐出応答性・吐出安定性、保存安定性を調整するために、水溶性樹脂を加えることもできる。特に、インクに水溶性樹脂を含有させると、画質向上効果が大きくなる。これは、水溶性樹脂を添加することにより、色材同士のネットワーク化を補助し、インク中にて色材が3次元構造をとりやすくするため、処理液と混合した際の増粘が促進・増幅されるためであると推測される。また、水溶性樹脂を添加することにより画像が形成された後も記録媒体上でネットワーク構造を保持できるため、定着性、耐擦性に優れた画像を提供することができる。
前記水溶性樹脂としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する化合物などが有効に使用でき、具体的には、縮合系重合体および付加重合体などが挙げられる。上記縮合系重合体としてはポリエステル系重合体が挙げられ、一方、付加重合体としてはα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの付加重合体が挙げられる。また、付加重合体としては、例えば、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーと疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーを適宜組み合わせて共重合したものなどが使用される。さらに、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体も使用できる。
上記親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有するモノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等がある。
一方、疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等がある。
上記親水基および疎水基を有するモノマーを共重合することにより得られる共重合体は、ランダム、ブロック、及びグラフト共重合体等いずれの構造でもよい。
好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
これらの共重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマーを適宜共重合させても良い。また、酸性官能基を表面に有する顔料との親和性を高め、分散安定性を良くするため、カチオン性の官能基を有するモノマー、例えばN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、N−ビニルピロール、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール等を適宜共重合させてもよい。
また、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアルギン酸、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリアミド類、ポリビニルイミダゾリン、アミノアルキルアクリレート・アクリルアミド共重合体、キトサン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類とその誘導体等も有効に使用できる。
特に限定するわけではないが、水溶性樹脂の親水基はカルボン酸またはカルボン酸の塩であることが好ましい。これは、特に親水基にカルボン酸を用いた場合には、記録媒体上の色材の凝集度合いが適度であるためと考えられる。
これらの水溶性樹脂のうち、親水基が酸性基である共重合体は、水溶性を高めるため、塩基性化合物との塩の状態で使用することが好ましい。
これらの重合体と塩を形成する化合物としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン類;モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルコールアミン類;アンモニア;等が使用できる。
好ましくは、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類の塩基性化合物が使用される。これは、アルカリ金属類は強電解質であり、親水基の解離を促進させる効果があるためと考えられる。
前記水溶性樹脂の中和量としては、共重合体の酸価に対して60%以上中和されていることがより好ましく、更に好ましくは、共重合体の酸価に対して80%以上中和されていることである。
なお、これら水溶性樹脂は、単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。
その他、本発明に用いられるインクには、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、グルコース、フルクトース、マンニット、D−ソルビット、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、シクロアミロース、マルチトール等多糖類及びその誘導体、その他ポリマーエマルション、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド等を用いることができる。
また、必要に応じて、酸化防止剤、防カビ剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等を含有させてもよい。該キレート化剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、イミノ二酢酸(IDA)、エチレンジアミンージ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’,N’−五酢酸(DTPA)、グリコールエーテルジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(GEDTA)等が挙げられる。
これらに加えて、2次障害が出ない程度に電解質やカチオン性物質を使用してもよい。電解質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、及びアルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオンなどが挙げられる。
また、本発明に用いられるインクには、浸透剤として界面活性剤等を含有してもよい。
上記界面活性剤としてはノニオン、アニオン、カチオン、両性いずれの界面活性剤でも使用できる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレンアルコールエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル等があげられる。
前記アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩およびスルホン酸塩、並びに高級アルキルスルホコハク酸塩等を添加してもよい。
前記カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
また、前記両性界面活性剤としては、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾリン等が使用できる。その他、ポリシロキサンポリオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤やオキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルなどのフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチンなどのバイオサーファクタントなども使用できる。
これらの界面活性剤は単独でも2種以上を混合して使用することもできる。インク中に含まれる界面活性剤量は、表面張力や濡れ性の兼ね合いから、インク全質量に対して合計で0.001〜10質量%の範囲であることが望ましい。
本発明に用いられるインクは、表面張力が20〜60mN/mの範囲であることが好ましい。
ここで、上記表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
−液体組成物(処理液)−
本発明に用いられる液体組成物は、インクを凝集及び/または増粘させる成分を含むものであり、前述の水、水溶性有機溶媒、界面活性剤、を基本成分として含有し、さらにインクを凝集及び/または増粘させる成分(インク凝集剤)としては、インク中に含まれる色材の種類に応じて選択することができる。
表面にアニオン性基を有する色材を含有するインクに対しては、インク凝集剤として電解質化合物又はカチオン性化合物等を用いることが好ましい。
前記電解質化合物の電解質成分としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン及び、アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等の多価金属イオンと、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸、および、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機カルボン酸及び、有機スルホン酸の塩等が挙げられる。
上記に列挙した電解質を含むインク凝集剤の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸カリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム等のアルカリ金属類の塩、および、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、蓚酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等の多価金属類の塩等が挙げられる。
一方、前記カチオン性化合物としては、1級、2級、3級および4級アミンおよびそれらの塩等が挙げられる。
前記カチオン性化合物からなるインク凝集剤の具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩、ポリアミン等が挙げられ、例えば、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、ジプロピルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体等が挙げられる。
なお、上記に列挙したインク凝集剤の内でもより好ましいものとしては、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸スズ、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸アルミニウム、モノアリルアミン重合体、ジアリルアミン重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体等が挙げられる。
一方、表面にカチオン性基を有する色材を含有するインクに対しては、インク凝集剤としてアニオン性化合物等を用いることが好ましい。
前記アニオン化合物としては、有機カルボン酸または有機スルホン酸、およびそれらの塩等が挙げられる。具体的には、有機カルボン酸としては、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等が挙げられ、これらの基本構造を複数個有するオリゴマー、ポリマーであってもよい。また、有機スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の化合物が挙げられ、これら基本構造を複数個有するオリゴマー、ポリマーでも構わない。
インク凝集液中に含まれるインク凝集剤は、1種類のみでもよいが、2種類以上を用いてもよい。また、インク凝集液中のインク凝集剤の含有量としては、0.1〜15質量%の範囲内が好ましく、0.5〜10質量%の範囲内がより好ましい。
また、本発明に用いられる液体組成物中には、水溶性ポリマー、水溶性オリゴマー、樹脂エマルジョン、無機酸化物の1種以上を含むことができる。
上記樹脂エマルションとしては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂系、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリブテン系樹脂、各種ワックス類等が挙げられる。また、市販のエマルションとしては、例えばボンコート4001(アクリル系樹脂エマルション、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルション、大日本インキ化学工業株式会社製)、J−74J、J−734(ジョンクリル社製) 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
樹脂エマルションは、樹脂・ワックス類を機械的に水性媒体中に微細化・分散したり、乳化重合・分散重合・懸濁重合などで微粒子を直接重合し作製してもよい。本発明における好ましい様態としては、これらの樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが望ましい。その粒子形状は、球形その他任意で良い。乳化重合の場合、乳化剤を用いても、ソープフリーでもどちらでもよい。
また、前記無機酸化物としては、高分子量の無水珪酸(SiO2)やアルミナ(Al23)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの樹脂エマルションまたは無機酸化物コロイドの体積平均粒子径は、10nm〜2μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、50〜500nmの範囲である。体積平均粒子径が2μmより大きいと、液体組成物の吐出安定性や放置時の安定性に問題が生じ易い。また、10nmより小さいとノズルの放置回復性等に問題が生じ易い。
また、その添加量は、液体組成物中に固形分量で0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。0.1質量%未満では、印字物の定着性改善の効果がなく濃度も低下する場合がある。10質量%を超えて添加すると、吐出安定性の低下や、画像乾燥性の悪化が見られる場合がある。
また、上記液体組成物は無色透明液として使用しても、色材を含有した例えばカラーインクとして使用してもよい。なお後者の場合、液体組成物にはさらに前記と同様の色材が含まれることが好ましい。そして、液体組成物に含まれる上記色材としては、前記インクの場合と同様に顔料であることが好ましい。
上記液体組成物に色材が含まれる場合には、該色材は液体組成物の全質量に対し1〜15質量%の範囲で含まれることが好ましく、2〜10質量%の範囲で含まれることがより好ましい。
また、本発明における液体組成物の表面張力は、20〜40mN/mの範囲であることが好ましい。このような範囲の場合に、画像乾燥時間が早くかつ画質効果の両立が実現できやすい。
なお、上記表面張力は、前記同様ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。
なお、本発明に用いられるインクおよび処理液の記録媒体に対する浸透速度は双方共に5秒以下であることが好ましく、3秒以下であることがより好ましい。
また、浸透速度は、使用する記録媒体との関係で異なってくるが、例えば、一般的な用紙である普通紙に対して、浸透速度を5秒以下とするには、インクおよび処理液に用いる界面活性剤や浸透性溶媒の種類・量を制御することで容易に実現できる。
また、記録媒体に対する浸透速度は、インクよりも処理液の方が大きいことが好ましい。浸透速度が、インクよりも処理液の方が小さいとドライングが遅くなる場合や画像むらが発生する場合がある。なお、当該浸透速度は、100%カバレッジパターンを印字してから所定の時間経過後に印字パターン上に別のP紙(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)を1.9×104N/m2の荷重で押し当て、この時、押し当てたP紙側にインクが転写されなくなる時間として求めることができる。
<インクジェット記録装置>
次に、本発明のインクジェット記録装置について説明する。本発明のインクジェット記録装置は、上述した本発明のインクジェット記録方法が利用できる構成を有するものであれば特に限定されないが、具体的には、少なくとも色材を含有するインクと、少なくともインクを凝集及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを用い、インクの液滴を吐出する1以上の吐出口と、液体組成物を吐出する1以上の吐出口とを有する記録ヘッドを少なくとも備え、記録ヘッドから、インクの液滴と、液体組成物の液滴とを記録媒体表面の少なくとも同一領域に吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置を用いることができる。
すなわち、基本的には、インクと処理液とを吐出する記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であれば、公知の構成を有するインクジェット記録装置を本発明のインクジェット記録装置として利用することができる。
但し、従来のインクジェット記録装置では、画像を形成する際の付与比率Rは1水準のみである。このため、付与比率Rが2水準以上で、インクおよび処理液を記録媒体表面に付与できるような機能および/または構成を新たに付加することが必要である。
このような機能や構成を付加するためには、付与比率Rが1の水準に設定された記録ヘッドの他に、新たに、付与比率Rが他の水準に設定された記録ヘッドを搭載することも可能ではあるが、実用上は、記録ヘッドから吐出されるインクおよび処理液の付与量を制御することが好ましい。
このような付与比率Rを2水準以上として、1の水準と他の水準とを切り替えながら画像を形成するための制御手段としては、例えば、以下に説明するような制御手段が挙げられる。
すなわち、このような制御手段としては、(1)最終的に記録媒体上に再現される画像の原稿画像データーから、第1の連続画像部と、第2の連続画像部とを判別する原稿画像データー解析手段と、(2)判別された結果に基づいて記録ヘッドから吐出されるインクの単位面積当たりの付与量Iおよび液体組成物の単位面積当たりの付与量Sを、第1の連続画像部を形成する場合には第1の付与比率R1となるように制御し、第2の連続画像部を形成する場合には第2の付与比率R2となるように制御する印字制御手段とを含むものであることが好ましい。
なお、本発明のインクジェト記録装置が、スキャナ等の原稿画像情報読み取り手段を有せず、パソコン等の外部の機器から原稿画像データーを受け取ってプリントアウトするような場合には、原稿画像データー解析手段は、インクジェト記録装置本体内ではなく、これと接続された外部機器側に設けられていてもよい。
以上に説明したような点を除けば、本発明のインクジェット記録装置のその他の構成は従来のインクジェット記録装置と同様とすることができる。例えば、インク及び処理液の記録ヘッドへの補給(供給)は、インク及び処理液の各液体が満たされたインクタンク(処理液タンクを含む)から行われることがよい。このインクタンクは、装置本体に脱着可能なカートリッジ方式であることがよく、このカートリッジ方式のインクタンクを交換することで、インク及び処理液の補給が簡易に行われる。
以下、図面を参照しながら本発明のインクジェット記録装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、実質的に同様の機能を有する部材については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本発明のインクジェット記録装置の好適な一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。図2は、図1のインクジェット記録装置(以下、画像形成装置と称する)における内部の基本構成を示す斜視図である。
本実施形態の画像形成装置100は、前述の本発明のインクジェット記録方法に基づいて作動し画像を形成する構成を有している。
すなわち、図1及び図2に示すように、画像形成装置100は、主として、外部カバー6と、普通紙などの記録媒体1を所定量載置可能なトレイ7と、記録媒体1を画像形成装置100内部に1枚毎に搬送するための搬送ローラ(搬送手段)2と、記録媒体1の面にインク及び処理液を吐出して画像を形成する画像形成部8(画像形成手段)と、画像形成部8のそれぞれのサブインクタンク5へインク及び処理液を補給するメインインクタンク4と、から構成されている。
なお、図1及び図2に示す画像形成装置100は、パソコン等の外部の機器から原稿画像データーを受け取ってプリントアウトするタイプの装置であり、原稿画像データー解析手段は、画像形成装置100本体内ではなく、これと接続された外部機器側に設けられている。
搬送ローラ2は画像形成装置100内に回転可能に配設された一対のローラで構成された紙送り機構であり、トレイ7にセットされた記録媒体1を挟持するとともに、所定量の記録媒体1を所定のタイミングで1枚毎に画像形成装置100内部に搬送する。
画像形成部8は記録媒体1の面上にインクによる画像を形成する。画像形成部8は、主として記録ヘッド3と、サブインクタンク5と、給電信号ケーブル9と、キャリッジ10と、ガイドロッド11と、タイミングベルト12と、駆動プーリ13と、メンテナンスユニット14とから構成されている。
サブインクタンク5はそれぞれ異なる色のインク及び処理液が記録ヘッドから吐出可能に納められたサブインクタンク51、52、53、54、55を有している。これらには、例えば、第1の液体として、ブラックインク(K)、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、シアンインク(C)が、第2の液体として処理液がメインインクタンク4から補給され納められている。
サブインクタンク5には、それぞれ排気孔56と補給孔57とが設けられている。そして、記録ヘッド3が待機位置(もしくは補給位置)に移動したとき、排気孔56及び補給孔57に補給装置15の排気用ピン151及び補給用ピン152がそれぞれ挿入されることで、サブインクタンク5と補給装置15とが連結可能となっている。また、補給装置15はメインインクタンク4と補給管16を介して連結されており、補給装置15によりメインインクタンク4から補給孔57を通じてサブインクタンク5へとインク又は処理液を補給する。
ここで、メインインクタンク4も、それぞれ異なる色のインク及び処理液が納めされたメインインクタンク41、42、43、44、45を有している。そして、これらには、例えば、第1の液体として、ブラックインク(K)、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、シアンインク(C)が、第2の液体として処理液が満たされ、それぞれが画像形成装置100に脱着可能に格納されている。
さらに、記録ヘッド3には給電信号ケーブル9とサブインクタンク5が接続されており、給電信号ケーブル9から外部の画像記録情報が記録ヘッド3に入力されると、記録ヘッド3はこの画像記録情報に基づき各サブインクタンク5から所定量のインクを吸引して記録媒体の面上に吐出する。なお、給電信号ケーブル9は画像記録情報の他に記録ヘッド3を駆動するために必要な電力を記録ヘッド3に供給する役割も担っている。
また、この記録ヘッド3はキャリッジ10上に配置されて保持されており、キャリッジ10はガイドロッド11、駆動プーリ13に接続されたタイミングベルト12が接続されている。このような構成により、記録ヘッド3はガイドロッド11に沿うようにして、記録媒体1の面と平行でありかつ記録媒体1の搬送方向X(副走査方向)に対して垂直な方向Y(主走査方向)にも移動可能となる。
画像形成装置100には、画像記録情報に基づいて記録ヘッド3の駆動タイミングとキャリッジ10の駆動タイミングとを調製する制御手段(図示せず)が備えられている。これにより、搬送方向Xにそって、所定の速度で搬送される記録媒体1の面の所定領域に画像記録情報に基づく画像を連続的に形成することができる。
メンテナンスユニット14は、チューブを介して減圧装置(図示せず)に接続されている。更にこのメンテナンスユニット14は、記録ヘッド3のノズル部分に接続し、記録ヘッド3のノズル内を減圧状態にすることにより記録ヘッド3のノズルからインクを吸引する機能を有している。このメンテナンスユニット14を設けておくことにより、必要に応じて画像形成装置100が作動中にノズルに付着した余分なインクを除去したり、作動停止状態のときにノズルからのインクの蒸発を抑制することができる。
図3は本発明のインクジェット記録装置の好適な他の一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。図4は、図3のインクジェット記録装置(以下、画像形成装置と称する)における内部の基本構成を示す斜視図である。本実施形態の画像形成装置101は、前述の本発明のインクジェット記録方法に基づいて作動し画像を形成する構成を有している。
なお、図3及び図4に示す画像形成装置101は、パソコン等の外部の機器から原稿画像データーを受け取ってプリントアウトするタイプの装置であり、原稿画像データー解析手段は、画像形成装置101本体内ではなく、これと接続された外部機器側に設けられている。
図3及び図4に示す画像形成装置101は、記録ヘッド3の幅が記録媒体1幅と同じ又はそれ以上であり、キャリッジ機構を持たず、副走査方向(記録媒体1の搬送方向:矢印X方向)の紙送り機構(本実施形態では搬送ローラ2を示しているが、例えばベルト式の紙送り機構でもよい)で構成されている。
また、図示しないが、サブインクタンク51〜55を副走査方向(記録媒体1の搬送方向:矢印X方向)に順次配列させるのと同様に、各色(処理液も含む)を吐出するノズル群も副走査方向に配列させている。これ以外の構成は、図1及び2に示す画像形成装置100と同様なので説明を省略する。なお、図中、記録ヘッド3は移動しないので、サブインクタンク5は補給装置15と常時連結した構成を示しているが、インク補給時に補給装置15と連結する構成でもよい。
図3及び図4に示す画像形成装置101では、記録媒体1の幅方向(主走査方向)の印字を記録ヘッド3により一括で行うため、キャリッジ機構を持つ方式に比べ、装置の構成が簡易であり、印字速度も速くなる。
<プログラム>
次に、本発明を利用したインクジェット記録において好適に用いることができるプログラムについて説明する。
本発明のプログラムは、液滴吐出手段から、少なくとも色材を含有するインクの液滴と、少なくとも前記インクを凝集及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物の液滴とを記録媒体表面の少なくとも同一領域に吐出することにより、原稿画像データーに対応する画像を記録する際の、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iに対する前記液体組成物の付与量Sの付与比率Rを決定するプログラムであって、(1)前記原稿画像データを取得する原稿画像データ取得ステップと、(2)前記原稿画像データについて、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が一定値以上で且つ特定の形状を有する図形からなる第1の連続画像部と、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が前記一定値未満で且つ前記特定の形状を有する図形からなる第2の連続画像部とを含むか否かを判別する原稿画像判別ステップと、(3)前記原稿画像データが前記第1の連続画像部と前記第2の連続画像部とを含む場合に、前記2種類の連続画像部に対して各々異なる水準の付与比率を割り当て、前記原稿画像データが前記第1の連続画像部または前記第2の連続画像部のいずれかのみを含む場合に、前記原稿画像データに含まれる前記いずれかの連続画像部に対して1水準の付与比率Rを割り当てる付与比率決定ステップと、(4)前記原稿画像データに含まれる各々の連続画像部に対して割り当てられた付与比率Rの情報を含む印字命令情報を、前記液滴吐出手段を含む画像記録手段に転送し、前記画像の記録を実施させる印字命令ステップとを含むことが好ましい。
ここで、原稿画像データ取得ステップは、スキャナ等の外部入力機器を介してもよいし、パソコン等の印字用のデジタルデータをそのまま取りこんでもよい。
原稿画像判別ステップは、印字しようとする特定の領域について、第1の連続画像部と第2の連続画像部とが含まれているか否かを判別するものであり、必要に応じて公知の画像処理技法を利用することができる。判別を実施する単位は特に限定されないが、例えば1ページ単位でも実施でき、1ページをいつくかのエリアに分割して、分割された領域毎に実施することもできる。
付与比率決定ステップは、第1の連続画像部と第2の連続画像部とが含まれる場合に付与比率を2水準とし、いずれか一方しか含まれない場合は付与比率を1水準とする。なお、通常は、第1の連続画像部に対して割り当てられる第1の付与比率R1と、第2の連続画像部に対して割り当てられる第2の付与比率R2とは、R1>R2なる関係を満たすことが好ましい。
印字命令ステップでは、上記2つのステップにおいて、処理の対象となった原稿画像データに含まれる各々の連続画像部に対して割り当てられた付与比率Rの情報を含む印字命令情報を、液滴吐出手段を含む画像記録手段に転送して、画像の記録を実施させるものである。なお、印字命令情報は、少なくとも液滴吐出手段に対して転送されるが、その他の画像記録手段(例えば、記録媒体の搬送を制御する搬送手段等)に転送し、印字に際して複数の画像記録手段を連動させるようにしてもよい。
次に、画像を形成する際の付与比率の制御を具体例を挙げてに説明する。図5は付与比率の制御手順の一例を示すフローチャートであり、原稿画像データ取得ステップ30、原稿画像判別ステップ31、付与比率決定ステップ32、33、および、印字命令ステップ34を含む。付与比率Rの制御に際しては、原稿画像データ取得ステップ30の次に、原稿画像判別ステップ31が実施され、続いて、付与比率決定ステップ32または付与比率決定ステップ33を実施後に、印字命令ステップ34が実施される。以下、各ステップについて順に説明する。
まず、印字命令を受けて原稿画像データ(被記録画像のデータ)をメモリバッファー内へ展開する(原稿画像データ取得ステップ30)。
次に、1ページの画像内で、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が一定値以上で且つ特定の形状を有する図形からなる第1の連続画像部(A1)と、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が前記一定値未満で且つ前記特定の形状を有する図形からなる第2の連続画像部(A2)を含むかどうかを判別する(原稿画像判別ステップ31)。
原稿画像判別ステップで処理の対象となった画像内で、A1及びA2に該当する連続画像部を同時に含む場合(図中、「Y」の場合)は、前記第1の連続画像部を形成する際の第1の付与比率R1と、前記第2の連続画像部を形成する際の第2の付与比率R2とが、R1>R2となるように各画像部形成時のインクに対する処理液の付与量(付与比率)を決定し、第1の連続画像部に対して付与比率R1を、第2の連続画像部に対して付与比率R2を割り当てる印字命令情報を作成する(付与比率決定ステップ32)。
一方、原稿画像判別ステップで処理の対象となった画像内で、A1またはA2に該当する連続画像部のいずれか一方しか含まない場合(図中、「N」の場合)は、付与比率が一定(R1またはR2のいずれか)となるように印字命令情報を作成する(付与比率決定ステップ33)。
続いて、付与比率決定ステップで作成された印字命令情報を、液滴吐出手段等を含む画像形成手段に転送して、印字を実施する(印字命令ステップ34)。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
<インクおよび処理液の調整>
下記に示すインクA及び処理液Aの組成に従って、適量の顔料分散液に、水溶性有機溶媒、界面活性剤、イオン交換水等を適量加え、各材料が所定量含まれるように調製し、これを、混合、攪拌し、目開き1μmフィルターで濾過して、所望のインク及び液体組成物を得た。
−インクAの調整−
・Cabojet−300(キャボット社製、自己分散顔料/カルボン酸基):4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.5質量%
・ジエチレングリコール:15質量%
・グリセリン:5質量%
・尿素:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1.0質量%
・イオン交換水:残部
−処理液Aの調整−
・ジエチレングリコール:20質量%
・2−ピロリドン−5−カルボン酸(複素環式化合物):1質量%
・水酸化ナトリウム:0.25質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
−記録媒体−
印字テストに利用した記録媒体としては、A4用紙(210×297mm、P紙、富士ゼロックスオフィスサプライ社製)を用いた。
なお、この用紙に対するインクAの浸透速度は1秒であり、処理液Aの浸透速度は0.5秒である。
<印字テスト>
印字テストには、上記のインクAおよび処理液Aを用い、1200dpi、360ノズルの記録ヘッドを備えたピエゾインクジェット方式の試作記録装置(富士ゼロックス社製)を使用した。
なお、この記録装置は、印字しようとする原稿画像情報を構成する文字、ベタ画像、ラインなどの各画像パターンの最大円の直径のサイズと、各画像パターンが文字、ベタ画像、ラインのいずれの画像パターンに分類されるのかとを判別し、この判別結果を元に記録ヘッドを制御することによって、印字時に付与比率Rを変更できるように改造したものである。
印字テストにおいては、記録ヘッドのスキャンスピード、処理液を吐出してからインクを吐出するまでの時間、印字環境は、全て以下の条件にて実施し、記録ヘッドのピエゾ素子に印加する電圧の波形も一定(同一印加波形条件)とした。
また、記録ヘッドから吐出されるインクや処理液のドロップ量(1液滴当たりの液体量)や、インクや処理液を吐出する際のカバレッジは、後述するように適宜調整した。
・記録ヘッドのスキャンスピード:57.15cm/秒
・処理液を吐出してからインクを吐出するまでの時間:18msec
・印字環境:温度:23±0.5℃、湿度:55±5%RH
上述した条件にて、図6に示すように、サイズの異なるベタパターン(5cm×5cm、1cm×1cm、0.25cm×0.25cm)、フォントの異なるゴシック文字(100point、72point)、および、線幅が異なるライン線(20point、4point)の各画像パターンからなる画像をA4用紙の片面全面に印字し、この際の画像ムラ・裏抜けと、用紙全体のカールカックルとを、付与比率を1水準に固定して印字した場合と、2水準以上で印字した場合とで各々評価した。
なお、印字に際しては、付与比率Rを1水準のみで固定して印字した場合のベタパターン、ゴシック文字およびライン線の各イメージの大きさ毎に画像ムラ・裏抜けおよびカールカックルを評価すると共に、付与比率Rを2水準ないし3水準として、各画像パターン毎に付与比率を変えて印字した場合の画像ムラ・裏抜けおよびカールカックルについても評価した。結果を以下の表1〜9に示す。
なお、表1はインクのドロップ量を10pl、処理液のドロップ量を4plに固定して印字した場合の画像ムラ・裏抜けの評価結果を、各画像パターンおよび付与比率Rに対して示したものである。
表1に示す印字テストにおいて、単位面積当たりのインク量Iは、インクのカバレッジを100%(画像部分100%印字パターン)、80%(画像部分80%印字パターン)、50%(画像部分50%印字パターン)に変えることにより調整し、付与比率Rは、処理液のカバレッジを変えることにより調整した。
ここで、付与比率Rを固定した条件で各画像パターンを印字した結果を比較例とした。例えば、表1中、他に面積当たりのインク量を1.12mg/cm2、付与比率Rを0.1として、図6に示す各画像パターンを印字した場合を比較例A1とした。
但し、画像部分100%印字パターンや、画像部分80%印字パターンに比べて、単位面積当たりのインク量Iが0.65mg/cm2以下となると、実用上、十分な画像濃度が得られないため、画像部分50%印字パターンについては、参考例として示した。
同様に、表3,5,7は、表1に示す印字テストに対して、インクおよび処理液のドロップ量の組合わせを変えた場合の画像ムラ・裏抜けを示したものである。
なお、付与比率Rは、表3および表5に示す印字テストでは、処理液のカバレッジを変えることにより調整し、表7に示す印字テストでは、処理液のカバレッジを固定して、ドロップ量を1、2乃至3plと変えることにより調整した。表1に加え、表3,5,7に示す印字テストのインクおよび処理液のドロップ量の組合わせについては表9に示した。
また、表2は、表1の印字テストにおいて、単位面積当たりのインク量Iを固定した条件にて、各画像パターン毎に付与比率Rを変えて印字した場合の、画像パターンと付与比率Rとの組合わせを示したものである。
例えば、実施例A1は、表2中の「実施例A1」と記入された画像パターンおよび付与比率Rの組合わせで図6に示す画像を印字したことを示しており、実施例B1は、表2中の「実施例B1」と記入された画像パターンおよび付与比率Rの組合わせで図6に示す画像を印字したことを示している。
なお、各画像パターンに対する付与比率Rの選択は、各画像パターン(の輪郭線)内で描くことができる最大円の直径が0.3cm以上か否かを第1の選択基準とした。すなわち、最大円の直径が0.3cm未満であれば、最も小さい付与比率Rを選択した。
また、付与比率Rが3水準である場合において、最大円の直径が0.3cm以上の場合における付与比率Rの選択基準(第2の選択基準)は、表1に示される画像ムラ・裏抜けの評価結果を参考に評価結果が「○(あるいは○−)」以上が得られるように選択した。
同様に、表4は、表3に示す印字テストに対して、表6は、表5に示す印字テストに対して、また、表8は、表7に示す印字テストに対して、単位面積当たりのインク量Iを固定した条件にて、各画像パターン毎に付与比率Rを変えて印字した場合の、画像パターンと付与比率Rとの組合わせを示したものである。
また、表9は、表1〜8に示す条件にて印字した場合の各実施例および比較例における用紙全体のカールカックルと、画像ムラ・裏抜け(用紙全体中で、最も評価が悪かった画像パターンの画像ムラ・裏抜け)と、印字時の付与比率Rの水準数およびドロップ量とを示したものである。
表9からわかるように、いずれの実施例においても、カールカックルを抑制できると共に、画像ムラ・裏抜けも良好であることが判った。一方、比較例では、カールカックルが良好である場合には、いずれかの画像パターンで画像ムラ・裏抜けが悪化しており、全ての画像パターンで画像ムラ・裏抜け抑制できた場合には、カールカックルが悪化し、実施例と比べると、カールカックルの抑制と、画像ムラ・裏抜けの抑制とを、高いレベルで両立させることができないことがわかった。
一方、表1〜9に示されるいずれの参考例においてもカールカックルの抑制と、画像ムラ・裏抜けの抑制とを、高いレベルで両立させることができたものの、単位面積当たりのインク量が少な過ぎるために画像濃度が薄く、実施例や比較例では、十分な画像濃度が得られたのに対して、実用に耐え得るものではなかった。
なお、表1〜9中に示す画像ムラ・裏抜けおよびカールカックルの評価方法および評価基準は以下の通りである。
−画像ムラ・裏抜け−
画像ムラ・裏抜けは、印字サンプルに対し目視にて官能評価を行った。評価基準は以下のとうりである。
◎:ムラの発生が見られない
○:わずかにムラがあるがあまり目立たない
△:ややムラが目立つ
×:激しいムラが発生
なお、表1〜9中、各記号に”+”または”−”を付した評価は、2つの評価基準の中間的な評価結果を意味する。
−カールカックル−
カールカックルは、印字サンプルを放置し、印字直後および24時間の用紙変形を目視にて観察した。評価基準は以下の通りである。
◎:用紙変形がほとんど見られない
○:わずかに用紙変形が見られる
△:用紙変形が目立つ
×:大きく変形した
なお、表1〜9中、各記号に”+”または”−”を付した評価は、2つの評価基準の中間的な評価結果を意味する。
本発明のインクジェット記録装置の好適な一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。 図1のインクジェット記録装置における内部の基本構成を示す斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置の好適な他の一実施形態の外観構成を示す斜視図である。 図3のインクジェット記録装置における内部の基本構成を示す斜視図である。 付与比率の制御手順を示すフローチャートである。 実施例の印字テストで印字した画像を示す模式図である。
符号の説明
1 記録媒体
2 搬送ローラ
3 記録ヘッド
4 メインインクタンク
5 サブインクタンク
6 外部カバー
7 トレイ
8 画像形成部
9 給電信号ケーブル
10 キャリッジ
11 ガイドロッド
12 タイミングベルト
13 駆動プーリ
14 メンテナンスユニット
15 補給装置
16 補給管
30 原稿画像データ取得ステップ
31 原稿画像判別ステップ
32,33 付与比率決定ステップ
34 印字命令ステップ
41〜45 メインインクタンク
51〜55 サブインクタンク
56 排気孔
57 補給孔
100、101 画像形成装置
151 排気用ピン
152 補給用ピン

Claims (19)

  1. 液滴吐出手段から、少なくとも色材を含有するインクの液滴と、少なくとも前記インクを凝集及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物の液滴とを記録媒体表面の少なくとも同一領域に吐出することにより画像を記録するインクジェット記録方法において、
    前記液体組成物の1液滴あたりの液体量(d liq )と、前記インクの1液滴あたりの液体量(d ink )との比率が、0.1≦d liq /d ink ≦0.7であり、
    前記画像を形成する際の、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iに対する前記液体組成物の付与量Sの付与比率Rが、少なくとも2水準以上であるインクジェット記録方法。
  2. 前記画像が、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が一定値以上で且つ特定の形状を有する図形からなる第1の連続画像部と、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が前記一定値未満で且つ前記特定の形状を有する図形からなる第2の連続画像部とを含み、
    前記第1の連続画像部を形成する際の第1の付与比率R1と、前記第2の連続画像部を形成する際の第2の付与比率R2とが、下式(1)を満たす請求項1に記載のインクジェット記録方法。
    ・式(1) R1>R2
  3. 前記特定の形状を有する図形が、円である請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記画像を形成する際の前記インクの単位面積当たりの付与量が、0.65mg/cm以上であり、
    前記一定値が0.3cmである請求項2又は請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記第1の付与比率R1と、前記第2の付与比率R2とが、下式(2)および下式(3)を満たす請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
    ・式(2) 0.1<R1<1.0
    ・式(3) 0.05<R2<0.5
  6. 前記第1の連続画像部領域内において、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iと前記液体組成物の付与量Sが下式(4)を満たす請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
    ・式(4) I+S≦2.7mg/cm
  7. 前記液滴吐出手段から吐出される前記液体組成物の1液滴あたりの液体量が、2水準以上である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記液滴吐出手段が、一定の周期で変動する特定の波形を有する電圧を印加することにより変形する圧電素子を備え、前記圧電素子の変形を利用して、前記インクおよび前記液体組成物の液滴を吐出する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法であって、
    前記電圧の波形を変調することにより、前記インクおよび/または前記液体組成物の1液滴あたりの液滴量を、1の水準から他の水準に変化させるインクジェット記録方法。
  9. 前記液滴吐出手段が、一定の周期で変動する特定の波形を有する電圧を印加することにより変形する圧電素子を備え、前記圧電素子の変形を利用して、前記インクおよび前記液体組成物の液滴を吐出する機能を有し、
    前記画像の形成に際し、前記特定の波形が、前記液滴吐出手段から前記インクの液滴を吐出する場合と、前記液滴吐出手段から前記液体組成物の液滴を吐出する場合とで同一である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記液滴吐出手段から吐出される前記液体組成物の液滴の吐出速度(Vliq)と、前記液滴吐出手段から吐出される前記インクの液滴の吐出速度(Vink)とが、下式(5)を満たす請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
    ・式(5) 0.8≦Vliq/Vink≦1.2
  11. 前記液体組成物および前記インクから選択されるいずれか一方の液体を前記液滴吐出手段から吐出した後に、他方の液体を前記液滴吐出手段から吐出する請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法であって、
    前記一方の液体を吐出してから前記他方の液体を吐出するまでの時間が、0.01msec〜1000msecの範囲内であるインクジェット記録方法。
  12. 前記液体組成物が、少なくとも1種以上のカルボン酸塩を含む請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記記録媒体に対する前記インクおよび前記液体組成物の浸透速度がともに5秒以下である請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記記録媒体に対する前記液体組成物の浸透速度が、前記記録媒体に対する前記インクの浸透速度よりも大きい請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  15. 少なくとも色材を含有するインクと、少なくとも前記インクを凝集及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物とを用い、
    前記インクの液滴を吐出する1以上の吐出口と、前記液体組成物を吐出する1以上の吐出口とを有する液滴吐出手段を少なくとも備え、
    前記液滴吐出手段から、前記インクの液滴と、前記液体組成物の液滴とを記録媒体表面の少なくとも同一領域に吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記液体組成物の1液滴あたりの液体量(d liq )と、前記インクの1液滴あたりの液体量(d ink )との比率が、0.1≦d liq /d ink ≦0.7であり、
    前記画像を形成する際の、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iに対する前記液体組成物の付与量Sの付与比率Rが、少なくとも2水準以上であるインクジェット記録装置。
  16. 前記画像が、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が一定値以上で且つ特定の形状を有する図形からなる第1の連続画像部と、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が前記一定値未満で且つ前記特定の形状を有する図形からなる第2の連続画像部とを含み、
    前記第1の連続画像部を形成する際の第1の付与比率R1と、前記第2の連続画像部を形成する際の第2の付与比率R2とが、下式(6)を満たす請求項15に記載のインクジェット記録装置。
    ・式(6) R1>R2
  17. 前記特定の形状を有する図形が、円である請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  18. 前記画像の原稿画像データーから、前記第1の連続画像部と、前記第2の連続画像部とを判別する原稿画像データー解析手段と、
    前記判別された結果に基づいて前記液滴吐出手段から吐出される前記インクの単位面積当たりの付与量Iおよび前記液体組成物の単位面積当たりの付与量Sを、
    前記第1の連続画像部を形成する場合には前記第1の付与比率R1となるように制御し、前記第2の連続画像部を形成する場合には前記第2の付与比率R2となるように制御する印字制御手段とを備えた請求項16又は請求項17に記載のインクジェト記録装置。
  19. 液滴吐出手段から、少なくとも色材を含有するインクの液滴と、少なくとも前記インクを凝集及び/又は増粘させる成分を含有する液体組成物の液滴とを記録媒体表面の少なくとも同一領域に、前記液体組成物の1液滴あたりの液体量(d liq )と前記インクの1液滴あたりの液体量(d ink )との比率が0.1≦d liq /d ink ≦0.7の条件にて、吐出することにより、原稿画像データーに対応する画像を記録する際の、単位面積当たりに付与される前記インクの付与量Iに対する前記液体組成物の付与量Sの付与比率Rを決定するプログラムであって、
    前記原稿画像データを取得する原稿画像データ取得ステップと、
    前記原稿画像データについて、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が一定値以上で且つ特定の形状を有する図形からなる第1の連続画像部と、面積が最大となるように前記画像の輪郭線と接し、面積が前記一定値未満で且つ前記特定の形状を有する図形からなる第2の連続画像部とを含むか否かを判別する原稿画像判別ステップと、
    前記原稿画像データが前記第1の連続画像部と前記第2の連続画像部とを含む場合に、前記2種類の連続画像部に対して各々異なる水準の付与比率を割り当て、
    前記原稿画像データが前記第1の連続画像部または前記第2の連続画像部のいずれかのみを含む場合に、前記原稿画像データに含まれる前記いずれかの連続画像部に対して1水準の付与比率Rを割り当てる付与比率決定ステップと、
    前記原稿画像データに含まれる各々の連続画像部に対して割り当てられた付与比率Rの情報を含む印字命令情報を、前記液滴吐出手段を含む画像記録手段に転送し、前記画像の記録を実施させる印字命令ステップとを含むプログラム。
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